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  • 特開-情報提供装置、及び情報提供方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128347
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】情報提供装置、及び情報提供方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0251 20230101AFI20240913BHJP
【FI】
G06Q30/0251
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037274
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中西 遥香
(72)【発明者】
【氏名】風越 真一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 忍
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 克浩
(72)【発明者】
【氏名】志田 来夢
(72)【発明者】
【氏名】浦 航介
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB08
5L049BB08
(57)【要約】
【課題】小型モビリティの利用者に対して、利用者が多く訪れる人気の場所と、この人気の場所に訪れる利用者の属性の傾向に関する情報を適切に報知する。
【解決手段】複数の利用者により共同利用される小型モビリティに搭載され、この小型モビリティの利用者に情報を提供する情報提供装置20であって、小型モビリティの位置情報を取得する位置情報取得部31と、小型モビリティを利用する利用者の属性情報を取得する属性情報取得部36と、小型モビリティが停止していると判定された際の停止位置を、その位置の位置情報ごとに累積して集計する停止位置集計部38と、少なくとも停止位置の集計数と停止位置における複数の利用者の属性情報とに基づいて、その位置に対応する報知情報を決定する報知情報決定部39と、小型モビリティが報知情報に対応する位置に接近した際に、利用者に対して該報知情報を報知する報知部24と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の利用者により共同利用される小型モビリティに搭載され、この小型モビリティの利用者に情報を提供する情報提供装置であって、
前記小型モビリティの位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記小型モビリティを利用する利用者の属性情報を取得する属性情報取得部と、
前記小型モビリティが停止していると判定された際の停止位置を、その位置の位置情報ごとに累積して集計する停止位置集計部と、
少なくとも前記停止位置の集計数と前記停止位置における複数の利用者の属性情報とに基づいて、その位置に対応する報知情報を決定する報知情報決定部と、
前記小型モビリティが前記報知情報に対応する位置に接近した際に、前記利用者に対して該報知情報を報知する報知部と、を備える情報提供装置。
【請求項2】
前記報知情報決定部は、前記停止位置の集計数と前記停止位置における複数の利用者の属性情報とから抽出された該利用者の属性の傾向と、前記小型モビリティの停止時刻、停止時間及び停止時期の少なくとも1つと、前記停止位置に対応する施設と、に基づき前記報知情報を決定する、請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記報知部は、前記停止位置の集計数が所定数以上の地点の前記報知情報を報知する、請求項1または2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記報知部は、前記小型モビリティが予め設定された所定の施設であって、かつ利用者の属性及び停止時刻の少なくとも一方に特徴となる傾向がない施設に接近した場合、前記停止位置における複数の利用者の属性情報から抽出された該利用者の属性の傾向に関する情報を報知しない、請求項1または2に記載の情報提供装置。
【請求項5】
複数の利用者により共同利用される小型モビリティに搭載される情報提供装置により、利用者に情報を提供する情報提供方法であって、
前記小型モビリティの位置情報を取得するステップと、
前記小型モビリティを利用する利用者の属性情報を取得するステップと、
前記小型モビリティが停止していると判定された際の停止位置を、その位置の位置情報ごとに累積して集計するステップと、
少なくとも前記停止位置の集計数と前記停止位置における複数の利用者の属性情報とに基づいて、その位置に対応する報知情報を決定するステップと、
