(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128424
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】防災水嚢
(51)【国際特許分類】
E02B 3/04 20060101AFI20240913BHJP
【FI】
E02B3/04 301
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037395
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】393016479
【氏名又は名称】岩上 保男
(72)【発明者】
【氏名】岩上 保男
【テーマコード(参考)】
2D118
【Fターム(参考)】
2D118AA20
2D118BA15
2D118FB33
2D118GA48
(57)【要約】
【課題】上陸して来る津波を少しでも減速させて、出来れば止めたい。また、決壊した河川よりの濁流から建物を少しでも守りたい。
【解決手段】
本水嚢は、取水側に設けた開口部を除き、全体が防水材で覆われている、泥水等が水嚢の開口部から流れ込むことにより、ジャバラ形状から、立体形状になる、内部は三層に区画しており、上層室には、浮体を備えている、中層室の取水側には、網目状の開口部を設けており室内は空洞に成っている、下層室には膨張する吸水材を備える、更に、下層室より伸ばしたロープを地中に備えている重量体と繋ぎあわす、各層室間は通水状態である事を特徴とする防災水嚢。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本水嚢は、取水側に設けた開口部を除き、全体が防水材で覆われている、泥水等が水嚢の開口部から流れ込むことにより、ジャバラ形状から、立体形状になる、内部は三層に区画しており、上層室には、浮体を備えている、中層室の取水側には、網目状の開口部を設けており室内は空洞に成っている、下層室には膨張する吸水材を備える、更に、下層室より伸ばしたロープを地中に備えている重量体と繋ぎあわす、各層室間は通水状態である事を特徴とする防災水嚢。
【請求項2】
本水嚢は、取水側に設けた開口部を除き、全体が防水材で覆われている、泥水等が水嚢の開口部から流れ込むことにより、ジャバラ形状から、立体形状になる、内部は二層に区画している、上層室には、浮体で弾力のある球体を備え、取水側には、網目状の開口部を設けている、下層室には膨張する吸水材を備える、更に、下層室より伸ばしたロープを地中に備えている重量体と繋ぎあわす、各層室間は通水状態である事を特徴とする防災水嚢。
【請求項3】
上記記載水嚢の下層室上部に通水孔を施した板を設ける、更に、板の上からロープを網目状にして下層室全体に被せる、ロープの端は結束する、結束した端末は結束具に挟み、地中に設けた重量体の固定具に装着する事を特徴とする防災水嚢。
【請求項4】
上記記載水嚢の両側面に新に側面室を増設する、増設した側面室の内部には膨張する吸水材を備える、側面室の外側には結束装具を設ける、結束装具は水嚢と水嚢とを繋ぎ合わせると共に、建物にも結束装具を備えて水嚢と繋ぎ合わせる事を特徴とする防災水嚢。
【請求項5】
上記記載の水嚢であって、水嚢天井部から縦方向に筒孔を設ける、更に、地中に設けた重量体にも筒孔を設ける、水嚢の筒孔と地中に設けた重量体の筒孔に支柱を縦に貫通して地中に定着する事を特徴とする防災水嚢。
【請求項6】
請求項5記載の水嚢を縦に貫通している支柱と支え支柱とを繋ぎ合せた事を特徴とする防災水嚢。
【請求項7】
請求項5記載の水嚢を縦に貫通している支柱と塀を支えている枠と支え支柱を繋ぎ合せた事を特徴とする防災水嚢。
【請求項8】
本水嚢の取水側には、網目状の開口部を設けているが全体は防水布で出来ている、内部は2層に区画しており、各層には膨張する吸水材を備えている、一方の層は網目のロープで抑え込み壁及び地面に圧迫固着する、もう一方の層には、結束具を設けている事を特徴とする防災水嚢。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、防災水嚢に関するものである。
【背景技術】
【0002】
水防対策としては、現在でも土嚢を用いるのが主流である。しかし下記に記載する水嚢も考案されている。
