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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128364
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】記録装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240913BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240913BHJP
   B41J 29/16 20060101ALI20240913BHJP
   B41J 29/13 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
H04N1/00 519
B41J29/00 A
B41J29/16
B41J29/13
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037306
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】田中 佳行
(72)【発明者】
【氏名】野本 伸寿
【テーマコード(参考)】
2C061
5C062
【Fターム(参考)】
2C061AP07
2C061AQ05
2C061AR01
2C061AS02
2C061BB06
2C061CD01
5C062AA02
5C062AA05
5C062AB02
5C062AB17
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB23
5C062AB30
5C062AB33
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC05
5C062AD02
5C062AD05
5C062AD06
(57)【要約】
【課題】記録ユニットと読み取りユニットとの幅方向寸法差を効率よく利用する。
【解決手段】記録装置は記録ユニットと読み取りユニットとを備えている。読み取りユニットの原稿台は長辺方向を装置幅方向に沿う様に配置される。装置幅方向において原稿台のサイズは、媒体収容部のサイズより大きく、装置幅方向において原稿台の中心位置は、媒体収容部の中心位置に対し第1方向にずれており、記録ユニットは、媒体収容部に対し第1方向の側部であって読み取りユニットの下部に、物品を収納可能な収納部を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に記録を行う記録部を備えた記録ユニットと、
原稿を載置する原稿台及び当該原稿台に載置された原稿の画像を読み取る読み取り部を備えたユニットであって、前記記録ユニットの上部に設けられる読み取りユニットと、を備え、
前記記録ユニットは、
前記記録ユニットの周囲を形成する側面のうち第1の側面に設けられる操作パネルと、
給送前の媒体を収容する部位であって、前記第1の側面に露呈する媒体収容部と、
を備え、
前記第1の側面を装置前面とするとともに、前記第1の側面を正面視して左右方向を装置幅方向として、前記原稿台は、長辺方向を前記装置幅方向に沿う様に配置され、
前記装置幅方向において前記原稿台のサイズは、前記媒体収容部のサイズより大きく、
前記装置幅方向のうち一方向を第1方向とするとともに他方向を第2方向として、前記装置幅方向において前記原稿台の中心位置は、前記媒体収容部の中心位置に対し前記第1方向にずれており、
前記記録ユニットは、前記媒体収容部に対し前記第1方向の側部であって前記読み取りユニットの下部に、物品を収納可能な収納部を備える、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項2】
請求項1に記載の記録装置において、構造の異なる複数種類の前記収納部が、前記記録ユニットに対して着脱可能である、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項3】
請求項2に記載の記録装置において、前記収納部に代えて、所定の機能を奏する機能部を着脱可能である、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項4】
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の記録装置において、前記収納部を開閉する開閉部を備え、
前記開閉部は、ロック可能である、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項5】
請求項4に記載の記録装置において、前記媒体収容部は、前記記録ユニットに対して着脱可能に設けられ、
前記開閉部は、前記媒体収容部との係わり合いが可能であって、閉じた状態において前記媒体収容部を装着状態にロックする、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項6】
請求項4に記載の記録装置において、前記記録部から吐出する液体を収容する部位であって、前記第1の側面に露呈し、前記記録ユニットに対して着脱可能な液体収容部を備え、
前記開閉部は、前記液体収容部との係わり合いが可能であって、閉じた状態において前記液体収容部を装着状態にロックする、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項7】
媒体に記録を行う記録部を備えた記録ユニットと、
原稿を載置する原稿台及び当該原稿台に載置された原稿の画像を読み取る読み取り部を備えたユニットであって、前記記録ユニットの上部に設けられる読み取りユニットと、を備え、
前記記録ユニットは、