前記小型モビリティが前記報知情報に対応する位置に接近した際に、前記利用者に対して該報知情報を報知するステップと、
を情報提供装置に実行させる情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、及び情報提供方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、インターネットなどを通じて、利用者が検索した観光スポットに関する情報を提供する技術が広く知られている。この種の技術では、利用者自身の趣味嗜好やSNS情報により、推薦店舗を検索すると、一般的な有名店や一部の店に偏ってしまうことが多く、利用者自身の知らない新しい店や穴場スポットを見落としてしまうことがある。また、こうした隠れた名店などは利用者自身の知らない情報であり、検索する機会も特にないため知ることができない。
【0003】
従来、ユーザの興味のある興味ポイントを客観的に、またリアルタイムで地図上に重畳して表示する技術が提案されている(特許文献1参照)。この種の技術では、ユーザの各位置情報に基づいて、複数のユーザの各停止地点を収集し、この収集された個々の停止地点の単位時間当たりの数に基づいてユーザの興味のある興味ポイントを検出することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009-75652号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術は、例えば小型モビリティで移動する際に、複数のユーザ(利用者)が停止する(立ち寄る)停止地点の単位時間当たりの数に基づいて、興味ポイントを検出している。このため、ガイドブックやSNSの情報で多く集まった場所に関する情報と大きく変わるものではなく、その場所に多く訪れる利用者の属性を知ることできない点で、改善の余地がある。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、小型モビリティの利用者に対して、利用者が多く訪れる人気の場所と、この人気の場所に訪れる利用者の属性の傾向に関する情報を適切に報知することができる情報提供装置及び情報提供方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数の利用者により共同利用される小型モビリティに搭載され、この小型モビリティの利用者に情報を提供する情報提供装置であって、小型モビリティの位置情報を取得する位置情報取得部と、小型モビリティを利用する利用者の属性情報を取得する属性情報取得部と、小型モビリティが停止していると判定された際の停止位置を、その位置の位置情報ごとに累積して集計する停止位置集計部と、少なくとも停止位置の集計数と停止位置における複数の利用者の属性情報とに基づいて、その位置に対応する報知情報を決定する報知情報決定部と、小型モビリティが報知情報に対応する位置に接近した際に、利用者に対して該報知情報を報知する報知部と、を備える。
【0008】
また、本発明は、複数の利用者により共同利用される小型モビリティに搭載される情報提供装置により、利用者に情報を提供する情報提供方法であって、小型モビリティの位置情報を取得するステップと、小型モビリティを利用する利用者の属性情報を取得するステップと、小型モビリティが停止していると判定された際の停止位置を、その位置の位置情報ごとに累積して集計するステップと、少なくとも停止位置の集計数と停止位置における複数の利用者の属性情報とに基づいて、その位置に対応する報知情報を決定するステップと、小型モビリティが報知情報に対応する位置に接近した際に、利用者に対して該報知情報を報知するステップと、を情報提供装置に実行させる。
【発明の効果】
【0009】
小型モビリティの利用者に対して、利用者が多く訪れる人気の場所と、この人気の場所に訪れる利用者の属性の傾向に関する情報を適切に報知することができる、という効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態に係る情報提供装置の構成例を示すブロック図である。
図2図2は、利用者属性・時刻帯の傾向と、この傾向に対応する報知メッセージの一例を示す図である。
図3図3は、小型モビリティが所定位置に接近した際に、この位置に対応する報知情報を報知する動作を説明する図である。
図4図4は、情報提供装置の動作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0012】
図1は、本実施形態に係る情報提供装置の構成例を示すブロック図である。本実施形態に係る情報提供装置は、小型モビリティに搭載され、この小型モビリティの利用者に各種の情報を提供する。小型モビリティは、乗車定員が1~2名程度の電動の小型車両であり、例えば電動キックボードや、電動アシスト自転車、電動バイクなどを含む。
