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特開2024-128370振動駆動装置の制御方法、振動駆動装置およびロボットシステム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128370
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】振動駆動装置の制御方法、振動駆動装置およびロボットシステム
(51)【国際特許分類】
   H02N 2/14 20060101AFI20240913BHJP
   B25J 9/06 20060101ALI20240913BHJP
   B25J 19/00 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
H02N2/14
B25J9/06 B
B25J19/00 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037312
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】露木 幸一郎
(72)【発明者】
【氏名】梶野 喜一
【テーマコード(参考)】
3C707
5H681
【Fターム(参考)】
3C707AS00
3C707BS12
3C707HS29
5H681AA12
5H681AA14
5H681BB02
5H681BB14
5H681BC08
5H681CC02
5H681DD23
5H681DD64
5H681FF26
5H681FF30
5H681FF33
5H681FF36
(57)【要約】
【課題】駆動特性の変動を抑制することのできる振動駆動装置の制御方法、振動駆動装置およびロボットシステムを提供する。
【解決手段】振動部および前記振動部から突出し先端部が先細りしている凸部を備える振動体と、前記凸部の先端部に接触し前記凸部を介して前記振動部の駆動力を受ける被駆動体と、を有する振動駆動装置の制御方法であって、前記振動部を振動させて、前記凸部が前記被駆動体を送り出す移動モードを第1モードとし、前記振動部を前記第1モードとは異なる方向に振動させるモードを第2モードとしたとき、前記第2モードを選択して実行する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
振動部および前記振動部から突出し先端部が先細りしている凸部を備える振動体と、前記凸部の先端部に接触し前記凸部を介して前記振動部の駆動力を受ける被駆動体と、を有する振動駆動装置の制御方法であって、
前記振動部を振動させて、前記凸部が前記被駆動体を送り出す移動モードを第1モードとし、前記振動部を前記第1モードとは異なる方向に振動させるモードを第2モードとしたとき、前記第2モードを選択して実行することを特徴とする振動駆動装置の制御方法。
【請求項2】
前記第2モードでは、前記凸部が前記被駆動体と擦れ合って摩耗する請求項1に記載の振動駆動装置の制御方法。
【請求項3】
前記第1モードでは、前記振動部は、面内方向に振動し、
前記第2モードでは、前記振動部は、面外方向に振動する請求項2に記載の振動駆動装置の制御方法。
【請求項4】
前記振動部は、共振モードとして面外方向に振動する面外振動モードを有し、
前記第2モードでは、前記面外振動モードの共振周波数で前記振動部を振動させる請求項1に記載の振動駆動装置の制御方法。
【請求項5】
前記振動部は、厚さ方向に並んで配置されている第1圧電素子および第2圧電素子を有し、
前記第2モードでは、前記第1圧電素子および前記第2圧電素子に逆位相の駆動信号を印加する請求項1に記載の振動駆動装置の制御方法。
【請求項6】
前記振動部は、共振モードとして面内で屈曲振動する屈曲振動モードと、面内で伸縮振動する縦振動モードと、を有し、
前記第1モードでは、前記屈曲振動モードの共振周波数と前記縦振動モードの共振周波数との間の周波数で前記振動部を振動させる請求項1に記載の振動駆動装置の制御方法。
【請求項7】
振動部および前記振動部から突出し先端部が先細りしている凸部を備える振動体と、
前記凸部の先端部に接触し前記凸部を介して前記振動部の駆動力を受ける被駆動体と、
前記振動体の駆動を制御する制御装置と、を有し、
前記制御装置は、前記振動部を振動させて前記凸部が前記被駆動体を送り出す移動モードを第1モードとし、前記振動部を前記第1モードとは異なる方向に振動させるモードを第2モードとしたとき、前記第2モードを選択して実行することを特徴とする振動駆動装置。
【請求項8】
ロボットアームを備えるロボットと、
前記ロボットアームに装着されている移動ステージと、
前記移動ステージに装着されている工具と、を有し、
