(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128143
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】超音波内視鏡ガイド下アクセス針
(51)【国際特許分類】
A61B 17/34 20060101AFI20240912BHJP
A61M 25/09 20060101ALI20240912BHJP
【FI】
A61B17/34
A61M25/09
A61M25/09 530
【審査請求】有
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024113798
(22)【出願日】2024-07-17
(62)【分割の表示】P 2022519199の分割
【原出願日】2020-11-24
(31)【優先権主張番号】62/944,725
(32)【優先日】2019-12-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】506192652
【氏名又は名称】ボストン サイエンティフィック サイムド,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BOSTON SCIENTIFIC SCIMED,INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【弁理士】
【氏名又は名称】本田 淳
(72)【発明者】
【氏名】ファブロー、ジョン トーマス
(57)【要約】
【課題】内視鏡針、特に、超音波内視鏡(EUS)ガイド下アクセス針を提供する。
【解決手段】アクセス針は、その中にガイドワイヤーを摺動可能に収容するようなサイズおよび形状の内腔を有し、シャフトの鋭利な最遠位先端部から鋭利な先端部に対して近位側に横方向に設けられたシャフトの傾斜平滑部まで近位方向および横方向に延びる傾斜面を含む遠位端を有する中空シャフトを含む。傾斜平滑部は、針の遠位端から遠位方向に延びるガイドワイヤーに摺動可能に係合するように配置される。ガイドワイヤーを針内に近位方向に引き込むとき、ガイドワイヤーの摩耗を最小限に抑えるように、傾斜平滑部はガイドワイヤーに摺動可能に係合する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にガイドワイヤーを摺動可能に収容するサイズおよび形状の内腔を有するとともに、中空シャフトの鋭利な最遠位先端部から、前記最遠位先端部に対して近位側横方向に設けられた中空シャフトの傾斜平滑部まで延びる傾斜面を含む遠位端を有する中空シャフトを備え、前記傾斜平滑部は、前記ガイドワイヤーが近位方向にアクセス針内に引き込まれるとき、前記傾斜平滑部が前記ガイドワイヤーに対して摺動可能に係合して前記ガイドワイヤーの摩耗を最小限に抑えるように、前記アクセス針の遠位端から外方に遠位方向に延びるガイドワイヤーに対して摺動可能に係合するように配置されている、アクセス針。
【請求項2】
前記シャフトの遠位端が、前記最遠位先端部から近位方向に延びる鋭利な切断面を含み、湾曲部に沿って前記アクセス針の遠位端から外方に延びるガイドワイヤーが前記アクセス針に対して所望の方向に前記アクセス針の中に引き込まれるとき、前記湾曲部に沿って径方向内周面を形成する前記ガイドワイヤーの表面が前記アクセス針の前記傾斜平滑部に接触するように前記傾斜平滑部が配置される、請求項1に記載のアクセス針。
【請求項3】
前記シャフトの遠位端が、前記最遠位先端部から第1移行部まで延びる第1の鋭利な切断面と、前記第1移行部から第2移行部まで延びる第2の鋭利な切断面とを含んでおり、前記第1の鋭利な切断面が、前記最遠位先端部で前記シャフトの縦断面に対して第1角度をなして延びるとともに、前記第1移行部で前記シャフトの縦断面に対して第2角度をもって湾曲しており、前記第2の鋭利な切断面は、前記シャフトの縦断面に対して第3角度を有する、請求項1または2に記載のアクセス針。
【請求項4】
前記シャフトの遠位端が、前記最遠位先端部から第3移行部まで延びる第3の鋭利な切断面と、前記第3移行部から第4移行部まで延びる第4の鋭利な切断面とを含んでおり、前記第3の鋭利な切断面が、前記最遠位先端部で前記シャフトの縦断面に対して第4角度で延びるとともに前記第3移行部で前記シャフトの縦断面に対して第5角度に湾曲しており、前記第4の鋭利な切断面は、前記シャフトの縦断面に対して第6角度で延びている、請求項3に記載のアクセス針。
【請求項5】
前記第1、第2の鋭利な切断面が、前記第3、第4の鋭利な切断面に関する前記針の中央面に対してほぼ対称をなす、請求項4に記載のアクセス針。
【請求項6】
前記第1角度が0~10度の第1範囲にあり、前記第2角度が20~50度の第2範囲にあり、前記第3角度が10~30度の第3範囲にある、請求項3に記載のアクセス針。
【請求項7】
前記傾斜平滑部が、前記最遠位先端部に対して近位側横方向の中点を有するU字型表面によって形成されており、前記U字型表面は、前記シャフトの横断面に平行な前記中点で湾曲部を有する、請求項1~6のいずれか1項に記載のアクセス針。
【請求項8】
前記傾斜平滑部が、前記シャフトの外面で外側傾斜部を含み、前記シャフトの内面で内側傾斜部を含む、請求項1~7のいずれか1項に記載のアクセス針。
【請求項9】
前記シャフトが、ニチノール合金、コバルトクロム合金およびステンレス鋼の1つから形成される、請求項1~8のいずれか1項に記載のアクセス針。
【請求項10】
