(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024127956
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】権利判定システム、権利判定方法、情報処理端末およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 21/32 20130101AFI20240912BHJP
【FI】
G06F21/32
【審査請求】有
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024107559
(22)【出願日】2024-07-03
(62)【分割の表示】P 2021021876の分割
【原出願日】2021-02-15
(71)【出願人】
【識別番号】314012076
【氏名又は名称】パナソニックIPマネジメント株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】弁理士法人栄光事務所
(72)【発明者】
【氏名】中西 幸司
(72)【発明者】
【氏名】加藤 認
(72)【発明者】
【氏名】山崎 博史
(57)【要約】
【課題】グループに属するユーザが顔認証を利用する際の利便性をより向上させる。
【解決手段】顔認証システムは、親ユーザの権利情報を、グループに対応付けて登録する第1の登録部と、1または複数の子ユーザの顔画像を、前記グループに対応付けて登録する第2の登録部と、顔画像を受け付けた際に、前記第2の登録部にて登録された情報に基づいて顔認証を行うことで、当該顔画像に対応するユーザが属するグループを特定する特定部と、前記特定部にて特定されたグループに対応付けられた権利情報に基づき、前記顔画像に対応する子ユーザが要求する所望の処理が許可されるか否かを判定する第1の判定部と、前記第1の判定部による判定結果に基づいて、前記所望の処理を実行する処理部と、前記第1の判定部による判定結果および前記処理部による処理結果の少なくとも一方を、前記親ユーザに通知する通知部と、を有する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
親ユーザの権利情報を、グループに対応付けて登録する第1の登録部と、
1または複数の子ユーザの顔画像を、前記グループに対応付けて登録する第2の登録部と、
顔画像を受け付けた際に、前記第2の登録部にて登録された情報に基づいて顔認証を行うことで、当該顔画像に対応するユーザが属するグループを特定する特定部と、
前記特定部にて特定されたグループに対応付けられた権利情報に基づき、前記顔画像に対応する子ユーザが要求する所望の処理が許可されるか否かを判定する第1の判定部と、
前記第1の判定部による判定結果に基づいて、前記所望の処理を実行する処理部と、
前記第1の判定部による判定結果および前記処理部による処理結果の少なくとも一方と、前記権利情報の再設定を行う画面に遷移するための変更ボタンと、を含む情報を前記親ユーザに通知する通知部と、を有する、
顔認証システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、顔認証システム、顔認証方法、情報処理端末およびその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、生体認証技術として、顔認証を用いた方法が知られている。顔認証を用いることで、ユーザは認証時に特定の端末やツールを所持している必要が無くなり、顔を認証用の端末に認識させるだけで手軽に認証を行うことが可能となる。
【0003】
特許文献1では、ホテルのフロント等で、複数の利用者をグループとして登録し、そのグループに対して権利と各利用者の顔などの生体認証情報を対応付けして、生体認証情報を用いて認証を行い、認証が成功した際には、グループに設定した権利に基づいて、そのホテルの施設等の利用許可を与えるシステムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
顔認証を利用して様々なサービスを提供することを考える。例えば、特許文献1では、1のグループに対して権利範囲を割り当て、その権利範囲内でグループに属する各ユーザが利用可能な権利を設定することが開示されている。しかしながら、特許文献1では、グループ内に権利の管理者がいないため、グループ内の権利の管理が煩雑であった。特に、グループ内の管理者が、他のユーザによる権利の使用状況を適切に把握したり、状況に応じて設定変更したりすることについてまでは、十分に考慮されていなかった。
【0006】
本開示は、上述した従来の事情に鑑みて案出され、グループに属するユーザが顔認証により各種サービスを利用する際の利便性をより向上させることが可能な顔認証システム、顔認証方法、情報処理端末およびその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示は、親ユーザの権利情報を、グループに対応付けて登録する第1の登録部と、1または複数の子ユーザの顔画像を、前記グループに対応付けて登録する第2の登録部と、顔画像を受け付けた際に、前記第2の登録部にて登録された情報に基づいて顔認証を行うことで、当該顔画像に対応するユーザが属するグループを特定する特定部と、前記特定部にて特定されたグループに対応付けられた権利情報に基づき、前記顔画像に対応する子ユーザが要求する所望の処理が許可されるか否かを判定する第1の判定部と、前記第1の判定部による判定結果に基づいて、前記所望の処理を実行する処理部と、前記第1の判定部による判定結果および前記処理部による処理結果の少なくとも一方を、前記親ユーザに通知する通知部と、を有する、顔認証システムを提供する。
【0008】
また、本開示は、親ユーザの権利情報を、グループに対応付けて記憶部に登録する第1の登録ステップと、1または複数の子ユーザの顔画像を、前記グループに対応付けて前記記憶部に登録する第2の登録ステップと、顔画像を受け付けた際に、前記記憶部に登録されている情報に基づいて顔認証を行うことで、当該顔画像に対応するユーザが属するグループを特定する特定ステップと、前記特定ステップにて特定されたグループに対応付けられた権利情報に基づき、前記顔画像に対応する子ユーザが要求する所望の処理が許可されるか否かを判定する判定ステップと、前記判定ステップによる判定結果に基づいて、前記所望の処理を実行する処理ステップと、前記判定ステップによる判定結果および前記処理ステップによる処理結果の少なくとも一方を、前記親ユーザに通知する通知ステップと、を有する、顔認証方法を提供する。
【0009】
また、本開示は、情報処理端末であって、当該情報処理端末のユーザである親ユーザの権利情報をグループに対応付けて登録するように、顔認証システムに要求する要求部と、前記グループに属する子ユーザが、所望の処理が許可されるか否かの判定を、前記子ユーザの顔を用いた顔認証および前記グループに対応付けて登録された権利情報に基づいて行った場合、前記判定の結果および前記所望の処理の結果の少なくとも一方の通知を受け取る受信部と、を有する、情報処理端末を提供する。
【0010】
また、本開示は、情報処理端末の制御方法であって、当該情報処理端末のユーザである親ユーザの権利情報をグループに対応付けて登録するように、顔認証システムに要求する要求ステップと、前記グループに属する子ユーザが、所望の処理が許可されるか否かの判定を、前記子ユーザの顔を用いた顔認証および前記グループに対応付けて登録された権利情報に基づいて行った場合、前記判定の結果および前記所望の処理の結果の少なくとも一方の通知を受け取る受信ステップと、を有する、情報処理端末の制御方法を提供する。
【0011】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせ、本開示の表現を方法、装置、システム、記憶媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、グループに属するユーザが顔認証により各種サービスを利用する際の利便性をより向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施の形態1に係るシステムの全体構成の例を示す図
【
図2】実施の形態1に係る各装置の機能構成の例を示す図
【
図3】実施の形態1に係る携帯端末のハードウェア構成の例を示す図
【
図4】実施の形態1に係る情報処理装置のハードウェア構成の例を示す図
【
図5】実施の形態1に係るデータベースの構成例を示す図
【
図6】実施の形態1に係る各装置間における登録処理手順例の処理シーケンス
【
図7】実施の形態1に係る登録処理の際のUI画面の例を示す図
【
図8】実施の形態1に係る登録処理の際のUI画面の例を示す図
【
図9】実施の形態1に係る各装置間における照合処理手順例の処理シーケンス
【
図10】実施の形態1に係る照合処理の際のUI画面の例を示す図
【
図11】各装置間における照合処理手順の別例1の処理シーケンス
【
図12】照合処理の別例1の際のUI画面の例を示す図
【
図13】各装置間における照合処理手順の別例2の処理シーケンス
【
図14】照合処理の別例2の際のUI画面の例を示す図
【
図15】各装置間における照合処理手順の別例3の処理シーケンス
【
図16】照合処理の別例3の際のUI画面の例を示す図
【
図17】各装置間における照合処理手順の別例4の処理シーケンス
【
図18】照合処理の別例4の際のUI画面の例を示す図
【
図19】各装置間における照合処理手順の別例5の処理シーケンス
【
図20】照合処理の別例5の際のUI画面の例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面を適宜参照しながら、本開示に係る顔認証システム、顔認証方法、情報処理端末およびその制御方法を具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、あるいは、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されない。
【0015】
<実施の形態1>
[システム構成]
図1は、実施の形態1に係るシステムの全体構成の例を示す。本実施の形態において、親携帯端末10、子携帯端末20、顔認証システム30、顔照合端末40、およびサービス提供システム50が含んで構成され、各種装置は、ネットワーク60を介して通信可能に接続される。なお、
図1において、各種装置はそれぞれ1台ずつが示されているが、複数の装置が含まれてもよい。また、各種装置はそれぞれ1台の装置として示されているが、顔認証システム30と顔照合端末40の機能を同一の装置に持たせるなど、
図1における複数の装置を一つの装置で実現してもよい。なお、本明細書において、「親」および「子」とは、以下に説明する権利を設定する上でのユーザ間の相対関係を示す。したがって、1のユーザが親ユーザにも子ユーザにもなり得るし、1のユーザが複数の親ユーザの子ユーザにもなり得る。以下の説明において、各ユーザの親子関係上の役割を明確に示す必要がある場合には「ユーザ(親)」、「ユーザ(子)」として記載する。詳細については後述する。
【0016】
親携帯端末10および子携帯端末20は、各ユーザが所持する携帯端末であり、ここでは、便宜上、「親」の役割を有するユーザが所持する携帯端末を親携帯端末10とし、「子」の役割を有するユーザが所持する携帯端末を子携帯端末20として説明する。
【0017】
顔認証システム30は、本実施の形態に係る顔認証処理を実施し、各種顔情報を記憶、管理する。サービス提供システム50は、顔認証システム30と連携して、様々なサービスを提供するためのシステムである。サービス提供システム50にて提供可能なサービスの例については後述する。顔認証システム30やサービス提供システム50は、各サービスの管理者の施設内に設けられたオンプレミスの構成であってもよいし、クラウドコンピューティング等によるオフプレミスの構成であってもよい。