【特許文献1】特開2005-23627
【特許文献2】特開2005-163514
【特許文献3】特開2008-63925
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
土嚢に於いては、緊急時に保管している、土嚢を車に積み込み災害現場へ運ぶ、そこから人海戦術により土嚢を積み上げて堰を形成する、一連の人海戦術によるが、土嚢を積み上げるには熟練技術が要求される、又、現場によっては短時間では設置が出来ない場所もある。
【0004】
また、上記特許文献1~3においての水嚢は、それどれ人の手によって水嚢に水を入れて使用するものである。重量もあり移動手段が問題である。更に、水を入れる手間や場所が問われる。また、それらの水嚢自体の特性を考えると、高水位の洪水の場合、水嚢自体が水と同重量なので流される恐れがある。
【0005】
さらに、ゲリラ豪雨は短時間で状況が一変する。水が溢れている場所に土嚢を設置しようと試みても、道路条件が著しく変化しているので、車両の進入は困難である。
【0006】
さらに、近年海岸において松林が少なくなって、津波の足止めが出来ない。津波対策を考えると、それに変わる物が欲しい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的達成のため本発明者は、河川の急激な水位の上昇で溢れ出た水に対応すると共に、松林が担っていた津波に対しの障壁としての代替方法を発明しました。それは、水を逆に利用するのである。即ち、本水嚢は、取水側に設けた開口部を除き、全体が防水材で覆われている、泥水等が水嚢の開口部から流れ込むことにより、ジャバラ形状から、立体形状になる、内部は三層に区画しており、上層室には、浮体を備えている、中層室の取水側には、網目状の開口部を設けており室内は空洞に成っている、下層室には膨張する吸水材を備える、更に、下層室より伸ばしたロープを地中に備えている重量体と繋ぎあわす、各層室間は通水状態である事を特徴とするので、溢れ出た水を利用して、障壁が水の力で自動的に膨らみ浸水を防ぐことが出来る。また、三層に各室を区画しているが、二層でも一層でも良い、更に、開口部は中層室と記載しているが全体でも良い。ロープに付いては、ファイバーロープ、ワイヤーロープ、紐、鎖、チェーンも含む。
【0008】
さらに、請求項2記載の発明の構成は、土砂の割合が多い洪水の対応を考えた。即ち、本水嚢は、取水側に設けた開口部を除き、全体が防水材で覆われている、泥水等が水嚢の開口部から流れ込むことにより、ジャバラ形状から、立体形状になる、内部は二層に区画している、上層室には、浮体で弾力のある球体を備え、取水側には、網目状の開口部を設けている、下層室には膨張する吸水材を備える、更に、下層室より伸ばしたロープを地中に備えている重量体と繋ぎあわす、各層室間は通水状態である事を特徴としている水嚢である。又、球体の内部は気体が入っていても、いなくても良い。浮力の大きい部材であれば良い。更に、上層室に設けた網目状の開口部は、上下層室に跨っても良い、別々に開口部を設けても良い、又、部室間の通水口は、無くてもよいが、その場合は上下部室とも開口部が必要である。ロープに付いては、ファイバーロープ、ワイヤーロープ、紐、鎖、チェーンも含む。
【0009】
さらに、本願第3の発明の構成は、下層室に設けた膨張する吸水材の膨張圧力を地面に向かって押し付けているが、更に、地面への均等圧力を明確にした。即ち、上記記載水嚢の下層室上部に通水孔を施した板を設ける、更に、板の上からロープを網目状にして下層室全体に被せる、ロープの端は結束する、結束した端末は結束具に挟み、地中に設けた重量体の固定具に装着する事を特徴としているので、水嚢底部全体における圧力バランスが均等化するので、水嚢底部よりの浸水を防ぐ効果がある。又、ロープを網目状にして板全体に被せる必要は特にない、部分的でも良いし、板の端にロープを取付けても良い。更に、水嚢の下層室に於ける天井部分を板形状にして、その板にロープを取付けても良い。又、通水孔を施した板が無くても網目状のロープだけでも良い。
【0010】
さらに、本願第4の発明の構成は、広範囲に広がる浸水対応を考えた。即ち、上記記載水嚢の両側面に新に側面室を増設する、増設した側面室の内部には膨張する吸水材を備える、側面室の外側には結束装具を設ける、結束装具は水嚢と水嚢とを繋ぎ合わせると共に、建物にも結束装具を備えて水嚢と繋ぎ合わせる事を特徴とする防災水嚢である。又、側面室を新に設けなくても、上記記載の水嚢側面に直接結束装具を取付けても良い。
