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特開2024-128152情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128152
(43)【公開日】2024-09-20
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/06 20230101AFI20240912BHJP
【FI】
G06Q10/06
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024114121
(22)【出願日】2024-07-17
(62)【分割の表示】P 2022197176の分割
【原出願日】2022-12-09
(31)【優先権主張番号】P 2022131080
(32)【優先日】2022-08-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】500147023
【氏名又は名称】デジタルアーツ株式会社
(72)【発明者】
【氏名】道具 登志夫
(57)【要約】
【課題】社員の業務における進捗管理を適切かつ簡易にすることができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置10は、ユーザが実施する作業の情報を作業情報として記録する作業記録保存部11と、ユーザの作業の対象となる業務の属性を業務情報として予め登録する業務情報登録部12と、ユーザの作業情報を業務情報の属性と照合して、当該作業情報に対応する業務を特定する業務特定部14と、ユーザそれぞれの業務に対する予定作業時間が予め設定されて、作業情報に基づいて特定された業務に対応する作業時間を算出し、当該作業時間と予定作業時間とを比較する業務管理部13と、を備える。
【選択図】図1

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが実施する作業の情報を作業情報として記録する作業記録保存部と、
前記ユーザの作業の対象となる業務の属性を業務情報として予め登録する業務情報登録部と、
前記ユーザの作業情報を前記業務情報の属性と照合して、当該作業情報に対応する業務を特定する業務特定部と、
前記作業情報に基づいて前記ユーザが業務に関連して交流した他のユーザを抽出して、他のユーザとの交流度合いを示す交流度を求めて、当該交流度に基づいて前記ユーザの評価実施者を選択する交流抽出部と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
ユーザが実施する作業の情報を作業情報として記録するステップと、
前記ユーザの作業の対象となる業務の属性を業務情報として予め登録するステップと、
前記ユーザの作業情報を前記業務情報の属性と照合して、当該作業情報に対応する業務を特定するステップと、
前記作業情報に基づいて前記ユーザが業務に関連して交流した他のユーザを抽出して、他のユーザとの交流度合いを示す交流度を求めて、当該交流度に基づいて前記ユーザの評価実施者を選択するステップと、
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項3】
コンピュータが、
ユーザが実施する作業の情報を作業情報として記録するステップと、
前記ユーザの作業の対象となる業務の属性を業務情報として予め登録するステップと、
前記ユーザの作業情報を前記業務情報の属性と照合して、当該作業情報に対応する業務を特定するステップと、
前記作業情報に基づいて前記ユーザが業務に関連して交流した他のユーザを抽出して、他のユーザとの交流度合いを示す交流度を求めて、当該交流度に基づいて前記ユーザの評価実施者を選択するステップと、
を実行することを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、働き方が多様化しており、在宅勤務、いわゆる「テレワーク」と呼ばれる勤務の形態が定着しつつある。
【0003】
テレワークでは、社内の連絡や会議等のコミュニケーションがオンラインツール上で行わるため、社員間のやりとりが簡潔かつ迅速に行われるというメリットがある。