【0013】
小型モビリティは、例えばレンタル事業者が設置した貸出場所を示すポートにおいて複数(不特定多数)の利用者にレンタルされることにより、複数の利用者に共同利用される。ポートは、街中の各所に設置されており、利用者はポートに停められている小型モビリティをレンタルして、利用後は小型モビリティをポートに返却する。本実施形態では、小型モビリティは、レンタル事業者が所有して複数の利用者に共同利用されるものを例示して説明するが、これに限らず、例えば家族で共同利用するように個人所有のものであってもよい。
【0014】
情報提供装置20は、図1に示すように、GPS(Global Positioning System)受信部21と、記憶部22と、荷重測定部23と、報知部24と、通信部25と、制御部(情報提供制御装置)30とを備える。
【0015】
GPS受信部21は、図示しないGPS衛星から電波を受信する。GPS受信部21は、受信した電波の信号を制御部30の位置情報取得部31へ出力する。
【0016】
記憶部22は、地図情報を記憶する。地図情報は、例えば交差点や橋などを含む道路と、この道路の周辺環境に関する情報(道路周辺に設けられた各種店舗、観光名所や駅など施設に関する情報など)を含む。また、地図情報には、一般車両(普通自動車など)は通行できないが、小型モビリティであれば通行可能な幅狭な道路に関する情報を含む。記憶部22は、記憶している地図情報を制御部30の地図情報取得部32へ出力する。
【0017】
また、記憶部22は、小型モビリティの利用中に、例えば、利用者が店舗や観光名所に立ち寄るために、小型モビリティを停止させる度に、この停止位置の位置情報を累積して記憶する。この停止位置の位置情報には、停止位置を示す座標情報に加えて、停止した時刻情報及び停止時間を含む。記憶部22は、停止位置の位置情報ごとに、この位置情報と小型モビリティの識別番号と該小型モビリティを利用する複数の利用者の属性情報とを紐づけて記憶する。
【0018】
ここで、停止位置とは、例えば、利用者が小型モビリティから降車したり、駆動モータの運転を停止させたり、所定時間(例えば5分)以上継続して停止した位置をいうものであり、交通渋滞や信号待ちなどで一時的に停止したものを含むものではない。また、利用者の属性情報とは、例えば利用者の年齢層、性別、職業職種、出身地・住所(地元民か否か)、グループの有無(単独かグループか)などを含む利用者の属性に関する情報をいう。また、利用者の属性情報には、利用者の趣味嗜好情報を含めてもよい。
【0019】
記憶部22は、累積して記憶している停止位置の位置情報(紐づけられた情報を含む)を制御部30の停止位置集計部38及び報知情報決定部39に出力する。記憶部22は、情報提供装置20がそれぞれ備えるものに限らず、外部サーバ等の記憶装置であってもよい。この場合、外部サーバは、所定のエリア内でレンタルされる複数の小型モビリティからそれぞれ送られる停止位置の位置情報を受け取り、停止位置の位置情報ごとに、この位置情報と各小型モビリティの識別番号と該小型モビリティを利用する複数の利用者の属性情報とを紐づけて記憶する。
【0020】
荷重測定部23は、小型モビリティに乗車した利用者の荷重を測定するセンサである。荷重測定部23は、例えば、小型モビリティにおいて利用者が両足を乗せるデッキに設けられ、小型モビリティにかかる利用者の荷重(体重)の変化を測定することができる。荷重測定部23は、測定した荷重情報を制御部30の停止判定部37に出力する。
【0021】
報知部24は、小型モビリティが報知情報に対応する位置に接近した際に、小型モビリティの利用者に対して報知情報を報知する。この報知情報は、小型モビリティが走行しているエリアに、例えば小型モビリティが集まる(停止する)人気のスポット(地点)がある場合、このスポットに対応する情報である。報知情報は、少なくともこのスポットの情報と、このスポットに集まる利用者の属性の傾向に関する情報とを含む。報知部24は、例えば、ハンドルに取り付けられた表示パネルとして構成することができる。この場合、表示パネルには、制御部30の報知制御部34から出力された映像信号に基づいて、小型モビリティの現在位置を含む周辺の地図上に、該小型モビリティの現在位置を示す記号と、上記した報知情報とが表示される。なお、報知部24は、例えばハンドルに取り付けられたスピーカとして構成され、報知情報を音声によって報知してもよい。小型モビリティは、通常の車両と異なり低速で走行できるため、人気スポットを報知することで、利用者が気軽に立ち寄ることができる。
【0022】
