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特開2024-128369可変レンズ、可変レンズユニット、光学系、プロジェクターおよび撮像装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128369
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】可変レンズ、可変レンズユニット、光学系、プロジェクターおよび撮像装置
(51)【国際特許分類】
   G02B 3/14 20060101AFI20240913BHJP
   G03B 21/14 20060101ALI20240913BHJP
   G03B 21/00 20060101ALI20240913BHJP
   G02B 13/00 20060101ALN20240913BHJP
   G02B 13/18 20060101ALN20240913BHJP
【FI】
G02B3/14
G03B21/14 Z
G03B21/00 E
G02B13/00
G02B13/18
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037311
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】守国 栄時
【テーマコード(参考)】
2H087
2K203
【Fターム(参考)】
2H087KA06
2H087KA07
2H087LA01
2H087NA00
2H087PA09
2H087PA19
2H087QA03
2H087QA06
2H087QA18
2H087QA21
2H087QA25
2H087QA32
2H087QA41
2H087QA45
2H087RA05
2H087RA12
2H087RA13
2H087RA27
2H087RA45
2H087UA09
2K203FA02
2K203FA23
2K203FA32
2K203GC03
2K203GC16
2K203GC20
2K203HA73
2K203HB07
2K203HB22
2K203HB25
2K203HB26
2K203HB27
2K203MA32
2K203MA35
(57)【要約】
【課題】光学性能の優れた可変レンズを提供すること。
【解決手段】可変レンズは、光軸に沿って光線が透過する順に、透光性を有する第1基材と、第1液体と、第1液体に接するとともに透光性を有する弾性変形可能な可動膜と、可動膜に接する第2液体と、透光性を有する第2基材と、を有する。第1液体の屈折率は、第2液体の屈折率とは異なる。可変レンズは、第1液体および第2液体の圧力が調整されることにより、可動膜を光軸に沿った方向に湾曲する。第1基材および第2基材の少なくとも一方は、レンズとしてのパワーを有する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸に沿って光線が透過する順に、
透光性を有する第1基材と、
第1液体と、
前記第1液体に接するとともに透光性を有する弾性変形可能な可動膜と、
前記可動膜に接する第2液体と、
透光性を有する第2基材と、
を有し、
前記第1液体の屈折率は、前記第2液体の屈折率とは異なり、
前記第1液体および前記第2液体の圧力が調整されることにより、前記可動膜を前記光軸に沿った方向に湾曲され、
前記第1基材および前記第2基材の少なくとも一方は、レンズとしてのパワーを有することを特徴とする可変レンズ。
【請求項2】
前記第1基材および前記第2基材の少なくとも一方は、樹脂材料からなることを特徴とする請求項1に記載の可変レンズ。
【請求項3】
前記第1基材は、前記第2基材の側とは反対側を向く第1面と、前記第2基材の側を向く第2面と、前記第2面を外周側で囲うとともに前記第2面より前記第2基材の側に位置する第1フランジ面と、を備え、
前記第2基材は、前記第1基材の側を向く第3面と、前記第1基材の側とは反対側を向く第4面と、前記第3面を外周側で囲うとともに前記第3面より前記第1基材の側に位置する第2フランジ面と、を備え、
前記可動膜は、外周部分が前記第1フランジ面と前記第2フランジ面との間に設けられて固定され、
前記第1液体は、前記第2面と前記可動膜との間に形成された第1空間に充填され、
前記第2液体は、前記可動膜と前記第3面との間に形成された第2空間に充填されることを特徴とする請求項1または2に記載の可変レンズ。
【請求項4】
前記第1基材および前記第2基材は、それぞれ、レンズとしてのパワーを有することを特徴とする請求項3に記載の可変レンズ。
【請求項5】
前記第1面および前記第4面は、非球面形状であることを特徴とする請求項4に記載の可変レンズ。
【請求項6】
前記第2面および前記第3面の少なくとも一方は、非球面形状であることを特徴とする請求項5に記載の可変レンズ。
【請求項7】
請求項3に記載の可変レンズと、
前記可変レンズの焦点距離を可変させる調整機構と、を有し、
前記可変レンズは、前記第1空間に連通する第1連通口と、前記第2空間に連通する第2連通口と、を備え、
前記調整機構は、前記第1連通口を介して前記第1空間に注入される前記第1液体の圧力を調整するともに、前記第2連通口を介して前記第2空間に注入される前記第2液体の圧力を調整することを特徴とする可変レンズユニット。
【請求項8】
拡大側から縮小側に向かって光線が通過する順に、請求項1に記載の可変レンズと、第1光学系と、有し、
前記可変レンズは、最も前記拡大側に配置されることを特徴とする光学系。
【請求項9】
前記可動膜は、投写距離が長くなるにつれて、湾曲した際の曲率半径の絶対値が小さくなることを特徴とする請求項8項に記載の光学系。
【請求項10】
請求項8に記載された光学系と、
前記光学系の縮小側共役面に投写画像を形成する画像形成部と、を有し、
前記画像形成部は、光源と、前記光源からの光線を変調させる光変調素子と、を備えることを特徴とするプロジェクター。
【請求項11】
請求項8に記載された光学系と、
前記光学系の縮小側共役面に配置された撮像素子と、
を有することを特徴とする撮像装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、可変レンズ、可変レンズユニット、光学系、プロジェクターおよび撮像装置
に関する。
【背景技術】
【0002】
焦点距離を可変させることが可能な可変レンズは、非特許文献1に記載されている。同文献の可変レンズは、光軸に沿って光線が透過する順に、透光性を有する第1部材と、第1液体と、透明で弾性変形可能な可動膜と、第2液体と、透光性を有する第2部材と、を有する。第1部材および第2部材は、レンズとしてのパワーを有さない平板部材である。第1液体は、第1部材と可動膜との間の空間に充填されている。第2液体は、可動膜と第2部材との間の空間に充填されている。第1液体の屈折率は、第2液体の屈折率とは異なる。可変レンズは、第1液体および第2液体の圧力が調整されることにより、可動膜を光軸に沿った方向に湾曲させて焦点距離を可変させることが可能である。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】Lihui Wang, Hiromasa Oku, and Masatoshi Ishikawa, “ Paraxial ray solution for liquid-filled variable focus lenses”, Japanese Journal of Applied Physics 56, 122501 (2017)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
