(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128305
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】開閉窓
(51)【国際特許分類】
E05F 17/00 20060101AFI20240913BHJP
E05F 11/20 20060101ALI20240913BHJP
E05D 15/46 20060101ALI20240913BHJP
E05D 15/44 20060101ALI20240913BHJP
E06B 3/38 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
E05F17/00 D
E05F11/20
E05D15/46
E05D15/44
E06B3/38
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037225
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000442
【氏名又は名称】弁理士法人武和国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三宅 玲子
(72)【発明者】
【氏名】奈良 栄達
(72)【発明者】
【氏名】羽田野 嘉雄
【テーマコード(参考)】
2E014
【Fターム(参考)】
2E014EB01
2E014EB05
2E014EB08
(57)【要約】
【課題】開閉窓に設けられた回動により開閉する障子を単純な機構で開閉させる。
【解決手段】開閉窓5は、一対の枠材6の間で回動する開閉可能な障子20と、枠材6の長手方向に移動可能な移動材7と、障子20を移動材7に連結して障子20とともに回動する連結材60、70を備える。移動材7は、枠材6の長手方向への移動時に、連結材60、70を回動させる連結突部7Aを有する。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一対の枠材の間で回動する開閉可能な障子を備えた開閉窓であって、
前記枠材の長手方向に移動可能な移動材と、
前記障子を前記移動材に連結して前記障子とともに回動する連結材と、を備え、
前記移動材は、前記枠材の長手方向への移動時に、前記連結材を回動させる連結突部を有する開閉窓。
【請求項2】
請求項1に記載された開閉窓において、
前記枠材の長手方向に並ぶ複数の前記障子と、
前記複数の障子のそれぞれを前記移動材に連結する複数の前記連結材と、を備え、
前記移動材は、前記複数の連結材のそれぞれを回動させる複数の前記連結突部を有する開閉窓。
【請求項3】
請求項2に記載された開閉窓において、
前記複数の連結材は、互いに異なる角度で前記障子を回動させる複数種類の前記連結材を含む開閉窓。
【請求項4】
請求項2又は3に記載された開閉窓において、
前記障子は、前記枠材の長手方向における両側の縁部に設けられたタイト材を有し、
前記複数の障子を閉じた状態で、前記枠材の長手方向に隣り合う前記障子の間の箇所が前記タイト材により塞がれる開閉窓。
【請求項5】
請求項1ないし3のいずれかに記載された開閉窓において、
前記移動材を前記枠材に保持して、前記枠材の長手方向に前記移動材を案内するガイドを備えた開閉窓。
【請求項6】
請求項1ないし3のいずれかに記載された開閉窓において、
前記連結材は、前記連結突部が移動可能に連結された長孔部を有する開閉窓。
【請求項7】
請求項6に記載された開閉窓において、
前記長孔部は、前記障子が閉じた状態で前記連結突部が配置されて、前記移動材の移動時に、前記連結材を回動させずに前記連結突部を前記枠材の長手方向に移動させる第1孔部と、前記第1孔部の端部に連続して、前記移動材の移動時に、前記連結突部により前記連結材を回動させつつ前記連結突部の位置を変化させる第2孔部と、を有する開閉窓。
【請求項8】
請求項6に記載された開閉窓において、
前記連結突部は、前記移動材の移動時に、前記長孔部の内部における位置を変化させつつ前記連結材を連続して回動させる開閉窓。
【請求項9】
請求項8に記載された開閉窓において、
前記障子が閉じた状態で前記枠材を左右方向における側方からみたときに、前記長孔部の長手方向は、前記枠材の長手方向に対して直交する開閉窓。
【請求項10】
請求項8に記載された開閉窓において、
前記障子が閉じた状態で前記枠材を左右方向における側方からみたときに、前記長孔部の長手方向は、前記枠材の長手方向に直交する方向に対して傾斜する開閉窓。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対の枠材の間で回動する障子を備えた開閉窓に関する。
【背景技術】
【0002】
開閉窓の障子は、一対の枠材に回動可能に連結されて、一対の枠材の間に配置される。開閉窓には、障子を開閉させる機構が設けられて、障子が回動により開閉する。また、従来、障子を開閉させる機構として、複数のリンクと複数のクランクを用いて障子を開閉させるオーニング窓等の開閉機構が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1に記載された従来の開閉機構では、上側クランクと下側クランクにより昇降リンクを昇降させる。また、開閉リンクは、上リンクと下リンクにより構成され、上リンクのピンは、案内部の案内孔に係合する。昇降リンクにより開閉リンクが駆動されて、開閉リンクにより障子が開閉する。このように、従来の開閉機構では、複数のリンクと複数のクランクが複雑に連結されており、構造が複雑になっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、前記従来の問題に鑑みなされたもので、その目的は、開閉窓に設けられた回動により開閉する障子を単純な機構で開閉させることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
