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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128242
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】整列装置
(51)【国際特許分類】
   B65G 47/30 20060101AFI20240913BHJP
   B65B 35/14 20060101ALI20240913BHJP
   B65B 35/18 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
B65G47/30 D
B65G47/30 L
B65B35/14
B65B35/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037113
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】391024744
【氏名又は名称】不双産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098936
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 晃司
(74)【代理人】
【識別番号】100098888
【弁理士】
【氏名又は名称】吉川 明子
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 保彦
【テーマコード(参考)】
3E054
3F081
【Fターム(参考)】
3E054AA13
3E054BA01
3E054BA06
3E054DA05
3E054DA08
3E054DC13
3E054DE04
3E054FA02
3E054FA04
3E054FB11
3E054FC20
3F081AA10
3F081AA43
3F081AA47
3F081BD08
3F081BD15
3F081BD18
3F081BD20
3F081BF13
3F081CB01
3F081CC06
3F081CC18
3F081CD02
3F081CD09
3F081CD19
3F081CD22
3F081CE04
3F081DA12
3F081DA14
3F081FB08
(57)【要約】
【課題】バラバラになった削り節パック等の長方形で比較的扁平なワークの整列処理を一貫して自動的に且つスピーディに実現できる整列装置の提供。
【解決手段】搬送面31上を振動搬送されてきたワークWは、シャッター53と段差51との間に差し込まれ、搬送面31からの落下が阻止されると共に、段差51に跨って倒伏姿勢で留め置かれる。後続のワークWがそこに向かうと、先行のワークWと段差51との間に差し込まれて、先行のワークWにより落下が阻止されると共に、段差51に跨って倒伏姿勢になって留め置かれる。このようにして、シャッター53の閉成時には、搬送されてきたワークWが順次差し込まれていって、扁平面を斜め上方に向けて束状に重ねられていく。待機シュート45で束状に重ねられたワークWは上側から確認シュート57に一つずつ払い出されて移載されていく。
【選択図】 図7

【特許請求の範囲】
【請求項1】
長方形で扁平なワークの整列装置であって、
複数のワークを、扁平面を斜め上方に向けて束状に重ねていく束状重ね機構として、
ワークが振動搬送されながら向きが整列される整列シュートと、前記整列シュートの搬送面の下流側に設けられ、前記搬送面との間に下流側を低位とする段差が作られ、下流端にはシャッターを有する待機シュートを有し、
先行のワークは前記待機シュートでは前記シャッターで堰止めされて前記段差に跨った倒伏の下流側への移載待機姿勢にあり、後続のワークが、直近の先行のワークと前記段差との間に差し込まれて束状に重ねられ、先行のワークが払い出しされることで前記移載待機姿勢に成り代わっていくものを備えることを特徴とする整列装置。
【請求項2】
請求項1に記載した整列装置において、
補給機構が、整列シュートに設けられた下流側を低位とする段差とその下流側先方に位置する開閉可能なゲートで構築されており、
前記ゲートの閉成により待機シュートと同様にワークが束状に重ねられ、開成により上側のワークから前記待機シュートに向かって補給されていくことを特徴とする整列装置。
【請求項3】
請求項1に記載した整列装置において、
向き揃え機構が、整列シュートの搬送面は段差よりも上流側で搬送方向の途中で一方のガイド壁が他方のガイド壁に寄せられて路幅が狭められ、その路幅が変わる境界の凹部分に回転ローラが立った姿勢で配置されて構築されており、前記回転ローラの外周面の搬送面を向いた側が搬送方向に対して逆方向に回転することで、当たったワークが自転して向きが修正されて整列されていくことを特徴とする整列装置。
【請求項4】
請求項1に記載した整列装置において、
不良品排出機構が、整列シュートの上流側に設けられ、搬送面が傾斜した受入れシュートと、前記搬送面の上方で搬送方向に対して軸方向が斜め方向に横断した姿勢の回転ローラで構成されており、前記回転ローラの外周面の搬送面を向いた側が搬送方向に対して逆方向に回転することで、当たったワークがはじき出されて排出されることを特徴とする整列装置。
【請求項5】
請求項1に記載した整列装置において、
束状重ね機構で、重なったワークを上側から吸着パッドに吸着させて持ち上げて別の箇所に移載する移載機構と、移載先でワークが乗せられる移載先の搬送コンベアを備えることを特徴とする整列装置。
【請求項6】
請求項5に記載した整列装置において、
