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特開2024-128367レシート印刷装置、及び、レシート印刷装置の制御方法
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  • 特開-レシート印刷装置、及び、レシート印刷装置の制御方法 図1
  • 特開-レシート印刷装置、及び、レシート印刷装置の制御方法 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128367
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】レシート印刷装置、及び、レシート印刷装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/01 20060101AFI20240913BHJP
   G06F 13/38 20060101ALI20240913BHJP
   G06F 13/10 20060101ALI20240913BHJP
   G06F 3/14 20060101ALI20240913BHJP
   G07G 1/06 20060101ALI20240913BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
G07G1/01 301C
G06F13/38 320A
G06F13/10 310E
G06F3/14 360A
G07G1/06 Z
B41J29/42 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037309
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】大村 知也
【テーマコード(参考)】
2C061
3E142
5B069
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AS06
2C061CQ23
2C061CQ34
2C061HQ06
2C061HQ19
3E142DA01
3E142DA07
3E142GA12
3E142GA16
3E142JA01
5B069AA05
5B069BA04
5B069KA02
(57)【要約】
【課題】レシート印刷装置を介して複数の表示装置に表示することができず利便性が低い。
【解決手段】レシート印刷装置は、外部装置と、複数の表示装置と接続可能な通信部と、通信部を介して、外部装置から受信した表示情報を、一の表示装置へ送信して表示させることが可能な制御部と、を備え、表示装置は、表示情報を受信したときに表示する第1モードと、登録された表示情報を所定時間表示する第2モードと、を有しており、制御部は、通信部を介して、接続された表示装置へモードに係る要求を送信し、モードに係る応答を受信し、応答に第1モードを示す第1モード情報が含まれている場合、応答を送信した表示装置に対して表示情報を送信する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部装置と、複数の表示装置と接続可能な通信部と、
前記通信部を介して、前記外部装置から受信した表示情報を、一の前記表示装置へ送信して表示させることが可能な制御部と、を備え、
前記表示装置は、前記表示情報を受信したときに表示する第1モードと、登録された前記表示情報を所定時間表示する第2モードと、を有しており、
前記制御部は、前記通信部を介して、
接続された前記表示装置へモードに係る要求を送信し、
前記モードに係る応答を受信し、前記応答に前記第1モードを示す第1モード情報が含まれている場合、前記応答を送信した前記表示装置に対して前記表示情報を送信する、レシート印刷装置。
【請求項2】
前記制御部は、
前記応答に前記第1モード情報が含まれていない場合であって、接続された前記表示装置が複数であったときには、前回に前記表示情報を送信したときからの経過時間が最も長い前記表示装置に対して前記表示情報を送信する、請求項1に記載のレシート印刷装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記応答に前記第1モード情報が含まれていない場合であって、接続された前記表示装置が複数であったときには、接続した順序が最も早い前記表示装置に対して前記表示情報を送信する、請求項1に記載のレシート印刷装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記応答に前記第2モードを示す第2モード情報が含まれていない場合であって、接続された前記表示装置が複数であったときには、前回に前記表示情報を送信したときからの経過時間が最も長い前記表示装置に対して前記表示情報を送信する、請求項1に記載のレシート印刷装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記応答に前記第2モードを示す第2モード情報が含まれていない場合であって、接続された前記表示装置が複数であったときには、接続した順序が最も早い前記表示装置に前記表示情報を送信する、請求項1に記載のレシート印刷装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記表示情報を送信した送信履歴を記憶部に記憶し、
