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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012813
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】飛行体、プログラム及び飛行方法
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/46 20240101AFI20240124BHJP
   G08G 5/00 20060101ALI20240124BHJP
   B64C 13/18 20060101ALI20240124BHJP
   B64C 39/02 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
G05D1/10
G08G5/00 A
B64C13/18 Z
B64C39/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114551
(22)【出願日】2022-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】519015117
【氏名又は名称】株式会社SkyDrive
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】森下 尚久
【テーマコード(参考)】
5H181
5H301
【Fターム(参考)】
5H181AA26
5H181BB04
5H181CC27
5H181FF10
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF27
5H181FF32
5H181FF33
5H181LL07
5H181LL08
5H181MB02
5H301AA06
5H301CC04
5H301CC07
5H301CC10
5H301DD01
5H301GG14
(57)【要約】
【課題】目的地へのアプローチの効率と、安全性とを両立可能な飛行体を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様によれば、飛行体が提供される。この飛行体は、取得部と、設定部と、飛行制御部とを備える。取得部は、出発地から目的地までの航路に関する航路データを取得する。取得部は、飛行体の対地速度に関する対地速度情報を取得する。取得部は、飛行体の飛行高度に関する飛行高度情報を取得する。設定部は、航路データ中に存在するオブジェクトの周囲に、対地速度情報及び飛行高度情報に応じて、飛行体の飛行を制限するための第1飛行制限領域を設定する。飛行制御部は、飛行体が第1飛行制限領域に進入しないように制御する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
飛行体であって、
取得部と、設定部と、飛行制御部とを備え、
前記取得部は、出発地から目的地までの航路に関する航路データを取得し、
前記取得部は、前記飛行体の対地速度に関する対地速度情報を取得し、
前記取得部は、前記飛行体の飛行高度に関する飛行高度情報を取得し、
前記設定部は、前記航路データ中に存在するオブジェクトの周囲に、前記対地速度情報及び前記飛行高度情報に応じて、前記飛行体の飛行を制限するための第1飛行制限領域を設定し、
前記飛行制御部は、前記飛行体が前記第1飛行制限領域に進入しないように制御する、
飛行体。
【請求項2】
請求項1に記載の飛行体において、
前記第1飛行制限領域は、前記オブジェクトにおける鉛直方向の軸に係る高さ位置を示す第1高さ位置と、前記オブジェクトにおける鉛直方向の軸に係る高さ位置を示す第2高さ位置であって前記第1高さ位置よりも高い位置を示す第2高さ位置とにおいて、前記第1高さ位置に対応する仮想の断面積よりも前記第2高さ位置に対応する仮想の断面積の方が大きく設定され、
前記第1飛行制限領域は、前記オブジェクトから所定距離以内に設定される、
飛行体。
【請求項3】
請求項1に記載の飛行体において、
前記第1飛行制限領域は、前記飛行体の最高対地速度に応じて設定される、
飛行体。
【請求項4】
請求項1に記載の飛行体において、
前記設定部は、前記第1飛行制限領域よりも外側に、前記飛行体の飛行を制限するための第2飛行制限領域を設定し、
前記飛行制御部は、前記飛行体が前記第2飛行制限領域に進入しないように制御する、
飛行体。
【請求項5】
請求項1に記載の飛行体において、
前記設定部は、前記オブジェクトから所定距離だけ離れた位置における地上面から前記第1飛行制限領域を設定する、
飛行体。
【請求項6】
請求項1に記載の飛行体において、
報知部を備え、
前記報知部は、前記飛行体が前記第1飛行制限領域に進入した場合、音声、文字及び光の少なくとも1つで報知する、
飛行体。
【請求項7】
請求項1に記載の飛行体において、
前記設定部は、前記対地速度が所定速度未満、及び、前記飛行高度が所定高度未満の少なくとも一方を満たす場合、前記第1飛行制限領域の設定を解除する、
飛行体。
【請求項8】
請求項1に記載の飛行体において、
前記飛行制御部は、前記飛行体が前記第1飛行制限領域に進入した場合、前記飛行体の対地速度及び飛行高度の少なくとも一方を下げるように制御する、
飛行体。
【請求項9】
プログラムであって、
請求項1から8までの何れか1項に記載の飛行体の各部としてコンピュータを機能させる、
プログラム。
【請求項10】
飛行方法であって、
請求項1から8までの何れか1項に記載の飛行体の各部としてコンピュータにより実行される、
飛行方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飛行体、プログラム及び飛行方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、飛行体制御システムが開示されている。