前記記録ユニットの周囲を形成する側面のうち第1の側面に設けられる操作パネルと、
給送前の媒体を収容する部位であって、前記第1の側面に露呈する媒体収容部と、
を備え、
前記第1の側面を装置前面とするとともに、前記第1の側面を正面視して左右方向を装置幅方向として、前記原稿台は、長辺方向を前記装置幅方向に沿う様に配置され、
前記装置幅方向において前記原稿台のサイズは、前記媒体収容部のサイズより大きく、
前記装置幅方向のうち一方向を第1方向とするとともに他方向を第2方向として、前記装置幅方向において前記原稿台の中心位置は、前記媒体収容部の中心位置に対し前記第1方向にずれており、
前記記録ユニットは、前記媒体収容部に対し前記第1方向の側部であって前記読み取りユニットの下部に、所定の機能を奏する機能部を備える、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項8】
請求項7に記載の記録装置において、機能の異なる複数種類の前記機能部が、前記記録ユニットに対して着脱可能である、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項9】
請求項8に記載の記録装置において、前記機能部に代えて、物品を収納可能な収納部を着脱可能である、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項10】
請求項1に記載の記録装置において、前記装置幅方向において前記原稿台の前記第2方向の端部の位置と、前記媒体収容部に収容可能な最大サイズの媒体における前記第2方向の端部の位置とが揃っている、
ことを特徴とする記録装置。
【請求項11】
請求項10に記載の記録装置において、前記第1方向の前記収納部の側面と前記読み取りユニットの側面とが面一であるとともに、前記第2方向の前記記録ユニットの側面と前記読み取りユニットの側面とが面一である、
ことを特徴とする記録装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録ユニットの上部に読み取りユニットを備える記録装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像形成部筐体と画像読取部筐体とを備えた画像形成装置において、画像読取部筐体の左右幅寸法が、画像形成部筐体の左右幅寸法より大きいことを利用して、画像形成部筐体の左側方に収納構造が設けられている。収納構造には、画像形成装置の取り扱い説明書、クリーニング用の布類、修理用の工具類等の各種の物品を収納することができるとされている。尚、特許文献1記載の画像形成装置において、収納構造は画像形成部筐体の左側方に設けられ、右側方には設けられていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2017-146610号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1記載の収納構造は、画像読取部筐体の左右幅寸法が画像形成部筐体の左右幅寸法より大きいことを利用して設けられているが、上記寸法の相違を効率よく利用できておらず、収納空間が小さい為、使い勝手の悪いものとなっている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する為の、本発明の記録装置は、媒体に記録を行う記録部を備えた記録ユニットと、原稿を載置する原稿台及び当該原稿台に載置された原稿の画像を読み取る読み取り部を備えたユニットであって、前記記録ユニットの上部に設けられる読み取りユニットと、を備え、前記記録ユニットは、前記記録ユニットの周囲を形成する側面のうち第1の側面に設けられる操作パネルと、給送前の媒体を収容する部位であって、前記第1の側面に露呈する媒体収容部と、を備え、前記第1の側面を装置前面とするとともに、前記第1の側面を正面視して左右方向を装置幅方向として、前記原稿台は、長辺方向を前記装置幅方向に沿う様に配置され、前記装置幅方向において前記原稿台のサイズは、前記媒体収容部のサイズより大きく、前記装置幅方向のうち一方向を第1方向とするとともに他方向を第2方向として、前記装置幅方向において前記原稿台の中心位置は、前記媒体収容部の中心位置に対し前記第1方向にずれており、前記記録ユニットは、前記媒体収容部に対し前記第1方向の側部であって前記読み取りユニットの下部に、物品を収納可能な収納部を備えることを特徴とする。
【0006】
また本発明の記録装置は、媒体に記録を行う記録部を備えた記録ユニットと、原稿を載置する原稿台及び当該原稿台に載置された原稿の画像を読み取る読み取り部を備えたユニットであって、前記記録ユニットの上部に設けられる読み取りユニットと、を備え、前記記録ユニットは、前記記録ユニットの周囲を形成する側面のうち第1の側面に設けられる操作パネルと、給送前の媒体を収容する部位であって、前記第1の側面に露呈する媒体収容部と、を備え、前記第1の側面を装置前面とするとともに、前記第1の側面を正面視して左右方向を装置幅方向として、前記原稿台は、長辺方向を前記装置幅方向に沿う様に配置され、前記装置幅方向において前記原稿台のサイズは、前記媒体収容部のサイズより大きく、前記装置幅方向のうち一方向を第1方向とするとともに他方向を第2方向として、前記装置幅方向において前記原稿台の中心位置は、前記媒体収容部の中心位置に対し前記第1方向にずれており、前記記録ユニットは、前記媒体収容部に対し前記第1方向の側部であって前記読み取りユニットの下部に、所定の機能を奏する機能部を備えることを特徴とする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】プリンターの斜視図。
図2】プリンターの正面図。
図3】空間部の第1利用形態を示す図。
図4】空間部の第2利用形態を示す図。