【0018】
顔照合端末40は、各種サービスを提供する施設内に設置され、ユーザの顔画像を取得して、そのユーザの権利を確認するために用いられる。ネットワーク60は、各種装置を通信可能に接続するために構成され、有線/無線やその通信規格などは特に限定されない。
【0019】
[機能構成]
図2は、本実施の形態に係る各種装置の機能構成の例を示す図である。各種装置の各部位は、各種装置の制御部(例えば、プロセッサ)が記憶部に記憶されたプログラムを読み出すことで実現されてもよいし、専用のハードウェアを設けることで実現されてもよい。ここで、プロセッサは、例えばCPU(Central Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)あるいはFPGA(Filed Programmable Gate Array)を用いて構成される。なお、ここでは本実施の形態に係る機能に対応した部位のみを示すものとし、各種装置は他の機能を実現するための部位を更に備えていてもよい。また、
図2に示す構成は一例であり、
図2に示す部位をまとめて構成してもよいし、更に詳細に分割して構成されてもよい。また、
図2に示す各部位のリンクや矢印はデータの送受信の一例を示すが、この接続構成に限定するものではなく、他の連携や接続が行われてもよい。
【0020】
親携帯端末10は、利用状況表示部11、親権利情報登録部12、子権利情報登録部13、親顔情報取得部14、子顔情報取得部15、撮像部16、および子登録リンク送信部17を含んで構成される。利用状況表示部11は、顔認証システム30からの通知内容に基づいて、親携帯端末10のユーザ(親)が有する権利に対する利用状況を表示する。親権利情報登録部12は、ユーザ(親)が有する権利(以下、「親権利情報」と称する)を顔認証システム30に登録する処理を行う。子権利情報登録部13は、親携帯端末10のユーザ(親)が有する親権利情報の範囲内(言い換えると、親権利情報を満たす前提)で別のユーザ(子)に対して許可する権利(以下、「子権利情報」と称する)を顔認証システム30に登録する処理を行う。すなわち、子権利情報は、概念的あるいは実体的に親権利情報に包含される関係となる。
【0021】
親顔情報取得部14は、ユーザ(親)の顔情報(顔画像)を撮像部16を介して取得し、顔認証システム30に登録する処理を行う。子顔情報取得部15は、ユーザ(子)の顔情報(顔画像)を撮像部16を介して取得し、顔認証システム30に登録する処理を行う。撮像部16は、顔画像を取得するためのカメラを含んで構成され、ユーザの操作に基づいて顔を撮影することで得られた顔画像を親顔情報取得部14や子顔情報取得部15へ渡す。子登録リンク送信部17は、ユーザ(子)の顔情報(顔画像)を登録する際に、顔画像を撮影する処理を子携帯端末20側で行う場合、その要求を子携帯端末20に送信する処理を行う。ここでの要求には、顔画像を登録する際に利用する顔認証システム30へのアクセス情報(以下、「子登録リンク」と称する)が含まれる。
【0022】
子携帯端末20は、子登録リンク受信部21、撮像部22、および子顔情報取得部23を含んで構成される。子登録リンク受信部21は、親携帯端末10から送信されてくる要求を受信し、その内容をユーザに通知する。撮像部22は、顔画像を取得するためのカメラを含んで構成され、ユーザの操作に基づいて顔を撮影することで得られた顔画像を子顔情報取得部23へ渡す。子顔情報取得部23は、ユーザ(子)の顔情報(顔画像)を撮像部22を介して取得する。そして、子顔情報取得部23は、親携帯端末10から送信されてきた要求に含まれる子登録リンクに基づいて顔認証システム30に、ユーザ(子)の顔情報を登録する処理を行う。
【0023】
顔認証システム30は、親子関係判定部31、親顔情報管理部32、子顔情報管理部33、利用権利判定部34、親権利管理部35、および子権利管理部36を含んで構成される。顔認証システム30は、更に、外部システム連携部37、利用履歴管理部38、利用結果通知部39、および結果通知部45を含んで構成される。親子関係判定部31は、登録されている顔画像に基づいて顔認証を行うことで、顔照合端末40からの照合要求に含まれる顔画像のユーザを特定する。さらに、親子関係判定部31は、特定したユーザに対して設定されている親子関係を判定する。顔認証の手法としては公知の手法が利用可能であり、特に限定するものでは無い。例えば、テンプレートマッチングや特徴点抽出、3次元顔認証などの手法を用いてよい。親顔情報管理部32は、親携帯端末10から送信されてきた顔画像をユーザ(親)の顔画像として登録し、管理する。子顔情報管理部33は、親携帯端末10や子携帯端末20から送信されてきた顔画像をユーザ(子)の顔画像として登録し、管理する。親顔情報管理部32と子顔情報管理部33は、ユーザ(親)の指示に基づいて親子関係を設定する。
【0024】
利用権利判定部34は、顔照合端末40からの照合要求にて指定される利用権利が、顔情報に基づいて特定されるユーザに許可されているか否かを判定する。利用権利判定部34は、判定の際に、親権利管理部35や子権利管理部36にて管理されている情報を参照する。親権利管理部35は、親携帯端末10にて指定された親権利情報を保持、管理する。親権利情報は、ユーザ認証サービスの他、サービス提供システム50にて提供される各種サービスを利用するための権利内容を示す。各種サービスに対する利用の申し込みや購入などにより一定の権利が付与される。子権利管理部36は、親携帯端末10にて指定された子権利情報を保持、管理する。
【0025】
外部システム連携部37は、顔照合端末40からの照合要求などに基づいて、各ユーザの権利に応じた処理を行うために外部システム(例えば、サービス提供システム50に含まれる各種システムのいずれか)との間で連携を行う。連携の内容は、要求された内容に応じて異なっていてよいが、例えば、外部システムが有するデータベース(以下、DBと称する)を参照したり、更新したりするような処理であってもよい。または、外部システムに対して、要求された内容に応じた処理の一部を実行させるような構成であってもよい。また、外部システムとの連携が必要でない処理が要求された場合には、外部システム連携部37は、顔認証システム30の内部に保持された各種情報を用いて処理を行ってよい。
【0026】
利用履歴管理部38は、顔照合端末40からの要求に応じて実行された処理、すなわち、権利の利用履歴を保持、管理する。利用履歴は、顔認証システム30内部での処理の他、サービス提供システム50にて行われた処理の情報を含めて管理されてよい。利用結果通知部39は、利用履歴管理部38にて管理されている利用履歴を、所定のタイミングにて親携帯端末10に通知する。ここでの通知先となる親携帯端末10は、顔照合端末40からの要求にて示される顔画像に対応するユーザが親である場合には、そのユーザ(親)が所持する携帯端末である。一方、顔画像に対応するユーザが子である場合には、そのユーザ(子)と親子関係にあるユーザ(親)が所持する携帯端末が通知先となる。結果通知部45は、顔照合端末40から要求された処理に対し、顔認証の結果とそれにより実行された処理内容を、要求元である顔照合端末40に通知する。
【0027】
顔照合端末40は、撮像部41、顔情報取得部42、利用権利設定部43、および照合結果表示部44を含んで構成される。撮像部41は、顔画像を取得するためのカメラを含んで構成され、ユーザの操作に基づいて顔を撮影することで得られた顔画像を顔情報取得部42へ渡す。顔情報取得部42は、顔認証の対象となるユーザの顔情報(顔画像)を撮像部41を介して取得し、利用権利設定部43へ渡す。利用権利設定部43は、顔認証の対象となるユーザが利用しようとする権利を設定し、顔画像と共に照合要求として顔認証システム30へ送信する。ここでの利用しようとする権利は、提供されるサービスの内容に応じて異なる。
【0028】
サービス提供システム50は、提供するサービスの内容に応じて、様々なシステムにて構成されてよい。一例として、決済サービスを提供する決済システム51、宿泊施設の宿泊管理を行う宿泊管理システム52、アミューズメント施設などの施設の利用管理を行う施設管理システム53、または、迷子のユーザの管理を行う迷子判定システム54などが含まれてよい。ここで挙げた各種システムはそれぞれ別個のサーバや装置によって構成されていてよい。本実施の形態では、本開示を適用可能なシーンとしていくつか例に挙げて具体的に説明する。
【0029】
[装置構成]
(携帯端末)
図3は、本実施の形態に係る親携帯端末10や子携帯端末20として適用可能な情報処理端末のハードウェア構成の例を示す図である。なお、本実施の形態では、親携帯端末10や子携帯端末20は同じハードウェア構成を有するものとして説明するが、異なる構成であってもよい。情報処理端末である携帯端末300は、例えば、スマートフォンやタブレット端末、モバイルPC(Personal Computer)、ウェアラブル端末などであってよい。ここでは、スマートフォンを例に挙げて説明する。
【0030】
携帯端末300は、CPU301、通信部302、タッチパネルディスプレイ303、マイク304、スピーカ305、メモリ306、ストレージ307、およびカメラ309を含んで構成される。CPU301は、ストレージ307にて記憶されている各種プログラム(例えば、アプリケーション308)を読み出して実行することで、各種機能を提供する。
【0031】
通信部302は、携帯電話通信網やインターネット、近距離無線通信などを介して外部との通信を行い、各種データや信号の送受信を行う。通信部302による通信方式は、例えば、電話回線などの広域通信回線による4G/5G通信方式の他、近距離無線通信である無線LAN(Local Area Network)のWi-Fi(登録商標)規格や、Bluetooth(登録商標)規格などが用いられてよい。
【0032】
タッチパネルディスプレイ303は、各種情報をユーザに表示する表示手段として機能する他、ユーザからのタッチ操作を受け付ける。マイク304は、ユーザの声や周辺の音声情報を入力として受け付ける。スピーカ305は、音声情報を出力する。メモリ306は、揮発性の記憶領域であり、例えばCPU301が各種処理を行う際のワーク領域として用いられる。ストレージ307は、不揮発性の記憶領域であり、例えば、本実施の形態に係る各種処理のアプリケーション308が格納されている。アプリケーション308は、CPU301にて読み出されて実行されることで、各種機能を提供する。カメラ309は、ユーザ操作に基づいて、対象を撮影し、画像として取得する。本実施の形態では、ユーザの顔が撮影され、顔画像として取得される。
【0033】
(情報処理装置)
図4は、本実施の形態に係る顔認証システム30や顔照合端末40として適用可能な情報処理装置のハードウェア構成の例を示す図である。ここでは、情報処理装置の例としてPCを例に挙げて説明するが、例えば、顔照合端末40は、顔照合のための専用端末として構成されてもよい。
【0034】
情報処理装置400は、CPU401、通信部402、表示部403、外部I/F(インタフェース)404、メモリ405、および記憶装置406を含んで構成される。なお、顔照合端末40の場合は更に、不図示のカメラが備えられる。CPU401は、メモリ405や記憶装置406に格納された各種プログラムやデータを読み出して処理を実行することで、各種機能を実現する。通信部402は、インターネット、近距離無線通信などを介して外部との通信を行い、各種データや信号の送受信を行う。通信部302による通信方式は、例えば、近距離無線通信である無線LANのWi-Fi(登録商標)規格や、Bluetooth(登録商標)規格などが用いられてよい。
【0035】
