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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128060
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】薬剤供給装置
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20240912BHJP
   B65B 37/12 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
A61J3/00 310F
B65B37/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024111483
(22)【出願日】2024-07-11
(62)【分割の表示】P 2023022631の分割
【原出願日】2023-02-16
(71)【出願人】
【識別番号】593129342
【氏名又は名称】株式会社タカゾノ
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】杉本 雄一朗
(57)【要約】
【課題】2つの薬剤が一緒に排出されることを抑制する。
【解決手段】複数の第1突出部122の各々は、ロータ120が回転した際に、隙間124に収容された薬剤を押圧して排出口に搬送可能に形成されている。複数の第1突出部122の各々においてロータ120の径方向の外側に位置する先端面122sには、上記径方向の内側に向けて延在する第1凹部122cが形成されている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
周壁および排出口を有し、前記周壁の内側に薬剤を収容するとともに、前記排出口から薬剤を排出する薬剤収容部と、
前記周壁の内側に回転可能に配置され、上側に凸状に傾斜した天面部および該天面部と隣接する周面部を有するロータと、
前記周面部に設けられ、前記ロータの周方向に互いに隙間をあけて位置する複数の第1突出部と、
前記排出口の上方において、前記周壁の内面から前記周面部に向けて延設された仕切部とを備え、
前記複数の第1突出部の各々は、前記ロータが回転した際に、前記隙間に収容された薬剤を押圧して前記排出口に搬送可能に形成されており、
前記複数の第1突出部の各々において前記ロータの径方向の外側に位置する先端面には、前記径方向の内側に向けて延在する第1凹部が形成されている、薬剤供給装置。
【請求項2】
前記周面部には、前記径方向において前記第1凹部と連続する第2凹部が形成されており、
前記第2凹部は、前記周面部を前記径方向に貫通している、請求項1に記載の薬剤供給装置。
【請求項3】
前記複数の第1突出部の各々における底面と、前記第1凹部において前記周方向において互いに対向している内側面とのなす角は、90°以下である、請求項1または請求項2に記載の薬剤供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬剤供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
薬剤供給装置の構成を開示した先行文献として、特開2014-144207号公報(
特許文献1)がある。特許文献1に記載された薬剤供給装置は、収容部と、ロータと、仕
切部材とを備えている。ロータの側面部に間隔をあけてブロック部が設けられ、ブロック部同士の隙間によって薬剤収容溝が構成されている。ロータの回転に伴ってロータの一部が仕切部材の一部に当たり、仕切部材に動きを与えて仕切部材上の薬剤を移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-144207号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の薬剤供給装置においては、薬剤排出口の上方に搬送された薬剤が静電気によってブロック部の底面に引っ付いた状態になって、薬剤排出口の上方に次に搬送された薬剤と一緒に薬剤排出口から排出されることがある。
【0005】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであって、2つの薬剤が一緒に排出されることを抑制できる、薬剤供給装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の薬剤供給装置は、薬剤収容部と、ロータと、複数の第1突出部と、仕切部とを備える。薬剤収容部は、周壁および排出口を有し、上記周壁の内側に薬剤を収容するとともに、排出口から薬剤を排出する。ロータは、上記周壁の内側に回転可能に配置され、上側に凸状に傾斜した天面部およびこの天面部と隣接する周面部を有する。上記複数の第1突出部は、上記周面部に設けられ、ロータの周方向に互いに隙間をあけて位置する。仕切部は、排出口の上方において、上記周壁の内面から上記周面部に向けて延設されている。上記複数の第1突出部の各々は、ロータが回転した際に、上記隙間に収容された薬剤を押圧して排出口に搬送可能に形成されている。上記複数の第1突出部の各々においてロータの径方向の外側に位置する先端面には、上記径方向の内側に向けて延在する第1凹部が形成されている。
【0007】
本発明の一形態においては、上記周面部には、上記径方向において第1凹部と連続する第2凹部が形成されている。第2凹部は、上記周面部を上記径方向に貫通している。
【0008】
