(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128058
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】ストッカ
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/0836 20230101AFI20240912BHJP
A47G 29/14 20060101ALI20240912BHJP
A47G 29/30 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
G06Q10/0836
A47G29/14
A47G29/30
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024111466
(22)【出願日】2024-07-11
(62)【分割の表示】P 2023016188の分割
【原出願日】2016-09-01
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西田 淳一
(57)【要約】
【課題】ストッカで生じた事態に適切な対応を可能とする。
【解決手段】ストッカの納品庫の扉を解錠制御して扉の開放が検知されると(S100)、扉の開放時間の計測を開始し(S110)、所定の開放時間以上に亘って扉の開放が検知され続けている場合に(S120,S130)、扉の開放状態が継続している旨の通知をストッカ管理装置に送信する(S150)。これにより、扉が開放されたままとなっている事態に適切に対応することが可能となる。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
扉を施錠可能な納品庫を有するストッカと、前記ストッカを管理する管理装置とを備えたストッカシステムに用いられるストッカであって、
前記扉の開閉状態を検知する開閉状態検知手段と、
前記管理装置と通信が可能で、前記扉の施錠および解錠を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記扉を解錠制御して前記扉の開放が検知されてから所定の開放時間以上に亘って前記扉の開放が検知され続けている場合に、前記扉が開放されたままである旨の通知を前記管理装置に送信する
ストッカ。
【請求項2】
納品庫を有するストッカと、前記ストッカを管理する管理装置とを備えたストッカシステムに用いられるストッカであって、
前記ストッカの前方の所定範囲を撮像可能な撮像装置と、
前記管理装置と通信が可能で、前記撮像装置により撮像された画像から移動体を検出したことに基づいて該画像の記録制御を実行する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、所定の非記録時間以上に亘って前記記録制御を実行していない場合に、画像を記録していない旨の通知を前記管理装置に送信する
ストッカ。
【請求項3】
扉を施錠可能な納品庫を有するストッカと、前記ストッカを管理する管理装置とを備えたストッカシステムに用いられるストッカであって、
前記扉の開閉状態を検知する開閉状態検知手段と、
前記管理装置と通信が可能で、前記扉の施錠および解錠を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記扉を解錠制御していない状態で前記扉の開放が検知された場合に、解錠制御によらずに前記扉が開放された旨の通知を前記管理装置に送信する
ストッカ。
【請求項4】
納品庫を有するストッカと、前記ストッカを管理する管理装置とを備えたストッカシステムに用いられるストッカであって、
消費材の消費を伴って納品証明を出力可能な納品証明出力装置と、
前記管理装置と通信が可能で、納入者により前記納品庫に物品が納入された場合に前記納品証明を出力するよう前記納品証明出力装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記消費材の残量が所定の残量以下となった場合に、前記消費材の残量が所定の残量以下である旨の通知を前記管理装置に送信する
