IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ギックスの特許一覧

特開2024-128294情報処理方法、情報処理装置及び情報処理プログラム
<>
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及び情報処理プログラム 図1
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及び情報処理プログラム 図2
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及び情報処理プログラム 図3
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及び情報処理プログラム 図4
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及び情報処理プログラム 図5A
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及び情報処理プログラム 図5B
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及び情報処理プログラム 図6
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及び情報処理プログラム 図7
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及び情報処理プログラム 図8
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及び情報処理プログラム 図9
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及び情報処理プログラム 図10
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及び情報処理プログラム 図11
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及び情報処理プログラム 図12
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及び情報処理プログラム 図13
  • 特開-情報処理方法、情報処理装置及び情報処理プログラム 図14
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128294
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】情報処理方法、情報処理装置及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/04 20230101AFI20240913BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240913BHJP
【FI】
G06Q10/04 300
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】25
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037205
(22)【出願日】2023-03-10
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り 令和5年1月20日応募 Tokyo Metro ACCELERATOR 2022 令和5年1月20日掲載 ウェブサイト 令和5年1月23日公開 ステージング環境 令和5年1月27日公開 WESTER(アプリケーション) 令和5年1月27日等開催 アイテナリー紹介会議
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
(71)【出願人】
【識別番号】513186383
【氏名又は名称】株式会社ギックス
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100167634
【弁理士】
【氏名又は名称】扇田 尚紀
(74)【代理人】
【識別番号】100187849
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 隆史
(74)【代理人】
【識別番号】100212059
【弁理士】
【氏名又は名称】三根 卓也
(72)【発明者】
【氏名】山田 洋
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 朱寧
(72)【発明者】
【氏名】平川 奈津希
(72)【発明者】
【氏名】花谷 慎太郎
【テーマコード(参考)】
5L010
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L010AA04
5L049AA04
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】始点ノードと終点ノード間の中間ノードとエッジを適切に選択してルートを設定する。
【解決手段】情報処理装置が、始点ノードと終点ノードを設定する処理と、前記始点ノード、前記終点ノード、前記始点ノードと前記終点ノードの間の中間ノード又はノード間のエッジの少なくともいずれかに関する情報を含む固定情報に基づいて固定スコアを設定する処理と、前記始点ノードと前記終点ノードの間のルートを設定する際の条件に関する情報を含む変動情報に基づいて変動スコアを設定する処理と、前記固定スコアと前記変動スコアからルートスコアを算出し、算出された前記ルートスコアに基づいて前記中間ノードと前記エッジを選択し、選択された前記中間ノードと前記エッジを含む前記ルートを設定する処理と、を実行する。
【選択図】図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理装置が、
始点ノードと終点ノードを設定する処理と、
前記始点ノード、前記終点ノード、前記始点ノードと前記終点ノードの間の中間ノード又はノード間のエッジの少なくともいずれかに関する情報を含む固定情報に基づいて固定スコアを設定する処理と、
前記始点ノードと前記終点ノードの間のルートを設定する際の条件に関する情報を含む変動情報に基づいて変動スコアを設定する処理と、
前記固定スコアと前記変動スコアからルートスコアを算出し、算出された前記ルートスコアに基づいて前記中間ノードと前記エッジを選択し、選択された前記中間ノードと前記エッジを含む前記ルートを設定する処理と、を実行することを特徴とする、情報処理方法。
【請求項2】
前記情報処理装置が、
前記ルートを設定する処理が完了された後、設定された前記ルートをユーザの情報処理端末に送信する処理と、
前記情報処理端末からの情報に基づいて、前記ルートを設定する処理において選択された前記中間ノードとは異なる中間ノードを、前記固定スコアと前記変動スコアに基づいて追加選択する処理と、を実行することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項3】
前記情報処理装置が、
前記ルートを設定する処理が完了された後、設定された前記ルートをユーザの情報処理端末に送信する処理と、
前記情報処理端末からの情報に基づいて、前記ルートを設定する処理において選択された前記中間ノードを、前記固定スコアと前記変動スコアに基づいて変更する処理と、を実行することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項4】
前記情報処理装置が、
前記ルートを設定する処理が完了された後、設定された前記ルートをユーザの情報処理端末に送信する処理と、
前記情報処理端末からの情報に基づいて、前記ルートを設定する処理において選択された前記中間ノードを再始点ノード又は再終点ノードに再設定し、前記固定スコアと前記変動スコアに基づいて、前記再始点ノードと前記終点ノードの間のルート又は前記始点ノードと前記再終点ノードの間のルートを再設定する処理と、を実行することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項5】
前記情報処理装置が、
前記ルートを設定する処理が完了された後、設定された前記ルートをユーザの情報処理端末に送信する処理と、
前記情報処理端末からの情報に基づいて、前記ルートを設定する処理において選択された複数の前記中間ノードのうち少なくとも1以上の前記中間ノードを削除する処理と、を実行することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項6】
前記情報処理装置が、
前記ルートを設定する処理が完了された後、設定された前記ルートをユーザの情報処理端末に送信する処理と、
前記情報処理端末からの情報に基づいて、前記ルートを設定する処理において選択された複数の前記中間ノードの順序を入れ替える処理と、を実行することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項7】
前記ルートを設定する処理において、前記固定スコアと前記変動スコアの合計である前記ルートスコアを算出し、前記ルートスコアが最大又は最小になるように前記ルートを設定することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項8】
前記固定スコアを設定する処理において、前記固定スコアを複数設定し、
前記ルートを設定する処理において、前記変動スコアを用いて前記固定スコアを絞り込み、絞り込まれた記固定スコアと前記変動スコアの合計である前記ルートスコアを算出し、前記ルートスコアが最大又は最小になるように前記ルートを設定することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項9】
前記ルートを設定する処理において、前記固定スコアと前記変動スコアの合計である前記ルートスコアを算出し、前記ルートスコアの大小の順位に基づいて前記ルートを設定することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項10】
前記固定スコアを設定する処理において、前記固定スコアを複数設定し、
前記変動スコアを設定する処理において、前記変動スコアを複数設定し、
前記ルートを設定する処理において、複数の前記固定スコア又は複数の前記変動スコアの少なくともいずれかに重み付けを行って前記ルートスコアを算出することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項11】
前記情報処理装置が、前記固定情報又は前記変動情報の少なくともいずれかを用いて前記中間ノードと前記エッジを絞り込む処理を実行し、
前記ルートを設定する処理において、絞り込まれた前記中間ノードと前記エッジから前記ルートスコアに基づいて前記中間ノードと前記エッジを選択し、選択された前記中間ノードと前記エッジを含む前記ルートを設定することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項12】
前記固定情報は、前記エッジの距離に関する情報を含むことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項13】
前記固定情報は、前記エッジの標準経由時間に関する情報を含むことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項14】
前記固定情報は、隣接する前記中間ノード同士の相性に関する情報を含むことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項15】
前記固定情報は、前記中間ノードの人気度に関する情報を含むことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項16】
前記固定情報は、前記中間ノードのカテゴリに関する情報を含むことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項17】
前記変動情報は、ユーザの情報処理端末から取得された情報を含むことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項18】
前記変動情報は、開始時と終了時の情報又は前記開始時と前記終了時の間の設定時間の情報を含み、
前記変動スコアを設定する処理において、前記設定時間と、前記中間ノードと前記エッジを経由するための所要時間との差である時間差を算出し、前記時間差に基づいて前記変動スコアを設定することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項19】
前記所要時間は、前記ノードにおける標準滞在時間又は前記エッジにおける標準経由時間の少なくともいずれかを含むことを特徴とする、請求項18に記載の情報処理方法。
【請求項20】
前記ルートを設定する処理において、選択される前記中間ノードの数が前記中間ノードの最大設定数より小さい場合、前記固定スコア及び前記変動スコアと、前記中間ノードの数と前記最大設定数の差に基づいたノード数スコアと、から前記ルートスコアを算出することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項21】
前記変動情報は、ユーザの属性情報又はユーザの行動情報の少なくともいずれかを含むことを特徴とする、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項22】
前記始点ノードと前記終点ノードを設定する処理において、前記始点ノードと前記終点ノードをユーザの情報処理端末から取得することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項23】
前記情報処理装置が、
前記ルートを設定する処理が完了された後、設定された前記ルートをユーザの情報処理端末に送信する処理と、
ユーザの前記中間ノード又は前記終点ノードへの到達情報を取得する処理と、
前記情報処理端末に前記中間ノード又は前記終点ノードに到達済みであることを表示させる処理と、を実行することを特徴とする、請求項1に記載の情報処理方法。
【請求項24】
情報処理装置であって、
始点ノードと終点ノードを設定する始終ノード設定部と、
