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特開2024-128291情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128291
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240913BHJP
【FI】
G08G1/16 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037200
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】田村 英樹
(72)【発明者】
【氏名】平岡 健二
(72)【発明者】
【氏名】大澤 和哉
(72)【発明者】
【氏名】神藏 敦吏
(72)【発明者】
【氏名】笹川 嘉孝
(72)【発明者】
【氏名】荻原 真理子
(72)【発明者】
【氏名】藤原 祐二
(72)【発明者】
【氏名】姜 宏武
(72)【発明者】
【氏名】田中 孝幸
(72)【発明者】
【氏名】雪下 智且
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181BB04
5H181BB13
5H181CC03
5H181CC04
5H181CC12
5H181CC14
5H181DD07
5H181FF04
5H181FF13
5H181FF14
5H181FF27
5H181FF32
5H181LL01
5H181LL02
5H181LL04
5H181LL07
5H181LL08
(57)【要約】
【課題】ドライバーの安全性をより向上させる。
【解決手段】本開示にかかる情報処理装置は、取得部と、算出部と、報知部とを備える。取得部は、自車両の周辺の複数の車両について、車速に関する情報を含む車両情報を取得する。算出部は、車両情報に基づいて、自車両の走行車線を走行する複数の車両を対象として、車速の統計値を算出する。報知部は、自車両の車速と車速の統計値との差が所定範囲にない場合、自車両のドライバーに対して、自車両の車速と車速の統計値とに乖離があることを報知する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の周辺の複数の車両について、車両の位置、走行車線、車速に関する情報を含む車両情報を取得する取得部と、
前記車両情報に基づいて、前記自車両の走行車線の所定範囲を走行する複数の車両を対象として、車速の統計値を算出する算出部と、
前記自車両の車速と前記統計値との差が所定範囲にない場合、前記自車両のドライバーに対して、前記自車両の車速と前記統計値とに乖離があることを報知する報知部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記車両情報には、車両が所定の範囲外の車速で走行する可能性がある特殊車両であるか否かを表す情報が含まれ、
前記算出部は、前記車両情報に基づいて、前記特殊車両を前記統計値の算出の対象から除外して、前記統計値を算出する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記車両情報に基づいて、所定範囲外の車速で走行する要注意車両を検出する検知部を更に備え、
前記算出部は、前記要注意車両を前記統計値の算出の対象から除外して、前記統計値を算出する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記算出部は、前記自車両の走行車線を含む複数の車線について、車線毎に当該車線の所定範囲を走行する複数の車両を対象として前記統計値を算出する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記報知部は、前記自車両の車速と前記統計値とに乖離がある場合、前記統計値が前記自車両の車速に最も近い車線へ前記自車両を誘導する車線誘導報知を行う、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記取得部は、前記自車両の位置を表す情報及び車線変更が禁止される範囲を表す情報を取得し、
前記報知部は、取得された前記自車両の位置が、車線変更が禁止される範囲に含まれる場合、前記車線誘導報知を行わない、
請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記報知部は、前記自車両の車速と前記統計値とに乖離がある場合、前記ドライバーに対して、前記自車両の走行車線の前記統計値の所定範囲内になるよう前記自車両の車速を調整するよう促す報知を行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記自車両の各部を制御することで前記自車両の動作を制御する車両制御部を更に備え、
前記車両制御部は、前記自車両の車速と前記統計値との差が所定範囲にない場合、前記自車両の各部を制御して、前記統計値が前記自車両の車速に最も近い車線へ前記自車両を移動させる、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記車両制御部は、前記自車両の車速と前記統計値とに乖離がある場合、前記自車両の各部を制御して、前記自車両の走行車線の前記統計値の所定範囲内になるよう前記自車両の車速を調整する、
請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記報知部は、前記自車両の車速と前記統計値との関係を表す情報を表示装置に表示させ、前記関係に応じて、前記表示装置に表示させる前記情報の色を変化させることで、前記自車両の車速と前記統計値とに乖離の程度を報知する、
請求項1乃至9の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記統計値は平均値である、
請求項1乃至9何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記統計値は中央値である、
請求項1乃至9何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項13】
情報処理装置による情報処理方法であって、
自車両の周辺の複数の車両について、車両の位置、走行車線、車速に関する情報を含む車両情報を取得する取得ステップと、
前記車両情報に基づいて、自車両の走行車線の所定範囲を走行する複数の車両を対象として、車速の統計値を算出する算出ステップと、
自車両の車速と前記統計値との差が所定範囲にない場合、自車両のドライバーに対して、自車両の車速と前記統計値とに乖離があることを報知する報知ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項14】
コンピュータに、
自車両の周辺の複数の車両について、車両の位置、走行車線、車速に関する情報を含む車両情報を取得する取得ステップと、
前記車両情報に基づいて、自車両の走行車線の所定範囲を走行する複数の車両を対象として、車速の統計値を算出する算出ステップと、
自車両の車速と前記統計値との差が所定範囲にない場合、自車両のドライバーに対して、自車両の車速と前記統計値とに乖離があることを報知する報知ステップと、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、日本国やアメリカ合衆国等の国で煽り運転や危険運転等が大きな社会問題となっている。従来、煽り運転や危険運転をする車両を検知するために、無線通信を利用して複数の車両の位置や速度等の情報を検出し、当該情報を基に他車両が危険車両であるかを判定する技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。また、運転者の動作を検出し、後方車両に追突を発生させうる挙動の兆候に関する通知を行う技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-016103号公報
【特許文献2】特開2017-170508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、煽り運転や危険運転は、法定速度と実勢速度が異なる車社会で多く発生する傾向にあることが知られている。実勢速度は法定速度が基準となるが、ドライバーの主観による為、ドライバー毎に想定する速度が異なる。このため、ドライバーは、自分の想定する速度よりも遅い車や速い車両が存在する場合、当該車両に対して苛立ちや怒りを持つことになる。つまり、自車両が前後を走行する車両と著しく異なる速度で走行しているような場面で煽り運転や危険運転の対象となる可能性が高まることになる。
【0005】
しかしながら、従来技術では、上述したような、自車両が前後を走行する車両と著しく異なる速度で走行していることをドライバーに対して報知することはできない。つまり、ドライバーの安全性を高めることに関しては改善の余地がある。
【0006】
本開示が解決しようとする課題は、よりドライバーの安全性を向上させることができる、情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示にかかる情報処理装置は、取得部と、算出部と、報知部とを備える。取得部は、自車両の周辺の複数の車両について、車速に関する情報を含む車両情報を取得する。算出部は、車両情報に基づいて、自車両が走行する車線の複数の車両の車速の統計値を算出する。報知部は、自車両の車速と車速の統計値との差が閾値を超える場合、自車両のドライバーに対して、自車両の車速と車速の統計値とに乖離があることを報知する。
【発明の効果】
【0008】
本開示にかかる情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムによれば、よりドライバーの安全性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1実施形態に係る情報処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、第1実施形態に係るECUのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図3図3は、第1実施形態に係るECUのCPUの機能構成の一例を示すブロック図である。
図4図4は、第1実施形態に係る車両情報の取得処理の一例を説明する図である。
図5図5は、第1実施形態に係る車速の統計値の算出処理の一例を説明する図である。
図6図6は、第1実施形態に係る緊急車両やメンテナンス車両が算出範囲内に存在する場合の平均車速の算出処理の一例を説明する図である。
図7図7は、第1実施形態に係る自車両の車速と平均車速とが乖離しているか否かの判断処理の一例を説明する図である。
図8図8は、第1実施形態に係る自車両の車速と平均車速との関係を表す表示の一例を示す図である。
図9図9は、第1実施形態に係る自車両の車速と平均車速との関係を表す表示の一例を示す図である。
図10図10は、第1実施形態に係るドライバーに車線変更を促す表示の一例を示す図である。
図11図11は、第1実施形態に係るトンネル付近での車線誘導の表示処理の一例を示す図である。
図12図12は、第1実施形態に係るトンネル付近での車線誘導の表示処理の一例を示す図である。
図13図13は、第1実施形態に係るトンネル付近での車線誘導の表示処理の一例を示す図である。
図14図14は、第1実施形態に係るサービスエリア付近での車線誘導の表示処理の一例を示す図である。
図15図15は、第1実施形態に係るECUで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図16図16は、第1実施形態に係るECUで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図17図17は、第1実施形態に係るECUのCPUの機能構成の一例を示すブロック図である。
図18図18は、第2実施形態に係る車両制御処理の一例について説明する図である。
図19図19は、第2実施形態に係るECUで実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図20図20は、変形例3に係る自車両の車速と平均車速との関係を表す表示の一例を示す図である。
図21図21は、変形例3に係る自車両の車速と平均車速との関係を表す表示の一例を示す図である。
図22図22は、変形例3に係る自車両の車速と平均車速との関係を表す表示の一例を示す図である。
図23図23は、変形例3に係る自車両の車速と平均車速との関係を表す表示の一例を示す図である。
図24図24は、変形例4に係る自車両の車速と平均車速との関係の報知の一例を示す図である。
図25図25は、変形例5に係る自車両の車速と平均車速との関係の報知の一例を示す図である。
図26図26は、変形例6に係る自車両の車速と平均車速との関係を表す表示の一例を示す図である。
図27図27は、変形例6に係る自車両の車速と平均車速との関係を表す表示の一例を示す図である。
図28図28は、変形例7に係る分岐点前における平均車速の算出処理の一例を示す図である。