本発明の一形態においては、上記複数の第1突出部の各々における底面と、第1凹部において上記周方向において互いに対向している内側面とのなす角は、90°以下である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、2つの薬剤が一緒に排出されることを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置において蓋部が開いた状態を示す斜視図である。
図2図1の薬剤供給装置を矢印II方向から見た平面図である。
図3図1の薬剤供給装置を矢印III方向から見た底面図である。
図4】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置における薬剤収容部の一部をカットして示す斜視図である。
図5】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置におけるロータを透視して示す平面図である。
図6】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置のロータの外観を示す斜視図である。
図7】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置のロータを下方から見た斜視図である。
図8】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置のロータの底面図である。
図9】本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置のロータおよび仕切部の位置関係を示す側面図である。
図10】薬剤収容部内において薬剤の詰まりが発生した状態を示す平面図である。
図11】比較例に係る薬剤供給装置において、薬剤が排出口の上方に搬送される直前の状態を示す側面図である。
図12】比較例に係る薬剤供給装置において、薬剤が排出口の上方に搬送されて、落下しつつある状態を示す側面図である。
図13】比較例に係る薬剤供給装置において、落下しつつある薬剤が静電気によって第1突出部の底面に引っ付いた状態を示す側面図である。
図14】比較例に係る薬剤供給装置において、次の薬剤が排出口の上方に搬送されて、2つの薬剤が一緒に排出口から排出される状態を示す側面図である。
図15】本実施形態に係る薬剤供給装置において、薬剤が排出口の上方に搬送されて、落下しつつある状態を示す側面図である。
図16】本実施形態に係る薬剤供給装置において、落下しつつある薬剤の上方に第1突出部が移動した状態を示す側面図である。
図17】本実施形態に係る薬剤供給装置において、第1突出部の底面に引っ付いた薬剤が落下している状態を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置について図を参照して説明する。以下の実施形態の説明においては、図中の同一または相当部分には同一符号を付して、その説明は繰返さない。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置において蓋部が開いた状態を示す斜視図である。図2は、図1の薬剤供給装置を矢印II方向から見た平面図である。図3は、図1の薬剤供給装置を矢印III方向から見た底面図である。図4は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置における薬剤収容部の一部をカットして示す斜視図である。図5は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置におけるロータを透視して示す平面図である。図4および図5においては、薬剤供給装置において蓋部を取り外した状態を図示している。図5においては、ロータを点線で示している。
【0013】
図1図3に示すように、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置100は、薬剤収容部110と、ロータ120と、蓋部130と、仕切部140とを備えている。薬剤収容部110は、周壁111および排出口112を有し、周壁111の内側に薬剤を収容するとともに、排出口112から薬剤を排出する。周壁111の内面111sは、円筒状である。排出口112は、薬剤収容部110の底面に形成されており、周壁111の径方向内側において周壁111の内面111sと隣接している。周壁111は、摩擦係数の低い材料、たとえば、高摺動ポリエチレンで形成されている。
【0014】
図3に示すように、薬剤収容部110の底面において、周壁111の中心軸上の位置に円形の開口部113が設けられている。開口部113は、ロータ120を回転駆動する図示しないモータの出力軸とロータ120とを接続する接続軸部150に挿通される。
【0015】
図1に示すように、蓋部130は、薬剤収容部110を開閉するように回動可能に設けられている。
【0016】
図1図5に示すように、ロータ120は、周壁111の内側に回転可能に配置されている。ロータ120は、薬剤収容部110の底面上に配置されている。本実施形態においては、ロータ120は、図2の矢印Aで示すように、ロータ120の周方向の一方側に向かって回転する正転、および、図2の矢印Bで示すように、ロータ120の周方向の他方側に向かって回転する逆転の両方可能に構成されている。なお、ロータ120は、必ずしも正転および逆転の両方可能である必要はなく、ロータ120の周方向の少なくとも一方に回転可能であればよい。
【0017】
