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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128296
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】成形管理システム
(51)【国際特許分類】
   B29C 45/76 20060101AFI20240913BHJP
【FI】
B29C45/76
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037211
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古屋 周作
(72)【発明者】
【氏名】三間 雄介
【テーマコード(参考)】
4F206
【Fターム(参考)】
4F206AM09
4F206AM19
4F206AP00
4F206JA07
4F206JL07
4F206JP15
4F206JP21
4F206JQ88
(57)【要約】
【課題】射出成形機で異常が発生したことを示す情報をユーザーが見落としにくくする技術を提供する。
【解決手段】成形管理システムは、第1異常情報、第2異常情報、および、第3異常情報を取得する第1取得部と、第1警告情報を出力する第1出力部と、を備え、第2異常情報および第3異常情報は、第1異常情報に含まれる射出成形機に関する情報、および、第1異常情報に含まれる射出成形機の異常の種別に関する情報を含み、第1取得部は、第1異常情報を取得した後、第1期間が経過する前に、第2異常情報を取得し、第1異常情報を取得した後、第1期間が経過した後で、第3異常情報を取得し、第1出力部は、第1異常情報を取得した場合に第1警告情報を出力し、第2異常情報を取得した場合に第1警告情報を出力せず、第3異常情報を取得した場合に第1警告情報を出力する。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
射出成形機を管理する成形管理システムであって、
前記射出成形機に関する情報、および、前記射出成形機で発生した異常の種別に関する情報を含む、第1異常情報、第2異常情報、および、第3異常情報を取得する第1取得部と、
前記射出成形機で前記異常が発生したことを通知する情報である第1警告情報を出力する第1出力部と、を備え、
前記第2異常情報および前記第3異常情報は、前記第1異常情報に含まれる前記射出成形機に関する情報、および、前記第1異常情報に含まれる前記射出成形機の前記異常の種別に関する情報を含み、
前記第1取得部は、
前記第1異常情報を取得した後、前記第1異常情報を取得した時点から第1期間が経過する前に、前記第2異常情報を取得し、
前記第1異常情報を取得した後、前記第1異常情報を取得した時点から前記第1期間が経過した後で、前記第3異常情報を取得し、
前記第1出力部は、
前記第1取得部が前記第1異常情報を取得した場合に前記第1警告情報を出力し、
前記第1取得部が前記第2異常情報を取得した場合に前記第1警告情報を出力せず、
前記第1取得部が前記第3異常情報を取得した場合に前記第1警告情報を出力する、
成形管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の成形管理システムであって、
前記射出成形機で前記異常が発生したことを通知する情報である第2警告情報を出力する第2出力部を備え、
前記第1取得部は、前記射出成形機に関する情報、および、前記射出成形機で発生した前記異常の種別に関する情報を含む、第4異常情報を取得し、
前記第4異常情報は、前記第1異常情報に含まれる前記射出成形機に関する情報、および、前記第1異常情報に含まれる前記射出成形機の前記異常の種別に関する情報を含み、
前記第1取得部は、
前記第1異常情報を取得した後、前記第1異常情報を取得した時点から、前記第1期間より長い期間である第2期間が経過する前に、前記第3異常情報を取得し、
前記第1異常情報を取得した後、前記第1異常情報を取得した時点から前記第2期間が経過した後で、前記第4異常情報を取得し、
前記第2出力部は、
前記第1取得部が前記第3異常情報を取得した場合に、前記第2警告情報を前記第1警告情報の出力先と異なる出力先に出力せず、
前記第1取得部が前記第4異常情報を取得した場合に、前記第2警告情報を前記第1警告情報の前記出力先と異なる出力先に出力する、
成形管理システム。
【請求項3】
請求項1に記載の成形管理システムであって、
装置と、
第3取得部と、
記憶部と、を備え、
前記装置は、
前記第1警告情報を取得する第2取得部と、
前記射出成形機で発生した前記異常が解消された旨の情報である異常解消情報を出力する第3出力部と、を備え、
前記第3出力部は、前記第2取得部が取得した前記第1警告情報に含まれる、前記射出成形機および前記異常の種別に関する前記異常解消情報を出力し、
前記第3取得部は、前記第3出力部が出力した前記異常解消情報を取得し、
前記記憶部には、前記第1異常情報、前記第2異常情報、前記第3異常情報の少なくともいずれか1つと、前記第3取得部が取得した前記異常解消情報が、関連付けて記憶される、
成形管理システム。
【請求項4】
請求項1に記載の成形管理システムであって、
前記射出成形機の稼動データの閾値に関する情報を記憶する記憶部と、
装置と、
前記装置に対する、前記射出成形機で発生した前記異常が解消された旨の情報である異常解消情報の入力を受け付ける入力部と、を備え、
前記装置は、
前記第1警告情報を取得する第2取得部と、
前記第2取得部が取得した前記第1警告情報に含まれる前記射出成形機の、前記稼動データの前記閾値に関する情報を前記記憶部から取得する、第4取得部と、
前記第4取得部が取得した、前記射出成形機の前記稼動データの前記閾値に関する情報が表示される表示部と、を備え、
前記入力部は、前記第1警告情報に含まれる、前記射出成形機および前記異常の種別に関する前記異常解消情報の入力を受け付け、
前記記憶部には、前記第1異常情報、前記第2異常情報、前記第3異常情報の少なくともいずれか1つと、前記入力部が受け付けた前記異常解消情報が、関連付けて記憶される、
成形管理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の成形管理システムであって、
前記表示部には、前記射出成形機の前記稼動データの前記閾値に関する情報を更新可能とする閾値条件設定画面が表示され、
前記閾値条件設定画面では、前記第1警告情報に含まれる、前記射出成形機および前記異常に関する前記異常解消情報の入力が可能である、
成形管理システム。
【請求項6】
請求項1に記載の成形管理システムであって、
前記射出成形機に関する情報、前記射出成形機の周辺機器に関する情報、および、前記射出成形機の前記周辺機器で発生した異常の種別に関する情報を含む、第5異常情報、第6異常情報、および、第7異常情報を取得する第5取得部と、
前記射出成形機の前記周辺機器で前記異常が発生したことを通知する情報である第3警告情報を出力する第4出力部と、を備え、
前記第6異常情報および前記第7異常情報は、前記第5異常情報に含まれる前記射出成形機に関する情報、前記第5異常情報に含まれる前記射出成形機の前記周辺機器に関する情報、および、前記第5異常情報に含まれる前記射出成形機の前記周辺機器の前記異常の種別に関する情報を含み、
前記第5取得部は、
前記第5異常情報を取得した後、前記第5異常情報を取得した時点から第3期間が経過する前に、前記第6異常情報を取得し、
前記第5異常情報を取得した後、前記第5異常情報を取得した時点から前記第3期間が経過した後で、前記第7異常情報を取得し、
前記第4出力部は、
前記第5取得部が前記第5異常情報を取得した場合に前記第3警告情報を出力し、
前記第5取得部が前記第6異常情報を取得した場合に前記第3警告情報を出力せず、
前記第5取得部が前記第7異常情報を取得した場合に前記第3警告情報を出力する、
成形管理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の成形管理システムであって、
前記周辺機器は、取出装置、成形型温度調整装置、乾燥装置、材料供給装置、または、検査装置である、
成形管理システム。
【請求項8】
請求項1に記載の成形管理システムであって、
前記射出成形機は、前記射出成形機の稼動データおよび前記稼動データの閾値に関する情報に基づいて、前記第1異常情報を生成し、
前記成形管理システムは、
前記射出成形機から前記稼動データを取得する第6取得部をさらに備え、
前記第6取得部は、前記第1取得部が前記第1異常情報を取得する毎に、前記第1異常情報に含まれる前記射出成形機から、前記第1異常情報の生成に関連しない前記稼動データを取得する、
成形管理システム。
【請求項9】
請求項1に記載の成形管理システムであって、
前記射出成形機は、前記射出成形機の稼動データを記憶し、
前記成形管理システムは、
前記稼動データの閾値に関する情報が記憶される記憶部と、
前記射出成形機から前記稼動データを取得する第7取得部と、
前記第7取得部が取得した前記稼動データおよび前記稼動データの前記閾値に関する情報に基づいて前記第1異常情報を生成する生成部と、をさらに備える、
成形管理システム。
【請求項10】
射出成形機を管理する成形管理システムであって、
サーバと、
端末装置と、を備え、
前記サーバは、
前記射出成形機に関する情報、および、前記射出成形機で発生した異常の種別に関する情報を含む、第1異常情報、第2異常情報、および、第3異常情報を取得する第1取得部と、
前記射出成形機で前記異常が発生したことを通知する情報である、第1警告情報、第2警告情報、および、第3警告情報を出力する第1出力部と、を備え、
前記第2異常情報および前記第3異常情報は、前記第1異常情報に含まれる前記射出成形機に関する情報、および、前記第1異常情報に含まれる前記射出成形機の前記異常の種別に関する情報を含み、
前記第1出力部は、
前記第1取得部が前記第1異常情報を取得した場合に、前記第1警告情報を前記端末装置に出力し、
前記第1取得部が前記第2異常情報を取得した場合に、前記第2警告情報を前記端末装置に出力し、
前記第1取得部が前記第3異常情報を取得した場合に、前記第3警告情報を前記端末装置に出力し、
前記端末装置は、
前記第1警告情報、前記第2警告情報、および、前記第3警告情報を取得する第8取得部と、
前記射出成形機で前記異常が発生したことを通知する情報である警告通知情報を出力する第5出力部と、を備え、
前記第8取得部は、
前記第1警告情報を取得した後、前記第1警告情報を取得した時点から第1期間が経過する前に、前記第2警告情報を取得し、
前記第1警告情報を取得した後、前記第1警告情報を取得した時点から前記第1期間が経過した後で、前記第3警告情報を取得し、
前記第5出力部は、
前記第8取得部が前記第1警告情報を取得した場合に前記警告通知情報を出力し、
前記第8取得部が前記第2警告情報を取得した場合に前記警告通知情報を出力せず、
前記第8取得部が前記第3警告情報を取得した場合に前記警告通知情報を出力する、
成形管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、成形管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、複数の成形ラインを管理する成形設備群管理システムが開示されている。この成形設備群管理システムでは、射出成形機またはその周辺設備に異常が発生した場合、警報表示板および携帯表示装置に警報が表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平11-300807号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
成形管理システムは、射出成形機からその稼動データを取得した際に、稼動データが予め定められた閾値を超えていた場合に、射出成形機で異常が発生したことを示す情報をユーザーに通知する場合がある。この情報には、異常が発生した射出成形機に関する情報と、異常の種別に関する情報が含まれる。このような成形管理システムでは、特定の射出成形機で発生した特定の種別の異常が解消されるまで、稼動データが取得される毎に、同じ内容の情報がユーザーに通知される。このように、特定の射出成形機で特定の種別の異常が発生したことを示す情報が何度もユーザーに通知される場合、特定の射出成形機で他の種別の異常が発生したことを示す情報や、他の射出成形機で異常が発生したことを示す情報がユーザーに通知されたとしても、これらの情報をユーザーが見落とす恐れがあった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の第1の形態によれば、成形管理システムが提供される。この成形管理システムは、射出成形機を管理する成形管理システムであって、前記射出成形機に関する情報、および、前記射出成形機で発生した異常の種別に関する情報を含む、第1異常情報、第2異常情報、および、第3異常情報を取得する第1取得部と、前記射出成形機で前記異常が発生したことを通知する情報である第1警告情報を出力する第1出力部と、を備え、前記第2異常情報および前記第3異常情報は、前記第1異常情報に含まれる前記射出成形機に関する情報、および、前記第1異常情報に含まれる前記射出成形機の前記異常の種別に関する情報を含み、前記第1取得部は、前記第1異常情報を取得した後、前記第1異常情報を取得した時点から第1期間が経過する前に、前記第2異常情報を取得し、前記第1異常情報を取得した後、前記第1異常情報を取得した時点から前記第1期間が経過した後で、前記第3異常情報を取得し、前記第1出力部は、前記第1取得部が前記第1異常情報を取得した場合に前記第1警告情報を出力し、前記第1取得部が前記第2異常情報を取得した場合に前記第1警告情報を出力せず、前記第1取得部が前記第3異常情報を取得した場合に前記第1警告情報を出力する。
【0006】