図29図29は、変形例7に係る分岐点前における車線誘導の表示処理の一例を示す図である。
図30図30は、変形例7に係る分岐点付近における平均車速の算出処理の一例を示す図である。
図31図31は、変形例7に係る分岐点付近における車線誘導の表示処理の一例を示す図である。
図32図32は、変形例7に係る分岐点後における平均車速の算出処理及び車線誘導の表示処理の一例を示す図である。
図33図33は、変形例8に係る車線誘導の表示処理の一例を示す図である。
図34図34は、変形例8に係る車線誘導の表示処理の一例を示す図である。
図35図35は、変形例8に係る車線誘導の表示処理の一例を示す図である。
図36図36は、変形例9に係る自車速と平均車速とに乖離がなくても車線誘導を行う場合の一例を示す図である。
図37図37は、変形例9に係る車線誘導の表示処理の一例を示す図である。
図38図38は、変形例10に係る自車両の車速と平均車速との関係を表す表示の一例を示す図である。
図39図39は、変形例10に係る自車両の車速と平均車速との関係を表す表示の一例を示す図である。
図40図40は、変形例10に係る自車両の車速と平均車速との関係を表す表示の一例を示す図である。
図41図41は、変形例11に係る自車両の車速と平均車速との関係を表す表示の一例を示す図である。
図42図42は、変形例11に係る自車両の車速と平均車速との関係を表す表示の一例を示す図である。
図43図43は、変形例12に係る車線誘導の表示処理の一例を示す図である。
図44図44は、変形例12に係る車線誘導の表示処理の一例を示す図である。
図45図45は、変形例13に係る自車両の車速と平均車速との関係を表す表示の一例を示す図である。
図46図46は、変形例13に係る自車両の車速と平均車速との関係を表す表示の一例を示す図である。
図47図47は、変形例13に係る自車両の車速と平均車速との関係を表す表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して、本開示に係る情報処理装置、情報処理方法、及びプログラムの実施形態について説明する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る情報処理システム1の一例を示すブロック図である。情報処理システム1は、データセンタサーバ10、通信事業者基地局20、RSU30、車両40A、及び車両40Bを有する。
【0012】
データセンタサーバ10及び通信事業者基地局20は、ネットワークNW(例えばインターネット等の電気通信回線等)を介して通信可能に接続される。また、RSU30、車両40A、及び車両40Bは、相互に無線信号の送受信を実行可能に構成される。データセンタサーバ10は、例えば、通信事業者基地局20に併設されるMEC(Multi-access Edge Computing)等のサーバであってもよい。
【0013】
なお、図1では、説明の便宜のため、1つのRSU30のみを図時しているが、RSU30の数は、1つに限定されない。また、同様に、図1では、2台の車両40A、40Bを図示しているが、情報処理システム1を構成する車両の台数は、2台に限定されない。以下、車両40A、40Bを特に区別しない場合、単に車両40ともいう。
【0014】
データセンタサーバ10は、通信事業者基地局20を介し、4G、5Gと呼ばれるセルラー通信等の無線通信規格を用いて走行中の車両40の車両情報を取得するサーバ装置である。なお、データセンタサーバ10は、複数のサーバ装置で構成されていてもよい。
【0015】
車両情報は、例えば、車両40の識別情報(例えば、車両ID等)、車両40の位置、走行車線、及び車速等を含む情報である。なお、車両情報は、車両40の属性(例えば、工事車両や緊急車両等)を表す情報を含んでいてもよい。
【0016】
データセンタサーバ10は、取得した車両情報を車両情報DB(図示しない)に記憶して管理する。また、例えば、データセンタサーバ10は、車両情報DBに記憶された車両情報に対応する車両40に対して、セルラー通信等を用いて車両情報DBに記憶された情報をブロードキャストする。
【0017】
RSU30は、車両を検出し、検出した車両の情報を通知する装置である。RSU30は、路側通信装置31及び路側センサ32を有する。路側通信装置31は、車両40との間で無線信号の送受信を行う。路側通信装置31による無線信号の送受信は、例えば、車車間・路車間通信(Vehicle-to-cellular-Network:V2X)等により行われる。また、RSU30は、データセンタサーバ10との間で無線信号の送受信を行い、各種情報を共有してもよい。
【0018】
路側センサ32は、走行中の車両40の位置、走行車線、車速等を検出するセンサである。路側センサ32は、例えば、ステレオカメラ、LiDAR、ミリ波レーダ等のセンサである。例えば、路側通信装置31は、路側センサ32が検出した車両40の位置、走行車線、車速等の情報を車両情報として、V2I(Vehicle to Infrastructure)により、車両40に送信する。
【0019】
車両40Aは、GPS(Global Positioning System)41A、第1通信部42A、第2通信部43A、センサ44A、カメラ45A、メータ46A、IVI47A、及びECU(Electronic Control Unit)400Aを有する。
【0020】
GPS41Aは、車両40Aの位置を取得するセンサである。GPS41Aは、車両40Aの現在位置と複数の衛星との距離を夫々電波を使って測定することで、車両40Aの位置を特定する。なお、車両40Aは、GPSセンサ以外の全球測位衛星システム(Global Navigation Satellite System:GNSS)センサを有していてもよい。
【0021】
第1通信部42Aは、通信事業者基地局20を介して、データセンタサーバ10との間で通信を行う。第1通信部42Aによる通信には、例えば、セルラー通信等が用いられる。
【0022】
第2通信部43Aは、RSU30の路側通信装置31との間で路車間通信を行う。第2通信部43Aによる路車間通信には、例えば、V2I等が用いられる。また、第2通信部43Aは、車両40Bの第2通信部43Bとの間で車車間通信を行う。第2通信部43Aによる車車間通信には、例えば、V2V(Vehicle to Vehicle)等が用いられる。
【0023】
センサ44Aは、車両40Aの周辺を走行する車両の位置、走行車線、車速等を検出する。センサ44Aは、LiDARやミリ波レーダ等のADAS(Advanced Driver-Assistance Systems:先進運転支援システム)で用いられるセンサ等である。なお、センサ44Aは、複数のセンサで構成されていてもよい。
【0024】
カメラ45Aは、車両40Aの周辺を撮影することで、センサ44Aと同様に、車両40Aの周辺を走行する車両の位置、走行車線、車速等を検出する。なお、カメラ45Aは、複数のカメラで構成されていてもよい。また、カメラ45Aは、車両40Aの車内の状態を撮影してもよい。この場合、カメラ45Aは、車両40Aのドライバーの視線等を検出する。
【0025】
メータ46Aは、車両40Aの状態を表す各種情報を表示する。メータ46Bは、例えば、エンジンの回転数、車速、及び燃料残量等を表示する。メータ46は、表示装置の一例である。
【0026】
IVI(In-Vehicle Infotainment)47Aは、カーナビゲーション機能、位置情報提供サービス機能、インターネット接続機能、音声や動画などのマルチメディア再生機能、などを提供する装置である。
【0027】
IVI47Aは、ディスプレイを備える。IVI47のディスプレイは、表示装置の一例である。IVI47Aのディスプレイは、各種情報を表示する。例えば、IVI47Aのディスプレイは、車両40Aの車速が、平均速度と乖離していることを報知するための情報等を表示する。
【0028】
ECU400Aは、車両40A全体を統括的に制御する情報処理装置である。ECU400Aは、車両40Aの内部に設けられる。なお、図1では1つのECU400Aのみを図示しているが、車両40Aは、複数のECUを有していてもよい。
【0029】
車両40Bは、GPS41B、第1通信部42B、第2通信部43B、センサ44B、カメラ45B、メータ46B、IVI47B、及びECU400Bを有する。上記については、GPS41A、第1通信部42A、第2通信部43A、センサ44A、カメラ45A、メータ46A、IVI47A、及びECU400Aと同様のため、説明は省略する。
【0030】
以下、第1通信部42Aと第1通信部42Bとを特に区別しない場合、単に第1通信部42ともいう。また、第2通信部43Aと第2通信部43Bとを特に区別しない場合、単に第2通信部43ともいう。また、センサ44Aとセンサ44Bとを特に区別しない場合、単にセンサ44ともいう。また、カメラ45Aとカメラ45Bとを特に区別しない場合、単にカメラ45ともいう。また、メータ46Aとメータ46Bとを特に区別しない場合、単にメータ46ともいう。また、IVI47AとIVI47Bとを特に区別しない場合、単にIVI47ともいう。また、ECU400AとECU400Bとを特に区別しない場合、単にECU400ともいう。
【0031】
次いで、車両40のECU400の構成について図2図3を用いて説明する。まず、ECU400のハードウェア構成について説明する。図2は、ECU400のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0032】
ECU400は、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403、I/F404、及び記憶装置405等がバス406により相互に接続されており、コンピュータを利用したハードウェア構成となっている。
【0033】
CPU401は、ECU400を統括制御する演算装置である。ROM402は、CPU401による各種の処理を実現するプログラム等を記憶する。RAM403は、CPU401による各種の処理に必要なデータを記憶する。
【0034】
I/F404は、データを送受信するためのインターフェースである。記憶装置405は、各種情報を記憶する装置である。例えば、記憶装置405は、後述する車両情報DB405A等を記憶する。記憶装置405は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)等である。
【0035】
本実施形態のECU400で実行される情報処理を実行するためのプログラムは、ROM402等に予め組み込んで提供される。なお、本実施形態のECU400で実行されるプログラムは、ECU400にインストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、フレキシブルディスク(FD)、CD-R、DVD(Digital Versatile Disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録されて提供するように構成してもよい。
【0036】
次に、ECU400の機能構成について説明する。図3は、ECU400のCPU401の機能構成の一例を示すブロック図である。CPU401は、通信制御部401A、センサ制御部401B、車両情報処理部401C、危険運転判断部401D、及び表示制御部401Eを機能部として有する。
【0037】
通信制御部401Aは、ECU400と外部装置との間の通信を制御する。通信制御部401Aは、取得部の一例である。例えば、通信制御部401Aは、第1通信部42を制御し、セルラー通信を用いて、継続的にデータセンタサーバ10からブロードキャストされた周辺車両の車両情報を受信する。
【0038】
また、例えば、通信制御部401Aは、第1通信部42を制御し、セルラー通信を用いて、継続的に自車両の車両情報や周辺を走行する車両40の車両情報をデータセンタサーバ10へ送信する。
【0039】
また、例えば、通信制御部401Aは、第2通信部43を制御し、V2Vを用いて、継続的に他の車両40から当該車両40の車両情報を受信する。また、例えば、通信制御部401Aは、第2通信部43を制御し、V2Vを用いて、自車両の車両情報を他の車両40へブロードキャストする。また、例えば、通信制御部401Aは、第2通信部43を制御し、V2Iを用いて、継続的にRSU30から周辺を走行する車両40の車両情報を受信する。
【0040】
センサ制御部401Bは、車両40が有する複数のセンサの動作を制御する。センサ制御部401Bは、取得部の一例である。例えば、センサ制御部401Bは、センサ44を制御して、センサ44によるセンシング結果を取得する。より具体的には、センサ制御部401Bは、LiDAR等のセンサ44のセンシング結果に基づいて、継続的に周辺を走行する車両40の車両情報を取得する。
【0041】
以下、図4を用いて、車両情報の取得処理の一例について説明する。図4は、車両情報の取得処理の一例を説明する図である。図4の例では、道路は、第1車線L1、第2車線L2、及び第3車線L3で構成される。図4の道路の路側には、RSU30A及びRSU30Bが設けられている。
【0042】