前記始点ノード、前記終点ノード、前記始点ノードと前記終点ノードの間の中間ノード又はノード間のエッジの少なくともいずれかに関する情報を含む固定情報に基づいて固定スコアを設定する固定スコア設定部と、
前記始点ノードと前記終点ノードの間のルートを設定する際の条件に関する情報を含む変動情報に基づいて変動スコアを設定する変動スコア設定部と、
前記固定スコアと前記変動スコアからルートスコアを算出し、算出された前記ルートスコアに基づいて前記中間ノードと前記エッジを選択し、選択された前記中間ノードと前記エッジを含む前記ルートを設定するルート設定部と、を有することを特徴とする、情報処理装置。
【請求項25】
情報処理装置に、
始点ノードと終点ノードを設定する処理と、
前記始点ノード、前記終点ノード、前記始点ノードと前記終点ノードの間の中間ノード又はノード間のエッジの少なくともいずれかに関する情報を含む固定情報に基づいて固定スコアを設定する処理と、
前記始点ノードと前記終点ノードの間のルートを設定する際の条件に関する情報を含む変動情報に基づいて変動スコアを設定する処理と、
前記固定スコアと前記変動スコアからルートスコアを算出し、算出された前記ルートスコアに基づいて前記中間ノードと前記エッジを選択し、選択された前記中間ノードと前記エッジを含む前記ルートを設定する処理と、を実行させることを特徴とする、情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理方法、情報処理装置及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、情報処理装置は、種々のルートを設定してユーザに提案する。このようなルートには、例えば観光客がスポットを周遊する観光ルートや、買物客が店舗を巡る買物ルート、営業担当者が顧客を訪問する営業ルートなど、ユーザが物理的に訪問するルートが含なれる。またルートには、例えば人事異動のルートやウェブ上のサービス利用のルートなど、物理的な移動を伴わない論理的なルートも含まれる。
【0003】
ルートを提案する情報処理装置として、例えば特許文献1に開示された観光ルート提案装置は、観光客の位置情報及び観光客の属性情報を取得する取得部と、観光客の属性情報と観光地の属性情報とを照合し、観光客に適した候補地を抽出する抽出部と、観光客の位置情報及び候補地に基づき、候補観光ルートを作成する作成部と、候補観光ルートを観光客に出力する出力部とを含む。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-175378号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示の観光ルート提案装置のように従来の情報処理装置では、候補地を抽出した後、訪問ルートを作成している。訪問ルートは、訪問者の位置情報に含まれる位置と、1または複数箇所の候補地とをつなぐ経路である。このように従来の情報処理装置では候補地の抽出と経路の作成を個別に行っているため、候補地と経路の両方が最適化された訪問ルートが設定されているとは限らない。したがって、従来のルートを設定する情報処理装置及び情報処理方法には改善の余地がある。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、始点ノードと終点ノード間の中間ノードとエッジを適切に選択してルートを設定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の目的を達成するため、本発明は、情報処理装置が、始点ノードと終点ノードを設定する処理と、前記始点ノード、前記終点ノード、前記始点ノードと前記終点ノードの間の中間ノード又はノード間のエッジの少なくともいずれかに関する情報を含む固定情報に基づいて固定スコアを設定する処理と、前記始点ノードと前記終点ノードの間のルートを設定する際の条件に関する情報を含む変動情報に基づいて変動スコアを設定する処理と、前記固定スコアと前記変動スコアからルートスコアを算出し、算出された前記ルートスコアに基づいて前記中間ノードと前記エッジを選択し、選択された前記中間ノードと前記エッジを含む前記ルートを設定する処理と、を実行することを特徴としている。
【0008】
前記情報処理方法では、前記情報処理装置が、前記ルートを設定する処理が完了された後、設定された前記ルートをユーザの情報処理端末に送信する処理と、前記情報処理端末からの情報に基づいて、前記ルートを設定する処理において選択された前記中間ノードとは異なる中間ノードを、前記固定スコアと前記変動スコアに基づいて追加選択する処理と、を実行してもよい。
【0009】
前記情報処理方法では、前記情報処理装置が、前記ルートを設定する処理が完了された後、設定された前記ルートをユーザの情報処理端末に送信する処理と、前記情報処理端末からの情報に基づいて、前記ルートを設定する処理において選択された前記中間ノードを、前記固定スコアと前記変動スコアに基づいて変更する処理と、を実行してもよい。
【0010】
前記情報処理方法では、前記情報処理装置が、前記ルートを設定する処理が完了された後、設定された前記ルートをユーザの情報処理端末に送信する処理と、前記情報処理端末からの情報に基づいて、前記ルートを設定する処理において選択された前記中間ノードを再始点ノード又は再終点ノードに再設定し、前記固定スコアと前記変動スコアに基づいて、前記再始点ノードと前記終点ノードの間のルート又は前記始点ノードと前記再終点ノードの間のルートを再設定する処理と、を実行してもよい。
【0011】
前記情報処理方法では、前記情報処理装置が、前記ルートを設定する処理が完了された後、設定された前記ルートをユーザの情報処理端末に送信する処理と、前記情報処理端末からの情報に基づいて、前記ルートを設定する処理において選択された複数の前記中間ノードのうち少なくとも1以上の前記中間ノードを削除する処理と、を実行してもよい。
【0012】
前記情報処理方法では、前記情報処理装置が、前記ルートを設定する処理が完了された後、設定された前記ルートをユーザの情報処理端末に送信する処理と、前記情報処理端末からの情報に基づいて、前記ルートを設定する処理において選択された複数の前記中間ノードの順序を入れ替える処理と、を実行してもよい。
【0013】
前記情報処理方法では、前記ルートを設定する処理において、前記固定スコアと前記変動スコアの合計である前記ルートスコアを算出し、前記ルートスコアが最大又は最小になるように前記ルートを設定してもよい。
【0014】
前記情報処理方法では、前記固定スコアを設定する処理において、前記固定スコアを複数設定し、前記ルートを設定する処理において、前記変動スコアを用いて前記固定スコアを絞り込み、絞り込まれた記固定スコアと前記変動スコアの合計である前記ルートスコアを算出し、前記ルートスコアが最大又は最小になるように前記ルートを設定してもよい。
【0015】
前記情報処理方法では、前記ルートを設定する処理において、前記固定スコアと前記変動スコアの合計である前記ルートスコアを算出し、前記ルートスコアの大小の順位に基づいて前記ルートを設定してもよい。
【0016】
前記情報処理方法では、前記固定スコアを設定する処理において、前記固定スコアを複数設定し、前記変動スコアを設定する処理において、前記変動スコアを複数設定し、前記ルートを設定する処理において、複数の前記固定スコア又は複数の前記変動スコアの少なくともいずれかに重み付けを行って前記ルートスコアを算出してもよい。
【0017】
前記情報処理方法では、前記情報処理装置が、前記固定情報又は前記変動情報の少なくともいずれかを用いて前記中間ノードと前記エッジを絞り込む処理を実行し、前記ルートを設定する処理において、絞り込まれた前記中間ノードと前記エッジから前記ルートスコアに基づいて前記中間ノードと前記エッジを選択し、選択された前記中間ノードと前記エッジを含む前記ルートを設定してもよい。
【0018】
前記情報処理方法では、前記固定情報は、前記エッジの距離に関する情報を含んでいてもよい。
【0019】
前記情報処理方法では、前記固定情報は、前記エッジの標準経由時間に関する情報を含んでいてもよい。
【0020】
前記情報処理方法では、前記固定情報は、隣接する前記中間ノード同士の相性に関する情報を含んでいてもよい。
【0021】
前記情報処理方法では、前記固定情報は、前記中間ノードの人気度に関する情報を含んでいてもよい。
【0022】
前記情報処理方法では、前記固定情報は、前記中間ノードのカテゴリに関する情報を含んでいてもよい。
【0023】
前記情報処理方法では、前記変動情報は、ユーザの情報処理端末から取得された情報を含んでいてもよい。
【0024】
前記情報処理方法では、前記変動情報は、開始時と終了時の情報又は前記開始時と前記終了時の間の設定時間の情報を含み、前記変動スコアを設定する処理において、前記設定時間と、前記中間ノードと前記エッジを経由するための所要時間との差である時間差を算出し、前記時間差に基づいて前記変動スコアを設定してもよい。
【0025】
前記情報処理方法では、前記所要時間は、前記ノードにおける標準滞在時間又は前記エッジにおける標準経由時間の少なくともいずれかを含んでいてもよい。
【0026】
前記情報処理方法では、前記ルートを設定する処理において、選択される前記中間ノードの数が前記中間ノードの最大設定数より小さい場合、前記固定スコア及び前記変動スコアと、前記中間ノードの数と前記最大設定数の差に基づいたノード数スコアと、から前記ルートスコアを算出してもよい。
【0027】
前記情報処理方法では、前記変動情報は、前記ユーザの属性情報又は前記ユーザの行動情報の少なくともいずれかを含んでいてもよい。
【0028】
前記情報処理方法では、前記始点ノードと前記終点ノードを設定する処理において、前記始点ノードと前記終点ノードを前記ユーザの情報処理端末から取得してもよい。
【0029】
前記情報処理方法では、前記情報処理装置が、前記ルートを設定する処理が完了された後、設定された前記ルートをユーザの情報処理端末に送信する処理と、ユーザの前記中間ノード又は前記終点ノードへの到達情報を取得する処理と、前記情報処理端末に前記中間ノード又は前記終点ノードに到達済みであることを表示させる処理と、を実行してもよい。
【0030】
別な観点による本発明の情報処理装置は、始点ノードと終点ノードを設定する始終ノード設定部と、前記始点ノード、前記終点ノード、前記始点ノードと前記終点ノードの間の中間ノード又はノード間のエッジの少なくともいずれかに関する情報を含む固定情報に基づいて固定スコアを設定する固定スコア設定部と、前記始点ノードと前記終点ノードの間のルートを設定する際の条件に関する情報を含む変動情報に基づいて変動スコアを設定する変動スコア設定部と、前記固定スコアと前記変動スコアからルートスコアを算出し、算出された前記ルートスコアに基づいて前記中間ノードと前記エッジを選択し、選択された前記中間ノードと前記エッジを含む前記ルートを設定するルート設定部と、を有することを特徴としている。
【0031】
別な観点による本発明の情報処理プログラムは、情報処理装置に、始点ノードと終点ノードを設定する処理と、前記始点ノード、前記終点ノード、前記始点ノードと前記終点ノードの間の中間ノード又はノード間のエッジの少なくともいずれかに関する情報を含む固定情報に基づいて固定スコアを設定する処理と、前記始点ノードと前記終点ノードの間のルートを設定する際の条件に関する情報を含む変動情報に基づいて変動スコアを設定する処理と、前記固定スコアと前記変動スコアからルートスコアを算出し、算出された前記ルートスコアに基づいて前記中間ノードと前記エッジを選択し、選択された前記中間ノードと前記エッジを含む前記ルートを設定する処理と、を実行させることを特徴としている。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、始点ノードと終点ノード間の中間ノードとエッジを適切に選択してルートを設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】本発明の一実施形態における情報処理方法においてルートを設定する方法の概要を示す説明図である。
図2】情報処理システムの構成の概略を示す説明図である。
図3】管理サーバ、ユーザ端末及び事業者端末の機能的構成の一例を示すブロック図である。
図4】管理サーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
図5A】訪問ルート設定方法の主な工程を示す処理フロー図である。
図5B】訪問ルート設定方法の主な工程を示す処理フロー図である。
図6】訪問ルートの一例を示す説明図である。
図7】ユーザ端末の表示部の一例を示す説明図である。
図8】スポットテーブルの一例を示す説明図である。
図9】スポット間テーブルの一例を示す説明図である。
図10】ルートテーブルの一例を示す説明図である。
図11】追加スポットテーブルの一例を示す説明図である。
図12】ルート候補テーブルの一例を示す説明図である。
図13】追加スポット候補テーブルの一例を示す説明図である。
図14】変更スポット候補テーブルの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0035】
<情報処理方法の概要>
本発明では、始点ノードと終点ノードの間の複数のルートのうち、ユーザに提示する最適なルートを設定する。具体的には、先ず、始点ノードと終点ノードを設定する。この際、例えば始点ノードと終点ノードを、ユーザの情報処理端末に入力された情報から設定する。
【0036】
次に、固定スコアと変動スコアを設定する。固定スコアは、始点ノード、終点ノード、中間ノード又はノード間のエッジの少なくともいずれかに関する情報を含む固定情報に基づいて設定される。変動スコアは、始点ノードと終点ノードの間のルートを設定する際の条件に関する情報を含む変動情報に基づいて設定される。なお、これら固定スコア(固定情報)と変動スコア(変動情報)の詳細は後述する。
【0037】
次に、固定スコアと変動スコアからルートスコアを算出し、算出されたルートスコアに基づいて中間ノードとエッジを選択し、選択された中間ノードとエッジを含む最適なルートを設定する。
【0038】
図1は、本発明の一実施形態における情報処理方法において、ルートを設定する方法の概要を示す説明図である。本実施形態では、始点ノードPと終点ノードQの間に中間ノードA、Bが存在する場合において、始点ノードPと終点ノードQの間の最適なルートを設定する。この場合、取り得るルートとしては下記ルート1~4が挙げられ、これらルート1~4から最適なルートを設定する。
(ルート1)P→A→Q
(ルート2)P→B→Q
(ルート3)P→A→B→Q
