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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012826
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】電子部品実装基板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/28 20060101AFI20240124BHJP
   H01L 25/07 20060101ALI20240124BHJP
   H01L 23/12 20060101ALI20240124BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20240124BHJP
   H01L 33/54 20100101ALI20240124BHJP
   H01R 4/70 20060101ALI20240124BHJP
【FI】
H05K3/28 F
H01L25/04 A
H01L23/12 K
H01L33/62
H01L33/54
H05K3/28 G
H01R4/70 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114569
(22)【出願日】2022-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】507038881
【氏名又は名称】株式会社ファーストシステム
(74)【代理人】
【識別番号】100120765
【弁理士】
【氏名又は名称】小滝 正宏
(74)【代理人】
【識別番号】100097076
【弁理士】
【氏名又は名称】糟谷 敬彦
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 啓康
(72)【発明者】
【氏名】大須賀 得郎
(72)【発明者】
【氏名】仲野 泰史
(72)【発明者】
【氏名】加藤 久和
(72)【発明者】
【氏名】茂木 久美子
(72)【発明者】
【氏名】松井 超
【テーマコード(参考)】
5E314
5F142
【Fターム(参考)】
5E314AA26
5E314AA33
5E314AA34
5E314BB02
5E314BB11
5E314CC15
5E314FF01
5E314FF21
5E314GG01
5F142AA02
5F142AA66
5F142AA77
5F142BA32
5F142CB11
5F142CD02
5F142CD13
5F142CD43
5F142CE06
5F142CE16
5F142CG03
5F142DB12
5F142EA10
5F142GA21
(57)【要約】
【課題】電子部品、配線部材やリード線が実装された電子部品実装基板を密封し、さらにリード線取出し部分においても密封が可能であり、十分な防沫性能を有する電子部品実装基板を提供する。
【解決手段】電子部品2、電子部品2間を連結する配線部材3、配線部材3と電子部品2に電気を供給するため等のリード線6を接続するための外部接続部4が実装された電子部品実装基板1であって、外部接続部4は、配線部材3と連結する内側連結部41、内側連結部41と連結し、リード線6を連結する外側連結部42と、内側連結部41と外側連結部42の領域より大きい貫通孔44を有する枠部43が取付けられ、枠部43の貫通孔44を除く電子部品実装基板1の表面は、フィルム5で密封され、枠部43の貫通孔44内は、少なくとも樹脂70で充填、または、キャップ71が装着されている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品と、前記電子部品間を連結する配線部材と、前記配線部材と前記電子部品に電気を供給するため、または、前記電子部品との間で信号の入出力を行うためのリード線を接続するための外部接続部が実装された電子部品実装基板であって、
前記外部接続部は、前記配線部材と連結する内側連結部と、前記内側連結部と連結し、前記リード線を連結する外側連結部と、
前記内側連結部と、前記外側連結部の領域より大きい貫通孔を有する枠部が前記電子部品実装基板に取付けられて形成され、
前記外部接続部の前記枠部の前記貫通孔を除く前記電子部品実装基板の表面は、フィルムで密封され、
前記外部接続部の前記枠部の前記貫通孔には、少なくとも樹脂またはゴムが充填、または、キャップが装着されていることを特徴とする電子部品実装基板。
【請求項2】
前記電子部品は、少なくとも発光ダイオード(LED)がレンズで覆われているLEDモジュールを含み、
前記フィルムは透明な樹脂フィルムであり、
前記外部接続部の前記枠部の高さは、前記配線部材の高さより高く、前記LEDモジュールの高さより低い請求項1に記載の電子部品実装基板。