一方で、社員が会社の拠点に集合して業務を実施する従来の働き方と比較して、社員それぞれの日々の業務の状況を把握することが難しい場合がある。従来では、予め定めた勤務のルールに基づいて社員の労務管理を自動化する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-004138号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
社員の多くがテレワークを実施することで業務の効率が向上する一方で、オンライン上では率直な意思疎通が難しい面もあり、社員の多くが複数の業務を担当している中で、業務の具体的な進捗状況をお互いに把握することが難しい場合があった。
【0006】
また、テレワーク中心の勤務形態においても、社員の業績評価を適切に実施する必要があり、上長のみならず社員が相互に評価する多面的な評価が必要になるものの、社員間の業務上でのやり取りの把握が難しく、適切に評価することができる社員(評価を行う同僚社員)を選択することが難しい場合もあった。
【0007】
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、社員の業務における進捗管理を適切かつ簡易にすることができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施形態に係る情報処理装置は、ユーザが実施する作業の情報を作業情報として記録する作業記録保存部と、前記ユーザの作業の対象となる業務の属性を業務情報として予め登録する業務情報登録部と、前記ユーザの作業情報を前記業務情報の属性と照合して、当該作業情報に対応する業務を特定する業務特定部と、前記ユーザそれぞれの業務に対する予定作業時間が予め設定されて、前記作業情報に基づいて特定された業務に対応する作業時間を算出し、当該作業時間と前記予定作業時間とを比較する業務管理部と、を備えることを特徴とする情報処理装置。
【発明の効果】
【0009】
本発明の実施形態により、社員の業務における進捗管理を適切かつ簡易にすることができる情報処理装置、情報処理方法、及び情報処理プログラムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施形態に係る情報処理装置の構成の一例を示す構成図。
図2】ユーザにおける作業記録の一例を示す説明図。
図3】ユーザの作業対象となる業務における業務情報の一例を示す説明図。
図4】ユーザそれぞれに対する業務内容、予定作業時間、作業時間、及び進捗評価等を管理する業務管理データの一例を示す説明図。
図5】本実施形態に係る情報処理装置において、作業記録に基づき作業時間を求めて、作業時間と予定作業時間とを比較する進捗評価の一例を示す説明図。
図6】(A)ユーザ(社員X)とコミュニケーションのあった社員を抽出した交流データの一例を示す説明図、(B)交流データ内の社員から社員Xの評価実施を選択する場合の選択例を示す説明図。
図7】本実施形態に係る情報処理方法の一例を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
図1は、実施形態に係る情報処理装置10を用いてユーザそれぞれの業務の進捗を管理するシステムの全体構成の一例を示す図である。
【0012】
本実施形態に係る情報処理装置10は、ユーザそれぞれの作業情報を記録して、記録された作業情報に基づいて当該ユーザの業務を特定して、業務にかかる作業時間と予定作業時間とに基づいてユーザの業務の進捗管理・業務評価を実施するものである。
【0013】
本実施形態に係る情報処理装置10の具体的な構成について説明する。
情報処理装置10は、作業記録保存部11と、業務情報登録部12と、業務管理部13と、業務特定部14と、評価データ保存部15と、交流抽出部16と、を備えている。
【0014】
なお、情報処理装置10を構成する各ユニットの機能は、所定のプログラムコードを、プロセッサを用いて実行することによって実現しても良く、このようなソフトウェア処理に限らず、例えば、ASIC等を用いたハードウェア処理で実現してもよいし、ソフトウェア処理とハードウェア処理とを組み合わせて実現してもよい。
【0015】
ユーザ端末20は、企業や団体等に属する社員が業務で使用するPC、スマホ、タブレット端末などの端末を示しており、情報処理装置10とネットワークを介して通信可能な端末である。なお、図1では、ユーザ端末20(20a,20b,20c)の3つで記載しているが、この構成限定されるものではない。情報処理装置10はユーザ端末20のそれぞれと通信可能に接続されて、作業情報等の各種のデータが送受信される。