前記シャフトが、前記針に対して所望の回動方向に前記ガイドワイヤーを保持するために、前記シャフトの内部に挿入されるガイドワイヤーの対応する要素に対して機械的に係合し、かつ前記シャフトの遠位部に沿って延びる要素を含む、請求項1~9のいずれか1項に記載のアクセス針。
【請求項11】
前記シャフトの要素は、前記ガイドワイヤーから径方向に延びるタブを受け入れるように構成された前記針の長さの一部に沿って延びるスロットを含む、請求項10に記載のアクセス針。
【請求項12】
第1の配向要素を含む固定ガイドワイヤーと、
内部に前記ガイドワイヤーを摺動可能に受け入れるサイズおよび形状の内腔を有する中空シャフトであって、中空シャフトの鋭利な最遠位先端部から、前記最遠位先端部に対して近位側に横方向に設けられた前記シャフトの傾斜平滑部まで延びる切断面を含む遠位端を有する前記中空シャフトを含むアクセス針と、を備え、前記傾斜平滑部は、前記ガイドワイヤーが近位方向にアクセス針内に引き込まれるとき、前記傾斜平滑部が前記ガイドワイヤーに対して摺動可能に係合して前記ガイドワイヤーの摩耗を最小限に抑えるように、前記アクセス針の遠位端から外方に遠位方向に延びる前記ガイドワイヤーに対して摺動可能に係合するように配置されており、前記アクセス針は、前記アクセス針に対して所望の回動方向に前記ガイドワイヤーを保持するために、前記第1の配向要素に対して機械的に係合するように構成された、前記アクセス針の遠位部に沿って延びる第2の配向要素をさらに含む、アクセス針アセンブリ。
【請求項13】
前記第2の配向要素が、前記針の長さの一部に沿って延びるスロットを含み、前記第1の配向要素が、前記ガイドワイヤーから外側に突出するタブを含む、請求項12に記載のアクセス針アセンブリ。
【請求項14】
前記針をガイドワイヤー上を近位方向に引き込むとき、前記傾斜部が前記スロットの遠位端に係合して、前記針の遠位端から前記タブが出てくるまで、前記タブを折り曲げて前記針内を通過させるように、前記タブが、前記シャフトと前記タブとの係合を容易にするための傾斜部を有する、請求項12または13に記載のアクセス針アセンブリ。
【請求項15】
前記第2の配向要素が、前記針の長さの一部に沿って延びるスロットを含み、前記第1の配向要素が、前記ガイドワイヤーから外側に突出するタブであって、前記針がガイドワイヤー上を近位方向に引き抜かれるとき、ガイドワイヤーから切断されるように構成された前記タブを含む、請求項12~14のいずれか1項に記載のアクセス針アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は内視鏡針に関し、特に、超音波内視鏡(EUS)ガイド下アクセス針に関する。
【背景技術】
【0002】
中空針は、腸管腔などの標的の生体構造にアクセスし、針内腔内を通過してガイドワイヤーを標的の生体構造内に導入して、たとえば、ステント留置をガイドするために、EUSガイド下手技に使用される。ガイドワイヤーは、針先端部から遠位方向に延ばすとき、様々な位置で複数の方向に曲げられる場合があるため、医師が針の中にガイドワイヤーを引き込もうとするとき、ガイドワイヤーが針の鋭利な縁または先端部に引っ掛かり、ガイドワイヤーが外れる虞がある。はずれた材料は、生体構造内に取り残されたり、ガイドワイヤーの金属線の芯が露出して電気的な安全性に問題が生ずる場合がある。
【発明の概要】
【0003】
本発明は、ガイドワイヤーをその中に摺動可能に受け入れるようなサイズおよび形状の内腔を有し、かつ中空シャフトの鋭利な最遠位先端部から、鋭利な先端部に対して近位側且つ横方向に設けられたシャフトの傾斜平滑部まで近位且つ遠位方向に延びる傾斜面を含む遠位端を有する中空シャフトを含むアクセス針に関し、ガイドワイヤーを針内に近位に引き込むとき、傾斜平滑部は、傾斜平滑部をガイドワイヤーに対して摺動可能に係合させて、ガイドワイヤーの摩耗を最小限に抑えるべく、針の遠位端から遠位方向に延びるガイドワイヤーに摺動可能に係合するように配置されている。
【0004】
一実施形態では、シャフトの遠位端は、鋭利な先端部から近位方向に延びる鋭利な切断面を含み、傾斜平滑部は、湾曲部に沿って針の遠位端から延びるガイドワイヤーを針に対して所望の方向に針に引き込むとき、湾曲部に沿って径方向内側面を形成するガイドワイヤーの表面が針の傾斜平滑部に接触するように配置される。
【0005】
一実施形態では、シャフトの遠位端は、最遠位先端部から第1移行部まで延びる第1の鋭利な切断面と、第1移行部から第2移行部まで延びる第2の鋭利な切断面とを含み、第1の鋭利な切断面は、最遠位先端部でシャフトの縦断面に対して第1の角度で延びるとともに第1移行部でシャフトの縦断面に対して第2角度に湾曲しており、第2の切断面は、シャフトの縦断面に対して第3の角度を有する。
【0006】
一実施形態では、シャフトの遠位端は、最遠位先端部から第3移行部まで延びる第3の鋭利な切断面と、第3移行部から第4移行部まで延びる第4の鋭利な切断面とを含み、第3の鋭利な切断面は、最遠位先端部でシャフトの縦断面に対して第4の角度で延びるとともに第3移行部でシャフトの縦断面に対して第5の角度に湾曲しており、第4の鋭利な切断面は、シャフトの縦断面に対して第6の角度で延びる。
【0007】
一実施形態では、第1、第2の鋭利な切断面は、第3、第4の鋭利な切断面に関する針の中央平面に対してほぼ対称である。
一実施形態では、第1の角度は0~10度の第1範囲にあり、第2の角度は20~50度の第2範囲にあり、第3の角度は10~30度の第3範囲にある。
【0008】
一実施形態では、傾斜平滑部は、鋭利な先端部に対して近位側且つ横方向に中点を有するU字型表面で形成されており、前記U字型表面は、シャフトの横断面に対して平行な中点で湾曲部を有する。
