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特開2024-128303外扇カバー、回転電機、および外扇検出方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128303
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】外扇カバー、回転電機、および外扇検出方法
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/00 20060101AFI20240913BHJP
   H02K 9/06 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
H02K5/00 Z
H02K9/06 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037222
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】株式会社TMEIC
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩本 孝輔
【テーマコード(参考)】
5H605
5H609
【Fターム(参考)】
5H605AA01
5H605AA20
5H605BB05
5H605BB10
5H605BB17
5H605CC02
5H605DD01
5H605DD11
5H605GG06
5H609BB02
5H609BB19
5H609PP01
5H609PP05
5H609QQ02
5H609RR03
5H609RR63
(57)【要約】
【課題】外扇を光学的に検出する際に外扇と人とが接触するのを抑制する。
【解決手段】外扇カバー23は、第1の取付部と、周壁62と、を備える。第1の取付部は、回転中心軸回りに回転可能な外扇を備えた回転電機10のカバー取付部に取り付け可能である。周壁62は、外扇に対して回転中心軸の径方向の外側で外扇を囲う周壁62であって、周壁62の径方向の外側からの外扇の光学的な検出が可能である。
【選択図】図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転中心軸回りに回転可能な外扇を備えた回転電機のカバー取付部に取り付け可能な第1の取付部と、
前記外扇に対して前記回転中心軸の径方向の外側で前記外扇を囲う周壁であって、当該周壁の前記径方向の外側からの前記外扇の光学的な検出が可能な周壁と、
を備えた外扇カバー。
【請求項2】
前記周壁には、当該周壁の前記径方向の外側からの前記外扇の光学的な検出が可能な開口部が設けられた、
請求項1に記載の外扇カバー。
【請求項3】
前記開口部を塞ぐ第1の開口部用カバーと、前記開口部と通じ前記開口部よりも小さい複数の貫通孔が設けられ、前記開口部を覆う第2の開口部用カバーと、を取り付け可能な第2の取付部を備え、
前記第2の開口部用カバーが前記第2の取付部に取り付けられた状態で、前記第2の開口部用カバーの前記貫通孔および前記開口部を介して前記周壁の前記径方向の外側からの前記外扇の光学的な検出が可能である、
請求項2に記載の外扇カバー。
【請求項4】
前記周壁は、少なくとも一部が前記周壁の外側からの前記外扇の光学的な検出が可能な透明である、
請求項1に記載の外扇カバー。
【請求項5】
前記周壁は、円筒状に丸められた板状部材によって構成され、径を変更可能である、
請求項1に記載の外扇カバー。
【請求項6】
請求項1~5のうちいずれか一つに記載の外扇カバーを備えた回転電機。
【請求項7】
回転中心軸回りに回転可能な外扇と、カバー取付部と、外扇カバーと、を備えた回転電機の前記外扇を検出する外扇検出方法であって、
前記外扇カバーは、前記カバー取付部に取り付け可能な第1の取付部と、前記外扇に対して前記回転中心軸の径方向の外側で前記外扇を囲う周壁であって、当該周壁の前記径方向の外側からの前記外扇の光学的な検出が可能な開口部が設けられた周壁と、第2の取付部と、を備え、
前記第2の取付部は、前記開口部を塞ぐ第1の開口部用カバーと、前記開口部と通じる複数の貫通孔が設けられ前記開口部を覆う第2の開口部用カバーと、を取り付け可能であり、
前記第2の開口部用カバーが前記第2の取付部に取り付けられた状態で、前記第2の開口部用カバーの前記貫通孔および前記開口部を介して前記周壁の前記径方向の外側からの前記外扇の光学的な検出が可能であり、
前記外扇検出方法は、
前記第2の取付部に取り付けられた前記第1の開口部用カバーを前記第2の取付部から取り外し、前記第2の取付部に前記第2の開口部用カバーを取り付けるカバー交換工程と、
光学センサによって、前記第2の取付部に取り付けられた前記第2の開口部用カバーの前記貫通孔および前記開口部を介して前記周壁の前記径方向の外側から前記外扇を検出する検出工程と、
を含む外扇検出方法。
【請求項8】
回転中心軸回りに回転可能な外扇と、カバー取付部と、前記カバー取付部に取り付けられ、前記外扇を覆う第1の外扇カバーと、を備え、前記カバー取付部に前記第1の外扇カバーに替えて第2の外扇カバーを取り付け可能な回転電機の前記外扇を検出する外扇検出方法であって、
