(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128356
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】ロータシャフト
(51)【国際特許分類】
H02K 1/32 20060101AFI20240913BHJP
【FI】
H02K1/32 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037289
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000100805
【氏名又は名称】アイシン高丘株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(72)【発明者】
【氏名】山田 英雄
(72)【発明者】
【氏名】近藤 雄介
(72)【発明者】
【氏名】服部 達也
(72)【発明者】
【氏名】久保江 悟
【テーマコード(参考)】
5H601
【Fターム(参考)】
5H601AA16
5H601CC01
5H601DD01
5H601DD09
5H601DD11
5H601DD30
5H601EE25
5H601EE26
5H601GE02
5H601GE10
5H601GE11
(57)【要約】
【課題】冷却性能がより高められたロータシャフトを提供する。
【解決手段】
電気モータが有するロータコアCの中心部に、ロータコアCと一体的に設けられるロータシャフト10は、軸方向の両端で開口する中空構造を有している。外周部にロータコアCが設けられるシャフト本体11の中空部21aには、ロータコアCを冷却する冷媒が供給される。シャフト本体11の周壁のうち、ロータコアCが設けられる範囲には、中空部21aの内外を貫通する窓部24が設けられている。中空部21aに冷媒が供給されると、ロータシャフト10の回転により生じる遠心力により、冷媒はシャフト本体11の内周面に沿って流れる。その途中で窓部24に至った冷媒は、ロータコアCと直に触れて、ロータコアCの熱と熱交換される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気モータが有するロータコアの中心部に、前記ロータコアを貫通するように当該ロータコアと一体的に設けられるロータシャフトであって、
外周部に前記ロータコアが設けられるシャフト本体と、
軸方向の両端で開口し、前記ロータコアを冷却する冷媒が供給される、前記シャフト本体の中空部と、
前記シャフト本体の前記中空部を形成する周壁のうち、前記ロータコアが設けられる範囲に設けられ、前記シャフト本体の内外を貫通する窓部と、
を備えていることを特徴とするロータシャフト。
【請求項2】
前記窓部は、前記範囲の端部間の全域にわたり、軸方向に延びるように、又は軸方向に沿って断続的に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のロータシャフト。
【請求項3】
前記シャフト本体の周壁に設けられ、外周面に凹凸が形成されることなく内側に向けて突出するリブを備えていることを特徴とする請求項1又は2に記載のロータシャフト。
【請求項4】
前記冷媒を排出する冷媒排出口を備えており、
前記リブは、前記冷媒が供給される位置から前記冷媒排出口が設けられた側に向けて、螺旋をなすように形成されていることを特徴とする請求項3に記載のロータシャフト。
【請求項5】
前記冷媒を排出する冷媒排出口を備えており、
前記リブは、軸方向に沿った縦断面において軸方向と交差する方向に延びて環状をなし、軸方向に沿って複数の前記リブが設けられており、
前記縦断面における前記リブの上縁は、前記冷媒排出口に向けて冷媒が流れる方向の側に、正弦波形状の頂点がずれた弧状に形成されていることを特徴とする請求項3に記載のロータシャフト。
【請求項6】
前記リブは、軸方向に沿った縦断面において軸方向と交差する方向に延びて環状をなし、軸方向に沿って複数の前記リブが設けられており、
隣接する前記リブの間に形成された複数のリブ間通路と、
隣接する前記リブ間通路を連通する第1連通路と、
前記複数のリブのうち軸方向の端にあるリブの軸方向外側に設けられ、前記冷媒を排出する冷媒排出口と、
前記複数のリブ間通路のうち軸方向の端に設けられたリブ間通路と、前記冷媒排出口が設けられた領域とを連通する第2連通路と、
を備えていることを特徴とする請求項3に記載のロータシャフト。
【請求項7】
前記第1連通路及び前記第2連通路は、周方向に位置をずらして設けられていることを特徴とする請求項6に記載のロータシャフト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気モータに用いられるロータシャフトに関する。
【背景技術】