本開示の第2の形態によれば、成形管理システムが提供される。この成形管理システムは、射出成形機を管理する成形管理システムであって、サーバと、端末装置と、を備え、前記サーバは、前記射出成形機に関する情報、および、前記射出成形機で発生した異常の種別に関する情報を含む、第1異常情報、第2異常情報、および、第3異常情報を取得する第1取得部と、前記射出成形機で前記異常が発生したことを通知する情報である、第1警告情報、第2警告情報、および、第3警告情報を出力する第1出力部と、を備え、前記第2異常情報および前記第3異常情報は、前記第1異常情報に含まれる前記射出成形機に関する情報、および、前記第1異常情報に含まれる前記射出成形機の前記異常の種別に関する情報を含み、前記第1出力部は、前記第1取得部が前記第1異常情報を取得した場合に、前記第1警告情報を前記端末装置に出力し、前記第1取得部が前記第2異常情報を取得した場合に、前記第2警告情報を前記端末装置に出力し、前記第1取得部が前記第3異常情報を取得した場合に、前記第3警告情報を前記端末装置に出力し、前記端末装置は、前記第1警告情報、前記第2警告情報、および、前記第3警告情報を取得する第8取得部と、前記射出成形機で前記異常が発生したことを通知する情報である警告通知情報を出力する第5出力部と、を備え、前記第8取得部は、前記第1警告情報を取得した後、前記第1警告情報を取得した時点から第1期間が経過する前に、前記第2警告情報を取得し、前記第1警告情報を取得した後、前記第1警告情報を取得した時点から前記第1期間が経過した後で、前記第3警告情報を取得し、前記第5出力部は、前記第8取得部が前記第1警告情報を取得した場合に前記警告通知情報を出力し、前記第8取得部が前記第2警告情報を取得した場合に前記警告通知情報を出力せず、前記第8取得部が前記第3警告情報を取得した場合に前記警告通知情報を出力する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】成形管理システムの概略構成を示す説明図。
図2】閾値設定処理の工程図。
図3】閾値設定画面を示す図。
図4】異常通知処理の工程図。
図5】警告情報通知画面SC2の例を示す図。
図6】警告情報が出力されるタイミングを説明するタイムチャート。
図7】第2実施形態における成形管理システムの概略構成を示す説明図。
図8】警告情報通知画面SC3の例を示す図。
図9】異常解消処理の工程図。
図10】第1警告情報の異常解消処理の工程図。
図11】第3実施形態における成形管理システムの概略構成を示す説明図。
図12】第3実施形態で実行される第1警告情報の異常解消処理の工程図。
図13】警告情報通知画面SC4の例を示す図。
図14】第4実施形態で実行される第1警告情報の異常解消処理の工程図。
図15】警告情報通知画面SC5の例を示す図。
図16】閾値条件設定画面を示す図。
図17】第5実施形態における成形管理システムの概略構成を示す説明図。
図18】周辺機器異常通知処理の工程図。
図19】周辺機器警告情報通知画面の例を示す図。
図20】警告情報が出力されるタイミングを説明するタイムチャート。
図21】第6実施形態における成形管理システムの概略構成を示す説明図。
図22】第6実施形態で実行される異常通知処理の工程図。
図23】第6実施形態において警告情報が出力されるタイミングを説明するタイムチャート。
図24】第7実施形態における成形管理システムの概略構成を示す説明図。
図25】第8実施形態における成形管理システムの概略構成を示す説明図。
図26】第8実施形態で実行される異常通知処理の工程図。
図27】警告通知情報が出力されるタイミングを説明するタイムチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
A.第1実施形態:
図1は、成形管理システム10の概略構成を示す説明図である。成形管理システム10は、成形管理サーバ100と、第1射出成形機210と、第1センサ212と、第2射出成形機220と、第2センサ222と、クラウドサーバ300と、端末装置400と、を備える。成形管理サーバ100は、第1射出成形機210および第2射出成形機220とネットワークNTを介して相互に通信可能に構成されている。ネットワークNTは、例えば、LANであってもよいし、WANであってもよいし、インターネットであってもよい。クラウドサーバ300は、成形管理サーバ100および端末装置400とインターネットINを介して相互に通信可能に構成されている。成形管理システム10は、第1射出成形機210または第2射出成形機220から成形品を取り出す取り出しロボットや、第1射出成形機210または第2射出成形機220で使用される材料を乾燥させる乾燥機、第1射出成形機210または第2射出成形機220で成形された成形品の検査を行う検査装置などの周辺機器を備えてもよい。また、図1には、成形管理システム10が1台の端末装置400を備える例が示されているが、成形管理システム10は、複数台の端末装置400を備えてもよい。
【0009】
第1射出成形機210は、射出成形を行う装置である。第1射出成形機210は、第1制御部211と、それぞれ図示しない型締部と射出部を備えている。型締部は、型締部に装着されたキャビティーを有する成形型を開閉させる。成形型は、金属製でもよいし、セラミック製でもよいし、樹脂製でもよい。金属製の成形型のことを金型と呼ぶ。射出部は、材料を可塑化した造形材料を、成形型のキャビティーに射出する。第1制御部211は、1つまたは複数のプロセッサーと、記憶装置と、外部との信号の入出力を行う入出力インターフェイスとを備えるコンピューターによって構成されている。第1制御部211は、複数のコンピューターによって構成されてもよい。
【0010】
第1制御部211は、成形管理サーバ100を介してクラウドサーバ300から取得した成形条件に基づいて、第1射出成形機210の各部を制御して射出成形を行い、成形品を成形する。より具体的には、第1制御部211は、型締部を制御して成形型を型締めし、射出部を制御して造形材料を成形型に射出することによって、成形型に設けられたキャビティーの形状に応じた形状を有する成形品を成形する。
【0011】
第1センサ212は、第1射出成形機210の動作状態に関する物理量を測定する。第1射出成形機210の動作状態に関する物理量は、射出部の温度、射出部内の造形材料の圧力、クッション位置、材料を可塑化させる溶融部の温度、成形型の温度、成形型に充填された造形材料の圧力、成形型の歪み量、型締部の型締め力などである。ここで、クッション位置とは、射出部に備えられたプランジャーを移動させて成形型のキャビティーに造形材料を充填させた際の、プランジャーの先端の位置である。第1センサ212は、射出部の温度を計測する温度センサや、射出部内の造形材料の圧力を計測する圧力センサ、プランジャーの変位量を計測する変位センサなどである。以下では、第1センサ212が計測した第1射出成形機210の動作状態に関する物理量を、第1射出成形機210の稼動データとも呼ぶ。第1センサ212は、第1射出成形機210の複数の種類の稼動データを計測する。
【0012】
第1制御部211は、第1射出成形機210の稼動データを第1センサ212から取得し、第1射出成形機210の図示しない記憶装置に記憶させる。第1制御部211は、予め定められた周期や、第1射出成形機210が特定の動作を実行したタイミングで、記憶装置に記憶させた稼動データを成形管理サーバ100に送信する。特定の装置動作のタイミングとは、成形型が開かれたときや、成形型が閉じられたときなどである。なお、第1センサ212は、成形管理サーバ100とネットワークNTを介して相互に通信可能に構成されていてもよい。この場合、第1センサ212は、計測した第1射出成形機210の稼動データを、ネットワークNTを介して成形管理サーバ100に送信してもよい。
【0013】
第2射出成形機220は、第2制御部221を備えている。第2射出成形機220は、第1射出成形機210と同じ構成である。第2制御部221は、第1制御部211と同じ構成である。そのため、第2射出成形機220および第2制御部221の詳細な説明は省略する。以下において各射出成形機を区別なく呼ぶときは、単に、射出成形機200と呼ぶ。なお、成形管理システム10は、射出成形機200を1台備えてもよいし、3台以上備えてもよい。
【0014】
第2センサ222は、第1センサ212と同じ構成である。そのため、第2センサ222の詳細な説明は省略する。以下において各センサを区別なく呼ぶときは、単に、センサと呼ぶ。
【0015】
成形管理サーバ100は、第1処理部101と、第1記憶部102と、通信制御部103と、を備えるコンピューターによって構成されている。第1処理部101は、1つ又は複数のプロセッサーおよび主記憶装置を備えている。第1記憶部102は、ハードディスクドライブなどの補助記憶装置により構成される。通信制御部103は、クラウドサーバ300や射出成形機200などの他の装置との通信を制御するための通信回路を備えている。成形管理サーバ100は、複数台のコンピューターによって構成されていてもよい。
【0016】
第1処理部101は、射出成形機200から送信された、射出成形機200の稼動データを取得する。第1処理部101によって取得された射出成形機200の稼動データは、第1記憶部102に記憶される。第1処理部101は、射出成形機200の稼動データを、クラウドサーバ300に送信してもよい。この場合、クラウドサーバ300の第2記憶部302に、射出成形機200の稼動データが記憶される。第1センサ212が成形管理サーバ100とネットワークNTを介して相互に通信可能に構成されている場合、第1処理部101は、射出成形機200の稼働データをセンサから取得してもよい。
【0017】
第1処理部101は、第1取得部110を備える。第1取得部110は、第1処理部101が第1記憶部102に記憶されたプログラムを実行することによって実現される。なお、第1取得部110は回路によって実現されてもよい。
【0018】
第1取得部110は、異常判定情報を取得する。異常判定情報については後述する。
【0019】
第1記憶部102には、異常判定履歴情報が記憶される。異常判定履歴情報については後述する。
【0020】
クラウドサーバ300は、インターネットIN経由で使用されるサーバである。クラウドサーバ300は、第2処理部301と、第2記憶部302と、を備える。成形管理サーバ100の第1記憶部102と、クラウドサーバ300の第2記憶部302を、まとめて記憶部とも呼ぶ。なお、成形管理サーバ100とクラウドサーバ300は、1つのサーバとして構成されていてもよい。
【0021】
クラウドサーバ300の第2処理部301は、第1出力部310と、第2出力部320と、を備える。第1出力部310と第2出力部320は、第2処理部301が第2記憶部302に記憶されたプログラムを実行することによって実現される。なお、これらは回路によって実現されてもよい。
【0022】
第1出力部310および第2出力部320は、警告情報を出力する。警告情報については後述する。
【0023】
第2記憶部302には、閾値条件情報と、警告履歴情報と、が記憶される。閾値条件情報は、射出成形機200の稼動データの閾値に関する情報である。本明細書では、閾値は、稼動データの異常判定に使用される値である。閾値条件情報は、射出成形機200の稼動データの閾値の上限値、および、射出成形機200の稼動データの閾値の下限値を含む。閾値条件情報は、例えば、射出部の温度の上限値および下限値、射出部内の造形材料の圧力の上限値および下限値などである。なお、閾値条件情報は、射出成形機200の稼動データの閾値の上限値のみでもよいし、射出成形機200の稼動データの閾値の下限値のみでもよい。警告履歴情報については後述する。
【0024】
端末装置400は、CPUと記憶装置と表示部403とを備えるコンピューターとして構成されている。端末装置400としては、例えば、タブレット端末やノート型パソコン、スマートフォン、ハンディターミナルを適用できる。表示部403には、クラウドサーバ300から出力された各種の画面が表示される。表示部403には、タッチパネル機能が備えられてもよい。端末装置400を、情報端末とも呼ぶ。
【0025】
図2は、成形管理システム10が実行する閾値設定処理の工程図である。閾値設定処理は、ユーザーが指定した閾値条件情報を第2記憶部302に記憶させる処理である。閾値設定処理は、射出成形機200で成形品が成形される前に、予め定められた操作が成形管理システム10に対して行われた場合に実行される。なお、閾値条件情報は、予め第2記憶部302に記憶されていてもよい。
【0026】
図2のステップS10において、クラウドサーバ300の第2処理部301は、射出成形機200の稼動データの閾値をユーザーが設定するための画面である、閾値設定画面SC1を表すデータを生成する。閾値設定画面SC1は、端末装置400の表示部403に表示される。
【0027】
図3は、閾値設定画面SC1を示す図である。閾値設定画面SC1には、成形品の品目の名称が表示される表示領域RG1、計測値の種別名が表示される表示領域RG2、閾値の上限値が表示される表示領域RG3、閾値の下限値が表示される表示領域RG4、および、確定ボタンBT1が設けられている。ここで、計測値の種別名は、センサが計測した物理量の名称であり、例えば、射出部の温度や、射出部内の造形材料の圧力である。表示領域RG1と表示領域RG2は、ユーザーがこれらの領域をクリックすることで、それぞれ、成形品の品目のリストと計測値の種別名のリストが表示されるように設けられている。表示領域RG3と表示領域RG4には、それぞれ、ユーザーから閾値の上限値と閾値の下限値が入力される。
【0028】
図2のステップS20において、第2処理部301は、閾値設定画面SC1の表示領域RG1から表示領域RG4に対する情報の入力を受け付ける。ユーザーは、端末装置400の表示部403に表示された閾値設定画面SC1の、表示領域RG1において、閾値を設定する成形品の品目を選択し、表示領域RG2において、表示領域RG1で選択した品目に対して閾値を設定する計測値の種別名を選択する。ユーザーは、表示領域RG1および表示領域RG2で選択した品目の計測値の種別に対応する、閾値の上限値と閾値の下限値を、それぞれ表示領域RG3と表示領域RG4に入力し、確定ボタンBT1をクリックする。なお、ユーザーは、閾値の上限値を表示領域RG3に入力しなくてもよい。また、ユーザーは、閾値の下限値を表示領域RG4に入力しなくてもよい。
【0029】
ステップS30において、第2処理部301は、閾値設定画面SC1の表示領域RG1で選択された成形品の品目名、表示領域RG2で選択された計測値の種別名、表示領域RG3に入力された閾値の上限値、および、表示領域RG4に入力された閾値の下限値を関連付けて、第2記憶部302に記憶させる。以上で説明したようにして、閾値変更処理が実行される。
【0030】
図4は、成形管理システム10が実行する、異常通知処理の工程図である。異常通知処理は、射出成形機200から稼動データが送信される毎に実行される。なお、射出成形機200で成形品の成形が開始される前に、第1処理部101は、第2記憶部302から閾値条件情報を取得し、第1記憶部102に記憶させる。
【0031】
ステップS105において、第1処理部101は、射出成形機200から送信された、射出成形機200の稼動データを取得する。第1処理部101は、センサから送信された射出成形機200の稼動データを取得してもよい。