前記移動ステージは、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の振動駆動装置を備えていることを特徴とするロボットシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、振動駆動装置の制御方法、振動駆動装置およびロボットシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された振動体は、圧電素子と、圧電素子に配置された弾性体と、弾性体から突出する突起部と、を有し、突起部を介して被駆動体と加圧接触している。圧電素子に交流電界を印加すると、圧電素子が屈曲振動して突起部に楕円運動が励振され、これにより、被駆動体が押し出されてスライドする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2015-80329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載された振動体では突起部が先細りする形状のため、被駆動体との摩擦による摩耗により突起部がすり減って被駆動体との接触面積が増加し、突起部の先端剛性(接触剛性)が変化する。そのため、駆動初期から駆動特性が経時的に変化してしまうという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の振動駆動装置の制御方法は、振動部および前記振動部から突出し先端部が先細りしている凸部を備える振動体と、前記凸部の先端部に接触し前記凸部を介して前記振動部の駆動力を受ける被駆動体と、を有する振動駆動装置の制御方法であって、
前記振動部を振動させて、前記凸部が前記被駆動体を送り出す移動モードを第1モードとし、前記振動部を前記第1モードとは異なる方向に振動させるモードを第2モードとしたとき、前記第2モードを選択して実行する。
【0006】
本発明の振動駆動装置は、振動部および前記振動部から突出し先端部が先細りしている凸部を備える振動体と、
前記凸部の先端部に接触し前記凸部を介して前記振動部の駆動力を受ける被駆動体と、
前記振動体の駆動を制御する制御装置と、を有し、
前記制御装置は、前記振動部を振動させて前記凸部が前記被駆動体を送り出す移動モードを第1モードとし、前記振動部を前記第1モードとは異なる方向に振動させるモードを第2モードとしたとき、前記第2モードを選択して実行する。
【0007】
本発明のロボットシステムは、ロボットアームを備えるロボットと、
前記ロボットアームに装着されている移動ステージと、
前記移動ステージに装着されている工具と、を有し、
前記移動ステージは、上記の振動駆動装置を備えている。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】第1実施形態に係る振動駆動装置を示す図である。
図2】振動駆動装置が有する振動体の斜視図である。
図3図2に示す振動体の平面図である。
図4】駆動モード時に振動体に印加する駆動信号を示す図である。
図5】振動体が駆動モードで駆動している状態を示す平面図である。
図6】振動体が駆動モードで駆動している状態を示す平面図である。
図7】振動体に含まれる共振モードと周波数の関係を示すグラフである。
図8】凸部の摩耗の様子を示す拡大図である。
図9】振動駆動装置の駆動特性の変化の一例を示すグラフである。
図10】振動駆動装置の駆動特性の変化の一例を示すグラフである。
図11】メンテナンスモード時に振動体に印加する駆動信号を示す図である。
図12】振動体がメンテナンスモードで駆動している状態を示す平面図である。
図13】メンテナンスモード終了後の凸部の状態を示す拡大図である。
図14】振動駆動装置の制御方法を示すフローチャートである。
図15】振動駆動装置の制御方法を示すフローチャートである。
図16】第2実施形態に係る振動駆動装置においてメンテナンスモード時に振動体に印加する駆動信号を示す図である。
図17】振動体がメンテナンスモードで駆動している状態を示す平面図である。
図18】第3実施形態に係るロボットシステムの全体構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の振動駆動装置の制御方法、振動駆動装置およびロボットシステムを添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0010】
なお、図1図2図3図5図6図8図12図13および図17に、互いに直交する3軸であるX軸、Y軸およびZ軸を示す。以下では、X軸に沿う方向をX軸方向、Y軸に沿う方向をY軸方向、Z軸に沿う方向をZ軸方向とも言う。また、各軸の矢印側を「プラス側」とも言い、矢印と反対側を「マイナス側」とも言う。また、Z軸方向プラス側を「上(表)」、マイナス側を「下(裏)」とも言い、X軸方向プラス側を「先端」、マイナス側を「基端」とも言う。
【0011】