移載機構は、吸着パッドと前記吸着パッドの斜め直線方向の往復昇降運動手段で構成されており、前記吸着パッドがワークに接触したタイミングで下降から上昇に転じることを特徴とする整列装置。
【請求項7】
請求項5に記載した整列装置において、
移載機構は上昇により開く構成のシャッターを備えており、ワークの持ち上げが失敗すると、前記シャッターが開いてそのワークが落下して排出されることを特徴とする整列装置。
【請求項8】
請求項5に記載した整列装置において、
移載先では、ワークの表裏を確認する表裏確認手段と、表裏が反対と確認された場合にはワークを反転させる反転機構が設けられており、前記反転機構を通過したワークがそのままの向きで下流側の搬送コンベアに乗せられることで、その上では一つずつ間隔をあけて最終的に整列した状態になることを特徴とする整列装置。
【請求項9】
請求項8に記載した整列装置において、
ワークが異物か否か確認する異物確認手段も設けられており、前記確認手段と反転機構側は分離され、反転機構は前記確認手段に対向する側を片持上げする片持上げ手段を有しており、異物と確認された場合には前記反転機構側を片持上げして、前記確認手段側から滑落してきた異物が払い出されて排出されることを特徴とする整列装置。
【請求項10】
請求項1から9に記載された整列装置において、
複数の搬送ラインが並列された並行整列式になっており、各搬送ラインの整列シュートに加えられる振動の位相はずれて全体として振動を互いに打ち消し合う関係になっていることを特徴とする整列装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、削り節パック等の長方形で比較的扁平なワークの整列に適した整列装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
削り節パックは、削り節を包材フィルムで包装したものであり、通常は複数個まとめて大袋に詰め込まれた状態で販売されているが、削り節パックの製造と大袋への詰め込みが別のラインや別の工場でそれぞれ実施される場合も少なくない。このような場合には、削り節パックが段ボール箱等の容器に一旦溜め込まれ、大袋への詰め込みラインまで移送されてそこで詰め込み作業が実施されることになるが、溜め込まれた削り節パックは容器内でバラバラになっている。また、溜め込まれる過程で折れ曲がったりしたものも含まれている。
そのため、大袋への詰め込み作業を実施する包装機に送り込む際には、折れ曲がったりした不良品を排除した上で、包装機への送り込みコンベア上で、1つずつ同じ方向に揃えながら間隔をあけて整列させていく必要がある。
【0003】
特許文献1に記載された削り節パックの整列装置では、削り節パックを搬送方向上流側の搬送コンベアの終端の水平な面上で停止させ、吸引により上方に持ち上げつつ、水平方向に移動させ、すなわち払い出して、搬送方向下流側の別の搬送コンベアに落下させており、搬送方向上流側の搬送コンベアの終端で削り節パックが上下に重なっていても、ガイドプレートに規制されて停止した時点では横ずれがなくなっているので、下流側では、削り節パックを1つずつ同じ方向に揃えながら整列させていくことが実現されていると謳われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2017-190219号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、この整列装置では、搬送コンベアへ削り節パックが乗ってくるのは成り行きに任されているので、削り節パックがタイミング良く順次乗ってくることはなく、どうしてもバラつきが出る。そのため、払い出し工程では待ちとなる瞬間が生じ、結果として、整列処理の高速化の障害となっている。
なお、上記ではワークとして削り節パックを例にして説明しているが、それに限らず、長方形で比較的扁平なワークを整列させたい場合に共通する課題である。
【0006】
本発明は上記従来の問題点に着目してなされたものであり、長方形で比較的扁平なワークの整列処理の高速化を、払い出しサイクルを一定化することで実現できる、新規且つ有用な整列装置を提供することを、その目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、長方形で扁平なワークの整列装置であって、複数のワークを、扁平面を斜め上方に向けて束状に重ねていく束状重ね機構として、ワークが振動搬送されながら向きが整列される整列シュートと、前記整列シュートの搬送面の下流側に設けられ、前記搬送面との間に下流側を低位とする段差が作られ、下流端にはシャッターを有する待機シュートを有し、先行のワークは前記待機シュートでは前記シャッターで堰止めされて前記段差に跨った倒伏の下流側への移載待機姿勢にあり、後続のワークが、直近の先行のワークと前記段差との間に差し込まれて束状に重ねられ、先行のワークが払い出しされることで前記移載待機姿勢に成り代わっていくものを備えることを特徴とする整列装置である。
【0008】
好ましくは、補給機構が、整列シュートに設けられた下流側を低位とする段差とその下流側先方に位置する開閉可能なゲートで構築されており、前記ゲートの閉成により待機シュートと同様にワークが束状に重ねられ、開成により上側のワークから前記待機シュートに向かって補給されていく。
好ましくは、向き揃え機構が、整列シュートの搬送面は段差よりも上流側で搬送方向の途中で一方のガイド壁が他方のガイド壁に寄せられて路幅が狭められ、その路幅が変わる境界の凹部分に回転ローラが立った姿勢で配置されて構築されており、前記回転ローラの外周面の搬送面を向いた側が搬送方向に対して逆方向に回転することで、当たったワークが自転して向きが修正されて整列されていく。