【0002】
近年普及が進むハイブリット自動車や電気自動車では、電気モータがその駆動源として用いられている。電気モータは、ステータに設けられるコイル内の電気抵抗による損失やロータやステータの磁界変化による損失により、稼働中に発熱する。電気モータのロータコアに設けられる磁石は、電気モータの発熱によって過熱されると不可逆減磁が生じるため、それを避けるためにロータコアを冷却することが必要となる。
【0003】
ロータコアの冷却構造として、従来、ロータコアの中心部に当該ロータコアと一体的に設けられるロータシャフトを中空構造とし、中空部を形成する周壁を介してロータコアの熱と熱交換する構成が知られている(例えば特許文献1参照)。この場合、冷媒としてATF(Automatic Transmission Fluid)等が用いられ、ロータシャフトの中空部に導入される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
電気モータに求められる性能は年々向上しており、それに伴って電気モータの発熱量も増大しつつある。しかしながら、従来の冷却構造ではその冷却性能は十分でなく、電気モータの発熱量の増大に対応することが不十分であった。
【0006】
本発明は、この課題に鑑みてなされたものであり、冷却性能がより高められたロータシャフトを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決すべく、第1の発明は、電気モータが有するロータコアの中心部に、前記ロータコアを貫通するように当該ロータコアと一体的に設けられるロータシャフトであって、
外周部に前記ロータコアが設けられるシャフト本体と、
軸方向の両端で開口し、前記ロータコアを冷却する冷媒が供給される、前記シャフト本体の中空部と、
前記シャフト本体の前記中空部を形成する周壁のうち、前記ロータコアが設けられる範囲に設けられ、前記シャフト本体の内外を貫通する窓部と、
を備えていることを特徴とする。
【0008】
第2の発明は、前記窓部が、前記範囲の端部間の全域にわたり、軸方向に延びるように、又は軸方向に沿って断続的に形成されていることを特徴とする。
【0009】
第3の発明は、前記シャフト本体の周壁に設けられ、外周面に凹凸が形成されることなく内側に向けて突出するリブを備えていることを特徴とする。
【0010】
第4の発明は、前記冷媒を排出する冷媒排出口を備えており、
前記リブは、前記冷媒が供給される位置から前記冷媒排出口が設けられた側に向けて、螺旋をなすように形成されていることを特徴とする。
【0011】
第5の発明では、前記冷媒を排出する冷媒排出口を備えており、
前記リブは、軸方向に沿った縦断面において軸方向と交差する方向に延びて環状をなし、軸方向に沿って複数の前記リブが設けられており、
前記縦断面における前記リブの上縁は、前記冷媒排出口に向けて冷媒が流れる方向の側に、正弦波形状の頂点がずれた弧状に形成されていることを特徴とする。
【0012】
第6の発明では、前記リブは、軸方向に沿った縦断面において軸方向と交差する方向に延びて環状をなし、軸方向に沿って複数の前記リブが設けられており、
隣接する前記リブの間に形成された複数のリブ間通路と、
隣接する前記リブ間通路を連通する第1連通路と、
前記複数のリブのうち軸方向の端にあるリブの軸方向外側に設けられ、前記冷媒を排出する冷媒排出口と、
前記複数のリブ間通路のうち軸方向の端に設けられたリブ間通路と、前記冷媒排出口が設けられた領域とを連通する第2連通路と、
を備えていることを特徴とする。
【0013】
第7の発明では、前記第1連通路及び前記第2連通路は、周方向に位置をずらして設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
第1の発明によれば、シャフト本体の中空部に冷媒が供給されると、ロータシャフトの高速回転によって生じる遠心力により、シャフト本体の内周面に付着した冷媒は、内周面に沿って冷媒排出側に向かって流れる。その流れの途中で窓部に至った冷媒は、周壁を介してロータコアの熱と熱交換されるのではなく、ロータコアに直に触れて熱交換される。そのため、窓部におけるロータコアの冷却は、周壁を介した間接的な冷却よりも高い冷却効果が得られる。
【0015】
第2の発明によれば、窓部が広範囲にわたって、連続する長孔のように又は断続的に設けられているため、冷媒がロータコアに直に触れる部分が多くなり、熱交換量が増大し、より一層高い冷却効果が得られる。
【0016】
