特開 2024-128265 集合シュート

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)

(12)【公報種別】公開特許公報(A)

(11)【公開番号】P2024128265

(43)【公開日】2024-09-24

(54)【発明の名称】集合シュート

(51)【国際特許分類】

   G01G 19/387 20060101AFI20240913BHJP

【ＦＩ】

G01G19/387 D

【審査請求】未請求

【請求項の数】2

【出願形態】ＯＬ

(21)【出願番号】P 2023037151

(22)【出願日】2023-03-10

(71)【出願人】

【識別番号】000147833

【氏名又は名称】株式会社イシダ

(74)【代理人】

【識別番号】110001564

【氏名又は名称】フェリシテ弁理士法人

(72)【発明者】

【氏名】西 道雄

(72)【発明者】

【氏名】早川 周作

(57)【要約】

【課題】上部シュートから下部シュートに落下したときの衝撃による物品の割れ欠けを抑制すること。
【解決手段】一実施形態に係る集合シュート１０は、上方から投入される物品を第１排出口１１Ａに集合させる上部シュート１１と、第１排出口１１Ａに接続され、第１排出口１１Ａから排出される物品を下方に排出する第２排出口１２Ａを有する下部シュート１２とを備える。平面視において、第２排出口１２Ａは、第１排出口１１Ａからずれた位置に設けられ、上部シュート１１における第２排出口１２Ａの直上の物品の滑落面には、滑落面に沿って滑落する物品を迂回させて第１排出口１１Ａに向かわせる規制部２０が設けられている。
【選択図】図３

【特許請求の範囲】

【請求項1】

上方から投入される物品を第１排出口に集合させる上部シュートと、
前記第１排出口に接続され、前記第１排出口から排出される前記物品を下方に排出する第２排出口を有する下部シュートと、を備える集合シュートであって、
平面視において、前記第２排出口は、前記第１排出口からずれた位置に設けられ、
前記上部シュートにおける前記第２排出口の直上の前記物品の滑落面には、前記滑落面に沿って滑落する前記物品を迂回させて前記第１排出口に向かわせる規制部が設けられている、集合シュート。

【請求項2】

前記第１排出口の上部には、前記第１排出口からの前記物品の排出を一時的に阻止する上下動可能なシャッタが設けられている、請求項１に記載の集合シュート。

【発明の詳細な説明】

【技術分野】

【0001】

本発明は、集合シュートに関する。

【背景技術】

【0002】

従来、２台の包装装置上に１台の組合せ計量装置を配置する場合、左右に２分割された集合シュートが使用される。左右に２分割された集合シュートのそれぞれの部分の上面視の形状は、半円形である。

【0003】

図６（ａ）及び図６（ｂ）に示すように、かかる集合シュート１０では、上部シュート１１及び下部シュート１２が設けられており、上部シュート１１の排出口１１Ａに接続される下部シュート１２が、上部シュート１１に対して斜めに配置されている。

【先行技術文献】

【特許文献】

【0004】

【特許文献1】実用新案登録第２５８８０７３号

【発明の概要】

【発明が解決しようとする課題】

【0005】

しかしながら、図６（ａ）及び図６（ｂ）に示すように、かかる集合シュート１０において、上部シュート１１の傾斜面１１Ｓと下部シュート１２の傾斜面１２Ｓとが逆向きになる領域Ｘでは、上部シュート１１の滑落面１１Ｓを滑落してきた物品は、下部シュート１２の傾斜面１２Ｓに沿うことなく、空中に飛び出して、下部シュート１２に落下する。そのため、物品は、落下したときの衝撃で割れたり欠けたりしてしまうという問題点があった。

【0006】

そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、上部シュートから下部シュートに落下したときの衝撃による物品の割れ欠けを抑制することができる集合シュートを提供することを目的とする。

【課題を解決するための手段】

【0007】

一実施形態に係る集合シュートは、上方から投入される物品を第１排出口に集合させる上部シュートと、前記第１排出口に接続され、前記第１排出口から排出される前記物品を下方に排出する第２排出口を有する下部シュートと、を備える集合シュートであって、平面視において、前記第２排出口は、前記第１排出口からずれた位置に設けられ、前記上部シュートにおける前記第２排出口の直上の前記物品の滑落面には、前記滑落面に沿って滑落する前記物品を迂回させて前記第１排出口に向かわせる規制部が設けられていることを要旨とする。

【発明の効果】

【0008】

本発明によれば、上部シュートから下部シュートに落下したときの衝撃による物品の割れ欠けを抑制することができる集合シュートを提供できる。

【図面の簡単な説明】

【0009】

【図1】図１は、一実施形態に係る組合せ計量装置１の全体構成の一例を示す図である。

【図2】図２は、一実施形態に係る組合せ計量装置１の集合シュート１０の一例について説明するための図である。

【図3】図３は、一実施形態に係る組合せ計量装置１の集合シュート１０の一例について説明するための図である。

【図4】図４は、一実施形態に係る組合せ計量装置１の集合シュート１０の一例について説明するための図である。

【図5】図５は、一実施形態に係る組合せ計量装置１の集合シュート１０の一例について説明するための図である。

【図6】図６は、従来技術について説明するための図である。

【発明を実施するための形態】

【0010】

以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は、以下の説明を参酌して判断すべきである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれ得る。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。

【0011】

（第１実施形態）
以下、図１～図５を参照して、本発明の第１実施形態に係る組合せ計量装置１について説明する。図１は、本実施形態に係る組合せ計量装置１の全体構成の一例を示す図である。図２～図５は、一実施形態に係る組合せ計量装置１の集合シュート１０の一例について説明するための図である。