通信部25は、インターネット又は携帯電話回線等の方法で通信を行なう通信ユニットである。通信部25は、不図示の外部サーバと通信を行うことにより、例えば、小型モビリティのレンタル時に登録した利用者の属性情報を受信することができる。この利用者の属性情報は、登録時に、例えば運転免許証やマイナンバーカードなどから必要な個人情報を読み出して入力することが好ましい。また、利用者が例えば家族連れやカップルなどのグループの場合には、利用者の属性情報はグループ情報も含むものとする。通信部25は、受信した利用者の属性情報を制御部30の属性情報取得部36に出力する。また、通信部25は、検索サイトと通信することにより、上記した小型モビリティが集まるスポットの情報を受信する。受信したスポットの情報は、制御部30の報知情報決定部39に出力される。
【0023】
制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などで構成された演算処理装置である。制御部30は、バス40にそれぞれ接続された、位置情報取得部31と、地図情報取得部32と、荷重情報取得部33と、報知制御部34と、通信制御部35と、属性情報取得部36と、停止判定部37と、停止位置集計部38と、報知情報決定部39と、を備える。制御部30は、例えば上記した記憶部22に記憶されているプログラムを読み出して実行することで、これらの構成を実現して、これらの処理を実行する。制御部30は、1つのCPUによってこれらの処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、複数のCPUで、これらの処理を並列に実行してもよい。
【0024】
位置情報取得部31は、自己の小型モビリティ(自車両)の現在地を示す位置情報を取得する。本実施形態において、位置情報取得部31は、GPS受信部21が取得した電波の信号に基づいて、自車両の位置情報を取得する。位置情報取得部31は、取得した自車両の位置情報を、記憶部22、地図情報取得部32、及び報知制御部34へ出力する。
【0025】
地図情報取得部32は、記憶部22から地図情報を取得する。地図情報取得部32は、位置情報取得部31が取得した自車両の位置情報に基づき、自車両の現在位置の周辺の地図情報を記憶部22から取得する。地図情報取得部32は、取得した地図情報を報知制御部34へ出力する。
【0026】
荷重情報取得部33は、荷重測定部23が測定した、小型モビリティに対する利用者の荷重情報を取得する。荷重情報取得部33は、小型モビリティの利用開始から利用終了まで、利用者の荷重情報を取得し、この荷重情報または荷重の変化の情報を制御部30の停止判定部37に随時出力する。
【0027】
報知制御部34は、報知部24の動作を制御する。報知制御部34は、地図情報取得部32が取得した小型モビリティ(自車両)の周辺の地図に、位置情報取得部31が取得した該小型モビリティの現在の位置情報を示す記号と、報知情報決定部39が決定した報知情報とを重ねて表示(報知)する制御を行う。
【0028】
通信制御部35は、通信部25による他の機器(外部サーバなど)との通信動作を制御する。通信制御部35は、例えば小型モビリティのレンタル時に、他の機器に登録された利用者の属性情報を受信する動作を制御する。また、通信制御部35は、検索サイトと通信することにより、上記した小型モビリティが集まるスポットの情報を受信する動作を制御する。この場合、スポットの情報とは、例えば、スポット(店舗)の名称や営業時間、電話番号などの情報を含む。
【0029】
属性情報取得部36は、通信部25を通じて受信した利用者の属性情報を取得する。取得した属性情報は、停止位置の位置情報と小型モビリティの識別番号とに紐付けられ、記憶部22に記憶される。
【0030】
停止判定部37は、小型モビリティが停止したか否かを判定する。具体的には、停止判定部37は、小型モビリティが所定の停止条件を満たした場合には停止したと判定し、満たしていない場合には停止していないと判定する。この停止条件は、(1)小型モビリティに対する利用者の荷重変化に基づき、利用者が小型モビリティから降車したとみなされる場合、(2)小型モビリティの操作スイッチの操作により、駆動モータの運転が停止した場合、(3)小型モビリティが同じ位置に所定時間(5分間)継続して位置している場合である。停止判定部37は、停止条件(1)~(3)のいずれか一つを満たした場合には、小型モビリティが停止していると判定する。上記した停止条件は一例であり、この他の条件としてもよい。
【0031】
停止位置集計部38は、停止位置の位置情報を集計する。この停止位置は、所定範囲(例えば半径100m範囲)内で、ある程度密集している領域として集計される。停止位置集計部38は、累積して記憶している停止位置の位置情報を記憶部22から取得し、この停止位置における回数を位置情報ごとに累積して集計する。停止位置集計部38は、集計した停止位置の回数を報知情報決定部39に出力する。
【0032】
