IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ スケッチャーズ ユーエスエイ インコーポレイテッド ザ セカンドの特許一覧

特開2024-128061履物ストラップ、及び履物ストラップを有する履物
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128061
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】履物ストラップ、及び履物ストラップを有する履物
(51)【国際特許分類】
   A43B 3/12 20060101AFI20240912BHJP
【FI】
A43B3/12 F
A43B3/12 Z
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【公開請求】
(21)【出願番号】P 2024111541
(22)【出願日】2024-07-11
(31)【優先権主張番号】202321904385.5
(32)【優先日】2023-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(71)【出願人】
【識別番号】514308106
【氏名又は名称】スケッチャーズ ユーエスエイ インコーポレイテッド ザ セカンド
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100144451
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 博子
(74)【代理人】
【識別番号】100168871
【弁理士】
【氏名又は名称】岩上 健
(72)【発明者】
【氏名】エリック チ チャン ワン
(72)【発明者】
【氏名】ワンリン チェン
(72)【発明者】
【氏名】フイ シエ
(57)【要約】
【課題】履物を脱ぎ履きする快適性及び利便性を向上させる履物ストラップ、及びこのような履物ストラップを有する履物を提供する。
【解決手段】本出願の実施形態は、履物ストラップ、及び履物ストラップを有する履物を提供する。とりわけ、履物ストラップは、ストラップ要素と、硬質ヒール構造要素とを備え、硬質ヒール構造要素は、ストラップ要素の内側に配置されて、上側後部を含み、履物ストラップが履物に組み付けられると、上側後部は、履物が踵に接触する位置から履物がつま先に接触する位置に向かう方向に延びて履物の下方に傾斜し、上側後部は、踵の容易な受け取りを促すように踵の形状に適合した凸状湾曲部を有し、履物ストラップが履物に組み付けられると、凸状湾曲部の内側下部が履物の開口部に面する。
【選択図】図3A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物ストラップであって、
ストラップ要素と、
硬質ヒール構造要素と、を備え、
前記硬質ヒール構造要素は、前記ストラップ要素の内側に配置されて、上側後部を含み、
前記履物ストラップが履物に組み付けられると、前記上側後部は、前記履物が踵に接触する位置から前記履物がつま先に接触する位置に向かう方向に延びて前記履物の下方に傾斜し、
前記上側後部は、踵の容易な受け取りを促すように踵の形状に適合した凸状湾曲部を有し、
前記履物ストラップが前記履物に組み付けられると、前記凸状湾曲部の内側下部が前記履物の開口部に面する、
ことを特徴とする履物ストラップ。
【請求項2】
前記硬質ヒール構造要素は2つの接続アームを含む、
ことを特徴とする請求項1に記載の履物ストラップ。
【請求項3】
前記2つの接続アームの各々は、内側アームと、前記内側アームに接続された外側アームとを含み、
前記外側アーム及び前記内側アームは一体的に成形され、
前記外側アームは前記上側後部に接続される、
ことを特徴とする請求項2に記載の履物ストラップ。
【請求項4】
前記履物ストラップが前記履物に組み付けられると、前記外側アームは、前記履物のフットベッド、インソール又はストローベルソックまで下向きに延び、前記内側アームは、前記履物のフットベッド、インソール又はストローベルソックまで下向きに延びる、
ことを特徴とする請求項3に記載の履物ストラップ。
【請求項5】
前記外側アームは、前記履物の前記インソールまで下向きに延びる場合、前記履物の前記インソールの内側に沿って前記インソールの上面に直接的又は間接的に取り付けられ、
前記内側アームは、前記履物の前記インソールまで下向きに延びる場合、前記履物の前記インソールの外側に沿って前記インソールの上面に直接的又は間接的に取り付けられる、
ことを特徴とする請求項4に記載の履物ストラップ。
【請求項6】