非特許文献1の可変レンズでは、可動膜の変化量のみが光学的な作用を及ぼすので、可変レンズ単体で使用した場合、レンズとしての適用範囲が限られ、可変レンズの光学性能は高くない。また、可変レンズと他のレンズとを組み合わせて使用した場合、可動膜と他のレンズとの距離が大きく離れるので、可変レンズで発生する諸収差を他のレンズで補正する際、他のレンズの設計が容易ではない。また、他のレンズを組み合わせるので、可変レンズを含む光学系のサイズが大型化する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の課題を解決するために、本発明の可変レンズは、光軸に沿って光線が透過する順に、透光性を有する第1基材と、第1液体と、前記第1液体に接するとともに透光性を有する弾性変形可能な可動膜と、前記可動膜に接する第2液体と、透光性を有する第2基材と、を有し、前記第1液体の屈折率は、前記第2液体の屈折率とは異なり、前記第1液体および前記第2液体の圧力が調整されることにより、前記可動膜を前記光軸に沿った方向に湾曲され、前記第1基材および前記第2基材の少なくとも一方は、レンズとしてのパワーを有することを特徴とする。
【0006】
本発明の可変レンズユニットは、上記の可変レンズと、前記可変レンズの焦点距離を可変させる調整機構と、を有し、前記可変レンズは、前記第1空間に連通する第1連通口と、前記第2空間に連通する第2連通口と、を備え、前記調整機構は、前記第1連通口を介して前記第1空間に注入される前記第1液体の圧力を調整するともに、前記第2連通口を介して前記第2空間に注入される前記第2液体の圧力を調整することを特徴とする。
【0007】
本発明の光学系は、拡大側から縮小側に向かって光線が通過する順に、上記の可変レンズと、第1光学系と、有し、前記可変レンズは、最も前記拡大側に配置されることを特徴とする。
【0008】
本発明のプロジェクターは、上記の光学系と、前記光学系の縮小側共役面に投写画像を形成する画像形成部と、を有し、前記画像形成部は、光源と、前記光源からの光線を変調させる光変調素子と、を備えることを特徴とする。
【0009】
本発明の撮像装置は、上記の光学系と、前記光学系の縮小側共役面に配置された撮像素子と、を有する。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施形態1のプロジェクターの説明図である。
図2】可変レンズユニットの概略図である。
図3】可変レンズの断面斜視図である。
図4】実施形態1の光学系の光線図である。
図5】実施形態1における可変レンズの焦点距離を変更させた場合の概略図である。
図6】実施形態1における基準距離における光学系のMTFを示す図である。
図7】実施形態1における近距離における光学系のMTFを示す図である。
図8】実施形態1における遠距離における光学系のMTFを示す図である。
図9】実施形態2の光学系の光線図である。
図10】実施形態2における可変レンズの焦点距離を変更させた場合の概略図である。
図11】実施形態2における基準距離における光学系のMTFを示す図である。
図12】実施形態2における近距離における光学系のMTFを示す図である。
図13】実施形態2における遠距離における光学系のMTFを示す図である。
図14】実施形態3の光学系の光線図である。
図15】実施形態3における可変レンズの焦点距離を変更させた場合の概略図である。
図16】実施形態3における基準距離における光学系のMTFを示す図である。
図17】実施形態3における近距離における光学系のMTFを示す図である。
図18】実施形態3における遠距離における光学系のMTFを示す図である。
図19】実施形態4の光学系の光線図である。
図20】実施形態4における可変レンズの焦点距離を変更させた場合の概略図である。
図21】実施形態4における基準距離における光学系のMTFを示す図である。
図22】実施形態4における近距離における光学系のMTFを示す図である。
図23】実施形態4における遠距離における光学系のMTFを示す図である。
図24】本形態の撮像装置の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に図面を参照して、本発明の実施形態に係る可変レンズ、可変レンズユニット、光学系、プロジェクターおよび撮像装置を説明する。
【0012】
(プロジェクター)
図1は、実施形態1のプロジェクター100の説明図である。図1に示すように、プロジェクター100は、可変レンズユニット2と、第1光学系5と、画像形成部1と、を備える。可変レンズユニット2は、可変レンズ3と、可変レンズ3の焦点距離を可変させる調整機構4と、を備える。可変レンズ3と第1光学系5とは、プロジェクター100の光学系6を構成する。拡大側から縮小側に向かって光線が通過する順に、可変レンズ3、第1光学系5が配置されている。光学系6において、可変レンズ3は、最も拡大側に配置されている。画像形成部1は、光学系6の縮小側共役面Pに投写画像を形成する。画像形成部1は、光源11と、光源11からの光線を変調させる光変調素子12と、プリズム13とを備える。光変調素子12は、投写画像を形成するための画像信号に基づいて光源11からの光線を変調させて、縮小側共役面Pに投写画像を形成する。本形態では、光変調素子12は、液晶パネルである。なお、不図示であるが、光変調素子12は、3枚設けられている。プリズム13は、3枚の光変調素子12から出射した光線を合成した合成光を光学系6に向けて出射する。
【0013】
(可変レンズユニット)
図2は、可変レンズユニット2の概略図である。図3は、可変レンズ3の断面斜視図である。図2に示すように、可変レンズユニット2は、可変レンズ3と、可変レンズ3の焦点距離を可変させる調整機構4と、を備える。
【0014】
可変レンズ3は、負のパワーを有する。図2および図3に示すように、可変レンズ3は、光軸Nに沿って光線が通過する順に、透光性を有する第1基材31と、第1液体32と、第1液体32に接するとともに透光性を有する弾性変形可能な可動膜33と、可動膜33に接する第2液体34と、透光性を有する第2基材35と、を有する。本形態では、第1基材31の位置する側は、拡大側であり、第2基材35が位置する側は、縮小側である。
【0015】
第1基材31は、樹脂材料からなる。第1基材31は、本体部311と、本体部311の外周部分を囲うフランジ部312と、を備える。本体部311は、拡大側を向く第1面313と、縮小側を向く第2面314と、を備える。第1面313は、凸面形状であり、パワーを有するレンズ面である。第1面313は、非球面形状を備える。第2面314は、平面形状である。よって、第1基材31は、レンズとしてのパワーを有する。フランジ部312は、第2面314を外周側で囲うとともに第2面314より縮小側に位置する第1フランジ面315を備える。
【0016】
第2基材35は、樹脂材料からなる。第2基材35は、本体部351と、本体部351の外周部分を囲うフランジ部352と、を備える。本体部351は、拡大側を向く第3面353と、縮小側を向く第4面354と、を備える。第3面353は、平面形状である。第4面354は、凹面形状であり、パワーを有するレンズ面である。第4面354は、非球面形状を備える。よって、第2基材35は、レンズとしてのパワーを有する。フランジ部352は、第3面353を外周側で囲うとともに第3面353より拡大側に位置する第2フランジ面355を備える。
【0017】
第1基材31と第2基材35とは、第1フランジ面315と第2フランジ面355とに塗布した接着剤等により、一体に固定されている。
【0018】
可動膜33は、透明または半透明であり、透光性を有する。可動膜33は、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂などのポリマーからなる。可動膜33は、外周部分が第1フランジ面315と第2フランジ面355との間に設けられて固定されている。
【0019】
第1液体32は、第2面314と可動膜33との間に形成された第1空間30Aに充填されている。第2液体34は、可動膜33と第3面353との間に形成された第2空間30Bに充填されている。第1液体32の屈折率は、第2液体34の屈折率とは異なる。第1液体32および第2液体34は、純水、スクロースを含有する純水、シリコーンオイルなどであり、互いの屈折率が異なるように、適宜、選択される。本形態では、第1液体32の屈折率は、第2液体34の屈折率より大きい。
