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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128224
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】倉庫システム
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/04 20060101AFI20240913BHJP
【FI】
B65G1/04 555A
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037082
(22)【出願日】2023-03-10
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】鶴見 修一
(72)【発明者】
【氏名】杉山 昂
(72)【発明者】
【氏名】中垣 崇
(72)【発明者】
【氏名】松枝 栄次
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 健士
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE02
3F022FF02
3F022JJ13
3F022NN02
3F022NN56
(57)【要約】
【課題】状況に合わせてバッテリ残量の回復方法を選択でき、かつこの作業が簡便な倉庫システムを提供する。
【解決手段】搬送台車1は、バッテリ20が通過可能な開口部73と、バッテリ20に外部から充電可能な接続部15と、を備え、ラック構造体2は、間口2A側端部においてラック構造体2の側方から開口部73にアクセス可能な開口2Bを有している。
【選択図】図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
間口から延び走行面を有する走行レールを有するラック構造体と、
走行駆動部により前記走行体上を自走可能な車体と、昇降駆動部により前記車体に対して昇降し前記載置体に載置された物品を載置支持可能な載置台と、前記走行駆動部および前記昇降駆動部に電力を供給するバッテリと、を備える搬送台車と、を備え、前記ラック構造体の載置面に物品を載置する倉庫システムであって、
前記搬送台車は、前記バッテリが通過可能な開口部と、前記バッテリに外部から充電可能な接続部と、を備え、
前記ラック構造体は、前記間口側端部において該ラック構造体の側方から前記開口部にアクセス可能な開口を有していることを特徴とする倉庫システム。
【請求項2】
前記ラック構造体の前記間口側端部は、前記搬送台車の非稼働時の待機位置となっていることを特徴とする請求項1に記載の倉庫システム。
【請求項3】
前記搬送台車の非稼働時の待機位置において、前記接続部が前記間口側を向くことを特徴とする請求項2に記載の倉庫システム。
【請求項4】
前記搬送台車は非稼働時の待機位置においてバッテリ残量を出力することを特徴とする請求項2に記載の倉庫システム。
【請求項5】
前記バッテリ残量は操作端末に表示されることを特徴とする請求項4に記載の倉庫システム。
【請求項6】
前記接続部は、前記載置台の下方に配置されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の倉庫システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を運搬する自走式の搬送台車を用いてラック構造体に物品を出し入れする倉庫システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットやスマートフォンの普及により、ネット通販の規模が拡大し、顧客のニーズに合うように多種多様な大量の商品を一時的に保管・管理し、迅速に商品の入出庫が可能な機能性の高い倉庫のシステムが必要になっている。
【0003】
例えば、特許文献1に示される倉庫システムは、収容部を上下左右に複数設けた架台部材と、複数台の物品移動装置と、を備えている。架台部材の収容部は、左右一対の走行ガイド部材が複数の支柱に固定されて構成されており、収容部の前後に設けられる間口から物品移動装置を出し入れできるようになっている。走行ガイド部材は、物品移動装置が走行可能な走行路を有するとともに、走行ガイド部材の上面に物品を載置したパレットを載置することができるようになっている。
