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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127888
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】デジタルファインガプリンティング
(51)【国際特許分類】
   G09C 5/00 20060101AFI20240912BHJP
   H04L 9/32 20060101ALI20240912BHJP
   G06K 7/14 20060101ALI20240912BHJP
   G06K 19/06 20060101ALI20240912BHJP
   A43B 13/14 20060101ALI20240912BHJP
   A43B 23/02 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
G09C5/00
H04L9/32 100C
G06K7/14 017
G06K19/06 037
G06K19/06 103
A43B13/14 A
A43B13/14 Z
A43B23/02 101Z
【審査請求】有
【請求項の数】25
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024092157
(22)【出願日】2024-06-06
(62)【分割の表示】P 2022534651の分割
【原出願日】2020-12-09
(31)【優先権主張番号】62/945,639
(32)【優先日】2019-12-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/031,118
(32)【優先日】2020-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】514144250
【氏名又は名称】ナイキ イノベイト シーブイ
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】ラヒミザド,ネーダー
(72)【発明者】
【氏名】アンドン,クリストファー
(72)【発明者】
【氏名】ファム,ヒエン トミー
(57)【要約】
【課題】小売製品に関連するサービスを提供するための方法を提供する。
【解決手段】方法は、衣料品に取り付けられた機械可読識別子を提供するステップであって、複数の識別暗号の各々が所定の離散領域内に配置される、ステップ;所定の離散領域の各々の識別暗号を検出するために機械可読識別子のスキャン画像を受信するステップ;所定の離散領域の各々に対する所定の記憶された暗号を検索するステップ;各所定の離散領域における各識別暗号がそれぞれの所定の離散領域の各々に対する対応する記憶された暗号と一致するかどうかを決定するために所定の離散領域の各々の識別暗号を所定の離散領域の各々に対する所定の記憶された暗号と比較するステップ;及び所定の離散領域の各々における各識別暗号がそれぞれの所定の離散領域の各々に対する対応する記憶された暗号と一致すると決定することに応答して、衣料品に関連するサービスを提供するステップ;を含む。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
衣料品に関連するサービスを提供する方法であって:
衣料品の外側表面に機械可読識別子をデジタル印刷するステップと;
ユーザから前記機械可読識別子のスキャンを受信するステップと;
受信された前記スキャンから暗号を抽出するステップであって、前記暗号は前記衣料品を一意に識別する、ステップと;
抽出された前記暗号から前記衣料品の1つまたは複数の属性を決定するステップと;
決定された前記1つまたは複数の属性を前記ユーザに表示するステップであって、前記1つまたは複数の属性は:真正性、製造履歴、または所有履歴のうちの少なくとも1つを含む、ステップと;を含む、
方法。
【請求項2】
前記衣料品は、アッパー及びソール構造を有する履物製品であり、
前記衣料品の前記外側表面に前記機械可読識別子をデジタル印刷するステップは、前記履物製品の前記アッパーの外側表面にユニークなグラフィカルなデザインをデジタル印刷するステップを含み、
前記ユーザから前記機械可読識別子の前記スキャンを受信するステップは、前記ユニークなグラフィカルなデザインのスキャンを受信するステップを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ユニークなグラフィカルナデザインは導電性インクを含み、
前記スキャンは、前記導電性インクの電気的または電磁的スキャンである、
請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記衣料品は、アッパーおよびソール構造を有する履物製品であり、
前記衣料品の前記外側表面に前記機械可読識別子をデジタル印刷するステップは、前記ソール構造のフォーム内にユニークな磁気サインをデジタル印刷するステップを含み、
前記ユーザから前記機械可読識別子の前記スキャンを受信するステップは、前記ユーザから前記磁気サインのスキャンを受信するステップを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記衣料品は、アッパーおよびソール構造を有する履物製品であり、
前記衣料品の前記外側表面に前記機械可読識別子をデジタル印刷するステップは:
前記履物製品の前記アッパーの外側表面にユニークなグラフィカルなデザインをデジタル印刷するステップと;
前記ソール構造のフォーム内にユニークな磁気サインをデジタル印刷するステップと;を含み、
前記ユーザから前記機械可読識別子の前記スキャンを受信するステップは:
前記ユーザから前記ユニークなグラフィカルなデザインの第1のスキャンを受信するステップと;
前記ユーザから前記ユニークな磁気サインの第2のスキャンを受信するステップと;を含み、
前記受信されたスキャンから前記暗号を抽出するステップは:
前記ユニークなグラフィカルなデザインの前記第1のスキャンから第1の暗号を抽出するステップと;
前記磁気サインの前記第2のスキャンから第2の暗号を抽出するステップと;を含み、
前記方法はさらに:
前記第1の暗号及び前記第2の暗号を介して前記履物製品の前記真正性を決定するステップと;
前記ユーザに前記真正性の表示を返すステップと;を含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記抽出された暗号から前記衣料品の前記1つまたは複数の属性を決定するステップは、データベースまたは分散ブロックチェーン元帳から前記1つまたは複数の属性を検索するステップを含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項7】
衣料品に関連するサービスを提供する方法であって:
前記衣料品の外側表面に機械可読識別子をデジタル印刷するステップであって、前記機械可読識別子は、取り付けられた前記衣料品の属性を表し、前記機械可読識別子は、複数の識別暗号を含み、前記複数の識別暗号の各々は、前記機械可読識別子の複数の所定の離散領域のそれぞれの所定の離散領域内に配置される、ステップと;
前記所定の離散領域の各々の前記識別暗号を検出するために前記機械可読識別子のスキャン画像を受信するステップと;
各々が前記複数の所定の離散領域の1つに対応する前記所定の離散領域の各々に対する所定の記憶された暗号を検索するステップと;
前記所定の離散領域の各々における各識別暗号が前記それぞれの所定の離散領域の各々に対する対応する記憶された暗号と一致するかどうかを決定するために、前記所定の離散領域の各々の前記識別暗号を、前記所定の離散領域の各々に対する前記所定の記憶された暗号と比較するステップと;
前記所定の離散領域の各々における各識別暗号が前記それぞれの所定の離散領域の各々に対する前記対応する記憶された暗号と一致すると決定することに応答して、前記衣料品に関連する前記サービスを提供するステップと;を含む、
方法。
【請求項8】
前記機械可読識別子は、前記衣料品の前記外側表面上のデジタル印刷画像であり、前記デジタル印刷画像は、前記複数の所定の離散領域を含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記サービスを提供するステップは、各前記所定の離散領域における各識別暗号が前記それぞれの所定の離散領域の各々に対する前記対応する記憶された暗号と一致すると決定することに応答して、前記衣料品が真正であることを決定するステップを含む、
請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記サービスを提供するステップは、データベースへのアクセスを可能にするステップを含み、前記データベースは、少なくとも1つの製品の属性に関連する属性データを含み、前記少なくとも1つの製品の属性は、前記衣料品の属性である、
請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記属性データは、どこでまたはどのように前記製品が作られたかに関する情報を含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記属性データは、前記衣料品に関するサステナビリティ情報を含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項13】
前記属性データは、製造仕様を含む、
請求項10に記載の方法。
【請求項14】
前記衣料品は履物製品であり、前記履物製品は、アッパーおよび前記アッパーに取り付けられたソール構造を含み、前記所定の離散領域は、前記ソール構造の複数の磁気ゾーンであり、前記磁気ゾーンは、複数の自然磁性粒子および複数の磁化粒子から選択される少なくとも1つを含み、前記所定の離散領域の各々は、それぞれの磁束密度値を有し、前記所定の離散領域の各々の前記識別暗号は、前記それぞれの磁束密度値である、
請求項7に記載の方法。
【請求項15】
前記所定の離散領域の各々の前記識別暗号は、前記所定の離散領域の各々の磁束密度値であり、前記所定の離散領域の各々に対する前記所定の記憶された暗号は、記憶された値であり、前記所定の離散領域の各々に対する前記記憶された値は、前記所定の離散領域の各々における各磁束密度値が、前記それぞれの所定の離散領域の各々に対する対応する記憶された値と一致するかどうかを決定するために、前記所定の離散領域の各々の前記磁束密度値と比較される、
請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記機械可読識別子は、ブロックチェーンの秘密鍵であり、前記秘密鍵は、前記ブロックチェーンに一意に登録されたトークンとして設定される、
請求項7に記載の方法。
【請求項17】
前記衣料品に関連する前記サービスは、ブロックチェーン元帳エントリへのアクセスを可能にすることを含み、前記ブロックチェーン元帳エントリは、少なくとも1つの製品の属性を含み、前記少なくとも1つの製品の属性は、前記衣料品の属性であり、前記少なくとも1つの製品の属性は:前記製品がどこで作られたか、前記製品がどのように作られたか、又は前記衣料品に関するサステナビリティ情報のうちの1つに関する属性データを含む、
請求項7に記載の方法。
【請求項18】
衣料品であって、
前記衣料品の外側表面にデジタル印刷された機械可読識別子を有し;
前記機械可読識別子は、複数の所定の離散領域を含み;
前記機械可読識別子は、複数の識別暗号を含み;
前記複数の識別暗号の各々は、前記機械可読識別子の前記複数の所定の離散領域のそれぞれの所定の離散領域に配置され;
前記所定の離散領域の各々における前記複数の識別暗号の各々は、サービスを提供することを容易にするために、前記それぞれの所定の離散領域の各々に対するリモートに記憶された暗号と一致する、
衣料品。
【請求項19】
前記サービスは、各所定の離散領域における各識別暗号が、前記それぞれの所定の離散領域の各々に対する対応する前記記憶された暗号と一致する場合に、前記衣料品が真正であると決定することを含む、
請求項18に記載の衣料品。
【請求項20】
前記衣料品は、履物製品であり、前記履物製品は、アッパーおよび前記アッパーに取り付けられたソール構造を含み、前記機械可読識別子は、前記アッパーの外側表面上に直接デジタル印刷され、前記機械可読識別子は、導電性インクを含み、前記複数の識別暗号は、複数の色を含み、各色は、色値を有し、前記色値は、複数の所定の値の範囲にグループ化され、エンコーディングビットが、前記所定の値の範囲のそれぞれの所定の値の範囲に関連付けられる、
請求項18に記載の衣料品。
【請求項21】
前記サービスは、データベースへのアクセスを可能にすることを含み、前記データベースは、少なくとも1つの製品の属性に関連する属性データを含み、前記少なくとも1つの製品の属性は、前記衣料品の属性である、
請求項18に記載の衣料品。
【請求項22】
前記属性データは、前記製品がどこで作られたかに関する情報を含む、
請求項21に記載の衣料品。
【請求項23】
前記属性データは、前記製品がどのように作られたかに関する情報を含む、
請求項21に記載の衣料品。
【請求項24】
前記属性データは、前記衣料品に関するサステナビリティ情報を含む、
請求項21に記載の衣料品。
【請求項25】
前記衣料品は履物製品であり、前記履物製品は、アッパーおよび前記アッパーに取り付けられたソール構造を含み、前記所定の離散領域の各々は、前記ソール構造上の磁気ゾーンであり、各磁気ゾーンは、前記履物製品の認証を容易にするために、それぞれの磁気ゾーンの各々に対するリモートに記憶された磁束密度値に一致する対応する磁束密度値を有する、
請求項24に記載の衣料品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2019年12月9日に出願された米国仮特許出願第62/945,639号および2020年5月28日に出願された米国仮特許出願第63/031,118号の優先権およびその利益を主張する。
【0002】
本開示は、概して、物理的な小売製品に関連するサービスを提供するためのコンピュータ化されたシステムおよび方法に関する。より具体的には、本開示は、そのような製品に関連するサービスを提供するために、物理的小売製品をデジタル的にフィンガープリントするためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0003】
高品質かつサステナブルな(sustainable(持続可能な))履物の製造業者は、偽造履物、すなわち、購入者をだまして本物の製造業者の本物の商品を購入していると信じ込ませる目的で作られた模倣品の販売に長い間悩まされてきた。デジタル分野においても同様の問題が存在し、そこではデジタル製品はしばしば不正な販売および複製の対象となる。このような不正な/偽造生産および/またはデジタル複製は、ブランドの価値および/または独占性を損ない、企業の収益性に悪影響を与え、ユーザの製品に対する「収集可能(collectable)」との主観的認識を損なう可能性がある。
【0004】
自由市場における市場参加者やブランド愛好者は、供給が限られている場合、
サステナブルな方法で製造されている場合、特定の場所または特定の方法で製造されている場合、および/または、その対象に対する過剰な需要がある場合には、典型的には、より高い価値を対象に割り当てる。不正な販売を最小限に抑えるために、製造仕様(manufacturing specifications)や真正性情報などの製品の属性(product attributes)を確認する方法を開発することが望ましい。したがって、模倣品を特定し、不正な販売を防止するために、模倣品対策技術を開発することも望ましい。具体的には、この市場における物理的小売製品の性質および最終的な供給に直接影響および/または制御する偽造防止技術を開発することが有益であろう。
【発明の概要】
【0005】
本開示は、収集可能な(collectible)シューズのような個々のアパレル(衣服(apparel))およびシューズを最小限のハードウェアで追跡するための偽造防止技術を記載している。これらの偽造防止技術は、衣服および靴などのユニークな衣料品(articles of clothing)を製造および認証するために使用され、それによって模倣品の販売を防止する。
【0006】
本開示の一態様では、衣料品に関連するサービスを提供する方法が:機械可読識別子を提供するステップを含み、機械可読識別子は、衣料品に取り付けられ、機械可読識別子は、それに取り付けられた衣料品の属性を示し、機械可読識別子は、複数の識別暗号を含み、複数の識別暗号の各々は、機械可読識別子の複数の所定の離散領域のそれぞれの所定の離散領域に配置される、ステップと;所定の離散領域の各々の識別暗号を検出するために、機械可読識別子のスキャン画像を受信するステップと;各々が複数の所定の離散領域の1つに対応する所定の離散領域の各々に対して、所定の記憶された暗号を検索するステップと;所定の離散領域の各々の各識別用暗号が、それぞれの所定の離散領域の各々に対する対応する記憶された暗号と一致するかどうかを決定するために、所定の離散領域の各々の識別暗号を所定の離散領域の各々に対する所定の記憶された暗号と比較するステップと;所定の離散領域の各々における各識別暗号が、それぞれの所定の離散領域の各々対する対応する記憶された暗号と一致すると決定することに応答して、衣料品に関連するサービスを提供するステップと;を含む。