【0032】
ステップS110において、第1処理部101は、閾値条件情報を用いて、ステップS105で取得された射出成形機200の稼動データが、閾値の範囲を超えているか否かを判定する。ここで、稼動データが閾値の範囲を超えているとは、稼動データに含まれる射出成形機200の動作状態の物理量の計測値の上限値が、その計測値に対応する閾値の上限値を上回っている、または、計測値の下限値が、その計測値に対応する閾値の下限値を下回っていることを意味する。例えば、第1処理部101は、射出部の温度の計測値が射出部の温度の閾値の上限値を超えているか否か、射出部の温度の計測値が射出部の温度の閾値の下限値を下回っているか否かを判定する。
【0033】
ステップS110で、稼動データが閾値の範囲を超えていると判定された場合、ステップS115において、第1処理部101は、異常判定情報を生成する。ステップS110で、稼動データが閾値の範囲を超えていないと判定された場合、第1処理部101は異常通知処理を終了させる。
【0034】
異常判定情報は、生成日時情報、射出成形機200の識別情報、計測値の種別名、計測値、および閾値を含む。生成日時情報は、異常判定情報が生成された日付および時刻である。射出成形機200の識別情報は、射出成形機200の名称や、それぞれの射出成形機200に割り当てられたID番号などである。すなわち、異常判定情報は、射出成形機200に関する情報である射出成形機200の識別情報と、射出成形機200で発生した異常の種別に関する情報である計測値の種別名とを含む。
【0035】
ステップS115で生成される異常判定情報に含まれる射出成形機200の識別情報は、ステップS110で稼動データが閾値の範囲を超えたと判定された射出成形機200の識別情報である。ステップS115で生成される異常判定情報に含まれる計測値の種別名は、稼動データが閾値の範囲を超えている計測値の名称である。ステップS115で生成される異常判定情報に含まれる計測値は、稼動データが閾値の範囲を超えている計測値の値である。ステップS115で生成される異常判定情報に含まれる閾値は、稼動データが閾値の範囲を超えている計測値に対応する閾値の値である。
【0036】
異常判定情報は、異常判定の種別名を含んでもよい。異常判定の種別名は、稼動データの挙動に関する情報である。異常判定の種別名は、例えば、管理限界外、連、上昇、下降、交互増減などである。管理限界外は、稼動データが閾値の範囲を超えている場合に適用される。連は、取得された計測値の内、連続する9点が、その物理量の基準となる基準値よりも高い、または、基準値よりも低い場合に適用される。上昇は、取得された計測値の内、連続する6点が、1つ前の計測値より増加している場合に適用される。下降は、取得された計測値の内、連続する6点が、1つ前の計測値より減少している場合に適用される。交互増減は、取得された計測値の内、連続する14点が、交互に増減している場合に適用される。また、異常判定情報は、射出成形機200の稼動データを含んでもよい。
【0037】
ステップS120において、第1取得部110は、ステップS115で生成された異常判定情報を取得する。
【0038】
ステップS125において、第1処理部101は、第1記憶部102に、ステップS115で生成された異常判定情報を有する異常判定履歴情報を記憶させる。言い換えれば、第1処理部101は、第1記憶部102に、異常判定履歴情報のレコードを追加する。
【0039】
異常判定履歴情報は、異常判定情報と、異常判定履歴IDと、異常判定関連コードを含む。異常判定履歴IDは、それぞれの異常判定情報に割り当てられるID番号である。異常判定関連コードは、それぞれの異常判定履歴情報のレコードの関連性を示す情報である。
【0040】
異常判定関連コードは、自身の異常判定履歴情報が有する異常判定履歴ID、または、すでに第1記憶部102に記憶されている異常判定履歴情報が有する異常判定履歴IDである。まず、予め定められた期間に、同一の異常判定情報が生成されていない場合について説明する。同一の異常判定情報とは、ステップS115で生成された異常判定情報に含まれる、射出成形機200の識別情報および計測値の種別名と一致する、射出成形機200の識別情報および計測値の種別名を有する、異常判定情報である。予め定められた期間とは、予め定められた時点から、ステップS115で異常判定情報が生成される時点までの期間である。予め定められた期間は、例えば、ステップS115で異常判定情報が生成される直前の30分間や、ステップS115で異常判定情報が生成される直前の10分間などである。予め定められた期間は、予め第1記憶部102に記憶されていてもよいし、ユーザーによって指定されてもよい。上述した場合、ステップS125で第1記憶部102に記憶される異常判定履歴情報が有する異常判定関連コードは、自身の異常判定履歴情報が有する異常判定履歴IDである。次に、予め定められた期間に、同一の異常判定情報が生成されていた場合について説明する。この場合、ステップS125で第1記憶部102に記憶される異常判定履歴情報が有する異常判定関連コードは、予め定められた期間内で最初に生成された、同一の異常判定情報を有する異常判定履歴情報が有する、異常判定履歴IDである。
【0041】
ステップS130において、第1処理部101は、予め定められた期間に同一の異常判定情報が生成されたか否かを判定する。すなわち、第1処理部101は、ステップS125で第1記憶部102に記憶された異常判定履歴情報が有する異常判定関連コードと同一の異常判定関連コードを有する異常判定履歴情報が、第1記憶部102に記憶されているか否かを判定する。
【0042】
ステップS130で、予め定められた期間に同一の異常判定情報が生成されていないと判定された場合、ステップS135が実行される。ステップS130で、予め定められた期間に同一の異常判定情報が生成されていると判定された場合、第1処理部101は、異常通知処理を終了させる。
【0043】
ステップS135において、第1処理部101は、警告情報を生成する。警告情報は、射出成形機200で異常が発生したことを通知する情報である。警告情報は、異常判定情報と、異常判定履歴IDと、異常判定関連コードを含む。第1処理部101は、ステップS125で第1記憶部102に記憶された異常判定履歴情報に含まれる、異常判定情報と、異常判定履歴IDと、異常判定関連コードを有する警告情報を生成する。
【0044】
ステップS140において、第1処理部101は、ステップS135で生成された警告情報を、クラウドサーバ300へ出力する。第1処理部101は、警告情報と共に、警告情報に含まれる射出成形機200の識別情報に対応する射出成形機200の稼動データを、クラウドサーバ300へ出力してもよい。
【0045】
ステップS145において、クラウドサーバ300の第2処理部301は、ステップS140で出力された警告情報を取得する。
【0046】
ステップS150において、クラウドサーバ300の第2処理部301は、第2記憶部302に、ステップS145で取得された警告情報を、警告履歴情報として記憶させる。言い換えれば、第2処理部301は、第2記憶部302に、警告履歴情報のレコードを追加する。警告履歴情報は、異常判定情報と、異常判定履歴IDと、異常判定関連コードを含む。なお、警告履歴情報は、異常判定関連コードを含まなくてもよい。
【0047】
ステップS155において、第2処理部301は、ステップS145で取得された警告情報を端末装置400へ出力する。このとき、第2処理部301は、異常判定関連コードを除いた警告情報を端末装置400へ出力してもよい。第2処理部301は、警告情報を、電子メールやメッセージなどの形式で端末装置400へ送信する。なお、第2処理部301は、端末装置400から警告音を出力させてもよいし、端末装置400を振動させてもよい。
【0048】
ステップS160において、端末装置400は、ステップS155で出力された警告情報を表示部403に表示させる。
【0049】
図5は、図4に示す異常通知処理のステップS160で端末装置400の表示部403に表示される警告情報通知画面SC2の例を示す図である。図5に示す例では、警告情報通知画面SC2には、クラウドサーバ300から端末装置400へ送信された電子メールの内容が表示されている。警告情報通知画面SC2には、図4に示す異常通知処理のステップS155で出力された警告情報に含まれる、射出成形機200の識別情報および計測値の種別名が表示されている。以上で説明したようにして、異常通知処理が実行される。
【0050】
以下では、時間の間隔をあけて、同じ射出成形機200の識別情報および計測値の種別名を有する複数の異常判定情報が取得された場合に、警告情報が出力されるタイミングについて説明する。
【0051】
図6は、警告情報が出力されるタイミングを説明するタイムチャートである。図6は、1つの異常判定情報が取得された後、第1期間が経過する前に、同じ射出成形機200の識別情報および計測値の種別名を有する異常判定情報が1つ取得され、第1期間が経過した後かつ第2期間が経過する前に、同じ射出成形機200の識別情報および計測値の種別名を有する異常判定情報が1つ取得され、第2期間が経過した後に、同じ射出成形機200の識別情報および計測値の種別名を有する異常判定情報が1つ取得された場合を示している。
【0052】
まず、時刻T1において、成形管理サーバ100の第1取得部110は、異常判定情報である、第1異常情報を取得する。第1取得部110による第1異常情報の取得は、図4に示す異常通知処理のステップS120に対応する。なお、第1取得部110は、時刻T1から第1期間だけ遡った時点から、時刻T1までの期間に、同じ射出成形機200の識別情報および計測値の種別名を有する異常判定情報を、取得していないとする。
【0053】
第1取得部110が第1異常情報を取得した場合、クラウドサーバ300の第1出力部310は、端末装置400に第1警告情報を出力する。第1警告情報は、第1異常情報を含む警告情報である。第1出力部310による第1警告情報の出力は、図4に示す異常通知処理のステップS155に対応する。第1異常情報が取得された場合に第1警告情報が出力される理由は、異常通知処理のステップS130において、第1期間を予め定められた期間として用いた場合、予め定められた期間に同一の異常判定情報が生成されていないと判定されるためである。なお、第1出力部310は、成形管理サーバ100や射出成形機200に第1警告情報を出力してもよい。
【0054】
時刻T2において、第1取得部110は、第2異常情報を取得する。第2異常情報は、第1異常情報に含まれる射出成形機200の識別情報および計測値の種別名を有する異常判定情報である。時刻T2は、時刻T1から第1期間が経過する前の時刻である。すなわち、第1取得部110は、第1異常情報を取得した後、第1異常情報を取得した時点から第1期間が経過する前に、第2異常情報を取得する。第1取得部110による第2異常情報の取得は、図4に示す異常通知処理のステップS120に対応する。
【0055】
第1取得部110が第2異常情報を取得した場合、第1出力部310は、端末装置400に第1警告情報を出力しない。すなわち、図4に示す異常通知処理のステップS155は実行されない。第1取得部110が第2異常情報を取得した場合に第1警告情報が出力されない理由は、異常通知処理のステップS130において、第1期間を予め定められた期間として用いた場合、予め定められた期間に同一の異常判定情報が生成されたと判定されるためである。
【0056】
時刻T3において、第1取得部110は、第3異常情報を取得する。第3異常情報は、第1異常情報に含まれる射出成形機200の識別情報および計測値の種別名を有する異常判定情報である。時刻T3は、時刻T1から第1期間が経過した後、かつ、時刻T1から第2期間が経過する前の時刻である。すなわち、第1取得部110は、第1異常情報を取得した後で、第1異常情報を取得した時点から第1期間が経過した後、かつ、第1異常情報を取得した時点から第2期間が経過する前に、第3異常情報を取得する。第1取得部110による第3異常情報の取得は、図4に示す異常通知処理のステップS120に対応する。
【0057】
第1取得部110が第3異常情報を取得した場合、第1出力部310は、端末装置400に、第1警告情報を出力する。第1出力部310による第1警告情報の出力は、図4に示す異常通知処理のステップS155に対応する。第3異常情報が取得された場合に第1警告情報が出力される理由は、異常通知処理のステップS130において、第1期間を予め定められた期間として用いた場合、予め定められた期間に同一の異常判定情報が生成されていないと判定されるためである。
【0058】
第1取得部110が第3異常情報を取得した場合、クラウドサーバ300の第2出力部320は、端末装置400に第2警告情報を出力しない。第2警告情報は、第1異常情報を含む警告情報である。すなわち、図4に示す異常通知処理のステップS120は実行されない。第1取得部110が第3異常情報を取得した場合に第2警告情報が出力されない理由は、異常通知処理のステップS130において、第2期間を予め定められた期間として用いた場合、予め定められた期間に同一の異常判定情報が生成されたと判定されるためである。
【0059】
時刻T4において、第1取得部110は、第4異常情報を取得する。第4異常情報は、第1異常情報に含まれる射出成形機200の識別情報および計測値の種別名を有する異常判定情報である。時刻T4は、時刻T1から第2期間が経過した後の時刻である。すなわち、第1取得部110は、第1異常情報を取得した後、第1異常情報を取得した時点から第2期間が経過した後で、第4異常情報を取得する。第1取得部110による第4異常情報の取得は、図4に示す異常通知処理のステップS120に対応する。
【0060】
第1取得部110が第4異常情報を取得した場合、クラウドサーバ300の第2出力部320は、第1警告情報の出力先と異なる出力先に、第2警告情報を出力する。すなわち、第2出力部320は、第1警告情報が出力された端末装置400とは異なる端末装置400に、第2警告情報を出力する。なお、成形管理サーバ100または射出成形機200に第1警告情報が出力されていない場合、第2出力部320は、これらに第2警告情報を出力してもよい。第2出力部320による第2警告情報の出力は、図4に示す異常通知処理のステップS155に対応する。第1取得部110が第4異常情報を取得した場合に第2警告情報が出力される理由は、異常通知処理のステップS130において、第2期間を予め定められた期間として用いた場合、予め定められた期間に同一の異常判定情報が生成されていないと判定されるためである。