前記第2の外扇カバーは、前記カバー取付部に取り付け可能な第1の取付部と、前記外扇に対して前記回転中心軸の径方向の外側で前記外扇を囲う周壁であって、当該周壁の前記径方向の外側からの前記外扇の光学的な検出が可能な周壁と、を備え、
前記外扇検出方法は、
前記カバー取付部に取り付けられた前記第1の外扇カバーを前記カバー取付部から取り外し、前記カバー取付部に前記第2の外扇カバーを取り付けるカバー交換工程と、
光学センサによって、前記カバー取付部に取り付けられた前記第2の外扇カバーの前記周壁の前記径方向の外側から前記外扇を検出する検出工程と、
を含む外扇検出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、外扇カバー、回転電機、および外扇検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、外扇を有する回転子と、外扇を覆う外扇カバーと、を備えた回転電機が知られている。この種の回転電機では、外扇が回転することで回転電機が冷却される。
【0003】
この種の回転電機では、回転子の重量バランス(回転バランス)調整が行われる。回転子の重量バランス調整では、外扇カバーを取り外した後、回転する外扇を光学センサにより光学的に検出し、バランサ装置が光学センサの検出結果等に基づいて回転子の重量バランスを測定する。そして、測定された重量バランスに基づいて、外扇に錘が取り付けられて、回転子の重量バランスが調整される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-187129号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来技術では、外扇が外扇カバーによって覆われているため、外扇カバーが取り付けられた状態では、外扇を光学的に検出することができない。このため、外扇カバーを取り外してから、外扇を光学的に検出している。このように、従来技術では、外扇カバーを取り外した状態で、回転する外扇を光学的に検出するので、回転する外扇に作業員等の人が接触する虞があった。
【0006】
本発明が解決する課題の一例は、外扇を光学的に検出する際に外扇と人とが接触するのを抑制することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一つの実施形態に係る外扇カバーは、回転中心軸回りに回転可能な外扇を備えた回転電機のカバー取付部に取り付け可能な第1の取付部と、前記外扇に対して前記回転中心軸の径方向の外側で前記外扇を囲う周壁であって、当該周壁の前記径方向の外側からの前記外扇の光学的な検出が可能な周壁と、を備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、例えば、外扇を光学的に検出する際に外扇と人とが接触するのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施形態の回転電機を概略的に示す断面図である。
図2図2は、第1の実施形態の回転電機の外扇カバーを概略的に示す平面図である。
図3図3は、第1の実施形態の外扇カバーを概略的に示す側面図であって、第1の開口部用カバーが取り付けられた状態を示す図である。
図4図4は、第1の実施形態の外扇カバーを概略的に示す側面図であって、第1の開口部用カバーが取り外された状態を示す図である。
図5図5は、第1の実施形態の外扇カバーを概略的に示す側面図であって、第2の開口部用カバーが取り付けられた状態を示す図である。
図6図6は、第1の実施形態の回転電機およびバランス検出システムを概略的に示す図である。
図7図7は、第1の実施形態の回転子のバランス調整方法を示すフローチャートである。
図8図8は、第2の実施形態の回転電機を概略的に示す断面図であって、通常運転用の外扇カバーが取り付けられた状態の図である。
図9図9は、第2の実施形態の回転電機を概略的に示す断面図であって、バランス調整用の外扇カバーが取り付けられた状態の図である。
図10図10は、第2の実施形態のバランス調整用の外扇カバーを概略的に示す斜視図である。
図11図11は、第2の実施形態のバランス調整用の外扇カバーを概略的に示す図であって、外扇カバーが展開された状態の図である。
図12図12は、第2の実施形態の変形例のバランス調整用の外扇カバーを概略的に示す図であって、外扇カバーが展開された状態の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成、ならびに当該構成によってもたらされる作用および効果は、一例である。本発明は、以下の実施形態に開示される構成以外によっても実現可能である。また、本発明によれば、構成によって得られる種々の効果(派生的な効果も含む)のうち少なくとも一つを得ることが可能である。
【0011】
また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率等は、現実と異なる場合がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。
【0012】
<第1の実施形態>
図1は、第1の実施形態の回転電機10を概略的に示す断面図である。回転電機10は、いわゆる立形の全閉外扇型回転電機であり、例えば電動機又は発電機として利用される。なお、回転電機10は、この例に限られない。