好ましくは、不良品排出機構が、整列シュートの上流側に設けられ、搬送面が傾斜した受入れシュートと、前記搬送面の上方で搬送方向に対して軸方向が斜め方向に横断した姿勢の回転ローラで構成されており、前記回転ローラの外周面の搬送面を向いた側が搬送方向に対して逆方向に回転することで、当たったワークがはじき出されて排出される。
【0009】
好ましくは、束状重ね機構で重なったワークを上側から吸着パッドに吸着させて持ち上げて別の箇所に移載する移載機構と、移載先でワークが乗せられる移載先の搬送コンベアを備える。
より好ましくは、移載機構は、吸着パッドと前記吸着パッドの斜め直線方向の往復昇降運動手段で構成されており、前記吸着パッドがワークに接触したタイミングで下降から上昇に転じる。
より好ましくは、移載機構は上昇により開く構成のシャッターを備えており、ワークの持ち上げが失敗すると、前記シャッターが開いてそのワークが落下して排出される。
【0010】
より好ましくは、移載先では、ワークの表裏を確認する表裏確認手段と、表裏が反対と確認された場合にはワークを反転させる反転機構が設けられており、前記反転機構を通過したワークがそのままの向きで下流側の搬送コンベアに乗せられることで、その上では一つずつ間隔をあけて最終的に整列した状態になる。
より好ましくは、ワークが異物か否か確認する異物確認手段も設けられており、前記確認手段と反転機構側は分離され、反転機構は前記確認手段に対向する側を片持上げする片持上げ手段を有しており、異物と確認された場合には前記反転機構側を片持上げして、前記確認手段側から滑落してきた異物が払い出されて排出される。
【0011】
好ましくは、複数の搬送ラインが並列された並行整列式になっており、各搬送ラインの整列シュートに加えられる振動の位相はずれて全体として振動を互いに打ち消し合う関係になっている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の整列装置によれば、長方形で比較的扁平なワークの整列処理の高速化を、払い出しサイクルを一定化することで実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施の形態に係る整列装置の全体の正面図である。
図2図1の整列装置の斜視図である。
図3図1の1列の搬送ラインの斜視図である。
図4図3の搬送ラインの背面図である。
図5図3の不良品排出機構の斜視図である。
図6図3の向き揃え機構の斜視図である。
図7図3の束状重ね機構と補給機構の斜視図である。
図8図3の移載機構の斜視図である。
図9図3の確認機構の斜視図である。
図10図3の異物排出機構及び反転機構の斜視図である。
図11図10の異物排出機構及び反転機構を別の方向から見た斜視図である。
図12図10の異物排出機構の動作説明図である。
図13図8のバラ取り動作のタイミング線図である。
図14図1の整列装置の上方から見た要部斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態に係る整列装置1について、図面にしたがって説明する。
整列対象のワークWは、長方形で比較的扁平であり、四辺縁がシールされて少なくとも縁側に腰が作られた削り節パックが想定されている。
図1、2に示すように、この整列装置1では、機体フレーム3に複数の構成要素が支持されて、4つの同じ構成の搬送ラインが並列配設された並行整列式になっており、上方視では各搬送ラインは搬送方向上流側から下流側に向かって直線状に延びている。
上流側から下流側に向かって送込み部、整列部、送出し部になっている。
送込み部では、最上流側には共用のホッパ5が配置されている。ホッパ5の下流側の面は立上げコンベア7が2列並設されて閉塞されている。それぞれの立上げコンベア7のベルト7aの搬送面が、下流側に向かって上り勾配の傾斜面になっており、ベルト7aの側端にはガイド壁7b、7bが設けられている。
【0015】
立上げコンベア7、7の搬送面の下流側に2列構成の供給コンベア9、9の搬送面が対向配置されている。供給コンベア9のベルト9a、9aが下流側に向かって上り勾配の傾斜面になっている。隣り合うベルト9aとベルト9aの間には仕切壁9bが設けられ、供給コンベア9の側端にはガイド壁9c、9cが設けられている。
ホッパ5内にバラバラに投入されていた多数のワークWは、モータ駆動により立上げコンベア7から供給コンベア9に乗り継がれながら下流側に向かって斜め上方に摩擦搬送され、供給コンベア9の終端ではワークWは向きも未だバラバラで上下に重なり合ってはいるが、4列に振り分けられており、各別に対応して設けられた下流の搬送ラインに導かれていく。
以下、1列の搬送ラインに着目して整列部について説明する。
【0016】
供給コンベア9の搬送面の下流側に不良品排出機構の受入れシュート11の搬送面13が対向配置されており、ワークWの次の乗り継ぎ先は受入れシュート11になっている。図3図5に示すように、この受入れシュート11の搬送面13は下流側に向かって下り勾配の傾斜面になっている。搬送面13は途中で谷折り線13aを介して屈曲しており、上流側の搬送面13bより下流側の搬送面13cは下り勾配が緩やかになっている。また、搬送面13cは側方側でも傾斜している。
受入れシュート11の両側端には落下防止用にガイド壁15、15が設けられており、搬送面13c側のガイド壁15aは搬送面13b側のガイド壁15bよりも低くなっている。
【0017】