報知情報決定部39は、利用者に対して報知する報知情報を決定する。報知情報決定部39は、停止位置集計部38から取得した停止位置の集計数と、これら停止位置における複数の利用者の属性情報とに基づいて、その位置に対応する報知情報を決定する。具体的には、報知情報決定部39は、上記した停止位置の集計数と、これら停止位置における複数の利用者の属性情報とに基づいて、小型モビリティの停止時刻または停止時期における利用者の属性の傾向に関する情報を抽出し、停止位置に対応する報知情報を決定する。ここで、停止時期は、小型モビリティが停止された所定の時期(例えば今月や先週など)だけでなく、所定の季節(例えば夏季や冬季など)を示す時季を含む。
【0033】
報知情報決定部39は、図2に示すように、利用者属性・時刻帯の傾向に対応する報知メッセージの情報を有し、抽出した小型モビリティの停止時刻または停止時期における利用者の属性の傾向に対応する報知メッセージと、停止位置にある施設(店舗)の情報とを組み合わせて報知情報を決定する。この図2は一例であり、利用者属性・時刻帯の傾向をもっと細かく分類してもよい。
【0034】
報知情報決定部39は、例えば、利用者の属性の傾向がシニア・中年、停止時刻の傾向が午前中、停止位置にある施設が飲食店である場合には、これらに基づいて『シニア層が午前中に多く訪れている飲食店です』との報知情報を決定する。そして図3に示すように、小型モビリティ50が飲食店の停止位置60に接近すると、制御部30は、この報知情報を利用者に報知する。また、報知情報決定部39は、地図情報や検索情報に施設情報がない場合には、利用者の属性の傾向により報知情報を決定する。例えば、利用者の属性の傾向が地元の人である場合には、これらに基づいて『地元の人が多く訪れている穴場なスポットです』との報知情報を決定する。そして図3に示すように、小型モビリティ50が該当する停止位置61に接近すると、制御部30は、この報知情報を利用者に報知する。また、報知情報決定部39は、例えば、利用者の属性の傾向が家族連れ、停止時刻の傾向が夕方、停止位置にある施設が橋である場合には、『○○橋は、夕暮れ時の景色が綺麗なポイントで、家族連れが多く訪れています』との報知情報を決定する。そして、小型モビリティ50が橋の停止位置62に接近すると、制御部30は、この報知情報を利用者に報知する。
【0035】
また、停止位置の集計数が多い場所は、景色がいい、休憩できる、注意を惹くものがある(珍しい植物、変な看板など)などの理由で人気のある場所の可能性があるため、利用者の属性の傾向を報知しなくてもよい。すなわち、報知情報決定部39は、停止位置にある施設について、利用者の属性及び停止時刻の少なくとも一方に特徴となる傾向がない場合には、停止位置にある施設の情報により報知情報を決定する。例えば、利用者の属性の傾向、停止時刻の傾向が無く、停止位置にある施設が駅である場合には、単に『○○駅です』との報知情報を決定する。そして図3に示すように、小型モビリティ50が駅の停止位置63に接近すると、制御部30は、この報知情報を利用者に報知する。
【0036】
このように、本実施形態では、報知情報決定部39は、停止位置集計部38から取得した停止位置の集計数と、これら停止位置における複数の利用者の属性情報とに基づいて、その位置に対応する報知情報を決定する。このため、停止位置にある人気のスポットには、どのような属性の利用者が訪れる傾向にあるかを抽出して報知情報を決定できることにより、子供に人気、家族連れに人気、地元民に人気など、自分自身の利用者属性と異なる人気のスポットを知ることができる。従って、自分の趣味嗜好では、知り得なかった場所に関する情報を得ることができ、見知らぬ土地でも知っている土地でも新しい情報を発見する機会を得て、わくわく感を得ることができる。
【0037】
また、報知情報決定部39は、利用者の小型モビリティの乗り方を解析し、この解析結果に応じて報知情報を決定してもよい。報知情報決定部39は、例えば、予め目的地が設定されており、この目的地までの最短経路で小型モビリティが走行している場合には、この経路上、または経路から近い(所定距離内にある)地点に対応する報知情報を決定する。これにより、目的地までの経路を遠回りすることなく、経路上にある地点の報知情報を提供できる。
【0038】
また、報知情報決定部39は、例えば、目的地が決まっていない、または目的地は決まっているものの、いろいろ寄り道をしている場合には、経路上から外れた位置にある地点に対応する報知情報を決定してもよい。
【0039】
また、報知情報決定部39は、小型モビリティを利用中の利用者の属性に基づいて、報知情報を決定してもよい。報知情報決定部39は、利用者の出身地・住所と、同じ地域(出身地・住所)の利用者が多く集まる(停止している)場所がある場合には、この場所に対応する報知情報を決定し、この報知情報を優先的に報知してもよい。また、報知情報決定部39は、利用者の出身地・住所と、異なる地域(出身地・住所)の利用者が多く集まる(停止している)場所については、報知情報を決定しても報知しなくてもよい。
【0040】