(ルート4)P→B→A→Q
【0039】
最適なルートは、ルートスコアを基準に設定される。ルートスコアは、下記2つの方法で算出される。
【0040】
(第1の算出方法)
第1の算出方法において、各ルート1~4のルートスコアS1~S4はそれぞれ、下記式(1)~(4)で算出される。すなわち、第1の算出方法においてルートスコアS1~S4は、ノードのスコアとノード間のスコアを合計することで算出される。SP、、SA、は、ノードスコアである。ノードスコアにおける下付き文字はノードである。SPA、AQ、SPB、SBQ、SAB、BAは、ノード間スコアである。ノード間スコアにおける下付き文字のうち、1文字目はノード間の出発点であり、2文字目はノード間の到達点である。例えばノード間スコアSPAは、始点ノードPと中間ノードAの間のスコアである。
S1=S+S+S+SPA+SAQ ・・・(1)
S2=S+S+S+SPB+SBQ ・・・(2)
S3=S+S+S+S+SPA+SAB+SBQ ・・・(3)
S4=S+S+S+S+SPB+SBA+SAQ ・・・(4)
【0041】
各ノードスコアは、当該ノードにおける固定スコアと変動スコアから算出される。また各ノード間スコアは、当該ノード間における固定スコアと変動スコアから算出される。例えばルート1において、ノードP、A、Qの固定スコアをそれぞれXPN、XAN、XQNとし、変動スコアをそれぞれYPN、YAN、YQNとする。また、ノードP、A間の固定スコアをXPANとし、変動スコアをYPANとし、ノードA、Q間の固定スコアをXAQNとし、変動スコアをYAQNとする。下付き文字のうち、最終文字は固定スコア、変動スコアの種類を示し、Nは1以上の整数である。すなわち、固定スコアと変動スコアは、1つでもよいし、複数でもよい。ノードP、A、QのノードスコアS、S、Sはそれぞれ下記式(5)~(7)で算出される。ノードP、A間のノード間スコアSPAは下記式(8)で算出され、ノードA、Q間のノード間スコアSAQは下記式(9)で算出される。そして、ルートスコアS1は下記式(10)で算出される。なお、他のルートスコアS2~S4も同様に下記式(11)~(13)算出される。
=ΣXPN+ΣYPN ・・・(5)
=ΣXAN+ΣYAN ・・・(6)
=ΣXQN+ΣYQN ・・・(7)
PA=ΣXPAN+ΣYPAN ・・・(8)
AQ=ΣXAQN+ΣYAQN ・・・(9)
S1=(ΣXPN+ΣYPN)+(ΣXAN+ΣYAN)+(ΣXQN+ΣYQN)+(ΣXPAN+ΣYPAN)+(ΣXAQN+ΣYAQN) ・・・(10)
S2=(ΣXPN+ΣYPN)+(ΣXBN+ΣYBN)+(ΣXQN+ΣYQN)+(ΣXPBN+ΣYPBN)+(ΣXBQN+ΣYBQN) ・・・(11)
S3=(ΣXPN+ΣYPN)+(ΣXAN+ΣYAN)+(ΣXBN+ΣYBN)+(ΣXQN+ΣYQN)+(ΣXPAN+ΣYPAN)+(ΣXABN+ΣYABN)+(ΣXBQN+ΣYBQN) ・・・(12)
S4=(ΣXPN+ΣYPN)+(ΣXBN+ΣYBN)++(ΣXAN+ΣYAN)(ΣXQN+ΣYQN)+(ΣXPBN+ΣYPBN)+(ΣXBAN+ΣYBAN)+(ΣXAQN+ΣYAQN) ・・・(13)
【0042】
(第2の算出方法)
第2の算出方法において、各ルート1~4のルートスコアS1~S4はそれぞれ、下記式(14)~(17)で算出される。すなわち、第2の算出方法においてルートスコアS1~S4は、各ルート1~4における総固定スコアと総変動スコアを合計することで算出される。
S1=(ΣXPN+ΣXAN+ΣXQN+ΣXPAN+ΣXAQN)+(ΣYPN+ΣYAN+ΣYQN+ΣYPAN+ΣYAQN) ・・・(14)
S2=(ΣXPN+ΣXBN+ΣXQN+ΣXPBN+ΣXBQN)+(ΣYPN+ΣYBN+ΣYQN+ΣYPBN+ΣYBQN) ・・・(15)
S3=(ΣXPN+ΣXAN+ΣXBN+ΣXQN+ΣXPAN+ΣXABN+ΣXBQN)+(ΣYPN+ΣYAN+ΣYBN+ΣYQN+ΣYPAN+ΣYABN+ΣYBQN) ・・・(16)
S4=(ΣXPN+ΣXBN+ΣXAN+ΣXQN+ΣXPBN+ΣXBAN+ΣXAQN)+(ΣYPN+ΣYBN+ΣYAN+ΣYQN+ΣYPBN+ΣYBAN+ΣYAQN) ・・・(17)
【0043】
以上の第1の算出方法で算出されるルートスコアS1~S4と、第2の算出方法で算出されるルートスコアS1~S4とは、算出方法の考え方が異なるが、結果的に得られるルートスコアは同じである。
【0044】
なお、以上のようにルートスコアS1~S4は固定スコアと変動スコアに基づいて算出されるが、算出方法は上記に限定されない。例えばルートスコアS1~S4は、固定スコアと変動スコアに重み付けを行って算出してもよい。例えば上記式(10)のルートスコアS1は、下記式(18)で算出されてもよい。a、bは係数であり、これら係数により固定スコアと変動スコアを重み付けできる。
S1=(ΣaPN+ΣbPN)+(ΣaAN+ΣbAN)+(ΣaQN+ΣbQN)+(ΣaPAN+ΣbPAN)+(ΣaAQN+ΣbAQN) ・・・(18)
【0045】
また、固定スコアは、プラス評価を基準とするスコアである固定ポイントと、マイナス評価を基準とするスコアである固定コストを含んでいる。同様に、変動スコアは、プラス評価を基準とするスコアである変動ポイントと、マイナス評価を基準とするスコアである変動コストを含んでいる。そして、ルートスコアS1~S4は、固定ポイントと変動ポイントに基づくルートポイントと、固定コストと変動コストに基づくルートコストを含んでいる。
【0046】
以上のように各ルート1~4のルートスコアS1~S4が算出される。そして、ルートスコアS1~S4がプラス評価を基準とするルートポイントである場合、最大のルートポイントのルートが最適なルートに設定される。一方、ルートスコアS1~S4がマイナス評価を基準とするルートコストである場合、最小のルートコストのルートが最適なルートに設定される。
【0047】
<情報処理システム1の構成>
図2は、本実施形態にかかる情報処理システム1の構成の概略を示す説明図である。情報処理システム1は、ユーザのルート設定を行うためのシステムであり、本実施形態では、ユーザの訪問ルートを設定する。以下の説明においては、スポットが本発明におけるノードに相当する。特に出発地が本発明における始点ノードに相当し、帰着地が本発明における終点ノードに相当し、出発地と帰着地の間の訪問スポットが中間ノードに相当する。また、スポット間の区間が本発明におけるエッジに相当する。
【0048】
情報処理システム1は、管理サーバ10、ユーザ端末20及び事業者端末30を有している。管理サーバ10、ユーザ端末20及び事業者端末30は、ネットワーク40を介して接続可能に構成されている。なお、本実施形態においては説明を簡略化するために、管理サーバ10、ユーザ端末20及び事業者端末30をそれぞれ一台のみ図示しているが、情報処理システム1には管理サーバ10、ユーザ端末20及び事業者端末30がそれぞれ複数含まれていてもよい。
【0049】
管理サーバ10は、訪問ルート設定のサービスを提供する管理者(以下、「ルート管理者」という場合がある。)の情報処理装置であり、例えばサーバ用コンピュータ、PC(Personal Computer)などを含んでいる。本実施形態において、管理サーバ10は、訪問ルート設定のサービスのプラットフォームを提供可能である。なお、管理サーバ10は、本開示に記載される機能を実現できる装置であれば上記に限定されない。
【0050】
ユーザ端末20は、訪問ルートを周遊するユーザが携帯する情報処理端末であり、例えばスマートフォン、タブレット端末、PCなどを含んでいる。ユーザ端末20は、ユーザの操作に応答して、管理サーバ10により提供される訪問ルート設定サービスを利用する処理を行う。なお、ユーザ端末20は、本開示に記載される機能を実現できる装置であれば上記に限定されない。
【0051】
事業者端末30は、スポットの事業者(以下、「スポット事業者」という場合がある。)の情報処理端末であり、例えばサーバ用コンピュータ、PC、スマートフォン、タブレット端末などの少なくともいずれかを含んでいる。事業者端末30は、スポット事業者の担当者などの操作に応答して、管理サーバ10やユーザ端末20にルート設定に必要な情報を提供する。なお、事業者端末30は、本開示に記載される機能を実現できる装置であれば上記に限定されない。
【0052】
ネットワーク40は、通信を行うことができるものであれば特に限定されるものではない。ネットワーク40には、例えばインターネットや有線LAN(Local Area Network)、無線LAN、公衆回線網、モバイルデータ通信網などが用いられる。
【0053】
次に、管理サーバ10、ユーザ端末20及び事業者端末30の機能構成と、管理サーバ10、ユーザ端末20及び事業者端末30のハードウェア構成について説明する。図3は、管理サーバ10、ユーザ端末20及び事業者端末30の機能的構成の一例を示すブロック図である。図4は、管理サーバ10のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【0054】
(管理サーバ10の機能構成)
管理サーバ10の主たる機能構成について説明する。図3に示すように管理サーバ10は、通信部11、制御部12及び記憶部13を有している。
【0055】
通信部11は、ネットワーク40との間の通信を媒介する通信インタフェースであり、ユーザ端末20及び事業者端末30とデータ通信を行う。
【0056】
制御部12は、情報取得部100、始終点設定部101、固定コスト設定部102、変動コスト設定部103、ルート設定部104、追加スポット抽出部105、変更スポット抽出部106、ルート変更部107及び到達証明部108を有している。制御部12は、記憶部13に記憶されたプログラム(ソフトウェア)を読み込んで、当該プログラムに含まれる命令を実行することにより、管理サーバ10の制御を行う。具体的に制御部12は、プログラムに従って動作することにより、各部100~108としての機能を発揮する。なお、各部100~108の機能については後述する。
【0057】
記憶部13は、管理サーバ10で処理される各種データ及び管理サーバ10の制御を行うための各種プログラムを記憶する。なお、記憶部13は、管理サーバ10に接続された外部記憶装置であってもよい。
【0058】
情報取得部100は、ユーザ端末20、事業者端末30などから種々の情報を取得して記憶部13に出力する。この情報取得部100が取得する情報は、例えばユーザの入力情報、検索条件下でのスポット状況、訪問スポットの最大設定数、スポット情報、区間情報などを含んでいる。ユーザの入力情報と検索条件下でのスポット状況は、本発明において訪問ルートを設定する際の変動情報として用いられる。訪問スポットの最大設定数、スポット情報及び区間情報は、本発明において訪問ルートを設定する際の固定情報として用いられる。なお、訪問スポットの最大設定数は、後述するようにユーザによって設定される場合があり、かかる場合は固定情報となる。また、情報取得部100が取得する情報は、ユーザの位置情報、地図情報などを含んでいてもよい。なお、記憶部13には、訪問ルートのエリア内の複数のスポットが記憶されている。
【0059】
ユーザの入力情報は、ユーザによりユーザ端末20に入力され、当該ユーザ端末20から管理サーバ10に送信される。ユーザの入力情報は、例えば訪問ルート設定の制約条件、訪問ルート設定の優先条件、ユーザの属性情報、ユーザの行動情報などを含んでいる。
【0060】
訪問ルート設定の制約条件は、例えば出発地、帰着地、出発時刻、帰着時刻、設定時間などの情報を含んでいる。出発地は訪問ルートにおける始点ノードであり、帰着地は訪問ルートにおける終点ノードである。出発時刻はユーザが出発地を出発する時刻であり、帰着時刻はユーザが帰着地に帰着する時刻である。設定時間は、ユーザが訪問ルートを周遊するために設定される時間であり、換言すればこの訪問ルートは設定時間以内に周遊できるように設定される。このように訪問ルートは原則、設定時間以内で設定されるが、例えば設定時間以内の適切な訪問ルートが無い場合には、できるだけ設定時間に近い時間の訪問ルートが優先して設定される。この場合、設定時間は、訪問ルート設定の優先条件として用いられる。なお、帰着時刻と設定時間はいずれか一方が入力される。
【0061】
また、訪問ルート設定の制約条件として、例えば管理サーバ10がユーザ端末20のカレンダーサービスなどと連携している場合、情報取得部100は、出発時刻と帰着時刻の前後の予定に含まれるスケジュールの情報から、訪問ルートの周遊を実施する日付や曜日を自動的に取得してしてもよい。
【0062】
また、訪問ルート設定の制約条件は、ユーザが想定している支出額に関する情報を含んでいてもよい。支出額に関する情報としては、例えば支出額の上限が挙げられる。なお、訪問ルートは原則、支出額の上限以下で設定されるが、例えば支出額の上限以下の適切な訪問ルートが無い場合には、できるだけ支出額の上限に近い支出額の訪問ルートが優先して設定される。この場合、支出額は、訪問ルート設定の優先条件として用いられる。また、訪問ルート設定の制約条件は、ユーザの移動手段に関する情報を含んでいてもよい。移動手段としては、例えば徒歩、自転車、タクシー、公共交通機関などが含まれる。
【0063】
訪問ルート設定の優先条件は、例えばユーザが訪問ルートに含めたいスポットや、訪問ルートに含めたいスポットのカテゴリ(種別)などの、ユーザの嗜好に関する情報を含んでいる。或いは、訪問ルート設定の優先条件は、訪問ルートを周遊する際の同行人の情報などを含んでいる。或いは、訪問ルート設定の優先条件は、ユーザが訪問を希望する地方、都道府県、市区町村などエリアや、ユーザが購入を希望する交通チケットや観光チケットの情報などを含んでいる。交通チケットや観光チケットには、例えば所定エリア内のフリーパスなどの一定の制約条件が含まれてもよい。さらに、訪問ルート設定の優先条件は、移動に関する優先条件の情報、例えば移動の速さを優先するか、または移動にかかる費用を優先するかなどを含んでいる。
【0064】
ユーザの属性情報とユーザの行動情報は、訪問ルートを設定する際にユーザに入力されてもよいし、或いは訪問ルートを設定する前にユーザに入力された情報であって管理サーバ10に蓄積された情報であってもよい。ユーザの属性情報は、例えばユーザ氏名、ユーザID、ニックネーム、年齢、性別、メールアドレス、居住エリア、住所などを含んでいる。ユーザの行動情報は、ユーザが過去に行った行動の履歴であって、例えば過去に訪問したスポットや、過去に選択した訪問ルートなどを含んでいる。また、ユーザの行動情報は、例えば連携サービスの利用履歴であってもよく、商品の購買履歴、サービスの利用履歴などを含んでいる。商品の購買履歴は、購入店舗、購入商品などの情報を含んでいる。サービスの利用履歴は、サービスの提供場所、受けたサービスなどの情報を含んでいる。
