(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128225
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】搬送台車
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20240913BHJP
【FI】
B65G1/04 555A
B65G1/04 541
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037083
(22)【出願日】2023-03-10
【新規性喪失の例外の表示】新規性喪失の例外適用申請有り
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100098729
【弁理士】
【氏名又は名称】重信 和男
(74)【代理人】
【識別番号】100204467
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 好文
(74)【代理人】
【識別番号】100148161
【弁理士】
【氏名又は名称】秋庭 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100195833
【弁理士】
【氏名又は名称】林 道広
(72)【発明者】
【氏名】鶴見 修一
(72)【発明者】
【氏名】中垣 崇
(72)【発明者】
【氏名】松枝 栄次
(72)【発明者】
【氏名】藤澤 健児
(72)【発明者】
【氏名】杉山 昂
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 健士
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE02
3F022FF02
3F022JJ13
3F022MM05
3F022PP06
3F022QQ12
3F022QQ20
(57)【要約】
【課題】載置部上に載置される物品の検出精度を高めることができる搬送台車を提供する。
【解決手段】車輪13,13,14,14を備える走行部10と、上部に物品6を載置可能とする載置部11と、検出波A1,B1を出射して載置部11上の物品6を検出可能な在荷センサ12a,12bと、を備える搬送台車1であって、検出波A1,B1の出射方向が左右やや上向きである。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車輪を備える走行部と、上部に物品を載置可能とする載置部と、検出波を出射して前記載置部上の物品を検出可能な在荷センサと、を備える搬送台車であって、
前記検出波の出射方向が左右やや上向きであることを特徴とする搬送台車。
【請求項2】
前記在荷センサは、前記搬送台車の走行方向に対して左右方向に偏って設けられることを特徴とする請求項1に記載の搬送台車。
【請求項3】
前記在荷センサは、前記搬送台車の走行方向における前後両側にそれぞれ設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の搬送台車。
【請求項4】
前記在荷センサは、前記載置部の対角線上の隅部に一対設けられることを特徴とする請求項3に記載の搬送台車。
【請求項5】
前記検出波の出射方向が左右やや上向きかつ前後やや内向きに設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の搬送台車。
【請求項6】
前記在荷センサは、前後方向の取付角度を変更可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の搬送台車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を運搬する搬送台車に係り、特に倉庫内の収容棚に物品を入庫もしくは出庫できるように移動する搬送台車に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットやスマートフォンの普及により、ネット通販の規模が拡大し、顧客のニーズに合うように多種多様な大量の商品を一時的に保管・管理し、迅速に商品の入出庫が可能な機能性の高い倉庫のシステムが必要になっている。
【0003】
そのような倉庫システムは、上下に複数段かつ左右に複数列の収容レーンが設けられており、各収容レーンの奥行方向に多数の物品を収容できる収容棚が配置されている。各収容レーンには一対のレールが敷設され、物品が載置されたパレットを運ぶ搬送台車がこれらのレールの下方に位置する走行面を走行し、所定のレール位置においてレールの上方に位置する載置面にパレットを順次載置するように搬入し、また載置されたパレットを搬出するようになっている。
【0004】