前記応答に前記第1モード情報が含まれていない場合、又は、前記応答に前記第2モードを示す第2モード情報が含まれていない場合であって、接続された前記表示装置が複数であったときには、
前記表示情報を送信した前記送信履歴が無い場合に、接続した順序が最も早い前記表示装置に前記表示情報を送信する、請求項1に記載のレシート印刷装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記表示情報を送信した送信履歴を記憶部に記憶し、
前記応答に前記第1モード情報が含まれていない場合、又は、前記応答に前記第2モードを示す第2モード情報が含まれていない場合であって、接続された前記表示装置が複数であったときには、
前記送信履歴がある場合に、前回に前記表示情報を送信したときからの経過時間が最も長い前記表示装置に前記表示情報を送信する、請求項1に記載のレシート印刷装置。
【請求項8】
前記制御部は、
接続された前記表示装置が一つであった場合には、前記応答に拘わらず、接続された前記表示装置に対して前記表示情報を送信する、請求項1に記載のレシート印刷装置。
【請求項9】
外部装置と、複数の表示装置と接続可能な通信部と、前記通信部を介して、前記外部装置から受信した表示情報を、一の前記表示装置へ送信して表示させることが可能なレシート印刷装置の制御方法であって、
前記表示装置は、前記表示情報を受信したときに表示する第1モードと、所定時間に亘って前記表示情報を表示する第2モードと、を有しており、
前記通信部を介して、
接続された前記表示装置へモードに係る要求を送信し、
前記モードに係る応答を受信し、前記応答に前記第1モードを示す第1モード情報が含まれている場合、前記応答を送信した前記表示装置に対して前記表示情報を送信する、レシート印刷装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レシート印刷装置、及び、レシート印刷装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
情報処理装置から印刷装置を経由して、一つのカスタマーディスプレイに画像情報を表示する形態が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-140528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の印刷装置では、複数のカスタマーディスプレイに表示することができず、利便性が低かった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
レシート印刷装置は、外部装置と、複数の表示装置と接続可能な通信部と、前記通信部を介して、前記外部装置から受信した表示情報を、一の前記表示装置へ送信して表示させることが可能な制御部と、を備え、前記表示装置は、前記表示情報を受信したときに表示する第1モードと、登録された前記表示情報を所定時間表示する第2モードと、を有しており、前記制御部は、前記通信部を介して、接続された前記表示装置へモードに係る要求を送信し、前記モードに係る応答を受信し、前記応答に前記第1モードを示す第1モード情報が含まれている場合、前記応答を送信した前記表示装置に対して前記表示情報を送信する。
【0006】
外部装置と、複数の表示装置と接続可能な通信部と、前記通信部を介して、前記外部装置から受信した表示情報を、一の前記表示装置へ送信して表示させることが可能なレシート印刷装置の制御方法であって、前記表示装置は、前記表示情報を受信したときに表示する第1モードと、所定時間に亘って前記表示情報を表示する第2モードと、を有しており、前記通信部を介して、接続された前記表示装置へモードに係る要求を送信し、前記モードに係る応答を受信し、前記応答に前記第1モードを示す第1モード情報が含まれている場合、前記応答を送信した前記表示装置に対して前記表示情報を送信する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】レシート印刷装置の構成及び接続された装置を示すブロック図。