【0020】
可変レンズ3は、第1空間30Aに連通する第1連通口36と、第2空間30Bに連通する第2連通口37と、を備える。
【0021】
図2に示すように、調整機構4は、第1連通口36と連通する第1連通管41と、第1連通口36および第1連通管41を介して第1空間30Aに注入される第1液体32の圧力を調整する第1圧力調整部42と、第2連通口37と連通する第2連通管43と、第2連通口37および第2連通管を介して第2空間30Bに注入される第2液体34の圧力を調整する第2圧力調整部44と、を備える。第1連通管41には、第1液体32が満たされている。第2連通管43には、第2液体34が満たされている。第1圧力調整部42および第2圧力調整部44は、ポンプである。
【0022】
第1圧力調整部42および第2圧力調整部44は、第1液体32および第2液体34の圧力を調整することにより、可動膜33を光軸Nに沿った方向に湾曲させるとともに、湾曲量を調整することが可能である。例えば、第1圧力調整部42および第2圧力調整部44が、第1液体32の圧力を第2液体34の圧力より大きくなるように調整すると、可動膜33は、第2基材35の方向に凸形状となるように、光軸Nに沿った方向に湾曲する。また、第1圧力調整部42および第2圧力調整部44が、第2液体34の圧力を第1液体32の圧力より大きくなるように調整すると、可動膜33は、第1基材31の方向に凸形状となるように、光軸Nに沿った方向に湾曲する。よって、第1圧力調整部42および第2圧力調整部44が、可動膜33を光軸Nに沿った方向に湾曲させることにより、可動膜33はレンズパワーを有するレンズ面となり、第1液体32、可動膜33および第2液体34は、焦点距離が可変するレンズとして機能する。すなわち、可変レンズ3は、第1液体32および第2液体34の圧力が調整されることにより、可動膜33を光軸Nに沿った方向に湾曲させて焦点距離を可変させることが可能である。
【0023】
(第1光学系)
図4は、光学系6の光線図である。図4では、調整機構4を省略している。第1光学系5は、複数の光学素子からなる。本形態では、図4に示すように、第1光学系5は、9枚のレンズL1~L9からなる。レンズL1~L9は、拡大側から縮小側に向かってこの順に配置されている。レンズL1は、負のパワーを有する。レンズL1は、拡大側の面に凹形状を備え、縮小側の面に凸形状を備える。レンズL2は、負のパワーを有する。レンズL2は、拡大側の面に凹形状を備え、縮小側の面に凸形状を備える。レンズL3は、正のパワーを有する。レンズL3は、拡大側の面に凸形状を備え、縮小側の面に凹形状を備える。レンズL4は、正のパワーを有する。レンズL4は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。レンズL5は、負レンズである。レンズL5は、拡大側および縮小側の面に凹形状を備える。レンズL6は、正のパワーを有する。レンズL6は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。レンズL5およびレンズL6は、接合された接合レンズL21である。レンズL7は、正のパワーを有する。レンズL7は、拡大側の面に凹形状を備え、縮小側の面に凸形状を備える。レンズL8は、正のパワーを有する。レンズL8は、拡大側および縮小側の面に凸形状を備える。レンズL9は、正のパワーを有する。レンズL9は、拡大側の面に凸形状を備え、縮小側の面に凹形状を備える。9枚のレンズL1~L9は、第1光学系5の光軸Mに沿って配置されている。第1光学系5の光軸Mは、可変レンズ3の光軸Nと一致する。
【0024】
(光学系)
光学系6は、拡大側から縮小側に向かって光線が通過する順に、可変レンズ3と第1光学系5と、を備える。光学系6は、可変レンズ3の焦点距離を可変することにより、光学系6の投写距離を可変することが可能である。
【0025】
(光学系のレンズデータ)
光学系6のレンズデータは以下のとおりである。面番号は、拡大側から縮小側に順番に付してある。符号は、スクリーン、可変レンズ、レンズ、プリズム、および液晶パネルの符号である。面番号に*を付した面は非球面である。Rは曲率半径である。Dは軸上面間隔である。ndは屈折率である。νdはd線のアッベ数である。Yは有効半径である。R、D、Yの単位はmmである。
【0026】
符号 面番号 R D nd vd モード Y
S 0 0.00000 可変間隔1 屈折
31 *1 -244.73904 9.915981 1.50940 56.47 屈折 44.000
32 2 0.00000 可変間隔2 1.42160 55.00 屈折 44.000
33,34 3 可変曲率半径 可変間隔3 1.33000 55.00 屈折 44.000
35 4 0.00000 7.705633 1.50940 56.47 屈折 44.000
*5 42.50833 14.818151 屈折 22.075
L1 6 -40.00000 16.966102 1.44181 92.79 屈折 21.992
7 -35.84644 0.562379 屈折 23.391
L2 8 -34.21570 5.246290 1.79410 46.86 屈折 23.390
9 -46.16473 37.125395 屈折 25.218
L3 10 207.09845 20.000000 1.86966 20.02 屈折 23.936
11 268.05612 9.701068 屈折 22.583
L4 12 145.09881 6.000000 1.80784 46.02 屈折 22.000
13 -200.45266 57.892504 屈折 22.276
L5 14 -200.82057 5.793231 1.88551 26.45 屈折 26.352
L6 15 65.42958 14.006619 1.44491 85.33 屈折 27.719
16 -99.87879 0.100000 屈折 28.817
L7 17 -916.96935 5.817513 1.80420 46.50 屈折 30.000
18 -174.72890 0.100000 屈折 30.648
L8 19 66.74485 12.000000 1.45329 84.53 屈折 32.711
20 -2612.20845 6.250177 屈折 32.523
L9 21 94.64430 20.000000 1.79907 46.68 屈折 31.450
22 233.88931 10.000000 屈折 28.109
13 23 0.00000 37.300000 1.51680 64.17 屈折 25.831
24 0.00000 11.800000 屈折 19.231
12 25 0.00000 0.000000 屈折 16.010
【0027】
ここで、光学系6は、投写距離を、基準距離、基準距離よりも短い近距離、基準距離よりも遠い遠距離の間で変化させることができる。投写距離を変化させた場合には、可変レンズ3の焦点距離を変更することにより、フォーカシングを行う。図5は、可変レンズ3の焦点距離を変更させた場合の概略図である。図5に示すように、投写距離が基準距離の場合、可変レンズ3では、第1液体32の圧力が第2液体34の圧力より大きくなるように、調整機構4により調整され、可動膜33が縮小側に湾曲した凸形状となる。
【0028】
投写距離が近距離の場合、可変レンズ3では、第1液体32の圧力が第2液体34の圧力より、更に大きくなるように、調整機構4により調整され、可動膜33が縮小側に更に大きく湾曲した凸形状となる。このとき、投写距離が基準距離の場合と比較して、可変レンズ3の焦点距離は、短くなる。すなわち、可変レンズ3のパワーは大きくなる。
【0029】
