(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128444
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】情報処理装置及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240913BHJP
G06Q 50/00 20240101ALI20240913BHJP
H04L 67/131 20220101ALI20240913BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q50/00 300
H04L67/131
【審査請求】有
【請求項の数】20
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037422
(22)【出願日】2023-03-10
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-03-27
(71)【出願人】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100114937
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 裕幸
(72)【発明者】
【氏名】川本 大功
(72)【発明者】
【氏名】大野 拓哉
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】仮想空間におけるアバターの活動に応じて当該アバターの仮想空間での活動に対する制御を行うことを図る。
【解決手段】仮想空間で活動するアバターの活動情報を取得する取得部と、活動情報に基づいてアバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する判定部と、判定により特定された行為が存在したことを示す行為存在情報とアバターを特定する識別情報とを関連付けて管理部に登録する登録部と、管理部に登録された登録情報に基づいて、識別情報が規制対象行為に関連付けられている場合はアバターの仮想空間での活動を制限する活動制限制御を行い、識別情報が優遇対象行為に関連付けられている場合はアバターの仮想空間での活動を優遇する活動優遇制御を行う制御部と、を備える。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間で活動するアバターの活動情報を取得する取得部と、
前記活動情報に基づいて前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する判定部と、
前記判定により特定された行為が存在したことを示す行為存在情報と前記アバターを特定する識別情報とを関連付けて管理部に登録する登録部と、
前記管理部に登録された登録情報に基づいて、前記識別情報が規制対象行為に関連付けられている場合は前記アバターの仮想空間での活動を制限する活動制限制御を行い、前記識別情報が優遇対象行為に関連付けられている場合は前記アバターの仮想空間での活動を優遇する活動優遇制御を行う制御部と、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記行為存在情報は、前記特定された行為が存在したことを示す行為フラグであり、
前記行為フラグは、前記特定された行為の規制対象レベル又は優遇対象レベルに応じて多段階で設定され、
前記制御部は、前記行為フラグが示す規制対象レベルの段階に応じて、前記活動制限制御における前記アバターの仮想空間での活動の制限レベルを変え、
前記制御部は、前記行為フラグが示す優遇対象レベルの段階に応じて、前記活動優遇制御における前記アバターの仮想空間での活動の優遇レベルを変える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
ユーザから規制対象行為又は優遇対象行為の申告を受付ける受付部をさらに備え、
前記判定部は、前記申告に応じて、前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記活動情報に基づいて前記申告の真偽を判定し、当該判定の結果により前記申告の使用可否を決定する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部は、定期的に、前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記活動情報は、仮想空間における会話情報であり、
前記判定部は、規制対象行為又は優遇対象行為に関連する言葉を含む辞書データを使用して、前記会話情報における前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記会話情報は、会話に対する所定のアクションを含み、
前記判定部は、規制対象行為又は優遇対象行為に関連する所定の会話アクション判定条件を使用して、前記アクションにおける前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記活動情報は、仮想空間における他のアバター間の距離情報であり、
前記判定部は、規制対象行為に関する所定の距離情報判定条件を使用して、前記距離情報に関する前記アバターの規制対象行為を判定し、
前記判定部は、優遇対象行為に関する所定の距離情報判定条件を使用して、前記距離情報に関する前記アバターの優遇対象行為を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記活動情報は、仮想空間における他のアバターへの接触情報であり、
前記判定部は、規制対象行為に関する所定の接触情報判定条件を使用して、前記接触情報に関する前記アバターの規制対象行為を判定し、
前記判定部は、優遇対象行為に関する所定の接触情報判定条件を使用して、前記接触情報に関する前記アバターの優遇対象行為を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記活動情報は、仮想空間における公序良俗情報であり、
前記判定部は、規制対象行為に関する所定の公序良俗情報判定条件を使用して、前記公序良俗情報に関する前記アバターの規制対象行為を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記活動情報は、仮想空間におけるコンテンツ情報であり、
前記判定部は、優遇対象行為に関する所定のコンテンツ情報判定条件を使用して、前記コンテンツ情報に関する前記アバターの優遇対象行為を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記活動情報は、仮想空間における貢献情報であり、
前記判定部は、優遇対象行為に関する所定の貢献情報判定条件を使用して、前記貢献情報に関する前記アバターの優遇対象行為を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記活動情報は、仮想空間における他のアバターとの繋がり情報であり、
前記判定部は、優遇対象行為に関する所定の繋がり情報判定条件を使用して、前記繋がり情報に関する前記アバターの優遇対象行為を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記管理部は、ブロックチェーンである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記制御部は、複数の異なる仮想空間において共通の前記識別情報を制御対象にする、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記制御部は、一の前記識別情報に対して、一の仮想空間における前記特定された行為に対する前記行為存在情報を用いて、前記一の仮想空間とは異なる他の仮想空間における前記活動制限制御及び前記活動優遇制御を行う、
請求項15に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記制御部は、前記活動制限制御として、所定期間内の前記登録情報により前記アバターの活動を制限する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記制御部は、前記活動制限制御として、仮想空間へのログインの制限、仮想空間におけるアバターの能力の制限又は仮想空間における移動範囲の制限を行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記制御部は、規制対象行為を受けたアバターがログインしている仮想空間へのログインを制限する、
請求項18に記載の情報処理装置。
【請求項20】
前記制御部は、前記活動優遇制御として、仮想空間におけるコンテンツの利用の優遇、仮想空間における移動範囲の優遇、仮想空間における特典ポイントの優遇を行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項21】
前記制御部は、複数の前記アバターと所有ユーザとを関連付けるアバター属性データに基づいて、前記所有ユーザに関連付けられた複数の前記アバターのうち前記登録情報で特定される前記アバター以外の前記アバターを制御対象にしない、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項22】
仮想空間で活動するアバターの活動情報を取得する取得部と、