【0065】
訪問スポットの最大設定数は、訪問ルートに含める訪問スポットの最大数である。訪問スポットの最大設定数は、予めルート管理者によって管理サーバ10に入力されてもよいし、後述するルート設定部104においてユーザの属性情報又は行動情報の少なくともいずれかによって設定されてもよい。例えば、ユーザの属性情報において、当該ユーザの年齢が高い場合には、最大設定数を少なくする。或いは、ユーザの行動情報において、当該ユーザが過去に多くの訪問スポットを設定した場合には、最大設定数を多くする。なお、訪問スポットの最大設定数は、ユーザによりユーザ端末20に入力され、当該ユーザ端末20から管理サーバ10に送信されてもよい。
【0066】
検索条件(例えば日時など)下でのスポット状況は、例えばリアルタイムのスポットの天気やスポットの混雑度を含んでいる。或いはスポット状況は、例えば将来(近未来)の天気予報や混雑度予測を含んでいる。天気や混雑度の取得方法は任意であり、公知の技術を用いることができる。さらにスポット状況は、例えば桜の開花や紅葉、スキー場の積雪状況など、スポットの適切な訪問時期に関する情報を含んでいる。情報取得部100は、スポットの位置情報に基づいて、当該スポットの天気や混雑度、訪問適切時期を取得する。この際、情報取得部100は、スポットの天気や混雑度に対する時間帯も取得してもよい。
【0067】
スポット情報は、ルート管理者により管理サーバ10に入力されてもよいし、スポット事業者により事業者端末30に入力され、当該事業者端末30から管理サーバ10に送信されてもよい。スポットは、訪問ルートにおいてユーザが訪問する対象であって、例えば観光地、飲食店、店舗などである。スポット情報は、例えばスポット名、スポットID、スポットの位置情報、スポットのカテゴリ情報、スポットのタグ情報、スポットの標準滞在時間、スポットの訪問可能時間、スポットの人気度、スポットで支出する標準支出額などを含んでいる。
【0068】
スポットの位置情報は、例えばスポットの緯度経度や、スポットのマップコード(登録商標)などを含んでいる。また、スポットの位置情報は、住所や最寄り駅などのスポットが在るエリアの情報を含んでいる。スポットのカテゴリ情報は、例えば観光地、飲食店、ショッピングなど含んでいる。スポットのタグ情報は、例えば子供向けのスポットや、写真映えするスポット、屋外又は屋内のスポットなど含んでいる。スポットの標準滞在時間は、例えばユーザがスポットに滞在する時間の平均値である。或いは、スポットの標準滞在時間は、ルート管理者又はユーザが任意に設定してもよい。スポットの訪問可能時間は、例えば営業時間、利用可能時間、訪問推奨時間(例えば夜景が綺麗なスポットは夜間)などである。スポットの人気度は、例えばスポットに関するウェブページの閲覧数、スポットの訪問数、スポットに関するSNS上の投稿数や口コミ数などを含んでいる。
【0069】
区間情報は、ルート管理者により管理サーバ10に入力される。区間情報は、例えば区間の距離や区間の標準経由時間、区間における公共交通機関(鉄道、バスなど)の発着時刻及び到着時刻、区間の移動にかかる費用などを含んでいる。区間の標準経由時間は、スポットの位置情報から算出してもよいし、区間における公共交通機関の時刻表データから算出してもよいし、或いは予めデータとして取得されていてもよい。また、時刻表データから取得される公共交通機関の発着時刻及び到着時刻自体を区間情報として用いてもよい。また、区間の標準経由時間は、交通手段別(徒歩、自転車、車、公共交通機関など)に取得されてもよい。
【0070】
ユーザの位置情報は、例えばユーザ端末20の位置情報を含んでいる。ユーザ端末20は例えばGPSなどの公知技術を用いてユーザ端末20の現在地の位置情報を取得し、この位置情報がユーザ端末20から管理サーバ10に送信される。或いは、後述する到達証明部108で取得される到達証明によりユーザの訪問スポットへの到達を確認し、到達した訪問スポットの位置情報から、ユーザの位置情報を判定してもよい。
【0071】
地図情報は、ルート管理者により管理サーバ10に入力される。この地図情報は、少なくとも訪問ルートが設定されるエリアにおける地図の情報を含んでいる。
【0072】
始終点設定部101は、本発明における始終ノード設定部に相当し、出発地と帰着地を設定する。始終点設定部101は、情報取得部100で取得されたユーザの入力情報から出発地と帰着地を設定する。
【0073】
具体的には、始終点設定部101がユーザ端末20に出発地と帰着地の候補を表示させ、ユーザがユーザ端末20において出発地と帰着地を選択し、情報取得部100がユーザ端末20から出発地と帰着地を取得し、始終点設定部101が当該出発地と帰着地を設定する。始終点設定部101は、訪問ルートの対象スポットから出発地と帰着地の候補を選択してもよいし、対象スポット以外から出発地と帰着地の候補を選択してもよい。始終点設定部101が出発地と帰着地の候補を選択する場合、すべての対象スポットから選択してもよいし、或いは、例えば情報取得部100で取得されたユーザの位置情報などに基づいて任意に絞り込まれた対象スポットから選択してもよい。
【0074】
また、ユーザがユーザ端末20において出発地と帰着地を直接入力し、情報取得部100がユーザ端末20から出発地と帰着地を取得し、始終点設定部101が当該出発地と帰着地を設定してもよい。
【0075】
また、例えば管理サーバ10がユーザ端末20のカレンダーサービスなどと連携している場合、始終点設定部101は、情報取得部100で取得された出発時刻と帰着時刻の前後の予定に含まれる位置情報から、出発地と帰着地を自動的に取得して設定してもよい。或いは、情報取得部100で取得された鉄道やバス、飛行機、船舶などの公共交通機関のチケットの情報から、始終点設定部101は、出発地と帰着地を自動的に取得して設定してもよい。また、上述したカレンダーサービスの情報やチケットの情報から、情報取得部100は出発時刻と帰着時刻を取得してもよい。
【0076】
また、例えばユーザがユーザ端末20において訪問ルートの対象エリアを選択可能な場合、情報取得部100が対象エリアを取得し、始終点設定部101は対象エリアに基づいて出発地と帰着地を自動的に設定してもよい。
【0077】
固定コスト設定部102は、本発明における固定スコア設定部に相当する。固定コスト設定部102は、固定情報に基づいて、マイナス評価を基準とする固定スコアである固定コストを設定する。
【0078】
固定情報は、情報取得部100で取得された訪問スポットの最大設定数、スポット情報及び区間情報を含んでいる。そして、例えばスポットの位置情報(エリア情報)、スポットのタグ情報、スポットの標準滞在時間、スポットの人気度、区間の距離、区間の標準経由時間などを数値化して、固定コストを設定する。以下、それぞれの固定コストを、位置コスト(エリアコスト)、タグコスト、滞在時間コスト、人気度コスト、距離コスト、経由時間コストなどという場合がある。
【0079】
位置コスト(エリアコスト)、例えば隣接するスポット同士が同じエリアであれば低くなる。タグコストは、例えばスポットに紐づけられたタグの数が多ければ低くなる。滞在時間コストはスポットの標準滞在時間から算出され、標準滞在時間が短いほど滞在時間コストは低くなる。人気度コストは、例えばウェブページの閲覧数、スポットの訪問数、スポットに関するSNS上の投稿数や口コミ数などが多いほど低くなる。距離コストは区間の距離から算出され、距離が短いほど距離コストは低くなる。経由時間コストは区間の標準経由時間から算出され、標準経由時間が短いほど滞在時間コストは低くなる。
【0080】
また、固定情報は、スポット情報又は区間情報から得られる情報も含んでいる。例えば固定情報は、スポット情報から得られる、隣接するスポット同士の相性を含んでいる。スポット同士の相性は、例えばスポットのカテゴリ情報に基づいて同一ユーザに訪問されやすいかを示す情報であってもよいし、スポットに関するウェブページの閲覧ユーザの類似度を示す情報であってもよい。類似度には、例えばJaccard係数(=(両方を閲覧しているユーザ数)÷(一方を閲覧しているユーザ数))を用いてもよい。そして、スポット同士の相性を数値化して、固定コストを設定する。以下、この固定コストを相性コストという場合がある。相性コストは、例えば閲覧ユーザの類似度が高いほど低くなる。すなわち、閲覧しているスポットが自分と類似する度が高い場合、相性コストが低くなる。
【0081】
なお、固定コストは、訪問スポットの最大設定数、スポット情報及び区間情報を含む固定情報に基づいて設定されるものであり、基本的に固定情報は変動しないものである。ただし、固定コストの中でも、変化する固定コストが含まれてもよい。例えば、滞在時間コストはスポットの標準滞在時間から算出されるが、例えば春と秋には標準滞在時間を長くし、夏と冬には標準滞在時間を短くするなど、時期的に変化させてもよい。また例えば、人気度コストは、上述したように例えばウェブページの閲覧数、スポットの訪問数、スポットに関するSNS上の投稿数や口コミ数に基づいて設定されるが、これらの数を任意の期間で集計してもよい。例えば1年ごと、半期ごと、月ごとなどの短期の一定期間内の数に基づいて設定してもよく、過去の情報を優位とせず、考慮しない形で現在(直近)の内容を反映させた人気度コストを設定してもよい。
【0082】
変動コスト設定部103は、本発明における変動スコア設定部に相当する。変動コスト設定部103は、変動情報に基づいて、マイナス評価を基準とする変動スコアである変動コストを設定する。
【0083】
変動情報は、情報取得部100で取得されたユーザの入力情報と検索条件下でのスポット状況を含んでいる。そして、例えば訪問ルート設定の制約条件、訪問ルート設定の優先条件、ユーザの属性情報、ユーザの行動情報、スポットの天気、スポットの混雑度などを数値化して、変動コストを設定する。
【0084】
また、変動情報であるユーザの入力情報は訪問ルートの設定時間を含み、変動コスト設定部103は設定時間を用いて変動コストを設定する。なお、情報取得部100で訪問ルートの設定時間が取得されていない場合、出発時刻と帰着時刻から設定時間を算出する。変動コスト設定部103は、設定時間と、訪問ルートを周遊するのに要する所要時間との差である時間差を算出し、この時間差に基づいて変動コストを設定する。なお、所要時間は、スポットの標準滞在時間又は区間の標準経由時間の少なくともいずれかを含んでいる。時間差はユーザが訪問ルートを周遊する際の余裕時間であり、余裕時間ができるだけ0(ゼロ)に近い経路が好ましい。このため、時間差が大きいほど、変動コストは高くなる。
【0085】
ルート設定部104は、始終点設定部101で設定された出発地と帰着地の間の複数の訪問ルートを抽出し、さらに固定コスト設定部102で設定された固定コストと変動コスト設定部103で設定された変動コストに基づいて、抽出された複数の訪問ルートのうち、ユーザに提示する訪問ルートを設定する。
【0086】
先ず、ルート設定部104は、記憶部13に記憶された複数のスポットのうち、出発地と帰着地の間でユーザが訪問可能なスポット(訪問スポット)を抽出する。訪問スポットの最大設定数は、予めルート管理者によって管理サーバ10に入力されて設定されてもよし、ユーザの属性情報又は行動情報の少なくともいずれかによって設定されてもよい。なお、訪問スポットの最大設定数は、ユーザの入力情報としてユーザによって入力されてもよい。
【0087】
次に、ルート設定部104は、最大設定数以下の訪問スポットを含むように複数の訪問ルートを抽出する。この際、連続して訪問することが可能なスポットの組み合わせを抽出し、さらにこれらスポットの組み合わせをつないで、訪問可能な訪問ルートを複数抽出する。
【0088】
次に、ルート設定部104は、抽出された複数の訪問ルートからユーザに提示する訪問ルートを設定する。具体的には、上述の図1を用いて説明した通り、固定コスト設定部102で設定された固定コストと変動コスト設定部103で設定された変動コストを用いて、各訪問ルートのルートコストを算出する。そして、算出されたルートコストが最小となる訪問スポットと区間を選択し、これら選択された訪問スポットと区間を含む訪問ルートを最適な訪問ルートに設定する。
【0089】
ルートコストを算出する際には、上述の式(18)に例示した通り、固定コストと変動コストに係数をかけて重み付けを行って、ルートコストを算出してもよい。重み付けの係数は、固定コスト又は変動コストのいずれか一方にかけてもよい。例えば、定番スポットや人気スポットを強く提案する場合、人気度コストの係数を小さくする。定番スポットは、例えば所定期間に所定人数以上のユーザが訪問しているスポットであってもよいし、ルート管理者が任意に設定するスポットであってもよい。人気スポットは、例えば所定期間に所定人数以上のユーザが訪問しているスポットであってもよいし、所定期間に所定人数以上のユーザがSNS上で投稿しているスポットであってもよい。SNS上での人気判定方法は任意であるが、例えば画像で判定であってもよいし、文字列で判定してもよい。
【0090】
また、ルート設定部104で抽出された訪問ルートに含まれる訪問スポットの数が、最大設定数より少ない場合、ルートコストを算出する際には、固定コストと変動コストの他に、スポット数コストを加えてもよい。スポット数コストは、訪問ルートに含まれる訪問スポットの数と、最大設定数との差を補填するためのコストであり、スポット数が少なくなるほどルートコストが少なくなることを防ぐ。例えば、訪問スポットの最大設定数が3カ所であって、訪問ルートの訪問スポットの数が2カ所である場合、訪問スポットが1カ所減った分をスポット数コストとして設定する。そして、固定コスト、変動コスト、スポット数コストを合計してルートコストを算出する。なお、スポット数コストは、固定コストに含まれてもよいし、変動コストに含まれてもよい。
【0091】
また、ルートコストを算出する際には、変動コストを用いて固定コストを絞り込んでもよい。そして、絞り込まれた固定コストと変動コストを合計してルートコストを算出する。例えば、変動コスト設定部103においてユーザの入力情報に基づいて変動コストを設定し、変動コストの合計が小さい経路に絞った訪問ルートの中で、変動コストと固定コストの合計を算出する。かかる場合、訪問ルートを絞り込んだ分、ルート設定部104における計算量を削減することができる。
【0092】