投写距離が遠距離の場合、可変レンズ3では、第1液体32の圧力と第2液体34とが同じになるように、調整機構4により調整され、可動膜33が湾曲しない平面状になる。このとき、投写距離が基準距離の場合と比較して、可変レンズ3の焦点距離は、長くなる。すなわち、可変レンズ3のパワーは小さくなる。よって、可動膜33は、投写距離が長くなるにつれて、湾曲した際の曲率半径の絶対値が小さくなる。
【0030】
フォーカシングを行った際の各投写距離における可変間隔1、可変間隔2、可変間隔3、可変曲率半径を以下に示す。可変間隔1は、投写距離である。可変間隔2は、第1基材31の第2面314と可動膜33との軸上面間隔、すなわち、第1液体32の軸上の厚みである。可変間隔3は、可動膜33と第2基材35の第3面353との軸上面間隔、すなわち、第2液体34の軸上の厚みである。可変曲率半径は、可動膜33の曲率半径である。
【0031】
基準距離 近距離 遠距離
可変間隔1 4000.000000 2000.000000 20000.000000
可変間隔2 12.036493 14.457126 10.000000
可変間隔3 7.963507 5.542874 10.000000
可変曲率半径 -476.34531 -219.40885 無限
【0032】
各非球面係数は以下のとおりである。
【0033】
面番号 1 5
コーニック定数 7.127571E+00 -1.753983E+00
4次の係数 2.9429E-06 8.532093E-06
6次の係数 -1.185737E-09 1.501953E-09
8次の係数 3.987802E-13 -4.000129E-12
10次の係数 -5.387882E-17 1.020233E-14
【0034】
(作用効果)
可変レンズ3は、光軸Nに沿って光線が透過する順に、透光性を有する第1基材31と、第1液体32と、第1液体32に接するとともに透光性を有する弾性変形可能な可動膜33と、可動膜33に接する第2液体34と、透光性を有する第2基材35と、を有する。第1液体32の屈折率は、第2液体34の屈折率とは異なり、第2液体34の屈折率より大きい。第1基材31および第2基材35は、レンズとしてのパワーを有する。可変レンズ3は、第1液体32および第2液体34の圧力が調整されることにより、可動膜33を光軸Nに沿った方向に湾曲させて焦点距離を可変させることが可能である。
【0035】
本形態によれば、焦点距離が可変するレンズとして機能する第1液体32、可動膜33および第2液体34は、レンズとしてのパワーを有する第1基材31および第2基材35に挟まれている。これにより、可動膜33と第1基材31および第2基材35との距離を近くすることができるので、第1基材31および第2基材35により、可変レンズ3で発生する諸収差を良好に補正することができる。また、第1基材31および第2基材35のレンズのパワーを調整することによって、可変レンズ3の適用範囲を広くすることができる。また、本形態の可変レンズ3は、可変レンズで発生する諸収差を補正するための他のレンズを必要としないので、本形態の可変レンズ3を含む光学系のサイズをコンパクトにすることができる。
【0036】
本形態の可変レンズ3において、第1基材31および第2基材35は、樹脂材料からなる。よって、第1基材31および第2基材35にレンズ面を形成することが容易となる。
【0037】
本形態において、第1基材31は、第2基材35の側とは反対側を向く第1面313と、第2基材35の側を向く第2面314と、第2面314を外周側で囲うとともに第2面314より第2基材35の側に位置する第1フランジ面315と、を備える。第2基材35は、第1基材31の側を向く第3面353と、第1基材31の側とは反対側を向く第4面354と、第3面353を外周側で囲うとともに第3面353より第1基材31の側に位置する第2フランジ面355と、を備える。可動膜33は、外周部分が第1フランジ面315と第2フランジ面355との間に設けられて固定される。第1液体32は、第2面314と可動膜33との間に形成された第1空間30Aに充填される。第2液体34は、可動膜33と第3面353との間に形成された第2空間30Bに充填される。これにより、第1基材31および第1液体32が接するとともに、第2液体34および第2基材35が接する状態で、可変レンズ3を一体に形成することができる。
【0038】
本形態の可変レンズ3において、第1面313および第4面354は、非球面形状である。これにより、可変レンズ3で発生する諸収差を、より良好に補正することができる。また、本形態の可変レンズ3は、可変レンズで発生する諸収差を補正するための他のレンズを必要としないので、本形態の可変レンズ3を含む光学系のサイズを、よりコンパクトにすることができる。
【0039】
本形態の可変レンズユニット2は、可変レンズ3と、可変レンズ3の焦点距離を可変させる調整機構4と、を有する。可変レンズ3は、第1空間30Aに連通する第1連通口36と、第2空間30Bに連通する第2連通口37と、を備える。調整機構4は、第1連通口36を介して第1空間30Aに注入される第1液体32の圧力を調整するともに、第2連通口37を介して第2空間30Bに注入される第2液体34の圧力を調整する。これにより、調整機構4により、可変レンズ3の焦点距離を容易に可変させることができる。
【0040】
本形態の光学系6は、拡大側から縮小側に向かって光線が通過する順に、可変レンズ3と、第1光学系5と、有する。可変レンズ3は、最も拡大側に配置される。よって、可変レンズ3の焦点距離を可変さることにより、光学系6の投写距離を容易に変更することができる。また、可変レンズ3が最も拡大側に配置されるので、可変レンズ3を通過する各像高の光束は広がっている。このため、可変レンズ3が非球面形状を備えているので、第1光学系5で発生する諸収差を、非球面形状によって補正することが容易である。
【0041】
本形態の光学系6において、可動膜33は、光学系6の投写距離が長くなるにつれて、湾曲した際の曲率半径の絶対値が小さくなる。ここで、光学系6をプロジェクター100に使用した場合には、光学系6は、投写距離が基準距離より遠距離で使用されることが多い。よって、光学系6をプロジェクター100に使用した場合には、可変レンズ3の焦点距離は長いので、可動膜33の湾曲量を小さくすることができる。これにより、可動膜33にかかる圧力が小さいので、可動膜33の信頼性を向上させることができる。また、基準距離と遠距離との間で投写距離を可変させる際に、調整機構4が第1液体32および第2液体34に加える圧力が小さいので、基準距離と近距離との間で投写距離を可変させる場合と比較して、調整機構4によって可動膜33を湾曲させる際の可動膜33の応答性が高い。これにより、プロジェクター100の使用に適した範囲で、可変レンズ3の応答性を高めることができる。
【0042】
本形態のプロジェクター100は、光学系6と、光学系6の縮小側共役面Pに投写画像を形成する画像形成部1と、を有する。画像形成部1は、光源11と、光源11からの光線を変調させる光変調素子12と、を備える。これにより、諸収差を良好に補正することができるとともにコンパクトなプロジェクター100を提供することできる。
【0043】
図6は、基準距離における光学系6のMTFを示す図である。図7は、近距離における光学系6のMTFを示す図である。図8は、遠距離における光学系6のMTFを示す図である。図6図8の横軸は空間周波数であり、縦軸はコントラスト再現比である。図6図8に示すように、本形態の光学系6は、高い解像度を有する。
【0044】
[実施形態2]
図9は、実施形態2の光学系6Aの光線図である。実施形態2の光学系6Aは、可変レンズ3の形状が異なる点を除き、実施形態1の光学系6と同じである。よって、実施形態2では、実施形態1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する場合がある。なお、図9では、調整機構4を省略している。
【0045】