一対の枠材の間で回動する開閉可能な障子を備えた開閉窓であって、
前記枠材の長手方向に移動可能な移動材と、
前記障子を前記移動材に連結して前記障子とともに回動する連結材と、を備え、
前記移動材は、前記枠材の長手方向への移動時に、前記連結材を回動させる連結突部を有する開閉窓である。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、開閉窓に設けられた回動により開閉する障子を単純な機構で開閉させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本実施形態のカーテンウォールを示す正面図である。
【
図2】本実施形態のカーテンウォールを示す横断面図である。
【
図3】本実施形態のカーテンウォールを示す縦断面図である。
【
図4】本実施形態のカーテンウォールユニットを示す正面図である。
【
図5】本実施形態のカーテンウォールユニットの開閉窓を示す横断面図である。
【
図6】本実施形態のカーテンウォールユニットの開閉窓を示す縦断面図である。
【
図7】本実施形態の移動材の移動装置を示す図である。
【
図8】本実施形態の第1連結材が設けられた障子を示す図である。
【
図9】本実施形態の第1連結材が設けられた障子を示す図である。
【
図10】本実施形態の第2連結材が設けられた障子を示す図である。
【
図11】本実施形態の第2連結材が設けられた障子を示す図である。
【
図12】他の実施形態の連結材が設けられた障子を示す図である。
【
図13】他の実施形態の連結材が設けられた障子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の開閉窓の一実施形態について、図面を参照して説明する。
本実施形態の開閉窓は、1つ又は複数の開閉可能な障子を備えた開閉窓である。以下では、開閉窓が複数の障子を備えた段窓である場合を例にとり、本実施形態の開閉窓について説明する。また、本実施形態の開閉窓は、カーテンウォールのカーテンウォールユニットに設けられる。カーテンウォールユニット及びカーテンウォールは、建物の外壁で、建物の屋内(室内)と屋外(室外)の間に設置される。
【0010】
図1は、本実施形態のカーテンウォール1を示す正面図であり、建物10に設置されたカーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2を屋外側からみて示している。
図2は、本実施形態のカーテンウォール1を示す横断面図であり、
図1のX1-X1線で切断したカーテンウォール1を示している。
図3は、本実施形態のカーテンウォール1を示す縦断面図であり、
図1のX2-X2線で切断したカーテンウォール1と建物10の一部を示している。
【0011】
図示のように、カーテンウォール1は、建物10に並べて設置される複数のカーテンウォールユニット2を備えている。カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2は、建物10の外壁11の箇所に設置されて、建物10の外壁11を構成している。カーテンウォールユニット2は、カーテンウォール1を構成するパネルユニットであり、建物10への設置前に、予めユニットとして組み立てられる。カーテンウォールユニット2は、上下方向Rと左右方向Sに並べて設置されて、それぞれ隣り合うカーテンウォールユニット2と互いに組み合わされている。
【0012】
カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2は、建物10の躯体12の屋外側に配置されて、建物10の躯体12に取り付けられている。ここでは、カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2の屋内側の箇所は、建物10の屋内のテラスであり、カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2の屋外側の箇所は、建物10の屋外の空間である。カーテンウォール1及びカーテンウォールユニット2は、建物10の屋内のテラスと建物10の屋外の空間の間に設置される。
【0013】
図4は、本実施形態のカーテンウォールユニット2を示す正面図であり、屋外側からみた1つのカーテンウォールユニット2の概略構成を示している。
図示のように、カーテンウォールユニット2は、2つのパネル体2Aと、複数の障子20と、パネル体2A及び障子20を囲む枠体3を備えている。枠体3は、開口3Aを形成する方形状の開口枠であり、建物10の躯体12に取り付けられている。パネル体2Aは、方形状のガラスパネル(例えば、板ガラス、複層ガラス、又は、合わせガラス)であり、障子20は、開閉可能なパネル体(
図3では、開いた状態の障子20を二点鎖線で示す)である。パネル体2Aと障子20は、枠体3の開口3Aに配置されて、枠体3に保持されている。
【0014】
枠体3は、互いに組み合わされた4つの枠30、31、40(上枠30、下枠31、及び、一対の縦枠40)、無目32、及び、縦中骨50を有し、枠30、31、40、無目32、及び、縦中骨50により、方形状の開口3Aを形成している。枠体3の枠30、31、40、無目32、及び、縦中骨50は、枠体3を構成する枠材(枠構成材)であり、それぞれ押出成形により形成された金属製(例えば、アルミニウム合金製)の形材からなる。また、無目32は、枠体3の横中枠であり、上枠30、下枠31、及び、無目32は、横方向(左右方向S)に延びる横枠材である。縦中骨50は、枠体3の縦中枠であり、一対の縦枠40と縦中骨50は、縦方向(上下方向R)に延びる縦枠材である。