例えば、特許文献1に示される搬送台車は、車輪を備える台車本体に対して昇降する載置部と、搬送台車の走行方向の前後に配置され自身の載置部に載置されたパレットの端面をそれぞれ検出可能な在荷センサを備えており、これらの在荷センサにより載置部上に載置されたパレットの位置情報を検出することによって、所定のレール位置にパレット間の隙間を可能な限り詰めた状態で効率よく配置できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2020-40747号公報(第4頁~第5頁、第3図~第5図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の搬送台車にあっては、在荷センサから出射される検出波の出射方向が上向きかつ前後やや内向きであるため、載置部上に載置されるパレットが網目構造のパレットである場合、検出波がパレットの網目をすり抜けてしまうことがあり、正確な検出が行われない虞があった。
【0007】
本発明は、このような問題点に着目してなされたもので、載置部上に載置される物品の検出精度を高めることができる搬送台車を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、本発明の搬送台車は、
車輪を備える走行部と、上部に物品を載置可能とする載置部と、検出波を出射して前記載置部上の物品を検出可能な在荷センサと、を備える搬送台車であって、
前記検出波の出射方向が左右やや上向きであることを特徴としている。
この特徴によれば、在荷センサから出射される検出波の出射方向を左右やや上向きにすることにより、検出波を左右方向に寝かせることができ、載置部上の近傍を横切る距離が長くなり載置部上に載置される物品を検出しやすくなるため、検出精度を高めることができる。
ここで、本明細書において、検出波の出射方向が「左右やや上向き」とは、上下方向の成分よりも左右方向の成分が大きいことであり、「やや上向き」とは、水平面に対する角度が45°よりも小さいことである。
【0009】
前記在荷センサは、前記搬送台車の走行方向に対して左右方向に偏って設けられることを特徴としている。
この特徴によれば、検出波が載置部上の近傍を横切る距離をさらに長くすることができる。
【0010】
前記在荷センサは、前記搬送台車の走行方向における前後両側にそれぞれ設けられていることを特徴としている。
この特徴によれば、載置部上に載置される物品の検出精度を高めることができる。
【0011】
前記在荷センサは、前記載置部の対角線上の隅部に一対設けられることを特徴としている。
この特徴によれば、載置部上に載置される物品の検出精度を高めることができる。
【0012】
前記検出波の出射方向が左右やや上向きかつ前後やや内向きに設けられることを特徴としている。
この特徴によれば、物品の大きさにかかわらず、載置部上に載置される物品を検出することができる。
【0013】
前記在荷センサは、前後方向の取付角度を変更可能であることを特徴としている。
この特徴によれば、物品の大きさに応じて、検出波の出射方向が最適となるように在荷センサの前後方向の取付角度を変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施例における搬送台車が物品を運搬する様子を示す側面図である。
【
図3】在荷センサから出射される検出波の出射方向を示す正面図である。
【
図4】在荷センサから出射される検出波の出射方向を示す上面図である。
【
図5】取付部材に対する在荷センサの取付構造を示す一部分解斜視図である。
【
図6】在荷センサによる載置台上に載置された物品の位置ズレの検出例を示す上面図である。
【
図7】変形例における在荷センサから出射される検出波の出射方向を示す上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本発明に係る搬送台車を実施するための形態を実施例に基づいて以下に説明する。
【実施例0016】
実施例に係る搬送台車につき、
図1から
図7を参照して説明する。以下、
図2の紙面左側を搬送台車の正面側(前方側)として説明する。
【0017】
図1に示されるように、搬送設備Sは、倉庫等の屋内に設置され、図示しないタブレット端末から無線による指令を受けて、搬送台車1の動作が制御される。尚、タブレット端末に代えて中央制御装置による統括制御を採用してもよい。
【0018】
搬送設備Sは、複数の収容レーン2a,2a,…を上下に備え、床に固定されて立設された収容棚2と、収容棚2において物品3の運搬を行う搬送台車1,1,…と、を備えている。収容棚2の各収容レーン2a,2a,…には、それぞれ一対の対向する走行レール4,4,…(
図3参照)が敷設されており、走行レール4,4,…の上方に設けられた載置面4a,4a,…は、物品3が載置された複数のパレット6,6,…を支持可能となっている。
【0019】
図1~
図3に示されるように、搬送台車1は、駆動輪13,13(車輪)と従動輪14,14(車輪)を備える車体10(走行部)と、車体10に対して昇降しパレット6および物品3を載置可能な載置台11(載置部)と、を備えている。搬送台車1は、載置台11がパレット6の下面から離間する最下降状態で走行レール4の下方に設けられた走行面4bを走行してパレット6の下方に進入した後、載置台11を上昇させることでパレット6ごと物品3を持ち上げ、パレット6および物品3を走行レール4の載置面4aから所定高さ浮かせて運搬するようになっている。