第3の発明によれば、シャフト本体の周壁に設けられたリブにより、中空部を形成する内周面に凹凸が形成され、シャフト本体の外周面に凹凸が形成されない。そのため、外周側に設けられるロータコアとの結合構造は従前の構造を維持しながら、内周面の表面積を増大させることができる。これにより、冷媒と接触する内周面の面積が増えて、その分冷媒による熱交換量も増大し、表面に凹凸のない内周面と比べて高い冷却効果が得られる。また、中空部の内外を貫通する窓部が形成されているために不足するシャフト本体の強度は、このリブによって補強される。そのため、冷却性能を向上させるために窓部が設けられていても、シャフト本体の強度低下を抑制することができる。
【0017】
第4の発明によれば、シャフト本体の内周面には、冷媒が供給される位置から冷媒排出口に向けて、リブによって区画された螺旋通路が形成される。中空部に供給された冷媒は、ロータシャフトの回転によって生じる遠心力により、この螺旋通路に沿って冷媒排出口に向かって流れる。リブが螺旋をなすように形成されていることで、冷媒排出口に向かうスムーズな冷媒の流れを形成することができる。
【0018】
第5の発明によれば、隣接するリブによって区画されたリブ間通路に溜まった冷媒が、ロータシャフトの回転によって生じる遠心力により冷媒排出口に向けて流れる場合に、その流れの方向に隣接するリブ間通路へ、リブの頂点を超えて冷媒が流れやすくなる。これにより、リブ間通路に冷媒が滞留することを抑制し、冷媒排出口への冷媒の流通性を高めることができる。
【0019】
第6の発明によれば、リブ間通路に溜まった冷媒が、第1連通路を通じて隣のリブ間通路に流れることが可能となる。これにより、リブ間通路に冷媒が滞留することが抑制され、冷媒排出口への冷媒の流通性が高められる。また、軸方向の端にあるリブ間通路に至った冷媒は、第2連通路を通じて冷媒排出口が設けられた領域に流れることが可能となる。これにより、軸方向の端にあるリブ間通路に冷媒が滞留することが抑制され、冷媒排出口への冷媒の流通性が高められる。
【0020】
第7の発明によれば、隣接するリブ間通路が迷路のように連通され、冷媒が周方向に沿って流れたり、隣のリブ間通路に流れたりしながら冷媒排出口まで流れる。このように複雑な冷媒の流れが形成されるため、冷媒による熱交換を効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図2】ロータシャフトの中空部においてATFの流れを示す縦断面図。
【
図4】第1実施形態のロータシャフトの別例を示す縦断面図。
【
図5】第1実施形態のロータシャフトの別例を示す縦断面図。
【
図6】第1実施形態のロータシャフトの別例を示す縦断面図。
【
図7】第1実施形態のロータシャフトの別例を示す縦断面図。
【
図8】第1実施形態のロータシャフトの別例を示す一部拡大断面図。
【
図9】第1実施形態のロータシャフトの別例を示す縦断面図。
【
図10】第2実施形態のロータシャフトの縦断面図。
【
図11】第2実施形態のロータシャフトの別例を示す縦断面図。
【
図12】第2実施形態のロータシャフトの別例を示す縦断面図。
【
図13】第2実施形態のロータシャフトの別例を示す縦断面図。
【
図14】第2実施形態のロータシャフトの別例を示す一部拡大断面図。
【
図15】第2実施形態のロータシャフトの別例を示す縦断面図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、ロータシャフトの第1実施形態と第2実施形態とについて、図面を参照しながら説明する。ロータシャフトは、電気モータのロータコアの中心部において当該ロータコアを貫通し、かつロータコアと一体的に設けられてロータを構成する。
【0023】
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態のロータシャフト10を軸方向に沿って切断した場合の断面(縦断面という。)を示している。
図1に示すように、このロータシャフト10は、全体として長尺状をなす円筒体であり、鋳鉄等の金属材料を用いて鋳造されることによって形成されている。ロータシャフト10は、その両端部において、長手方向に沿った軸線を中心として回転可能に軸支される。ロータシャフト10は、シャフト本体11と、一対の本体延長部12,13とを有している。
【0024】
シャフト本体11は、電気モータのロータコアCに圧入されて、その外周部にロータコアCが設けられる部位である。一対の本体延長部12,13は、シャフト本体11の軸方向の両端部に設けられ、シャフト本体11を軸方向に延長している。各本体延長部12,13には、シャフト本体11よりも厚肉に形成されており、その外周部にはベアリングや磁極位置を検出するレゾルバ等が設けられる。
【0025】
ロータシャフト10は中空構造を有し、シャフト本体11と一対の本体延長部12,13とを軸方向に沿って貫く中空部21が設けられている。中空部21は、ロータシャフト10の軸方向両端において、軸方向に向かって開口している。中空部21のうち、シャフト本体11に設けられた中空部21aと、一対の本体延長部12,13にそれぞれ設けられた中空部21b,21cとを比較すると、シャフト本体11の中空部21aが若干大きい内径を有している。シャフト本体11の中空部21aは、その軸方向両側が本体延長部12,13の中空部21b,21cに連通している。一方、本体延長部12,13の中空部21b,21cは、軸方向両側のうち一方がシャフト本体11の中空部21aに連通し、他方は外部に向けて開口している。