表示部403は、CPU401の指示に基づき、各種情報を表示する。外部I/F404は、外部装置とのデータの送受信を行うためのインタフェースであり、例えば、マウスやキーボードなどの操作デバイス(不図示)を介してデータの入力を受け付ける。メモリ405は、各種情報を記憶、保持するための記憶領域であり、例えば、不揮発性の記憶領域であるROM(Read Only Memory)や、揮発性の記憶領域であるRAM(Random Access Memory)などから構成される。記憶装置406は、各種情報を記憶、保持するための記憶領域であり、HDD(Hard Disk Drive)などから構成される。本実施の形態に係る各種DBは、記憶装置406にて記憶されてよい。
【0036】
[データベース構成]
図5は、本実施の形態に係るDBの構成例を示す図である。ここで示すDB構成は一例であり、この構成に限定するものではない。したがって、
図5に示すDBのうちいずれかを1つのDBとしてまとめて構成してもよいし、1のDBを複数に分割してもよい。また、他の項目を更に追加してもよい。
【0037】
図5(a)は、本実施の形態に係る顔情報DBの構成例を示す。顔情報DBは、例えば、顔認証システム30の親顔情報管理部32や子顔情報管理部33などにて管理される。顔情報DBは、Person ID、顔画像、名前、電話番号、およびSNSのカラムを含んで構成される。Person IDカラムは、ユーザを一意に識別するための識別情報であるPerson IDを示す。Person IDは、例えば、ユーザの登録時に顔認証システム30によって割り当てられる。なお、以降にて示す各DBに含まれるIDの仕様(桁数や使用文字など)は一例であり、
図5に示すものに限定するものではない。顔画像カラムは、登録されたユーザの顔に対応する顔画像を示す。顔画像は、登録された画像データをそのまま保持してもよいし、顔認証のアルゴリズム等に応じて、特定のデータ形式に変換した上で保持してもよい。顔画像カラムには、顔画像の格納先が示されてもよい。
【0038】
名前カラムは、ユーザの名前情報を示す。電話番号カラムは、ユーザの電話番号を示す。SNSカラムは、ユーザのSNS(Social Network Service)上にて用いている情報を示す。例えば、メールアドレスやアカウント情報などがSNSカラムに設定される。なお、SNSとして利用可能なサービスは特に限定するものではなく、メールなどのコミュニケーションツールが挙げられる。なお、この名前情報は親携帯端末10における、各ユーザ(子)の表示名等として使われる。
【0039】
図5(b)は、本実施の形態に係る権利情報DBの構成例を示す。権利情報DBは例えば、顔認証システム30の親権利管理部35などにて管理される。権利情報DBは、権利ID、Person ID、および権利情報詳細のカラムを含んで構成される。権利IDカラムは、権利を一意に識別するための識別情報である権利IDを示す。権利IDは、例えば、ユーザ(親)が権利を取得した際に割り当てられる。Person IDカラムは、権利を有するユーザ(すなわち、ユーザ(親))のPerson IDを示し、
図5(a)に示したPerson IDに対応する。権利情報詳細カラムは、権利の詳細情報を示す。ここでの詳細情報の内容は、サービス提供システム50にて提供される各種サービスの内容に応じて変化する。例えば、サービスが宿泊管理サービスである場合、宿泊施設、宿泊日時、宿泊人数、宿泊プランなどの情報が権利の詳細情報として管理される。
【0040】
図5(c)は、本実施の形態に係るグループDBの構成例を示す。グループDBは、例えば、顔認証システム30の親顔情報管理部32などにて管理される。グループDBは、グループID、権利ID、親メンバーID、および子メンバーIDのカラムを含んで構成される。グループIDカラムは、グループを一意に識別するための情報であるグループIDを示す。グループIDは、例えば、ユーザ(親)がグループを設定する際に割り当てられる。権利IDカラムは、グループにて用いる権利の権利IDを示し、
図5(b)に示した権利IDに対応する。親メンバーIDカラムは、グループの管理者であるユーザ(親)のPerson IDを示し、
図5(b)に示したPerson IDに対応する。子メンバーIDカラムは、グループに属するユーザ(子)のPerson IDを示し、
図5(a)のPerson IDに対応する。
【0041】
図5(d)は、本実施の形態に係る権利情報DBの別の構成例を示す。
図5(d)の詳細については、本開示の適用例と併せて後述する。
【0042】
[動作シーケンス]
次に、本実施の形態に係るシステムの装置間の処理シーケンスについて説明する。本実施の形態に係る処理は、権利の登録処理と権利の利用(照合)処理の2つの工程に分けられる。登録処理では、ユーザ(親)が、自身が有する権利とその権利を利用可能な1または複数のユーザ(子)を登録する。利用処理では、ユーザの顔画像に基づいて、登録された権利の利用可否を判断し、その結果に応じて権利を利用する。以下、図面を用いて、各処理の流れを説明する。
【0043】
(登録処理)
図6は、本実施の形態に係る登録処理の処理シーケンスを示す図である。処理シーケンスにおける処理主体である各装置は、例えば、CPU等の制御部が、
図2にて示した各機能に対応するプログラムを読み出して実行することで、各機能を実現する。
【0044】
親携帯端末10は、ユーザから登録の指示を受け付ける(ステップS601)。ここでの登録指示は、例えば、利用するサービスに対応したシステムへアクセスした際に表示される画面(不図示)を介して行ってよい。また、登録指示は、後段のステップS602にて権利を取得した際に、その権利を登録するか否かを選択できるような構成であってもよい。
【0045】
親携帯端末10は、利用するサービスに対応したシステムへアクセスすることによって表示される画面を介して、所望の権利を取得する(ステップS602)。例えば、施設管理システム53にて施設の利用予約を行う場合を想定する。この場合、
図7(a)に示すような予約画面700を介して、施設利用のための予約を行う。予約画面700は、予約内容701、予約者情報704(お客様情報)の設定項目を含んで構成される。予約内容701は、利用する施設を示す施設名702と、利用する日時を示す日時703を含む。予約者情報704は、予約者の名称を示す氏名705と、予約者の連絡先を示す連絡先706を含む。ユーザは、表示されている各情報を入力した上で、予約ボタン707を押下することで予約が行われる。すなわち、
図7(a)の例の場合、ユーザは予約を行うことで、その施設を利用する権利を取得することとなる。なお、
図7(a)に示す予約画面700は、一例であり、利用しようとするサービスの内容に応じて、表示や入力される項目は異なっていてよい。親携帯端末10は、権利の取得が完了した後、その権利に関する情報を顔認証システム30へ通知する。
【0046】
顔認証システム30は、親携帯端末10から受信したデータに基づいて、ユーザが取得した権利を親権利情報として保存する(ステップS603)。具体的には、親権利情報は、
図5(b)にて示した権利情報DBに登録される。
【0047】
親携帯端末10は、親となるユーザの顔を撮影し、顔画像として取得する(ステップS604)。例えば、親携帯端末10は、
図7(b)に示すようなユーザ(親)の顔画像を登録するための撮影画面710を表示し、ユーザによる撮影を促す。撮影画面710には、適切な顔画像を取得するために、アイコン711やメッセージなどを表示してよい。親携帯端末10は、顔画像の取得を行った後、顔認証システム30に対してユーザ(親)の顔画像として登録させる。なお、顔画像は、すでに撮影されていた画像の中からユーザが選択できるような構成であってもよい。
【0048】
顔認証システム30は、親携帯端末10から取得したユーザ(親)の顔画像を登録する(ステップS605)。具体的には、ユーザ(親)の顔画像は、
図5(a)にて示した顔情報DBに登録される。このとき、顔認証システム30は、顔認証のアルゴリズム等に応じて、顔画像を任意のデータに変換する処理を行ってもよい。
【0049】
親携帯端末10は、取得した権利を利用可能な1または複数のユーザ(子)を含むグループの設定を行う(ステップS606)。例えば、親携帯端末10は、
図7(c)、(d)に示すような登録画面を表示することで、ユーザ(親)にグループ設定を行わせる。
図7(c)は、グループの登録画面720の構成例を示す。登録画面720において、グループに含まれるユーザ(子)のリスト721が示される。
図7(c)の例の場合、アイコン722に示すように、「子1」、「子2」として2人のユーザが子として指定されている。追加ボタン723を押下することで、ユーザ(子)を追加することができる。追加ボタン723を押下すると、
図7(d)に示す登録画面730が表示される。登録画面730は、ユーザ(子)に関する情報を設定するための画面であり、ユーザ(子)の基本情報を示す設定項目731が示される。
図7(d)の例の場合、基本情報として、ユーザ(子)の氏名732、顔情報733、電話番号735、およびSNS736を含む。登録画面730は、更に、登録ボタン734および送信ボタン737を有する。登録ボタン734が押下された場合には、親携帯端末10側が子となるユーザの顔画像を撮影する。一方、送信ボタン737が押下された場合には、子となるユーザが所持する子携帯端末20側が、当該ユーザの顔画像を撮影する。親携帯端末10は、グループの各種設定情報を顔認証システム30へ送信し、グループを登録させる。
【0050】
顔認証システム30は、親携帯端末10から受信したグループの各種設定情報を用いて、グループの登録を行う(ステップS607)。具体的には、グループ情報は、
図5(c)にて示したグループDBに登録される。
【0051】
親携帯端末10は、子となるユーザの顔画像を親携帯端末10または子携帯端末20のいずれにて取得するかを判定する(ステップS608)。上述したように、
図7(d)の登録画面730にて登録ボタン734が押下された場合には、親携帯端末10にて子となるユーザの顔画像を撮影するものとして(ステップS608、YES)、親携帯端末10の処理は、ステップS609へ進む。一方、
図7(d)の登録画面730にて送信ボタン737が押下された場合には、子携帯端末20が子となるユーザの顔画像を撮影するものとして(ステップS608、NO)、親携帯端末10の処理は、ステップS610へ進む。
【0052】
親携帯端末10は、子となるユーザの顔を撮影し、顔画像として取得する(ステップS609)。例えば、親携帯端末10は、
図8(a)に示すようなユーザ(子)の顔画像を登録するための撮影画面800を表示し、ユーザによる撮影を促す。撮影画面800には、適切な顔画像を取得するために、アイコン801やメッセージなどを表示してよい。親携帯端末10は、顔画像の取得を行った後、顔認証システム30に対してユーザ(子)の顔画像として登録させる。なお、顔画像は、すでに撮影されていた画像の中からユーザが選択できるような構成であってもよい。
【0053】
親携帯端末10は、子携帯端末20に対して、子となるユーザの顔情報(顔画像)の撮影要求を送信する(ステップS610)。ここでの要求には、顔画像を登録する際に利用する顔認証システム30へのアクセス情報(子登録リンク)が含まれる。ここで送信される要求は例えば、メールにて送信されてよく、送信先は、
図7(d)の登録画面730のSNS736にて設定した情報を用いてよい。メールにて要求を送信する場合、例えば、
図8(b)に示すような内容のメール810が送信されてよい。メール810では、要求の概要を示す件名811が設定される。また、本文812には、要求の詳細と顔登録を実行するための登録ボタン813が含まれる。登録ボタン813が押下されると、顔画像の登録処理が行われる。
【0054】
子携帯端末20は、親携帯端末10から受信した登録要求(例えば、メール810)に基づいて、子となるユーザの顔を撮影し、顔画像として取得する(ステップS611)。例えば、メール810にて示される登録ボタン813が押下されると、子携帯端末20は、