【0004】
物品移動装置は、本体ケースに昇降機構、走行機構、及び蓄電池が内蔵されており、昇降機構及び走行機構には蓄電池から電力が供給されるようになっている。本体ケース上には、昇降機構により上下に昇降する保持部材が配置されている。物品移動装置は、本体ケースを降下させた状態でパレットの下方に進入できるとともに、保持部材を上昇させることでパレットを支持できるようになっている。
【0005】
また、本体ケースにおける走行方向前後面には、蓄電池を充電するための給電コネクタが設けられている。この物品移動装置は、一日の就業が終わったときや、一定期間にわたって作業を行ったときに、架台部材の所定の位置に設けられた充電ステーションに移動し、給電コネクタを介して充電するようにプログラムされている。
【0006】
また、別のバッテリ残量の回復方法として、残量が減少した蓄電池を充電済みの蓄電池と交換する方法も一般的に知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第6574701号(第16頁、第3図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献1のような倉庫システムにあっては、本体ケースに蓄電池を搭載したまま、簡便に充電を行うことができるため、一日の就業が終わったとき等、物品移動装置を一定期間使用しない状況には極めて有用であるものの、物品移動装置の稼働を即座に復帰させたい状況には向いていなかった。
【0009】
また、残量が減少した蓄電池を充電済みの蓄電池と交換する方法にあっては、充電時間が必要ないため、物品移動装置を即座に復帰させることができるものの、フォークリフト等で物品移動装置を架台部材の収容部から取出し、充電済みの蓄電池に交換した後、再度架台部材の収容部に戻す必要があり、かかる作業が煩雑であった。
【0010】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、状況に合わせてバッテリ残量の回復方法を選択でき、かつこの作業が簡便な倉庫システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、本発明の倉庫システムは、
間口から延び走行面を有する走行レールを有するラック構造体と、
走行駆動部により前記走行体上を自走可能な車体と、昇降駆動部により前記車体に対して昇降し前記載置体に載置された物品を載置支持可能な載置台と、前記走行駆動部および前記昇降駆動部に電力を供給するバッテリと、を備える搬送台車と、を備え、前記ラック構造体の載置面に物品を載置する倉庫システムであって、
前記搬送台車は、前記バッテリが通過可能な開口部と、前記バッテリに外部から充電可能な接続部と、を備え、
前記ラック構造体は、前記間口側端部において該ラック構造体の側方から前記開口部にアクセス可能な開口を有していることを特徴としている。
この特徴によれば、ラック構造体の間口側端部において、間口を通じて搬送台車の接続部にアクセスしてバッテリを車体に搭載したまま充電する方法と、開口を通じて搬送台車の開口部にアクセスして残量が減少したバッテリを充電済みのバッテリに交換する方法と、を選択的にかつ簡便に行うことができる。
【0012】
前記ラック構造体の前記間口側端部は、前記搬送台車の非稼働時の待機位置となっていることを特徴としている。
この特徴によれば、作業を開始する前の非稼働状態においてバッテリ残量の回復方法を選択できる。
【0013】
前記搬送台車の非稼働時の待機位置において、前記接続部が前記間口側を向くことを特徴としている。
この特徴によれば、間口を通じて搬送台車の接続部にアクセスしやすい。
【0014】
前記搬送台車は非稼働時の待機位置においてバッテリ残量を出力することを特徴としている。
この特徴によれば、バッテリ残量と次に行う作業量とに応じてバッテリ残量の回復方法を選択できる。
【0015】
前記バッテリ残量は操作端末に表示されることを特徴としている。
この特徴によれば、バッテリ残量を操作端末で確認しながらバッテリ残量の回復方法を選択できる。
【0016】
前記接続部は、前記載置台の下方に配置されていることを特徴としている。
この特徴によれば、接続部に障害物が接触し難く、接続部の破損を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本発明の実施例における倉庫システムの収容棚を示す斜視図である。