【0016】
作業記録保存部11は、ユーザ端末20においてユーザが実施する作業の情報を作業情報として記録する。
【0017】
作業情報とは、作業の実施時間、作業にかかるアプリケーション(文書作成アプリケーション、プログラム作成アプリケーション、メールソフトウェア等)、作業対象のデータの情報(例えばファイル、ファイル名、ファイルの拡張子)等、端末上でのユーザが実行している具体的な作業に関係する情報を意味する。作業情報は、ユーザ端末20から情報処理装置10に随時送信されて、作業記録保存部11に記録されていく。作業情報は、作業単位で記録されるものであり、例えば同一のアプリケーションが実行されて操作されている場合には、同一の作業情報として記録されて、操作されるアプリケーションが変わった場合には、別の作業情報として記録される。
【0018】
また、ユーザ端末20のユーザが、オンラインツールによるチャット、Web会議を実施している場合には、利用しているオンラインツールとともにチャット等のやりとり行っている送信相手やWeb会議をしている相手、オンラインツール上で送受信したデータの情報(例えばファイル、ファイル名、ファイルの拡張子)を作業情報として記録する。ユーザ端末20のユーザが、Webアクセスしている場合には、アクセス先のURL情報を作業情報として記録してもよい。
【0019】
さらに作業情報として、ユーザにおける休憩、休暇等の勤怠に関する申請情報を記録してもよい。また、作業情報として、ユーザが通勤や出張時に利用する交通系ICカードの利用記録を保存してもよい。交通系ICカードの利用記録により、ユーザの移動時間を特定することができ、勤怠の申請情報等を用いてユーザの勤務時間を判別することができる。
【0020】
さらに、ユーザが保有するユーザ端末20の位置情報を取得して、その位置情報が取得された時間と紐づけて作業情報として記録してもよい。なお、位置情報は随時取得される。
【0021】
作業記録保存部11は、ユーザ端末20のそれぞれから取得した作業情報を、ユーザごとに時系列に並べて、一日単位の作業記録(作業ログ)として保存してもよい。作業記録は、ユーザごとに毎日収集されて記録される。
【0022】
図2は、ユーザにおける作業記録の一例を示す説明図である。
図2に示すように、作業記録保存部11には、社員の情報(社員ID等)に関連付けて作業情報が時系列に記録されている。図2では、2022年12月7日の社員Xの作業情報が記録されており、作業にかかるアプリケーション、作業対象となるデータ、コミュニケーションツールの相手先、アクセス先のURL、勤怠情報に関する申請データが作業ごとに記録されている。図2の最右段の業務IDは、業務特定部14において業務情報に基づいて特定された業務のIDである。業務特定部14における業務の特定方法については後述する。
【0023】
業務情報登録部12は、ユーザの作業対象となる業務の属性を業務情報として予め登録する。業務情報は、業務のそれぞれを識別する業務ID、業務名、業務の作業期間、業務を担当する担当者、業務の内容、業務に関係するキーワード等、業務を特定するために必要な情報を意味する。また、特定の場所で実施されるような業務については、位置情報(または所定の位置範囲)を業務情報として登録してもよい。業務情報は、情報処理装置10の管理者や情報処理装置10へのアクセス権限を有する上位の職位者等により登録される。
【0024】
図3は、ユーザの作業対象となる業務の業務情報の一例を示す説明図である。
図3に示すように、業務情報として、ユーザが実施する業務のそれぞれに対して、業務を識別する業務ID、業務の名称、業務の作業期間、業務を担当する担当者、業務の内容、業務に関係するキーワードが登録されている。例えば業務ID:0111のソフトウェア開発Aについて、担当者、業務の内容、ソフトウェア開発Aに関連するキーワードが登録されている。
【0025】
業務特定部14は、ユーザの作業情報を業務情報の属性と照合して、当該作業情報に対応する業務を特定する。
【0026】