【0003】
この飛行体制御システムは、監視エリア内の設備の周囲に設定された進入禁止エリアの外側に設定される飛行ルートに沿って飛行体を飛行させ、設備を点検するための飛行体制御システムであって、飛行管理部と、飛行体位置検出部と、風向風速検出部と、エリア側ガス検知部と、危険エリア設定部と、ルート生成要否判断部と、ルート生成部とを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-076356号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示されたシステムでは、安全性のみが考慮された結果、目的地へのアプローチに時間がかかる場合があった。
【0006】
本発明では上記事情を鑑み、目的地へのアプローチの効率と、安全性とを両立可能な飛行体を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様によれば、飛行体が提供される。この飛行体は、取得部と、設定部と、飛行制御部とを備える。取得部は、出発地から目的地までの航路に関する航路データを取得する。取得部は、飛行体の対地速度に関する対地速度情報を取得する。取得部は、飛行体の飛行高度に関する飛行高度情報を取得する。設定部は、航路データ中に存在するオブジェクトの周囲に、対地速度情報及び飛行高度情報に応じて、飛行体の飛行を制限するための第1飛行制限領域を設定する。飛行制御部は、飛行体が第1飛行制限領域に進入しないように制御する。
【0008】
このような態様によれば、目的地へのアプローチの効率と、安全性とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】システム100を表す構成図である。
図2】飛行体200のハードウェア構成を示すブロック図である。
図3】操縦者端末300のハードウェア構成を示すブロック図である。
図4】サーバ600のハードウェア構成を示すブロック図である。
図5】飛行体200(制御部210)によって実現される機能を示すブロック図である。
図6】飛行体200によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティ図である。
図7】飛行体200と、ビル420の周囲に広がる飛行制限領域(第1飛行制限領域)421との位置関係、及び、飛行体200と、目的地430の周囲に広がる飛行制限領域(第1飛行制限領域)431との位置関係を示す図である。
図8】飛行体200と、ビル420の周囲に広がる飛行制限領域(第1飛行制限領域)421との位置関係、及び、飛行体200と、目的地430の周囲に広がる飛行制限領域(第1飛行制限領域)431との位置関係を示す図である。
図9】飛行体200と、ビル420の周囲に広がる飛行制限領域(第1飛行制限領域)421との位置関係、及び、飛行体200と、目的地430の周囲に広がる飛行制限領域(第1飛行制限領域)431との位置関係を示す図である。
図10】操縦者端末300における表示部330に表示される報知内容を示す図である。
図11】ビル420の周囲に広がる飛行制限領域(第1飛行制限領域)421と、ビル420の周囲に広がる飛行制限領域(第2飛行制限領域)422との位置関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を用いて本発明の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0012】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0又は1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、又は量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0013】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、及びメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0014】
1.ハードウェア構成
第1節では、本実施形態のハードウェア構成について説明する。
【0015】
1-1.システム100
図1は、システム100を表す構成図である。システム100は、飛行体200と、操縦者端末300と、サーバ600を備え、これらがネットワークを通じて接続されている。これらの構成要素についてさらに説明する。ここで、システム100に例示されるシステムとは、1つ又はそれ以上の装置又は構成要素からなるものである。したがって、例えば、飛行体200単体であってもシステム100に例示されるシステムに含まれる。
【0016】
1-2.飛行体200
図2は、飛行体200のハードウェア構成を示すブロック図である。飛行体200は、制御部210と、記憶部220と、通信部250とを有し、これらの構成要素が飛行体200の内部において通信バス260を介して電気的に接続されている。各構成要素についてさらに説明する。
【0017】
制御部210は、飛行体200に関連する全体動作の処理・制御を行う。制御部210は、例えば、不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部210は、記憶部220に記憶された所定のプログラムを読み出すことによって、飛行体200に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部220に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部210によって具体的に実現されることで、制御部210に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部210は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部210を有するように実施してもよい。またそれらの組み合わせであってもよい。