【0026】
シャフト本体11の中空部21aには、ロータコアCを冷却するための冷媒が供給される。冷媒は、例えば、ATF(Automatic Transmission Fluid)が用いられる。
図2に示すように、冷媒は、ロータシャフト10の中空部21に設けられた冷媒供給パイプ31により、シャフト本体11の中空部21aに供給される。冷媒供給パイプ31は、本体延長部12,13の一方(第1実施形態では
図1の右側の本体延長部12)の開口から中空部21に挿入され、ロータシャフト10の軸方向に沿って延びている。第1実施形態では、冷媒供給パイプ31は、シャフト本体11の中空部21aにおいて、挿入側とは反対側の端部に先端部が配置されている。冷媒供給パイプ31の少なくとも先端部には冷媒吐出口32が設けられており、冷媒吐出口32から冷媒がシャフト本体11の中空部21aに向けて散布される。
【0027】
図1に戻り、一対の本体延長部12,13の中空部21b,21cを形成する内周面には、シャフト本体11の中空部21aに導入された冷媒を排出するための冷媒排出口22が設けられている。なお、この冷媒排出口22の配置は例示であり、シャフト本体11に冷媒排出口22が設けられる場合もある。つまり、ロータシャフト10において、冷媒排出口22が設けられる箇所や数は任意である。
【0028】
一対の本体延長部12,13には、冷媒を外部に排出するための排出通路23が形成されている。排出通路23を通じて排出された冷媒は、冷却装置(図示略)で冷却された後、再び冷媒供給パイプ31に供給される。冷媒供給パイプ31の内部通路、冷媒吐出口32、シャフト本体11の中空部21a、冷媒排出口22及び排出通路23は、冷媒が循環する冷却回路の一部を構成している。冷媒排出口22及びそれに連通する排出通路23は、シャフト本体11の周壁の周方向に沿って1つ又は複数設けられている。第1実施形態では、4つの冷媒排出口22及び排出通路23が、シャフト本体11の周壁の周方向に沿って等間隔で設けられている。
【0029】
ここで、第1実施形態のロータシャフト10は、上記の基本構成に加え、シャフト本体11に窓部24と、リブ25aとが設けられており、この点を特徴としている。
【0030】
まず、窓部24は、シャフト本体11の周壁に設けられ、シャフト本体11の内外を貫通している。窓部24は軸方向に沿って延びる長孔であり、シャフト本体11の軸方向の端部間において、その略全域にわたって形成されている。窓部24は、内周面の周方向において複数の箇所に設けられている。第1実施形態では、4つの窓部24が設けられ、周方向に沿って等間隔に配置されている。
【0031】
次に、リブ25aは、シャフト本体11の内周面から内側に突出している。リブ25aが設けられることにより、シャフト本体11の内周面には凹凸が形成されている。一方、シャフト本体11の周壁それ自体が凹凸をなすように形成されているのではなく、シャフト本体11の外周面には従来の構成と同じく凹凸が形成されていない。リブ25aを軸方向に沿って切断した断面(縦断面)の上縁26(
図3も参照)は、円弧状をなすように形成されている。
【0032】
リブ25aは、シャフト本体11の内周面において、ロータコアCが設けられる範囲内で、螺旋をなすように形成されている。この螺旋は、ロータシャフト10の回転方向に応じ、冷媒が供給される冷媒供給パイプ31の先端側から冷媒排出口22が設けられた側に向けて形成されている。第1実施形態のロータシャフト10では、
図1の縦断面を基準として、左下から右上に向けて斜めの延びるリブ25aが形成され、これが連続する螺旋が形成されている。これにより、シャフト本体11の内周面には、隣接するリブ25aによって区画された通路であって、冷媒供給パイプ31の先端側の端部からパイプ導入側の端部に向かう螺旋通路27が形成されている。
【0033】
螺旋をなすリブ25aにより、窓部24は複数の小窓部24aに区画されている。そのため、軸方向に沿って見ると、シャフト本体11の軸方向の略全域にわたり、複数の小窓部24aが断続的に形成されている。また、螺旋通路27に沿って見ると、螺旋通路27の通路途中に小窓部24aが等間隔に配置された構成となっている。そして、このようなリブ25aが設けられていることにより、軸方向の略全域にわたって窓部24が形成されているために不足するシャフト本体11の強度が補強される。つまり、リブ25aはシャフト本体11の強度を補強する機能を果たしている。
【0034】