前記外側アーム及び前記内側アームが前記履物の前記フットベッドまで下向きに延びる場合、前記外側アームの端部及び前記内側アームの端部が前記履物の前記フットベッドに取り付けられる、
ことを特徴とする請求項4に記載の履物ストラップ。
【請求項7】
前記外側アーム及び前記内側アームが前記履物の前記ストローベルソックまで下向きに延びる場合、前記外側アームの端部及び前記内側アームの端部が前記履物の前記ストローベルソックに取り付けられる、
ことを特徴とする請求項4に記載の履物ストラップ。
【請求項8】
前記硬質ヒール構造要素はポリマー材料で形成される、
ことを特徴とする請求項1に記載の履物ストラップ。
【請求項9】
前記ポリマー材料は、Hytrel熱可塑性ポリエステルエラストマーブロック共重合体又は熱可塑性ポリウレタンである、
ことを特徴とする請求項8に記載の履物ストラップ。
【請求項10】
前記硬質ヒール構造要素は、布地、織物材料、皮革、又は高分子プラスチックで覆われる、
ことを特徴とする請求項1に記載の履物ストラップ。
【請求項11】
前記硬質ヒール構造要素の内側に圧縮性層が設けられ、
前記圧縮性層は、前記上側後部を覆い、前記内側アーム及び前記外側アームを部分的に覆い、前記内側アームの内側及び前記外側アームの内側に沿って徐々に先細り又は終端する、
ことを特徴とする請求項4に記載の履物ストラップ。
【請求項12】
前記凸状湾曲部は上向きの上面を有する、
ことを特徴とする請求項1に記載の履物ストラップ。
【請求項13】
請求項1から12の何れか1項に記載の履物ストラップを備えることを特徴とする履物。
【請求項14】
前記硬質ヒール構造要素は、L字形アンカーを介して前記履物のフットベッド、インソール又はストローベルソックに接続され、
前記L字形アンカーは、前記硬質ヒール構造要素と一体的に成形され、又は別々に形成されて前記硬質ヒール構造要素に取り付けられる、
ことを特徴とする請求項13に記載の履物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、履物の技術分野に関し、具体的には履物ストラップ、及び履物ストラップを有する履物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、サンダルなどの履物には、履物に踵部分を固定するように履物ストラップが設けられる。履物ストラップは、踵にフィットして履物にしっかりと取り付けられるだけでなく、着用者による履物の脱ぎ履きを容易にするように設計する必要がある。従って、ストラップの設計は、履物の使用及び着用において重要な役割を果たす。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本出願の実施形態は、履物を脱ぎ履きする快適性及び利便性を向上させる履物ストラップ、及びこのような履物ストラップを有する履物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本出願の実施形態は、第1の態様において、ストラップ要素と、硬質ヒール構造要素とを備え、硬質ヒール構造要素が、ストラップ要素の内側に配置されて、上側後部を含み、履物ストラップが履物に組み付けられると、上側後部が、履物が踵に接触する位置から履物がつま先に接触する位置に向かう方向に延びて履物の下方に傾斜し、上側後部が、踵の容易な受け取りを促すように踵の形状に適合した凸状湾曲部を有し、履物ストラップが履物に組み付けられると、凸状湾曲部の内側下部が履物の開口部に面する、履物ストラップを提供する。
【0005】
一実施態様では、硬質ヒール構造要素が2つの接続アームを含む。
【0006】
一実施態様では、接続アームが、内側アームと、内側アームに接続された外側アームとを含み、外側アーム及び内側アームは一体的に成形され、外側アームは上側後部に接続される。
【0007】
1つの実施形態では、履物ストラップが履物に組み付けられると、外側アームが履物のフットベッド、インソール又はストローベルソックまで下向きに延び、内側アームが履物のフットベッド、インソール又はストローベルソックまで下向きに延びる。
【0008】
1つの実施形態では、外側アームが、履物のインソールまで下向きに延びる場合、履物のインソールの内側に沿ってインソールの上面に直接的又は間接的に取り付けられ、内側アームが、履物のインソールまで下向きに延びる場合、履物のインソールの外側に沿ってインソールの上面に直接的又は間接的に取り付けられる。
【0009】
1つの実施形態では、外側アーム及び内側アームが履物のフットベッドまで下向きに延びる場合、外側アームの端部及び内側アームの端部が履物のフットベッドに取り付けられる。
【0010】
一実施態様では、外側アーム及び内側アームが履物のストローベルソックまで下向きに延びる場合、外側アームの端部及び内側アームの端部が履物のストローベルソックに取り付けられる。