図5】空間部の第3利用形態を示す図。
図6】空間部の第4利用形態を示す図。
図7】空間部の第4利用形態の変形例を示す図。
図8】空間部の第4利用形態の変形例を示す図。
図9】空間部の第4利用形態の変形例を示す図。
図10】収納部の装着構造を示す図。
図11】空間部の第5利用形態を示す図。
図12】空間部の第6利用形態を示す図。
図13】空間部の第7利用形態を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を概略的に説明する。
第1の態様に係る記録装置は、媒体に記録を行う記録部を備えた記録ユニットと、原稿を載置する原稿台及び当該原稿台に載置された原稿の画像を読み取る読み取り部を備えたユニットであって、前記記録ユニットの上部に設けられる読み取りユニットと、を備え、前記記録ユニットは、前記記録ユニットの周囲を形成する側面のうち第1の側面に設けられる操作パネルと、給送前の媒体を収容する部位であって、前記第1の側面に露呈する媒体収容部と、を備え、前記第1の側面を装置前面とするとともに、前記第1の側面を正面視して左右方向を装置幅方向として、前記原稿台は、長辺方向を前記装置幅方向に沿う様に配置され、前記装置幅方向において前記原稿台のサイズは、前記媒体収容部のサイズより大きく、前記装置幅方向のうち一方向を第1方向とするとともに他方向を第2方向として、前記装置幅方向において前記原稿台の中心位置は、前記媒体収容部の中心位置に対し前記第1方向にずれており、前記記録ユニットは、前記媒体収容部に対し前記第1方向の側部であって前記読み取りユニットの下部に、物品を収納可能な収納部を備えることを特徴とする。
【0009】
本態様によれば、前記装置幅方向において前記原稿台の中心位置は、前記媒体収容部の中心位置に対し前記第1方向にずれている為、前記媒体収容部に対し前記第1方向の側部であって前記読み取りユニットの下部に、大きなスペースを形成することができる。即ち、前記装置幅方向における前記原稿台と前記媒体収容部との寸法の相違を効率よく利用することができる。
そして前記スペースに、物品を収納可能な収納部が設けられていることから、前記収納部の大きさを確保することができ、前記収納部の使い勝手を向上させることができる。
【0010】
第2の態様は、第1の態様に従属する態様であって、構造の異なる複数種類の前記収納部が、前記記録ユニットに対して着脱可能であることを特徴とする。
本態様によれば、構造の異なる複数種類の前記収納部が、前記記録ユニットに対して着脱可能であることから、ユーザーニーズに応じて前記収納部を付け替えることができ、ユーザビリティが向上する。
【0011】
第3の態様は、第2の態様に従属する態様であって、前記収納部に代えて、所定の機能を奏する機能部を着脱可能であることを特徴とする。
本態様によれば、前記収納部に代えて、所定の機能を奏する機能部を着脱可能であることから、前記スペースを物品の収納以外にも利用したいというユーザーニーズに応えることができ、ユーザビリティが向上する。
【0012】
第4の態様は、第1から第3の態様のいずれかに従属する態様であって、前記収納部を開閉する開閉部を備え、前記開閉部は、ロック可能であることを特徴とする。
本態様によれば、前記収納部を開閉する開閉部を備え、前記開閉部は、ロック可能であることから、前記収納部に収納した物品の保全を図ることができる。
【0013】
第5の態様は、第4の態様に従属する態様であって、前記媒体収容部は、前記記録ユニットに対して着脱可能に設けられ、前記開閉部は、前記媒体収容部との係わり合いが可能であって、閉じた状態において前記媒体収容部を装着状態にロックすることを特徴とする。
【0014】
本態様によれば、前記媒体収容部は、前記記録ユニットに対して着脱可能に設けられ、前記開閉部は、前記媒体収容部との係わり合いが可能であって、閉じた状態において前記媒体収容部を装着状態にロックすることから、前記収納部に収納した物品に加え、前記媒体収容部に収容した媒体も保全することができる。
【0015】
第6の態様は、第4の態様に従属する態様であって、前記記録部から吐出する液体を収容する部位であって、前記第1の側面に露呈し、前記記録ユニットに対して着脱可能な液体収容部を備え、前記開閉部は、前記液体収容部との係わり合いが可能であって、閉じた状態において前記液体収容部を装着状態にロックすることを特徴とする。
【0016】
本態様によれば、前記記録部から吐出する液体を収容する部位であって、前記第1の側面に露呈し、前記記録ユニットに対して着脱可能な液体収容部を備え、前記開閉部は、前記液体収容部との係わり合いが可能であって、閉じた状態において前記液体収容部を装着状態にロックすることから、前記収納部に収納した物品に加え、前記液体収容部に収容した液体も保全することができる。
尚、本態様は上記第4の態様に限らず、上記第5の態様に適用しても良い。
【0017】
第7の態様に係る記録装置は、媒体に記録を行う記録部を備えた記録ユニットと、原稿を載置する原稿台及び当該原稿台に載置された原稿の画像を読み取る読み取り部を備えたユニットであって、前記記録ユニットの上部に設けられる読み取りユニットと、を備え、前記記録ユニットは、前記記録ユニットの周囲を形成する側面のうち第1の側面に設けられる操作パネルと、給送前の媒体を収容する部位であって、前記第1の側面に露呈する媒体収容部と、を備え、前記第1の側面を装置前面とするとともに、前記第1の側面を正面視して左右方向を装置幅方向として、前記原稿台は、長辺方向を前記装置幅方向に沿う様に配置され、前記装置幅方向において前記原稿台のサイズは、前記媒体収容部のサイズより大きく、前記装置幅方向のうち一方向を第1方向とするとともに他方向を第2方向として、前記装置幅方向において前記原稿台の中心位置は、前記媒体収容部の中心位置に対し前記第1方向にずれており、前記記録ユニットは、前記媒体収容部に対し前記第1方向の側部であって前記読み取りユニットの下部に、所定の機能を奏する機能部を備えることを特徴とする。