【0061】
以上で説明した第1実施形態における成形管理システム10によれば、異常通知処理において、異常判定情報が生成されたとしても、予め定められた期間に、同じ射出成形機200の識別情報および計測値の種別名を有する異常判定情報が生成されていると判定された場合は、警告情報が出力されず、射出成形機200で異常が発生したことを示す情報がユーザーに通知されない。予め定められた期間に、同じ射出成形機200の識別情報および計測値の種別名を有する異常判定情報が生成されていないと判定された場合は、警告情報が出力され、射出成形機200で異常が発生したことを示す情報がユーザーに通知される。また、第1異常情報が取得された後、第1異常情報が取得された時点から第1期間が経過する前に第2異常情報が取得された場合、第1警告情報は出力されない。以上で説明したように、本実施形態では、同じ射出成形機200の識別情報および計測値の種別名を有する異常判定情報が取得される毎に、ユーザーに警告情報が通知されることがない。したがって、特定の射出成形機200で特定の種別の異常が発生したことを示す情報が何度もユーザーに通知されないため、特定の射出成形機200で他の種別の異常が発生したことを示す情報や、他の射出成形機200で異常が発生したことを示す情報がユーザーに通知された場合に、これらの情報をユーザーが見落とす可能性を低くできる。
【0062】
また、本実施形態では、特定の射出成形機200で特定の種別の異常が最初に発生した時点で、ユーザーに警告情報が通知される。そのため、特定の射出成形機200で特定の種別の異常が複数回発生した時点でユーザーに警告情報が通知される場合と比べて、射出成形機200で異常が発生したことをユーザーが迅速に気づきやすくできる。
【0063】
また、本実施形態では、第4異常情報が取得された場合に、第2警告情報が、第1警告情報の出力先とは異なる出力先に出力される。そのため、第1警告情報を通知されたユーザーが第1警告情報を見落とした場合でも、別のユーザーに第2警告情報が通知されるため、射出成形機200で異常が発生したことにユーザーが気づきやすくできる。また、第2期間は第1期間より長いため、第3異常情報が取得されて第1警告情報が出力された後に、第2警告情報が出力される。そのため、第2警告情報が通知される頻度は、第1警告情報が通知される頻度よりも低い。したがって、ユーザーによって、異なる頻度で警告情報が通知されるようにできる。例えば、第1警告情報が射出成形機200の管理者に通知され、第2警告情報が射出成形機200を備える工場の管理者に通知される場合、工場の管理者には、射出成形機200の管理者よりも低い頻度で警告情報が通知される。
【0064】
B.第2実施形態:
図7は、第2実施形態における成形管理システム10の概略構成を示す説明図である。第1実施形態では、クラウドサーバ300の第2処理部301は、第1出力部310と第2出力部320を備える。これに対して、第2実施形態では、クラウドサーバ300の第2処理部301は、第1出力部310と、第3取得部330を備える。また、第2実施形態では、端末装置400は、第3処理部401と、第3記憶部402と、表示部403と、を備えるコンピューターとして構成されている。クラウドサーバ300および端末装置400以外の成形管理システム10の各部の構成は、第1実施形態と同じである。第2実施形態では、第2警告情報出力処理は実行されない。以下では、成形管理サーバ100、射出成形機200、および端末装置400をまとめて装置とも呼ぶ。
【0065】
クラウドサーバ300の第3取得部330は、第2処理部301が第2記憶部302に記憶されたプログラムを実行することによって実現される。なお、第3取得部330は回路によって実現されてもよい。
【0066】
第3取得部330は、異常解消情報を取得する。異常解消情報については後述する。
【0067】
端末装置400の第3処理部401は、1つ又は複数のプロセッサーおよび主記憶装置を備えている。第3記憶部402は、ハードディスクドライブなどの補助記憶装置により構成される。表示部403には、各種の画面が表示される。端末装置400としては、例えば、タブレット端末やノート型パソコン、スマートフォン、ハンディターミナルを適用できる。表示部403には、タッチパネル機能が備えられてもよい。
【0068】
第3処理部401は、第2取得部410と、第3出力部420と、を備える。第2取得部410と、第3出力部420は、第3処理部401がプログラムを実行することによって実現される。第2取得部410と、第3出力部420は、成形管理サーバ100または射出成形機200に備えられてもよい。
【0069】
第2取得部410は、警告情報を取得する。
【0070】
第3出力部420は、異常解消情報を出力する。
【0071】
第2実施形態における、図4に示す異常通知処理では、ステップS160において、警告情報通知画面SC3が表示部403に表示される。
【0072】
図8は、警告情報通知画面SC3の例を示す図である。図8に示す例では、警告情報通知画面SC3には、クラウドサーバ300から端末装置400へ送信された電子メールの内容が表示されている。警告情報通知画面SC3には、異常通知処理のステップS155で出力された警告情報に含まれる、射出成形機200の識別情報および計測値の種別名が表示されている。警告情報通知画面SC3には、異常解消ボタンBT2が設けられている。
【0073】
図9は、成形管理システム10が実行する、異常解消処理の工程図である。異常解消処理は、射出成形機200で発生した異常が解消された旨の情報を、記憶部に記憶させる処理である。異常解消処理は、図4に示す異常通知処理のステップS160で警告情報通知画面SC3に表示される射出成形機200の異常が解消された後に、ユーザーが成形管理システム10に対して予め定められた操作を行うことで実行される。
【0074】
ステップS310において、端末装置400は、図8に示す警告情報通知画面SC3の異常解消ボタンBT2の選択を受け付ける。ステップS310において、ユーザーは、警告情報通知画面SC3に表示されている射出成形機200の異常を解消した後に、異常解消ボタンBT2をクリックする。例えば、特定の射出成形機200で、成形型に充填された造形材料の圧力に異常が発生している旨の情報が、警告情報通知画面SC3に表示されている場合について説明する。警告情報通知画面SC3に表示されている射出成形機200の、成形型に充填された造形材料の圧力が、その閾値の上限値を上回っている場合、ユーザーは、溶融部の温度の設定値を高くする、射出部の射出圧力の設定値を低くするなどの対策を実行し、成形型に充填された造形材料の圧力がその閾値の上限値を上回らないことを確認した後で、異常解消ボタンBT2をクリックする。また、警告情報通知画面SC3に表示されている射出成形機200の、成形型に充填された造形材料の圧力が、その閾値の下限値を下回っている場合、ユーザーは、溶融部の温度の設定値を低くする、射出部の射出圧力の設定値を高くするなどの対策を実行し、成形型に充填された造形材料の圧力がその閾値の下限値を下回らないことを確認した後で、異常解消ボタンBT2をクリックする。
【0075】
ステップS320において、端末装置400の第3出力部420は、異常解消情報をクラウドサーバ300へ出力する。異常解消情報は、異常解消ボタンBT2がクリックされた警告情報通知画面SC3に表示されている射出成形機200の異常が解消された旨を表す情報である。上述した例では、異常解消情報は、警告情報通知画面SC3に表示されている射出成形機200の、成形型に充填された造形材料の圧力の異常が解消された旨を表す情報である。ステップS320で出力される異常解消情報は、ステップS310で異常解消ボタンBT2がクリックされた警告情報通知画面SC3に表示されている警告情報の、異常判定履歴IDを含む。
【0076】
ステップS330において、クラウドサーバ300の第3取得部330は、ステップS320で出力された異常解消情報を取得する。
【0077】
ステップS340において、クラウドサーバ300の第2処理部301は、ステップS330で取得された異常解消情報に対応する警告履歴情報のレコードを更新する。第2処理部301は、ステップS330で取得された異常解消情報に含まれる異常判定履歴IDと一致する異常判定関連コードを有する異常判定履歴情報のレコードに、第3取得部330が異常解消情報を取得した日時と、異常解消情報を送信した端末装置400の識別情報を追加する。端末装置400の識別情報は、それぞれの端末装置400に割り当てられるID番号である。すなわち、第2処理部301は、ステップS330で取得された異常解消情報を、その異常解消情報に含まれる異常判定履歴IDと関連する異常判定情報と関連付けて、第2記憶部302に記憶させる。
【0078】
ステップS330において、第3取得部330が、複数の端末装置400から送信された同じ内容の異常解消情報を取得した場合、ステップS340において、第2処理部301は、以下に示す処理を実行する。第2処理部301は、ステップS330で取得された異常解消情報に含まれる異常判定履歴IDと一致する異常判定関連コードを有する異常判定履歴情報のレコードに、第3取得部330が最初に異常解消情報を取得した日時と、第3取得部330が最初に取得した異常解消情報を送信した端末装置400の識別情報を追加する。以上で説明したようにして、異常解消処理が実行される。
【0079】
図10は、第1警告情報に含まれる射出成形機200の異常が解消された旨の情報を記憶部に記憶させる処理である、第1警告情報の異常解消処理の工程図である。
【0080】
ステップS410において、第2取得部410は、図6に示すタイムチャートにおいて時刻T1に出力された第1警告情報、または、時刻T3に出力された第1警告情報を取得する。
【0081】
ステップS421において、第3出力部420は、時刻T1または時刻T3に出力された第1警告情報に含まれる、射出成形機200および異常の種別に関する異常解消情報を出力する。ステップS421は、図9に示す異常解消処理のステップS320に対応する。
【0082】
ステップS422において、第3取得部330は、ステップS421で出力された異常解消情報を取得する。ステップS422は、図9に示す異常解消処理のステップS330に対応する。
【0083】
ステップS423において、第2処理部301は、図6に示すタイムチャートにおいて時刻T1に取得された第1異常情報、時刻T2に取得された第2異常情報、時刻T3に取得された第3異常情報の少なくともいずれか1つと、ステップS422で取得された異常解消情報を関連づけて第2記憶部302に記憶させる。ステップS423は、図9に示す異常解消処理のステップS340に対応する。
【0084】
以上で説明した第2実施形態における成形管理システム10によれば、異常解消処理において、ユーザーが警告情報通知画面SC3に設けられた異常解消ボタンBT2をクリックした場合に、警告情報通知画面SC3に表示されている警告情報に関する異常解消情報が、その異常解消情報に含まれる異常判定履歴IDと関連する異常判定情報と関連付けて、第2記憶部302に記憶される。そのため、ユーザーが警告情報通知画面SC3に設けられた異常解消ボタンBT2をクリックした場合に、警告情報通知画面SC3に表示されている射出成形機200の異常が解消された旨の情報を、記憶部に記憶させることができる。また、第1警告情報の異常解消処理において、第1異常情報、第2異常情報、第3異常情報の少なくともいずれか1つと、異常解消情報が、関連付けて第2記憶部302に記憶される。そのため、第1異常情報、第2異常情報、および第3異常情報に含まれる射出成形機200の異常が解消された旨の情報を、記憶部に記憶させることができる。
【0085】
C.第3実施形態:
図11は、第3実施形態における成形管理システム10の概略構成を示す説明図である。第2実施形態では、クラウドサーバ300の第2処理部301は、第1出力部310と、第3取得部330と、を備える。これに対して、第3実施形態では、クラウドサーバ300の第2処理部301は、第1出力部310と、入力部340と、を備える。また、第2実施形態では、端末装置400の第3処理部401は、第2取得部410と、第3出力部420と、を備える。これに対して、第3実施形態では、端末装置400の第3処理部401は、第2取得部410と、第4取得部430と、を備える。クラウドサーバ300および端末装置400以外の成形管理システム10の各部の構成は、第2実施形態と同じである。
【0086】
クラウドサーバ300の入力部340は、第2処理部301が第2記憶部302に記憶されたプログラムを実行することによって実現される。なお、入力部340は回路によって実現されてもよい。
【0087】
入力部340は、装置に対する、異常解消情報の入力を受け付ける。
【0088】
端末装置400の第4取得部430は、第3処理部401がプログラムを実行することによって実現される。なお、第4取得部430は回路によって実現されてもよい。また、第2取得部410と、第4取得部430と、表示部403は、成形管理サーバ100または射出成形機200に備えられてもよい。
【0089】
第4取得部430は、第2取得部410が取得した第1警告情報に含まれる射出成形機200の、稼動データの閾値に関する情報を前記記憶部から取得する。
【0090】
図12は、第3実施形態で実行される、第1警告情報の異常解消処理の工程図である。なお、図9に示す第2実施形態の第1警告情報の異常解消処理と同じ処理が実行される部分については、同一の符号を付記し、説明を省略する。
【0091】
ステップS431において、端末装置400の第4取得部430は、ステップS410で取得された第1警告情報に含まれる射出成形機200の稼動データに関する閾値条件情報を、クラウドサーバ300の第2記憶部302から取得する。
【0092】
ステップS432において、端末装置400の第3処理部401は、ステップS410で取得された第1警告情報と、ステップS431で取得された閾値条件情報を、表示部403に表示させる。
【0093】
図13は、ステップS432で表示部403に表示される、警告情報通知画面SC4の例を示す図である。図13に示す例では、警告情報通知画面SC4には、クラウドサーバ300から端末装置400へ送信された電子メールの内容が表示されている。警告情報通知画面SC4には、ステップS410で取得された第1警告情報に含まれる、射出成形機200の識別情報および計測値の種別名が表示されている。警告情報通知画面SC4には、閾値表示領域RG11と、異常解消ボタンBT2が設けられている。閾値表示領域RG11には、ステップS431で取得された閾値条件情報が表示されている。図13では、閾値表示領域RG11には、射出部の温度、射出圧力、成形型の温度のそれぞれについて、閾値の上限値および閾値の下限値が表示されている。なお、警告情報通知画面SC4には、閾値の上限値および閾値の下限値に加えて、計測値が表示されてもよい。例えば、射出部の温度の計測値がその閾値の下限値を下回っている場合、ユーザーは、ヒーターの断線を予測することができる。また、射出部の温度の計測値がその上限値を上回っている場合、ユーザーは、樹脂の過加熱を予測することができる。