【0007】
機械可読識別子は、衣料品上のデジタル印刷画像であり、デジタル印刷画像は、複数の所定の離散領域を含む。サービスを提供するステップは、各所定の離散領域の各識別暗号が、それぞれの所定の離散領域の各々に対する対応する記憶された暗号と一致すると決定することに応答して、衣料品が真正であると決定するステップを含む。サービスを提供するステップは、データベースへのアクセスを可能にするステップを含み、データベースは、少なくとも1つの製品の属性に関連する属性データを含み、少なくとも1つの製品の属性は、衣料品の属性である。属性データは、どこで製品が製造されたかに関する情報を含む。属性データは、どのように製品が製造されたかに関する情報を含む。属性データは、衣料品に関するサステナビリティ情報を含む。属性データは、製造仕様を含む。
【0008】
衣料品は、履物製品であり得、アッパーおよびアッパーに取り付けられたソール構造を含む。所定の離散領域は、ソール構造の複数の磁気ゾーンである。磁気ゾーンは、複数の自然磁性粒子および複数の磁化粒子から選択される少なくとも1つを含む。所定の離散領域の各々はそれぞれの磁束密度値を有し、所定の離散領域の各々の識別暗号はそれぞれの磁束密度値である。
【0009】
所定の離散領域の各々の識別暗号は、所定の離散領域の各々の磁束密度値である。所定の離散領域の各々に対する所定の記憶された暗号は、記憶された値である。所定の離散領域の各々に対する記憶された値は、所定の離散領域の各々における各磁束密度値がそれぞれの所定の離散領域の各々に対する対応する記憶された値と一致するかどうかを決定するために、所定の離散領域の各々の各磁束密度値と比較される。
【0010】
機械可読識別子は、ウォレットの秘密鍵であり、秘密鍵は、ブロックチェーンに一意に登録されるトークンとして設定される。
【0011】
衣料品に関連するサービスは、ブロックチェーン元帳エントリへのアクセスを可能にすることを含み、ブロックチェーン元帳エントリは少なくとも1つの製品の属性を含み、少なくとも1つの製品の属性は衣料品の属性であり、少なくとも1つの製品の属性は:どこで製品が製造されたか、どのように製品が製造されたか、または衣料品に関するサステナビリティ情報のうちの1つに関する属性データを含む。
【0012】
本開示の一態様では、衣料品は機械可読識別子を含む。機械可読識別子は、複数の所定の離散領域を含む。機械可読識別子は、複数の識別暗号を含む。複数の識別暗号の各々は、機械可読識別子の複数の所定の離散領域のそれぞれの所定の離散領域に配置される。所定の離散領域の各々における複数の識別暗号の各々は、サービスを提供することを容易にするために、それぞれの所定の離散領域の各々に対するリモートに記憶された暗号と一致する。
【0013】
サービスは、各所定の離散領域の各識別暗号が、それぞれの所定の離散領域の各々に対する対応する記憶された暗号と一致する場合に、衣料品が真正であると決定することを含む。
【0014】
衣料品は履物製品であり得る。履物製品は、アッパーおよびアッパーに取り付けられたソール構造を含む。機械可読識別子は、アッパーに直接配置されたロゴであり、ロゴは、アッパー上のデジタル印刷画像であり、ロゴは、導電性インクを含む。複数の識別暗号は、複数の色を含む。各色は色値を有する。色値は、複数の所定の値の範囲にグループ化され、エンコーディングビットが、所定の値の範囲のそれぞれの所定の値の範囲に関連付けられる。
【0015】
サービスは、データベースへのアクセスを可能にすることを含む。データベースは、少なくとも1つの製品の属性に関連する属性データを含み、少なくとも1つの製品の属性は、衣料品の属性である。属性データは、どこで製品が製造されたかに関する情報を含む。属性データは、どのように製品が製造されたかに関する情報を含む。属性データは、衣料品に関するサステナビリティ情報を含む。
【0016】
衣料品は履物製品である。履物製品は、アッパーおよびアッパーに取り付けられたソール構造を含む。所定の離散領域の各々は、ソール構造上の磁気ゾーンである。各磁気ゾーンは、履物製品の認証を容易にするために、それぞれの磁気ゾーンの各々に対するリモートに記憶された磁束密度値に一致する対応する磁束密度値を有する。
【0017】
本開示のいくつかの態様では、衣料品を認証する方法が、機械可読識別子を提供するステップを含み得る。機械可読識別子は、衣料品に取り付けられ得る。機械可読識別子は、それに取り付けられた衣料品の真正性(authenticity)を表し得る。機械可読識別子は、複数の識別暗号を含み得る。複数の識別暗号の各々は、機械可読識別子の複数の所定の離散領域(discrete area)のそれぞれの所定の離散領域に配置され得る。この方法は、さらに、所定の離散領域の各々の識別暗号を検出するために、機械可読識別子のスキャン画像(scanned image)を受信するステップを含み得る。この方法は、各々が複数の所定の離散領域の1つに対応する所定の離散領域の各々について所定の記憶された暗号を検索する(retrieving)ステップをさらに含み得る。この方法はさらに、所定の離散領域の各々における各識別暗号がそれぞれの所定の離散領域の各々に対する対応する記憶された暗号と一致するかどうかを決定するために、所定の離散領域の各々の識別暗号を所定の離散領域の各々に対する所定の記憶された暗号と比較するステップを含み得る。この方法は、所定の離散領域の各々における各識別暗号が、それぞれの所定の離散領域の各々に対する対応する記憶された暗号と一致することを決定することに応答して、衣料品が真正であることを決定するステップをさらに含み得る。
【0018】
機械可読識別子は、衣料品上のデジタル印刷画像であり得、デジタル印刷画像は、複数の所定の離散領域を含み得る。
【0019】
機械可読識別子は、衣料品に直接配置されたユニークなロゴを含み得る。機械可読識別子はバーコードであり得る。所定の離散領域の各々の識別暗号は、複数のエンコーディングシンボル(encoding symbols)を含み得る。複数のエンコーディングシンボルのうちの少なくとも1つは、図形を含み得、図形は、円、四角形(正方形)、三角形から選択される少なくとも1つを含み得る。所定の離散領域の各々の識別暗号は、グレースケールカラーを有し得、グレースケールカラーは、2進数を表す。本方法は、さらに、インタフェースデバイスのカメラを使用して、機械可読識別子から画像データを連続的に受信することを含む、機械可読識別子のスキャン画像を受信することを含み得る。衣料品は、衣服製品(article of apparel)および/または履物製品(article of footwear)であり得る。履物製品は、アッパーおよびアッパーに取り付けられたソール構造を含み得る。所定の離散領域は、ソール構造の複数の磁気ゾーンであり得る。磁気ゾーンは、複数の自然磁性粒子および/または複数の磁化粒子を含み得る。所定の離散領域の各々は、それぞれの磁束密度値を有し得る。所定の離散領域の各々の識別暗号は、それぞれの磁束密度値であり得、センサは、磁力計を含み得る。
【0020】
所定の離散領域の各々の識別暗号は、所定の離散領域の各々の磁束密度値であり得る。所定の離散領域の各々に対する所定の記憶された暗号は、記憶された値である。所定の離散領域の各々に対する記憶された値は、所定の離散領域の各々における各磁束密度値が、所定の離散領域の各々に対する対応する記憶された値と一致するかどうかを決定するために、所定の離散領域の各々の磁束密度値と比較され得る。衣料品は、衣料品内の所定の離散領域の各々を位置特定する(locate)ための位置特定機能(location feature)を含み得る。
【0021】
位置特定機能は、近接場通信(NFC)対応デバイスおよび/またはデジタル印刷画像であり得る。衣料品は履物製品であり得る。履物製品は、アッパーおよびアッパーに取り付けられたソール構造を含み得る。複数の所定の離散領域は、アッパーおよび/またはソール構造に配置され得る。
【0022】
機械可読識別子は、ウォレット(wallet)の秘密鍵であり得る。秘密鍵は、ブロックチェーンに一意に登録されたトークンとして設定され得る。衣料品は、ウォレットとして機能し、秘密鍵を具現化する。ブロックチェーンはプライベートチェーンであり得る。センサは、デジタル収集品(digital collectible)をロック解除するために、衣料品から機械可読識別子を取得するために、機械可読識別子を読み取るように構成され得る。デジタル収集品はブロックチェーンと関連付けられ得る。
【0023】
本開示はまた、衣料品を記載する。衣料品は、機械可読識別子を含む。機械可読識別子は、複数の所定の離散領域を含み得る。機械可読識別子は、複数の識別暗号を含み得る。識別暗号の各々は、機械可読識別子の複数の所定の離散領域のそれぞれの所定の離散領域に配置され得る。所定の離散領域の各々における識別暗号の各々は、衣料品の認証を容易にするために、それぞれの所定の離散領域の各々についてリモートに記憶された(remotely-stored)暗号と一致し得る。
【0024】
衣料品は履物製品であり得る。履物製品は、アッパーおよびアッパーに取り付けられたソール構造を含み得る。機械可読識別子は、アッパーにデジタル印刷されたロゴであり得る。ロゴは、アッパー上のデジタル印刷画像であり得る。ロゴは導電性インクを含み得る。複数の識別暗号は、複数の色を含み得る。各色は、色の値(color values)を有し得る。色の値は、複数の所定の値の範囲にグループ化され得る。エンコーディングビットが、所定の値の範囲のそれぞれの所定の値の範囲に関連付けられ得る。複数の識別暗号のうちの少なくとも1つは、エンコーディングシンボルであり得る。
【0025】
衣料品は、衣服製品であり得る。衣服製品はシャツであり得る。シャツは、メインシャツ本体(main shirt body)と、メインシャツ本体に取り付けられた第1のスリーブと、メインシャツ本体に取り付けられた第2のスリーブとを含み得る。機械可読識別子は、メインシャツ本体に配置され得る。機械可読識別子はロゴであり得る。ロゴは導電性インクを含み得る。複数の識別暗号のうちの少なくとも1つは、幾何学的形状であり得る。幾何学的形状は、三角形、四角形、および/または円であり得る。
【0026】
衣料品は履物製品であり得る。履物製品は、アッパーおよびアッパーに取り付けられたソール構造を含み得る。所定の離散領域の各々は、ソール構造上の磁気ゾーンであり得る。各磁気ゾーンは、履物製品の認証を容易にするために、それぞれの磁気ゾーンの各々についてリモートに記憶された磁束密度値に一致する対応する磁束密度値を有し得る。ソール構造は、ソール構造における細菌の増殖を防止するために完全に磁化されているインソールを含み得る。磁気ゾーンの各々は、複数のランダムに分散された磁性粒子を含み得る。磁気ゾーンは、互いに異なる磁束密度値を有し得る。
【0027】
衣料品は、衣料品内の所定の離散領域の各々を位置特定するための位置特定機能をさらに含み得る。位置特定機能は、近接場通信(NFC)対応デバイスおよび/またはデジタル印刷画像であり得る。
【0028】
本開示はまた、衣料品を製造する方法を記載する。この方法は、機械可読識別子を衣料品上に配置するステップを含み得る。機械可読識別子は、衣料品の真正性を表し得る。機械可読識別子は、複数の識別暗号を含み得る。識別暗号の各々は、機械可読識別子の複数の所定の離散領域のそれぞれの所定の離散領域に配置され得る。本方法は、機械可読識別子内の複数の識別暗号の内容および特徴を決定するステップをさらに含み得る。
【0029】
この方法は、機械可読識別子内の複数の識別暗号の内容および特徴の内容に基づいてグリッドのサイズを決定するステップをさらに含み得、グリッドの各四角形は、所定の離散領域の1つであり得る。本開示において、「所定の離散領域」および「グリッド」という用語は、互換的に使用される。
【0030】
この方法は、リモートホストシステムにエンコーディングパラメータを入力するステップをさらに含み得る。エンコーディングパラメータは、衣料品の製造日、製造ID、シリアル番号、製品スタイル、色、および/またはグローバルトレードアイテム番号(GTIN)を含み得る。
【0031】
この方法は、複数の識別暗号の各々にビット値を割り当てるステップをさらに含み得る。この方法は、各ビット値に電気抵抗値を割り当てるステップをさらに含み得る。電気抵抗値を割り当てるステップは、複数の所定の離散領域の各々に対して電気抵抗値を割り当てるステップを含み得る。
【0032】
この方法は、衣料品上に機械可読識別子を印刷するように、割り当てられた電気抵抗値に基づいて、インクジェット印刷命令を生成するステップをさらに含み得る。
【0033】
機械可読識別子を衣料品上に配置するステップは、割り当てられた電気抵抗値に基づいて機械可読識別子を印刷するステップを含み得る。機械可読識別子は、機械可読識別子の複数の離散領域の各々に対して割り当てられた電気抵抗値を有する導電性インクで印刷され得る。機械可読識別子を衣料品上に配置するステップは、ソール構造内に磁気ゾーンを形成するようにソール構造を成形するために使用されるポリマー材料(polymeric material)に磁性材料を添加するステップを含み得る。磁気ゾーンは、機械可読識別子の所定の離散領域であり得る。磁性材料を添加するステップは、ソール構造を成形するために使用されるポリマー材料に、ランダムに分散する自然磁性粒子を添加するステップを含み得る。磁性材料を添加するステップは、ソール構造を成形するために使用されるポリマー材料に磁化可能な材料(magnetizable material)を添加するステップを含み得る。
【0034】
この方法は、磁気ゾーンの各々を磁化するステップをさらに含み得る。この方法は、さらに、磁気ゾーンの各々の磁気特性値を測定するステップと、磁気ゾーンの各々の磁気特性値をリモートホストシステムに記憶するステップとを含み得る。
【0035】
上記の概要は、本開示の全ての実施形態または全ての態様を表すことを意図するものではない。むしろ、前述の要約は、単に、本明細書に記載された概念および特徴の一部の例示を提供するに過ぎない。上記の特徴および利点、ならびに本開示の他の特徴および付随する利点は、添付の図面および添付の特許請求の範囲に関連して理解される場合、本開示を実施するための図示の例および代表的なモードの以下の詳細な説明から容易に明らかになるであろう。さらに、本開示は、上記および下記に示される要素および特徴の任意のおよびすべての組み合わせおよびサブコンビネーションを明確に含む。
【図面の簡単な説明】
【0036】
図1】本開示の態様による、機械可読識別子を有する代表的な履物製品の外側側面図である。
【0037】
図2】本開示の態様による機械可読識別子を有する衣服製品の正面、等角図である。
【0038】
図3】衣料品に関連するサービスを提供するための代表的な分散型コンピューティングシステムの概略図である。
【0039】
図4】本開示の態様による衣料品を認証するための、図3の分散型コンピューティングシステムの機能構造の概略図である。
【0040】
図5】本開示の態様による、図1の履物製品または図2の衣服製品のための機械可読識別子の正面図である。
【0041】
図6】本開示の態様による、図1の履物製品または図2の衣服製品のための機械可読識別子の正面図である。
【0042】
図6A】本開示の一態様による機械可読識別子の正面図である。
【0043】
図7】本開示の態様による衣料品を認証する方法のフローチャートである。
【0044】
図8】衣料品に関連するサービスを提供するために、衣料品(例えば、履物製品)をスキャンするユーザの概略図である。
【0045】
図9】機械可読識別子を有する図1および図2に示される衣料品を製造する方法のフローチャートである。
【0046】
図10】衣料品に関連するサービスを提供するための詳細な方法のフローチャートである。
【0047】
図11】衣料品を認証するための強磁性材料を含む、衣料品(例えば、履物製品)の側面、等角図である。
【0048】
図12】インタフェースデバイスを使用するユーザによってスキャンされる磁気ゾーンを含む衣料品の底面図である。
【0049】
図13】磁気ゾーンを有する衣料品を製造する方法のフローチャートである。
【0050】
図14】磁気ゾーンを使用して衣料品を認証するための方法のフローチャートである。
【0051】
本開示は、種々の修正および代替形態に適用可能であり、いくつかの代表的な実施形態は、例として図面に示され、本明細書において詳細に説明される。しかしながら、本開示の新規な態様は、上に列挙した図面に示された特定の形態に限定されるものではないことを理解されたい。むしろ、本開示は、添付の特許請求の範囲に包含される本開示の範囲内の全ての修正、均等物、組み合わせ、サブコンビネーション、置換、グループ化、および代替をカバーすることである。