【0018】
本態様によれば、前記装置幅方向において前記原稿台の中心位置は、前記媒体収容部の中心位置に対し前記第1方向にずれている為、前記媒体収容部に対し前記第1方向の側部であって前記読み取りユニットの下部に、大きなスペースを形成することができる。即ち、前記装置幅方向における前記原稿台と前記媒体収容部との寸法の相違を効率よく利用することができる。
そして前記スペースに、所定の機能を奏する機能部が設けられていることから、前記機能部を構成する為のスペースを確保することができ、前記機能部の設計の自由度が向上する。
【0019】
第8の態様は、第7の態様に従属する態様であって、機能の異なる複数種類の前記機能部が、前記記録ユニットに対して着脱可能であることを特徴とする。
本態様によれば、機能の異なる複数種類の前記機能部が、前記記録ユニットに対して着脱可能であることから、ユーザーニーズに応じて前記機能部を付け替えることができ、ユーザビリティが向上する。
【0020】
第9の態様は、第8の態様に従属する態様であって、前記機能部に代えて、物品を収納可能な収納部を着脱可能であることを特徴とする。
本態様によれば、前記機能部に代えて、物品を収納可能な収納部を着脱可能であることから、前記スペースを物品の収納にも利用したいというユーザーニーズに応えることができ、ユーザビリティが向上する。
【0021】
第10の態様は、第1の態様に従属する態様であって、前記装置幅方向において前記原稿台の前記第2方向の端部の位置と、前記媒体収容部に収容可能な最大サイズの媒体における前記第2方向の端部の位置とが揃っていることを特徴とする。
【0022】
本態様によれば、前記装置幅方向において前記原稿台の前記第2方向の端部の位置と、前記媒体収容部に収容可能な最大サイズの媒体における前記第2方向の端部の位置とが揃っていることから、前記スペースをより一層確保することができる。
尚、本態様は上記第1の態様に限らず、上記第2から第9の態様のいずれかに適用しても良い。
【0023】
第11の態様は、第10の態様に従属する態様であって、前記第1方向の前記収納部の側面と前記読み取りユニットの側面とが面一であるとともに、前記第2方向の前記記録ユニットの側面と前記読み取りユニットの側面とが面一であることを特徴とする。
【0024】
本態様によれば、前記第1方向の前記収納部の側面と前記読み取りユニットの側面とが面一であるとともに、前記第2方向の前記記録ユニットの側面と前記読み取りユニットの側面とが面一であるあることから、装置の美観が向上する。
【0025】
以下、本発明を具体的に説明する。
尚、以降説明する記録装置の一例であるプリンター1には複数の実施形態があり、以降においてプリンター1の各実施形態には符号1に更にアルファベット大文字を付加して例えばプリンター1Aなどと称する。またプリンターの各実施形態を区別する必要のない場合にはプリンター1と総称する。また各実施形態において同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は避けるものとする。
【0026】
各図において示すX-Y-Z座標系はX軸方向が装置幅方向、Y軸方向が装置奥行き方向、Z軸方向が装置高さ方向を示している。また、+Y方向を装置背面から前面に向かう方向とし、-Y方向を装置前面から背面に向かう方向とする。また、装置前方から見て左を+X方向、右を-X方向とする。また、+Z方向を上方とし、-Z方向側を下方とする。
【0027】
図1図2はプリンター1の基本構成を示している。プリンター1は、媒体の一例である記録用紙にインクジェット記録を行う記録ヘッド17を内部に備えるプリンター部7と、プリンター部7の上部に設けられ、原稿の画像を読み取るスキャナー部2とを備えている。記録ヘッド17は記録部の一例であり、プリンター部7は記録ユニットの一例である。またスキャナー部2は読み取りユニットの一例である。
即ちプリンター1は、記録機能に加えて画像読取機能を備える複合機である。
【0028】
プリンター部7の周囲を形成する側面のうち第1の側面であるプリンター前面7aには、各種操作を行う為の操作パネル11が設けられている。操作パネル11はチルト可能に設けられており、収納状態において図1図2に示す様にパネル面がプリンター前面7aと面一になる。操作パネル11は、記録や画像読み取りのための各種設定操作や実行操作の他、設定内容や画像のプレビュー表示などを行うことができる。
【0029】
プリンター部7は、外郭が筐体20により構成される。プリンター部7の最も下部にはインク収容カセット9がプリンター前面7aに露呈している。インク収容カセット9は、Y軸方向に沿ってスライドすることで装着状態と引き出し状態とを切り換え可能に設けられている。装着状態にあるインク収容カセット9は、+Y方向に向けてスライドさせることでプリンター部7から引き出すことができ、また-Y方向に向けてスライドさせることでプリンター部7に装着することができる。
【0030】
インク収容カセット9には、一例としてブラック、シアン、マゼンタ、イエローのこれら四色のインクを収容する為に四つのインク収容部9a、9b、9c、9dがインク収容カセット9に対して着脱可能に設けられている。インク収容部9a、9b、9c、9dと記録ヘッド17とは、不図示のインクチューブにより接続されており、このインクチューブによってインク収容部9a、9b、9c、9dから記録ヘッド17へとインクが供給される。
【0031】
インク収容カセット9の上部には、用紙カセット8がプリンター部7に対して着脱可能に設けられている。用紙カセット8は、給送前の記録用紙を収容する部位であって、プリンター前面7aに露呈する媒体収容部の一例である。但し媒体収容部はプリンター部7に対して着脱可能な用紙カセット8に限られず、プリンター部7に固定的に設けられても良い。また用紙カセット8は複数設けられていても良い。