【0013】
回転電機10は、固定子11と、回転子12と、筐体13と、複数(一例として二つ)の軸受15と、内扇21と、外扇22と、外扇カバー23とを有する。本実施形態では、外扇カバー23と筐体13とによって、収容体26が構成されている。なお、回転電機10は、この例に限られない。
【0014】
固定子11は、固定子鉄心31と、固定子巻線32とを有する。固定子鉄心31は、回転中心軸Axを囲む略円筒状に形成されている。固定子巻線32は、固定子鉄心31に設けられたスロットを貫通して、当該固定子鉄心31に取り付けられている。
【0015】
回転中心軸Axは、回転電機10における回転子12のシャフト14の回転の中心であり、例えばシャフト14の中心を通る仮想的な直線である。本実施形態では、回転中心軸Axは、鉛直方向に沿う。すなわち、シャフト14は、鉛直方向に沿う。回転中心軸Axの軸方向、径方向、および周方向は、回転子12(シャフト14)の軸方向、径方向、および周方向と同じである。なお、以下の説明では、特に言及しない限り、軸方向、径方向、および周方向は、回転中心軸Axの軸方向、径方向、および周方向、すなわちシャフト14の軸方向、径方向、および周方向である。
【0016】
軸方向は、第1の軸方向Da1と、第2の軸方向Da2とを含む。第1の軸方向Da1は、回転中心軸Axに沿う一方向である。第2の軸方向Da2は、第1の軸方向Da1の反対方向である。
【0017】
回転子12は、シャフト14と、回転子鉄心41と、導体42とを有する。シャフト14は、回転中心軸Ax回りに回転可能に、軸受15を介して筐体13に支持されている。これにより、シャフト14(回転子12)は、固定子11に対して回転中心軸Ax回りに回転可能である。本実施形態では、シャフト14および回転中心軸Axは、鉛直方向に沿う。
【0018】
シャフト14は、回転中心軸Axに沿って延びる略円柱状に形成されている。シャフト14は、筐体13の内部と外部とに亘って延びている。シャフト14は、中部14aと、二つの外延部14b,14cとを有する。
【0019】
中部14aは、筐体13の内部に位置するシャフト14の一部である。中部14aは、二つの外延部14b,14cの間に位置する。軸方向における中部14aの両端部は、軸受15によって支持されている。これにより、シャフト14は、回転中心軸Axまわりに回転可能に軸受15に支持されている。
【0020】
外延部14b,14cは、筐体13の外部に位置するシャフト14の一部である。外延部14bは、第1の軸方向Da1における中部14aの端から、軸受ブラケット52を越えて筐体13の外部に突出している。外延部14cは、第2の軸方向Da2における中部14aの端から、軸受ブラケット53を越えて筐体13の外部へ突出している。
【0021】
外延部14bは、例えば、フランジ、キー溝、又はスプラインが設けられ、外部の機器に回転を伝達可能に結合される。これにより、回転電機10は、当該外部の機器にトルクを出力し、又は外部の機器からトルクを入力される。
【0022】
シャフト14の中部14aは、回転子鉄心41と結合されている。回転子12およびシャフト14は、固定子11に対して回転中心軸Axまわりに一体的に回転することができる。
【0023】
回転子鉄心41は、シャフト14の中部14aと結合(固定)されている。回転子鉄心41は、回転中心軸Axを囲む略円筒状に形成され、固定子11の固定子鉄心31の内側に配置されている。導体42は、互いに周方向に間隔を介して配置されている。導体42は、例えば、回転子鉄心41を軸方向に貫通する導体バーと、全ての導体バーの軸方向における端部に結合された短絡リングとを有する。回転子鉄心41および導体42は、シャフト14と一体に回転する。
【0024】
筐体13は、フレーム51と、二つの軸受ブラケット52,53と、複数の放熱フィン54とを有する。フレーム51は、回転中心軸Axを囲む略円筒状に形成されている。固定子11および回転子12は、フレーム51の内側に配置されている。固定子鉄心31は、フレーム51に固定されている。
【0025】
フレーム51は、内面51aと、外面51bと、複数のボス51cとを有する。内面51aは、筐体13の内部に向く。外面51bは、内面51aの反対側に位置し、筐体13の外部に向く。ボス51cは、第2の軸方向Da2におけるフレーム51の端部の近傍において、外面51bから筐体13の外部に突出している。複数のボス51cは、周方向に間隔を介して配置されている。ボス51cは、円筒状に形成されており、ボスの内周面には、雌ネジが形成されている。複数のボス51cは、カバー取付部55を構成している。
【0026】
軸受ブラケット52は、第1の軸方向Da1におけるフレーム51の端部に取り付けられている。軸受ブラケット53は、第2の軸方向Da2におけるフレーム51の端部に取り付けられている。軸受ブラケット52,53は、フレーム51の内部の空間を塞いでいる。軸受ブラケット52,53のそれぞれは、対応する軸受15を支持している。
【0027】
筐体13の内部に、閉空間Siが設けられている。筐体13は、閉空間Siに、固定子11と、回転子鉄心41と、シャフト14の中部14aとを収容している。筐体13は、閉空間Siと、当該閉空間Siの外部との間を、略気密に封止している。なお、閉空間Siは、筐体13に取り付けられる冷却器のような装置によってフレーム51の外部まで拡張されても良い。閉空間Siには、空気のような冷却用気体が満たされている。