ストッカ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストッカに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、配達人が配達した宅配物を納入可能なボックス(納品庫)を複数有するロッカー(ストッカ)と、ロッカーを管理する管理装置とを備えたシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このシステムでは、配達人からの選択を受け付けたボックスが空きボックスであれば、予約ボックスとして登録する。そして、配達人が予約ボックスに宅配物を納入する際には、予約ボックスに解錠信号を送って扉の開放動作を行い、開放動作が所定回数目となっても扉が開放しない場合には扉の開故障が生じた旨のエラーメッセージを表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したシステムでは、扉の開故障に対応することは記載されているものの、それ以外の事態が生じた場合については考慮されていない。このため、扉の開故障以外の種々の事態が生じた場合に適切に対応することが困難である。
【0005】
本発明は、ストッカで生じた事態に適切な対応を可能とすることを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本発明の第1のストッカは、
扉を施錠可能な納品庫を有するストッカと、前記ストッカを管理する管理装置とを備えたストッカシステムに用いられるストッカであって、
前記扉の開閉状態を検知する開閉状態検知手段と、
前記管理装置と通信が可能で、前記扉の施錠および解錠を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記扉を解錠制御して前記扉の開放が検知されてから所定の開放時間以上に亘って前記扉の開放が検知され続けている場合に、前記扉が開放されたままである旨の通知を前記管理装置に送信する
ことを要旨とする。
【0008】
本発明の第1のストッカは、納品庫の扉を解錠制御して扉の開放が検知されてから所定の開放時間以上に亘って扉の開放が検知され続けている場合に、その旨の通知を管理装置に送信するから、扉が開放されたままとなっている場合に適切に対応することができる。なお、例えば、納入者(配達者)により納品庫に納入された物品を受け取り者が取り出した後に、扉を閉め忘れた場合などに扉が開放されたままとされることになる。
【0009】
本発明の第2のストッカは、
納品庫を有するストッカと、前記ストッカを管理する管理装置とを備えたストッカシステムに用いられるストッカであって、
前記ストッカの前方の所定範囲を撮像可能な撮像装置と、
前記管理装置と通信が可能で、前記撮像装置により撮像された画像から移動体を検出したことに基づいて該画像の記録制御を実行する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、所定の非記録時間以上に亘って前記記録制御を実行していない場合に、画像を記録していない旨の通知を前記管理装置に送信する
ことを要旨とする。
【0010】
本発明の第2のストッカは、所定の非記録時間以上に亘って画像の記録制御を実行していない場合に、その旨の通知を管理装置に送信するから、画像を記録していない場合に適切に対応することができる。なお、通常は納入者(配達者)が物品を納入する際や受け取り者が物品を受け取る際にストッカの前方の所定範囲内に入るために画像から移動体が検出される。このため、所定の非記録時間以上に亘って画像を記録していない場合には、撮像装置や撮像される画像に何らかの異常が生じている可能性が高い。
【0011】
本発明の第3のストッカは、
扉を施錠可能な納品庫を有するストッカと、前記ストッカを管理する管理装置とを備えたストッカシステムに用いられるストッカであって、
前記扉の開閉状態を検知する開閉状態検知手段と、
前記管理装置と通信が可能で、前記扉の施錠および解錠を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記扉を解錠制御していない状態で前記扉の開放が検知された場合に、解錠制御によらずに前記扉が開放された旨の通知を前記管理装置に送信する
ことを要旨とする。
【0012】
本発明の第3のストッカは、納品庫の扉を解錠制御していない状態で扉の開放が検知された場合に、その旨の通知を管理装置に送信するから、解錠制御によらずに扉が開放された場合に適切に対応することができる。なお、解錠制御によらずに扉が開放された場合としては、例えば、制御装置により制御される電子錠装置以外に物理的な鍵を用いる錠装置により解錠可能に構成されていれば、その物理的な鍵を用いる錠装置により扉が解錠された場合が該当する。また、不正な手段により扉が解錠(開放)された場合が該当する。
【0013】
本発明の第4のストッカは、
納品庫を有するストッカと、前記ストッカを管理する管理装置とを備えたストッカシステムに用いられるストッカであって、
消費材の消費を伴って納品証明を出力可能な納品証明出力装置と、
前記管理装置と通信が可能で、納入者により前記納品庫に物品が納入された場合に前記納品証明を出力するよう前記納品証明出力装置を制御する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、前記消費材の残量が所定の残量以下となった場合に、前記消費材の残量が所定の残量以下である旨の通知を前記管理装置に送信する