具体的には、作業記録保存部11に記録されたユーザの作業情報を業務情報の属性と照合し、作業情報の各データについて業務情報の属性に一致する場合(一部が一致するものあってもよい)には、ユーザの実施している業務は当該業務情報に対応するものとして特定する。なお、作業情報について複数の業務における業務情報と一致する場合には、一致する業務情報の属性が多い方を業務として特定する。業務特定部14は、記録されている作業情報に対して業務の特定作業を行う。
【0027】
なお、ユーザの作業情報と業務情報の属性との照合により、作業情報に対応する業務を特定できない場合には、ユーザ端末20のユーザにその旨を通知して、業務内容の申告を受け付けてもよい。また、ユーザが実施する業務に対して標準業務を設定し(複数の業務がある場合にはいずれか一つを標準業務に設定)、作業情報に対応する業務を特定できない場合に、標準業務の作業をしていると推定して判別してもよい。
【0028】
また、ユーザ端末20のユーザが、スケジュール管理用のソフトウェアを利用している場合には、作業情報に対応する業務を特定できない時間帯について、当該ソフトウェアのスケジュール情報に基づいて業務を判定してもよい。
【0029】
例えば、図2の社員Xの作業記録において、9時から10時の作業情報として、作業アプリケーションはチャット、データはファイルA、相手はY及びZと記録されている。この作業情報を、社員Xの業務情報(図3参照)と照合した場合に、業務ID:0111の担当者としてY、Zが登録されており、キーワードとしてAが登録されており、担当者、キーワードが作業情報のデータと一致する。このため、9時から10時の作業情報の業務として業務ID:0111が特定される。
【0030】
業務管理部13は、ユーザそれぞれの業務に対する進捗を管理するものであり、ユーザに対して割り当てられた業務の予定作業時間、作業期間(作業開始日(または作業開始時間)から作業終了日(または作業終了時間))が予め設定されている。業務管理部13は、作業情報に基づいて特定された業務に対応する作業時間を算出し、当該作業時間と予定作業時間とを比較する。
【0031】
具体的には、業務管理部13は、ユーザそれぞれの業務管理データを登録しており、業務ID、業務名、予定作業時間、作業時間、及び進捗評価等に関するデータを管理する。予定作業時間は、ユーザに割り当てられた業務に対して、作業完了までに必要な予想完了時間を意味する。なお、予定作業時間は、情報処理装置10の管理者や情報処理装置10へのアクセス権限を有するユーザ(例えば上位の職位者)により登録される。作業期間は、ユーザの勤務時間(例えば9時から17時)に基づいて設定されてもよい。
【0032】
そして、業務管理部13は、業務特定部14において特定された業務に対応する作業情報の作業時間を算出して(複数の作業情報が特定された場合は作業時間を合計する)、当該作業時間と予定作業時間とを比較して、進捗状況を比較可能に出力する。
【0033】
また、業務管理部13は、作業情報に基づいて特定された業務に対応する作業時間と予め設定された予定作業時間に基づいて業務の進捗度を評価してもよい。進捗度の評価とは、予定作業時間と作業時間との比較結果により求められる評価値であり、作業時間が予定作業時間内に完了している場合には、例えば良の評価となり、予定作業時間を超えた場合には、時間超過の評価となる。
【0034】
また、業務管理部13は、業務管理データとして業務のステータス(進行状態)を設定してもよく、例えば「完了」または「作業中」等のステータスを設定してもよい。なお、業務の完了については、ユーザ端末20のユーザから受け付けてもよいし、特定の業務に対して所定時間(例えば5時間)作業をしていない場合には、完了しているものとしてステータスを「完了」に自動で変更してもよい。
【0035】
また、業務管理部13は、ユーザそれぞれの業務に対して、その作業内容に応じてカテゴリに分類してもよい。カテゴリには、例えばプログラム作成、資料作成、顧客営業等の作業の概要に関するものが設定される。カテゴリに応じて予定作業時間を予め設定してもよい。
【0036】
図4は、ユーザそれぞれに対する業務内容、予定作業時間、作業時間、及び進捗評価等を管理する業務管理データの一例を示す説明図である。
【0037】
図4に示すように、社員Xに割り当てられた業務について、業務ID、業務名、業務の作業期間、期間終了までの残り時間、業務カテゴリ、予定作業時間、作業時間、残り作業時間、進捗のステータス、及び進捗評価が管理される。作業時間は、作業情報が特定されるごとに更新される。
【0038】