図8(c)に示すようなユーザ(子)の顔画像を登録するための撮影画面820を表示し、ユーザによる撮影を促す。撮影画面820には、適切な顔画像を取得するために、アイコン821やメッセージなどを表示してよい。子携帯端末20は、顔画像の取得を行った後、顔認証システム30に対してユーザ(子)の顔画像として登録させる。ここでの処理は、親携帯端末10から受信した登録要求に応じて、所定のSNSのアプリを用いて行われてもよいし、Webブラウザ(不図示)などを介して行われてもよい。
【0055】
顔認証システム30は、親携帯端末10または子携帯端末20から受信したユーザ(子)の顔画像を登録する(ステップS612)。具体的には、ユーザ(子)の顔画像は、
図5(a)にて示した顔情報DBに登録される。このとき、顔認証システム30は、顔認証のアルゴリズム等に応じて、顔画像を任意のデータに変換する処理を行ってもよい。
【0056】
顔認証システム30は、登録されたユーザ(親)とユーザ(子)の情報に基づいて、親子関係の設定を行う(ステップS613)。具体的には、
図5(c)に示すグループDBの内容を指定された情報に基づいて更新することで、各ユーザの関連付けを行う。本実施の形態では、グループの登録者をユーザ(親)とし、そのグループに属する他のユーザをユーザ(子)として設定する。
【0057】
親携帯端末10は、ユーザ(子)に対する権利設定を受け付ける(ステップS614)。例えば、
図8(d)に示すような設定画面830を表示することでユーザ(子)に対する権利設定を行う。設定画面830は、すでに設定したユーザ(子)の基本情報831と、ユーザ(子)に許可する権利情報832が示される。権利情報832の項目として、ここでは決済サービスを想定し、決済の利用可否833、決済の上限金額834、およびクーポンの利用可否835などが含まれる。設定ボタン836が押下されると、入力した権利情報832の内容が顔認証システム30に渡され、登録を指示する。
図8(d)に示す設定画面830は、一例であり、利用しようとするサービスの内容に応じて、表示や入力される項目は異なっていてよい。
【0058】
顔認証システム30は、親携帯端末10から受信したユーザ(子)の権利情報が、ユーザ(親)の権利の範囲内か否かを判定する(ステップS615)。このとき、ユーザ(親)の権利を越えている場合には、その旨を親携帯端末10に通知し、再入力を促してもよい。または、
図8(d)に示す設定画面830にて、ユーザ(親)の権利を超える設定が指定できないように制御された構成であってもよい。
【0059】
顔認証システム30は、ステップS615の確認結果に基づいて、ユーザ(子)に対する権利情報を保存する(ステップS616)。そして、
図6の本処理シーケンスを終了する。
【0060】
なお、上記の例では、各顔画像を登録した後に子の権利情報の設定(ステップS614)を行ったが、この流れに限定するものではない。例えば、ユーザ(子)の権利情報の設定は、グループ設定(ステップS606)の処理と併せて行われてもよい。なお、子となるユーザの顔画像が登録されていない場合には、仮に子に対して権利情報が設定されていたとしてもその権利を利用できない状態となる。
【0061】
また、グループへのユーザ(子)の追加、または、削除は任意のタイミングにて行われてよく、グループを設定するタイミングに限定するものではない。また、親子関係はグループの登録時に設定したものに限定するものではない。例えば、ユーザ(親)を任意のタイミングにて変更できるような構成であってもよい。
【0062】
また、ユーザ(親)の権利の追加や削除は、任意のタイミングで行われてよい。すでに作成されたグループに対して、ユーザ(親)が新たに権利を追加したり、削除したりして更新できるような構成であってよい。この場合、ステップS604~ステップS607の処理に代えて、ユーザ(親)に対応付けて既に作成されているグループの中から、新たに取得した権利を対応付けるグループを選択できるような構成であってもよい。
【0063】
また、グループの設定を行う場合には、ユーザ(親)によりすでに作成されているグループをコピーして作成できるような構成であってもよい。これにより、グループ設定の手間を削減することができる。
【0064】
(照合処理:基本パターン)
次に本実施の形態に係る照合処理について説明する。
図9は、本実施の形態に係る照合処理の処理シーケンスを示す図である。処理シーケンスにおける処理主体である各装置は、例えば、CPU等の制御部が、
図2にて示した各機能に対応するプログラムを読み出して実行することで、各機能を実現する。なお、以下に説明する照合処理の前に、
図6を用いて説明した登録処理により、各種情報が登録されているものとする。また、顔照合を行うユーザが親と子のいずれであっても基本的な処理の流れは変わらないが、ここでは、本開示の特徴をより明確に説明するために、顔認証を行う対象のユーザ(以下、「対象ユーザ」と称する)はユーザ(子)であるものとして説明する。
【0065】
まず、顔照合端末40、顔認証システム30、およびサービス提供システム50が連携して、顔照合共通処理を行う(ステップS900)。顔照合共通処理は、ステップS901~ステップS907の工程により構成される。本処理は、以下に説明する他のケースでも共通的に行われる処理である。なお、適用するケースに応じて表示する画面や各種装置間でやり取りするデータの内容などに変更が生じ得るが、その大まかな流れは共通である。
【0066】
顔照合端末40は、顔照合指示を受け付ける(ステップS901)。ここでの指示は、例えば顔照合端末40が設置されている施設の作業者が顔照合を行う際の指示操作を行うことでなされてよい。
【0067】
顔照合端末40は、対象ユーザの顔をカメラ(不図示)を用いて撮影し、顔画像として取得する(ステップS902)。例えば、顔照合端末40は、
図9(a)に示すような顔照合のための撮影画面1000を表示し、対象ユーザの撮影を促す。撮影画面1000には、適切な顔画像を取得するために、アイコン1001やメッセージなどを表示してよい。
【0068】
顔照合端末40は、対象ユーザが利用する権利を設定する(ステップS903)。ここでの設定は、利用するサービスの内容に応じて顔照合端末40側で予め規定されていてもよいし、顔照合端末40が設置されている施設の作業者がいくつかの選択肢の中から選択することで行われてもよい。例えば、利用するサービスが施設への入場である場合には、「入場」が利用する権利として設定される。
【0069】
顔照合端末40は、ステップS902にて取得した顔画像と、ステップS903にて設定した権利を含めた認証要求(照合要求)を顔認証システム30へ送信する(ステップS904)。
【0070】
顔認証システム30は、顔照合端末40から受信した認証要求に基づいて、顔情報の登録状況の確認を行う(ステップS905)。ここでは、顔認証システム30は、
図5(a)に示した顔情報DBを参照し、顔認証処理を行う。上述したように、顔認証の手法としては公知の手法が利用可能であり、特に限定するものでは無い。例えば、テンプレートマッチングや特徴点抽出、3次元顔認証などの手法を用いてよい。これにより、顔画像にて示される対象ユーザを特定することができる。
【0071】
顔認証システム30は、対象ユーザ(ここでは、ユーザ(子))の親子関係を特定し、ユーザ(親)およびその権利情報を特定する(ステップS906)。例えば、顔認証システム30は、
図5(b)、(c)に示した権利情報DBやグループDBを参照することで、処理を行う。また、必要に応じて、顔認証システム30は、外部システムであるサービス提供システム50に含まれる任意のシステムに対して、ユーザが有する権利の確認要求を行う。この確認要求の送受信の実行有無は、各種DBの構成や利用するサービスの内容などに応じて異なる。
【0072】
サービス提供システム50は、顔認証システム30から権利の確認要求を受け付けた場合に、その要求に応じて各ユーザの権利の確認処理を行い、その結果を顔認証システム30へ返す(ステップS907)。上述したように、サービス提供システム50側での確認処理は、DB構成やシステム構成などに応じて省略され得る。ここまでが、ステップS900に含まれる顔照合共通処理となる。
【0073】
顔認証システム30は、顔照合共通処理の結果を顔照合端末40に通知する(ステップS908)。ここでは、一例として、ステップS903にてユーザの顔認証を行うことが設定されたものとして説明する。この場合、顔認証システム30は、ユーザの顔画像に基づく認証結果を顔照合端末40に通知する。
【0074】
顔照合端末40は、顔認証システム30から受信した処理結果を表示する(ステップS909)。例えば、顔照合端末40は、
図10(b)に示すような認証結果画面1010を表示する。認証結果画面1010は、認証結果を示すアイコン1011、顔認証に用いられた顔画像1012、対象ユーザのユーザ情報1013、および認証結果に関するメッセージ1014を含んで構成される。
【0075】
顔認証システム30は、ステップS900の顔照合共通処理の処理結果を履歴情報として保存する(ステップS910)。例えば、顔認証が行われた場合には、その顔認証が行われた旨と、認証結果の情報が保存される。言い換えると、ユーザが利用した、もしくは、利用しようとした権利の内容が保存される。
【0076】
顔認証システム30は、ステップS906にて特定した親子関係に基づいてユーザ(親)が所持する親携帯端末10を特定し、その親携帯端末10に対して、ステップS910にて保存した履歴情報を通知する(ステップS911)。ここで通知は例えば、メールにて送信されてよい。
【0077】
親携帯端末10は、顔認証システム30から受信した通知を表示する。通知がメールにて行われた場合、例えば、
図10(c)に示すような内容のメール1020が送信されてよい。メール1020では、履歴情報の概要を示す件名1021が設定される。また、本文1022には、履歴情報の詳細(利用した権利の内容など)が含まれる。そして、
図9の本処理シーケンスを終了する。
【0078】
なお、上記の処理シーケンスでは、権利の利用ごとにその利用内容を通知する例を示した。しかし、これに限定するものではなく、例えば、所定の期間における利用履歴を、時系列に沿って、または、累積結果として、通知するような構成であってもよい。また、ユーザ(親)への通知タイミングは、権利を利用したタイミングに限定するものではなく、ユーザ(親)が所望のタイミングに設定できるような構成であってもよい。このような通知設定は、例えば、
図6のグループ設定(ステップS606)の工程にて、通知設定を行い、その設定内容に応じて通知を行うように構成してよい。
【0079】
(照合処理:施設利用のケース)
図9および
図10では、本実施の形態に係る照合処理の基本的な処理シーケンスについて説明した。続いて、この基本的な処理シーケンスを施設利用のケースに適用した場合について説明する。
【0080】
本ケースにおいては、
図6に示した登録処理に基づき、予めユーザ(親)により、施設の複数回(または、複数人)の利用権利(例えば、入場権)が購入され、登録されているものとする。このとき、グループに属するユーザであれば、そのグループに対応付けられた権利を識別することなく利用するような構成であってもよいし、ユーザ(子)ごとに割り当てられた権利を特定して利用するような構成であってもよい。前者の場合は、例えば、
図5(b)に示したような権利情報DBの構成で実装が可能となる。後者の場合は、例えば、
図5(d)に示すような権利情報DBの構成で実装が可能である。
図5(d)に示す権利情報DBの構成では、ユーザ(親)が複数の利用権利(ここでは、施設利用のためのチケットとする)をグループに対応付けて登録している場合に、複数の利用権利それぞれを利用可能なユーザ(子)に割り当てている。この構成の場合、ユーザ(子)は、グループに対応付けられた複数の利用権利のうち、割り当てられた利用権利を用いることとなる。