図4の領域ARは、車両40Aが搭載するセンサ44Aやカメラ45Aでセンシング可能な範囲を表している。領域RR1は、RSU30Aが有する路側センサ32のセンシング可能範囲を表している。領域RR2は、RSU30Bが有する路側センサ32のセンシング可能範囲を表している。
【0043】
車両40Fは、第1車線L1を走行中である。車両40A、車両40C、及び車両40Dは、第2車線L2を走行中である。車両40B、車両40E、及び車両40Gは、第3車線L3を走行中である。
【0044】
以下、自車両が車両40Aであるものとして説明する。車両40Aのセンサ制御部401Bは、センサ44Aやカメラ45Aの動作を制御して、センシング結果や撮影した画像から領域AR内に存在する車両40Fの位置、走行車線、車速等の情報を取得する。
【0045】
車両40Gは、一部が領域AR内に存在しているが、センサ44Aやカメラ45Aの死角に入って車両情報を正しく取得できなくなる可能性もある。このため、車両40Aの通信制御部401Aは、V2X等を用いて車両40Gの車両情報を取得する。
【0046】
図4の例では、車両40Gは、領域RR2内に存在する。そこで、通信制御部401Aは、第2通信部43Aの動作を制御し、V2Iを用いてRSU30Bのセンシング結果に基づいて検知された、車両40Gの位置、走行車線、車速等の情報を取得する。なお、通信制御部401Aは、第2通信部43Aの動作を制御し、V2Vを用いて車両40Gから車両40Gの位置、走行車線、車速等の情報を取得してもよい。
【0047】
車両40B、車両40C、及び車両40Eは、領域AR、領域RR1、及び領域RR2の範囲外にある。そこで、通信制御部401Aは、第2通信部43Aの動作を制御し、V2Vを用いて車両40B、車両40C、及び車両40Eから車両40B、車両40C、及び車両40Eの夫々の位置、走行車線、車速等の情報を取得する。
【0048】
図4の例では、車両40Dは、領域AR、領域RR1、及び領域RR2の範囲外にあり、かつ、V2Xでも車両情報を取得することができない車両である。この場合、通信制御部401Aは、第1通信部42Aの動作を制御し、セルラー通信を用いてデータセンタサーバ10から車両40Dの位置、走行車線、車速等の情報を取得してもよい。
【0049】
本実施形態では、通信制御部401A及びセンサ制御部401Bで取得された車両情報は、後述の車両情報処理部401Cにより、記憶装置405の車両情報DB405Aに記憶される。また、センサ制御部401Bで取得された車両情報は、通信制御部401Aによりデータセンタサーバ10へ送信される。
【0050】
図3に戻り、説明を続ける。車両情報処理部401Cは、通信制御部401A及びセンサ制御部401Bで取得された車両情報を管理する。例えば、車両情報処理部401Cは、車両情報DB405Aに通信制御部401A及びセンサ制御部401Bで取得された車両情報を記憶する。
【0051】
より具体的には、車両情報処理部401Cは、通信制御部401A及びセンサ制御部401Bで取得された車両情報に含まれる車両ID、位置、走行車線、車速を対応付けて車両情報DB405Aに格納する。また、車両情報処理部401Cは、通信制御部401A及びセンサ制御部401Bで取得される度に、車両情報の格納、及び、車両情報DB405Aに格納された車両情報の更新を行う。
【0052】
なお、本実施形態では、車両40の記憶装置405に車両情報DB405Aに車両情報を格納するものとするが、車両40は、車両情報DB405Aを有していなくてもよい。この場合は、通信制御部401Aがデータセンタサーバ10の車両情報DBから各種処理に必要なデータを受信する。
【0053】
危険運転判断部401Dは、自車のドライバーの安全に影響を及ぼす要因が存在するか否かを判断する。危険運転判断部401Dは、算出部の一例である。例えば、危険運転判断部401Dは、車両情報DB405Aに格納された車両情報に基づいて、自車両が走行する車線の複数の車両の車速の統計値を算出する。本実施形態では、統計値が平均値であるものとして説明するが、統計値は平均値に限定されない。
【0054】
また、例えば、危険運転判断部401Dは、自車両の車速と自車両と同車線を走行する周辺の車両の平均車速との差が閾値を超える場合、自車のドライバーの安全に影響を及ぼす要因が存在すると判断する。
【0055】
以下、図5を用いて、平均車速の算出処理の一例について説明する。図5は、平均車速の算出処理の一例を説明する図である。図5の例では、車両40Fが第1車線L1を走行中である。また、車両40C、車両40E及び車両40Hが第2車線L2を走行中である。また、車両40B、車両40D及び車両40Gが第3車線L3を走行中である。
【0056】
危険運転判断部401Dは、自車両の周辺の所定範囲を走行する複数の車両40について、車線毎に平均車速を算出する。以下、自車両の周辺の所定範囲を算出範囲といもいう。図5の例では、自車両40Aを中心とした前後500mの範囲を走行中の車両40の平均車速を算出する。なお、図5では、車両40Aの後方500mについては一部図示を省略している。
【0057】
なお、算出範囲は、自車両40Aを中心とした前後500mの範囲に限定されない。例えば、センサ44やカメラ45のセンシング可能範囲、ドライバーが危険と判断して車両40を操作するまでに要する時間、及び車両40が実際に動作するまでに要する時間等を考慮して所定範囲を設定すればよい。
【0058】
図5の例では、車両40D~車両40Hが算出範囲CRを走行中である。このため、危険運転判断部401Dは、これらの車両40を対象として車線毎に平均車速を算出する。危険運転判断部401Dは、第1車線L1について、算出範囲CRを走行中の車両40Fを対象として平均車速を算出する。なお、自車両40Aの後方の算出範囲CR内を走行中の車両40があれば、当該車両40についても第1車線L1の平均車速の算出対象とする。
【0059】
同様に、危険運転判断部401Dは、第2車線L2について、算出範囲CRを走行中の車両40E及び車両40Hを対象として平均車速を算出する。車両40Cについては、第2車線L2を走行中であるが、算出範囲内CRに存在しないため、平均車速の算出の対象外とする。また、同様に、危険運転判断部401Dは、第3車線L3について、算出範囲CRを走行中の車両40D及び車両40Gを対象として平均車速を算出する。
【0060】
ところで、消防用自動車や救急用自動車等の緊急車両は、日本国の場合、一般道路であれば、法定速度を超えた速度で走行することが認められているため、極端に速い車速で走行している場合がある。また、工事用自動車や清掃用自動車等の道路のメンテナンスを行うメンテナンス車両は停止していたり、極端に遅い速度で走行したりしている場合がある。緊急車両及びメンテナンス車両は、特殊車両の一例である。
【0061】
このような車両が存在すると、算出される平均車速に影響が生じる可能性がある。そこで、このような車両については、平均車速の算出の対象から除外してもよい。以下、図6を用いて、緊急車両やメンテナンス車両が算出範囲CR内に存在する場合の平均車速の算出処理について説明する。
【0062】
図6は、緊急車両やメンテナンス車両が算出範囲CR内に存在する場合の平均車速の算出処理の一例を説明する図である。なお、図6では、車両40Aの後方500mについては一部図示を省略している。
【0063】
例えば、危険運転判断部401Dは、緊急車両及びメンテナンス車両を平均車速の算出対象から除外する。車両40が緊急車両及びメンテナンス車であるか否かについては、カメラ45で撮影した画像に基づいて判断してもよいし、V2V等で他の車両40から取得した情報に基づいて判断してもよい。図6の例では、車両40Gが緊急車両、車両40Hがメンテナンス車両であるものとする。
【0064】
この場合、車両40Hは第1車線L1を走行中で、算出範囲CR内に存在しているが、メンテナンス車両であるため、危険運転判断部401Dは、車両40Hを平均車速の算出対象から除外して第1車線L1の平均車速を算出する。
【0065】
また、車両40Gは第2車線L2を走行中で、算出範囲CR内に存在しているが、緊急車両であるため、危険運転判断部401Dは、車両40Gを平均車速の算出対象から除外して第2車線L2の平均車速を算出する。
【0066】
このように、緊急車両のように極端に速い車速で走行する可能性のある車両やメンテナンス車両のように停止したり、極端に遅い車速で走行したりする可能性のある車両を平均車速の算出対象から除外することで、より実際の車両40の流れを反映した平均車速を算出することができる。
【0067】
なお、一般車用であっても、極端に速い車速で走行している車両や極端に遅い車速で走行している車両を平均車速の算出対象から除外してもよい。この場合、例えば、危険運転判断部401Dは、道路の種類(例えば、高速道路や一般道路等)に応じて定められる所定の車速の範囲外の車速で走行する車両を平均車速の算出対象から除外する。
【0068】
次に、図7を用いて、自車両の車速と平均車速とが乖離しているか否かを判断する処理の一例について説明する。図7は、自車両の車速と平均車速とが乖離しているか否かの判断処理の一例を説明する図である。なお、図7では、車両40Aの後方500mについては一部図示を省略している。
【0069】
図7は、図5の例の第1車線L1乃至第3車線L3の平均車速の算出結果を表している。図7の例では、第1車線L1の平均車速は76km/h、第2車線L2の平均車速は105km/h、第3車線L3は125km/hである。また、自車両40Aの車速は、80km/hである。
【0070】
例えば、自車両40Aの車速と平均車速との差の絶対値の閾値が15km/hであるものとする。また、危険運転判断部401Dは、自車両40Aの車速と平均車速との差の絶対値が閾値を超える場合に両者に乖離があると判断するものとする。
【0071】
この場合、まず、危険運転判断部401Dは、自車両40Aの車速と、自車両40Aが走行する第2車線L2の平均車速との差を算出する。80-105=-25km/hとなるため、自車両40Aの車速と平均車速との差の絶対値は、25km/hとなる。
【0072】
自車両40Aの車速と平均車速との差は、25km/hであり、自車両40Aの車速と平均車速との差の閾値は15km/hであり、閾値を超えている。このため、危険運転判断部401Dは、自車両40Aの車速と平均車速とが乖離していると判断する。
【0073】
なお、本実施形態では、危険運転判断部401Dは、自車速と平均車速との差の絶対値に基づいて、自車両と平均車速とに乖離があるか否かを判断しているが、乖離の判断基準はこれに限定されない。例えば、危険運転判断部401Dは、自車速と平均車速との差が所定範囲(例えば、-15km/h~+25km/h等)にない場合、自車両と平均車速とに乖離があると判断してもよい。
【0074】
図3に戻り、説明を続ける。表示制御部401Eは、各種情報を表示装置に表示させる制御を行う。表示制御部401Eは、報知部の一例である。例えば、表示制御部401Eは、メータ46に自車両の車速と平均車速とが乖離している旨の表示を表示させる。表示制御部401Eは、IVI47のディスプレイに自車両の車速と平均車速とが乖離している旨のメッセージを表示させてもよい。
【0075】
また、例えば、自車両の車速と平均車速とが乖離している場合、表示制御部401Eは、メータ46に走行車線を変更するようドライバーに促す表示を表示させる。なお、この場合、表示制御部401Eは、IVI47のディスプレイに走行車線を変更するようドライバーに促すメッセージを表示させてもよい。
【0076】
以下、図8及び図9を用いて、自車両の車速と平均車速との関係を表す情報の表示処理について説明する。図8は、自車両の車速と平均車速との関係を表す表示の一例を示す図である。図8及び図9は、自車両の車速と平均車速とに乖離が無い場合のメータ46の表示の一例である。
【0077】
図8の例でメータ46の表示領域は、スピードメータSM、その他メータOM、左車線表示領域LL、自車線表示領域OL、右車線表示領域RL、自車両アイコンOI、左車線平均車速表示領域V1、自車線平均車速表示領域V2、右車線平均車速表示領域V3及び自車速指標SD1で構成される。
【0078】
スピードメータSMは、センサ44で取得された自車速を時速で表示する領域である。図8の例では、スピードメータSMは、自車両40Aの車速が105km/hであることを表している。
【0079】
その他メータOMは、車速以外の自車両の状態を表す情報を表示する領域である。例えば、その他メータOMには、エンジンの回転数や燃料残量等が表示される。なお、図8では、その他メータOMに表示される情報については図示を省略している。
【0080】
左車線表示領域LLは、自車両が走行する車線の左側の車線の状態を表示する領域である。なお、自車両が一番左側を走行している場合、表示制御部401Eは、左車線表示領域LLには、自車両が一番右側を走行している旨の情報を表示させてもよい。
【0081】
自車線表示領域OLは、自車両が走行する車線の状態を表示する領域である。自車線表示領域OLには、自車両が走行していることを表す自車両アイコンOIが表示される。なお、本実施形態では、自車両40Aが走行する車線が中央付近に位置するように車線をメータ46に表示するものとするが、車線の表示方法はこれに限定されない。
【0082】