ルート設定部104が訪問ルートを設定する際には、ルートコストを基準にする以外に、別の絞り込み条件を用いてもよい。絞り込み条件は任意に設定することができるが、以下に例示する。
【0093】
例えばルート設定部104は、情報取得部100で取得された訪問ルートの設定時間を参照し、訪問ルートの所要時間が設定時間以下になるような訪問ルートに絞り込む。具体的には、設定時間と、訪問ルートにおけるスポットの標準滞在時間又は区間の標準経由時間の少なくともいずれか累積時間から訪問ルートを絞り込む。このように訪問ルートは原則、設定時間以内で設定されるが、例えば設定時間以内の適切な訪問ルートが無い場合には、できるだけ設定時間に近い時間の訪問ルートが優先して設定される。なお、情報取得部100で訪問ルートの設定時間が取得されていない場合、出発時刻と帰着時刻から設定時間を算出する。
【0094】
また、ルート設定部104は、情報取得部100で取得されたスポットの訪問可能時間
を参照して、出発時刻と帰着時刻からユーザが訪問可能な訪問スポットを絞り込み、絞り込まれた訪問スポットを含むように訪問ルートを抽出してもよい。この際、営業時間(利用可能時間)に基づいて訪問スポットを選択してもよい。具体的には、出発地を出発時刻に出発し、訪問ルートの所要時間から、営業時間内に到達できる訪問スポットを選択する。或いは、訪問推奨時間(例えば夜景が綺麗なスポットは夜間)に基づいて訪問スポットを選択してもよい。
【0095】
また、ルート設定部104は、情報取得部100で訪問ルートの周遊を実施する日付や曜日が取得されている場合、スポットの訪問可能時間を参照して、ユーザが訪問可能な訪問スポットを絞り込み、絞り込まれた訪問スポットを含むように訪問ルートを抽出してもよい。
【0096】
また、ルート設定部104は、固定情報又は変動情報の少なくともいずれかを用いて訪問スポットを絞り込み、絞り込まれた訪問スポットを含むように訪問ルートを抽出してもよい。例えば、固定情報としてスポットの相性(スポットのカテゴリ情報)が取得されている場合、隣接するスポット同士の相性によっては、当該スポットの組み合わせを除外する。具体的には、隣接するスポットが共に飲食店である場合、これらスポットを除外する。また例えば、変動情報としてユーザが訪問ルートに含めたいスポットがある場合、当該スポットを含む訪問ルートを抽出してもよい。
【0097】
以上のようにルート設定部104で設定された訪問ルートは、ユーザ端末20に送信される。この際、ユーザ端末20には、ルート設定部104で設定された訪問ルートを周遊するのに要する所要時間が表示されてもよい。或いは、ユーザ端末20には、ユーザが設定した設定時間と、ルート設定部104で設定された訪問ルートの所要時間との時間差、すなわち余裕時間が表示されてもよい。
【0098】
追加スポット抽出部105は、ルート設定部104で設定された訪問ルートに対して、追加する訪問スポット(追加スポット)を抽出する。ルート設定部104で設定された訪問ルートは、ユーザ端末20に送信される。ユーザはユーザ端末20において、例えば訪問スポットAと訪問スポットBの間に新たな訪問スポットを追加することを要求する情報を入力する。追加スポット抽出部105は、このユーザからの要求情報に基づいて、追加スポットを抽出する。
【0099】
追加スポットを抽出する際には、先ず、訪問スポットAと訪問スポットBの間でユーザが訪問可能なスポットを選出する。そして、ルート設定部104と同様に、図1を用いて説明した通り、固定コストと変動コストを用いて、追加スポットが含まれた訪問ルートのルートコストを算出する。そして、算出されたルートコストが最小となる追加スポットと区間を抽出する。
【0100】
追加スポット抽出部105は、追加スポットを1つ抽出してもよいし、複数抽出してもよい。この際、追加スポットを地図上に表示してもよい。そして、複数の追加スポットが抽出された場合、ユーザはユーザ端末20においてこれら複数の追加スポットから、訪問ルートに含める追加スポットを選択する。
【0101】
なお、追加スポット抽出部105は、上述したユーザからの訪問スポットの追加要求無しに、ルート設定部104で設定された訪問ルートに対して、任意に追加する訪問スポットを抽出してもよい。
【0102】
変更スポット抽出部106は、ルート設定部104で設定された訪問ルートにおいて訪問スポットを変更する場合に、変更後の訪問スポット(変更スポット)を抽出する。ルート設定部104で設定された訪問ルートは、ユーザ端末20に送信される。ユーザはユーザ端末20において、例えば訪問スポットAを別のスポットに変更することを要求する情報を入力する。変更スポット抽出部106は、このユーザからの要求情報に基づいて、変更スポットを抽出する。
【0103】
変更スポットを抽出する際には、先ず、訪問スポットAの前後のスポットの間でユーザが訪問可能なスポットを選出する。そして、ルート設定部104と同様に、図1を用いて説明した通り、固定コストと変動コストを用いて、変更スポットが含まれた訪問ルートのルートコストを算出する。そして、算出されたルートコストが最小となる変更スポットと区間を抽出する。
【0104】
変更スポット抽出部106は、変更スポットを地図上に表示してもよい。そして、複数の変更スポットが抽出された場合、ユーザはユーザ端末20においてこれら複数の変更スポットから、訪問ルートに含める変更スポットを選択する。
【0105】
なお、変更スポット抽出部106は、上述したユーザからの訪問スポットの変更要求無しに、ルート設定部104で設定された訪問ルートに対して、任意に追加する訪問スポットを抽出してもよい。
【0106】
ルート変更部107は、ルート設定部104で設定された訪問ルートを変更して再設定する。例えばユーザが訪問ルート全体の変更を要求した場合、ルート変更部107は、ルート設定部104で算出したルートコストが2番目に小さい訪問ルートを、ユーザに提示する訪問ルートに再設定する。また、例えば追加スポット抽出部105で追加スポットが抽出された場合、当該追加スポットを含む訪問ルートを再設定する。追加スポット抽出部105で複数の追加スポットが抽出された場合、ルート変更部107は、ユーザが選択した追加スポットを含む訪問ルートを再設定する。また、例えば変更スポット抽出部106で変更スポットが抽出された場合、当該変更スポットを含む訪問ルートを再設定する。
【0107】
また、ユーザはユーザ端末20において、ルート設定部104で設定された訪問ルートに対して、1つ以上の訪問スポットを削除することを要求する情報を入力できる。また、ユーザはユーザ端末20において、ルート設定部104で設定された訪問ルートに対して、訪問スポットの順序を入れ替えることを要求する情報を入力できる。ルート変更部107は、このような訪問スポットの削除又は訪問スポットの入れ替えの要求情報に基づいて、訪問ルートを再設定する。
【0108】
到達証明部108は、訪問ルートの周遊において、ユーザが訪問スポットや帰着地に到達(訪問)した際、ユーザ端末20又は事業者端末30から到達証明を取得し、ユーザ端末20の後述する表示部24に、当該訪問スポットや帰着地に到達済みであることを表示する。
【0109】
ユーザの到達証明方法は任意である。例えば、ユーザ端末20が備えるGPS、NFC、BLEなどを用いて、ユーザの到達を証明してもよい。ユーザが訪問スポットや帰着地に到達すると、ユーザ端末20は位置情報(到達証明)を管理サーバ10に送信し、到達証明部108はこの到達証明を所得する。
【0110】
また例えば、電子スタンプ(電子印章)を用いてもよい。事業者端末30のスタンプ用デバイスによりユーザ端末20に電子スタンプを押すことで、ユーザの到達を証明する。ユーザ端末20は押された電子スタンプ(到達証明)を管理サーバ10に送信し、到達証明部108はこの到達証明を取得する。
【0111】
また例えば、QRコード(登録商標)を用いてもよい。事業者端末30に表示されたQRコード(登録商標)をユーザ端末20が読み込むことで、ユーザの到達を証明する。ユーザ端末20は読み込まれたQRコード(登録商標)(到達証明)を管理サーバ10に送信し、到達証明部108はこの到達証明を所得する。
【0112】
また例えば、クレジットカードや電子マネーの利用履歴を用いてもよい。例えば訪問スポットや帰着地が飲食店や店舗である場合、ユーザが当該訪問スポットや帰着地でクレジットカードや電子マネーを利用することで、ユーザの到達を証明する。事業者端末30は利用情報(到達証明)を管理サーバ10に送信し、到達証明部108はこの到達証明を所得する。
【0113】
(管理サーバ10のハードウェア構成)
管理サーバ10のハードウェア構成について説明する。図4に示すように管理サーバ10は、バス200、プロセッサ201、メモリ202、ストレージ203、通信装置204、入力装置205及び出力装置206を有している。これらプロセッサ201、メモリ202、ストレージ203、通信装置204、入力装置205及び出力装置206は、バス200を介して互いに接続されている。
【0114】
なお、管理サーバ10は、プロセッサ201、メモリ202、ストレージ203、通信装置204、入力装置205及び出力装置206の協働により、上述した制御部12の機能を実現する。メモリ202及びストレージ203は、記憶部13を実現するハードウェアの一例である。通信装置204は、通信部11を実現するハードウェアの一例である。
【0115】
プロセッサ201は、演算処理部として機能し、プログラムに含まれる命令を実行することにより管理サーバ10内の動作全般又はその一部を制御する。プロセッサ201には、例えばCPU(Central Processing Unit)、マイクロプロセッサなどが用いられる。
【0116】
メモリ202は、プログラム、プログラム等で処理されるデータなどを一時的に記憶する。メモリ202には、例えばRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などが用いられる。
【0117】
ストレージ203は、プログラムや各種データを記憶する。ストレージ203には、例えばフラッシュメモリ、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)などが用いられる。
【0118】
通信装置204は、ネットワーク40に接続するための通信デバイスなどで構成された通信インタフェースである。
【0119】
入力装置205は、ルート管理者からの入力操作を受け付けるための入力装置である。入力装置205は、例えばキーボード等のハードウェアキー、マウス等のポインティングデバイス、タッチパネル、タッチパッドなどで構成される。
【0120】
出力装置206は、ルート管理者に対し情報を提示するための出力装置である。出力装置206は、例えばディスプレイ等の表示装置、スピーカ及びヘッドホン等の音声出力装置などで構成される。
【0121】
入力装置205と出力装置206は、それぞれの一部又は全部が一体化されていてもよい。かかる場合、タッチパネルとディスプレイが一体化したタッチパネルディスプレイが用いられてもよい。
【0122】
なお、本実施形態の管理サーバ10において、その構成要素は上記の例に限定されない。例えば、各構成要素は、汎用的な部材を用いて構成されていてもよいし、各構成要素の機能に特化したハードウェアにより構成されていてもよい。本実施形態を実施する時々の技術レベルに応じて、適宜、利用するハードウェア構成を変更することが可能である。
【0123】
また、本実施形態のプログラムは、コンピュータに読み取り可能な記憶媒体に記憶された状態で提供されてもよい。記憶媒体は、例えばHDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)、各種メモリなどである。また、上記プログラムは、記録媒体を用いずに、例えばネットワークを介して配信してもよい。
【0124】
(ユーザ端末20の機能構成)
ユーザ端末20の主たる機能構成について説明する。図3に示すようにユーザ端末20は、通信部21、制御部22、記憶部23及び表示部24を有している。
【0125】
通信部21は、ネットワーク40との間の通信を媒介する通信インタフェースであり、管理サーバ10及び事業者端末30とデータ通信を行う。また、通信部21は、例えばGPS(Global Positioning System)受信モジュールを備える。ユーザ端末20は、通信部21により受信されたGPS信号に基づいて、当該ユーザ端末20の現在地の位置情報を取得する。また、通信部21は、近距離無線通信機能、例えばNFC(Near Field Communication)やBLE(Bluetooth Low Energy)を備える。
【0126】
制御部22は、記憶部23に格納されたプログラム(ソフトウェア)を読み込んで、当該プログラムに含まれる命令を実行することにより、ユーザ端末20の制御を行う。
【0127】
例えば制御部22は、ユーザ端末20で用いられる訪問ルート設定のアプリケーション(アプリ)を実行したり、ウェブブラウザのアプリケーションを実行して訪問ルートを提供するウェブサイトにアクセスする。また、制御部22は、通信部21で受信したGPS信号に基づいて、ユーザ端末20の現在地の位置情報を導出する。また、制御部22は、ユーザにより入力されたユーザ情報を取得して記憶部23に記録する。
【0128】
記憶部23は、ユーザ端末20で処理される各種データ及びユーザ端末20の制御を行うための各種プログラムを記憶する。なお、記憶部23は、ユーザ端末20に接続された外部記憶装置であってもよい。
【0129】
表示部24は、ユーザ端末20で用いられる訪問ルート設定のアプリケーションなどを表示する。また、表示部24は、ユーザがアプリケーションを操作可能に構成され、ユーザからの入力を受け付ける。
【0130】
(ユーザ端末20のハードウェア構成)
ユーザ端末20のハードウェア構成は、図4に示した管理サーバ10のハードウェア構成と同様である。すなわち、ユーザ端末20は、バス200、プロセッサ201、メモリ202、ストレージ203、通信装置204、入力装置205及び出力装置206を有している。
【0131】
なお、ユーザ端末20は、プロセッサ201、メモリ202、ストレージ203、通信装置204、入力装置205及び出力装置206の協働により、上述した制御部22の機能を実現する。メモリ202及びストレージ203は、記憶部23を実現するハードウェアの一例である。通信装置204は、通信部21を実現するハードウェアの一例である。入力装置205及び出力装置206、表示部24を実現するハードウェアの一例である。
【0132】
また、ユーザ端末20のハードウェア構成は、使用されるデバイスの構成に応じて適宜変更される。
【0133】