【0028】
複数の放熱フィン54は、例えば、フレーム51の外面51bから筐体13の外部に突出している。複数の放熱フィン54のそれぞれは、略軸方向に延びている。放熱フィン54は、軸受ブラケット52,53から突出しても良いし、他の方向に延びても良い。
【0029】
内扇21は、筐体13の閉空間Siにおいて、シャフト14の中部14aに結合(固定されている。内扇21は、シャフト14と一体的に回転中心軸Axまわりに回転することができる。内扇21は、回転することで、閉空間Siに冷却用気体の気流を生じさせる。当該気流は、例えば、固定子11と回転子12との間を略軸方向に通過し、固定子11および回転子鉄心41を冷却する。内扇21は、一例として、回転子12に含まれる。
【0030】
筐体13に、閉空間Siで冷却用気体を循環させるための種々の構造が設けられても良い。例えば、筐体13は、内扇21に隣接するとともに、回転する内扇21へ冷却用気体を導入するダクトを有しても良い。また、筐体13に、固定子11および回転子12を通過した冷却用気体を内扇21の近傍へ戻す流路が設けられても良い。
【0031】
外扇22は、筐体13の外部でシャフト14の外延部14cに結合(固定)されている。これにより、外扇22は、シャフト14および内扇21と一体に、回転中心軸Axまわりに回転することができる。外扇22は、例えば、略径方向の気流を生じる遠心ファンである。具体的には、外扇22は、ベース22aと、複数の羽根22bとを有する。ベース22aは、シャフト14の外延部14cに結合(固定)されている。複数の羽根22bは、ベース22aに固定されている。複数の羽根22bは、シャフト14に対して径方向の外側で周方向に間隔をあけて設けられている。外扇22は、一例として、回転子12に含まれる。
【0032】
外扇カバー23は、筐体13の外部に位置し、外扇22を覆う。外扇カバー23は、例えば、金属により作られている。
【0033】
図2は、第1の実施形態の回転電機10の外扇カバー23を概略的に示す平面図である。図3は、第1の実施形態の外扇カバー23を概略的に示す側面図であって、第1の開口部用カバー82Aが取り付けられた状態を示す図である。図3は、図2のIII矢視図である。図4は、第1の実施形態の外扇カバー23を概略的に示す側面図であって、第1の開口部用カバー82Aが取り外された状態を示す図である。図5は、第1の実施形態の外扇カバー23を概略的に示す側面図であって、第2の開口部用カバー82Bが取り付けられた状態を示す図である。
【0034】
図1図5に示すように、外扇カバー23は、カバー本体81と、第1の開口部用カバー82A(図2図4)と、第2の開口部用カバー82B(図5)とを備える。カバー本体81には、第1の開口部用カバー82Aと、第2の開口部用カバー82Bとを選択的に取り付け可能である。すなわち、カバー本体81には、第1の開口部用カバー82Aと、第2の開口部用カバー82Bとが着脱可能である。このように、外扇カバー23は、複数の部材の組み合わせによって構成される。
【0035】
図1および図2に示すように、カバー本体81は、端壁61と、周壁62とを有する。なお、外扇カバー23は、この例に限られない。
【0036】
端壁61は、筐体13、シャフト14、および外扇22から第2の軸方向Da2に離間した位置に配置されている。端壁61は、例えば、回転中心軸Axと略直交する略円盤状に形成される。端壁61の外径は、第2の軸方向Da2におけるフレーム51の端部の外径よりも長く、且つ軸受ブラケット53の外径よりも長い。なお、端壁61の形状は、この例に限られない。
【0037】
端壁61は、内面61aと、外面61bとを有する。内面61aは、第1の軸方向Da1に向く。内面61aは、間隔を介して筐体13、シャフト14、および外扇22に向く。外面61bは、内面61aの反対側に位置し、第2の軸方向Da2に向く。
【0038】
図1図3に示すように、周壁62は、端壁61の外縁からおおよそ第1の軸方向Da1に延びる略円筒状に形成されている。周壁62は、回転中心軸Ax回りの筒状である。詳細には、図2および図3に示すように、周壁62は、第1の筒部62aと、第2の筒部62bとを有する。第1の筒部62aは、外扇22の径方向外側に位置し、外扇22を囲んでいる。第1の筒部62aの内径は、第2の軸方向Da2におけるフレーム51の端部の外径よりも長く、且つ軸受ブラケット53の外径よりも長い。第2の筒部62bは、第1の筒部62aと端壁61とを接続している。
【0039】
第1の筒部62aは、軸受ブラケット53と、第2の軸方向Da2におけるフレーム51の端部とを囲む。周壁62は、フレーム51の外面51bおよび軸受ブラケット53から、径方向に離間している。これにより、周壁62と筐体13との間に、隙間Gが形成される。
【0040】