例えば、実際の道路が3車線である場合、表示制御部401Eは、3つの車線をメータ46に表示させる。そして、表示制御部401Eは、自車両40Aが左側車線を走行している場合、左側車線に自車アイコンOIを表示させる。また、表示制御部401Eは、自車両40Aが中央車線を走行している場合、中央車線に自車アイコンOIを表示させる。また、表示制御部401Eは、自車両40Aが右側車線を走行している場合、右側車線に自車アイコンOIを表示させる。
【0083】
右車線表示領域RLは、自車両が走行する車線の右側の車線の状態を表示する領域である。なお、自車両が一番右側を走行している場合、表示制御部401Eは、右車線表示領域RLに自車両が一番右側を走行している旨の情報を表示させてもよい。
【0084】
一例として、図8の左車線表示領域LLは、図7の第1車線L1に、自車線表示領域OLは、第2車線L2に、右車線表示領域RLは、第3車線L3に、夫々対応する。
【0085】
なお、メータ46に表示させる車線の数に上限を設けてもよい。例えば、実際の道路の車線の数が10であり、メータ46に表示させる車線の数の上限を5とした場合、表示制御部401Eは、自車両40Aが走行する車線からの距離に基づいて、自車両40Aが走行する車線を含む5個の車線のみをメータ46に表示させてもよい。
【0086】
これにより、車線の数が極端に多いような道路であっても、視認性が損なわれないように各車線の状態をメータ46に表示させることができる。
【0087】
左車線平均車速表示領域V1は、危険運転判断部401Dで算出された左車線表示領域LLの平均車速を表示する領域である。図8の例では、左車線表示領域LLの平均車速が76km/hであることを表している。
【0088】
自車線平均車速表示領域V2は、危険運転判断部401Dで算出された自車線表示領域OLの平均車速を表示する領域である。図7の例では、自車線表示領域OLの平均車速が105km/hであることを表している。
【0089】
右車線平均車速表示領域V3は、危険運転判断部401Dで算出された右車線表示領域RLの平均車速を表示する領域である。図8の例では、右車線表示領域RLの平均車速が125km/hであることを表している。
【0090】
自車速指標SD1は、自車速と平均車速との関係を表す情報を表示する領域である。例えば、自車速指標SD1は、自車両40Aの車速と自車両40Aが走行する車線の平均車速とに乖離がない場合、自車両アイコンOIの周囲を青く表示するものである。また、例えば、自車速指標SD1は、自車両40Aの車速と自車両40Aが走行する車線の平均車速とに乖離がある場合、自車両アイコンOIの周囲を赤く表示するものである。
【0091】
自車両の車速と平均車速との差の絶対値が15km/hを超える場合に両者に乖離があると判断するものとした場合、図8の例では、自車両の車速と平均車速との差の絶対値は、0km/hであり、15km/h以内である。この場合、表示制御部401Eは、自車両40Aの車速と自車両40Aが走行する車線の平均車速とに乖離がないことを表す自車速指標SD1をメータ46に表示させる。
【0092】
図9は、自車両の車速と平均車速とに乖離がある場合のメータ46の表示の一例である。図9のメータ46の表示領域も図8と同様の構成であるため、構成についての説明は省略する。図9の例では、スピードメータSMは、自車両40Aの車速が80km/hであることを表している。
【0093】
図8の例と同様に、自車両の車速と平均車速との差の絶対値が15km/hを超える場合に両者に乖離があると判断するものとした場合、図9の例では、自車両の車速と平均車速との差の絶対値は25km/hであり、15km/hを超えている。この場合、表示制御部401Eは、自車両40Aの車速と自車両40Aが走行する車線の平均車速とに乖離があることを表す自車速指標SD1をメータ46に表示させる。
【0094】
なお、図8及び図9の例では、自車両の車速と平均車速とが乖離がある場合とない場合の2パターンで、自車両の車速と平均車速との関係を表示しているが、自車両の車速と平均車速との関係の表示パターンはこれに限定されない。
【0095】
例えば、自車両の車速と平均車速との差の絶対値について、第1閾値と第2閾値を設けてもよい。この場合、表示制御部401Eは、自車両の車速と平均車速との差の絶対値が第1閾値を超えたときは、自車両アイコンOIの周囲を黄色で、第2閾値を超えたときは、自車両アイコンOIの周囲を赤色でメータ46に表示させてもよい。
【0096】
次に、図10を用いてドライバーに車線変更を促す情報の表示処理について説明する。図10は、ドライバーに車線変更を促す表示の一例を示す図である。図10のメータ46の表示領域の構成は、図8及び図9と略同様であるが、車線誘導表示GIが表示されている点で図8及び図9と異なる。
【0097】
車線誘導表示GIは、自車両のドライバーに車線変更を促すための表示である。例えば、表示制御部401Eは、自車両の車速と平均車速とが乖離している状態が所定時間を超えて継続する場合にメータ46に車線誘導表示GIを表示させる。
【0098】
図10の例では、自車両40Aの車速が80km/hであるのに対し、自車両40Aが走行する車線の平均車速は、105km/hである。自車両の車速と平均車速との差の絶対値が15km/hを超える場合に両者に乖離があると判断するものとした場合、図10の例では、自車両の車速と平均車速との差の絶対値は25km/hであり、15km/hを超えている。
【0099】
この状態が所定時間を超えて継続する場合、表示制御部401Eは、図10に示すように、自車両の車速と平均車速との差の絶対値が最も小さい左側車線へと自車両40Aを誘導する車線誘導表示GIをメータ46に表示させる。
【0100】
なお、自車両の車速と平均車速とが乖離している状態が所定時間を超えて継続する場合、表示制御部401Eは、当該車線の平均速度に合わせて車速を調整するようドライバーに促す表示をメータ46やIVI47のディスプレイに表示させてもよい。
【0101】
なお、トンネル内等車線変更が禁止されている場合もある。このため、このような場合、表示制御部401Eは、車線誘導表示GIを表示させる処理を中止してもよい。
【0102】
以下、トンネル付近における車線誘導の表示処理について、図11乃至図13を用いて説明する。図11乃至図13は、トンネル付近での車線誘導の表示処理の一例を示す図である。なお、図11乃至図13では、車両40Aの後方500mについては一部図示を省略している。図11乃至図13の例では、自車両40Aは、第2車線L2を走行中である。
【0103】
本実施形態では、トンネル付近の所定範囲には、車線誘導表示除外領域ERが設定される。車線誘導表示除外領域ERは、車線変更禁止領域BRとは異なる領域である。例えば、車線変更禁止領域BRは、道路交通法で車線変更が禁止される領域である。これは、例えば、車線変更禁止領域BRがトンネル内である場合、トンネルの入口TEの直前で車線誘導表示を表示してしまうと、車線変更が禁止されるトンネル内でドライバーが車線変更を行ってしまう可能性があるためである。
【0104】
なお、車線変更禁止領域BRに関する情報は、自車両40Aに搭載されるカーナビゲーションシステム等の情報から取得してもよいし、第1通信部42Aを介して、セルラー通信を用いてデータセンタサーバ10等の外部装置から取得してもよい。
【0105】
図11乃至図13の例では、ドライバーが車線変更に係る操作を開始してから、実際に自車両40Aが車線変更動作を終了するまでの平均的な時間を考慮して車線誘導表示除外領域ERが設定されている。
【0106】
図11に示すように、自車両40Aが車線誘導表示除外領域ER外を走行中の場合、表示制御部401Eは、図9と同様に、車線誘導の表示処理を行う。
【0107】
図12に示すように、自車両40Aが車線誘導表示除外領域ER内に入った場合、表示制御部401Eは、自車両40Aが車線変更禁止領域BR内を走行していなくとも、車線誘導の表示処理を中止する。
【0108】
図13に示すように、自車両40Aが車線変更禁止領域BR内に入った場合も、表示制御部401Eは、車線誘導の表示処理の中止を継続する。表示制御部401Eは、自車両40Aが車線変更禁止領域BR外に出た場合、車線誘導の表示処理を再開する。
【0109】
また、例えば、高速道路に設けられるサービスエリア、パーキングエリア、商業施設等の内部では、車両を駐車スペースに駐車するために減速する場合も多く、自車両の車速と走行車線の平均車速と乖離したとしても、ドライバーが煽り運転や危険運転等に巻き込まれる可能性は低い。このため、表示制御部401Eは、サービスエリア等の内部を除外領域として車線誘導の表示処理を中止してもよい。なお、サービスエリア等の内部では、危険運転判断部401Dは、平均車速の算出処理自体を中止してもよい。
【0110】
以下、図14を用いてサービスエリア付近での車線誘導表示処理について説明する。図13は、サービスエリア付近での車線誘導表示処理の一例を示す図である。図14の車線誘導表示除外領域ERは、高速道路に設けられたサービスエリアを表す領域である。なお、図14の例では、車線誘導表示除外領域ERには、高速道路からサービスエリア内へ進入するルート及びサービスエリア内から高速道路へ進入するルートが含まれる。
【0111】
また、図14のルートRNは、自車両40Aのサービスエリア内における走行ルートを表している。また、図14のルートRCは、自車両40Aのサービスエリア外における走行ルートを表している。
【0112】
図14の例では、表示制御部401Eは、自車両40AがルートRCを走行中の場合、車線誘導表示処理を行い、自車両40AがルートRNへ進入した場合、車線誘導表示処理を中止する。その後、自車両40AがルートRNからルートRCへ進入した場合、表示制御部401Eは、車線誘導表示処理を再開する。
【0113】
上記のように、車線変更が禁止される場合や自車両の車速と平均車速とが乖離してもドライバーの安全性への影響が小さい場合は、車線誘導表示処理を中止することでドライバーにとって有用でない報知を行ってしまう可能性を低減できる。
【0114】
次に、本実施形態に係るECU400で実行される処理の一例を説明する。まず、車両情報の取得処理の流れについて説明する。図15は、ECU400で実行される処理の一例を示すフローチャートである。
【0115】
まず、通信制御部401A及びセンサ制御部401Bは、周辺を走行する車両40の車両情報を取得する(ステップS101)。
【0116】
例えば、通信制御部401Aは、第2通信部43を制御して、RSU30や周辺を走行する他の車両40から他の車両40の位置、走行車線、及び車速の情報を取得する。また、例えば、センサ制御部401Bは、センサ44やカメラ45の動作を制御して、センサ44のセンシング結果やカメラ45で撮影した画像から他の車両40の位置、走行車線、及び車速の情報を取得する。
【0117】
次いで、車両情報処理部401Cは、取得された車両情報を車両情報DB405Aに記憶し(ステップS102)、ステップS101の処理に戻る。例えば、車両情報処理部401Cは、ステップS101で取得された他の車両40の位置、走行車線、及び車速の情報を、車両IDと対応付けて、記憶装置405の車両情報DB405Aに格納する。
【0118】
次に、平均車速の算出処理及びドライバーに対する報知処理の流れについて説明する。図16は、ECU400で実行される処理の一例を示すフローチャートである。前提として、図16に示す処理は、図15に示した車両情報取得処理のバックグラウンドで実行される処理であるものとする。
【0119】
まず、危険運転判断部401Dは、所定範囲の車両40の車両情報を車両情報DB405Aから取得する(ステップS103)。例えば、危険運転判断部401Dは、車両情報に含まれる車両40の位置を表す情報を参照し、予め定めた算出範囲CR内の車両40の車両情報を、車両情報DB405Aから読み出す。
【0120】
次いで、危険運転判断部401Dは、車線毎の平均車速を算出する(ステップS104)。例えば、危険運転判断部401Dは、ステップS103で読み出した車両情報に含まれる走行車線を表す情報を参照し、各車線について、算出範囲CR内を走行中の車両40を対象として平均車速を算出する。
【0121】
次いで、危険運転判断部401Dは、自車両40Aの車速と自車両40Aが走行する車線の平均車速との差を算出する(ステップS105)。次いで、危険運転判断部401Dは、ステップS105で算出した差の絶対値が閾値を超えるか否かを判断する(ステップS106)。差の絶対値が閾値以下である場合(ステップS106:No)、ステップS103の処理に戻る。
【0122】
一方、差の絶対値が閾値を超える場合(ステップS106:Yes)、表示制御部401Eは、自車の車速と自車が走行する車線の平均車速とに乖離がある旨を表示装置に表示させ(ステップS107)、ステップS103の処理に戻る。例えば、表示制御部401Eは、メータ46に表示される自車両アイコンOIの周囲を赤く表示させることで、自車速と平均車速とに乖離がある旨の表示処理を行う。
【0123】
なお、自車速と平均車速とに乖離がある状態が継続する場合、表示制御部401Eは、自車速に最も近い平均速度の車線に車線を変更するよう促したり、自車両が走行している車線の平均車速に合わせて速度を変更するよう促したりする報知を行ってもよい。
【0124】