上記のように構成されたロータシャフト10では、
図2に示すように、ロータシャフト10の回転中に、冷媒供給パイプ31の冷媒吐出口32から冷媒がシャフト本体11の中空部21aに散布される。散布された冷媒はシャフト本体11の内周面に付着し、ロータシャフト10の高速回転によって生じる遠心力によってリブ25a同士の間にいったん溜まる。リブ25a同士の間に溜まった冷媒は、さらにその遠心力により、螺旋通路27に沿って、冷媒供給パイプ31の導入側に設けられた冷媒排出口22に向かって内周面に沿いつつ流れる。冷媒がこのように流れることにより、シャフト本体11の周壁を介してロータコアCの熱が冷媒の熱と熱交換される。熱交換によって昇温した冷媒は、冷媒排出口22に至り、排出通路23を通じて排出される。
【0035】
凹凸がない従来の内周面と異なり、シャフト本体11の内周面はリブ25aによって凹凸が形成されてその表面積が増大している。これにより、シャフト本体11の内周面では、冷媒と接触する面積(濡れ面積)が増えるため、冷媒による熱交換量も増大し、より高い冷却効果が得られる。
【0036】
それに加え、
図3に示すように、冷媒が螺旋通路27に沿って流れる途中、冷媒は小窓部24aに至る。なお、
図3では、冷媒が存在することが符号Rで示されている。小窓部24aでは中空部21aの内外が貫通しているため、小窓部24aに至った冷媒はロータコアCの内面に直接触れる。小窓部24aでは、シャフト本体11の周壁を介してロータコアCの熱が冷媒の熱と熱交換されるのではなく、冷媒がロータコアCに直に触れて熱交換され、周壁を介した熱交換よりも高い冷却効果が得られる。螺旋通路27では、このような小窓部24aが所定間隔ごとに存在するため、濡れ面積が増やされた螺旋通路27を流れて熱交換されることと相まって、冷却性能がさらに高まる。なお、シャフト本体11がロータコアCに圧入されていることにより、小窓部24aの周囲は面シールされており、ロータコアCとシャフト本体11との間から冷媒が漏れることが防止されている。
【0037】
以上の詳述をまとめると、第1実施形態のロータシャフト10によれば、次のような効果が得られる。
【0038】
(1)シャフト本体11に、その中空部21aの内外を貫通する窓部24が設けられている。ロータシャフト10の回転中に、シャフト本体11の中空部21aに冷媒が供給されると、ロータシャフト10の高速回転によって生じる遠心力により、冷媒は、シャフト本体11の内周面に付着し、その後、螺旋通路27に沿って冷媒排出口22に向かって流れる。その流れの途中で小窓部24aに至った冷媒は、シャフト本体11の周壁を介してロータコアCの熱と熱交換されるのではなく、ロータコアCに直に触れて熱交換される。そのため、周壁を介した熱交換よりも高い冷却効果が得られる。
【0039】
(2)シャフト本体11の軸方向の端部間において、その略全域にわたり、軸方向に沿って複数の小窓部24aが断続的に形成されている。このように、小窓部24aが軸方向の広範囲にわたって設けられていることから、冷媒がロータコアCに直に触れる部分が多くなり、熱交換量が増大するため、より高い冷却効果が得られる。
【0040】
(3)シャフト本体11の内周面には、内側に突出するリブ25aが設けられている。ロータシャフト10は、鍛造ではなく鋳造により形成されるため、中子にリブ形成用の加工を施すことにより、シャフト本体11の内周面にリブ25aを容易に設けることができる。
【0041】
そして、リブ25aにより、シャフト本体11の外周面に凹凸は形成されず、シャフト本体11の内周面に凹凸が形成され、その表面積が増大している。そのため、冷媒と接触する内周面の濡れ面積が増え、冷媒による熱交換量が増大し、凹凸がない内周面と比べて高い冷却効果が得られる。また、シャフト本体11の内外を貫通する小窓部24aが形成されていることにより、その分、シャフト本体11の強度が不足するものの、このリブ25aによって不足分が補強される。そのため、冷却性能を向上させるために小窓部24aが設けられていても、シャフト本体11の強度低下を抑制することができる。
【0042】
(4)リブ25aは、冷媒が中空部21aに導入される部位から、冷媒排出口22に向かって螺旋をなすように形成されている。これにより、シャフト本体11の内周面には、リブ25aによって区画された螺旋通路27が前記部位から冷媒排出口22に向かって形成されている。中空部21aに供給された冷媒は、ロータシャフト10の高速回転によって生じる遠心力により、螺旋通路27に沿って冷媒排出口22に向かって流れる。螺旋をなすリブ25aが設けられていることにより、このような冷媒の流れを形成し、冷媒排出口22まで冷媒をスムーズに流すことができる。
【0043】
なお、第1実施形態のロータシャフト10は、上記形態に限らず、例えば次のような構成を採用してもよい。
【0044】