図2】搬送台車が走行レールを走行する状態を示す側面図である。
図3】搬送台車の構造を示す斜視図である。
図4】(a)は搬送台車の正面の側断面図、(b)は搬送台車の上面図である。
図5】搬送台車の扉板の開放状態を示す正面図である。
図6】倉庫システムの通信構成を示す図である。
図7】操作端末の操作画面の一例を示す概略図である。
図8】残量の少ないバッテリを充電済みのバッテリに交換する形態を示す概略図である。
図9】接続部を介して充電する形態を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明に係る倉庫システムを実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例0019】
実施例に係る倉庫システムにつき、図1から図9を参照して説明する。以下、図2の紙面左側を倉庫システムの正面側(前方側)とし、正面から見て左右を倉庫システムの左右側として説明する。
【0020】
図1及び図2に示されるように、倉庫システムSは、床に固定されて立設されたラック構造体としての収容棚2と、収容棚2において物品の移動を行う搬送台車1と、を備えている。尚、ここでは、収容棚2を1つのみ図示するが、実際には左右方向に複数列配置されている。
【0021】
収容棚2の収容レーン2aは、正面視L字状、逆L字状で一対に対向する走行レール4,4が複数の支柱5,5,…に支持されたスケルトン構造をなしている。収容レーン2aは、上下複数段に設けられている。左右一対の走行レール4,4および支柱5,5は横杆部材8により接続されている。
【0022】
走行レール4,4,…の前端側には、各収容レーン2a,2a,…に搬送台車1を出し入れ可能な間口2A,2A,…が形成されている。尚、搬送台車1は、図示しないフォークリフト等を用いて間口2Aから収容レーン2aに出し入れされる。
【0023】
走行レール4,4,…の上端である載置部4a,4a,…(載置面)には、物品3が載置された複数のパレット9,9,…が支持されており、走行レール4,4,…の下端である走行部4b,4b,…(走行面)は、搬送台車1が走行可能となっている。
【0024】
図2および図3に示されるように、搬送台車1は、走行レール4の下端に設けられた走行部4bを走行可能な車体6と、物品3を載置支持し車体6に対し昇降可能に設けられた載置台7と、該載置台7を昇降させる昇降駆動部(図示せず)と、搬送台車1の車輪13を回転駆動させる走行駆動部12と、制御部18と、昇降駆動部、走行駆動部12、制御部18に電力を供給するバッテリ20と、を備えており、載置台7がパレット9の下面から離間する最下降状態で走行レール4の走行部4bを走行してパレット9の下方に進入した後、載置台7を上昇させることでパレット9ごと物品3を持ち上げ、パレット9及び物品3を走行レール4の載置部4aから所定高さ浮かせて運搬するようになっている。
【0025】
制御部18は、走行駆動部12の駆動モータを駆動制御する駆動モータ制御部、昇降駆動部の昇降モータを駆動制御する昇降モータ制御部、記憶部、通信制御部、を備えるとともに、操作端末40(図6参照)から送信された信号により操作される操作手段アプリがインストールされている。記憶部は、制御装置の駆動信号の履歴、搬送台車1の運転履歴等を記憶する機能を有する。また、搬送台車1は、後述する操作端末40との信号の送受信可能な通信部を有している。
【0026】
また、車体6の前方の側板部には、車体6に搭載されたバッテリ20に外部から充電可能な接続部としての充電コネクタ15と、昇降駆動部および走行駆動部12の駆動を停止させる緊急停止ボタン16と、バンパー17と、が設けられている。充電コネクタ15および緊急停止ボタン16は、車体6の前方の側板部の左側に寄せて配置され、バンパー17は車体6の前方の側板部の左右方向に亘って配置されている。
【0027】
詳しくは、図4(a)(b)に示されるように、載置台7は、車体6よりも前後左右に大きく形成されており、充電コネクタ15および緊急停止ボタン16は、載置台7の前端縁部7aの下方に配置され上下に重畳している。また、載置台7の前端縁部7aは、下方側に湾曲して延びている。
【0028】
また、バンパー17は、充電コネクタ15および緊急停止ボタン16の下方に配置されている。このバンパー17は、充電コネクタ15および緊急停止ボタン16よりも前方側に配置されている。