(事業者端末30の機能構成)
事業者端末30の主たる機能構成について説明する。図3に示すように事業者端末30は、通信部31、制御部32及び記憶部33を有している。
【0134】
通信部31は、ネットワーク40との間の通信を媒介する通信インタフェースであり、管理サーバ10及びユーザ端末20とデータ通信を行う。
【0135】
制御部32は、記憶部33に格納されたプログラム(ソフトウェア)を読み込んで、当該プログラムに含まれる命令を実行することにより、事業者端末30の制御を行う。
【0136】
制御部32は、例えばユーザ端末20との間で決済機能を発揮させる。決済機能は決済を進行するための機能であればどのようなものであってもよい。例えば、CPM(Customer Presented Mode)、MPM(Merchant Presented Mode)や他の決済方法であってもよい。また、制御部32は、スポット事業者により入力されたスポット情報を取得して記憶部33に記録する。
【0137】
記憶部33は、事業者端末30で処理される各種データ及び事業者端末30の制御を行うための各種プログラムを記憶する。なお、記憶部33は、事業者端末30に接続された外部記憶装置であってもよい。
【0138】
(事業者端末30のハードウェア構成)
事業者端末30のハードウェア構成は、図4に示した管理サーバ10のハードウェア構成と同様である。すなわち、事業者端末30は、バス200、プロセッサ201、メモリ202、ストレージ203、通信装置204、入力装置205及び出力装置206を有している。
【0139】
なお、事業者端末30は、プロセッサ201、メモリ202、ストレージ203、通信装置204、入力装置205及び出力装置206の協働により、上述した制御部32の機能を実現する。メモリ202及びストレージ203は、記憶部33を実現するハードウェアの一例である。通信装置204は、通信部31を実現するハードウェアの一例である。
【0140】
また、事業者端末30のハードウェア構成は、使用されるデバイスの構成に応じて適宜変更される。
【0141】
<情報処理方法>
次に、以上のように構成された情報処理システム1を用いて行われる、情報処理方法としての訪問ルート設定方法について説明する。図5A及び図5Bは、本実施形態における訪問ルート設定方法の主な工程を示す処理フロー図である。図5A及び図5Bに示す処理フローは、連続する処理フローである。図6は、本実施形態における訪問ルートを示す説明図である。図7は、本実施形態におけるユーザ端末20の表示部24を示す説明図である。なお、本実施形態における訪問ルート周遊の対象エリアには、スポットAAA、BBB、CCC、DDD、EEE、FFF、GGG、HHH、PPP、QQQが含まれる。
【0142】
情報処理システム1の事前準備として、事業者端末30において、スポット事業者はスポット情報を入力する。スポット情報は、上述したように例えばスポット名、スポットID、スポットの位置情報、スポットのカテゴリ情報、スポットのタグ情報、スポットの標準滞在時間、スポットの訪問可能時間、スポットの人気度などを含んでいる。続いて事業者端末30は、スポット情報を管理サーバ10に送信する(ステップS11)。管理サーバ10において情報取得部100は、スポット情報を取得して記憶部13に出力する(ステップS12)。なお、スポット情報は、随時更新可能である。
【0143】
ステップS12において、情報取得部100は、ルート管理者により管理サーバ10に入力されたスポット情報を取得してもよい。かかる場合、上述したステップS11は省略される。また、スポット情報がルート管理者により入力される場合、当該スポット情報はルート管理者が任意に選択することができる。
【0144】
ステップS12において、情報取得部100は、スポット情報の他、検索条件下でのスポット状況、訪問スポットの最大設定数、区間情報、地図情報などを取得する。すなわち、ステップS12において、情報取得部100は、ユーザの入力情報とユーザの位置情報以外の情報を取得する。
【0145】
次に、管理サーバ10において、図8に示すスポットテーブルを作成し(ステップS13)、図9に示すスポット間テーブルを作成し(ステップS14)、図10に示すルートテーブルを作成し(ステップS15)、図11に示す追加スポットテーブルを作成する(ステップS16)。
【0146】
図8に示すスポットテーブルは、ルート設定部104によって作成される(ステップS13)。スポットテーブルは、スポットAAA~HHH、駅PPP、バスターミナルQQQに関する情報を含んでいる。各スポットAAA~HHHには、スポット情報が紐づけられており、例えばカテゴリ、タグ、エリア、標準滞在時間の情報が紐づけられている。また、駅PPPとバスターミナルQQQには、例えばエリアが紐づけられている。
【0147】
図9に示すスポット間テーブルは、図8に示すスポットテーブルに基づいて、ルート設定部104によって作成される(ステップS14)。スポット間テーブルは、スポット間に関する情報を含んでいる。2つのスポットは、連続して訪問することが可能なスポットの組み合わせが抽出される。2つのスポット間には、区間情報が紐づけられており、例えば距離と標準経由時間の情報が紐づけられている。また、図8に示すスポットテーブルに基づいて、2つのスポットが同エリアか否かの情報や、共通するタグ(共通タグ)の情報が紐づけられている。
【0148】
なお、スポット間テーブルを作成するに際し、距離が離れているスポットを訪問する訪問ルートが設定されないようにするため、2つのスポット間の距離が5000m以上離れている組み合わせは除外する。また、2つのスポットのカテゴリについて、飲食店と飲食店、土産屋と土産屋という組み合わせは、当該カテゴリのスポットを連続して訪問するスポットを設定しないようにするため、除外する。
【0149】
スポット間テーブルは2つのスポット間の固定コストを含み、この固定コストは固定コスト設定部102によって設定される。固定コストとしては、例えば距離コスト、経由時間コスト、エリアコスト、タグコストを設定する。距離コストは、スポット間(区間)の距離(m)を100で割って算出する。経由時間コストは、1分当たりのコストを1として、スポット間(区間)の標準経由時間から算出する。エリアコストは2つのスポットのエリアに基づいて設定され、2つのスポットが同じエリアにあればエリアコストを0(ゼロ)とし、異なるエリアにあればエリアコストを10とする。タグコストは共通タグの数に基づいて設定され、共通タグが2つあればタグコストを0(ゼロ)とし、共通タグが1つあればタグコストを10とし、共通タグが無ければタグコストを20とする。
【0150】
図10に示すルートテーブルは、図9に示すスポット間テーブルに基づいて、ルート設定部104によって作成される(ステップS15)。ルートテーブルは、出発地と帰着地の間の複数の訪問ルートを含んでいる。訪問ルートは、ステップ間テーブルに基づいて、連続して訪問することが可能なスポットの組み合わせをつなぐことで抽出する。また、本実施形態では訪問スポットの最大設定数は3つであり、出発地である駅PPPと帰着地であるバスターミナルQQQの間のスポットが3つ以下になるような訪問ルートを抽出する。
【0151】
ルートテーブルは、訪問ルートにおける固定コストを含んでいる。固定コストとしては、例えばルート距離コスト、ルート経由時間コスト、ルートエリアコスト、ルートタグコスト、ルートスポット数コスト、ルート合計コストを設定する。ルート距離コストは、図9に示す2つのスポット間の距離コストを訪問ルート毎に合計したものである。ルート経由時間コストは、図9に示す2つのスポット間の経由時間コストを訪問ルート毎に合計したものである。ルートエリアコストは、図9に示す2つのスポット間のエリアコストを訪問ルート毎に合計したものである。ルートタグコストは、図9に示す2つのスポット間のタグコストを訪問ルート毎に合計したものである。ルートスポット数コストは、訪問ルートに含まれる訪問スポットの数と、最大設定数との差に基づいて設定される。具体的に最大設定数の3カ所に対して、訪問スポット数が3カ所から少なくなるにつれ、スポット数コストを高くする。例えば訪問スポットの数が3つであればルートスポット数コストを0(ゼロ)とし、訪問スポットの数が2つであればルートスポット数コストを50とする。ルート合計コストは、ルート距離コスト、ルート経由時間コスト、ルートエリアコスト、ルートタグコスト及びルートスポット数コストを合計したものである。
【0152】
ルートテーブルは、訪問ルートの周遊に要する所要時間(ルート所要時間)を含んでいる。ルート所要時間は、図8に示すスポットテーブルの標準滞在時間と、図9に示すスポット間テーブルの標準経由時間とを訪問ルート毎に合計したものである。なお、ルート所要時間は、後述する変動コストを算出する際に用いられる。
【0153】
ルートテーブルは、カテゴリとタグ毎のスポット数を含んでいる。図8に示すスポットテーブルにおけるスポットのカテゴリとタグに基づいて、スポット数をカウントする。本実施形態では、飲食店数、土産屋数、「人気」数、「子供連れ」数、「シニア」数、「若年層」数、「秋」数をカウントする。なお、カテゴリとタグ毎のスポット数は、後述する変動コストを算出する際に用いられる。
【0154】
図11に示す追加スポットテーブルは、追加スポット抽出部105によって作成される(ステップS16)。設定された訪問ルートの2つのスポット間(前スポットと後スポットの間)において、連続して訪問することが可能なスポットが追加スポットとして抽出される。
【0155】
追加スポットテーブルは、追加スポットの追加に伴い生じる固定コストを含んでいる。固定コストとしては、例えば追加距離コスト、追加経由時間コスト、追加エリアコスト、追加タグコスト、追加合計コストを設定する。追加距離コストは、図9に示す2つのスポット間の距離コストを、前スポット、追加スポット、後スポット毎に合計したものである。追加経由時間コストは、図9に示す2つのスポット間の経由時間コストを、前スポット、追加スポット、後スポット毎に合計したものである。追加エリアコストは、図9に示す2つのスポット間のエリアコストを、前スポット、追加スポット、後スポット毎に合計したものである。追加タグコストは、図9に示す2つのスポット間のタグコストを、前スポット、追加スポット、後スポット毎に合計したものである。追加合計コストは、追加距離コスト、追加経由時間コスト、追加エリアコスト及び追加タグコストを合計したものである。
【0156】
以上のようにステップS11~S16の事前準備が行われた後、情報処理システム1を用いた訪問ルート設定のサービスが開始される。
【0157】
先ず、ユーザ端末20においてユーザが所定の操作を行うと、訪問ルート設定のアプリケーションが起動する(ステップS17)。そして、図7(a)に示すようにユーザ端末20の表示部24には条件入力画面300が表示される(ステップS18)。条件入力画面300においてユーザは出発地、帰着地、出発時刻、設定時間を選択して入力する。出発地として駅PPP、帰着地としてバスターミナルQQQ、出発時刻として10:00、設定時間として4時間が入力される。
【0158】
条件入力画面300においてユーザが「詳細入力」をクリックすると、表示部24には図7(b)に示す詳細入力画面301が表示される(ステップS19)。詳細入力画面301においてユーザは、訪問ルートに含めたいスポット(詳細入力画面301の「ここは巡りたい!」)、訪問ルートを周遊する際の同行人(詳細入力画面301の「誰と巡る?」)、訪問ルートに含めたいスポットのカテゴリ(詳細入力画面301の「こんな旅行にしたい!」)を選択して入力する。本実施形態では、「ここは巡りたい!」として「スポットCCC」、「ここは巡りたい!」として「家族と(子供と)」、「こんな旅行にしたい!」として「人気スポットを巡る」と「グルメ巡り」が入力される。
【0159】
詳細入力画面301においてユーザが「条件入力に戻る」をクリックすると、表示部24には条件入力画面300が表示される。なお、条件入力画面300と詳細入力画面301に示すユーザの入力情報は一例であり、他に上述した訪問ルート設定の制約条件、訪問ルート設定の優先条件、ユーザの属性情報、ユーザの行動情報などが入力されてもよい。
【0160】
次に、条件入力画面300又は詳細入力画面301においてユーザが「訪問ルート検索」をクリックすると、ユーザ端末20はユーザの入力情報を管理サーバ10に送信する(ステップS20)。管理サーバ10において情報取得部100は、ユーザの入力情報を取得して記憶部13に出力する(ステップS21)。
【0161】
なお、ステップS21において、ユーザ端末20がユーザの入力情報を管理サーバ10に送信する際には、ユーザ端末20の位置情報(ユーザの位置情報)も送信してもよい。かかる場合、ステップS21において情報取得部100は、ユーザの位置情報を取得して記憶部13に出力する。
【0162】
次に、ユーザが条件入力画面300又は詳細入力画面301の「訪問ルート検索」をクリックすると、ユーザ端末20は訪問ルート設定の要求を管理サーバ10に送信する(ステップS22)。そして管理サーバ10では、訪問ルートの設定を開始する。
【0163】
訪問ルートを設定する際には、先ず、始終点設定部101において、情報取得部100で取得されたユーザの入力情報から出発地と帰着地を設定する(ステップS23)。本実施形態では、図7(a)に示す条件入力画面300に入力された情報から、出発地として駅PPPを設定し、帰着地としてバスターミナルQQQを設定する。
【0164】
次に、ルート設定部104において、図10に示すルートテーブルから複数の訪問ルートを絞り込み、ユーザに提示する訪問ルートの候補を抽出する(ステップS24)。本実施形態では、図7(b)に示す詳細入力画面301においてユーザが訪問ルートに含めたいスポットとしてスポットCCCが入力されているため、当該スポットCCCを訪問スポットに含む訪問ルートを抽出する。図12は、このように抽出された訪問ルートの候補を含むルート候補テーブルである。ルート候補テーブルにおいて、各訪問ルートには、図10に示すルートテーブルのルート合計コストとルート所要時間が紐づけられている。
【0165】
次に、変動コスト設定部103において、ルート候補テーブルに抽出された訪問ルートの変動コストを設定する(ステップS25)。変動コストとしては、図12に示すように時間差補正コスト、カテゴリ補正コスト及びタグ補正コストを設定する。
【0166】
時間差補正コストは、設定時間とルート所要時間に基づいて算出する。設定時間は、図7(a)に示す条件入力画面300において入力された4時間(240分)である。設定時間とルート所要時間との差(時間差)を算出し、1分当たりのコストを1として、時間差コストを算出する。