【0012】

図１に示すように、本実施形態に係る組合せ計量装置１は、分散テーブル２と、供給トラフ３と、プールホッパ４と、計量ホッパ５と、集合シュート１０とを備えている。

【0013】

分散テーブル２及び各供給トラフ３は、それぞれ加振装置の駆動により振動することで、分散テーブル２上に外部から供給された物品を、各供給トラフ３の下流に設けられた複数のプールホッパ４に供給する。

【0014】

各プールホッパ４は、供給トラフ３から供給されて受け取った物品を一時的に収容して貯留する。各プールホッパ４の下流に、各計量ホッパ５が設けられている。各計量ホッパ５には、プールホッパ４から投入された物品を計量する重量検出器を備えた計量ヘッダ及びゲートが設けられている。各計量ホッパ５のゲートの下方に、集合シュート１０が設けられている。

【0015】

制御部６は、各計量ホッパ５の計量結果に基づいて所定目標値に対応する物品の組合せを算出する組合せ計算を行い、かかる組合せ計算により算出された物品の組合せに係る物品を各計量ホッパ５から集合シュート１０に排出させるように構成されている。

【0016】

図１及び図２に示すように、集合シュート１０は、上部シュート１１と、下部シュート１２とを備えている。

【0017】

ここで、上部シュート１１及び下部シュート１２は、それぞれ左右に２分割されていてもよい。かかる場合、分割された上部シュート１１及び下部シュート１２のそれぞれの部分の上面視の形状は、半円形である。

【0018】

図１及び図３に示すように、上部シュート１１は、上方（計量ホッパ５）から投入される物品を第１排出口１１Ａに集合させる。

【0019】

また、図１に示すように、下部シュート１２は、上部シュート１１の第１排出口１１Ａに接続され、かかる第１排出口１１Ａから排出される物品を下方に排出する第２排出口１２Ａを有する。

【0020】

図１及び図３に示すように、平面視において、かかる第２排出口１２Ａは、かかる第１排出口１１Ａからずれた位置に設けられている。

【0021】

図３～図５に示すように、上部シュート１１における第２排出口１２Ａの直上の物品の滑落面１１Ｓには、かかる滑落面１１Ｓに沿って滑落する物品を迂回させて第１排出口１１Ａに向かわせる規制部２０が設けられている。

【0022】

図４に示すように、規制部２０は、上面視において台形形状を有していてもよい。また、図５に示すように、規制部２０は、側面視において三角形状を有していてもよい。

【0023】

例えば、規制部２０は、長方形状の板状部材２０Ａと、２枚の三角形状の板状部材２０Ｂとによって構成されていてもよい。

【0024】

かかる場合、図４及び図５に示すように、長方形状の板状部材２０Ａの一方の短辺２０Ａ１は、滑落面１１Ｓに接続されており、同板状部材２０Ａの他方の短辺２０Ａ２は、滑落面１１Ｓから離れた位置に配置されている。

【0025】

また、２枚の三角形状の板状部材２０Ｂの一辺２０Ｂ１は、板状部材２０Ａに接続されており、２枚の板状部材２０Ｂの一辺２０Ｂ２は、滑落面１１Ｓに接続されている。２枚の板状部材２０Ｂの一辺２０Ｂ３の一方側は、板状部材２０Ａに接続されており、２枚の板状部材２０Ｂの一辺２０Ｂ３の他方側は、滑落面１１Ｓに接続されている。ここで、２枚の板状部材２０Ｂの一辺２０Ｂ３は、板状部材２０Ａから離れるにつれて、板状部材２０Ａから滑落面１１Ｓに向かうように配置されている。

【0026】

かかる構成によれば、図３及び図４に示すように、上部シュート１１の滑落面１１Ｓを滑落してきた物品を、矢印Ｃに示すように、規制部２０（板状部材２０Ｂ）に沿って迂回させることができる。そのため、上部シュート１１の滑落面１１Ｓを滑落してきた物品が、そのままの速度で第１排出口１１Ａを介して下部シュート１２に落下するという事態を回避することができる。その結果、上部シュート１１の滑落面１１Ｓを滑落してきた物品の落下速度を低減させることができるため、物品が、落下したときの衝撃で割れたり欠けたりしてしまうという事態を回避することができる。

【0027】

また、図３～図５に示すように、第１排出口１１Ａの上部には、第１排出口１１Ａからの物品の排出を一時的に阻止する上下動可能なシャッタ３０が設けられていてもよい。このシャッタ３０の表面には、衝撃吸収性に優れ、食品にも使用できるポリウレタン製のシート（バンコラン（登録商標））が被せられている。

【0028】

かかる構成によれば、割れやすい物品を優しく堰き止めた後、迂回によって遅れてきた物品も含めて、それらを一まとめにして一斉に下部シュート１２に排出することができる。したがって、割れやすい物品の割れや欠けを防ぎながら、それらを一まとめにして容器等に充填することができるから、充填された容器の入れ替え速度を向上させることができる。

【0029】

本実施形態によれば、上部シュート１１から下部シュート１２に落下するときの落差の大きい箇所に向かう物品を落差の少ない方へ迂回させから下部シュート１２に排出するから、下部シュート１２に落下したときの衝撃による物品の割れ欠けを抑制することができる。

【0030】

上述の実施形態を用いて本発明について詳細に説明したが、当業者にとっては、本発明が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本発明は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施できる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本発明に対して何ら制限的な意味を有するものではない。

【符号の説明】

【0031】

１…組合せ計量装置
２…分散テーブル
３…供給トラフ
４…プールホッパ
５…計量ホッパ
６…制御部
１０…集合シュート
１１…上部シュート
１１Ａ…第１排出口
１１Ｓ…滑落面
１２…下部シュート
１２Ａ…第２排出口
２０…規制部
３０…シャッタ

【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】