【発明を実施するための形態】
【0052】
本開示は、履物製品または衣服の中に1つまたは複数のデジタル識別子を直接格納する独特の方法を記載する。これらの識別子は、製品に関連するサービスを提供するために、またはそのように望まれる他の目的のために使用され得る。いくつかの実施形態では、多要素認証技術(multi-factor authentication techniques)が、複数の埋め込み識別子と共に使用され得、例えば、1つのエンコーディングされた識別子は、第2のエンコーディングされた識別子がどのように、またはどこで抽出され得るかに関する命令を提供し得る。
【0053】
履物製品の場合、磁性または選択的に磁化可能な粒子が、ソールの最初の製造中に、フォームミッドソール(foam midsole)またはアウトソール内に埋め込まれ得る。成形プロセスの性質のために、これらの粒子が、フォーム全体にわたってランダムな分布/分散を達成し得る可能性が高い。1つの構成では、磁気プロファイル、またはそれらの離散部分は、登録可能な識別子を埋め込む1つの方法として機能し得る。同様に、他の識別子は、例えば、ロゴまたはグラフィックで提供されるデザインでデジタル印刷またはエンコーディングされ得る。履物の例では、履物製品のアッパーに設けられたロゴまたはグラフィックにエンコーディングされた識別子が、履物製品の磁気または磁化可能なソールの特定の領域を指し示し、そこから第2の識別子コードが抽出され得る。
【0054】
認証コンテキストで使用される場合、識別子は、適切な復号アルゴリズムを通して実行される場合、製品の真正性を検証し得る暗号化されたコードを含み得る。代替的には、識別子は、製造時にプライベートデータベースまたは公開データベースに記録される固有の識別子であり得る。その後の真正性チェックは、単に識別子を読み、データベースを参照することを含み得る。認証ルーチンを偽装する能力を複雑にするために、識別子を製品の不可欠なコンポーネント、すなわち、製品に重大なまたは不可逆的な損傷を与えることなく容易に除去または置換されないコンポーネントに埋め込むことは有益であり得る。
【0055】
認証は、本技術の1つの用途であるが、第2の用途は、他の目的(例えば、「コールドストレージ(cold storage)」)のためにユニークなコードを記憶することを含み得る。例えば、1つの構成では、埋め込まれた識別子は、アンロックコード、電子チケット/パス、または、デジタル収集品、デジタル属性、デジタル体験をアンロックするための秘密暗号鍵として、または、電子アプリケーションにおいて特別な機能を提供するため、または、後にリリースされる商品への早期アクセスなどとして機能し得る。例えば、1つの構成では、埋め込まれた識別子は、暗号で保護されたデジタル収集品(例えば、ブロックチェーン技術を介して表されるような不変の元帳に登録されたもの)をユーザが取得することを可能にし得る、暗号化秘密鍵または暗号化秘密鍵にリンクされたユニークなコードであり得る。このような暗号で保護されたデジタル収集品(例えば、「CryptoKicks」)の例は、2019年12月10日に米国特許第10,505,726号として発行された米国特許出願第16/423,671号、および2020年6月11日に米国特許出願公開第2020/0184547号として公開された2019年12月9日に出願された米国特許出願第16/707,720号に記載されており、これらの全体が参照により組み込まれている。別の実施形態では、埋め込まれた識別子は、ユーザが、暗号で保護されたデジタル収集品の属性を修正するため、または、ビデオゲームアプリケーションにおけるユーザ制御可能なキャラクタの独特の能力改善または外観に対する変更を提供するために、属性パックを取得することを可能にし得る。
【0056】
また、本技術は、衣料品に関連するサービスを提供するために使用され得ることが想定される。例えば、埋め込まれた識別子は、トークン、データベースエントリ、または、それに記録された1つ又は複数の製品の属性を有する他のブロックチェーン元帳エントリへのアクセスを提供し得る。例えば、製品の属性は、履物製品または衣服製品の属性であり、製品がどこで作られたか、製品がどのように作られたか、製品の特徴、製造仕様、および/または製品に関するサステナビリティ(持続可能性(sustainability))情報に関するデータを含み得る。非限定的な例として、サステナビリティ情報は、製品が認証された有機(organic)材料でまたは環境に優しい製造方法を通じて作られたことの表示を含み得る(例えば、有機認証を受けた表示(certified organic designations))。他の用途は、以下の開示からさらに理解され得る。
【0057】
本開示は、多くの異なる形態の実施形態が可能である。本開示の代表的な例は、図面に示されており、これらの代表的な例は、開示の広範な態様の限定ではなく、開示された原理の例示として提供されることを理解して、本明細書において詳細に説明される。その範囲において、要約、技術分野、背景、概要および詳細な説明のセクションに記載されているが、請求項に明示的に記載されていない要素および限定は、暗示、推論その他により、単独または集合的に、請求項に組み込まれるべきではない。
【0058】
本詳細な説明の目的上、特に否認されない限り、単数形は複数形を含み、その逆も同様である。「および」および「または」という語は、結合的および非結合的であるものとする。「任意」および「すべて」という語は、両方とも「すべて」を意味するものとする。「含む」、「有する、含む」、「有する」、「含む」などという語は、それぞれ「含むがこれに限定されない」を意味するものとする。さらに、「約」、「ほぼ」、「実質的に」、「ほぼ」などの近似の語は、本明細書では、例えば、「で、近く、ほぼ」、または「0~5%以内」、または「許容できる製造公差内」、またはそれらの任意の論理的な組み合わせの意味で使用され得る。最後に、前部、後部、内側、外側、近位、遠位、垂直、水平、前、後、左、右等のような方向性の形容詞および副詞は、ユーザの足に着用したときに履物製品に対してであり得、例えば、平らな表面上にあるソール構造の地面係合部分と共に作動的に配向される。
【0059】
次に、図面を参照すると、同様の参照番号がいくつかの図を通して同様の特徴を示し、図1には、概して10で示され、説明のために運動靴または「スニーカー」として示されている代表的な履物製品が示されている。図示の履物製品10は、本明細書では簡潔に「履物」または「シューズ」とも呼ばれているが、本開示の新規な態様および特徴をそれとともに実施され得る単なる例示的な用途である。一実施形態では、図示された履物製品10は、クリプトキック(CryptoKick)(すなわち、ブロックチェーンネットワークのような不変の暗号データベースに固有に登録された履物製品10のコンピュータ生成デジタル表現)であり得る、またはそれに類似し得る。同様に、デジタルシューズおよび履物用暗号トークンのための本概念の実装も、開示された概念の代表的な実装として理解されるべきである。従って、本開示の態様および特徴は、他のタイプの履物に利用され得、論理的に関連する消費者製品に組み込まれ得ることが理解されるであろう。本明細書中で使用される場合、用語「シューズ、靴」および「履物」(それらの置換を含む)は、ヒトの足に着用されている任意の適切なタイプの衣類を言及するために、互換的かつ同義的に使用され得る。最後に、図面に示されている特徴は、必ずしも縮尺通りではなく、純粋に教示目的のために提供されるものである。従って、図面に示されている特定の寸法および相対的寸法は、限定的なものとして解釈されるべきではない。
【0060】
図1は、履物製品10のような衣料品9を概略的に示す。用語「衣料品」は、身体に着用するように設計された被覆物をいい、シャツ、ズボンおよび靴を含むが、これらに限定されない。履物製品10は、収集可能であり得、下部ソール構造14の頂部に取り付けられた足受けアッパー12から主として構成される二部構造(bipartite construction)として示されている。図1には、ユーザの左足用の単一のシューズ10のみが示されているが、ユーザの右足用のミラーリングされた(mirrored)実質的に同一の対応物が提供され得る。認識されるように、シューズ10の形状、サイズ、材料組成、および製造方法は、通常のまたは非従来の履物用途に実際的に適応するように、単独でまたは集合的に変化し得る。
【0061】
引き続き図1を参照すると、アッパー12は、ヒトの足を収容するためのシェル状の、閉じたつま先およびヒール形状を有するように示されている。図1のアッパー12は、概して、隣接する3つのセクション、すなわち、トーボックス12A、バンプ12B、およびリアクオータ(rear quarter)12Cによって画定される。トーボックス12Aは、ユーザの足指を覆い保護するために遠位指骨から近位指骨に延びるアッパー12の丸みを帯びた前方先端として示されている。対照的に、バンプ12Bは、トーボックス12Aの後方に位置し、中足骨から立方骨(cuboid)に延びるアッパー12のアーチ状中央部である。図示のように、バンプ12Bはまた、一連のレースアイレット16および靴舌18を提供する。バンプ12Bの後方に位置するのは、横足根関節から踵骨まで延びるリアクオータ12Cであり、アッパー12の後方部分を含む。図面では、3つの主要セグメントを含むように描かれているが、アッパー12は、単一ピース構造として製造されてもよく、または、トーキャップ、ヒールキャップ、足首カフ、内部ライナーなどを含む任意の数のセグメントから構成されてもよい。サンダルおよびスリッパの用途では、アッパー12は、つま先が開いているまたは踵が開いている構成を取り得る、または単一のストラップまたは複数の相互接続ストラップで置き換えられ得る。
【0062】
履物10のアッパー12部分は、織物、工業用発泡体、ポリマー、天然および合成皮革などのような種々の材料の1つまたは組み合わせから製造され得る。アッパー12の個々のセグメントは、一旦形状およびサイズに切断されると、足を快適に受け入れるための内部空所を形成するように、縫合(stitched)、接着、固定、溶接、またはその他の方法で互いに接合され得る。アッパー12の個々の材料要素は、例えば、耐久性、空気透過性、耐摩耗性、柔軟性、外観、および快適性の所望の特性を付与するために、履物10に対して選択され、配置され得る。アッパー12のリアクオータ12Cの足首開口19は、シューズ10の内部へのアクセスを提供する。靴ひも20、ストラップ、バックル、または他の従来の機構を使用して、シューズ10の内部に足をより確実に保持するために、また、アッパー12からの足の進入および除去を容易にするために、アッパー12の周囲(girth)を変更し得る。靴ひも20は、アッパー12内のまたはアッパー12に取り付けられたアイレット16に通され得る。舌18は、ひも20とアッパー12の内部空所との間に延び得る。
【0063】
ソール構造14は、ソール構造14がアッパー12とユーザが立つ支持面との間に拡がるように、アッパー12にしっかりと固定されている。ソール構造14は、最上部のインソール22、中間のミッドソール24、および最下部のアウトソール26またはアウトソール表面を有するサンドイッチ構造として製造され得る。代替的なソール構成は、3つより多いまたは少ない層で製造され得る。インソール22は、履物10の内部空所内に部分的に位置し、インソール22が足の裏の表面に当接するように、アッパー12の下部に動作可能に取り付けられ(operatively attached)て示されている。インソール22の下には、履物10の快適さ、性能、および/または地面反力の減衰特性を高める1つまたは複数の材料または埋め込まれた要素を組み込んだミッドソール24がある。これらの要素および材料は、個々にまたは任意の組み合わせで、ポリウレタンまたは酢酸エチルビニル(EVA)のようなポリマーフォーム材料、充填剤材料、調整剤(moderators)、空気で満たされたブラダー(air-filled bladders)、プレート、耐久性要素(lasting elements)、または運動制御部材(motion control members)を含み得る。アウトソール26は、ミッドソール24の下に配置され、履物10の最も下の地面係合部分の一部または全部を画定する。アウトソール26は、地面に接触するための耐久性があり耐摩耗性のある表面を提供する天然または合成のゴム材料から形成され得る。加えて、アウトソール26は、履物10とその下にある支持面との間のトラクション(すなわち、摩擦)特性を高めるように輪郭形成され(contoured)得るとともにテクスチャ形成され(textured)得る。一般的な問題として、図1に示される履物製品10の各要素、パネル、セクション、および材料は、デジタルクリプトキックにおいて別々に描画され得るまたは定義され得る。さらに、これらの属性は、2019年12月10日に米国特許第10,505,726号として発行された米国特許出願第16/423,671号に記載されているような、非代替性トークン(NFT)の遺伝コード内に同様に反映され得る。
【0064】
引き続き図1を参照すると、衣料品9は、機械可読識別子7を含む。上述のように、履物製品10は履物製品10であり得る。履物製品10は、機械可読識別子7を含む。インタフェースデバイス39(図3)が、衣料品9の真正性を確認するために機械可読識別子7を読むように構成される。そうするために、インタフェースデバイス39は、カメラのようなセンサ41を含む。センサ41は、衣料品9の真正性を決定するために機械可読識別子7をスキャンするように構成される。インタフェースデバイス39は、ユーザデバイスと称され得る。本開示の一態様では、機械可読識別子7は、NIKE(登録商標) Swooshのようなユニークなロゴ、および/またはバーコードであり得る。機械可読識別子7は、アッパー12に直接取り付けられるおよび/またはデジタル印刷される。例えば、識別子7は、履物製品10のアッパー12と一体的に形成され得る。従って、アッパー12および機械可読識別子7は、機械可読識別子7が履物製品10から分離することを防止するために、ワンピース構造を形成する。機械可読識別子7は、上述のように衣料品9を認証するために使用され得るが、機械可読識別子7は、他の目的のために追加的にまたは代替的に使用され得ることが企図される。例えば、機械可読識別子7は、デジタル収集品をロック解除するために、デジタル収集品のデジタル属性パッケージをロック解除するために、および/またはブロックチェーンの鍵として使用され得る。認証コンテキストにおいて使用される場合、識別子7は、適切な欺瞞アルゴリズムを通して実行される場合、製品9の真正性を検証し得る暗号化コードを含み得る。代替的には、識別子7は、製造時にプライベートまたは公開データベース60(図4)に記録される固有の識別子であり得る。その後の真正性チェックは、単に識別子7を読み取り、データベース60を参照することを含み得る。認証ルーチンを偽装する能力を複雑にするために、識別子7を製品9の不可欠なコンポーネント、すなわち、製品9への重大なまたは不可逆的な損傷なしには容易に除去または置換されないコンポーネントに埋め込むことが有益であり得る。
【0065】
図2を参照すると、衣料品9は、衣服製品11(例えば、シャツ)であり得る。衣服製品11の製品は長袖のワークアウトシャツであり得る。本開示のある態様では、衣服製品11は、メインシャツ本体13と、第1のスリーブ15と、第2のスリーブ17とを含む。第1のスリーブ15および第2のスリーブ17は、メインシャツ本体13に取り付けられる。本開示のいくつかの態様では、機械可読識別子7は、NIKE(登録商標) Swooshのようなロゴ、および/またはバーコードであり得る。機械可読識別子7は、メインシャツ本体13に直接取り付けられ得る。例えば、機械可読識別子7は、メインシャツ本体13と一体的に形成され得る。従って、衣服製品11および機械可読識別子7は、機械可読識別子7が衣服製品11から分離することを防止するために、ワンピース構造を形成する。しかしながら、機械可読識別子7は、第1のスリーブ15および/または第2のスリーブ17に取り付けられ得ることが企図される。
【0066】