図9に示すように、可変レンズ3は、光軸Nに沿って光線が通過する順に、透光性を有する第1基材31と、第1液体32と、第1液体32に接するとともに透光性を有する弾性変形可能な可動膜33と、可動膜33に接する第2液体34と、透光性を有する第2基材35と、を有する。
【0046】
第1基材31は、樹脂材料からなる。第1基材31は、本体部311と、本体部311の外周部分を囲うフランジ部312と、を備える。本体部311は、拡大側を向く第1面313と、縮小側を向く第2面314と、を備える。第1面313は、凸面形状であり、パワーを有するレンズ面である。第1面313は、非球面形状を備える。第2面314は、凹面形状であり、パワーを有するレンズ面である。第2面314は、非球面形状を備える。よって、第1基材31は、レンズとしてのパワーを有する。フランジ部312は、第2面314を外周側で囲うとともに第2面314より縮小側に位置する第1フランジ面315を備える。
【0047】
第2基材35は、樹脂材料からなる。第2基材35は、本体部351と、本体部351の外周部分を囲うフランジ部352と、を備える。本体部351は、拡大側を向く第3面353と、縮小側を向く第4面354と、を備える。第3面353は、凸面形状であり、パワーを有するレンズ面である。第3面353は、非球面形状を備える。第4面354は、凹面形状であり、パワーを有するレンズ面である。第4面354は、非球面形状を備える。よって、第2基材35は、レンズとしてのパワーを有する。フランジ部352は、第3面353を外周側で囲うとともに第3面353より拡大側に位置する第2フランジ面355を備える。
【0048】
第1基材31と第2基材35とは、第1フランジ面315と第2フランジ面355とに塗布した接着剤等により、一体に固定されている。
【0049】
可動膜33は、透明または半透明であり、透光性を有する。可動膜33は、ポリウレタン系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂などのポリマーからなる。可動膜33は、外周部分が第1フランジ面315と第2フランジ面355との間に設けられて固定されている。
【0050】
第1液体32は、第2面314と可動膜33との間に形成された第1空間30Aに充填されている。第2液体34は、可動膜33と第3面353との間に形成された第2空間30Bに充填されている。第1液体32の屈折率は、第2液体34の屈折率とは異なる。第1液体32および第2液体34は、純水、スクロースを含有する純水、シリコーンオイルなどであり、互いの屈折率が異なるように、適宜、選択される。本形態では、第1液体32の屈折率は、第2液体34の屈折率より大きい。
【0051】
可変レンズ3は、第1空間30Aに連通する第1連通口36と、第2空間30Bに連通する第2連通口37と、を備える。
【0052】
(光学系のレンズデータ)
光学系6Aのレンズデータは以下のとおりである。面番号は、拡大側から縮小側に順番に付してある。符号は、スクリーン、可変レンズ、レンズ、プリズム、および液晶パネルの符号である。面番号に*を付した面は非球面である。Rは曲率半径である。Dは軸上面間隔である。ndは屈折率である。νdはd線のアッベ数である。Yは有効半径である。R、D、Yの単位はmmである。
【0053】
符号 面番号 R D nd vd モード Y
S 0 0.00000 可変間隔1 屈折
31 *1 -247.02901 9.915981 1.50940 56.47 屈折 44.000
32 *2 83.55050 可変間隔2 1.42160 55.00 屈折 44.000
33,34 3 可変曲率半径 可変間隔3 1.33000 55.00 屈折 44.000
35 *4 86.54753 7.429394 1.50940 56.47 屈折 44.000
*5 43.34137 16.488502 屈折 22.650
L1 6 -40.00000 25.448961 1.43700 95.10 屈折 22.355
7 -34.82206 0.117861 屈折 24.307
L2 8 -34.69946 5.134756 1.84390 35.98 屈折 24.263
9 -48.39896 35.683225 屈折 26.203
L3 10 198.79956 20.000000 1.86966 20.02 屈折 24.682
11 329.67474 14.136447 屈折 23.209
L4 12 164.13510 6.000000 1.79454 46.85 屈折 22.000
13 -212.97732 59.644872 屈折 22.273
L5 14 -190.17291 5.470429 1.88467 26.02 屈折 25.942
L6 15 66.78737 13.603516 1.44377 85.29 屈折 27.216
16 -97.07183 0.100000 屈折 28.267
L7 17 -2583.40817 5.660771 1.80404 46.51 屈折 29.454
18 -203.41681 0.100000 屈折 30.029
L8 19 64.16861 12.000000 1.45786 84.66 屈折 31.842
20 -2280.84949 1.955601 屈折 31.609
L9 21 93.14087 20.000000 1.80420 46.50 屈折 30.797
22 165.78574 10.000000 屈折 27.144
13 23 0.00000 37.300000 1.51680 64.17 屈折 25.163
24 0.00000 11.799982 屈折 19.007
12 25 0.00000 0.000000 屈折 16.007
【0054】
ここで、光学系6Aは、投写距離を、基準距離、基準距離よりも短い近距離、基準距離よりも遠い遠距離の間で変化させることができる。投写距離を変化させた場合には、可変レンズ3の焦点距離を変更することにより、フォーカシングを行う。図10は、可変レンズ3の焦点距離を変更させた場合の概略図である。図10に示すように、投写距離が基準距離の場合、可変レンズ3では、第1液体32の圧力が第2液体34の圧力より大きくなるように、調整機構4により調整され、可動膜33が縮小側に湾曲した凸形状となる。
【0055】
投写距離が近距離の場合、可変レンズ3では、第1液体32の圧力が第2液体34の圧力より、更に大きくなるように、調整機構4により調整され、可動膜33が縮小側に更に大きく湾曲した凸形状となる。このとき、投写距離が基準距離の場合と比較して、可変レンズ3の焦点距離は、短くなる。すなわち、可変レンズ3のパワーは大きくなる。
【0056】
投写距離が遠距離の場合、可変レンズ3では、第1液体32の圧力と第2液体34とが同じになるように、調整機構4により調整され、可動膜33が湾曲しない平面状になる。このとき、投写距離が基準距離の場合と比較して、可変レンズ3の焦点距離は、長くなる。すなわち、可変レンズ3のパワーは小さくなる。よって、可動膜33は、投写距離が長くなるにつれて、湾曲した際の曲率半径の絶対値が小さくなる。
【0057】
フォーカシングを行った際の各投写距離における可変間隔1、可変間隔2、可変間隔3、可変曲率半径を以下に示す。可変間隔1は、投写距離である。可変間隔2は、第1基材31の第2面314と可動膜33との軸上面間隔、すなわち、第1液体32の軸上の厚みである。可変間隔3は、可動膜33と第2基材35の第3面353との軸上面間隔、すなわち、第2液体34の軸上の厚みである。可変曲率半径は、可動膜33の曲率半径である。
【0058】
基準距離 近距離 遠距離
可変間隔1 4000.000000 2000.000000 20000.000000
可変間隔2 12.065732 14.479164 10.000000
可変間隔3 7.934268 5.520836 10.000000
可変曲率半径 -469.63199 -218.35133 無限
【0059】