ここでは、業務ID:0111について、予定作業時間については10時間のところ、業務完了までの作業記録から特定された作業時間は8時間となり、予定よりも作業が早く完了していることがわかる。
【0039】
図5は、本実施形態に係る情報処理装置10において、作業記録に基づき作業時間を求めて、予定作業時間と比較する進捗評価の一例を示す説明図である。
【0040】
図5に示すように、社員Xに対して記録された作業情報から、作業情報それぞれについて業務を特定し、特定された業務の作業時間を計算している。そして、業務にかかる作業時間と予定作業時間とを比較して、ユーザの業務の進捗を評価する。
【0041】
また、評価データ保存部15は、社員の評価に関するデータを保存しており、業務に対する評価情報を保存している。
【0042】
また、業務管理部13は、ユーザそれぞれの業務に対してカテゴリに分類している場合には、当該カテゴリに対応する過去の作業時間の実績値に基づいて予定作業時間を設定してもよい。例えば、プログラム作成の業務カテゴリについては10時間が設定されている場合に、社員Xの過去の実績値が8時間であった場合には、8時間を予定作業時間として設定する。なお、過去の実績値が、複数ある場合には平均値等を設定してもよい。
【0043】
また、業務管理部13は、作業情報に基づいて特定された業務に対応する作業時間と予め設定された予定作業時間に基づいてユーザの業務に対する余裕度を求めてもよい。なお、余裕度は、ユーザの業務に対する逼迫度合い(ゆとりのある状態か否か)を意味するものであり、余裕度が高ければ逼迫度合いは低く、ゆとりがある状態であることを意味する一方、余裕度が低ければ逼迫度合いは高く、ゆとりがない状態を意味する。
【0044】
具体的には、業務管理部13は、受け付けたユーザの作業情報を、登録されている業務情報の属性と照合し、作業情報の各データについて業務情報の属性に一致する場合(一部が一致するものあってもよい)には、ユーザの実施している業務は当該業務情報に対応するものとして特定する。そして、特定された業務の作業時間を求める。求めた作業時間と予定作業時間から必要となる残りの作業時間を導出し、作業期間(作業終了日時までの残り時間)とを比較することで余裕度を求める。
【0045】
例えば、業務管理部13において求めた作業時間と予定作業時間とから業務完了までに現時点で必要となる残りの作業時間を、作業終了までの残り時間(期限までの残り時間)で割った場合、その値が1に近いまたは1を超える場合には業務が逼迫していると考えられるため、求めた値が0.5以上であれば余裕度を「低」とし、求めた値が0.5未満であれば余裕度を「高」とする。余裕度のレベルについては、例えば高、中、低のように、任意に設定することができる。なお、複数の業務を持っている場合には、それぞれ余裕度を求める。複数の業務について、余裕度が異なる場合には、余裕度が低いものをユーザの余裕度としてもよい。
【0046】
そして、業務管理部13は、余裕度が高いユーザを検出した場合に、他のユーザに対して余裕度が高い旨を自動で通知してもよいし、各ユーザのスケジュールを管理するためのスケジュール管理システム等に通知し、各ユーザの余裕度を公開できるように設定してもよい。また、余裕度のレベルに応じて、余裕度を通知する通知先のユーザやスケジュールを閲覧できるユーザの設定を変更できるようにしてもよい。これにより、ユーザは、業務の余裕がある他のユーザを把握することが可能となり、例えば業務の相談等を行うタイミングを確認することができる。
【0047】
図4を用いて、作業情報に基づいて業務の特定、そして余裕度の導出について説明する。作業情報(図2参照)について、業務情報(図3参照)に基づいて該当業務を特定していき、業務の作業時間(複数の作業情報が特定された場合は作業時間を合計する)を求める。作業時間と予定作業時間から必要となる残りの作業時間を導出し、作業期間(作業終了日までの残り時間)とを比較して余裕度を求める。業務ID:0111については、予定作業時間内で作業が完了しており、余裕度は高となる。一方、業務ID:0112については、残りの作業時間が4時間に対して、期間終了までの残りは5時間となるため、余裕度は低となる。この場合、社員Xの余裕度は低とする。そして、余裕度の状態を他のユーザに通知してもよい。
【0048】
図1に戻って説明を続ける。
交流抽出部16は、作業情報に基づいてユーザが業務に関連して交流した他のユーザを抽出して、他のユーザとの交流度合いを示す交流度を求める。