また、報知情報決定部39は、小型モビリティを利用中の利用者の属性に基づいて、対象の施設があるエリアを広げてもよい。例えば、報知情報決定部39は、利用者の属性がシニアである場合には、比較的に時間に余裕があると考えられるため、報知情報を報知する数や対象のエリアを広げてもよい。
【0041】
また、報知情報決定部39は、小型モビリティの返却予定時刻に応じて、報知する情報を変更してもよい。例えば、報知情報決定部39は、返却予定時刻まで時間に余裕がなければ、小型モビリティの現在位置から近い所、または所要時間(滞在時間)が短い場所を中心に報知情報を決定する。また、報知情報決定部39は、返却予定時刻まで時間に余裕があれば、報知情報を報知する数や対象のエリアを広げてもよい。
【0042】
また、報知情報決定部39は、小型モビリティが走行可能な細街道にある場所に対応する報知情報を決定し、この報知情報を優先的に報知してもよい。この構成によれば、小型モビリティの走行中だからこそ、知り得た場所に関する情報を得ることができる。
【0043】
また、報知情報決定部39は、小型モビリティを利用中の利用者が穴場や隠れ家的スポットを好む場合や、人混みを嫌う場合は、人が多く集まる人気の場所を敢えて除いた報知情報を決定してもよい。例えば、対象の停止位置の施設(店舗)がガイドブックやSNSで紹介されているかを判定(照合)し、紹介されている場合には、この施設を除外して報知情報を決定する。また、単に所定値以上(例えば利用者数の7割以上)の人が集まる人気の場所については、この場所を除外して報知情報を決定する。
【0044】
また、報知情報決定部39は、利用者の属性の傾向として、利用者の趣味嗜好を加味して報知情報を決定してもよい。この構成によれば、利用者本人の趣味に関連する場所であって、かつ他の利用者が複数集まる場所に対応する報知情報の提供を受けることができる。
【0045】
次に、情報提供装置の動作について説明する。図4は、情報提供装置の動作手順を示すフローチャートである。まず、制御部30は、利用者の属性を取得する(ステップS1)。より詳しくは、制御部30は、属性情報取得部36により、通信部25を通じて受信した利用者の属性情報を取得する。
【0046】
次に、制御部30は、小型モビリティの停止判定をする(ステップS2)。より詳しくは、制御部30は、停止判定部37により、小型モビリティが所定の停止条件を満たした場合には停止したと判定し、満たしていない場合には停止していないと判定する。
【0047】
次に、制御部30は、停止位置を含む周辺の地図情報を取得する(ステップS3)。より詳しくは、制御部30は、地図情報取得部32により、位置情報取得部31が取得した自車両の位置情報に基づき、自車両の現在位置の周辺の地図情報を記憶部22から取得する。
【0048】
次に、制御部30は、小型モビリティの停止した位置情報、周辺情報及び利用者の属性情報を紐づける(ステップS4)。制御部30は、小型モビリティが停止した停止位置の位置情報に、この位置情報の周囲の施設情報と、該小型モビリティを利用する利用者の属性情報とを紐づけて記憶部22に記憶する。これにより、記憶部22には、停止位置の位置情報ごとに、この位置情報と、この位置情報の周囲の施設情報と、小型モビリティの識別番号と該小型モビリティを利用する複数の利用者の属性情報とを紐づけて記憶される。
【0049】
次に、制御部30は、停止位置の位置情報を累積して集計する(ステップS5)。制御部30は、停止位置集計部38により、累積して記憶している停止位置の位置情報を記憶部22から取得し、この停止位置における回数を位置情報ごとに累積して集計する。
【0050】
次に、制御部30は、小型モビリティが集まるポイント(場所)と利用者の属性の傾向を抽出する(ステップS6)。制御部30は、報知情報決定部39により、停止位置集計部38から取得した停止位置の集計数と、これら停止位置における複数の利用者の属性情報とに基づいて、利用者の属性の傾向に関する情報を抽出する。すなわち、報知情報決定部39は、どのような属性の傾向の利用者が停止位置に多く集まっているかを抽出する。また、制御部30は、報知情報決定部39により、停止位置集計部38から取得した停止位置の集計数と、停止位置に対応する地図情報や検索情報に基づいて、小型モビリティが集まる(停止する)場所に対応する施設を抽出する。
【0051】
次に、制御部30は、小型モビリティが集まるポイント(場所)での報知情報を決定する(ステップS7)。制御部30は、報知情報決定部39により、抽出した小型モビリティの停止時刻または停止時期における利用者の属性の傾向に対応する報知メッセージと、停止位置にある施設(店舗)の情報とを組み合わせて報知情報を決定する。
【0052】