【0029】
図3に戻って、車体6の側面には、センサ64が設けられている。センサ64は、投光部と受光部とを有したフォトセンサであり、走行レール4の間口2A側端部に形成されたスリット(図示略)と同一の高さ位置に配置されている。このセンサ64は搬送台車1の走行時において投光部から投光された光を受光部で受光した反射量と、予め設定された閾値との関係により、スリットを検出できるようになっている。
【0030】
搬送台車1は、センサ64で走行レール4のスリットを検出したことにより、収容レーン2aにおけるホームポジション(図2の搬送台車1’の位置)に位置していることを判断できるようになっている。搬送台車1はホームポジションにおいて、走行レール4上の間口2A側の端部に安全に位置した状態となっており、ホームポジションは走行レール4上を走行する搬送台車1の非稼働時の待機位置として機能している。
【0031】
図3および図5に示されるように、載置台7は、上面視H形状のベース板71と、ベース板71に回動可能に取付けられる扉板72,72と、から構成されている。尚、図5では、バッテリ20以外の車体6内の部材の図示を省略している。
【0032】
ベース板71は、前板部71aと、後板部71bと、前板部71aおよび後板部71bを繋ぐ左右幅狭の中央板部71cと、を備えている。
【0033】
扉板72,72は、ベース板71の中央板部71cに対して前後方向に延びる回転軸を有するヒンジ74により回転可能に軸支されている。これにより、中央板部71cの左右側方に切り欠き形成された開口部73,73を開閉できるようになっている。
【0034】
左側の開口部73の開放状態にあっては、搬送台車1の外部から車体6内のバッテリ20にアクセスできるようになっている。また、右側の開口部73の開放状態にあっては、搬送台車1の外部から車体6内の他の装置にアクセスできるようになっている。
【0035】
図6に示されるように、倉庫システムSは、複数の搬送台車1,1…を遠隔操作するための操作端末40と、アクセスポイント60とを備え、これら操作端末40と複数の搬送台車1,1…とは、アクセスポイント60を介して無線LANで接続されている。
【0036】
操作端末40は、タッチパネル式の所謂タブレット端末となっており、複数の搬送台車のうち1台とアクセスポイント60を介して接続され、指定の搬送台車1の動作をコントロールすることができる。
【0037】
尚、搬送台車1は自身の制御部18にインストールされた操作手段アプリにより駆動操作可能となっており、操作端末40には、無線接続した搬送台車1から受信した操作手段アプリの操作画面がミラーリングされて表示されることになる。そのため、操作端末40に高い処理能力を必要としないばかりか、既成品の端末を操作端末に転用し易くなっている。
【0038】
図7に示されるように、操作端末40の操作画面40aには、ID情報欄41、収容レーン情報欄42、状態情報欄43、バッテリ残量情報欄44、入庫ボタン45、出庫ボタン46、個数入力欄47、開始ボタン48、バッテリ残量回復Aボタン49、バッテリ残量回復Bボタン50が表示されている。
【0039】
搬送台車1は、収容レーン2aのホームポジションにおいて、制御部18の記憶部に記憶された自身のID情報、収容レーン情報、状態情報、バッテリ残量情報を各欄41~44に表示させる。
【0040】
例えば、搬送台車1を用いて入庫作業を行う場合には、作業者は、入庫ボタン45および出庫ボタン46のうち、入庫ボタン45を選択し、入庫する物品の数量を個数入力欄47に入力し、入庫作業指示を作成する。開始ボタン48を押すと、前記入庫作業指示が搬送台車1に送信され、当該搬送台車1は入庫作業を開始する。
【0041】
このとき、状態情報欄43が「待機中」から「作業中」に変更され、入庫ボタン45、出庫ボタン46、個数入力欄47、開始ボタン48、バッテリ残量回復Aボタン49、バッテリ残量回復Bボタン50が操作不能となる。言い換えれば、入庫ボタン45、出庫ボタン46、個数入力欄47、開始ボタン48、バッテリ残量回復Aボタン49、バッテリ残量回復Bボタン50は、搬送台車1が非稼働状態である「待機中」のときのみ操作可能となっている。
【0042】
このように、作業者は、操作端末40において、バッテリ残量を確認しながら搬送台車1に入庫作業または出庫作業を指示できるので、作業途中でバッテリ切れが生じることを回避できる。