前記活動情報に基づいて前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する判定部と、
前記判定により特定された行為が存在したことを示す行為存在情報と前記アバターを特定する識別情報とを関連付けて管理部に登録する登録部と、
前記仮想空間でのアバターの活動を制御する仮想空間サーバに対して、前記管理部に登録される登録情報を通知する通知部と、
を備える情報処理装置。
【請求項23】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
仮想空間で活動するアバターの活動情報を取得する取得ステップと、
前記活動情報に基づいて前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する判定ステップと、
前記判定により特定された行為が存在したことを示す行為存在情報と前記アバターを特定する識別情報とを関連付けて管理部に登録する登録ステップと、
前記管理部に登録された登録情報に基づいて、前記識別情報が規制対象行為に関連付けられている場合は前記アバターの仮想空間での活動を制限する活動制限制御を行い、前記識別情報が優遇対象行為に関連付けられている場合は前記アバターの仮想空間での活動を優遇する活動優遇制御を行う制御ステップと、
を含む情報処理方法。
【請求項24】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
仮想空間で活動するアバターの活動情報を取得する取得ステップと、
前記活動情報に基づいて前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する判定ステップと、
前記判定により特定された行為が存在したことを示す行為存在情報と前記アバターを特定する識別情報とを関連付けて管理部に登録する登録ステップと、
前記仮想空間でのアバターの活動を制御する仮想空間サーバに対して、前記管理部に登録される登録情報を通知する通知ステップと、
を含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ユーザに対して仮想現実(Virtual Reality:VR)の空間(仮想空間)のサービス(仮想空間サービス)を提供するためのサービスシステムが知られている(例えば、非特許文献1参照)。非特許文献1に記載された技術は、仮想空間上に例えば東京渋谷の街「バーチャル渋谷」を構築し、ユーザが自分の分身として仮想空間上に配置されるキャラクター(一般に「アバター」と称される)を用いて「バーチャル渋谷」を体験することができる。
【0003】
また特許文献1には、オンラインゲーム等の仮想空間において誹謗中傷を伴った行動を取るアバターを適正にレポートするための技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】「VIRTUAL CITY」、KDDI株式会社、インターネット<URL:https://www.au.com/5g/virtualcity/>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
同一ユーザが複数の異なる仮想空間でアバターによる活動を行う場合、ある仮想空間でアバターにより良い行動を取るユーザは、他の仮想空間でも同様に良い行動を取ることが予想される。そのようなよい行動を取るユーザに対してそれぞれの仮想空間で優遇することが好ましい。一方、ある仮想空間でアバターにより誹謗中傷を伴った行動を取るユーザは、他の仮想空間でも同様の行動を取る可能性がある。そのようなユーザに対してはそれぞれの仮想空間で活動を制限することが対処の一例として考えられる。
【0007】
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、仮想空間におけるアバターの活動に応じて当該アバターの仮想空間での活動に対する制御を行うことを図ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様は、仮想空間で活動するアバターの活動情報を取得する取得部と、前記活動情報に基づいて前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する判定部と、前記判定により特定された行為が存在したことを示す行為存在情報と前記アバターを特定する識別情報とを関連付けて管理部に登録する登録部と、前記管理部に登録された登録情報に基づいて、前記識別情報が規制対象行為に関連付けられている場合は前記アバターの仮想空間での活動を制限する活動制限制御を行い、前記識別情報が優遇対象行為に関連付けられている場合は前記アバターの仮想空間での活動を優遇する活動優遇制御を行う制御部と、を備える情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記行為存在情報は、前記特定された行為が存在したことを示す行為フラグであり、前記行為フラグは、前記特定された行為の規制対象レベル又は優遇対象レベルに応じて多段階で設定され、前記制御部は、前記行為フラグが示す規制対象レベルの段階に応じて、前記活動制限制御における前記アバターの仮想空間での活動の制限レベルを変え、前記制御部は、前記行為フラグが示す優遇対象レベルの段階に応じて、前記活動優遇制御における前記アバターの仮想空間での活動の優遇レベルを変える、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、ユーザから規制対象行為又は優遇対象行為の申告を受付ける受付部をさらに備え、前記判定部は、前記申告に応じて、前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記判定部は、前記活動情報に基づいて前記申告の真偽を判定し、当該判定の結果により前記申告の使用可否を決定する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記判定部は、定期的に、前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記活動情報は、仮想空間における会話情報であり、前記判定部は、規制対象行為又は優遇対象行為に関連する言葉を含む辞書データを使用して、前記会話情報における前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記会話情報は、会話に対する所定のアクションを含み、前記判定部は、規制対象行為又は優遇対象行為に関連する所定の会話アクション判定条件を使用して、前記アクションにおける前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記活動情報は、仮想空間における他のアバター間の距離情報であり、前記判定部は、規制対象行為に関する所定の距離情報判定条件を使用して、前記距離情報に関する前記アバターの規制対象行為を判定し、前記判定部は、優遇対象行為に関する所定の距離情報判定条件を使用して、前記距離情報に関する前記アバターの優遇対象行為を判定する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記活動情報は、仮想空間における他のアバターへの接触情報であり、前記判定部は、規制対象行為に関する所定の接触情報判定条件を使用して、前記接触情報に関する前記アバターの規制対象行為を判定し、前記判定部は、優遇対象行為に関する所定の接触情報判定条件を使用して、前記接触情報に関する前記アバターの優遇対象行為を判定する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記活動情報は、仮想空間における公序良俗情報であり、前記判定部は、規制対象行為に関する所定の公序良俗情報判定条件を使用して、前記公序良俗情報に関する前記アバターの規制対象行為を判定する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記活動情報は、仮想空間におけるコンテンツ情報であり、前記判定部は、優遇対象行為に関する所定のコンテンツ情報判定条件を使用して、前記コンテンツ情報に関する前記アバターの優遇対象行為を判定する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記活動情報は、仮想空間における貢献情報であり、前記判定部は、優遇対象行為に関する所定の貢献情報判定条件を使用して、前記貢献情報に関する前記アバターの優遇対象行為を判定する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記活動情報は、仮想空間における他のアバターとの繋がり情報であり、前記判定部は、優遇対象行為に関する所定の繋がり情報判定条件を使用して、前記繋がり情報に関する前記アバターの優遇対象行為を判定する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記管理部は、ブロックチェーンである、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記制御部は、複数の異なる仮想空間において共通の前記識別情報を制御対象にする、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記制御部は、一の前記識別情報に対して、一の仮想空間における前記特定された行為に対する