【0009】
一実施形態では、傾斜平滑部は、シャフトの外側面に外側傾斜部を含み、シャフトの内側面に内側傾斜部を含む。
一実施形態では、シャフトは、針に対して所望の回転方向にガイドワイヤーを保つために、シャフト内に挿入されたガイドワイヤーの対応する要素に機械的に係合するように構成された、シャフトの遠位部に沿って延びる要素を含む。
【0010】
一実施形態では、シャフトの要素は、ガイドワイヤーから径方向に延びるタブを受け入れるように構成された針の長さの一部に沿って延びるスロットを含む。
本発明は、また、第1の配向要素を含む固定ガイドワイヤーと、ガイドワイヤーをその内部に摺動可能に受け入れるようなサイズおよび形状の内腔を有する中空シャフトであって、このシャフトの鋭利な最遠位先端部から鋭利な先端部に対して近位側横方向に設けられたシャフトの傾斜平滑部まで近位且つ遠位方向に延びる切断面を含む遠位端を有する中空シャフトを有するアクセス針と、を備えるアクセス針に関し、傾斜平滑部は、ガイドワイヤーが針内に近位方向に引き込まれるとき、ガイドワイヤーに摺動可能に係合してガイドワイヤーに対する摩耗を最小限にすべく、針の遠位端から遠位方向に延びるガイドワイヤーに摺動可能に係合するように配置されており、アクセス針は、第1の配向要素に機械的に係合してアクセス針に対して所望の回転方向にガイドワイヤーを保持するように構成された、ガイドワイヤーの遠位部に沿って延びる第2の配向要素をさらに備える。
【0011】
一実施形態では、第2の配向要素は、針の長さの一部に沿って延びるスロットを含み、第1の配向要素は、ガイドワイヤーから外方に突出するタブを含む。
一実施形態では、針をガイドワイヤー上で近位方向に引き込むとき、傾斜部がスロットの遠位端に係合して、針の遠位端からタブが出てくるまで、タブを折り曲げ、針を通過させるように、タブは、シャフトとタブとの係合を容易にするための傾斜部を有する。
【0012】
一実施形態では、第2の配向要素は、針の長さの一部に沿って延びるスロットを含み、第1の配向要素は、ガイドワイヤーから外方に突出するタブを含み、タブは、針がガイドワイヤー上を近位に引き抜かれるとき、ガイドワイヤーから切断されるように構成されている。
【0013】
一実施形態では、ガイドワイヤーは、ポリマーコーティングを備えたニチノールコアを有する。
本発明は、アクセス針の遠位端から遠位側にガイドワイヤーを延ばす工程において、アクセス針は、その中にガイドワイヤーを摺動可能に収容するようなサイズおよび形状の内腔を有する中空シャフトを含み、針の遠位端は、シャフトの鋭利な最遠位先端部から鋭利な先端部に対して近位側に横方向に設けられたシャフトの傾斜平滑部まで近位且つ横方向に延びる切断面を含む、前記アクセス針の遠位端から遠位側にガイドワイヤーを延ばす工程と、傾斜平滑部を摺動可能にガイドワイヤーに係合させてガイドワイヤーの摩耗を最小限に抑えるべく、ガイドワイヤーを近位方向に針の中に後退させる工程とを含む方法に関する。
【0014】
一実施形態では、本方法は、ガイドワイヤーを針の中に後退させるとき、湾曲部の径方向内側部を形成するガイドワイヤー表面の一部が傾斜平滑部に接触するようにガイドワイヤーの湾曲部を配置するために、アクセス針の長手方向軸に対してガイドワイヤーを回動させる工程をさらに含む。
【0015】
一実施形態では、ガイドワイヤーは、針の遠位先端部が形成された針の側から離間する方向に、湾曲した遠位端が湾曲するように、超音波ガイド下で回動される。
一実施形態では、シャフトの遠位端は、鋭利な先端部から近位方向に延びる鋭利な切断面を含んでおり、傾斜平滑部は、湾曲部に沿った針の遠位端から外方に延びるガイドワイヤーを針に対して所望の方向に針に引き込むとき、湾曲部に沿った径方向内側面を形成するガイドワイヤーの表面が針の傾斜平滑部と接触するように配置される。
【0016】
一実施形態では、傾斜平滑部は、鋭利な先端部に対して近位側横方向に中点を有するU字型表面によって形成され、U字型表面は、シャフトの横断面に対して平行に中点で湾曲部を有する。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】標的の生体構造を穿刺するための鋭利な遠位先端部と、ガイドワイヤーの滑らかな前進および引き込みのために形成された複数の機械加工面とを備えた遠位端を有するアクセス針を示す図。
【
図2】針座標系とともに
図1のアクセス針を示す図。
【
図3】第1移行部における
図1のアクセス針の遠位端の断面図。
【
図4】第2移行部における
図1のアクセス針の遠位端の断面図。
【
図5】
図1のアクセス針とともに使用するための例示的なガイドワイヤーを示す図。
【
図6】
図1のアクセス針の遠位端の傾斜部分を示す図。
【
図7】アクセス針から延びる
図5の例示的なガイドワイヤーとともに
図1のアクセス針を示す図。
【
図8】ガイドワイヤーが、アクセス針の内側傾斜部に係合する、
図7のアクセス針およびガイドワイヤーを示す側面図。
【
図9】
図8のアクセス針およびガイドワイヤーの断面図。
【
図10】ガイドワイヤーが、アクセス針の外側傾斜部に係合する、
図7のアクセス針およびガイドワイヤーを示す側面図。
【
図11】第2の例示的な実施形態にかかる、長手方向スロットを備えたアクセス針と、整合タブを備えたガイドワイヤーとを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明は、同一要素に同一参照番号が付されている以下の説明および添付の図面を参照することによってさらに理解できる。例示的な実施形態は、ガイドワイヤーを損傷することなくガイドワイヤーの前進または後退を容易にするために平滑表面を備えた針を有する装置を説明する。例示的な装置は、ガイドワイヤーを針先端部に形成されたより鋭利な縁でなく滑らかに研磨された表面と相互作用させるように針内でガイドワイヤーを整合するための手段を含み得る。