【0167】
カテゴリ補正コストは、図7(b)に示す詳細入力画面301において入力された、訪問ルートに含めたいスポットのカテゴリから算出する。詳細入力画面301には「グルメ巡り」が入力されているので、飲食店数が2から1ずつ減る後のコストを30として、カテゴリ補正コストを算出する。
【0168】
タグ補正コストは、図7(b)に示す詳細入力画面301において入力された、訪問ルートを周遊する際の同行人と訪問ルートに含めたいスポットのカテゴリから算出する。詳細入力画面301には、「家族と(子供と)」と「人気スポットを巡る」が入力されているので、「子供連れ」数及び「人気」数がそれぞれ2から1ずつ減る後のコストを30として、タグ補正コストを算出する。
【0169】
次に、ルート設定部104において、図12に示すように訪問ルート毎にルートコストを算出する(ステップS26)。ルートコストは、固定コストであるルート合計コストと、変動コストである時間差補正コスト、カテゴリ補正コスト及びタグ補正コストとを合計して算出する。
【0170】
次に、ルート設定部104において、算出されたルートコストに基づいて、複数の訪問ルートの提示優先度を設定する。この際、ルートコストが小さいものを優先的に提示する。そして、本実施形態では、ルートコストが最小の訪問ルート(PPP-AAA-CCC-DDD-QQQ)を、ユーザに提示される訪問ルートに設定する(ステップS27)。
【0171】
次に、ルート設定部104は、設定された訪問ルートをユーザ端末20に送信する(ステップS28)。この際、ルート設定部104は、出発時刻、スポットの標準滞在時間及び区間の標準経由時間から、設定された訪問ルートの各スポットを訪問する時間を算出し、当該訪問時間をユーザ端末20に送信する。また、ルート設定部104は、ユーザが設定した設定時間と、ルート設定部104で設定された訪問ルートの所要時間との時間差、すなわち余裕時間を算出し、当該余裕時間をユーザ端末20に送信する。
【0172】
図7(c)に示すようにユーザ端末20の表示部24には、ルート表示画面302が表示される(ステップS29)。ルート表示画面302には、設定された訪問ルート、各スポットの訪問時間、訪問ルート周遊の余裕時間が表示される。このように訪問時間と余裕時間が表示されることで、ユーザは訪問ルートを周遊する際のスケジュールを精度よく作成することができる。
【0173】
ルート表示画面302においてユーザが「別の経路」をクリックすると、ユーザ端末20は訪問ルート変更の要求を管理サーバ10に送信する(ステップS30)。管理サーバ10ではルート変更部107において、図12に示すルート候補テーブルから、次の候補の訪問ルートを設定する(ステップS31)。本実施形態では、ルートコストが2番目に小さい訪問ルート(PPP-CCC-BBB-DDD-QQQ)を設定する。次に、ルート変更部107は、変更後の訪問ルートをユーザ端末20に送信する(ステップS32)。そうすると、図7(c)に示すルート表示画面302には、変更後の訪問ルートが表示される(ステップS33)。
【0174】
ルート表示画面302においてユーザが「条件入力に戻る」をクリックすると、表示部24には条件入力画面300が表示される。
【0175】
ユーザが訪問ルートに訪問スポットを追加する場合、ルート表示画面302においてユーザが「追加」をクリックすると、ユーザ端末20はスポット追加の要求を管理サーバ10に送信する(ステップS34)。本実施形態では、ユーザはスポットAAAとスポットCCCの間に訪問スポットを追加する。管理サーバ10では追加スポット抽出部105において、図11に示す追加スポットテーブルから追加スポットを抽出する(ステップS35)。具体的には、スポットAAA、CCCの間の複数の追加スポットから、追加合計コストが小さい追加スポットを抽出する。抽出する追加スポットは1つでもよいし、複数でもよい。本実施形態では、図13に示すように2つのスポットBBB、GGGを抽出する。次に、追加スポット抽出部105は、抽出された追加スポットの候補をユーザ端末20に送信する(ステップS36)。そうすると、ユーザ端末20の表示部24には、図7(d)に示すスポット追加画面303が表示される(ステップS37)。スポット追加画面303には、追加スポットの候補として、2つのスポットBBB、GGGが表示される。なお、スポット追加画面303では、地図上にスポットBBB、GGGを表示してもよい。
【0176】
スポット追加画面303においてユーザが、例えば追加スポットとしてスポットGGGを選択し「スポットを追加する」をクリックすると、ユーザ端末20は追加スポットの情報を管理サーバ10に送信する(ステップS38)。管理サーバ10ではルート変更部107において、ユーザが選択した追加スポット(スポットGGG)を含む訪問ルートを再設定する(ステップS39)。次に、ルート変更部107は、変更後の訪問ルートをユーザ端末20に送信する(ステップS40)。そうすると、図7(c)に示すルート表示画面302には、変更後の訪問ルートが表示される(ステップS41)。
【0177】
ユーザが訪問ルートの訪問スポットを変更する場合、ルート表示画面302においてユーザが「変更」をクリックするとユーザ端末20はスポット追加の要求を管理サーバ10に送信する(ステップS42)。本実施形態では、ユーザはスポットCCCを変更する。管理サーバ10では変更スポット抽出部106において、図11に示す追加スポットテーブルから変更スポットを抽出する(ステップS43)。具体的にはスポットCCCの前スポットAAAと後スポットDDDの間で、スポットCCCに代わる複数の変更スポットから、追加合計コストが小さい変更スポットを抽出する。抽出する変更スポットは1つでもよいし、複数でもよい。本実施形態では、図14に示すように2つのスポットHHH、BBBを抽出する。次に、変更スポット抽出部106は、抽出された変更スポットの候補をユーザ端末20に送信する(ステップS44)。そうすると、ユーザ端末20の表示部24には、図7(e)に示すスポット変更画面304が表示される(ステップS45)。スポット変更画面304には、変更スポットの候補として、2つのスポットHHH、BBBが表示される。なお、スポット変更画面304では、地図上にスポットHHH、BBBを表示してもよい。
【0178】
スポット変更画面304においてユーザが、例えば追加スポットとしてスポットHHHを選択し「スポットを変更する」をクリックすると、ユーザ端末20は変更スポットの情報を管理サーバ10に送信する(ステップS46)。管理サーバ10ではルート変更部107において、ユーザが選択した変更スポット(スポットHHH)を含む訪問ルートを再設定する(ステップS47)。次に、ルート変更部107は、変更後の訪問ルートをユーザ端末20に送信する(ステップS48)。そうすると、図7(c)に示すルート表示画面302には、変更後の訪問ルートが表示される(ステップS49)。
【0179】
ユーザが訪問ルートの訪問スポットの順序を入れ替える(並び替える)場合、ルート表示画面302においてユーザが「入替」をクリックするとユーザ端末20はスポット追加の要求を管理サーバ10に送信する(ステップS50)。管理サーバ10ではルート変更部107において、ユーザが入力した2つのスポットの順序を入れ替えて再設定する(ステップS51)。次に、ルート変更部107は、変更後の訪問ルートをユーザ端末20に送信する(ステップS52)。そうすると、図7(c)に示すルート表示画面302には、変更後の訪問ルートが表示される(ステップS53)。
【0180】
また、図7(c)には図示していないが、ユーザは訪問ルートの訪問スポットを削除することができる。ルート表示画面302においてユーザが「削除」をクリックすると、ルート変更部107では特定のスポットが削除された訪問ルートを再設定する。
【0181】
また、図7(c)には図示していないが、ユーザは訪問ルートの一部を再設定することができる。例えば、ルート表示画面302においてユーザがスポットAAAからバスターミナルQQQまでの訪問ルートに対して再設定を選択すると、ルート変更部107ではスポットAAAからバスターミナルQQQまでの訪問ルートを再設定する。この際、ルート変更部107では、スポットAAAを出発地とし、バスターミナルQQQを帰着地として、上述した方法、すなわち固定コストと変動コストに基づいてルートコストを算出して、訪問ルートを再設定する。或いは例えば、ルート表示画面302においてユーザが駅PPPからスポットDDDまでの訪問ルートに対して再設定を選択すると、ルート変更部107では駅PPPからスポットDDDまでの訪問ルートを再設定する。この際、ルート変更部107では、駅PPPを出発地とし、スポットDDDを帰着地として、上述した方法、すなわち固定コストと変動コストに基づいてルートコストを算出して、訪問ルートを再設定する。
【0182】
以上のように訪問ルートが設定されると、ユーザは、ユーザ端末20の表示部24のルート表示画面302に表示された訪問ルートの周遊を開始する。
【0183】
ユーザが駅PPPを出発してスポットAAAに到達すると、ユーザ端末20はスポットAAAへの到達証明を管理サーバ10に送信する(ステップS54)。この到達証明は、上述したように、GPS、NFC、BLE、電子スタンプ、QRコード(登録商標)を用いて行われる。また、到達証明は、事業者端末30から管理サーバ10に送信されてもよい。管理サーバ10では到達証明部108において、ユーザのスポットAAAへの到達証明を取得する(ステップS55)。次に、到達証明部108は、到達証明をユーザ端末20に送信し(ステップS56)、図7(c)に示すルート表示画面302においてスポットAAAに到達済みであることを表示させる(ステップS57)。到達済みの表示は任意であるが、例えばスポットAAAに「済」のスタンプを表示させる。
【0184】
続いてユーザは、スポットCCC、スポットDDDを順次巡って、バスターミナルQQQに帰着する。
【0185】
以上のように本実施形態によれば、出発地と帰着地の間の訪問ルートに対し、固定コストと変動コストを用いてルートコストを算出するので、当該算出されたルートコストに基づいて訪問ルートを適切に設定することができる。
【0186】
また、例えば上述した特許文献1に開示された提案装置では、候補地を抽出した後、経路を選択して訪問ルートを作成している。すなわち、候補地の抽出と経路の作成を個別に行っているため、候補地と経路の両方が最適化された訪問ルートが設定されているとは限らない。この点、本実施形態では、ルートコストを用いて訪問スポットと区間を同時に設定することができ、訪問ルートを最適化することができる。
【0187】
また、本実施形態では、一旦設定した訪問ルートに対して、訪問スポットの追加、訪問スポットの変更、訪問スポットの入れ替え、訪問スポットの削除、訪問ルートの一部再設定を任意に行うことができる。したがって、ユーザは訪問ルートを柔軟にカスタマイズすることができ、ユーザの嗜好や希望を反映した魅力的な訪問ルートを設定することができる。
【0188】
また、本実施形態では、ユーザ端末20の表示部24に訪問スポットや帰着地への到達済みであることを表示させるので、いわゆるスタンプラリーを実施することも可能となる。さらに、訪問スポットや帰着地への到達済みであることを記録できるので、実際に訪問したスポットを後から振り返る手段としても利用することができる。すなわち、訪問先を記録する機能として使え、例えば、他ユーザへの共有機能(シェア機能)を付加させることで、旅の思い出をシェアすることができる。
【0189】
<他の実施形態>
以上の実施形態では、訪問ルートを設定する際にルートスコアとして、マイナス評価を基準とするルートコストを用いたが、プラス評価を基準とするルートポイントを用いてもよい。かかる場合、ルートコストは最小となる訪問ルートを設定するのに対し、ルートポイントは最大となる訪問ルートを設定する。ルートコストとルートポイントはマイナスとプラスの違いのみで、固定コスト・固定ポイントの項目と、変動コスト・変動ポイントの項目はそれぞれ同じである。なお、管理サーバ10では、固定コスト設定部102に代えて固定ポイント設定部が設けられ、変動コスト設定部103に代えて変動ポイント設定部が設けられる。
【0190】
以上の実施形態では、ルートスコアが最大又は最小となる訪問ルートを設定したが、当該ルートスコアの大小の順位に基づいて訪問ルートを設定してもよい。例えば、ルートスコアが最大又は最小のものから順に複数の訪問ルートを設定してもよい。また例えば、ルートスコアが最大又は最小のものから1番目、3番目、7番目というように予め指定した順位の複数の訪問ルートを設定してもよい。
【0191】
<他の実施形態>
以上の実施形態では、訪問ルートを設定する場合について説明したが、本発明の情報処理方法は、他のルートを設定する場合にも適用できる。ルートは、ユーザが物理的に訪問するルートや、物又は情報が物理的に流通するルートに加えて、物理的な移動を伴わない論理的なルートも含んでいる。
【0192】
ユーザが物理的に訪問するルートや、物又は情報が物理的に流通するルートとしては、以下が例示列挙できる。
【0193】
例えば、本発明の情報処理方法は、タクシーの相乗り(複数人乗車)時のルートに適用できる。例えば始点ノードを現在地とし、終点ノードをタクシーの運転手が戻る場所(最終降車客が下りる場所の中で最寄りの人通りの多い駅、繁華街、終電後の駅など)とし、中間ノードを乗客の降車位置とする。次のスポットまでの行きやすさやルートの混雑具合、信号機の有無、有料道路の有無などを考慮し、本発明のように固定スコアと変動スコアからルートスコアを算出して、当該ルートスコアが最大又は最小になるルートを設定する。このルートの制約条件として、例えば乗客の意向が挙げられ、「有料道路を多く使ってもいいから乗車時間を早くしたい」「とにかく安くしたい」「偉い人から順に降ろしたい」などの意向が挙げられる。
【0194】
また例えば、本発明の情報処理方法は、配送物の配送ルートに適用できる。例えば今後、電子商取引(EC:Electronic Commerce)を通じた消費者による購買が増加し、それに伴い配送負荷が上がった場合に、消費者側が配送ルートを指定するような場面が想定される。このような場合、消費者が商品を購買するタイミングで、商品(配送物)の配送ルートを指定する。例えば始点ノードを販売元倉庫とし、終点ノードを消費者配送場所として、本発明のように固定スコアと変動スコアからルートスコアを算出して、当該ルートスコアが最大又は最小になるルートを配送ルートに設定する。そうすると、販売者が倉庫から商品を送付し、消費者の指定したスポットを経由して、消費者配送場所へ配送することができる。或いは、複数商品を別倉庫で管理して、同時配送する場合、商品を集積しながら消費者配送場所に配送するようなルート設定も可能になる。