以上説明したように、第1実施形態に係るECU400は、自車両40Aの周辺を走行する他の車両40を対象として、自車両40Aが走行する車線における平均車速を算出し、自車両40Aの車速と算出した平均車速との差が閾値を超える場合、自車両40Aのドライバーに対して、自車両の車速と平均車速とに乖離があることを報知する。
【0125】
これにより、例えば、自車両40Aのドライバーは、自車両40Aが前後を走行する他の車両40とは著しく異なる速度で走行している可能性があることに気付くことができる。ここで、一般的に煽り運転や危険運転は、自車両が自車両の前後を走行する車両と著しく異なる速度で走行しているような場面で起こりやすいことが知られている。このため、自車両の車速と平均車速とに乖離があることを報知された自車両40Aのドライバーは、自車両40Aの車速と近い平均車速の車線に車線変更したり、現在走行中の車線の平均車速に合わせて車速を変更したりといった煽り運転や危険運転に遭遇する可能性を低下させる動作を行うことが可能になる。つまり、本実施形態に係るECU400によれば、よりドライバーの安全性を高めることができる。
【0126】
(第2実施形態)
第1実施形態では、自車両40Aの車速と平均車速とに乖離がある場合、ドライバーに対して乖離を解消するための操作を促す報知を行う形態について説明した。第2実施形態では、自車両の車速と平均車速とに乖離がある場合、自動的に乖離を解消するための制御を行う。
【0127】
なお、以下では、上述した実施形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する各実施形態は、個別に実施されてもよいし、適宜に組み合わせて実施されてもよい。
【0128】
まず、第2実施形態に係るECU410のCPU411の機能構成について説明する。図17は、ECU410のCPU411の機能構成の一例を示すブロック図である。CPU411は、通信制御部411A、センサ制御部411B、車両情報処理部411C、危険運転判断部411D、表示制御部411E、及び車両制御部411Fを機能部として有する。
【0129】
通信制御部411A、センサ制御部411B、車両情報処理部411C、危険運転判断部411D、表示制御部411Eについては、第1実施形態の通信制御部401A、センサ制御部401B、車両情報処理部401C、危険運転判断部401D、及び表示制御部401Eと同様のため、説明を省略する。
【0130】
車両制御部411Fは、車両40の各部を制御して、車両40の動作を制御する。例えば、車両制御部411Fは、自車両40Aの車速と、危険運転判断部401Dで算出された平均車速とに応じて、車両40のアクセル・ハンドル・ブレーキ等を制御する。
【0131】
以下、図18を用いて、車両制御処理について説明する。図18は、車両制御処理の一例について説明する図である。なお、図18では、車両40Aの後方500mについては一部図示を省略している。
【0132】
図18の例では、自車両40Aは、第2車線L2を走行中である。図18の例では、第1車線L1の平均車速は76km/h、第2車線L2の平均車速は105km/h、第3車線L3は125km/hである。また、自車両40Aの車速は、80km/hである。
【0133】
例えば、自車両の車速と平均車速との差の絶対値が15km/hを超える場合、危険運転判断部411Dは、自車両の車速と平均車速とに乖離があると判断するものとする。この場合、車両制御部411Fは、車両40Aの各部を制御して乖離を解消するための車両制御処理を実行する。
【0134】
図18の例では、車両制御部411Fは、車両40Aのアクセル・ハンドル・ブレーキ等を制御して、第2車線L2を走行中の自車両40Aを、平均速度が自車両40Aの車速に近い第1車線L1へと車線変更させる制御を実行している。なお、この場合、車両制御部411Fは、車両40Aのアクセル・ブレーキ等を制御して、自車両40Aの車速が第2車線L2の平均車速は105km/hに近付くよう車両40Aを制御してもよい。
【0135】
自車両の車速と平均車速とに乖離があり、かつ、車線変更及び車速変更の何れも実行可能な場合、車両制御部411Fは、予め定めた優先順位に従って、車線変更又は車速変更の何れかの処理を実行してもよい。また、例えば、車両制御部411Fは、目的に到着するまでの時間が短くなるようにしたい、安全性を重視したい等のドライバーの希望に従って、車線変更又は車速変更の何れかの処理を実行してもよい。
【0136】
また、例えば、車両制御部411Fは、表示制御部411Eと協働して、メータ46やIVI47のディスプレイ等の表示装置に、車線変更と車速変更とのうち、どちらの処理を実行するかの入力を促すメッセージを表示させてもよい。この場合、車両制御部411Fは、ドライバーの入力に従って車線変更又は車速変更の何れかの処理を実行する。
【0137】
次に、本実施形態に係るECU410で実行される処理の一例を説明する。図19は、ECU410で実行される処理の一例を示すフローチャートである。なお、ステップS201乃至S205の処理は、図16のステップS103乃至ステップS107の処理と同様のため、説明を省略する。
【0138】
ステップS205の処理の後、車両制御部411Fは、自車両40Aの車速の変更を行うか否かを判断する(ステップS206)。例えば、車両制御部411Fは、自車両40Aが車線変更禁止領域BR内又は車線変更禁止領域BR付近の所定範囲内を走行中の場合、車速の変更を行うと判断する。また、例えば、車両制御部411Fは、自車両40Aのドライバーが車速の変更を行うことを希望している場合、車速の変更を行うと判断する。
【0139】
車速を変更すると判断した場合(ステップS206:Yes)、車両制御部411Fは、自車両40Aのアクセル・ブレーキ等を制御して、自車両40Aの車速を調整し(ステップS207)、ステップS201の処理に戻る。
【0140】
一方、車速を変更しないと判断した場合(ステップS206:No)、車両制御部411Fは、自車両40Aのアクセル・ハンドル・ブレーキ等を制御して、自車両40Aを平均車速が自車両40Aの車速と近い車線へ移動させ(ステップS208)、ステップS201の処理に戻る。
【0141】
以上説明したように、第2実施形態に係るECU410は、自車両40Aの車速と算出した平均車速との差が閾値を超える場合、自車両40Aの各部を制御して、自車両40Aの車速を変更する処理又は自車両40Aが走行する車線を変更する処理を実行する。
【0142】
これにより、例えば、自車両40Aの車速と自車両40Aが走行する車線の平均車速とに乖離がある場合に、自車両40Aのドライバーが何ら自車両40Aの操作を行わなかったとしても、煽り運転や危険運転に遭遇する可能性を低減させることができる。つまり、本実施形態に係るECU410によれば、ドライバーの安全性を向上させることができる。
【0143】
なお、上述した実施の形態は、各装置が有する構成又は機能の一部を変更することで、適宜に変形して実施することも可能である。そこで、以下では、上述した実施の形態に係るいくつかの変形例を他の実施の形態として説明する。なお、以下では、上述した実施の形態と異なる点を主に説明することとし、既に説明した内容と共通する点については詳細な説明を省略する。また、以下で説明する変形例は、個別に実施されてもよいし、適宜組み合わせて実施されてもよい。
【0144】
(変形例1)
上述した第1実施形態及び第2実施形態では、車速の統計値が平均車速である形態について説明した。しかしながら、車速の統計値は、これに限定されない。例えば、車速の統計値は、車速の中央値であってもよい。例えば、車速の統計値は、車速の中央値である場合、極端に速い車速で走行している車両40や極端に遅い車速で走行している車両40が存在する場合でも、これらの車両40が算出される統計値に与える影響を低減できる。
【0145】
(変形例2)
上述した第1実施形態及び第2実施形態では、車線が複数存在する道路における処理について説明した。しかしながら、単車線の道路であっても、本明細書に記載の手法を適用することが可能である。
【0146】
本変形例では、自車両40Aの走行車線を変更することはできないため、自車両40Aの車速と平均車速とに乖離がある場合、表示制御部401Eは、自車両40Aの車速を平均車速に近付けるよう促す報知を実行する。なお、車両40Aが自動運転車両である場合、車両制御部411Fは、自車両40Aの車速を平均車速に近付けるよう調整する制御を行ってもよい。
【0147】
本変形例によれば、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、よりドライバーの安全性を向上させることができる。
【0148】
(変形例3)
上述した第1実施形態では、メータ46の自車両アイコンO1の周囲に自車両40Aと自車両40Aが走行する車線の平均車速との関係を表す自車速指標SD1表示する形態について説明した。しかしながら、自車両の車速と自車両が走行する車線の平均車速と関係を表す情報の表示形態はこれに限定されない。例えば、メータ46のスピードメータSMに自車両の車速と自車両が走行する車線の平均車速と関係を表す情報を表示させてもよい。
【0149】
以下、図20乃至図23を用いて、スピードメータSMに自車両の車速と自車両が走行する車線の平均車速と関係を表す情報を表示する場合の表示画面について説明する。図20乃至図23は、変形例3に係る自車両の車速と平均車速との関係を表す表示の一例を示す図である。
【0150】
図20乃至図23の例でメータ46の表示領域の構成は、図8と略同様であるが、スピードメータSMに自車速指標SD2が表示されている点で図8と異なる。なお、その他メータOMについては図示を省略している。また、以下の図でも、適宜その他メータOMについては図示を省略するものとする。
【0151】
例えば、自車速指標SD2は、自車両40Aの車速と平均車速との差の種類(速いか遅いか)を表示位置で表す。一例として、表示制御部401Eは、平均車速より自車両40Aの車速が速い場合は、スピードメータSMの上部に自車速指標SD2を表示させる。一方、平均車速より自車両40Aの車速が速い場合は、スピードメータSMの下部に自車速指標SD2を表示させる。
【0152】
また、例えば、自車速指標SD2は、自車両40Aの車速と平均車速との差の大きさを表示の大きさの違いで表す。一例として、表示制御部401Eは、自車両40Aの車速と平均車速との差が大きくなるほど、自車速指標SD2を大きく表示させる。
【0153】
また、例えば、自車速指標SD2は、自車両40Aの車速と平均車速との乖離の程度を色の違いで表す。一例として、表示制御部401Eは、自車両40Aの車速と平均車速との乖離がない場合は青色、乖離が中程度の場合は黄色、乖離が大きい場合は赤色で自車速指標SD2を表示させる。
【0154】
なお、例えば、乖離が無い場合とは、自車両40Aの車速と平均車速との差の絶対値が第1閾値未満の場合である。また、例えば、乖離が中程度の場合とは、自車両40Aの車速と平均車速との差の絶対値が第1閾値を超えるが、第2閾値以下の場合である。また、例えば、乖離が大きい場合とは、自車両40Aの車速と平均車速との差の絶対値が第2閾値を超える場合である。ただし、第1閾値<第2閾値であるものとする。
【0155】
図20乃至図23の例では、自車両40Aの車速と平均車速との差の第1閾値が10km/h、自車両40Aの車速と平均車速との差の第2閾値が20km/hであるものとして説明する。
【0156】
図20の例では、自車両40Aの車速が106km/hで、自車両40Aが走行する第2車線L2の平均車速は、105km/hであり、自車両40Aの車速は、平均車速よりも速い。また、自車両40Aの車速と平均車速との差の絶対値は、1km/hである。このため、表示制御部401Eは、自車両40Aの車速と平均車速との乖離がないことを表すパターンの自車速指標SD2をスピードメータSMの上部に表示させている。
【0157】
図21の例では、自車両40Aの車速が116km/hで、自車両40Aが走行する第2車線L2の平均車速は、105km/hであり、自車両40Aの車速は、平均車速よりも速い。また、自車両40Aの車速と平均車速との差の絶対値は、11km/hである。このため、表示制御部401Eは、自車両40Aの車速と平均車速との乖離が中程度であることを表すパターンの自車速指標SD2をスピードメータSMの上部に表示させている。
【0158】
図22の例では、自車両40Aの車速が130km/hで、自車両40Aが走行する第2車線L2の平均車速は、105km/hであり、自車両40Aの車速は、平均車速よりも速い。また、自車両40Aの車速と平均車速との差の絶対値は、25km/hである。このため、表示制御部401Eは、自車両40Aの車速と平均車速との乖離が大きいことを表すパターンの自車速指標SD2をスピードメータSMの上部に表示させている。
【0159】
図23の例では、自車両40Aの車速が80km/hで、自車両40Aが走行する第2車線L2の平均車速は、105km/hであり、自車両40Aの車速は、平均車速よりも遅い。また、自車両40Aの車速と平均車速との差の絶対値は、25km/hである。このため、表示制御部401Eは、自車両40Aの車速と平均車速との乖離が大きいことを表すパターンの自車速指標SD2をスピードメータSMの下部に表示させている。
【0160】
