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特開2024-128450物流システム、物流システム制御方法、物流システム制御プログラム、及び、記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128450
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】物流システム、物流システム制御方法、物流システム制御プログラム、及び、記録媒体
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/137 20060101AFI20240913BHJP
   G06Q 10/08 20240101ALI20240913BHJP
【FI】
B65G1/137 A
G06Q10/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】51
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037433
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000110011
【氏名又は名称】トーヨーカネツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003454
【氏名又は名称】弁理士法人友野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 恭矢
(72)【発明者】
【氏名】恩幣 直輝
【テーマコード(参考)】
3F522
5L010
5L049
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB01
3F522BB26
3F522BB27
3F522BB35
3F522CC01
3F522CC03
3F522CC05
3F522CC06
3F522DD04
3F522DD22
3F522DD23
3F522DD32
3F522DD34
3F522EE19
3F522FF02
3F522FF07
3F522FF14
3F522FF27
3F522FF37
3F522GG16
3F522GG23
3F522GG24
3F522GG37
3F522GG48
3F522HH03
3F522HH19
3F522HH33
3F522JJ04
3F522KK07
3F522LL23
3F522LL38
3F522LL57
5L010AA16
5L049AA16
(57)【要約】      (修正有)
【課題】近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化を可能にする。
【解決手段】集品対象品を入荷してから、ピッキング作業により集品を行い、出荷品を出荷するまでの全工程のうちの、一部の工程を担当する機能ブロックを単位機能ブロックとし、全ての単位機能ブロックを集めた機能ブロックを全機能ブロックとしたときに、アイテムは集品頻度についての頻度ランクのいずれか1に対応するランク付けがされており、全工程は、頻度ランクのいずれか1以上が対応付けられていて、その頻度ランクのアイテムの集品を担当する頻度ランク別集品工程を含み、全機能ブロックは、単位機能ブロックとして、頻度ランク別集品工程のそれぞれを担当する頻度ランク別集品機能ブロックと、頻度ランク別集品機能ブロックのそれぞれを制御する制御工程を担当する制御ブロックとを備える。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集品の対象となる集品対象品を入荷してから、前記集品対象品をそれぞれ1種類以上含むアイテムを単位として複数取扱い、ピッキング作業により前記集品を行い、出荷対象となる出荷品を出荷するまでの全工程のうちの、それぞれ一部の工程を担当する機能ブロックを単位機能ブロックとし、全ての単位機能ブロックを集めた機能ブロックを全機能ブロックとしたときに、
前記アイテムには、入荷時点の情報としてそれぞれ集品頻度についての複数の頻度ランクのいずれか1に対応するランク付けがされており、
前記全工程は、
前記複数の頻度ランクのいずれか1以上が対応付けられていて、その頻度ランクの前記アイテムの集品を担当する複数の頻度ランク別集品工程を含み、
前記全機能ブロックは、
前記単位機能ブロックとして、前記複数の頻度ランク別集品工程のそれぞれを担当する複数の頻度ランク別集品機能ブロックと、
前記複数の頻度ランク別集品機能ブロックのそれぞれを制御する制御工程を担当する制御ブロックと、
を備えることを特徴とする物流システム。
【請求項2】
前記複数の頻度ランクは、一定頻度以下の集品頻度を示す低頻度ランクを含み、
前記全工程は、前記低頻度ランクにランク付けされた低頻度アイテムの集品を行う低頻度アイテム集品工程を含み、
前記全機能ブロックは、前記低頻度アイテム集品工程を担当する低頻度アイテム集品機能ブロックを有する、
請求項1に記載の物流システム。
【請求項3】
前記複数の頻度ランクは、一定頻度以上の集品頻度を示す高頻度ランクを含み、
前記全工程は、前記高頻度ランクにランク付けされた高頻度アイテムの集品を行う高頻度アイテム集品工程を含み、
前記全機能ブロックは、前記高頻度アイテム集品工程を担当する高頻度アイテム集品機能ブロックを有する、
請求項1に記載の物流システム。
【請求項4】
前記複数の頻度ランクは、第1定数を超えて且つ第2定数未満の集品頻度を示す中頻度ランクを含み、
前記全工程は、前記中頻度ランクにランク付けされた中頻度アイテムの集品を行う中頻度アイテム集品工程を含み、
前記全機能ブロックは、前記中頻度アイテム集品工程を担当する中頻度アイテム集品機能ブロックを有する、
請求項1に記載の物流システム。
【請求項5】
前記全工程は、前記集品対象品を入荷して保管する入庫工程を含み、
前記全機能ブロックは、前記入庫工程を担当する入庫ブロックを有し、
前記入庫工程は、
入荷された前記集品対象品の種類を含む分別条件に基づいて前記集品対象品を分別して、前記分別条件に適合した搬送先に分別搬送する分別工程を含み、
前記入庫ブロックは、前記分別搬送のための分別搬送手段
を備える、請求項1に記載の物流システム。
【請求項6】
前記全工程は、出荷用の収容箱である出荷箱に、複数種類の前記アイテムのうちの出荷対象アイテムを出荷用に集品して、集配運輸体の運輸力により運輸するための形態である集配対象体として出荷する出荷工程を含み、
前記全機能ブロックは、前記出荷工程を担当する出荷ブロックを有し、
前記出荷ブロックは、
前記集配対象体を前記運輸のために前記集配運輸体に積載する出荷積載手段と、
を備える、請求項1に記載の物流システム。
【請求項7】
前記全工程は、前記入荷から前記出荷までの間で、前記アイテムを自動で複数保管して個別に抽出するための自動入出庫処理を行う自動入出庫工程を含み、
前記全機能ブロックは、前記自動入出庫工程を担当する自動入出庫ブロックを有し、
前記自動入出庫ブロックは、
前記自動入出庫処理を実行可能な自動入出庫手段
を備える、請求項1に記載の物流システム。
【請求項8】
前記全工程は、前記集品対象品を入荷して保管する入庫工程を含み、
前記全機能ブロックは、前記入庫工程を担当する入庫ブロックを有し、
前記入庫工程は、
前記集品対象品を収納している収納体に対して、前記集品対象品を抽出するための開口を設けるための開口工程と、
入荷された前記集品対象品の種類を含む分別条件に基づいて前記集品対象品を分別して、前記分別条件に適合した搬送先に分別搬送する分別工程と、
を含み、
前記入庫ブロックは、
前記開口工程を担当する収納体開口機能ブロックと、
前記分別搬送のための分別搬送手段と、
を備える、請求項1に記載の物流システム。
【請求項9】
前記全工程は、前記集品対象品を収納している収納体に対して、前記集品対象品を抽出するための開口を設けるための開口工程を含み、
前記全機能ブロックは、開口工程を担当する収納体開口機能ブロックを有する、
請求項1に記載の物流システム。
【請求項10】
前記複数の頻度ランクは、一定頻度以上の集品頻度を示す高頻度ランクを含み、
前記全工程は、前記高頻度ランクにランク付けされた高頻度アイテムの集品を行う高頻度アイテム集品工程を含み、
前記全機能ブロックは、前記高頻度アイテム集品工程を担当する高頻度アイテム集品機能ブロックを有し、
前記高頻度アイテム集品工程は、
混在する複数種類の前記アイテムの中から、個別種のアイテムを個別種アイテムとして抽出して、前記個別種アイテムに対応付けられた個別種の整列ラインである個別種ラインに整列載置する個別種アイテム抽出工程と、
前記個別種ラインから前記個別種アイテムを集品する個別種アイテム集品工程と、
を含み、
前記高頻度アイテム集品機能ブロックは、
前記個別種アイテム抽出工程を担当する個別種アイテム抽出ブロックと、
前記個別種アイテム集品工程を担当する個別種アイテム集品ブロックと、
を有する、請求項1に記載の物流システム。
【請求項11】
前記全工程は、
混在する複数種類の前記アイテムの中から、個別種のアイテムを個別種アイテムとして抽出して、前記個別種アイテムに対応付けられた個別種の整列ラインである個別種ラインに整列載置する個別種アイテム抽出工程と、
前記個別種ラインから前記個別種アイテムを集品する個別種アイテム集品工程と、
を含み、
前記全機能ブロックは、
前記個別種アイテム抽出工程を担当する個別種アイテム抽出ブロックと、
前記個別種アイテム集品工程を担当する個別種アイテム集品ブロックと、
を有する、請求項1に記載の物流システム。
【請求項12】
前記個別種アイテム抽出ブロックは、前記個別種ラインを複数備える、請求項10または請求項11に記載の物流システム。
【請求項13】
前記個別種アイテム抽出ブロックは、
前記複数種類の前記アイテムの中から、前記個別種アイテムを認識する個別種アイテム認識手段と、
認識された前記個別種アイテムを前記個別種ラインに整列載置する個別種アイテム載置手段と、
を備える、請求項10または請求項11に記載の物流システム。
【請求項14】
前記個別種アイテム載置手段は、
前記個別種アイテムを抽出して、対応付けられた前記個別種ラインに整列載置する個別種アイテム移載機能を有するピッキング用アクチュエータ
を備える、請求項13に記載の物流システム。
【請求項15】
前記個別種アイテム認識手段は、
前記個別種アイテムを撮像する個別種アイテム撮像手段
を備える、請求項13に記載の物流システム。
【請求項16】
前記制御工程は、前記個別種アイテム抽出工程を制御する個別種アイテム抽出制御工程を含み、
前記制御ブロックは、前記個別種アイテム抽出制御工程を担当する個別種アイテム抽出制御ブロックを有し、
前記個別種アイテム抽出制御ブロックは、
前記個別種アイテムの特徴を記憶する個別種アイテム特徴記憶手段と、
前記複数種類の前記アイテムの中から、記憶された前記個別種アイテムの特徴に一致するアイテムを前記個別種アイテムとして認定する個別種アイテム認定手段と、
を備え、
前記個別種アイテムの認定結果に基づいて、前記個別種アイテム抽出工程を制御する、請求項10または請求項11に記載の物流システム。
【請求項17】
前記個別種アイテム抽出制御ブロックは、
前記個別種アイテム特徴記憶手段に記憶する前記個別種アイテムの特徴を学習する個別種アイテム特徴学習手段
を備える、請求項16に記載の物流システム。
【請求項18】
前記個別種アイテム抽出ブロックは、
前記個別種アイテムの姿勢を認識する個別種アイテム姿勢認識手段と、
前記個別種ラインへの整列載置のための前記個別種アイテムの姿勢を調整する個別種アイテム姿勢調整手段と、
を備える、請求項10または請求項11に記載の物流システム。
【請求項19】
前記個別種アイテム姿勢調整手段は、
前記個別種ラインへの整列載置のための前記個別種アイテムの姿勢を調整する個別種アイテム姿勢調整機能を有するピッキング用アクチュエータ
を備える、請求項18に記載の物流システム。
【請求項20】
前記個別種アイテム姿勢認識手段は、
前記個別種アイテムの姿勢を撮像する個別種アイテム姿勢撮像手段
を備える、請求項18に記載の物流システム。
【請求項21】
前記制御工程は、前記個別種アイテム抽出工程を制御する個別種アイテム抽出制御工程を含み、
前記制御ブロックは、前記個別種アイテム抽出制御工程を担当する個別種アイテム抽出制御ブロックを有し、
前記個別種アイテム抽出制御ブロックは、
前記個別種アイテムの姿勢の特徴を記憶する個別種アイテム姿勢特徴記憶手段と、
記憶された前記個別種アイテムの姿勢の特徴に基づいて、抽出された前記個別種アイテムの姿勢を判定する個別種アイテム姿勢判定手段と、
を備え、
前記個別種アイテムの姿勢判定結果に基づいて、前記個別種アイテム抽出工程を制御する、請求項10または請求項11に記載の物流システム。
【請求項22】
前記個別種アイテム抽出制御ブロックは、
前記個別種アイテム姿勢特徴記憶手段に記憶する前記個別種アイテムの姿勢の特徴を学習する個別種アイテム特徴学習手段
を備える、請求項21に記載の物流システム。
【請求項23】
前記個別種アイテム集品ブロックは、
前記個別種ラインから前記個別種アイテムを集品する個別種アイテム集品機能を有するピッキング用アクチュエータ
を備える、請求項10または請求項11に記載の物流システム。
【請求項24】
前記複数の頻度ランクは、第1定数を超えて且つ第2定数未満の集品頻度を示す中頻度ランクを含み、
前記全工程は、前記中頻度ランクにランク付けされた中頻度アイテムの集品を行う中頻度アイテム集品工程を含み、
前記全機能ブロックは、前記中頻度アイテム集品工程を担当する中頻度アイテム集品機能ブロックを有し、
前記中頻度アイテム集品工程は、所定の搬送ロボットを利用して前記集品を行う搬送ロボット集品工程を含み、
前記中頻度アイテム集品機能ブロックは、前記搬送ロボット集品工程を担当する搬送ロボット集品ブロックを有し、
前記搬送ロボット集品ブロックは、
前記集品を行うための1以上のピッキングゾーンと、
前記ピッキングゾーン内で、複数種類の前記アイテムの種類毎に所定の間口から、前記アイテムのそれぞれを取出可能なピッキングラックと、
集品対象の前記アイテムを前記ピッキングラックから取り出して、前記アイテムを集品するために収容箱に集品するアイテム取出手段と、
を備え、
前記集品前の前記収容箱は、複数の前記搬送ロボットの少なくとも1により搬送されて搬入され、前記集品後の前記収容箱は、同一または別の前記搬送ロボットにより別の場所宛に搬出されて搬送される、
請求項1に記載の物流システム。
【請求項25】
前記全工程は、所定の搬送ロボットを利用して前記集品を行う搬送ロボット集品工程を含み、
前記全機能ブロックは、前記搬送ロボット集品工程を担当する搬送ロボット集品ブロックを有し、
前記搬送ロボット集品ブロックは、
前記集品を行うための1以上のピッキングゾーンと、
前記ピッキングゾーン内で、複数種類の前記アイテムの種類毎に所定の間口から、前記アイテムのそれぞれを取出可能なピッキングラックと、
集品対象の前記アイテムを前記ピッキングラックから取り出して、前記アイテムを集品するために収容箱に集品するアイテム取出手段と、
を備え、
前記集品前の前記収容箱は、複数の前記搬送ロボットの少なくとも1により搬送されて搬入され、前記集品後の前記収容箱は、同一または別の前記搬送ロボットにより別の場所宛に搬出されて搬送される、
請求項1に記載の物流システム。
【請求項26】
前記アイテム取出手段は、
前記ピッキングラックから集品対象の前記アイテムを取出可能な集品用アクチュエータ
を備える、請求項24または25に記載の物流システム。
【請求項27】
前記アイテム取出手段は、
前記ピッキングラックから集品対象の前記アイテムを取出可能なディスペンサー方式搬出手段
を備える、請求項24または25に記載の物流システム。
【請求項28】
前記複数の頻度ランクは、一定頻度以下の集品頻度を示す低頻度ランクを含み、
前記全工程は、前記低頻度ランクにランク付けされた低頻度アイテムの集品を行う低頻度アイテム集品工程を含み、
前記全機能ブロックは、前記低頻度アイテム集品工程を担当する低頻度アイテム集品機能ブロックを有し、
前記低頻度アイテム集品工程は、前記集品対象の前記アイテムを、入荷時の収容形態である入荷箱から安定搬送可能なトレーに移し替えるトレー移替工程を含み、
前記低頻度アイテム集品機能ブロックは、前記トレー移替工程を担当するトレー移替ブロックを有し、
前記トレー移替ブロックは、集品対象の前記アイテムを前記入荷箱から前記トレーに移し替えるアイテム移替手段
を備える、請求項1に記載の物流システム。
【請求項29】
前記全工程は、前記集品対象の前記アイテムを、入荷時の収容形態である入荷箱から安定搬送可能なトレーに移し替えるトレー移替工程を含み、
前記全機能ブロックは、前記トレー移替工程を担当するトレー移替ブロックを含み、
前記トレー移替ブロックは、集品対象の前記アイテムを前記入荷箱から前記トレーに移し替えるアイテム移替手段
を備える、請求項1に記載の物流システム。
【請求項30】
前記アイテム移替手段は、
集品対象の前記アイテムを前記入荷箱から前記トレーに移替可能な移替用アクチュエータ
を備える、請求項28または29に記載の物流システム。
【請求項31】
前記複数の頻度ランクは、一定頻度以下の集品頻度を示す低頻度ランクを含み、
前記全工程は、
前記低頻度ランクにランク付けされた低頻度アイテムを格納する低頻度アイテム格納工程と、
前記低頻度アイテムの集品を行う低頻度アイテム集品工程と、
を含み、
前記全機能ブロックは、
前記低頻度アイテム格納工程を担当する低頻度アイテム格納ブロックと、
前記低頻度アイテム集品工程を担当する低頻度アイテム集品ブロックと、
を有し、
前記低頻度アイテム格納ブロックは、
前記低頻度アイテムを格納可能な低頻度アイテム格納手段
を備え、
前記低頻度アイテム集品ブロックは、
前記低頻度アイテム集品工程を担当する低頻度アイテム集品手段
を備える、請求項1に記載の物流システム。