前記行為存在情報を用いて、前記一の仮想空間とは異なる他の仮想空間における前記活動制限制御及び前記活動優遇制御を行う、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記制御部は、前記活動制限制御として、所定期間内の前記登録情報により前記アバターの活動を制限する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記制御部は、前記活動制限制御として、仮想空間へのログインの制限、仮想空間におけるアバターの能力の制限又は仮想空間における移動範囲の制限を行う、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記制御部は、規制対象行為を受けたアバターがログインしている仮想空間へのログインを制限する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記制御部は、前記活動優遇制御として、仮想空間におけるコンテンツの利用の優遇、仮想空間における移動範囲の優遇、仮想空間における特典ポイントの優遇を行う、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記制御部は、複数の前記アバターと所有ユーザとを関連付けるアバター属性データに基づいて、前記所有ユーザに関連付けられた複数の前記アバターのうち前記登録情報で特定される前記アバター以外の前記アバターを制御対象にしない、情報処理装置である。
本発明の一態様は、仮想空間で活動するアバターの活動情報を取得する取得部と、前記活動情報に基づいて前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する判定部と、前記判定により特定された行為が存在したことを示す行為存在情報と前記アバターを特定する識別情報とを関連付けて管理部に登録する登録部と、前記仮想空間でのアバターの活動を制御する仮想空間サーバに対して、前記管理部に登録される登録情報を通知する通知部と、を備える情報処理装置である。
【0009】
本発明の一態様は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、仮想空間で活動するアバターの活動情報を取得する取得ステップと、前記活動情報に基づいて前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する判定ステップと、前記判定により特定された行為が存在したことを示す行為存在情報と前記アバターを特定する識別情報とを関連付けて管理部に登録する登録ステップと、前記管理部に登録された登録情報に基づいて、前記識別情報が規制対象行為に関連付けられている場合は前記アバターの仮想空間での活動を制限する活動制限制御を行い、前記識別情報が優遇対象行為に関連付けられている場合は前記アバターの仮想空間での活動を優遇する活動優遇制御を行う制御ステップと、を含む情報処理方法である。
本発明の一態様は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、仮想空間で活動するアバターの活動情報を取得する取得ステップと、前記活動情報に基づいて前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する判定ステップと、前記判定により特定された行為が存在したことを示す行為存在情報と前記アバターを特定する識別情報とを関連付けて管理部に登録する登録ステップと、前記仮想空間でのアバターの活動を制御する仮想空間サーバに対して、前記管理部に登録される登録情報を通知する通知ステップと、を含む情報処理方法である。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、仮想空間におけるアバターの活動に応じて当該アバターの仮想空間での活動に対する制御を行うことができるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
【
図2】一実施形態に係るユーザ管理サーバ(情報処理装置)の構成例を示すブロック図である。
【
図3】一実施形態に係る登録情報の構成例を示す図である。
【
図4】一実施形態に係る情報処理方法の手順の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は、一実施形態に係る情報処理システムの構成例を示すブロック図である。
図1において、ユーザ管理サーバ1は、仮想空間サービスのユーザに関する一又は複数の仮想空間でのアバターの活動の管理を行う。
【0013】
N個の仮想空間V1-VNは、それぞれ対応するN台の仮想空間サーバ3_V1-VNによって構築される。以下、仮想空間V1-VNを特に区別しないときは「仮想空間V」と称する。また仮想空間サーバ3_V1-VNを特に区別しないときは「仮想空間サーバ3」と称する。
【0014】
仮想空間Vは、現実空間を模した仮想空間として構築されてもよいし、現実空間とは別個の創造された仮想空間として構築されてもよい。
【0015】
ユーザは、仮想空間Vにおいてアバターを用いて活動することができる。仮想空間V1において、ユーザAはアバターU_Aを用いて活動し、ユーザBはアバターU_Bを用いて活動する。また、同一ユーザが複数の異なる仮想空間Vでアバターを用いて活動することができる。例えば、ユーザAは、複数の仮想空間V1,V2,・・・でアバターU_Aを用いて活動する。
【0016】
ここで、例えば、アバターU_Aの行為がアバターU_Bを用いるユーザBにとって感謝する行為になる場合がある。本実施形態では、そのようなアバターU_Aの行為を判定し、アバターU_Aの仮想空間Vでの活動を優遇することを図る。一例として、ユーザBからの申告があった場合にのみアバターU_Aの活動を検証し、当該検証の結果に基づいてアバターU_Aの仮想空間Vでの活動を優遇する。
【0017】
また、例えば、アバターU_Aの行為がアバターU_Bを用いるユーザBにとって不快に感じる行為になる場合がある。本実施形態では、そのようなアバターU_Aの行為を判定し、アバターU_Aの仮想空間Vでの活動を制限することを図る。一例として、ユーザBからの申告があった場合にのみアバターU_Aの活動を検証し、当該検証の結果に基づいてアバターU_Aの仮想空間Vでの活動を制限する。このとき、ユーザAには、反論の機会が与えられてもよい。
【0018】
ユーザ管理サーバ1は、インターネット等の通信ネットワークNWを介して、仮想空間サーバ3との間でデータを送受する。仮想空間サーバ3は、仮想空間サービスを提供するための情報処理を実行する。仮想空間サービスとして、例えば、非特許文献1に記載された技術により例えば東京渋谷の街の構成を模して仮想空間V上に仮想の都市空間が構築され、ユーザが自分の分身として仮想空間V上に配置されるアバターを用いて仮想空間上の東京渋谷の街を体験することができる。ユーザは、VRデバイスVdevを使用して、例えば仮想空間V上の東京渋谷の街でアバターを用いて活動することができる。
【0019】
仮想空間サーバ3は、通信ネットワークNWを介して、ユーザが使用するVRデバイスVdevとの間で、仮想空間サービスに関するデータを送受する。VRデバイスVdevは、例えばヘッドマウントディスプレー(HMD)である。ヘッドマウントディスプレーは、装着者に対して、コンピューターグラフィックス(CG)により作られた仮想空間Vを、リアルな空間(現実空間)のように見せることができる。また、ヘッドマウントディスプレーが備える各種センサーによって動きや傾きなどが検出され、装着者が仮想空間V上を移動しているように見せたり、仮想空間V上のオブジェクトを見る方向を変えたりすることができる。ユーザは、ヘッドマウントディスプレーが備える操作部を使用して、仮想空間V上の自分のアバターを移動させたり向きを変えたり、他のアバター間でテキストによる会話を行ったり等の所定の操作を行うことができる。ヘッドマウントディスプレーが備える操作部は、例えば、ヘッドマウントディスプレー本体とは別個の装置として構成されるものであって、ヘッドマウントディスプレー本体との間で近距離無線通信を行う。また、ユーザは、ヘッドマウントディスプレーが備えるマイク及びスピーカによって、仮想空間V上の自分のアバターと他のアバター間で音声による会話を行うことができる。
【0020】
ユーザ管理サーバ1は、通信ネットワークNWを介して、ブロックチェーンサービスシステム4との間でデータを送受する。ブロックチェーンサービスシステム4は、ブロックチェーン5を利用するサービスを提供する。ブロックチェーンサービスシステム4は、例えば、ブロックチェーン5を利用して各種の情報の管理を行う。例えば、ブロックチェーンサービスシステム4は、ブロックチェーン5を利用してNFT(Non-Fungible Token、非代替性トークン)の管理を行う。
【0021】
図2は、本実施形態に係るユーザ管理サーバ(情報処理装置)の構成例を示すブロック図である。
図2において、ユーザ管理サーバ1は、取得部101と、判定部102と、登録部103と、制御部104と、受付部105と、記憶部200とを備える。
【0022】