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態に係る振動駆動装置を示す図である。図2は、振動駆動装置が有する振動体の斜視図である。図3は、図2に示す振動体の平面図である。図4は、駆動モード時に振動体に印加する駆動信号を示す図である。図5および図6は、それぞれ、振動体が駆動モードで駆動している状態を示す平面図である。図7は、振動体に含まれる共振モードと周波数の関係を示すグラフである。図8は、凸部の摩耗の様子を示す拡大図である。図9および図10は、それぞれ、振動駆動装置の駆動特性の変化の一例を示すグラフである。図11は、メンテナンスモード時に振動体に印加する駆動信号を示す図である。図12は、振動体がメンテナンスモードで駆動している状態を示す平面図である。図13は、メンテナンスモード終了後の凸部の状態を示す拡大図である。図14および図15は、それぞれ、振動駆動装置の制御方法を示すフローチャートである。
【0012】
図1に示すように、振動駆動装置1は、回転軸Oまわりに回転する被駆動体としてのローター2と、ローター2の側面に当接する振動体3と、振動体3の駆動を制御する制御装置9と、を有する。このような振動駆動装置1では、振動体3が振動することにより生じる駆動力がローター2に伝わり、ローター2が回転軸Oまわりに回転する。なお、振動駆動装置1は、さらに、図示しないエンコーダーを有し、エンコーダーからの出力に基づいて、ローター2の移動距離(回転角度)、移動速度等を検出することができる。また、振動駆動装置1は、さらに、図示しないトルクセンサーを有し、トルクセンサーからの出力に基づいて、回転軸Oに加わる負荷を検出することができる。
【0013】
なお、振動駆動装置1の構成は、特に限定されない。例えば、ローター2に対して複数の振動体3を配置し、複数の振動体3の駆動によってローター2を回転させてもよい。また、振動体3は、ローター2の表面や裏面に当接していてもよい。また、被駆動体は、ローター2のように回転するものではなく、例えば、スライダーのように直線移動するものであってもよい。
【0014】
また、図2に示すように、振動体3は、板状の振動部31と、振動部31を支持する支持部32と、振動部31と支持部32とを接続する接続部33と、振動部31の先端部に設けられ、振動部31の振動をローター2に伝達する凸部34と、を有する。このような振動体3は、Z軸方向を厚さ方向とし、X軸およびY軸を含むX-Y平面に広がる板状である。
【0015】
振動部31は、板状をなし、Z軸方向からの平面視でX軸方向に延在する長方形状である。支持部32は、振動部31の三方を囲むU形状である。また、接続部33は、振動部31のY軸方向プラス側に位置する第1接続部331と、振動部31のY軸方向マイナス側に位置する第2接続部332と、を有する。凸部34は、振動部31の先端部に設けられ、振動部31からX軸方向プラス側へ突出している。このような振動体3は、図示しない付勢部材によってX軸方向プラス側に付勢されており、これにより、凸部34の先端がローター2に押し付けられている。そのため、振動部31の振動は、凸部34を介してローター2に伝達される。
【0016】
また、凸部34は、その先端部が先細りしている。つまり、先端部の幅(Y軸方向の長さ)がX軸方向プラス側に向けて漸減している。特に、本実施形態の凸部34は、半円形状である。ただし、凸部34は、先端部が先細りしていれば、半円形状に限定されず、例えば、台形状、三角形状等、いかなる形状であってもよい。
【0017】
また、図2および図3に示すように、振動部31には圧電素子P11、P12、P13、P14、P15、P16、P17と圧電素子P21、P22、P23、P24、P25、P26、P27とが振動部31の厚さ方向、つまり、Z軸方向に二段に重なって配置されている。
【0018】
具体的には、Z軸方向からの平面視で、振動部31の中央部に圧電素子P11、P12、P13がX軸方向に並んで配置され、その下側に重なって圧電素子P21、P22、P23がX軸方向に並んで配置されている。また、圧電素子P11、P12、P13のY軸方向プラス側に圧電素子P14、P15がX軸方向に並んで配置され、その下側に重なって圧電素子P24、P25がX軸方向に並んで配置されている。また、Y軸方向マイナス側に圧電素子P16、P17がX軸方向に並んで配置され、その下側に重なって圧電素子P26、P27がX軸方向に並んで配置されている。
【0019】
これら圧電素子P11~P17、P21~P27は、通電によりX軸方向に伸縮し、振動部31に所望の振動モード、具体的には、後述する縦屈曲振動モードおよび面外振動モードを励振させる。ただし、圧電素子の数や配置は、振動部31に縦屈曲振動モードおよび面外振動モードを励振させることができれば、特に限定されない。
【0020】