本変形例によれば、自車速が平均車速より速いのか遅いのか、自車速が平均車速とどの程度乖離しているのかを表す情報をスピードメータSM上に表示することができる。したがって、ドライバーは、自車速と平均車速との関係をより直感的に理解することができる。
【0161】
(変形例4)
自車両の車速と自車両が走行する車線の平均車速と関係をメータ46以外のものを用いて表してもよい。例えば、車両40が備えるLED室内灯の点灯パターンで自車両の車速と自車両が走行する車線の平均車速と関係を表してもよい。
【0162】
以下、図24を用いて、LED室内灯の点灯パターンで自車両の車速と自車両が走行する車線の平均車速と関係を表す場合の処理について説明する。図24は、変形例4に係る自車両の車速と平均車速との関係の報知の一例を示す図である。
【0163】
図24の例では、車両40のフロントウィンドウFWの下部にLED室内灯LE及びメータ46が設けられる。メータ46の表示構成については、図8等と略同様のため、説明を省略する。
【0164】
LED室内灯LEは、点灯パターンで自車両40Aの車速と平均車速との関係を表す。例えば、表示制御部401Eは、自車速指標SD3として、自車両40Aの車速と平均車速との関係を表す点灯パターンでLED室内灯LEを点灯させる。
【0165】
例えば、自車速指標SD3は、自車両40Aの車速と平均車速との差の大きさを点灯領域の大きさの違いで表す。一例として、表示制御部401Eは、自車両40Aの車速と平均車速との差が大きくなるほど、点灯領域が大きくなるように、自車速指標SD3として、LED室内灯LEを点灯させる。
【0166】
また、例えば、自車速指標SD3は、自車両40Aの車速と平均車速との乖離の程度を色の違いで表す。一例として、表示制御部401Eは、自車両40Aの車速と平均車速との乖離がない場合は青色、乖離が中程度の場合は黄色、乖離が大きい場合は赤色で自車速指標SD3として、LED室内灯LEを点灯させる。以下、乖離の程度については、変形例3と同様であるものとして説明する。
【0167】
図24の例では、自車両40Aの車速が80km/hで、自車両40Aが走行する第2車線L2の平均車速は、105km/hである。また、自車両40Aの車速と平均車速との差の絶対値は、25km/hである。このため、表示制御部401Eは、自車速指標SD3として、自車両40Aの車速と平均車速との乖離が大きいことを表すパターンでLED室内灯LEを点灯させる。
【0168】
(変形例5)
また、例えば、車両40が備えるスピーカ等を用いて音声で自車両の車速と自車両が走行する車線の平均車速と関係を報知してもよい。
【0169】
以下、図25を用いて、音声で自車両の車速と自車両が走行する車線の平均車速と関係を報知する場合の処理について説明する。図25は、変形例5に係る自車両の車速と平均車速との関係の報知の一例を示す図である。
【0170】
図25の例では、メータ46には、音声エージェント表示領域DSが設けられる。メータ46の他の表示構成については、図10等と略同様のため、説明を省略する。
【0171】
音声エージェント表示領域DSには、音声エージェントSAが表示される。音声エージェントSAは、ドライバーに対して音声で種々の運転の支援を行う。なお、メータ46に音声エージェント表示領域DSを設けなくてもよい。
【0172】
例えば、自車両の車速と自車両が走行する車線の平均車速と乖離している場合、音声エージェントSAは、その旨を表す音声及び車線を変更するようドライバーに促す音声をスピーカから発する。なお、表示制御部401Eは、音声エージェントSAが発するメッセージに合わせて音声エージェントSAをアニメーションさせてもよい。
【0173】
例えば、自車両の車速と平均車速との差の絶対値が15km/hを超える場合、危険運転判断部411Dが、自車両の車速と平均車速とに乖離があると判断するものとする。図25の例では、自車両40Aの車速は、80km/hであり、自車両40Aが走行する車線の平均車速は、105km/hである。
【0174】
自車両の車速と平均車速との差の絶対値は25km/hであるため、危険運転判断部401Dは、自車両の車速と平均車速とに乖離があると判断する。この場合、音声エージェントSAは、「今のスピードには第1走行車線での走行が適しています」という自車両40Aを第1車線L1に誘導するメッセージVOをスピーカから発する。
【0175】
(変形例6)
また、例えば、車線毎に自車両の車速と平均車速との関係を表す情報を表示させることで、ドライバーに自車両の車速と自車両が走行する車線の平均車速との乖離を解消する操作を促してもよい。
【0176】
以下、図26及び図27を用いて、車線毎に自車両の車速と平均車速との関係を表す情報を表示させる場合の処理について説明する。図26は、変形例6に係る自車両の車速と平均車速との関係を表す表示の一例を示す図である。
【0177】
図26及び図27の例では、メータ46の他の表示構成については、図8等と略同様であるが、自車線表示領域OL以外の車線表示領域の下部にも自車速指標SD4が表示される点で図8等と異なる。
【0178】
図26では、自車両の車速と平均車速との差の絶対値が15km/hを超える場合、危険運転判断部411Dが、自車両の車速と平均車速とに乖離があると判断するものとする。図26の例では、自車両40Aの車速は、85km/hであり、自車両40Aが走行する車線の左側車線の平均車速は、80km/hである。
【0179】
自車両の車速と平均車速との差の絶対値は5km/hであるため、危険運転判断部401Dは、自車両の車速と平均車速とに乖離がないと判断する。この場合、表示制御部401Eは、左車線表示領域LLに自車両の車速と平均車速とに乖離がないことを表すパターンで自車速指標SD4を表示させる。
【0180】
同様に、自車両40Aが走行する車線の平均車速は、105km/hである。自車両の車速と平均車速との差の絶対値は20km/hであるため、危険運転判断部401Dは、自車両の車速と平均車速とに乖離があると判断する。この場合、表示制御部401Eは、自車線表示領域OLに自車両の車速と平均車速とに乖離があることを表すパターンで自車速指標SD4を表示させる。
【0181】
同様に、自車両40Aが走行する車線の右側車線の平均車速は、125km/hである。自車両の車速と平均車速との差の絶対値は40km/hであるため、危険運転判断部401Dは、自車両の車速と平均車速とに乖離があると判断する。この場合、表示制御部401Eは、自車線表示領域OLに自車両の車速と平均車速とに乖離があることを表すパターンで自車速指標SD4を表示させる。
【0182】
また、図27では、自車両の車速と平均車速との差の絶対値が10km/hを超える場合、危険運転判断部411Dが、自車両の車速と平均車速とに中程度の乖離があると判断するものとする。また、自車両の車速と平均車速との差の絶対値が20km/hを超える場合、危険運転判断部411Dが、自車両の車速と平均車速との乖離が大きいと判断するものとする。
【0183】
図27の例では、自車両40Aの車速は、84km/hであり、自車両40Aが走行する車線の左側車線の平均車速は、80km/hである。自車両の車速と平均車速との差の絶対値は4km/hであるため、危険運転判断部401Dは、自車両の車速と平均車速とに乖離がないと判断する。この場合、表示制御部401Eは、左車線表示領域LLに自車両の車速と平均車速とに乖離がないことを表すパターンで自車速指標SD4を表示させる。
【0184】
同様に、自車両40Aが走行する車線の平均車速は、95km/hである。自車両の車速と平均車速との差の絶対値は11km/hであるため、危険運転判断部401Dは、自車両の車速と平均車速とに中程度の乖離があると判断する。この場合、表示制御部401Eは、自車線表示領域OLに自車両の車速と平均車速とに中程度の乖離があることを表すパターンで自車速指標SD4を表示させる。
【0185】
同様に、自車両40Aが走行する車線の右側車線の平均車速は、125km/hである。自車両の車速と平均車速との差の絶対値は41km/hであるため、危険運転判断部401Dは、自車両の車速と平均車速との乖離が大きいと判断する。この場合、表示制御部401Eは、自車線表示領域OLに自車両の車速と平均車速との乖離が大きいことを表すパターンで自車速指標SD4を表示させる。
【0186】
変形例3乃至変形例6に示したように、自車両の車速と平均車速との関係の報知や自車両の車速と平均車速とに乖離がある場合にその解消を促す報知には種々の手法を用いることができる。これにより、様々なドライバーに対して各ドライバーに適した方法で報知を行うことができる。
【0187】
(変形例7)
上述の第1実施形態では、車線変更が禁止される場所やサービスエリア等の施設では、車線誘導の表示処理を中止する形態について説明した。しかしながら、所定の条件を満たす場合、車線変更が禁止されていない道路についても車線誘導の表示処理を中止してもよい。
【0188】
本変形例の危険運転判断部401Dは、走行する車線で行先が変化するような分岐点が経路上に存在し、かつ、分岐点が存在する位置の手前の所定範囲内に自車両40Aが入った場合、自車両40Aの目的地の方向と異なる行先に向かう車線については、平均車速の算出対象から除外する。
【0189】
また、上記の場合、表示制御部401Eは、自車両40Aの目的地の方向と異なる行先に向かう車線については、車線誘導表示処理を中止する。なお、自車両40Aの目的地については、自車両40Aに搭載されたカーナビゲーション装置等から取得可能である。
【0190】
以下、図28乃至図32を用いて、走行する車線で行先が変化するような分岐点が存在する場合の危険運転判断部401D及び表示制御部401Eの動作について説明する。図28は、変形例7に係る分岐点前における平均車速の算出処理の一例を示す図である。
【0191】
例えば、分岐点の手前1kmの範囲に自車両40Aが入った場合、危険運転判断部401D及び表示制御部401Eは、自車両40Aの目的地の方向と異なる行先に向かう車線を、平均車速の算出対象及び車線誘導表示の対象から除外するものとする。
【0192】
図28は、自車両40Aが分岐点の手前1kmよりも手前を走行中である場合を表している。図28の例では、道路は、第1車線L1~第4車線L4の4車線で構成される。また、自車両40Aは、第2車線L2を走行中である。この場合、危険運転判断部401Dは、第1車線L1~第4車線L4の算出範囲CR内を走行中の車両40を算出対象として、第1車線L1~第4車線L4の平均車速を算出する。
【0193】
図29は、変形例7に係る分岐点前における車線誘導の表示処理の一例を示す図である。図29は、図28の例で車線誘導の表示処理を実行した場合のメータ46の表示の一例を表している。図29のメータ46の表示構成は、上述の図27と略同様であるが、自車両表示領域の右側に第1右車線表示領域RL1及び第2右車線表示領域RL2が表示されている点で図27と異なる。
【0194】
第1右車線表示領域RL1は、自車両が走行する車線の右隣の車線の状態を表示する領域である。第2右車線表示領域RL2は、第1右車線表示領域RL1に対応する車線の右隣の車線の状態を表示する領域である。一例として、図29の左車線表示領域LLは、図28の第1車線L1に、自車線表示領域OLは、第2車線L2に、第1右車線表示領域RL1は、第3車線L3に、第2右車線表示領域RL2は、第4車線L4に、夫々対応する。
【0195】
図28の例では、第1車線L1~第4車線L4の全てが平均車速の算出対象となる。このため、図29の例では、表示制御部401Eは、車線誘導の表示として、左車線表示領域LL、自車線表示領域OL、第1右車線表示領域RL1、及び第2右車線表示領域RL2の全てに変形例6と同様の自車速指標SD4を表示させている。
【0196】
図30は、変形例7に係る分岐点付近における平均車速の算出処理の一例を示す図である。図30は、自車両40Aが分岐点の手前1kmの位置を走行中である場合を表している。図30の例では、図28と同様に、道路は、第1車線L1~第4車線L4の4車線で構成される。また、自車両40Aは、第2車線L2を走行中である。また、自車両40Aの目的地の方向は、第1車線L1及び第2車線L2の方向であるものとする。
【0197】
図30の例では、自車両40Aが分岐点の手前1kmの位置を走行中であり、第3車線L3及び第4車線L4は、自車両40Aの目的地の方向と異なる行先に向かう車線である。この場合、危険運転判断部401Dは、第1車線L1及び第2車線L2の算出範囲CR内を走行中の車両40を算出対象として、第1車線L1及び第2車線L2の平均車速を算出する。
【0198】
なお、図30に点線の矢印で示した範囲は、分岐点手前1kmから分岐点までの範囲を表している。図30の例では、危険運転判断部401Dは、第3車線L3及び第4車線L4について、分岐点手前1kmから分岐点までの範囲よりも先の範囲までを、車線誘導表示除外領域ERとして設定している。
【0199】
これは、分岐点よりも先であっても、自車両40Aのセンサ44やRSU30の路側センサ32のセンシング結果から、車両情報を取得可能な場合もあるためである。これにより、車線変更が不可能な状況で車線誘導表示を表示させてしまうような事態を防止することができる。
【0200】
