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  • -社会起業家支援システム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128257
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】社会起業家支援システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/26 20240101AFI20240913BHJP
【FI】
G06Q50/26
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037135
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】722008009
【氏名又は名称】合同会社IPマネジメント
(72)【発明者】
【氏名】吉原 和男
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC35
5L050CC35
(57)【要約】
【課題】
社会的弱者を支援することを目的に活動している社会起業家も多いが、この様な社会起業家は収益をあげる事が難しい。
【解決手段】
Webサイト(1)は、社会的弱者の職業訓練の受講並びに、職業訓練受講後の就職/転職活動を支援する社会起業家の活動実績を活動実績記録部(5)に記録、社会起業家が支援する者の職業訓練の受講実績、並びに職業訓練終了後に職業訓練の内容を活かせる仕事に就業した者の給与収入から社会起業家が受けることの出来る支援金の上限額を決定する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
Webサイトを備え、
前記Webサイトは、自治体と公共職業安定所が提供する職業訓練を受講している者、職業訓練を終了し職業訓練の内容を活かせる仕事への就業を希望する者を支援する法人及び個人事業主を登録する事業者登録部を備え、
前記事業者登録部に登録されている法人及び個人事業主が支援している自治体と公共職業安定所が提供する職業訓練を受講している者の氏名と生年月日もしくは個人番号と、受講している職業訓練の内容、職業訓練を終了した者の氏名と生年月日もしくは個人番号と、終了した職業訓練の内容、職業訓練を終了後に職業訓練の内容を活かせる仕事に就業した者の給与振込先の口座情報もしくは個人番号が記録された活動実績記録部を備え、
前記活動実績記録部に職業訓練を終了した者として登録されている者について、前記活動実績記録部に記録されている氏名と生年月日もしくは個人番号にもとづき、自治体や公共職業安定所が提供する職業訓練の受講履歴を記録する職業訓練受講記録DBから受講が終了した職業訓練の内容を取得する訓練内容取得部を備え、
前記活動実績記録部に、職業訓練終了後に職業訓練の内容を活かせる仕事に就業した者として登録されている者について、前記活動実績記録部に記録されている給与振込先の口座情報もしくは個人番号にもとづき、金融機関から該当する者の入金額と入金先の名称を取得する入金情報取得部を備え、
前記訓練内容取得部が取得した受講が終了した職業訓練の内容と人数、前記入金情報取得部が入手した入金額と入金先の名称から、前記事業者登録部に登録されている法人及び個人事業主が受けられる支援金の上限を決定する上限額決定部を備える
事を特徴とする社会起業家支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、職業訓練の受講及び職業訓練終了後の就職/転職活動を支援する法人及び個人事業主の資金調達を支援するための技術となる。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、NPОに対する寄付を最大化するマッチング方法の技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許6822711号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
収入が増えれば支出も増え、経済に好ましい影響を与えることが期待できるため、最低賃金の引き上げと同様に多くの人に職業訓練の機会を提供し、より高度で待遇の良い仕事に就いてもらう事も重要となる。
【0005】