図2に示すように、このような振動体3は、Z軸方向に重なって配置された2つの圧電アクチュエーター4A、4Bの積層体に凸部34を設けて構成されている。各圧電アクチュエーター4A、4Bは、圧電素子層48を一対の基板49、49で挟み込んだ構成であり、図示しない接着材を介して接合されている。そして、Z軸方向プラス側に位置する圧電アクチュエーター4Aの圧電素子層48に圧電素子P11~P17が上述した配置で形成されており、Z軸方向マイナス側に位置する圧電アクチュエーター4Bの圧電素子層48に圧電素子P21~P27が上述した配置で形成されている。
【0021】
制御装置9は、例えば、コンピューターから構成され、情報を処理するプロセッサーと、プロセッサーに通信可能に接続されたメモリーと、外部インターフェースと、を有する。また、メモリーにはプロセッサーにより実行可能なプログラムが保存され、プロセッサーは、メモリーに記憶されたプログラムを読み込んで実行する。このような制御装置9は、図示しないホストコンピューターからの指令を受け、この指令に基づいて振動駆動装置1を駆動する。
【0022】
制御装置9には、ローター2を回転軸Oまわりに回転させる第1モードとしての駆動モードと、凸部34の先端を摩耗させて先端剛性を調整する第2モードとしてのメンテナンスモードと、が設定されている。そして、制御装置9は、駆動モードとメンテナンスモードとを選択して実行する。
【0023】
まずは、駆動モードについて説明する。例えば、図4に示す駆動信号V1を圧電素子P14、P24、P17、P27に印加し、駆動信号V2を圧電素子P11、P21に印加し、駆動信号V3を圧電素子P15、P25、P16、P26に印加すると、図5に示すように、振動部31に縦屈曲振動モードが励振される。これにより、振動部31がX軸方向に縦振動(伸縮振動)しつつY軸方向に逆S字状に屈曲振動し、これらの振動が合成されて凸部34の先端が矢印で示すように反時計回りに楕円軌道を描くように楕円運動する。これにより、ローター2が送り出されてY軸方向プラス側に回転する。
【0024】
また、駆動信号V1、V3の波形を切り換えると、図6に示すように、振動部31がX軸方向に縦振動しつつY軸方向にS字状に屈曲振動し、これらの振動が合成されて凸部34が矢印で示すように時計回りに楕円運動する。これにより、ローター2が送り出されてY軸方向マイナス側に回転する。
【0025】
このような駆動モードでは、圧電素子P12、P22、P13、P23は、振動検出用に用いられる。圧電素子P12、P22、P13、P23は、上述した振動部31の振動に応じた外力を受け、受けた外力に応じた信号を出力する。そのため、圧電素子P12、P22、P13、P23から出力される信号に基づいて、振動部31の振動状態を検知することができる。
【0026】
ここで、図7に振動部31の共振モードと周波数の関係の一例を示す。駆動モードでは、駆動信号V1、V2、V3の周波数f1が、縦振動モードの共振周波数faと屈曲振動モードの共振周波数fbとの間に設定されている。つまり、駆動モードでは、屈曲振動モードの共振周波数fbと縦振動モードの共振周波数faとの間の周波数で振動部31を振動させる。そのため、縦振動モードおよび屈曲振動モードが共に励振され易く、より確実に、振動部31を縦屈曲振動モードで振動させることができる。ただし、振動部31を縦屈曲振動モードで振動させることができれば、周波数f1は、特に限定されない。
【0027】
ここで、駆動モードでの駆動を続けると、ローター2との接触・摩擦によって凸部34の先端、つまり、ローター2との接触箇所が徐々に摩耗して擦り減っていく。凸部34の先端が擦り減り続けると、図8に示すように、当初は、凸部34がローター2に点接触または線接触していたものが、次第に面接触となり、さらには、その面積が徐々に増加する。また、凸部34が先細りした形状であるため、擦り減ることで先端の面積が徐々に増加する。そのため、凸部34の先端剛性、言い換えると、ローター2との接触剛性が徐々に増加し、初期から駆動特性が変化する。そのため、図9に示すグラフの実線L1のように、一定範囲Δdの駆動特性を長期間維持することが困難である。
【0028】
そこで、振動駆動装置1は、凸部34の先端部を意図的に摩耗させて、つまり、削って、凸部34の先端剛性を低下させるメンテナンスモードを有する。このようなメンテナンスモードを行うことにより、凸部34の先端剛性の初期値からのずれが抑制され、図10に示すグラフの実線L2のように、一定範囲Δdの駆動特性を長期間維持することができる。そのため、安定した駆動特性を発揮することができ、かつ、長寿命の振動駆動装置1が得られる。
【0029】
次に、メンテナンスモードについて説明する。例えば、全ての圧電素子P11~P17、P21~P27に図11に示す駆動信号V4を印加すると、図12に示すように、振動部31に面外振動モードが励振される。これにより、振動部31が、X軸方向の両端部がZ軸方向プラス側に反った状態とZ軸方向マイナス側に反った状態とを繰り返すようにZ軸方向に面外振動し、凸部34の先端が矢印で示すようにZ軸方向に往復運動する。これにより、図13に示すように、ローター2との摩擦によって凸部34の先端のZ軸方向の両端部が摩耗して擦り減り、それに伴ってローター2との接触面積が徐々に減少すると共に、先端の面積が徐々に減少する。これにより、凸部34の先端剛性が低下し、駆動特性を初期値に近づける、好ましくは等しくすることができる。そのため、駆動特性を一定範囲Δd内に収めることができる。