【0081】
図11は、本実施の形態に係る照合処理を施設利用に適用した場合の処理シーケンスを示す図である。処理シーケンスにおける処理主体である各装置は、例えば、CPU等の制御部が、
図2にて示した各機能に対応するプログラムを読み出して実行することで、各機能を実現する。
【0082】
顔照合端末40、顔認証システム30、およびサービス提供システム50が連携して、顔照合共通処理を行う(ステップS900)。本処理は、
図9を用いて説明した顔照合共通処理である。この処理内において、例えば、顔照合端末40は、
図12(a)に示すような顔照合のための撮影画面1200を表示し、対象ユーザの撮影を促す。撮影画面1200には、適切な顔画像を取得するために、アイコン1201やメッセージなどを表示してよい。
【0083】
顔認証システム30は、対象ユーザ(ここでは、ユーザ(子))が利用可能な権利情報を確認し、顔照合共通処理による照合結果に応じて、利用する権利情報の更新を行う(ステップS1101)。例えば、顔認証システム30は、
図5(b)、(c)に示した権利情報DBやグループDBを参照することで、確認処理を行う。また、必要に応じて、顔認証システム30は、外部システムであるサービス提供システム50に含まれる任意のシステムに対して、ユーザ(親)が有する権利の利用に伴う更新要求を行う。この更新要求の送受信の実行有無は、各種DBの構成や利用するサービスの内容などに応じて異なる。例えば、施設への入場の権利の場合、入場に伴ってその権利が使用(消失)されたことを示すようにDBを更新させる。
【0084】
サービス提供システム50は、顔認証システム30から権利の利用に伴う更新要求を受け付けた場合に、その要求に応じて各ユーザの権利の更新処理を行い、その結果を顔認証システム30へ返す(ステップS1102)。上述したように、サービス提供システム50側での更新処理は、DB構成やシステム構成などに応じて省略され得る。
【0085】
顔認証システム30は、ここまでの処理内容に基づいて、対象ユーザによる権利の利用可否を示す利用可否情報を顔照合端末40に通知する(ステップS1103)。具体的には、ユーザ(子)の顔認証が成功し、施設の利用が可能であるか否かが通知される。
【0086】
顔照合端末40は、顔認証システム30から受信した利用可否情報を表示する(ステップS1104)。例えば、顔照合端末40は、
図12(b)に示すような認証結果画面1210を表示する。認証結果画面1210は、利用可否を示すアイコン1211、顔認証に用いられた顔画像1212、対象ユーザのユーザ情報1213、および認証結果に関するメッセージ1214を含んで構成される。
【0087】
顔認証システム30は、サービス提供システム50から受信した利用結果を履歴情報として保存する(ステップS1105)。具体的には、施設利用を行う場合には、顔認証の成否と、施設の利用可否、利用日時などの情報が保存される。言い換えると、対象ユーザが利用した、もしくは、利用しようとした権利の内容が保存される。
【0088】
顔認証システム30は、ステップS900の顔照合共通処理にて特定した親子関係に基づいてユーザ(親)が所持する親携帯端末10を特定し、その親携帯端末10に対して、ステップS1105にて保存した履歴情報を通知する(ステップS1106)。ここで通知は例えば、メールにて送信されてよい。
【0089】
親携帯端末10は、顔認証システム30から受信した通知を表示する。通知がメールにて行われた場合、例えば、
図12(c)に示すような内容のメール1220が送信されてよい。メール1220では、履歴情報の概要を示す件名1221が設定される。また、本文1222には、利用情報の詳細(利用日時、利用者、施設名など)が含まれる。そして、
図11の本処理シーケンスを終了する。
【0090】
(照合処理:決済利用のケース)
続いて、
図9、
図10にて説明した基本的な処理シーケンスを決済サービスの利用に適用した場合について説明する。
【0091】
本ケースにおいては、
図6に示した登録処理に基づき、予めユーザ(親)により、決済サービスの利用の権利として、サービス提供システム50の一つである決済システム51と連携して、決済が可能な口座情報が登録されているものとする。より具体的には、
図8(d)に示した設定画面830にて、決済の利用可否833や決済の上限金額834が設定される。
【0092】
図13は、本実施の形態に係る照合処理を決済サービスの利用に適用した場合の処理シーケンスを示す図である。処理シーケンスにおける処理主体である各装置は、例えば、CPU等の制御部が、
図2にて示した各機能に対応するプログラムを読み出して実行することで、各機能を実現する。
【0093】
顔照合端末40、顔認証システム30、およびサービス提供システム50が連携して、顔照合共通処理を行う(ステップS900)。本処理は、
図9を用いて説明した顔照合共通処理である。この処理内において、例えば、顔照合端末40は、
図14(b)に示すような決済画面1400を表示して、利用する権利の設定を受け付ける(ステップS903)。決済画面1400は、決済の金額を示す決済情報1401、決済の実行をキャンセルするためのキャンセルボタン1402、および決済の実行を指示するための決定ボタン1403を含んで構成される。更に、顔照合端末40は、顔照合共通処理において、
図14(b)に示すような顔照合のための撮影画面1410を表示し、対象ユーザの撮影を促す。撮影画面1410には、適切な顔画像を取得するために、アイコン1411やメッセージなどを表示してよい。
【0094】
顔認証システム30は、対象ユーザ(ここでは、ユーザ(子))が利用可能な権利情報を確認し、顔照合共通処理による照合結果に応じて、利用する権利情報の確認を行う(ステップS1301)。例えば、顔認証システム30は、
図5(b)、(c)に示した権利情報DBやグループDBを参照することで、確認処理を行う。更に、顔認証システム30は、権利に基づいて利用するサービスを提供するサービス提供システム50(ここでは、決済システム51)を特定する。
【0095】
顔認証システム30は、ユーザが利用するサービスを提供するサービス提供システム50(ここでは、決済システム51)に対して、特定した権利に基づいてサービスの利用を要求する(ステップS1302)。この要求には、利用金額やユーザ情報などが含まれる。
【0096】
サービス提供システム50は、顔認証システム30からの要求に基づき、サービスの提供を行う(ステップS1303)。具体的には、決済システム51は、指定された金額に基づき、決済処理を行う。そして、サービス提供システム50は、権利に基づくサービスの利用結果を顔認証システム30に返す。
【0097】
顔認証システム30は、サービス提供システム50から受信した利用結果を顔照合端末40に通知する(ステップS1304)。
【0098】
顔照合端末40は、顔認証システム30から受信した利用結果を表示する(ステップS1305)。例えば、顔照合端末40は、
図14(c)に示すような利用結果画面1420を表示する。利用結果画面1420は、決済の結果を示すアイコン1421、決済金額1422、および利用結果画面1420を終了するための終了ボタン1423を含んで構成される。
【0099】
顔認証システム30は、サービス提供システム50から受信した利用結果を履歴情報として保存する(ステップS1306)。具体的には、決済サービスの利用を行った場合には、顔認証の成否と、決済金額、利用日時などの情報が保存される。言い換えると、ユーザが利用した、もしくは、利用しようとした権利の内容が保存される。
【0100】
顔認証システム30は、ステップS900の顔照合共通処理にて特定した親子関係に基づいてユーザ(親)が所持する親携帯端末10を特定し、その親携帯端末10に対して、ステップS1306にて保存した履歴情報を通知する(ステップS1307)。ここで通知は例えば、メールにて送信されてよい。
【0101】
親携帯端末10は、顔認証システム30から受信した通知を表示する。通知がメールにて行われた場合、例えば、
図14(d)に示すような内容のメール1430が送信されてよい。メール1430では、履歴情報の概要を示す件名1431が設定される。また、本文1432には、利用情報の詳細(利用日時、利用者、および決済金額など)が含まれる。そして、
図13の本処理シーケンスを終了する。
【0102】
(照合処理:決済利用の変形例1)
図13、
図14では、決済サービスに適用するケースについて説明した。ここでは更に、決済サービスに適用するケースの変形例について説明する。より具体的には、
図13の処理シーケンスをベースとして、ユーザ(子)の権利設定を更新する場合について説明する。なお、
図13にて示した処理と重複する処理については、同じ参照番号を付し、説明を省略する。
【0103】
親携帯端末10は、ユーザ(子)に対する権利設定を受け付ける(ステップS1501)。例えば、
図16(a)に示すような設定画面1600を表示することでユーザ(子)に対する権利設定を行う。設定画面1600は、すでに設定したユーザ(子)の基本情報1601と、ユーザ(子)に許可する権利情報1602が示される。権利情報1602の項目として、ここでは、決済の利用可否1603、決済の上限金額1604、ユーザ(親)への通知の要否1605、および通知を行う場合の条件1606などが含まれる。決済の上限金額1604は、利用可能な累積金額が設定される。条件1606としては、例えば、決済の上限金額1604にて設定された金額のうち、利用した結果、残りの利用可能金額が所定の金額(例えば、1000円未満)となった場合などが指定されてよい。設定ボタン1607が押下されると、親携帯端末10は、入力した権利情報1602の内容を顔認証システム30に渡し、登録を指示する。
【0104】
顔認証システム30は、親携帯端末10から受信したユーザ(子)の権利情報が、ユーザ(親)の権利の範囲内か否かを判定する(ステップS1502)。このとき、ユーザ(親)の権利を越えている場合には、その旨を親携帯端末10に通知し、再入力を促してもよい。または、
図16(a)に示す設定画面1600にて、ユーザ(親)の権利を超える設定が指定できないような構成であってもよい。
【0105】
顔認証システム30は、ステップS1502の確認結果に基づいて、ユーザ(子)に対する権利情報を保存する(ステップS1503)。
【0106】
次に、顔照合端末40、顔認証システム30、およびサービス提供システム50が連携して、顔照合共通処理を行う(ステップS900)。本処理は、
図9を用いて説明した顔照合共通処理である。この処理内において、例えば、顔照合端末40は、
図16(b)に示すような決済画面1610を表示して、利用する権利の設定を受け付ける(ステップS903)。決済画面1610は、決済の金額を示す決済情報1611、決済の実行をキャンセルするためのキャンセルボタン1612、および決済の実行を指示するための決定ボタン1613を含んで構成される。更に、顔照合端末40は、顔照合共通処理において、
図16(c)に示すような顔照合のための撮影画面1620を表示し、対象となるユーザの撮影を促す。撮影画面1620には、適切な顔画像を取得するためにアイコン1621やメッセージなどを表示してよい。
【0107】
顔認証システム30は、
図13にて示した処理シーケンスと同様に、ステップS1301~ステップS1306の処理を行う。この一連の流れにおいて、顔照合端末40は、決済サービスの利用結果として、
図16(d)に示すような利用結果画面1630を表示する。利用結果画面1630は、決済の結果を示すアイコン1631、決済金額1632、および利用結果画面1630を終了するための終了ボタン1633を含んで構成される。
【0108】