図6は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置のロータの外観を示す斜視図である。図7は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置のロータを下方から見た斜視図である。図8は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置のロータの底面図である。図9は、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置のロータおよび仕切部の位置関係を示す側面図である。図9においては、ロータ120に接続軸部150が取り付けられた状態を図示している。
【0018】
図2および図4図9に示すように、ロータ120は、上側に凸状に傾斜した天面部126および天面部126と隣接する周面部121を有する。天面部126には、放射状に複数の溝部127が設けられている。天面部126の中央部から円柱部128が突出している。円柱部128の上端に、カバー129が着脱可能に取り付けられている。
【0019】
図4図6図9に示すように、周面部121の下部には、ロータ120の周方向に互いに隙間124をあけて位置する複数の第1突出部122が設けられている。複数の第1突出部122の各々は、ロータ120の径方向から見て、略長方形状の外形を有している。
【0020】
複数の第1突出部122の各々においてロータ120の径方向の外側に位置する先端面122sには、ロータ120の径方向の内側に向けて延在する第1凹部122cが形成されている。すなわち、複数の第1突出部122の各々において排出口112と対向する対向面(本実施形態では下面)には、この対向面をロータ120の径方向に横切る第1凹部122cが形成されている。第1凹部122cは、対向面に対して、排出口112に向かう方向とは反対の方向(本実施形態では上方)に凹んでいる。第1凹部122cの内側面122wは、対向面から、排出口112に向かう方向とは反対の方向に急峻に立ち上がるように形成されている。
【0021】
複数の第1突出部122の各々における底面122bと、第1凹部122cにおいてロータ120の周方向において互いに対向している内側面122wとのなす角は、90°以下である。本実施形態においては、第1凹部122cは、ロータ120の径方向から見て、下方が開口した略長方形状である。すなわち、複数の第1突出部122の各々における底面122bと、第1凹部122cにおいてロータ120の周方向において互いに対向している内側面122wとのなす角は、略90°である。
【0022】
ロータ120の径方向における複数の第1突出部122の各々の先端は、周壁111の内面111sとわずかに間隔をあけて対向している。複数の第1突出部122の各々は、
ロータ120が回転した際に、隙間124に収容された薬剤を押圧して排出口112に搬送可能に形成されている。具体的には、隙間124内に収容された薬剤は、ロータ120の回転に伴って、第1突出部122に押圧されながらロータ120の周方向に搬送されて排出口112に落下する。
【0023】
周面部121には、少なくとも1つの第2突出部123がさらに設けられている。具体的には、複数の第1突出部122のうちの少なくとも1つの第1突出部122の上方に第2突出部123が配置されている。図2および図5に示すように、本実施形態においては、複数の第1突出部122の1つおきに第2突出部123が配置されている。少なくとも1つの第2突出部123の各々の先端は、周壁111の内面111sとわずかに間隔をあけて対向している。
【0024】
図7および図8に示すように、周面部121には、ロータ120の径方向において第1凹部122cと連続する第2凹部121cが形成されている。第2凹部121cは、周面部121をロータ120の径方向に貫通している。周面部121の底面部121bは、第2凹部121cが形成されていることにより、ロータ120の周方向に不連続になっている。
【0025】
図9に示すように、上下方向に並んで位置する第1突出部122と第2突出部123との間には、ロータ120の回転時に仕切部140が通過する通路125が設けられている。上下方向における、通路125の幅の寸法は、仕切部140の厚さの寸法よりわずかに大きい。第2突出部123は、ロータ120が回転した際に、仕切部140上に位置する薬剤を押圧して仕切部140上から移動可能に形成されている。
【0026】
図2図4図7および図9に示すように、第2突出部123は、ロータ120の周方向の一方側に、ロータ120の周方向の一方に行くにしたがって下降するように傾斜している一方側上面123bを有している。
【0027】
本実施形態においては、第2突出部123は、ロータ120の周方向の他方側に、ロータ120の周方向の他方に行くにしたがって下降するように傾斜している他方側上面123cをさらに有している。なお、第2突出部123は、必ずしも他方側上面123cを有していなくてもよい。この場合は、第2突出部123の上面全体に、一方側上面123bが延在していてもよい。
【0028】
第2突出部123の下面は、水平に位置している。本実施形態においては、第2突出部123は、ロータ120の径方向から見て、頂点が丸みを帯びた三角形状の外形を有している。
【0029】
図9に示すように、第2突出部123において、一方側上面123bおよび他方側上面123cを含む上面123aは、周面部121の径方向先端側に行くにしたがって下降するように傾斜している。すなわち、第2突出部123は、先細の形状を有している。
【0030】
図2および図5に示すように、ロータ120の周方向において、第2突出部123の全長は、第1突出部122の全長より短い。なお、第2突出部123の全長は、ロータ120の周方向において第2突出部123の長さが最も長い箇所における長さである。なお、本実施形態においては、ロータ120の周方向において、第1突出部122の中心位置と第2突出部123の中心位置とが一致しているが、これに限られず、第2突出部123の中心位置が第1突出部122の中心位置に対してずれていてもよい。