ことを要旨とする。
【0014】
本発明の第4のストッカは、納品証明を出力可能な納品証明出力装置で用いられる消費材の残量が所定の残量以下となった場合に、その旨の通知を管理装置に送信するから、消費材の残量が所定の残量以下となった場合に適切に対応することができる。なお、納品証明出力装置としては、例えば、インクの消費を伴って納入者が有する伝票などに受領印を押印する装置やインクや用紙の消費を伴って納入証明が印字された伝票を出力する装置などが挙げられる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】ストッカシステム10の構成の概略を示す構成図。
【
図3】扉開放状態継続時処理の一例を示すフローチャート。
【
図4】非記録状態継続時処理の一例を示すフローチャート。
【
図5】非解錠制御下での扉開放時処理の一例を示すフローチャート。
【
図6】インク残量低下時処理の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[第1実施形態]
次に、本発明の第1実施形態について、図面を用いて説明する。
図1は、ストッカシステム10の構成の概略を示す構成図である。
図2は、ストッカ40の構成の概略を示す構成図である。
【0017】
ストッカシステム10は、
図1に示すように、販売管理システム20と、複数のストッカ40と、ストッカ40を管理するストッカ管理装置30とを備える。販売管理システム20と複数のストッカ40(ストッカ40A,40Bなど)とストッカ管理装置30は、インターネットなどのネットワーク12,13に接続されている。
【0018】
販売管理システム20は、店舗21が管理するシステムであり、販売管理装置22を備える。販売管理装置22は、ネットワーク12を介して、購入者14の携帯端末15などと情報のやりとりを行い、購入者14に商品17に関する商品情報を提供する。販売管理装置22には、例えば、商品17の情報を含む商品データベース(DB)や、顧客(購入者14)の情報を含む顧客DB、購入品(商品17)の注文番号や商品17を受け取るストッカ40の情報などを含む販売情報などが記憶されている。
【0019】
ストッカ40は、店舗21から配送された商品17を購入者14へ受け渡す際に用いられる。ストッカ40は、オフィス、コンビニエンスストア、工場、駅、学校、マンションなど様々な場所に設置されている。このストッカ40は、施錠可能な複数の納品庫41を備える。納品庫41は、商品17などの物品を収容可能な内部空間を有しており、
図2に示すように、前面の扉42と、扉42の施錠および解錠を行う電子錠43と、納品庫41内の物品の有無を検出する物品センサ44と、扉42の開閉を検出する開閉センサ45とを備える。
【0020】
また、ストッカ40は、操作者による鍵(物理鍵)を用いた解錠操作によって複数(例えば、縦一列)の納品庫41の一括解錠を行う一括解錠機構46を備える。この一括解錠機構46は、納品庫41の各列に対応して複数設けられており(
図2では1つを図示)、各列の最下段の納品庫41よりも下方に配置され前面に鍵穴が設けられたシリンダー錠47と、シリンダー錠47の図示しない錠軸の回動に連動して上下方向に移動する解錠ロッド48と、解錠ロッド48に接続され解錠ロッド48の上下方向の移動に伴って上下動する複数の解錠レバー49とを備える。各段の納品庫41が備える電子錠43は、施錠状態で下方に突出する解錠ピン43aを備えており、施錠状態で解錠ピン43aが押し上げられることによっても解錠が可能となっている。一括解錠機構46の解錠レバー49は、解錠ピン43aの下端面に当接しており、上方に移動することにより解錠ピン43aを押し上げ動作させる。このため、ストッカ40の設置場所の管理者などは、一括解錠機構46のシリンダー錠47の鍵穴に鍵を挿入して所定方向に回動させることで、解錠ロッド48と解錠レバー49との連動を介して電子錠43の解錠ピン43aを作動させて、複数(縦一列)の納品庫41の一括解錠を行うことができる。なお、このような一括解錠は、商品17を受け取る購入者14が受け取り用のパスワードを誤って紛失(忘失)した場合などに、ストッカ40の設置場所の管理者などによって行われることがある。
【0021】