【0018】
記憶部220は、飛行体200の情報処理に必要な様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部210によって実行される飛行体200に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。また、これらの組み合わせであってもよい。
【0019】
通信部250は、USB、IEEE1394、Thunderbolt(登録商標)、有線LANネットワーク通信等といった有線型の通信手段が好ましいものの、無線LANネットワーク通信、5G/LTE/3G等のモバイル通信、Bluetooth(登録商標)通信等を必要に応じて含めてもよい。すなわち、これら複数の通信手段の集合として実施することがより好ましい。すなわち、飛行体200は、通信部250を介して、操縦者端末300とネットワークを介して種々の情報を通信する。
【0020】
1-3.操縦者端末300
図3は、操縦者端末300のハードウェア構成を示すブロック図である。操縦者端末300は、制御部310と、記憶部320と、表示部330と、入力部340と、通信部350とを有し、これらの構成要素が操縦者端末300の内部において通信バス360を介して電気的に接続されている。制御部310、記憶部320及び通信部350の説明は、飛行体200における制御部210、記憶部220及び通信部250の説明と略同様のため省略する。
【0021】
ここで、操縦者は、飛行体200の操縦者のことを示す。また、操縦者端末300は、飛行体200との通信を行う端末のことを示し、各操縦者が飛行体200の操縦をする際に使用する端末であってもよいし、サーバ600から情報を受信する端末であってもよい。
【0022】
表示部330は、操縦者端末300の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。表示部330は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。これは例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ及びプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、操縦者端末300の種類に応じて使い分けて実施することが好ましい。以下では、表示部330は、操縦者端末300の筐体に含まれるものとして説明する。
【0023】
入力部340は、操縦者端末300の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部340は、表示部330と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部340は、ユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力は、命令信号として、通信バス360を介して制御部310に転送される。そして、制御部310は、必要に応じて所定の制御や演算を実行しうる。
1-4.サーバ600
図4は、サーバ600のハードウェア構成を示すブロック図である。サーバ600は、制御部610と、記憶部620と、通信部650とを有し、これらの構成要素がサーバ600の内部において通信バス660を介して電気的に接続されている。制御部610、記憶部620及び通信部650の説明は、飛行体200における制御部210、記憶部220及び通信部250の説明と略同様のため省略する。
【0024】
ここで、サーバ600は、例えば、飛行体200との間で通信を行う地上局における端末を示す。
【0025】
2.機能構成
第2節では、本実施形態の機能構成について説明する。前述の通り、記憶部220に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部210によって具体的に実現されることで、制御部210に含まれる各機能部として実行されうる。
【0026】
図5は、飛行体200(制御部210)によって実現される機能を示すブロック図である。具体的には、飛行体200(制御部210)は、取得部211と、設定部212と、飛行制御部213と、報知部214とを備える。
【0027】
取得部211は、種々の情報を取得するように構成される。例えば、取得部211は、出発地410から目的地430までの航路に関する航路データをサーバ600から取得する。また、取得部211は、飛行体200の対地速度に関する対地速度情報を取得する。さらに、取得部211は、飛行体200の飛行高度に関する飛行高度情報を取得する。
【0028】
設定部212は、種々の情報を設定するように構成される。例えば、設定部212は、取得された航路データ中に存在するオブジェクトの周囲に、取得された対地速度情報及び飛行高度情報に応じて、飛行体200の飛行を制限するための第1飛行制限領域を設定する。
【0029】
飛行制御部213は、飛行体200の飛行状態を制御するように構成される。例えば、飛行制御部213は、飛行体200が第1飛行制限領域に進入しないように制御する。
【0030】
報知部214は、種々の情報を報知するように構成される。例えば、報知部214は、飛行体200が第1飛行制限領域に進入した場合、音声、文字及び光の少なくとも1つで報知する。
【0031】
3.情報処理方法