ステップS1306の処理の後、顔認証システム30は、サービスの利用の結果、設定画面1600にて設定した通知条件を満たすか否かを判定する(ステップS1504)。本例では、設定画面1600において、決済の上限金額1604が「10000円」、通知の要否1605が「ON」、通知する条件1606が「1000円未満」に設定されているものとする。この場合に、
図16(d)に示すように、決済金額が「9980円」であった場合には、条件1606を満たすこととなる。再設定の通知条件を満たす場合(ステップS1504、YES)、顔認証システム30の処理は、ステップS1505へ進む。一方、再設定の通知条件を満たさない場合(ステップS1504、NO)、顔認証システム30の処理は、ステップS1307へ進む。
【0109】
顔認証システム30は、ステップS900の顔照合共通処理にて特定した親子関係に基づいてユーザ(親)が所持する親携帯端末10を特定し、その親携帯端末10に対して、ステップS1306にて保存した履歴情報を通知する(ステップS1505)。ここで通知は例えば、メールにて送信されてよい。また、ここでは、ユーザ(子)の権利の再設定を促す文言を含む内容の通知が行われる。
【0110】
親携帯端末10は、顔認証システム30から受信した通知を表示する(ステップS1308)。通知がメールにて行われた場合であって、その通知がステップS1505にて再設定を促す文言を含む場合には、例えば、
図16(e)に示すような内容のメール1640が送信されてよい。メール1640では、履歴情報の概要を示す件名1641が設定される。また、本文1642には、利用情報の詳細(利用日時、利用者、および決済金額など)、ユーザ(子)の権利の再設定を促す文言が含まれる。更にメール1640は、ユーザ(子)の権利の設定変更を行うための変更ボタン1643が含まれる。なお、ステップS1307の処理が行われた場合は、親携帯端末10は、
図14(d)に示すようなメールが表示される。
【0111】
親携帯端末10は、ユーザ(子)の権利の再設定を指示されたか否かを判定する(ステップS1506)。例えば、
図16(e)に示すメール1640の変更ボタン1643が押下された場合には、再設定の指示が行われたものとして(ステップS1506、YES)、親携帯端末10の処理は、ステップS1506へ戻り、ユーザ(子)の再設定を行わせる。このとき、親携帯端末10は、例えば、
図16(f)に示すような設定画面1650を表示することでユーザ(子)に対する権利設定を行わせる。設定画面1650の構成は、基本的には、
図16(a)に示した設定画面1600と同じである。ここでは、決済の上限1651に示すように、変更前と変更後の値を表示するような構成であってよい。再設定の指示が行われない場合には(ステップS1506、NO)、ステップS900へ戻り、適時処理を繰り返す。
【0112】
(照合処理:決済利用の変形例2)
図13、
図14では、決済サービスに適用するケースについて説明した。ここでは更に、決済サービスに適用するケースの2つ目の変形例について説明する。より具体的には、
図13の処理シーケンスをベースとして、ユーザ(子)の権利設定を更新する場合について説明する。なお、
図13にて示した処理と重複する処理については、同じ参照番号を付し、説明を省略する。ここでは、残高不足、すなわち、利用可能な金額の上限以上の決済を行おうとした場合を想定した例を用いて説明する。
【0113】
顔照合端末40、顔認証システム30、およびサービス提供システム50が連携して、顔照合共通処理を行う(ステップS900)。本処理は、
図9を用いて説明した顔照合共通処理である。この処理内において、例えば、顔照合端末40は、
図18(a)に示すような決済画面1800を表示して、利用する権利の設定を受け付ける(ステップS903)。決済画面1800は、決済の金額を示す決済情報1801、決済の実行をキャンセルするためのキャンセルボタン1802、および決済の実行を指示するための決定ボタン1803を含んで構成される。更に、顔照合端末40は、顔照合共通処理において、
図18(b)に示すような顔照合のための撮影画面1810を表示し、対象ユーザの撮影を促す。撮影画面1810には、適切な顔画像を取得するために、アイコン1811やメッセージなどを表示してよい。
【0114】
顔認証システム30は、
図13にて示した処理シーケンスと同様に、ステップS1301~ステップS1306の処理を行う。この一連の流れにおいて、顔照合端末40は、決済サービスの利用結果として、
図18(c)に示すような利用結果画面1820を表示する。利用結果画面1820は、決済の結果を示すアイコン1821、決済金額1822、および利用結果画面1820を終了するための終了ボタン1823を含んで構成される。ここでは、残高不足のため、決済に失敗した場合を示している。
【0115】
ステップS1306の処理の後、顔認証システム30は、サービスの利用の結果、残高不足により決済が失敗したか否かを判定する(ステップS1701)。残高不足により決済が失敗した場合(ステップS1701、YES)、顔認証システム30の処理は、ステップS1702へ進む。一方、それ以外の場合(ステップS1701、NO)、顔認証システム30の処理は、ステップS1307へ進む。
【0116】
顔認証システム30は、ステップS900の顔照合共通処理にて特定した親子関係に基づいて親であるユーザが所持する親携帯端末10を特定し、その親携帯端末10に対して、ステップS1306にて保存した履歴情報を通知する(ステップS1702)。ここで通知は例えば、メールにて送信されてよい。また、ここでは、ユーザ(子)の権利の再設定を促す文言を含む内容の通知が行われる。
【0117】
親携帯端末10は、顔認証システム30から受信した通知を表示する(ステップS1308)。通知がメールにて行われた場合であって、その通知がステップS1505にて再設定を促す文言を含む場合には、例えば、
図18(d)に示すような内容のメール1830が送信されてよい。メール1830では、履歴情報の概要を示す件名1831が設定される。また、本文1832には、利用情報の詳細(利用日時、利用者、および決済金額など)、ユーザ(子)の権利の再設定を促す文言が含まれる。更にメール1830は、ユーザ(子)の権利の設定変更を行うための変更ボタン1833が含まれる。なお、ステップS1307の処理が行われた場合は、親携帯端末10は、
図14(d)に示すようなメール1430が表示される。
【0118】
親携帯端末10は、ユーザ(子)の権利の再設定を指示されたか否かを判定する(ステップS1703)。例えば、
図18(d)に示すメール183の変更ボタン1833が押下された場合には、再設定の指示が行われたものとして(ステップS1703、YES)、親携帯端末10の処理は、ステップS1704へ進む。再設定の指示が行われない場合には(ステップS1703、NO)、ステップS900へ戻り、適時処理を繰り返す。
【0119】
親携帯端末10は、ユーザ(子)に対する権利設定を受け付ける(ステップS1704)。例えば、
図18(e)に示すような設定画面1840を表示することでユーザ(子)に対する権利設定を行わせる。設定画面1840は、すでに設定したユーザ(子)の基本情報1841と、ユーザ(子)に許可する権利情報1842が示される。権利情報1842の項目として、ここでは、決済の利用可否1843、決済の上限1844などが含まれる。決済の上限1844は、利用可能な累積金額が設定される。決済の上限1844に示すように、変更前と変更後の値を表示するような構成であってよい。設定ボタン1845が押下されると、親携帯端末10は、入力した権利情報1842の内容を顔認証システム30に渡し、登録を指示する。
【0120】
顔認証システム30は、親携帯端末10から受信したユーザ(子)の権利情報が、ユーザ(親)の権利の範囲内か否かを判定する(ステップS1705)。このとき、ユーザ(親)の権利を越えている場合には、その旨を親携帯端末10に通知し、再入力を促してもよい。または、
図18(e)に示す設定画面1840にて、ユーザ(親)の権利を超える設定が指定できないような構成であってもよい。
【0121】
顔認証システム30は、ステップS1705の確認結果に基づいて、ユーザ(子)に対する権利情報を保存する(ステップS1706)。そして、
図17の本処理シーケンスを終了する。
【0122】
なお、上記の例では、利用可能な金額および残額は、グループ全体で共通しているものとして説明したが、ユーザ(子)ごとに上限または残額を設定できるようにしてもよい。この場合、ユーザ(子)ごとの設定情報を識別可能に表示した設定画面を提供してよい。例えば、残額が10000円あったとしても、あるユーザ(子)は、親携帯端末10からの権利の再設定を受けない限り、500円までしか利用できないように制御することが考えられる。このようにすれば、ユーザ(子)がグループ全体の権利を過剰に利用してしまうことを防ぐことができる。
【0123】
(照合処理:宿泊管理サービス利用のケース)
続いて、
図9、
図10にて説明した基本的な処理シーケンスを宿泊管理サービスの利用に適用した場合について説明する。ここでの宿泊管理サービスとは、サービス提供システム50のうちの宿泊管理システム52と連携して提供するサービスであり、顔認証により宿泊に関するユーザの情報を提示するサービスであるものとして説明する。
【0124】
図19は、本実施の形態に係る照合処理を施設利用に適用した場合の処理シーケンスを示す図である。処理シーケンスにおける処理主体である各装置は、例えば、CPU等の制御部が、
図2にて示した各機能に対応するプログラムを読み出して実行することで、各機能を実現する。
【0125】
顔照合端末40、顔認証システム30、およびサービス提供システム50が連携して、顔照合共通処理を行う(ステップS900)。本処理は、
図9を用いて説明した顔照合共通処理である。この処理内において、例えば、顔照合端末40は、
図20(a)に示すような顔照合のための撮影画面2000を表示し、対象ユーザの撮影を促す。撮影画面2000には、適切な顔画像を取得するために、アイコン2001やメッセージなどを表示してよい。
【0126】
顔認証システム30は、ユーザが利用するサービスを提供するサービス提供システム50(ここでは、宿泊管理システム52)に対して、特定したユーザに対して登録された情報を要求する(ステップS1901)。この要求には、顔認証システム30側で管理しているユーザ情報(親子関係など)が含まれる。
【0127】
サービス提供システム50は、顔認証システム30からの要求に基づき、サービスの提供を行う(ステップS1902)。具体的には、宿泊管理システム52は、指定されたユーザ情報に基づき、登録情報の特定を行う。そして、サービス提供システム50は、特定した登録情報を顔認証システム30に返す。
【0128】
顔認証システム30は、サービス提供システム50から受信した登録情報を顔照合端末40に通知する(ステップS1903)。
【0129】
顔照合端末40は、顔認証システム30から受信した登録情報を表示する(ステップS904)。例えば、顔照合端末40は、
図20(b)に示すような情報提供画面2010を表示する。情報提供画面2010は、顔認証結果を示すアイコン2011、顔認証に用いた顔画像2012、およびユーザ(子)に対応して登録されている情報2013を含んで構成される。本例では、情報2013として、宿泊施設の部屋番号が示されている。
【0130】
顔認証システム30は、サービス提供システム50から受信した登録情報を含むサービスの利用結果を履歴情報として保存する(ステップS1905)。具体的には、宿泊管理サービスの利用を行った場合には、顔認証の成否と、提供された登録情報、サービスの利用日時などの情報が保存される。
【0131】
顔認証システム30は、ステップS900の顔照合共通処理にて特定した親子関係に基づいてユーザ(親)が所持する親携帯端末10を特定し、その親携帯端末10に対して、ステップS1905にて保存した履歴情報を通知する(ステップS1906)。ここでの通知は、例えば、メールにて送信されてよい。
