(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128391
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】ディスク判定システム、ディスク判定方法、温度判定システム、および、温度判定方法
(51)【国際特許分類】
G06F 11/30 20060101AFI20240913BHJP
【FI】
G06F11/30 155
G06F11/30 140M
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037339
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181135
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】都木 新太朗
【テーマコード(参考)】
5B042
【Fターム(参考)】
5B042JJ06
5B042JJ29
5B042MA08
5B042MC22
5B042MC38
(57)【要約】
【課題】適切に判定の基準を設定することができるディスク判定システム、ディスク判定方法、温度判定システム、および、温度判定方法を提供する。
【解決手段】ディスク判定システムは、サーバの構成情報を取得する。ディスク判定システムは、サーバのディスクの空き容量情報を含むサーバの稼働情報を取得する。ディスク判定システムは、あらかじめ設定された設定情報と構成情報からサーバが備えるディスクの標準容量を算出してディスクの空き容量情報が標準容量を満たしているか否かを判定する。ディスク判定システムは、ディスクの空き容量情報がサーバに設定された役割に基づく必要容量を満たしているか否かを判定する。
【選択図】
図17
【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバの構成情報を取得する構成情報取得手段と、
前記サーバのディスクの空き容量情報を含む前記サーバの稼働情報を取得する稼働情報取得手段と、
あらかじめ設定された設定情報と前記構成情報から前記サーバが備えるディスクの標準容量を算出して前記ディスクの空き容量情報が前記標準容量を満たしているか否かを判定するとともに、前記ディスクの空き容量情報が前記サーバに設定された役割に基づく必要容量を満たしているか否かを判定する判定手段と
を備えるディスク判定システム。
【請求項2】
前記判定の結果、少なくとも異常がある場合はその原因や結果を管理者に通知する通知手段を
さらに備える請求項1に記載のディスク判定システム。
【請求項3】
前記標準容量と前記必要容量は、複数の前記サーバを単位として設定される
請求項1または2に記載のディスク判定システム。
【請求項4】
前記標準容量と前記必要容量は、各前記サーバを単位として設定される
請求項1または2に記載のディスク判定システム。
【請求項5】
サーバの構成情報を取得するステップと、
前記サーバのディスクの空き容量情報を含む前記サーバの稼働情報を取得するステップと、
あらかじめ設定された設定情報と前記構成情報から前記サーバが備えるディスクの標準容量を算出して前記ディスクの空き容量情報が前記標準容量を満たしているか否かを判定するとともに、前記ディスクの空き容量情報が前記サーバに設定された役割に基づく必要容量を満たしているか否かを判定するステップと
を含むディスク判定方法。
【請求項6】
サーバの構成情報を取得する構成情報取得手段と、
前記サーバの温度を表す情報を含む前記サーバの稼働情報を取得する稼働情報取得手段と、
前記稼働情報が表す前記温度が、前記構成情報と前記稼働情報とに基づく標準温度を満たしているか否かを判定する判定手段と
を備える温度判定システム。
【請求項7】
前記稼働情報が、前記サーバの温度、電力およびファンの回転数を表す情報を含み、
前記判定手段が、前記稼働情報が表す前記温度、前記電力および前記ファンの回転数が、前記構成情報と前記稼働情報とに基づく前記標準温度、標準電力および標準回転数を満たしているか否かを判定する
請求項6に記載の温度判定システム。
【請求項8】
前記構成情報が、さらに、前記サーバの搭載位置を表す情報を含み、
前記標準温度が、前記サーバの搭載位置に基づいて異なる値に設定される
請求項7に記載の温度判定システム。
【請求項9】
前記判定の結果、少なくとも異常がある場合はその原因や結果を管理者に通知する通知手段を
さらに備える請求項8に記載の温度判定システム。
【請求項10】
サーバの構成情報を取得するステップと、
前記サーバの温度を表す情報を含む前記サーバの稼働情報を取得するステップと、
前記稼働情報が表す前記温度が、前記構成情報と前記稼働情報とに基づく標準温度を満たしているか否かを判定するステップと
を含む温度判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ディスク判定システム、ディスク判定方法、温度判定システム、および、温度判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、仮想演算部の生成と破棄が短期間で繰り返される場合でも性能劣化の予兆を検知できるようにすることを目的とした管理計算機が記載されている。特許文献1に記載されている管理計算機は、一つ以上の計算機とその計算機に仮想的に設けられる一つ以上の仮想演算部とを含む情報システムの性能劣化の予兆を検知して管理する。この管理計算機は、稼働情報取得部と、基準値生成部と、検知部とを備える。稼働情報取得部は、仮想演算部の数を自動的に調整するオートスケールの管理単位であるオートスケールグループに属する全ての仮想演算部から稼働情報(CPU利用量、メモリ利用量、ネットワーク利用量、IO利用量)を取得する。基準値生成部は、稼働情報取得部が取得した各稼働情報から、オートスケールグループ毎に、性能劣化の予兆を検知するための基準値を生成する。そして、検知部は、基準値生成部が生成した基準値と稼働情報取得部が取得した仮想演算部の稼働情報とから、各仮想演算部の性能劣化の予兆を検知する。
【0003】
また、特許文献2には、ソフトウェアを更新する際に、複数のサーバ装置の稼働実績を基にハードウェアの構成に適合するソフトウェアを決定することを目的とした計算機システムが記載されている。特許文献2に記載されている計算機システムは、データを処理する複数のサーバ装置と、各サーバ装置とネットワークを介して情報の授受を行って各サーバ装置を管理する管理サーバとを有する。管理サーバは、各サーバ装置から、各サーバ装置に搭載されたソフトウェアのソフトウェア構成を示すソフトウェア構成情報と、各サーバ装置のハードウェア構成を示すハードウェア構成情報、および、各サーバ装置の稼働実績を示す稼働実績情報(稼働時間、計画外停止数、起動日時)を取得する。そして、管理サーバは、各取得した情報を基に各サーバ装置の稼働実績を管理するためのサーバ稼働実績情報を生成して保持する。さらに、管理サーバは、複数のサーバ装置のうちソフトウェア構成決定要求を発行する要求元サーバ装置から、ソフトウェア構成決定要求を受信した場合、保持したサーバ稼働実績情報を基に要求元サーバ装置のハードウェア構成に適合するソフトウェア構成情報を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2017/168484号