図2】レシート印刷装置の制御を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0008】
1.実施形態
1-1.レシート印刷装置の構成
実施形態に係るレシート印刷装置1は、例えば、POS(Point Of Sale)システムに使用され、レシートなどを発行する。なお、以下では、レシート印刷装置1を単に印刷装置1と称する。
図1の例では、印刷装置1は、第1表示装置2、第2表示装置3、外部装置4と接続する。ここでは、複数の表示装置の例として、第1表示装置2及び第2表示装置3の2つとする。
印刷装置1は、制御部10、記憶部11、印刷部12、通信部13を含んで構成される。
【0009】
制御部10は、印刷装置1の各部を統括的に制御するCPU(Central Processing Unit)、入出力を管理するUART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)、論理回路であるFPGA(Field Programmable Gate Array)やPLD(Programmable Logic Device)などを含んで構成されている。CPUはプロセッサーともいう。
記憶部11は、書き換え可能な不揮発性メモリーであるフラッシュROM(Read Only Memory)、揮発性メモリーであるRAM(Random Access Memory)などを含んで構成されている。なお、記憶部11は、これらのメモリーの他、HDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶装置を有していてもよい。
制御部10のCPUは、記憶部11の不揮発性メモリーに記憶されたファームウェアなどのプログラム、及び、設定情報等を読み出し、記憶部11のRAMを作業領域として用いて実行する。
【0010】
印刷部12は、ヘッド(不図示)、及び、ローラー(不図示)を含んで構成される。制御部10は、通信部13により外部装置4から受信した会計情報を含む印刷情報に基づき、印刷部12のヘッド及びローラーを制御して、レシートの印刷を行う。
また、印刷部12は、カッター(不図示)を有しており、印刷された紙をカッターによりカットして、レシートとして発行することができる。
【0011】
通信部13は、第1表示装置2の第1通信部23、第2表示装置3の第2通信部33、外部装置4の第3通信部43と互いに通信可能である。
制御部10は、通信部13を介して、外部装置4の第3通信部43からコマンドや各種情報などを受信し、第1表示装置2の第1通信部23、第2表示装置3の第2通信部33へ、コマンドや各種情報などを、加工せず、又は、加工して、送信することができる。また、制御部10は、通信部13を介して、第1表示装置2の第1通信部23、第2表示装置3の第2通信部33から、各種情報などを受信することができる。
【0012】
通信部13は、例えば、第1通信方式であり高速のシリアル通信方式であるUSB(Universal Serial Bus)規格に従って動作する通信用ICであるUSBコントローラーと、USB用のコネクターとを含む通信回路により構成される。通信部13は、USBにより通信可能である。
【0013】
通信部13は、USBとは異なる、第2通信方式であり低速のシリアル通信方式であるRS-232Cなどの規格に従って動作する通信用ICと、RS-232C用のコネクターとを含む通信回路により構成されるようにしてもよい。
さらに、通信部13は、第1通信方式及び第2通信方式を任意に組み合わせて、通信先により異なるように構成してもよい。例えば、通信部13は、第1表示装置2に対してUSB及びRS-232Cの一方により通信し、第2表示装置3に対してUSB及びRS-232Cの他方により通信するようにしてもよい。
【0014】
また、通信部13は、USB及びRS-232Cなどとは異なる、第3通信方式でありネットワーク通信方式であるイーサネット(Ethernet(登録商標)、IEEE802.3)などのLAN(Local Area Network)により、通信可能としてもよい。
この場合、通信部13は、LANの規格に従って動作する通信用ICであるLANコントローラーと、コネクターとを含む通信回路により構成される。なお、通信部13は、無線通信の場合には、有線通信用のコネクターではなくアンテナを有する。
なお、通信部13は、上述の3つの通信方式を任意に組み合わせて、通信先により異なる通信方式となるように構成してもよい。
【0015】
1-2.外部装置の構成
外部装置4は、例えば、ノートPC(Personal Computer)、タブレットPC、多機能携帯電話端末(スマートフォン)、PDA(Personal Digital Assistant)、デスクトップPC、ワークステーション等である。