【0011】
さらに、本願第5の発明の構成は、水嚢と水嚢を繋いで横に伸ばして使用する時や、水嚢列を湾曲して使用する場合を考えた。即ち、上記記載の水嚢であって、水嚢天井部から縦方向に筒孔を設ける、更に、地中に設けた重量体にも筒孔を設ける、水嚢の筒孔と地中に設けた重量体の筒孔に支柱を縦に貫通して地中に定着する事を特徴とするので、水嚢の対水圧抵抗力を高める事が出来る。又、支柱とあるが、棒も含む。
【0012】
さらに、本願第6の発明の構成は、本願第5の発明では、水嚢上部から単独の支柱を差し込んでいる。しかし単独の支柱では、強い水圧に耐えられない場合を考えた。即ち、請求項第5記載の水嚢を縦に貫通している支柱と支え支柱とを繋ぎ合せた事を特徴とするので、水嚢の強度が増す。更に、支え支柱の支え支柱を設けても良い。又、支柱とあるが、棒も含む。
【0013】
さらに、本願第7の発明の構成は、ブロック塀に取り付けられた開閉門からの浸水及び塀より高い越水を考えた。即ち、請求項5記載の水嚢を縦に貫通している支柱と塀を支えている枠と支え支柱を繋ぎ合せた事を特徴とするので、門に付随する開口部や低い塀の浸水を防ぐ。又、支柱とあるが、棒も含む。
【0014】
さらに、本願第8の発明の構成は、水嚢を建物に取り付ける事によって水嚢と建物との隙間を無くし浸水を防ぐ。即ち、本水嚢の取水側には、網目状の開口部を設けているが全体は防水布で出来ている、内部は2層に区画しており、各層には膨張する吸水材を備えている、一方の層は網目のロープで抑え込み壁及び地面に圧迫固着する、もう一方の層には、結束具を設けている事を特徴とする。又、層をロープで抑えこむとあるが、ロープで無くとも帯でも良い、更に、層とロープとを一体形状にしても良い。
【発明の効果】
【0015】
本願の第1の発明に係る効果は、押し寄せる水量の高さにより水嚢の上下調整が自動に出来る。さらに、流水に押し流されないように、水嚢を地中に設けた重量体に固着する。
【0016】
本願の第2の発明に係る水嚢は、水嚢の浮力調節に弾力のある球体を使用している。土石が水嚢内に流れ込んで来ても、浮力のある球体自体が反発して埋もれない、水嚢形状は保たれる。
【0017】
さらに、本願の第3の発明効果は、下層室の上部に備えている板を網目状のロープで覆って、板の圧力を平均的に下方向に伝える事により、地面と水嚢との接地面の平均密着度が増して隙間よりの浸水阻止を行う。又、ロープを結束して地中に設けた重量体の確保具に装着する事により水嚢が押し流されるのを防ぐ。
【0018】
さらに、本願の第4の発明効果は、結束装具を使って水嚢を複数繋ぎ合わせる事によって水防範囲を広げる事が出来る。
【0019】
さらに、本願の第5の発明効果は、水嚢に支柱を差し込む事により、横水圧により揺れ動く水嚢の垂直姿勢を保持すると、共に、支柱を地中に固着する事によって支柱の傾きを抑える。
【0020】
さらに、本願の第6の発明効果は、押し寄せてくる大量の水による、横水圧に対応する為に、水嚢に差し込んでいる支柱と支え支柱とを組み合わせる事により支柱の傾きを強く抑える。
【0021】
さらに、本願の第7の発明効果は、ブロック塀、フェンス、門等に、枠部、支柱、支え支柱を組み合わせる事によって、強度のある水嚢を設置する事が出来る。
【0022】
さらに、本願の第8の発明効果として、この水嚢は2層に区分けする事により、建物と水嚢との接触箇所よりの浸水を防ぎ、更に、結束装具を水嚢に備え付けて建物及び他の水嚢と繋ぎ合わせる事が出来る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】満水状態の実施例1を示す一部断面斜視図である。
【
図4】満水状態の実施例3を示す一部断面斜視図である。
【
図5】満水状態の実施例4を示す一部断面斜視図である。
【
図6】満水状態の実施例4を示す一部断面斜視図である。
【
図7】満水状態の実施例4を示す一部断面斜視図である。
【
図9】満水状態の実施例5を示す一部断面斜視図である。
【
図13】実施例7の支持枠と塀とを組み合わせた斜視図である。
【
図16】実施例7の支持枠と塀とを組み合わせた斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。又、以下に説明される構成が、本発明の必須要件であるとは限らない。