【特許文献2】国際公開第2012/157023号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述したように、特許文献1に記載されている管理計算機では、稼働情報と比較される基準値が、オートスケールグループ毎の稼働情報に基づいて生成される。また、特許文献2に記載されている計算機システムでは、一定時間にわたる各サーバ装置の稼働実績を示す稼働実績情報等に基づくサーバ稼働実績情報を基に要求元サーバ装置のハードウェア構成に適合するソフトウェア構成情報が決定される。この場合、特許文献1および特許文献2において判定の基準となる情報は、いずれも、統計的に取得されたサーバの稼働情報に基づいて設定されることになる。このため、例えば、収集された稼働情報が不足しているというような場合に基準となる情報を適切に設定できないおそれがあるという課題があった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、適切に判定の基準を設定することができるディスク判定システム、ディスク判定方法、温度判定システム、および、温度判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、サーバの構成情報を取得する構成情報取得手段と、前記サーバのディスクの空き容量情報を含む前記サーバの稼働情報を取得する稼働情報取得手段と、あらかじめ設定された設定情報と前記構成情報から前記サーバが備えるディスクの標準容量を算出して前記ディスクの空き容量情報が前記標準容量を満たしているか否かを判定するとともに、前記ディスクの空き容量情報が前記サーバに設定された役割に基づく必要容量を満たしているか否かを判定する判定手段とを備えるディスク判定システムである。
【0008】
また、本発明の一態様は、サーバの構成情報を取得するステップと、前記サーバのディスクの空き容量情報を含む前記サーバの稼働情報を取得するステップと、あらかじめ設定された設定情報と前記構成情報から前記サーバが備えるディスクの標準容量を算出して前記ディスクの空き容量情報が前記標準容量を満たしているか否かを判定するとともに、前記ディスクの空き容量情報が前記サーバに設定された役割に基づく必要容量を満たしているか否かを判定するステップとを含むディスク判定方法である。
【0009】
また、本発明の一態様は、サーバの構成情報を取得する構成情報取得手段と、前記サーバの温度を表す情報を含む前記サーバの稼働情報を取得する稼働情報取得手段と、前記稼働情報が表す前記温度が、前記構成情報と前記稼働情報とに基づく標準温度を満たしているか否かを判定する判定手段とを備える温度判定システムである。
【0010】
また、本発明の一態様は、サーバの構成情報を取得するステップと、前記サーバの温度を表す情報を含む前記サーバの稼働情報を取得するステップと、前記稼働情報が表す前記温度が、前記構成情報と前記稼働情報とに基づく標準温度を満たしているか否かを判定するステップとを含む温度判定方法である。
【発明の効果】
【0011】
本発明のディスク判定システム、ディスク判定方法、温度判定システム、および、温度判定方法によれば、適切に判定の基準を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】
図1に示すシステム製品100の構成例を示すブロック図である。
【
図3】
図1に示すデータベースサーバ200の構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図3に示すシステム構成情報テーブル2320の構成例を示す模式図である。
【
図5】
図3に示すソフトウェア情報2321の構成例を示す模式図である。
【
図6】
図3に示すハードウェア情報2322の構成例を示す模式図である。
【
図7】
図3に示す設定情報2323の構成例を示す模式図である。
【
図8】
図3に示す仮想マシン情報2324の構成例を示す模式図である。
【
図9】
図3に示すシステム稼働情報テーブル2420の構成例を示す模式図である。
【
図10】本発明の第1実施形態に係る判定部の構成例を示すブロック図である。
【
図11】
図12とともに本発明の第1実施形態に係る情報処理システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図12】
図11とともに本発明の第1実施形態に係る情報処理システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図13】本発明の第1実施形態に係る情報処理システムの動作例を示す模式図である。
【
図14】本発明の第2実施形態に係る判定部の構成例を示すブロック図である。
【
図15】
図16とともに本発明の第2実施形態に係る情報処理システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図16】
図15とともに本発明の第2実施形態に係る情報処理システムの動作例を示すフローチャートである。
【
図17】本発明の第1実施形態に係る構成の最小構成例を示すブロック図である。
【
図18】本発明の第1実施形態に係る動作の最小構成例を示すフローチャートである。
【
図19】本発明の第2実施形態に係る構成の最小構成例を示すブロック図である。
【
図20】本発明の第2実施形態に係る動作の最小構成例を示すフローチャートである。
【
図21】本発明の実施形態に係るコンピュータの基本的構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
図2は、
図1に示すシステム製品100の構成例を示すブロック図である。
図3は、
図1に示すデータベースサーバ200の構成例を示すブロック図である。
図4は、
図3に示すシステム構成情報テーブル2320の構成例を示す模式図である。
図5は、
図3に示すソフトウェア情報2321の構成例を示す模式図である。
図6は、
図3に示すハードウェア情報2322の構成例を示す模式図である。
図7は、
図3に示す設定情報2323の構成例を示す模式図である。
図8は、
図3に示す仮想マシン情報2324の構成例を示す模式図である。
図9は、
図3に示すシステム稼働情報テーブル2420の構成例を示す模式図である。
図10は、本発明の第1実施形態に係る判定部の構成例を示すブロック図である。
図11は、
図12とともに本発明の第1実施形態に係る情報処理システムの動作例を示すフローチャートである。
図12は、
図11とともに本発明の第1実施形態に係る情報処理システムの動作例を示すフローチャートである。
図13は、本発明の第1実施形態に係る情報処理システムの動作例を示す模式図である。
図14は、本発明の第2実施形態に係る判定部の構成例を示すブロック図である。
図15は、
図16とともに本発明の第2実施形態に係る情報処理システムの動作例を示すフローチャートである。
図16は、
図15とともに本発明の第2実施形態に係る情報処理システムの動作例を示すフローチャートである。
図17は、本発明の第1実施形態に係る構成の最小構成例を示すブロック図である。
図18は、本発明の第1実施形態に係る動作の最小構成例を示すフローチャートである。
図19は、本発明の第2実施形態に係る構成の最小構成例を示すブロック図である。
図20は、本発明の第2実施形態に係る動作の最小構成例を示すフローチャートである。
図21は、本発明の実施形態に係るコンピュータの基本的構成例を示すブロック図である。なお、各図において同一または対応する構成には同一の符号を用いて説明を適宜省略する。