外部装置4は、第3制御部40、第3記憶部41、入力部42、第3通信部43を含んで構成される。第3記憶部41には、会計に関して処理するPOSのアプリケーションなどが記憶されている。第3制御部40は、第3記憶部41からアプリケーションを読み出して実行する。
【0016】
例えば、第3制御部40は、アプリケーションを実行し、入力部42のスキャナーやキーボードなどから商品情報を入力して会計処理をして印刷情報を生成し、第3通信部43により印刷装置1へ印刷情報を送信し、レシートの印刷をさせる。なお、商品情報には店舗が提供するサービスに係る情報を含んでもよい。
また、第3制御部40は、アプリケーションを実行し、会計処理をして表示情報を生成し、第3通信部43により印刷装置1を介して表示情報を第1表示装置2や第2表示装置3などに送信し、表示させる。
なお、外部装置4の第3制御部40、第3記憶部41、第3通信部43について、CPUやメモリー、通信回路など、印刷装置1の制御部10、記憶部11、通信部13と同じ構成については、説明を省略する。
【0017】
1-3.表示装置の構成
第1表示装置2は、第1制御部20、第1記憶部21、第1表示部22、第1通信部23を含んで構成されている。例えば、第1表示部22は、蛍光表示管、LED(Light Emitting Diode)、液晶表示体、有機EL(ElectroLuminescence)表示体などである。
蛍光表示管やLEDなどは、表示できる情報量が少ないので、主に商品情報などの文字の表示に用いられる。なお、第1表示部22が蛍光表示管やLEDなどの場合、受信する情報量も少ないので、第1通信部23は第2通信方式でもよい。
一方、液晶表示体や有機EL表示体などは、表示できる情報量が多いので、グラフィックデータなどの表示も可能である。第1表示部22が液晶表示体や有機EL表示体などの場合、受信する情報量も多くなるので、第1通信部23は、第1通信方式又は第3通信方式が好ましい。
【0018】
第1制御部20は、第1通信部23により印刷装置1から受信した表示情報に基づき、第1表示部22を制御して、表示情報の表示を行う。
この場合、例えば、表示情報は、商品名や価格などの商品情報を含み、商品を購入する顧客が視認することができる。このため、このような表示装置はCD(Customer Display)とも称される。
【0019】
なお、表示情報は、店舗や商品などに係る広告情報であってもよい。さらに、表示情報には、商品情報及び広告情報のいずれを含んでいてもよい。第1表示部22が液晶表示体や有機EL表示体などの場合、表示領域を分割し、両方を表示することもできる。
ところで、広告情報はグラフィックデータなど情報量が多い。このため、第1表示部22は、解像度が高い液晶表示体や有機EL表示体などが好ましく、第1通信部23は、高速で通信が可能な第1通信方式及び第3通信方式が好ましい。
【0020】
また、第1制御部20は、第1通信部23により印刷装置1から受信した登録コマンドに含まれる表示情報を、第1記憶部21に登録することもできる。第1制御部20は、第1記憶部21に登録した表示情報に基づき、第1表示部22を制御して、所定時間、表示情報の表示を行うこともできる。
この場合、所定時間及び表示情報は、第1記憶部21に登録される。第1制御部20は、第1記憶部21から所定時間及び表示情報を読み出し、第1表示部22を制御し、いわゆるスライドショーとして表示することができる。
例えば、表示情報は複数の広告情報を含み、第1制御部20は、スライドショーとして、順次、所定時間で広告情報を切り替えて、第1表示部22に表示することができる。
【0021】
なお、第1表示装置2は、第1制御部20、第1記憶部21、第1表示部22、第1通信部23について、CPUやメモリー、通信回路など、印刷装置1の制御部10、記憶部11、通信部13と同じ構成については、説明を省略する。
また、第2表示装置3は、第2制御部30、第2記憶部31、第2表示部32、第2通信部33については、CPUやメモリー、通信回路など、第1表示装置2の第1制御部20、第1記憶部21、第1表示部22、第1通信部23と同じ構成であるので、説明を省略する。但し、第2表示装置3の第2表示部32及び第2通信部33は、第1表示装置2の第1表示部22及び第1通信部23とは、互いに異なる種類の構成としてもよい。
【0022】
1-4.レシート印刷装置の制御方法