【請求項32】
前記低頻度アイテム格納工程は、
前記低頻度アイテム集品工程に先立って、前記低頻度アイテム格納手段から低頻度アイテムの格納用収容箱である低頻度アイテム格納箱を取り出す低頻度アイテム取出工程と、
前記低頻度アイテム集品工程後に低頻度アイテムが残った前記低頻度アイテム格納箱を前記低頻度アイテム格納手段に再格納する低頻度アイテム再格納工程と、
を含む、請求項31に記載の物流システム。
【請求項33】
前記低頻度アイテム集品手段は、
前記低頻度アイテムを前記低頻度アイテム集品箱に集品可能な低頻度アイテム集品用アクチュエータ
を備える、請求項31または32に記載の物流システム。
【請求項34】
前記複数の頻度ランクは、一定頻度以下の集品頻度を示す低頻度ランクを含み、
前記全工程は、前記低頻度ランクにランク付けされた低頻度アイテムを格納する低頻度アイテム格納工程を含み、
前記全機能ブロックは、前記低頻度アイテム格納工程を担当する低頻度アイテム格納ブロックを有し、
前記低頻度アイテム格納ブロックは、前記低頻度アイテムを格納可能な低頻度アイテム格納手段を備え、
前記低頻度アイテム格納手段は、
前記低頻度アイテムを自動で複数保管して個別に抽出するための自動入出庫処理を実行可能な自動入出庫手段
を備える、請求項1に記載の物流システム。
【請求項35】
前記全工程は、出荷用の収容箱である出荷箱に、複数種類の前記アイテムのうちの出荷対象アイテムを出荷用に集品して、集配運輸体の運輸力により運輸するための形態である集配対象体として出荷する出荷工程を含み、
前記全機能ブロックは、前記出荷工程を担当する出荷ブロックを有し、
前記出荷工程は、前記出荷対象アイテムを前記出荷箱に集品する寄せ工程を含み、
前記出荷ブロックは、前記寄せ工程を担当する寄せブロックを有し、
前記寄せ工程は、
前記出荷対象アイテムを詳細な単位で集品した子集品箱および親集品箱を搬入する親子集品箱搬入工程と、
搬入された前記子集品箱から前記出荷対象アイテムを取り出して、前記親集品箱に集品する出荷対象アイテム寄せ工程と、
前記親集品箱を前記出荷箱として搬出する出荷箱搬出工程と、
を含み、
前記寄せブロックは、
前記親子集品箱搬入工程を担当する親子集品箱搬入ブロックと、
前記出荷対象アイテム寄せ工程を担当する出荷対象アイテム寄せブロックと、
前記出荷箱搬出工程を担当する出荷箱搬出ブロックと、
を有する、請求項1に記載の物流システム。
【請求項36】
前記全工程は、出荷用の収容箱である出荷箱に、複数種類の前記アイテムのうちの出荷対象アイテムを出荷用に集品する寄せ工程を含み、
前記全機能ブロックは、前記寄せ工程を担当する寄せブロックを有し、
前記寄せ工程は、
前記出荷対象アイテムを詳細な単位で集品した子集品箱および親集品箱を搬入する親子集品箱搬入工程と、
搬入された前記子集品箱から前記出荷対象アイテムを取り出して、前記親集品箱に集品する出荷対象アイテム寄せ工程と、
前記親集品箱を前記出荷箱として搬出する出荷箱搬出工程と、
を含み、
前記寄せブロックは、
前記親子集品箱搬入工程を担当する親子集品箱搬入ブロックと、
前記出荷対象アイテム寄せ工程を担当する出荷対象アイテム寄せブロックと、
前記出荷箱搬出工程を担当する出荷箱搬出ブロックと、
を有する、請求項1に記載の物流システム。
【請求項37】
前記出荷対象アイテム寄せブロックは、
前記子集品箱から集品対象の前記出荷対象アイテムを取り出して前記親集品箱に集品可能な出荷対象集品用アクチュエータ
を備える、請求項35または36に記載の物流システム。
【請求項38】
前記出荷箱搬出ブロックは、
前記出荷箱の出荷に先立って、前記出荷箱を自動で複数保管して個別に抽出するための出荷箱保管処理を実行可能な自動入出庫手段
を備える、請求項35に記載の物流システム。
【請求項39】
前記出荷箱搬出ブロックは、
前記出荷箱の出荷に先立って、前記出荷箱を自動で複数保管して個別に抽出するための出荷箱保管処理を実行可能な自動入出庫手段
を備える、請求項36に記載の物流システム。
【請求項40】
前記全工程は、出荷用の収容箱である出荷箱に、複数種類の前記アイテムのうちの出荷対象アイテムを出荷用に集品して、集配運輸体の運輸力により運輸するための形態である集配対象体として出荷する出荷工程を含み、
前記全機能ブロックは、前記出荷工程を担当する出荷ブロックを有し、
前記出荷工程は、前記出荷箱を前記集配対象体としてまとめる段積工程を含み、
前記出荷ブロックは、前記段積工程を担当する段積ブロックを有し、
前記段積ブロックは、
前記集配対象体と、
前記出荷箱を前記集配対象体として整える段積手段と、
を備える、請求項1に記載の物流システム。
【請求項41】
前記全工程は、出荷用の収容箱である出荷箱を、集配運輸体の運輸力により運輸するための形態である集配対象体としてまとめる段積工程を含み、
前記全機能ブロックは、前記段積工程を担当する段積ブロックを有し、
前記段積ブロックは、
前記集配対象体と、
前記出荷箱を前記集配対象体として整える段積手段と、
を備える、請求項1に記載の物流システム。
【請求項42】
前記段積手段は、
前記出荷箱を前記集配対象体として整備可能な段積用アクチュエータ
を備える、請求項40または41に記載の物流システム。
【請求項43】
前記出荷工程は、前記段積工程に先立って、前記出荷箱を自動で複数保管して個別に抽出するための出荷箱保管処理を行う出荷箱保管工程を含み、
前記出荷ブロックは、前記出荷箱保管工程を担当する出荷箱保管ブロックを有し、
前記出荷箱保管ブロックは、
前記出荷箱保管処理を実行可能な自動入出庫手段
を備える、請求項40に記載の物流システム。
【請求項44】
前記全工程は、前記段積工程に先立って、前記出荷箱を自動で複数保管して個別に抽出するための出荷箱保管処理を行う出荷箱保管工程を含み、
前記全機能ブロックは、前記出荷箱保管工程を担当する出荷箱保管ブロックを有し、
前記出荷箱保管ブロックは、
前記出荷箱保管処理を実行可能な自動入出庫手段
を備える、請求項41に記載の物流システム。
【請求項45】
前記自動入出庫手段は、シャトル式自動倉庫である、請求項7、34、38、39、43および44のうちのいずれか1項に記載の物流システム。
【請求項46】
前記シャトル式自動倉庫は、収容箱を入出庫させる際に、前記収容箱を載置したシャトル台車を水平移動させるシャトル台車水平移動手段を備える、請求項45に記載の物流システム。
【請求項47】
前記シャトル式自動倉庫は、収容箱を入出庫させる際に、前記収容箱を載置したシャトル台車を上下移動させるシャトル台車上下移動手段を備える、請求項45に記載の物流システム。
【請求項48】
前記シャトル式自動倉庫は、複数の収容箱を入出庫させる際に、入庫順および出庫順の少なくともいずれかを指示可能な入出庫順指示手段を備える、請求項45に記載の物流システム。
【請求項49】
集品の対象となる集品対象品を入荷してから、前記集品対象品をそれぞれ1種類以上含むアイテムを単位として複数取扱い、ピッキング作業により前記集品を行い、出荷対象となる出荷品を出荷するまでの全工程のうちの、それぞれ一部の工程を担当する機能ブロックを単位機能ブロックとし、全ての単位機能ブロックを集めた機能ブロックを全機能ブロックとしたときに、
前記アイテムには、入荷時点の情報としてそれぞれ集品頻度についての複数の頻度ランクのいずれか1に対応するランク付けがされており、
前記全工程は、
前記複数の頻度ランクのいずれか1以上が対応付けられていて、その頻度ランクの前記アイテムの集品を担当する複数の頻度ランク別集品工程を含み、
前記全機能ブロックは、
前記単位機能ブロックとして、前記複数の頻度ランク別集品工程のそれぞれを担当する複数の頻度ランク別集品機能ブロックと、
前記複数の頻度ランク別集品機能ブロックのそれぞれを制御する制御工程を担当する制御ブロックと、
を備える物流システムにおいて、前記制御ブロックにより、前記制御工程を行うことを特徴とする物流システム制御方法。
【請求項50】
集品の対象となる集品対象品を入荷してから、前記集品対象品をそれぞれ1種類以上含むアイテムを単位として複数取扱い、ピッキング作業により前記集品を行い、出荷対象となる出荷品を出荷するまでの全工程のうちの、それぞれ一部の工程を担当する機能ブロックを単位機能ブロックとし、全ての単位機能ブロックを集めた機能ブロックを全機能ブロックとしたときに、
前記アイテムには、入荷時点の情報としてそれぞれ集品頻度についての複数の頻度ランクのいずれか1に対応するランク付けがされており、
前記全工程は、
前記複数の頻度ランクのいずれか1以上が対応付けられていて、その頻度ランクの前記アイテムの集品を担当する複数の頻度ランク別集品工程を含み、
前記全機能ブロックは、
前記単位機能ブロックとして、前記複数の頻度ランク別集品工程のそれぞれを担当する複数の頻度ランク別集品機能ブロックと、
前記複数の頻度ランク別集品機能ブロックのそれぞれを制御する制御工程を担当する制御ブロックと、
を備える物流システムにおいて、コンピュータを、前記制御ブロックとして機能させることを特徴とする物流システム制御プログラム。
【請求項51】
請求項50に記載のプログラムが記憶されたことを特徴とする記録媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、たとえば物流システム、物流システム制御方法、物流システム制御プログラム、及び、記録媒体に係り、特に、物流センターなどに商品が入荷してから集品工程に移行するまでの特に集品の前工程に関係する物流システム、物流システム制御方法、物流システム制御プログラム、及び、記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、物流センターなどにおいて、特にインターネット通販事業の拡大に伴い、物品を目的別に仕分けて個人宅配などの用途に供する物流施設においては、指定の配送先への出荷指示に対して、出荷すべき商品を収納した物品収納体(集品箱、ケース等)を出荷用倉庫から出庫し、それをかご車(台車、カート等)などの物品収納体運搬手段に積み込む作業が広く行われてきている。
【0003】
このような物流センターの作業の中心は、物品を目的別に仕分けするピッキング作業であるが、ピッキング作業を行うための物流システムとして、従来では、搬送ラインを用いてラインに沿って商品を間口毎に入れた流動棚(フローラック)を横に多数並べ、多くのピッキング作業者が流動棚やその近傍に設けた画面の表示器に従ってピッキングを行うデジタル物流システムが主流であったが、近年、搬送ロボットを利用して商品の入った棚を作業者の手元まで運んで集品するロボット式GTP(Goods to Person)システムなども提案されて来ている。さらには、両者のメリット、デメリットを踏まえた上で両方式を設けた物流センターが注目されている。
【0004】
しかし、これらのピッキングの工程に至る手前の工程として、物流センターに入荷した商品をデジタル物流システムの流動棚に入れ込むなどの前工程は、段ボール箱をカッターナイフで開梱する作業であったり、流動棚まで台車に載せて運ぶ作業であったり、ピッキングし易いように小分けする作業などのきめ細かい作業が多数あり、すべて人手で行っていた。
【0005】
このため、これらの作業者を多数必要としていたが、昨今の少子高齢化や特に物流業界で2024年問題としてクローズアップされている働き方改革などのため、物流センターの作業は従来以上に少人数で効率よく対処できるよう、高度な自動化が求められるようになった。
特に、作業の中心であるピッキングとその前後の作業には多くの人手が割かれているので、ピッキング作業の自動化だけでなく、その前後の作業を含む物流センタートータルでの自動化・省人化を図る必要がある。例えば入荷時の効率化のため、入荷品の梱包箱内に収容された内容物を容易に取り出すことのできる荷姿変換システムなども、開示されている(特許文献1)。
【0006】
ピッキング作業の自動化としては、従来よりシャトル式の高能力の自動倉庫により、プログラムに従い必要なものをタイムリーに自動出庫できる方法が知られている。ただし、自動倉庫は棚部分以外にもシャトルカーを走らせるレールやリフターなどの多くのスペースが必要であり、設置のための工数やメンテナンス工数も多く必要とするので、ピッキング工程でこれを用いる場合はピッキング機会の多い、所謂多頻度品を扱うのが運用効率が良い。
【0007】
しかし、現在の物流センターは、インターネット通販事業のように多品種少量となる多くの品目の取扱いが求められており、ピッキング機会が中頻度品以下の多くの品目にも対応しなければならない。しかし、これら中頻度品以下の商品については、人手を多く必要とするデジタル物流システムで対応するケースが多く、省人化の妨げとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2022ー063985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、ピッキング作業だけでなく、その前後の作業で特に自動化・省人化が遅れている商品の入荷からピッキングに至る前工程作業を含む、物流センタートータルでの自動化・省人化を図ることを目的とする。より具体的に、本発明は、自動化・省人化を図ることの可能な物流システム、物流システム制御方法、物流システム制御プログラム、及び、記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る物流システムは、集品の対象となる集品対象品を入荷してから、前記集品対象品をそれぞれ1種類以上含むアイテムを単位として複数取扱い、ピッキング作業により前記集品を行い、出荷対象となる出荷品を出荷するまでの全工程のうちの、それぞれ一部の工程を担当する機能ブロックを単位機能ブロックとし、全ての単位機能ブロックを集めた機能ブロックを全機能ブロックとしたときに、前記アイテムは入荷時点の情報としてそれぞれ集品頻度についての複数の頻度ランクのいずれか1に対応するランク付けがされており、前記全工程は、前記複数の頻度ランクのいずれか1以上が対応付けられていて、その頻度ランクの前記アイテムの集品を担当する複数の頻度ランク別集品工程を含み、前記全機能ブロックは、前記単位機能ブロックとして、前記複数の頻度ランク別集品工程のそれぞれを担当する複数の頻度ランク別集品機能ブロックと、前記複数の頻度ランク別集品機能ブロックのそれぞれを制御する制御工程を担当する制御ブロックと、を備える。
【0011】
また、この態様のピッキング制御方法では、上述の物流システムにおいて、前記制御ブロックにより、前記制御工程を行う。
【0012】
また、この態様のプログラムは、上述の物流システムに、上述のピッキング制御方法を実行させる。
【0013】
また、これらの態様のプログラム記憶媒体は、上述のプログラムを、上述の物流システムにより利用可能に記憶する。
【0014】
この態様の物流システム若しくはピッキング制御方法では、またはこの態様のプログラム若しくはプログラム記憶媒体によれば、集品の対象となる集品対象品をそれぞれ1種類以上含むアイテムには、入荷時点の情報としてそれぞれ集品頻度についての複数の頻度ランクのいずれか1に対応するランク付けがされていて、全工程は、各頻度ランクのアイテムの集品を担当する複数の頻度ランク別集品工程を含み、全機能ブロックは、各頻度ランク別集品工程を担当する複数の頻度ランク別集品機能ブロックと、各頻度ランク別集品機能ブロックの制御工程を担当する制御ブロックと、を有する。
【0015】
この場合、各頻度ランクに対応する集品工程を担当する各機能ブロックを有するので、各頻度ランクにランク付けされた各アイテムに適合した集品作業およびその制御を適切に実施することが可能になり、この結果、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0016】
また、第2の態様に係る物流システムとして、第1の態様において、前記複数の頻度ランクは、一定頻度以下の集品頻度を示す低頻度ランクを含み、前記全工程は、前記低頻度ランクにランク付けされた低頻度アイテムの集品を行う低頻度アイテム集品工程を含み、前記全機能ブロックは、前記低頻度アイテム集品工程を担当する低頻度アイテム集品機能ブロックを有するようにしてもよい。
【0017】
この場合、一定頻度以下の集品頻度を示す低頻度ランクにランク付けされた低頻度アイテムに対しても、低頻度アイテム集品工程を担当する低頻度アイテム集品機能ブロックにより、それらに適合した集品作業およびその制御を適切に実施することが可能になり、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0018】
また、第3の態様に係る物流システムとして、第1の態様において、前記複数の頻度ランクは、一定頻度以上の集品頻度を示す高頻度ランクを含み、前記全工程は、前記高頻度ランクにランク付けされた高頻度アイテムの集品を行う高頻度アイテム集品工程を含み、前記全機能ブロックは、前記高頻度アイテム集品工程を担当する高頻度アイテム集品機能ブロックを有するようにしてもよい。
【0019】
この場合、一定頻度以上の集品頻度を示す高頻度ランクにランク付けされた高頻度アイテムに対しても、高頻度アイテム集品工程を担当する高頻度アイテム集品機能ブロックにより、それらに適合した集品作業およびその制御を適切に実施することが可能になり、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0020】
また、第4の態様に係る物流システムとして、第1の態様において、前記複数の頻度ランクは、第1定数を超えて且つ第2定数未満の集品頻度を示す中頻度ランクを含み、前記全工程は、前記中頻度ランクにランク付けされた中頻度アイテムの集品を行う中頻度アイテム集品工程を含み、前記全機能ブロックは、前記中頻度アイテム集品工程を担当する中頻度アイテム集品機能ブロックを有するようにしてもよい。
【0021】