周壁62は、フレーム51のカバー取付部55に取り付けられる第1の取付部62cを有する。第1の取付部62cは、第1の筒部62aにおける第1の軸方向Da1側の端部に設けられている。第1の取付部62cは、回転中心軸Ax回りの筒状であり、カバー取付部55に対して径方向の外側に位置して、カバー取付部55に重ねられている。ここで、カバー取付部55は、一例として、フレーム51において、第1の取付部62cと重なる部分である。第1の取付部62cには、ボルト65が挿入される複数の貫通孔67が設けられている。第1の取付部62cは、例えば、貫通孔67に挿入されたボルト65によって、フレーム51のカバー取付部55のボス51cに固定されている。
【0041】
図4に示すように、周壁62の第1の筒部62aには、開口部63bが設けられている。開口部63bは、第1の筒部62aを径方向に貫通している。開口部63bは、一例として、四角形状である。なお、開口部63bは、円形状等であっても良い。開口部63bは、径方向で内扇21(ベース22a、羽根22b)と並んでおり、内扇21を外扇カバー23の外側に露出させる。開口部63bは、光が通過可能である。この開口部63bを介して周壁62の径方向の外側からの外扇22の光学的な検出および目視が可能である。なお、図4では、開口部63bが一つの例が示されているが、開口部63bは複数であっても良い。開口部63bは、光通過部、検出用開口部、検査用開口部、作業用開口部等とも称される。
【0042】
また、周壁62の第1の筒部62aは、第2の取付部62dを有する。第2の取付部62dは、第1の開口部用カバー82A(図3)と、第2の開口部用カバー82B(図5)と、を選択的に取り付け可能である。第1の開口部用カバー82A(図3)は、通常運転時用のカバーであり、回転電機10の通常運転時に第2の取付部62dに取り付けられる。一方、第2の開口部用カバー82B(図5)は、バランス調整時用のカバーであり、回転子12のバランス調整時に第2の取付部62dに取り付けられる。第2の取付部62dは、第1の筒部62aにおける開口部63bの周囲の部分であり、第1の開口部用カバー82A又は第2の開口部用カバー82Bと重なる部分である。第2の取付部62dには、複数の雌ネジ84が設けられている。第2の取付部62d、第1の開口部用カバー82A、および第2の開口部用カバー82Bは、それぞれ、開口部63bに対応して設けられる。すなわち、第2の取付部62d、第1の開口部用カバー82A、および第2の開口部用カバー82Bのそれぞれの数は、開口部63bの数と同じである。
【0043】
図3および図4に示すように、第1の開口部用カバー82Aは、第2の取付部62dに取り付けられた状態で、開口部63bを塞ぐ。第1の開口部用カバー82Aが開口部63bを塞いだ状態では、開口部63bに対して径方向の外側からの外扇22の光学的な検出および目視が不能である。
【0044】
第1の開口部用カバー82Aは、例えば金属により作られている。第1の開口部用カバー82Aは、第1の筒部62aの外面に沿う湾曲状に形成されている。第1の開口部用カバー82Aには、複数の貫通孔85が形成されている。第1の開口部用カバー82Aは、貫通孔85に挿入されたボルト83(図3)によって、第2の取付部62dに固定される。ボルト83は、雌ネジ84と結合している。ボルト83を取り外すことにより、第1の開口部用カバー82Aを第2の取付部62dから取り外すことができる。
【0045】
図5に示すように、第2の開口部用カバー82Bには、複数の貫通孔63aが設けられている。第2の開口部用カバー82Bは、第2の取付部62dに取り付けられた状態では、開口部63bを覆う。このとき、複数の貫通孔63aは、開口部63bに対して径方向の外側に位置し、開口部63bと通じている。複数の貫通孔63aは、径方向で内扇21(ベース22a、羽根22b)および開口部63bと並んでおり、内扇21を外扇カバー23の外側に露出させる。貫通孔63aは、光が通過可能である。この貫通孔63aおよび開口部63bを介して周壁62の径方向の外側からの外扇22の光学的な検出および目視が可能である。複数の貫通孔63aと開口部63bは、開口部63を構成している。貫通孔は、光通過部等とも称される。
【0046】
第2の開口部用カバー82Bは、例えば金属により作られている。第2の開口部用カバー82Bは、第1の筒部62aの外面に沿う湾曲状に形成されている。第2の開口部用カバー82Bには、第1の開口部用カバー82Aの複数の貫通孔85と同様の複数の貫通孔が形成されている。第2の開口部用カバー82Bは、貫通孔に挿入されたボルト83によって、第2の取付部62dに固定される。ボルト83は、雌ネジ84と結合している。ボルト83を取り外すことにより、第2の開口部用カバー82Bを第2の取付部62dから取り外すことができる。
【0047】
上記の構成の端壁61および周壁62は、筐体13の軸受ブラケット53と、シャフト14の外延部14cと、外扇22と、を覆う。外扇カバー23は、軸受ブラケット53と、端壁61と、周壁62とに囲まれた流路空間Scを形成(規定、区画)する。シャフト14の外延部14cと外扇22とは、流路空間Scに配置されている。端壁61の内面61aは、流路空間Scの内部に向く。
【0048】
端壁61の中央部には、孔70が設けられている。孔70は、端壁61を軸方向に貫通し、端壁61の内面61aおよび外面61bに開口している。孔70には、シャフト14が入れられている。
【0049】