【0015】
上枠30と下枠31は、枠体3の上部と下部に位置し、一対の縦枠40は、枠体3の左右の側部に位置している。上枠30、下枠31、及び、左右の縦枠40の端部同士が接続されて、枠30、31、40が枠組みされている。縦中骨50は、左右の縦枠40の間に位置して、上枠30と下枠31に接続されている。縦中骨50は、上枠30と下枠31の間に架設されて、枠体3の開口3Aを左右に区画している。無目32は、上枠30と下枠31の間に位置して、左右の縦枠40のそれぞれと縦中骨50に接続されている。無目32は、縦枠40と縦中骨50の間に架設されて、枠体3の開口3Aを上下に区画している。
【0016】
パネル体2Aは、枠体3の上枠30、無目32、縦枠40、及び、縦中骨50に囲まれた開口3Aに配置されている。パネル体2Aは、上枠30、無目32、縦枠40、及び、縦中骨50に保持されて、枠体3に固定されている。複数の障子20は、枠体3の下枠31、無目32、縦枠40、及び、縦中骨50に囲まれた開口3Aに配置されている。障子20は、縦枠40と縦中骨50に回動可能に保持されている。
【0017】
カーテンウォールユニット2は、開閉しない左右の固定窓4と、開閉可能な左右の開閉窓5を備えている。固定窓4は、カーテンウォールユニット2におけるパネル体2Aを含む部分であり、カーテンウォールユニット2の上側部分に設けられている。開閉窓5は、カーテンウォールユニット2における複数の障子20を含む部分であり、カーテンウォールユニット2の下側部分に設けられている。固定窓4と開閉窓5は、それぞれ縦中骨50の左右の両側に設けられて、カーテンウォールユニット2の一部を構成している。
【0018】
なお、建物10に設置したカーテンウォールユニット2及び開閉窓5を正面からみたときに、上下となる方向が上下方向Rであり、左右となる方向が左右方向Sである。
図4では、上下方向Rは鉛直方向であり、左右方向Sは水平方向である。屋内外方向Tは、建物10に設置したカーテンウォールユニット2及び開閉窓5における屋内外方向(室内外方向)である。また、屋内外方向Tは、建物10に設置したカーテンウォールユニット2及び開閉窓5を正面からみたときに、前後となる方向(奥行方向)であり、
図4では、左右方向Sに直交する水平方向である。このように、カーテンウォールユニット2及び開閉窓5に関する方向は、建物10に設置した状態での方向で特定する。また、カーテンウォールユニット2及び開閉窓5に関して屋内側、屋外側とは、建物10に設置した状態での屋内側、屋外側である。
【0019】
開閉窓5は、一対の枠材6と、一対の枠材6の間で回動する開閉可能な障子20を備えている。ここでは、一対の枠材6は、左右方向Sに隣り合う縦枠40と縦中骨50であり、開閉窓5は、枠材6の長手方向に並ぶ複数の障子20を備えている。縦枠40と縦中骨50は、一対の縦枠材であり、枠材6の長手方向は、上下方向Rである。複数の障子20は、枠材6の長手方向に順に並べて設けられて、枠材6の長手方向において隣り合う。一対の枠材6(縦枠40、縦中骨50)は、互いの間に開閉窓5の開口3Aを形成し、互いの間に開口3A及び障子20を挟んで相対する。
【0020】
図5は、本実施形態のカーテンウォールユニット2の開閉窓5を示す横断面図であり、左右方向Sと屋内外方向Tを含む面で切断した開閉窓5を示している。
図6は、本実施形態のカーテンウォールユニット2の開閉窓5を示す縦断面図であり、上下方向Rと屋内外方向Tを含む面で切断した開閉窓5を示している。
図6では、開いた状態の障子20を二点鎖線で示している。
【0021】
図示のように、複数の障子20は、回動により開閉する開閉体(開閉障子)であり、一対の枠材6の間に配置されて、開口3Aに設けられている。障子20は、一対の枠材6に回動可能及び開閉可能に連結され、一対の枠材6の間で、屋内外方向Tに向かって回動して開閉する。ここでは、障子20は、屋外側に向かって回動することで開き、屋内側に向かって回動することで閉じる。障子20が開くことで、開口3Aが開放され、障子20が閉じることで、開口3Aが閉鎖される。従って、障子20が閉じた状態は、障子20が全閉して開口3Aが閉鎖された状態であり、障子20が開いた状態は、障子20が全開して開口3Aが開放された状態である。
【0022】
障子20は、パネル21と、パネル21を囲む框体22を有している。パネル21は、方形状のガラスパネル(例えば、板ガラス、複層ガラス、又は、合わせガラス)であり、方形状の框体22の内側に配置されて、框体22に固定されている。框体22は、互いに組み合わされた4つの框23~25(上框23、下框24、及び、一対の縦框25)を有している。框体22の框23~25は、框体22を構成する框材(框構成材)であり、それぞれ押出成形により形成された金属製(例えば、アルミニウム合金製)の形材からなる。
【0023】
上框23と下框24は、横方向に延びる一対の横框材であり、框体22の上部と下部に位置している。一対の縦框25は、縦方向に延びる一対の縦框材であり、框体22の左右の側部に位置している。上框23、下框24、及び、左右の縦框25の端部同士が接続されて、框23~25が枠組みされている。一対の横框材(上框23、下框24)と一対の縦框材(一対の縦框25)の一方は、パネル21の縁部を屋外側に露出させた状態でパネル21の縁部を保持し、一対の横框材と一対の縦框材の他方は、パネル21の縁部を屋外側において覆った状態でパネル21の縁部を保持する。ここでは、一対の縦框25は、パネル21の縁部(縦縁部)を屋外側において保持する屋外側保持部25Aを有しており、屋外側保持部25Aにより、パネル21の縁部を屋外側において覆う。
【0024】