この場合、第1定数を超えて且つ第2定数未満の集品頻度を示す中頻度ランクにランク付けされた中頻度アイテムに対しても、中頻度アイテム集品工程を担当する中頻度アイテム集品機能ブロックにより、それらに適合した集品作業およびその制御を適切に実施することが可能になり、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0022】
また、第5の態様に係る物流システムとして、第1の態様において、前記全工程は、前記集品対象品を入荷して保管する入庫工程を含み、前記全機能ブロックは、前記入庫工程を担当する入庫ブロックを有し、前記入庫工程は、入荷された前記集品対象品の種類を含む分別条件に基づいて前記集品対象品を分別して、前記分別条件に適合した搬送先に分別搬送する分別工程を含み、前記入庫ブロックは、前記分別搬送のための分別搬送手段を備えるようにしてもよい。
【0023】
この場合、入庫ブロックで担当する入庫工程として、入荷された集品対象品の種類を含む分別条件に基づいて集品対象品を分別して、分別条件に適合した搬送先に分別搬送する分別工程を含むので、分別条件に基づく分別によって、搬送先の選択を含む制御を分けることができ、各頻度ランクにランク付けされた各アイテムに適合した集品作業およびその制御を適切に実施することが可能になり、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0024】
なお、ここでの分別搬送手段としては、搬送ラインのみ、搬送ロボットのみ、搬送ラインと搬送ロボットの混合(例えば一旦は搬送ラインに整列して投入後、その先方端で搬送ロボットに移載など)の搬送手段が考え得る。これらのうち、汎用的な効率化の観点からは、自由走行エリア上を搬送する搬送ロボットの採用が好ましい。
【0025】
念のため、この場合の「搬送ロボット」には、無軌道タイプのいわゆる自立(自律)走行搬送ロボット(Autonomous Mobile Robot:AMR)が導入容易性等の利点から好ましいが、有軌道タイプのいわゆる無人搬送車(Automated Guided Vehicle:AGV)も(必要に応じて軌道を定めれば良いので)含まれる概念である。さらには、広く「乗り物」を意味するビークル(Vehicle)の語でも表現でき、路上を走らない(軌道を変更できる)線路上を走るものや(例えばドローンなど)空を飛ぶものも、無人のものであれば含まれる概念である。もちろん、自己位置推定による完全自律走行を行う無軌道(Natural Feature Navigation:NFN)方式のものも含まれる。また、走行エリアを十分に確保できる場合には、無人搬送フォークリフト(AGF)等の可搬式の棚ごと運ぶタイプの搬送ロボットでも良い。
【0026】
また、第6の態様に係る物流システムとして、第1の態様において、前記全工程は、出荷用の収容箱である出荷箱に、複数種類の前記アイテムのうちの出荷対象アイテムを出荷用に集品して、集配運輸体の運輸力により運輸するための形態である集配対象体として出荷する出荷工程を含み、前記全機能ブロックは、前記出荷工程を担当する出荷ブロックを有し、前記出荷ブロックは、前記集配対象体を前記運輸のために前記集配運輸体に積載する出荷積載手段と、を備えるようにしてもよい。
【0027】
この場合、出荷ブロックで担当する出荷工程として、集品した後の出荷箱を、集配運輸体の運輸力により運輸するための形態である集配対象体として出荷するので、運送中の手間の増加や荷崩れ等の事故を予防することになり、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システム単体のみとしてではなく、運送等も含めた物流システム全体として、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0028】
ここで、集配とは、原理的には「あつめることとくばること」を意味し、集配対象体には、出荷箱をまとめて運ぶために使用される「かご車」、「カート」等、包んで運べる「パック体」、梱包して運べるトランク等やコンテナ等、などが含まれる。また、集配対象体は、集配運輸体の運輸力により集まり、または各地に散っていくが、ここでの集配運輸体には、人手を介する場合も含めて、自転車、バイク、一般車、トラック、船、飛行機、ドローン等が含まれる。
【0029】
また、第7の態様に係る物流システムとして、第1の態様において、前記全工程は、前記入荷から前記出荷までの間で、前記アイテムを自動で複数保管して個別に抽出するための自動入出庫処理を行う自動入出庫工程を含み、前記全機能ブロックは、前記自動入出庫工程を担当する自動入出庫ブロックを有し、前記自動入出庫ブロックは、前記自動入出庫処理を実行可能な自動入出庫手段を備えるようにしてもよい。
【0030】
この場合、入荷から出荷までの間で、アイテムを自動で複数保管して個別に抽出するための自動入出庫処理を行うので、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、人手を介さず、作業員のスキルを要しない構成となり、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0031】
また、第8の態様に係る物流システムとして、第1の態様において、前記全工程は、前記集品対象品を入荷して保管する入庫工程を含み、前記全機能ブロックは、前記入庫工程を担当する入庫ブロックを有し、前記入庫工程は、前記集品対象品を収納している収納体に対して、前記集品対象品を抽出するための開口を設けるための開口工程と、入荷された前記集品対象品の種類を含む分別条件に基づいて前記集品対象品を分別して、前記分別条件に適合した搬送先に分別搬送する分別工程と、を含み、前記入庫ブロックは、前記開口工程を担当する収納体開口機能ブロックと、前記分別搬送のための分別搬送手段と、を備えるようにしてもよい。
【0032】
この場合、入庫ブロックで担当する入庫工程として、集品対象品を収納している収納体に対して、集品対象品を抽出するための開口を設けるための開口工程を含むので、収納体に開口が存在するか否かによって、制御を分けることができ、また、入荷された集品対象品の種類を含む分別条件に基づいて集品対象品を分別して、分別条件に適合した搬送先に分別搬送する分別工程を含むので、分別条件に基づく分別によって、搬送先の選択を含む制御を分けることができ、各頻度ランクにランク付けされた各アイテムに適合した集品作業およびその制御を適切に実施することが可能になり、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0033】
また、第9の態様に係る物流システムとして、第1の態様において、前記全工程は、前記集品対象品を収納している収納体に対して、前記集品対象品を抽出するための開口を設けるための開口工程を含み、前記全機能ブロックは、開口工程を担当する収納体開口機能ブロックを有するようにしてもよい。
【0034】
この場合、集品対象品を収納している収納体に対して、集品対象品を抽出するための開口を設けるための開口工程を含むので、収納体に開口が存在するか否かによって、制御を分けることができ、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0035】
また、第10の態様に係る物流システムとして、第1の態様において、前記複数の頻度ランクは、一定頻度以上の集品頻度を示す高頻度ランクを含み、前記全工程は、前記高頻度ランクにランク付けされた高頻度アイテムの集品を行う高頻度アイテム集品工程を含み、前記全機能ブロックは、前記高頻度アイテム集品工程を担当する高頻度アイテム集品機能ブロックを有し、前記高頻度アイテム集品工程は、混在する複数種類の前記アイテムの中から、個別種のアイテムを個別種アイテムとして抽出して、前記個別種アイテムに対応付けられた個別種の整列ラインである個別種ラインに整列載置する個別種アイテム抽出工程と、前記個別種ラインから前記個別種アイテムを集品する個別種アイテム集品工程と、を含み、前記高頻度アイテム集品機能ブロックは、前記個別種アイテム抽出工程を担当する個別種アイテム抽出ブロックと、前記個別種アイテム集品工程を担当する個別種アイテム集品ブロックと、を有するようにしてもよい。
【0036】
この場合、一定頻度以上の集品頻度を示す高頻度ランクにランク付けされた高頻度アイテムに対して、高頻度アイテム集品工程を担当する高頻度アイテム集品機能ブロックにより、それらに適合した集品作業およびその制御を適切に実施することが可能になる。
【0037】
また、混在する複数種類のアイテムの中から個別種アイテムを抽出して、対応付けられた個別種ラインに整列載置する、いわゆる「仕分け」の作業と、その個別種ラインから個別種アイテムを集品する、いわゆる「集品」の作業と、の一連の作業を行う。すなわち、物流システムとしての主作業となる「仕分け~集品」を一括で一連作業として済ませることができる。なお、ここでの個別種アイテムの種類には、大きさ等も含まれ、基本的には、あるいは必要に応じて、異なる種類として扱う。
【0038】
ここで、高頻度アイテムは、高頻度で入荷~出荷の対象となるアイテムである。これに対して、「仕分け~集品」を一括で一連作業として済ませることは、更なる効率化につながる。これにより、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0039】
また、第11の態様に係る物流システムとして、第1の態様において、前記全工程は、混在する複数種類の前記アイテムの中から、個別種のアイテムを個別種アイテムとして抽出して、前記個別種アイテムに対応付けられた個別種の整列ラインである個別種ラインに整列載置する個別種アイテム抽出工程と、前記個別種ラインから前記個別種アイテムを集品する個別種アイテム集品工程と、を含み、前記全機能ブロックは、前記個別種アイテム抽出工程を担当する個別種アイテム抽出ブロックと、前記個別種アイテム集品工程を担当する個別種アイテム集品ブロックと、を有するようにしてもよい。
【0040】
この場合、混在する複数種類のアイテムの中から個別種アイテムを抽出して、対応付けられた個別種ラインに整列載置する「仕分け」の作業と、その個別種ラインから個別種アイテムを集品する「集品」の作業との一連の作業を行うことで、物流システムとしての主作業となる「仕分け~集品」を一括で一連作業として済ませることができる。これにより、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0041】
また、第12の態様に係る物流システムとして、第10もしくは第11の態様において、前記個別種アイテム抽出ブロックは、前記個別種ラインを複数備えるようにしてもよい。
【0042】
この場合、個別種アイテム抽出ブロックは、個別種ラインを複数備えるので、複数種類の個別種アイテムを抽出して、対応の個別種ラインに整列載置して、集品出来るため、複数種類の個別種アイテムについての「仕分け~集品」を一括で一連作業として済ませることができ、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0043】
また、第13の態様に係る物流システムとして、第10もしくは第11の態様において、前記個別種アイテム抽出ブロックは、前記複数種類の前記アイテムの中から、前記個別種アイテムを認識する個別種アイテム認識手段と、認識された前記個別種アイテムを前記個別種ラインに整列載置する個別種アイテム載置手段と、を備えるようにしてもよい。
【0044】
この場合、個別種アイテム抽出ブロックは、複数種類のアイテムの中から個別種アイテムを認識して、認識された個別種アイテムを個別種ラインに整列載置することで、いわゆる「仕分け」の作業を行うことができ、各個別種アイテムに適合した集品作業およびその制御を適切に実施することが可能になり、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0045】
また、第14の態様に係る物流システムとして、第13の態様において、前記個別種アイテム載置手段は、前記個別種アイテムを抽出して、対応付けられた前記個別種ラインに整列載置する個別種アイテム移載機能を有するピッキング用アクチュエータを備えるようにしてもよい。
【0046】
この場合、個別種アイテムを抽出して、対応の個別種ラインに整列載置する個別種アイテム移載機能を有するピッキング用アクチュエータを備えるので、個別種アイテム載置手段の自動化を推進・向上でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0047】
また、第15の態様に係る物流システムとして、第13の態様において、前記個別種アイテム認識手段は、前記個別種アイテムを撮像する個別種アイテム撮像手段を備えるようにしてもよい。
【0048】
この場合、個別種アイテムを撮像する個別種アイテム撮像手段を備えることにより、個別種アイテムを認識して、その後の個別種ラインへの整列載置に有効活用できる。
【0049】
また、第16の態様に係る物流システムとして、第10もしくは第11の態様において、前記制御工程は、前記個別種アイテム抽出工程を制御する個別種アイテム抽出制御工程を含み、前記制御ブロックは、前記個別種アイテム抽出制御工程を担当する個別種アイテム抽出制御ブロックを有し、前記個別種アイテム抽出制御ブロックは、前記個別種アイテムの特徴を記憶する個別種アイテム特徴記憶手段と、前記複数種類の前記アイテムの中から、記憶された前記個別種アイテムの特徴に一致するアイテムを前記個別種アイテムとして認定する個別種アイテム認定手段と、を備え、前記個別種アイテムの認定結果に基づいて、前記個別種アイテム抽出工程を制御するようにしてもよい。
【0050】
この場合、個別種アイテムの特徴を記憶しておき、記憶された個別種アイテムの特徴に一致するアイテムを個別種アイテムとして認定することにより、その認定結果に基づいて、個別種アイテム抽出工程の制御を適切に実施することが可能になり、この結果、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0051】
また、第17の態様に係る物流システムとして、第16の態様において、前記個別種アイテム抽出制御ブロックは、前記個別種アイテム特徴記憶手段に記憶する前記個別種アイテムの特徴を学習する個別種アイテム特徴学習手段を備えるようにしてもよい。
【0052】
この場合、個別種アイテムの特徴を学習する機能を有することになるので、システム構成やシステム運用が変化しても、個別種アイテムの特徴を更新でき、さらに対応しやすくなり、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0053】
また、第18の態様に係る物流システムとして、第10もしくは第11の態様において、前記個別種アイテム抽出ブロックは、前記個別種アイテムの姿勢を認識する個別種アイテム姿勢認識手段と、前記個別種ラインへの整列載置のための前記個別種アイテムの姿勢を調整する個別種アイテム姿勢調整手段と、を備えるようにしてもよい。
【0054】
この場合、個別種アイテムの姿勢を認識し、個別種ラインへの整列載置のための個別種アイテムの姿勢を調整するので、後工程の個別種アイテム集品工程での集品時の姿勢を整えることができ、集品を進め易くすることができ、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。なお、ここでの個別種アイテムの姿勢には、縦・横・斜めの方向から認識可能な姿勢のうちの少なくとも1を含む。
【0055】
また、第19の態様に係る物流システムとして、第18の態様において、前記個別種アイテム姿勢調整手段は、前記個別種ラインへの整列載置のための前記個別種アイテムの姿勢を調整する個別種アイテム姿勢調整機能を有するピッキング用アクチュエータを備えるようにしてもよい。
【0056】
この場合、個別種ラインへの整列載置のための個別種アイテムの姿勢を調整する個別種アイテム姿勢調整機能を有するピッキング用アクチュエータを備えるので、個別種アイテム姿勢調整手段の自動化を推進でき、ひいては物流システム全体での自動化を推進・向上でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0057】
また、第20の態様に係る物流システムとして、第18の態様において、前記個別種アイテム姿勢認識手段は、前記個別種アイテムの姿勢を撮像する個別種アイテム姿勢撮像手段を備えるようにしてもよい。
【0058】
この場合、個別種アイテムの姿勢を撮像する個別種アイテム姿勢撮像手段を備えることにより、個別種アイテムの姿勢を認識して、その後の個別種アイテムの姿勢調整に有効活用できる。
【0059】
また、第21の態様に係る物流システムとして、第10もしくは第11の態様において、前記制御工程は、前記個別種アイテム抽出工程を制御する個別種アイテム抽出制御工程を含み、前記制御ブロックは、前記個別種アイテム抽出制御工程を担当する個別種アイテム抽出制御ブロックを有し、前記個別種アイテム抽出制御ブロックは、前記個別種アイテムの姿勢の特徴を記憶する個別種アイテム姿勢特徴記憶手段と、記憶された前記個別種アイテムの姿勢の特徴に基づいて、抽出された前記個別種アイテムの姿勢を判定する個別種アイテム姿勢判定手段と、を備え、前記個別種アイテムの姿勢判定結果に基づいて、前記個別種アイテム抽出工程を制御するようにしてもよい。
【0060】
この場合、個別種アイテムの姿勢の特徴を記憶しておき、記憶された個別種アイテムの姿勢の特徴に基づいて、抽出した個別種アイテムの姿勢を判定でき、その判定結果の姿勢に基づいて、個別種ラインへの整列載置のための個別種アイテムの姿勢を調整するので、後工程の個別種アイテム集品工程での集品時の姿勢を整えることができ、集品を進め易くすることができ、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0061】
また、第22の態様に係る物流システムとして、第21の態様において、前記個別種アイテム抽出制御ブロックは、前記個別種アイテム姿勢特徴記憶手段に記憶する前記個別種アイテムの姿勢の特徴を学習する個別種アイテム特徴学習手段を備えるようにしてもよい。