図3は、概して30として示されている、例示的な分散型コンピューティングシステムの概略図である。分散型コンピューティングシステム30は、機械可読識別子7を用いた衣料品9の認証のための制御ロジックを含み得る。さらに、分散型コンピューティングシステム30は、製品および真正のデジタルフィンガープリントをマイニング(mining)、混合(intermingling)および交換する(exchanging)ための制御ロジックを含み得る。本開示において、「製品のデジタルフィンガープリント(product digital fingerprint)」という用語は、コンテンツの特徴を表し、比較時にコンテンツバリアント(content variant)を識別するのに十分な詳細を有する衣料品9から抽出されたコンパクトなデジタルインプレッション(digital impressions)を意味する。製品のデジタルフィンガープリントは、衣料品9の機械可読識別子7から抽出され、比較時にコンテンツバリアントを識別するのに十分な詳細を有する内容(コンテンツ)を含む。分散型コンピューティングシステム30は、追加的に、ブロックチェーン対応デジタル収集品をマイニング、混合、および交換するための付随するブロックチェーン制御ロジックを有し得ることが想定される。ユーザ5は、無線通信ネットワーク38を介して、リモートホストシステム34および/またはクラウドコンピューティングシステム36に通信的に結合する。分散型コンピューティングシステム30を介して単一のホストシステム34および単一のクラウドコンピューティングシステム36と通信する単一のユーザ5を示すが、任意の数のユーザが、情報およびデータを無線で交換するために適切に装備されている任意の数のリモートコンピューティングノードと通信し得ることが想定される。ユーザ5と分散型コンピューティングシステム30上のリモートコンピューティングノードとの間の無線データ交換は、例えば、ホストシステム34、クラウドコンピューティングシステム36およびインタフェースデバイス39(例えば、ユーザのスマートフォン、スマートウォッチ、または他の適切なパーソナルコンピューティングデバイス)との間の直接通信を通じて直接的に、または、間接的に、例えば、ユーザ5と他のコンピューティングノードとの間のすべての通信がホストシステム34を通してルーティングされる状態で、行われ得る。分散型コンピューティングシステム30の選択されたコンポーネントのみが示され、本明細書において詳細に説明される。それにもかかわらず、本明細書に記載されるシステムおよびデバイスは、例えば、本明細書に開示される種々の方法および機能を実行するための、多数の追加的および代替的特徴、ならびに他の利用可能なハードウェアおよび周知の周辺コンポーネントを含むことができる。
【0067】
引き続き図3を参照すると、ホストシステム34は、バルクデータ処理、リソースプランニング、およびトランザクション処理を扱うことができる高速サーバコンピューティングデバイスまたはメインフレームコンピュータとして実装され得る。例えば、ホストシステム34は、特定のトランザクションを完了するために1つ又は複数の「サードパーティ」サーバとの間で必要なデータ交換および通信を行うためのクライアント-サーバインタフェース内のミドルウェアとして動作し得る。他方、クラウドコンピューティングシステム36は、IoT(モノのインターネット(Internet of Things))、WoT((モノのウェブ(Web of Things))、アダプティブアパレルと履物のインターネット(Internet of Adaptive Apparel and Footwear)(IoAAF)、および/またはM2M(Machine-to-machine)サービス用のミドルウェアとして動作し得、データネットワークを介して、様々な異種電子デバイスをサービス指向アーキテクチャ(SOA)と接続する。一例として、クラウドコンピューティングシステム36は、異種デバイスを動的に搭載し、これらのデバイスの各々からのデータを多重化し、処理および1つまたは複数の宛先アプリケーションへの送信のための再構成可能な処理ロジックを介してデータをルーティングするための異なる機能を提供するために、ミドルウェアノードとして実装され得る。ネットワーク38は、パブリック分散コンピューティングネットワーク(例えば、インターネット)と安全なプライベートネットワーク(例えば、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、仮想プライベートネットワーク)の組み合わせを含む、任意の利用可能なタイプのネットワークであり得る。また、これは、無線および有線伝送システム(例えば、衛星、携帯電話ネットワーク、地上ネットワーク等)を含み得る。ユーザ5によって実行される全てではないにしてもほとんどのデータトランザクション機能は、例えば、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)またはセルラーデータネットワークなどの無線ネットワークを介して行われ得る。
【0068】
分散型プラットフォームとして、コンピューティングシステム30は、オープンではあるが暗号化されたピアツーピアネットワークとして動作し得、このネットワークでは、「ブロック」として知られる資産取引記録が、相互接続されたブロックの分散された不変の元帳、すなわち「ブロックチェーン」内の暗号化ハッシュ関数を介してリンクされる。チェーン内の各ブロックは、ピア検証デバイスによって評価された各取引の有効性を示す確認(corroboration)情報を伴う1つまたは複数のデジタル資産取引を含む。暗号化された、分散型コンピューティングアーキテクチャは、プラットフォームに登録された暗号で保護された(「暗号化」)デジタル資産の複製を防ぎながら、トランザクションされた資産の本人確認および認証を可能にする。ブロックチェーンでは、各ノードはチェーンの完全なコピーを有する。分散型資産管理は、専有資産ファイルを暗号化し、暗号化されたコードを小さな「ナンセンス」な破片に分割し、分散型コンピューティングネットワーク上の多数の異なるコンピューティングノードにこれらの破片を送ることによって機能し得る。検証された所有者には、資産がネットワーク内のどこにあるか、およびファイルをどのように再構築または「復号化」するかを示す秘密鍵が提供される。分散台帳として使用するために、個々のブロックチェーンは、典型的にはホスト管理者によって管理され、ノード間通信とブロック検証のためのプロトコルに集合的に従う複数のピアに配布される。
【0069】
開示されたシステムおよび技術は、現実世界の製品に関連付けられる仮想収集品のユーザ間のトランザクション(transactions(取引))を表すデジタル資産ブロックチェーンの構築および格納を含む多くの有利な技術的効果を提供することを理解すべきである。デジタル資産ブロックチェーンの構築および格納は、ネットワーク化されたコンピューティングデバイスが、デジタル資産データを迅速かつ効率的に生成、検証および処理することを可能にし、それによって、個々のコンピューティングデバイスの性能を改善する。相互接続された計算ノードの分散型ネットワークは、多くの並列プロセッサへのアクセスを有する「スーパーコンピュータ」として機能し得、種々の計算のチャンク(chunks)の割り当ておよび再構築を調整する。そうすることで、ネットワークは、集中化されたコンピューティングシステムまたは単一の処理ファームよりも、計算効率が高く、速く、安価である。同じように、分散型記憶装置は、それぞれの個々のコンピューティングノードに、ピアデバイスの数とそれらの累積的な利用可能なメモリ空間によってのみ制限される膨大な記憶容量を提供する。
【0070】
図3および図4は、図2に示すような分散型コンピューティングシステム30の機能構造の一例を示す。一般的に示されるように、ユーザ5は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、スマートウォッチ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、スタンドアロンビデオゲームコンソール、スマートフットウェア/アパレル、または他の類似のインターネット対応デバイスのうちの1つまたは複数を含み得るインタフェースデバイス39(すなわち、インタフェースデバイス39)と動作可能にインタフェースし(interface with)得る。インタフェースデバイス39は、データベース60(例えば、本明細書ではブロックチェーンと呼ばれる、真正フィンガープリントデータベースおよび/またはブロックチェーンサービス/ネットワーク)、および/またはサードパーティ統合サービス66のうちの1つまたは複数と通信するように動作可能に構成され得る。
【0071】
一般に、データベース60は、それに登録された少なくとも1つの真正なデジタルフィンガープリントを含み得、これは、真正な衣料品9および/またはエンコーディングされたソールの機械可読識別子7の内容(コンテンツ)を表す。ユーザ5は、インタフェースデバイス39を介して、衣料品9に関連するサービス(例えば、認証)を提供するために特定の機械可読識別子7に各々関連付けられた真正なデジタルフィンガープリントを含むデータベース60を所有し得る、またはそれと通信し得る。各記憶された真正のデジタルフィンガープリントは、機械可読識別子7(例えば、衣服製品11、履物10など)の少なくとも1つを表す。加えて、データベース60は、デジタル資産を表すゲノム情報を含む、それに登録された少なくとも1つの代替不可能なトークンを含み得る。ユーザ5は、インタフェースデバイス39を介して、インタフェースデバイス39がトークンに関連付けられた暗号化されたデータを読み取ることを可能にする秘密暗号鍵を含むロッカー/ウォレットを所有し得る、またはそれらとリンクされ得る。このウォレットは、インターネットに接続されたホットウォレット、または、秘密暗号鍵を記憶するために使用されるオフラインのウォレットであるコールドストレージであり得る。機械可読識別子7は、秘密鍵であり得る。この鍵はさらに、ユーザ5がトークンの所有権を自由に移転する(transfer)することを可能にする。
【0072】
上述のように、機械可読識別子7は、衣料品9に関連するサービスを提供するためにスキャンされ得る。例えば、機械可読識別子7をスキャンすることは、それに記録された1つ又は複数の製品の属性を有する、トークン、データベースエントリ、または1つ他のブロックチェーン元帳エントリなどのデータベースへのアクセスを可能にし得る。本開示では、「製品の属性」という用語は、衣料品9の属性を意味する。製品の属性は、限定されるものではないが、どこで製品が製造されたか、どのように製品が製造されたか、製品の特徴、製造仕様、および/または製品に関するサステナビリティ情報に関するデータを含み得る。換言すれば、製品の属性は、衣料品9がどのように作られたか、衣料品9がどこで作られたか、製品の特徴、衣料品9に関する製造仕様、および/または衣料品9がどのように作られたかについてのサステナビリティ情報を含み得る。非限定的な例として、サステナビリティ情報は、製品が認証された有機材料でまたは環境に優しい製造方法を通じて作られたことの表示(例えば、有機認証を受けた表示)であり得る。
【0073】
一実施形態では、機械可読識別子7は、ユニークな公開暗号鍵に関連して記憶された1つまたは複数のデジタルトークンにアクセスするために使用される秘密暗号鍵であり得る。記憶されたトークンは、例えば、Ethereum Request for Comments(ERC)721またはERC1155プロトコルに従うトークンのような、代替不可能トークン(NFT)であり得る。NFTは、分散ブロックチェーン元帳上のユーザの物理的なシューズを表すために、ユニークに作成され得る。このようにして、NFTは、シューズ自体が自身の真正性検証鍵のためのコールドストレージとして機能する認証メカニズムであり得る。いくつかの実施形態では、NFTは、また(または代替的に)、ユーザが、製造時に含まれるオリジナルの秘密鍵へのアクセスを獲得すると、自由に取引することができる、デジタル収集品を表し得る。
【0074】
別の実施形態では、機械可読識別子7は、ユニークな公開暗号鍵に関連して記憶された1つまたは複数の代替可能トークンにアクセスするために使用される秘密暗号鍵であり得る。加えて、公開暗号鍵は、また、シューズに、例えば、秘密暗号鍵を表するために使用されるのと同じまたは異なる機械可読識別子7に、デジタル的に記憶され得る。公開暗号鍵と秘密暗号鍵の両方を含むことによって、この例の履物製品は、所有者がBITCOIN(商標)のような暗号通貨を安全に保管し得るコールドストレージウォレットに類似し得る。従って、このオフライン方法で暗号通貨を保管することは、物理的な製品へのアクセスが暗号通貨へのアクセスを得るために必要とされる、ある程度のセキュリティを提供する。
【0075】
図4を参照すると、コンピューティングシステム30はさらに、真正のデジタルフィンガープリントの使用を異なるコンテキストまたは方法において可能にするサードパーティ統合サービス66を含んでもよい。サードパーティ統合サービス66は、インタフェースデバイス39(すなわち、ユーザデバイス)上で提供されるアプリケーション上のAPIとして、または専用のクラウドベースのサービスとして動作し得る。いくつかの実施形態では、サードパーティ統合サービス66は、真正のフィンガープリントを外部で使用できるようにし得る。このような用途の例は、デジタルアートワークディスプレイ、物理的プリント生成、製造生産などを含み得る。
【0076】
図4にさらに示すように、ある構成では、企業ホストシステム68が、新しい真正のデジタルフィンガープリントを提供/作成する目的でデータベース60と通信し得る。加えて、ホストシステム68は、データベースからの情報が、機械可読識別子7において視覚的/芸術的形式で表現される方法およびスタイルを制約するための1つまたは複数の規則を提供し得る。
【0077】
図5を参照すると、機械可読識別子7は、それぞれの所定の離散領域40内に複数の識別暗号44を含む。本開示では、複数形の用語「所定の離散領域」および用語「グリッド」は、互換的に使用される。識別暗号44の各々は、エンコーディングシンボル、グレースケールカラー、および/または幾何学的形状を含み得る。幾何学的形状は、円、四角形、および/または三角形であり得る。所定の離散領域40、機械可読識別子7を作成するために、グリッド40が、機械可読識別子7およびその背景43上に仮想的に配置されて、機械可読識別子7上に配置される識別暗号44の数を最大化し得る。グリッド40が使用される場合、所定の離散領域40の全ては、機械可読識別子7をスキャンすることを容易にするために、正確に同じサイズを有する。したがって、グリッド40内の各四角形は、本明細書では、所定の離散領域40の1つとして参照される。識別暗号44の異なる組み合わせが、機械可読な真正な識別子7を満たす(fill)ために使用され得る。例えば、図示された実施形態では、所定の離散領域40は、衣料品9の認証を容易にするために、1より多い機械可読な真正な識別子7を含んでいない。さらに、各識別暗号44は、特定のグレースケールカラーを有する幾何学的形状であり得る。機械可読識別子7(例えばロゴ)は、識別暗号44を含む関心領域を識別する境界45を有し得る。境界45は、機械可読識別子7の検出を容易にするために、背景43の色と反対の色を有する。例えば、機械可読識別子7の背景43が白である場合、機械可読識別子7の境界45は、センサ41(例えば、カメラ)による機械可読識別子7の検出を容易にするために、黒であり得る。色は、離散位置における特定の色(例えば、所定の離散領域40の1つにおける色)またはグリッド40の四角形における平均色のいずれかであり得る。
【0078】
識別暗号44がグレースケールカラーを有する場合、グレースケールカラーは、2進数(すなわち、ゼロまたは1)で表され得る。機械可読識別子7(例えば、ロゴ)の背景43の色に最も近いグレースケールカラーは、2進数ゼロで表され得る。例えば、背景43の色が黒(すなわち、0のグレースケール値を持つ)の場合、0から0.99の間のグレースケール値を持つグレースケールカラーは、2進数0を表す。1~2の間のグレースケール値を持つグレースケールカラーは予約されており、使用されていない。2より大きいグレースケール値を持つグレースケールカラーは、2進数1を表す。上述のグレースケール値および関連する2進数は、インタフェースデバイス39のセンサ41(例えば、カメラ)による機械可読識別子7の検出を容易にする。
【0079】
識別子7は、導電性インクを用いて製品9上にデジタル印刷され得る。導電性インク印刷命令を生成するために、2進数は、各離散位置(例えば、所定の離散領域40)に対して使用される導電性インクの電気抵抗に関連付けられ得る。例えば、2進数0は、100オーム未満の電気抵抗を有する導電性インクと関連付けられ得る。従って、2進数0で指定されている製品9の特定の位置における導電性インクは、100オーム未満の電気抵抗を有するべきである。予約された色(例えば、1~2の間のグレースケール値を持つグレースケールカラー)は、150オーム~300オームの間の電気抵抗を有する導電性インクと関連付けられ得る。従って、予約された色で指定されている製品9の特定の位置における導電性インクは、150オームから300オームの間の電気抵抗を有するべきである。2進数1は、300オームより大きい電気抵抗を有する導電性インクと関連付けられ得る。従って、2進数1で指定されている製品9の特定の位置における導電性インクは、300オームを超える電気抵抗を有するべきである。従って、電気抵抗は、機械可読識別子7内の各識別暗号44を印刷するためにどの導電性インクが使用されるかを決定するために使用される。「導電性インク」という用語は、電気を伝えることができる印刷物を生じるインクを意味する。導電性インクは、インク中に含まれるグラファイトまたは他の導電性材料の注入によって生成され得る。