一対の縦框25は、パネル21の縁部を屋外側、屋内側、及び、障子20の外周側において保持する。これに対し、上框23と下框24は、パネル21の縁部(上縁部、下縁部)を屋外側において保持する屋外側保持部を有しておらず、パネル21の縁部を屋外側において覆わない。上框23と下框24は、パネル21の縁部を屋外側において保持せずに屋内側と障子20の外周側において保持する。上框23と下框24のそれぞれとパネル21の屋内側面の間、及び、上框23と下框24のそれぞれとパネル21の外周面の間には、シール材26が挟まれて、シール材26により、上框23と下框24のそれぞれとパネル21の屋内側面の間の箇所、及び、上框23と下框24のそれぞれとパネル21の外周面の間の箇所が塞がれている。
【0025】
一対の枠材6(縦枠40、縦中骨50)は、それぞれ保持部41、51、アタッチメント42、52、及び、見込み部43、53を有している。保持部41、51は、枠材6の溝状の屋外側部であり、アタッチメント42、52を介して、障子20を回動可能に保持している。アタッチメント42、52は、保持部41、51内に装着された装着材であり、保持部41、51を覆う。見込み部43、53は、保持部41、51から屋内側に向かって延び、枠材6の見込み方向(屋内外方向T)に沿って配置されている。なお、カーテンウォールユニット2の固定窓4では、アタッチメント42、52が保持部41、51内に装着されずに、パネル体2Aの縁部(縦縁部)が保持部41、51内に保持されている。
【0026】
障子20は、一対の軸材27により回動可能に支持されている。軸材27は、左右方向Sに沿って配置されて、框体22の一対の縦框25のそれぞれを枠材6のアタッチメント42、52に連結する。また、軸材27は、縦框25の長手方向における両端の間の部分(中間部)に位置している。障子20は、一対の軸材27により、一対の枠材6に回動可能に連結されて、一対の軸材27を中心に屋内外方向Tに向かって回動する。
【0027】
開閉窓5は、枠材6の長手方向に移動可能な移動材7と、移動材7を枠材6に保持するガイド8と、障子20のそれぞれに設けられた連結材60、70を備えている。移動材7は、スライドにより移動する可動材であり、一対の枠材6のそれぞれに設けられて、枠材6の長手方向に延びる。移動材7の長手方向は、上下方向Rであり、枠材6の長手方向に一致する。移動材7は、枠材6の見込み部43、53の開口3A側に位置し、見込み部43、53に沿って配置されて、見込み部43、53に接触する。移動材7は、複数のガイド8により、枠材6に移動可能に連結されて、枠材6の長手方向に移動する。
【0028】
ガイド8は、枠材6(見込み部43、53)に取り付けられたガイド材であり、枠材6及び移動材7の長手方向の複数箇所に設けられている。複数のガイド8は、枠材6及び移動材7の長手方向に互いに離隔し、枠材6及び移動材7の長手方向に間隔をあけて設けられている。移動材7は、ガイド8と枠材6の間の隙間に配置されて、枠材6の長手方向に移動可能にガイド8と枠材6の間に挟まれる。ガイド8は、移動材7を枠材6に向かって押えて、移動材7を枠材6に保持しつつ、枠材6の長手方向に移動材7を案内する。その状態で、移動材7は、枠材6に沿ってスライドして、スライドにより移動するとともに、枠材6の長手方向の一方側と他方側とに移動する。
【0029】
連結材60、70は、障子20に取り付けられたブラケットであり、障子20の屋内側に位置して、障子20から移動材7に向かって突出している。また、連結材60、70は、障子20の一対の縦框25のそれぞれに取り付けられて、障子20の縦框25から枠材6の移動材7まで延びる。連結材60、70は、障子20を移動材7に連結して、障子20とともに回動する。移動材7は、連結材60、70を回動させて、連結材60、70により、障子20を回動させる。障子20は、左右方向Sの両側に設けられた一対の連結材60、70を有し、移動材7の移動に伴い、連結材60、70と一体に回動して開閉する。
【0030】
移動材7は、連結材60、70を移動材7に連結する連結突部7Aを有している。連結材60、70は、連結突部7Aに移動可能に連結されるとともに、連結突部7Aを介して移動材7に移動可能に連結されている。連結突部7Aは、連結材60、70に向かって突出し、移動材7の移動に伴い、移動材7とともに枠材6の長手方向に移動する。移動材7の枠材6の長手方向への移動時に、移動材7は、連結突部7Aにより、連結材60、70を障子20とともに回動させて、障子20を開閉させる。
【0031】
連結材60、70は、連結突部7Aが移動可能に連結された長孔部61、71を有している。長孔部61、71は、連結材60、70に形成された長孔であり、連結材60、70を貫通している。連結突部7Aは、連結材60、70の長孔部61、71を貫通し、長孔部61、71の内部に移動可能に配置されて、長孔部61、71の内部での位置を変化可能に長孔部61、71に連結されている。連結材60、70は、長孔部61、71により、連結突部7Aに回動可能かつ移動可能に連結されて、連結突部7Aに対して回動しつつ移動する。移動材7が枠材6の長手方向に移動するときに、連結突部7Aは、枠材6の長手方向に移動して、長孔部61、71の内部での位置を変化させつつ、連結材60、70及び障子20を回動させる。
【0032】
開閉窓5は、複数の障子20に設けられて、複数の障子20のそれぞれを移動材7に連結する複数の連結材60、70を備えている。複数の障子20は、それぞれ連結材60、70により共通の移動材7に連結されて、共通の移動材7の移動に連動して回動する。移動材7は、複数の連結材60、70のそれぞれを回動させる複数の連結突部7Aを有している。複数の連結突部7Aは、複数の連結材60、70の長孔部61、71のそれぞれに移動可能に連結されている。また、複数の連結突部7Aは、枠材6及び移動材7の長手方向に互いに離隔し、枠材6及び移動材7の長手方向に間隔をあけて設けられて、移動材7の移動により、同時に同じ方向に移動する。