さらに、ストッカ40は、納品庫41と同じサイズに構成された制御ユニット51を備える。制御ユニット51は、制御部53と、記憶部54と、通信部55とを備える。制御部53は、CPU、ROMおよびRAMなどにより構成され、電子錠43の施錠制御や解錠制御などを含む装置全体の制御を司る。また、制御部53は、物品センサ44からの検出信号や開閉センサ45からの検出信号などが入力される。記憶部54は、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶する。通信部55は、ストッカ管理装置30などの外部機器と通信を行う。記憶部54には、商品17の情報や商品17を収容した納品庫番号、受け取り用のパスワード(受け取りコード)などが対応付けられた納品情報などが記憶されている。
【0022】
制御ユニット51の前面板52には、表示操作部56と、読取部57と、撮像部58と、押印部59とが配設されている。表示操作部56は、商品17の配達者19および購入者14に各種情報を表示したり、配達者19および購入者14から各種操作の入力を受け付けたりするタッチパネル式のディスプレイである。読取部57は、配達者19が有する認証カードに印字された認証コードや購入者14が商品17の受け取りに用いるパスワード(受け取りコード)などの各種コードを読み取るコードリーダである。撮像部58は、ストッカ40の前方の所定範囲、例えば納品庫41に商品17を出し入れする配達者19や購入者14などが位置する範囲を撮像可能なカメラであり、所定時間毎に撮像した画像を制御部53に送信する。なお、制御部53は、撮像部58により撮像された画像を処理して画像内の人(移動体)の有無を判定し、画像内から人(移動体)を検出した場合には、画像内から人(移動体)を検出しなくなるまで、撮像部58により撮像された画像を時系列順に記憶部54に記録する記録制御を実行する。押印部59は、受領印を押印可能なスタンプユニットであり、押印用のインクカートリッジを交換可能に構成されている。なお、制御部53は、配達者19による納品庫41への商品17の納入が完了した際に、押印部59の受領印口に配達証を挿入するよう促す画面を表示操作部56に表示し、受領印口に配達証が挿入されると受領印を押印するよう押印部59を制御する。
【0023】
ストッカ管理装置30は、ネットワーク12,13を介してストッカ40や販売管理装置22と情報のやりとりを行う。ストッカ管理装置30には、ストッカ40の識別番号や配置場所などの情報を含むストッカ情報やストッカ40に納入された商品17の情報や納品庫41の使用状況などを含む履歴情報などが記憶されている。また、ストッカ管理装置30は、ストッカ40からの通知に基づいて、ストッカ40に生じた事態をストッカシステム10の管理者などに音声出力や画面表示などにより報知可能に構成されている。
【0024】
こうして構成されたストッカシステム10では、次のようにして、購入者14が発注した商品17がストッカ40の納品庫41に納入される。まず、購入者14は、携帯端末15などを操作して、販売管理装置22から提供される商品情報から希望する商品17を選択し、商品17の受け取りを希望する受け取り希望のストッカ40の情報などを入力することにより、商品17の発注を行う。販売管理装置22は、購入者14から発注を受けると、購入者14の情報や受け取り希望のストッカ40の情報に商品17(購入品)の注文番号を付して販売情報として記憶すると共に、ストッカ管理装置30へ送信する。ストッカ管理装置30は、受け取り希望のストッカ40の使用状況から空き納品庫を検索して配送先の納品庫41を決定し、配送先の納品庫41の番号を販売管理装置22に送信すると共に配送先の納品庫41の番号と注文番号を受け取り希望のストッカ40に送信する。なお、空き納品庫は、物品センサ44により納品庫41内に物品が無いと検出され且つ開閉センサ45により扉42の閉鎖が検出されている納品庫41である。ストッカ管理装置30は、受け取り希望のストッカ40に空き納品庫がなければ、空きがない旨の通知を販売管理装置22に送信する。販売管理装置22は、その旨の通知を受信すると、購入者14の携帯端末15にその旨の通知を送信して、購入者14に受け取り希望のストッカ40を変更させたり、注文のキャンセルを受け付けたりする。販売管理装置22は、ストッカ管理装置30から配送先の納品庫41の番号を受信すると、配送先のストッカ40と納品庫41の番号とを指定して配達者19に商品17の配送指示を行う。配達者19は、配送先のストッカ40まで商品17を配送し、配送先のストッカ40において、読取部57に認証コードを読み取らせて認証を行いながら表示操作部56を操作して商品17の納入操作を行う。ストッカ40は、配達者19の認証を行うと、指定された納品庫41の電子錠43を解錠制御する。これにより、配達者19は、解錠された扉42を開けて納品庫41に商品17を納入することができる。ストッカ40は、配達者19による商品17の納入が完了して扉42が閉められると、電子錠43を施錠制御する。また、ストッカ40は、配達者19により押印部59の受領印口に配達証が挿入されると、押印部59により配達証に受領印を押印する。