符号17は軸方向に長い回転ローラを示す。この回転ローラ17はその軸方向が受入れシュート11の側方に向かって傾斜した搬送面13c上をガイド壁15aよりも僅かに上方で横断する姿勢で保持されている。搬送方向に対して回転ローラ17の軸方向が斜めになっており、ガイド壁15a、15aのうち側方下位側のガイド壁15a(1)との交差箇所は、側方上位側のガイド壁15a(2)との交差箇所よりも下流側に位置している。回転ローラ17は保持部材19により軸周りに回転可能に保持されており、モータ駆動により与えられる回転方向は矢印に示す方向で、搬送面13cに対向する側では搬送方向とは逆方向になっている。
また、回転ローラ17と側方下位側のガイド壁15a(1)に沿って、上側が開口した回収容器21が設置されている。
【0018】
ワークWは、供給コンベア9の搬送面の終端から落下して受入れシュート11に乗り継がれて受け入れられた後は、良品の場合には扁平面を上下に向けて寝た状態で滑落搬送されてくるので、回転ローラ17と搬送面13cとの間の隙間を通り抜けて、更に、下流側に向かって滑落搬送されていく。
一方、ワークWが折り曲がった場合には、起上り部分w1があるので、その起上り部分w1が回転ローラ17の外周面に当たって引っ掛かり、下流側への移動が阻止される。回転ローラ17は回転しているので、そのワークWは押し戻される勢いで弾かれて退かされ、側方下位に向かって滑落して、終にはガイド壁15a(1)を乗り越えてはじき出されて、回収容器21に回収される。
【0019】
受入れシュート11の搬送面13cには、ワークWが自転可能な幅寸法が確保されているので、回転ローラ17に当たったときに上記のような動きが可能になっている。
回転ローラ17の外周面はシリコンゴムで構成されて多少粘着質になっているので、押し戻される勢いは強められている。図5では、回転ローラ17が矢印に示すように回転中に、折り曲がって起上り部分w1と寝た部分w2になったワークW(a)が搬送されていき、起上り部分w1が回転ローラ17に当たって、姿勢を崩しながら、搬送面13c上を側方下位に向かって滑落して、更にガイド壁15a(1)を乗り越えてはじき出されて、回収容器21内に落下するまでの移動遷移が示されている。また、良品のワークW(b)はそのまま回転ローラ17と搬送面13cとの間の隙間を通り抜けて、更に、下流側に向かって滑落搬送されていく状態が示されている。
【0020】
なお、ワークWは扁平なので、複数個上下に重なり合っていても、2個程度で隙間を通り抜けることができる程度の厚みであれば、そのまま重なり合った状態のまま通り抜けるが、通り抜けられないほど重なり合ったときには、上側のワークWは回転ローラ17の外周面に当たると、その下側のワークW諸共回転ローラ17で弾き出される場合が多い。
【0021】
図3図4に示すように、受入れシュート11の搬送面13の下流側に振動搬送フィーダが設置されており、受入れシュート11のワークWの次の乗り継ぎ先は振動搬送フィーダになっている。トラフ状の整列シュート23の搬送面25の下流側と整列シュート29の搬送面31の上流側が対向配置されており、整列シュート23の搬送面25は受入れシュート11の搬送面13に対向配置されている。
整列シュート23、29は起振動部35によって振動が加えられている。起振動部35では、上側フレーム35aと下側フレーム35bが揺動リンク35c、35cと共に平行リンク機構を構成しており、上側フレーム35aには更に別のクランク35dの先端が連結されている。下側フレーム35bは機体フレーム3側に固定され、図14に示すように、クランク35dの基端は機体フレーム3側に固定されたモータ35eの回転力が伝達されるクランク軸35fに偏心カムを介して連結されているので、クランク軸35fが回転することで、平行リンク機構は図4の矢印に示すクランク動作をする。従って、可動側の上側フレーム35aに取り付けられた整列シュート23、29に伝わる振動には、搬送方向の成分だけでなく、上下方向の成分も含まれており、振動搬送の原理に基づいてワークWはそれぞれの搬送面25、31上を下流側に向かって振動搬送されていく。搬送面25、31は下流側に向かって下り勾配で傾斜しているので、その傾斜の助けも得られてスムーズな振動搬送が実現されている。
【0022】
整列シュート23の搬送面25は、搬送面13cとは異なり、側方向では傾斜しておらず、搬送面25の上流側の高さ位置は搬送面13cの側方下位側の下流側の高さより僅かに低い位置になっている。
また、搬送面25の幅寸法は上流側では受入れシュート11の搬送面13cを搬送面25上に投影させた幅寸法とほぼ同じになっているが、側方上位側に連なる側が下流側に向かって徐々に寄せられて幅狭になっており、更に途中で大きく切り欠かれている。従って、上流側の搬送面25は受入れシュート11の搬送面13とほぼ同じ程度の幅広が確保されているが、その境界より下流側の搬送面25はワークWの短辺方向の長さ寸法よりもわずかに大きい程度の幅狭になっている。
【0023】
符号37は軸方向に長い回転ローラを示す。図6に示すように、この回転ローラ37はその軸方向が整列シュート23の搬送面25の切り欠かれてできた境界の凹部分で立って搬送面25と略直交する姿勢で保持されている。回転ローラ37は保持部材39により軸回りに回転可能に保持されており、モータ駆動により与えられる回転方向は矢印に示す方向で、搬送面25を向いた側が搬送方向とは逆回りになっている。
整列シュート23の搬送面25の両側端にはガイド壁27、27がそれぞれ設けられているが、上記の凹部分ではガイド壁27が欠落しており、回転ローラ37の外周面は搬送面23の縁より上側で露出した状態になっている。
【0024】
ワークWは、受入れシュート11の搬送面13c上を搬送されていく際には、側方下位側のガイド壁15a(1)側に寄せられていくので、長辺縁か短辺縁のいずれか一方がガイド壁15a(1)側に寄せられた状態になっている。