【0080】
上述の例では、識別暗号44はグレースケールホイール内のグレースケールカラーを有するが、識別暗号44は赤-緑-青のカラーホイール/チャート(すなわち、RGBカラーホイール/チャート)内の色を有し得ることが想定される。機械可読識別子7(例えばロゴ)の背景43の色は、ビットをエンコーディングするために使用されるグレースケールまたはカラーホイールチャートの範囲を決定するために使用される。RGBカラーホイール値は、8ビット値、16ビット値、24ビット値、または他の適切なビット値で表され得る。色の差(グレースケールまたはRGBカラーホイールにおける)は、肉眼では区別できないが、インタフェースデバイス39のセンサ41(例えば、カメラ)によって検出可能であり得る。設計者は、機械可読識別子7における感じの良い塗りつぶし(pleasant fill)を作成するために、カラーインタラクションペアリング(color interaction pairing)の原理を使用し得る。
【0081】
図6を参照すると、識別暗号44は、基本的な幾何学的形状の代わりに(またはそれに加えて)芸術的デザインを有するシンボルをエンコーディングし得る。例えば、図示された実施形態では、識別暗号44は、特に、足、矢、および中空ダイヤモンドの絵であり得る。
【0082】
非限定的な例として、識別子7は、レーザー印刷黒インクで印刷され得る。図5および図6に示されるような可視パターン化されたエンコーディングの代わりに、識別子7は、ある条件が満たされるまで、昼光では(またはカメラの閃光にさらされる場合)可視でないインクでエンコーディングされ得る。例えば、識別子7は、紫外線(UV)インクのような目に見えないインクで印刷され得る。このようにして、デザイナー(designer)は、特定の視覚的形状または色に関係なく、識別子7を視覚的にデザインし得る。本明細書で定義されるように、UVインクという用語は、紫外線ランプの下で可視であるインクを意味する。代替的にまたは追加的に、識別子7を形成するインクは、フォトクロマティックインク、メカノクロマティックインク、サーモクロマティックインク、ハイドロクロマティックインク、および/またはUV可視であり得る。
【0083】
図6Aを参照すると、識別子7は、エンコーディングされる必要のあるデータを最小化するために、72のエンコーディングされたビットを含み得る。衣料品9のユニークさを識別し検出するために、エンコーディングされたビットは、製品スタイル、製品カラー(複数可)、および巡回冗長検査(CRC)に関するデータに関するエンコーディングされたデータを含み得る。
【0084】
識別子7は、追加的に、アライメント(alignment)および正確なグリッドサイズ決定のために、2つの領域(すなわち、第1の識別領域73および第2の識別領域75)を含み得る。第1の識別領域73は、識別子7の左上に配置され得、第2の識別領域75は、識別子7の右端部分に配置され得る。この構成を使用することによって、デザイナーは、識別子7の製造を容易にするために、導電性インクのための多くの暗い物質の領域(dark matter area)77を有する。導電性インクの抵抗は、識別子7のエッジで、2つのプローブのみを用いて測定され得る。具体的には、導電性インクの抵抗を測定するために、第1のプローブが左上の点7Aに配置され得、別のプローブが識別子7の右端の点7Bに配置され得る。次に、抵抗が、衣料品9の独自性が確認するために、識別子7の左上の点7Aと右上の点7Bを横切って測定される。しかしながら、導電性インクの抵抗を測定するために、他のレイアウトが使用され得ることが考えられる。例えば、第1の識別領域73は識別子7の頂部に位置し得、第2の識別領域75は識別子7の底部に位置し得る。別の例では、第1の識別領域73は、識別子7の右端部分に配置され、第2の識別領域75は、識別子7の左上に配置される。抵抗測定値は、データベース60に記憶された数字と比較することができる数字を表し得る。チェックサム関数が、抵抗測定値によって識別される桁の関数である、所定の出力値を返すために使用され得る。チェックサム関数によって得られたこの所定の出力値は、衣料品9が真正であるかどうかを決定するために、データベース60に記憶された値と比較される。チェックサム関数によって得られた所定の出力値がデータベース60に記憶された値と一致する場合、衣料品9は真正である。
【0085】
ブロックチェーンネットワークのような不変の暗号データベースは、製品のスタイル、製品の色(複数可)、衣料品9の製品のシリアル番号、および識別子7の左上の点7Aと右端の点7Bとの間の電気抵抗に関連するデータを記憶し得る。識別子7に埋め込まれたデータは、衣料品9が真正であるかどうかを決定するために、不変の暗号データベースに記憶されたデータと比較される。識別子7に埋め込まれたデータが、不変の暗号データベースまたは他のタイプのデータベースに記憶されたデータと一致する場合、衣料品9に関連するサービスが提供される。例えば、識別子7に埋め込まれたデータがデータベースに記憶されたデータと一致する場合、衣料品は真正であると決定される。追加的に、または代替的に、識別子7に埋め込まれたデータがデータベースに記憶されたデータと一致する場合、同じまたは別のデータベースへのアクセスが可能となる。このデータベースは、少なくとも1つの製品の属性に関する属性データを含む。製品の属性は、製品がどこで作られたか、製品がどのように作られたか、および/または製品に関するサステナビリティ情報に関するデータなどの、衣料品の属性である。非限定的な例として、サステナビリティ情報は、製品が認証された有機材料でまたは環境に優しい製造方法を通じて作られたことの表示を含み得る(例えば、有機認証を受けた表示)。次に、インタフェースデバイス39は、データベース(例えば、トークン、データベースエントリ、またはブロックチェーン元帳エントリ)にアクセスした後に、製品の属性を表示し得る。
【0086】
図7は、衣料品9に関連するサービスを提供するための方法100の簡略化されたフローチャートである。この方法100はまた、衣料品9の機械可読識別子7をデコーディングする方法と称され得る。方法100を実行する前に、1つ又は複数の予備ステップが実行され得る。例えば、ユーザ5は、インタフェースデバイス39にアプリ46をダウンロードし、インストールし得る。上述のように、インタフェースデバイス39は、タブレット、スマートフォン、タブレットコンピュータ、スマートウォッチ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、または他の類似のインターネット対応デバイスであり得る。とにかく、インタフェースデバイス39は、アプリ46を動作させるためのプロセッサまたは他の適切な処理装置を含む。上述したように、インタフェースデバイス39は、衣料品9の真正性を決定するために機械可読識別子7をスキャンするように構成された、カメラのようなセンサ41を含む。ブロック102において、アプリ46は、サードパーティ統合サービス66からダウンロードされ得る。アプリ46をインタフェースデバイス39にダウンロードしてインストールした後、方法100はブロック104で開始し得る。
【0087】
ブロック104において、ユーザ5は、アプリ46を介して、インタフェースデバイス39に対して、関心のある領域を強調するのを助けるために、機械可読識別子7の形状の透明なガイドを表示するように命令する。透明なガイドは、透明な塗りつぶしと背景を有する黒いシルエットであり得る。シルエットは、センサ41(例えば、カメラ)の視野をガイドするのに役立つ機械可読識別子7(例えば、ロゴ)の形状を有し、これにより、ユーザが、機械可読識別子7をスキャンすることを可能にする。次に、方法100はブロック106に進む。
【0088】
ブロック106において、ユーザ5は、インタフェースデバイス39のセンサ41を衣料品9の機械可読識別子7に向ける。ユーザ5は、機械可読識別子7が透明なガイドに収まって満たす(fits and fills)まで、透明なガイドを機械可読識別子7に位置合わせする(aligns)。そうするために、ユーザ5は、機械可読識別子7が透明なガイド内に収まるまでズームインし得る。
【0089】
図8は、ユーザ5がインタフェースデバイス39のセンサ41を履物製品10に向けることを示している。センサ41を衣料品9に向ける間、アプリ46は、ユーザ5がセンサ41の視野内で機械可読識別子7を位置合わせするのを助けるために、透明なガイド上に重ね合わされた機械可読識別子7の画像を表示する。
【0090】
図7に戻ると、ブロック106において、アプリ46は、機械可読識別子7が透明なガイド内にいつ収まるかを自動的に検出し得る。そうするために、アプリ46は、機械可読識別子7の境界45が透明なガイドのシルエットといつ位置合わせされるかを自動的に検出することができる。機械可読識別子7の境界45が透明ガイドのシルエットと位置合わせされていることを検出すると、方法100はブロック108に進む。
【0091】
ブロック108において、アプリ46は、機械可読識別子7の画像、例えば静止画を取り込み、機械可読識別子7(すなわち、関心領域)の外側にある取り込まれた画像の領域をマスクする(masks out)。次に、アプリ46は、所定の離散領域40の各々における識別暗号44を検出する。例えば、アプリ46は、所定の離散領域40の各々におけるグレースケール値および/またはRGBカラー値の範囲として表されるエンコーディングされたビットを検出し得る。次に、アプリ46は、スキャンされた衣料品9(例えば、衣服製品11または履物製品10)の製品デジタルフィンガープリントを取り出す(retrieves)。製品デジタルフィンガープリントは、例えばスキャナによって取り込むことができる衣料品9上に配置された機械可読識別子7の内容(例えば、識別暗号44)を表す。従って、製品のデジタルフィンガープリントは、識別暗号44のタイプ、位置、形状、および間隔を含み得る。続いて、アプリ46は、真正のデジタルフィンガープリントと製品デジタルフィンガープリントとを比較する。真正のデジタルフィンガープリントはデータベース60上に記憶され、真正の衣料品9上にあるべき内容(例えば、識別暗号44のタイプ、位置、形状、および間隔に関するデータ)を含む。真正のデジタルフィンガープリントが真正のデジタルフィンガープリントと一致する場合に限り、アプリ46は、衣料品9が真正であることを決定する。換言すれば、衣料品9の製品デジタルフィンガープリントの内容が、データベース60に記憶された真正なデジタルフィンガープリントの内容と同じである場合、アプリ46は、衣料品9が真正であることを決定する。次に、アプリ46は、インタフェースデバイス39に対して、衣料品9が真正であることを示すメッセージを表示するように命令する。
【0092】
代替的に、または追加的に、真正のデジタルフィンガープリントが真正のデジタルフィンガープリントと一致する場合にのみ、アプリ46は、データベースへのアクセスを可能にするなど、衣料品9に関連するサービスを提供する。このデータベースは、トークン、データベースエントリ、または他のブロックチェーン元帳エントリであり得、少なくとも1つの製品の属性に関連する属性データを含む。製品の属性は、製品がどこで作られたか、製品がどのように作られたか、および/または製品に関するサステナビリティ情報などの、衣料品9の属性である。非限定的な例として、サステナビリティ情報は、製品が認証された有機材料でまたは環境に優しい製造方法を通じて作られたことの表示を含み得る(例えば、認証された有機物質の表示)。次に、アプリ46は、データベースにアクセスした後に製品の属性を表示するようインタフェースデバイス39に命令する。
【0093】
図9は、衣料品9(例えば、履物製品10または衣服製品11)を製造するための方法200のフローチャートである。方法200はブロック202においてスタートし、リモートホストシステム34および/またはクラウドコンピューティングシステム36によって実行され得る。そうするために、リモートホストシステム34および/またはクラウドコンピューティングシステム36は、プロセッサおよび非一時的機械可読媒体を含み得る。換言すれば、リモートホストシステム34またはクラウドコンピューティングシステム36は、方法200を実行するように特別にプログラムされ得る。ブロック202の後、方法200はブロック204に進む。ブロック204において、製造者は、機械可読識別子7における識別暗号44の内容および特性を決定する。識別暗号44の内容は、衣料品9の色、および製造者が履物製品10を製造しているか衣服製品11を製造しているかに依存し得る。特に、ブロック204において、製造者またはデザイナーは、エンコーディングシンボル、カラーホイール(例えば、グレースケールカラーまたはRGBカラーホイール)、機械可読識別子7(例えば、ロゴ)の背景43の色、所定値範囲内のグレースケール値および/またはカラー値範囲、各所定値範囲に関連付けられたエンコーディングビット、および各エンコーディングビットに関連付けられた電気抵抗値を選択する。ブロック204の後、方法200はブロック206に進む。
【0094】
ブロック206において、製造者は、機械可読識別子7における内容および特性(すなわち、識別暗号44のシンボル)の内容に基づいてグリッド40のサイズ(すなわち、グリッドサイズ)を決定する。グリッドサイズが選択されると、それは固定される。また、ブロック206において、製造者は、各識別暗号44(例えば、エンコーディングシンボル)間の間隔を選択する。隣接する識別暗号44の全ての間の垂直および水平の間隔は、センサ41による識別暗号44の検出を容易にするために同じである。次いで、方法200はブロック208に進む。
【0095】
ブロック208において、エンコーディングパラメータがリモートホストシステム34および/またはクラウドコンピューティングシステム36に入力される。エンコーディングパラメータは、限定されるものではないが、衣料品9(例えば、履物製品10または衣服製品11)の製造日、製造ID、シリアル番号、製品スタイル、色(複数可)、およびグローバルトレードアイテム番号(GTIN)を含む。次に、方法200はブロック210に進む。
【0096】
ブロック210において、リモートホストシステム34および/またはクラウドコンピューティングシステム36は、各ビット値に対して適切な識別暗号44(例えばエンコーディングシンボルおよび色)を決定するためにエンコーディングアルゴリズムを適用する。このステップは、シンボル、電気抵抗、および色の配列(array)を生成することをもたらす。この配列はデータ配列と呼ばれる。また、ブロック210において、このデータ配列のチェックサムが計算され、少なくとも最上位ビット(例えば、バイナリビット1)でエンコーディングされる。次いで、方法200はブロック212に進む。
【0097】
ブロック212において、識別暗号44の配列(例えば、シンボル、導電性インクの電気抵抗マッピング、シンボルの色、およびシンボルのマッピング)が組み立てられる。識別暗号44の配列は、各所定の離散領域に対する電気抵抗値を含む。1のブール値は、機械可読識別子7内の識別暗号44(例えば、シンボル)を容易に見つけるために、最上位ビットおよび最下位ビットに使用される。グレースケール配列では、最上位ビットは黒色で表され、最下位ビットは白色で表され、その逆も同様である。次に、方法100はブロック214に進む。
【0098】
ブロック214において、リモートホストシステム34および/またはクラウドコンピューティングシステム36は、機械可読識別子7(例えばロゴ)を印刷するために、ブロック212において決定された割り当て電気抵抗値に基づいてインクジェット印刷命令を生成する。インクジェット印刷命令は、衣料品9(例えば、履物10または衣服製品11)上の導電性インクの位置、色、シンボル、および各位置の導電性インクの電気抵抗を含む。次いで、リモートホストシステム34および/またはクラウドコンピューティングシステム36は、インクジェット印刷命令に従って、衣料品9上に機械可読識別子7を印刷する。特に、機械可読識別子7は、機械可読識別子7の複数の離散領域40の各々に対して割り当てられた電気抵抗値を有する導電性インクで印刷される。次いで、ユニークな機械可読識別子7を、最小限のハードウェア(例えば、センサ41)を用いて衣料品9を追跡するために使用することができる。従って、機械可読識別子7を、各衣料品9を一意に識別し、購入者情報を含むその履歴を追跡するために使用することができる。次に、ブロック216において、方法200は終了する。
【0099】