【0025】
こうして商品17が納品庫41に納入されると、次のようにして、商品17が購入者14に受け取られる。まず、ストッカ40は、商品17の受け取り用のパスワード(受け取りコード)を生成してストッカ管理装置30へ送信する。ストッカ管理装置30は、受け取り用のパスワードと注文番号を販売管理装置22に送信する。なお、受け取り用のパスワードがストッカ管理装置30や販売管理装置22で生成されてもよい。販売管理装置22は、受け取り希望のストッカ40に商品17が納入された旨および受信した受け取り用のパスワードと注文番号を購入者14の携帯端末15に送信する。購入者14は、商品17が納入されたストッカ40において、読取部57に受け取り用のパスワード(受け取りコード)を読み取らせて認証を行いながら表示操作部56を操作して受け取り操作を行う。ストッカ40は、購入者14の認証を行うと、指定された納品庫41の電子錠43を解錠制御する。これにより、購入者14は、解錠された扉42を開けて納品庫41から商品17を受け取ることができる。ストッカ40は、購入者14による商品17の受け取りが完了して扉42が閉められると、電子錠43を施錠制御する。なお、購入者14による商品17の受け取りが完了して扉42が閉められると、物品センサ44により納品庫41内に物品が無いと検出され且つ開閉センサ45により扉42の閉鎖が検出されて納品庫41の使用状況が空き納品庫となるため、新たな配送先への決定が可能となる。
【0026】
次に、第1実施形態のストッカシステム10の動作、特に、ストッカ40において扉42が開放されたままとなっている場合の動作について説明する。
図3は、扉開放状態継続時処理の一例を示すフローチャートである。この扉開放状態継続時処理では、制御ユニット51の制御部53は、まず、扉42が開放状態にあるか否かを判定する(S100)。この処理は、制御部53により電子錠43を解錠制御した後に、開閉センサ45からの検出信号に基づいて扉42が開放されているか否かを判定することにより行うことができる。なお、一括解除機構46により電子錠43を解錠した後に扉42が開放状態となっている場合を含めてもよい。制御部53は、S100で扉42が開放状態にあると判定すると、開放時間の計測を開始する(S110)。そして、制御部53は、扉42が閉鎖されたか否か(S120)、所定の開放時間が経過したか否か(S130)、をそれぞれ判定する。なお、所定の開放時間は、例えば30秒などの数十秒程度の時間に設定することができる。
【0027】
制御部53は、S130で所定の開放時間が経過したと判定する前に、S120で扉42が閉鎖されたと判定すると、開放時間の計測を終了して(S140)、本処理を終了する。一方、制御部53は、S120で扉42が閉鎖されたと判定する前に、S130で所定の開放時間が経過したと判定すると、扉42の開放状態が継続している旨の通知をストッカ管理装置30に送信して(S150)、本処理を終了する。この旨の通知を受信したストッカ管理装置30は、ストッカシステム10の管理者などに扉42の開放状態が継続している事態が生じたことを報知することができる。このため、ストッカシステム10の管理者などは、ストッカ40に出向いて開放状態が継続している扉42を閉鎖したり、ストッカ40の設置場所の管理者などに連絡して開放状態が継続している扉42の閉鎖を依頼したりするなどの対応をすることができる。ここで、商品17を受け取った購入者14の扉42の閉め忘れなどにより、扉42が開放されたままとなる場合がある。その場合、納品庫41内の商品17が受け取られても納品庫41の使用状況は空き納品庫とならないため、新たな配送先に決定することができない。そのため、ストッカ40の他の納品庫41の使用状況によっては、ストッカ管理装置30は、ストッカ40に空き納品庫がないと判定し、購入者14の受け取り希望に適切に対応できない場合がある。第1実施形態では、扉42の開放状態が継続している旨の通知をストッカ管理装置30に送信するから、そのような場合が生じるのを抑制することができる。なお、ストッカ管理装置30は、ストッカ40から送信された通知を販売管理装置22などに送信して、店舗21の管理者や配達者19などに対応させるものなどとしてもよい。
【0028】
ここで、第1実施形態の構成要素と本発明の第1のストッカの構成要素との対応関係を明らかにする。第1実施形態のストッカ40が本発明の第1のストッカに相当し、ストッカ管理装置30が管理装置に相当し、開閉センサ45が開閉状態検知手段に相当し、制御部53が制御装置に相当する。
【0029】
以上説明した第1実施形態のストッカ40は、納品庫41の扉42を解錠制御して扉42の開放が検知されてから所定の開放時間以上に亘って扉42の開放が検知され続けている場合に、扉42の開放状態が継続している旨の通知をストッカ管理装置30に送信するから、扉42が開放されたままとなっている事態に適切に対応することができる。