【0020】
説明の便宜上、図示を省略するが、車体10の内部には、載置台11を昇降させる昇降駆動装置、駆動輪13,13を駆動する駆動モータ、昇降駆動装置や駆動モータを制御する制御部、後述する在荷センサの検出情報から物品の有無や位置情報の判定を行う判定部等を備える演算装置、通信装置、これらの装置に電力を供給するバッテリー等が配置されている。
【0021】
図2および
図3に示されるように、搬送台車1は、検出波A1,B1を出射して載置台11上のパレット6(物品)を検出可能な在荷センサ12a,12bを備えている。本実施例において、載置台11の前方側に設けられる在荷センサ12a(以下、「前方在荷センサ12a」という。)は、搬送台車1の走行方向(前後方向)に対して左側に偏って設けられている。また、載置台11の後方側に設けられる在荷センサ12b(以下、「後方在荷センサ12b」という。)は、搬送台車1の走行方向に対して右側に偏って設けられている。すなわち、前方在荷センサ12aと後方在荷センサ12bは、載置台11の対角線上の隅部に一対設けられている。尚、前方在荷センサ12aと後方在荷センサ12bは、略同一構成であるため、後方在荷センサ12bの詳細な説明を省略する。
【0022】
本実施例において、前方在荷センサ12aは、レーザセンサが使用され、載置台11に対して固定される取付部材20を介して取り付けられている。前方在荷センサ12aは、車体10に対して載置台11と一緒に昇降可能となっている。尚、在荷センサは、電磁波や音波等の検出波を出射して載置部上の物品を検出可能なものであれば、レーザセンサに代えて、例えば光電センサ、ファイバセンサ、カラーセンサ、超音波センサ等の非接触センサが使用されてもよい。
【0023】
また、前方在荷センサ12aは、検出波A1の出射方向が左右やや上向き(右向きかつやや上向き)となるように設けられている。前方在荷センサ12aから出射される検出波A1の水平面(言い換えると水平面の断面を示す仮想線H)に対する出射角度α(
図3参照)は、好ましくは45°よりも小さい角度、さらに好ましくは30°よりも小さい角度、特に好ましくは15°よりも小さい角度である。尚、本実施例において、前方在荷センサ12aから出射される検出波A1の水平面に対する出射角度αは、載置台11に対して固定される取付部材20の取付角度によって決定される。
【0024】
また、後方在荷センサ12bは、検出波B1の出射方向が左右やや上向き(左向きかつやや上向き)となるように設けられている。後方在荷センサ12bから出射される検出波B1の水平面(仮想線H)に対する出射角度β(
図3参照)は、検出波A1の水平面に対する出射角度αと同じ角度となっている。尚、前方在荷センサ12aと後方在荷センサ12bは、載置台11に対して固定される取付部材20の取付角度を変えることにより、検出波A1と検出波B1の水平面に対する出射角度α,βを異なる角度としてもよい。
【0025】
図2に示されるように、前方在荷センサ12aは、載置台11の前方側において左側に偏って形成された略矩形状の孔15を通して、載置台11の下面側からパレット6を検出する。孔15は、前方在荷センサ12aから出射される検出波A1の水平面に対する出射角度αが小さくても遮蔽することがないように、前方在荷センサ12aの近傍から載置台11の左右方向中央側に向かって所定寸法の長さを有するように形成されている。
【0026】
本実施例において、孔15の下方には、前方在荷センサ12aから出射される検出波A1を遮蔽しない位置まで下方に凹んだ形状のカバー部材30が固定されている。カバー部材30は、前方在荷センサ12a側(左側)のみが開放しており、前方在荷センサ12aから出射される検出波A1を遮蔽することなく、孔15を略閉塞することにより、車体10の内部への塵や埃等の侵入を抑制している。
【0027】
また、本実施例において、載置台11の前方側には、孔15よりも小さい略矩形状の孔16が孔15の左側に形成されている。孔16は、前方在荷センサ12aの略直上に位置しており、孔16を介して取付部材20に取り付けられた前方在荷センサ12aにアクセスすることにより、後述するように、取付部材20に対する前方在荷センサ12aの前後方向の取付角度の調整を行いやすくなっている。
【0028】
尚、孔16は、載置台11の上面に固定され実質的にパレット6の下面を支持する板状部材により閉塞されるため、前方在荷センサ12aが外部からの衝撃を受けにくくなっている。
【0029】
図4に示されるように、前方在荷センサ12aは、前後やや内向き(やや後向き)に設けられている。また、後方在荷センサ12bは、前後やや内向き(やや前向き)に設けられている。
【0030】
このように、載置台11の前後に配置される前方在荷センサ12aと後方在荷センサ12bがそれぞれ前後やや内向きに設けられることにより、
図4(b)に示されるように、検出波A1,B1により載置台11よりも前後方向の寸法が小さく、載置台11の前後の孔15,15よりも載置台11の中央側に配置されるパレット6’の側面を検出可能となる。