図10は、衣料品9(例えば、履物製品10または衣服製品11)に関連するサービスを提供する詳細な方法300のフローチャートである。方法300はブロック302においてスタートする。次に、方法300はブロック304に進む。ブロック304において、インタフェースデバイス39(例えば、スマートフォン)のセンサ41は、衣料品9から2次元(2D)画像データを連続的に取り込む。そうするために、ユーザ5は、アプリ46を介して、インタフェースデバイス39のセンサ41(例えば、カメラ)を作動させて、更なる分析のためにインタフェースデバイス39の非一時的媒体内に衣料品の画像を連続的に取り込み、記録する。ブロック304の後、方法300はブロック306に進む。
【0100】
ブロック306において、インタフェースデバイス39上で動作するアプリ46は、インタフェースデバイス39のセンサ41を起動することに応答して関心のある領域を強調するのを助けるために、機械可読識別子7の形状の透明なガイドを表示する。言い換えると、アプリ46は、関心のある領域の画像(すなわち、衣料品9上の機械可読識別子7)上に透明なガイドを重ね合わせる。透明なガイドは、透明な塗りつぶしおよび背景を有するソリッドカラーシルエット(例えば、カラーシルエット)であり得る。シルエットは、センサ41(例えば、カメラ)の視野をガイドするのに役立つ機械可読識別子7(例えば、ロゴ)の形状を有し、これにより、ユーザが、機械可読識別子7をスキャンすることを可能にする。
【0101】
ブロック308において、インタフェースデバイス39上で動作しているアプリ46は、センサ41によって取り込まれた2D画像データを分析する。そうするために、ユーザ5は、インタフェースデバイス39のセンサ41を衣料品9の機械可読識別子7に向ける。ユーザ5は、機械可読識別子7が透明なガイドに収まって透明なガイドを満たすまで、透明なガイドを機械可読識別子7に位置合わせする。ユーザ5は、機械可読識別子7が透明なガイド内に収まるまでズームインし得る。アプリ46は、マッチングマシンビジョン技術を適用して、2Dで取り込まれた画像データ内の機械可読識別子7(例えば、ロゴ)を見つけ、分離する。次に、方法300はブロック310に進む。
【0102】
ブロック310において、インタフェースデバイス39上で動作するアプリ46は、機械可読識別子7(例えばロゴ)が衣料品9上で検出されたかどうかを決定する。機械可読識別子7が衣料品9上で検出できない場合、方法300はブロック312に進む。ブロック312において、インタフェースデバイス39は、機械可読識別子7(例えば、ロゴ)が現れ、透明なガイド(例えば、機械可読識別子7の形状の透明な塗りつぶしを有するシルエット)内に収まるまで、アプリを介してユーザ5にズームインするように指示する。ブロック312の後、方法300はブロック308に戻る。ブロック310において機械可読識別子7が衣料品9上で検出された場合、方法300はブロック310からブロック314に進む。
【0103】
ブロック314において、インタフェースデバイス39は、透明ガイドの外側にある取り込まれた画像の残りの部分をマスクする。換言すれば、インタフェースデバイス39は、機械可読識別子7および機械可読識別子7の指定背景43の外側にある取り込まれた画像の領域(すなわち、関心のある領域)をマスクする。次に、方法300はブロック316に進む。
【0104】
ブロック316において、機械可読識別子7の背景色(すなわち、背景43の色)に応じて、インタフェースデバイス39は、さらなる処理のために、2D画像をグレースケールに変換する、または、所定のカラーチャートを使用する。例えば、背景43の色が白色の場合、インタフェースデバイス39は、センサ41によって取り込まれた2D画像をグレースケールに変換する。他方、背景43の色がRGBカラーホイールにおけるある色(例えば青)である場合、インタフェースデバイス39は、さらなる処理のためにRGBカラーホイールまたはチャートを使用する。次に、方法300はブロック318に進む。
【0105】
ブロック318において、インタフェースデバイス39は、マスクのリスト(すなわち、所定の記憶された暗号)を介して反復処理する。マスクのリストは、機械可読識別子7内の各所定の離散領域40における色の範囲によって表される各データビットを検出するために必要とされる標準およびカスタムシンボルの組み合わせである。次に、方法300はブロック320に進む。
【0106】
ブロック320において、インタフェースデバイス39は、背景色に類似した2進数0を表す、RGBカラーホイール内のグレースケールカラーまたは色の範囲を決定するために、機械可読識別子7の背景色(すなわち、背景色43)を識別する。次に、方法300はブロック322に進む。
【0107】
ブロック322において、インタフェースデバイス39は、ビットの第1のグループ(例えば、図10の2進数1ビット)を認識する。換言すれば、インタフェースデバイス39は、2進数1のデータビット値を決定するために、グレースケールカラーおよび/またはRGBカラーの所定の最上位範囲を使用する。次に、方法300はブロック324に進む。
【0108】
ブロック324において、インタフェースデバイス39は、機械可読識別子7(例えば、ロゴ)の右端の隅に表される最上位ビットを有する配列ビットを組み立てる。次に、方法300はブロック326に進む。上述のように、機械可読識別子7は、図6Aに示されるように、アライメントおよび正確なグリッドサイズ決定のための2つの領域(すなわち、第1の識別領域73および第2の識別領域75)を含み得る。第1の識別領域73は、識別子7の左上に配置され得、第2の識別領域75は、識別子7の右端部分に配置され得る。導電性インクの抵抗は、識別子7の端において、2つのプローブのみを用いて測定され得る。具体的には、導電性インクの抵抗を測定するために、第1のプローブが左上の点7Aに配置され得、もう一つのプローブが識別子7の右端の点7Bに配置され得る。次に、抵抗が、衣料品9の独自性を確認するために、識別子7の左上の点7Aと右上の点7Bを横切って測定される。左上の点7Aと右上の点7Bとの間の抵抗測定値は、数字で表され得、これは、データベース60に記憶された数字と比較されることができるこれらの数字は、ビットの配列として組み立てられる。
【0109】
ブロック326において、インタフェースデバイス39は、検出されたビット値を検証するために、左端の8ビットをチェックサムとして使用する。チェックサム関数は、抵抗測定値によって識別される桁の関数である、所定の出力値を返すために使用され得る。次いで、方法300はブロック328に進む。
【0110】
ブロック328において、インタフェースデバイス39はチェックサムを検証する。そうするために、方法200で生成された記憶されたチェックサムは、ブロック326で生成されたチェックサムと比較される。ブロック326で生成されたチェックサムが、方法200で生成されたチェックサムと同じである場合、衣料品9は、真正であると決定される。
【0111】
代替的に、または追加的に、ブロック328において、ブロック326で生成されたチェックサムが方法200で生成されたチェックサムと同じである場合、アプリ46は、データベースへのアクセスを可能にするなど、衣料品9に関連するサービスを提供する。このデータベースは、トークン、データベースエントリ、または他のブロックチェーン元帳エントリであり得、少なくとも1つの製品の属性に関連する属性データを含む。製品の属性は、製品がどこで作られたか、製品がどのように作られたか、製造仕様、および/または衣料品9に関するサステナビリティ情報に関するデータなどの衣料品9の属性である。非限定的な例として、サステナビリティ情報は、製品が認証された有機材料でまたは環境に優しい製造方法を通じて作られたことの表示を含み得る(例えば、認証された有機物質の表示)。次に、アプリ46は、データベースにアクセスした後に製品の属性を表示するようにインタフェースデバイス39に命令する。本開示において、衣料品9に関連するサービスは、上述の認証を含み得る。1つ1つ次に、方法300はブロック332で終了する。
【0112】
代替的な実施形態として、図11は、衣料品9が履物製品10であり得ることを示す。本開示の態様では、履物製品10は、図1に関して上述したように、アッパー12と、アッパー12に取り付けられたソール構造14とを含む。ソール構造14は、インソール22を含む。本明細書で使用するとき、「インソール」という用語は、足の下に延びて足の底を支持するソール構造14の最も内側の単品材料(innermost piece material)である。インソール22全体を磁化して、ソール構造14における細菌の増殖を防止し、それによって、履物製品10における臭気を最小限にし得る。しかしながら、ソール構造14の残りの部分は、自然磁性粒子および/または磁化粒子を含む所定の離散領域40の磁性ゾーンを含む。例えば、図12に示すように、ソール構造14全体は、所定の離散領域40を含む機械可読識別子7であると考えることができる。従って、所定の離散領域40は、磁気ゾーン47と称され得る。図示された実施形態では、ソール構造14内の所定の離散領域40は、磁気ゾーン47(すなわち、磁気ゾーン47A、47B、47c、47D、47E、47F、および47G)と呼ばれる。磁気プロファイル、またはその離散部分は、1つまたは複数の磁気ゾーン47によって形成され、登録可能な識別子7を埋め込む1つの方法として機能し得る。7つの磁気ゾーン47が示されているが、ソール構造14は、ソール構造14の長手方向および/または横方向の寸法/領域を横切って配置された、より多いまたはより少ない磁気ゾーン47を含み得ると考えられる。各磁気ゾーン47は、ソール構造14のフォーム内にランダムに分散された磁性粒子を含み得、これは、製造業者が、ソール構造14に磁気サインを刷り込む(imprint)ことを可能にする。各磁気ゾーン47は、1つ若しくは複数の自然磁性材料および/または磁化可能材料を含み得る。各磁気ゾーン47は、磁気特性(例えば、磁束密度値)を有する。例えば、磁気ゾーン47は、複製をより困難にするために、それぞれ異なる磁束密度値を有し得る。代替的には、磁気ゾーン47の少なくとも一部または全ては、同じ磁束密度値を有してもよい。この場合、磁気特性(例えば、磁束密度値)は、識別暗号44と考えられ、磁気ゾーン47は、所定の離散領域40と考えられる。所定の離散領域40(例えば、磁気ゾーン47)の各々は、特定の磁束密度値(例えば、暗号44を識別する)を有する。
【0113】
ユーザ5は、各磁気ゾーン47の磁気特性(例えば、磁束密度値)を測定するためにインタフェースデバイス39を使用し得る。そうするために、センサ41は、ソール構造14の各磁気ゾーン47の、磁束密度値などの、磁気特性を測定するのに適した磁力計または他のセンサであり得る。センサ41は、インタフェースデバイス39の一部、例えば、磁束密度値のような磁気ゾーン47の磁気特性を測定するように構成された専用スキャナまたは他の適切な装置であり得る。各磁気ゾーン47で測定された磁束密度値は、製品のデジタルフィンガープリントの一部であると考えられる。他方、データベース60上に記憶された磁束密度値は、真正のデジタルフィンガープリントであると考えられる。
【0114】
次に、製品のデジタルフィンガープリントを真正のデジタルフィンガープリントと比較する。換言すれば、各磁気ゾーン47で測定された磁束密度値は、記憶された識別暗号(例えば、各磁気ゾーン47についての磁束密度値のような記憶された磁気特性)と比較される。製品のデジタルフィンガープリントがデータベース60に記憶された真正のデジタルフィンガープリントと一致する場合、インタフェースデバイス39上で動作するアプリ46は、衣料品9が真正であるというメッセージを表示する。換言すれば、所定の離散領域40(例えば、磁気ゾーン47)の各々の各測定された磁束密度値が、所定の離散領域40(例えば、磁気ゾーン47)の各々についての対応する記憶された磁気特性(例えば、磁束密度値)と一致する場合、インタフェースデバイス39(例えば、スマートフォン)上で動作するアプリ46は、衣料品9が真正であるというメッセージを表示する。他方、製品のデジタルフィンガープリントがデータベース60に記憶された真正のデジタルフィンガープリントと一致しない場合、インタフェースデバイス39上で動作するアプリ46は、衣料品9が真正ではないというメッセージを表示する。換言すれば、所定の離散領域40(例えば、磁気ゾーン47)の各々の各磁気特性(例えば、磁束密度値)が、それぞれの所定の離散領域40(例えば、磁気ゾーン47)の各々についての対応する記憶された磁気特性(例えば、磁束密度値)と一致しない場合、インタフェースデバイス39(例えば、スマートフォン)上で動作するアプリ46は、衣料品9が真正ではないというメッセージを表示する。
【0115】
図13は、真正のデジタルフィンガープリントを作成するための磁気ゾーン47を有する衣料品9(例えば、履物製品10)を製造するための方法400のフローチャートである。方法400は、ブロック402において開始する。ブロック402において、フェリ磁性材料などの、磁化可能材料または自然磁性材料が、ソール構造14を成形するために使用されるポリマー材料に添加される。適切なフェリ磁性材料は、マグネタイト(Fe)であり得る。自然磁性粒子または磁化可能粒子が、ソール構造14を作るために使用されるポリマー材料に添加されてもよい。具体的には、磁性または選択的に磁化可能な粒子は、ソール構造14の最初の製造中に、フォームまたはアウトソール内に埋め込まれ得る。成形プロセスの性質のために、これらの粒子が、フォームミッドソールおよび/またはアウトソールじゅうのランダムな分布および/または分散を達成し得る可能性が高い。自然磁性粒子は、ソール構造14を作るために使用されるポリマー材料中にランダムに分散され得、それによって、機械可読識別子7を複製することを困難にする。代替的には、磁化可能粒子は、製造業者が磁気ゾーン47内にユニークな磁気サインを生成することを可能にする。次に、方法400はブロック404に進む。
【0116】
ブロック404において、強磁性材料のような磁性材料が、インソール22を生成するために使用される成形材料(compound)に添加される。インソール22内の磁性材料は、バクテリアの増殖を阻害し、第2の認証ファクタとして使用され得る。次に、方法400はブロック406に進む。
【0117】
ブロック406において、適切なサイズの器具(fixture)を使用して、衣料品9の各所定の離散領域40(例えば、磁気ゾーン47)を磁化する。例えば、履物製品10のソール構造14内の磁気ゾーン47A、47B、47C、47D、47E、47F、および47Gのみが、ランダムな磁気特性値で磁化される。磁化器が、磁気ゾーン47を磁化するために使用され得る。これらの磁気ゾーン47は、インタフェースデバイス39のセンサ41でスキャンすることを容易にするために、互いに離間されている。このステップは、磁気ゾーンが、ブロック402において、自然磁性粒子を備え得るため、オプションである。次に、方法400はブロック408に進む。
【0118】
ブロック408において、器具が、衣料品9(例えば、履物製品10)の中のバクテリアの増殖を制御するのを助けるために、インソール22全体を磁化するために使用される。ブロック406はオプションである。次に、方法400はブロック410に進む。
【0119】
ブロック410において、適切なサイズの器具が、衣料品9の各磁気ゾーン47の磁気特性(例えば、磁束密度値)を測定するために使用される。ガウスメーターまたはテスラメーターなどの磁力計が、各磁気ゾーン47の磁気特性値を測定するために使用され得る。磁気特性(例えば、磁束密度値)は、リモートホストシステム34および/またはクラウドコンピューティングシステム36に記憶される。磁気ゾーンの記憶された磁気値は、真正のデジタルフィンガープリントを形成する。各磁気ゾーン47について記憶された磁気値は、衣料品9(例えば、履物製品10)に対する固有のシリアル番号と関連付けられる。この関連はまた、リモートホストシステム34および/またはクラウドコンピューティングシステム36に記憶される。方法400はブロック410において終わることができる。
【0120】
図14は、磁気ゾーン47を使用する衣料品9に関連するサービスを提供するための方法500のフローチャートである。本方法500を実行する前に、いくつかの予備ステップが実行され得る。例えば、記憶されたシリアル番号は、衣料品9および/または衣料品9のパッケージ(例えば、箱)に印刷され得る。記憶されたシリアル番号は、履物10の製品の箱に印され得る。さらに、衣料品9が購入者に販売される場合、購入者の識別番号は、リモートホストシステム34および/またはクラウドコンピューティングシステム36に記憶され得る。また、購入者の識別番号は、衣料品のシリアル番号と関連付けられ得る。この関連は、リモートホストシステム34および/またはクラウドコンピューティングシステム36に記憶される。さらに、ユーザ5は、図8に示すように、アプリ46をインタフェースデバイス39にダウンロードしてインストールし得る。上述のように、インタフェースデバイス39は、タブレット、スマートフォン、タブレットコンピュータ、スマートウォッチ、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、または他の類似のインターネット対応デバイスであり得る。とにかく、インタフェースデバイス39は、アプリ46を動作させるためのプロセッサまたは他の適切な処理装置を含む。上述のように、インタフェースデバイス39は、衣料品9(例えば、履物製品10)の真正性を決定するために、ソール構造14の各所定の離散領域40(例えば、磁気ゾーン47)の磁気特性(磁束密度値)を測定するように構成される、磁力計のようなセンサ41を含み得る。アプリ46は、サードパーティ統合サービス66からダウンロードされ得る。アプリ46をインタフェースデバイス39にダウンロードしてインストールした後、方法500が実行され得る。