長辺縁がガイド壁15a(1)側に寄せられた状態になっている場合には、そのまま整列シュート23に乗り継がれるが、短辺縁がガイド壁15a(1)に寄せられた状態になっている場合には、対向するガイド壁27とガイド壁27の間に挟まれつつ、回転している回転ローラ37の外周面に縁が当たって回転力を受け取ることで振り回されて自転し、その結果として向きが修正されて、一方の長辺縁がガイド壁27側に寄せられた状態になり、ワークWはその修正された姿勢で下流側に向かって搬送されていく。
【0025】
ワークWには振動が与えられているので、浮き上がって自転し易くなっている。また、回転ローラ37の外周面は多少粘着質のシリコンゴムで構成されて摩擦が大きくなっているので、振り回す勢いは強められている。そのため、回転ローラ37の回転がワークWに伝わり易くスムーズな自転が実現されている。
図6では、回転ローラ37が矢印に示すように回転中に、ワークWの縁が回転ローラ37の外周面に当たって、姿勢が修正されながら振動搬送されていくまでの移動遷移が示されている。
【0026】
図3図4図7に示すように、ワークWの整列シュート23からの乗り継ぎ先の整列シュート29は、整列シュート23とほぼ同じ形状で同じ下り勾配になっているが、可動側の上側フレーム35aとの距離が短くなっており、整列シュート29の搬送面31の上流端は整列シュート23の搬送面25の下流端よりも一段下がった高さ位置にあり、その差が段差41になっている。搬送面25の下流端側は斜め下方に折れたフラップ25aが延設されており、このフラップ25aの傾斜上面が段差41に架かって搬送面25と搬送面31との間に跨っている。
【0027】
整列シュート29は搬送面31の幅方向中心を分割部とする半割り状に構成されており、幅方向中心は搬送方向に沿った溝32になっている。
この溝32を通って搬送面31の上方に細長い帯状のゲート43が突出可能になっており、これらで補給機構が構成されている。
ゲート43の基端側にはエアシリンダ44のロッドが連結されており、ロッドの伸縮に対応して溝32を通り抜けて搬送面31上に出没する。エアシリンダ44は機体フレーム3側に支持されており、ロッドの伸縮中ゲート43の板面がフラップ25aの傾斜上面に対して所定の間隔をあけてほぼ平行姿勢を維持しながら移動するように調整されている。
ゲート43が搬送面31上に突出すると、ゲート43が閉じ、ゲート43が搬送面31から没入すると、ゲート43が開くことになる。
【0028】
搬送面25上を振動搬送されてきたワークWは、ゲート43の閉成時には、ゲート43とフラップ25aの傾斜上面との間に差し込まれ、ゲート43により下流側への搬送が阻止されると共に、フラップ25aの傾斜上面に乗せられて寝た姿勢から倒伏姿勢になってそこに留め置かれる。ワークWは重なった状態の場合には、重なり部分が大きい場合にはそのまま重なった状態のまま差し込まれる。また、重なり部分が小さい場合には下側のワークWが倒伏した際に分かれて、差込み先行と後続のワークWに分かれるので、向きが揃えられている限り、ワークWが重なり合って搬送されてきても問題ない。
後続のワークWがそこに向かうと、先行のワークWとフラップ25aの傾斜上面との間に差し込まれ、先行のワークWが上側から被さることで下流側への搬送が阻止されると共に、フラップ25aの傾斜上面に乗せられて倒伏姿勢になってそこに留め置かれる。
【0029】
このようにして、ゲート43の閉成時には、搬送されてきたワークWが順次差し込まれて、上下に束状に重ねられていく。
そして、ゲート43が開くと、束状に重ねられたワークWは上側から順次下流側に向かってせり出していき束から離れて更に下流側に向かって搬送される。
なお、搬送面25の下り勾配は緩やかなので、ゲート43の開閉途中でワークWが転がり落ちることはない。
【0030】
ワークWの整列シュート29の搬送面31の下流側に、束状重ね機構の待機シュート45の搬送面47の上流側が対向配置されており、ワークWの次の乗り継ぎ先は待機シュート45になっている。この待機シュート45の搬送面47は整列シュート29の搬送面31とほぼ同じ幅になっているが、搬送方向の長さ寸法が短く、且つ、より大きな下り勾配になっている。搬送面47の上流端側は搬送面31の下流端の下側に回り込んでおり、搬送面31の下流側と搬送面47との間が段差51になっている。待機シュート45は搬送面47の幅方向中心を分割部とする半割り状に構成されて機体フレーム3側に支持されており、整列シュート29を幅方向外側からそれぞれ挟んだ状態になっている。
【0031】
この待機シュート45の下流端に対向してシャッター53が設けられている。
このシャッター53は一枚の平板からU字形に切り欠かれて形成された一対のシャッター面53a、53aを備えている。シャッター53の基端側にはエアシリンダ55のロッドが連結されており、ロッドの伸縮に対応して一対のシャッター面53a、53aが上下動する。エアシリンダ55は機体フレーム3側に支持されており、ロッドの伸縮中はシャッター面53a、53aが搬送面47にほぼ直交する姿勢を維持しながら移動するように調整されている。
【0032】
シャッター面53aが上方に進行すると、シャッター53が開き、シャッター面53aが搬送面47に向かって下方に後退すると、シャッター53が閉じる。
搬送面47上を振動搬送されてきたワークWは、シャッター53の閉成時には、シャッター53と段差51との間に差し込まれ、搬送面47からの落下が阻止されると共に、段差51に跨って倒伏姿勢で留め置かれる。
後続のワークWがそこに向かうと、先行のワークWと段差51との間に差し込まれて、先行のワークWにより落下が阻止されると共に、段差51に跨って倒伏姿勢になって留め置かれる。このようにして、シャッター53の閉成時には、搬送されてきたワークWが順次差し込まれていって、扁平面を斜め上方に向けて束状に重ねられていく。