【0031】
尚、
図4(a)に示されるように、載置台11と前後方向の寸法が略同一のパレット6については、パレット6の下面を検出可能であることは言うまでもないが、パレット6が網目構造のパレットの場合であっても、前方在荷センサ12aおよび後方在荷センサ12bから出射される検出波A1,B1の出射方向を左右やや上向き(
図3参照)にすることにより、検出波A1,B1を左右方向に寝かせることができ、検出波A1,B1が載置台11上の近傍、すなわち載置台11上においてパレットが占める空間を横切る距離が長くなり、検出波A1,B1がパレットの網目をすり抜けてしまう確率が低くなることで、載置台11上に載置されるパレットを検出しやすくなっている。
【0032】
また、
図5に示されるように、前方在荷センサ12aおよび後方在荷センサ12bは、載置台11に載置されるパレットの大きさに応じて、取付部材20に対する前後方向の取付角度の調整を行うことができる。すなわち、前方在荷センサ12aおよび後方在荷センサ12bから出射される検出波A1,B1の走行方向に対する出射角度の調整を行うことができる。
【0033】
詳しくは、取付部材20は、載置台11に対して固定される五角形状の固定片21と、前方在荷センサ12aおよび後方在荷センサ12bが取り付けられる略矩形状の支持片22とを有するL字状の金属板を備え、支持片22には、前方在荷センサ12aおよび後方在荷センサ12bの取付位置にそれぞれ対応して固定ネジ23を挿通可能な円形の貫通孔22aと、固定ネジ24を挿通可能な1対の長孔22b,22bが形成されている。
【0034】
在荷センサの前後方向の取付角度の調整方法としては、例えば、まず前方在荷センサ12aに挿通された固定ネジ23を貫通孔22aに挿通するとともに、前方在荷センサ12aに挿通された固定ネジ24を一方の長孔22bに挿通し、固定ネジ23,24の雄ネジ部を支持片22の下方側に配置した固定板25に形成される一対の雌ネジ孔25a,25aにそれぞれ緩く螺合する。次に、固定ネジ23を軸として固定ネジ24を長孔22bに沿って移動させ、前方在荷センサ12aおよび固定板25を回動させることで取付部材20に対する前方在荷センサ12aの前後方向の取付角度を調整する。最後に、前方在荷センサ12aを所望の取付角度とした状態で、固定ネジ23,24を固定板25にそれぞれ完全に螺合することにより固定する。
【0035】
前方在荷センサ12aおよび後方在荷センサ12bは、発信部、受信部、判定部とから主に構成されており、ケーブル100(
図5参照)により演算装置と接続されている。これらの前方在荷センサ12aおよび後方在荷センサ12bの発信部から発信されたレーザ(検出波A1,B1)が載置台11上のパレット6に当たり、反射されたレーザを受信部にて受け取り、判定部がパレット6の有無や位置情報を判定できるようになっている。
【0036】
また、本実施例においては、搬送台車1の前後に前方在荷センサ12aおよび後方在荷センサ12bが設けられていることにより、載置台11上に載置される物品の検出精度を高めることができる。例えば、
図6(a)に示されるように、載置台11よりも前後方向の寸法が小さいパレット6’が、搬送台車1の緊急停止時等の慣性力等により搬送台車1の走行方向(ここでは後方側)に移動しても、前方在荷センサ12aの検出波A1および後方在荷センサ12bの検出波B1によるパレット6の検出(
図4(b)参照)から、前方在荷センサ12aの検出波A1によるパレット6’の検出がなくなることにより、パレット6’の位置ズレを検出することができる。
【0037】
また、演算装置は、前方在荷センサ12aおよび後方在荷センサ12bからパレットまでの距離を算出することにより、載置台11上に載置されたパレットの位置ズレを検出可能に構成されていてもよい。例えば、
図6(b)に示されるように、パレット6’が、搬送台車1の緊急停止時等の慣性力等により回転しても、前方在荷センサ12aおよび後方在荷センサ12bの検出波A1,B1により検出されるパレット6’までの距離が、正常な位置(
図4(b)参照)において検出される距離から変化することにより、パレット6’の位置ズレを検出することができる。尚、パレットが搬送台車1の走行方向に移動することによる位置ずれも検出可能であることは言うまでもない。
【0038】
また、演算装置は、前方在荷センサ12aおよび後方在荷センサ12bから受けたパレットの位置情報を基に、予め記憶された前後方向における搬送台車1の中心位置と載置台11上に載置されたパレットの中心位置との位置ズレを演算できるようになっていてもよい。
【0039】
以上説明したように、本発明の搬送台車は、在荷センサから出射される検出波の出射方向を左右やや上向きにすることにより、検出波を左右方向に寝かせることができ、載置台11上の近傍を横切る距離が長くなり載置台11上に載置される物品を検出しやすくなるため、検出精度を高めることができる。
【0040】
また、在荷センサは、搬送台車1の走行方向に対して左右方向に偏って設けられることにより、検出波が載置台11上の近傍を横切る距離をさらに長くすることができるため、検出精度を高めることができる。