【0030】
なお、図7に戻って、メンテナンスモードでは、駆動信号V4の周波数f2が面外振動モードの共振周波数fcと等しい。つまり、メンテナンスモードでは、面外振動モードの共振周波数fcで振動部31を振動させる。そのため、容易に、面外振動モードを励振させることができる。なお、周波数f2が共振周波数fcと等しいとは、周波数f2=共振周波数fcの他、面外振動モードを励振させることができる程度、例えば、±10%程度のずれを有する場合も含む意味である。
【0031】
次に、メンテナンスモードを行うタイミングの一例について説明する。メンテナンスモードは、駆動モードでのローター2の移動距離が所定距離Dを超えた場合に行われる。なお、移動距離は、メンテナンスモードを行うことでリセットされる。つまり、過去にメンテナンスモードが行われている場合は、直前に行ったメンテナンスモード終了後からの移動距離を意味する。移動距離によれば、凸部34の先端剛性の初期値からのずれが大きくなってきていることを容易に推定することができる。そのため、メンテナンスモードを効果的なタイミングで行うことができ、より確実に、駆動特性を一定範囲Δd内に収めることができる。
【0032】
また、メンテナンスモードは、駆動モードの駆動時間が所定時間Tを超えた場合に行われる。なお、駆動時間は、メンテナンスモードを行うことでリセットされる。つまり、過去にメンテナンスモードが行われている場合は、直前に行ったメンテナンスモード終了後からの駆動時間を意味する。駆動時間によれば、凸部34の先端剛性の初期値からのずれが大きくなってきていることを容易に推定することができる。そのため、メンテナンスモードを効果的なタイミングで行うことができ、より確実に、駆動特性を一定範囲Δd内に収めることができる。
【0033】
また、メンテナンスモードは、駆動モードでのローター2の移動速度が所定速度範囲ΔS外となった場合に行われる。凸部34の先端剛性の高まりによってローター2を送り出す力が低下し、それに起因してローター2の移動速度が初期の移動速度に対して大きく低下する場合がある。反対に、構成によっては、凸部34の先端剛性の高まりによってローター2を送り出す力が増加し、それに起因してローター2の移動速度が初期の移動速度に対して大きく増加する場合もある。そのため、移動速度によれば、凸部34の先端剛性の初期値からのずれが大きくなってきていることを容易に推定することができる。したがって、メンテナンスモードを効果的なタイミングで行うことができ、より確実に、駆動特性を一定範囲Δd内に収めることができる。なお、所定速度範囲ΔSは、例えば、初期の移動速度の上下に幅を持たせた範囲に設定される。
【0034】
また、メンテナンスモードは、ローター2の回転軸Oに加わる負荷(以下、「軸負荷」とも言う。)が所定負荷範囲ΔF外となった場合に行われる。凸部34の先端剛性の高まりによってローター2を送り出す力が低下し、それに起因して軸負荷が初期の軸負荷に対して大きく低下する場合がある。反対に、構成によっては、凸部34の先端剛性の高まりによってローター2を送り出す力が増加し、それに起因して軸負荷が初期の軸負荷に対して大きく増加する場合もある。そのため、軸負荷によれば、凸部34の先端剛性の初期値からのずれが大きくなってきていることを容易に推定することができる。したがって、メンテナンスモードを効果的なタイミングで行うことができ、より確実に、駆動特性を一定範囲Δd内に収めることができる。なお、所定負荷範囲ΔFは、例えば、初期の軸負荷度の上下に幅を持たせた範囲に設定される。
【0035】
次に、振動駆動装置1の制御方法について、図14に示すフローチャートに基づいて説明する。まず、ステップS1として、制御装置9は、駆動モードでのローター2の移動距離が所定距離Dを超えたか否かを判定する。当該判定は、エンコーダーからの出力に基づいて行うことができる。ローター2の移動距離が所定距離Dを超えていない場合、ステップS2として、制御装置9は、駆動モードの駆動時間が所定時間Tを超えたか否かを判定する。駆動時間が所定時間Tを超えていない場合、ステップS3として、制御装置9は、駆動モードでのローター2の移動速度が所定速度範囲ΔS外となったか否かを判定する。当該判定は、エンコーダーからの出力に基づいて行うことができる。ローター2の移動速度が所定速度範囲ΔS内の場合、ステップS4として、制御装置9は、ローター2に加わる軸負荷が所定負荷範囲ΔF外となったか否かを判定する。当該判定は、トルクセンサーからの出力に基づいて行うことができる。軸負荷が所定負荷範囲ΔF内の場合は、ステップS1に戻る。