ユーザ管理サーバ1の各機能は、ユーザ管理サーバ1がCPU(Central Processing Unit:中央演算処理装置)及びメモリ等のコンピュータハードウェアを備え、CPUがメモリに格納されたコンピュータプログラムを実行することにより実現される。なお、ユーザ管理サーバ1として、汎用のコンピュータ装置を使用して構成してもよく、又は、専用のハードウェア装置として構成してもよい。例えば、ユーザ管理サーバ1は、インターネット等の通信ネットワークに接続されるサーバコンピュータを使用して構成されてもよい。また、ユーザ管理サーバ1の各機能はクラウドコンピューティングにより実現されてもよい。また、ユーザ管理サーバ1は、単独のコンピュータにより実現するものであってもよく、又はユーザ管理サーバ1の機能を複数のコンピュータに分散させて実現するものであってもよい。また、ユーザ管理サーバ1として、例えばWWWシステム等を利用してウェブサイトを開設するように構成してもよい。
【0023】
記憶部200は、各種のデータを記憶する。記憶部200は、規制対象行為判定条件201と、優遇対象行為判定条件202と、活動制限規定203と、活動優遇規定204とを記憶する。規制対象行為判定条件201、優遇対象行為判定条件202、活動制限規定203及び活動優遇規定204は、予め、記憶部200に記憶される。
【0024】
取得部101は、仮想空間Vで活動するアバターの活動情報を取得する。取得部101は、仮想空間サーバ3から該当の仮想空間Vで活動するアバターの活動情報を取得する。アバターの活動情報は、仮想空間Vにおける当該アバターの行為を特定する情報である。
【0025】
判定部102は、取得部101が取得したアバターの活動情報に基づいて当該アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する。
【0026】
判定部102は、優遇対象行為判定条件202を用いて、アバターの優遇対象行為を判定する。優遇対象行為判定条件202は、仮想空間Vにおけるアバターの行為が優遇対象行為であることを判定するための条件である。判定部102は、アバターの活動情報に基づいて当該アバターの行為を特定し、特定した行為が優遇対象行為判定条件202に合致する場合に優遇対象行為であると判定する。
【0027】
判定部102は、規制対象行為判定条件201を用いて、アバターの規制対象行為を判定する。規制対象行為判定条件201は、仮想空間Vにおけるアバターの行為が規制対象行為であることを判定するための条件である。判定部102は、アバターの活動情報に基づいて当該アバターの行為を特定し、特定した行為が規制対象行為判定条件201に合致する場合に規制対象行為であると判定する。
【0028】
登録部103は、判定部102の判定によりアバターの特定された行為(規制対象行為又は優遇対象行為)が存在したことを示す行為存在情報と当該アバターのアバター識別情報(アバターID)とを関連付けて管理部に登録する。本実施形態では管理部の一例として、ブロックチェーン5を利用する。なお、管理部として、ユーザ管理サーバ1の外部のデータベースを利用してもよいし、ユーザ管理サーバ1の内部に管理部を設けてもよい。
【0029】
行為存在情報は、存在した行為(規制対象行為又は優遇対象行為)を特定する情報であってもよいし、行為(規制対象行為又は優遇対象行為)が存在したことを示す行為フラグであってもよい。
【0030】
行為フラグは、特定された優遇対象行為の優遇対象レベルに応じて多段階で設定されてもよい。例えば、優遇対象レベルが高い場合に行為フラグとして「ゴールドフラグ」を設定し、優遇対象レベルが低い場合に行為フラグとして「シルバーフラグ」を設定してもよい。
【0031】
行為フラグは、特定された規制対象行為の規制対象レベルに応じて多段階で設定されてもよい。例えば、規制対象レベルが高い場合に行為フラグとして「レッドフラグ」を設定し、規制対象レベルが低い場合に行為フラグとして「イエローフラグ」を設定してもよい。
【0032】
図3は、本実施形態に係る登録情報の構成例を示す図である。登録情報は、管理部に登録される情報である。
図3に示されるように、登録情報は、アバターIDと行為存在情報とが関連付けられた情報である。登録情報は、さらに、行為存在情報に関する行為が存在した仮想空間Vを示す情報を含んでもよい。
【0033】
制御部104は、管理部に登録された登録情報に基づいて、アバターIDが優遇対象行為に関連付けられている場合は該当のアバターの仮想空間Vでの活動を優遇する活動優遇制御を行う。制御部104は、活動優遇規定204に従って活動優遇制御を行う。活動優遇規定204は、アバターの活動を優遇する際の規定である。
【0034】
制御部104は、管理部に登録された登録情報に基づいて、アバターIDが規制対象行為に関連付けられている場合は該当のアバターの仮想空間Vでの活動を制限する活動制限制御を行う。制御部104は、活動制限規定203に従って活動制限制御を行う。活動制限規定203は、アバターの活動を制限する際の規定である。
【0035】
制御部104は、活動制限制御又は活動優遇制御を指示する活動制御情報を仮想空間サーバ3に送信する。仮想空間サーバ3は、当該活動制御情報に従って、アバターの活動を制限したり優遇したりする。これにより、制御部104は、仮想空間サーバ3を介して、活動制限制御及び活動優遇制御を実現する。
【0036】
活動優遇制御の例として、仮想空間Vにおけるコンテンツの利用の優遇、仮想空間Vにおける移動範囲の優遇、仮想空間Vにおける特典ポイントの優遇などが挙げられる。コンテンツの利用の優遇の例として、コンテンツの先行体験又は限定体験、コンテンツの優先購入、握手会等の時間の優遇、コンテンツの抽選販売時の当選確率の増加、特別な場所への優先入場などが挙げられる。移動範囲の優遇の例として、ラウンジ等の特定エリアへの侵入許可などが挙げられる。特典ポイントの優遇の例として、特典ポイントの付与割合の増加などが挙げられる。
【0037】
活動制限制御の例として、仮想空間Vへのログインの制限、仮想空間Vにおけるアバターの能力の制限、仮想空間Vにおける移動範囲の制限などが挙げられる。例えば、制御部104は、規制対象行為を行ったアバターに対して、当該規制対象行為を受けたアバターがログインしている仮想空間Vへのログインを制限する。例えば、当該規制対象行為を受けたアバターがログインしている期間は、当該規制対象行為を行ったアバターの当該仮想空間Vへのログインを禁止する。例えば、制御部104は、規制対象行為を行ったアバターに対して、能力の制限の一例として他のアバターと会話する機能を制限する。
【0038】
行為存在情報として優遇対象行為の優遇対象レベルに応じて設定される多段階の行為フラグである場合、制御部104は、行為フラグが示す優遇対象レベルの段階に応じて、活動優遇制御におけるアバターの仮想空間での活動の優遇レベルを変えてもよい。例えば、行為フラグが「ゴールドフラグ」である場合はアバターの全ての活動を優遇し、行為フラグが「シルバーフラグ」である場合はアバターの所定の一部の活動のみを優遇してもよい。
【0039】
行為存在情報として規制対象行為の規制対象レベルに応じて設定される多段階の行為フラグである場合、制御部104は、行為フラグが示す規制対象レベルの段階に応じて、活動制限制御におけるアバターの仮想空間での活動の制限レベルを変えてもよい。例えば、行為フラグが「レッドフラグ」である場合はアバターの全ての活動を禁止し、行為フラグが「イエローフラグ」である場合はアバターの所定の一部の活動のみを許可してもよい。
【0040】
本実施形態では、同一ユーザが複数の異なる仮想空間Vでアバターによる活動を行う場合において、ある仮想空間Vにおける行為(規制対象行為又は優遇対象行為)によって、他の仮想空間Vでも同様の制御(活動制限制御又は活動優遇制御)を実現することを図る。これは、同一ユーザが複数の異なる仮想空間Vでアバターによる活動を行う場合、例えば、ある仮想空間Vでアバターにより良い行動を取るユーザは、他の仮想空間Vでも同様に良い行動を取ることが予想されるので、そのようなよい行動を取るユーザに対してそれぞれの仮想空間Vで優遇するためである。そのために、制御部104は、複数の異なる仮想空間Vにおいて共通のアバターIDを制御対象にする。
【0041】
具体的には、制御部104は、一のアバターIDに対して、一の仮想空間Vにおける優遇対象行為に対する行為存在情報を用いて、当該一の仮想空間Vとは異なる他の仮想空間Vにおける活動優遇制御を行う。これにより、例えば、アバターU_Aに対して仮想空間V1で行為フラグ「ゴールドフラグ」が付与され場合に、アバターU_Aに対して、仮想空間V1と同様に他の仮想空間V2,V3,・・・,VNでも、当該「ゴールドフラグ」に対応する活動優遇制御を実施することができる。制御部104は、一のアバターIDに対して、一の仮想空間Vにおける規制対象行為に対する行為存在情報を用いて、当該一の仮想空間Vとは異なる他の仮想空間Vにおける活動制限制御を行う。これにより、例えば、アバターU_Aに対して仮想空間V1で行為フラグ「レッドフラグ」が付与され場合に、アバターU_Aに対して、仮想空間V1と同様に他の仮想空間V2,V3,・・・,VNでも、当該「レッドフラグ」に対応する活動制限制御を実施することができる。
【0042】
制御部104は、活動制限制御として、所定期間内の登録情報によりアバターの活動を優遇してもよい。例えば、現在から過去の1年以内に管理部に登録された登録情報により、アバターの活動を優遇する。これにより、行為の発生から1年以上経過した優遇対象行為は活動優遇制御の対象外になり、優遇対象行為の効力を限定的にすることができる。制御部104は、活動制限制御として、所定期間内の登録情報によりアバターの活動を制限してもよい。例えば、現在から過去の1年以内に管理部に登録された登録情報により、アバターの活動を制限する。これにより、行為の発生から1年以上経過した規制対象行為は活動制限制御の対象外になり、いわゆる時効を実現することができる。