【0011】
一実施態様では、硬質ヒール構造要素がポリマー材料で形成される。
【0012】
一実施態様では、ポリマー材料が、Hytrel熱可塑性ポリエステルエラストマーブロック共重合体又は熱可塑性ポリウレタンである。
【0013】
一実施態様では、硬質ヒール構造要素が、布地、織物材料、皮革、ポリウレタン、又は当業で周知の他の高分子プラスチックで覆われる。
【0014】
一実施態様では、硬質ヒール構造要素の内側に圧縮性層が設けられ、圧縮性層は、上側後部を覆い、内側アーム及び外側アームを部分的に覆い、内側アームの内側及び外側アームの内側に沿って徐々に先細り又は終端する。
【0015】
一実施態様では、凸状湾曲部が上向きの上面を有する。
【0016】
本出願の実施態様は、第2の態様において、本出願のいずれかの実施形態に従って提供される履物ストラップを含む履物を提供する。本出願の実施形態によって提供される履物は、踵ストラップを有するサンダル、或いは革靴、布靴及びスポーツシューズなどであることができる。
【0017】
一実施態様では、硬質ヒール構造要素が、L字形アンカーを介して靴のフットベッド又はインソールに接続される。
【0018】
上記の概要は例示を目的とするものにすぎず、決して本出願を限定するものではない。図面及び以下の詳細な説明を参照することにより、上述した例示的な形態、実施態様及び特徴に加えて本出願のさらなる形態、実施態様及び特徴が容易に理解されるであろう。
【0019】
図面では、別途指定していない限り、複数の図面全体を通じて同じ参照数字が同一又は同様の構成要素又は要素を示す。これらの図面は必ずしも縮尺通りではない。これらの図面は、本出願に従って開示するいくつかの実施態様を示すものにすぎず、本出願の範囲を限定するものとみなすべきではないと理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1A】本出願の第1の実施形態による硬質ヒール構造要素の3次元概略図である。
図1B】本出願の第2の実施形態による硬質ヒール構造要素の3次元概略図である。
図1C】本出願の第1の実施形態による硬質ヒール構造要素の断面の概略図である。
図2】本出願の実施形態による上から見たL字形アンカーの概略図である。
図3A】本出願の実施形態による履物ストラップを履物に組み付けた後に得られる異なる構造を示す概略図である。
図3B】本出願の実施形態による履物ストラップを履物に組み付けた後に得られる異なる構造を示す概略図である。
図3C】本出願の実施形態による履物ストラップを履物に組み付けた後に得られる異なる構造を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下の文章では、いくつかの例示的な実施形態のみを簡単に説明する。当業者であれば認識できるように、説明する実施形態は、本出願の趣旨又は範囲から逸脱することなく様々な異なる方法で修正することができる。従って、図面及び説明は本質的に例示的かつ非限定的なものとみなすべきである。
【0022】
以下、図1A図1C図2及び図3A図3Cを参照しながら、本出願の実施形態による履物ストラップに含まれる硬質ヒール構造要素(rigid heel structural element)100について説明する。
【0023】
図1A図1Cに示すように、履物ストラップは、ストラップ要素(図1A図1Cには図示せず)及び硬質ヒール構造要素100を含む。とりわけ、ストラップ要素は、硬質ヒール構造要素100を包む布地又は織物材料であることができる。ストラップ要素の内部に配置される硬質ヒール構造要素100は、履物内への足の挿入を容易にして、足の圧力下で硬質ヒール構造要素100が崩壊するのを防ぐように足からの圧力に耐える構造及び材料であるように構成される。図1A及び図1Bを参照すると、図1Aは、本出願の第1の実施形態による硬質ヒール構造要素の3次元概略図である。具体的には、図1Aは、本出願の第1の実施形態による硬質ヒール構造要素100の左側斜視図である。図1Aに示すように、硬質ヒール構造要素100は第1の部分及び第2の部分から成り、第1の部分は、上側後部(upper rear portion)101、接続アーム102及び凸状湾曲部(convex curvature)103を含み、第2の部分はL字形アンカー104である。接続アーム102は、上側後部101に接続される。接続アーム102は、外側アーム(lateral arm)102A及び内側アーム(medial arm)102Bを含み、外側アーム102A及び内側アーム102Bは、いずれも実質的に横方向に配置される。接続アーム102は、L字形アンカー104に接続することができる。図1Aから分かるように、上述した4つの部分101~104は、一般に右上方向から左下方向への順で配置される。