【0049】
具体的には、交流抽出部16は、作業情報について業務特定部14により特定された業務について、メール、Web会議、チャット等のコミュニケーションツールを用いて交流している場合に、その相手先との交流度を計算する。交流度とは、業務に関連してコミュニケーションツールを利用してやり取りをした交流の程度を示すものであり、メール回数、チャットの回数、Web会議の回数を合計して、回数の多いユーザから順番に交流度を1から最下位まで設定してもよいし、一定の基準を設けて、その基準ごとに交流度を設定してもよい。
【0050】
交流抽出部16は、交流度に基づいてユーザの評価実施者(ユーザに対して評価を行う社員)を選択する。例えば、交流度の高い上位3人のユーザを評価実施者として選択する。また、交流度の上位だけではく、中位のユーザ、交流はあるが下位のユーザ等を評価実施者として選択してもよい。ユーザの評価実施者を選択する場合に、全く関係性の無い他のユーザを設定してしまう恐れがあるが、このように交流度に基づき評価実施者を選択することで、実際に関係性のある社員を評価者に選択することができる。さらに、実際に関係性のある社員を万遍なく評価実施者にすることで、より正確に評価実施者の業務評価を行うことができる。
【0051】
図6(A)は、特定の社員Xとコミュニケーションのあった社員を抽出する交流データの一例を示す説明図である。
図6(A)に示すように、社員Xの作業情報業について業務特定部14において特定された業務それぞれについて、メールの回数、チャット回数、Web会議の時間を交流ユーザごとに抽出している。
【0052】
図6(B)は、交流データ内のユーザから評価の対象を選択する場合の選択例を示す説明図である。メールの回数、チャット回数、Web会議の時間に基づいて交流度を求めている。ここでは、メール、チャットの回数が10回以上、Web会議が10時間以上の場合を交流度1として、メール、チャットの回数が5回以上10回未満、Web会議が5時間以上10時間未満上を交流度2とし、それ以下を3として設定している。交流度1、2のユーザを一人ずつ社員Xの評価実施として選択している。
【0053】
続いて、本実施形態に係る情報処理装置10の動作について説明する。図7は、本実施形態に係る情報処理方法の一例を示すフローチャートである(適宜、図1参照)。
【0054】
作業記録保存部11は、作業記録保存部11は、ユーザ端末20においてユーザが実施する作業の情報を作業情報として記録する(S10)。
【0055】
業務特定部14は、ユーザの作業情報を業務情報の属性と照合して、当該作業情報に対応する業務を特定する(S11、S12)。
【0056】
業務管理部13は、作業情報に基づいて特定された業務に対応する作業時間を算出して、当該作業時間と予定作業時間とを比較する(S13)。
【0057】
業務管理部13は、予定作業時間と、作業時間とに基づいて進捗評価を行う(S14)。
【0058】
このように、本実施形態に係る情報処理装置10は、作業情報を記録して、記録された作業情報に基づいて業務を特定し、業務にかかる作業時間と予定作業時間とに基づいてユーザの業務の評価を実施することで、社員の業務における進捗管理を適切かつ簡易にすることができる。
【0059】
なお、情報処理装置10で実行されるプログラムは、ROM等の記憶回路に予め組み込んで提供される。もしくは、このプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、メモリカード、DVD、フレキシブルディスク等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供するようにしてもよい。また、情報処理装置10で実行されるプログラムは、インターネット等のネットワークに接続されたコンピュータ上に格納し、ネットワーク経由でダウンロードさせて提供するようにしてもよい。
【0060】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0061】
10…情報処理装置、11…作業記録保存部、12…業務情報登録部、13…業務管理部、14…業務特定部、15…評価データ保存部、16…交流抽出部、20(20a,20b,20c)…ユーザ端末。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7