【0043】
また本実施形態の活動制御方法の一例として、ユーザ単位では制御しないようにしてもよい。これは、一ユーザが複数のアバター(アバターID)を使用する場合において、あるアバターIDに対して行為存在情報が管理部に登録されたときに、当該アバターIDに対しては登録された行為存在情報により活動を制限したり活動を優遇したりするが、当該アバターID以外の他のアバターIDは対象外にするものである。具体的には、複数のアバターと所有ユーザとを関連付けるアバター属性データを予め準備する。制御部104は、活動制限制御及び活動優遇制御において、アバター属性データに基づいて、所有ユーザに関連付けられた複数のアバターのうち管理部の登録情報で特定されるアバター以外のアバターを制御対象にしない。
【0044】
受付部105は、ユーザから規制対象行為又は優遇対象行為の申告を受付ける。例えば、受付部105は、ユーザ(申告ユーザ)のVRデバイスVdevから、規制対象行為又は優遇対象行為の申告情報を受信する。規制対象行為又は優遇対象行為の申告情報は、規制対象行為又は優遇対象行為を行ったアバターのアバターIDと、申告ユーザのアバターのアバターIDと、当該行為が行われた日時及び仮想空間V上の場所を示す情報とを含む情報である。この申告情報によって、申告ユーザのアバターに対して、どのアバターがどの仮想空間Vのどの場所でいつ規制対象行為又は優遇対象行為を行ったかが申告される。
【0045】
判定部102は、申告ユーザからの申告(申告情報)に応じて、アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する。このとき、判定部102は、取得部101が取得したアバターの活動情報に基づいて、申告ユーザからの申告(申告情報)の真偽を判定し、当該判定の結果により当該申告の使用可否を決定する。例えば、判定部102は、申告ユーザからの申告(申告情報)が真であると判定した場合に当該申告を使用する。一方、判定部102は、申告ユーザからの申告(申告情報)が偽であると判定した場合に当該申告を使用しない。これにより、不正な優遇や冤罪の防止を図る。
なお、判定部102は、ユーザからの申告があった場合にのみ、アバターの活動情報に基づいて当該アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定してもよい。これにより、アバターの活動情報を使用する機会を必要最小限に留めることができる。
また、判定部102は、アバターの規制対象行為又は優遇対象行為の判定方法の一例として、申告ユーザからの申告(申告情報)に加えて、当該申告に関連する第三者ユーザからの判定情報に基づいて、アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定してもよい。第三者ユーザは、申告ユーザ、及び規制対象行為又は優遇対象行為を行った側のユーザ以外のユーザである。例えば、ストーカーと疑われる行為が申告された場合は、申告ユーザからの申告のみでは実際にストーキングされているかを判定することが難しいので、申告ユーザから申告された日時及び場所に居合わせた複数のアバターのユーザに当該ストーカー行為の有無を判定してもらい、当該判定の結果(判定情報)をユーザ管理サーバ1へ提供してもらう。
【0046】
また判定部は、定期的に、アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する。例えば、1日に1回定時に、判定部102は、アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する。
【0047】
規制対象行為及び優遇対象行為の判定方法(行為判定方法)の例を以下に挙げる。
【0048】
(行為判定方法の例1)
行為判定方法の例1は、アバターの活動情報が仮想空間Vにおける会話情報である場合である。会話情報は、アバター間の会話に関する記録であって音声でもよいしテキストでもよい。判定部102は、優遇対象行為に関連する言葉を含む辞書データを使用して、会話情報におけるアバターの優遇対象行為を判定する。判定部102は、優遇対象行為に関連する言葉が会話情報に含まれる場合にアバターの優遇対象行為ありと判定する。判定部102は、規制対象行為に関連する言葉を含む辞書データを使用して、会話情報におけるアバターの規制対象行為を判定する。判定部102は、規制対象行為に関連する言葉が会話情報に含まれる場合にアバターの規制対象行為ありと判定する。
【0049】
会話情報が会話に対する所定のアクションを含む場合、判定部102は、優遇対象行為に関連する所定の会話アクション判定条件(優遇対象行為判定条件202)を使用して、当該アクションにおけるアバターの優遇対象行為を判定する。優遇対象行為に関連する所定の会話アクション判定条件として、例えば、会話中に「いいね」の合図が出された場合にアバターの優遇対象行為ありと判定する。
【0050】
会話情報が会話に対する所定のアクションを含む場合、判定部102は、規制対象行為に関連する所定の会話アクション判定条件(規制対象行為判定条件201)を使用して、当該アクションにおけるアバターの規制対象行為を判定する。規制対象行為に関連する会話アクション判定条件として、例えば、誹謗中傷に該当する言葉が会話に含まれる場合にアバターの規制対象行為ありと判定する。
【0051】
(行為判定方法の例2)
行為判定方法の例2は、アバターの活動情報が仮想空間Vにおける他のアバター間の距離情報である場合である。アバター間の距離情報は、アバター間の距離が所定距離内にあった時間や頻度などである。
【0052】
判定部102は、優遇対象行為に関する所定の距離情報判定条件(優遇対象行為判定条件202)を使用して、アバター間の距離情報に関するアバターの優遇対象行為を判定する。例えば、初めて仮想空間Vで活動するユーザのアバターに対して活動を援助するアバターに関して、アバター間の距離が所定距離内にあった時間が所定の閾値を超える場合にアバターの優遇対象行為ありと判定する。
【0053】
判定部102は、規制対象行為に関する所定の距離情報判定条件(規制対象行為判定条件201)を使用して、アバター間の距離情報に関するアバターの規制対象行為を判定する。例えば、アバター間の距離が所定距離内にあった時間が所定の閾値を超える場合にアバターの規制対象行為ありと判定する。例えば、アバター間の距離が所定距離内にあった頻度が所定の閾値を超える場合にアバターの規制対象行為ありと判定する。
【0054】
(行為判定方法の例3)
行為判定方法の例3は、アバターの活動情報が仮想空間Vにおける他のアバターへの接触情報である場合である。他のアバターへの接触情報は、接触の有無、接触時間、回数、頻度などである。
【0055】
判定部102は、優遇対象行為に関する所定の接触情報判定条件(優遇対象行為判定条件202)を使用して、他のアバターへの接触情報に関するアバターの優遇対象行為を判定する。例えば、他のアバターへの接触が有り、且つ当該接触がアバター同士の握手である場合にアバターの優遇対象行為ありと判定する。握手が行われることは、仮想空間Vにおける良好なコミュニケーションの実現に貢献していると考えられるので、優遇対象行為とする。
【0056】
判定部102は、規制対象行為に関する所定の接触情報判定条件(規制対象行為判定条件201)を使用して、他のアバターへの接触情報に関するアバターの規制対象行為を判定する。例えば、他のアバターへの接触が有り、且つ接触時間、回数又は頻度が所定の閾値を超える場合にアバターの規制対象行為ありと判定する。
【0057】
(行為判定方法の例4)
行為判定方法の例4は、アバターの活動情報が仮想空間Vにおける公序良俗情報である場合である。公序良俗情報は、公序良俗に反するアバターの行為を特定する情報である。判定部102は、規制対象行為に関する所定の公序良俗情報判定条件(規制対象行為判定条件201)を使用して、公序良俗情報に関するアバターの規制対象行為を判定する。例えば、アバターの容姿が公序良俗に反する場合にアバターの規制対象行為ありと判定する。アバターの容姿の判定は、画像認識や人工知能(AI)を用いて行う。
【0058】
(行為判定方法の例5)
行為判定方法の例5は、アバターの活動情報が仮想空間Vにおけるコンテンツ情報である場合である。コンテンツ情報は、UGC(User Generated Contents)数、コンテンツ体験数などである。判定部102は、優遇対象行為に関する所定のコンテンツ情報判定条件(優遇対象行為判定条件202)を使用して、コンテンツ情報に関するアバターの優遇対象行為を判定する。例えば、アバターが提供するUGC数が所定の閾値を超える場合にアバターの優遇対象行為ありと判定する。例えば、アバターが体験したコンテンツの数(コンテンツ体験数)が所定の閾値を超える場合にアバターの優遇対象行為ありと判定する。
【0059】
(行為判定方法の例6)
行為判定方法の例6は、アバターの活動情報が仮想空間Vにおける貢献情報である場合である。貢献情報は、ボランティアなどの活動実績である。判定部102は、優遇対象行為に関する所定の貢献情報判定条件(優遇対象行為判定条件202)を使用して、貢献情報に関するアバターの優遇対象行為を判定する。例えば、アバターによるボランティアの活動回数が所定の閾値を超える場合にアバターの優遇対象行為ありと判定する。
【0060】
(行為判定方法の例7)