【0036】
一方、ステップS1においてローター2の移動距離が所定距離Dを超えていた場合、ステップS2において駆動時間が所定時間Tを超えていた場合、ステップS3においてローター2の移動速度が所定速度範囲ΔS外であった場合およびステップS4において軸負荷が所定負荷範囲ΔF外であった場合、ステップS5として、制御装置9は、振動体3が停止しているか否かを判定する。
【0037】
振動体3が停止していない場合、つまり、駆動モードで駆動中である場合、制御装置9は、振動体3が停止するまでステップS5を繰り返す。反対に、振動体3が停止している場合、ステップS6として、制御装置9は、メンテナンスモードで振動体3を所定時間駆動させる。これにより、凸部34の先端部が摩耗して凸部34の先端剛性が低下し、駆動特性が初期の特性に近づく、好ましくは等しくなる。ステップS6の終了後は、再びステップS1に戻る。
【0038】
以上のような制御方法によれば、ローター2の移動距離、移動速度、駆動時間、軸負荷に基づいて、メンテナンスモードを効果的なタイミングで行うことができ、より確実に駆動特性を一定範囲Δd内に収めることができる。
【0039】
なお、上述した制御方法の変形例を図15に示す。同図の制御方法では、ステップS1においてローター2の移動距離が所定距離Dを超えていた場合、ステップS2において駆動時間が所定時間Tを超えていた場合、ステップS3においてローター2の移動速度が所定速度範囲ΔS外であった場合およびステップS4において軸負荷が所定負荷範囲ΔF外であった場合、ステップS5として、制御装置9は、メンテナンスモードの実施が必要であることをユーザーに報知する。次に、ステップS6として、制御装置9は、ユーザーからメンテナンスモードの実施命令を受け付けたか否かを判定する。そして、メンテナンスモードの実施命令を受け付けた場合に、ステップS7として、制御装置9は、メンテナンスモードで振動体3を所定時間駆動させる。
【0040】
このような制御方法によれば、ユーザーがメンテナンスモードの実施タイミングを決定することができるため、意図しないタイミングでメンテナンスモードが行われてしまうことを防止することができる。
【0041】
以上、振動駆動装置1について説明した。このような振動駆動装置1の制御方法は、前述したように、振動部31および振動部31から突出し先端部が先細りしている凸部34を備える振動体3と、凸部34の先端部に接触し凸部34を介して振動部31の駆動力を受ける被駆動体であるローター2と、を有する振動駆動装置1の制御方法であって、凸部34を振動部31の面内方向に振動させる第1モードである駆動モードと、凸部34を振動部31の面外方向に振動させる第2モードであるメンテナンスモードと、を選択して実行する。メンテナンスモードを実行することにより、振動駆動装置1の駆動特性の初期値からのずれを抑制することができ、より確実に、駆動特性を一定範囲Δd内に収めることができる。そのため、安定した駆動特性を発揮することができ、かつ、長寿命の振動駆動装置1となる。また、振動部31の面内方向に振動させて、凸部34が被駆動体を送り出す移動モードを第1モードとし、凸部34を第1モードとは異なる方向に振動させるモードを第2モードとしたとき、前記第2モードを選択して実行することによっても、同様な効果を得ることができる。
【0042】
また、前述したように、駆動モードでは、ローター2が凸部34に送り出させて移動し、メンテナンスモードでは、凸部34がローター2と擦れ合って摩耗する。これにより、メンテナンスモードによって凸部34の先端剛性を低めることができ、駆動モードにおける駆動特性を一定範囲Δd内に収めることができる。
【0043】
また、前述したように、振動部31は、共振モードとして面外方向に振動する面外振動モードを有し、メンテナンスモードでは、面外振動モードの共振周波数fcで振動部31を振動させる。これにより、より確実に、凸部34を面外方向に振動させることができる。
【0044】
また、前述したように、振動部31は、共振モードとして面内で屈曲振動する屈曲振動モードと、面内で伸縮振動する縦振動モードと、を有し、駆動モードでは、屈曲振動モードの共振周波数fbと縦振動モードの共振周波数faとの間の周波数で振動部31を振動させる。これにより、より確実に、凸部34を面内方向に振動させることができる。
【0045】
また、前述したように、振動駆動装置1は、板状の振動部31および振動部31から突出し先端部が先細りしている凸部34を備える振動体3と、凸部34の先端部に接触し凸部34を介して振動部31の駆動力を受ける被駆動体であるローター2と、振動体3の駆動を制御する制御装置9と、を有する。そして、制御装置9は、凸部34を振動部31の面内方向に振動させる第1モードである駆動モードと、凸部34を振動部31の面外方向に振動させる第2モードであるメンテナンスモードと、を選択して実行する。メンテナンスモードを実行することにより、振動駆動装置1の駆動特性の初期値からのずれを抑制することができ、より確実に、駆動特性を一定範囲Δd内に収めることができる。そのため、安定した駆動特性を発揮することができ、かつ、長寿命の振動駆動装置1となる。