【請求項3】
前記配線部材はリード線であり、前記リード線は、前記LEDモジュールに配設された圧接端子に取付けられている請求項2に記載の電子部品実装基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品や配線部材と、電子部品に電気を供給するため、または、電子部品との間で信号の入出力を行うためのリード線を接続するための外部接続部が実装された電子部品実装基板を、絶縁対策、放熱対策、防接対策、防水・防湿対策等の種々の目的のために密封した電子部品実装基板に関するものである。
【背景技術】
【0002】
素子やコイル等の部品が実装された回路基板(IC基板)等においては、しばしば、絶縁対策、放熱対策、防振対策、防水・防湿対策等のために回路基板上の部品を密封する必要がある。例えば、特許文献1には、以下の技術(方法)が示されている。
【0003】
図7は、加飾成形工程後の基板の平面図であり、図8は、配線露出工程後の基板の平面図である。基板100上に複数の素子200が定着され、このうち一つの素子200の結線部400に配線300が結線された基板100の上面側に、熱可塑性を有し、且つ基板100全体を覆う大きさの被覆フィルムをオーバーレイ成形してなる回路基板であって、オーバーレイ成形は、被覆フィルム500を基板100の上方に拡げてセットし、セットした被覆フィルム500の上下それぞれを囲って、被覆フィルム500で仕切られた上下の連続する密閉空間を形成し、これら上下の密閉空間の相互に圧力差を生じさせる加飾成形(三次元加飾成形)によるものであり、加飾成形後の被覆フィルム500が、回路基板よりも周囲四方へ連なって張り出した張り出し部600を端部に有し、張り出し部600の張り出し基部が基板100の全周に亘って基板100の周側面に密着されている(図7)。
【0004】
図7においては、この回路基板は周囲に余分な被覆フィルム500が拡がるため、カット工程によって被覆フィルム500を図7に示す二点鎖線でカットする。カット工程後の状態図が図8である。このカット工程においては併せて配線端部の被覆フィルム500を切除して配線300の配線端部の一部を結線可能に露出させる露出工程を行う。これにより、結線部400から平行に複数本張り出した配線300の配線端部がすべて露出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2015-228421号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、カット工程においては併せて配線300の配線端部の被覆フィルム500を切除して配線300の配線端部の一部を結線可能に露出させる露出工程を行い、これにより、結線部400から平行に複数本張り出した配線300の配線端部がすべて露出するので、配線300と被覆フィルム500の間には隙間が生じ、十分な防沫性能が得られるとは言い難い。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、電子部品や電子部品間を連結する配線部材や配線部材と、電子部品に電気を供給するため、または、電子部品との間で信号の入出力を行うためのリード線を接続するための外部接続部が実装された電子部品実装基板を密封し、さらに、リード線取出し部分においても密封が可能であり、十分な防沫性能を有する電子部品実装基板を提供することを目的とする。
【0008】
上記課題を解決するために、請求項1の本発明は、電子部品と、電子部品間を連結する配線部材と、配線部材と、電子部品に電気を供給するため、または、電子部品との間で信号の入出力を行うためのリード線を接続するための外部接続部が実装された電子部品実装基板であって、外部接続部は、配線部材と連結する内側連結部と、内側連結部と連結し、リード線を連結する外側連結部と、内側連結部と、外側連結部の領域より大きい貫通孔を有する枠部が電子部品実装基板に取付けられて形成され、外部接続部の枠部の貫通孔を除く電子部品実装基板の表面は、フィルムで密封され、外部接続部の枠部の貫通孔には、少なくとも樹脂またはゴムが充填、または、キャップが装着されていることを特徴とする電子部品実装基板である。
【0009】
請求項1の本発明では、電子部品と、電子部品間を連結する配線部材と、配線部材と、電子部品に電気を供給するため、または、電子部品との間で信号の入出力を行うためのリード線を接続するための外部接続部が実装された電子部品実装基板であって、外部接続部は、配線部材と連結する内側連結部と、内側連結部と連結し、リード線を連結する外側連結部と、内側連結部と、外側連結部の領域より大きい貫通孔を有する枠部が電子部品実装基板に取付けられて形成され、外部接続部の枠部の貫通孔を除く前子部品実装基板の表面は、フィルムで密封されているので、電子部品と、電子部品間を連結する配線部材、配線部材と外部接続部間は、高い防沫性能を有している。