【0043】
また、例えば、上記入庫作業を行う際に、バッテリ残量が少ない場合(例えば10%未満の場合等)には、作業者は、バッテリ残量回復Aボタン49を押し、バッテリ残量回復方法Aを行う。
【0044】
図8に示されるように、バッテリ残量回復方法Aは、収容レーン2aのホームポジションにおいて、搬送台車1の扉板72を回動させ、載置台7の開口部73を開放し、開口部73を介して残量の少ないバッテリ20を充電済みのバッテリ20に交換することでバッテリ残量の回復が行われる。
【0045】
収容棚2は、スケルトン構造であり、ホームポジションにおける左側上下の走行レール4,4と前後の支柱5,5で囲まれた側方の矩形の開口2Bを介して収容棚2外から開口部73にアクセスできるため、搬送台車1をホームポジションに位置させたまま、バッテリ20の交換を簡便に行うことができる。このようにバッテリ残量回復方法Aにあっては、搬送台車1を即座に再稼働させることができる。
【0046】
また、搬送台車1がホームポジションに位置した「待機中」の状態、すなわち搬送台車1が非稼働状態にあっては、走行駆動部12や昇降駆動部への電力の供給が遮断されるようになっている。これにより、扉板72を開けバッテリ20を交換する交換作業時に搬送台車1が走行することを回避できる。
【0047】
尚、本実施例では、搬送台車1が非稼働状態において駆動系への電力の供給が遮断される形態を例示したが、ボタン49,50を押すと駆動系への電力の供給が遮断されるようにしてもよい。これにより搬送台車1の誤走行を防止できる。
【0048】
バッテリ20の交換作業が正常に完了すると、操作端末40に図示しない充電完了アイコンが表示される。そのため、作業者はバッテリ20の交換作業が正常に完了したことを簡便に確認できる。尚、バッテリ残量情報欄44に充電済みのバッテリ残量が表示される(例えば100%と表示される)ことでもバッテリ20の交換作業が正常に完了したことを確認できる。
【0049】
また、例えば、休憩時間や就業時間後など、搬送台車1に作業指示が一定時間送信されない場合には、作業者は、バッテリ残量回復Bボタン50を押し、バッテリ残量回復方法Bを行う。
【0050】
図9に示されるように、バッテリ残量回復方法Bは、車体6にバッテリ20を搭載したまま、充電コネクタ15を利用して外部から充電することで行われる。
【0051】
充電が完了すると操作端末40に図示しない充電完了アイコンが表示される。そのため、作業者は充電の完了を簡便に確認できる。尚、バッテリ残量情報欄44にバッテリ残量が表示される(例えば100%と表示される)ことでも充電の完了を確認できる。
【0052】
搬送台車1のホームポジションにあっては、充電コネクタ15が前方側、すなわち間口2A側を向いているため、間口2Aを介して収容棚2外から充電コネクタ15にアクセスしやすく、搬送台車1をホームポジションに配置させたまま、充電コネクタ15に充電ケーブル11を接続して充電できる。このようにバッテリ残量回復方法Bにあっては、バッテリ20を車体6から取外さなくてよいため、充電作業が極めて簡便である。
【0053】
以上説明したように、収容棚2の間口2A側端部において、間口2Aを通じて搬送台車1の充電コネクタ15にアクセスしてバッテリ20を車体6に搭載したまま充電するバッテリ残量回復方法Bと、開口2Bを通じて搬送台車1の開口部73にアクセスして残量が減少したバッテリ20を充電済みのバッテリ20に交換するバッテリ残量回復方法Aと、を選択的にかつ簡便に行うことができる。
【0054】
また、収容棚2の間口2A側端部は、搬送台車1の非稼働時の待機位置であるホームポジションであるため、作業を開始する前の搬送台車1の状態、すなわち待機時間の有無や長さに応じて搬送台車1の充電方法を選択できる。
【0055】
また、充電コネクタ15は、ホームポジションにおいて間口2A側を向いているため、間口2Aを介して収容棚2外から充電コネクタ15に充電ケーブル11を接続しやすい。
【0056】
また、搬送台車1は、ホームポジションにおいてバッテリ残量を出力し、操作端末40の操作画面40aに表示させるので、バッテリ残量と次に行う作業量とに応じて充電方法を選択できる。
【0057】
また、載置台7の前端縁部7aは、充電コネクタ15および緊急停止ボタン16の上方かつ前方に張り出して配置されているので、充電コネクタ15および緊急停止ボタン16に障害物が接触し難く、充電コネクタ15および緊急停止ボタン16の破損および誤作動を防止できる。