【0046】
<第2実施形態>
図16は、第2実施形態に係る振動駆動装置においてメンテナンスモード時に振動体に印加する駆動信号を示す図である。図17は、振動体がメンテナンスモードで駆動している状態を示す平面図である。
【0047】
本実施形態の振動駆動装置1は、メンテナンスモードの励振方法が異なること以外は、前述した第1実施形態と同様である。なお、以下の説明では、本実施形態に関し、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。また、本実施形態の各図において、前述した実施形態と同様の構成については、同一符号を付している。
【0048】
本実施形態のメンテナンスモードでは、図16に示す駆動信号V5を第1圧電素子である圧電素子P12に印加し、駆動信号V5と逆位相の駆動信号V6を第2圧電素子であり、圧電素子P11と重なる圧電素子P22に印加する。これにより、図17に示すように、振動部31の先端部が表面側に反った状態と裏面側に反った状態とが交互に繰り返され、凸部34がZ軸方向に往復振動する。このような方法によっても、メンテナンスモードを容易に励振させることができる。なお、当該方法では、振動部31の共振を利用しなくてもよいため、駆動信号V5、V6の周波数は、特に限定されない。
【0049】
以上のように、本実施形態の振動駆動装置1では、振動部31は、厚さ方向に並んで配置されている第1圧電素子である圧電素子P12および第2圧電素子である圧電素子P22を有する。そして、メンテナンスモードでは、圧電素子P12および圧電素子P22に逆位相の駆動信号V5、V6を印加する。このような方法によれば、凸部34を容易に面外振動させることができる。
【0050】
このような第2実施形態によっても前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。なお、駆動信号V5、V6を印加する圧電素子は、上述したような振動を励振することができれば、特に限定されない。例えば、第1圧電素子としての圧電素子P14、P16に駆動信号V5を印加し、第2圧電素子としての圧電素子P24、P26に駆動信号V6を印加してもよい。
【0051】
<第3実施形態>
図18は、第3実施形態に係るロボットシステムの全体構成図である。
【0052】
図18に示すロボットシステム1000は、ロボット1100と、ロボット1100に装着された移動ステージ1200と、移動ステージ1200に装着された工具1300と、これらの駆動を制御する制御部1400と、を有する。
【0053】
ロボット1100は、6軸ロボットであり、床に固定されたベース1110と、ベース1110に連結されたロボットアーム1120と、を有する。また、ロボットアーム1120は、ベース1110に回動自在に連結された第1アーム1121と、第1アーム1121に回動自在に連結された第2アーム1122と、第2アーム1122に回動自在に連結された第3アーム1123と、第3アーム1123に回動自在に連結された第4アーム1124と、第4アーム1124に回動自在に連結された第5アーム1125と、第5アーム1125に回動自在に連結された第6アーム1126と、を有する。また、第6アーム1126にはハンド接続部が設けられ、ハンド接続部には移動ステージ1200が装着される。
【0054】
また、ロボット1100は、ベース1110と第1アーム1121との関節部に配置され、ベース1110に対して第1アーム1121を回動させる第1アーム回動機構1131と、第1アーム1121と第2アーム1122との関節部に配置され、第1アーム1121に対して第2アーム1122を回動させる第2アーム回動機構1132と、第2アーム1122と第3アーム1123との関節部に配置され、第2アーム1122に対して第3アーム1123を回動させる第3アーム回動機構1133と、第3アーム1123と第4アーム1124との関節部に配置され、第3アーム1123に対して第4アーム1124を回動させる第4アーム回動機構1134と、第4アーム1124と第5アーム1125との関節部に配置され、第4アーム1124に対して第5アーム1125を回動させる第5アーム回動機構1135と、第5アーム1125と第6アーム1126との関節部に配置され、第5アーム1125に対して第6アーム1126を回動させる第6アーム回動機構1136と、を有する。
【0055】
そして、第1~第6アーム回動機構1131~1136の一部または全部には、その動力源として振動駆動装置1が搭載されており、振動駆動装置1の駆動によって対象のアーム1121~1126が回動する。そのため、ロボット1100は、上述した振動駆動装置1の効果を享受することができ、高い信頼性を発揮することができる。