【0132】
親携帯端末10は、顔認証システム30から受信した通知を表示する。通知がメールにて行われた場合、例えば、
図20(c)に示すような内容のメール2020が送信されてよい。メール2020では、履歴情報の概要を示す件名2021が設定される。また、本文2022には、履歴情報の詳細(利用日時、利用者、および参照した登録情報など)が含まれる。そして、
図19の本処理シーケンスを終了する。
【0133】
(具体的な適用事例)
図11~
図14を用いて説明した決済サービスとの連携は、宿泊施設(ホテルや旅館など)やアミューズメント施設において、手ぶらで行動する場合を想定した状況に適用できる。例えば、グループに属する子供(すなわち、ユーザ(子))が手ぶらで施設内を行動する場合において、顔認証のみで物の購入や有料施設(例えば、ラウンジ、温泉施設、プール、ジムなど)の利用や入場管理、交通機関(例えば、送迎バスや宿泊者限定の車両など)への搭乗などが可能となる。また、ユーザ(親)は、利用制限を行うことでユーザ(子)の行動を管理することができ、更には、利用時の情報を確認することができる。
【0134】
また、レンタカーやカーシェア、バスツアーなどのサービス利用にも適用できる。例えば、レンタカーサービスでは、予約者と車両の受け取り者が異なる場合を想定して、顔認証を利用してサービスの利用を行うことができる。また、バスツアーなどのサービスでは、バスへの搭乗場所が参加者ごとに異なる場合などを想定して、顔認証を利用してサービスの利用を行うことができる。
【0135】
また、ユーザ(子)は、ユーザ(親)が一緒にいない場合であっても、特定のツールを必要とすることなく、予め設定された権利範囲内で自由な行動が可能となる。例えば、ユーザ(子)は、ユーザ(親)が予約した宿泊施設に顔認証のみでチェックインしたり、鍵(ルームキー)無しで予約した部屋へ入室したりすることができる。また、グループに登録されていないユーザは、チェックインなどが制限されるため、セキュリティ上の効果も期待できる。
【0136】
また、迷子判定システム54により提供される迷子判定サービスは、
図19に示した宿泊管理サービスと同様に適用することで実装することができる。例えば、子供の顔画像を撮影して認証することにより、どのグループ(例えば、家族)に属するかの情報を取得することができる。これにより、迷子か否かを判定することができ、その関係者(すなわち、ユーザ(親))に通知することができる。そのほか、グループに属するユーザ(子)に何らかのトラブル(けがや病気など)が発生した場合には、そのユーザ(子)の顔認証を行うことで、ユーザ(親)に通知を行うことが可能となる。
【0137】
なお、迷子判定サービスは、権利の利用に用いる端末を用いて子供の顔を撮影してもよい。実施の形態では、施設内の各地に権利の利用に用いる端末が配置されているため、特別な端末を用意せずとも迷子の通知を的確に行うことができる。
【0138】
また、迷子判定サービスは、ユーザ(親)や迷子以外のユーザ(子)からの指示により、最後に顔認証が行われた端末の情報を通知するものとしてもよい。本実施の形態では、子供(ユーザ(子)の一例)が権利を利用する際は顔認証を行う構成となっているため、子供(ユーザ(子)の一例)が最後に権利を利用し、または、利用しようとした端末の情報はシステムに記録されている。したがって、このような構成を採用することで、子供(ユーザ(子)の一例)が端末の操作等を理解していなくとも、親(ユーザ(親)の一例)や家族などの操作により、その子供(ユーザ(子)の一例)の大まかな現在位置を知ることができる。
【0139】
また、ユーザは、自身の顔を認証させることで、登録されている情報を簡単に確認できるため、例えば、間違った情報(例えば、宿泊先の部屋番号など)に基づいた行動を抑制することができる。例えば、エレベータ等にも顔認証の端末を設置することにより、自動的に宿泊先の部屋の存在する階に停止するよう制御することや、各階のエレベータホールなどに設けた端末により宿泊先までの道筋を案内する情報(地図や矢印など)を提示するようにすることができる。
【0140】
また、グループに登録する権利として、施設が発行するクーポンや優待権、ポイントなどを登録しておくことで、ユーザ(親)の他、グループに属するユーザ(子)が利用することが可能となり、サービス利用の利便性を向上させることができる。
【0141】
また、グループに属するあるユーザが利用したサービスを、他のユーザが引き継いで利用することが可能となる。具体的には、あるユーザが荷物の預かりサービスを利用した際に、同じグループに属する他のユーザが預けていた荷物を受け取る状況などが想定される。また、ユーザ(親)に付与された権利を共有することも可能である。例えば、ユーザ(親)に付与されたポイントをグループに属する他のユーザ(子)にて共有して利用することなどが想定される。
【0142】
以上により、実施の形態1に係る顔認証システム30は、親ユーザの権利情報を、グループに対応付けて登録する親顔情報管理部32および親権利管理部35と、1または複数の子ユーザの顔画像を、当該グループに対応付けて登録する子顔情報管理部33と、顔画像を受け付けた際に、子顔情報管理部33に登録された情報に基づいて顔認証を行うことで、当該顔画像に対応するユーザが属するグループを特定する親子関係判定部31と、親子関係判定部31にて特定されたグループに対応付けられた権利情報に基づき、顔画像に対応する子ユーザが要求する所望の処理が許可されるか否かを判定する利用権利判定部34と、利用権利判定部34による判定結果に基づいて、当該所望の処理を実行する外部システム連携部37と、利用権利判定部34による判定結果および外部システム連携部37による処理結果の少なくとも一方を、親ユーザに通知する利用結果通知部39とを有する。
【0143】
これにより、顔認証システム30は、グループに属するユーザが顔認証により各種サービスを利用する際の利便性をより向上させることが可能となる。
【0144】
また、子権利管理部36は、親ユーザの権利情報にて示される範囲内にて、前記グループに属する子ユーザそれぞれに許可する権利の設定を受け付けて登録する。
【0145】
これにより、顔認証システム30は、グループに属する子ユーザごとに、親ユーザの権利範囲内で任意の権利を許可することができる。
【0146】
また、親権利管理部35は、親ユーザからの要求に応じて、グループに対応付ける当該親ユーザの権利情報を更新する。
【0147】
これにより、親ユーザは、グループにて共有する権利を適切に設定することができる。
【0148】
また、顔認証システム30は、顔照合端末40に通信可能に接続され、顔照合端末40は、ユーザの顔画像を取得する顔情報取得部42と、ユーザが所望の処理の情報を設定し、顔情報取得部42にて取得したユーザの顔画像と、設定した所望の処理の情報とを含む要求を顔認証システム30に送信する利用権利設定部43と、を有する。また、顔認証システム30は更に、利用権利判定部34による判定結果および外部システム連携部37による処理結果を、顔照合端末40からの要求に対する応答として前記顔照合端末に送信する結果通知部45を有する。
【0149】
これにより、顔認証システム30は、顔照合端末40を用いて顔画像を取得することで、任意の処理を容易に実行することができる。
【0150】
また、顔認証システム30は、親携帯端末10に通信可能に接続され、親携帯端末10は、顔画像を取得し、親携帯端末10のユーザである親ユーザの権利情報を、グループに対応付けて登録するように、顔認証システム30に要求する親顔情報取得部14と、グループに属する子ユーザの顔画像を親携帯端末10にて取得するか否かを判定し、子ユーザの顔画像を親携帯端末10にて取得しないと判定した場合、子ユーザの顔画像を取得する子携帯端末20に、子ユーザの顔画像を顔認証システム30に登録するための情報を含む要求を送信する子登録リンク送信部17と、を有する。
【0151】
これにより、顔認証システム30は、親携帯端末10以外の端末でも容易に子ユーザの顔画像を登録することが可能となる。
【0152】
また、子ユーザの顔画像を親携帯端末10にて取得すると判定した場合、子顔情報取得部15は、子ユーザの顔画像を取得した後、当該子ユーザの顔画像を、グループに対応付けて登録するように、顔認証システム30に要求する。
【0153】
これにより、顔認証システム30は、親携帯端末10でも容易に子ユーザの顔画像を登録することができる。
【0154】
また、顔認証システム30は、所望の処理の少なくとも一部を実行するサービス提供システム50と通信可能に接続され、外部システム連携部37は、利用権利判定部34による判定結果に基づいて、サービス提供システム50と連携して所望の処理を実行する。
【0155】
これにより、顔認証システム30は、顔認証システム30の外部に設けられた様々なサービスを提供するシステムと連携して、処理を行うことが可能となる。
【0156】
また、所望の処理は、決済サービス、宿泊管理サービス、施設への入場管理サービス、または登録情報の提供サービスのいずれかの処理である。
【0157】
これにより、顔認証システム30は、決済サービス、宿泊管理サービス、施設への入場管理サービス、または登録情報の提供サービスを対象として、顔認証処理を適用することができる。
【0158】
<その他の実施形態>
上述した各実施の形態では、権利の利用の通知は、親携帯端末10に対して行われるものとしたが、子携帯端末20に対して行ってもよい。例えば、ユーザ(親)が通知先となるユーザ(子)が所持する子携帯端末20を指定することで通知可能となる。これにより、ユーザ(子)も権利の利用の結果を子携帯端末20を介して確認することができる。また、権利を利用したユーザ(子)自身が所持する子携帯端末20に対して権利の利用の通知を行ってもよい。このようにすることで、ユーザ(子)は自身が利用した権利やサービスの情報を後から子携帯端末20を介して確認することができる。特に、ユーザ(子)がユーザ(親)と離れて権利を利用した場合、ユーザ(子)は本当に権利の利用が成功したのか把握することが難しいため、不安を感じるおそれがある。そこで、権利を利用したユーザ(子)自身の所持する子携帯端末20に通知を行うようにすれば、ユーザ(子)自身からも権利の利用の成否等を確認することができるようになるため、このような不安を低減することができる。また、ユーザ(子)での権利の利用が成功している限り、親携帯端末10に対して権利の利用の通知を行わないようにしてもよい。これにより、特に問題が生じていない場合には親携帯端末10での通知の確認が不要になるため、ユーザ(親)に対する過剰な通知を抑制することができる。また、親携帯端末10または子携帯端末20から顔認証システム30等へ要求することによって、権利の利用の履歴を確認できるようにしてもよい。
【0159】
また、上述した各実施の形態では、顔照合端末40は、各種サービスを提供する施設内に設置されているものとして説明したが、移動体内に設置されてもよい。一例としては、駅とホテルとの間で運行するシャトルバス等が考えられる。この場合、所望の処理は、移動体を利用した移動サービスや、移動体内で提供されるサービス(車内販売や観光ガイド等)である。また、顔照合端末40は、特定の施設等に対応付けられていなくともよい。例えば、顔照合端末40は、ユーザ等が所持する携帯端末(具体的には、親携帯端末10や子携帯端末20)に各種サービスを提供するためのソフトウェアがインストールされているような形態が考えられる。この場合、顔認証の成功と権利の利用を条件に、ソフトウェアがサービスを提供する。
【0160】