【0062】
この場合、個別種アイテムの姿勢の特徴を学習する機能を有することになるので、システム構成やシステム運用が変化しても、個別種アイテムの姿勢の特徴を更新でき、さらに対応しやすくなり、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0063】
また、第23の態様に係る物流システムとして、第10もしくは第11の態様において、前記個別種アイテム集品ブロックは、前記個別種ラインから前記個別種アイテムを集品する個別種アイテム集品機能を有するピッキング用アクチュエータを備えるようにしてもよい。
【0064】
この場合、個別種ラインから個別種アイテムを集品する個別種アイテム集品機能を有するピッキング用アクチュエータを備えるので、個別種アイテム集品ブロックの自動化を推進でき、ひいては物流システム全体での自動化を推進・向上でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0065】
また、第24の態様に係る物流システムとして、第1の態様において、前記複数の頻度ランクは、第1定数を超えて且つ第2定数未満の集品頻度を示す中頻度ランクを含み、前記全工程は、前記中頻度ランクにランク付けされた中頻度アイテムの集品を行う中頻度アイテム集品工程を含み、前記全機能ブロックは、前記中頻度アイテム集品工程を担当する中頻度アイテム集品機能ブロックを有し、前記中頻度アイテム集品工程は、所定の搬送ロボットを利用して前記集品を行う搬送ロボット集品工程を含み、前記中頻度アイテム集品機能ブロックは、前記搬送ロボット集品工程を担当する搬送ロボット集品ブロックを有し、前記搬送ロボット集品ブロックは、前記集品を行うための1以上のピッキングゾーンと、前記ピッキングゾーン内で、複数種類の前記アイテムの種類毎に所定の間口から、前記アイテムのそれぞれを取出可能なピッキングラックと、集品対象の前記アイテムを前記ピッキングラックから取り出して、前記アイテムを集品するために収容箱に集品するアイテム取出手段と、を備え、前記集品前の前記収容箱は、複数の前記搬送ロボットの少なくとも1により搬送されて搬入され、前記集品後の前記収容箱は、同一または別の前記搬送ロボットにより別の場所宛に搬出されて搬送されるようにしてもよい。
【0066】
この場合、第1定数を超えて且つ第2定数未満の集品頻度を示す中頻度ランクにランク付けされた中頻度アイテムに対して、中頻度アイテム集品工程を担当する中頻度アイテム集品機能ブロックにより、それらに適合した集品作業およびその制御を適切に実施することが可能になる。
【0067】
その上で、ここでは、集品を行うための1以上のピッキングゾーンと、そのピッキングゾーン内で、複数種類のアイテムの種類毎に所定の間口から、アイテムのそれぞれを取出可能なピッキングラックと、集品対象のアイテムをピッキングラックから取り出して、アイテムを集品するために収容箱に集品するアイテム取出手段と、を備えることで、集品のための基本構成を備え、収容箱は、搬送ロボットの少なくとも1により搬送・搬入され、同一または別の搬送ロボットにより別の場所宛に搬出・搬送されるので、少なくとも搬送に関しては、全て自動化が可能な構成になる。
【0068】
さらにこの場合、所定の搬送ロボットを利用して集品を行うので、基本的に、搬送ロボットによる搬送の相互インターフェイス(例えばアイテムやその搬送箱等の受け渡しの高さなど)を合わせさえすれば、各機能ブロックの変更は、他の機能ブロックに影響しないので、物流システムとして、システム構成やシステム運用の変化に対して、システム全体の構成の変更が少ない構成となり、システムの汎用性を確保しつつ、事業環境や運用の変化に対して、迅速且つ低コストで柔軟に対応可能になる。
【0069】
ここで、中頻度アイテムは、第1定数を超えて且つ第2定数未満の集品頻度を示す中頻度ランクにランク付けされたアイテムである。言い換えると、第1定数や第2定数の定め方次第で、高頻度アイテムの一部や低頻度アイテムの一部も、中頻度アイテムとして扱うことが可能である。この意味で、中頻度アイテム集品工程を担当する中頻度アイテム集品機能ブロックは、事業環境や運用の変化に柔軟に対応しやすく、あるいはそれを要望される機能ブロックであり、搬送ロボットを利用しての集品の機能(運用)では、システム構成やシステム運用の変化に対して柔軟な運用が可能なので、中頻度アイテム集品機能ブロックとして最適な組み合わせ(構成)となり得る。これらにより、集品作業およびその制御を適切に実施することが可能になり、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0070】
また、第25の態様に係る物流システムとして、第1の態様において、前記全工程は、所定の搬送ロボットを利用して前記集品を行う搬送ロボット集品工程を含み、前記全機能ブロックは、前記搬送ロボット集品工程を担当する搬送ロボット集品ブロックを有し、前記搬送ロボット集品ブロックは、前記集品を行うための1以上のピッキングゾーンと、前記ピッキングゾーン内で、複数種類の前記アイテムの種類毎に所定の間口から、前記アイテムのそれぞれを取出可能なピッキングラックと、集品対象の前記アイテムを前記ピッキングラックから取り出して、前記アイテムを集品するために収容箱に集品するアイテム取出手段と、を備え、前記集品前の前記収容箱は、複数の前記搬送ロボットの少なくとも1により搬送されて搬入され、前記集品後の前記収容箱は、同一または別の前記搬送ロボットにより別の場所宛に搬出されて搬送されるようにしてもよい。
【0071】
この場合、集品を行うための1以上のピッキングゾーン内で、複数種類のアイテムのそれぞれを集品対象として、種類毎に所定の間口から取出可能なピッキングラックから取り出して、集品のために収容箱に集品する、集品のための基本構成を備える。また、収容箱は、搬送ロボットの少なくとも1により搬送・搬入され、同一または別の搬送ロボットにより別の場所宛に搬出・搬送されるので、少なくとも搬送に関しては、全て自動化が可能な構成になる。
【0072】
また、所定の搬送ロボットを利用して集品を行うので、基本的に、搬送ロボットによる搬送の相互インターフェイス(例えばアイテムやその搬送箱等の受け渡しの高さなど)を合わせさえすれば、システム構成やシステム運用の変化に対して、システム全体の構成の変更が少ない構成となり、システムの汎用性を確保しつつ、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0073】
また、第26の態様に係る物流システムとして、第24もしくは第25の態様において、前記アイテム取出手段は、前記ピッキングラックから集品対象の前記アイテムを取出可能な集品用アクチュエータを備えるようにしてもよい。
【0074】
この場合、ピッキングラックから集品対象のアイテムを取出可能な集品用アクチュエータを備えるので、集品作業の自動化を推進でき、ひいては物流システム全体での自動化を推進・向上でき、システムの汎用性を確保しつつ、自動化を推進でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0075】
また、第27の態様に係る物流システムとして、第24もしくは第25の態様において、前記アイテム取出手段は、前記ピッキングラックから集品対象の前記アイテムを取出可能なディスペンサー方式搬出手段を備えるようにしてもよい。
【0076】
この場合、ピッキングラックから集品対象の前記アイテムを取出可能なディスペンサー方式搬出手段を備えるので、集品作業の自動化を推進でき、ひいては物流システム全体での自動化を推進・向上でき、システムの汎用性を確保しつつ、自動化を推進でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0077】
また、第28の態様に係る物流システムとして、第1の態様において、前記複数の頻度ランクは、一定頻度以下の集品頻度を示す低頻度ランクを含み、前記全工程は、前記低頻度ランクにランク付けされた低頻度アイテムの集品を行う低頻度アイテム集品工程を含み、前記全機能ブロックは、前記低頻度アイテム集品工程を担当する低頻度アイテム集品機能ブロックを有し、前記低頻度アイテム集品工程は、前記集品対象の前記アイテムを、入荷時の収容形態である入荷箱から安定搬送可能なトレーに移し替えるトレー移替工程を含み、前記低頻度アイテム集品機能ブロックは、前記トレー移替工程を担当するトレー移替ブロックを有し、前記トレー移替ブロックは、集品対象の前記アイテムを前記入荷箱から前記トレーに移し替えるアイテム移替手段を備えるようにしてもよい。
【0078】
この場合、一定頻度以下の集品頻度を示す低頻度ランクにランク付けされた低頻度アイテムに対しても、低頻度アイテム集品工程を担当する低頻度アイテム集品機能ブロックにより、それらに適合した集品作業およびその制御を適切に実施することが可能になり、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0079】
この場合、集品対象のアイテムを、入荷時の収容形態である入荷箱から安定搬送可能なトレーに移し替えるトレー移替工程を実行する。集品に応じて複数回の入出庫を繰り返す必要があるアイテムの場合、入荷時の梱包状態である例えば段ボール箱等の容器(収容箱:入荷箱)では運用に対する耐性が不足することがあり、このような場合に、耐性に富んでいて安定搬送可能なトレーにアイテムを移し替えることにより、運用に対する耐性を向上できる。例えば作業員のスキルが低くて運用(アイテムの扱い)が粗雑でも、自動化による高速化に対して入荷箱の耐性が低くても、それらに対する運用上の耐性を確保できる。
【0080】
これにより、物流システムとして、システム構成やシステム運用の変化に対して、システム全体の構成の変更が少なく、且つ作業員のスキルを要しない構成とすることができ、システムの汎用性を確保しつつ、自動化を推進でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0081】
また、第29の態様に係る物流システムとして、第1の態様において、前記全工程は、前記集品対象の前記アイテムを、入荷時の収容形態である入荷箱から安定搬送可能なトレーに移し替えるトレー移替工程を有し、前記全機能ブロックは、前記トレー移替工程を担当するトレー移替ブロックを含み、前記トレー移替ブロックは、集品対象の前記アイテムを前記入荷箱から前記トレーに移し替えるアイテム移替手段を備えるようにしてもよい。
【0082】
この場合、集品対象のアイテムを、入荷時の収容形態である入荷箱から安定搬送可能なトレーに移し替えるトレー移替工程を実行する。集品に応じて複数回の入出庫を繰り返す必要があるアイテムの場合、入荷時の梱包状態である例えば段ボール箱等の容器(収容箱:入荷箱)では運用に対する耐性が不足することがあり、このような場合に、耐性に富んでいて安定搬送可能なトレーにアイテムを移し替えることにより、運用に対する耐性を向上できる。例えば作業員のスキルが低くて運用(アイテムの扱い)が粗雑でも、自動化による高速化に対して入荷箱の耐性が低くても、それらに対する運用上の耐性を確保できる。
【0083】
これにより、物流システムとして、システム構成やシステム運用の変化に対して、システム全体の構成の変更が少なく、且つ作業員のスキルを要しない構成とすることができ、システムの汎用性を確保しつつ、自動化を推進でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0084】
また、第30の態様に係る物流システムとして、第28もしくは第29の態様において、前記アイテム移替手段は、集品対象の前記アイテムを前記入荷箱から前記トレーに移替可能な移替用アクチュエータを備えるようにしてもよい。
【0085】
この場合、集品対象のアイテムを入荷箱からトレーに移替可能な移替用アクチュエータを備えるので、入荷時の収容形態である入荷箱の運用に対する耐性が不足していても、耐性に富んでいて安定搬送可能なトレーにアイテムを自動的に移し替えることができ、作業員のスキルが低くて運用(アイテムの扱い)が粗雑でも、自動化による高速化に対して入荷箱の耐性が低くても、それらに対する運用上の耐性を確保でき、ひいては物流システム全体での自動化を推進・向上でき、システムの汎用性を確保しつつ、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0086】
また、第31の態様に係る物流システムとして、第1の態様において、前記複数の頻度ランクは、一定頻度以下の集品頻度を示す低頻度ランクを含み、前記全工程は、前記低頻度ランクにランク付けされた低頻度アイテムを格納する低頻度アイテム格納工程と、前記低頻度アイテムの集品を行う低頻度アイテム集品工程と、を含み、前記全機能ブロックは、前記低頻度アイテム格納工程を担当する低頻度アイテム格納ブロックと、前記低頻度アイテム集品工程を担当する低頻度アイテム集品ブロックと、を有し、前記低頻度アイテム格納ブロックは、前記低頻度アイテムを格納可能な低頻度アイテム格納手段を備え、前記低頻度アイテム集品ブロックは、前記低頻度アイテム集品工程を担当する低頻度アイテム集品手段を備えるようにしてもよい。
【0087】
この場合、低頻度ランクにランク付けされた低頻度アイテムを格納し、低頻度アイテムの集品を行うので、低頻度アイテムを集品頻度が高い比較的高頻度の他のアイテムと区別して扱うことができる。これにより、比較的高頻度の集品の効率に支障を及ぼすことなく、また、それらと並行に且つ個別に扱うことが可能になることで、システム全体の集品効率を向上でき、自動化をさらに推進でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0088】
また、第32の態様に係る物流システムとして、第31の態様において、前記低頻度アイテム格納工程は、前記低頻度アイテム集品工程に先立って、前記低頻度アイテム格納手段から低頻度アイテムの格納用収容箱である低頻度アイテム格納箱を取り出す低頻度アイテム取出工程と、前記低頻度アイテム集品工程後に低頻度アイテムが残った前記低頻度アイテム格納箱を前記低頻度アイテム格納手段に再格納する低頻度アイテム再格納工程と、を含むようにしてもよい。
【0089】
この場合、低頻度アイテム集品工程に先立って、低頻度アイテム格納手段から低頻度アイテム格納箱を取り出して、所要の低頻度アイテムを所定の低頻度アイテム集品箱に集品し、低頻度アイテム集品工程後には、低頻度アイテムが残った低頻度アイテム格納箱を低頻度アイテム格納手段に改めて再格納する。これにより、集品の都合その他に応じて、格納・取出し・集品等を柔軟に運用でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0090】
また、この場合、直後の集品に使用されなくても、近未来(数分後、数時間後、数日後、等々)に使用されることが予定(想定・推定)される場合には、予め必要な数を集品した低頻度アイテム集品箱を、低頻度アイテムが残った低頻度アイテム格納箱と同様に、低頻度アイテム格納手段に格納しておくこともできる。この場合も、その近未来の集品を予め行うことにより、比較的高頻度の集品の効率に支障を及ぼすことなく、並行に且つ個別に扱うことができ、システム全体の集品効率を向上でき、自動化をさらに推進でき、事業環境や運用の変化に対して、迅速且つ低コストで柔軟に対応可能になる。
【0091】
また、第33の態様に係る物流システムとして、第31もしくは第32の態様において、前記低頻度アイテム集品手段は、前記低頻度アイテムを前記低頻度アイテム集品箱に集品可能な低頻度アイテム集品用アクチュエータを備えるようにしてもよい。
【0092】
この場合、低頻度アイテムを低頻度アイテム集品箱に集品可能な低頻度アイテム集品用アクチュエータを備えるので、人手を介すことなく、且つ比較的高頻度の集品の効率に支障を及ぼすことなく、並行に且つ個別に扱うことができ、システム全体の集品効率を向上でき、自動化をさらに推進でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0093】
また、第34の態様に係る物流システムとして、第1の態様において、前記複数の頻度ランクは、一定頻度以下の集品頻度を示す低頻度ランクを含み、前記全工程は、前記低頻度ランクにランク付けされた低頻度アイテムを格納する低頻度アイテム格納工程を含み、前記全機能ブロックは、前記低頻度アイテム格納工程を担当する低頻度アイテム格納ブロックを有し、前記低頻度アイテム格納ブロックは、前記低頻度アイテムを格納可能な低頻度アイテム格納手段を備え、前記低頻度アイテム格納手段は、前記低頻度アイテムを自動で複数保管して個別に抽出するための自動入出庫処理を実行可能な自動入出庫手段を備えるようにしてもよい。
【0094】
この場合、低頻度ランクにランク付けされた低頻度アイテムを格納するに際して、低頻度アイテムを自動で複数保管して個別に抽出するための自動入出庫処理を実行可能な自動入出庫手段を備えるので、低頻度アイテムの集品を行うに際して、物流システムとして、人手を介さず、作業員のスキルを要しない構成となり、システムの汎用性を確保しつつ、自動化を推進でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0095】
また、第35の態様に係る物流システムとして、第1の態様において、前記全工程は、出荷用の収容箱である出荷箱に、複数種類の前記アイテムのうちの出荷対象アイテムを出荷用に集品して、集配運輸体の運輸力により運輸するための形態である集配対象体として出荷する出荷工程を含み、前記全機能ブロックは、前記出荷工程を担当する出荷ブロックを有し、前記出荷工程は、前記出荷対象アイテムを前記出荷箱に集品する寄せ工程を含み、前記出荷ブロックは、前記寄せ工程を担当する寄せブロックを有し、前記寄せ工程は、前記出荷対象アイテムを詳細な単位で集品した子集品箱および親集品箱を搬入する親子集品箱搬入工程と、搬入された前記子集品箱から前記出荷対象アイテムを取り出して、前記親集品箱に集品する出荷対象アイテム寄せ工程と、前記親集品箱を前記出荷箱として搬出する出荷箱搬出工程と、を含み、前記寄せブロックは、前記親子集品箱搬入工程を担当する親子集品箱搬入ブロックと、前記出荷対象アイテム寄せ工程を担当する出荷対象アイテム寄せブロックと、前記出荷箱搬出工程を担当する出荷箱搬出ブロックと、を有するようにしてもよい。