【0056】
移動ステージ1200は、第6アーム1126のハンド接続部に接続された基部1210と、基部1210に対して第1方向Uに移動する第1ステージ1220と、第1ステージ1220に対して第1方向Uと直交する第2方向Vに移動する第2ステージ1230と、基部1210に対して第1ステージ1220を第1方向Uに移動させる第1ステージ移動機構1240と、第1ステージ1220に対して第2ステージ1230を第2方向Vに移動させる第2ステージ移動機構1250と、を有する。
【0057】
そして、第1、第2ステージ移動機構1240、1250の一方または両方には、その動力源として振動駆動装置1が搭載されており、振動駆動装置1の駆動によって対象のステージ1220、1230が移動する。そのため、移動ステージ1200は、上述した振動駆動装置1の効果を享受することができ、高い信頼性を発揮することができる。
【0058】
また、第2ステージ1230には、工具1300が装着されている。工具1300としては、特に限定されず、目的の作業の内容によって異なるが、本実施形態ではインクジェットヘッド1310である。ロボットシステム1000では、インクジェットヘッド1310からインクを吐出することにより、対象物Qに対して印刷作業を行う。前述したように、ロボット1100とインクジェットヘッド1310との間に移動ステージ1200が介在している。そのため、例えば、ロボット1100を停止した状態で、移動ステージ1200によってインクジェットヘッド1310を移動させることができる。これにより、安定した印刷作業を行うことができる。
【0059】
以上のように、本実施形態のロボットシステム1000は、ロボットアーム1120を備えるロボット1100と、ロボットアーム1120に装着されている移動ステージ1200と、移動ステージ1200に装着されている工具1300と、を有し、移動ステージ1200は、振動駆動装置1を備えている。このような構成によれば、上述した振動駆動装置1の効果を享受することができ、高い信頼性を発揮することができるロボットシステム1000となる。
【0060】
このような第3実施形態によっても、前述した第1実施形態と同様の効果を発揮することができる。
【0061】
以上、本発明の振動駆動装置の制御方法、振動駆動装置およびロボットシステムを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に他の任意の構成物または他の任意の工程が付加されていてもよい。また、各実施形態を適宜組み合わせてもよい。また、前述した実施形態では、振動駆動装置をロボットに適用した構成について説明したが、振動駆動装置は、ロボット以外の、駆動力を必要とする各種電子デバイス、例えば、プリンター、プロジェクター等に適用することもできる。
【符号の説明】
【0062】
1…振動駆動装置、2…ローター、3…振動体、31…振動部、32…支持部、33…接続部、331…第1接続部、332…第2接続部、34…凸部、4A…圧電アクチュエーター、4B…圧電アクチュエーター、48…圧電素子層、49…基板、9…制御装置、1000…ロボットシステム、1100…ロボット、1110…ベース、1120…ロボットアーム、1121…第1アーム、1122…第2アーム、1123…第3アーム、1124…第4アーム、1125…第5アーム、1126…第6アーム、1131…第1アーム回動機構、1132…第2アーム回動機構、1133…第3アーム回動機構、1134…第4アーム回動機構、1135…第5アーム回動機構、1136…第6アーム回動機構、1200…移動ステージ、1210…基部、1220…第1ステージ、1230…第2ステージ、1240…第1ステージ移動機構、1250…第2ステージ移動機構、1300…工具、1310…インクジェットヘッド、1400…制御部、D…所定距離、L1…実線、L2…実線、O…回転軸、P11…圧電素子、P12…圧電素子、P13…圧電素子、P14…圧電素子、P15…圧電素子、P16…圧電素子、P17…圧電素子、P21…圧電素子、P22…圧電素子、P23…圧電素子、P24…圧電素子、P25…圧電素子、P26…圧電素子、P27…圧電素子、Q…対象物、S1…ステップ、S2…ステップ、S3…ステップ、S4…ステップ、S5…ステップ、S6…ステップ、S7…ステップ、T…所定時間、U…第1方向、V…第2方向、V1…駆動信号、V2…駆動信号、V3…駆動信号、V4…駆動信号、V5…駆動信号、V6…駆動信号、f1…周波数、f2…周波数、fa…共振周波数、fb…共振周波数、fc…共振周波数、ΔF…所定負荷範囲、ΔS…所定速度範囲、Δd…一定範囲
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
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図18