最も上側のワークWの下流側の短辺縁がシャッター53に直接当たり、そのワークWが補給用に送られていくと、その直ぐ下側のワークWが振動により下流側に向かってせり出して、その上側のワークWの姿勢に成り代わってシャッター53に直接当たる。
【0033】
待機シュート45で束状に重ねられたワークWは上側から確認シュート57に一つずつ吸着されて移載されていく。
この確認シュート57は待機シュート45と似た形状でほぼ同じ幅寸法で、その搬送面59は待機シュート45の搬送面47と上方視では直列に連なっており、ガイド壁61、61によりズレが規制されて、移載後もワークWの長辺縁は搬送方向に沿った姿勢で維持される。また、側方視で示すように、下り勾配がより大きくなっており、且つ搬送面59の上流側は搬送面47のガイド壁49の下流端側の高さ位置よりも高い位置にある。また、搬送面59の上流端と搬送面47の下流端との間にはシャッター53が開いたときに、ワークWが落下していけるだけの隙間が設けられている。
【0034】
図9に示すように、確認シュート57の搬送面59の下流端に対向して、上方に細長い軸状のゲート63が突出可能になっている。ゲート63の基端側にはエアシリンダ65のロッドが連結されており、ロッドの伸縮に対応して搬送面59上に出没する。エアシリンダ65は機体フレーム3側に支持されており、ロッドの伸縮中ゲート63が搬送面59と直交する姿勢を維持しながら移動するように調整されている。
ゲート63が搬送面59上に突出するとゲート63が閉じ、ゲート63が搬送面59から没入するとゲート63が開く。
ゲート63の閉成時には、移載されてきたワークWが確認シュート57に留め置かれる。ゲート63は搬送面59の下流側に形成された丸穴59aから出没するので、確認シュート57の下り勾配が急でもワークWは自転し難くなっている。
ガイド壁61、61との間に隙間があっても自転し難くなっている。
【0035】
図8で符号67は真空パッド(吸着パッド)を示す。この真空パッド67にエアシリンダ69のロッドが連結されて移載機構が構成されている。エアシリンダ69は機体フレーム3側に支持されており、ロッドの伸縮中真空パッド67は吸着側を下側に向けた姿勢を維持しながら、エアシリンダ69のロッドの昇降に対向して矢印に示すように斜め方向に往復昇降動作をするように調整されている。
真空パッド67の下降により待機シュート45の搬送面47上に向かい、上昇より確認シュート57の搬送面59上に向かう。真空パッド67が下降して搬送面47上に重ねられたワークWのうち最も上側にきているワークWに接触して吸着させて、その後上昇しながら持ち上げ、搬送面59上に向かい最も近づいたときに吸着を止めて更に圧縮エアを噴射してワークWを開放させて、ワークWを搬送面59上に落下させる。これが払い出し動作になっている。
【0036】
そのときにはゲート63が閉じているので、落下したワークWは、搬送面59上に寝た姿勢で留め置かれる。
図3で符号71は待機ワーク有無確認センサ(光電センサ)を示す。この待機ワーク有無確認センサ71がONしている間は払い出し動作が継続される。
真空パッド67に繋がる真空源には吸着確認センサが内蔵されているので、真空パッド67がワークWの吸着に失敗してシャッター53の上端縁に引っ掛かっているような場合には、この吸着確認センサが働かないことで異物と判断し、シャッター53を開いてその掛かったワークWを含む全ての待機ワークWを落下させて排出する。
また、符号73は待機ワーク残り確認センサ(光電センサ)を示す。待機シュート45の搬送面47からワークWが持ち上げて払い出されるとその分だけ重ね個数が減るので、待機しているワークWが少なくなってくると、待機ワーク残り確認センサ73がOFFになってゲート43が開かれ、ワークWが送り出されてくる。
ゲート43が開いた後は予め設定された個数になるまで、すなわち待機ワーク残り確認センサ73がONになるまでワークWが待機シュート45に補給され続ける。
最も上側にあるワークWの下流側の短辺縁がシャッター53に直接当たっており、そのワークWが払い出されると、その直ぐ下側のワークWが振動により下流側に向かってせり出して、その上側にあったワークWの姿勢に成り代わってシャッター53に直接当たる。そのため、常に、最も上側にあるワークWは常時真空パッド67の下降方向の最適位置で待機している。
【0037】
図13では、移載機構と補給機構とが連動したワークのバラ取り動作のタイミング線図が示されている。
下降中の真空パッド67はワークWに接触した後は上昇に転ずるので、ワークWに過剰な負荷をかけずに済む。また、待機ワーク残り確認センサ73のセンシングにより制御されるゲート43の開閉動作により待機しているワークWが不足しない様に調整されているので、真空パッド67が下降する先には常にワークWが待機している。
【0038】
確認シュート57は一対のガイド壁61、61の間に逆凹状のアーチ62が掛け渡されており、その天面部に表裏確認手段として画像監視カメラ75が設置されている。この画像監視カメラ75の撮像画像でワークWの表裏が正しい状態で寝ているか否かだけでなく良品か異物かも判別される。
なお、一方のガイド壁61側にはワーク確認センサ(光電センサ)77が設置されており、このワーク確認センサ77でワークWが確認されると、センサONになって、画像監視カメラ75のシャッターが切られる。
【0039】