第3節では、前述した飛行体200の情報処理方法について説明する。この情報処理方法は、飛行体200の各部としてコンピュータにより実行される飛行方法である。この飛行方法は、取得工程と、設定工程と、飛行制御工程とを備える。取得工程では、出発地から目的地までの航路に関する航路データを取得する。取得工程では、飛行体200の対地速度に関する対地速度情報を取得する。取得工程では、飛行体200の飛行高度に関する飛行高度情報を取得する。設定工程では、航路データ中に存在するオブジェクトの周囲に、取得された対地速度情報及び飛行高度情報に応じて、飛行体200の飛行を制限するための第1飛行制限領域を設定する。飛行制御部は、飛行体200が第1飛行制限領域に進入しないように制御する。
【0032】
図6は、飛行体200によって実行される情報処理の流れを示すアクティビティ図である。以下、このアクティビティ図の各アクティビティに沿って、説明するものとする。ここで、飛行体200は、自律飛行をするものとして説明する。
【0033】
制御部210は、飛行体200の離陸処理を実行する(アクティビティA110)。すなわち、制御部210は、飛行体200のプロペラの回転速度を制御し、飛行体200を出発地410から離陸させる処理を実行する。
【0034】
続いて、取得部211は、出発地410から目的地430までの航路に関する航路データを取得する(アクティビティA120)。すなわち、制御部210は、サーバ600から当該航路データを取得する処理を実行する。
【0035】
アクティビティA120では、例えば、次の4段階の情報処理が実行される。(1)飛行体200における制御部210は、通信部250を介して、サーバ600に取得要求信号を送信する。(2)サーバ600における制御部610は、通信部650を介して、飛行体200の航路に関する航路データを飛行体200に送信する。(3)飛行体200における通信部250は、航路データを受信する。(4)飛行体200における制御部210は、航路データを記憶部220に記憶させる。
【0036】
続いて、取得部211は、飛行体200の対地速度に関する対地速度情報を取得する(アクティビティA130)。すなわち、制御部210は、指示対気速度を取得し、当該指示対気速度を対地速度に変換する処理を実行する。
【0037】
アクティビティA130では、例えば、次の4段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、飛行体200に設けられたピトー管から、飛行体200の指示対気速度を取得する。(2)制御部210は、記憶部220から所定のプログラムを読み出す。(3)制御部210は、指示対気速度を当該プログラムで処理し、対地速度情報を取得する。(4)制御部210は、対地速度情報を記憶部220に記憶させる。
【0038】
続いて、取得部211は、飛行体200の飛行高度に関する飛行高度情報を取得する(アクティビティA140)。すなわち、制御部210は、飛行体200に設けられた高度計から、暫定の飛行高度情報を取得し、当該暫定の飛行高度情報を、目的の飛行高度情報に変換する処理を実行する。
【0039】
アクティビティA140では、例えば、次の4段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、飛行体200に設けられた高度計から、暫定の飛行高度情報を取得する。(2)制御部210は、記憶部220から所定のプログラムを読み出す。(3)制御部210は、暫定の飛行高度情報を当該プログラムで処理し、目的の飛行高度情報(以下単に「飛行高度情報」ともいう。)を取得する。(4)制御部210は、目的の飛行高度情報を記憶部220に記憶させる。
【0040】
続いて、制御部210は、飛行体200の対地速度が所定速度未満であるか否か、及び、飛行体200の飛行高度が所定高度未満であるか否かを判定する(アクティビティA150)。制御部210は、飛行体200の対地速度が所定速度未満、及び/又は、飛行体200の飛行高度が所定高度未満であると判定された場合(アクティビティA150のYES)、アクティビティA160の処理に移行させる。一方、制御部210は、飛行体200の対地速度が所定速度未満ではない、及び、飛行体200の飛行高度が所定高度未満ではないと判定された場合(アクティビティA150のNO)、アクティビティA170の処理に移行させる。
【0041】
アクティビティA150では、例えば、次の4段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、記憶部220に記憶された対地速度情報及び飛行高度情報を読み出す。(2)制御部210は、記憶部220に記憶された所定のプログラムを読み出す。(3)制御部210は、判定処理を実行し、飛行体200の対地速度が所定速度未満であるか否か、及び、飛行体200の飛行高度が所定高度未満であるか否かを判定する。(4)制御部210は、当該判定結果を記憶部220に記憶させる。
【0042】
続いて、設定部212は、飛行体200の対地速度が所定速度未満、及び、飛行体200の飛行高度が所定高度未満の少なくとも一方を満たす場合、第1飛行制限領域及び第2飛行制限領域の設定を解除する(アクティビティA160)。ここで、第1飛行制限領域及び第2飛行制限領域が未設定の場合、制御部210は、アクティビティA160の処理をスキップさせることができる。
【0043】
アクティビティA160では、例えば、次の2段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、記憶部220に記憶された判定結果を読み出す。(2)制御部210は、飛行体200の対地速度が所定速度未満、及び、飛行体200の飛行高度が所定高度未満の少なくとも一方を満たすという判定結果である場合、第1飛行制限領域及び第2飛行制限領域の設定を解除する。
【0044】