外扇カバー23には、吸気口71が設けられている。吸気口71は、複数の孔71aによって構成されている。本実施形態において、吸気口71は、端壁61に設けられる。吸気口71は、端壁61を軸方向に貫通し、端壁61の内面61aおよび外面61bに開口している。これにより、吸気口71は、流路空間Scと、当該流路空間Scの外部とを連通する。なお、吸気口71は、周壁62に設けられても良い。
【0050】
図2に示すように、吸気口71の複数の孔71aのそれぞれは、孔70の周囲に形成されている。各孔71aは、長孔状に形成されている。なお、孔71aの形状は、他の形状であっても良い。
【0051】
図1に示すように、第2の軸方向Da2における流路空間Scの端部は、吸気口71を通じて外部に連通する。また、第1の軸方向Da1における流路空間Scの端部は、隙間Gを通じて外部に連通する。
【0052】
外扇22は、回転することにより、吸気口71から流路空間Scに外気を吸引することができる。回転する外扇22によって生じた外気の気流は、例えば、隙間Gを通って流路空間Scの外部へ放出され、フレーム51の外面51bに沿って流れる。
【0053】
外気の気流は、放熱フィン54に沿って流れることで、フレーム51と熱交換を行う。これにより、外気の気流は、当該フレーム51を介して、フレーム51に結合された固定子11および閉空間Siの冷却用気体を冷却する。
【0054】
次に、回転子12のバランス調整方法について説明する。図6は、第1の実施形態の回転電機10およびバランス検出システム200を概略的に示す図である。図7は、第1の実施形態の回転子12のバランス調整方法を示すフローチャートである。
【0055】
図6に示すように、回転子12のバランス調整は、バランス検出システム200を用いて行われる。
【0056】
バランス検出システム200は、光学センサ201と、振動センサ202と、バランサ装置203と、を備える。
【0057】
光学センサ201は、外扇22を光学的に検出可能である。光学センサ201は、例えば、フォトセンサとイメージセンサとを含んで構成されている。フォトセンサは、例えば、反射型であり、光を出射する発光部と、反射波を受光する受光部とを有する。フォトセンサは、外扇カバー23の開口部63(貫通孔63a、開口部63b)の径方向の外側に配置された状態で、発光部から外扇22に光を出射する。光は、開口部63を通って外扇22の羽根22bに当たって反射する。フォトセンサは、羽根22bで反射された反射光を受光ことにより、外扇22の羽根22bを検出する。また、フォトセンサは、外扇22の回転パルスを検出することができる。イメージセンサは、例えば、CMOSイメージセンサ等のエリアカメラとして構成されている。イメージセンサは、外扇カバー23の開口部63(貫通孔63a、開口部63b)の径方向の外側に配置された状態で、開口部63を介して外扇22の羽根22bを撮像することにより羽根22bを検出する。光学センサ201は、検出結果をバランサ装置203に送信する。
【0058】
振動センサ202は、例えば磁石等によってフレーム51の外面に固定され、フレーム51(回転電機10)の振動(振動値)を検出する。振動値は、振幅値を含む。
【0059】
次に、バランス調整方法の手順を図7のフローチャートを参照して説明する。バランス調整は、回転電機10の出荷前の点検や出荷後の定期点検時等に行われる。図7の例は、第2の取付部62dに第1の開口部用カバー82Aが取り付けられた状態でバランス調整方法の実行が開始される例である。
【0060】
図7に示すように、まずは、第1の準備工程が行われる(S101)。具体的には、作業者が、振動センサ202をフレーム51に取り付ける。
【0061】
次に、振動測定工程が行われる(S102)。具体的には、作業者は、回転電機10の運転の開始操作を行う。これにより、回転子12が回転する。回転子12が回転している状態で、振動センサ202がフレーム51(回転電機10)の振動(振動値)を検出し、バランサ装置203が、振動センサ202の検出結果を表示装置に表示する。
【0062】
次に、バランサ装置203が、振動センサ202によって検出された振動すなわち振動値が基準内かを判定する(S103)。基準は、所定の閾値である。バランサ装置203は、振動値が閾値以下である場合には、振動値が基準内であると判定する(S103:Yes)。振動値が基準内であると判定された場合(S103:Yes)バランス調整方法は終了する。バランサ装置203は、振動値が閾値を超える場合には、振動値が基準内ではないと判定する(S103:No)。振動値が基準内でないと判定された場合(S103:No)、S104の第2の準備工程が行われる。なお、振動センサ202によって検出された振動値が基準内かの判定は、作業員が行っても良い。
【0063】
S104の第2の準備工程では、作業員が、回転電機10の運転を停止した状態で、第2の取付部62dに取り付けられた第1の開口部用カバー82Aを第2の取付部62dから取り外し、第2の取付部62dに第2の開口部用カバー82Bを取り付ける。第2の準備工程S104は、カバー交換工程の一例である。また、作業員は、光学センサ201が外扇カバー23の開口部63(貫通孔63a、開口部63b)の径方向の外側から外扇22を検出可能となるように、回転電機10と光学センサ201とを配置する。また、作業員は、各羽根22bに番号を記載する。
【0064】