【実施例0025】
【0026】
実施例1を
図2に基づいて説明する。実施例1では、洪水で溢れた水が水嚢に流れ込み、水嚢が立ち上がった形状の外観と内部を示している。水嚢(1)は、網目状の開口部(5)を除き、全体が防水布で覆われている。水嚢(1)に水が入ったと仮定して、立体形状にしている。水圧抵抗を少なくする為に底辺部は広く、頂点に近づくほど狭くなっている。水嚢(1)内部は3層に区画している。上層室(2)には、浮体(7)を備えている。中層室(3)の取水側には、網目状の開口部(5)を設けており、室内は空洞になっている。下層室(4)には、水膨張材(6)を備えている。洪水の水が下層室(4)に入り込むと、下層室(4)の水膨張材(6)が膨張して下層室の壁全体を外側に圧迫するが、下層室の天井部にある区画布(8)が膨張を抑え込む。更に、区画布端部をロープ状(11)に結んで結束具(9)に嵌める。嵌めた結束具(9)は、地中に備えている重量体(30)の先端にある固定具(10)に装着する。又、各層を分けている区画布(8)には孔を設けているので水嚢内部全体は通水状態である。
【0027】
実施例2を
図3に基づいて説明する。実施例2では、洪水で、溢れた水が水嚢に流れ込み、水嚢が立ち上がった状態での外観と内部を示している。水嚢(12)は、網目状の開口部(5)を除き、全体が防水布で覆われている。水嚢(12)に水が入ったと仮定して、立体形状にしている。水圧抵抗を少なくする為に底辺部は広く、頂点に近づくほど狭くなっている。水嚢(12)は、2層区画である。上層室(13)の取水側には、網目状の開口部(5)を設けて、室内には、浮体で弾力のある球体(14)を数多く備えている。下層室(4)には、水膨張材(6)を備えている。洪水の水が下層室(4)に入り込むと、下層室(4)の水膨張材(6)が膨張し下層室壁全体を外側に圧迫する。盛り上がった下層室は、上部にある区画布(8)で膨張を押さえ込まれる。更に、下層室の一部をロープ状(11)に結んで結束具(9)に嵌める。嵌めた結束具(9)は、地中に備えている重量体(30)の先端にある固定具(10)に装着する。又、各層を分けている区画布(8)には孔を設けているので水嚢内部全体は通水状態である。
【0028】
実施例3を
図4に基づいて説明する。実施例3では、上記記載水嚢(1)及び上記記載水嚢(12)の下層室(4)に収納した水膨張材(6)は、吸水速度により膨張が不均等になる。膨張を平均にする為に、下層室(4)上部に置いている板(15)を網目状のロープ(11)で全体を覆う、ロープ(11)は、束ねて結束具(9)に嵌める。嵌めた結束具(9)と、地中に備えている重量体(30)の先端にある固定具(10)とを結合する事により、膨張する下層室(4)にロープが引っ張られるのを防ぎ、下層室(4)の膨張を平均的に抑える。なお、板(15)には、孔(16)を数多く開けているので、吸水力を助けると共に膨張圧力により水嚢底部よりの浸水を防ぐ。
【0029】
実施例4を
図5に基づいて説明する。実施例4では、上記記載の水嚢の構造に加え、水嚢の両端に側室(17)を増設する。側室(17)の内部には、水膨張材(6)を備えている。側室(17)の外面には結合具(18)を設けている、結合具(18)は、水嚢と水嚢を繋ぎ合わせる。さらに、結合具(18)に付帯しているベルトの調整具を短くする事により水嚢と水嚢との間隔が狭くなるので、接触部の圧力が強くなる。
【0030】
実施例4を
図6に基づいて説明する。
図6は、水嚢(1)と水嚢(1)とを結合具(18)を使って繋ぎ合わせている。
【0031】
実施例4を
図7に基づいて説明する。
図7は、水嚢(1)と水嚢(1)との結合には、スライドファスナー(19)を使用して繋ぎ合わせている。
【0032】
実施例5を
図8に基づいて説明する。実施例5では、水嚢の湾曲部に筒孔を設けて支柱を差し込んでいる。筒孔(20)を水嚢(1)の上端から下端にかけて設けている。支柱(22)は筒孔(20)に差し込み、更に、地中に設けた重量体(30)の孔(21)に嵌めて固定している。水嚢に支柱を差込む事により安定感が増す。
【0033】
実施例5を更に、
図9に基づいて説明する。
図9は、3個の水嚢(1)を繋ぎ合わせて並べている。この場合は水嚢2個に対して筒孔(20)を設けて支柱(22)を差し込み、地中に設けた重量体(30)の孔(21)に嵌りこみ固定している。