【0096】
また、第36の態様に係る物流システムとして、第1の態様において、前記全工程は、出荷用の収容箱である出荷箱に、複数種類の前記アイテムのうちの出荷対象アイテムを出荷用に集品する寄せ工程を含み、前記全機能ブロックは、前記寄せ工程を担当する寄せブロックを有し、前記寄せ工程は、前記出荷対象アイテムを詳細な単位で集品した子集品箱および親集品箱を搬入する親子集品箱搬入工程と、搬入された前記子集品箱から前記出荷対象アイテムを取り出して、前記親集品箱に集品する出荷対象アイテム寄せ工程と、前記親集品箱を前記出荷箱として搬出する出荷箱搬出工程と、を含み、前記寄せブロックは、前記親子集品箱搬入工程を担当する親子集品箱搬入ブロックと、前記出荷対象アイテム寄せ工程を担当する出荷対象アイテム寄せブロックと、前記出荷箱搬出工程を担当する出荷箱搬出ブロックと、を有するようにしてもよい。
【0097】
これらの場合、複数種類のアイテムのうちの出荷対象アイテムを出荷用の収容箱である出荷箱に集品するので、出荷対象アイテムを出荷用にまとめて出荷の準備ができる。ここでの集品を前工程のアイテムの集品工程と独立・並行して進めることで、他のアイテムの集品の効率に支障を及ぼすことなく、並行に且つ個別に扱うことができ、システム全体の集品効率を向上でき、自動化をさらに推進でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0098】
また、第37の態様に係る物流システムとして、第35もしくは第36の態様において、前記出荷対象アイテム寄せブロックは、前記子集品箱から集品対象の前記出荷対象アイテムを取り出して前記親集品箱に集品可能な出荷対象集品用アクチュエータを備えるようにしてもよい。
【0099】
この場合、子集品箱から集品対象の出荷対象アイテムを取り出して出荷箱としての親集品箱に集品可能な出荷対象集品用アクチュエータを備えるので、人手を介すことなく、且つ他のアイテムの集品の効率に支障を及ぼすことなく、並行に且つ個別に扱うことができ、システム全体の集品効率を向上でき、自動化をさらに推進でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0100】
また、第38の態様に係る物流システムとして第35の態様において、もしくは、第39の態様に係る物流システムとして第36の態様において、それぞれ、前記出荷箱搬出ブロックは、前記出荷箱の出荷に先立って、前記出荷箱を自動で複数保管して個別に抽出するための出荷箱保管処理を実行可能な自動入出庫手段を備えるようにしてもよい。
【0101】
この場合、出荷箱の出荷に先立って、出荷箱を自動で複数保管して個別に抽出するための出荷箱保管処理を実行可能な自動入出庫手段を備えるので、集品の都合その他に応じて、格納・取出し・出荷等を柔軟に運用でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0102】
また、第40の態様に係る物流システムとして、第1の態様において、前記全工程は、出荷用の収容箱である出荷箱に、複数種類の前記アイテムのうちの出荷対象アイテムを出荷用に集品して、集配運輸体の運輸力により運輸するための形態である集配対象体として出荷する出荷工程を含み、前記全機能ブロックは、前記出荷工程を担当する出荷ブロックを有し、前記出荷工程は、前記出荷箱を前記集配対象体としてまとめる段積工程を含み、前記出荷ブロックは、前記段積工程を担当する段積ブロックを有し、前記段積ブロックは、前記集配対象体と、前記出荷箱を前記集配対象体として整える段積手段と、を備えるようにしてもよい。
【0103】
また、第41の態様に係る物流システムとして、第1の態様において、前記全工程は、出荷用の収容箱である出荷箱を、集配運輸体の運輸力により運輸するための形態である集配対象体としてまとめる段積工程を含み、前記全機能ブロックは、前記段積工程を担当する段積ブロックを有し、前記段積ブロックは、前記集配対象体と、前記出荷箱を前記集配対象体として整える段積手段と、を備えるようにしてもよい。
【0104】
これらの場合、出荷対象アイテムの収容箱である出荷箱を集品後に、集配運輸体の運輸形態である集配対象体として整備するので、すぐにでも出荷できる態勢を整えることができる。ここで出荷箱を集配対象体として整備するに際して、その整備処理を前工程のアイテムの集品工程と独立・並行して進めることで、他のアイテムの集品の効率に支障を及ぼすことなく、並行に且つ個別に扱うことができ、システム全体の集品効率を向上でき、自動化をさらに推進でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0105】
ここで、集配とは、原理的には「あつめることとくばること」を意味し、集配対象体には、出荷箱をまとめて運ぶために使用される「かご車」、「カート」等、包んで運べる「パック体」、梱包して運べるトランク等やコンテナ等、などが含まれる。また、集配対象体は、集配運輸体の運輸力により集まり、または各地に散っていくが、ここでの集配運輸体には、人手を介する場合も含めて、自転車、バイク、一般車、トラック、船、飛行機、ドローン等が含まれる。
【0106】
また、第42の態様に係る物流システムとして、第40もしくは第41の態様において、前記段積手段は、前記出荷箱を前記集配対象体として整備可能な段積用アクチュエータを備えるようにしてもよい。
【0107】
この場合、出荷箱を集配対象体として整備可能な段積用アクチュエータを備えるので、人手を介すことなく、且つ他のアイテムの集品の効率に支障を及ぼすことなく、並行に且つ個別に扱うことができ、システム全体の集品効率を向上でき、自動化をさらに推進でき、事業環境や運用の変化に対して、迅速且つ低コストで柔軟に対応可能になる。
【0108】
また、第43の態様に係る物流システムとして、第40の態様において、前記出荷工程は、前記段積工程に先立って、前記出荷箱を自動で複数保管して個別に抽出するための出荷箱保管処理を行う出荷箱保管工程を含み、前記出荷ブロックは、前記出荷箱保管工程を担当する出荷箱保管ブロックを有し、前記出荷箱保管ブロックは、前記出荷箱保管処理を実行可能な自動入出庫手段を備えるようにしてもよい。
【0109】
また、第44の態様に係る物流システムとして、第40の態様において、前記全工程は、前記段積工程に先立って、前記出荷箱を自動で複数保管して個別に抽出するための出荷箱保管処理を行う出荷箱保管工程を含み、前記全機能ブロックは、前記出荷箱保管工程を担当する出荷箱保管ブロックを有し、前記出荷箱保管ブロックは、前記出荷箱保管処理を実行可能な自動入出庫手段を備えるようにしてもよい。
【0110】
これらの場合、段積工程に先立って、出荷箱を自動で複数保管して個別に抽出するための出荷箱保管処理を実行可能な自動入出庫手段を備えるので、集品や出荷の都合その他に応じて、格納・取出し・段積み・出荷等を柔軟に運用でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0111】
また、第45の態様に係る物流システムとして、第7、第34、第38、第39、第43、第44、の態様のうちのいずれかの態様において、前記自動入出庫手段は、シャトル式自動倉庫であるようにしてもよい。
【0112】
この場合、自動入出庫手段がシャトル式自動倉庫なので、シャトル台車を活用して入出庫を行う自動倉庫システムとなるが、高密度保管が可能、安全で効率的な運用が可能、メンテナンス性が高い、などの利点があるので、このシャトル式自動倉庫を採用することで、システム全体の集品効率を向上でき、自動化をさらに推進でき、事業環境や運用の変化に対して、迅速且つ低コストで柔軟に対応可能になる。
【0113】
また、第46の態様に係る物流システムとして、第45の態様において、前記シャトル式自動倉庫は、収容箱を入出庫させる際に、前記収容箱を載置したシャトル台車を水平移動させるシャトル台車水平移動手段を備えるようにしてもよい。
【0114】
この場合、シャトル式自動倉庫が、収容箱を入出庫させる際に、収容箱を載置したシャトル台車を水平移動させるシャトル台車水平移動手段を備えるので、高速の入出庫をさらに加速させ、高速入出庫で回転率の良い保管が可能になり、タイムリーな部品供給にも対応できる。
【0115】
また、第47の態様に係る物流システムとして、第45の態様において、前記シャトル式自動倉庫は、収容箱を入出庫させる際に、前記収容箱を載置したシャトル台車を上下移動させるシャトル台車上下移動手段を備えるようにしてもよい。
【0116】
この場合、シャトル式自動倉庫が、収容箱を入出庫させる際に、収容箱を載置したシャトル台車を上下移動させるシャトル台車上下移動手段を備えるので、上位の空間も利用した空間効率が高い保管が可能になり、入出庫をさらに加速させ、さらに回転率の良い保管が可能になり、タイムリーな部品供給にも対応できる。
【0117】
また、第48の態様に係る物流システムとして、第45の態様において、前記シャトル式自動倉庫は、複数の収容箱を入出庫させる際に、入庫順および出庫順の少なくともいずれかを指示可能な入出庫順指示手段を備えるようにしてもよい。
【0118】
この場合、シャトル式自動倉庫が、複数の収容箱を入出庫させる際に、入庫順および出庫順の少なくともいずれかを指示可能な入出庫順指示手段を備えるので、高い入出庫能力を誇りつつ、ラック内に保管されている荷物を欲しい順序で取り出すことが可能になる。
【0119】
さらに、上記課題を解決するために、本願の第49の態様に係る物流システム制御方法は、集品の対象となる集品対象品を入荷してから、前記集品対象品をそれぞれ1種類以上含むアイテムを単位として複数取扱い、ピッキング作業により前記集品を行い、出荷対象となる出荷品を出荷するまでの全工程のうちの、それぞれ一部の工程を担当する機能ブロックを単位機能ブロックとし、全ての単位機能ブロックを集めた機能ブロックを全機能ブロックとしたときに、前記アイテムには、入荷時点の情報としてそれぞれ集品頻度についての複数の頻度ランクのいずれか1に対応するランク付けがされており、前記全工程は、前記複数の頻度ランクのいずれか1以上が対応付けられていて、その頻度ランクの前記アイテムの集品を担当する複数の頻度ランク別集品工程を含み、前記全機能ブロックは、前記単位機能ブロックとして、前記複数の頻度ランク別集品工程のそれぞれを担当する複数の頻度ランク別集品機能ブロックと、前記複数の頻度ランク別集品機能ブロックのそれぞれを制御する制御工程を担当する制御ブロックと、を備える物流システムにおいて、前記制御ブロックにより、前記制御工程を行うことを特徴とする。
【0120】
さらにまた、上記課題を解決するために、本願の第50の態様に係る物流システム制御プログラムは、集品の対象となる集品対象品を入荷してから、前記集品対象品をそれぞれ1種類以上含むアイテムを単位として複数取扱い、ピッキング作業により前記集品を行い、出荷対象となる出荷品を出荷するまでの全工程のうちの、それぞれ一部の工程を担当する機能ブロックを単位機能ブロックとし、全ての単位機能ブロックを集めた機能ブロックを全機能ブロックとしたときに、前記アイテムには、入荷時点の情報としてそれぞれ集品頻度についての複数の頻度ランクのいずれか1に対応するランク付けがされており、前記全工程は、前記複数の頻度ランクのいずれか1以上が対応付けられていて、その頻度ランクの前記アイテムの集品を担当する複数の頻度ランク別集品工程を含み、前記全機能ブロックは、前記単位機能ブロックとして、前記複数の頻度ランク別集品工程のそれぞれを担当する複数の頻度ランク別集品機能ブロックと、前記複数の頻度ランク別集品機能ブロックのそれぞれを制御する制御工程を担当する制御ブロックと、を備える物流システムにおいて、コンピュータを、前記制御ブロックとして機能させることを特徴とする。
【0121】
また、第51の態様に係る記録媒体として、第50の態様に係る物流システム制御プログラムが記憶されたものとして実現してもよい。
【発明の効果】
【0122】
本発明の各態様によれば、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0123】
図1】本発明の一実施形態に係る物流システムの概略制御フローを簡略化して含む機能ブロック図である。
図2】本発明の一実施形態に係る物流システムのアイテムの流れに対応する機能に着目したイメージの機能ブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る物流システムでのオーダー分類と対応するオーダー箱の搬送ルートとの関係説明図である。
図4】本発明の一実施形態に係る物流システムにおける入庫機能ブロックの機能説明図である。
図5】本発明の一実施形態に係る物流システムにおけるマルチラインピッキング機能ブロック(MLP)の機能イメージの説明図である。
図6図5におけるコンベア構成の整列ラインの説明図である。
図7図5(b)での集品箱への投入イメージを多角的に示した説明図である。
図8図5(a)のマルチラインピッキング機能ブロック(MLP)内でのロボットピック時の入荷品種判別・整列機能の概略制御フローを簡略的に示す機能ブロック図である。
図9図8に対応する入荷品種判別・整列機能の概念イメージ図である。
図10図5で集品後の集品箱の搬送を搬送ロボットで実施する場合の例を示す説明図である。
図11】本発明の一実施形態に係る物流システムにおけるAMR集品機能ブロックの機能説明図である。
図12】本発明の一実施形態に係る物流システムにおけるAMR集品のピッキングエリアの構成を簡易化して示すピッキングエリアの模式図である。
図13】本発明の一実施形態に係る物流システムにおけるピッキングエリア内でピッキング作業エリアを構成する複数のピッキングゾーンを、簡略化して説明する説明図である。
図14図13(b)を別の例に置き換えた、図13と同様の説明図である。
図15】本発明の一実施形態に係る物流システムにおけるトレー移替機能ブロックの機能説明図である。
図16】本発明の一実施形態に係る物流システムにおけるGTP(GTR)機能ブロックの機能説明図である。
図17】本発明の一実施形態に係る物流システムにおける寄せ機能ブロックの機能説明図である。
図18】本発明の一実施形態に係る物流システムにおける段積機能ブロックの機能説明図である。
図19】本発明の一実施形態に係る物流システムにおけるマルチラインピッキング機能ブロックの前後の運用の応用・変形の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0124】
本発明の概念は、本発明の概念の特定の実施形態が示されている添付の図面を参照して、以下でより完全に説明される。しかしながら、この発明の概念は、多くの異なる形態で具体化でき、本明細書に記載の実施形態に限定されると解釈されるべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示が徹底的かつ完全であり、本発明の概念の範囲を当業者に完全に伝えるように、例として提供される。同様の番号は、説明全体で同様の要素を指す。
【0125】
以下、[1.システム構成例]、[2.課題解決ポイントの例示]、[3.まとめ]について、順に説明する。
【0126】
[1.システム構成例]
図1は、実施形態の物流システム1の概略制御フローを簡略化して含む機能ブロック図である。同図において、太幅2重線構成の点線矢印は、物(アイテム等)の流れ方向を示し、単線の点線矢印は、制御の流れ方向を示す。
【0127】
同図に示すように、物流システム1は、集品の対象となる入荷品を複数種類入荷する入荷部10と、集品を行うための集品部20と、配送のために出荷対象となる出荷品を出荷する出荷部30と、入荷部10、集品部20および出荷部30を制御する制御部Cと、を備えている。
【0128】
制御部Cは、上記の入荷部10、集品部20および出荷部30に対応して、入荷部10を制御する入荷制御(入荷制御工程)10C、集品部20を制御する集品制御(集品制御工程)20C、および、出荷部30を制御する出荷制御(出荷制御工程)30Cを行う。
【0129】
ここで、および以下の説明において、「~部を制御する」とは、「~部をデータベース管理下とする」と言うことを指し、「~部において作業・処理対象となるアイテムのそれぞれについて、そのアイテムのID(以下「アイテムID」)に関連付けて、そのアイテムの各時点での状況を把握して更新し(データベースに記憶して状況に合わせて更新し)、後工程のための参照データとすること」を最小要件とする。ここでの「状況」には、各アイテムがどの工程まで作業・処理対象となったか等の情報が含まれる。この場合、この最小要件を満足すれば、少なくとも「参照データを得る」と言う点において、「自然法則の利用」に該当することになる。
【0130】
すなわち、後工程における制御のための参照データを得ることが最小要件なので、実際の作業・処理対象となるアイテムのそれぞれについて、その作業・処理を例えばプログラム制御により全自動で実施する場合はもちろんのこと、その作業・処理の一部または全部を作業員等の人手で実施したとしても、(自然法則に基づいて)参照データを得てシステム全体が作動するので、システム全体として、「自然法則の利用」に該当することになる。
【0131】
なお、上記のアイテムIDは、例えば入荷時点でデータベースに登録され、あるいは事前に登録済みの情報を示すものであり、例えば入荷品に付される所定の番号の他に、品種名を含む種類、数量、産地、消費期限、賞味期限等の特性を示す。このデータベースへの登録は、例えば入荷品に付されたバーコードの読み取り、入荷品の箱に内蔵されたIC内の情報の読み取り、その他、各種タグ、各種貼付、付帯品からの情報取得によって行われる。