次に、振動測定・外扇検出工程が行われる(S105)。具体的には、光学センサ201によって、第2の取付部62dに取り付けられた第2の開口部用カバー82Bの貫通孔63aおよび開口部63bを介して周壁62の径方向の外側から外扇22を検出する。より、具体的には、フォトセンサによって、羽根22bの回転パルス等が検出され、イメージセンサによって、羽根22bおよび羽根22bの番号が撮像により検出される。振動測定・外扇検出工程S105は、検出工程の一例である。
【0065】
次に、バランス検出工程が行われる(S106)。具体的には、バランサ装置203が、光学センサ201の検出結果と、振動センサ202の検出結果とに基づいて、振動位相を算出し、算出した振動位相に基づいて、回転子12における重量のアンバランスの位置と重量のアンバランスの両とを算出する。
【0066】
次に、バランス調整工程が行われる(S107)。具体的には、作業員が、アンバランスの位置の羽根22bと180°ずれた位置の羽根22bに釣り合い用の錘を取り付ける。これにより、アンバラン位置が変化し、アンバラン量(重量)が減少する。
【0067】
次に、振動測定工程が行われる(S108)。具体的には、作業者は、回転電機10の運転の再開操作を行う。これにより、回転子12が回転する。回転子12が回転している状態で、振動センサ202がフレーム51(回転電機10)の振動(振動値)を検出し、バランサ装置203が、振動センサ202の検出結果を表示装置に表示する。
【0068】
次に、バランサ装置203が、S103と同様に、振動センサ202によって検出された振動すなわち振動値が基準内かを判定する(S109)。振動値が基準内であると判定された場合(S109:Yes)バランス調整方法は終了する。振動値が基準内でないと判定された場合(S109:No)、振動値が基準内になるまで、S105~S109の工程が繰り返し行われる。
【0069】
以上のように、本実施形態の外扇検出方法は、第2の取付部62dに取り付けられた前記第1の開口部用カバー82Aを第2の取付部62dから取り外し、第2の取付部62dに第2の開口部用カバー82Bを取り付ける第2の準備工程S104(カバー交換工程)を含む。また、外扇検出方法は、光学センサ201によって、第2の取付部62dに取り付けられた第2の開口部用カバー82Bの貫通孔63aおよび開口部63bを介して周壁62の径方向の外側から外扇22を検出する振動測定・外扇検出工程S105(検出工程)を含む。
【0070】
以上のバランス調整方法により回転子12の重量バランス(回転バランス)が調整され、振動が減少する。
【0071】
以上のように、本実施形態の外扇カバー23は、第1の取付部62cと、周壁62と、を備える。第1の取付部62cは、回転中心軸Ax回りに回転可能な外扇22を備えた回転電機10のカバー取付部55に取り付け可能である。周壁62は、外扇22に対して前記回転中心軸Axの径方向の外側で外扇22を囲う周壁62であって、当該周壁62の径方向の外側から外扇22の検出が可能である。
【0072】
このような構成によれば、周壁62の径方向の外側から外扇22の検出が可能であるので、カバー取付部55に外扇カバー23が取り付けられた状態で、周壁62の径方向の外側から外扇22を光学的に検出をすることができる。よって、外扇22の光学的な検出の際に外扇22と人とが接触するのを抑制することができる。
【0073】
また、周壁62には、当該周壁62の径方向の外側からの外扇22の光学的な検出が可能な開口部63bが設けられている。
【0074】
このような構成によれば、カバー取付部55に外扇カバー23が取り付けられた状態で、周壁62の径方向の外側から開口部63bを介して外扇22の検出をすることができる。
【0075】
また、外扇カバー23は、第2の取付部62dを備える。第2の取付部62dは、第1の開口部用カバー82Aと、第2の開口部用カバー82Bと、を選択的に取り付け可能である。第1の開口部用カバー82Aは、開口部63bを塞ぐ。第2の開口部用カバー82Bは、開口部63bと通じ前記開口部63bよりも小さい複数の貫通孔63aが設けられ、開口部63bを覆う。第2の開口部用カバー82Bが第2の取付部62dに取り付けられた状態で、第2の開口部用カバー82Bの貫通孔63aおよび開口部63bを介して周壁62の径方向の外側からの外扇22の光学的な検出が可能である。
【0076】
このような構成によれば、回転電機10の通常運転時には、第1の開口部用カバー82Aを第2の取付部62dに取り付けることにより、外扇22によって送風される空気が開口部63bから漏れるのを抑制することができる。よって、外扇22の送風による回転電機10の冷却性の低下を抑制することができる。一方、回転電機10のバランス調整時には、第2の開口部用カバー82Bを第2の取付部62dに取り付けることにより、周壁62の径方向の外側から開口部63bを介して外扇22の検出をすることができる。このとき、貫通孔63aが開口部63bよりも小さいので、外扇22の検出の際に外扇22と人とが接触するのをより一層抑制することができる。
【0077】
<第2の実施形態>
図8は、第2の実施形態の回転電機10Aを概略的に示す断面図であって、通常運転用の外扇カバー23Aが取り付けられた状態の図である。図9は、第2の実施形態の回転電機10Aを概略的に示す断面図であって、バランス調整用の外扇カバー23Bが取り付けられた状態の図である。