【0024】
図1Bは、本出願の第2の実施形態による硬質ヒール構造要素の3次元概略図である。第2の実施形態の硬質ヒール構造要素と第1の実施形態の硬質ヒール構造要素との違いは、第2の実施形態の硬質ヒール構造要素の接続アームがそれ自体L字形である点である。具体的には、図1Bは、本出願の第2の実施形態による硬質ヒール構造要素100の左側斜視図である。図1Bに示すように、硬質ヒール構造要素100は、上側後部101、接続アーム102、及び凸状湾曲部103を含む。接続アーム102はL字形である。接続アーム102は上側後部101に接続される。接続アーム102は、外側アーム102A及び内側アーム102Bを含み、内側アーム102Bは外側アーム102Aに対して実質的に直交する。
【0025】
ある実施態様では、外側アーム102A及び内側アーム102Bを一体的に形成することができる。別の実施態様では、外側アーム102A及び内側アーム102Bを別々に製造した後で互いに組み立て又は接続することができる。
【0026】
図1Cは、第1の実施形態の硬質ヒール構造要素の第1の部分の断面の概略図である。図1Cに示すように、硬質ヒール構造要素100の第1の部分は、上側後部101、接続アーム102、及び凸状湾曲部103を含む。接続アーム102は、外側アーム102A及び内側アーム102Bを含み、外側アーム102A及び内側アーム102Bは、いずれも実質的に横方向に配置される。硬質ヒール構造要素100の第1の部分は、上側後部101から左下方向に円弧状に延びており、第1の部分の接続アーム102は、第1の部分の上側後部101に接続される。図1Cに2つの矢印で示すように、硬質ヒール構造要素100の内面は一定の厚みを有し、発泡クッション要素などの圧縮性層を有することができる。圧縮性層は、硬質ヒール構造要素100の上側後部101、及び接続アーム102の少なくとも一部に取り付けることができる。
【0027】
とりわけ、上側後部101は、足の踵部分を包み込むように使用される。履物ストラップが履物に組み付けられると、上側後部101は、履物が踵に接触する位置から履物がつま先に接触する位置に向かう方向に延びる。図1A図1Cに示すように、硬質ヒール構造要素100は、上側後部101から左方に円弧状に延びる。一方で、履物ストラップが履物に組み付けられると、上側後部101は、履物が踵に接触する位置から履物がつま先に接触する位置に向かう方向に沿って下向きに傾斜する。
【0028】
とりわけ、上側後部101の下向きに傾斜した部分は凸状湾曲部103を有し、履物ストラップが履物に組み付けられた時には、凸状湾曲部103の凸面が足に向かって突出する。さらに、凸状湾曲部103の形状は、踵に適合して踵部分の容易な受け取りを促す。凸状湾曲部103は開口部を有しており、履物ストラップが履物に組み付けられると、凸状湾曲部103の開口部の下部が履物のソールに面する。
【0029】
1つの実施形態では、凸状湾曲部103が上向きの上面を有する。
【0030】
一実施態様では、足が硬質ヒール構造要素100に下向きの圧力を加えると、瞬時に硬質ヒール構造要素100が少なくとも部分的に変形することができる。例えば、足が硬質ヒール構造要素100に下向きの圧力を加えると、外側アーム102A及び内側アーム102Bは、履物の後方に向かって部分的に曲がり、又は外向きに曲がって履物の開口部を広げ、或いはこれらの両方であることができる。硬質ヒール構造要素100は、一体成形された硬質ヒール構造要素100に使用される硬質でありながらも十分に弾力性のある材料に起因して、足によって加えられた下向きの圧力が解放されると元々の非変形形状及び位置に戻ることができる。
【0031】
1つの実施形態では、図1Aに示すように、硬質ヒール構造要素が2つの接続アーム102を含み、各接続アーム102は、内側アーム102Bと、内側アーム102Bに接続された外側アーム102Aとを含むことができる。接続アーム102は、L字形アンカー104の垂直部分に接続することができる。L字形アンカー104の水平部分は、組み立て状態でフットベッド(footbed)、インソール又はストローベルソック(strobel sock)に接続するために使用される。アンカーは、J字型及びT字型などの様々な好適な形状であることもできる。
【0032】
一実施態様では、図1Bに示すように、硬質ヒール構造要素が2つの接続アーム102を含み、各接続アーム102は、内側アーム102Bと、内側アーム102Bに接続された外側アーム102Aとを含むことができる。接続アーム102はL字形である。接続アーム102のL字形の端部は上面及び下面を含み、下面は少なくとも部分的にインソールの上面に接続され、上面は少なくとも部分的にフットベッドの下面に接続される。
【0033】