図31は、変形例7に係る分岐点付近における車線誘導の表示処理の一例を示す図である。図31は、図30の例で車線誘導の表示処理を実行した場合のメータ46の表示の一例を表している。図31の例では、表示制御部401Eは、左車線表示領域LL及び自車線表示領域OLに、前方に分岐点が存在することを表す情報を表示させている。
【0201】
また、表示制御部401Eは、第1右車線表示領域RL1及び第2右車線表示領域RL2を点線で表示させている。これにより、自車両40Aのドライバーは、第1右車線表示領域RL1及び第2右車線表示領域RL2に対応する第3車線L3及び第4車線L4が、自車両40Aの目的地の方向と異なる行先に向かう車線であることを視覚的に理解することができる。
【0202】
また、図30の例では、第1車線L1及び第2車線L2が平均車速の算出対象となる。このため、表示制御部401Eは、車線誘導の表示として、左車線表示領域LL及び自車線表示領域OLのみに変形例6と同様の自車速指標SD4を表示させている。
【0203】
図32は、変形例7に係る分岐点後における平均車速の算出処理及び車線誘導の表示処理の一例を示す図である。図32に示すように、自車両40Aが分岐点を超えた場合、表示制御部401Eは、図31に示したような、自車両40Aの前方に分岐点が存在することを表す情報を表示させる処理を停止する。
【0204】
本変形例によれば、例えば、自車速と平均車速との乖離を解消するために、ドライバーの目的地と異なる方向へ自車両40Aを誘導してしまうことを防止することができる。
【0205】
(変形例8)
上述の第1実施形態では、自車速と平均車速とに乖離がある場合、車線誘導表示除外領域ER以外では、車線誘導の表示を行う形態について説明した。しかしながら、車線誘導表示除外領域ER以外であっても、誘導先を走行する車両の車速や属性に応じて、車線誘導の表示処理を中止してもよい。
【0206】
本変形例では、表示制御部401Eは、誘導先となる車線の後方に、平均車速よりも著しく速い速度で走行する注意すべき車両40(以下、要注意車両ともいう)が存在する場合、当該要注意車両が通り過ぎるまで車線誘導の表示を中止する。なお、平均車速よりも著しく速い速度は、例えば、平均車速+20km/hを超える車速である。
【0207】
また、本変形例では、要注意車両の検出は、危険運転判断部401Dが行う。例えば、危険運転判断部401Dは、通信制御部401A又はセンサ制御部401Bで取得された車両情報に含まれる車両40の車速に基づいて、要注意車両を検出する。この場合の危険運転判断部401Dは、検知部の一例である。
【0208】
また、表示制御部401Eは、平均車速よりも著しく速い速度で走行する要注意車両が存在する旨の表示を行ってもよい。図33は、変形例8に係る車線誘導の表示処理の一例を示す図である。図33は、自車両40Aが走行する車線の右車線の後方に、著しく速い車速で走行する要注意車両が存在する場合のメータ46の表示の一例を表している。
【0209】
図33のメータ46の表示構成は、上述の図27と略同様であるが、右車線表示領域RL全体が網掛けパターンで表示されている点、右車線表示領域RLの中央付近に「×」が表示されている点及び右車線表示領域RLの下部に要注意車両アイコンDIが表示されている点で図27と異なる。
【0210】
図33の例では、右車線表示領域RL全体が網掛けパターンで表示されていること、及び右車線表示領域RLに「×」が表示されていることは、ドライバーに対して、自車両40Aを右車線表示領域RLに対応する車線に車線変更しないように報知する役割を果たしている。
【0211】
要注意車両アイコンDIは、要注意車両を表すアイコンである。図33の例では、右車線表示領域RLの下部に要注意車両アイコンDIが表示されており、右車線表示領域RLに対応する車線の後方に要注意車両が存在することを表している。
【0212】
なお、表示制御部401Eは、誘導先となる車線の後方に、緊急車両やメンテナンス車両等の平均車速よりも著しく速い速度又は平均車速よりも著しく遅い速度で走行する可能性がある車両40が存在する場合、当該車両40が通り過ぎるまで車線誘導の表示を中止してもよい。
【0213】
図34は、自車両40Aが走行する車線の右車線の後方に、緊急車両である車両40が存在する場合のメータ46の表示の一例を表している。図34のメータ46の表示構成は、上述の図33と略同様であるが、要注意車両アイコンDIの代わりに緊急車両アイコンEIが表示されている点で図33と異なる。
【0214】
緊急車両アイコンEIは、緊急車両を表すアイコンである。図33の例では、右車線表示領域RLの下部に緊急車両アイコンEIが表示されており、右車線表示領域RLに対応する車線の後方に緊急車両が存在することを表している。
【0215】
また、表示制御部401Eは、誘導先となる車線の前方に平均車速よりも著しく遅い速度で走行する要注意車両が存在する場合、当該要注意車両を追い越すまで車線誘導の表示を中止してもよい。なお、平均車速よりも著しく速い速度は、例えば、平均車速-20km/hを下回る車速である。
【0216】
図35は、変形例8に係る車線誘導の表示処理の一例を示す図である。図35は、自車両40Aが走行する車線の左車線の前方に、著しく遅い車速で走行する要注意車両が存在する場合のメータ46の表示の一例を表している。図35のメータ46の表示構成は、上述の図33と略同様であるが、全体の網掛け及び「×」が左車線表示領域LLに表示されている点、及び要注意車両アイコンDIが左車線表示領域LLの上方に表示されている点で図33と異なる。
【0217】
図35の例では、左車線表示領域LLの上部に要注意車両アイコンDIが表示されており、左車線表示領域LLに対応する車線の前方に要注意車両が存在することを表している。
【0218】
本変形例によれば、誘導先を走行する車両の車速や属性に応じて、車線誘導の表示処理を中止するため、例えば、著しく速い車速で走行する要注意車両の前を走行することになって煽り運転をされてしまったり、著しく遅い車速で走行する要注意車両の後ろを走行することになってストレスを感じたりする可能性を低減することができる。
【0219】
(変形例9)
上述の第1実施形態では、自車速と平均車速とに乖離がある場合に車線誘導の表示処理を実行する形態について説明した。しかしながら、自車両40Aが走行する車線の後方に緊急車両が存在する場合にも車線誘導の表示処理を実行してもよい。
【0220】
以下、図36及び図37を用いて、自車速と平均車速とに乖離がなくても車線誘導を行う場合について説明する。図36は、変形例9に係る自車速と平均車速とに乖離がなくても車線誘導を行う場合の一例を示す図である。
【0221】
図36の例では、第1車線L1の平均車速が76km/h、第2車線L2の平均車速が100km/h、第3車線L3の平均車速が125km/hである。また、自車両40Aは、100km/hで第2車線L2を走行中である。また、緊急車両である車両40Bが自車両40Aの後方を走行中である。
【0222】
この場合、自車速と平均車速とに乖離はないため、煽り運転や危険運転に遭遇する可能性を低減するという点では、車線誘導の表示処理を実行する必要性は低い。しかしながら、第2車線L2では、緊急車両である車両40Bが自車両40Aの後方を走行中であるため、車両40Bの走行を妨げないように車線変更を行うことが好ましいと考えられる。
【0223】
本変形例では、表示制御部401Eは、自車両40Aと緊急車両が同一の車線を走行しており、かつ、自車両40Aの後方の所定範囲内に緊急車両が存在する場合、車線誘導の表示処理を実行する。図36の例では、表示制御部401Eは、矢印に示すように、平均車速が自車両40Aの車速に近い第1車線L1へと自車両40Aを誘導する表示をメータ46に表示させる。
【0224】
図37は、変形例9に係る車線誘導の表示処理の一例を示す図である。図37は、自車両40Aが走行する車線の後方に、緊急車両が存在する場合のメータ46の表示の一例を表している。
【0225】
図37のメータ46の表示構成は、上述の図34と略同様であるが、全体の網掛け及び「×」が自車線表示領域OLに表示されている点、及び緊急車両アイコンEIが自車両アイコンOIの下方に表示されている点で図34と異なる。
【0226】
図37の例では、自車線表示領域OLの全体の網掛け及び「×」は、ドライバーに対して、自車両40Aが現在走行中の車線の後方には、緊急車両が存在するため、他の車線に車線変更するように報知する役割を果たしている。
【0227】
また、図37の例では、自車両アイコンOIの下方に緊急車両アイコンEIが表示されており、自車線表示領域OLに対応する車線の後方に緊急車両が存在することを表している。
【0228】
また、図37の例では、車線誘導表示GIは、平均車速が現在の自車両40Aの車速に近い左車線に車線変更するように報知する役割を果たしている。
【0229】
本変形例では、緊急車両が自車両40Aの後方に存在する場合、自車速と平均車速との間に乖離がなくても、車線誘導の表示処理を実行する。このため、本変形例によれば、自車速と平均車速を合わせるために自車両40Aが緊急車両の通行を妨げてしまうような事態を防止することができる。
【0230】
(変形例10)
危険運転判断部401Dは、走行している車両40が閾値(例えば、1台)以下の車線については平均車速の算出をしないこととしてもよい。また、この場合、表示制御部401Eは、平均車速の表示を平均車速の算出をしていない旨を表す表示に変更してもよい。
【0231】
以下、図38乃至図40を用いて、危険運転判断部401Dが平均車速の算出をしなかった場合の自車速と平均車速との関係を表す情報の表示処理について説明する。図38乃至図40は、変形例10に係る自車両の車速と平均車速との関係を表す表示の一例を示す図である。
【0232】
図38は、自車線表示領域OLに対応する車線及び右車線表示領域RLに対応する車線の平均車速が算出されなかった場合のメータ46の表示の一例を表している。図38の例では、メータ46の表示構成は、図8と略同様であるが、自車速指標SD1が表示されていない点、及び自車線平均車速表示領域V2と右車線平均車速表示領域V3とに「―――」が表示されている点で図8と異なる。
【0233】
図38の例では、自車線平均車速表示領域V2の「―――」は、自車線表示領域OLに対応する車線の算出範囲CR内に自車両40Aを含めても閾値以下の台数の車両40しか存在しないため、平均車速を算出していないことを表している。また、右車線平均車速表示領域V3の「―――」は、右車線表示領域RLに対応する車線の算出範囲CR内に閾値以下の台数の車両40しか存在しないため、平均車速を算出していないことを表している。
【0234】
また、図38の例では、自車線表示領域OLに対応する車線の平均車速が算出されていないため、表示制御部401Eは、自車両40Aの車速と自車両40Aが走行する平均車速との関係が不明であるため、自車速指標SD1をメータ46に表示させていない。
【0235】
なお、表示制御部401Eは、自車線表示領域OLに対応する車線について、算出範囲CR内に自車両40A以外の車両40が存在しない場合、周辺に車両40が存在しない旨の表示を行ってもよい。
【0236】
同様に、表示制御部401Eは、左車線表示領域LL及び右車線表示領域RLに対応する車線について、算出範囲CR内に車両40が存在しない場合、周辺に車両40が存在しない旨の表示を行ってもよい。
【0237】
図39は、自車線表示領域OLに対応する車線の算出範囲CR内に自車両40A以外の車両40が存在せず、右車線表示領域RLに対応する車線の算出範囲CR内に車両40が存在しない場合のメータ46の表示の一例を表している。図39の例では、メータ46の表示構成は、図38と略同様であるが、自車線平均車速表示領域V2、右車線平均車速表示領域V3に「周辺車両なし」が表示されている点で図38と異なる。
【0238】
図39の例では、自車線平均車速表示領域V2の「周辺車両なし」は、自車線表示領域OLに対応する車線の算出範囲CR内に自車両40A以外の車両が存在しないため、平均車速を算出していないことを表している。また、右車線平均車速表示領域V3の「周辺車両なし」は、右車線表示領域RLに対応する車線の算出範囲CR内に車両40が存在しないため、平均車速を算出していないことを表している。
【0239】
また、図39の例では、図38と同様に、自車線表示領域OLに対応する車線の平均車速が算出されていないため、表示制御部401Eは、自車両40Aの車速と自車両40Aが走行する平均車速との関係が不明であるため、自車速指標SD1をメータ46に表示させていない。
【0240】
なお、表示制御部401Eは、算出範囲CR内に自車両40A以外の車両40が存在しない場合、自車線表示領域OLに対応する車線について、自車速と平均車速とに乖離がないことを表すパターンで自車速指標SD1をメータ46に表示させてもよい。これは、算出範囲CR内に自車両40A以外の車両40が存在しない場合は、自車速と平均車速とに乖離がない場合と略同一視できるためである。
【0241】
図40は、自車線表示領域OLに対応する車線の算出範囲CR内に自車両40A以外の車両40が存在しない場合のメータ46の表示の一例を表している。図40の例では、メータ46の表示構成は、図39と略同様であるが、自車両アイコンOIの周囲に自車速と平均車速とに乖離がないことを表すパターンで自車速指標SD1が表示されている点で図38と異なる。