【0019】
図1は、標的の生体構造を穿刺するための鋭利な遠位先端部104と、遠位端102からのガイドワイヤー150の滑らかな前進、および遠位端102に戻す滑らかな引き込みを容易にするように形成された複数の機械加工面とを備えた遠位端102を有するアクセス針100の遠位端を示す。針100は、内部を通過して遠位端102から遠位方向に延びるように、ガイドワイヤー150を摺動可能に収容するようなサイズおよび形状を有する中空シャフト124として形成される。針100は、たとえばニチノール合金、コバルトクロム合金、ステンレス鋼などの任意の適切な材料から形成され得る。ガイドワイヤー150は、内視鏡などの挿入装置が、たとえば内視鏡などの挿入装置が自然の体管腔を通って標的の組織構造にアクセスする、蛇行経路を複数回曲がるように構成されていてもよい。さらに、ガイドワイヤーは、組織を固定できる鋭利な遠位端を有する固定ガイドワイヤーであってもよい。
【0020】
本実施形態では、
図5に示すように、ガイドワイヤー150は、非拘束状態にあるとき、2つの湾曲部154を有する湾曲形状をなすようにあらかじめ形成された湾曲端部152を有する。各湾曲部154は、拘束されていないとき、ガイドワイヤー150の遠位先端部156が、湾曲端部152に対して近位側のガイドワイヤー150の一部の長手方向軸に対して約270度までの角度をなす方向に指向するように、同じ曲げ方向で約135度までの角度で湾曲する。しかしながら、別の曲率を有するガイドワイヤーを使用してもよい。ガイドワイヤー150は、湾曲部154の一方または双方がシャフト124に引き込まれるとき、中空シャフト124の内側が延びる経路に沿って湾曲端部152が従うことができるように十分な可撓性を有する。ガイドワイヤー150は、たとえば、ポリマーコーティングで覆われたニチノールコアを有し得る。
【0021】
ワイヤー150の湾曲端部152が針100の遠位先端部102から外方に遠位側に延びるとき、すなわち、シャフト124の内径によって湾曲端部152が拘束されていないとき、ガイドワイヤー150の遠位先端部156は、非拘束状態に復帰する。しかしながら、ガイドワイヤー150は、本明細書では例示的な目的でのみ使用されており、アクセス針100とともに任意のガイドワイヤーを使用してもよい。たとえば、ガイドワイヤーは、様々な曲げ方向で様々な位置で湾曲していてもよいし、より多い、もしくはより少ない湾曲部を有していてもよい。当業者であれば、湾曲端部の径方向内側部は、針の内腔に再度入るために針の鋭利な端部上を引きずられるため、遠位端に大きな湾曲を備えたガイドワイヤーは、従来の針に引き込まれる際に、損傷を受ける可能性が最も高いことが理解できる。当業者であれば理解できるだろうが、あらかじめ形成された湾曲状遠位端を備えたガイドワイヤーは、多くの場合固定ガイドワイヤーとして用いられる。したがって、このタイプのガイドワイヤーは、湾曲した遠位端を実質的に直線状に保つ針または他の挿入装置を用いて標的構造に挿入されてもよい。さらに、ガイドワイヤーは、任意の所望の構造のものであってもよい。
【0022】
標的構造にアクセスしたとき、ガイドワイヤー150は、針100から遠位方向に進行して(または針100をガイドワイヤー150上で近位方向に引き抜いて)、湾曲端部152を解放して、湾曲姿勢をとり得る。この湾曲した状態では、ガイドワイヤー150は、その内部を通過して標的の組織構造に入った開孔部から近位方向に通過することはできなくなり、したがって標的構造内に固定される。次いで、針100は、ガイドワイヤー150上を近位方向に引き抜かれて、次いで、ガイドワイヤーは、ガイドワイヤー150上で他の治療装置(たとえばステントなど)を標的構造内へ挿入するための経路を設けるために用いられてもよい。
【0023】
手術が完了したとき、針100はガイドワイヤー150上を標的構造内に遠位方向に再度進められる。この時点で、ガイドワイヤー150は針100内に近位方向に引き抜かれ、その操作の間、針100の内腔の壁とガイドワイヤー150との間の接触は、ガイドワイヤーを拘束して針100の内腔の経路に復帰させる。次いで、内部にガイドワイヤーを収容した針100を体内から引き抜き得る。本実施形態の針は、針の内腔内に近位方向に引き抜く間のガイドワイヤーの損傷を最小限に抑制、または排除することに関する。
【0024】
針100の遠位端102の開口部は、中空シャフト118に切り込まれた複数の機械加工面によって画定される。開口部は、第1部分106、第2部分110および第3部分116によって画定される。これらの部分は、
図2に示すように、第1縦断面AC、第2縦断面BCおよび横断面ABを画定する軸である長手方向軸A、第1横軸Bおよび第2横軸Cを備えた針座標系に対して下記の方法で画定される。
【0025】
遠位端102は、針座標系の原点、すなわちアクセス針100の最遠位位置において鋭利な、組織を貫通する遠位先端部104を有する。本実施形態では、針100の遠位端102の開口部は、AC平面の両側の第1、第2および第3部分が互いに鏡像であるように、遠位先端部104に対してほぼ対称である。第1部分106は、針100の円筒壁内に遠位先端部104から近位および横方向に延びる第1切断面によって画定される。
【0026】
第1切断面は、遠位先端部104において、BC平面に対して、第1の角度で始まり、第1の角度は、約0度~10度、すなわち、BC平面に対してほぼ平行または平行に近い角度であり、