【0094】
図12に示す第1警告情報の異常解消処理のステップS433において、クラウドサーバ300の入力部340は、端末装置400に対する異常解消情報の入力を受け付ける。ユーザーが警告情報通知画面SC4に表示されている異常解消ボタンBT2をクリックした場合、端末装置400の第3処理部401は、異常解消情報をクラウドサーバ300へ送信する。入力部340は、ユーザーが警告情報通知画面SC4に表示されている異常解消ボタンBT2をクリックした場合に、異常解消情報の入力を受け付ける。ステップS433は、図9に示す異常解消処理のステップS310およびステップS320に対応する。
【0095】
ステップS434において、クラウドサーバ300の第2処理部301は、図6に示すタイムチャートの時刻T1に取得された第1異常情報、時刻T2に取得された第2異常情報、時刻T3に取得された第3異常情報の少なくともいずれか1つと、ステップS433で受け付けた異常解消情報を関連づけて第2記憶部302に記憶させる。ステップS440は、図9に示す異常解消処理のステップS340に対応する。
【0096】
以上で説明した第3実施形態における成形管理システム10によれば、第1警告情報の異常解消処理において、ユーザーが警告情報通知画面SC4に設けられた異常解消ボタンBT2をクリックした場合に、第1異常情報、第2異常情報、第3異常情報の少なくともいずれか1つと、警告情報通知画面SC4に表示されている射出成形機200の異常に関する異常解消情報が、関連づけて第2記憶部302に記憶される。そのため、ユーザーが警告情報通知画面SC4に設けられた異常解消ボタンBT2をクリックした場合に、警告情報通知画面SC4に表示されている射出成形機200の異常が解消された旨の情報を、記憶部に記憶させることができる。また、警告情報通知画面SC4には、第1警告情報に含まれる射出成形機200に関する閾値条件情報が表示されているため、ユーザーは、射出成形機200の稼動データの閾値を確認しつつ、第1警告情報に含まれる射出成形機200で発生した異常を解消できる。
【0097】
D.第4実施形態:
第4実施形態における成形管理システム10の構成は、第3実施形態と同じである。
【0098】
図14は、第4実施形態で実行される、第1警告情報の異常解消処理の工程図である。なお、図12に示す第3実施形態の第1警告情報の異常解消処理と同じ処理が実行される部分については、同一の符号を付記し、説明を省略する。
【0099】
ステップS441において、端末装置400の第3処理部401は、ステップS410で取得された第1警告情報と、ステップS431で取得された閾値条件情報を、表示部403に表示させる。
【0100】
図15は、ステップS441で表示部403に表示される、警告情報通知画面SC5の例を示す図である。図15に示す例では、警告情報通知画面SC5には、クラウドサーバ300から端末装置400へ送信された電子メールの内容が表示されている。警告情報通知画面SC5には、ステップS410で取得された第1警告情報に含まれる、射出成形機200の識別情報および計測値の種別名が表示されている。警告情報通知画面SC5には、閾値表示領域RG11が設けられている。また、警告情報通知画面SC5には、閾値条件設定画面SC6へのリンクL1が表示されている。
【0101】
図14のステップS442において、第3処理部401は、ユーザーが警告情報通知画面SC5に表示されているリンクL1をクリックした場合に、閾値条件設定画面SC6を表示部403に表示させる。
【0102】
図16は、閾値条件設定画面SC6を示す図である。閾値条件設定画面SC6は、射出成形機200の稼動データの閾値に関する情報を更新可能とする画面である。閾値条件設定画面SC6には、成形品の品目の名称が表示される表示領域RG1、計測値の種別名が表示される表示領域RG2、閾値の上限値が表示される表示領域RG3、閾値の下限値が表示される表示領域RG4、確定ボタンBT1、および、異常解消ボタンBT2が設けられている。なお、閾値条件設定画面SC6には、射出成形機200の稼動データの計測値が表示されてもよい。
【0103】
図14のステップS443において、クラウドサーバ300の第2処理部301は、閾値条件設定画面SC6の表示領域RG1から表示領域RG4に対する情報の入力を受け付ける。ユーザーは、端末装置400の表示部403に表示される閾値条件設定画面SC6の、表示領域RG1において、第1警告情報に含まれる射出成形機200で成形されている成形品の品目を選択し、表示領域RG2において、第1警告情報に含まれる計測値の種別名を選択する。ユーザーは、表示領域RG3および表示領域RG4において、表示領域RG1および表示領域RG2で選択した品目の計測値の種別に対応する、閾値の上限値および閾値の下限値を変更し、確定ボタンBT1をクリックする。なお、ユーザーは、閾値の上限値または閾値の下限値を変更しなくてもよい。ユーザーは、例えば、第1警告情報が出力された場合に、第1警告情報に含まれる射出成形機200で成形された成形品、すなわち、稼動データが閾値を超えている状態で成形された成形品が、検査において不良品ではないと判定された場合に、第1警告情報に含まれる計測値の種別名の稼動データの閾値を変更する。
【0104】
図14のステップS444において、クラウドサーバ300の第2処理部301は、閾値条件設定画面SC6の表示領域RG1で選択された成形品の品目名、表示領域RG2で選択された計測値の種別名、表示領域RG3に入力された閾値の上限値、および、表示領域RG4に入力された閾値の下限値を関連付けて、第2記憶部302に記憶させる。
【0105】
ステップS433において、クラウドサーバ300の入力部340は、端末装置400に対する異常解消情報の入力を受け付ける。ユーザーが閾値条件設定画面SC6に表示されている異常解消ボタンBT2をクリックした場合、端末装置400の第3処理部401は、異常解消情報をクラウドサーバ300へ送信する。入力部340は、ユーザーが閾値条件設定画面SC6に表示されている異常解消ボタンBT2をクリックした場合に、異常解消情報の入力を受け付ける。すなわち、閾値条件設定画面SC6では、第1警告情報に含まれる、射出成形機200および異常の種別に関する異常解消情報の入力が可能である。
【0106】
以上で説明した第4実施形態における成形管理システム10によれば、警告情報通知画面SC5には、閾値条件設定画面SC6へのリンクL1が設けられている。閾値条件設定画面SC6では、射出成形機200の稼動データの閾値に関する情報の更新が可能である。また、閾値条件設定画面SC6には、異常解消ボタンBT2が設けられている。そのため、閾値条件設定画面SC6において、ユーザーが射出成形機200の稼動データの閾値を更新し、異常解消ボタンBT2をクリックすることで、警告情報通知画面SC5に表示されている射出成形機200の異常が解消された旨の情報を、記憶部に記憶させることができる。
【0107】
E.第5実施形態:
図17は、第5実施形態における成形管理システム10の概略構成を示す説明図である。第5実施形態では、成形管理システム10は、取出装置510、成形型温度調整装置520、乾燥装置530、材料供給装置540、検査装置550をさらに備える。取出装置510、成形型温度調整装置520、乾燥装置530、材料供給装置540、および検査装置550を、まとめて周辺機器500とも呼ぶ。周辺機器500は、射出成形機200に接続されている。なお、周辺機器500は、成形管理サーバ100とネットワークNTを介して相互に通信可能に構成されていてもよい。図17には、成形管理システム10が1台の射出成形機200を備える例が示されているが、成形管理システム10は、複数台の射出成形機200を備えてもよい。また、成形管理システム10は、それぞれの周辺機器500を複数台ずつ備えてもよい。
【0108】
取出装置510は、射出成形機200の成形型から成形が完了した成形品を取り出す装置である。成形型温度調整装置520は、射出成形機200に装着された成形型の温度を調整する装置である。乾燥装置530は、射出成形機200で使用される材料を乾燥させる装置である。材料供給装置540は、射出成形機200に材料を供給する装置である。検査装置550は、射出成形機200で成形された成形品を検査する装置である。なお、成形管理システム10は、上述した周辺機器500の内、少なくともいずれか1つを備えていればよい。
【0109】
周辺機器500は、周辺機器500に異常が発生した場合、周辺機器500で発生した異常に関する情報である、周辺機器異常情報を、射出成形機200の第1制御部211を介して成形管理サーバ100に送信する。周辺機器異常情報は、異常が発生した周辺機器500に接続されている射出成形機200の識別情報と、異常が発生した周辺機器500の識別情報と、周辺機器500で発生した異常の種別名を含む。
【0110】
周辺機器500の識別情報は、周辺機器500の名称や、それぞれの周辺機器500に割り当てられたID番号などである。周辺機器500が取出装置510の場合、周辺機器500で発生した異常の種別名は、成形品の取り出し失敗や、動作不良などである。周辺機器500が成形型温度調整装置520の場合、周辺機器500で発生した異常の種別名は、成形型の温度調整ができないことや、動作不良などである。周辺機器500が乾燥装置530の場合、周辺機器500で発生した異常の種別名は、装置内に材料がないことや、動作不良などである。周辺機器500が材料供給装置540の場合、周辺機器500で発生した異常の種別名は、装置内に材料がないことや、材料の詰まり、動作不良などである。周辺機器500が検査装置550の場合、周辺機器500で発生した異常の種別名は、装置内に成形品がないことや、成形品が不良品と判定されたこと、動作不良などである。すなわち、周辺機器異常情報は、射出成形機200に関する情報である射出成形機200の識別情報と、射出成形機200の周辺機器500に関する情報である周辺機器500の識別情報と、射出成形機200の周辺機器500で発生した異常に関する情報である周辺機器500で発生した異常の種別名を含む。
【0111】
第1実施形態では、成形管理サーバ100の第1処理部101は、第1取得部110を備える。これに対して、第5実施形態では、第1処理部101は、第1取得部110と、第5取得部120と、を備える。また、第1実施形態では、クラウドサーバ300の第2処理部301は、第1出力部310と第2出力部320を備える。これに対して、第2実施形態では、第2処理部301は、第1出力部310と、第4出力部350を備える。射出成形機200、センサ、および端末装置400の構成は、第1実施形態と同じである。第5実施形態では、第2警告情報出力処理は実行されない。
【0112】
第5取得部120は、第1処理部101が第1記憶部102に記憶されたプログラムを実行することによって実現される。なお、第5取得部120は回路によって実現されてもよい。
【0113】
第5取得部120は、周辺機器異常情報を取得する。
【0114】
第4出力部350は、第2処理部301が第2記憶部302に記憶されたプログラムを実行することによって実現される。なお、第4出力部350は回路によって実現されてもよい。
【0115】
第4出力部350は、第3警告情報を出力する。第3警告情報は、射出成形機200の周辺機器500で異常が発生したことを通知する情報である。
【0116】
図18は、成形管理システム10が実行する、周辺機器異常通知処理の工程図である。周辺機器異常通知処理は、周辺機器500から周辺機器異常情報が送信される毎に実行される。
【0117】
ステップS505において、第1処理部101は、射出成形機200から送信された、周辺機器異常情報を取得する。
【0118】
ステップS510において、第1処理部101は、第1記憶部102に、ステップS505で取得された周辺機器異常情報を有する異常判定履歴情報を記憶させる。言い換えれば、第1処理部101は、第1記憶部102に、異常判定履歴情報のレコードを追加する。
【0119】
異常判定履歴情報は、周辺機器異常情報と、異常判定履歴IDと、異常判定関連コードを含む。異常判定履歴IDは、それぞれの周辺機器異常情報に割り当てられるID番号である。
【0120】
異常判定関連コードは、自身の異常判定履歴情報が有する異常判定履歴ID、または、すでに第1記憶部102に記憶されている異常判定履歴情報が有する異常判定履歴IDである。まず、予め定められた期間に、同一の周辺機器異常情報が取得されていない場合の異常判定関連コードについて説明する。同一の周辺機器異常情報とは、ステップS505で取得された周辺機器異常情報に含まれる、射出成形機200の識別情報、周辺機器500の識別情報、および異常の種別名と一致する、射出成形機200の識別情報、周辺機器500の識別情報、および異常の種別名を有する、周辺機器異常情報である。予め定められた期間とは、予め定められた時点から、ステップS505で周辺機器異常情報が取得される時点までの期間である。上述した場合、ステップS510で第1記憶部102に記憶される異常判定履歴情報が有する異常判定関連コードは、自身の異常判定履歴情報が有する異常判定履歴IDである。次に、予め定められた期間に、同一の周辺機器異常情報が取得されていた場合について説明する。この場合、ステップS510で第1記憶部102に記憶される異常判定履歴情報が有する異常判定関連コードは、予め定められた期間内で最初に生成された、同一の周辺機器異常情報を有する異常判定履歴情報が有する、異常判定履歴IDである。
【0121】
ステップS515において、第1処理部101は、予め定められた期間に同一の周辺機器異常情報が取得されたか否かを判定する。すなわち、第1処理部101は、ステップS510で第1記憶部102に記憶された異常判定履歴情報が有する異常判定関連コードと同一の異常判定関連コードを有する異常判定履歴情報が、第1記憶部102に記憶されているか否かを判定する。
【0122】