続いて、設定部212は、航路データ中に存在するビル420(オブジェクト)の周囲に、飛行体200の対地速度情報及び飛行高度情報に応じて、飛行体200の飛行を制限するための第1飛行制限領域を設定する(アクティビティA170)。ここで、ビル420の周囲とは、ビル420から所定距離だけ離間した範囲を示す。所定距離は、具体的には例えば、5,10,15,20,25,30,35,40,45,50,55,60,65,70,75,80,85,90,95,100,105,110,115,120,125,130,135,140,145,150,155,160,165,170,175,180,185,190,195,200mであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。例えば、ビル420の最も高い部分が地面から80mの場合、高さ方向におけるビル420の周囲は、地面から180mであってもよい。
【0045】
アクティビティA170では、例えば、次の3段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、記憶部220に記憶された対地速度情報及び飛行高度情報を読み出す。(2)制御部210は、設定処理を実行し、第1飛行制限領域を設定する。(3)制御部210は、第1飛行制限領域に関する情報を記憶部220に記憶させる。
【0046】
続いて、設定部212は、第1飛行制限領域よりも外側に、飛行体200の飛行を制限するための第2飛行制限領域を設定する(アクティビティA180)。ここで、第2飛行制限領域は、例えば、第1飛行制限領域の外縁から第2飛行制限領域の外縁までの範囲であってもよいし、第1飛行制限領域の範囲を含むものであってもよい。本実施形態では、第2飛行制限領域は、第1飛行制限領域の外縁から第2飛行制限領域の外縁までの範囲を示すものとして説明する。
【0047】
アクティビティA180では、例えば、次の3段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、記憶部220に記憶された第1飛行制限領域に関する情報を読み出す。(2)制御部210は、設定処理を実行し、第2飛行制限領域を設定する。(3)制御部210は、第2飛行制限領域に関する情報を記憶部220に記憶させる。
【0048】
続いて、飛行制御部213は、飛行体200が第1飛行制限領域及び第2飛行制限領域に進入しないように制御する(アクティビティA190)。制御部210は、例えば、飛行体200が、第1飛行制限領域及び第2飛行制限領域を迂回するように、飛行体200を制御する。
【0049】
アクティビティA190では、例えば、次の2段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、記憶部220に記憶された、第1飛行制限領域に関する情報及び第2飛行制限領域に関する情報を読み出す。(2)制御部210は、飛行制御処理を実行し、飛行体200が第1飛行制限領域及び第2飛行制限領域に進入しないように制御する。
【0050】
続いて、制御部210は、飛行体200が第1飛行制限領域又は第2飛行制限領域に進入したか否かを判定する(アクティビティA200)。制御部210は、飛行体200が第1飛行制限領域及び第2飛行制限領域に進入しないように制御するが、目的地430の近傍にオブジェクトが存在する場合には、当該オブジェクトの周囲に設定された第1制限領域又は第2制限領域に飛行体200を進入させることがあり得る。
【0051】
アクティビティA200では、例えば、次の4段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、記憶部220に記憶された、第1飛行制限領域に関する情報及び第2飛行制限領域に関する情報を読み出す。(2)制御部210は、記憶部220に記憶された、飛行体200の現在位置に関する情報を読み出す。(3)制御部210は、判定処理を実行し、飛行体200が第1飛行制限領域又は第2飛行制限領域に進入したか否かを判定する。(4)制御部210は、当該判定結果を記憶部220に記憶させる。
【0052】
続いて、飛行制御部213は、飛行体200が第1飛行制限領域又は第2飛行制限領域に進入した場合、飛行体200の対地速度及び飛行高度の少なくとも一方を下げるように制御する(アクティビティA210)。例えば、制御部210は、飛行体200が第2飛行制限領域に進入した場合に、飛行体200の対地速度を下げるように制御し、飛行体200が第1飛行制限領域に進入した場合に、さらに飛行体200の飛行高度を下げるように制御してもよい。具体的には、例えば、飛行体200が対地速度10m/s、及び飛行高度150mで飛行している場合、制御部210は、飛行体200が第2飛行制限領域に進入した場合に、飛行体200の対地速度を8m/s、飛行高度を150mに制御し、飛行体200が第1飛行制限領域に進入した場合に、飛行体200の対地速度を8m/s、飛行高度を100mに制御してもよい。
【0053】
アクティビティA210では、例えば、次の2段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、記憶部220に記憶された、アクティビティA200の判定結果を読み出す。(2)制御部210は、飛行制御処理を実行し、飛行体200の対地速度及び飛行高度の少なくとも一方を下げるように制御する。
【0054】
続いて、報知部214は、飛行体200が第1飛行制限領域又は第2飛行制限領域に進入した場合、音声、文字及び光の少なくとも1つで報知する(アクティビティA220)。制御部210は、飛行体200が第1飛行制限領域に進入した場合と、飛行体200が第2飛行制限領域に進入した場合とで、報知の態様を異ならせてもよい。具体的には、例えば、飛行体200が第2飛行制限領域に進入した場合、制御部210は、操縦者端末300のスピーカから音声を出力させ、飛行体200が第1飛行制限領域に進入した場合、制御部210は、スピーカからの音声出力に加えて、操縦者端末300の表示部330に、文字情報を出力させてもよい。