行為判定方法の例7は、アバターの活動情報が仮想空間Vにおける他のアバターとの繋がり情報である場合である。他のアバターとの繋がり情報は、仮想空間Vにおけるフォロワー数などである。判定部102は、優遇対象行為に関する所定の繋がり情報判定条件(優遇対象行為判定条件202)を使用して、繋がり情報に関するアバターの優遇対象行為を判定する。例えば、アバターのフォロワー数が所定の閾値を超える場合にアバターの優遇対象行為ありと判定する。
【0061】
次に
図4を参照して本実施形態に係る情報処理方法を説明する。
図4は、本実施形態に係る情報処理方法の手順の一例を示すシーケンス図である。ここでは一例として、ユーザAがアバターU_A(アバターID「アバターid_A」)を用いて仮想空間V1で優遇対象行為を行う場合を挙げて説明するが、規制対象行為を行う場合も同様である。
【0062】
(ステップS101) ユーザAは、VRデバイスVdevを用いて、仮想空間V1を提供する仮想空間サーバ3_V1に対してアバターID「アバターid_A」のログインを行う。
【0063】
(ステップS102) 仮想空間サーバ3_V1は、ユーザ管理サーバ1に対して、アバターID「アバターid_A」のプロファイルを要求する。
【0064】
(ステップS103) ユーザ管理サーバ1の制御部104は、当該プロファイルの要求に応じて、ブロックチェーンサービスシステム4に対して、アバターID「アバターid_A」のプロファイルの照会を行う。
【0065】
(ステップS104) ユーザ管理サーバ1の制御部104は、ブロックチェーンサービスシステム4から、アバターID「アバターid_A」のプロファイルの回答を受ける。アバターID「アバターid_A」の登録情報が既にブロックチェーン5に記録されている場合、アバターID「アバターid_A」のプロファイルには当該登録情報が含まれる。ここでは、まだアバターID「アバターid_A」の登録情報がブロックチェーン5に記録されていない。したがって、アバターID「アバターid_A」のプロファイルには登録情報が含まれない。
【0066】
(ステップS105) ユーザ管理サーバ1の制御部104は、ブロックチェーンサービスシステム4から回答されたアバターID「アバターid_A」のプロファイルには登録情報ないので、アバターID「アバターid_A」に対する活動の優遇及び制限を行わないと判断する。よって、制御部104は、仮想空間サーバ3_V1に対して、アバターID「アバターid_A」の「活動の優遇及び制限なし」の活動制御情報を送信する。
【0067】
仮想空間サーバ3_V1は、ユーザ管理サーバ1から受信したアバターID「アバターid_A」の「活動の優遇及び制限なし」の活動制御情報により、アバターID「アバターid_A」に対して活動を優遇及び制限しない。これにより、ユーザAは、仮想空間V1を提供する仮想空間サーバ3_V1に対してアバターID「アバターid_A」のログインが成功し、アバターID「アバターid_A」のアバターを用いて仮想空間V1で優遇及び制限のない活動を行う。
【0068】
(ステップS106) ユーザ管理サーバ1の取得部101は、仮想空間サーバ3_V1から、アバターID「アバターid_A」の活動情報を取得する。
【0069】
(ステップS107) ユーザ管理サーバ1の判定部102は、取得部101が取得したアバターID「アバターid_A」の活動情報に基づいて当該アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する。ここでは、優遇対象行為ありと判定される。
【0070】
(ステップS108) ユーザ管理サーバ1の登録部103は、判定部102の判定によりアバターID「アバターid_A」の特定された優遇対象行為が存在したことを示す行為存在情報とアバターID「アバターid_A」とを関連付けてブロックチェーンサービスシステム4に登録する。ブロックチェーンサービスシステム4は、当該登録に応じて、当該行為存在情報とアバターID「アバターid_A」とが関連付けられた登録情報をブロックチェーン5に記録する。当該登録情報は、アバターID「アバターid_A」のプロファイルの一部としてブロックチェーン5に記録される。
【0071】
(ステップS109) ユーザ管理サーバ1の制御部104は、ブロックチェーンサービスシステム4に登録されたアバターID「アバターid_A」の登録情報に含まれる行為存在情報が優遇対象行為を示すので、アバターID「アバターid_A」に対する活動の優遇を行うと判断する。よって、制御部104は、仮想空間サーバ3_V1に対して、アバターID「アバターid_A」の「活動の優遇あり」の活動制御情報を送信する。当該活動制御情報は、活動優遇規定204による活動優遇内容を含む情報である。
【0072】
仮想空間サーバ3_V1は、ユーザ管理サーバ1から受信したアバターID「アバターid_A」の「活動の優遇あり」の活動制御情報により、アバターID「アバターid_A」に対して活動を優遇する。具体的には、活動制御情報に含まれる活動優遇内容に従って、アバターID「アバターid_A」に対して活動を優遇する。これにより、ユーザAは、仮想空間V1を提供する仮想空間サーバ3_V1に対してアバターID「アバターid_A」のログインが成功し、仮想空間V1においてアバターID「アバターid_A」のアバターを用いた活動が優遇される。
【0073】
(ステップS110) ユーザAは、VRデバイスVdevを用いて、仮想空間VNを提供する仮想空間サーバ3_VNに対してアバターID「アバターid_A」のログインを行う。
【0074】
(ステップS111) 仮想空間サーバ3_VNは、ユーザ管理サーバ1に対して、アバターID「アバターid_A」のプロファイルを要求する。
【0075】
(ステップS112) ユーザ管理サーバ1の制御部104は、当該プロファイルの要求に応じて、ブロックチェーンサービスシステム4に対して、アバターID「アバターid_A」のプロファイルの照会を行う。
【0076】
(ステップS113) ユーザ管理サーバ1の制御部104は、ブロックチェーンサービスシステム4から、アバターID「アバターid_A」のプロファイルの回答を受ける。ここでは、既に、アバターID「アバターid_A」の登録情報(優遇対象行為を示す行為存在情報)がブロックチェーン5に記録されている。したがって、アバターID「アバターid_A」のプロファイルには当該登録情報が含まれる。
【0077】
(ステップS114) ユーザ管理サーバ1の制御部104は、ブロックチェーンサービスシステム4から回答されたアバターID「アバターid_A」のプロファイルに登録情報が含まれており、当該登録情報に含まれる行為存在情報が優遇対象行為を示すので、アバターID「アバターid_A」に対する活動の優遇を行うと判断する。よって、制御部104は、仮想空間サーバ3_VNに対して、アバターID「アバターid_A」の「活動の優遇あり」の活動制御情報を送信する。当該活動制御情報は、活動優遇規定204による活動優遇内容を含む情報である。
【0078】
仮想空間サーバ3_VNは、ユーザ管理サーバ1から受信したアバターID「アバターid_A」の「活動の優遇あり」の活動制御情報により、アバターID「アバターid_A」に対して活動を優遇する。具体的には、活動制御情報に含まれる活動優遇内容に従って、アバターID「アバターid_A」に対して活動を制限する。これにより、ユーザAは、仮想空間VNを提供する仮想空間サーバ3_VNに対してアバターID「アバターid_A」のログインが成功し、仮想空間VNにおいてアバターID「アバターid_A」のアバターを用いた活動が優遇される。
【0079】
上述した実施形態によれば、仮想空間Vにおけるアバターの活動に応じて当該アバターの仮想空間Vでの活動に対する制御を行うことができるという効果が得られる。
【0080】
なお、上述した実施形態では、アバターを特定する識別情報としてアバターIDを用いたが、これに限定されない。アバターを特定する識別情報として、例えば自己主権型のID管理方法として知られる分散型IDを用いてもよい。分散型IDは、例えば、ブロックチェーン5において、アバターのプロファイル等のユーザ情報に関連付けられる。したがって、ユーザの分散型IDによって、ブロックチェーン5から当該ユーザのアバターのプロファイルを検索することができる。
【0081】
また、上述した実施形態では、ユーザ管理サーバ1が活動制御情報を仮想空間サーバ3に送信したが、ユーザ管理サーバ1が管理部に登録される登録情報を仮想空間サーバ3に通知し、仮想空間サーバ3が当該登録情報に基づいて自己の仮想空間Vにおけるアバターの活動の制御内容を決定し、アバターの活動を制御してもよい。この場合、仮想空間サーバ3は、仮想空間で活動するアバターの活動情報を取得する取得部と、前記活動情報に基づいて前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する判定部と、前記判定により特定された行為が存在したことを示す行為存在情報と前記アバターを特定する識別情報とを関連付けて管理部に登録する登録部と、前記仮想空間でのアバターの活動を制御する仮想空間サーバに対して、前記管理部に登録される登録情報を通知する通知部と、を備える。仮想空間サーバ3は、活動制限規定203及び活動優遇規定204を保持し、仮想空間サーバ3から通知された登録情報と自己が保持する活動制限規定203及び活動優遇規定204とに基づいて、自己の仮想空間Vにおけるアバターの活動の制御内容を決定し、アバターの活動を制御する。活動制限規定203及び活動優遇規定204は、各仮想空間Vで異なってもよいし共通でもよい。
【0082】