図1に示し、
図8でさらに明確に示すように、第1移行部108において、BC平面に対して徐々に第2角度まで急勾配になる。たとえば、第2角度、すなわち第1移行部108におけるBC平面に対する第1部分106の切断面の角度は、約20度~50度であり得る。これにより、第1切断面は、針100の長手方向軸に対してほぼ平行をなす浅い最遠位側の角度から、第1移行部108における長手方向軸に対してより深い角度まで進む湾曲した第1部分106を生じる。上記のように、本実施形態の第1切断面は、遠位先端部104の両側でほぼ対称である。
【0027】
第2部分110は、第1移行部108から第2移行部112まで近位方向に且つ横方向に延びる第2切断面によって画定され、第3切断面は、第2移行部112から第3移行部114まで近位方向にのみ、すなわちBC平面にほぼ平行に延びる。第2切断面はBC平面に対して第3角度を有し、第3角度は、第1移行部108から第2移行部112までほぼ一定である。たとえば、第3角度、すなわちBC平面に対する第2切断面の角度は、約10度~30度であってもよい。ここで、第2および第3切断面は、針100の両側に反映される。第1移行部108での針100の断面図は
図3に示されており、第2移行部112での針100の断面図は
図4(これは第3移行部114における針100の断面図と同じである)で示されている。
【0028】
第1、第2および第3角度は、本発明の範囲から逸脱することなく、上記の例示的な角度とは異なっていてもよい。第1部分106および第2部分110の形状は、生体内の標的部位から組織を穿刺したり捕捉したりするために構成されている。したがって、第1、第2および第3切断面によって生じる針100の縁は鋭利にされている。
【0029】
第3部分116は、第3移行部114から近位方向に且つ横方向に延びる第4切断面によって画定される。第4切断面は切断面全体にわたってA軸に対して平行をなし、AC平面に対して様々な角度を有し、第3部分116においてほぼU字型の空洞を形成する。第4切断面は、AC平面に対して第4角度で第3移行部114において始まり(これは約0度で始まる)、第4切断面が中点118、すなわち切断遠位端102における最近位側位置に達するまで徐々に90度まで角度が増加する。中点における第4切断面の角度は、AB平面に対してほぼ平行をなし、AC平面に対して直交する。ここで、第4切断面は、AC平面に対してほぼ対称である。それ以上の機械加工を行わないとき、第4切断面は、シャフト124の内面および外面上に鋭利な縁を生じるであろう。
【0030】
ステントを挿入する手術またはランデブー(rendezvous)手術などの内視鏡下手術の間、
図5に示すガイドワイヤー150などのガイドワイヤーを、標的の生体空間に導入して、針100から遠位方向に進めてもよい。これにより、ガイドワイヤー150は、ガイドワイヤーを標的空間に固定する非拘束湾曲姿勢に復帰することが可能になる。手術が完了し、体内からガイドワイヤー150を引き出したい場合、使用者は、針100の遠位先端部104が標的空間に入るまで、ガイドワイヤー150上に針100を挿入する。次いで、使用者は、ガイドワイヤー150の湾曲端部152を針100の遠位端102の中に後退させて近位に引き込む。上記のように、ガイドワイヤー150が、鋭利な組織切断面上を引きずられるように引っ張られて針100内に後退される場合、ガイドワイヤー150は損傷を受ける可能性がある。
【0031】
上記リスクを軽減するために、例示的な実施形態では、針100は、第1、第2、第3および第4切断面が形成された後、さらに機械加工される。
図6に示すように、遠位端102は、これらの表面とガイドワイヤー150との間の接触の影響を最小限に抑えるために、第3部分116の外面上の鋭利な縁を平滑化した外側傾斜部120と、第3部分116の内面上の鋭利な縁を平滑化した内側傾斜部122とを有する。外側傾斜部120および内側傾斜部122の両方の曲率半径は0インチ~約0.010インチであり得る。さらに、外側傾斜部120および内側傾斜部122は、それぞれ、新たな鋭利な縁の形成を避けるために約45度の曲率を有する。他の実施形態において、外側傾斜部120および内側傾斜部122は、外側半径部および内側半径部、外側面取り部および内側面取り部、または外側フィレット部および内側フィレット部であってもよい。さらに、第3部分116は、傾斜部、半径部、面取り部およびフィレット部の組み合わせ(たとえば外面の鋭利な縁がフィレットで、内面の鋭利な縁が傾斜部)を有していてもよい。
【0032】
図7は、ガイドワイヤー150を備えた
図1の針100を示し、ガイドワイヤー150の湾曲端部152が遠位端102から外方に遠位方向に延びている。
図8~
図10は、その引き込み時におけるガイドワイヤー150と遠位端102との例示的な相互作用を示す。本実施形態では、ガイドワイヤー150は、針のB軸を中心として湾曲しており、ガイドワイヤー150が針100に引き込まれるとき、遠位端102の第3部分116内に画定された表面を横切って引かれ、第1部分106および第2部分110、それぞれのより鋭利な表面上を引かれないことを確実にしている。
図9に示すように、ガイドワイヤー150は平滑化した内側傾斜部122上を引かれ、したがってガイドワイヤー150が引き込み時に外れるリスクを軽減する。
図10に示すように、ガイドワイヤー150の曲率半径が小さいとき、ガイドワイヤー150と傾斜部120、傾斜部122との間の相互作用は増加するため、ガイドワイヤー150は外側傾斜部120の上を引かれる可能性もある。
【0033】