各非球面係数は以下のとおりである。
【0060】
面番号 1 2 4 5
コーニック定数 5.870315E+00 -4.134648E-01 -1.17042E+00 -1.902551E+00
4次の係数 2.950505E-06 7.544222E-08 6.951796E-07 8.388071E-06
6次の係数 -1.170448E-09 1.060303E-10 -1.259043E-09 1.461547E-09
8次の係数 4.038055E-13 2.22508E-14 1.811317E-14 -4.465009E-12
10次の係数 -5.47523E-17 8.355153E-17 2.312475E-17 9.386279E-15
【0061】
(作用効果)
本形態では、第2面314および第3面353は、非球面形状である。これにより、可変レンズ3で発生する諸収差をより良好に補正することができる。本形態では、実施形態1と同様な構成については、実施形態1と同様な作用効果を得ることができる。
【0062】
図11は、基準距離における光学系6AのMTFを示す図である。図12は、近距離における光学系6AのMTFを示す図である。図13は、遠距離における光学系6AのMTFを示す図である。図11図13に示すように、本形態の光学系6Aは、実施形態1と同様に、高い解像度を有する。また、実施形態1と比較すると、本形態の光学系6Aは、近距離において、より高い解像度を有する。
【0063】
[実施形態3]
図14は、実施形態3の光学系6Bの光線図である。実施形態3の光学系6Bは、第2液体34の屈折率は、第1液体32の屈折率より大きい点を除き、実施形態1の光学系6と同じである。よって、実施形態3では、実施形態1と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する場合がある。なお、図14では、調整機構4を省略している。
【0064】
図14に示すように、第1液体32は、第2面314と可動膜33との間に形成された第1空間30Aに充填されている。第2液体34は、可動膜33と第3面353との間に形成された第2空間30Bに充填されている。第1液体32の屈折率は、第2液体34の屈折率とは異なる。本形態では、第2液体34の屈折率は、第1液体32の屈折率より大きい。
【0065】
(光学系のレンズデータ)
光学系6Bのレンズデータは以下のとおりである。面番号は、拡大側から縮小側に順番に付してある。符号は、スクリーン、可変レンズ、レンズ、プリズム、および液晶パネルの符号である。面番号に*を付した面は非球面である。Rは曲率半径である。Dは軸上面間隔である。ndは屈折率である。νdはd線のアッベ数である。Yは有効半径である。R、D、Yの単位はmmである。
【0066】
符号 面番号 R D nd vd モード Y
S 0 0.00000 可変間隔1 屈折
31 *1 -332.04748 6.249111 1.50940 56.47 屈折 44.000
32 2 0.00000 可変間隔2 1.33000 55.00 屈折 44.000
33,34 3 可変曲率半径 可変間隔3 1.42160 55.00 屈折 44.000
35 4 0.00000 9.129166 1.50940 56.47 屈折 44.000
*5 41.35681 17.864425 屈折 22.472
L1 6 -39.20574 17.076013 1.43757 94.82 屈折 22.064
7 -35.90550 0.140433 屈折 23.623
L2 8 -35.49047 5.336303 1.78685 41.26 屈折 23.623
9 -48.13300 37.197151 屈折 25.385
L3 10 194.68837 20.000000 1.86896 20.03 屈折 24.136
11 280.04995 10.363116 屈折 22.723
L4 12 155.01914 6.000000 1.80385 46.51 屈折 22.000
13 -201.65251 56.971189 屈折 22.292
L5 14 -197.02405 3.600000 1.88495 26.27 屈折 26.370
L6 15 65.84590 13.879367 1.44777 84.58 屈折 27.531
16 -98.53502 0.100000 屈折 28.621
L7 17 -1625.85676 5.716596 1.80323 46.54 屈折 29.852
18 -195.33105 0.100000 屈折 30.467
L8 19 66.29241 12.000000 1.45375 83.76 屈折 32.460
20 -2023.37423 6.163442 屈折 32.271
L9 21 95.46661 20.000000 1.79758 46.74 屈折 31.196
22 227.99267 10.000000 屈折 27.858
13 23 0.00000 37.300000 1.51680 64.17 屈折 25.631
24 0.00000 11.800000 屈折 19.163
12 25 0.00000 0.000000 屈折 16.002
【0067】
ここで、光学系6Bは、投写距離を、基準距離、基準距離よりも短い近距離、基準距離よりも遠い遠距離の間で変化させることができる。投写距離を変化させた場合には、可変レンズ3の焦点距離を変更することにより、フォーカシングを行う。図15は、可変レンズ3の焦点距離を変更させた場合の概略図である。図15に示すように、投写距離が基準距離の場合、可変レンズ3では、第2液体34の圧力が第1液体32の圧力より大きくなるように、調整機構4により調整され、可動膜33が拡大側に湾曲した凸形状となる。
【0068】
投写距離が近距離の場合、可変レンズ3では、第2液体34の圧力が第1液体32の圧力より、更に大きくなるように、調整機構4により調整され、可動膜33が拡大側に更に大きく湾曲した凸形状となる。このとき、投写距離が基準距離の場合と比較して、可変レンズ3の焦点距離は、短くなる。すなわち、可変レンズ3のパワーは大きくなる。
【0069】
投写距離が遠距離の場合、可変レンズ3では、第1液体32の圧力と第2液体34とが同じになるように、調整機構4により調整され、可動膜33が湾曲しない平面状になる。このとき、投写距離が基準距離の場合と比較して、可変レンズ3の焦点距離は、長くなる。すなわち、可変レンズ3のパワーは小さくなる。よって、可動膜33は、投写距離が長くなるにつれて、湾曲した際の曲率半径の絶対値が小さくなる。
【0070】
フォーカシングを行った際の各投写距離における可変間隔1、可変間隔2、可変間隔3、可変曲率半径を以下に示す。可変間隔1は、投写距離である。可変間隔2は、第1基材31の第2面314と可動膜33との軸上面間隔、すなわち、第1液体32の軸上の厚みである。可変間隔3は、可動膜33と第2基材35の第3面353との軸上面間隔、すなわち、第2液体34の軸上の厚みである。可変曲率半径は、可動膜33の曲率半径である。
【0071】
基準距離 近距離 遠距離
可変間隔1 4000.000000 2000.000000 20000.000000
可変間隔2 7.935770 5.181414 10.000000
可変間隔3 12.064230 14.818586 10.000000
可変曲率半径 469.97219 203.29809 無限
【0072】
各非球面係数は以下のとおりである。
【0073】
面番号 1 5
コーニック定数 1.043068E+01 -1.7038E+00
4次の係数 2.893868E-06 8.712047E-06
6次の係数 -1.159359E-09 2.264682E-09
8次の係数 4.03645E-13 -3.620397E-12
10次の係数 -6.141651E-17 9.934457E-15
【0074】
(作用効果)