なお、これにより、例えば仮想空間サービスを提供するシステムにおける総合的なサービス品質の向上を実現することができることから、国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)の目標9「レジリエントなインフラを整備し、持続可能な産業化を推進するとともに、イノベーションの拡大を図る」に貢献することが可能となる。
【0083】
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
【0084】
また、上述した各装置の機能を実現するためのコンピュータプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD(Digital Versatile Disc)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0085】
さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0086】
1…ユーザ管理サーバ、3…仮想空間サーバ、4…ブロックチェーンサービスシステム、5…ブロックチェーン、101…取得部、102…判定部、103…登録部、104…制御部、105…受付部、200…記憶部、NW…通信ネットワーク、Vdev…VRデバイス
【手続補正書】
【提出日】2023-11-24
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間で活動するアバターの活動情報を取得する取得部と、
前記活動情報に基づいて前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する判定部と、
前記判定により特定された行為が存在したことを示す行為存在情報と前記アバターを特定する識別情報とを関連付けて管理部に登録する登録部と、
前記管理部に登録された登録情報に基づいて、前記識別情報が規制対象行為に関連付けられている場合は前記アバターの仮想空間での活動を制限する活動制限制御を行い、前記識別情報が優遇対象行為に関連付けられている場合は前記アバターの仮想空間での活動を優遇する活動優遇制御を行う制御部と、
を備える情報処理装置であって、
前記制御部は、複数の異なる仮想空間において共通の前記識別情報を制御対象にし、一の前記識別情報に対して、一の仮想空間における前記特定された行為に対する前記行為存在情報を用いて、前記一の仮想空間とは異なる複数の他の仮想空間それぞれにおいて前記行為存在情報に対応する前記活動制限制御及び前記活動優遇制御を行う、
情報処理装置。
【請求項2】
前記行為存在情報は、前記特定された行為が存在したことを示す行為フラグであり、
前記行為フラグは、前記特定された行為の規制対象レベル又は優遇対象レベルに応じて多段階で設定され、
前記制御部は、前記行為フラグが示す規制対象レベルの段階に応じて、前記活動制限制御における前記アバターの仮想空間での活動の制限レベルを変え、
前記制御部は、前記行為フラグが示す優遇対象レベルの段階に応じて、前記活動優遇制御における前記アバターの仮想空間での活動の優遇レベルを変える、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
ユーザから規制対象行為又は優遇対象行為の申告を受付ける受付部をさらに備え、
前記判定部は、前記申告に応じて、前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記判定部は、前記活動情報に基づいて前記申告の真偽を判定し、当該判定の結果により前記申告の使用可否を決定する、
請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記判定部は、定期的に、前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記活動情報は、仮想空間における会話情報であり、
前記判定部は、規制対象行為又は優遇対象行為に関連する言葉を含む辞書データを使用して、前記会話情報における前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記会話情報は、会話に対する所定のアクションを含み、
前記判定部は、規制対象行為又は優遇対象行為に関連する所定の会話アクション判定条件を使用して、前記アクションにおける前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する、
請求項6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記活動情報は、仮想空間における他のアバター間の距離情報であり、
前記判定部は、規制対象行為に関する所定の距離情報判定条件を使用して、前記距離情報に関する前記アバターの規制対象行為を判定し、
前記判定部は、優遇対象行為に関する所定の距離情報判定条件を使用して、前記距離情報に関する前記アバターの優遇対象行為を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記活動情報は、仮想空間における他のアバターへの接触情報であり、
前記判定部は、規制対象行為に関する所定の接触情報判定条件を使用して、前記接触情報に関する前記アバターの規制対象行為を判定し、
前記判定部は、優遇対象行為に関する所定の接触情報判定条件を使用して、前記接触情報に関する前記アバターの優遇対象行為を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記活動情報は、仮想空間における公序良俗情報であり、
前記判定部は、規制対象行為に関する所定の公序良俗情報判定条件を使用して、前記公序良俗情報に関する前記アバターの規制対象行為を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記活動情報は、仮想空間におけるコンテンツ情報であり、
前記判定部は、優遇対象行為に関する所定のコンテンツ情報判定条件を使用して、前記コンテンツ情報に関する前記アバターの優遇対象行為を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記活動情報は、仮想空間における貢献情報であり、
前記判定部は、優遇対象行為に関する所定の貢献情報判定条件を使用して、前記貢献情報に関する前記アバターの優遇対象行為を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記活動情報は、仮想空間における他のアバターとの繋がり情報であり、
前記判定部は、優遇対象行為に関する所定の繋がり情報判定条件を使用して、前記繋がり情報に関する前記アバターの優遇対象行為を判定する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記管理部は、ブロックチェーンである、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記活動制限制御として、所定期間内の前記登録情報により前記アバターの活動を制限する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記制御部は、前記活動制限制御として、仮想空間へのログインの制限、仮想空間におけるアバターの能力の制限又は仮想空間における移動範囲の制限を行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項17】
前記制御部は、規制対象行為を受けたアバターがログインしている仮想空間へのログインを制限する、
請求項16に記載の情報処理装置。
【請求項18】
前記制御部は、前記活動優遇制御として、仮想空間におけるコンテンツの利用の優遇、仮想空間における移動範囲の優遇、仮想空間における特典ポイントの優遇を行う、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項19】
前記制御部は、複数の前記アバターと所有ユーザとを関連付けるアバター属性データに基づいて、前記所有ユーザに関連付けられた複数の前記アバターのうち前記登録情報で特定される前記アバター以外の前記アバターを制御対象にしない、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項20】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
仮想空間で活動するアバターの活動情報を取得する取得ステップと、
前記活動情報に基づいて前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する判定ステップと、
前記判定により特定された行為が存在したことを示す行為存在情報と前記アバターを特定する識別情報とを関連付けて管理部に登録する登録ステップと、
前記管理部に登録された登録情報に基づいて、前記識別情報が規制対象行為に関連付けられている場合は前記アバターの仮想空間での活動を制限する活動制限制御を行い、前記識別情報が優遇対象行為に関連付けられている場合は前記アバターの仮想空間での活動を優遇する活動優遇制御を行う制御ステップと、
を含む情報処理方法であって、
前記制御ステップは、複数の異なる仮想空間において共通の前記識別情報を制御対象にし、一の前記識別情報に対して、一の仮想空間における前記特定された行為に対する前記行為存在情報を用いて、前記一の仮想空間とは異なる複数の他の仮想空間それぞれにおいて前記行為存在情報に対応する前記活動制限制御及び前記活動優遇制御を行う、