【0014】
[第1実施形態]
(情報処理システム400の構成)
図1に示すように、本発明の第1実施形態に係る情報処理システム400は、システム製品100と、データベースサーバ200と、システム製品100とデータベースサーバ200との間を通信接続する通信回線500とを備える。システム製品100は、複数のサーバを含む複数のハードウェアと、複数のソフトウェアとで構成された装置である。情報処理システム400では、データベースサーバ200において、システム製品100が期待通りに稼働しているかどうかが確認される。
【0015】
(システム製品100の構成)
図2に示すように、
図1に示すシステム製品(以下、単にシステムともいう)100は、例えば、コンピュータであるサーバ1と、2台以上のサーバ2を備えている。サーバの最大数は特に制限しない。サーバ1と複数のサーバ2は、例えば、ラックマウント型サーバであり、1または複数のサーバラックに格納される。
【0016】
(サーバ1の構成)
図2に示すように、サーバ1は、計算機C11を備える。また、サーバ1は、計算機C11を用いてハードウェアとソフトウェアとの組み合わせから構成される機能的構成C10を備える。機能的構成C10は、管理用仮想マシン120、採取ツール130、送受信部140、および、報知部150を備える。
【0017】
サーバ1では、管理用仮想マシン120が動作しており、管理用仮想マシン120上で、採取ツール130と、送受信部140と、報知部150とが構成されている。採取ツール130は、システム製品100の情報(「構成情報」および「稼働情報」)を取得する。送受信部140は、取得した情報を送信したり、所定の情報を受信したりする。報知部150は、受信した所定の情報に基づき、所定の情報を報知する。ここで、「構成情報」は、サーバ1のハードウェア構成とソフトウェア構成を表す情報である。「稼働情報は」、サーバ1の稼働状態を表す情報である。具体例については後述する。
【0018】
計算機C11は、CPU1110、メモリ1120、ディスク(ハードディスク等の補助記憶装置)1130、電源(1)1160、ファン(冷却ファン)(1)1170などコンピュータとして機能するために必要なハードウェアを備えている。また、計算機C11は、採取ツール130が取得可能な情報として、サーバ1の搭載箇所情報(1)(
図2では「搭載箇所(1)」と表記)D001を備えている。計算機C11は、さらに、コンピュータとして機能したり、システム製品として機能したりするために必要なソフトウェア(ソフトウェア1140、ソフトウェア1150など)を備えている。また、計算機C11には、サーバ1が機能するために必要なさまざまな設定(設定(1)D011、設定(2)D012、設定(10)D013、設定(20)D014など)が施されている。
【0019】
なお、上述した「構成情報」は、CPU1110、メモリ1120、ディスク1130、電源(1)1160、ファン(1)1170、管理用仮想マシン120、ソフトウェア1140、ソフトウェア1150、搭載箇所情報(1)D001、設定(1)D011、設定(2)D012、設定(10)D013、設定(20)D014に関する、名称、型番、スペック(仕様)、数量、位置、設定内容、バージョン、役割などを表す情報を含む。
【0020】
また、サーバ1は、計算機C11、または、サーバ1内の図示していない計算機C11とは別のコンピュータを用いて、稼働情報D10を定期的に取得し、保持する機能を有する。稼働情報D10は、例えば、情報D11~D16を含む。情報D11は、CPU1110の使用率を表す。情報D12は、メモリ1120の使用率や使用量を表す。情報D13は、ディスク1130の使用率、使用容量、空き容量などを表す。情報D14は、電源(1)1160の消費電力、消費電力量などを表す。情報D15は、ファン(1)1170の回転数(回転速度)、風速などを表す。情報D16は、サーバ1内の1または複数箇所の温度を表す。
【0021】
(サーバ2の構成)
図2に示すように、各サーバ2は、計算機C21を備える。また、サーバ2は、計算機C21を用いてハードウェアとソフトウェアとの組み合わせから構成される機能的構成C20を備える。機能的構成C20は、仮想マシン2210、仮想マシン2220、仮想マシン2211、仮想マシン2221などの複数の仮想マシンを備える。
【0022】
計算機C21は、CPU1210、メモリ1220、ディスク1230、電源(2)1260、ファン(2)1270などコンピュータとして機能するために必要なハードウェアを備えている。また、計算機C21は、採取ツール130が取得可能な情報として、サーバ2の搭載箇所情報(2)(
図2では「搭載箇所(2)」と表記)D002を備えている。計算機C21は、さらに、コンピュータとして機能したり、システム製品として機能したりするために必要なソフトウェア(ソフトウェア1240、ソフトウェア1250など)を備えている。また、計算機C21には、サーバ2が機能するために必要なさまざまな設定(設定(3)D021、設定(4)D022、設定(30)D023、設定(40)D024など)が施されている。
【0023】
なお、上述した「構成情報」は、CPU1210、メモリ1220、ディスク1230、電源(2)1260、ファン(2)1270、仮想マシン2210、仮想マシン2220、仮想マシン2211、仮想マシン2221、ソフトウェア1240、ソフトウェア1250、搭載箇所情報(2)D002、設定(3)D021、設定(4)D022、設定(30)D023、設定(40)D024に関する、名称、型番、スペック、数量、位置、設定内容、バージョン、役割などを表す情報を含む。
【0024】
また、サーバ2は、計算機C21、または、サーバ2内の図示していない計算機C21とは別のコンピュータを用いて、稼働情報D20を定期的に取得し、保持する機能を有する。稼働情報D20は、例えば、情報D21~D26を含む。情報D21は、CPU1210の使用率を表す。情報D22は、メモリ1220の使用率や使用量を表す。情報D23は、ディスク1230の使用率、使用容量、空き容量などを表す。情報D24は、電源(2)1260の消費電力、消費電力量などを表す。情報D25は、ファン(2)1270の回転数、風速などを表す。情報D26は、サーバ2内の1または複数箇所の温度を表す。
【0025】
(データベースサーバ200の構成)
図3に示すように、データベースサーバ200は、機能的構成として、送受信部210と、情報処理部220と、データベース230と、データベース240とを備える。送受信部210は、システム製品100との間で所定の情報を送受信する。
【0026】
情報処理部220は、機能的構成として、構成情報取得部221、稼働情報取得部222、判定部223、および、通知部224を含む。構成情報取得部221は、システム製品100から、システム製品100の「構成情報」を取得する。稼働情報取得部222は、システム製品100から、システム製品100の「稼働情報」を取得する。
【0027】