【0132】
図1の説明に戻り、同図に示すように、入荷部10は、入荷品を入荷する作業を行う入荷作業部11と、入荷した入荷品をそれぞれ1種類以上含むアイテムを複数種類取扱うために保管するアイテム保管部12と、集品部20での集品に必要になる複数種類のアイテムを、集品部20に補充するアイテム補充部13と、を有する。
【0133】
これに対して、制御部Cでは、入荷部10を制御する入荷制御(入荷制御工程)10Cとして、入荷作業部11を制御する入荷作業制御(入荷作業制御工程)11Cと、アイテム保管部12を制御するアイテム保管制御(アイテム保管制御工程)12Cと、アイテム補充部13を制御するアイテム補充制御(アイテム補充制御工程)13Cと、を行う。
【0134】
集品部20は、アイテム補充部13から補充されたアイテムを集品のために一時保管する集品準備部21と、集品準備部21のアイテムを収容箱に集品する集品作業を行って、出荷品となるアイテムを集品した収容箱の準備を進める集品作業部22と、集品作業に供する収容箱を搬送するために、出荷部30まで搬送ロボットRが自由軌道(平面走行自在)で走行する搬送走行部23と、を有する。
【0135】
これに対して、制御部Cでは、集品部20を制御する集品制御(集品制御工程)20Cとして、集品準備部21を制御する集品準備制御(集品準備制御工程)21Cと、集品作業部22を制御する集品作業制御(集品作業制御工程)22Cと、搬送走行部23を制御する搬送走行制御(搬送走行制御工程)23Cと、を行う。
【0136】
また、この搬送走行制御(搬送走行制御工程)23Cでは、集品のための搬送走行部23の制御以外に、搬送ロボットRの駆動(Driving)や走行(Running)やルート(Route)を含む走行制御(Driving Control)のための走行制御信号Dを各部に発信して、各部における搬送ロボットRの挙動を制御する。
【0137】
出荷部30は、集品部20で集品された収容箱を受領して、配送対象となる出荷品となる出荷態様に纏める出荷準備部31と、出荷態様の出荷品に含まれるアイテムの種類別特性に合わせて保管する出荷品保管部32と、配送等のために出荷品を揃える作業を行う出荷作業部33と、を有する。
【0138】
これに対して、制御部Cでは、出荷部30を制御する出荷制御(出荷制御工程)30Cとして、出荷準備部31を制御する出荷準備制御(出荷準備制御工程)31Cと、出荷品保管部32を制御する出荷品保管制御(出荷品保管制御工程)32Cと、出荷作業部33を制御する出荷作業制御(出荷作業制御工程)33Cと、を行う。
【0139】
なお、上記および以下の説明における「搬送ロボットRによるアイテムの搬送」の「アイテムの搬送」は、任意または設定に従う自由軌道によるものなので、例えば集品箱、出荷箱、パレット、ケース、段ボール箱、折り畳みコンテナ(オリコン)、などの搬送時の収容物の種類やその中に含まれるアイテムの種類や種類数等の搬送形態に関わらず、単に「アイテムの搬送」と称し、「アイテム」には全ての収容形態での「アイテム」を含むものとする。
【0140】
[2.課題解決ポイントの例示]
次に、本実施形態の物流システム1における各機能ブロックおよび各エリアの詳細の説明に付随して、課題解決ポイントについて説明する。
【0141】
なお、以下の説明において、対応図面上では見易さを重視して使用している丸囲み数字は、以下の文章内では、丸1は[01]、丸2は[02]、丸3は[03]、・・・のように、半角[]内の半角数字を用いて説明する(図4以降等)。
【0142】
図2は、図1と対応付けて、実施形態の物流システム1の物(アイテム)、すなわち、入荷直後の原料としてのアイテムや各種の収容箱等内に収容された集品対象としてのアイテムなど、の流れに対応する機能に着目したイメージの機能ブロック図である。同図において、太幅矢印は、原料に近い状態のアイテムの流れを示し、各部に集品対象品として分別搬送される。また点線矢印は、オーダー箱などの収容箱内に集品されたアイテムの流れを示し、各部の集品処理(集品工程)を経由して、出荷に向けて搬送される。制御の流れの図示は省略している。
【0143】
なお、ここでの、物(アイテム等)の流れを示す矢印の機能は、具体的には、従来構成による搬送ラインや近年の搬送ロボットにより実施されるが、出来る限り、任意設定軌道または自由軌道が可能な搬送ロボットに依存する方が、搬送物の待機、順番入れ替えなどが自在にできることから、本実施形態では、特に注記しない限り、ほぼ全面的に搬送ロボットを利用するものとする。
【0144】
また、ここでの「搬送ロボット」は、搬送形態に関わらず、アイテムを搬送する搬送ロボットなので、例えば無軌道(NFN)方式のものも含むいわゆる自立(自律)走行搬送ロボット(AMR)、無人搬送車(AGV)などの小型から中型のものの他、無人搬送フォークリフト(AGF)等の可搬式の商品棚ごと運ぶタイプの大型の搬送ロボットも含むものとする。
【0145】
図2の説明に戻り、同図に示すように、入荷部10(詳細には入荷作業部11)に含まれる機能ブロックとしては、入庫機能ブロック111、天カット機能ブロック112、およびこれらの間や他との間でのアイテム搬送のための走行エリア(図番無し)を有する。
【0146】
なお、以下「機能ブロック」の語は、必要に応じて、単に「ブロック」と省略(例えば「入庫ブロック111」、「天カットブロック112」等)、あるいは全省略する(例えば「入庫111」、「天カット112」等)。
【0147】
次に、集品部20(主に集品作業部22)に含まれる機能ブロックとしては、マルチラインピッキング(MLP:以下単に「MLP」と示すこともある)221、AMR集品222、MSSGTP223、およびこれらの間や他との間でのアイテム搬送のための走行エリア(図番無し)を有する。
【0148】
また、後の説明の都合に合わせて示しておくと、MSSGTP223に含まれる機能ブロックとしては、入荷状態の収容箱(入荷箱)から耐性のあるトレーに移し替えるトレー移替123、アイテム保管部12の一部機能も兼ねる自動倉庫であるマルチシャトルシステム(以下単に「MSS」)124、GTP(Goods To Person:後の説明ではロボットが担当しているので、正確にはGoods to Robot(GTR)となる)224、およびこれらの間や他との間でのアイテム搬送のための走行エリア(図番無し)を有する。
【0149】
次に、出荷部30に含まれる機能ブロックとしては、(出荷準備部31の一部機能となる)寄せ311、(出荷品保管部32の一部機能となる)順立て(本実施形態ではMSSで実施)321、(出荷作業部33の一部機能となる)段積331、およびこれらの間や他との間でのアイテム搬送のための走行エリア(図番無し)を有し、出荷につながる。
【0150】
図3は、図1図2と対応付けて、実施形態の物流システム1で使用(発行)される集品指示(オーダー)分類と各オーダー毎の収容箱(オーダー箱)の搬送ルートとの関係説明図である。ここでは、オーダー(以下「Ord」)1~7の7種類に分類分けし、各オーダーに対応して、各オーダーで指示されたアイテムを集品する場合の搬送ルートを示している。
【0151】
各アイテムには、入荷時点の情報としてそれぞれ集品頻度についての複数の頻度ランクのいずれか1に対応するランク付けがされている。
【0152】
本実施形態では、アイテムの種類を最小管理単位(Stock Keeping Unit:SKU)で示したときの全体で648種類(648SKU)のうちの集品頻度の上位90種類(90SKU)を、高頻度(以下適宜「HF」と省略)アイテム、集品頻度の下位400種類(400SKU)を、低頻度(以下適宜「LF」と省略)アイテム、残りの158種類(158SKU)を、中頻度(以下適宜「MF」と省略)アイテム、とランク付けしている。
【0153】
図3に示すように、上位90SKUの高頻度(HF)アイテムについては、図2で示したマルチラインピッキング(MLP)221で集品を行い、下位400SKUの低頻度(LF)アイテムについては、MSSGTP223で集品を行い、残りの158SKUの中頻度(MF)アイテムについては、AMR集品222で集品を行う。
【0154】
図2および図3を参照して、HFアイテムのみを指示(集品)するオーダー(Ord)1に対する集品ルートでは、空のオーダー箱を経由(搬送)ルートOrd1ー1を経由してMLP221に到達(搬送)し、HFアイテムの集品が終了すると、次は直接、搬送ルートOrd1ー2を経由して機能ブロックの出荷部30の順立て321に到達(搬送)する。
【0155】
次に、MFアイテムのみを集品するOrd2に対する集品ルートでは、空のオーダー箱を搬送ルートOrd2ー1を経由して、直接、AMR集品222に搬送し、MFアイテムの集品が終了すると、次は直接、搬送ルートOrd2ー2を経由して順立て321に搬送する。
【0156】
同様に、LFアイテムのみを集品するOrd3に対する集品ルートでは、空のオーダー箱を搬送ルートOrd3ー1を経由して、直接、MSSGTP223に搬送し、LFアイテムの集品が終了すると、次は直接、搬送ルートOrd3ー2を経由して順立て321に搬送する。
【0157】
次からは2ブロック経由の集品となるが、HFアイテムとMFアイテムとを含むOrd4に対する集品ルートでは、空のオーダー箱を搬送ルートOrd4ー1を経由して、MLP221に搬送し、HFアイテムの集品が終了すると、次は、搬送ルートOrd4ー2を経由して、AMR集品222に搬送し、MFアイテムの集品が終了すると、次は直接、搬送ルートOrd4ー3を経由して順立て321に搬送する。
【0158】
同様に、HFアイテムとLFアイテムとを含むOrd5に対する集品ルートでは、空のオーダー箱を搬送ルートOrd5ー1を経由して、MLP221に搬送し、HFアイテムの集品が終了すると、次は、搬送ルートOrd5ー2を経由して、MSSGTP223に搬送し、LFアイテムの集品が終了すると、次は直接、搬送ルートOrd5ー3を経由して順立て321に搬送する。
【0159】
同様に、MFアイテムとLFアイテムとを含むOrd6に対する集品ルートでは、空のオーダー箱を搬送ルートOrd6ー1を経由して、AMR集品222に搬送し、MFアイテムの集品が終了すると、次は、搬送ルートOrd6ー2を経由して、MSSGTP223に搬送し、LFアイテムの集品が終了すると、次は直接、搬送ルートOrd6ー3を経由して順立て321に搬送する。
【0160】
最後に、HFアイテムとMFアイテムとLFアイテムの全てを含むOrd7に対する集品ルートでは、空のオーダー箱を搬送ルートOrd7ー1を経由して、MLP221に搬送し、HFアイテムの集品が終了すると、次は、搬送ルートOrd7ー2を経由して、AMR集品222に搬送し、MFアイテムの集品が終了すると、次は、搬送ルートOrd7ー3を経由して、MSSGTP223に搬送し、LFアイテムの集品が終了すると、最後に、搬送ルートOrd7ー4を経由して順立て321に搬送する。
【0161】
上述のように、本実施形態の物流システム1では、集品対象品をそれぞれ1種類以上含む各アイテムには、入荷時点の情報としてそれぞれ集品頻度についての3つ(複数)の頻度ランク(高頻度:HF/中頻度:MF/低頻度:LF)のいずれか1に対応するランク付けがされていて、全工程は、各頻度ランクのアイテムの集品を担当する3つ(複数)の頻度ランク別集品工程を含み、全機能ブロックは、各頻度ランク別集品工程を担当する3つ(複数)の頻度ランク別集品機能ブロック(MLP221/AMR集品222/MSSGTP223)と、各頻度ランク別集品機能ブロックの制御工程を担当する制御ブロック(制御部10C)と、を有する。
【0162】
この場合、各頻度ランクに対応する集品工程を担当する各機能ブロックを有するので、各頻度ランクにランク付けされた各アイテムに適合した集品作業およびその制御を適切に実施することが可能になり、この結果、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0163】
もちろん、それぞれ個別に検討した場合、一定頻度以上の集品頻度を示す高頻度(HF)ランクにランク付けされた高頻度(HF)アイテムに対しては、高頻度(HF)アイテム集品工程を担当する高頻度アイテム集品機能ブロック(MLP221)により、一定頻度以下の集品頻度を示す低頻度(LF)ランクにランク付けされた低頻度(LF)アイテムに対しても、低頻度(LF)アイテム集品工程を担当する低頻度アイテム集品機能(MSSGTP223)により、残りの中頻度(MF)アイテムについては、中頻度アイテム集品機能(AMR集品222)により、それぞれに適合した集品作業およびその制御を適切に実施することが可能になり、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0164】
次に、本実施形態の物流システム1における各機能ブロックの詳細の説明に付随して、更なる効率化、特に自動化(省人化・省力化)関連について説明する。
【0165】
[入荷部10の入荷作業部11(図1、2参照)]
<入庫機能ブロック111(&天カット機能ブロック112)>
図4は、入庫機能ブロック(入庫)111の機能説明図である。
【0166】
図4を参照して、入庫111の機能(運用フロー)について詳述する。この入庫111では、下記工程を実施(運用)する。
【0167】
・[01]カゴ車入荷品
〇高頻度品(HFアイテム)
カゴ車入荷品のうち、高頻度品は、仕分け・集品のため、マルチラインピッキング(MLP)221に搬送する。
〇中頻度品(MFアイテム)
カゴ車入荷品のうち、中頻度品は、集品のため、AMR集品222に搬送し、集品準備としてピッキング(フロー)ラック200に格納する(図11参照)。
〇低頻度品(MFアイテム)
カゴ車入荷品のうち、低頻度品は、MSSGTP223に搬送し、後の集品や一時保管のために、MSS124に格納する。
★これら全てにおいて、入荷時の梱包材(段ボール箱等)の状況に応じて、天カット112において上面カットして開梱した後に搬送する。
【0168】
なお、図示では、理解を容易にするため、カゴ車入荷品は、入荷品ケースに収納された状態で、ケースコンベアに投入されているが、入荷品ケースの各機能ブロックまでの搬送は、ケースコンベア(搬送ライン)のみ、搬送ロボットのみ、ケースコンベアと搬送ロボットの混合(例えば一旦はケースコンベアに整列して投入後、ケースコンベアの先方端で搬送ロボットに移載など)の搬送手段が考え得る。これらのうち、汎用的な効率化の観点からは、自由走行エリア上を搬送する搬送ロボットの採用が好ましい。
【0169】
また、上述および以降の説明において、「搬送ロボット」には、無軌道タイプのいわゆる自立(自律)走行搬送ロボット(Autonomous Mobile Robot:AMR)が導入容易性等の利点から好ましいが、有軌道タイプのいわゆる無人搬送車(Automated Guided Vehicle:AGV)も(必要に応じて軌道を定めれば良いので)含まれる概念である。さらには、広く「乗り物」を意味するビークル(Vehicle)の語でも表現でき、路上を走らない(軌道を変更できる)線路上を走るものや(例えばドローンなど)空を飛ぶものも、無人のものであれば含まれる概念である。もちろん、自己位置推定による完全自律走行を行う無軌道(Natural Feature Navigation:NFN)方式のものも含まれる。また、走行エリアを十分に確保できる場合には、無人搬送フォークリフト(AGF)等の可搬式の棚ごと運ぶタイプの搬送ロボットでも良い。
【0170】
・[02]パレット入荷品。
まず、デパレタイズロボット(いわゆるロボットアーム/ハンド型なので、以下ではこの種のロボットを単に「ハンド」と略称する)Hにより荷捌きして入荷品ケースの態様とした後は、[01]のカゴ車入荷品で上述の場合と同様の搬送方法で、各機能ブロックに搬送する。
【0171】
・[03]別扱品(米・大物)
米や大物は、上述の高頻度品や低頻度品とは別に、別扱品として扱う。どちらも、無人フォーク(AGF)により搬送して、パレットラックに自動格納する。
【0172】
上述のように、入庫ブロック111で担当する入庫工程として、入荷された集品対象品の種類を含む分別条件に基づいて集品対象品を分別して、分別条件に適合した搬送先に分別搬送する分別工程を含むので、分別条件に基づく分別によって、搬送先の選択を含む制御を分けることができ、各頻度ランクにランク付けされた各アイテムに適合した集品作業およびその制御を適切に実施することが可能になり、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0173】
また、上述のように、入荷時の梱包材(段ボール箱等:集品対象品を収納している収納体)の状況に応じて、天カット112において上面カットして開梱する(集品対象品を抽出するための開口を設けるための開口工程を含む)ことにより、収納体に開口が存在するか否かによって、制御を分けることができ、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0174】
なお、本発明の目的に関連する全自動化の観点で考察すると、図4の入庫111の運用フローでは、カゴ車入荷品にしろパレット入荷品にしろ、カゴ車やパレットを人手により入荷する例で図示したが、この部分も、例えばトラックの荷台等から搬送ロボット等で入荷品を搬送して入荷するようにして、自動化をさらに推進しても良い。
【0175】
[集品部20の集品作業部22(図1、2参照)]
<マルチラインピッキング機能ブロック(MLP)221>
図5は、マルチラインピッキング機能ブロック(MLP)221の機能(運用フロー)イメージの説明図である。
【0176】
まず、前提として、図2を参照して、MLP221までのアイテムの搬送ルートには、上部(天)が開口されていない場合の、途中で天カット112を介する入庫111~天カット112~MLP221の第1搬送ルートと、入庫111の時点で開口している場合の、直行する入庫111~MLP221の第2搬送ルートと、の2タイプの搬送ルートがあるが、いずれの搬送ルートが選択される場合も、MLP221に到着した時点では、開口状態となっている。