【0010】
また、外部接続部においては、外部接続部の枠部の貫通孔には、少なくとも樹脂またはゴムが充填、または、キャップが装着されているので、フィルムから連結される形で、外部に引き出されるリード線を含めて密封することができる。その結果、外部接続部においても高い防沫性能を有することができる。したがって、電子部品実装基板全域において、高い防沫性能を有することができる。
【0011】
ここで、リード線とは、電気回路において、電源や電子部品などを電気的に接続するための線部材の総称であり、ビニール線、すずめっき線、エナメル線などが存在する。そして、リード線は、電子部品間で電気信号や電気エネルギーを伝える役割を果たす。
【0012】
請求項2の本発明は、請求項1の発明において、電子部品は、少なくとも発光ダイオード(LED)がレンズで覆われているLEDモジュールを含み、フィルムは透明な樹脂フィルムであり、外部接続部の枠部の高さは、配線部材の高さより高く、LEDモジュールの高さより低い電子部品実装基板である。
【0013】
請求項2の本発明では、電子部品は少なくとも発光ダイオード(LED)がレンズで覆われているLEDモジュールを含み、フィルムは透明な樹脂フィルムであるので、第1に、LEDモジュールと、LEDモジュール間を連結する配線部材が透明な樹脂フィルムで密封されるので、密封されていない場合に発生するLEDモジュール、LEDモジュールのレンズの脱落や、配線部材がLEDモジュール間で浮き上がり、LEDモジュールからの横方向の放射光を遮ることがなくなる。その結果、LEDモジュールからの放射光を効率的に利用することができる。
【0014】
また、第2に、外部接続部の枠部の高さは、配線部材の高さより高く、LEDモジュールの高さより低いので、外部接続部によってLEDからの横方向の放射光を遮ることがない。その結果、外部接続部においてもLEDからの放射光を効率的に利用することができる。
【0015】
請求項3の本発明は、請求項2の発明において、配線部材はリード線であり、リード線は、LEDモジュールに配設された圧接端子に取付けられている電子部品実装基板である。
【0016】
請求項3の本発明では、配線部材はリード線であり、リード線は、LEDモジュールに配設された圧接端子に取付けられているので、リード線をLEDモジュールに半田付けして接続する場合に比較して、容易に接続することができ、作業性に優れている。また、半田付けの場合の接続不良の発生を防止することができ、半田付けの際のLEDへの熱的負荷の心配もない。
【発明の効果】
【0017】
電子部品と、電子部品間を連結する配線部材と、配線部材と、電子部品に電気を供給するため、または、電子部品との間で信号の入出力を行うためのリード線を接続するための外部接続部が実装された電子部品実装基板であって、外部接続部は、配線部材と連結する内側連結部と、内側連結部と連結し、リード線を連結する外側連結部と、内側連結部と、外側連結部の領域より大きい貫通孔を有する枠部が電子部品実装基板に取付けられて形成され、外部接続部の枠部の貫通孔を除く前子部品実装基板の表面は、フィルムで密封されているので、電子部品と、電子部品間を連結する配線部材、配線部材と外部接続部間は、高い防沫性能を有している。
【0018】
また、外部接続部においては、外部接続部の枠部の貫通孔には、少なくとも樹脂またはゴムが充填、または、キャップが装着されているので、フィルムから連結される形で、外部に引き出されるリード線を含めて密封することができる。その結果、外部接続部においても高い防沫性能を有することができる。したがって、電子部品実装基板全域において、高い防沫性能を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の実施形態に用いる電子部品実装基板の平面図である。
図2図1の破線領域内の拡大図であり、樹脂の充填、または、キャップの装着前の状態を示す図である。
図3】本発明の実施形態に用いるLEDモジュール(電子部品)の平面図である。
図4】本発明の第1の実施形態に用いる電子部品実装基板の外部接続部の斜視図であり、樹脂が充填される前の状態を示す図である。
図5】本発明の第2の実施形態に用いる電子部品実装基板の外部接続部のキャップ装着前の斜視図である。
図6】(a)は図5において、キャップ装着後の外部接続部の中央部におけるA方向からの断面図であり、(b)はキャップ装着後の外部接続部の中央部におけるB方向からの断面図である。
図7】従来の電子部品実装基板の加飾成形工程後の基板の平面図である(特許文献1)。