判定部223は、「稼働情報」との比較対象となる判定の基準値を「構成情報」に基づいて算出するとともに、「稼働情報」が算出した基準値を満たしているか否かを判定する。あるいは、判定部223は、「稼働情報」との比較対象となる判定の基準値を「構成情報」と「稼働情報」に基づいて算出するとともに、「稼働情報」が算出した基準値を満たしているか否かを判定する。なお、後者の場合、すなわち、「稼働情報」(稼働情報Aとする)の判定の基準値を「構成情報」と「稼働情報」(稼働情報Bとする)に基づいて算出する場合、稼働情報Aと稼働情報Bは同一のタイミングで取得された同一の稼働情報である。ただし、稼働情報(AおよびB)が含む複数の要素のうち、稼働情報Aが含む要素と、稼働情報Bが含む要素は通常、異なる。また、基準値は、一定の幅を有して算出あるいは設定することができる。
【0028】
通知部224は、判定部223による判定の結果、少なくとも異常がある場合はその原因や結果を所定の管理者に通知する。通知部224による通知の仕方に限定はなく、例えば、管理者が使用する端末やアカウントへの所定の情報の送信、その端末での所定の情報の表示や合成音声等による出力等とすることができる。また、異常がある場合とは、判定部223が基準値を満たしていないと判定した場合に対応する。また、結果は、例えば、基準値を満たしていないと判定された項目と、基準値および基準値との差を表す情報などとすることができる。また、原因は、例えば、結果に基づいて推定される原因を表す情報とすることができる。なお、「原因や結果」という表現は、「原因」と「結果」の少なくとも一方という意味である。また、「少なくとも異常がある場合」の意味は、異常がある場合、または、異常の有無にかかわらず、という意味である。
【0029】
データベース230は、システム構成情報テーブル2320を保有する。システム構成情報テーブル2320は、ソフトウェア情報2321、ハードウェア情報2322、設定情報2323、仮想マシン情報2324などのシステムとしての情報を保有している。ここで、設定情報2323は、システムの設定内容を表す情報である。
図4は、システム構成情報テーブル2320の構成例(概要)を示す。
【0030】
図4に示すシステム構成情報テーブル2320では、ソフトウェア情報2321が、ソフトウェア名称と、ソフトウェアバージョンと、ソフトウェアパッチ(ソフトウェア修正プログラム)とを表す情報を含む。ハードウェア情報2322は、ハードウェア構成および数量と、ハードウェア型番と、ハードウェアスペックとを表す情報を含む。設定情報2323は、設定名称と、設定項目と、設定の定義とを表す情報を含む。そして、仮想マシン情報2324は、仮想マシンの名称と、仮想マシンの役割とを表す情報を含む。なお、仮想マシンの役割とは、例えば、Webサーバ、データベースサーバ、メールサーバなどのサーバの種類で表される。
【0031】
図5は、ソフトウェア情報2321の構成例を示す。
図5に示すソフトウェア情報2321は、使用しているソフトウェアのバージョンおよびパッチにおいて標準的なCPU、メモリ、およびディスクのリソース使用量情報(標準使用量)を保有している。例えば、ソフトウェア(1)について、バージョン(1)およびパッチ(1)の場合はCPU使用量A、メモリ使用量A、ディスク使用量A、…であり、バージョン(2)およびパッチ(2)の場合はCPU使用量B、メモリ使用量B、ディスク使用量B、…である。
【0032】
図6は、ハードウェア情報2322の構成例を示す。
図6に示すハードウェア情報2322は、システムを構成するCPU、メモリ、ディスクなどの型番とスペックなどをリンクさせる情報を保有している。
図6に示すハードウェア情報2322は、例えば、型番(1)のCPUのコア数、周波数、…を表す情報を含む。また、
図6に示すハードウェア情報2322は、例えば、型番(1)のメモリの最大容量、推奨容量、…を表す情報を含む。また、
図6に示すハードウェア情報2322は、型番(1)のディスクの最大容量、最大I/O(Input/Output)、推奨容量、推奨I/O、…を表す情報を含む。また、
図6に示すハードウェア情報2322は、型番(1)の電源の最大電力、推奨電力、…を表す情報、型番(1)のファンの最大回転数、推奨回転数、…を表す情報、位置(1)、位置(2)、…の搭載位置の高さ、左右等他サーバとの相対的な位置関係、…を表す情報などを含む。
【0033】
図7は、設定情報2323の構成例を示す。
図7に示す設定情報2323は、各部品のスペックを、システムとして組み合わせた際のスペックに変換するための情報を保有している。
図7に示す設定情報2323は、例えば、設定情報が「設定(1)」である場合に、可用性レベルが「1」であり、かつ、障害許容度(障害許容レベル)が「1」であり、使用可能な容量割合が「A」であることを表す情報を含む。また、
図7に示す設定情報2323は、例えば、設定情報が「設定(2)」である場合に、可用性レベルが「2」であり、かつ、障害許容度が「2」であり、使用可能な容量割合が「B」であることを表す情報を含む。
【0034】
図8は、仮想マシン情報2324の構成例を示す。
図8に示す仮想マシン情報2324は、仮想マシンの役割に応じた、標準的なCPU、メモリ、ディスクの使用量情報を保有している。
図8に示す仮想マシン情報2324は、仮想マシン(1)の役割が「役割(1)」であり、リソースの標準使用量が「CPU使用量A、メモリ使用量A、ディスク使用量A、…」であることを表す情報を含む。また、
図8に示す仮想マシン情報2324は、仮想マシン(2)の役割が「役割(2)」であり、リソースの標準使用量が「CPU使用量B、メモリ使用量B、ディスク使用量B、…」であることを表す情報を含む。
【0035】
図9は、データベース240が保有するシステム稼働情報テーブル2420の構成例を示す。システム稼働情報テーブル2420は、例えば、「稼働情報」に対して比較対象となる判定の基準値の「構成情報」に基づく算出の仕方を表す情報、既に算出した基準値と「構成情報」との対応関係を示す情報、予め所定の「構成情報」に対応させて算出した基準値を表す情報、上述した判定部223による判定結果を表す情報などを保有する。システム稼働情報テーブル2420は、例えば、システム単位、サーバ単位、個々の部品単位で、基準値を表す情報などを記憶する。判定部223は、システム稼働情報テーブル2420内に、構成情報取得部221が取得した「構成情報」と同一の「構成情報」に基づき既に算出された基準値が含まれている場合には、その基準値を用いて判定を行い、その結果をシステム稼働情報テーブル2420に登録する。一方、同一の「構成情報」に基づき算出された基準値が含まれていない場合、判定部223は、システム稼働情報テーブル2420内の基準値の「構成情報」に基づく算出の仕方を表す情報に基づき、新たに基準値を算出し、その基準値を用いて判定を行い、その結果をシステム稼働情報テーブル2420に登録する。また、判定部223は、新たに算出した基準値と、算出の際に用いた「構成情報」とを対応付けて、システム稼働情報テーブル2420に登録する。
【0036】
なお、システム稼働情報テーブル2420が保有する基準となる情報は、システムの役割毎の最小構成における必要な構成、リソース、発生する負荷、性能等を表す情報である。これらの情報は、現行のシステムから取得したり、提供ベンダからの情報提供による情報としたり、新たにシステムの役割や構成を定義して測定する等の手段であらかじめ用意することができる。
【0037】
図9に示すシステム稼働情報テーブル2420は、例えば、CPUとメモリについて、「構成情報」に応じた標準使用率の算出の仕方と、算出した標準使用率を表す情報を記憶する。標準使用率は、例えば、構成ソフトウェアとしてソフトウェアSW1およびSW2が構成されている場合、ソフトウェアSW1およびSW2のCPU使用量がシステムリソースから引かれる。すなわち、システムとして使用可能なリソースは、(システムリソース)から(構成ソフトウェアで使用するリソース)を減じた値となる。