一実施態様では、履物ストラップが履物に組み付けられると、外側アーム102A及び内側アーム102Bが履物のフットベッド、インソール又はストローベルソックまで下向きに延びる。
【0034】
一実施態様では、外側アーム102A及び内側アーム102Bが履物のインソールまで下向きに延びる場合、外側アーム102Aは履物のインソールの内側(medial side)に沿ってインソールの上面に直接的又は間接的に取り付けられ、内側アーム102Bは履物のインソールの外側(lateral side)に沿ってインソールの上面に直接的又は間接的に取り付けられる。
【0035】
一実施態様では、外側アーム102A及び内側アーム102Bが履物のフットベッドまで下向きに延びる場合、アンカーを介して外側アーム102Aの端部及び内側アーム102Bの端部を履物のフットベッドに取り付けることができる。
【0036】
一実施態様では、外側アーム102A及び内側アーム102Bが履物のストローベルソックまで下向きに延びる場合、外側アーム102Aの端部及び内側アーム102Bの端部が履物のストローベルソックに取り付けられる。
【0037】
一実施態様では、硬質ヒール構造要素100がポリマー材料で形成される。
【0038】
一実施態様では、ポリマー材料が、(DuPont Hytrelなどの)Hytrel熱可塑性ポリエステルエラストマーブロック共重合体又は熱可塑性ポリウレタン(TPU)である。
【0039】
一実施態様では、硬質ヒール構造要素100が布地又は織物材料によって覆われる。とりわけ、布地及び織物材料は、靴の外面の織物材料と同じものであることができる。
【0040】
一実施態様では、硬質ヒール構造要素100の内側に圧縮性層が設けられる。圧縮性層は、硬質ヒール構造要素100の後部と、内側アームの内側及び外側アームの内側の少なくとも一部とに取り付けられた発泡クッション要素であることができる。圧縮性層は、上側後部を覆い、内側アーム及び外側アームを部分的に覆い、内側アームの内側及び外側アームの内側に沿って徐々に先細り又は終端する。圧縮性層は、履物への足の挿入中に圧縮することができる。圧縮性層は、履物に足が挿入された後には元々の未圧縮状態に膨張又は少なくとも部分的に膨張することができる。圧縮性層は足首の周囲に配置されて、履物内で足を固定するのを支援することができる。
【0041】
本出願の実施形態における第2の態様では、本出願のいずれかの実施形態に従って提供される履物ストラップを含む履物をさらに提供する。
【0042】
一実施態様では、硬質ヒール構造要素がL字形アンカーを介して履物のフットベッド又はインソールに接続される。
【0043】
図2は、本出願の一実施態様による上から見たL字形アンカー200の概略図であり、L字形アンカー200は、硬質ヒール構造要素100の接続アーム102に取り付けることができる。L字形アンカー200は別々に成形することができる。図2を参照すると、L字形アンカー200は、L字形に応じた垂直部分201及び水平部分202を含むことができ、垂直部分201はL字形の長辺に対応し、水平部分202はL字形の短辺に対応する。
【0044】
図3A図3Cは、本出願の実施形態による履物ストラップを履物に組み付けた後に得られる異なる構造をそれぞれ示す概略図である。一実施態様では、組み立てた状態である図3Aを参照すると、履物ストラップ300の接続アーム301が、図示のサンダルに踵を固定するようにL字形アンカー302の垂直部分に接着される。履物の底面図である図3Bに示すように、L字形アンカー302はフットベッド又はインソールに接続される。L字形アンカー302はソール306によって覆われているため、L字形アンカーの水平部分は示されていない。一実施態様では、履物ストラップ300の接続アーム301がL字形である。L字形の接続アーム301は、フットベッド又はインソールに接続することができる。履物の底面図である図3Bに示すように、L字形接続アーム301はフットベッド又はインソールに接続される。L字形接続アーム301のL字形端部はソール306によって覆われているため示されていない。
【0045】
ある実施形態では、図3Cに示すように、履物が、フットベッド又はインソール303の下面に取り付けられた一対のボード304を組み込むことができる。さらに、ボード304は、フットベッド又はインソール303の内側及び外側に配置されて、互いに間隔を空けることができる。L字形アンカー302はボード304に接続することができる。ボード304は、(texonなどの)セルロースで構成することができる。図3Cに示すサンダルのサンダルストラップの底部305も、フットベッド又はインソール303、或いはボード304に接続することができる。図3Bに示すようなソール306は、インソール303にソール部分を被せることによって形成することができる。
【0046】