図10に示すように、ワークWの確認シュート57の搬送面59の下流側に第1中継シュート79の搬送面81の上流側が対向配置されており、ワークWの次の乗り継ぎ先は第1中継シュート79になっている。この第1中継シュート79の搬送面81は確認シュート57の搬送面59とほぼ同じ幅で、且つほぼ同じ下り勾配になっている。但し、回動して搬送面81の上流端側が持ち上げられるようになっており、その分だけ確認シュート57の下流側との間に隙間が設けられている。
符号85はエアシリンダを示し、このエアシリンダ85のロッドに一方のガイド壁83側が連結部材87を介して片持ち支持されている。エアシリンダ85は機体フレーム3側に支持されており、ロッドの伸縮により第1中継シュート79は回動するように調整されている。ロッドの短縮により、搬送面81の上流側が持ち上げられる。
【0040】
確認シュート57に留め置かれていたワークWは、ゲート63が開くと、第1中継シュート79に向かって滑落搬送されていくが、画像監視カメラ75によりそのワークWが異物と判断されると、第1中継シュート79が図12に示すように持ち上げられて、第1中継シュート79の上流側と、確認シュート57の下流側との間の隙間からそのワークWが払い出されて排出される。その隙間の下方には上側が開口した回収容器(図示省略)が設置されており、その回収容器に落下して回収される。
【0041】
ワークWの第1中継シュート79からの乗り継ぎ先は反転機構89になっている。
図10図11に示すように、この反転機構89は扁平な四角筒体89aを備えており、その内底面は第1中継シュート79の搬送面81の下流端に対向して面一状に連なっている。また、四角筒体89aの下流側端面に対向して、上方に円板状のゲート91が突出可能になっている。ゲート91の基端側にはエアシリンダ93が直接連結されており、エアシリンダ93の駆動によりゲート91が四角筒体89aの下流側端面上に出没する。エアシリンダ93は機体フレーム3側に支持されており、ロッドの伸縮中ゲート91が四角筒体89aの下流側端面と直交する姿勢を維持しながら移動するように調整されている。
【0042】
ゲート91が四角筒体89aより上方に突出するとゲート91が閉じ、ゲート91が四角筒体89aより下方に没入するとゲート91が開く。
四角筒体89aの内底面は第1中継シュート79の搬送面81とほぼ同じ下り勾配で傾斜しており、第1中継シュート79から四角筒体89aの内部に向かってワークWが寝た姿勢を維持しながら滑落して入りこんでいくが、ゲート91の閉成時には、その入り込んできたワークWがゲート91により留め置かれる。
【0043】
四角筒体89aの軸方向が回転円板89bの板面と直交する方向で、四角筒体89aは回転円板89bの穴に内嵌されて一体化されている。この回転円板89bは機体フレーム3側に固定された穴の開いた保持板89cの丸い開口の縁に沿って設けられたコロ部材89dに自転可能に保持されており、四角筒体89aは保持板89cの開口を貫通した姿勢で保持されている。
空圧のロータリーアクチュエータ95が機体フレーム3側に固定されており、このシャフトにアーム97の一端側が連結されている。アーム97の中間は機体フレーム3側に固定され、他端側が回転円板89bに連結されている。従って、シャフトの回転に対応して回転円板89bと共に四角筒体89aが自転し、その扁平面部が180°反転して、四角筒体89a内に留め置かれていたワークWの扁平面の上下が反転する。
この後に、ゲート91が開かれると、ワークWはその反転姿勢を維持したまま、滑落する。
【0044】
ワークWの反転機構89から下流側は送出し部になっており、四角筒体89aからの乗り継ぎ先は第2中継シュート99になっている。この第2中継シュート99の搬送面101は反転機構89側よりも大きな下がり勾配になっており、ワークWはガイド壁103、103により側方へのズレが規制されながら滑落していく。
図2に示すように、搬送面101の下流側にはベルトコンベアタタイプの搬送コンベア105が配置されており、モータ駆動より下流側に向かって水平な搬送面に乗ったワークWが寝た姿勢で摩擦搬送されていく。
ワークWは第2中継シュート99の搬送面101上から滑落して水平な搬送面107に当たった短辺縁が直ぐに下流に向かって摩擦搬送されていくことから、搬送面107上では向きの揃った寝た姿勢で、1つずつ間隔をあけて搬送されていく。
移載動作を一定の繰り返しサイクルで実施することで、搬送面107上に等間隔でワークWを並べていくことができる。
【0045】
搬送コンベア105は、4列の第2中継シュート99からの共通した乗り継ぎ先になっており、搬送面107上ではワークWは搬送方向、すなわち長手方向に対して搬送されていく列は4列になっている。
この整列装置1によれば、真空パッド67の下降側には常に縦横の向きが揃えられた良品のワークWが待機している。しかも、真空パッド67の昇降動作のみで、乗り継ぎが完了し、乗り継ぎ先でワークWの姿勢を修正する必要がない。そのため、移載動作が連続的且つ高速で進行する。その結果として、ワークWの整列処理を一貫して自動的に且つスピーディに実現できる。
また、図14に示すように、1つの搬送ラインに対して一つの起振動部35が備えられており、共通のモータ35eのクランク軸35f側にそれぞれのクランク35dの基端側が偏心カムを介して連結されているが、クランク35dの連結角度が90°ずれている。従って、各搬送ラインの整列シュート23、29に加えられる振動の位相が互いに打ち消しあって、機体フレーム3側に掛かる振動が抑制されている。
なお図14では視認の便宜のため、4つのクランク35dは同じ角度で連結されている。
【0046】
振動搬送フィーダにより加えられる振動は搬送だけでなく、回転ローラ37の接触による自転にも利用されるので、低周波振動(例えば、振幅4mm、振動数8Hz程度)が推奨される。