最後に、制御部30は、該当するポイントに接近した小型モビリティの利用者に決定した報知情報を報知する(ステップS8)。制御部30は、報知部24により、小型モビリティが報知情報に対応する位置に接近した際に、小型モビリティの利用者に対して報知情報を報知する。報知部24は、停止位置の集計数が所定数以上の地点の報知情報を報知する。このため、人気のあるスポット(場所)に関する報知情報のみが報知されることにより、利用者は有効な情報を得ることができる。また、報知部24は、小型モビリティが予め設定された所定の施設に接近した場合、停止位置における複数の利用者の属性情報から抽出された該利用者の属性の傾向に関する情報を報知しなくてもよい。具体的には、レンタル用のポートや駅、コンビニエンスストアなどの施設は、停止位置の集計数は多いものの、利用者の属性の傾向に大きな特徴はない。このため、このような施設に小型モビリティが接近したとしても、利用者の属性の傾向に関する情報は報知しない。また、このような施設に対する報知情報を決定しなくてもよい。
【0053】
以上、本実施形態に係る情報提供装置20は、複数の利用者により共同利用される小型モビリティに搭載され、この小型モビリティの利用者に情報を提供するものであって、小型モビリティの位置情報を取得する位置情報取得部31と、小型モビリティを利用する利用者の属性情報を取得する属性情報取得部36と、小型モビリティが停止していると判定された際の停止位置を、その位置の位置情報ごとに累積して集計する停止位置集計部38と、少なくとも停止位置の集計数と停止位置における複数の利用者の属性情報とに基づいて、その位置に対応する報知情報を決定する報知情報決定部39と、小型モビリティが報知情報に対応する位置に接近した際に、利用者に対して該報知情報を報知する報知部24と、を備える。この構成によれば、停止位置にある人気のスポットには、どのような属性の利用者が訪れる傾向にあるかを抽出して報知情報を決定できることにより、自分自身の利用者属性と異なる人気のスポットを知ることができる。従って、自分の趣味嗜好では、知り得なかった場所に関する情報を得ることができ、見知らぬ土地でも知っている土地でも新しい情報を発見する機会を得ることができる。
【0054】
本実施形態に係る情報提供装置20において、報知情報決定部39は、停止位置の集計数と停止位置における複数の利用者の属性情報とから抽出された該利用者の属性の傾向と、小型モビリティの停止時刻、停止時間及び停止時期の少なくとも1つと、停止位置に対応する施設と、に基づき報知情報を決定するため、停止位置にある人気のスポットに対する報知情報を適切に決定することができる。
【0055】
本実施形態に係る情報提供装置20において、報知部24は、停止位置の集計数が所定数以上の地点の報知情報を報知するため、人気のあるスポット(場所)に関する報知情報のみが報知されることにより、利用者は有効な情報を得ることができる。
【0056】
本実施形態に係る情報提供装置20において、報知部24は、小型モビリティが予め設定された所定の施設であって、かつ利用者の属性及び停止時刻の少なくとも一方に特徴となる傾向がない施設に接近した場合、停止位置における複数の利用者の属性情報から抽出された該利用者の属性の傾向に関する情報を報知しないため、例えば、レンタル用のポートや駅、コンビニエンスストアなどの施設のように、停止位置の集計数は多いものの利用者の属性や停止時刻の傾向に大きな特徴はない施設に関する余剰な情報の報知をなくすことができる。
【0057】
これまで本発明に係る情報提供装置について説明したが、上述した実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。図示した情報提供装置の各構成要素は、機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていなくてもよい。すなわち、各装置の具体的形態は、図示のものに限られず、各装置の処理負担や使用状況などに応じて、その全部または一部を任意の単位で機能的または物理的に分散または統合してもよい。
【0058】
情報提供装置の制御部の構成は、例えば、ソフトウェアとして、メモリにロードされたプログラムなどによって実現される。上記実施形態では、これらのハードウェアまたはソフトウェアの連携によって実現される機能ブロックとして説明した。すなわち、これらの機能ブロックについては、ハードウェアのみ、ソフトウェアのみ、または、それらの組み合わせによって種々の形で実現できる。
【0059】
上記した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものを含む。さらに、上記した構成は適宜組み合わせが可能である。また、本発明の要旨を逸脱しない範囲において構成の種々の省略、置換または変更が可能である。
【符号の説明】
【0060】
20 情報提供装置
22 記憶部
24 報知部
30 制御部(情報提供制御装置)
31 位置情報取得部
32 地図情報取得部
33 荷重情報取得部
34 報知制御部
35 通信制御部
36 属性情報取得部
37 停止判定部
38 停止位置集計部
39 報知情報決定部
図1
図2
図3
図4