【0032】
符号Pは、用紙カセット8に収容される記録用紙の束を示している。一例として図2に示す記録用紙は、A4サイズ用紙であって、短辺方向をX軸方向に沿った状態で収納されている。
装着状態にある用紙カセット8は、+Y方向に向けてスライドさせることでプリンター部7から引き出すことができ、また-Y方向に向けてスライドさせることでプリンター部7に装着することができる。
用紙カセット8に収容された記録用紙は、不図示の給送手段によって-Y方向に送り出され、そして+Y方向に反転されて記録ヘッド17と対向する位置に送られる。
【0033】
記録ヘッド17は液体としてのインクを吐出するインクジェット記録ヘッドであり、キャリッジ16に設けられている。記録ヘッド17は、記録用紙に向けてインクを吐出することで記録を行う。キャリッジ16は、不図示のモーターの動力を受けて、X軸方向に往復動する。
記録ヘッド17によって記録の行われた記録用紙は、不図示の排出手段によって+Y方向に排出され、排紙トレイ10によって支持される。
排紙トレイ10は、不図示のヒンジを介してプリンター部7に連結されており、回転することで開閉する。図1図2は排紙トレイ10を開いた状態を示している。図示は省略するが、排紙トレイ10は閉じた状態において操作パネル11とともに装置前面を構成する。
【0034】
次に、スキャナー部2は、スキャナー本体部3の上部に原稿給送部4を備えている。原稿給送部4はユニット化され、不図示のヒンジを介してスキャナー本体部3に対し回転可能に連結されている。不図示のヒンジは、Y軸方向に沿った回転中心を有するとともに、+X方向の端部に設けられている。原稿給送部4はスキャナー本体部3に対して上記ヒンジを中心に回転することで、原稿台14を覆う状態と開放する状態とを切り換える。原稿給送部4は不図示の原稿搬送手段を備えており、原稿給紙トレイ5に載置された原稿を給送し、読み取りが行われた原稿を原稿排紙トレイ6へ排出する。
尚、原稿給送部4に代えて、原稿台14を覆う状態と開放する状態とを切り換え可能なカバーを採用しても良い。即ちスキャナー部2は、自動原稿給送機能を備えていなくとも良い。
【0035】
原稿台14はX-Y平面に平行なガラス板で構成されている。原稿台14の下側には、原稿台14に載置された原稿の画像を読み取る読み取り部の一例である読み取りセンサー15が設けられている。読み取りセンサー15はY軸方向に延設されたCIS(Contact Image Sensor)であり、不図示のモーターの動力を受けてX軸方向に移動しながら原稿台14に載置された原稿の画像を読み取る。
また原稿給送部4を利用した原稿読み取りの場合、読み取りセンサー15は原稿台14の+X方向端部付近の下側で停止する。この状態で原稿が読み取りセンサー15の上部を搬送される際に、読み取りセンサー15が原稿の画像を読み取る。
【0036】
ここで図2において符号Waはスキャナー部2を構成するスキャナー本体部3のX軸方向サイズを示している。尚、本実施形態においてスキャナー本体部3と原稿給送部4は、X軸方向のサイズが等しいが、X軸方向において原稿給送部4のサイズがスキャナー本体部3のサイズより小さくても良い。
スキャナー本体部3のサイズWaは、原稿台14に左右される。原稿台14は、長辺方向がX軸方向に沿い、短辺方向がY軸方向に沿う様に設けられており、従ってスキャナー本体部3のサイズWaは、原稿台14の長辺方向サイズに依存する。原稿台14の長辺方向サイズは、一例としてA4サイズ用紙の長辺方向寸法に、原稿給送部4を利用した原稿読み取りを行う為の読み取り領域の寸法を加えたサイズとなる。勿論、原稿台14のX軸方向のサイズは上記に限られないことは言うまでもない。
【0037】
また図2において符号Wbはプリンター部7のX軸方向サイズを示している。プリンター部7のサイズWbは、用紙カセット8に左右される。従ってプリンター部7のサイズWbは、用紙カセット8に収容可能な記録用紙のうち最大サイズの記録用紙のX軸方向寸法に依存する。
用紙カセット8は、一例としてA4サイズ用紙を最大サイズとし、A4サイズ用紙の長辺方向がY軸方向に沿い、短辺方向がX軸方向に沿う様に構成されている。勿論、用紙カセット8のサイズは上記に限られないことは言うまでもない。
【0038】
スキャナー本体部3のサイズWaとプリンター部7のサイズWbは上記の様に定まる為、スキャナー本体部3のサイズWaはプリンター部7のサイズWbよりも大きくなる。これにより、プリンター部7に対し-X方向の側であってスキャナー本体部3の下側には、空間部12が形成される。図2において符号Wcは、空間部12のX軸方向サイズを示している。
【0039】
図2において符号CL1は原稿台14のX軸方向中心位置であり、符号CL2は用紙カセット8のX軸方向中心位置である。本実施形態において中心位置CL2は、用紙カセット8に収容された記録用紙のX軸方向中心位置と一致する。
図示する様に原稿台14の中心位置CL1は、用紙カセット8の中心位置CL2に対し第1方向である-X方向にずれている。これによりプリンター部7に対し-X方向の側であってスキャナー本体部3の下側に空間部12が形成される。
但しこれに限られず、原稿台14の中心位置CL1が、用紙カセット8の中心位置CL2に対し第2方向である+X方向にずれていて、これによりプリンター部7に対し+X方向の側に空間部12が形成されていても良い。
【0040】
尚、本実施形態においてプリンター部7の外郭を形成する筐体20は、スキャナー本体部3の外郭も構成する。換言すれば、プリンター部7の外郭を形成する筐体とスキャナー本体部3の外郭を構成する筐体は本実施形態において一体とされている。