【0033】
開閉窓5は、一対の枠材6に設けられた移動材7のそれぞれを移動させる移動装置80を備えている(
図3、
図4参照)。移動装置80は、開閉窓5又は建物10に取り付けられて、移動材7の一端側部又は他端側部(ここでは、上部又は下部)に連結されている。移動装置80は、操作装置(図示せず)から無線又は有線で操作信号を受信して作動し、受信した操作信号に基づいて、移動材7を移動させる。移動材7は、移動装置80により、枠材6の長手方向の一方側と他方側のそれぞれに移動して、連結材60、70及び障子20を回動させる。その際、移動材7は、枠材6の長手方向の一方側(ここでは、下側)に移動して、障子20の開方向に複数の連結材60、70及び障子20を回動させ、複数の障子20を開く。また、移動材7は、枠材6の長手方向の他方側(ここでは、上側)に移動して、障子20の閉方向に複数の連結材60、70及び障子20を回動させ、複数の障子20を閉じる。
【0034】
図7は、本実施形態の移動材7の移動装置80を示す図であり、
図3に示す移動装置80の箇所を拡大して示している。
図示のように、移動装置80は、電動式の移動装置であり、開閉窓5又は建物10に取り付けられた電動シリンダ81と、移動材7を電動シリンダ81に取り付ける取付材82を有し、取付材82により、移動材7(ここでは、移動材7の上部)に連結されている。電動シリンダ81は、ロッド83を有する電動アクチュエータであり、取付材82は、電動シリンダ81のロッド83と移動材7に固定されている。電動シリンダ81は、ロッド83を枠材6の長手方向に移動させて、ロッド83により、取付材82及び移動材7を枠材6の長手方向に移動させる。
【0035】
開閉窓5の複数の連結材60、70は、互いに異なる角度(回動角度)で障子20を回動させる複数種類の連結材60、70を含む(
図3、
図6参照)。障子20の回動角度は、連結材60、70とともに回動する障子20の開き角度であり、枠材6を左右方向Sにおける側方からみたときに、閉じた状態の障子20(全閉した障子20)に対する開いた状態の障子20(全開した障子20)の角度である。複数種類の連結材60、70の長孔部61、71は、互いに異なる形状に形成されている。
【0036】
開閉窓5は、複数種類の連結材60、70により、複数の障子20を互いに異なる複数の回動角度で回動させて、複数の障子20を互いに異なる複数の開き角度で開く。ここでは、複数の連結材60、70は、2種類の連結材60、70(第1連結材60、第2連結材70)のみを含む。第1連結材60による障子20の回動角度は、第2連結材70による障子20の回動角度よりも大きく、第1連結材60が設けられた障子20は、第2連結材70が設けられた障子20よりも大きな開き角度で開く。第1連結材60による障子20の開き角度は、例えば、60°であり、第2連結材70による障子20の開き角度は、例えば、25°である。開閉窓5は、第1連結材60が設けられた1つ又は複数(ここでは、複数)の障子20と、第2連結材70が設けられた1つ又は複数(ここでは、複数)の障子20を備えている。
【0037】
図8、
図9は、本実施形態の第1連結材60が設けられた障子20を示す図であり、
図6の一部を拡大して示している。また、
図8は、閉じた状態の障子20と第1連結材60を示し、
図9は、開いた状態の障子20と第1連結材60を示している。
図示のように、障子20は、ヒレ状のタイト材28を有している。タイト材28は、閉じた状態の障子20において、枠材6の長手方向における両側の縁部に設けられている。開閉窓5の複数の障子20を閉じた状態で、枠材6の長手方向に隣り合う障子20の間の箇所がタイト材28により塞がれて止水される。
【0038】
タイト材28は、障子20に装着された止水材であり、障子20の両側の縁部に沿って延びる。ここでは、障子20の両側の縁部は、障子20の上縁部と下縁部であり、タイト材28は、障子20の外周に装着されている。障子20の縁部のタイト材28は、それぞれ隣り合う他の障子20の縁部に向かって突出して、他の障子20の縁部に接触する。隣り合う障子20の縁部のそれぞれのタイト材28は、屋内外方向Tに離隔して相対する。隣り合う障子20の間の箇所は、相対する2重のタイト材28により塞がれる。
【0039】
障子20が閉じた状態(
図8参照)で、第1連結材60の長孔部61は、移動材7から障子20に向かって延びる。長孔部61の長手方向は、長孔部61の延びる方向(長さ方向)であり、長孔部61の短手方向(幅方向)と直交する。また、長孔部61の一端部と他端部は、長孔部61の長手方向における一方側の端部と他方側の端部であり、長孔部61は、一端部と他端部の間で直線的に延びる。長孔部61の長手方向において、長孔部61の一端部は、移動材7側に位置し、長孔部61の他端部は、障子20側に位置する。障子20が閉じた状態で、枠材6を左右方向Sにおける側方からみたときに、長孔部61の長手方向は、枠材6及び移動材7の長手方向に対して直交し、長孔部61は、枠材6及び移動材7の長手方向に対して直交する方向に延びる。ここでは、長孔部61の長手方向は、屋内外方向Tであり、長孔部61は、屋内外方向Tに延びる。
【0040】
移動材7の枠材6の長手方向への移動時に、連結突部7Aは、第1連結材60の長孔部61の内部で、移動材7とともに枠材6の長手方向に移動して、長孔部61及び第1連結材60を障子20とともに回動させる。その際、連結突部7Aは、長孔部61の内部における位置を変化させつつ、第1連結材60を連続して回動させる。また、連結突部7Aは、長孔部61の一端部と他端部の間で長孔部61の長手方向における位置を連続して変化させる。
【0041】