【0030】
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態について説明する。なお、第2実施形態のストッカシステム10や各ストッカ40の構成は、第1実施形態と同じである。そのため、ストッカシステム10やストッカ40の各構成要素については同じ符号を用いて構成の説明は省略し、動作(処理)について説明する。なお、後述の第3,第4実施形態でも同様である。
【0031】
第2実施形態のストッカシステム10の動作として、ストッカ40の撮像部58により撮像された画像の記録が正常に行われない場合の動作について説明する。
図4は、非記録状態継続時処理の一例を示すフローチャートである。この非記録状態継続時処理では、制御ユニット51の制御部53は、まず、画像の記録制御を実行中であるか否かを判定する(S200)。上述したように、制御部53は、撮像部58により撮像された画像を処理して画像内の人の有無を判定し、画像内から人を検出した場合には、画像内から人を検出しなくなるまで、画像を時系列順に記憶部54に記録する記録制御を実行する。このため、制御部53は、画像内から人を一旦検出してから人を検出しなくなるまでの間は、S200で記録制御を実行中であると判定する。
【0032】
制御部53は、S200で記録制御を実行中でないと判定すると、非記録時間を計測中であるか否かを判定する(S210)。制御部53は、非記録時間を計測中でないと判定すると、非記録時間の計測を開始し(S220)、非記録時間を計測中であると判定すると、S220の処理をスキップする。そして、制御部53は、所定の非記録時間が経過したか否かを判定し(S230)、所定の非記録時間が経過していないと判定すると、S200に戻り処理を繰り返す。所定の非記録時間は、例えば1時間などの数時間程度の時間に設定することができる。なお、ストッカ40が有する納品庫41の数やストッカ40の設置場所、時間帯などによって、ストッカ40に人が近付く頻度即ち画像から人を検出する頻度が異なることから、ストッカ40の設置場所や時間帯に応じて所定の非記録時間に異なる時間を用いるものとしてもよい。また、制御部53は、S200で記録制御を実行中であると判定すると、非記録時間を計測中であるか否かを判定する(S240)。制御部53は、非記録時間を計測中であると判定すると、非記録時間の計測を終了して(S250)、本処理を終了し、非記録時間を計測中でないと判定すると、S250の処理をスキップして、本処理を終了する。
【0033】
そして、制御部53は、S230で所定の非記録時間が経過していないと判定してS200に戻って処理を繰り返すうちに、画像の記録がないままS230で所定の非記録時間が経過したと判定すると、非記録状態が継続している旨の通知をストッカ管理装置30に送信して(S260)、本処理を終了する。この旨の通知を受信したストッカ管理装置30は、ストッカシステム10の管理者などに所定の非記録時間に亘って非記録状態が継続している事態が生じたことを報知することができる。このため、ストッカシステム10の管理者などは、ストッカ40に出向いて撮像部58の状態を確認したり、ストッカ40の設置場所の管理者などに連絡して撮像部58の状態の確認を依頼したりするなどの対応をすることができる。ここで、ストッカ40の納品庫41への商品17の納入や受け取りなどが行われる度に、撮像部58の撮像範囲に人が出入りすることになる。また、ストッカ40の設置場所によっては、往来する人が撮像部58の撮像範囲に出入りすることになる。このため、制御部53は、撮像部58により正常に画像が撮像されていれば、画像から人(移動体)を検出して画像の記録制御を実行することになる。一方で、撮像部58に故障が生じて画像が正常に撮像されない場合がある。また、納品庫41内の商品17の盗難を企てる者が、画像に写らないように撮像部58のレンズを覆ったりして画像が正常に撮像されない場合もある。それらの場合には、制御部53は、撮像部58により撮像された画像から人(移動体)を検出しないため、所定の非記録時間に亘って画像の記録制御を実行しないことになる。第2実施形態では、そのように画像の記録制御が行われない事態が生じた場合には、その旨の通知をストッカ管理装置30に送信するから、画像の記録が行われない事態に適切に対応することができる。
【0034】
ここで、第2実施形態の構成要素と本発明の第2のストッカの構成要素との対応関係を明らかにする。第2実施形態のストッカ40が本発明の第2のストッカに相当し、ストッカ管理装置30が管理装置に相当し、撮像部58が撮像装置に相当し、制御部53が制御装置に相当する。