情報処理方法。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0008】
本発明の一態様は、仮想空間で活動するアバターの活動情報を取得する取得部と、前記活動情報に基づいて前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する判定部と、前記判定により特定された行為が存在したことを示す行為存在情報と前記アバターを特定する識別情報とを関連付けて管理部に登録する登録部と、前記管理部に登録された登録情報に基づいて、前記識別情報が規制対象行為に関連付けられている場合は前記アバターの仮想空間での活動を制限する活動制限制御を行い、前記識別情報が優遇対象行為に関連付けられている場合は前記アバターの仮想空間での活動を優遇する活動優遇制御を行う制御部と、を備える情報処理装置であって、前記制御部は、複数の異なる仮想空間において共通の前記識別情報を制御対象にし、一の前記識別情報に対して、一の仮想空間における前記特定された行為に対する前記行為存在情報を用いて、前記一の仮想空間とは異なる複数の他の仮想空間それぞれにおいて前記行為存在情報に対応する前記活動制限制御及び前記活動優遇制御を行う、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記行為存在情報は、前記特定された行為が存在したことを示す行為フラグであり、前記行為フラグは、前記特定された行為の規制対象レベル又は優遇対象レベルに応じて多段階で設定され、前記制御部は、前記行為フラグが示す規制対象レベルの段階に応じて、前記活動制限制御における前記アバターの仮想空間での活動の制限レベルを変え、前記制御部は、前記行為フラグが示す優遇対象レベルの段階に応じて、前記活動優遇制御における前記アバターの仮想空間での活動の優遇レベルを変える、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、ユーザから規制対象行為又は優遇対象行為の申告を受付ける受付部をさらに備え、前記判定部は、前記申告に応じて、前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記判定部は、前記活動情報に基づいて前記申告の真偽を判定し、当該判定の結果により前記申告の使用可否を決定する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記判定部は、定期的に、前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記活動情報は、仮想空間における会話情報であり、前記判定部は、規制対象行為又は優遇対象行為に関連する言葉を含む辞書データを使用して、前記会話情報における前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記会話情報は、会話に対する所定のアクションを含み、前記判定部は、規制対象行為又は優遇対象行為に関連する所定の会話アクション判定条件を使用して、前記アクションにおける前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記活動情報は、仮想空間における他のアバター間の距離情報であり、前記判定部は、規制対象行為に関する所定の距離情報判定条件を使用して、前記距離情報に関する前記アバターの規制対象行為を判定し、前記判定部は、優遇対象行為に関する所定の距離情報判定条件を使用して、前記距離情報に関する前記アバターの優遇対象行為を判定する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記活動情報は、仮想空間における他のアバターへの接触情報であり、前記判定部は、規制対象行為に関する所定の接触情報判定条件を使用して、前記接触情報に関する前記アバターの規制対象行為を判定し、前記判定部は、優遇対象行為に関する所定の接触情報判定条件を使用して、前記接触情報に関する前記アバターの優遇対象行為を判定する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記活動情報は、仮想空間における公序良俗情報であり、前記判定部は、規制対象行為に関する所定の公序良俗情報判定条件を使用して、前記公序良俗情報に関する前記アバターの規制対象行為を判定する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記活動情報は、仮想空間におけるコンテンツ情報であり、前記判定部は、優遇対象行為に関する所定のコンテンツ情報判定条件を使用して、前記コンテンツ情報に関する前記アバターの優遇対象行為を判定する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記活動情報は、仮想空間における貢献情報であり、前記判定部は、優遇対象行為に関する所定の貢献情報判定条件を使用して、前記貢献情報に関する前記アバターの優遇対象行為を判定する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記活動情報は、仮想空間における他のアバターとの繋がり情報であり、前記判定部は、優遇対象行為に関する所定の繋がり情報判定条件を使用して、前記繋がり情報に関する前記アバターの優遇対象行為を判定する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記管理部は、ブロックチェーンである、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記制御部は、前記活動制限制御として、所定期間内の前記登録情報により前記アバターの活動を制限する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記制御部は、前記活動制限制御として、仮想空間へのログインの制限、仮想空間におけるアバターの能力の制限又は仮想空間における移動範囲の制限を行う、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記制御部は、規制対象行為を受けたアバターがログインしている仮想空間へのログインを制限する、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記制御部は、前記活動優遇制御として、仮想空間におけるコンテンツの利用の優遇、仮想空間における移動範囲の優遇、仮想空間における特典ポイントの優遇を行う、情報処理装置である。
本発明の一態様は、上記の情報処理装置において、前記制御部は、複数の前記アバターと所有ユーザとを関連付けるアバター属性データに基づいて、前記所有ユーザに関連付けられた複数の前記アバターのうち前記登録情報で特定される前記アバター以外の前記アバターを制御対象にしない、情報処理装置である。
本発明の一態様は、仮想空間で活動するアバターの活動情報を取得する取得部と、前記活動情報に基づいて前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する判定部と、前記判定により特定された行為が存在したことを示す行為存在情報と前記アバターを特定する識別情報とを関連付けて管理部に登録する登録部と、前記仮想空間でのアバターの活動を制御する仮想空間サーバに対して、前記管理部に登録される登録情報を通知する通知部と、を備える情報処理装置である。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0009】
本発明の一態様は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、仮想空間で活動するアバターの活動情報を取得する取得ステップと、前記活動情報に基づいて前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する判定ステップと、前記判定により特定された行為が存在したことを示す行為存在情報と前記アバターを特定する識別情報とを関連付けて管理部に登録する登録ステップと、前記管理部に登録された登録情報に基づいて、前記識別情報が規制対象行為に関連付けられている場合は前記アバターの仮想空間での活動を制限する活動制限制御を行い、前記識別情報が優遇対象行為に関連付けられている場合は前記アバターの仮想空間での活動を優遇する活動優遇制御を行う制御ステップと、を含む情報処理方法であって、前記制御ステップは、複数の異なる仮想空間において共通の前記識別情報を制御対象にし、一の前記識別情報に対して、一の仮想空間における前記特定された行為に対する前記行為存在情報を用いて、前記一の仮想空間とは異なる複数の他の仮想空間それぞれにおいて前記行為存在情報に対応する前記活動制限制御及び前記活動優遇制御を行う、情報処理方法である。
本発明の一態様は、情報処理装置が実行する情報処理方法であって、仮想空間で活動するアバターの活動情報を取得する取得ステップと、前記活動情報に基づいて前記アバターの規制対象行為又は優遇対象行為を判定する判定ステップと、前記判定により特定された行為が存在したことを示す行為存在情報と前記アバターを特定する識別情報とを関連付けて管理部に登録する登録ステップと、前記仮想空間でのアバターの活動を制御する仮想空間サーバに対して、前記管理部に登録される登録情報を通知する通知ステップと、を含む情報処理方法である。