【0055】
アクティビティA220では、例えば、次の4段階の情報処理が実行される。(1)制御部210は、記憶部220に記憶された、アクティビティA200の判定結果を読み出す。(2)制御部210は、通信部250を介して、報知信号を操縦者端末300に送信する。(3)操縦者端末300における通信部350は、当該報知信号を受信する。(4)操縦者端末300における制御部310は、当該報知信号に基づいて、音声、文字及び光の少なくとも1つで報知処理を実行する。
【0056】
続いて、制御部210は、飛行体200が目的地430に到着したか否かを判定する(アクティビティA230)。制御部210は、飛行体200が目的地430に到着したと判定すると、飛行体200の情報処理を終了する(アクティビティA230のYES)。一方、制御部210は、飛行体200が目的地430に到着してないと判定すると、アクティビティA130の情報処理に移行させる(アクティビティA230のNO)。
【0057】
4.具体例
第4節では、本実施形態の具体例について説明する。
【0058】
図7図9は、飛行体200と、ビル420の周囲に広がる飛行制限領域(第1飛行制限領域)421との位置関係、及び、飛行体200と、目的地430の周囲に広がる飛行制限領域(第1飛行制限領域)431との位置関係を示す図である。
【0059】
図7では、出発地410を離陸した飛行体200は、ビル420及び目的地430から離れているため、飛行体200は、飛行制限領域421及び飛行制限領域431の双方に進入していない。したがって、飛行体200は、通常の対地速度及び飛行高度で飛行制御されている。
【0060】
図8では、飛行体200は、図7の状態からさらに目的地430に向かって飛行し、飛行制限領域421を迂回して飛行している。すなわち、制御部210は、飛行体200が飛行制限領域421に進入しないように制御している。
【0061】
図9では、飛行体200は、図8の状態からさらに目的地430に向かって飛行し、飛行制限領域431に進入している。ここでは、飛行体200は、目的地430に接近する必要があるため、飛行制限領域431に進入したものとする。制御部210は、飛行体200の対地速度及び飛行高度の少なくとも一方を下げるように制御する。
【0062】
図10は、操縦者端末300における表示部330に表示される報知内容を示す図である。表示部330には、領域331、領域332、領域333、領域334及び領域335が表示されている。
【0063】
領域331には、表示部330での表示内容のタイトルが表示されている。領域331には、「! 飛行制限領域に進入中 !」の文字が表示されている。したがって、操縦者は、飛行体200が飛行制限領域に進入したことが分かる。
【0064】
領域332には、操縦者が操縦している飛行体200の外観が表示されている。飛行体200の外観は、静止画であってもよいし、プロペラが回転している状態を示す動画であってもよい。
【0065】
領域333には、「速度と高度を変更します!」の文字が表示されている。したがって、操縦者は、飛行体200の対地速度及び飛行高度の双方が変更されることが分かる。
【0066】
領域334には、飛行体200の現時点の対地速度及び飛行高度が表示されている。領域334には、「対地速度:10m/s、飛行高度:150m」の文字が表示されている。
【0067】
領域335には、飛行体200への飛行制御処理後に予定されている、飛行体200の対地速度及び飛行高度が表示されている。領域335には、「対地速度:7m/s、飛行高度:100m」の文字が表示されている。
【0068】
以上より、操縦者は、(1)飛行体200が飛行制限領域に進入したこと、(2)対地速度及び飛行高度が変更されること、を把握することができる。
【0069】
図11は、ビル420の周囲に広がる飛行制限領域(第1飛行制限領域)421と、ビル420の周囲に広がる飛行制限領域(第2飛行制限領域)422との位置関係を示す図である。
【0070】
飛行体200は、対地速度10m/sで飛行しているものとする。飛行体200は、飛行高度150m(飛行高度510)で飛行しているものとする。ここで仮に、飛行体200に故障が発生して動力を喪失した場合、飛行体200は、放物線520に示すように放物線状に自由落下し、現在位置から約55.3m前進して着地する。
【0071】
この場合、ビル420においては、飛行体200の対地速度が10m/s、高度が150mの場合に、放物線540に示すように放物線状に自由落下することを想定し、ビル420から55.3m離れ、且つ高度150m(高さ530)に対応する箇所について、飛行制限領域421として設定される。
【0072】
飛行制限領域421は、飛行体200の対地速度が一定で高度が変化する場合、側面視で1次関数の形状を呈してもよい。すなわち、前述の通り、飛行体200の対地速度が10m/s、高度が150mの場合、飛行体200は、現在位置から約55.3m前進して着地する。一方、飛行体200の対地速度が10m/s、高度が100mの場合、飛行体200は、現在位置から約45.2m前進して着地する。このように、着地するまでの前進距離は、飛行体200の高度に応じて変化する。
【0073】
すなわち、上記例を一般化すると、次のように示すことが可能である。第1飛行制限領域は、オブジェクトにおける鉛直方向の軸に係る高さ位置を示す第1高さ位置と、オブジェクトにおける鉛直方向の軸に係る高さ位置を示す第2高さ位置であって第1高さ位置よりも高い位置を示す第2高さ位置とにおいて、第1高さ位置に対応する仮想の断面積よりも第2高さ位置に対応する仮想の断面積の方が大きく設定される。
【0074】