ガイドワイヤーを傾斜した第3部分116のみと接触させ、鋭利な第1部分106または第2部分110とは接触させないために、ガイドワイヤーが針100内で回動が適切に調整されることを確実にする必要がある。言い換えれば、引き込み時のガイドワイヤー150の湾曲は、ガイドワイヤー150の湾曲が大略的にAC平面内に延び、ガイドワイヤー150が、遠位先端部104が形成される針100の側面から離れて湾曲するように方向付けられる必要がある。ガイドワイヤーがより複雑な湾曲(たとえば複数の平面に延びる湾曲)を有する場合、使用者は、上記のように、その時針100に入っている部分をAC平面に指向するために、ガイドワイヤー150または針100を超音波可視化下で他方に対して回動させてもよい。これにより、ガイドワイヤー150は、針100に入るとき、第3部分116に常に接触する。
【0034】
針100およびガイドワイヤー150は、超音波ガイド下でそれらの可視化を高めるための要素を有していてもよく、それによって、操作する医師は、要素の方向をモニターすることによって針100およびガイドワイヤー150の適切な整合が達成されることを確実にしてもよい。たとえば、針100およびガイドワイヤー150はエコー源性材料から形成されてもよい。しかしながら、直接可視化することなく引き抜かれ得る可能性もある。したがって、代替方法で要素の適切な整合を確実にしてもよい。
【0035】
図11~
図12は、その中空シャフト202内に長手方向スロット204を有するアクセス針200を示す。アクセス針200は、ガイドワイヤー250を針200からの遠位方向へ前進させたり、針の中へ近位方向に引き込んだりする時に、長手方向スロット204内を移動するようなサイズおよび形状に構成された、径方向外方に突出する(たとえばワイヤー250上に溶接または被覆された)タブ252を有するガイドワイヤー250とともに使用してもよい。タブ252は、スロット204によって横方向運動が制限されている。言い換えれば、タブ252とスロット204との間の相互作用は、手術を通じてアクセス針200に対して選択された回動配置にガイドワイヤー250を保持する。
【0036】
本実施形態では、スロット204は、針200の遠位端206で閉鎖されている。しかしながら、他の実施形態において、スロット204は遠位端206で開放されていてもよい。それによって、ガイドワイヤー250の湾曲部が針200の傾斜部分のみと相互作用することを確実にしてもよい。当業者であれば、本スロットは、ガイドワイヤー250の針200内への引き抜き時に、常に、針200に対して所望の配置にガイドワイヤー250の遠位端を回動させることを確実にするために、より複雑なガイドワイヤー形状の湾曲部に対応する形で湾曲していてもよいことが理解できる。
【0037】
いくつかの手術では、ガイドワイヤー250が標的の生体構造に固定された後、針200はガイドワイヤー250の近位側に引っ張り出される。タブ252の存在は、針200がその上を通過することを可能にするように設計されていない場合、針200のこのような引き抜きを防止することができる。当業者には理解されるように、タブ252は、針200がガイドワイヤー250の近位側に引っ張り出されるときに、折れるように設計されていてもよい。他の実施形態において、タブ252は、針200の遠位端206を出るまで、圧縮して針200の内腔の遠位端を通過するように設計されていてもよい。次いで、針200をガイドワイヤー250の近位側に摺動させ、体内から取り外してもよい。たとえば、針がガイドワイヤー250上を近位方向に引かれて、タブ252がスロット204の遠位端の遠位側で針200の一部の下を通過した時、タブ252が折れ曲がって針200の内腔内で圧縮されるように、スロット204の遠位端に到達した時、タブ252の先端の折り畳みを容易にする傾斜部254を有してもよい。
【0038】
当業者であれば、本発明の概念から逸脱することなく、上記の実施形態に変更を加えてもよいことを理解するであろう。本実施形態の1つに関連する構造的特徴および方法を他の実施形態に組み込むことができることもさらに理解するであろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されず、むしろ、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲に変更も含まれることが理解される。
【手続補正書】
【提出日】2024-07-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内部にガイドワイヤーを摺動可能に収容するサイズおよび形状の内腔を有する中空シャフトであって、前記中空シャフトの鋭利な最遠位先端部から、前記最遠位先端部に対して近位側に設けられた前記中空シャフトの傾斜平滑部まで近位方向に延びる傾斜面を含む遠位端を有する中空シャフトを備え、前記傾斜平滑部は、前記中空シャフトの外面で外側傾斜部を含むとともに、前記中空シャフトの内面で内側傾斜部を含み、前記傾斜平滑部は、前記ガイドワイヤーが近位方向にアクセス針内に引き込まれるとき、前記中空シャフトの前記遠位端から遠位方向に延ばされた前記ガイドワイヤーに対して摺動可能に係合するように配置されている、アクセス針。
【請求項2】
前記中空シャフトの前記遠位端は、前記最遠位先端部から近位方向に延びる鋭利な切断面を含み、前記傾斜平滑部は、前記中空シャフトの前記遠位端から延びる前記ガイドワイヤーが前記アクセス針に対して所望の方向に前記アクセス針の中に引き込まれるとき、前記ガイドワイヤーの湾曲端部の内面が前記アクセス針の前記傾斜平滑部に接触するように配置されている、請求項1に記載のアクセス針。