【0121】
方法500はブロック504において開始する。ブロック504において、ユーザ5は、(アプリ46上で)衣料品9を選択し得、アプリ46を使用して、衣料品9の固有のシリアル番号、購入日、および/または特徴を検証し得る。次に、方法500はブロック506に進む。
【0122】
ブロック506において、アプリ46は、ユーザ5(例えば、購入者)に、インタフェースデバイス39を所定の離散領域40(例えば、磁気ゾーン47)の各々の上に配置し、位置合わせするように指示する。これに応答して、インタフェースデバイス39のセンサ41(例えば、磁力計)は、衣料品9の各所定の離散領域40における磁気特性(例えば、磁束密度値)を測定する。各所定の離散領域40の磁気特性値を測定し記録した後、方法500はブロック508に進む。
【0123】
ブロック508において、アプリ46は、各磁気ゾーン47における測定された磁気特性値(例えば、磁束密度値)を、各磁気ゾーン47に対する記憶された識別暗号44(例えば、磁束密度値などの記憶された磁気特性)と比較する。また、アプリ46は、衣料品8のパッケージ上のシリアル番号を、アプリに記憶されたシリアル番号と比較する。所定の離散領域40(例えば、磁気ゾーン47)の各々における各磁気特性値(例えば、磁束密度値)が、それぞれの所定の離散領域40(例えば、磁石ゾーン47)の各々に対する対応する記憶された磁気特性値(例えば、磁束密度値)と一致し、パッケージ上のシリアル番号がアプリに記憶されたシリアル番号と一致する場合、インタフェースデバイス39(例えば、スマートフォン)上で動作するアプリ46は、衣料品9が真正であるというメッセージを表示する。1つ
【0124】
代替的に、または追加的に、ブロック508において、機械可読識別子7を読み取った後に、所定の離散領域40(例えば、磁気ゾーン47)の各々における各磁気特性値(例えば、磁束密度値)が、それぞれの所定の離散領域40(例えば、磁石ゾーン47)の各々に対する対応する記憶された磁気特性値(例えば、磁束密度値)と一致し、パッケージ上のシリアル番号がアプリ46上に記憶されたシリアル番号と一致すると決定することに応答して、アプリ46および/またはクラウドベースのシステムは、データベースへのアクセスを可能にするなど、衣料品9に関連するサービスを提供する。このデータベースは、トークン、データベースエントリ、または他のブロックチェーン元帳エントリであり得、少なくとも1つの製品の属性に関連する属性データを含む。製品の属性は、製品がどこで作られたか、製品がどのように作られたか、製造仕様、および/または衣料品9に関するサステナビリティ情報に関するデータのような、衣料品9の属性である。非限定的な例として、サステナビリティ情報は、製品が認証された有機材料または環境に優しい製造方法を通じて作られたことの表示(例えば、有機認証を受けた表示)を含み得る。次に、アプリ46は、データベースにアクセスした後に製品の属性を表示するようにインタフェースデバイス39に命令する。1つ
【0125】
所定の離散領域40(例えば、磁気ゾーン47)の磁気特性値の一部(全部ではない)が、それぞれの所定の離散領域40に対する対応する記憶された磁気特性値と一致する場合、インタフェースデバイス39上で動作するアプリ46は、どれだけの領域が一致するかを示すメッセージを表示し得る。所定の離散領域40(例えば、磁気ゾーン47)の各々における各磁気特性(例えば、磁束密度値)が、それぞれの所定の離散領域40(例えば、磁石ゾーン47)の各々に対する対応する記憶された磁気特性(例えば、磁束密度値)と一致しないまたはパッケージ上のシリアル番号が、アプリに記憶されたシリアル番号と一致しない場合、インタフェースデバイス39(例えば、スマートフォン)上で動作するアプリ46は、衣料品9が真正ではないおよび/または本明細書に記載されたサービスが提供されないというメッセージを表示する。
【0126】
製造方法200および400は、衣料品9を認証するためにデュアルファクタ認証プロセス(dual-factor authentication process)を必要とする、衣料品9を製造するために組み合わされ得る。したがって、デュアルファクタ認証プロセスは、方法300(図7)と方法500(図14)との組み合わせであり得る。履物製品10の場合、アッパー12およびソール構造14は、機械可読識別子7を含む。代替的に、または追加的に、デュアルファクタ認証プロセスは、隠された機械可読識別子7を位置特定するために位置特定機能を使用することを含み得る。位置特定機能は、衣料品9の磁気ゾーン47内に配置された1つまたは複数の近接場通信(NFC)対応デバイス49(図12)であり得る。NFC対応デバイス49は、1つまたは複数の磁気ゾーン47を位置特定するために使用され得る。位置特定機能は、図7に示すように、機械可読識別子を表すデジタル印刷画像(例えば、ロゴ)であり得る。例えば、履物製品10のアッパー12に設けられたロゴまたはグラフィックにエンコーディングされた機械可読識別子7は、履物製品10の磁気または磁化可能なソール構造14の特定の領域を指し示し得、そこから第2の識別子コードが抽出され得る。さらに、図7および図8に関して上述したように、インタフェースデバイス39のセンサ41を使用して、デジタル印刷画像(例えば、ロゴ)を位置特定し得る。二重認証プロセスが上述されているが、1より多い機械可読識別子7が、多重認証技術の一部として使用され得る。例えば、1つの機械可読識別子7は、第2のエンコーディングされた機械可読識別子7をどのようにまたはどこで抽出することができるかについての命令を提供し得る。
【0127】
認証は、本技術の1つの用途であるが、機械可読識別子7はまた、他の目的のためにユニークなコードを記憶するために使用され得る。例えば、1つの構成では、埋め込まれた識別子7は、デジタル収集品、デジタル属性、デジタル体験をロック解除するための、または電子アプリケーションにおける特別な機能、またはその後にリリースされる商品への早期アクセスなどを提供するためのロック解除コード、電子チケット/パス、または秘密暗号鍵として機能し得る。例えば、1つの構成では、埋め込まれた識別子7は、暗号で保護されたデジタル収集品(例えば、ブロックチェーン技術によって表されるような不変の元帳に登録されたもの)をユーザが取得することを可能にし得る、暗号鍵または暗号秘密鍵にリンクされたユニークなコードであり得る。そのような暗号で保護されたデジタル収集品(例えば、「CryptoKicks」)の例は、2019年12月10日に米国特許第10,505,726号として発行された米国特許出願第16/423,671号に記載されている。換言すれば、機械可読識別子7は、ブロックチェーンの秘密鍵であり得、衣料品9は、秘密鍵のためのウォレットとして機能し得る。秘密鍵は、ブロックチェーンに一意に登録されたトークンとして設定される。ブロックチェーンは、公開チェーンではなく、特定の企業のコンピュータ上でのみ動作するプライベートチェーンであってもよい。センサ41は、デジタル収集品をロック解除するために機械可読識別子7をデコーディングするために、イベント(例えば、スポーツイベント)において使用され得る。デジタル収集品はさらに、ブロックチェーンに固定され(secured)得る。別の実施形態では、埋め込まれた識別子7は、ユーザが、暗号で保護されたデジタル収集品の属性を修正するため、または、ビデオゲームアプリケーションにおけるユーザ制御可能なキャラクタの外観に対する独特の能力改善または変更を提供するために、属性パックを取得することを可能にし得る。
【0128】
本開示の態様は、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるコントローラ又はコントローラのバリエーションのいずれかによって実行されるソフトウェアアプリケーション又はアプリケーションプログラムと概して呼ばれる、プログラムモジュールのような、命令のコンピュータ実行可能プログラムを介して実装され得る。ソフトウェアは、非限定的な例において、特定のタスクを実行する又は特定のデータタイプを実装するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、及びデータ構造を含み得る。ソフトウェアは、入力ソースに従ってコンピュータが反応することを可能にするインタフェースを形成し得る。ソフトウェアはまた、他のコードセグメントと協働して、受信されたデータのソースと関連して受信されたデータに応答して、種々のタスクを開始し得る。ソフトウェアは、CD-ROM、磁気ディスク、バブルメモリ、及び半導体メモリ(例えば、種々のタイプのRAM又はROM)のような種々のメモリ媒体のいずれかに記憶され得る。
【0129】
さらに、本開示の態様は、マルチプロセッサシステム、マイクロプロセッサベース又はプログラマブルコンシューマ電子機器、ミニコンピュータ、メインフレームコンピュータなどを含む、種々のコンピュータシステム及びコンピュータネットワーク構成で実施され得る。加えて、本開示の態様は、タスクが、通信ネットワークを介してリンクされる常駐及びリモート処理デバイスによって実行される分散コンピューティング環境において実施され得る。分散コンピューティング環境では、プログラムモジュールは、メモリ記憶デバイスを含むローカル及びリモートのコンピュータ記憶媒体の両方に配置され得る。したがって、本開示の態様は、コンピュータシステム又は他の処理システムにおいて、種々のハードウェア、ソフトウェア又はそれらの組み合わせに関連して実装され得る。
【0130】
本明細書に記載される方法のいずれも、(a)プロセッサ、(b)コントローラ、及び/又は(c)任意の他の適切な処理装置による実行のための機械可読命令を含み得る。本明細書に開示されている任意のアルゴリズム、ソフトウェア、制御ロジック、プロトコル又は方法は、例えば、フラッシュメモリ、CD-ROM、フロッピー(登録商標)ディスク、ハードドライブ、デジタル多用途ディスク(DVD)、又は他のメモリデバイスのような有形媒体に記憶されたソフトウェアとして具体化され得る。アルゴリズム全体、制御論理、プロトコル、又は方法、及び/又はそれらの一部は、代替的に、コントローラ以外のデバイスによって実行され得る、及び/又は、利用可能な方法(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理装置(PLD)、フィールドプログラマブル論理装置(FPLD)、個別ロジックなどによって実装される)でファームウェア又は専用ハードウェアで具体化され得る。さらに、特定のアルゴリズムが、本明細書に示されるフローチャートを参照して説明されるが、例示的な機械可読命令を実装するための多くの他の方法が、代替的に使用され得る。
【0131】
本開示の態様を、図示された実施形態を参照して詳細に説明したが、当業者は、本開示の範囲から逸脱することなく、多くの修正が行われ得ることを認識するであろう。本開示は、本明細書に開示された正確な構造及び組成物に限定されず、前述の説明から明らかなすべての修正、変更、及び変形は、添付の特許請求の範囲によって定義される本開示の範囲内である。さらに、本概念は、先行する要素及び特徴の任意の及びすべての組み合わせ及びサブコンビネーションを明確に含む。追加の特徴は、以下の条項に反映され得る:
【0132】
条項1. 衣料品を認証する方法であって:機械可読識別子を提供するステップであって、前記機械可読識別子は、前記衣料品に取り付けられ、前記機械可読識別子は、取り付けられた前記衣料品の真正性を表し、前記機械可読識別子は、複数の識別暗号を含み、前記複数の識別暗号の各々は、前記機械可読識別子の複数の所定の離散領域のそれぞれの所定の離散領域内に配置される、ステップと;前記所定の離散領域の各々の前記識別暗号を検出するために前記機械可読識別子のスキャン画像を受信するステップと;各々が前記複数の所定の離散領域の1つに対応する所定の離散領域の各々に対する所定の記憶された暗号を検索するステップと;前記所定の離散領域の各々における各識別暗号が前記それぞれの所定の離散領域の各々に対する対応する記憶された暗号と一致するかどうかを決定するために、前記所定の離散領域の各々の前記識別暗号を、前記所定の離散領域の各々に対する前記所定の記憶された暗号と比較するステップと;前記所定の離散領域の各々における各識別暗号が前記それぞれの所定の離散領域の各々に対する前記対応する記憶された暗号と一致すると決定することに応答して、前記衣料品が真正であることを決定するステップと;を含む。
【0133】
条項2. 前記機械可読識別子は、前記衣料品上のデジタル印刷画像であり、前記デジタル印刷画像は、前記複数の所定の離散領域を含む、条項1の方法。
【0134】
条項3. 前記機械可読識別子は、前記衣料品上に直接配置されたユニークなロゴを含む、条項1又は2の方法。
【0135】
条項4. 前記機械可読識別子はバーコードである、条項1または2の方法。
【0136】
条項5. 前記所定の離散領域の各々の前記識別暗号は、複数のエンコーディングシンボルを含む、条項1または2の方法。
【0137】
条項6. 前記複数のエンコーディングシンボルのうちの少なくとも1つは、グラフィック形状を含み、前記グラフィック形状は、円形、四角形、三角形から選択される少なくとも1つを含む、条項1~5の方法。
【0138】
条項7. 前記所定の離散領域の各々の前記識別暗号は、グレースケールカラーを有し、前記グレースケールカラーは2進数を表す、条項1~6の方法。
【0139】
条項8. 前記機械可読識別子の前記スキャン画像を受信するステップは、前記機械可読識別子から画像データを連続的に受信するステップを含む、条項1~6の方法。衣料品は、衣服製品および履物製品から選択される少なくとも1つである。
【0140】
条項9. 前記衣料品は履物製品であり、前記履物製品は、アッパーおよび前記アッパーに取り付けられたソール構造を含み、前記所定の離散領域は、前記ソール構造の複数の磁気ゾーンである、条項1~8の方法。
【0141】
条項10. 前記磁気ゾーンは、複数の自然磁性粒子および複数の磁化粒子から選択される少なくとも1つを含む、条項1~9の方法。
【0142】
条項11. 前記所定の離散領域の各々は、それぞれの磁束密度値を有し、前記所定の離散領域の各々の前記識別暗号は、前記それぞれの磁束密度値である、条項1~10の方法。
【0143】
条項12. 前記所定の離散領域の各々の前記識別暗号は、前記所定の離散領域の各々の磁束密度の値であり、前記所定の離散領域の各々に対する前記所定の記憶された暗号は、記憶された値であり、前記所定の離散領域の各々に対する前記記憶された値は、前記所定の離散領域の各々における各磁束密度値が、前記それぞれの所定の離散領域の各々に対する対応する記憶された値と一致するかどうかを決定するために、前記所定の離散領域の各々の前記磁束密度値と比較される、条項1~11の方法。
【0144】
条項13. 前記衣料品は、前記衣料品内の前記所定の離散領域の各々を位置特定するための位置特定機能を含む、条項1~12のいずれかの方法。
【0145】
条項14. 前記位置特定機能は、近接場通信(NFC)対応デバイスおよびデジタル印刷画像から選択される少なくとも1つである、条項1~13のいずれかの方法。
【0146】
条項15. 前記衣料品は履物製品であり、前記履物製品は、アッパーおよび前記アッパーに取り付けられたソール構造を含み、前記複数の所定の離散領域は、前記アッパーおよび前記ソール構造から選択された少なくとも1つに配置される、条項1~14のいずれかの方法。
【0147】
条項16. 前記機械可読識別子は、ウォレットの秘密鍵である、条項1~15のいずれかの方法。
【0148】
条項17. 前記秘密鍵はブロックチェーンに一意に登録されたトークンとして設定される、条項1~16のいずれかの方法。
【0149】
条項18. 前記衣料品は、ウォレットとして機能し、前記秘密鍵を具現化する、条項1~17のいずれかの方法。
【0150】
条項19. 前記ブロックチェーンは、プライベートチェーンである、条項1~18の方法。
【0151】
条項20. 前記センサは、デジタル収集品をロック解除するために、前記衣料品から前記機械可読識別子を取得するために前記機械可読識別子を読み取る、条項1~19のいずれかの方法。
【0152】
条項21. 前記デジタル収集品は、ブロックチェーンに関連付けられる、条項1~20のいずれかの方法。
【0153】