前述の一般化を上記例に当てはめると、次のように示すことが可能である。ビル420の周囲に広がる飛行制限領域421は、100mの高さ位置と、150mの高さ位置とにおいて、100mの高さ位置に対応する仮想の断面積よりも、150mに対応する仮想の断面積の方が大きく設定される。すなわち、飛行制限領域421は、ビル420の平面視ですり鉢状を呈する。
【0075】
なお、前述の例に当てはめると、ビル420における最も高い部分(最高地点)が地面から80mの場合、飛行制限領域421の最も高い部分は、地面から180mであってもよい。すなわち、第1飛行制限領域は、ビル420(オブジェクト)から所定距離以内に設定される。所定距離は、具体的には例えば、5,10,15,20,25,30,35,40,45,50,55,60,65,70,75,80,85,90,95,100,105,110,115,120,125,130,135,140,145,150,155,160,165,170,175,180,185,190,195,200mであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0076】
また、ビル420の周囲に広がる飛行制限領域422は、同じくビル420の周囲に広がる飛行制限領域421よりも余裕を持たせて、飛行制限領域421よりも外側に設定されてもよい。すなわち、飛行制限領域(第2飛行制限領域)422は、飛行制限領域(第1飛行制限領域)421よりも外側、すなわち大きく広がるように設定される。
【0077】
5.本実施形態の態様
第5節では、本実施形態の各態様について説明する。
【0078】
本実施形態の一態様では、飛行体200は、取得部211と、設定部212と、飛行制御部213とを備える。取得部211は、出発地410から目的地430までの航路に関する航路データを取得する。取得部211は、飛行体200の対地速度に関する対地速度情報を取得する。取得部211は、飛行体200の飛行高度に関する飛行高度情報を取得する。設定部212は、航路データ中に存在するオブジェクトの周囲に、対地速度情報及び飛行高度情報に応じて、飛行体200の飛行を制限するための第1飛行制限領域を設定する。飛行制御部213は、飛行体200が第1飛行制限領域に進入しないように制御する。
【0079】
このような態様によれば、目的地へのアプローチの効率と、オブジェクトの損壊の回避(安全性)とを両立させることができる。
【0080】
本実施形態の一態様では、第1飛行制限領域は、オブジェクトにおける鉛直方向の軸に係る高さ位置を示す第1高さ位置と、オブジェクトにおける鉛直方向の軸に係る高さ位置を示す第2高さ位置であって第1高さ位置よりも高い位置を示す第2高さ位置とにおいて、第1高さ位置に対応する仮想の断面積よりも第2高さ位置に対応する仮想の断面積の方が大きく設定される。第1飛行制限領域は、オブジェクトから所定距離以内に設定される。
【0081】
このような態様によれば、第1飛行制限領域は、すり鉢状を呈するため、飛行体200の飛行高度に応じて、目的地へのアプローチの効率と、安全性とを両立させることができる。
【0082】
本実施形態の一態様では、第1飛行制限領域は、飛行体200の最高対地速度に応じて設定される。
【0083】
このような態様によれば、第1飛行制限領域を都度設定する必要がないため、飛行体200の処理速度を向上させることができる。
【0084】
本実施形態の一態様では、設定部212は、第1飛行制限領域よりも外側に、飛行体200の飛行を制限するための第2飛行制限領域を設定する。飛行制御部213は、飛行体200が第2飛行制限領域に進入しないように制御する。
【0085】
このような態様によれば、飛行体200が飛行中に自由落下したとしても、オブジェクトと飛行体200とが干渉する範囲を超えて、第2飛行制限領域が設定されているため、飛行体200によるオブジェクトの損壊をより確実に防止させることができる。
【0086】
本実施形態の一態様では、設定部212は、オブジェクトから所定距離だけ離れた位置における地上面から第1飛行制限領域を設定する。
【0087】
このような態様によれば、オブジェクトと飛行体200が飛行中に自由落下したとしても、オブジェクトと飛行体200とが干渉する範囲を超えて、第1飛行制限領域が設定されているため、飛行体200によるオブジェクトの損壊をより確実に防止させることができる。
【0088】
本実施形態の一態様では、飛行体200は、報知部214を備える。報知部214は、飛行体200が第1飛行制限領域に進入した場合、音声、文字及び光の少なくとも1つで報知する。
【0089】
このような態様によれば、飛行体200が第1飛行制限領域に進入したことを容易に把握させることができる。
【0090】
本実施形態の一態様では、設定部212は、飛行体200の対地速度が所定速度未満、及び、飛行体200の飛行高度が所定高度未満の少なくとも一方を満たす場合、第1飛行制限領域の設定を解除する。
【0091】
このような態様によれば、飛行体200がオブジェクトを損壊させる恐れが少ない場合に、飛行体200を目的地430にいち早く向かわせることができる。
【0092】
本実施形態の一態様では、飛行制御部は、飛行体200が飛行制限領域に進入した場合、飛行体200の対地速度及び飛行高度の少なくとも一方を下げるように制御する。
【0093】
このような態様によれば、仮に飛行体200がオブジェクトに干渉したとしても、飛行体200によるオブジェクトの損壊の度合いを減少させることができる。
【0094】
本実施形態の一態様では、プログラムは、飛行体200の各部としてコンピュータを機能させる。
【0095】
このような態様によれば、プログラムとして提供される場合において、目的地へのアプローチの効率と、オブジェクトの損壊の回避(安全性)とを両立させることができる。
【0096】
本実施形態の一態様では、飛行方法は、飛行体200の各部としてコンピュータにより実行される。
【0097】