【0038】
また、
図9に示すシステム稼働情報テーブル2420は、ディスクについて、「構成情報」に応じた標準容量の算出の仕方と、算出した標準容量を表す情報を記憶する。標準容量は、(容量)×(台数)×(設定による使用可能割合)の計算式で、例えば、100GB×5台×50%=250GB、と算出される。
【0039】
また、
図9に示すシステム稼働情報テーブル2420は、電源について、構成および負荷に応じた標準消費電力を表す情報を保有する。
【0040】
また、
図9に示すシステム稼働情報テーブル2420は、ファンについて、構成および負荷に応じた標準温度と回転数を表す情報を保有する。
【0041】
なお、標準使用率、標準容量、標準消費電力、標準温度、後述する必要容量は、判定部223が比較の基準として用いる上述した基準値の例である。標準使用率、標準容量、標準消費電力、標準温度、必要容量は、一定の範囲を有する値で定義される。
【0042】
(第1実施形態における判定部223の構成)
図10は、第1実施形態における判定部223の構成例を示す。第1実施形態では、判定の対象をディスクに限定し、判定部223が、ディスクに関する基準値を満たしているか否かを判定する。
図10に示す判定部223は、標準容量判定部2231と、必要容量判定部2232とを備える。
【0043】
標準容量判定部2231は、あらかじめ設定された設定情報と「構成情報」からサーバ1および2が備えるディスク1130および1230の標準容量を算出して、ディスク1130および1230の空き容量情報が標準容量を満たしているか否かを判定する。
【0044】
必要容量判定部2232は、ディスク1130および1230の空き容量情報がサーバ1および2に設定された役割に基づく必要容量を満たしているか否かを判定する。
【0045】
(情報処理システム400の動作例)
以下、
図11および
図12に示すフローチャートと、比較および判定の対象の具体例を示す
図13を参照して、情報処理システム400の動作例について説明する。
図11および
図12に示すように、システム製品100は、一定時間毎等で、サーバ1内の管理用仮想マシン120の採取ツール130で、サーバ1および複数のサーバ2の「構成情報」と「稼働情報」を取得し、送受信部140が、外部のデータベースサーバ200へ送信する(ステップS11)。なお、
図11の結合子C1が
図12の結合子C1と接続し、
図11の結合子C2が
図12の結合子C2と接続する。
【0046】
一方、データベースサーバ200では、送受信部210が、「構成情報」および「稼働情報」を受信する(ステップS12)。ステップS12では、構成情報取得部221が、サーバ1および複数のサーバ2の「構成情報」を取得し、稼働情報取得部222が、サーバ1および複数のサーバ2のディスクの空き容量情報を含むサーバ1および複数のサーバ2の「稼働情報」を取得する。この場合、「構成情報」は、サーバ1および複数のサーバ2のディスクの構成情報を含む。
【0047】
次に、情報処理部220の判定部223にて、標準容量判定部2231が、「構成情報」とデータベース230、および、データベース240より、基準となる標準容量を決定する(ステップS13)。ステップS13では、例えば、「構成情報」より、サーバ2台、ディスク型番1が各5台、計10台実装、設定(1)が得られた場合、データベース230より、ディスク型番1の容量は100GB、設定(1)の有効容量は1/2を得て、データベース240より、サーバ2台×ディスク5台×100GB×設定情報(1/2)=500GBが基準となる標準容量と決定される。
【0048】
次に、標準容量判定部2231が、標準容量と、「稼働情報」で取得したシステム容量を比較する(ステップS14)。標準容量と、「稼働情報」で取得したシステム容量とが同じ場合(ステップS15:同じ)、必要容量判定部2232が、システム上で稼働する各仮想マシンに対してシステムの実容量が十分かどうかの確認を実施する(ステップS15)。標準容量と、「稼働情報」で取得したシステム容量とが違う場合(ステップS15:違う)、標準容量判定部2231が容量異常であると判定する(ステップS16)。
【0049】
ステップS15の後、情報処理部220の必要容量判定部2232が、「構成情報」とデータベース230およびデータベース240より、各仮想マシンの役割に応じた標準容量から、基準となる必要容量を決定する(
図12のステップS17)。ステップS17では、例えば、「構成情報」より、サーバ2台、仮想マシンが各2台、計4台、2台がWebサーバ、2台がファイルサーバ、が得られた場合、データベース230より、標準使用容量が、Webサーバ10GB、ファイルサーバ100GBを得て、データベース240より、システムとして必要な容量がWebサーバ10GB×2台+ファイルサーバ100GB×2台=220GBと決定される。
【0050】
次に、必要容量判定部2232が、「稼働情報」で取得したシステム容量が、システムとして必要な容量(必要容量)より大きいか否かを判定する(ステップS18)。「稼働情報」で取得したシステム容量が、システムとして必要な容量(必要容量)以下の場合(ステップS18:No)、必要容量判定部2232が容量異常であると判定する(ステップS20)。
【0051】
システムとして必要な容量(必要容量)より大きい場合(ステップS18:Yes)、ステップS20で容量異常と判定された場合、または、ステップS16で容量異常と判定された場合、必要容量判定部2232または標準容量判定部2231が、判定結果をデータベース240に格納する(ステップS19)。
【0052】
情報処理部220は、ステップS12~S19の処理を繰り返し実行し、全ノード共通/管理ノード/クラスタノードの比較結果をデータベースサーバ200の送受信部210から受信先システムへ送信するとともに、かつ、例えば異常と判定された事象について通知部224から管理者へ原因や結果を通知する(ステップS21)。次に、システム製品100の送受信部140が比較結果や通知を受信する(ステップS22)。
【0053】
以上のように、第1実施形態の情報処理システム400では、データベースサーバ200が、システム製品100のディスクの型番と台数、設定、仮想マシン等の「構成情報」を取得し、基準情報となる、標準的なシステム容量(標準容量)と、実際のシステムとして得られているディスク容量(稼働情報)の比較を実施する。その際、基準となる標準的なシステムの論理容量は、実システムの物理情報(構成情報)に応じて補正される。構成情報に応じた基準的な容量(標準容量)がシステム上でも得られていれば、期待通りの稼働と判断することができる。仮に単体サーバとして構成に応じた容量が得られていたとしても、何か問題あり、システムとして期待通りの容量が得られていなかったケースの検出も可能となる。続けて、システム上で稼働する各仮想マシンに応じた基準となる必要容量と、実際のシステム容量の比較を行い、システムとして各仮想マシンが稼働可能な容量を保持しているかの判定を行う。一連の比較により、システム製品が期待通りに問題なく稼働しているかどうかの自動確認が可能となる。
【0054】
また、