(a)リブ25aの螺旋を、
図1の縦断面を基準として左右反転させ、右下から左上に向けて斜めの延びるリブ25aが形成されて、これが連続する螺旋としてもよい。また、
図4に示すリブ25bのように、窓部24と交差する部分を軸方向と略直交する方向に延びる形状とし、縦断面においてS字をなすような螺旋状に形成されてもよい。
【0045】
(b)
図5に示すリブ25cのように、縦断面において、その切断箇所にかかわらず、軸方向と略直交する方向に(つまり縦に)延びるように形成されてもよい。この構成ではリブ25cは環状をなし、軸方向に複数のリブ25cが設けられる。隣接するリブ25cの間に形成されたリブ間通路28は周方向に沿って延びており、隣接するリブ間通路28は互いに連通せずに独立している。なお、縦に延びるリブ25cではなく、窓部24と斜めに交差していてもよい。これらの構成であっても、シャフト本体11の内周面に凹凸が形成されることでその表面積が増大するため、冷媒と接触する内周面の濡れ面積が増えて冷媒による熱交換量も増大し、凹凸のない内周面の場合と比べて高い冷却効果が得られる。
【0046】
(c)上記(b)の別例の構成を基本とし、
図6に示すように、隣接するリブ間通路28を連通する第1連通路29aが設けられていてもよい。また、軸方向の端に設けられたリブ間通路28と、その外側の冷媒排出口22が設けられた領域とを連通する第2連通路29bが設けられていてもよい。これらの連通路29a,29bが複数設けられる場合、
図6に示すように、連通路29a,29bが設けられる周方向の位置をそろえて、一直線状をなすように設けられてもよいし、蛇行するように設けられていてもよい。また、
図7に示すように、連通路29a,29bが一直線状とならないように、第1連通路29aと第2連通路29bとが周方向に位置をずらして設けられていてもよい。なお、
図7において、第1連通路29aが示されていないリブ25cにも、図示では見えない箇所に第1連通路29aが設けられている。
【0047】
リブ間通路28に溜まった冷媒は、第1連通路29aを通じて隣のリブ間通路28に流れることが可能となるため、リブ間通路28に冷媒が滞留することが抑制され、冷媒排出口22への冷媒の流通性が高められる。また、軸方向の端にあるリブ間通路28に至った冷媒は、第2連通路29bを通じて冷媒排出口22が設けられた領域に流れることが可能となるため、その端にあるリブ間通路28に冷媒が滞留することが抑制され、冷媒排出口22への冷媒の流通性が高められる。
【0048】
そして、連通路29a,29bが一直線状とならないように周方向に位置をずらして設けられることで、リブ間通路28が迷路のように連通される。これにより、冷媒が周方向に沿って流れたり、隣のリブ間通路28に流れたりして、複雑な冷媒の流れが形成され、冷媒による熱交換を効率よく行うことができる。
【0049】
(d)
図8に示すように、リブ25dを軸方向に沿って切断した断面(縦断面)の上縁26は、冷媒排出口22に向けて冷媒が流れる方向の側に、正弦波形状の頂点がずれた弧状をなすように形成されていてもよい。この構成によれば、リブ間通路28に溜まった冷媒が冷媒排出口22に向けて流れる場合に、その流れの方向に隣接するリブ間通路28へ、リブ25dの頂点を超えて冷媒が流れやすくなる。そのため、リブ間通路28に冷媒が滞留することが抑制され、冷媒排出口22への冷媒の流通性が高められる。
【0050】
(e)
図9に示すように、リブ25aを省略して窓部24だけが設けられた構成としてもよい。リブ25aが設けられていなくても、窓部24によって冷媒がロータコアCに直に触れて熱交換されるため、シャフト本体11の周壁を介した熱交換よりも高い冷却効果が得られる。なお、リブ25aが設けられずに窓部24のみが形成される場合は、鍛造によってロータシャフト10を形成することが可能となる。
【0051】
(f)螺旋状をなすリブ25aであっても、非螺旋状のリブ25b~25dであっても、リブ25a~25d同士の間隔をより小さくしてより密にリブ25a~25dが形成されていてもよいし、間隔をより大きくしてより疎にリブ25a~25dが形成されていてもよい。
【0052】
(g)冷媒供給パイプ31や冷媒吐出口32の配置は任意であり、例えば、冷媒供給パイプ31の先端部がシャフト本体11の軸方向中央部に設けられ、その先端部に冷媒吐出口32が設けられた構成であってもよい。
【0053】
(第2実施形態)
次に、第2実施形態のロータシャフト41について説明する。なお、ここでは第1実施形態と異なる構成を中心に説明し、第1実施形態のロータシャフト10と同じ構成を有する部位は同じ名称と同じ符号を付して説明を省略する。
【0054】