【0035】
以上説明した第2実施形態のストッカ40は、所定の非記録時間に亘って画像を記録していない場合に、その旨の通知をストッカ管理装置30に送信するから、画像の記録が行われない事態に適切に対応することができる。
【0036】
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態のストッカシステム10の動作として、ストッカ40において制御部53による電子錠43の解錠制御によらずに扉42が開放された場合の動作について説明する。
図5は、非解錠制御下での扉開放時処理の一例を示すフローチャートである。この非解錠制御下での扉開放時処理では、制御ユニット51の制御部53は、まず、扉42が開放されているか否かを判定し(S300)、扉42が開放されていないと判定すると、そのまま本処理を終了する。また、制御部53は、扉42が開放されていると判定すると、開放されている扉42において電子錠43の解錠制御が実行済みであるか否かを判定する(S310)。制御部53は、電子錠43の解錠制御が実行済みであると判定すると、扉42は正常に開放されていると判断し、本処理を終了する。
【0037】
また、制御部53は、S310で開放されている扉42において電子錠43の解錠制御が実行済みでないと判定すると、非解錠制御下で扉42が開放された旨の通知をストッカ管理装置30に送信して(S320)、本処理を終了する。この旨の通知を受信したストッカ管理装置30は、ストッカシステム10の管理者などに非解錠制御下で扉42が開放された事態が生じたことを報知することができる。このため、ストッカシステム10の管理者などは、ストッカ40に出向いて納品庫41(扉42)の状態を確認したり、ストッカ40の設置場所の管理者などに連絡して納品庫41(扉42)の状態の確認を依頼したりするなどの対応をすることができる。ここで、制御部53による電子錠43の解錠制御によらずに扉42が開放される場合としては、一括解錠機構46により扉42が解錠されて開放される場合や納品庫41内の商品17の盗難を企てる者により扉42がこじ開けられる場合などがある。前者の場合には、ストッカ40の設置場所の管理者などによって一括解錠が行われたのであれば異常な事態ではないが、通常とは異なる手法で扉42が開放されているために、ストッカ40の状態を確認する必要がある。また、後者の場合には、速やかに対応する必要がある。第3実施形態では、非解錠制御下で扉42が開放された場合に、その旨の通知をストッカ管理装置30に送信するから、非解錠制御下で扉42が開放された事態に適切に対応することができる。
【0038】
ここで、第3実施形態の構成要素と本発明の第3のストッカの構成要素との対応関係を明らかにする。第3実施形態のストッカ40が本発明の第3のストッカに相当し、ストッカ管理装置30が管理装置に相当し、開閉センサ45が開閉状態検知手段に相当し、制御部53が制御装置に相当する。
【0039】
以上説明した第3実施形態のストッカ40は、制御部53による電子錠43の解錠制御をしていない状態で、納品庫41の扉42の開放が検知された場合に、その旨の通知をストッカ管理装置30に送信するから、制御部53による解錠制御によらずに扉42が開放された事態に適切に対応することができる。
【0040】
[第4実施形態]
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態のストッカシステム10の動作として、ストッカ40において押印部59のインクカートリッジのインク残量が低下した場合の動作について説明する。
図6は、インク残量低下時処理の一例を示すフローチャートである。このインク残量低下時処理では、制御ユニット51の制御部53は、まず、押印部59により受領印が押印されたか否かを判定し(S400)、受領印が押印されていないと判定すると、そのまま本処理を終了する。また、制御部53は、押印部59により受領印が押印されたと判定すると、押印回数Nを値1インクリメントして(S410)、押印回数Nが所定の押印回数Nref以上であるか否かを判定する(S420)。制御部53は、押印回数Nが所定の押印回数Nref以上でないと判定すると、インクカートリッジのインク残量は十分にあると判断して、本処理を終了する。なお、押印回数Nは、インクカートリッジの交換時に値0にリセットされるものである。また、所定の押印回数Nrefは、インク残量が所定の残量以下に低下してインクカートリッジの交換時期が近いことを判定するための閾値として実験などにより予め定められている。
【0041】