【0058】
また、載置台7の前端縁部7aは、下方側に湾曲して延びているので、充電コネクタ15および緊急停止ボタン16の破損および誤作動をより防止できる。
【0059】
また、バンパー17は充電コネクタ15および緊急停止ボタン16よりも前方側に配置されているので、充電コネクタ15および緊急停止ボタン16に障害物が接触し難く、充電コネクタ15および緊急停止ボタン16の破損および誤作動を防止できる。
【0060】
また、車体6の前方の側板部に充電コネクタ15と緊急停止ボタン16とが近接して配置されているため、バッテリ残量回復方法Bによる充電時に、昇降駆動部や走行駆動部12が誤作動しても緊急停止ボタン16により緊急停止させることができるので、安全性が高い。
【0061】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0062】
例えば、前記実施例では、充電コネクタ15が間口2A側を向くように収容レーン2aに搬送台車1を配置する形態を例示したが、間口2A側を介してアクセス可能であれば充電コネクタ15が間口2Aとは反対側を向いていてもよい。
【0063】
また、前記実施例では、充電コネクタ15は、車体6の前方側にのみ設けられる形態を例示したが、前後両側に設けられていてもよい。
【0064】
また、前記実施例では、バッテリ残量回復方法Bにおいて作業者が充電コネクタ15に充電ケーブル11を接続する形態を例示したが、例えば、ホームポジション近傍に充電装置を設け、バッテリ残量回復Bボタン50が押された時には、該充電装置によって自動的に充電されるようになっていてもよい。
【0065】
また、前記実施例では、収容棚2がスケルトン構造である形態を例示したが、例えば、側面が板材により閉塞されており、該板材の間口側に搬送台車の開口部にアクセス可能な開口を設けてもよい。
【0066】
また、前記実施例では、バッテリ残量は操作端末40に表示される形態を例示したが、操作端末40以外の装置、例えば中央制御装置の管理サーバなどに出力するようになっていてもよい。
【0067】
また、前記実施例では、載置台7に上下に開口する開口部73が設けられる形態を例示したが、例えば、車体6の側方に左右に開口する開口部を設けてもよい。
【0068】
また、上記した実施例においては、操作端末40は1台の搬送台車1にそれぞれ対して接続し、物品の入出庫の指示を行っているが、これに限らず、例えば複数の物品の入出庫を複数の搬送台車で分担して行うように指示を行ってもよい。
【0069】
また、操作端末は実施例にあるようなタブレット端末に限らず、中央制御装置の固定端末等であってもよい。
【0070】
また、上記した実施例においては、操作端末40と複数の搬送台車1,1…とは、アクセスポイント60を介して無線LANで接続されている構成であるが、これに限らず、例えば、操作端末と搬送台車同士と、搬送台車と昇降装置同士、とをそれぞれ直接接続することでアクセスポイントを省略してもよい。
【0071】
また、前記実施例では、収容レーン2aに対してフォークリフトで搬送台車1を出し入れする形態を例示したが、スタッカークレーンなどを用いて搬送台車1を出し入れしてもよい。
【0072】
また、前記実施例では、搬送台車1が走行レール4の間口2A側端部に形成されたスリットを検出したことによりホームポジションに位置していることを判断する形態を例示したが、スリット以外の被検出部を検出したことによりホームポジションに位置していることを判断するようになっていてもよい。また、被検出部を検出するセンサも自由に変更できる。
【0073】
また、前記実施例では、走行レールに走行面と載置面が設けられる形態を例示したが、走行面を有する走行レールと載置面を有する載置レールとを別個に有していてもよい。
【符号の説明】
【0074】
1,1’ 搬送台車
2 収容棚(ラック構造体)
2A 間口
2B 開口
2a 収容レーン
3 物品
4 走行レール
4a 載置部(載置面)
4b 走行部(走行面)
5 支柱
6 車体
7 載置台
8 横杆部材
15 充電コネクタ(接続部)
16 緊急停止ボタン
17 バンパー
20 バッテリ
40 操作端末
40a 操作画面
73 開口部
S 倉庫システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9