【0041】
また、前方在荷センサ12aおよび後方在荷センサ12bは、搬送台車1の走行方向における前後両側にそれぞれ設けられることにより、載置台11上に載置される物品の検出精度を高めることができる。
【0042】
また、前方在荷センサ12aおよび後方在荷センサ12bは、載置台11の対角線上の隅部に一対設けられることにより、載置台11上に載置される物品の検出精度を高めることができる。
【0043】
また、前方在荷センサ12aおよび後方在荷センサ12bは、検出波A1,B1の出射方向が左右やや上向きかつ前後やや内向きに設けられることにより、物品の大きさにかかわらず、載置台11上に載置される物品を検出することができる。
【0044】
また、在荷センサは、前後方向の取付角度を変更可能であることにより、物品の大きさに応じて、検出波の出射方向が最適となるように在荷センサの前後方向の取付角度を変更することができる。
【0045】
また、前方在荷センサ12aおよび後方在荷センサ12bは、検出波A1,B1の出射方向が前後やや内向きであることにより、載置台11よりも前後方向の寸法が小さいパレット6’の前端面および後端面を検出しやすい。
【0046】
また、在荷センサは、車体10に対して載置台11と一緒に昇降可能となっており、在荷センサと載置台11に形成される孔15との相対位置が変化しないため、在荷センサが孔15を通して載置台11上に載置された物品を安定して検出することができる。
【0047】
尚、本実施例において、在荷センサは、少なくとも載置台11を上昇させることでパレット6ごと物品3を持ち上げた状態(
図3参照)において、載置台11上に載置されたパレット6を検出可能となっていればよい。また、在荷センサは、載置台11がパレット6の下面から離間する最下降状態において、走行レール4の載置面4aに支持された状態のパレット6を検出可能となっていてもよい。
【0048】
また、
図7(a)に示される変形例のように、前方在荷センサ12a’および後方在荷センサ12b’は、検出波A1’,B1’の出射方向が左右やや上向きかつ前後やや外向きに設けられていてもよい。尚、前方在荷センサ12a’および後方在荷センサ12b’は、取付部材20の固定片21側に形成される貫通孔22a’および長孔22b’,22b’(
図5参照)を利用して支持片22に固定されており、前方在荷センサ12aおよび後方在荷センサ12bと同様に、取付部材20に対する前後方向の取付角度の調整が可能となっている。
【0049】
また、在荷センサは、搬送台車1の前後両側に1つずつ設けられるものに限らず、
図7(b)に示される変形例のように、搬送台車1の前後両側にそれぞれ2つずつ前方在荷センサ12a,12a’および後方在荷センサ12b,12b’が設けられてもよい。これによれば、載置台11上に載置される物品の位置ズレを検出しやすくすることができる。また、前方在荷センサ12aの検出波A1の出射方向が前後やや内向き、前方在荷センサ12a’は、検出波A1’の出射方向が前後やや外向きであることにより、出射方向が前後に広がっており、広い範囲でパレットを検出可能となっている。これは後方在荷センサ12b,12b’についても同様である。
【0050】
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
【0051】
例えば、前記実施例においては、在荷センサが、物品としてパレットを検出するものとして説明したが、これに限らず、収容棚にパレットを用いずに物品が収容されている場合、在荷センサは当該物品を直接検出するものであってもよい。
【0052】
また、前記実施例では、在荷センサは、搬送台車の前後両側にそれぞれ設けられるものとして説明したが、これに限らず、例えば、在荷センサは搬送台車の前方側、後方側のいずれか一方のみ設けられてもよく、前後方向の中央に設けられてもよい。
【0053】
また、前記実施例では、在荷センサは、搬送台車の走行方向(前後方向)に対して左右に偏って設けられるものとして説明したが、これに限らず、在荷センサは左右中央に設けられていてもよい。
【0054】
また、前記実施例では、在荷センサは、載置台の対角線上の隅部に一対設けられるものとして説明したが、これに限らず、在荷センサは左右一方に偏って設けられていてもよい。
【0055】
また、前記実施例では、在荷センサは、車体に対して載置台と一緒に昇降可能となっているものとして説明したが、これに限らず、在荷センサは載置台上に載置された物品を検出可能であれば、車体側に固定されていてもよい。
【0056】
また、前記実施例では、在荷センサから出射される検出波の水平面に対する出射角度は、載置台に対して固定される取付部材の取付角度によって決定されるものとして説明したが、これに限らず、取付部材の支持片に対する在荷センサの上下方向の取付角度を変更可能とすることにより、在荷センサから出射される検出波の水平面に対する出射角度を調整可能としてもよい。
【0057】
また、搬送台車は、収容棚が備える収容レーンの走行レールを走行して物品の運搬を行うものに限らず、例えば、搬送台車は倉庫等の屋内の床を走行するものであってもよい。