図10に示すように、第2実施形態のロータシャフト41は、第1実施形態のロータシャフト10と異なり、窓部24が設けられていない。シャフト本体11の中空部21aには、周方向に沿ってリブ25eが設けられていない非凹凸部42を有している。非凹凸部42は環状をなしており、ロータシャフト41の縦断面において、その切断箇所にかかわらず、軸方向と略直交する方向に(つまり縦に)延びている。
【0055】
非凹凸部42を中心として、軸方向両側の冷媒排出口22に向けて螺旋状をなすリブ25eが設けられている。リブ25eが設けられることにより、シャフト本体11の内周面には凹凸が形成されている。一方、シャフト本体11の周壁それ自体が凹凸をなすように形成されているのではなく、シャフト本体11の外周面には従来の構成と同じく凹凸が形成されていない。リブ25eは、
図10に示す縦断面において、緩いS字をなすように形成されている。リブ25eを軸方向に沿って切断した断面の上縁26は、円弧状をなすように形成され、リブ25e同士の間も円弧状をなすような凹みが形成されている。そのため、シャフト本体11の内周面の縦断面は、連続する正弦波の波形をなしている。
【0056】
また、リブ25eの螺旋は非凹凸部42を中心として左右反転しており、
図10の断面を基準として、非凹凸部42よりも右側は左下から右上に向けてS字をなしながら斜めに延び、非凹凸部42よりも左側は右下から左上に向けてS字をなしながら斜めに延びている。これにより、シャフト本体11の内周面には、隣接するリブ25eによって区画された通路であって、非凹凸部42から軸方向両側の冷媒排出口22にそれぞれ向かう螺旋通路43,44が形成されている。なお、冷媒供給パイプ31の先端部は非凹凸部42の内側空間に配置されており、冷媒吐出口32はその先端部に設けられている。
【0057】
第2実施形態のロータシャフト41では、冷媒吐出口32からシャフト本体11の中空部21aに冷媒が散布されると、散布された冷媒は非凹凸部42に付着し、ロータシャフト41の高速回転によって生じる遠心力によって非凹凸部42にいったん溜まる。そして、非凹凸部42に溜まった冷媒は、さらにその遠心力により、螺旋通路43,44に沿って、軸方向両側の冷媒排出口22に向かって内周面に沿いつつ流れる。冷媒がこのように流れることにより、シャフト本体11の周壁を介してロータコアCの熱が冷媒の熱と熱交換される。熱交換によって昇温した冷媒は、冷媒排出口22から排出される。
【0058】
凹凸のない従来の内周面と異なり、第2実施形態のロータシャフト41においても、シャフト本体11の内周面はリブ25eによって凹凸が形成されてその表面積が増大している。これにより、冷媒と接触する面積(濡れ面積)が増えるため、冷媒による熱交換量も増大し、より高い冷却効果が得られる。
【0059】
以上の詳述をまとめると、第2実施形態のロータシャフト41によれば、次のような効果が得られる。
【0060】
(1)第1実施形態の効果(3)と同様に、鋳造によってシャフト本体11の内周面にリブ25eを容易に設けることができ、そのリブ25eによって形成される内周面の凹凸により、冷媒と接触する内周面の濡れ面積が増えて熱交換量を増大させることができる。これにより、冷却性能が高まる。
【0061】
(2)冷媒がシャフト本体11の中空部21aに供給されると、遠心力により、冷媒は非凹凸部42にいったん溜まり、その後、軸方向両側のそれぞれの冷媒排出口22に向けて螺旋通路43,44に沿って流れる。螺旋状をなすリブ25eが設けられていることにより、このような冷媒の流れを形成し、冷媒排出口22まで冷媒をスムーズに流すことができる。
【0062】
なお、第2実施形態のロータシャフト41は、上記形態に限らず、例えば次のような構成を採用してもよい。
【0063】
(a)
図11に示すリブ25fのように、ロータシャフト41の縦断面において、その切断箇所にかかわらず、軸方向と略直交する方向に(つまり縦に)延びるように形成されてもよい。この構成では、リブ25fは環状をなし、軸方向に複数のリブ25fが設けられる。隣接するリブ25fの間に形成されたリブ間通路45は周方向に沿って延びており、隣接するリブ間通路45は互いに連通せずに独立している。なお、縦に延びるリブ25fではなく、軸方向に対して斜めに形成されてもよい。これらの構成であっても、リブ25fによってシャフト本体11の内周面に凹凸が形成されることで表面積が増大するため、冷媒と接触する内周面の濡れ面積が増えて冷媒による熱交換量も増大し、凹凸のない内周面の場合と比べて高い冷却効果が得られる。
【0064】
(b)上記(a)の別例の構成を基本とし、
図12及び
図13に示すように、第1実施形態のロータシャフト10の別例(c)と同様、第1連通路29aや第2連通路29bが設けられていてもよい。第1連通路29aや第2連通路29bの構成態様やその効果は、第1実施形態のロータシャフト10の別例(c)と同様である。
【0065】
(c)