【0195】
なお、上記例においては、商品(配送物)が搬送される例について説明したが、対象物はこれに限定されない。例えば、本発明の情報処理方法は、情報を移動させるルートにも適用できる。すなわち、ルートを移動する対象は、人、物、情報(無形物)など、任意である。
【0196】
また例えば、本発明の情報処理方法は、商業施設内において買物客が店舗を巡る買い回り順や、小売店内において買物客が売り場を巡る買い回り順にも適用できる。また、商品やサービスの営業活動における顧客の訪問順、清掃業務などにおける作業場所の訪問順、自動販売機などへの商品補充の訪問順、展覧会や美術館、博物館などにおける回覧順、テーマパークのアトラクションの訪問順などにも適用できる。
【0197】
物理的な移動を伴わない論理的なルートとしては、以下が例示列挙できる。
【0198】
例えば、本発明の情報処理方法は人事に適用できる。あるポストに対して複数人が異動する場合、例えば人をノードとし、始点ノードを退職者とし、終点ノードを新人とする。そして、ポストを移動させるルートを設定する際、本発明のように固定スコアと変動スコアからルートスコアを算出して、当該ルートスコアが最大又は最小になるルートを設定すればよい。この情報処理方法は、例えば社内異動人事にも適用できるし、公立学校における教員の異動にも適用できる。
【0199】
また例えば、本発明の情報処理方法は新入社員研修制度にも適用できる。例えば研修先の部署をノードとする。そして、新入社員の適性に合わせて最大3部署まで経験してもらうという制約条件のもと、受け入れ部署側の許容人数とタイミングを踏まえ、本発明のように固定スコアと変動スコアからルートスコアを算出して、当該ルートスコアが最大又は最小になるルートを研修期間内のルートに設定する。
【0200】
また例えば、本発明の情報処理方法はサービス(アプリケーション)の利用順やキャンペーンの体験順に適用できる。例えば始点ノードを入会(サービス開始)とし、終点ノードを目的サービスとする。目的サービスは、例えばサービス提供側がユーザに利用してほしいサービスである。そして、本発明のように固定スコアと変動スコアからルートスコアを算出して、当該ルートスコアが最大又は最小になるルートを設定すれば、ユーザに対してどの順序でサービスをリコメンドすればよいかを把握することができる。
【0201】
また例えば、本発明の情報処理方法はサービス(アプリケーション)を利用する顧客の育成に適用できる。例えば始点ノードを顧客の現状とし、終点ノードを理想的なサービスの使い方をする顧客とする。そして、本発明のように固定スコアと変動スコアからルートスコアを算出して、当該ルートスコアが最大又は最小になるルートを顧客育成ルートに設定する。
【0202】
また例えば、本発明の情報処理方法は学習方法に適用できる。例えば始点ノードを基礎レベル(基礎参考書)とし、終点ノードを最終レベル(最終参考書)とする。そして、本発明のように固定スコアと変動スコアからルートスコアを算出して、当該ルートスコアが最大又は最小になるルートを学習ルートに設定する。
【0203】
また例えば、本発明の情報処理方法は、飲食店における商品の注文順、音楽配信サービスや動画閲覧サイトなどにおけるコンテンツの閲覧順などにも適用できる。
【0204】
以上のように本発明の情報処理方法は、任意のルートを設定する場合に適用できる。特に、順序が重要な組み合わせ(ペアの前後に意味があるもの)をユーザにリコメンドする際には有用である。
【0205】
今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。上記の実施形態は、添付の請求の範囲及びその主旨を逸脱することなく、様々な形態で省略、置換、変更されてもよい。例えば、上記実施形態の構成要件は任意に組み合わせることができる。当該任意の組み合せからは、組み合わせにかかるそれぞれの構成要件についての作用及び効果が当然に得られるとともに、本明細書の記載から当業者には明らかな他の作用及び他の効果が得られる。
【0206】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、又は、上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0207】
なお、以下のような構成例も本開示の技術的範囲に属する。
(1)情報処理装置が、
始点ノードと終点ノードを設定する処理と、
前記始点ノード、前記終点ノード、前記始点ノードと前記終点ノードの間の中間ノード又はノード間のエッジの少なくともいずれかに関する情報を含む固定情報に基づいて固定スコアを設定する処理と、
前記始点ノードと前記終点ノードの間のルートを設定する際の条件に関する情報を含む変動情報に基づいて変動スコアを設定する処理と、
前記固定スコアと前記変動スコアからルートスコアを算出し、算出された前記ルートスコアに基づいて前記中間ノードと前記エッジを選択し、選択された前記中間ノードと前記エッジを含む前記ルートを設定する処理と、を実行することを特徴とする、情報処理方法。
(2)前記情報処理装置が、
前記ルートを設定する処理が完了された後、設定された前記ルートをユーザの情報処理端末に送信する処理と、
前記情報処理端末からの情報に基づいて、前記ルートを設定する処理において選択された前記中間ノードとは異なる中間ノードを、前記固定スコアと前記変動スコアに基づいて追加選択する処理と、を実行することを特徴とする、前記(1)に記載の情報処理方法。
(3)前記情報処理装置が、
前記ルートを設定する処理が完了された後、設定された前記ルートをユーザの情報処理端末に送信する処理と、
前記情報処理端末からの情報に基づいて、前記ルートを設定する処理において選択された前記中間ノードを、前記固定スコアと前記変動スコアに基づいて変更する処理と、を実行することを特徴とする、前記(1)又は(2)に記載の情報処理方法。
(4)前記情報処理装置が、
前記ルートを設定する処理が完了された後、設定された前記ルートをユーザの情報処理端末に送信する処理と、
前記情報処理端末からの情報に基づいて、前記ルートを設定する処理において選択された前記中間ノードを再始点ノード又は再終点ノードに再設定し、前記固定スコアと前記変動スコアに基づいて、前記再始点ノードと前記終点ノードの間のルート又は前記始点ノードと前記再終点ノードの間のルートを再設定する処理と、を実行することを特徴とする、前記(1)~(3)のいずれかに記載の情報処理方法。
(5)前記情報処理装置が、
前記ルートを設定する処理が完了された後、設定された前記ルートをユーザの情報処理端末に送信する処理と、
前記情報処理端末からの情報に基づいて、前記ルートを設定する処理において選択された複数の前記中間ノードのうち少なくとも1以上の前記中間ノードを削除する処理と、を実行することを特徴とする、前記(1)~(4)のいずれかに記載の情報処理方法。
(6)前記情報処理装置が、
前記ルートを設定する処理が完了された後、設定された前記ルートをユーザの情報処理端末に送信する処理と、
前記情報処理端末からの情報に基づいて、前記ルートを設定する処理において選択された複数の前記中間ノードの順序を入れ替える処理と、を実行することを特徴とする、前記(1)~(5)のいずれかに記載の情報処理方法。
(7)前記ルートを設定する処理において、前記固定スコアと前記変動スコアの合計である前記ルートスコアを算出し、前記ルートスコアが最大又は最小になるように前記ルートを設定することを特徴とする、前記(1)~(6)のいずれかに記載の情報処理方法。
(8)前記固定スコアを設定する処理において、前記固定スコアを複数設定し、
前記ルートを設定する処理において、前記変動スコアを用いて前記固定スコアを絞り込み、絞り込まれた記固定スコアと前記変動スコアの合計である前記ルートスコアを算出し、前記ルートスコアが最大又は最小になるように前記ルートを設定することを特徴とする、前記(1)~(7)のいずれかに記載の情報処理方法。
(9)前記ルートを設定する処理において、前記固定スコアと前記変動スコアの合計である前記ルートスコアを算出し、前記ルートスコアの大小の順位に基づいて前記ルートを設定することを特徴とする、前記(1)~(6)のいずれかに記載の情報処理方法。
(10)前記固定スコアを設定する処理において、前記固定スコアを複数設定し、
前記変動スコアを設定する処理において、前記変動スコアを複数設定し、
前記ルートを設定する処理において、複数の前記固定スコア又は複数の前記変動スコアの少なくともいずれかに重み付けを行って前記ルートスコアを算出することを特徴とする、前記(1)~(9)のいずれかに記載の情報処理方法。
(11)前記情報処理装置が、前記固定情報又は前記変動情報の少なくともいずれかを用いて前記中間ノードと前記エッジを絞り込む処理を実行し、
前記ルートを設定する処理において、絞り込まれた前記中間ノードと前記エッジから前記ルートスコアに基づいて前記中間ノードと前記エッジを選択し、選択された前記中間ノードと前記エッジを含む前記ルートを設定することを特徴とする、前記(1)~(10)のいずれかに記載の情報処理方法。
(12)前記固定情報は、前記エッジの距離に関する情報を含むことを特徴とする、前記(1)~(11)のいずれかに記載の情報処理方法。
(13)前記固定情報は、前記エッジの標準経由時間に関する情報を含むことを特徴とする、前記(1)~(12)のいずれかに記載の情報処理方法。
(14)前記固定情報は、隣接する前記中間ノード同士の相性に関する情報を含むことを特徴とする、前記(1)~(13)のいずれかに記載の情報処理方法。
(15)前記固定情報は、前記中間ノードの人気度に関する情報を含むことを特徴とする、前記(1)~(14)のいずれかに記載の情報処理方法。
(16)前記固定情報は、前記中間ノードのカテゴリに関する情報を含むことを特徴とする、前記(1)~(15)のいずれかに記載の情報処理方法。
(17)前記変動情報は、ユーザの情報処理端末から取得された情報を含むことを特徴とする、前記(1)~(16)のいずれかに記載の情報処理方法。
(18)前記変動情報は、開始時と終了時の情報又は前記開始時と前記終了時の間の設定時間の情報を含み、
前記変動スコアを設定する処理において、前記設定時間と、前記中間ノードと前記エッジを経由するための所要時間との差である時間差を算出し、前記時間差に基づいて前記変動スコアを設定することを特徴とする、前記(1)~(17)のいずれかに記載の情報処理方法。
(19)前記所要時間は、前記ノードにおける標準滞在時間又は前記エッジにおける標準経由時間の少なくともいずれかを含むことを特徴とする、前記(18)に記載の情報処理方法。
(20)前記ルートを設定する処理において、選択される前記中間ノードの数が前記中間ノードの最大設定数より小さい場合、前記固定スコア及び前記変動スコアと、前記中間ノードの数と前記最大設定数の差に基づいたノード数スコアと、から前記ルートスコアを算出することを特徴とする、前記(1)~(19)のいずれかに記載の情報処理方法。
(21)前記変動情報は、前記ユーザの属性情報又は前記ユーザの行動情報の少なくともいずれかを含むことを特徴とする、前記(1)~(20)のいずれかに記載の情報処理方法。
(22)前記始点ノードと前記終点ノードを設定する処理において、前記始点ノードと前記終点ノードを前記ユーザの情報処理端末から取得することを特徴とする、前記(1)~(21)のいずれかに記載の情報処理方法。
(23)前記情報処理装置が、
前記ルートを設定する処理が完了された後、設定された前記ルートをユーザの情報処理端末に送信する処理と、
ユーザの前記中間ノード又は前記終点ノードへの到達情報を取得する処理と、
前記情報処理端末に前記中間ノード又は前記終点ノードに到達済みであることを表示させる処理と、を実行することを特徴とする、前記(1)~(22)のいずれかに記載の情報処理方法。
(24)情報処理装置であって、
始点ノードと終点ノードを設定する始終ノード設定部と、
前記始点ノード、前記終点ノード、前記始点ノードと前記終点ノードの間の中間ノード又はノード間のエッジの少なくともいずれかに関する情報を含む固定情報に基づいて固定スコアを設定する固定スコア設定部と、
前記始点ノードと前記終点ノードの間のルートを設定する際の条件に関する情報を含む変動情報に基づいて変動スコアを設定する変動スコア設定部と、
前記固定スコアと前記変動スコアからルートスコアを算出し、算出された前記ルートスコアに基づいて前記中間ノードと前記エッジを選択し、選択された前記中間ノードと前記エッジを含む前記ルートを設定するルート設定部と、を有することを特徴とする、情報処理装置。
(25)情報処理装置に、
始点ノードと終点ノードを設定する処理と、
前記始点ノード、前記終点ノード、前記始点ノードと前記終点ノードの間の中間ノード又はノード間のエッジの少なくともいずれかに関する情報を含む固定情報に基づいて固定スコアを設定する処理と、
前記始点ノードと前記終点ノードの間のルートを設定する際の条件に関する情報を含む変動情報に基づいて変動スコアを設定する処理と、
前記固定スコアと前記変動スコアからルートスコアを算出し、算出された前記ルートスコアに基づいて前記中間ノードと前記エッジを選択し、選択された前記中間ノードと前記エッジを含む前記ルートを設定する処理と、を実行させることを特徴とする、情報処理プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0208】
本発明は、始点ノードと終点ノード間のルートを設定する際に有用である。
【符号の説明】
【0209】
1 情報処理システム
10 管理サーバ
11 通信部
12 制御部
13 記憶部
20 ユーザ端末
21 通信部
22 制御部
23 記憶部
24 表示部
30 事業者端末
31 通信部
32 制御部
33 記憶部
40 ネットワーク
100 情報取得部
101 始終点設定部
102 固定コスト設定部
103 変動コスト設定部
104 ルート設定部
105 追加スポット抽出部
106 変更スポット抽出部
107 ルート変更部
108 到達証明部
200 バス
201 プロセッサ
202 メモリ
203 ストレージ
204 通信装置
205 入力装置
206 出力装置
300 条件入力画面
301 詳細入力画面
302 ルート表示画面
303 スポット追加画面
304 スポット変更画面
図1
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14