ステップS515で、予め定められた期間に同一の周辺機器異常情報が取得されていないと判定された場合、ステップS520において、第1処理部101は、周辺機器警告情報を生成する。周辺機器警告情報は、周辺機器500で異常が発生したことを通知する情報である。周辺機器警告情報は、周辺機器異常情報と、異常判定履歴IDと、異常判定関連コードを含む。第1処理部101は、ステップS510で第1記憶部102に記憶された異常判定履歴情報に含まれる、周辺機器異常情報と、異常判定履歴IDと、異常判定関連コードを有する周辺機器警告情報を生成する。ステップS515で、予め定められた期間に同一の周辺機器異常情報が取得されたと判定された場合、第1処理部101は、周辺機器異常通知処理を終了させる。
【0123】
ステップS525において、第1処理部101は、ステップS520で生成された周辺機器警告情報を、クラウドサーバ300へ出力する。
【0124】
ステップS530において、クラウドサーバ300の第2処理部301は、ステップS525で送信された周辺機器警告情報を取得する。
【0125】
ステップS535において、クラウドサーバ300の第2処理部301は、第2記憶部302に、ステップS530で取得された周辺機器警告情報を、警告履歴情報として記憶させる。言い換えれば、第2処理部301は、第2記憶部302に、警告履歴情報のレコードを追加する。警告履歴情報は、周辺機器異常情報と、異常判定履歴IDと、異常判定関連コードを含む。なお、警告履歴情報は、異常判定関連コードを含まなくてもよい。
【0126】
ステップS540において、第2処理部301は、ステップS530で取得された周辺機器警告情報を端末装置400へ出力する。このとき、第2処理部301は、異常判定関連コードを除いた周辺機器警告情報を端末装置400へ出力してもよい。第2処理部301は、周辺機器警告情報を、電子メールやメッセージなどの形式で端末装置400へ送信する。なお、第2処理部301は、端末装置400から警告音を出力させてもよいし、端末装置400を振動させてもよい。
【0127】
ステップS545において、端末装置400は、ステップS540で出力された周辺機器警告情報を表示部403に表示させる。
【0128】
図19は、図18に示す周辺機器異常通知処理のステップS545で端末装置400の表示部403に表示される周辺機器警告情報通知画面SC7の例を示す図である。図19に示す例では、周辺機器警告情報通知画面SC7には、クラウドサーバ300から端末装置400へ送信された電子メールの内容が表示されている。周辺機器警告情報通知画面SC7には、ステップS540で出力された周辺機器警告情報に含まれる、周辺機器500の識別情報および異常の種別名が表示されている。以上で説明したようにして、周辺機器異常通知処理が実行される。
【0129】
以下では、時間の間隔をあけて、同じ射出成形機200の識別情報、周辺機器500の識別情報、および異常の種別名を有する複数の周辺機器異常情報が取得された場合に、成形管理システム10が実行する処理について説明する。
【0130】
図20は、警告情報が出力されるタイミングを説明するタイムチャートである。図20は、1つの周辺機器異常情報が取得された後、第3期間が経過する前に、同じ射出成形機200の識別情報、周辺機器500の識別情報、および異常の種別名を有する周辺機器異常情報が1つ取得され、第3期間が経過した後に、同じ射出成形機200の識別情報、周辺機器500の識別情報、および異常の種別名を有する周辺機器異常情報が1つ取得された場合を示している。
【0131】
まず、時刻T5において、成形管理サーバ100の第5取得部120は、周辺機器異常情報である、第5異常情報を取得する。第5取得部120による第5異常情報の取得は、図18に示す周辺機器異常通知処理のステップS505に対応する。なお、第5取得部120は、時刻T5から第3期間だけ遡った時点から、時刻T5までの期間に、同じ射出成形機200の識別情報、周辺機器500の識別情報、および異常の種別名を有する周辺機器異常情報を、取得していないとする。
【0132】
第5取得部120が第5異常情報を取得した場合、クラウドサーバ300の第4出力部350は、端末装置400に第3警告情報を出力する。第3警告情報は、第5異常情報を含む周辺機器警告情報である。第4出力部350による第3警告情報の出力は、図18に示す異常通知処理のステップS540に対応する。第5異常情報が取得された場合に第3警告情報が出力される理由は、周辺機器異常通知処理のステップS515において、第3期間を予め定められた期間として用いた場合、予め定められた期間に同一の周辺機器異常情報が生成されていないと判定されるためである。なお、第4出力部350は、成形管理サーバ100や射出成形機200に第3警告情報を出力してもよい。
【0133】
時刻T6において、第5取得部120は、第6異常情報を取得する。第6異常情報は、第5異常情報に含まれる射出成形機200の識別情報、周辺機器500の識別情報、および異常の種別名を有する周辺機器異常情報である。時刻T6は、時刻T5から第3期間が経過する前の時刻である。すなわち、第5取得部120は、第5異常情報を取得した後、第5異常情報を取得した時点から第3期間が経過する前に、第6異常情報を取得する。第5取得部120による第6異常情報の取得は、図18に示す周辺機器異常通知処理のステップS505に対応する。
【0134】
第5取得部120が第6異常情報を取得した場合、クラウドサーバ300の第4出力部350は、端末装置400に第3警告情報を出力しない。すなわち、図18に示す周辺機器異常通知処理のステップS540は実行されない。第5取得部120が第6異常情報を取得した場合に第3警告情報が出力されない理由は、周辺機器異常通知処理のステップS515において、第3期間を予め定められた期間として用いた場合、予め定められた期間に同一の周辺機器異常情報が生成されたと判定されるためである。
【0135】
時刻T7において、第5取得部120は、第7異常情報を取得する。第7異常情報は、第5異常情報に含まれる射出成形機200の識別情報、周辺機器500の識別情報、および異常の種別名を有する周辺機器異常情報である。時刻T7は、時刻T5から第3期間が経過した後の時刻である。すなわち、第5取得部120は、第5異常情報を取得した後、第5異常情報を取得した時点から第3期間が経過した後で、第7異常情報を取得する。第5取得部120による第7異常情報の取得は、図18に示す周辺機器異常通知処理のステップS505に対応する。
【0136】
第5取得部120が第7異常情報を取得した場合、クラウドサーバ300の第4出力部350は、端末装置400に、第3警告情報を出力する。第4出力部350による第3警告情報の出力は、図18に示す異常通知処理のステップS540に対応する。第7異常情報が取得された場合に第3警告情報が出力される理由は、周辺機器異常通知処理のステップS515において、第3期間を予め定められた期間として用いた場合、予め定められた期間に同一の周辺機器異常情報が生成されていないと判定されるためである。
【0137】
以上で説明した第5実施形態における成形管理システム10によれば、周辺機器異常通知処理において、周辺機器異常情報が取得されたとしても、予め定められた期間に、同じ射出成形機200の識別情報、周辺機器500の識別情報、および異常の種別名を有する周辺機器異常情報が取得されていると判定された場合は、周辺機器警告情報が出力されず、周辺機器500で異常が発生したことを示す情報がユーザーに通知されない。予め定められた期間に、同じ射出成形機200の識別情報、周辺機器500の識別情報、および異常の種別名を有する周辺機器異常情報が取得されていないと判定された場合は、周辺機器警告情報が出力され、周辺機器500で異常が発生したことを示す情報がユーザーに通知される。また、第5異常情報が取得された後、第5異常情報が取得された時点から第3期間が経過する前に第6異常情報が取得された場合、第3警告情報は出力されない。そのため、同じ射出成形機200の識別情報、周辺機器500の識別情報、および異常の種別名を有する周辺機器異常情報が取得される毎に、ユーザーに周辺機器警告情報が通知されることがない。したがって、特定の周辺機器500で特定の種別の異常が発生したことを示す情報が何度もユーザーに通知されないため、特定の周辺機器500で他の種別の異常が発生したことを示す情報や、他の周辺機器500で異常が発生したことを示す情報がユーザーに通知された場合に、これらの情報をユーザーが見落とす可能性を低くできる。
【0138】
また、本実施形態では、特定の周辺機器500で特定の種別の異常が最初に発生した時点で、ユーザーに周辺機器警告情報が通知される。そのため、特定の周辺機器500で特定の種別の異常が複数回発生した時点でユーザーに周辺機器警告情報が通知される場合と比べて、周辺機器500で異常が発生したことをユーザーが迅速に気づきやすくできる。
【0139】
F.第6実施形態:
図21は、第6実施形態における成形管理システム10の概略構成を示す説明図である。第1実施形態では、成形管理サーバ100が、異常判定情報を生成する。これに対して、第6実施形態では、射出成形機200が、射出成形機200の稼動データおよび稼動データの閾値に関する情報に基づいて、異常判定情報を生成する。
【0140】
また、第1実施形態では、成形管理システム10の第1処理部101は、第1取得部110を備える。これに対して、第6実施形態では、第1処理部101は、第6取得部130をさらに備える。また、第1実施形態では、クラウドサーバ300の第2処理部301は、第1出力部310と、第2出力部320と、を備える。これに対して、第6実施形態では、第2処理部301は、第1出力部310を備える。射出成形機200、成形管理サーバ100、およびクラウドサーバ以外の成形管理システム10の各部の構成は、第1実施形態と同じである。第6実施形態では、第2警告情報出力処理は実行されない。
【0141】
第6取得部130は、第1処理部101が第1記憶部102に記憶されたプログラムを実行することによって実現される。なお、第6取得部130は回路によって実現されてもよい。
【0142】
第6取得部130は、射出成形機200から稼動データを取得する。
【0143】
図22は、第6実施形態で実行される異常通知処理の工程図である。第6実施形態では、異常通知処理は、射出成形機200から異常判定情報が送信される毎に実行される。なお、射出成形機200で成形品の成形が開始される前に、射出成形機200の第1制御部211は、クラウドサーバ300の第2記憶部302から閾値条件情報を取得し、図示しない記憶装置に記憶させる。なお、図4に示す第1実施形態の異常通知処理と同じ処理が実行される部分については、同一の符号を付記し、説明を省略する。
【0144】
ステップS701において、射出成形機200の第1制御部211は、射出成形機200の稼動データが閾値の範囲を超えている場合、異常判定情報を生成する。第1制御部211は、生成した異常判定情報を、成形管理サーバ100に送信する。
【0145】
ステップS702において、第1取得部110は、ステップS701で生成された異常判定情報を射出成形機200から取得する。
【0146】
ステップS703において、第6取得部130は、ステップS702で取得された異常判定情報に含まれる射出成形機200から、ステップS701での異常判定情報の生成に関連しない稼動データを取得する。具体的には、ステップS701で、射出部の温度の異常に関する異常判定情報が生成された場合、ステップS703において、第6取得部130は、射出部の温度以外の稼動データを、同じ射出成形機200から取得する。射出部の温度以外の稼動データは、射出圧力のデータや、成形型の温度のデータなどである。すなわち、第6取得部130は、第1取得部110が射出成形機200から異常判定情報を取得する毎に、異常判定情報の生成に関連しない稼動データを取得する。第6取得部130は、射出成形機200から取得した稼動データを、第1記憶部102に記憶させる。
【0147】
図23は、第6実施形態において警告情報が出力されるタイミングを説明するタイムチャートである。なお、図6に示す第1実施形態のタイムチャートと同じ部分については、説明を省略する。第6実施形態では、第4異常情報は取得されない。
【0148】
時刻T1に第1異常情報が取得された場合、第6取得部130は、第1取得部110が第1異常情報を取得した射出成形機200から、第1異常情報の生成に関連しない稼動データを取得する。第6取得部130による第1異常情報の生成に関連しない稼動データの取得は、図22に示す異常通知処理のステップS703に対応する。すなわち、第6取得部130は、第1取得部110が第1異常情報を取得する毎に、第1異常情報に含まれる射出成形機200から、第1異常情報の生成に関連しない稼動データを取得する。
【0149】
なお、第6取得部130は、第1取得部110が第2異常情報を取得する毎に、第2異常情報に含まれる射出成形機200から、第2異常情報の生成に関連しない稼動データを取得してもよいし、第1取得部110が第3異常情報を取得する毎に、第3異常情報に含まれる射出成形機200から、第3異常情報の生成に関連しない稼動データを取得してもよい。
【0150】
以上で説明した第6実施形態における成形管理システム10によれば、射出成形機200が異常判定情報を生成し、第1取得部110が射出成形機200から異常判定情報を取得する毎に、第6取得部130が、射出成形機200から異常判定情報の生成に関連しない稼動データを取得する。また、第1取得部110が第1異常情報を取得する毎に、第6取得部130が、第1異常情報に含まれる射出成形機200から、第1異常情報の生成に関連しない稼動データを取得する。そのため、射出成形機200で成形品の成形が完了する毎に、成形管理サーバ100が射出成形機200から稼動データを取得する場合に比べて、取得する稼動データのサイズを小さくできるため、成形管理サーバ100と射出成形機200の通信負荷を軽減できる。
【0151】
G.第7実施形態:
図24は、第7実施形態における成形管理システム10の概略構成を示す説明図である。第7実施形態では、成形管理サーバ100の第1処理部101は、第7取得部140と、生成部150と、をさらに備える。また、第1実施形態では、クラウドサーバ300の第2処理部301は、第1出力部310と、第2出力部320と、を備える。これに対して、第7実施形態では、第2処理部301は、第1出力部310を備える。成形管理サーバ100とクラウドサーバ300以外の成形管理システム10の各部の構成は、第1実施形態と同じである。第7実施形態では、第2警告情報出力処理は実行されない。
【0152】
第7取得部140と生成部150は、第1処理部101が第1記憶部102に記憶されたプログラムを実行することによって実現される。なお、これらは回路によって実現されてもよい。
【0153】
第7取得部140は、射出成形機200から稼動データを取得する。
【0154】