図13に示すように、例えば、「構成情報」から、サーバ2台、ディスク型番1がそれぞれに各5台、計10台実装、設定(1)という情報が取得された場合、データベースサーバ200にて、ディスク型番1の容量は100GB、設定(1)の有効容量は1/2となり、データベースサーバ200内でシステムとしての基準容量(標準容量)は、サーバ台数(2台)×ディスク台数(5台)×容量(100GB)×設定(1/2)=500GBとなる。実際のシステムとしても500GB得られていれば期待通りとなる。続けて、システム上の各仮想マシンも、「構成情報」より、サーバ2台、仮想マシンが各2台、計4台、役割として2台Webサーバ、2台ファイルサーバ、データベースサーバより、基準となる必要容量は、Webサーバ10GB×2台+ファイルサーバ100GB×2台=220GBとなる。取得したシステム容量が500GBであれば、必要容量の220GBを超えているため、問題なしと判定される。システムとして全ての仮想マシン情報を取得し、比較することで期待通りに問題なく稼働するかどうかの自動確認が可能となる。
【0055】
(第1実施形態の作用・効果等)
以上のように、本発明の第1実施形態に係る情報処理システム400(本発明のディスク判定システムの一構成例)は、構成情報取得部221(本発明の構成情報取得手段の一構成例)と、稼働情報取得部222(本発明の稼働情報取得手段の一構成例)と、判定部223(本発明の判定手段の一構成例)とを備える。構成情報取得部221は、情報処理システム400内のサーバの構成情報を取得する。稼働情報取得部222は、情報処理システム400内のサーバのディスクの空き容量情報を含むサーバの稼働情報を取得する。そして、判定部223は、あらかじめ設定された設定情報と構成情報からサーバ1および2が備えるディスクの標準容量を算出してディスクの空き容量情報が標準容量を満たしているか否かを判定するとともに、ディスクの空き容量情報がサーバに設定された役割に基づく必要容量を満たしているか否かを判定する。この構成によれば、判定の基準となる標準容量が、あらかじめ設定された設定情報と構成情報に基づいて決定される。また、判定の基準となる必要容量が、サーバに設定された役割に基づいて決定される。この場合、基準となる値は、稼働情報に依らずに決定することができる。よって、本実施形態によれば、適切に判定の基準を設定することができる。
【0056】
また、本実施形態の情報処理システム400は、判定部223による判定の結果、少なくとも異常がある場合はその原因や結果を管理者に通知する通知部224(本発明の通知手段の一構成例)を備える。この構成によれば、異常がある場合はその原因や結果を管理者に通知することができる。
【0057】
なお、標準容量と必要容量は、情報処理システム400内の複数のサーバを単位として設定されてもよいし、各サーバを単位として設定されてもよい。また、設定情報は、ディスクの使用可能割合を表し、さらに、可用性レベルまたは障害許容度の要求レベルの少なくとも一方に基づく情報とすることができる。
【0058】
ここで、本実施形態と異なり、稼働情報に基づいて基準値を設定する場合を考える。例えば、稼働済のシステムに対して、ディスクを追加増設したケースを考える。このケースにおいて、物理的にディスクを追加したが、何か問題があり、システムとして論理容量が増えていなかった場合を想定する。この場合に、稼働情報に基づいて基準値を設定していたとすると、追加後の期待値と異なった値の容量でも、元々設定されていた閾値には達していないときに(空き容量が閾値未満となっていないときに)、問題なしと判断されることが想定される。これに対し、本実施形態では、システム製品のシステム構成情報と、システム稼働情報を収集し、外部のデータベースに保持する基準となる情報(構成情報、役割、負荷に応じた検証済の標準性能情報)とシステム稼働情報を比較する。したがって、システム製品が期待通りに稼働しているかどうかの自動判定が可能となる。例えば、システム製品の構成情報と稼働情報に矛盾がないかを、一定時間毎等で自動監視することで、システム製品が期待通りに稼働しているかどうかを判断することができる。
【0059】
[第2実施形態]
図14~
図16を参照して、本発明に係る第2実施形態について説明する。第2実施形態は、第1実施形態と比較して、判定部223の構成の一部と動作の一部とが異なる。その他の構成および動作については、第2実施形態と第1実施形態とで同一である。以下、第1実施形態と異なる部分について、第2実施形態について説明する。
【0060】
(構成)
図14は、第2実施形態における
図3に示す判定部223(
図14では判定部223aとして示す)の構成例を示す。第2実施形態では、判定の対象を温度に関連する情報に限定し、判定部223aが、温度等に関する基準値を満たしているか否かを判定する。
図14に示す判定部223aは、標準温度判定部2233を備える。
【0061】
標準温度判定部2233は、「稼働情報」が表す温度が、「構成情報」と「稼働情報」に基づく「標準温度」を満たしているか否かを判定する。あるいは、標準温度判定部2233は、「稼働情報」が表す温度、電力(消費電力)およびファンの回転数が、「構成情報」に基づく「標準温度」、「標準電力」および「標準回転数」を満たしているか否かを判定する。なお、「構成情報」は、例えば、サーバの搭載位置を表す情報を含み、標準温度は、サーバの搭載位置に基づいて異なる値に設定される。なお、「標準電力」を満たしているか否かの判定と「標準回転数」を満たしているか否かの判定については、両方または一方を省略してもよい。なお、以下では、標準温度判定部2233が、「稼働情報」が表す温度、電力およびファンの回転数が、「構成情報」と「稼働情報」に基づく「標準温度」、「標準電力」および「標準回転数」を満たしているか否かを判定する場合を例として動作例について説明する。
【0062】
(動作例)
以下、
図15および
図16に示すフローチャートを参照して、第2実施形態の情報処理システム400の動作例について説明する。
図15および
図16に示すように、システム製品100は、一定時間毎等で、サーバ1内の管理用仮想マシン120の採取ツール130で、サーバ1および複数のサーバ2の「構成情報」と「稼働情報」を取得し、送受信部140が、外部のデータベースサーバ200へ送信する(ステップS31)。なお、
図5の結合子C3が
図16の結合子C3と接続する。
【0063】
一方、データベースサーバ200では、送受信部210が、「構成情報」および「稼働情報」を受信する(ステップS32)。ステップS32では、構成情報取得部221が、サーバ1および複数のサーバ2の「構成情報」を取得し、稼働情報取得部222が、サーバ1および複数のサーバ2の温度、電力およびファンの回転数を表す情報を含むサーバ1および複数のサーバ2の「稼働情報」を取得する。次に、情報処理部220の判定部223aにて、標準温度判定部2233が、「構成情報」と、「稼働情報」と、データベース230、および、データベース240より、基準となる標準温度、標準電力、および、標準回転数を決定する(ステップS33)。ステップS33では、例えば、「構成情報」より、サーバ3台、ラック搭載Aサーバ3台、ラックで縦3段で搭載という情報が取得され、「稼働情報」より、CPU使用率=50%が取得された場合、データベース230にてAサーバが上からサーバ(3)、サーバ(2)、サーバ(1)の搭載順、データベース240より、各搭載位置における、CPU使用率=50%時の標準温度、標準電力、および、標準回転数が、システム稼働情報テーブル2420から選択される。
【0064】