本形態のように、第2液体34の屈折率が第1液体32の屈折率より大きい場合であっても、本形態の光学系6Bは、実施形態1と同様の作用効果を得ることができる。
【0075】
図16は、基準距離における光学系6BのMTFを示す図である。図17は、近距離における光学系6BのMTFを示す図である。図18は、遠距離における光学系6BのMTFを示す図である。図16図18に示すように、本形態の光学系6Bは、実施形態1と同様に、高い解像度を有する。
【0076】
[実施形態4]
図19は、実施形態4の光学系6Cの光線図である。実施形態4の光学系6Cは、第2液体34の屈折率は、第1液体32の屈折率より大きい点を除き、実施形態2の光学系6Aと同じである。よって、実施形態4では、実施形態2と同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する場合がある。なお、図19では、調整機構4を省略している。
【0077】
図19に示すように、第1液体32は、第2面314と可動膜33との間に形成された第1空間30Aに充填されている。第2液体34は、可動膜33と第3面353との間に形成された第2空間30Bに充填されている。第1液体32の屈折率は、第2液体34の屈折率とは異なる。本形態では、第2液体34の屈折率は、第1液体32の屈折率より大きい。
【0078】
(光学系のレンズデータ)
光学系6Cのレンズデータは以下のとおりである。面番号は、拡大側から縮小側に順番に付してある。符号は、スクリーン、可変レンズ、レンズ、プリズム、および液晶パネルの符号である。面番号に*を付した面は非球面である。Rは曲率半径である。Dは軸上面間隔である。ndは屈折率である。νdはd線のアッベ数である。Yは有効半径である。R、D、Yの単位はmmである。
【0079】
符号 面番号 R D nd vd モード Y
S 0 0.00000 可変間隔1 屈折
31 *1 -268.82075 9.915981 1.48573 77.34 屈折 44.000
32 *2 367.99736 可変間隔2 1.33000 55.00 屈折 44.000
33,34 3 可変曲率半径 可変間隔3 1.42160 55.00 屈折 44.000
35 *4 62.91245 7.398931 1.50856 53.74 屈折 44.000
*5 42.83256 19.170375 屈折 23.114
L1 6 -40.00000 25.120179 1.43700 95.10 屈折 22.512
7 -34.99237 0.220207 屈折 24.609
L2 8 -35.01356 5.841252 1.82188 44.32 屈折 24.471
9 -48.80877 35.003957 屈折 26.540
L3 10 203.33257 20.000000 1.85458 20.30 屈折 24.824
11 330.68172 15.281067 屈折 23.326
L4 12 175.10075 6.000000 1.79048 47.00 屈折 22.000
13 -191.02377 56.048052 屈折 22.283
L5 14 -188.02861 5.423318 1.88497 26.17 屈折 25.621
L6 15 67.11981 13.575966 1.44582 85.07 屈折 26.854
16 -95.64059 0.100000 屈折 27.936
L7 17 -1798.09470 5.738311 1.79933 46.68 屈折 29.049
18 -203.27176 0.100000 屈折 29.644
L8 19 62.08628 12.000000 1.47256 81.13 屈折 31.417
20 -15972.31050 17.801884 屈折 31.134
L9 21 82.09144 20.000000 1.85241 41.18 屈折 28.326
22 122.70554 10.000000 屈折 24.272
13 23 0.00000 37.300000 1.51680 64.17 屈折 22.298
24 0.00000 0.100036 屈折 16.018
12 25 0.00000 0.000000 屈折 16.008
【0080】
ここで、光学系6Cは、投写距離を、基準距離、基準距離よりも短い近距離、基準距離よりも遠い遠距離の間で変化させることができる。投写距離を変化させた場合には、可変レンズ3の焦点距離を変更することにより、フォーカシングを行う。図20は、可変レンズ3の焦点距離を変更させた場合の概略図である。図20に示すように、投写距離が基準距離の場合、可変レンズ3では、第2液体34の圧力が第1液体32の圧力より大きくなるように、調整機構4により調整され、可動膜33が拡大側に湾曲した凸形状となる。
【0081】
投写距離が近距離の場合、可変レンズ3では、第2液体34の圧力が第1液体32の圧力より、更に大きくなるように、調整機構4により調整され、可動膜33が拡大側に更に大きく湾曲した凸形状となる。このとき、投写距離が基準距離の場合と比較して、可変レンズ3の焦点距離は、短くなる。すなわち、可変レンズ3のパワーは大きくなる。
【0082】
投写距離が遠距離の場合、可変レンズ3では、第1液体32の圧力と第2液体34とが同じになるように、調整機構4により調整され、可動膜33が湾曲しない平面状になる。このとき、投写距離が基準距離の場合と比較して、可変レンズ3の焦点距離は、長くなる。すなわち、可変レンズ3のパワーは小さくなる。よって、可動膜33は、投写距離が長くなるにつれて、湾曲した際の曲率半径の絶対値が小さくなる。
【0083】
フォーカシングを行った際の各投写距離における可変間隔1、可変間隔2、可変間隔3、可変曲率半径を以下に示す。可変間隔1は、投写距離である。可変間隔2は、第1基材31の第2面314と可動膜33との軸上面間隔、すなわち、第1液体32の軸上の厚みである。可変間隔3は、可動膜33と第2基材35の第3面353との軸上面間隔、すなわち、第2液体34の軸上の厚みである。可変曲率半径は、可動膜33の曲率半径である。
【0084】
基準距離 近距離 遠距離
可変間隔1 4000.000000 2000.000000 20000.000000
可変間隔2 7.845638 5.103056 10.000000
可変間隔3 12.154362 14.896944 10.000000
可変曲率半径 450.39813 200.12276 無限
【0085】
各非球面係数は以下のとおりである。
【0086】
面番号 1 2 4 5
コーニック定数 5.304177E+00 -1.397295E+00 -1.295239E+00 -1.867743E+00
4次の係数 2.959993E-06 1.509083E-08 5.628564E-07 8.443247E-06
6次の係数 -1.170127E-09 4.738863E-11 -1.208885E-09 1.68065E-09
8次の係数 4.013149E-13 -2.527007E-14 2.849717E-13 -3.761454E-12
10次の係数 -5.656545E-17 4.56503E-17 1.363324E-15 9.684354E-15
【0087】
(作用効果)
本形態のように、第2液体34の屈折率が第1液体32の屈折率より大きい場合であっても、本形態の光学系6Cは、実施形態2と同様の作用効果を得ることができる。
【0088】
図21は、基準距離における光学系6CのMTFを示す図である。図22は、近距離における光学系6CのMTFを示す図である。図23は、遠距離における光学系6CのMTFを示す図である。図21図23に示すように、本形態の光学系6Cは、実施形態2と同様に、高い解像度を有する。
【0089】
(他の実施形態)