【0034】
実施例6を
図10及び
図11に基づいて説明する。
図10の支持枠は、支柱と支え支柱とを組み合わせる。支持枠(24)は、支柱(22)と支え支柱(23)とを一体にしたものである。支持枠(24)の下部は、地中に設けた重量体(30)の孔(21)に挿入して嵌めて固定している。
【0035】
図11は、支持枠の前方に位置する支柱を水嚢の筒孔に差し込んでいる。支持枠(24)の前方に位置する支柱(22)を水嚢の筒孔(20)に差し込み、後方に位置する支え支柱(23)で支持枠(24)全体のバランスを取り水圧による負担を軽減している。支持枠(24)の下部は地中に設けた重量体(30)の孔(21)に嵌めて固定している。
【0036】
実施例7としては、実施例6の
図10及び
図11で示した支持枠(24)を基に、更に増設する部分としてブロック塀を挟む枠部(28)を追加している。増設枠部の設置位置が支持枠の前方の位置、又は、中間位置に設置する事により、用途と能力が変わる。そのために2例に分ける、A形状とB形状に分割して説明する。支持枠A(25)の例としては、
図12及び
図13並びに
図14により示す。支持枠B(26)の例としては、
図15及び
図16並びに
図17により示す。
【0037】
図12は、支持枠A(25)を示している。支持枠A(25)の前方に位置する箇所に支柱(22)を置き、中間位置には枠部(28)を設ける、後方位置には、支え支柱(23)を要している。支持枠A(25)の下部は地中に設けた重量体(30)の孔(21)に嵌めて固定している。
【0038】
図13は、支持枠A(25)とブロック塀との組み合わせを示している。支持枠A(25)の前方部分には支柱(22)を置いている。中間部に位置とする枠部(28)の圧迫螺子(27)は、ブロック塀を圧迫して固着している。後方には支え支柱(23)を示している。支持枠A(25)の下部は地中に設けた重量体(30)の孔(21)に嵌めて固定している。
【0039】
図14は、支持枠A(25)とブロック塀と水嚢との組み合わせを示している。前方から洪水が押し寄せてくると想定して、支持枠A(25)の前方に位置する支柱(22)には、水嚢を取付ける。中間に位置する枠部(28)には、ブロック塀を挟む。後方には支え支柱(23)を設ける。支持枠A(25)の下部は地中に設けた重量体(30)の孔(21)に嵌めて固定している
【0040】
図15は、支持枠B(26)を示している。支持枠B(26)の前方に位置する箇所に枠部(28)を置き、中間部には支柱(22)を設けており、後方には、支え支柱(23)を要している。支持枠B(26)の下部は地中に設けた重量体(30)の孔(21)に嵌めて固定している。
【0041】
図16は、支持枠B(26)とブロック塀との組み合わせを示している。支持枠B(26)の前方に位置とする枠部(28)の圧迫螺子(27)は、ブロック塀を圧迫して固着している。中間部には、支柱(22)を設けている。後方には支え支柱(23)を示している。支持枠B(26)の下部は地中に設けた重量体(30)の孔(21)に嵌めて固定している
【0042】
図17は、支持枠B(26)とブロック塀と水嚢との組み合わせを示している。前方から洪水が押し寄せてくると想定して、支持枠B(26)の前方枠部(28)に設けている圧迫螺子(27)を使いブロック塀を固着する。中間部に位置する支柱(22)には水嚢を取付ける。後方には支え支柱(23)を備えていている。支持枠B(26)の下部は地中に設けた重量体(30)の孔(21)に嵌めて固定している。
【0043】
図18は、水嚢全体に吸水膨張材(6)を入れている。水嚢は一体型をしているが、間仕切り壁をつくって2区分に形成している。区分した各部を袋A(29)及び袋B(31)とする。袋A(29)については、壁及び床に圧着する必要があるので、袋A(29)と袋B(31)の間にある仕切り壁に網目状にしたのロープ(11)を取付けて、膨張する袋A(29)を押さえこみ圧着する。更に、ロープ(11)の先端は結束具(9)に繋ぎ、固定具(10)と結合する。固定具(10)は、地中に設けた重量体(30)と繋がっているので、膨張する袋A(29)を壁及び床に圧着する事が出来る。袋Bについては、他の水嚢の結合具(18)と繋ぐ必要があるので、袋Bの端部には結合具(18)を備えている。