図2を参照しながら、印刷装置1の制御方法について説明する。なお、図2を含め、以下では、第1表示装置2及び第2表示装置3などと特定しない、不特定の表示装置を、上述のように単にCDと称する。また、印刷装置1の通信部13は、第1表示装置2の第1通信部23、第2表示装置3の第2通信部33、外部装置4の第3通信部43などを介して、互いに通信可能であり、各種情報やコマンド等の送受信を行うが、以下では、各通信部が行う送受信については省略して説明することとする。
【0023】
最初に、印刷装置1の制御部10は、外部装置4から表示情報を受信したか否かを判断する(S100)。
制御部10は、表示情報を受信したと判断した場合(S100:YES)、接続された1つ以上のCDへ、ステータス情報に係る要求の送信である、ステータス要求をする(S101)。
制御部10は、CDから、ステータス情報に係る応答の受信である、ステータス受信をする(S102)。制御部10は、受信したステータス情報に係る応答に基づき、接続されたCDが複数か否かを判断する(S103)。制御部10は、ステータス情報に係る応答を送信したCDを特定することができ、接続されたCDが複数か否かを判断することができる。
【0024】
ステータス情報は、CDの状態を示す情報、例えば、受信可能を示す情報である「Ready」などでもよい。また、ステータス情報は、CDに係るID(Identification, Identifier)情報でもよい。この場合、ID情報は、例えば、CDを特定する番号、CDの仕様に係る情報などでもよい。
また、ステータス情報は、CDと通信確立する際の情報でもよい。例えば、通信部13がRS-232Cなどの場合、ステータス情報は、割り当てられたポート番号でもよい。通信部13がUSBなどの場合、ステータス情報は、クラスID、ベンダーID、プロダクトID、ベンダー名、機種名、USBシリアル番号等のいずれかでもよい。通信部13がイーサネットなどの場合、ステータス情報は、MACアドレス、IPアドレス等のいずれかでもよい。
【0025】
また、制御部10は、通信部13によりCDからの信号線の信号を検出することにより、ステータス情報として、取得するようにしてもよい。例えば、通信部13がRS-232Cなどの場合、ステータス情報は、信号線における受信可能を示す「Ready」などの信号でもよい。通信部13がUSBなどの場合、例えば、ステータス情報は、信号線のアクティブであることを示す信号でもよい。
これらの場合、制御部10は、必ずしもステータス要求(S101)をしなくてもよく、ステータス受信(S102)として、通信部13により信号線の信号を検出することでもよい。
なお、応答として受信又は検出したステータス情報に基づき、制御部10は、接続されたCD、及び、当該CDが接続された時刻や順番を、接続履歴として記憶部11に記憶することができる。
【0026】
このように、制御部10は、ステータス情報に基づき、接続されたCDが複数か否かを判断(S103)することができる。
制御部10は、接続されたCDが複数であると判断した場合(S103:YES)、接続された各CDへ、モードに係る要求の送信である、モード要求をする(S104)。制御部10は、各CDから、モードに係る応答の受信である、モード受信をする(S105)。
【0027】
ここで、第1表示装置2を例として、モードとして第1モード及び第2モードについて、具体的に説明する。なお、第2表示装置3など他のCDの場合も、以下の第1表示装置2と同様であるので説明を省略する。
まず、第1モードについて説明する。外部装置4は表示情報を生成して印刷装置1へ送信し、印刷装置1は、受信した表示情報を第1表示装置2へ送信する。第1表示装置2の第1制御部20は、受信した表示情報を、即座に第1表示部22に表示させる。なお、第1制御部20は、第1表示部22に表示している前回の表示情報がある場合、受信した表示情報に更新する。
【0028】
このように、第1表示装置2の第1制御部20が、表示情報を受信したとき、第1表示部22に表示するモードが第1モードであり、通常モードとも称する。
第1モードの場合、例えば、表示情報は、外部装置4が会計処理をする際の商品名や価格など、即座に表示する必要がある商品情報などである。顧客は、会計時に、第1表示装置2の第1表示部22により、購入した商品名や価格などを視認することができる。
【0029】
次に、第2モードについて説明する。外部装置4は、表示情報を含む登録コマンドを生成して印刷装置1へ送信し、印刷装置1は、受信した登録コマンドを第1表示装置2へ送信する。
第1表示装置2の第1制御部20は、受信した登録コマンドにより、登録コマンドに含まれる表示情報を第1記憶部21に登録する。なお、第1記憶部21への登録とは、第1記憶部21への書き込みでもある。
【0030】
このとき、登録コマンドには、表示情報を第1表示装置2に表示させる時間である表示時間を含んでいてもよい。第1制御部20は、登録コマンドに含まれる表示時間も第1記憶部21に登録することができる。