日本の厚生労働省は、自治体や公共職業安定所が提供する職業訓練の受講者に経済的な支援を行い能力開発に務めているが、働きながら職業訓練を受け、就職/転職活動を行う事は負担が大きい。また、自治体や公共職業安定所が提供する職業訓練を受ける事で収入が改善される見込みのある人達には、社会的弱者も含まれる。特定の状況下に置かれている社会的弱者を支援することを目的に活動している社会起業家(法人及び個人事業主)も多いが、この様な社会起業家は収益をあげる事が難しい。
【0006】
社会起業家が自治体や公共職業安定所が提供する職業訓練の受講並びに職業訓練終了後の就職/転職活動を支援し、その活動実績に応じて、企業から寄付として活動資金を得られれば、より多くの人を支援する事が出来る。企業が社会的弱者を支援する社会起業家に活動資金を寄付する事は、SDGs10(人や国の不平等をなくそう)に適う活動であるし企業の広報活動にも繋がる。また、高い能力を有する人材が増える事は企業にも有利に働くが、企業が社会起業家に寄付出来る金額の指標が定められなければ、不正行為が発生することが懸念される。
【0007】
このため、企業による社会起業家の支援を活発化させるには、社会起業家の活動実績に基づき、企業が寄付出来る金額が決定される必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、社会起業家支援システムは、Webサイトを備え、前記Webサイトは、自治体と公共職業安定所が提供する職業訓練を受講している者、職業訓練を終了し職業訓練の内容を活かせる仕事への就業を希望する者を支援する法人及び個人事業主を登録する事業者登録部を備え、前記事業者登録部に登録されている法人及び個人事業主が支援している自治体と公共職業安定所が提供する職業訓練を受講している者の氏名と生年月日、もしくは個人番号と受講している職業訓練の内容、職業訓練を終了した者の氏名と生年月日、もしくは個人番号と終了した職業訓練の内容、職業訓練を終了後に職業訓練の内容を活かせる仕事に就業した者の給与振込先の口座情報、もしくは個人番号が記録された活動実績記録部を備える。
【0009】
前記Webサイトは、前記活動実績記録部に職業訓練を終了した者として登録されている者について、前記活動実績記録部に記録されている氏名と生年月日、もしくは個人番号にもとづき、自治体や公共職業安定所が提供する職業訓練の受講履歴を記録する職業訓練受講記録DBから受講が終了した職業訓練の内容を取得する訓練内容取得部を備え、前記活動実績記録部に、職業訓練終了後に職業訓練の内容を活かせる仕事に就業した者として登録されている者について、前記活動実績記録部に記録されている給与振込先の口座情報、もしくは個人番号にもとづき、金融機関から該当する者の入金額と入金先の名称を取得する入金情報取得部を備え、前記訓練内容取得部が取得した受講が終了した職業訓練の内容と人数、前記入金情報取得部が入手した入金額と入金先の名称から、前記事業者登録部に登録されている法人及び個人事業主が受けられる支援金の上限を決定する上限額決定部を備える。
【0010】
前記Webサイトは、前記訓練内容取得部と前記入金情報取得部が取得した情報と、前記活動実績記録部に記録された内容が異なる場合に、内容が異なっていた者、異なっている内容、支援している法人名及び個人事業主名を前記Webサイトの管理者に通知する通知部を備える。
【0011】
前記Webサイトは、前記Webサイトの管理者がWebサイトの利用がふさわしくないと判断した法人の代表者と役員、及び個人事業主を登録するブラックリスト登録部を備え、前記ブラックリスト登録部に登録された者が代表もしくは役員を努める法人もしくは個人事業主の登録を拒否する登録拒否部を備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、自治体や公共職業安定所が提供する職業訓練の受講を支援している法人及び個人事業主が活動実績に応じて評価され、企業による支援が活発化し平均年収の向上に寄与することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施例に係る社会起業家支援システムの概略構成を説明する図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明に係わる社会起業家支援システム100の実施例にて図面を用いて説明する。
【0015】
図1は、社会起業家支援システム100の概略構成を説明する図である。
【0016】
社会起業家支援システム100は、Webサイト1、職業訓練受講記録DB2、金融機関3により構成される。
【0017】