【0177】
なお、理解を容易にするため、以下では、入荷集合体(図4の例ではケース等)を単に「入荷箱」、集品オーダ(Ord1~7)に沿って集める収容品の集合体を「集品箱」あるいは「オーダー箱」、目的を特定しない場合には単に「収容箱」と呼称するものとする。
【0178】
『MLP-TypeA(ロボットピック+自動投入)』
開口された入荷箱に対して、図5(a)では、図示奥側で後述のAI制御のハンド(ピッキングロボット/ロボットアーム/ピッキング用アクチュエータ)Hにより内部の入荷品を抽出して、所定のコンベアにより図示手前側まで搬送し、手前側で待ち構えている集品箱Ba、Bb、Bc、・・・(以下代表して「集品箱B」)に、自動落下による自動投入により集品対象アイテムを集品する。このタイプの説明において想定している集品対象アイテムとしては、バター、練り物、漬物・佃煮、などの小物品であり、端的に分類すると、落下させても型崩れや品質低下等がほぼ問題とはならないアイテムが含まれる。
【0179】
『MLP-TypeB(人手ピック+ロボット投入)』
開口された入荷箱に対して、図5(b)では、図示奥側で人手により内部の入荷品を抽出して、所定のコンベアにより図示手前側まで搬送し、手前側で待ち構えている集品箱Bに、ハンド(ピッキングロボット/ロボットアーム/ピッキング用アクチュエータ)Hにより集品対象アイテムを集品する。このタイプの説明において想定している集品対象アイテムとしては、牛乳、ヨーグルト、豆腐、などの、落下させたのでは型崩れや品質低下が問題となるいわゆるデリケート品に該当するアイテムが含まれる。
【0180】
『MLP-TypeC(人手ピック+自動投入)』
開口された入荷箱に対して、図5(c)では、図示奥側で人手により内部の入荷品を抽出して、所定のコンベアにより図示手前側まで搬送し、手前側で待ち構えている集品箱Bに、自動落下による自動投入により集品対象アイテムを集品する。このタイプの説明において想定している集品対象アイテムとしては、小物品と同様に、ハム、チーズ、納豆、などの、落下させても型崩れや品質低下等がほぼ問題とはならないアイテムが含まれる。
【0181】
なお、コストや設置や制御の条件など、運用上の検討事項とはなるが、上述の手前側の集品箱Bへの集品においては、ロボット投入としておけば、集品アイテムを選ばない万能・汎用のタイプとなるので、理想的には、自動落下による自動投入ではなく、ロボットでのピッキングによる投入(ロボット投入)が好ましい。一方の図示奥側の入荷品抽出~コンベアへのアイテム載置については、自動化による効率化の目的には、ロボットピックが好ましい。そこで、以下では、図5に図示はしていないが、万能・汎用で自動化に適した『MLP-TypeD』について説明する。
【0182】
『MLP-TypeD(ロボットピック+ロボット投入)』
運用上の検討事項となるので図5での図示は省略しているが、開口された入荷箱に対して、図示奥側で後述のAI制御のハンド(ピッキングロボット/ロボットアーム/ピッキング用アクチュエータ)Hにより内部の入荷品を抽出して、所定のコンベアにより図示手前側まで搬送し、手前側で待ち構えている集品箱Bに、ハンド(ピッキングロボット/ロボットアーム/ピッキング用アクチュエータ)Hにより集品対象アイテムを集品する。このタイプの説明において想定している集品対象アイテムとしては、上述したいわゆるデリケート品に該当するものも含めて全アイテムが含まれる。
【0183】
図6は、図5におけるコンベア構成の整列ラインの説明図であり、図7は、図5(b)での集品箱への投入イメージ、すなわちロボット投入イメージを多角的に示した説明図である。
【0184】
図6に示すように、[01]~[06]の種類別に各コンベア(後述の「整列ライン」)上に載置された各入荷品を、図示手前側の集品箱Bへの投入(集品)位置に向かって搬送する。集品位置に到着した種類別の各入荷品は、図7に示すように、ハンドHによりピッキングして、固定あるいはコンベア等のライン上に載置された収容箱に載置(移載)する。
【0185】
ただし、図7の集品位置の構成は、マルチラインピッキング機能ブロック(MLP)221の基本構成を検討する際に用いた構成例であって、実際には図5に点線で示した集品箱Bを搬送するコンベア(搬送ライン)上で集品作業が行われる。
【0186】
図8は、図5(a)のマルチラインピッキング機能ブロック(MLP)内でのロボットピック時の入荷品種判別・整列機能の概略制御フローを簡略的に示す機能ブロック図であり、図9は、図8に対応する入荷品種判別・整列機能の概念イメージ図である。
【0187】
図8および図9に示すように、コンベア構成のバラバララインにバラバラに載置された入荷品を、図示のパルスコーダトリガのポイントを通過した時点(トリガ検出)で、検出プログラムを呼び出してカメラにて撮像し、イーサネット(TCP/IP)を介してロボット制御装置と連携し、さらには事前登録画像や運用中の収録画像による画像分析や学習により画像制御を行うAI(ビジョンシステム)とも連携しつつ、各入荷品の種類(大きさ等も含む)や姿勢(載置方向を含む)を認識し、エンコーダカウント値で座標変換によるトラッキング座標で各入荷品のタイミングを合わせて姿勢を整えつつ、ハンド(パラレルリンクロボット/ピッキングロボット/ロボットアーム/ピッキング用アクチュエータ)Hによりピッキング(ワーク把持)して、整列ライン(コンベア:搬送ライン)上に載置(移載)する。
【0188】
図10は、図5で集品後の集品箱Bの搬送を搬送ロボットRで実施する場合の例を示す説明図である。AMR集品222の構成(後述の図12等参照)に合わせて、図10に示すように、搬送ロボット走行エリア(搬送走行部23の一部)を走行する搬送ロボットRが収容箱(集品箱:オーダー箱)Bを受領して搬送できる構成となっている。
【0189】
前述のように、本実施形態の物流システム1では、集品対象品をそれぞれ1種類以上含む各アイテムには、入荷時点の情報としてそれぞれ集品頻度についての3つ(複数)の頻度ランク(高頻度:HF/中頻度:MF/低頻度:LF)のいずれか1に対応するランク付けがされていて、上述のマルチラインピッキング機能ブロック(MLP)221では、一定頻度以上の集品頻度を示す高頻度(HF)ランクを担当し、このMLP(高頻度アイテム集品機能ブロック)221により、高頻度(HF)ランクにランク付けされた高頻度(HF)アイテムに対して、それらに適合した集品作業およびその制御を適切に実施することが可能になり、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になっている。
【0190】
図2および図3を参照して前述のように、マルチラインピッキング機能ブロック(MLP)221は、一定頻度以上の集品頻度を示す高頻度(HF)ランクにランク付けされた高頻度(HF)アイテムに対して、高頻度(HF)アイテム集品工程を担当する高頻度(HF)アイテム集品機能ブロックとして機能し、これにより、HFアイテムに適合した集品作業およびその制御を適切に実施することが可能になる。
【0191】
このMLP221では、図5図10で上述のように、混在する複数種類のアイテムの中から個別種アイテムを抽出して、対応付けられた整列ライン(コンベア:個別種ライン)に整列載置する、いわゆる「仕分け」の作業と(図5図6図8図9等参照)、その整列(個別種)ラインから個別種アイテムを集品する、いわゆる「集品」の作業と(図5図7図10等参照)、の一連の作業を行う。すなわち、物流システム1としての主作業となる「仕分け~集品」を一括で一連作業として済ませることができる。なお、ここでの個別種アイテムの種類には、大きさ等も含まれ、大きさのみ異なるものも、基本的には、あるいは必要に応じて、異なる種類として扱う。
【0192】
ここで、高頻度(HF)アイテムは、高頻度で入荷~出荷の対象となるアイテムである。これに対して、「仕分け~集品」を一括で一連作業として済ませることは、更なる効率化につながる。これにより、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0193】
また、図5等で前述の図示奥側の構成+整列ライン(コンベア:図5図6図9等)の構成(個別種アイテム抽出ブロック)では、整列ラインを複数備えるので、複数種類の(個別種)アイテムを抽出して、対応の整列(個別種)ラインに整列載置して、集品出来るため、複数種類の(個別種)アイテムについての「仕分け~集品」を一括で一連作業として済ませることができ、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0194】
この場合、個別種アイテム抽出ブロックは、(個別種)アイテムを撮像するカメラ(個別種アイテム撮像手段)を備えることにより、個別種アイテムを認識して、その後の個別種ラインへの整列載置に有効活用でき(図9参照)、認識された(個別種)アイテムを、ハンド(ピッキングロボット/ロボットアーム/ピッキング用アクチュエータ)H(または人手)により、整列(個別種)ラインに整列載置することで「仕分け」の作業を行うことができ、各(個別種)アイテムに適合した集品作業およびその制御を適切に実施することが可能になり、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0195】
また、この場合、個別種アイテムを抽出して、対応の個別種ラインに整列載置する個別種アイテム移載機能を有するハンド(ピッキングロボット/ロボットアーム/ピッキング用アクチュエータ)Hを備えることにより、個別種アイテムの載置(個別種アイテム載置手段)の自動化を推進・向上でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0196】
また、この場合、個別種アイテムの特徴を記憶しておき、記憶された個別種アイテムの特徴に一致するアイテムを個別種アイテムとして認定することにより、その認定結果に基づいて、個別種アイテム抽出工程の制御を適切に実施することが可能になり、この結果、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0197】
また、この場合、個別種アイテムの特徴を学習する機能を有するようにすることで、すなわちいわゆるAI等のように学習機能を備えることで、システム構成やシステム運用が変化しても、個別種アイテムの特徴を更新でき、さらに対応しやすくなり、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0198】
また、同様に、個別種アイテム抽出ブロックは、(個別種)アイテムの姿勢を撮像するカメラ(個別種アイテム姿勢撮像手段)を備えることにより、個別種アイテムの姿勢を認識して、その後の個別種アイテムの姿勢調整に有効活用でき(図9参照)、認識された(個別種)アイテムの姿勢を、ハンド(ピッキングロボット/ロボットアーム/ピッキング用アクチュエータ)Hにより調整することで、アイテムの姿勢調整を自動化でき、個別種アイテムの姿勢を調整することで、後工程の図5等で前述の図示手前での集品工程(個別種アイテム集品工程)での集品時の姿勢を整えることができ、集品を進め易くすることができ、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。なお、ここでの個別種アイテムの姿勢には、縦・横・斜めの方向から認識可能な姿勢のうちの少なくとも1を含む。
【0199】
また、この場合、整列(個別種)ラインへの整列載置のための個別種アイテムの姿勢を調整する個別種アイテム姿勢調整機能を有するハンド(ピッキングロボット/ロボットアーム/ピッキング用アクチュエータ)Hを備えることにより、個別種アイテムの姿勢の調整(個別種アイテム姿勢調整手段)の自動化を推進でき、ひいては物流システム全体での自動化を推進・向上でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0200】
また、この場合、個別種アイテムの姿勢の特徴を記憶しておき、記憶された個別種アイテムの姿勢の特徴に基づいて、抽出した個別種アイテムの姿勢を判定でき、その判定結果の姿勢に基づいて、個別種ラインへの整列載置のための個別種アイテムの姿勢を調整することにより、後工程の個別種アイテム集品工程での集品時の姿勢を整えることができ、集品を進め易くすることができ、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0201】
また、この場合も、個別種アイテムの姿勢の特徴を学習する機能、いわゆるAI等のように学習機能、を備えることで、システム構成やシステム運用が変化しても、個別種アイテムの姿勢の特徴を更新でき、さらに対応しやすくなり、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0202】
また、図5等で前述の図示手前での集品工程(個別種アイテム集品工程)の構成(個別種アイテム集品ブロック)では、整列(個別種)ラインから個別種アイテムを集品する個別種アイテム集品機能を有するハンド(ピッキングロボット/ロボットアーム/ピッキング用アクチュエータ)Hを備えることにより、個別種アイテムの集品の機能(個別種アイテム集品ブロック)の自動化を推進でき、ひいては物流システム全体での自動化を推進・向上でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0203】
[集品部20の集品作業部22(図1、2参照)]
<AMR集品機能ブロック222>
図11は、AMR集品機能ブロック(AMR集品)222の機能説明図であり、基本的には、従来は作用者Mが担当していた(人手による)内容であるが、以下では、主にハンド(ロボットアーム/ピッキング用アクチュエータ)Hが集品作業を担当する(自動化による)例を示し、自動化特有で可能な作業方法も随時追記する。
【0204】
図11に示すように、中頻度(MF)アイテムを主とするが他に分類されるものも含む各種アイテムを、物流システム1の各部から搬送し、AMRを利用した集品作業を行う(図2等参照)。主に図2および図3で前述のように、概略としては、入荷直後の原料に近いアイテムは入荷部10から収容箱の形態で直接、他の集品途中のアイテムは、空の状態あるいはMLP221でのHFアイテムを集品済みの状態のオーダー箱(集品箱)の形態で、搬送ロボット(AMR)Rにより搬送する。
【0205】
図11を参照して、AMR集品222の機能(運用フロー)について詳述する。このAMR集品222では、下記工程を順に実施(運用)する。
【0206】
・[01]オーダー箱(集品箱)がAMRにより搬送されてくる。
オーダー箱の容量としては、基本は16B、32B等であるが、必要に応じて変更可能である。
【0207】
・[02]フローラックの表示器が点灯するので、そこで指示されたアイテムをピッキング(集品)して、オーダー箱に投入する。
なお、作業者Mによる作業では、フローラックの表示器の点灯を参照するが、ハンドHによる作業では、同様にフローラックの表示器の点灯を検知する他、その指示データ(信号)を受信して作業するなどの変更は適宜可能である。
【0208】
・[03]完了ボタンを押す。
なお、この場合も、ハンドHによる作業では、同様に完了ボタンを押す他、完了の旨をデータ(信号)で送信するなどの変更は適宜可能である。
【0209】
・[04]上記の[01]~[03]の作業を繰り返し、最後のアイテム(商品)を完了後、袋をたたみ、完了ボタンを押す。これにより、オーダー箱も切り替わる。
なお、この場合も、ハンドHによる作業では、同様に完了ボタンを押す他、終了の旨をデータ(信号)で送信するなどの変更は適宜可能である。
【0210】
<AMR集品のピッキングエリア>
図12は、AMR集品222のピッキングエリアの構成を、理解の容易化のため模式的に簡易化して示すピッキングエリアの模式図である。
【0211】
図示のように、ピッキングエリアは、ピッキング(集品)対象品を供給するための原料ケース自動補充設備(図示符号無し)と、ピッキング(フロー)ラック200と、複数の作業台(作業テーブル)Tと、その手前側で搬送ロボットRが自由軌道(平面走行自在)で走行するための搬送ロボット走行エリア(搬送走行部23)と、を備えている。
【0212】
ピッキング(フロー)ラック200は、原料ケース自動補充設備側(背面側)からピックアップ用の間口側(前面側)にかけて下がっていて、いわゆるフローラック(flow rack)構成のピッキングラックであり、環境温度-15℃に設定されている。このピッキング(フロー)ラック200の間口から集品可能な各種(主にMF)アイテムを、集品を担当する複数のハンドHが、それぞれが担当する作業台(作業テーブル)Tにおいて、それぞれが担当するオーダー箱(収容箱)にピッキング(集品)を行う。
【0213】
ここで、各アイテムは、ケース単位で作業処理の対象単位として、原料ケース自動補充設備を介して、そのアイテム毎に対応して定められたピッキング(フロー)ラック200の間口に対して、ケース単位、すなわちアイテム単位で供給(補充)される(図2図4参照)。
【0214】
なお、上述の原料ケース自動補充設備について、図4等の構成図では、原料(供給されるアイテム)の搬送ルートを理解し易いように、有軌道タイプの搬送手段(搬送ラインを含む)を描いていて、図11でのフローラックへのアイテム供給は、有軌道タイプも含むニュアンスのビークルによると記載しているが、導入容易性(汎用性)等の観点から無軌道タイプが有利と考えられる場合には、無軌道タイプの採用が好ましい。
【0215】
図13は、ピッキングエリア内で、ピッキング作業エリア210を構成する複数のピッキングゾーンを、理解の容易化のため簡略化して説明する説明図である。
【0216】
図示のように、前述のピッキング(フロー)ラック200は、実際には、各作業員MあるいはハンドHが担当する作業台Tと対応して区分けされていて、その区分けされた作業領域であるピッキングゾーンZにおいて、同図(a)では各担当の作業員Mによって、同図(b)では各担当のハンドHによって、アイテム対応の所定の間口から集品対象の各アイテムが取り出される。