図8】従来の電子部品実装基板の配線部露出工程後の基板の平面図である(特許文献1)。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の実施形態に用いる電子部品実装基板1は、広告看板や道路標識などに使用される発光ダイオード(LED)照明に使用されるものである。また、本発明の実施形態に用いる電子部品実装基板に実装する電子部品は、図3に示すLED21がレンズ22で覆われているLEDモジュール20である。
【0021】
本発明の実施形態において、第1の実施形態と第2の実施形態に共通する電子部品実装基板について、図1から図4に基づいて説明する。なお、以下に述べる電子部品実装基板1、LEDモジュール20の寸法、LEDモジュール20の個数、LEDモジュール20と外部接続部4の配置、配線部材3の経路、外部接続部4の形状等は例示であり、適用対象の仕様等により適宜変更される。
【0022】
LEDモジュール20のLED21は、例えば、GaN(窒化ガリウム)系化合物半導体からなり、青色光を発する。そして、図示しない蛍光樹脂により、例えば、シリコン樹脂またはエポキシ樹脂に、LED21から発せられる青色光によって励起されることにより黄色光を発する物質が配合されたものをリフレクタによって囲まれた空間に充填し、これによって、青色光と黄色光の混色としての白色光を得るタイプのものである。
【0023】
なお、白色光については、上記以外に、青色、紫色または紫外域に発光のピーク波長を有するLEDと単数、または、複数の蛍光体との組み合わせによるものを用いてもよい。
【0024】
また、LED21は、レンズ22で覆われている。レンズ22は、ドーム状であるが、LED21との間に砲弾状の空間を有すると共に、LED21の軸上に窪み部23が形成されている。このレンズ22の形状により、LED21からの放射光を効率的に横方向に導くと共に、LED21の軸上の光度を抑え、広い領域で均一な発光状態を達成する。
【0025】
LEDモジュール20は、縦が約27mm、横が約43mmの矩形であり、図3における上方端部に正極と負極の端子が形成されている。本実施形態では、端子は圧接端子8を使用した。圧接端子8は、溝が形成された2枚の平行平板で構成されており、溝部にリード線を物理的圧力により食い込ませることにより、電線の被覆を剥がすことなく固着可能なタイプのものである。電線の端末処理が不要のため、作業時間の短縮が可能であり、また、作業者のスキルに左右されにくい。また、半田付けの場合の接続不良の発生を防止することができ、半田付けの際のLEDへの熱的負荷の心配もない。
【0026】
電子部品実装基板1は、図1に示すように、アルミニウム製の矩形の平板上に白色の絶縁フィルムが貼り付けられたものである。電子部品実装基板1のサイズは、縦横が300mmの正方形である。絶縁フィルムを白色とするのは、LEDモジュール20からの放射される光が白色であることに基づく。
【0027】
図1に示すように、電子部品実装基板1上には、四隅と中央に計5個のLEDモジュール20が両面テープを用いて取付けられている。また、配線部材3としては、ビニール線を使用し、ビニール線を所定の長さに切断した後に、ビニール線の両端部を各LEDモジュール20の圧接端子8に圧接工具を使用して食い込ませることによってLEDモジュール20と配線部材3を電気的に接続している。
【0028】
図1に示すように、電子部品実装基板1の下方のほぼ中央部には、LEDモジュール20に外部から電気を供給するためのリード線6を接続するための外部接続部4が形成されている。
【0029】
図2に示すように、外部接続部4には、電気的に配線部材3と連結する2箇所(正極側と負極側)の内側連結部41と、電気供給元と電子部品実装基板1をリード線6で連結するための外側連結部42が形成されている。また、内側連結部41と外側連結部42の正極側同士、負極側同士も連結されている。本実施形態では、内側連結部41と外側連結部42が形成された板状部材48が電子部品実装基板1に両面テープによって取付けられている。なお、内側連結部41と外側連結部42は、電子部品実装基板1に形成されていてもよい。
【0030】
外部接続部4においては、内側連結部41と外側連結部42の領域より大きい貫通孔44を有する樹脂製の枠部43が、電子部品実装基板1に両面テープによって取付けられている。貫通孔44は、上記の板状部材48が収まる大きさである。したがって、枠部43が取付けられると貫通孔44内に内側連結部41と外側連結部42が露出している。
【0031】
枠部43は、図2図4に示すように、円柱筒状であり、電子部品実装基板1側の筒幅が広い2段構成になっている。また、電子部品実装基板1とは反対側(表面側)は、内径が広くなるように形成されている。
【0032】
また、枠部43には、電子部品実装基板1側に配線部材3とほぼ同じ厚さ(高さ)を有する連通部45が形成され、連通部45と約180°の位置であり、枠部43の表面側には、表面側溝部47が形成されている。
【0033】