図2において符号18はスキャナー本体部3とプリンター部7とを隔てる仕切壁であり、符号SL1はZ軸方向における仕切壁18の高さ位置である。筐体20は、高さ位置SL1より上部においてスキャナー本体部3を構成し、高さ位置SL1より下部においてプリンター部7を構成する。即ち高さ位置SL1より上部がスキャナー部2であり、高さ位置SL1より下部がプリンター部7である。
尚、高さ位置SL1は、キャリッジ16の上面と読み取りセンサー15の下面との間の適宜の位置に設定することができる。例えば、高さ位置SL1は、キャリッジ16の上面と読み取りセンサー15の下面との間の中間位置であっても良い。
【0041】
但しプリンター部7の外郭を形成する筐体とスキャナー本体部3の外郭を構成する筐体とは別部材であっても良い。またその場合、スキャナー本体部3がプリンター部7に対してヒンジ等を介して連結され、プリンター部7に対して開閉可能に設けられていても良い。この様にスキャナー本体部3がプリンター部7に対して開閉可能に設けられることで、スキャナー本体部3を開くとプリンター部7の内部を露呈させることができる。そしてこれにより、例えば紙ジャムの処理や記録ヘッド17のメンテナンスなどを容易に行うことができる。
【0042】
尚、符号7bはプリンター部7の-X方向の側面であり、符号2bはスキャナー部2の-X方向の側面である。側面2bは、側面7bよりも-X方向に位置する。
また符号7cはプリンター部7の+X方向の側面であり、符号2cはスキャナー部2の+X方向の側面である。本実施形態において側面2cと側面7cとは面一であるが、これに限られず、側面2cが側面7cに対し+X方向に位置していても良いし、或いは側面2cが側面7cに対し-X方向に位置していても良い。
【0043】
また符号2aはスキャナー部2を構成する原稿給送部4の+Y方向の側面即ち給送部前面であり、本実施形態において給送部前面2aとプリンター前面7aとは面一である。但し給送部前面2aがプリンター前面7aに対し+Y方向或いは-Y方向にずれていても良い。
また本実施形態においてスキャナー本体部3の+Y方向の側面とプリンター前面7aとは面一であるが、スキャナー本体部3の+Y方向の側面がプリンター前面7aに対し+Y方向或いは-Y方向にずれていても良い。
尚、本実施形態において給送部前面2a、スキャナー本体部3の+Y方向の側面、プリンター前面7a、用紙カセット8の+Y方向の側面、及びインク収容カセット9の+Y方向の側面は面一である。
【0044】
<空間部の第1利用形態>
図3は、空間部12の第1利用形態を示している。
プリンター1Aの空間部12には、物品を収納可能な収納部として第1収納部30を設けることができる。第1収納部30は、一例としてペン立てとして構成されている。
第1収納部30は、プリンター部7に対して固定的に設けても良いし、着脱可能に設けても良い。
また第1収納部30をプリンター部7に対して着脱可能に設ける場合、第1収納部30に代えて本明細書で説明する他の収納部や機能部を装着可能に構成しても良い。
【0045】
<空間部の第2利用形態>
図4は、空間部12の第2利用形態を示している。
プリンター1Bの空間部12には、物品を収納可能な収納部として第2収納部31を設けることができる。第2収納部31は、一例として小物入れとして構成されており、引き出し部31a、31b、31cを有している。二点鎖線及び符号31a-1は、一例として引き出し部31aを引き出した状態を示している。また符号31dは指を掛ける為の指掛け部を示している。
尚、本実施形態では三つの引き出し部31a、31b、31cを設けているが、これに限られず引き出し部を一つのみ備えていても良いし、或いは二つの引き出し部や四つ以上の引き出し部を備えていても良い。
第2収納部31は、プリンター部7に対して固定的に設けても良いし、着脱可能に設けても良い。
また第2収納部31をプリンター部7に対して着脱可能に設ける場合、第2収納部31に代えて本明細書で説明する他の収納部や機能部を装着可能に構成しても良い。
【0046】
<空間部の第3利用形態>
図5は、空間部12の第3利用形態を示している。
プリンター1Cの空間部12には、物品を収納可能な収納部として第3収納部32を設けることができる。第3収納部32は、一例として小物入れとして構成されている。第3収納部32は、プリンター部7に対し不図示のヒンジを介して回転可能に設けられており、回転させることで図5の左図に示す様に収納した状態と図5の右図に示す様に前方(矢印a方向)に引き出した状態とを切り換えることができる。第3収納部32には一例としてクリップなどを収納することができる。
尚、本実施形態では第3収納部32は装置前面寄りに設けられており、第3収納部32に対して装置後方寄りのスペース及び第3収納部32に対して下側のスペースは利用されていないが、これらスペースを他の用途に利用しても良い。例えば、第3収納部32に対して下側のスペースを利用して、本明細書で説明する他の収納部や機能部を装着可能に構成しても良い。
また第3収納部32には、指を掛ける為の突起や凹部などを形成しても良い。
【0047】
<空間部の第4利用形態>
図6は、空間部12の第4利用形態を示している。
プリンター1Dの空間部12には、物品を収納可能な収納部として第4収納部33を設けることができる。第4収納部33は、+Y方向即ち装置前面に開閉部34を備えている。開閉部34は、プリンター部7に対し不図示のヒンジを介して回転可能に設けられており、回転させることで、実線で示す様に閉じた状態と二点鎖線及び符号34-1で示す様に前方右側に開いた状態とを切り換えることができる。開閉部34を開くことで、収納部の内側にアクセスすることができる。開閉部34には、指を掛ける為の突起や凹部などを形成しても良い。また開閉部34の閉じた状態を保持する為に磁石等の保持手段を設けても良い。また開閉部34を押し込むことで閉じた状態とし、また押し込むことで開放する為のプッシュラッチ機構などを設けても良い。