Webサイト1は、事業者登録部4、活動実績記録部5、訓練内容取得部6、入金情報取得部7、上限額決定部8、通知部9、ブラックリスト登録部10、登録拒否部11を含む。
【0018】
社会起業家が職業訓練の受講や就職/転職活動を支援し、その活動実績に応じて企業から寄付として活動資金を得られれば、より多くの人を支援する事が出来る。この際、社会起業家の支援内容は自治体や公共職業安定所が提供する職業訓練の受講者並びに職業訓練終了後に就職/転職活動を行っている者を定期的な面談によりモチベートする事に限定されることが望ましい。これは民間企業が提供する職業訓練の受講を社会起業家が支援する仕組みとすると、民間企業が自社の職業訓練の受講者を増やすために、社会起業家を利用するためである。
【0019】
企業が社会起業家を支援するための寄付金は、税金の控除対象とされるべきだが、社会起業家が事業を運営するためのコストが増え、必要な寄付金の額が増えると、関係者を社会起業家に仕立て上げ、関係者である社会起業家に寄付をする事で税金対策に利用する者が現れる事が想定されるため、社会起業家が事業を運営するためのコストは少なくてすむ事が望ましい。
【0020】
また、自治体や公共職業安定所が提供する職業訓練を受講しキャリアアップを図るには、支援を受ける者のやる気が重要となる。特定の状況に置かれた社会的弱者に対して、その状況を良く理解している者が定期的に面談を行う事は支援を受ける者をモチベートするのに有益であるし、事業を運営するコストは少なくて済む。
【0021】
このため、社会起業家支援システム100は、Webサイト1を備え、Webサイト1は、自治体と公共職業安定所が提供する職業訓練を受講している者、職業訓練を終了し職業訓練の内容を活かせる仕事への就業を希望する者を支援する法人及び個人事業主を登録する事業者登録部4を備え、事業者登録部4に登録されている法人及び個人事業主が支援している自治体と公共職業安定所が提供する職業訓練を受講している者の氏名と生年月日、もしくは個人番号と受講している職業訓練の内容、職業訓練を終了した者の氏名と生年月日、もしくは個人番号と終了した職業訓練の内容、職業訓練を終了後に職業訓練の内容を活かせる仕事に就業した者の給与振込先の口座情報、もしくは個人番号が記録された活動実績記録部5を備える。
【0022】
社会起業家に寄付できる金額を活動実績に応じて適正な金額とするため、Webサイト1は、活動実績記録部5に職業訓練を終了した者として登録されている者について、活動実績記録部5に記録されている氏名と生年月日、もしくは個人番号にもとづき、自治体や公共職業安定所が提供する職業訓練の受講履歴を記録する職業訓練受講記録DB2から受講が終了した職業訓練の内容を取得する訓練内容取得部6を備え、活動実績記録部5に、職業訓練終了後に職業訓練の内容を活かせる仕事に就業した者として登録されている者について、活動実績記録部5に記録されている給与振込先の口座情報、もしくは個人番号にもとづき、金融機関から該当する者の入金額と入金先の名称を取得する入金情報取得部7を備え、訓練内容取得部6が取得した受講が終了した職業訓練の内容と人数、入金情報取得部7が入手した入金額と入金先の名称から、事業者登録部4に登録されている法人及び個人事業主が受けられる支援金の上限を決定する上限額決定部8を備える。
【0023】
活動実績に応じて寄付の上限が決まると、活動実績を水増しする社会起業家が現れる事が想定されるため、訓練内容取得部6と入金情報取得部7が取得した情報と、活動実績記録部5に記録された内容が異なっていた場合に、内容が異なっていた者、異なっている内容、支援している法人名及び個人事業主名を前記Webサイトの管理者に通知する通知部9を備え、Webサイト1の管理者がWebサイト1の利用がふさわしくないと判断した法人の代表者と役員、及び個人事業主を登録するブラックリスト登録部10を備え、ブラックリスト登録部10に登録された者が代表もしくは役員を努める法人もしくは個人事業主の登録を拒否する登録拒否部11を備える。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明は、公的機関の職業訓練の受講を支援している法人及び個人事業主が活動実績に応じて評価され、企業による支援が活発化し平均年収を向上させるのに好適である。
【符号の説明】
【0025】
1 Webサイト
2 職業訓練受講記録DB
3 金融機関
4 事業者登録部
5 活動実績記録部
6 訓練内容取得部
7 入金情報取得部
8 上限額決定部
9 通知部
10 ブラックリスト登録部
11 登録拒否部
図1