また、このとき、登録コマンドには、表示情報が複数の場合、表示させる順番を示す表示順番を含んでいてもよい。第1制御部20は、登録コマンドに含まれる表示順番も第1記憶部21に登録することができる。
なお、表示時間や表示順番は、予め初期値を第1記憶部21に登録しておくこともできる。第1制御部20は、登録コマンドに表示時間や表示順番が含まれていない場合には、初期値を使用することができる。
第1記憶部21には、初期値も含め、表示情報と、それに対応する表示時間及び表示順番が登録される。
【0031】
第1表示装置2の第1制御部20は、登録コマンドに基づき、第1記憶部21に登録された表示情報を読み込み、第1表示部22により表示する。
このとき、第1制御部20は、第1記憶部21に登録された表示時間も読み込み、第1表示部22により表示情報を表示時間に亘って表示することができる。
また、第1制御部20は、第1記憶部21に登録された表示情報が複数ある場合には、表示順番に従って対応する表示情報を順次読み込み、対応する表示時間に亘って、第1表示部22により順次表示することができる。
このように、第1表示装置2の第1制御部20が、第1記憶部21に登録された表示情報を読み込み、第1表示部22により所定時間表示するモードが、第2モードであり、スライドショーモードとも称する。
【0032】
なお、第1表示装置2の第1制御部20は、登録コマンドを受信したとき、第1記憶部21への登録のみ実行し、第2モードの実行はしないようにしてもよい。
この場合、外部装置4は、別途、第2モードの実行を指示する指示コマンドを生成して印刷装置1へ送信し、印刷装置1は、受信した指示コマンドを第1表示装置2へ送信する。
第1表示装置2の第1制御部20は、指示コマンドを受信すると、第1記憶部21に登録された表示情報を読み込み、所定時間、第1表示部22により表示する、第2モードを実行することができる。
このように、第1制御部20は、第2モードの場合には、必ずしも、表示情報を受信したときに、即座に第1表示部22に表示しなくてもよい。
【0033】
第2モードの場合、例えば、表示情報は、第1表示装置2が受信したとき、必ずしも即座に表示しなくてもよい情報である、店舗や商品などの広告情報である。店舗などは、第1表示装置2により広告情報を顧客に視認させることができる。この場合、第1表示装置2は、複数の広告情報をそれぞれ所定時間で順次切替えて表示する、スライドショーとすることもできる。
【0034】
第1表示装置2の第1制御部20は、第1モードを示す第1モード情報、又は、第2モードを示す第2モード情報を、モード情報として第1記憶部21に記憶する。第1制御部20は、印刷装置1からモード要求を受信すると、モード情報として第1記憶部21から第1モード情報又は第2モード情報を読み出し、応答に含めて送信する。
【0035】
なお、第1制御部20は、モード情報の初期値を第1モード情報として第1記憶部21に記憶してもよい。また、第1制御部20は、登録コマンドや指示コマンドでなく、単に表示情報を受信したとき、モード情報を第1モード情報として第1記憶部21に記憶してもよい。
また、第1制御部20は、登録コマンドや指示コマンドを受信したとき、モード情報を第2モード情報として第1記憶部21に記憶してもよい。
さらに、第1制御部20は、印刷装置1から、第1モード又は第2モードのいずれかを指定するモード指定コマンドを受信すると、指定されたモードに係るモード情報を第1記憶部21に記憶してもよい。
【0036】
また、制御部10は、通信部13により接続されたCDとの通信方式の種類により、モードを判断するようにしてもよい。
例えば、通信部13の通信速度が遅く、主に文字を表示する際に使用される第2通信方式である場合、制御部10は接続されたCDを第1モードとして判断してもよい。
一方、通信部13の通信速度が速く、主にグラフィックデータを表示する際に使用される第1通信方式又は第3通信方式である場合、制御部10は、接続されたCDを第2モードとして判断してもよい。
【0037】
また、制御部10は、CDの表示部の種類により、モードを判断するようにしてもよい。
例えば、CDの表示部が、表示できる情報量が少ない、蛍光表示管やLEDである場合、制御部10は接続されたCDを第1モードとして判断してもよい。一方、CDの表示部が、表示できる情報量が多い、液晶表示体、有機EL表示体である場合、制御部10は接続されたCDを第2モードとして判断してもよい。なお、制御部10は、CDの表示部の種類をステータス情報として受信することができる。
【0038】
CDとの通信方式の種類や表示部の種類によりモードを判断できる場合、制御部10は、必ずしもモード要求(S104)をしなくてもよい。制御部10は、各CDに対して判断したモードに係るモード情報を記憶部11に記憶することができる。