【請求項3】
前記中空シャフトの前記遠位端の開口部は、前記中空シャフトに切り込まれた複数の機械加工面によって画定され、前記開口部は、第1部分、第2部分および第3部分によって画定され、
前記第1部分は、前記アクセス針の円筒壁内に前記最遠位先端部から近位方向に延びる第1切断面によって画定され、前記第1切断面は、前記最遠位先端部において第1角度で始まり、前記第1角度とは異なる第2角度まで徐々に急勾配になり、第1移行部において終端し、
前記第2部分は、前記第1移行部から第2移行部まで近位方向に延びる第2切断面と、前記第2移行部から第3移行部まで近位方向に延びる第3切断面とによって画定され、前記第2切断面は、第3角度で始まり、前記第1移行部から前記第2移行部まで前記第3角度を維持し、
前記第1切断面、前記第2切断面、および前記第3切断面から形成される前記中空シャフトの縁は、鋭利である、請求項1または2に記載のアクセス針。
【請求項4】
前記第3部分は、前記第3移行部から前記中空シャフトの中点まで近位方向に延びる第4切断面によって画定され、前記第4切断面は、前記第3移行部において第4角度で始まり、前記第4角度は、前記第4切断面が前記中点に達するまで徐々に増加し、前記中点は、前記中空シャフトに切り込まれた前記複数の機械加工面のうちのいずれかの最近位点によって画定される、請求項3に記載のアクセス針。
【請求項5】
前記中空シャフトの前記遠位端の前記開口部は、前記最遠位先端部に対して中心合わせされて配置されており、これによって前記第1切断面および前記第2切断面は、前記最遠位先端部の両側に実質的に対称となるように配置される、請求項4に記載のアクセス針。
【請求項6】
前記第1角度が0~10度の第1範囲にあり、前記第2角度が20~50度の第2範囲にあり、前記第3角度が10~30度の第3範囲にある、請求項3に記載のアクセス針。
【請求項7】
前記傾斜平滑部が、前記第3部分に形成されたU字型表面によって画定される、請求項3に記載のアクセス針。
【請求項8】
前記中空シャフトが、ニチノール合金、コバルトクロム合金およびステンレス鋼の1つから形成される、請求項1~6のいずれか1項に記載のアクセス針。
【請求項9】
前記中空シャフトが、前記アクセス針に対して所望の回動方向に前記ガイドワイヤーを保持するために、前記中空シャフトの内部に挿入される前記ガイドワイヤーの対応する要素に対して機械的に係合し、かつ前記中空シャフトの遠位部に沿って延びる要素を含む、請求項1~6のいずれか1項に記載のアクセス針。
【請求項10】
前記中空シャフトの遠位部に沿って延びる前記要素は、前記中空シャフトの一部に沿って延びる長手方向スロットを含み、前記長手方向スロットは、前記ガイドワイヤーから径方向に延びるタブを受け入れるように構成される、請求項9に記載のアクセス針。
【請求項11】
前記傾斜平滑部は、前記最遠位先端部から前記第3移行部まで第4角度で延びる切断面によって部分的に画定され、前記第4角度は、前記傾斜平滑部の遠位端における約0度から前記傾斜平滑部の最近位端における約90度まで徐々に増加する、請求項3に記載のアクセス針。
【請求項12】
第1の配向要素を含む固定ガイドワイヤーと、
内部に前記ガイドワイヤーを摺動可能に収容するサイズおよび形状の内腔を有する中空シャフトであって、前記中空シャフトの鋭利な最遠位先端部から、前記中空シャフトの傾斜平滑部まで近位方向に延びる切断面を含む遠位端を有する前記中空シャフトを含むアクセス針と、を備え、前記傾斜平滑部は、前記ガイドワイヤーが近位方向に前記アクセス針内に引き込まれるとき、前記中空シャフトの前記遠位端から遠位方向に延ばされた前記ガイドワイヤーに対して摺動可能に係合するように配置されており、前記アクセス針は、前記アクセス針に対して所望の回動方向に前記ガイドワイヤーを保持するために、前記第1の配向要素に対して機械的に係合するように構成された、前記アクセス針の遠位部に沿って延びる第2の配向要素をさらに含む、アクセス針アセンブリ。
【請求項13】
前記第2の配向要素が、前記中空シャフトの一部に沿って延びる長手方向スロットを含み、前記第1の配向要素が、前記ガイドワイヤーから外側に突出するタブを含む、請求項12に記載のアクセス針アセンブリ。
【請求項14】
前記タブは、前記中空シャフトと前記タブとの係合を容易にするために傾斜部を有し、前記アクセス針を前記ガイドワイヤー上で近位方向に移動させたとき、前記傾斜部が前記長手方向スロットの遠位端に係合し、前記タブは、前記アクセス針の遠位端から前記タブが出てくるまで折り曲げられて前記アクセス針内を通過する、請求項13に記載のアクセス針アセンブリ。
【請求項15】
前記第2の配向要素が、前記中空シャフトの一部に沿って延びる長手方向スロットを含み、前記第1の配向要素が、前記ガイドワイヤーから外側に突出するタブであって、前記アクセス針を前記ガイドワイヤー上で近位方向に移動させたとき、前記ガイドワイヤーから切断されるように構成された前記タブを含む、請求項12に記載のアクセス針アセンブリ。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0038】
当業者であれば、本発明の概念から逸脱することなく、上記の実施形態に変更を加えてもよいことを理解するであろう。本実施形態の1つに関連する構造的特徴および方法を他の実施形態に組み込むことができることもさらに理解するであろう。したがって、本発明は、開示された特定の実施形態に限定されず、むしろ、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲に変更も含まれることが理解される。