図14に示すように、第1実施形態のロータシャフト10の別例(d)と同じく、縦断面におけるリブ25gの上縁26が、冷媒排出口22に向けて冷媒が流れる方向の側に、正弦波形状の頂点がずれた弧状をなすように形成されていてもよい。
図14では、右側に冷媒が流れる場合の例を示している。この別例では、リブ25gと、リブ25g同士の間の弧状をなす凹部とで、連続した波形形状が形成されている。
【0066】
(e)シャフト本体11の内周面において、非凹凸部42が設けられる位置は任意であり、例えば、軸方向の端部寄りの位置であってもよい。冷媒吐出口32の配置等の構成により、所望の位置に変更することができる。
【0067】
(f)シャフト本体11の中空部21aから排出される冷媒を、ロータコアCに導入しつつ循環させる場合にも、シャフト本体11の内周面にリブ25hを設け、内周面の凹凸により冷却を促進する構成を適用することができる。例えば、
図15に示すロータシャフト51では、一方の開口(図の左側)からシャフト本体11の中空部21aに冷媒が供給され、他方の開口(図の右側)に向けて冷媒が流れる。かかるロータシャフト51は、そのシャフト本体11において、冷媒が供給される開口の側寄りの位置に複数の冷媒排出口52が設けられ、シャフト本体11の内周面にはその冷媒排出口52に向けて冷媒を誘導する誘導路53が設けられている。冷媒排出口52から排出された冷媒はロータコアCに導入された後、冷却装置(図示略)に送られる。
【0068】
冷媒排出口52よりも他方の開口の側において、シャフト本体11の内周面にリブ25hが形成されている。ここでも、シャフト本体11の外周面には従来の構成と同じく凹凸が形成されていない。リブ25hは、ロータシャフト51の縦断面において、その切断箇所にかかわらず、軸方向と略直交する方向に(つまり縦に)延びている。リブ25hは環状をなし、軸方向に複数のリブ25hが設けられる。隣り合うリブ25hの間にはリブ間通路54が形成されており、リブ25hが設けられた部分の全域にわたり、隣接するリブ間通路54を連通する連通路55が設けられている。一連の連通路55は、蛇行するように設けられている。
【0069】
この構成では、シャフト本体11の中空部21cに供給された冷媒は、その一部が誘導路53に誘導されて冷媒排出口52から排出され、ロータコアCに導入される。誘導路53に誘導されず、他方の開口に向けて流れた冷媒は、リブ25hが設けられた内周面に沿って流れる。この時、リブ25hによって冷媒と接触する内周面の濡れ面積が増えているため、冷媒による熱交換量も増大し、凹凸のない内周面の場合と比べて高い冷却効果が得られる。
【0070】
ここに、第2実施形態から把握できる技術的思想を付記する。
【0071】
付記1.電気モータが有するロータコアの中心部に、前記ロータコアを貫通するように当該ロータコアと一体的に設けられるロータシャフトであって、
外周部に前記ロータコアが設けられるシャフト本体と、
軸方向の両端で開口し、前記ロータコアを冷却する冷媒が供給される、前記シャフト本体の中空部と、
前記シャフト本体の周壁に設けられ、外周面に凹凸が形成されることなく内側に突出するリブと、
を備えていることを特徴とするロータシャフト。
【0072】
付記2.前記冷媒を排出する冷媒排出口を備えており、
前記リブは、前記冷媒が供給される位置から前記冷媒排出口が設けられた側に向けて、螺旋をなすように形成されていることを特徴とする付記1に記載のロータシャフト。
【0073】
付記3.前記冷媒を排出する冷媒排出口を備えており、
前記リブは、軸方向に沿った縦断面において前記軸方向と交差する方向に延びて環状をなし、軸方向に沿って複数の前記リブが設けられており、
前記縦断面における前記リブの上縁は、前記冷媒排出口に向けて冷媒が流れる方向の側に、正弦波形状の頂点がずれた弧状に形成されていることを特徴とする付記1に記載のロータシャフト。
【0074】
付記4.前記リブは、軸方向に沿った縦断面において前記軸方向と交差する方向に延びて環状をなし、軸方向に沿って複数の前記リブが設けられており、
隣接する前記リブの間に形成された複数のリブ間通路と、
隣接する前記リブ間通路を連通する第1連通路と、
前記複数のリブのうち軸方向の端にあるリブの軸方向外側に設けられ、前記冷媒を排出する冷媒排出口と、
前記複数のリブ間通路のうち軸方向の端に設けられたリブ間通路と、前記冷媒排出口が設けられた領域とを連通する第2連通路と、
を備えていることを特徴とする付記1に記載のロータシャフト。
【0075】
付記5.前記第1連通路及び前記第2連通路は、周方向に位置をずらして設けられていることを特徴とする付記4に記載のロータシャフト。
【符号の説明】
【0076】
10…ロータシャフト、11…シャフト本体、21a…中空部、22…冷媒排出口、24…窓部、25a~25d…リブ、26…上縁、27…リブ間通路、29a…第1連通路、29b…第2連通路、C…ロータコア。