【0031】
図2図5および図9に示すように、仕切部140は、排出口112の上方において第
1突出部122と第2突出部123との間を仕切るように、周壁111の内面111sから周面部121に向けて延設されている。排出口112と連通している隙間124は、仕切部140によって覆われており、上方から薬剤が進入することを防止されている。
【0032】
本実施の形態においては、仕切部140は、可撓性部材で構成されている。具体的には、図5および図9に示すように、仕切部140は、円弧状の基材に対してこの円弧に沿って互いに間隔をあけて複数の可撓性部材が接合されて構成されている。上記基材は、周壁111の一部を構成している。可撓性部材は、たとえば、軟質合成樹脂からなる。本実施形態においては、仕切部140は、ブラシ状に構成されているが、ブラシ状に限られず、板状であってもよい。
【0033】
以下、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置100の動作について説明する。
薬剤収容部110内に薬剤が投入された状態でロータ120が回転することにより、天面部126上に位置する薬剤は、周壁111の内面111sとロータ120の周面部121との間の空間に向かって移動する。複数の溝部127は、ロータ120の回転に伴って天面部126上に位置する薬剤を攪拌することにより、上記空間に薬剤を移動させやすくする。
【0034】
上記空間に移動した薬剤のうちの一部の薬剤が、各隙間124に1つずつ収容される。隙間124内に収容された薬剤は、ロータ120の回転に伴って、第1突出部122に押圧されながらロータ120の周方向に搬送される。排出口112上に位置して排出口112と連通した隙間124に収容されている薬剤は、隙間124内から排出口112に落下して払い出される。このとき、排出口112と連通している隙間124は、仕切部140によって覆われており、上方から薬剤が進入することを防止されている。
【0035】
また、仕切部140上に位置する薬剤は、ロータ120の回転に伴って、第2突出部123に押圧されて仕切部140上から移動させられる。仕切部140上から移動させられた薬剤は、いずれ隙間124内に収容されて、排出口112に搬送される。
【0036】
本実施形態においては、ロータ120が正転することで、薬剤が排出口112から払い出される。ロータ120が正転している間に薬剤が排出口112から一定時間払い出されないと、ロータ120が逆転および正転を繰り返す。ロータ120の逆転と正転とが繰り返されているときに、薬剤の払い出しがあると、ロータ120が再び正転する。ロータ120の逆転と正転とが複数回繰り返されても薬剤の払い出しがないことが確認されると、ロータ120が停止する。
【0037】
ここで、薬剤収容部110内における薬剤の詰まりについて説明する。図10は、薬剤収容部内において薬剤の詰まりが発生した状態を示す平面図である。図10に示すように、周壁111と周面部121との間に挟まれた薬剤1が矢印で示すロータの回転方向に連なって薬剤1の詰まりが発生した場合、ロータが停止することがある。
【0038】
本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置100においては、図2および図4図9に示すように、第2突出部123は、ロータ120の周方向の一方側に、ロータ120の周方向の一方に行くにしたがって下降するように傾斜している一方側上面123bを有している。
【0039】
そのため、仮に、周面部121の第1突出部122より上方の部分と周壁111の内面111sとの間に薬剤1が挟まった場合、ロータ120の正転に伴って、当該挟まっている薬剤1を一方側上面123bで押圧することができる。一方側上面123bに押圧された薬剤1は、第2突出部123によってすくい上げられて、周壁111と周面部121と
の間に挟まっている状態を解除される。
【0040】
薬剤供給装置100は、第2突出部123を少なくとも1つ有しているため、ロータ120が1周回転するたびに少なくとも1つの第2突出部123によって、周壁111と周面部121との間に挟まっている薬剤1を外すことができる。よって、薬剤収容部110内において薬剤1が詰まることを抑制することができる。
【0041】
上記のように、本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置100においては、薬剤収容部110内の残薬の発生を防止するとともに、薬剤収容部110内において薬剤1が詰まることを抑制できる。
【0042】
本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置100においては、第2突出部123は、ロータ120の周方向の他方側に、ロータ120の周方向の他方に行くにしたがって下降するように傾斜している他方側上面123cをさらに有している。
【0043】
そのため、仮に、周面部121の第1突出部122より上方の部分と周壁111の内面111sとの間に薬剤1が挟まった場合、ロータ120の逆転に伴って、当該挟まっている薬剤1を他方側上面123cで押圧することができる。他方側上面123cに押圧された薬剤1は、第2突出部123によってすくい上げられて、周壁111と周面部121との間に挟まっている状態を解除される。これにより、ロータ120の正転時および逆転時の両方において、薬剤収容部110内において薬剤1が詰まることを抑制できる。
【0044】