本開示に含まれる技術的思想を以下に記載する。
(付記1)
内部にガイドワイヤーを摺動可能に収容するサイズおよび形状の内腔を有するとともに、中空シャフトの鋭利な最遠位先端部から、前記最遠位先端部に対して近位側横方向に設けられた中空シャフトの傾斜平滑部まで延びる傾斜面を含む遠位端を有する中空シャフトを備え、前記傾斜平滑部は、前記ガイドワイヤーが近位方向にアクセス針内に引き込まれるとき、前記傾斜平滑部が前記ガイドワイヤーに対して摺動可能に係合して前記ガイドワイヤーの摩耗を最小限に抑えるように、前記アクセス針の遠位端から外方に遠位方向に延びるガイドワイヤーに対して摺動可能に係合するように配置されている、アクセス針。
(付記2)
前記シャフトの遠位端が、前記最遠位先端部から近位方向に延びる鋭利な切断面を含み、湾曲部に沿って前記アクセス針の遠位端から外方に延びるガイドワイヤーが前記アクセス針に対して所望の方向に前記アクセス針の中に引き込まれるとき、前記湾曲部に沿って径方向内周面を形成する前記ガイドワイヤーの表面が前記アクセス針の前記傾斜平滑部に接触するように前記傾斜平滑部が配置される、付記1に記載のアクセス針。
(付記3)
前記シャフトの遠位端が、前記最遠位先端部から第1移行部まで延びる第1の鋭利な切断面と、前記第1移行部から第2移行部まで延びる第2の鋭利な切断面とを含んでおり、前記第1の鋭利な切断面が、前記最遠位先端部で前記シャフトの縦断面に対して第1角度をなして延びるとともに、前記第1移行部で前記シャフトの縦断面に対して第2角度をもって湾曲しており、前記第2の鋭利な切断面は、前記シャフトの縦断面に対して第3角度を有する、付記1または2に記載のアクセス針。
(付記4)
前記シャフトの遠位端が、前記最遠位先端部から第3移行部まで延びる第3の鋭利な切断面と、前記第3移行部から第4移行部まで延びる第4の鋭利な切断面とを含んでおり、前記第3の鋭利な切断面が、前記最遠位先端部で前記シャフトの縦断面に対して第4角度で延びるとともに前記第3移行部で前記シャフトの縦断面に対して第5角度に湾曲しており、前記第4の鋭利な切断面は、前記シャフトの縦断面に対して第6角度で延びている、付記3に記載のアクセス針。
(付記5)
前記第1、第2の鋭利な切断面が、前記第3、第4の鋭利な切断面に関する前記針の中央面に対してほぼ対称をなす、付記4に記載のアクセス針。
(付記6)
前記第1角度が0~10度の第1範囲にあり、前記第2角度が20~50度の第2範囲にあり、前記第3角度が10~30度の第3範囲にある、付記3に記載のアクセス針。
(付記7)
前記傾斜平滑部が、前記最遠位先端部に対して近位側横方向の中点を有するU字型表面によって形成されており、前記U字型表面は、前記シャフトの横断面に平行な前記中点で湾曲部を有する、付記1~6のいずれか1つに記載のアクセス針。
(付記8)
前記傾斜平滑部が、前記シャフトの外面で外側傾斜部を含み、前記シャフトの内面で内側傾斜部を含む、付記1~7のいずれか1つに記載のアクセス針。
(付記9)
前記シャフトが、ニチノール合金、コバルトクロム合金およびステンレス鋼の1つから形成される、付記1~8のいずれか1つに記載のアクセス針。
(付記10)
前記シャフトが、前記針に対して所望の回動方向に前記ガイドワイヤーを保持するために、前記シャフトの内部に挿入されるガイドワイヤーの対応する要素に対して機械的に係合し、かつ前記シャフトの遠位部に沿って延びる要素を含む、付記1~9のいずれか1つに記載のアクセス針。
(付記11)
前記シャフトの要素は、前記ガイドワイヤーから径方向に延びるタブを受け入れるように構成された前記針の長さの一部に沿って延びるスロットを含む、付記10に記載のアクセス針。
(付記12)
第1の配向要素を含む固定ガイドワイヤーと、
内部に前記ガイドワイヤーを摺動可能に受け入れるサイズおよび形状の内腔を有する中空シャフトであって、中空シャフトの鋭利な最遠位先端部から、前記最遠位先端部に対して近位側に横方向に設けられた前記シャフトの傾斜平滑部まで延びる切断面を含む遠位端を有する前記中空シャフトを含むアクセス針と、を備え、前記傾斜平滑部は、前記ガイドワイヤーが近位方向にアクセス針内に引き込まれるとき、前記傾斜平滑部が前記ガイドワイヤーに対して摺動可能に係合して前記ガイドワイヤーの摩耗を最小限に抑えるように、前記アクセス針の遠位端から外方に遠位方向に延びる前記ガイドワイヤーに対して摺動可能に係合するように配置されており、前記アクセス針は、前記アクセス針に対して所望の回動方向に前記ガイドワイヤーを保持するために、前記第1の配向要素に対して機械的に係合するように構成された、前記アクセス針の遠位部に沿って延びる第2の配向要素をさらに含む、アクセス針アセンブリ。
(付記13)
前記第2の配向要素が、前記針の長さの一部に沿って延びるスロットを含み、前記第1の配向要素が、前記ガイドワイヤーから外側に突出するタブを含む、付記12に記載のアクセス針アセンブリ。
(付記14)
前記針をガイドワイヤー上を近位方向に引き込むとき、前記傾斜部が前記スロットの遠位端に係合して、前記針の遠位端から前記タブが出てくるまで、前記タブを折り曲げて前記針内を通過させるように、前記タブが、前記シャフトと前記タブとの係合を容易にするための傾斜部を有する、付記12または13に記載のアクセス針アセンブリ。
(付記15)
前記第2の配向要素が、前記針の長さの一部に沿って延びるスロットを含み、前記第1の配向要素が、前記ガイドワイヤーから外側に突出するタブであって、前記針がガイドワイヤー上を近位方向に引き抜かれるとき、ガイドワイヤーから切断されるように構成された前記タブを含む、付記12~14のいずれか1つに記載のアクセス針アセンブリ。