連結突部7Aは、長孔部61の内部で、第1連結材60(長孔部61の内面部)に接触して、長孔部61に沿って移動する。これにより、連結突部7Aは、移動材7及び連結突部7Aの移動方向に第1連結材60を押し、障子20の回動方向の力を第1連結材60に加えて、第1連結材60を回動させる。第1連結材60は、連結突部7Aから受ける力により、連結突部7Aの移動方向に移動しつつ、障子20とともに障子20の回動方向に回動して、障子20を開閉させる。移動材7が移動する間の全体にわたって、連結突部7Aは、長孔部61の内部で、連続して長孔部61の内部における位置を変化させつつ第1連結材60を押して、第1連結材60及び障子20を回動させる。
【0042】
移動材7の移動に伴い(
図6参照)、第1連結材60と障子20が回動するとともに、第2連結材70と障子20が回動する。第2連結材70は、第1連結材60を回動させる連結突部7Aとは別の連結突部7Aにより、第1連結材60と同様に回動される。以下、第2連結材70及び長孔部71について、第1連結材60及び長孔部61と同じ事項の説明は省略して、第1連結材60及び長孔部61と相違する事項について説明する。
【0043】
図10、
図11は、本実施形態の第2連結材70が設けられた障子20を示す図であり、
図6の一部を拡大して示している。また、
図10は、閉じた状態の障子20と第2連結材70を示し、
図11は、開いた状態の障子20と第2連結材70を示している。
図示のように、第2連結材70の長孔部71は、互いに連続して形成された第1孔部72と第2孔部73を有している。第1孔部72と第2孔部73は、それぞれ長孔部71の一部を構成する長孔である。第2孔部73は、第1孔部72の端部に連続して形成されて、第1孔部72の端部から障子20に向かって延びる。長孔部71は、第1孔部72と第2孔部73の接続箇所(第1孔部72の下端部)で屈曲する屈曲形状に形成されて、一端部と他端部の間で屈曲して延びる。
【0044】
第2孔部73の長手方向は、第1孔部72の長手方向に対して直交し、第2孔部73は、第1孔部72の長手方向に対して直交する方向に延びる。障子20が閉じた状態(
図10参照)で、枠材6を左右方向Sにおける側方からみたときに、第1孔部72の長手方向は、枠材6及び移動材7の長手方向に対して平行となり、第1孔部72は、枠材6及び移動材7の長手方向に延びる。また、第2孔部73の長手方向は、枠材6及び移動材7の長手方向に対して直交し、第2孔部73は、枠材6及び移動材7の長手方向に対して直交する方向に延びる。ここでは、第1孔部72の長手方向は、上下方向Rであり、第1孔部72は、上下方向Rに延びる。第2孔部73の長手方向は、屋内外方向Tであり、第2孔部73は、屋内外方向Tに延びる。
【0045】
障子20が閉じた状態で、連結突部7Aは、長孔部71の第1孔部72に配置される。移動材7の枠材6の長手方向への移動時に、連結突部7Aは、第1孔部72の内部で、第2連結材70を停止させた状態で、移動材7とともに枠材6の長手方向に移動する。第1孔部72内の連結突部7Aは、移動材7及び連結突部7Aの移動方向に第2連結材70を押さずに、第1孔部72の一端部と他端部の間で第1孔部72の長手方向に移動する。第1孔部72は、第2連結材70を障子20とともに回動させずに、連結突部7Aを枠材6の長手方向に移動させる。第1孔部72内の連結突部7Aは、移動材7が移動しても、第2連結材70を回動させずに、第1孔部72の長手方向における位置を変化させる。
【0046】
障子20を開くときに、連結突部7Aは、移動材7の移動に伴い、第1孔部72の内部で第1孔部72の端部まで移動し、第1孔部72の内部から第2孔部73の内部に移動する。また、移動材7の枠材6の長手方向への移動時に、第2孔部73は、連結突部7Aにより第2連結材70を回動させつつ、連結突部7Aの位置を変化させる。連結突部7Aは、第2孔部73の内部で、移動材7とともに枠材6の長手方向に移動して、第2孔部73及び第2連結材70を障子20とともに回動させる。その際、連結突部7Aは、第2孔部73の内部における位置を変化させつつ、第2連結材70を連続して回動させる。また、連結突部7Aは、第2孔部73の一端部と他端部の間で第2孔部73の長手方向における位置を連続して変化させる。
【0047】
連結突部7Aは、第2孔部73の内部で、第2連結材70(第2孔部73の内面部)に接触して、第2孔部73に沿って移動する。これにより、連結突部7Aは、移動材7及び連結突部7Aの移動方向に第2連結材70を押し、障子20の回動方向の力を第2連結材70に加えて、第2連結材70を回動させる。第2連結材70は、連結突部7Aから受ける力により、連結突部7Aの移動方向に移動しつつ、障子20とともに障子20の回動方向に回動して、障子20を開閉させる。また、連結突部7Aは、障子20を閉じたときに、第2孔部73の内部から第1孔部72の内部に移動し、移動材7の移動に伴い、第1孔部72の内部で移動する。
【0048】
開閉窓5の複数の障子20を開く際には、移動装置80により、一対の枠材6の移動材7を枠材6の長手方向の一方側に同時に移動させる。移動材7の移動により、第2連結材70が停止した状態で、先に、第1連結材60が障子20とともに回動を開始する。続いて、第1連結材60の回動に遅れて、第2連結材70が障子20とともに回動を開始する。第1連結材60の回動と第2連結材70の回動により複数の障子20が開いたときに、移動装置80により、移動材7が停止して、第1連結材60の回動と第2連結材70の回動が停止する。
【0049】