また、上述した各実施の形態では、顔認証システムにユーザ(親)の顔情報を登録していたが、ユーザ(親)の顔の登録を省略してもよい。ユーザ(親)は、ユーザ(子)の権利の利用状況を把握するために親携帯端末10を携帯している可能性が高く、この場合、ユーザ(親)自身による権利の利用には親携帯端末10を利用することができるためである。また、ユーザ(親)自身が権利の利用を予定しておらず、ユーザ(子)向けの権利の管理のみを行う場合も、同様に、ユーザ(親)の顔情報の登録を省略してもよい。これらの場合、グループの代表者を識別する情報として、ユーザ(親)の顔情報に代えてユーザ(親)の他の生体情報(指紋など)や、ユーザ(親)に一意に割り当てられたID等を用いてもよい。
【0161】
また、上述した各実施の形態では、ユーザの各情報は親携帯端末10または子携帯端末20によって登録していたが、これに限られない。例えば、ホテルのフロントに設けられた端末など、施設に設置された装置にて登録を行ってもよい。
【0162】
また、上述した各実施の形態では、ユーザ(親)はグループに一人しかいないものとして説明したが、複数のユーザ(親)を設定可能としてもよい。この場合、親携帯端末10に対する通知は、複数のユーザ(親)それぞれが所持する端末に通知されるものとしてもよい。また、ユーザ(親)の間で、受信する通知や変更可能な権利を異ならせてもよい。例えば、金銭に関する権利は一人のユーザ(親)のみが変更可能だが、金銭にかかわらない権利(無償の施設の利用権など)は他のユーザ(親)でも変更可能とすることが考えられる。
【0163】
また、上述した各実施の形態において、親携帯端末10に通知する情報は、ユーザ(子)の顔認証の結果のみ、または、サービスの利用結果のみでもよい。特に、ユーザ(子)の顔認証が失敗した場合には、サービスの利用の可否の判断結果は不可になるため、利用結果を通知しなくともよい。
【0164】
また、上述した1以上の実施の形態の機能を実現するためのプログラムおよびアプリケーションを、ネットワークまたは記憶媒体等を用いてシステムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。
【0165】
また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field Programmable Gate Array))によって実現してもよい。
【0166】
以上、図面を参照しながら各種の実施形態について説明したが、本開示は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に相当し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した各種の実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0167】
本開示は、複数の利用者に対して、権利に応じた行動の利便性を向上させることが可能な顔認証システム、顔認証方法、情報処理端末およびその制御方法として有用である。
【符号の説明】
【0168】
10 親携帯端末
20 子携帯端末
30 顔認証システム
40 顔照合端末
50 サービス提供システム
60 ネットワーク
300 携帯端末
400 情報処理装置
【手続補正書】
【提出日】2024-08-09
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも一人の第1のユーザと、少なくとも一人の第2のユーザから構成されるグループに対応付けられた権利情報に基づいて第2のユーザに対する所望の処理の提供の可否を判定する権利判定システムであって、
前記第2のユーザの認証処理に基づき前記第2のユーザが所属するグループを特定する特定部と、
前記特定部で特定された前記権利情報に基づき、前記第2のユーザが要求する所望の処理の提供可否を判定する判定部と、
前記判定部の判定結果が所定の条件を満たす場合に、前記権利情報の再設定を促すための情報を、前記第1のユーザに通知する通知部と、
を備える権利判定システム。
【請求項2】
前記権利判定システムは、登録部をさらに有し、
前記登録部は、前記第1のユーザの権利情報にて示される範囲内にて、前記グループに属する前記第2のユーザそれぞれに許可する権利の設定を受け付けて登録する、
請求項1に記載の権利判定システム。
【請求項3】
前記登録部は、前記第1のユーザからの要求に応じて、前記グループに対応付ける前記第2のユーザの権利情報を更新する、
請求項2に記載の権利判定システム。
【請求項4】
前記権利判定システムは、権利判定端末に通信可能に接続され、
前記権利判定端末は、
ユーザの認証情報を取得する第1の取得部と、
所望の処理の情報を設定する第1の設定部と、
前記第1の取得部にて取得したユーザの認証情報と、前記第1の設定部にて設定した前記所望の処理の情報とを含む要求を前記権利判定システムに送信する第1の要求部と、
を有し、
前記権利判定システムは更に、
前記判定部による判定結果を、前記要求に対する応答として前記権利判定端末に送信する第1の送信部をさらに有する、
請求項1に記載の権利判定システム。
【請求項5】
前記権利判定システムは、前記所望の処理の少なくとも一部を実行するサービス提供システムと通信可能に接続され、
前記判定部による判定結果に基づいて、前記サービス提供システムと連携して前記所望の処理を実行する処理部をさらに有する、
請求項1に記載の権利判定システム。
【請求項6】
前記所望の処理は、決済サービス、宿泊管理サービス、施設への入場管理サービス、または登録情報の提供サービスのいずれかの処理である、
請求項1に記載の権利判定システム。
【請求項7】
前記所望の処理は、決済サービスであって、
前記権利情報には、前記第2のユーザが決済サービスにて利用できる上限金額が含まれており、
前記権利情報の再設定とは、前記上限金額の再設定である、
請求項1に記載の権利判定システム。
【請求項8】
前記通知部は、
前記第2のユーザが利用した前記決済サービスによって使用した使用金額と前記上限金額との差額が所定の金額となった場合、または前記使用金額が前記上限金額を超えた場合の少なくとも一方において、前記判定結果とともに、前記上限金額の再設定を促す情報を通知する、
請求項7に記載の権利判定システム。
【請求項9】
前記権利判定システムは登録部をさらに有し、
前記登録部は、実行された前記所望の処理に基づいて発行されたポイント情報を登録し、
前記ポイント情報は、前記グループに対応付けられたユーザ間で共有が可能である、
請求項1に記載の権利判定システム。
【請求項10】
少なくとも一人の第1のユーザと、少なくとも一人の第2のユーザから構成されるグループに対応付けられた権利情報に基づいて第2のユーザに対する所望の処理の提供の可否を判定する権利判定方法であって、
前記第2のユーザの認証処理に基づき前記第2のユーザが所属するグループを特定するステップと、
前記特定するステップで特定されたグループに対応付けられた権限権利情報に基づき、前記第2のユーザが要求する所望の処理の提供可否を判定するステップと、
前記判定するステップの判定結果が所定の条件を満たす場合に、前記権利情報の再設定を促すための情報を、前記第1のユーザに通知するステップと、
を備える権利判定方法。
【請求項11】
情報処理端末であって、
少なくとも一人の第1のユーザと、少なくとも一人の第2のユーザから構成されるグループに対応付けられた権利情報を登録するように権利判定システムに要求する要求部と、
前記第2のユーザの認証処理に基づき所属するグループを特定された前記第2のユーザが要求する所望の処理の提供可否を、前記権利情報に基づき判定された場合、
判定結果が所定の条件を満たす場合に、前記権利情報の再設定を促すための情報を、受け取る受信部と、
を有する、
情報処理端末。
【請求項12】
情報処理端末の制御方法であって、
少なくとも一人の第1のユーザと、少なくとも一人の第2のユーザから構成されるグループに対応付けられた権利情報を登録するように権利判定システムに要求するステップと、
前記第2のユーザの認証処理に基づき所属するグループを特定された前記第2のユーザが要求する所望の処理の提供可否を、前記権利情報に基づき判定された場合、
判定結果が所定の条件を満たす場合に、前記権利情報の再設定を促すための情報を、受け取るステップと、
を有する、
情報処理端末の制御方法。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0001】
本開示は、権利判定システム、権利判定方法、情報処理端末およびその制御方法に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
本開示は、少なくとも一人の第1のユーザと、少なくとも一人の第2のユーザから構成されるグループに対応付けられた権利情報に基づいて第2のユーザに対する所望の処理の提供の可否を判定する権利判定システムであって、前記子第2のユーザの認証処理に基づき前記第2のユーザが所属するグループを特定する特定部と、前記特定部で特定された前記権利情報に基づき、前記第2のユーザが要求する所望の処理の提供可否を判定する判定部と、前記判定部の判定結果が所定の条件を満たす場合に、前記権利情報の再設定を促すための情報を、前記第1のユーザに通知する通知部と、を備える権利判定システムを提供する。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
また、本開示は、少なくとも一人の第1のユーザと、少なくとも一人の第2のユーザから構成されるグループに対応付けられた権利情報に基づいて第2のユーザに対する所望の処理の提供の可否を判定する権利判定方法であって、前記第2のユーザの認証処理に基づき前記第2のユーザが所属するグループを特定するステップと、前記特定するステップで特定されたグループに対応付けられた権限権利情報に基づき、前記第2のユーザが要求する所望の処理の提供可否を判定するステップと、前記判定するステップの判定結果が所定の条件を満たす場合に、前記権利情報の再設定を促すための情報を、前記第1のユーザに通知するステップと、を備える権利判定方法を提供する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
また、本開示は、情報処理端末であって、少なくとも一人の第1のユーザと、少なくとも一人の第2のユーザから構成されるグループに対応付けられた権利情報を登録するように権利判定システムに要求する要求部と、前記第2のユーザの認証処理に基づき所属するグループを特定された前記第2のユーザが要求する所望の処理の提供可否を、前記権利情報に基づき判定された場合、判定結果が所定の条件を満たす場合に、前記権利情報の再設定を促すための情報を、受け取る受信部と、を有する、情報処理端末を提供する。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0010】
また、本開示は、情報処理端末の制御方法であって、少なくとも一人の第1のユーザと、少なくとも一人の第2のユーザから構成されるグループに対応付けられた権利情報を登録するように権利判定システムに要求するステップと、前記第2のユーザの認証処理に基づき所属するグループを特定された前記第2のユーザが要求する所望の処理の提供可否を、前記権利情報に基づき判定された場合、判定結果が所定の条件を満たす場合に、前記権利情報の再設定を促すための情報を、受け取るステップと、を有する、情報処理端末の制御方法を提供する。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
本開示は、上述した従来の事情に鑑みて案出され、グループに属するユーザが権利判定により各種サービスを利用する際の利便性をより向上させることが可能な権利判定システム、権利判定方法、情報処理端末およびその制御方法を提供することを目的とする。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
本開示によれば、グループに属するユーザが権利判定により各種サービスを利用する際の利便性をより向上させることが可能となる。