【0078】
図8および図9に示すように、本実施形態の回転電機10Aは、回転電機10の外扇カバー23に替えて外扇カバー23A,23Bが設けられている点が第1の実施形態と異なる。外扇カバー23A,23Bは、カバー取付部55に着脱可能に取り付けられる。
【0079】
図8に示す外扇カバー23Aは、通常運転用のものであり、開口部63bが設けられていない。外扇カバー23Aは、外扇22を覆う。
【0080】
図9に示す外扇カバー23Bは、バランス調整用のものであり、開口部63bが設けられていない。
【0081】
図10は、第2の実施形態のバランス調整用の外扇カバー23Bを概略的に示す斜視図である。図11は、第2の実施形態のバランス調整用の外扇カバー23Bを概略的に示す図であって、外扇カバー23Bが展開された状態の図である。
【0082】
図10および図11に示されるように、外扇カバー23Bは、周壁62Bを有するが、端壁61は有さない。外扇カバー23Bは、円筒状に丸められた透明な板状部材90によって構成され、径を変更可能である。板状部材90は、例えば透明なアクリル板である。このような外扇カバー23の周壁62は、光が通過可能である。少なくとも一部(一例として全部)が周壁62の外側からの外扇22の光学的な検出が可能である。なお、周壁62は、一部だけが透明であっても良い。周壁62の透明部は、光通過部とも称される。
【0083】
周壁62には、カバー取付部55に取り付け可能な第1の取付部62cが設けられている。第1の取付部62cには、複数の長孔91が設けられている。複数の長孔91の長手方向は、周壁62の周方向に沿う。また、周壁62には、複数の長孔92が設けられている。複数の長孔92の長孔の長手方向は、周壁62の周方向に沿う。
【0084】
外扇カバー23には、周壁62の両端部が重ねられた重なり部93が形成される。重な部93では、二つの長孔91が重なるとともに、二つの長孔92が重なる。
【0085】
外扇カバー23は、長孔91に挿入されたボルト65によって、カバー取付部55に固定される。このとき、重なり部93において重なった二つの長孔92にボルト65が挿入される。
【0086】
外扇カバー23は、ボルト65が取り外れた状態で、重なり部93の重なり量を変更することで、径(直径および内径)を変更可能である。
【0087】
次に、本実施形態のバランス調整方法を説明する。本実施形態では、第2の準備工程(図7のS104)において、作業員は、カバー取付部55に取り付けられた外扇カバー23A(第1の外扇カバー)をカバー取付部55から取り外し、カバー取付部55に外扇カバー2323B(第2の外扇カバー)を取り付ける。
【0088】
また、振動測定・外扇検出工程(図7のS105)では、光学センサ201によって、カバー取付部55に取り付けられた外扇カバー23Bの周壁62の径方向の外側から外扇22を検出する。
【0089】
上記の構成によれば、カバー取付部55に外扇カバー23Bが取り付けられた状態で、周壁62の透明な部分の径方向の外側から外扇22を光学的に検出することができる。よって、外扇22の検出の際に外扇22と人とが接触するのを抑制することができる。
【0090】
また、周壁62は、円筒状に丸められた板状部材90によって構成され、径を変更可能である。
【0091】
このような構成によれば、複数のカバー取付部55をつなぐ仮想円の径に応じて、周壁62の径を設定することができる。よって、複数のカバー取付部55をつなぐ仮想円の径が互いに異なる複数の仕様の回転電機10Aに対して、一つの外扇カバー23Bを共用することができる。
【0092】
図12は、第2の実施形態の変形例のバランス調整用の外扇カバー23C(第2の外扇カバー)を概略的に示す図であって、外扇カバー23Cが展開された状態の図である。
【0093】
本変形例の外扇カバー23Cは、複数の開口部94が設けられている点が、外扇カバー23Bに対して異なる。開口部63Bは、光が通過可能な光通過部である。このような構成によれば、開口部94を介して光学的に外扇22を検出することができる。また、複数の開口部94が設けられているので、外扇22の大きさや形状に応じて使用する開口部94を選択することができる。
【0094】
なお、上記実施形態では、回転電機10が内扇21を備えた例が示されたが、これに限定されない。例えば、内扇21が設けられていなくても良い。また、第1の開口部用カバー82Aに重ねて第2の開口部用カバー82Bを取り付けても良い。
【0095】
また、上記実施形態において、シャフト14に摺動するアースブラシを設けても良い。
【0096】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0097】
10,10A…回転電機、22…外扇、23,23A,23B,23C…外扇カバー、55…カバー取付部、62…周壁、62c…第1の取付部、62d…第2の取付部、63a…貫通孔、63b…開口部、82A…第1の開口部用カバー、82B…第2の開口部用カバー、90…板状部材、Ax…回転中心軸、S104…第2の準備工程(カバー交換工程)、S105…振動測定・外扇検出工程(検出工程)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12