連通部45は、配線部材3と内側連結部41を連結するために形成する。また、表面側溝部47は、外側連結部42とリード線6を接続した時、リード線6の電子部品実装基板1からの高さを低くし、LEDモジュール20からの横方向(電子部品実装基板1の表面と平行)の光が遮られることを防止するために形成する。
【0034】
次に、電子部品実装基板1の密封と、リード線6の接続について説明する。電子部品実装基板1にLEDモジュール20と外部接続部4の板状部材48を、両面テープを用いて固定した後、配線部材3として、ビニール線を使用し、ビニール線を所定の長さに切断した後に、ビニール線の両端部を各LEDモジュール20の圧接端子8に圧接工具を使用して食い込ませることによって接続する。この段階では、外部接続部4とLEDモジュール20との間は接続されていない。
【0035】
外部接続部4とLEDモジュール20との間の接続に使用する所定の長さの配線部材3を準備し、配線部材3の一方の先端部の銅線を露出させた後、外部接続部4の内側連結部41と銅線を半田付けによって接続する。
【0036】
外部接続部4の連通部45に内側連結部41と連結した配線部材3を入れ、所定の位置に、外部接続部4の枠部43を電子部品実装基板1上に両面テープで固定する。
【0037】
外部接続部4の内側連結部41と連結されている配線部材3の端部をLEDモジュール20の圧接端子8に取付ける。これにより、外部接続部4の内側連結部41と全てのLEDモジュール20が電気的に接続される。
【0038】
フィルム5と電子部品実装基板1の密着は、以下のように行う。電子部品実装基板1のLEDモジュール20、配線部材3と外部接続部4が配設された面の上方に透明なフィルム5を載置し、フィルム5を加熱して軟化させる。電子部品実装基板1とフィルム5間を真空状態にすることによりフィルム5面の両側に圧力差を生じさせる。電子部品実装基板1を上方に突き上げ、同時にフィルム5の電子部品実装基板1側と反対の面を加圧してフィルム5を電子部品実装基板1に密着させる。その後、電子部品実装基板1のLEDモジュール20、配線部材3と外部接続部4が配設された面の反対側の面のフィルム5をトリミングすることにより、フィルム5の電子部品実装基板1への密着が完了する。
【0039】
フィルム5には、EVA(エチレン酢酸ビニル共重合体)系、PO(ポリオレフィン)系、PES(ポリエステル)系、ACR(ポリアクリル)系、 PUR(ポリウレタン)系、ナイロン、塩化ビニール等のホットメルトフィルムを使用することができる。
【0040】
この段階で、LEDモジュール20、配線部材3と外部接続部4は、フィルム5により強固に電子部品実装基板1上に固定されるので、広告看板や道路標識などに使用されるときの作業時や設置後の振動、温度や湿度の変化によって、電子部品実装基板1上の位置から移動、または、脱落することよる断線や明るさのバラツキ等の不具合が発生することを防止することができる。
【0041】
また、LEDモジュール20、配線部材3と外部接続部4は、フィルム5によって電子部品実装基板1に密着されるので、配線部材3、外部接続部4を電子部品実装基板1に固定する際は、フィルム5の密着作業を行うまでの間、電子部品実装基板1上の位置から動かない、脱落しない程度の弱い固定であればよい。
【0042】
その後、外部接続部4の貫通孔44のフィルム5を、カッターナイフ等によって切除し、外部接続部4の貫通孔44内の内側連結部41と外側連結部42を露出させる。この時、円柱筒状の枠部43の表面側先端部分とフィルム5は、密封が維持されている。
【0043】
図示しない電気供給元、または、他の電子部品実装基板と接続するためのリード線6を準備し、リード線6の一方の先端部の銅線を露出させた後、外部接続部4の外側連結部42と銅線を半田付けによって接続する。そして、リード線6を表面側溝部47に沿わせる。これにより、LEDモジュール20と、LEDモジュール20間を連結する配線部材3と、配線部材3と、LEDモジュール20に電気を供給するためのリード線6を接続するための外部接続部4が実装された電子部品実装基板1が作製される。
【0044】
なお、上記配線部材3と内側連結部41の接続、リード線6と外側連結部42は半田付けによって行ったが、LEDモジュール20と同様、圧接端子によって接続してもよい。
【0045】
(第1の実施形態)
上記までの工程では、外部接続部4の貫通孔44内の内側連結部41と外側連結部42は露出しており、円柱筒状の枠部43の表面側先端部分とフィルム5は、密封が維持されているが、貼り付け面積が小さいので、作業時や設置後の振動、温度や湿度の変化によって、剥がれる可能性がある。
【0046】
本第1の実施形態では、外部接続部4の貫通孔44内に、樹脂70を充填することにより、貫通孔44内の内側連結部41と外側連結部42、切除されたフィルム5の端部を覆う(図1)。その結果、外部接続部4を含む電子部品実装基板1全域において、高い防沫性能を有することができる。