上記形態では、プロジェクター100は、可変レンズユニット2として可変レンズ3および調整機構4を備えていたが、調整機構4を備えていなくてもよい。すなわち、プロジェクター100は、可変レンズ3のみを備えてもよい。この場合、可変レンズ3は、製造時などにおいて、第1液体32および第2液体34の圧力が調整されることにより、可変レンズ3の焦点距離が調整された後、第1連通口36および第2連通口37が封止される。
【0090】
上記形態では、第1基材31および第2基材35は、それぞれ、レンズとしてのパワーを有していたが、これに限定されない。第1基材31および第2基材35の少なくとも一方が、レンズとしてのパワーを有していればよい。この場合、レンズとしてのパワーを有さない方の基材は、拡大側および縮小側の面に平面形状を備える。このように構成しても、レンズとしてのパワーを有する基材により、可変レンズ3で発生する諸収差を良好に補正することができる。
【0091】
上記形態では、第1基材31および第2基材35は、それぞれ、非球面形状を備えていたが、非球面形状を備えていなくてもよい。
【0092】
(撮像装置)
上記の光学系6は、撮像装置200に用いることができる。図24は、本形態の光学系6を備える撮像装置200の説明図である。撮像装置200は、可変レンズユニット2と、第1光学系5と、撮像素子7と、を備える。可変レンズ3と第1光学系5とは、撮像装置200の光学系6を構成する。拡大側から縮小側に向かって光線が通過する順に、可変レンズ3、第1光学系5が配置されている。光学系6において、可変レンズ3は、最も拡大側に配置されている。撮像素子7は、縮小側共役面Pに配置されている。上記の光学系6を撮像装置200に用いた場合でも、上記の光学系6をプロジェクター100に用いた場合と同様の作用効果を得ることができる。
【0093】
[本開示のまとめ]
以下、本開示のまとめを付記する。
【0094】
(付記1)
光軸に沿って光線が透過する順に、
透光性を有する第1基材と、
第1液体と、
前記第1液体に接するとともに透光性を有する弾性変形可能な可動膜と、
前記可動膜に接する第2液体と、
透光性を有する第2基材と、
を有し、
前記第1液体の屈折率は、前記第2液体の屈折率とは異なり、
前記第1液体および前記第2液体の圧力が調整されることにより、前記可動膜を前記光軸に沿った方向に湾曲され、
前記第1基材および前記第2基材の少なくとも一方は、レンズとしてのパワーを有することを特徴とする可変レンズ。
【0095】
これにより、可動膜と第1基材および第2基材との距離を近くすることができるので、レンズとしてのパワーを有する第1基材または第2基材により、可変レンズで発生する諸収差を良好に補正することができる。また、可変レンズは、可変レンズで発生する諸収差を補正するための他のレンズを必要としないので、可変レンズを含む光学系のサイズをコンパクトにすることができる。
【0096】
(付記2)
前記第1基材および前記第2基材の少なくとも一方は、樹脂材料からなることを特徴とする付記1に記載の可変レンズ。
【0097】
これにより、第1基材および第2基材にレンズ面を形成することが容易となる。
【0098】
(付記3)
前記第1基材は、前記第2基材の側とは反対側を向く第1面と、前記第2基材の側を向く第2面と、前記第2面を外周側で囲うとともに前記第2面より前記第2基材の側に位置する第1フランジ面と、を備え、
前記第2基材は、前記第1基材の側を向く第3面と、前記第1基材の側とは反対側を向く第4面と、前記第3面を外周側で囲うとともに前記第3面より前記第1基材の側に位置する第2フランジ面と、を備え、
前記可動膜は、外周部分が前記第1フランジ面と前記第2フランジ面との間に設けられて固定され、
前記第1液体は、前記第2面と前記可動膜との間に形成された第1空間に充填され、
前記第2液体は、前記可動膜と前記第3面との間に形成された第2空間に充填されることを特徴とする付記1または2に記載の可変レンズ。
【0099】
これにより、第1基材および第1液体が接するとともに、第2液体および第2基材が接する状態で、可変レンズを一体に形成することができる。
【0100】
(付記4)
前記第1基材および前記第2基材は、それぞれ、レンズとしてのパワーを有することを特徴とする付記3に記載の可変レンズ。
【0101】
これにより、可変レンズで発生する諸収差を、より良好に補正することができる。
【0102】
(付記5)
前記第1面および前記第4面は、非球面形状であることを特徴とする付記4に記載の可変レンズ。
【0103】
これにより、可変レンズで発生する諸収差を、より良好に補正することができる。
【0104】
(付記6)
前記第2面および前記第3面の少なくとも一方は、非球面形状であることを特徴とする付記5に記載の可変レンズ。
【0105】
これにより、可変レンズで発生する諸収差を、より良好に補正することができる。
【0106】
(付記7)
付記3から6のうち何れか一項に記載の可変レンズと、
前記可変レンズの焦点距離を可変させる調整機構と、を有し、
前記可変レンズは、前記第1空間に連通する第1連通口と、前記第2空間に連通する第2連通口と、を備え、
前記調整機構は、前記第1連通口を介して前記第1空間に注入される前記第1液体の圧力を調整するともに、前記第2連通口を介して前記第2空間に注入される前記第2液体の圧力を調整することを特徴とする可変レンズユニット。
【0107】
これにより、可変レンズの焦点距離を容易に可変させることができる。
【0108】
(付記8)
拡大側から縮小側に向かって光線が通過する順に、付記1から6のうち何れか一項に記載の可変レンズと、第1光学系と、有し、
前記可変レンズは、最も前記拡大側に配置されることを特徴とする光学系。
【0109】
これにより、可変レンズの焦点距離を可変さることによって、光学系の投写距離を容易に変更することができる。また、可変レンズを通過する各像高の光束は広がっているので、第1光学系で発生する諸収差を、非球面形状によって補正することが容易である。
【0110】
(付記9)
前記可動膜は、投写距離が長くなるにつれて、湾曲した際の曲率半径の絶対値が小さくなることを特徴とする付記8項に記載の光学系。
【0111】
光学系を投写距離が長い領域で使用する場合には、可変レンズの焦点距離は長いので、可動膜の湾曲量を小さくすることができる。これにより、可動膜にかかる圧力が小さいので、可動膜の信頼性を向上させることができる。
【0112】
(付記10)
付記8または9に記載された光学系と、
前記光学系の縮小側共役面に投写画像を形成する画像形成部と、を有し、
前記画像形成部は、光源と、前記光源からの光線を変調させる光変調素子と、を備えることを特徴とするプロジェクター。
【0113】
これにより、諸収差を良好に補正することができるとともに、光学系がコンパクトなプロジェクターを提供することできる。
【0114】
(付記11)
付記8または9に記載された光学系と、
前記光学系の縮小側共役面に配置された撮像素子と、
を有することを特徴とする撮像装置。
【0115】
これにより、諸収差を良好に補正することができるとともに、光学系がコンパクトな撮像装置を提供することできる。
【符号の説明】
【0116】
1…画像形成部、2…可変レンズユニット、3…可変レンズ、4…調整機構、5…第1光学系、6・6A・6B・6C…光学系、7…撮像素子、11…光源、12…光変調素子、13…プリズム、30A…第1空間、30B…第2空間、31…第1基材、32…第1液体、33…可動膜、34…第2液体、35…第2基材、36…第1連通口、37…第2連通口、41…第1連通管、42…第1圧力調整部、43…第2連通管、44…第2圧力調整部、100…プロジェクター、200…撮像装置、311…本体部、312…フランジ部、313…第1面、314…第2面、315…第1フランジ面、351…本体部、352…フランジ部、353…第3面、354…第4面、355…第2フランジ面、L1~L9…レンズ、M…第1光学系の光軸、N…可変レンズの光軸、P…縮小側共役面。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24