ベルトコンベアに代えて搬送の主要部分を整列シュート23、29で構成しており、消耗品のベルトを最小限に抑えて装置を構築することが可能になっている。
モータやエアシリンダ等の駆動系も、シュートの形状的工夫と組み合わせることで、極力減らしてシンプルな構造が実現されている。
供給コンベア9ではワークWはまとめて重なり合った状態で供給されてくるので、供給コンベア9は間欠運転でもよい。
【0047】
整列装置1は上記したように構成されており、束状重ね機構を備えることにより、立上げコンベア7や供給コンベア9からのワークWの送込みにバラつきがあっても、待機シュート45ではワークWが常時複数貯留されることでそのバラつきが相殺されて、払い出しサイクルの一定化が実現されている。特に、補給機構を併用することで、待機シュート45へのワークWの送込みを上流側で予備調整することが可能になっており、待機シュート45で貯留させるワークWの個数を多くし過ぎずに済む。そのため、最も上側にくるワークWが立ち上がらずに払い出しし易い倒伏姿勢で維持させることが容易になっている。
また、向き揃え機構を備えてワークWの向きを積極的に揃えており、特許文献1のようにガイドプレートへワークが自然に馴染むことに頼った消極的なものではないことから、ワークWの向きを確実に揃えることが可能になっている。なお、削り節パックのような四方の縁が鋭利なものは上記のように整列のために規制しようとすると、僅かな隙間に刺さったり、僅かな凹凸に引っ掛かり易く、詰まり等の不具合に発展することが間々あるが、この整列装置1では、整列シュート23はステンレス板を曲げて製作しており、滑らかな樋状になっているので、上記の不具合は回避できている。また、ステンレス板は消耗しない上に清掃し易いので、ベルトコンベア等に対して維持費や衛生面で優位になっている。
【0048】
整列装置1では、異物や不良品の排出機構が備えられており、下流側で不具合を発生させる前に、搬送ラインから取り除かれるので、装置を一旦停止させるような状況にはならない。また、不具合を発生させずに、異物や不良品が製品化されて市場に流出すると、メーカーの信用問題になるが、このようなことも回避される。
【0049】
整列装置1では、待機シュート45でワークWは整列されて待機しているので、移載機構では真空パッド67が取付けられたハンドを旋回させずに、只真空パッド67を昇降させる動作だけで、ワークWを持ち上げて払い出すことが可能である。ワークが整列されていなければ、画像処理でワークの向きを検出し、ワーク毎に修正角度を算出して、ロボットハンドにその都度必要な複雑且つ精密な旋回動作を行わせる必要があるが、この整列装置1ではそのような構成は不要である。このように単純なピックアップ動作で払い出し工程が実施されることでも、ワークWの整列処理の一層の高速化が可能になっている。また、移載機構の単純化につながるので、装置構築の初期費用も抑えられて優位になっている。
【0050】
以上、本発明の実施の形態について詳述してきたが、具体的構成は、この実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計の変更などがあっても発明に含まれる。
例えば、ワークWは縁に腰が有れば、回転ローラ37に当たったときに折れることがないので、必ずしも縁にシールを施す必要はない。
また、ワークWは正方形であれば、回転ローラ37を利用した自転は不要になる。
また、整列シュート23の搬送面25は、搬送面13cとは異なり、側方向では傾斜していないが、搬送面13cと同様に傾斜させてもよい。また、この整列装置1では、移載機構でワークWを1個ずつ持ち上げて払い出しているが、待機シュート45では、複数のワークWが束状に重ねられて上下に整列しており、その重ね個数は一定に調整可能なので、送出し先によっては一定の複数個数のワークWを同時に払い出したい場合があり、それに対応させることも可能になっている。
【符号の説明】
【0051】
1…整列装置 3…機体フレーム 5…ホッパ
7…立上げコンベア 7a…ベルト 7b…ガイド壁
9…供給コンベア 9a…ベルト 9b…仕切壁
9c…ガイド壁 11…受入れシュート 13…搬送面
13a…谷折り線 13b、13c…搬送面 15…ガイド壁
15a、15b…ガイド壁 17…回転ローラ 19…保持部材
21…回収容器 23…整列シュート 25…搬送面
25a…フラップ 27…ガイド壁 29…整列シュート
31…搬送面 32…溝 33…ガイド壁
35…起振動部 35a…上側フレーム 35b…下側フレーム
35c…揺動リンク 35d…クランク 35e…モータ
35f…クランク軸 37…回転ローラ 39…保持部材
41…段差 43…ゲート 44…エアシリンダ
45…待機シュート 47…搬送面 49…ガイド壁
51…段差 53…シャッター 53a…シャッター面
55…エアシリンダ 57…確認シュート 59…搬送面
59a…丸穴 61…ガイド壁 62…アーチ
63…ゲート 65…エアシリンダ
67…真空パッド(吸着パッド) 69…エアシリンダ
71…待機ワーク有無確認センサ
73…待機ワーク残り確認センサ
75…画像監視カメラ 75a…ビーム
77…ワーク確認センサ 77a…ビーム
79…第1中継シュート 81…搬送面 83…ガイド壁
85…エアシリンダ 87…連結部材 89…反転機構
89a…四角筒体 89b…回転円板 89c…保持板
89d…コロ部材 91…ゲート 93…エアシリンダ
95…ロータリーアクチュエータ 97…アーム
99…第2中継シュート 101…搬送面 103…ガイド壁
105…搬送コンベア 107…搬送面
W…ワーク w1…起上り部分 w2…寝た部分
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14