次に、標準温度判定部2233が、各標準(温度、電力、ファン回転数)と、「稼働情報」で取得した各データを比較する(ステップS34)。各標準(温度、電力、ファン回転数)と、「稼働情報」で取得した各データがすべて同じ場合(ステップS34:同じ)、標準温度判定部2233は、異常なしと判定する(ステップS41)。各標準(温度、電力、ファン回転数)と、「稼働情報」で取得した各データ(以下、パラメータともいう)のいずれかが違う場合(ステップS34:違う)、標準温度判定部2233は、違うパラメータが全てか否かを判定する(ステップS35)。全てのパラメータが各標準と違う場合(ステップS35:Yes)、標準温度判定部2233はCPUが異常であると判定する(ステップS37)。一部のパラメータが各標準と違う場合(ステップS35:No)、標準温度判定部2233は、標準と違うパラメータについての情報を「稼働情報」から抽出する(ステップS36)。標準温度判定部2233は、ステップS36またはステップS37の後、対象ノード(機器)を抽出する(ステップS38)。
【0065】
標準温度判定部2233は、ステップS38またはステップS41の後、判定結果をデータベース240に格納する(ステップS39)。
【0066】
情報処理部220は、ステップS32~S39の処理を繰り返し実行し、全ノード共通/管理ノード/クラスタノードの比較結果をデータベースサーバ200の送受信部210から受信先システムへ送信するとともに、かつ、例えば異常と判定された事象について通知部224から管理者へ原因や結果が通知する(ステップS40)。次に、システム製品100の送受信部140が比較結果や通知を受信する(ステップS42)。
【0067】
以上のように、第2実施形態の情報処理システム400では、データベースサーバ200が、システム製品100のサーバ型番、サーバ台数、設置位置の構成情報と、筐体内温度、CPU使用率、電力、および、ファン回転数(あるいはファン風速)等を含む「稼働情報」を取得する。そして、データベースサーバ200は、「構成情報」と「稼働情報」に応じた基準となる標準的な温度等をデータベース240から取得し、実温度等と比較を実施する。「構成情報」、「稼働情報」に応じた標準的な温度等であれば、期待通りの稼働と判断する。期待通りの稼働ではないケースとしては、例えば、各ノードが同条件で稼働している場合、縦にサーバが設置されるラックマウント型サーバでは、通常物理的に上に搭載されているほど温度が高くなるが、一番下のノードが最も温度が高い場合、単体ノードとしての閾値は超過していなくても、何らかの異常が疑われる。システム内の位置情報を含む「構成情報」と「稼働情報」を基に、外部のデータベースサーバ200にある標準的な温度等と、実温度等を比較することで期待通りの稼働かどうかが判定可能となる。
【0068】
(第2実施形態の作用・効果等)
以上のように、本発明の第2実施形態に係る情報処理システム400(本発明の温度判定システムの一構成例)は、構成情報取得部221(本発明の構成情報取得手段の一構成例)と、稼働情報取得部222(本発明の稼働情報取得手段の一構成例)と、判定部223a(本発明の判定手段の一構成例)とを備える。構成情報取得部221は、サーバの構成情報を取得する。稼働情報取得部222は、サーバの温度を表す情報を含むサーバの稼働情報を取得する。あるいは、稼働情報取得部222は、サーバの温度、電力およびファンの回転数を表す情報を含むサーバの稼働情報を取得する。そして、判定部223aは、稼働情報が表す温度が、構成情報と稼働情報に基づく標準温度を満たしているか否かを判定する。あるいは、判定部223aは、稼働情報が表す温度、電力およびファンの回転数が、構成情報と稼働情報に基づく標準温度、標準電力および標準回転数を満たしているか否かを判定する。この構成によれば、判定の基準となる標準温度、または、標準温度、標準電力および標準回転数が、構成情報と稼働情報とに基づいて決定される。この場合、基準となる値は、温度または、温度、電力およびファンの回転数を表す値であり、構成情報と比較対象の稼働情報そのものに基づいて決定される。よって、本実施形態によれば、適切に判定の基準を設定することができる。
【0069】
なお、構成情報は、サーバの搭載位置を表す情報を含み、標準温度は、サーバの搭載位置に基づいて異なる値に設定される。この構成によれば、より適切に判定の基準を設定することができる。
【0070】
また、本実施形態の情報処理システム400は、判定部223aによる判定の結果、少なくとも異常がある場合はその原因や結果を管理者に通知する通知部224(本発明の通知手段の一構成例)を備える。この構成によれば、異常がある場合はその原因や結果を管理者に通知することができる。
【0071】
また、稼働情報は、CPUの使用率を表す情報を含む。この構成によれば、より適切に判定の基準を設定することができる。
【0072】
[第1および第2実施形態の最小構成]
図17は、本発明の第1実施形態に係るディスク判定システム(情報処理システム400に対応)の最小構成を示す。
図18は、本発明の第1実施形態に係るディスク判定方法の最小構成を示すフローチャートである。
【0073】
図17に示すように、第1実施形態に係るディスク判定システム50は、少なくとも構成情報取得手段51と、稼働情報取得手段52と、判定手段53とを備えればよい。構成情報取得手段51は、サーバの構成情報を取得する(ステップS51)。稼働情報取得手段52は、サーバのディスクの空き容量情報を含むサーバの稼働情報を取得する(ステップS52)。判定手段53は、あらかじめ設定された設定情報と構成情報からサーバが備えるディスクの標準容量を算出してディスクの空き容量情報が標準容量を満たしているか否かを判定するとともに、ディスクの空き容量情報がサーバに設定された役割に基づく必要容量を満たしているか否かを判定する(ステップS53)。
【0074】
また、
図18に示すように、第1実施形態に係るディスク判定方法は、ステップS51~S53を含む。ステップS51では、サーバの構成情報を取得する。ステップS52では、サーバのディスクの空き容量情報を含むサーバの稼働情報を取得する。ステップS53では、あらかじめ設定された設定情報と構成情報からサーバが備えるディスクの標準容量を算出してディスクの空き容量情報が標準容量を満たしているか否かを判定するとともに、ディスクの空き容量情報がサーバに設定された役割に基づく必要容量を満たしているか否かを判定する。
【0075】
図19は、本発明の第2実施形態に係る温度判定システム(情報処理システム400に対応)の最小構成を示す。
図20は、本発明の第2実施形態に係る温度判定方法の最小構成を示すフローチャートである。
【0076】
図19に示すように、第2実施形態に係る温度判定システム60は、少なくとも構成情報取得手段61と、稼働情報取得手段62と、判定手段63とを備えればよい。構成情報取得手段61は、サーバの構成情報を取得する(ステップS61)。稼働情報取得手段62は、サーバの温度を表す情報を含むサーバの稼働情報を取得する(ステップS62)。判定手段63は、稼働情報が表す温度が、構成情報と稼働情報とに基づく標準温度を満たしているか否かを判定する(ステップS63)。
【0077】
また、
図20に示すように、第2実施形態に係る温度判定方法は、ステップS61~S63を含む。ステップS61では、サーバの構成情報を取得する。ステップS62では、サーバの温度、電力およびファンの回転数を表す情報を含むサーバの稼働情報を取得する。ステップS63では、稼働情報が表す温度が、構成情報と稼働情報とに基づく標準温度を満たしているか否かを判定する。