生成部150は、第7取得部140が取得した稼動データおよび稼動データの閾値に関する情報に基づいて、異常判定情報を生成する。
【0155】
以下では、図4を用いて、第7実施形態で実行される異常通知処理について説明する。なお、第1実施形態で実行される異常通知処理と同じ処理が実行される部分は、説明を省略する。
【0156】
第7実施形態では、異常通知処理のステップS105において、第7取得部140が、射出成形機200から送信された、射出成形機200の稼動データを取得する。
【0157】
第7実施形態では、異常通知処理のステップS110で、稼動データが閾値の範囲を超えていると判定された場合、ステップS115において、生成部150が、異常判定情報を生成する。
【0158】
図6に示すタイムチャートにおいて、時刻T1に取得される第1異常情報は、生成部150によって生成された異常判定情報である。なお、時刻T2に取得される第2異常情報、および、時刻T3に取得される第3異常情報も、生成部150によって生成された異常判定情報であってもよい。
【0159】
以上で説明した第7実施形態における成形管理システム10によれば、第7取得部140によって射出成形機200から取得された稼動データが閾値の範囲を超えていると判定された場合、生成部150が、異常判定情報を生成する。また、第1異常情報は、生成部150によって生成された異常判定情報である。そのため、第1実施形態における成形管理システム10と同様にして、同じ射出成形機200の識別情報および計測値の種別名を有する異常判定情報が取得される毎に、ユーザーに警告情報が通知されることがない。したがって、特定の射出成形機200で特定の種別の異常が発生したことを示す情報が何度もユーザーに通知されないため、特定の射出成形機200で他の種別の異常が発生したことを示す情報や、他の射出成形機200で異常が発生したことを示す情報がユーザーに通知された場合に、これらの情報をユーザーが見落とす可能性を低くできる。
【0160】
H.第8実施形態:
図25は、第8実施形態における成形管理システム10の概略構成を示す説明図である。第2実施形態では、クラウドサーバ300の第2処理部301は、第1出力部310と、第3取得部330と、を備える。これに対して、第8実施形態では、クラウドサーバ300の第2処理部301は、第1出力部310を備える。また、第2実施形態では、端末装置400の第3処理部401は、第2取得部410と、第3出力部420と、を備える。これに対して、第8実施形態では、端末装置400の第3処理部401は、第8取得部440と、第5出力部450と、を備える。また、第2実施形態では、成形管理サーバ100の第1記憶部102に異常判定履歴情報が記憶され、クラウドサーバ300の第2記憶部302に閾値条件情報と警告履歴情報が記憶される。これに対して、第8実施形態では、クラウドサーバ300の第2記憶部302に閾値条件情報が記憶され、端末装置400の第3記憶部402に異常判定履歴情報が記憶される。成形管理サーバ100、クラウドサーバ300、および端末装置400以外の成形管理システム10の各部の構成は、第2実施形態と同じである。成形管理サーバ100と、クラウドサーバ300を、まとめてサーバとも呼ぶ。
【0161】
第8取得部440と、第5出力部450は、第3処理部401がプログラムを実行することによって実現される。
【0162】
第8取得部440は、警告情報を取得する。
【0163】
第5出力部450は、警告通知情報を出力する。警告通知情報は、射出成形機200で異常が発生したことを通知する情報である。
【0164】
図26は、第8実施形態で実行される異常通知処理の工程図である。なお、図4に示す第1実施形態の異常通知処理と同じ処理が実行される部分については、同一の符号を付記し、説明を省略する。
【0165】
第8実施形態では、ステップS120で異常判定情報が取得された後に、ステップS135において、警告情報が生成される。ステップS135で生成される警告情報は、ステップS120で取得された異常判定情報と、警告情報が生成された日時に関する情報を含む。
【0166】
第8実施形態では、ステップS145でクラウドサーバ300の第2処理部301が警告情報を取得した後で、ステップS155において、第1出力部310が、端末装置400に警告情報を出力する。
【0167】
ステップS801において、端末装置400の第8取得部440は、ステップS155で出力された警告情報を取得する。
【0168】
ステップS802において、端末装置400の第3処理部401は、第3記憶部402に、ステップS801で取得された警告情報に含まれる異常判定情報を、異常判定履歴情報として記憶させる。言い換えれば、第3処理部401は、第3記憶部402に、異常判定履歴情報のレコードを追加する。異常判定履歴情報は、異常判定情報と、異常判定履歴IDと、異常判定関連コードを含む。
【0169】
異常判定関連コードは、自身の異常判定履歴情報が有する異常判定履歴ID、または、すでに第3記憶部402に記憶されている異常判定履歴情報が有する異常判定履歴IDである。まず、予め定められた期間に、同一の警告情報が取得されていない場合について説明する。同一の警告情報とは、ステップS801で取得された警告情報に含まれる、射出成形機200の識別情報および計測値の種別名と一致する、射出成形機200の識別情報および計測値の種別名を有する、警告情報である。予め定められた期間とは、予め定められた時点から、ステップS801で警告情報が取得される時点までの期間である。予め定められた期間は、例えば、ステップS801で警告情報が取得される直前の30分間や、ステップS801で警告情報が取得される直前の10分間などである。予め定められた期間は、予め第3記憶部402に記憶されていてもよいし、ユーザーによって指定されてもよい。上述した場合、ステップS802で第3記憶部402に記憶される異常判定履歴情報が有する異常判定関連コードは、自身の異常判定履歴情報が有する異常判定履歴IDである。次に、予め定められた期間に、同一の警告情報が取得されていた場合について説明する。この場合、ステップS802で第3記憶部402に記憶される異常判定履歴情報が有する異常判定関連コードは、予め定められた期間内で最初に生成された、同一の異常判定情報を有する異常判定履歴情報が有する、異常判定履歴IDである。
【0170】
ステップS803において、第3処理部401は、予め定められた期間に同一の警告情報が取得されたか否かを判定する。すなわち、第3処理部401は、ステップS802で第3記憶部402に記憶された異常判定履歴情報が有する異常判定関連コードと同一の異常判定関連コードを有する異常判定履歴情報が、第3記憶部402に記憶されているか否かを判定する。
【0171】
ステップS803で、予め定められた期間に同一の警告情報が取得されていないと判定された場合、ステップS804が実行される。ステップS803で、予め定められた期間に同一の警告情報が取得されたと判定された場合、第3処理部401は、異常通知処理を終了させる。
【0172】
ステップS804において、端末装置400の第5出力部450は、警告通知情報を出力する。第5出力部450は、表示部403に、図8に示す警告情報通知画面SC3を表示させる。なお、第5出力部450は、端末装置400から警告音を出力させてもよいし、端末装置400を振動させてもよい。第8実施形態では、警告情報通知画面SC3には、異常解消ボタンBT2が設けられていなくてもよい。
【0173】
以下では、時間の間隔をあけて、同じ射出成形機200の識別情報および計測値の種別名を有する複数の警告情報が取得された場合に、成形管理システム10が実行する処理について説明する。
【0174】
図27は、警告通知情報が出力されるタイミングを説明するタイムチャートである。図27は、1つの警告情報が取得された後、第1期間が経過する前に、同じ射出成形機200の識別情報および計測値の種別名を有する警告情報が1つ取得され、第1期間が経過した後に、同じ射出成形機200の識別情報および計測値の種別名を有する警告情報が1つ取得された場合を示している。
【0175】
まず、時刻T8において、成形管理サーバ100の第1取得部110は、異常判定情報である、第1異常情報を取得する。第1取得部110による第1異常情報の取得は、図26に示す異常通知処理のステップS120に対応する。
【0176】
第1取得部110が第1異常情報を取得した場合、クラウドサーバ300の第1出力部310は、端末装置400に、第1警告情報を出力する。第1警告情報は、第1異常情報を含む警告情報である。第1出力部310による第1警告情報の出力は、図26に示す異常通知処理のステップS155に対応する。
【0177】
第1出力部310が第1警告情報を出力した場合、端末装置400の第8取得部440は、第1警告情報を取得する。第8取得部440による第1警告情報の取得は、図26に示す異常通知処理のステップS801に対応する。なお、第8取得部440は、時刻T8から第1期間だけ遡った時点から、時刻T8までの期間に、同じ射出成形機200の識別情報および計測値の種別名を有する警告情報を、取得していないとする。
【0178】
第8取得部440が第1警告情報を取得した場合、端末装置400の第5出力部450は、警告通知情報を出力する。第5出力部450による警告通知情報の出力は、図26に示す異常通知処理のステップS804に対応する。第8取得部440が第1警告情報を取得した場合に警告通知情報が出力される理由は、異常通知処理のステップS803において、第1期間を予め定められた期間として用いた場合、予め定められた期間に同一の警告情報が取得されていないと判定されるためである。
【0179】
時刻T9において、成形管理サーバ100の第1取得部110は、第2異常情報を取得する。第2異常情報は、第1異常情報に含まれる射出成形機200の識別情報および計測値の種別名を有する異常判定情報である。時刻T9は、時刻T8から第1期間が経過する前の時刻である。第1取得部110による第2異常情報の取得は、図26に示す異常通知処理のステップS120に対応する。
【0180】
第1取得部110が第2異常情報を取得した場合、クラウドサーバ300の第1出力部310は、端末装置400に、第2警告情報を出力する。第2警告情報は、第2異常情報を含む警告情報である。第1出力部310による第2警告情報の出力は、図26に示す異常通知処理のステップS155に対応する。
【0181】
第1出力部310が第2警告情報を出力した場合、端末装置400の第8取得部440は、第2警告情報を取得する。すなわち、第8取得部440は、第1警告情報を取得した後、第1警告情報を取得した時点から第1期間が経過する前に、第2警告情報を取得する。第8取得部440による第2警告情報の取得は、図26に示す異常通知処理のステップS801に対応する。
【0182】
第8取得部440が第2警告情報を取得した場合、端末装置400の第5出力部450は、警告通知情報を出力しない。すなわち、図26に示す異常通知処理のステップS804は実行されない。第8取得部440が第2警告情報を取得した場合に警告通知情報が出力されない理由は、異常通知処理のステップS803において、第1期間を予め定められた期間として用いた場合、予め定められた期間に同一の警告情報が取得されたと判定されるためである。
【0183】
時刻T10において、成形管理サーバ100の第1取得部110は、第3異常情報を取得する。第3異常情報は、第1異常情報に含まれる射出成形機200の識別情報および計測値の種別名を有する異常判定情報である。時刻T10は、時刻T8から第1期間が経過した後の時刻である。第1取得部110による第3異常情報の取得は、図26に示す異常通知処理のステップS120に対応する。
【0184】
第1取得部110が第3異常情報を取得した場合、クラウドサーバ300の第1出力部310は、端末装置400に、第3警告情報を出力する。第3警告情報は、第3異常情報を含む警告情報である。第1出力部310による第3警告情報の出力は、図26に示す異常通知処理のステップS155に対応する。
【0185】
第1出力部310が第3警告情報を出力した場合、端末装置400の第8取得部440は、第3警告情報を取得する。すなわち、第8取得部440は、第1警告情報を取得した後、第1警告情報を取得した時点から第1期間が経過した後で、第3警告情報を取得する。第8取得部440による第3警告情報の取得は、図26に示す異常通知処理のステップS801に対応する。
【0186】
第8取得部440が第3警告情報を取得した場合、端末装置400の第5出力部450は、警告通知情報を出力する。第5出力部450による警告通知情報の出力は、図26に示す異常通知処理のステップS804に対応する。第8取得部440が第3警告情報を取得した場合に警告通知情報が出力される理由は、異常通知処理のステップS803において、第1期間を予め定められた期間として用いた場合、予め定められた期間に同一の警告情報が取得されていないと判定されるためである。
【0187】
以上で説明した第8実施形態における成形管理システム10によれば、異常通知処理において、警告情報が取得されたとしても、予め定められた期間に、同じ射出成形機200の識別情報および計測値の種別名を有する警告情報が取得されていると判定された場合は、警告通知情報が出力されず、射出成形機200で異常が発生したことを示す情報がユーザーに通知されない。予め定められた期間に、同じ射出成形機200の識別情報および計測値の種別名を有する警告情報が取得されていないと判定された場合は、警告通知情報が出力され、射出成形機200で異常が発生したことを示す情報がユーザーに通知される。また、第1警告情報が取得された後、第1警告情報が取得された時点から第1期間が経過する前に第2警告情報が取得された場合、警告通知情報は出力されない。以上で説明したように、本実施形態では、同じ射出成形機200の識別情報および計測値の種別名を有する警告情報が取得される毎に、ユーザーに警告通知情報が通知されることがない。したがって、特定の射出成形機200で特定の種別の異常が発生したことを示す情報が何度もユーザーに通知されないため、特定の射出成形機200で他の種別の異常が発生したことを示す情報や、他の射出成形機200で異常が発生したことを示す情報がユーザーに通知された場合に、これらの情報をユーザーが見落とす可能性を低くできる。
【0188】
I.他の実施形態:
(I-1)第1実施形態では、クラウドサーバ300の第2処理部301は、第2出力部320を備える。これに対して、クラウドサーバ300の第2処理部301は、第2出力部320を備えなくてもよい。この場合、図6に示すタイムチャートにおいて、時刻T4に第4異常情報が取得されなくてもよい。また、時刻T4に第4異常情報が取得されたとしても、第2警告情報が出力されなくてもよい。