【0047】
充填する樹脂70は、広告看板や道路標識の環境において、ひび割れが発生しない特性を有すれば、特段限定されず、例えば、シリコン、ウレタン、エポキシ樹脂などを使用することができる。なお、充填する樹脂70は、透明なものでもよいが、LEDモジュール20からの放射される光が白色であるので、白色の添加物を混合するとことが望ましい。また、ゴムを充填してもよい。
【0048】
(第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態について、図5図6に基づいて説明する。図5は、本発明の第2の実施形態に用いる電子部品実装基板1の外部接続部4のキャップ71取付け前の斜視図である。また、図6(a)は、図5において、キャップ71取付け後の外部接続部4の中央部におけるA方向からの断面図であり、(b)はキャップ71取付け後の外部接続部4の中央部におけるB方向からの断面図である。
【0049】
上記の第1の実施形態との相違点は、本第2の実施形態では、図5に示すように、キャップ71を使用し、キャップ71を装着することによって、円柱筒状の枠部43の表面側を覆うことにある。なお、本第2の実施形態では、さらに、キャップ71と円柱筒状の枠部43の表面側を接着することも実施した。
【0050】
図5図6に示すように、キャップ71の外部接続部4側の形状は、外部接続部4の枠部43の表面側形状に合致するようになっている。キャップ71には、外部接続部4の枠部43と接着するための枠部接合部72、枠部43の貫通孔44に当接、または近接するガイド部73が形成されている。また、枠部接合部72には、リード線6のためのキャップ溝部74が形成されている。キャップ71は、例えば、シリコン、ウレタン、エポキシ樹脂などの樹脂やゴムを使用し、成形により作製することができる。
【0051】
本第2の実施形態では、外部接続部4の外側連結部42と銅線を半田付けによって接続する。そして、リード線6を表面側溝部47に沿わせた後に、キャップ71のガイド部73を枠部43の貫通孔44内に挿入することにより、キャップ71を外部接続部4の枠部43に被せ、貫通孔44を含む枠部43上を覆う。そして、接着剤を枠部43とキャップ71の間、枠部43とリード線6とキャップ71との間に充填する。その結果、外部接続部4を含む電子部品実装基板1全域において、高い防沫性能を有することができる。
【0052】
なお、第1の実施形態の樹脂の充填の後にキャップ71を装着し、樹脂70と、キャップ71により貫通孔44内の内側連結部41と外側連結部42、切除されたフィルム5の端部を覆ってもよい。
【0053】
ところで、広告看板や道路標識などに使用されるLED照明では、LEDモジュールを電線で数珠繋ぎ状に繋げたものを使用するが、仕様の違いを考慮し、電線の長さを長めに設定したものを汎用製品としている。そのため、LEDモジュールをLED照明の下地(アルミ複合板、本発明の電子部品実装基板1に相当)にシリコンコーキングして取付けた後に余った電線を処理する必要がある。
【0054】
この余った電線の処理は、一般的には、ワイヤーステッカーと呼ばれる配線固定部材で固定し、必要により、この部分もシリコンコーキングして固定する。そのため、余った電線は無駄な材料(資源)となっている。また、余った電線の処理部分は、LED照明内で光の障壁となり、遮光された電線部分がLED照明の発光面に写り込む光ムラの原因となっている。
【0055】
したがって、本発明により、余分な電線の発生を防止することができ、余分な電線による遮光に起因する光ムラの発生を防止することができる。
【0056】
本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【0057】
上記の実施形態は、電源供給元と接続するリード線6との連結について説明したが、例えば、LEDモジュール20の発光を制御するための信号を入出力するための多数のリード線との連結についても適用することができる。
【0058】
上記の実施形態は、広告看板や道路標識などに使用されるLED照明に使用される電子部品実装基板1について説明したが、例えば、発光素子ではない、半導体回路基板についても適用することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 電子部品実装基板
2 電子部品
3 配線部材
4 外部接続部
5 フィルム
6 リード線
8 圧接端子
20 LEDモジュール
41 内側連結部
42 外側連結部
43 枠部
44 貫通孔
48 板状部材
70 樹脂
71 キャップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8