【0039】
図2に戻って説明を続ける。印刷装置1の制御部10は、接続された複数のCDから、モードに係る応答の受信である、モード受信をする(S105)。制御部10は、応答に含まれるモード情報として第1モード情報を受信すると、第1モードのCDが有ると判断する(S106:YES)。制御部10は、第1モード情報を含む応答を送信した一のCDに対して、表示情報を送信する(S107)。
例えば、第1表示装置2及び第2表示装置3が印刷装置1に接続されており、印刷装置1が、第1表示装置2から第1モード情報を含む応答を受信し、第2表示装置3から第2モード情報を含む応答を受信したとする。印刷装置1の制御部10は、第1モードの第1表示装置2があると判断し、第1表示装置2へ表示情報を送信する。
【0040】
第1モードのCDは、受信した表示情報を即座に表示させ、現在表示している表示情報がある場合には、受信した表示情報に更新する。
このとき、印刷装置1の制御部10は、表示情報を送信したCD、及び、当該CDへ送信した時刻や順番を、送信履歴として記憶部11に記憶する。そして、印刷装置1は制御を終了する。
【0041】
なお、制御部10は、モード受信をした際(S105)、応答に第2モード情報が含まれていない場合、すなわち、接続された複数のCDの応答の全てから第1モード情報を受信し、第1モード有りと判断する場合もある(S106:YES)。
この場合、制御部10は、記憶部11に送信履歴がある場合には送信履歴を参照し、表示情報を送信したCD、及び、当該CDへ送信した時刻や順番を読み出すことができる。
制御部10は、これらの情報に基づき、前回に表示情報を送信したときからの経過時間が最も長いCDを特定し、当該CDに対して表示情報を送信する(S107)。
【0042】
例えば、制御部10は、第1表示装置2及び第2表示装置3が共に第1モードである場合、記憶部11に送信履歴がある場合には送信履歴を参照し、前回に表示情報を送信したときからの経過時間が最も長い方に対して表示情報を送信する。
このように、制御部10は、最も古い表示情報を表示していた一のCDに対して、表示情報を送信して更新することができる。そして、制御部10は、送信履歴を記憶部11に記憶し、制御を終了する。
【0043】
上述のように、制御部10は、接続されたCD、及び、当該CDが接続された時刻や順番などを、接続履歴として記憶部11に記憶する。
制御部10は、記憶部11に送信履歴がない場合には、接続履歴を参照し、接続されたCD、及び、当該CDが接続された時刻や順番を読み出すことができる。制御部10は、最も早く接続したCDを特定し、当該CDに対して表示情報を送信することができる(S107)。
【0044】
例えば、制御部10は、第1表示装置2及び第2表示装置3が共に第1モードであり、記憶部11に送信履歴がない場合には接続履歴を参照し、最も早く接続した方に対して表示情報を送信する。
このように、制御部10は、最も早く接続した一のCDを優先して、表示情報を送信することができる。そして、制御部10は、送信履歴を記憶部11に記憶し、制御を終了する。
【0045】
一方、印刷装置1の制御部10は、接続された複数のCDからモード受信し(S105)、第1モードのCDがないと判断したとする(S106:NO)。すなわち、制御部10は、接続された複数のCDの全ての応答から第2モード情報を受信したと判断する。
【0046】
この場合、制御部10は、記憶部11に送信履歴がある場合には送信履歴を参照し、前回に表示情報を送信したときからの経過時間が最も長いCDを特定し、当該CDに対して表示情報を送信する(S108)。すなわち、制御部10は、表示情報を送信したことを所定の通信として定義し、先に所定の通信をした一のCDに対して表示情報を送信する。
【0047】
例えば、制御部10は、第1表示装置2及び第2表示装置3が共に第2モードである場合、記憶部11に送信履歴がある場合には送信履歴を参照し、前回に表示情報を送信したときからの経過時間が最も長い方に対して表示情報を送信する。
このように、制御部10は、最も古い表示情報を表示していた一のCDに対して、表示情報を送信して更新することができる。そして、制御部10は、送信履歴を記憶部11に記憶し、制御を終了する。
【0048】
制御部10は、記憶部11に送信履歴がない場合には、接続履歴を参照し、接続されたCD、及び、当該CDが接続された時刻や順番を読み出す。そして、制御部10は、最も早く接続したCDを特定し、当該CDに対して、表示情報を送信することができる(S108)。すなわち、制御部10は、接続したことを所定の通信として定義し、先に所定の通信をした一のCDに対して表示情報を送信する。
【0049】