【0078】
[コンピュータの構成]
図21は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。コンピュータ700は、CPU(Central Processing Unit)710、主記憶装置720、補助記憶装置730、およびインタフェース740を備える。インタフェース740には例えば不揮発性記憶媒体750が接続される。上述のシステム製品100、データベースサーバ200、サーバ1、サーバ2、計算機C11、および、計算機C21は、コンピュータ700に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU710は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置720に確保する。
【0079】
プログラムは、コンピュータ700に発揮させる機能の一部を実現するためのものであってもよい。例えば、プログラムは、補助記憶装置730に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせ、または他の装置に実装された他のプログラムとの組み合わせによって機能を発揮させるものであってもよい。なお、他の実施形態においては、コンピュータは、上記構成に加えて、または上記構成に代えてPLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を備えてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等が挙げられる。この場合、CPU710によって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。
【0080】
補助記憶装置730の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。補助記憶装置730は、コンピュータ700のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース740または通信回線を介してコンピュータ700に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ700に配信される場合、配信を受けたコンピュータ700が当該プログラムを主記憶装置720に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、補助記憶装置730は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0081】
[変形例等]
以上、この発明の実施形態について図面を参照して説明してきたが、具体的な構成は上記実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。例えば、第1実施形態で用いた性能情報以外にも、取得、比較する要素を追加することができる。追加要素に応じて判定可能な分解能や項目も増える。例えば、機器の設置場所情報を追加すれば第2実施形態のように温度が詳細に比較可能となり、あるいは、時間情報を追加すれば、夜間にまとめてデータ処理が実行され、高負荷になる事象も問題なしと判定することが可能になる。
【0082】
[付記]
上記実施形態の一部または全部は、以下の付記のように記載されうるが、以下には限られない。
【0083】
(付記1)
サーバの構成情報を取得する構成情報取得手段と、
前記サーバのディスクの空き容量情報を含む前記サーバの稼働情報を取得する稼働情報取得手段と、
あらかじめ設定された設定情報と前記構成情報から前記サーバが備えるディスクの標準容量を算出して前記ディスクの空き容量情報が前記標準容量を満たしているか否かを判定するとともに、前記ディスクの空き容量情報が前記サーバに設定された役割に基づく必要容量を満たしているか否かを判定する判定手段と
を備えるディスク判定システム。
【0084】
(付記2)
前記判定の結果、少なくとも異常がある場合はその原因や結果を管理者に通知する通知手段を
さらに備える付記1に記載のディスク判定システム。
【0085】
(付記3)
前記標準容量と前記必要容量は、複数の前記サーバを単位として設定される
付記1または付記2に記載のディスク判定システム。
【0086】
(付記4)
前記標準容量と前記必要容量は、各前記サーバを単位として設定される
付記1または付記2に記載のディスク判定システム。
【0087】
(付記5)
前記設定情報は、ディスクの使用可能割合を表す
付記1~付記4の何れか一つに記載のディスク判定システム。
【0088】
(付記6)
前記ディスクの使用可能割合は、可用性レベルまたは障害許容度の要求レベルの少なくとも一方に基づく
付記5に記載のディスク判定システム。
【0089】
(付記7)
サーバの構成情報を取得するステップと、
前記サーバのディスクの空き容量情報を含む前記サーバの稼働情報を取得するステップと、
あらかじめ設定された設定情報と前記構成情報から前記サーバが備えるディスクの標準容量を算出して前記ディスクの空き容量情報が前記標準容量を満たしているか否かを判定するとともに、前記ディスクの空き容量情報が前記サーバに設定された役割に基づく必要容量を満たしているか否かを判定するステップと
を含むディスク判定方法。
【0090】
(付記8)
サーバの構成情報を取得する構成情報取得手段と、
前記サーバの温度を表す情報を含む前記サーバの稼働情報を取得する稼働情報取得手段と、
前記稼働情報が表す前記温度が、前記構成情報と前記稼働情報とに基づく標準温度を満たしているか否かを判定する判定手段と
を備える温度判定システム。
【0091】
(付記9)
前記稼働情報が、前記サーバの温度、電力およびファンの回転数を表す情報を含み、
前記判定手段が、前記稼働情報が表す前記温度、前記電力および前記ファンの回転数が、前記構成情報と前記稼働情報とに基づく前記標準温度、標準電力および標準回転数を満たしているか否かを判定する
付記8に記載の温度判定システム。
【0092】
(付記10)
前記構成情報が、さらに、前記サーバの搭載位置を表す情報を含み、
前記標準温度が、前記サーバの搭載位置に基づいて異なる値に設定される
付記8または付記9に記載の温度判定システム。
【0093】
(付記11)
前記判定の結果、少なくとも異常がある場合はその原因や結果を管理者に通知する通知手段を
さらに備える付記8~付記10の何れか一つに記載の温度判定システム。
【0094】
(付記12)
前記稼働情報は、さらに、CPUの使用率を表す情報を含む
付記8~付記11の何れか一つに記載の温度判定システム。
【0095】
(付記13)
サーバの構成情報を取得するステップと、
前記サーバの温度を表す情報を含む前記サーバの稼働情報を取得するステップと、
前記稼働情報が表す前記温度が、前記構成情報と前記稼働情報とに基づく標準温度を満たしているか否かを判定するステップと
を含む温度判定方法。
【符号の説明】
【0096】
100…システム製品、200…データベースサーバ、400…情報処理システム、1、2…サーバ、221…構成情報取得部、222…稼働情報取得部、223、223a…判定部、224…通知部、50…ディスク判定システム、51、61…構成情報取得手段、52、62…稼働情報取得手段、53、63…判定手段、60…温度判定システム