第4収納部33は比較的大きい物品を収容可能であり、一例として取扱説明書やインクなどの消耗品を収容できる。
第4収納部33は、プリンター部7に対して固定的に設けても良いし、着脱可能に設けても良い。
また第4収納部33をプリンター部7に対して着脱可能に設ける場合、第4収納部33に代えて本明細書で説明する他の収納部や機能部を装着可能に構成しても良い。
【0048】
また図7図8は第4収納部33の変形例である第5収納部35を示している。第5収納部35を備えるプリンター1Eは、開閉部36を備える。開閉部36は、不図示のヒンジを介して図7に示す様に前方に開くことができる。尚、開閉部36には、指を掛ける為の突起や凹部などを形成しても良い。また開閉部36の閉じた状態を保持する為に磁石等の保持手段を設けても良い。また開閉部36を押し込むことで閉じた状態とし、また押し込むことで開放する為のプッシュラッチ機構などを設けても良い。
開閉部36の上部はスキャナー本体部3の一部を覆っており、スキャナー本体部3の前面には突起37が設けられている。開閉部36には閉じた状態で突起37を装置前面に露出させる様に開口部36aが形成されている。
【0049】
突起37は図8の左図に示す様に南京錠38を掛けることができる形状を有しており、これにより開閉部36を閉じた状態で開閉部36をロックすることができる。その結果、第5収納部35に収納した物品の保全を図ることができる。そして南京錠38を外すことで、図8の右図に示す様に開閉部36のロックを解除し、開閉部36を開くことができる。
【0050】
また図6の開閉部34或いは図7の開閉部36は、図1図2に示した操作パネル11として構成しても良い。この様に構成することで、図1図2に示した排紙トレイ10の上部領域を、例えば排紙トレイ10の収納領域として利用することができ、その結果排紙トレイ10のサイズを確保することができる。
【0051】
以上の様にプリンター部7において、装置幅方向における原稿台14の中心位置CL1は、用紙カセット8の中心位置CL2に対し-X方向にずれている為、用紙カセット8に対し-X方向の側部であってスキャナー部2の下部に、大きなスペースである空間部12を形成することができる。即ち、装置幅方向における原稿台14と用紙カセット8との寸法の相違を効率よく利用することができる。
そして空間部12には物品を収納可能な収納部(30、31、32、33、35)が設けられていることから、収納部の大きさを確保することができ、収納部の使い勝手を向上させることができる。
【0052】
また構造の異なる複数種類の収納部(30、31、33、35)が、プリンター部7に対して着脱可能である構成においては、ユーザーニーズに応じて収納部を付け替えることができ、ユーザビリティが向上する。
【0053】
また上記収納部に代えて、所定の機能を奏する機能部(後述)を着脱可能な構成においては、空間部12を物品の収納以外にも利用したいというユーザーニーズに応えることができ、ユーザビリティが向上する。
【0054】
またプリンター1E(図7)においては、収納部35を開閉する開閉部36を備え、開閉部36は、ロック可能であることから、収納部35に収納した物品の保全を図ることができる。
【0055】
また図9はプリンター1E(図7)の他の実施形態であって、符号8dは用紙カセット8に形成される被ロック部を示している。被ロック部8dは、開閉部36を閉じた際に開閉部36によって覆われ、これにより開閉部36を閉じた状態では用紙カセット8が装着状態にロックされる。
この様に用紙カセット8がプリンター部7に対して着脱可能である構成において、開閉部36は、用紙カセット8との係わり合いが可能であって、閉じた状態において用紙カセット8を装着状態にロックする。この様な構成によれば、収納部35に収納した物品に加え、用紙カセット8に収容した用紙も保全することができる。
【0056】
また図9において符号9dはインク収容カセット9に形成される被ロック部を示している。被ロック部9dは、開閉部36を閉じた際に開閉部36によって覆われ、これにより開閉部36を閉じた状態ではインク収容カセット9が装着状態にロックされる。
この様にインク収容カセット9がプリンター部7に対して着脱可能である構成において、開閉部36は、インク収容カセット9との係わり合いが可能であって、閉じた状態においてインク収容カセット9を装着状態にロックする。この様な構成によれば、収納部35に収納した物品に加え、インク収容カセット9に収容したインクも保全することができる。
【0057】
尚、各収納部や後述する各機能部は、一例として図10に示す装着構造によってプリンター部7に着脱自在とすることができる。
プリンター部7の-X方向の側面7bには、ガイド部21がY軸方向に沿って延設されており、ガイド部21の-Y方向端部には板ばね22が設けられている。板ばね22は、変形することで凸部がZ軸方向に変位できる。
そして各収納部や後述する各機能部には、被ガイド部29がY軸方向に沿って延設されている。被ガイド部29は、ガイド部21を受け入れ可能であり、また被ガイド部29の-Y方向端部には板ばね22の凸部を受け入れる凹部29aが形成されている。
【0058】
各収納部や後述する各機能部をプリンター部7に-Y方向に沿って装着する際、板ばね22は被ガイド部29の内側で下側に撓むことができ、これにより各収納部や後述する各機能部を-Y方向に向けてスライドさせることができる。各収納部や後述する各機能部を-Y方向に向けてスライドさせると、板ばね22の凸部が被ガイド部29の凹部29aに入り込み、各収納部や後述する各機能部を装着状態に保持することができる。また装着状態の各収納部や後述する各機能部を+Y方向にスライドさせると、板ばね22が下側に撓むことができ、これにより各収納部や後述する各機能部を+Y方向に取り外すことができる。