例えば、制御部10は、第1表示装置2及び第2表示装置3が共に第2モードであり、記憶部11に送信履歴がない場合には接続履歴を参照し、最も早く接続した方に対して表示情報を送信する。
このように、制御部10は、最も早く接続した一のCDを優先して、表示情報を送信することができる。そして、制御部10は、送信履歴を記憶部11に記憶し、制御を終了する。
【0050】
なお、制御部10は、記憶部11の送信履歴又は接続履歴を参照して、CDを特定した際、当該CDに対して、第1モードを指定するモード指定コマンドを送信し、第2モードから第1モードにさせるようにしてもよい。その後、制御部10は、モード情報を第1モード情報として記憶し第1モードとなった当該CDに、表示情報を送信することができる。
この場合、特定されたCDは、印刷装置1から、登録コマンドや指示コマンドでなく、単に表示情報を受信したとき、モード情報を第1モード情報として記憶し第1モードとなってもよい。
このように、第2モードであったCDは、第1モードになって動作することができ、受信した表示情報を表示することができる。
【0051】
ところで、制御部10が、接続されたCDが複数か否かを判断し(S103)、接続されたCDが複数ではないと判断した場合(S103:NO)、すなわち、接続されたCDが1つであると判断したとする。制御部10は、接続された1つのCDに対して表示情報を送信する(S109)。
【0052】
なお、制御部10は、接続された1つのCDに対して、モード要求をし、モード受信をした際に、応答に第1モード情報又は第2モード情報のいずれが含まれている場合であっても、表示情報を送信する。また、制御部10は、接続された1つのCDに対して、モード要求をせず、又は、応答がない場合であっても、表示情報を送信する。
例えば、制御部10は、第1表示装置2及び第2表示装置3のいずれか接続された方を、第1モード又は第2モードに拘わらず、表示情報を送信する。
【0053】
すなわち、制御部10は、接続された1つのCDに対して、応答に拘わらず、表示情報を送信する。そして、制御部10は、送信履歴を記憶部11に記憶し、制御を終了する。
なお、制御部10が、1つのCDからもステータス受信がないことにより、接続されたCDが複数ではないと判断した場合には(S103:NO)、1つのCDにも接続されていないと判断し、外部装置4へエラーを送信するなどのエラー処理をする。
【0054】
表示情報を送信する前に、制御部10は、1つのCDに第1モードを指定するモード指定コマンドを送信し、第1モードにさせるようにしてもよい。制御部10は、モード情報を第1モード情報として記憶し第1モードとなった当該CDに、表示情報を送信して表示させることができる。
この場合、1つのCDは、印刷装置1から、登録コマンドや指示コマンドでなく、単に表示情報を受信したとき、モード情報を第1モード情報として記憶して第1モードとなってもよい。
このように、印刷装置1に接続された1つのCDは、第1モードとして動作することができ、受信した表示情報を表示することができる。そして、制御部10は、送信履歴を記憶部11に記憶し、制御を終了する。
【0055】
上述の実施形態によれば、印刷装置1は、外部装置4と、複数のCDである、例えば、第1表示装置2及び第2表示装置3と接続可能な通信部13と、通信部13を介して、外部装置4から受信した表示情報を、一のCDである第1表示装置2又は第2表示装置3へ送信して表示させることが可能な制御部10と、を備える。
第1表示装置2及び第2表示装置3を含むCDは、表示情報を受信したときに表示する第1モードと、登録された表示情報を所定時間表示する第2モードと、を有している。
【0056】
制御部10は、通信部13を介して、接続されたCDへモードに係る要求を送信して、モードに係る応答を受信し、応答に第1モードを示す第1モード情報が含まれている場合、応答を送信したCDに対して表示情報を送信することができる。
このように、印刷装置1は、複数のCDに表示することができ、利便性を向上させることができる。
【0057】
以上、本実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない限り、変更、置換、削除等されてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1…レシート印刷装置、2…第1表示装置、3…第2表示装置、4…外部装置、10…制御部、11…記憶部、12…印刷部、13…通信部、20…第1制御部、21…第1記憶部、22…第1表示部、23…第1通信部、30…第2制御部、31…第2記憶部、32…第2表示部、33…第2通信部、40…第3制御部、41…第3記憶部、42…入力部、43…第3通信部。
図1
図2