複数の障子20を閉じる際には、移動装置80により、一対の枠材6の移動材7を枠材6の長手方向の他方側に同時に移動させる。移動材7の移動により、第1連結材60と第2連結材70がそれぞれ障子20とともに回動し、先に、第2連結材70が設けられた障子20が閉じて、第2連結材70の回動が停止する。続いて、第2連結材70が停止した状態で、第1連結材60が障子20とともに回動して、第1連結材60が設けられた障子20が閉じる。複数の障子20が閉じたときに、移動装置80により、移動材7が停止して、第1連結材60の回動が停止する。
【0050】
以上説明した開閉窓5では、障子20を開閉させるための機構を単純にして、開閉窓5に設けられた回動により開閉する障子20を単純な機構で開閉させることができる。また、移動材7の移動により、開閉窓5の複数の障子20を簡単に開閉させることができる。複数種類の連結材60、70を設けることで、複数の障子20のなかに、互いに異なる角度で回動する障子20を容易に設けることができる。
【0051】
障子20のタイト材28により、枠材6の長手方向に隣り合う障子20の間の箇所を止水して、開閉窓5の止水性を向上させることができる。枠材6のガイド8により、移動材7を枠材6に保持しつつ枠材6の長手方向に案内して、移動材7を枠材6の長手方向に安定して移動させることができる。移動材7の連結突部7Aを連結材60、70の長孔部61、71に移動可能に連結することで、障子20を開閉させる機構の構造を単純にすることができる。
【0052】
第1連結材60を設けた障子20では、移動材7の移動に伴い、連結突部7Aにより、第1連結材60及び障子20を連続して回動させて、障子20を円滑に開閉することができる。第1連結材60の長孔部61の長手方向を枠材6の長手方向に対して直交させることで、移動材7の移動に伴い、長孔部61の長手方向における連結突部7Aの位置を円滑に変化させて、連結突部7Aにより、第1連結材60を安定して回動させることができる。
【0053】
第2連結材70を設けた障子20では、障子20を開く動作の開始時及び障子20を閉じる動作の終了時に、障子20を回動させずに、移動材7及び連結突部7Aの移動を可能にして、障子20を閉じた状態に維持することができる。また、障子20を確実に閉じることもできる。複数種類の連結材60、70を組み合わせることで、複数の障子20を様々な開き角度で開くことができ、複数の障子20を様々な態様で開閉することもできる。
【0054】
なお、ガイド8は、枠材6に取り付けられたガイド材以外のガイド(例えば、枠材6に形成されて移動材7を移動可能に収容するガイド溝)であってもよい。また、移動装置80は、電動式の移動装置80に限定されず、他の移動装置(例えば、手動式の移動装置)であってもよい。手動式の移動装置は、例えば、手動で操作される操作部材と、操作部材から受ける力を移動材7に伝達して移動材7を移動させる伝達機構を有する。開閉窓5の連結材60、70は、1種類の連結材のみを含んでいてもよく、3種類以上の連結材を含んでいてもよい。連結材の長孔部は、様々な形状に形成可能であり、例えば、一端部と他端部の間で湾曲して延びていてもよい。
【0055】
長孔部61、71を連結材60、70に形成せずに、連結材60、70を連結突部7Aに回動可能に連結してもよい。連結材60、70は、障子20の回動に伴い、障子20の回動方向に移動する。そのため、この場合には、連結材60、70及び障子20を回動させるため、移動材7を屋内外方向Tに変位可能にする。移動材7を連結突部7Aとともに枠材6の長手方向に移動させつつ屋内外方向Tに変位させて、連結突部7Aを障子20の回動方向に移動させる。連結突部7Aにより、障子20の回動方向の力を連結材60、70に加えて、連結材60、70及び障子20を回動させる。
【0056】
図12、
図13は、他の実施形態の連結材(第3連結材90)が設けられた障子20を示す図である。また、
図12は、閉じた状態の障子20と第3連結材90を示し、
図13は、開いた状態の障子20と第3連結材90を示している。
図12、
図13に示す第3連結材90及び長孔部91については、第1連結材60及び長孔部61と同じ事項の説明は省略して、第1連結材60及び長孔部61と相違する事項について説明する。
【0057】
図示のように、障子20が閉じた状態(
図12参照)で、枠材6を左右方向Sにおける側方からみたときに、第3連結材90の長孔部91の長手方向は、枠材6及び移動材7の長手方向に直交する方向に対して傾斜し、長孔部91は、枠材6及び移動材7の長手方向に直行する方向に対して傾斜する方向に延びる。ここでは、長孔部91の長手方向は、屋内外方向Tに対して傾斜する方向であり、長孔部61は、屋内外方向Tに対して傾斜する方向に延びる。また、長孔部91の長手方向及び長孔部91は、屋内側の移動材7から屋外側の障子20に向かって斜め下方に延びる。
【0058】
第3連結材90による障子20の回動角度は、第1連結材60による障子20の回動角度よりも小さく、第2連結材70による障子20の回動角度よりも大きい。第3連結材90が設けられた障子20は、第1連結材60が設けられた障子20よりも小さな開き角度で開き、第2連結材70が設けられた障子20よりも大きな開き角度で開く。第3連結材90による障子20の開き角度は、例えば、42°である。
【0059】
第3連結材90では、移動材7の移動に伴い、長孔部91の長手方向における連結突部7Aの位置を円滑に変化させて、連結突部7Aにより、第3連結材90を安定して回動させることができる。また、第1連結材60と第3連結材90のように、長孔部61、91の長手方向を変更することで、障子20の開き角度を容易に変更することができる。長孔部61、91の長手方向が互いに異なる方向となる連結材60、90を組み合わせることで、障子20を互いに異なる回動角度で回動させることができる。
【0060】