このような態様によれば、方法として提供される場合において、目的地へのアプローチの効率と、オブジェクトの損壊の回避(安全性)とを両立させることができる。
【0098】
6.その他
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0099】
本実施形態の態様は、プログラムであってもよい。このプログラムは、飛行体200の各部としてコンピュータを機能させる。
【0100】
第1変形例として、制御部210は、各種データ及び各種情報について記憶部220に書き出し処理(記憶処理)及び読み出し処理をしているが、これに限られず、例えば、制御部210内のレジスタやキャッシュメモリ等を使用して、各アクティビティの情報処理を実行してもよい。
【0101】
第2変形例として、第1飛行制限領域は、飛行体200の最高対地速度に応じて設定されてもよい。例えば、出発地410から目的地430までの間、飛行体200を最高対地速度15m/sで飛行させる場合、対地速度情報を15m/sに固定した上で、当該第1飛行制限領域を設定すればよい。
【0102】
第3変形例として、設定部212は、オブジェクトから所定距離だけ離れた位置における地上面から第1飛行制限領域を設定してもよい。所定距離は、具体的には例えば、1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18,19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29,30,31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42,43,44,45,46,47,48,49,50mであり、ここで例示した数値の何れか2つの間の範囲内であってもよい。
【0103】
次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0104】
(1)飛行体であって、取得部と、設定部と、飛行制御部とを備え、前記取得部は、出発地から目的地までの航路に関する航路データを取得し、前記取得部は、前記飛行体の対地速度に関する対地速度情報を取得し、前記取得部は、前記飛行体の飛行高度に関する飛行高度情報を取得し、前記設定部は、前記航路データ中に存在するオブジェクトの周囲に、前記対地速度情報及び前記飛行高度情報に応じて、前記飛行体の飛行を制限するための第1飛行制限領域を設定し、前記飛行制御部は、前記飛行体が前記第1飛行制限領域に進入しないように制御する、飛行体。
【0105】
(2)上記(1)に記載の飛行体において、前記第1飛行制限領域は、前記オブジェクトにおける鉛直方向の軸に係る高さ位置を示す第1高さ位置と、前記オブジェクトにおける鉛直方向の軸に係る高さ位置を示す第2高さ位置であって前記第1高さ位置よりも高い位置を示す第2高さ位置とにおいて、前記第1高さ位置に対応する仮想の断面積よりも前記第2高さ位置に対応する仮想の断面積の方が大きく設定され、前記第1飛行制限領域は、前記オブジェクトから所定距離以内に設定される、飛行体。
【0106】
(3)上記(1)又は(2)に記載の飛行体において、前記第1飛行制限領域は、前記飛行体の最高対地速度に応じて設定される、飛行体。
【0107】
(4)上記(1)から(3)までの何れか1項に記載の飛行体において、前記設定部は、前記第1飛行制限領域よりも外側に、前記飛行体の飛行を制限するための第2飛行制限領域を設定し、前記飛行制御部は、前記飛行体が前記第2飛行制限領域に進入しないように制御する、飛行体。
【0108】
(5)上記(1)から(4)までの何れか1項に記載の飛行体において、前記設定部は、前記オブジェクトから所定距離だけ離れた位置における地上面から前記第1飛行制限領域を設定する、飛行体。
【0109】
(6)上記(1)から(5)までの何れか1項に記載の飛行体において、報知部を備え、前記報知部は、前記飛行体が前記第1飛行制限領域に進入した場合、音声、文字及び光の少なくとも1つで報知する、飛行体。
【0110】
(7)上記(1)から(6)までの何れか1項に記載の飛行体において、前記設定部は、前記対地速度が所定速度未満、及び、前記飛行高度が所定高度未満の少なくとも一方を満たす場合、前記第1飛行制限領域の設定を解除する、飛行体。
【0111】
(8)上記(1)から(7)までの何れか1項に記載の飛行体において、前記飛行制御部は、前記飛行体が前記第1飛行制限領域に進入した場合、前記飛行体の対地速度及び飛行高度の少なくとも一方を下げるように制御する、飛行体。
【0112】
(9)プログラムであって、上記(1)から(8)までの何れか1項に記載の飛行体の各部としてコンピュータを機能させる、プログラム。
【0113】
(10)飛行方法であって、上記(1)から(8)までの何れか1項に記載の飛行体の各部としてコンピュータにより実行される、飛行方法。
もちろん、この限りではない。
【符号の説明】
【0114】
100 :システム
200 :飛行体
210 :制御部
211 :取得部
212 :設定部
213 :飛行制御部
214 :報知部
220 :記憶部
250 :通信部
260 :通信バス
300 :操縦者端末
310 :制御部
320 :記憶部
330 :表示部
331 :領域
332 :領域
333 :領域
334 :領域
335 :領域
340 :入力部
350 :通信部
360 :通信バス
410 :出発地
420 :ビル
421 :飛行制限領域
422 :飛行制限領域
430 :目的地
431 :飛行制限領域
510 :飛行高度
520 :放物線
530 :高さ
540 :放物線
600 :サーバ
610 :制御部
620 :記憶部
650 :通信部
660 :通信バス
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11