【0059】
<空間部の第5利用形態>
図11は、空間部12の第5利用形態を示している。
プリンター1Fの空間部12には、所定の機能を奏する機能部として第1機能部40を設けることができる。第1機能部40は、シュレッダーとして構成されている。シュレッダーは例えば手動で回転させる為のハンドルを備えていても良いし、或いはモーターにより駆動されるものでも良い。第1機能部40がモーターにより駆動される場合、不図示の接続ケーブルがプリンター部7に接続される。
第1機能部40は、プリンター部7に対して固定的に設けても良いし、着脱可能に設けても良い。
また第1機能部40をプリンター部7に対して着脱可能に設ける場合、第1機能部40に代えて本明細書で説明する他の収納部や機能部を装着可能に構成しても良い。
【0060】
<空間部の第6利用形態>
図12は、空間部12の第6利用形態を示している。
プリンター1Gの空間部12には、所定の機能を奏する機能部として第2機能部42を設けることができる。第2機能部42は、ステープラーとして構成されている。第2機能部42は開口部43を有し、この開口部43の内側に不図示のステープラーを備えている。複数枚の記録用紙の角部を開口部43に差し入れることで、複数枚の記録用紙を綴じ針で綴じることができる。
第2機能部42は、プリンター部7に対して固定的に設けても良いし、着脱可能に設けても良い。
また本実施形態では第2機能部42に対して下側のスペースは利用されていないが、これらスペースを他の用途に利用しても良い。例えば、第2機能部42に対して下側のスペースを利用して、本明細書で説明する他の収納部や機能部を装着可能に構成しても良い。
【0061】
<空間部の第7利用形態>
図13は、空間部12の第7利用形態を示している。
プリンター1Hの空間部12には、所定の機能を奏する機能部として第3機能部44を設けることができる。第3機能部44は、NFC(Near Field Communication)通信部として構成されている。第3機能部44は、接続ケーブル46によってプリンター部と接続される。第3機能部44のNFC通信機能により、非接触ICカード45の格納情報を読み取ることができ、これにより例えばユーザー認証を行うことができる。
第3機能部44は、プリンター部7に対して固定的に設けても良いし、着脱可能に設けても良い。
【0062】
以上の様にプリンター部7において、装置幅方向における原稿台14の中心位置CL1は、用紙カセット8の中心位置CL2に対し-X方向にずれている為、用紙カセット8に対し-X方向の側部であってスキャナー部2の下部に、大きなスペースである空間部12を形成することができる。即ち、装置幅方向における原稿台14と用紙カセット8との寸法の相違を効率よく利用することができる。
そして空間部12には所定の機能を奏する機能部(40、42、44)が設けられていることから、機能部を構成する為のスペースを確保することができ、機能部の設計の自由度が向上する。尚、上述した機能部(40、42、44)の各機能は一例であり、その他の機能を奏する機能部であっても良いことは勿論である。
【0063】
また機能の異なる複数種類の機能部が、プリンター部7に対して着脱可能である構成においては、ユーザーニーズに応じて機能部を付け替えることができ、ユーザビリティが向上する。
【0064】
また機能部に代えて、物品を収納可能な収納部を着脱可能な構成においては、空間部12を物品の収納にも利用したいというユーザーニーズに応えることができ、ユーザビリティが向上する。
【0065】
以上説明したプリンター1において、図2を参照して説明した原稿台14の+X方向における端部の位置と、用紙カセット8に収容可能な最大サイズの記録用紙における+X方向の端部の位置とが揃っていても良い。この様に構成されることで、空間部12の大きさをより一層確保することができる。
【0066】
また空間部12に収納部を備えるプリンター1において、-X方向の収納部の側面とスキャナー部2の側面2bとを面一とするとともに、+X方向のプリンター部7の側面7cとスキャナー部2の側面2cとを面一とすることで、装置の美観を向上させることができる。
【0067】
本発明は上記において説明した実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で、種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものであることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0068】
1、1A、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H…プリンター、2…スキャナー部、2a…給送部前面、2b、2c…側面、…スキャナー本体部、4…原稿給送部、5…原稿給紙トレイ、6…原稿排紙トレイ、7…プリンター部、7a…プリンター前面、7b、7c…側面、8…用紙カセット、8d…被ロック部、9…インク収容カセット、9a、9b、9c、9d…インク収容部、9d…被ロック部、10…排紙トレイ、11…操作パネル、
12…空間部、14…原稿台、15…読み取りセンサー、16…キャリッジ、17…記録ヘッド、18…仕切壁、20…筐体、21…ガイド部、23…板ばね、29…被ガイド部、29a…凹部、30…第1収納部、31…第2収納部、31a、31b、31c…引き出し部、31d…指掛け部、32…第3収納部、33…第4収納部、34…開閉部、35…第5収納部、36…開閉部、36a…開口部、37…突起、38…南京錠、40…第1機能部、42…第2機能部、43…開口部、44…第3機能部、45…非接触ICカード、46…接続ケーブル
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13