【0189】
(I-2)第8実施形態では、異常通知処理において、予め定められた期間に、同じ射出成形機200の識別情報および計測値の種別名を有する警告情報が取得されていないと判定された場合に、警告通知情報が出力される。これに対して、第1実施形態と同様に、予め定められた期間に、同じ射出成形機200の識別情報および計測値の種別名を有する異常判定情報が生成されていないと判定された場合に、警告通知情報が出力されてもよい。
【0190】
(I-3)上記実施形態では、閾値条件情報として、閾値の上限値と、閾値の下限値とが、それぞれ1つずつ設定される。これに対して、閾値条件情報として、基準値を基準として設定された閾値の上限値が複数設定されてもよいし、基準値を基準として設定された閾値の下限値が複数設定されてもよい。ここで、基準値とは、成形条件に含まれる閾値条件情報が設定される計測値の設定値である。
【0191】
J.他の形態:
本開示は、上述した実施形態に限られるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実現することができる。例えば、本開示は、以下の形態によっても実現可能である。以下に記載した各形態中の技術的特徴に対応する上記実施形態中の技術的特徴は、本開示の課題の一部又は全部を解決するために、あるいは、本開示の効果の一部又は全部を達成するために、適宜、差し替えや、組み合わせを行うことが可能である。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
【0192】
(1)本開示の一形態によれば、成形管理システムが提供される。この成形管理システムは、射出成形機を管理する成形管理システムであって、前記射出成形機に関する情報、および、前記射出成形機で発生した異常の種別に関する情報を含む、第1異常情報、第2異常情報、および、第3異常情報を取得する第1取得部と、前記射出成形機で前記異常が発生したことを通知する情報である第1警告情報を出力する第1出力部と、を備え、前記第2異常情報および前記第3異常情報は、前記第1異常情報に含まれる前記射出成形機に関する情報、および、前記第1異常情報に含まれる前記射出成形機の前記異常の種別に関する情報を含み、前記第1取得部は、前記第1異常情報を取得した後、前記第1異常情報を取得した時点から第1期間が経過する前に、前記第2異常情報を取得し、前記第1異常情報を取得した後、前記第1異常情報を取得した時点から前記第1期間が経過した後で、前記第3異常情報を取得し、前記第1出力部は、前記第1取得部が前記第1異常情報を取得した場合に前記第1警告情報を出力し、前記第1取得部が前記第2異常情報を取得した場合に前記第1警告情報を出力せず、前記第1取得部が前記第3異常情報を取得した場合に前記第1警告情報を出力する。
この形態の成形管理システムによれば、特定の射出成形機で特定の種別の異常が発生したことを示す情報である、第1異常情報、第2異常情報、および第3異常情報の内、第2異常情報が取得された場合には、第1警告情報が出力されない。そのため、特定の射出成形機で特定の種別の異常が発生したことを示す情報がユーザーに通知される回数を減らすことができる。したがって、特定の射出成形機で他の種別の異常が発生したことを示す情報や、他の射出成形機で異常が発生したことを示す情報がユーザーに通知された場合に、これらの情報をユーザーが見落とす可能性を低くできる。
【0193】
(2)上記形態において、前記射出成形機で前記異常が発生したことを通知する情報である第2警告情報を出力する第2出力部を備え、前記第1取得部は、前記射出成形機に関する情報、および、前記射出成形機で発生した前記異常の種別に関する情報を含む、第4異常情報を取得し、前記第4異常情報は、前記第1異常情報に含まれる前記射出成形機に関する情報、および、前記第1異常情報に含まれる前記射出成形機の前記異常の種別に関する情報を含み、前記第1取得部は、前記第1異常情報を取得した後、前記第1異常情報を取得した時点から、前記第1期間より長い期間である第2期間が経過する前に、前記第3異常情報を取得し、前記第1異常情報を取得した後、前記第1異常情報を取得した時点から前記第2期間が経過した後で、前記第4異常情報を取得し、前記第2出力部は、前記第1取得部が前記第3異常情報を取得した場合に、前記第2警告情報を前記第1警告情報の出力先と異なる出力先に出力せず、前記第1取得部が前記第4異常情報を取得した場合に、前記第2警告情報を前記第1警告情報の前記出力先と異なる出力先に出力してもよい。
この形態の成形管理システムによれば、第2警告情報が第1警告情報の出力先と異なる出力先に出力されるため、射出成形機で異常が発生したことをユーザーが見落とす可能性を低くできる。
【0194】
(3)上記形態において、装置と、第3取得部と、記憶部と、を備え、前記装置は、前記第1警告情報を取得する第2取得部と、前記射出成形機で発生した前記異常が解消された旨の情報である異常解消情報を出力する第3出力部と、を備え、前記第3出力部は、前記第2取得部が取得した前記第1警告情報に含まれる、前記射出成形機および前記異常の種別に関する前記異常解消情報を出力し、前記第3取得部は、前記第3出力部が出力した前記異常解消情報を取得し、前記記憶部には、前記第1異常情報、前記第2異常情報、前記第3異常情報の少なくともいずれか1つと、前記第3取得部が取得した前記異常解消情報が、関連付けて記憶されてもよい。
この形態の成形管理システムによれば、射出成形機で発生した異常が解消された場合に、その異常が解消された旨の情報を記憶部に記憶させることができる。
【0195】
(4)上記形態において、前記射出成形機の稼動データの閾値に関する情報を記憶する記憶部と、装置と、前記装置に対する、前記射出成形機で発生した前記異常が解消された旨の情報である異常解消情報の入力を受け付ける入力部と、を備え、前記装置は、前記第1警告情報を取得する第2取得部と、前記第2取得部が取得した前記第1警告情報に含まれる前記射出成形機の、前記稼動データの前記閾値に関する情報を前記記憶部から取得する、第4取得部と、前記第4取得部が取得した、前記射出成形機の前記稼動データの前記閾値に関する情報が表示される表示部と、を備え、前記入力部は、前記第1警告情報に含まれる、前記射出成形機および前記異常の種別に関する前記異常解消情報の入力を受け付け、前記記憶部には、前記第1異常情報、前記第2異常情報、前記第3異常情報の少なくともいずれか1つと、前記入力部が受け付けた前記異常解消情報が、関連付けて記憶されてもよい。
この形態の成形管理システムによれば、ユーザーが、射出成形機で発生した異常を解消する際に、射出成形機の稼動データの閾値に関する情報を確認することができる。
【0196】
(5)上記形態において、前記表示部には、前記射出成形機の前記稼動データの前記閾値に関する情報を更新可能とする閾値条件設定画面が表示され、前記閾値条件設定画面では、前記第1警告情報に含まれる、前記射出成形機および前記異常に関する前記異常解消情報の入力が可能であってもよい。
この形態の成形管理システムによれば、射出成形機の稼動データの閾値に関する情報をユーザーが更新することで、射出成形機で発生した異常を解消できる。
【0197】
(6)上記形態において、前記射出成形機に関する情報、前記射出成形機の周辺機器に関する情報、および、前記射出成形機の前記周辺機器で発生した異常の種別に関する情報を含む、第5異常情報、第6異常情報、および、第7異常情報を取得する第5取得部と、前記射出成形機の前記周辺機器で前記異常が発生したことを通知する情報である第3警告情報を出力する第4出力部と、を備え、前記第6異常情報および前記第7異常情報は、前記第5異常情報に含まれる前記射出成形機に関する情報、前記第5異常情報に含まれる前記射出成形機の前記周辺機器に関する情報、および、前記第5異常情報に含まれる前記射出成形機の前記周辺機器の前記異常の種別に関する情報を含み、前記第5取得部は、前記第5異常情報を取得した後、前記第5異常情報を取得した時点から第3期間が経過する前に、前記第6異常情報を取得し、前記第5異常情報を取得した後、前記第5異常情報を取得した時点から前記第3期間が経過した後で、前記第7異常情報を取得し、前記第4出力部は、前記第5取得部が前記第5異常情報を取得した場合に前記第3警告情報を出力し、前記第5取得部が前記第6異常情報を取得した場合に前記第3警告情報を出力せず、前記第5取得部が前記第7異常情報を取得した場合に前記第3警告情報を出力してもよい。
この形態の成形管理システムによれば、特定の周辺機器で特定の種別の異常が発生したことを示す情報である、第5異常情報、第6異常情報、および第7異常情報の内、第6異常情報が取得された場合には、第3警告情報が出力されない。そのため、特定の周辺機器で特定の種別の異常が発生したことを示す情報がユーザーに通知される回数を減らすことができる。したがって、特定の周辺機器で他の種別の異常が発生したことを示す情報や、他の周辺機器で異常が発生したことを示す情報がユーザーに通知された場合に、これらの情報をユーザーが見落とす可能性を低くできる。
【0198】
(7)上記形態において、前記周辺機器は、取出装置、成形型温度調整装置、乾燥装置、材料供給装置、または、検査装置であってもよい。
【0199】
(8)上記形態において、前記射出成形機は、前記射出成形機の稼動データおよび前記稼動データの閾値に関する情報に基づいて、前記第1異常情報を生成し、前記成形管理システムは、前記射出成形機から前記稼動データを取得する第6取得部をさらに備え、前記第6取得部は、前記第1取得部が前記第1異常情報を取得する毎に、前記第1異常情報に含まれる前記射出成形機から、前記第1異常情報の生成に関連しない前記稼動データを取得してもよい。
この形態の成形管理システムによれば、第1異常情報が取得される毎に、射出成形機から第1異常情報の生成に関連しない稼動データが取得されるため、射出成形機で成形品の成形が完了する毎に射出成形機から稼動データが取得される場合と比べて、取得される稼動データのサイズを小さくすることができ、成形管理システムの通信負荷を軽減できる。
【0200】
(9)上記形態において、前記射出成形機は、前記射出成形機の稼動データを記憶し、前記成形管理システムは、前記稼動データの閾値に関する情報が記憶される記憶部と、前記射出成形機から前記稼動データを取得する第7取得部と、前記第7取得部が取得した前記稼動データおよび前記稼動データの前記閾値に関する情報に基づいて前記第1異常情報を生成する生成部と、をさらに備えてもよい。
この形態の成形管理システムによれば、稼動データが、稼動データの閾値の範囲を超えた場合に、射出成形機で異常が発生したことを通知する情報が出力される。
【0201】
(10)本開示の一形態によれば、成形管理システムが提供される。この成形管理システムは、射出成形機を管理する成形管理システムであって、サーバと、端末装置と、を備え、前記サーバは、前記射出成形機に関する情報、および、前記射出成形機で発生した異常の種別に関する情報を含む、第1異常情報、第2異常情報、および、第3異常情報を取得する第1取得部と、前記射出成形機で前記異常が発生したことを通知する情報である、第1警告情報、第2警告情報、および、第3警告情報を出力する第1出力部と、を備え、前記第2異常情報および前記第3異常情報は、前記第1異常情報に含まれる前記射出成形機に関する情報、および、前記第1異常情報に含まれる前記射出成形機の前記異常の種別に関する情報を含み、前記第1出力部は、前記第1取得部が前記第1異常情報を取得した場合に、前記第1警告情報を前記端末装置に出力し、前記第1取得部が前記第2異常情報を取得した場合に、前記第2警告情報を前記端末装置に出力し、前記第1取得部が前記第3異常情報を取得した場合に、前記第3警告情報を前記端末装置に出力し、前記端末装置は、前記第1警告情報、前記第2警告情報、および、前記第3警告情報を取得する第8取得部と、前記射出成形機で前記異常が発生したことを通知する情報である警告通知情報を出力する第5出力部と、を備え、前記第8取得部は、前記第1警告情報を取得した後、前記第1警告情報を取得した時点から第1期間が経過する前に、前記第2警告情報を取得し、前記第1警告情報を取得した後、前記第1警告情報を取得した時点から前記第1期間が経過した後で、前記第3警告情報を取得し、前記第5出力部は、前記第8取得部が前記第1警告情報を取得した場合に前記警告通知情報を出力し、前記第8取得部が前記第2警告情報を取得した場合に前記警告通知情報を出力せず、前記第8取得部が前記第3警告情報を取得した場合に前記警告通知情報を出力する。
この形態の成形管理システムによれば、特定の射出成形機で特定の種別の異常が発生したことを示す情報である、第1警告情報、第2警告情報、および第3警告情報の内、第2警告情報が取得された場合には、警告通知情報が出力されない。そのため、特定の射出成形機で特定の種別の異常が発生したことを示す情報がユーザーに通知される回数を減らすことができる。したがって、特定の射出成形機で他の種別の異常が発生したことを示す情報や、他の射出成形機で異常が発生したことを示す情報がユーザーに通知された場合に、これらの情報をユーザーが見落とす可能性を低くできる。
【符号の説明】
【0202】
10…成形管理システム、100…成形管理サーバ、101…第1処理部、102…第1記憶部、103…通信制御部、110…第1取得部、120…第5取得部、130…第6取得部、140…第7取得部、150…生成部、200…射出成形機、210…第1射出成形機、211…第1制御部、212…第1センサ、220…第2射出成形機、221…第2制御部、222…第2センサ、300…クラウドサーバ、301…第2処理部、302…第2記憶部、310…第1出力部、320…第2出力部、330…第3取得部、340…入力部、350…第4出力部、400…端末装置、401…第3処理部、402…第3記憶部、403…表示部、410…第2取得部、420…第3出力部、430…第4取得部、440…第8取得部、450…第5出力部、500…周辺機器、510…取出装置、520…成形型温度調整装置、530…乾燥装置、540…材料供給装置、550…検査装置、BT1…確定ボタン、BT2…異常解消ボタン、IN…インターネット、L1…リンク、NT…ネットワーク、RG1…表示領域、RG11…閾値表示領域、RG2…表示領域、RG3…表示領域、RG4…表示領域、SC1…閾値設定画面、SC2…警告情報通知画面、SC3…警告情報通知画面、SC4…警告情報通知画面、SC5…警告情報通知画面、SC6…閾値条件設定画面、SC7…周辺機器警告情報通知画面
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