また、制御部53は、S420で押印回数Nが所定の押印回数Nref以上であると判定すると、インクカートリッジのインク残量が所定の残量以下であると判定して、インクカートリッジのインク残量が低下した旨の通知をストッカ管理装置30に送信して(S430)、本処理を終了する。この旨の通知を受信したストッカ管理装置30は、ストッカシステム10の管理者などにインク残量が所定の残量以下に低下した事態が生じたことを報知することができる。このため、ストッカシステム10の管理者などは、ストッカ40に出向いて押印部59のインクカートリッジを交換するなどの対応をすることができる。したがって、押印部59のインクカートリッジのインク切れによって、配達者19が商品17を配達した際に受領印が押印できなくなるのを防止することができる。
【0042】
ここで、第4実施形態の構成要素と本発明の第4のストッカの構成要素との対応関係を明らかにする。第4実施形態のストッカ40が本発明の第4のストッカに相当し、ストッカ管理装置30が管理装置に相当し、押印部59が納品証明出力装置に相当し、制御部53が制御装置に相当する。
【0043】
以上説明した第4実施形態のストッカ40は、受領印を押印可能な押印部59で用いられるインクカートリッジのインク残量が所定の残量以下となった場合に、その旨の通知をストッカ管理装置30に送信するから、インク残量が所定の残量以下となった事態に適切に対応することができる。
【0044】
なお、本発明は上述した各実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0045】
上述した各実施形態では、ストッカ40(納品庫41,制御ユニット51)の構成を共通の構成として、いずれも開閉センサ45と一括解錠機構46と撮像部58と押印部59とを備えるものとしたが、これに限られるものではない。例えば、第1実施形態や第3実施形態では、少なくとも開閉センサ45を備えるものであればよく、一括解錠機構46や撮像部58、押印部59を備えないものなどとしてもよい。また、第2実施形態では、少なくとも撮像部58を備えるものであればよく、一括解錠機構46や押印部59を備えないものなどとしてもよい。また、第4実施形態では、少なくとも押印部59を備えるものであればよく、一括解錠機構46や撮像部58を備えないものなどとしてもよい。
【0046】
上述した第4実施形態では、押印部59の受領印の押印回数N(出力回数)に基づいてインク残量(消費材の残量)が所定の残量以下になったことを判定するものとしたが、これに限られるものではない。例えば、インクカートリッジ内のインク残量を検出可能なセンサ(光学センサや重量センサなど)を設けておき、そのセンサの検出値に基づいてインク残量が所定の残量以下になったことを検出するものなどとしてもよい。また、押印部59は、インクカートリッジを交換可能なものに限られず、消費した分のインクを補充していくものなどとしてもよい。また、押印部59は、配達証に受領印を押印するものに限られず、インクや用紙の消費を伴って納品証明が印字された伝票を出力する印字部などとしてもよい。そのようにする場合、インクまたは用紙のいずれかの残量が所定の残量以下となった場合に、その旨の通知をストッカ管理装置30に送信するものとすればよい。
【0047】
また、ストッカ40は、上述の各実施形態の態様(通知の送信)の全てを実行可能なものとしてもよいし、いずれか2つまたは3つの態様を実行可能なものとしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、商品をストッカに配送する商品流通システムの技術分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0049】
10 ストッカシステム、12,13 ネットワーク、14 購入者、15 携帯端末、17 商品、19 配達者、20 販売管理システム、21 店舗、22 販売管理装置、30 ストッカ管理装置、40,40A,40B ストッカ、41 納品庫、42 扉、43 電子錠、43a 解錠ピン、44 物品センサ、45 開閉センサ、46 一括解錠機構、47 シリンダー錠、48 解錠ロッド、49 解錠レバー、51 制御ユニット、52 前面板、53 制御部、54 記憶部、55 通信部、56 表示操作部、57 読取部、58 撮像部、59 押印部。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
納品庫を有するストッカと、前記ストッカを管理する管理装置とを備えたストッカシステムに用いられるストッカであって、
前記ストッカの前方の所定範囲を撮像可能な撮像装置と、
前記管理装置と通信が可能で、前記撮像装置により撮像された画像から移動体を検出したことに基づいて該画像の記録制御を実行する制御装置と、
を備え、
前記制御装置は、所定の非記録時間以上に亘って前記記録制御を実行していない場合に、画像を記録していない旨の通知を前記管理装置に送信する
ストッカ。