別の実施形態では、L字形アンカーをフットベッド、インソール、又はストローベルソックに接続することができる。
【0047】
ある実施形態では、履物ストラップ300の接続アーム301がL字形であり、L字形の接続アーム301をボード304に接続することができる。
【0048】
別の実施形態では、L字形の接続アームをフットベッド、インソール又はストローベルソックに接続することができる。
【0049】
本明細書の説明において、「中央の(central)」、「垂直な(vertical)」、「水平な(horizontal)」、「長さ(length)」、「幅(width)」、「厚み(thickness)」、「上側(upper)」、「下側(lower)」、「前部(front)」、「後部(rear)」、「左(left)」、「右(right)」、「垂直な(vertical)」、「水平な(horizontal)」、「上部(top)」、「下部(bottom)」、「内側(inner)」、「外側(outer)」、「時計回り(clockwise)」、「反時計回り(counterclockwise」、「軸方向(axial)」、「半径方向(radial)」、「円周方向(circumferential)」などの用語によって示される向き又は位置関係は、添付図面に示す向き又は位置関係に基づくものであり、参照する装置又は要素が特定の向きを有していなければならないこと、或いは特定の向きで構成されて動作しなければならないことを示し又は暗示するものではなく、本出願の説明を容易にして説明を単純にするためのものにすぎず、従って本出願を限定するものとして解釈されるものではないと理解されたい。
【0050】
また、「第1の(first)」及び「第2の(second)」という用語は説明目的で使用するものにすぎず、相対的重要性を示し又は暗示するもの、或いは示している技術的特徴の数を暗示するものとして理解してはならない。従って、「第1の」及び「第2の」を使用して定義される特徴は、これらの特徴のうちの1つ又は2つ以上を明示的又は暗示的に含むことができる。本出願の説明における「複数の(multiple)」という単語は、別途規定しない限り2つ以上を意味する。
【0051】
本出願では、別途指定及び限定していない限り、「取り付ける(mounting)」、「接続する(connecting)」、「接続(connection)」及び「固定する(fix)」などの用語は広義に理解すべきであり、例えばこれらは、固定接続、着脱可能な接続、又は一体化されたものであることができ、機械的接続又は電気的接続であることができ、直接接続又は媒体を通じた間接的接続であることもでき、2つの要素の内部間の通信又は2つの要素の相互作用関係であることもできる。当業者であれば、本出願における上述した用語の具体的意味を具体的状況に応じて解釈すべきである。
【0052】
本出願では、別途指定及び規定していない限り、第1の特徴が第2の特徴の「上に(on)」又は「下に(under)」存在するということは、第1の特徴及び第2の特徴が直接接触していることを含むことができるとともに、第1の特徴及び第2の特徴が直接接触してはいないがこれらの間の別の特徴を介して互いに接触していることを含むこともできる。さらに、第1の特徴が第2の特徴の「上に(on)」、「上方に(above)」、及び第2の特徴「を覆って(over)」存在するということは、第1の特徴が第2の特徴の真上及び斜め上方に存在することを含み、或いは第1の特徴が第2の特徴よりも水平方向に高いことを意味するものにすぎない。第1の特徴が第2の特徴の「下部に(underneath)」、「下方に(below)」、及び「下に(under)」存在することは、第1の特徴が第2の特徴の真上及び斜め上方に存在することを含み、或いは第1の特徴が第2の特徴よりも水平方向に低いことを意味するものにすぎない。
【0053】
上記開示は、本出願の異なる構造を実現する多くの異なる実施態様又は実施例を提供するものである。上記では、本出願の開示を単純化するために、特定の実施例の構成要素及び配置について説明した。当然ながら、これらは一例にすぎず、本出願を限定するものではない。また、本出願では、異なる実施例において参照数字及び/又は参照文字を繰り返していることがある。このような繰り返しは単純化及び明瞭化を目的とするものであり、それ自体が説明する様々な実施態様及び/又は配置間の関係を示すものではない。
【0054】
上記は本出願の詳細な説明に過ぎず、本出願の保護範囲はこれに限定されるものではない。当業者であれば、本出願において開示する技術的範囲内で、本出願の保護範囲に含まれるべき様々な変更又は置換を容易に想到することができる。従って、本出願の保護範囲は特許請求の範囲の保護範囲に従うべきである。
図1A
図1B
図1C
図2
図3A
図3B
図3C