【0242】
算出範囲CR内に自車両40A以外の車両40が存在しない場合にも、自車速と平均車速とに乖離がないことを表すパターンで自車速指標SD1をメータ46表示させることで、ドライバーに対して煽り運転や危険運転に遭遇する可能性が低いことを報知できる。
【0243】
本変形例によれば、算出範囲CR内に自車両40A以外の車両40が存在しない等の理由で平均車速を算出していない場合に、その旨を自車両40Aのドライバーに対して報知することができる。
【0244】
(変形例11)
危険運転判断部401Dは、算出範囲CR内に自車両40A以外の車両40が存在しない、算出範囲CR内に車両40が存在しない等の理由で平均車速を算出していない車線がある場合、平均車速を算出可能な車線の平均車速から平均車速を算出していない車線の平均車速を推定してもよい。
【0245】
本変形例では、危険運転判断部401Dは、平均車速を算出していない車線がある場合、他の車線の平均車速に基づいて、当該車線の平均車速を推定する。一例として、危険運転判断部401Dは、右側にある車線は左側にある車線の+25km/hであるとして車線毎の推定される平均車速(以下、推定車速ともいう)を算出する。
【0246】
以下、道路が第1車線L1~第3車線L3で構成され、危険運転判断部401Dが第1車線L1の平均車速を算出できた場合について説明する。この場合、危険運転判断部401Dは、第2車線L2の推定車速=第1車線L1の平均車速+25km/h、第3車線L3の推定車速=第1車線L1の平均車速+50km/hとして、第2車線L2及び第3車線L3の推定車速を算出する。
【0247】
なお、上記の推定式は一例であり、推定式はこれに限定されない。例えば、危険運転判断部401Dは、自車両40Aが現在走行中の場所で過去に算出された車線毎の平均車速から推定式を定めてもよい。また、例えば、危険運転判断部401Dは、自車両40Aが現在走行中の道路の他の場所で算出された車線毎の平均車速から推定式を定めてもよい。
【0248】
図41は、変形例11に係る自車両の車速と平均車速との関係を表す表示の一例を示す図である。図41の例では、メータ46の表示構成は、図8と略同様であるが、自車線平均車速表示領域V2と右車線平均車速表示領域V3とに「推定」が表示されている点で図8と異なる。
【0249】
図41の例では、「推定」は、自車線平均車速表示領域V2と右車線平均車速表示領域V3とに表示された数値が危険運転判断部401Dで算出した推定車速であることを表している。また、図41の例では、自車速指標SD1は、自車両40Aと推定車速との関係を表したものである。
【0250】
なお、危険運転判断部401Dが全車線で平均車速を算出出来なかった場合、表示制御部401Eは、その旨をメータ46に表示させてもよい。図42は、変形例11に係る自車両の車速と平均車速との関係を表す表示の一例を示す図である。図42は、危険運転判断部401Dが全車線で平均車速を算出出来なかった場合のメータ46の表示の一例を表している。
【0251】
図42の例では、メータ46の表示構成は、図41と略同様であるが、左車線平均車速表示領域V1と右車線平均車速表示領域V3とに数値が表示されていない点及び自車線平均車速表示領域V2に「周辺車両なし」と表示されている点で図41と異なる。
【0252】
図42の例では、「周辺車両なし」は、算出範囲CR内に自車両40Aしか存在しないため、危険運転判断部401Dが全車線で平均車速を算出出来なかったことを表している。これにより、推定車速の算出も出来なかったことを自車両40Aのドライバーに報知することができる。
【0253】
また、図42の例では、図40と同様に、表示制御部401Eは、算出範囲CR内に自車両40A以外の車両40が存在しない場合と、自車速と平均車速とに乖離がない場合とを略同一であるものとして、自車速と平均車速とに乖離がないことを表すパターンで自車速指標SD1をメータ46に表示させている。
【0254】
本変形例では、一つの車線について平均車速を算出できれば、他の車線の平均車速を推定できる。このため、本変形例によれば、平均車速を算出できない車線が存在したとしても、自車速と平均車速とが乖離する可能性があることを自車両40Aのドライバーに対して報知することができる。
【0255】
(変形例12)
走行する車両40がいない車線が存在し、かつ、当該車線の進行方向に事故車や落下物がある旨の情報を取得した場合、表示制御部401Eは、当該車線の進行方向に事故車や落下物があることを自車両40Aのドライバーに対して報知してもよい。
【0256】
本変形例では、センサ制御部401Bは、センシング結果から、走行する車両40が存在しない車線が存在するか否かを検知する。センサ制御部401Bが走行する車両40が存在しない車線を検出した場合、通信制御部401Aは、第1通信部42Aを制御して、セルラー通信を用いて道路に関する情報がリアルタイムで更新されるデータベースから事故車や落下物の位置を表す情報を取得する。
【0257】
危険運転判断部401Dは、通信制御部401Aで取得された事故車や落下物の位置を表す情報に基づいて、走行する車両40がいない車線の進行方向に事故車や落下物があるか否かを判断する。
【0258】
表示制御部401Eは、当該車線の進行方向に事故車や落下物があることを自車両40Aのドライバーに対して報知する。例えば、表示制御部401Eは、車線の進行方向に事故車や落下物があることを、当該車線の色を変えてメータ46に表示させる。また、例えば、表示制御部401Eは、車線の進行方向に事故車や落下物があることを、文字でメータ46に表示させる。
【0259】
図43は、変形例12に係る車線誘導の表示処理の一例を示す図である。図43は、自車両40Aが走行する車線の左側車線の進行方向に事故車が存在する場合のメータ46の表示の一例である。
【0260】
図43の例では、メータ46の表示構成は、図8と略同様であるが、左車線表示領域LL全体に網掛けがされている点及び左車線平均車速表示領域V1に「事故車あり」と表示されている点で図8と異なる。
【0261】
図43の例では、左車線表示領域LL全体の網掛け及び「事故車あり」の表示は、左車線を走行した先に事故車が存在することを表している。一般的に、事故車が存在する場合、通行が不可能でなかったとしても、通行には時間が掛かる場合が多い。したがって、ドライバーは事故車が存在する車線の走行は避けたいと考えるため、事故車が存在する車線を表示させることで、ドライバーは事故車が存在する車線を回避しやすくなる。
【0262】
また、表示制御部401Eは、事故車や落下物により車線が通行不可になっている場合、その旨をメータ46に表示させてもよい。
【0263】
図44は、変形例12に係る車線誘導の表示処理の一例を示す図である。図44は、自車両40Aが走行する車線の左側車線の進行方向に落下物が存在し、左側車線が通行不可になっている場合のメータ46の表示の一例である。
【0264】
図44の例では、メータ46の表示構成は、図43と略同様であるが、左車線表示領域LLの中央部に「×」が表示されている点及び左車線平均車速表示領域V1に「落下物あり」と表示されている点で図8と異なる。
【0265】
図43の例では、左車線表示領域LLの「×」及び「落下物あり」の表示は、左車線を走行した先に落下物が存在し、左車線が通行不可になっていることを表している。一般的に、落下物が車線の中央付近等に存在することで、当該車線が通行不可になっている場合、当該車線を走行していると、落下物付近で通行可能な車線に車線変更するなどの操作が必要になってしまう。したがって、通行が不可能であることを表示させることで、ドライバーは落下物付近で慌てて車線変更しなければならなくなるような事態を回避することができる。
【0266】
(変形例13)
車線誘導の表示処理を実行する際、表示制御部401Eは、危険運転判断部401Dで算出された車線の平均車速が法定速度を超えている場合、その旨を表示してもよい。また、この場合、表示制御部401Eは、平均車速が法定速度を超えている車線を、車線誘導の対象から除外してもよい。
【0267】
図45は、変形例13に係る自車両の車速と平均車速との関係を表す表示の一例を示す図である。図45は、自車両40Aが走行する車線の右側車線の平均車速が法定速度を超えている場合のメータ46の表示の一例を示している。図45の例でメータ46の表示領域の構成は、図8と略同様であるが、右車線平均車速表示領域V3に、数値ではなく、「Over Limit」と表示されている点で図8と異なる。
【0268】
図45の例では、右車線平均車速表示領域V3の「Over Limit」は、自車両40Aが走行する車線の右側車線の平均車速が法定速度を超えていることを表している。なお、表示制御部401Eは、平均車速が法定速度を超えている場合に、「Over Limit」と合わせて危険運転判断部401Dで算出された平均車速の数値をメータ46に表示させてもよい。
【0269】
また、車線誘導の対象となる車線の平均車速が法定速度を超えている場合、表示制御部401Eは、当該車線への車線変更を推奨しない旨をメータ46に表示させてもよい。図46は、変形例13に係る自車両の車速と平均車速との関係を表す表示の一例を示す図である。図46は、車線変更を推奨しない旨をメータ46に表示する場合の一例を表している。
【0270】
図46の例でメータ46の表示領域の構成は、図45と略同様であるが、右車線表示領域RL全体が網掛けパターンで表示されている点、右車線表示領域RLの中央付近に「×」が表示されている点及び右車線平均車速表示領域V3に、「Over Limit」ではなく数値が表示されている点で図45と異なる。
【0271】
図46の例では、右車線表示領域RL全体の網掛け及び右車線表示領域RLの中央付近の「×」は、右車線表示領域RLへの車線変更を推奨しないことを表している。
【0272】
図46の例では、自車両40Aの車速が125km/hで右車線表示領域RLに対応する車線の車速も125km/hであり、自車両40Aのドライバーは、右車線表示領域RLに対応する車線に車線変更すれば自車速と平均車速との乖離を解消することができる。
しかしながら、当該車線の平均車速は法定速度を超えているため、車線変更で自車速と平均車速との乖離を解消することは好ましくない。
【0273】
そこで、表示制御部401Eは、図46に示したように、平均車速が法定速度を超えている車線への車線変更が推奨されないことをメータ46に表示させる。これにより、ドライバーに法定速度を超えるような車速で自車両40Aを運転しないよう促すことができる。
【0274】
なお、平均車速が法定速度を超える車線が存在する場合、表示制御部401Eは、当該車線の平均車速が法定速度を超えている旨と当該車線への車線変更を推奨しない旨とを合わせてメータ46に表示してもよい。図47は、変形例13に係る自車両の車速と平均車速との関係を表す表示の一例を示す図である。図47は、平均車速が法定速度を超えている旨と車線変更を推奨しない旨とを合わせてメータ46に表示する場合の一例を表している。
【0275】
図47の例でメータ46の表示領域の構成は、図46と略同様であるが、右車線平均車速表示領域V3に、数値ではなく、「Over Limit」が表示されている点で図45と異なる。
【0276】
なお、表示制御部401Eは、図45乃至図47の例で、上述の表示処理に加えて、IVI47のディスプレイ等に、自車両40Aが法定速度を超えているため、現在走行中の車線の平均車速まで自車両40Aの車速を減速するよう促す旨のメッセージを表示させてもよい。
【0277】
本変形例によれば、平均車速が法定速度を超える車線が存在する場合、当該車線の平均車速が法定速度を超えている旨を表示させたり、当該車線への車線変更を推奨しない旨を表示させたりすることで、自車両40Aのドライバーに対して法定速度を超えるような車速で自車両40Aを運転しないよう促すことができる。
【0278】
なお、上記には、実施形態を説明したが、上記実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。上記新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。上記実施形態は、発明の範囲または要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0279】
1 情報処理システム
10 データセンタサーバ
20 通信事業者基地局
30 RSU
31 路側通信装置
32 路側センサ
40A~40H 車両
41A、41B GPS
42A、42B 第1通信部
43A、43B 第2通信部
44A、44B センサ
45A、45B カメラ
46A、46B メータ
47A、47B IVI
400、400A、400B、410 ECU
401、411 CPU
401A、411A 通信制御部
401B、411B センサ制御部
401C、411C 車両情報処理部
401D、411D 危険運転判断部
401E、411E 表示制御部
411F 車両制御部
402 ROM
403 RAM
404 I/F
405 記憶装置
406 バス
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