以上、開閉窓5の一対の枠材6が縦枠40と縦中骨50である例について説明したが、一対の枠材6は、縦枠40と縦中骨50以外の一対の枠材6(例えば、一対の縦枠材である一対の縦枠、一対の横枠材)であってもよい。一対の横枠材は、例えば、上枠と下枠、上枠と無目、又は、下枠と無目である。開閉窓5は、カーテンウォールユニット2の一部を構成していてもよく、カーテンウォールユニット2の全体を構成していてもよい。開閉窓5は、1つの障子20のみを備えていてもよい。また、本発明は、カーテンウォールユニット2に設けられる開閉窓5に限定されず、種々の開閉窓に適用することができる。
【0061】
以上のとおり、本実施形態では、以下の(1)~(10)に記載された開閉窓を開示している。
【0062】
(1) 一対の枠材の間で回動する開閉可能な障子を備えた開閉窓であって、
前記枠材の長手方向に移動可能な移動材と、
前記障子を前記移動材に連結して前記障子とともに回動する連結材と、を備え、
前記移動材は、前記枠材の長手方向への移動時に、前記連結材を回動させる連結突部を有する開閉窓。
(1)に記載された開閉窓では、開閉窓に設けられた回動により開閉する障子を単純な機構で開閉させることができる。
【0063】
(2) (1)に記載された開閉窓において、
前記枠材の長手方向に並ぶ複数の前記障子と、
前記複数の障子のそれぞれを前記移動材に連結する複数の前記連結材と、を備え、
前記移動材は、前記複数の連結材のそれぞれを回動させる複数の前記連結突部を有する開閉窓。
(2)に記載された開閉窓では、移動材の移動により、複数の障子を簡単に開閉させることができる。
【0064】
(3) (2)に記載された開閉窓において、
前記複数の連結材は、互いに異なる角度で前記障子を回動させる複数種類の前記連結材を含む開閉窓。
(3)に記載された開閉窓では、複数の障子のなかに、互いに異なる角度で回動する障子を容易に設けることができる。
【0065】
(4) (2)又は(3)に記載された開閉窓において、
前記障子は、前記枠材の長手方向における両側の縁部に設けられたタイト材を有し、
前記複数の障子を閉じた状態で、前記枠材の長手方向に隣り合う前記障子の間の箇所が前記タイト材により塞がれる開閉窓。
(4)に記載された開閉窓では、タイト材により、枠材の長手方向に隣り合う障子の間の箇所を止水して、開閉窓の止水性を向上させることができる。
【0066】
(5) (1)ないし(4)のいずれかに記載された開閉窓において、
前記移動材を前記枠材に保持して、前記枠材の長手方向に前記移動材を案内するガイドを備えた開閉窓。
(5)に記載された開閉窓では、ガイドにより、移動材を枠材に保持しつつ枠材の長手方向に案内して、移動材を枠材の長手方向に安定して移動させることができる。
【0067】
(6) (1)ないし(5)のいずれかに記載された開閉窓において、
前記連結材は、前記連結突部が移動可能に連結された長孔部を有する開閉窓。
(6)に記載された開閉窓では、障子を開閉させる機構の構造を単純にすることができる。
【0068】
(7) (6)に記載された開閉窓において、
前記長孔部は、前記障子が閉じた状態で前記連結突部が配置されて、前記移動材の移動時に、前記連結材を回動させずに前記連結突部を前記枠材の長手方向に移動させる第1孔部と、前記第1孔部の端部に連続して、前記移動材の移動時に、前記連結突部により前記連結材を回動させつつ前記連結突部の位置を変化させる第2孔部と、を有する開閉窓。
(7)に記載された開閉窓では、障子を開く動作の開始時及び障子を閉じる動作の終了時に、障子を回動させずに、移動材及び連結突部の移動を可能にして、障子を閉じた状態に維持することができる。
【0069】
(8) (6)に記載された開閉窓において、
前記連結突部は、前記移動材の移動時に、前記長孔部の内部における位置を変化させつつ前記連結材を連続して回動させる開閉窓。
(8)に記載された開閉窓では、移動材の移動に伴い、連結突部により、連結材及び障子を連続して回動させて、障子を円滑に開閉することができる。
【0070】
(9) (8)に記載された開閉窓において、
前記障子が閉じた状態で前記枠材を左右方向における側方からみたときに、前記長孔部の長手方向は、前記枠材の長手方向に対して直交する開閉窓。
(9)に記載された開閉窓では、移動材の移動に伴い、長孔部の長手方向における連結突部の位置を円滑に変化させて、連結突部により、連結材を安定して回動させることができる。
【0071】
(10) (8)に記載された開閉窓において、
前記障子が閉じた状態で前記枠材を左右方向における側方からみたときに、前記長孔部の長手方向は、前記枠材の長手方向に直交する方向に対して傾斜する開閉窓。
(10)に記載された開閉窓では、移動材の移動に伴い、長孔部の長手方向における連結突部の位置を円滑に変化させて、連結突部により、連結材を安定して回動させることができる。
【符号の説明】
【0072】
1・・・カーテンウォール、2・・・カーテンウォールユニット、2A・・・パネル体、3・・・枠体、3A・・・開口、4・・・固定窓、5・・・開閉窓、6・・・枠材、7・・・移動材、7A・・・連結突部、8・・・ガイド、10・・・建物、11・・・外壁、12・・・躯体、20・・・障子、21・・・パネル、22・・・框体、23・・・上框、24・・・下框、25・・・縦框、25A・・・屋外側保持部、26・・・シール材、27・・・軸材、28・・・タイト材、30・・・上枠、31・・・下枠、32・・・無目、40・・・縦枠、41・・・保持部、42・・・アタッチメント、43・・・見込み部、50・・・縦中骨、51・・・保持部、52・・・アタッチメント、53・・・見込み部、60・・・第1連結材、61・・・長孔部、70・・・第2連結材、71・・・長孔部、72・・・第1孔部、73・・・第2孔部、80・・・移動装置、81・・・電動シリンダ、82・・・取付材、83・・・ロッド、90・・・第3連結材、91・・・長孔部、R・・・上下方向、S・・・左右方向、T・・・屋内外方向。