ここで、比較例に係る薬剤供給装置において、排出口112の上方に搬送された薬剤が静電気によって第1突出部の底面に引っ付いた状態になって、排出口112の上方に次に搬送された薬剤と一緒に排出口から排出される状況について説明する。
【0045】
図11は、比較例に係る薬剤供給装置において、薬剤が排出口の上方に搬送される直前の状態を示す側面図である。図11に示すように、直方体状の形状を有する第1突出部922によってロータの周方向に薬剤1が搬送される。第1突出部922の底面922bは、平坦面である。
【0046】
図12は、比較例に係る薬剤供給装置において、薬剤が排出口の上方に搬送されて、落下しつつある状態を示す側面図である。図12に示すように、第1突出部922によって排出口112の上方に搬送された薬剤1は、排出口112に向けて落下する。
【0047】
図13は、比較例に係る薬剤供給装置において、落下しつつある薬剤が静電気によって第1突出部の底面に引っ付いた状態を示す側面図である。図13に示すように、排出口112に向けて落下しつつある薬剤1上に、ロータの周方向に移動してきた第1突出部922が接近した際、静電気によって薬剤1が第1突出部922の底面922bに引っ付いた状態になることがある。
【0048】
図14は、比較例に係る薬剤供給装置において、次の薬剤が排出口の上方に搬送されて、2つの薬剤が一緒に排出口から排出される状態を示す側面図である。図14に示すように、第1突出部922の底面922bに引っ付いていた薬剤1と、次に排出口112の上方に搬送されてきた薬剤1とが一緒に排出される。このように、2つの薬剤1が一緒に排出口112から排出された場合、排出口112の近傍に設けられている薬剤検出センサによってエラーとして検出される。このエラー検出が頻繁に起こると、薬剤供給が滞り、効率が低下する。
【0049】
次に、本実施形態に係る薬剤供給装置100における薬剤の排出動作について説明する
図15は、本実施形態に係る薬剤供給装置において、薬剤が排出口の上方に搬送されて、落下しつつある状態を示す側面図である。図15に示すように、第1突出部122によって排出口112の上方に搬送された薬剤1は、排出口112に向けて落下する。
【0050】
図16は、本実施形態に係る薬剤供給装置において、落下しつつある薬剤の上方に第1突出部が移動した状態を示す側面図である。図16に示すように、排出口112に向けて落下しつつある薬剤1上に、ロータの周方向に移動してきた第1突出部122が接近した際、静電気によって薬剤1が第1突出部122の底面122bに引っ付いた状態になることがある。
【0051】
図17は、本実施形態に係る薬剤供給装置において、第1突出部の底面に引っ付いた薬剤が落下している状態を示す側面図である。図17に示すように、第1突出部122に第1凹部122cが形成されていることによって第1突出部122の底面122bの面積が小さくなっているため、第1突出部122の底面122bに一旦引っ付いた薬剤1は、すぐに第1突出部122の底面122bから離れて、次の薬剤1が排出口112の上方に搬送される前に、排出口112に向けて落下する。これにより、2つの薬剤が一緒に排出されることを抑制することができる。
【0052】
本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置100においては、複数の第1突出部122の各々においてロータ120の径方向の外側に位置する先端面122sには、ロータ120の径方向の内側に向けて延在する第1凹部122cが形成されている。これにより、第1突出部122の底面122bに薬剤1が静電気で引っ付いて2つの薬剤1が排出口112から一緒に排出されることを抑制することができる。
【0053】
本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置100においては、周面部121には、ロータ120径方向において第1凹部122cと連続する第2凹部121cが形成されている。第2凹部121cは、周面部121をロータ120の径方向に貫通している。これにより、周面部121の底面部121bに薬剤1が静電気で引っ付いて2つの薬剤1が排出口112から一緒に排出されることを抑制することができる。
【0054】
本発明の一実施形態に係る薬剤供給装置100においては、複数の第1突出部122の各々における底面122bと、第1凹部122cにおいてロータ120の周方向において互いに対向している内側面122wとのなす角は、90°以下である。これにより、第1突出部122の底面122bに静電気で引っ付いた薬剤1が、内側面122wに静電気で引っ付くことを抑制して、次の薬剤1が排出口112の上方に搬送される前に、第1突出部122の底面122bから薬剤1を確実に離脱させて排出口112に排出することができる。
【0055】
なお、今回開示した上記実施形態はすべての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【符号の説明】
【0056】
1 薬剤、100 薬剤供給装置、110 薬剤収容部、111 周壁、111s 内面、112 排出口、113 開口部、120 ロータ、121 周面部、121b 底面部、121c 第2凹部、122,922 第1突出部、122b,922b 底面、122c 第1凹部、122s 先端面、122w 内側面、123 第2突出部、123a 上面、123b 側上面、123c 他方側上面、124 隙間、125 通路、126 天面部、127 溝部、128 円柱部、129 カバー、130 蓋部、14
0 仕切部、150 接続軸部。
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