条項22. 前記衣料品が真正であると決定することに応答して、ブロックチェーン元帳エントリへのアクセスを可能にするステップをさらに含み、前記ブロックチェーン元帳エントリは、少なくとも1つの製品の属性を含み、前記少なくとも1つの製品の属性は、前記衣料品の属性であり、前記少なくとも1つの製品の属性は:どこで前記製品が作られたか、前記製品がどのように作られたか、または前記衣料品に関するサステナビリティ情報のうちの1つに関するデータを含む、条項1~21のいずれかの方法。
【0154】
条項23. 機械可読識別子を有する衣料品であって;前記機械可読識別子は、複数の所定の離散領域を含み;前記機械可読識別子は、複数の識別暗号を含み;前記複数の識別暗号の各々は、前記機械可読識別子の複数の所定の離散領域のそれぞれの所定の離散領域に配置され;前記所定の離散領域の各々における前記複数の識別暗号の各々は、前記衣料品の認証を容易にするために、前記それぞれの所定の離散領域の各々についてリモートに記憶された暗号と一致する。
【0155】
条項24. 前記衣料品は履物製品であり、前記履物製品は、アッパーおよび前記アッパーに取り付けられたソール構造を含み、前記機械可読識別子は、前記アッパーのロゴである、条項23の衣料品。
【0156】
条項25. 前記ロゴは前記アッパー上のデジタル印刷画像であり、前記ロゴは導電性インクを含み、前記複数の識別暗号は複数の色を含み、各色は色値を有し、前記色値は複数の所定の値の範囲にグループ化され、エンコーディングビットが前記所定の値の範囲のそれぞれの所定の値の範囲に関連付けられる、条項23または24のいずれかの衣料品。
【0157】
条項26. 前記複数の識別暗号のうちの少なくとも1つはエンコーディングシンボルである、条項23~25のいずれかの衣料品。
【0158】
条項27. 前記衣料品は、衣服製品であり、前記衣服製品はシャツであり、前記シャツはメインシャツ本体と、前記メインシャツ本体に取り付けられた第1のスリーブと、前記メインシャツ本体に取り付けられた第2のスリーブとを含み、前記機械可読識別子は前記メインシャツ本体に配置され、前記機械可読識別子はロゴであり、前記ロゴは導電性インクを含み、前記複数の識別暗号のうちの少なくとも1つは幾何学的形状であり、前記幾何学的形状は三角形、四角形、および円形から選択された少なくとも1つである、条項23~26のいずれかの衣料品。
【0159】
条項28. 前記衣料品は履物製品であり、前記履物製品は、アッパーおよび前記アッパーに取り付けられたソール構造を含み、前記所定の離散領域の各々は、前記ソール構造上の磁気ゾーンであり、各前記磁気ゾーンは、前記履物製品の認証を容易にするために、それぞれの磁気ゾーンの各々について、リモートに記憶された磁束密度値に一致する対応する磁束密度値を有する、条項23~27のいずれかの衣料品。
【0160】
条項29. 前記ソール構造は、前記ソール構造における細菌の増殖を防止するために完全に磁化されたインソールを含む、条項23~28のいずれかの衣料品。
【0161】
条項30. 前記磁気ゾーンの各々は、複数のランダムに分散された磁性粒子を含む、条項23~29のいずれかの衣料品。
【0162】
条項31. 前記磁気ゾーンは、互いに異なる磁束密度値を有する、条項23~30のいずれかの衣料品。
【0163】
条項32. 前記衣料品内の前記所定の離散領域の各々を位置特定するための位置特定機能をさらに有する、条項23~31のいずれかの衣料品。
【0164】
条項33. 前記位置特定機能は、近接場通信(NFC)対応デバイスおよびデジタル印刷画像から選択された少なくとも1つである、条項23~32のいずれかの衣料品。
【0165】
条項34. 衣料品の製造方法であって:衣料品上に機械可読識別子を配置するステップを含み;前記機械可読識別子は、前記衣料品の真正性を表し、前記機械可読識別子は、複数の識別暗号を含み、前記複数の識別暗号の各々は、前記機械可読識別子の複数の所定の離散領域のそれぞれの所定の離散領域に配置される。
【0166】
条項35. 前記機械可読識別子内の前記複数の識別暗号の内容および特徴を決定するステップをさらに含む、条項34の方法。
【0167】
条項36. 前記機械可読識別子内の前記複数の識別暗号の前記内容および前記特徴の内容に基づいてグリッドのサイズを決定するステップをさらに含み、前記グリッドの各四角形は、前記所定の離散領域の1つである、条項34~35のいずれかの方法。
【0168】
条項37. リモートホストシステムにエンコーディングパラメータを入力するステップをさらに含み、前記エンコーディングパラメータは、前記衣料品の製造日、製造ID、シリアル番号、製品スタイル、色、およびグローバルトレードアイテム番号(GTIN)を含む、条項34~36のいずれかの方法。
【0169】
条項38. 前記複数の識別暗号の各々にビット値を割り当てるステップをさらに含む、条項34~37のいずれかの方法。
【0170】
条項39. 各前記ビット値に電気抵抗値を割り当てるステップをさらに含み、前記電気抵抗値を割り当てるステップは、前記複数の所定の離散領域の各々に対して前記電気抵抗値を割り当てるステップを含む、条項34~38のいずれかの方法。
【0171】
条項40. 前記機械可読識別子を前記衣料品上に印刷するように、割り当てられた前記電気抵抗値に基づいてインクジェット印刷命令を生成するステップをさらに含む、条項34~39のいずれかの方法。
【0172】
条項41. 前記機械可読識別子を前記衣料品上に配置するステップは、割り当てられた前記電気抵抗値に基づいて前記機械可読識別子を印刷するステップを含む、条項34~40のいずれかの方法。
【0173】
条項42. 前記機械可読識別子は、前記機械可読識別子の前記複数の離散領域の各々に対して割り当てられた前記電気抵抗値を有する導電性インクで印刷される、条項34~41のいずれかの方法。
【0174】
条項43. 前記衣料品は履物製品であり、前記履物製品は、アッパーおよび前記アッパーに結合されたソール構造を有し、前記機械可読識別子を前記衣料品上に配置するステップは、前記ソール構造内に磁気ソーンを形成するように前記ソール構造を成形するために使用されるポリマー材料に磁性材料を添加するステップを含み、前記磁気ゾーンは、前記機械可読識別子の前記所定の離散領域である、条項34~42のいずれかの方法。
【0175】
条項44. 前記磁性材料を添加するステップは、前記ソール構造を成形するために使用される前記ポリマー材料中にランダムに分散する自然磁性粒子を添加するステップを含む、条項34~43のいずれかの方法。
【0176】
条項45. 前記磁性材料を添加するステップは、前記ソール構造を成形するために使用される前記ポリマー材料に磁化可能材料を添加するステップを含む、条項34~44のいずれかの方法。
【0177】
条項46. 前記磁気ゾーンの各々を磁化するステップをさらに含む、条項34~45のいずれかの方法。
【0178】
条項47. 前記磁気ゾーンの各々の磁気特性値を測定するステップと、前記磁気ゾーンの各々の前記磁気特性値をリモートホストシステムに記憶するステップとをさらに含む、条項34~46のいずれかの方法。
【0179】
条項48. 衣料品に関連するサービスを提供する方法であって、機械可読識別子を提供するステップであって、前記機械可読識別子は、前記衣料品に取り付けられ、前記機械可読識別子は、取り付けられた前記衣料品の属性を表し、前記機械可読識別子は、複数の識別暗号を含み、前記複数の識別暗号の各々は、前記機械可読識別子の複数の所定の離散領域のそれぞれの所定の離散領域内に配置される、ステップと;前記所定の離散領域の各々の前記識別暗号を検出するために前記機械可読識別子のスキャン画像を受信するステップと;各々が前記複数の所定の離散領域の1つに対応する前記所定の離散領域の各々に対する所定の記憶された暗号を検索するステップと;前記所定の離散領域の各々における各識別暗号が前記それぞれの所定の離散領域の各々に対する対応する記憶された暗号と一致するかどうかを決定するために、前記所定の離散領域の各々の前記識別暗号を、前記所定の離散領域の各々に対する前記所定の記憶された暗号と比較するステップと;前記所定の離散領域の各々における各識別暗号が前記それぞれの所定の離散領域の各々に対する前記対応する記憶された暗号と一致すると決定することに応答して、前記衣料品に関連する前記サービスを提供するステップと、を含む。
【0180】
条項49. 前記機械可読識別子は、前記衣料品上のデジタル印刷画像であり、前記デジタル印刷画像は、前記複数の所定の離散領域を含む、条項48の方法。
【0181】
条項50. 前記サービスを提供するステップは、各前記所定の離散領域における各識別暗号が前記それぞれの所定の離散領域の各々に対する前記対応する記憶された暗号と一致すると決定することに応答して、前記衣料品が真正であることを決定するステップを含む、条項48または49の方法。
【0182】
条項51. 前記サービスを提供するステップは、データベースへのアクセスを可能にするステップを含み、前記データベースは、少なくとも1つの製品の属性に関連する属性データを含み、前記少なくとも1つの製品の属性は、前記衣料品の属性である、条項48~50のいずれかの方法。
【0183】
条項52. 前記属性データは、前記製品がどこで作られたかに関する情報を含む、条項48項~51のいずれかの方法。
【0184】
条項53. 前記属性データは、前記製品がどのように作られたかに関する情報を含む、条項48項~52のいずれかの方法。
【0185】
条項54. 前記属性データは、前記衣料品に関するサステナビリティ情報を含む、条項48項~53のいずれかの方法。
【0186】
条項55. 前記属性データは、製造仕様を含む、条項48項~54のいずれかの方法。
【0187】
条項56. 前記衣料品は履物製品であり、前記履物製品は、アッパーおよび前記アッパーに取り付けられたソール構造を含み、前記所定の離散領域は、前記ソール構造の複数の磁気ゾーンであり、前記磁気ゾーンは、複数の自然磁性粒子および複数の磁化粒子から選択される少なくとも1つを含み、前記所定の離散領域の各々は、それぞれの磁束密度値を有し、前記所定の離散領域の各々の前記識別暗号は、前記それぞれの磁束密度値である、条項48項~55のいずれかの方法。
【0188】
条項57. 前記所定の離散領域の各々の前記識別暗号は、前記所定の離散領域の各々の磁束密度値であり、前記所定の離散領域の各々に対する前記所定の記憶された暗号は、記憶された値であり、前記所定の離散領域の各々に対する前記記憶された値は、前記所定の離散領域の各々における各磁束密度値が、前記それぞれの所定の離散領域の各々に対する対応する記憶された値と一致するかどうかを決定するために、前記所定の離散領域の各々の前記磁束密度値と比較される、条項48項~56のいずれかの方法。
【0189】
条項58. 前記機械可読識別子は、ウォレットの秘密鍵であり、前記秘密鍵は、ブロックチェーンに一意に登録されたトークンとして設定される、条項48項~57のいずれかの方法。
【0190】
条項59. 前記衣料品に関連する前記サービスは、ブロックチェーン元帳エントリへのアクセスを可能にすることを含み、前記ブロックチェーン元帳エントリは、少なくとも1つの製品の属性を含み、前記少なくとも1つの製品の属性は、前記衣料品の属性であり、前記少なくとも1つの製品の属性は:前記製品がどこで作られたか、前記製品がどのように作られたか、又は前記衣料品に関するサステナビリティ情報のうちの1つに関する属性データを含む、条項48項~58のいずれかの方法。
【0191】
条項60. 衣料品であって、機械可読識別子を有する。前記機械可読識別子は、複数の所定の離散領域を含む。前記機械可読識別子は、複数の識別暗号を含む。前記複数の識別暗号の各々は、前記機械可読識別子の複数の所定の離散領域のそれぞれの所定の離散領域に配置される。所定の離散領域の各々における複数の識別暗号の各々は、サービスを提供することを容易にするために、それぞれの所定の離散領域の各々に対するリモートに記憶された暗号と一致する。
【0192】
条項61. 前記サービスは、各所定の離散領域における各識別暗号が、前記それぞれの所定の離散領域の各々に対する対応する前記記憶された暗号と一致する場合に、前記衣料品が真正であると決定することを含む、条項60の衣料品。
【0193】
条項62. 前記衣料品は、履物製品であり、前記履物製品は、アッパーおよび前記アッパーに取り付けられたソール構造を含み、前記機械可読識別子は、前記アッパー上に直接配置されたロゴであり、前記ロゴは、前記アッパー上のデジタル印刷画像であり、前記ロゴは、導電性インクを含み、前記複数の識別暗号は、複数の色を含み、各色は、色値を有し、前記色値は、複数の所定の値の範囲にグループ化され、エンコーディングビットが、前記所定の値の範囲のそれぞれの所定の値の範囲に関連付けられる、条項60または61の衣料品。
【0194】
条項63. 前記サービスは、データベースへのアクセスを可能にすることを含み、前記データベースは、少なくとも1つの製品の属性に関連する属性データを含み、前記少なくとも1つの製品の属性は、前記衣料品の属性である、条項60~63のいずれかの衣料品。
【0195】
条項64. 前記属性データは、前記製品がどこで作られたかに関する情報を含む、条項60~63のいずれかの衣料品。
【0196】
条項65. 前記属性データは、前記製品がどのように作られたかに関する情報を含む、条項60~64のいずれかの衣料品。
【0197】
条項66. 前記属性データは、前記衣料品に関するサステナビリティ情報を含む、条項60~65のいずれかの衣料品。
【0198】
条項67. 前記衣料品は履物製品であり、前記履物製品は、アッパーおよび前記アッパーに取り付けられたソール構造を含み、前記所定の離散領域の各々は、前記ソール構造上の磁気ゾーンであり、各磁気ゾーンは、前記履物製品の認証を容易にするために、それぞれの磁気ゾーンの各々に対するリモートに記憶された磁束密度値に一致する対応する磁束密度値を有する、条項60~65のいずれかの衣料品。
【0199】
条項68. 衣料品に関連するサービスを提供する方法であって、衣料品上に識別子を設けるステップと、ユーザからの識別子のスキャンを受信するステップと、受信された前記スキャンから暗号を抽出するステップであって、前記暗号は、前記衣料品を一意に識別する、ステップと、前記抽出された暗号から前記衣料品の1つまたは複数の属性を決定するステップと、前記1つまたは複数の決定された前記属性を前記ユーザに表示するステップであって、前記1つまたは複数の属性は、真正性、製造履歴、又は所有履歴のうちの少なくとも1つを含む、ステップと、を含む、方法。
【0200】
条項69. 前記衣料品上に前記識別子を設けるステップは、前記衣料品の外面にユニークなグラフィカルなデザイン(unique graphical design)を設けるステップを含み、前記衣料品は、履物製品であり、前記履物製品は、アッパー及びソール構造を含み、前記ソール構造は、前記アッパーに結合され、前記ユーザから前記識別子のスキャンを受信するステップは、前記ユニークなグラフィカルなデザインのスキャンを受信するステップを含む、条項68に記載の方法。
【0201】
条項70. 前記スキャンは電磁的スキャンであり、前記ユニークなグラフィカルナデザインは導電性インクを含む、条項68または69のいずれかの方法。
【0202】
条項71. 前記衣料品は、履物製品であり、前記履物製品は、アッパーおよび前記アッパーに取り付けられたソール構造を含み、前記衣料品上に前記識別子を設けるステップは、前記ソール構造のフォーム内にユニークな磁気サインを設けるステップを含み、前記ユーザから前記識別子のスキャンを受信するステップは、前記ユーザから前記磁気サインのスキャンを受信するステップを含む、条項68~70のいずれかの方法。
【0203】
条項72. 前記衣料品上に前記識別子を設けるステップは:前記衣料品の外面にユニークなグラフィカルなデザインを設けるステップであって、前記衣料品は、履物製品であり、前記履物製品は、アッパー及びソール構造を含み、前記ソール構造は、前記アッパー構造に結合される、ステップと;前記ソール構造のフォーム内にユニークな磁気サインを設けるステップと;を含み、前記ユーザから前記識別子のスキャンを受信するステップは:前記ユーザから前記ユニークなグラフィカルなデザインのスキャンを受信するステップと;前記ユーザから前記ユニークな磁気サインのスキャンを受信するステップと;を含み、前記受信したスキャンから前記暗号を抽出するステップは:前記ユニークなグラフィカルなデザインの前記スキャンから前記暗号を抽出するステップであって、前記暗号は第1の暗号である、ステップと;前記磁気サインの前記スキャンから第2の暗号を抽出するステップと;前記第1の暗号及び前記第2の暗号を介して前記履物製品の前記真正性を決定するステップと;前記ユーザに前記真正性の表示を返すステップと;を含む、条項68~71のいずれかの方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図6A
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
【外国語明細書】