【0217】
図14は、図13と同様の説明図であり、同図(a)は作業者Mが集品作業を担当する図13(a)と同じ人手による例を示す説明図であるが、図14(b)は、自動化の別の方法を示す説明図である。
【0218】
すなわち、図14(b)は、前述のピッキング(フロー)ラック200を自動販売機(ディスペンサ)タイプにしたものを示しており、前述の
・[02]フローラックの表示器が点灯するので、そこで指示されたアイテムをピッキング(集品)して、オーダー箱に投入する。
の作業を、指示データの受信により指示されたアイテムを供給する自動販売機(ディスペンサ)タイプに代替えすることにより、自動化した例を示す説明図である。
【0219】
図2および図3を参照して前述のように、AMR集品機能ブロック(AMR集品)222は、中頻度(MF)ランクの下限を示す第1定数を超えて、且つ中頻度(MF)ランクの上限を示す第2定数未満の、集品頻度を示す中頻度(MF)ランクにランク付けされた中頻度(MF)アイテムに対して、中頻度(MF)アイテム集品工程を担当する中頻度(MF)アイテム集品機能ブロックとして機能し、これにより、MFアイテムに適合した集品作業およびその制御を適切に実施することが可能になる。
【0220】
このAMR集品222では、AMR(所定の搬送ロボット)Rを利用して集品を行うので、基本的に、搬送ロボットRによる搬送の相互インターフェイス(例えばアイテムやその搬送箱等の受け渡しの高さなど)を合わせさえすれば、各機能ブロックの変更は、他の機能ブロックに影響しないので、物流システムとして、システム構成やシステム運用の変化に対して、システム全体の構成の変更が少ない構成となり、システムの汎用性を確保しつつ、事業環境や運用の変化に対して、迅速且つ低コストで柔軟に対応可能になる。
【0221】
その上で、ここでは、集品を行うための1以上のピッキングゾーンZと、そのピッキングゾーンZ内で、複数種類のアイテムの種類毎に所定の間口から、アイテムのそれぞれを取出可能なピッキングラック200と、集品対象のアイテムをピッキングラック200から取り出して、アイテムを集品するために収容箱に集品するアイテム取出手段と、を備えることで、集品のための基本構成を備え、収容箱は、搬送ロボットRの少なくとも1により搬送・搬入され、同一または別の搬送ロボットRにより別の場所宛に搬出・搬送されるので、少なくとも搬送に関しては、全て自動化が可能な構成になる。これにより、上記の基本構成と合わせて、自動化に適した構成になる。
【0222】
したがって、この物流システム1では、システム構成やシステム運用の変化に対して、システム全体の構成の変更が少なく、且つ作業員のスキルを要しない構成とすることにより、システムの汎用性を確保しつつ、自動化を推進でき、事業環境や運用の変化に対して、迅速且つ低コストで柔軟に対応可能になる。
【0223】
ここで、中頻度(MF)アイテムは、第1定数を超えて且つ第2定数未満の集品頻度を示す中頻度ランクにランク付けされたアイテムである。言い換えると、第1定数や第2定数の定め方次第で、高頻度(HF)アイテムの一部や低頻度(LF)アイテムの一部も、中頻度アイテムとして扱うことが可能である。
【0224】
この意味で、中頻度(MF)アイテム集品工程を担当する中頻度(MF)アイテム集品機能ブロックとしてのAMR集品222は、事業環境や運用の変化に柔軟に対応しやすく、あるいはそれを要望される機能ブロックであり、搬送ロボットRを利用しての集品の機能(運用)では、システム構成やシステム運用の変化に対して柔軟な運用が可能なので、中頻度(MF)アイテム集品機能ブロックとして最適な組み合わせ(構成)となり得る。
【0225】
これらにより、集品作業およびその制御を適切に実施することが可能になり、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0226】
また、図11図13で上述のように、ピッキング(フロー)ラック200から集品対象のアイテムを取出可能なハンド(集品用アクチュエータ)Hを備えるので、集品作業の自動化を推進でき、ひいては物流システム全体での自動化を推進・向上でき、システムの汎用性を確保しつつ、自動化を推進でき、事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0227】
また、図14(b)に示すように、ピッキングラック200からのアイテム取出手段として、集品対象の前記アイテムを取出可能な自動販売機タイプ(ディスペンサー方式)搬出手段を備えることもできる。これにより、集品作業の自動化を推進でき、ひいては物流システム全体での自動化を推進・向上でき、システムの汎用性を確保しつつ、自動化を推進でき、事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0228】
[集品部20の集品作業部22(図1、2参照)]
<MSSGTP機能ブロック223>
図2で前述のように、MSSGTP機能ブロック(MSSGTP)223は、トレー移替機能ブロック(トレー移替)123、マルチシャトルシステム(MSS)機能ブロック(MSS)124、GTP(GTR)機能ブロック(GTP(GTR))224、およびこれらの間や他との間でのアイテム搬送のための走行エリア(図番無し)を有する。以下では、説明の都合上、トレー移替123、GTP(GTR)224、MSS124の順で説明する。
【0229】
<トレー移替機能ブロック123>
図15は、トレー移替機能ブロック(トレー移替)123の機能説明図であり、前述の図11と同様に、基本的には、従来は作用者Mが担当していた(人手による)内容であるが、以下では、主にハンド(ロボットアーム/ピッキング用アクチュエータ)Hが集品作業を担当する(自動化による)例を示し、自動化特有で可能な作業方法も随時追記する。
【0230】
MSS124に格納されるアイテムは、主に低頻度(LF)アイテムであり、低頻度(LF)アイテムは、集品に応じて複数回の入出庫を繰り返すため、入荷時の梱包状態である入荷箱(段ボール箱等)から、安定搬送可能なトレーにアイテムを移し替える。
【0231】
図15を参照して、トレー移替123の機能(運用フロー)について詳述する。このトレー移替123では、下記工程を順に実施(運用)する。
【0232】
・[01]空トレーと入荷品を作業台に載せる。
入荷品は、入荷箱(例えば天カットされた段ボール箱やオリコンなどの収容箱)に収容された状態で搬送されてくる。
空トレーの容量としては、基本は50Lオリコンサイズ相当等であるが、必要に応じて変更可能である。
【0233】
・[02]ハンディスキャナで空トレーIDと商品JANを読み取り、紐づけする。
なお、ハンドHによる作業では、同様にハンディスキャナで読み取る他、ハンドHに予め取り付けたセンサ等で読み取るなどの変更は適宜可能である。
【0234】
・[03]画面の指示分だけ商品をトレーに移替する~完了ボタンを押す。
なお、この場合も、ハンドHによる作業では、画面の指示分に従う他、その指示データ(信号)を受信して作業するなどの変更や、同様に完了ボタンを押す他、完了の旨をデータ(信号)で送信するなどの変更は、適宜可能である。
【0235】
・[04]トレー移替作業完了後、コンベヤに押し出して、MSS124へ搬送する。同じ商品が移替し切らず、残っている場合も[01]から繰り返す。
【0236】
なお、上述の[01]の空トレーと入荷箱(入荷品の収容箱)は、理解容易化のため搬送ライン(コンベア)にて搬送するように図示しているが、この場合も、導入や変更の容易性(汎用性)等の観点からは、ビークルによる搬送として、有軌道タイプあるいは好ましくは無軌道タイプの搬送ロボットの採用が好ましい。
【0237】
また、上述の[04]で、空になった入荷箱としても、オリコンであれば保管エリアへの搬送、天カットされた段ボール箱やその他の破材であれば再利用や廃棄等の処分のためのエリアへの搬送が必要になるが、これらについても、導入容易性(汎用性)等の観点からは、ビークルによる搬送として、有軌道タイプあるいは好ましくは無軌道タイプの搬送ロボットの採用が好ましい。
【0238】
まず、図2および図3を参照して前述のように、MSSGTP機能ブロック(MSSGTP)223は、一定頻度以下の集品頻度を示す低頻度(LF)ランクにランク付けされた低頻度(LF)アイテムに対して、低頻度(LF)アイテム集品工程を担当する低頻度(LF)アイテム集品機能ブロックとして機能し、これにより、LFアイテムに適合した集品作業およびその制御を適切に実施することが可能になる。
【0239】
このMSSGTP223が有する機能ブロックであるトレー移替機能ブロック(トレー移替)123では、集品対象のアイテムを、入荷時の収容形態である入荷箱から安定搬送可能なトレーに移し替えるトレー移替工程を実行する。
【0240】
集品に応じて複数回の入出庫を繰り返す必要があるアイテムの場合、入荷時の梱包状態である例えば段ボール箱等の容器(収容箱:入荷箱)では運用に対する耐性が不足することがあり、このような場合に、耐性に富んでいて安定搬送可能なトレーにアイテムを移し替えることにより、運用に対する耐性を向上できる。例えば作業員のスキルが低くて運用(アイテムの扱い)が粗雑でも、自動化による高速化に対して入荷箱の耐性が低くても、それらに対する運用上の耐性を確保できる。
【0241】
ここで、低頻度アイテムは、出荷の対象となる頻度が低いアイテムなので、同じ収容箱に入った所定数のアイテムを、一度あるいは小数回のうちに出荷のために集品する可能性が低い。このため、同じ収容箱を多数回取り出しては、入出庫を繰り返す必要が出てくる。これに対して、耐性に富んでいるトレーにアイテムを移し替えることにより、運用に対する耐性を向上できるので、トレー移替は、低頻度アイテム集品機能ブロックとして必須の機能(構成)となり得る。これにより、集品作業およびその制御を適切に実施することが可能になり、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0242】
また、この場合、集品対象のアイテムを入荷箱からトレーに移替可能なハンド(ロボットアーム/ピッキング用アクチュエータ:移替用アクチュエータ)Hを備えるので、入荷時の収容形態である入荷箱の運用に対する耐性が不足していても、耐性に富んでいて安定搬送可能なトレーにアイテムを自動的に移し替えることができ、作業員Mのスキルが低くて運用(アイテムの扱い)が粗雑でも、自動化による高速化に対して入荷箱の耐性が低くても、それらに対する運用上の耐性を確保でき、ひいては物流システム全体での自動化を推進・向上でき、システムの汎用性を確保しつつ、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0243】
<GTP(GTR)機能ブロック224>
図16は、GTP(GTR)機能ブロック(GTP(GTR))224の機能説明図であり、前述の図11図15と同様に、基本的には、従来は作用者Mが担当していた(人手による)内容であるが、以下では、主にハンド(ロボットアーム/ピッキング用アクチュエータ)Hが集品作業を担当する(自動化による)例を示し、自動化特有で可能な作業方法も随時追記する。
【0244】
ここでは、MSS124に格納されている低頻度(LF)アイテムを、後工程となる出荷部30での運用に適するように、低頻度(LF)アイテムを必要数だけまとめる意図での集品を実行(運用)し、低頻度(LF)アイテムの残った実トレーをMSS124に再格納するとともに、集品後の集品箱(オーダー箱)を、出荷部30での運用のために搬出・搬送する(図2等参照)。
【0245】
図15で前述のトレー移替123は、上述のMSS124への再格納により、集品に応じて複数回の入出庫を繰り返すための、耐性確保目的の運用である(図2等参照)。
【0246】
図16を参照して、GTP(GTR)224の機能(運用フロー)について詳述する。このGTP(GTR)224では、下記工程を順に実施(運用)する。
【0247】
・[01]トレー移替を経た実トレー(原料)と(他を経由していなければ袋掛けされた)オーダー箱(収容箱:集品箱)が、AMRにより搬送されてくる。
オーダー箱の容量としては、中頻度(MF)アイテムのAMR集品222で前述と同様に、基本は16B、32B等であるが、必要に応じて変更可能である。
【0248】
・[02]画面に表示された数だけ、実トレーからアイテム(商品)をピッキング(集品)して、オーダー箱に投入する。
なお、作業者Mによる作業では、画面表示を参照するが、ハンドHによる作業では、同様に画面表示を検知する他、その数の指示データ(信号)を受信して作業するなどの変更は適宜可能である。
【0249】
・[03]画面指示のピッキング数が1個の場合、エリアセンサに切る(横切らせる)と完了となり、指示のピッキング数が複数の場合、ピッキング終了後に検品スキャナで集品されたアイテムをスキャンすることで、完了となる。
なお、この場合も、ハンドHによる作業では、エリアセンサや検品スキャナの使用の他、ハンドH自体に検品スキャン相当のスキャナを備え、単品集品毎にカウントしておいて、指示数分終了と同時に完了の旨をデータ(信号)で送信するなどの変更は、適宜可能である。
【0250】
・[04]上記[03]の指示数分完了後、[01]の実トレー(原料)が切り替わり、[01]~[03]の作業を繰り返して、最後のアイテム(原料の実トレー:商品)を使用した集品終了後、袋をたたみ、完了ボタンを押す。これにより、オーダー箱も切り替わる。
なお、この場合も、ハンドHによる作業では、同様に完了ボタンを押す他、終了の旨をデータ(信号)で送信するなどの変更は適宜可能である。
【0251】
また、上述の[04]で、空になったトレーは、保管エリアへの搬送が必要になるが、これらについても、導入容易性(汎用性)等の観点からは、ビークルによる搬送として、有軌道タイプあるいは好ましくは無軌道タイプの搬送ロボットの採用が好ましい。
【0252】
上述のように、MSSGTP223が有する機能ブロックであるGTP(GTR)機能ブロック(GTP(GTR))224では、一定頻度以下の集品頻度を示す低頻度(LF)ランクにランク付けされた低頻度(LF)アイテムに対して、低頻度(LF)アイテム集品工程を担当する低頻度(LF)アイテム集品機能ブロックとして機能し、これにより、LFアイテムに適合した集品作業およびその制御を適切に実施することが可能になる。
【0253】
また、低頻度アイテム格納工程を担当する低頻度アイテム格納ブロックである後述のMSS124(図2等参照)により、低頻度(LF)アイテムを格納できるので、集品の都合その他に応じて、格納・取出し・集品等を柔軟に運用でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0254】
また、GTP(GTR)(低頻度(LF)アイテム集品機能ブロック)224では、上述の低頻度(LF)アイテム集品工程に先立って、MSS(低頻度アイテム格納手段)124から低頻度(LF)アイテムの格納用収容箱である実トレー(低頻度アイテム格納箱)を取り出し、低頻度(LF)アイテム集品工程後には、低頻度(LF)アイテムが残った実トレー(低頻度アイテム格納箱)をMSS(低頻度アイテム格納手段)124に再格納する。ここでの実トレーは、前述のトレー移替123で準備された耐性に富む安定搬送可能なトレーである。これにより、集品の都合その他に応じて、格納・取出し・集品等を柔軟に運用でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0255】
また、低頻度(LF)アイテムを集品頻度が高い比較的高頻度(HF、MF)の他のアイテムと区別して扱うことができる。これにより、比較的高頻度の集品の効率に支障を及ぼすことなく、また、それらと並行に且つ個別に扱うことが可能になることで、システム全体の集品効率を向上でき、自動化をさらに推進でき、事業環境や運用の変化に対して、迅速且つ低コストで柔軟に対応可能になる。
【0256】
また、この場合、直後の集品に使用されなくても、近未来(数分後、数時間後、数日後、等々)に使用されることが予定(想定・推定)される場合には、予め必要な数を集品したオーダ-箱(集品箱)を、低頻度アイテムが残った実トレー(低頻度アイテム格納箱)と同様に、MSS(低頻度アイテム格納手段)124に格納しておくこともできる。この場合も、その近未来の集品を予め行うことにより、比較的高頻度の集品の効率に支障を及ぼすことなく、並行に且つ個別に扱うことができ、システム全体の集品効率を向上でき、自動化をさらに推進でき、事業環境や運用の変化に対して、迅速且つ低コストで柔軟に対応可能になる。
【0257】
また、これらの場合、LFアイテムをオーダー箱(低頻度アイテム集品箱)に集品可能なハンド(ロボットアーム/ピッキング用アクチュエータ:低頻度アイテム集品用アクチュエータ)Hを備えるので、人手を介すことなく、且つ他の頻度ランクの集品の効率に支障を及ぼすことなく、並行に且つ個別に扱うことができ、システム全体の集品効率を向上でき、自動化をさらに推進でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0258】
<マルチシャトルシステム機能ブロック124>
まず、本実施形態の物流システム1では、基本的に、入荷から出荷までの間で、アイテムを自動で複数保管して個別に抽出するための自動入出庫処理を行うので、物流システムとして、人手を介さず、作業員のスキルを要しない構成となり、システムの汎用性を確保しつつ、自動化を推進でき、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0259】
<マルチシャトルおよびシャトル式自動倉庫>
『一般的説明』
ここで、本実施形態で採用する自動入出庫手段は、シャトル式自動倉庫である。すでに公知となっているものではあるが、本発明(本実施形態)の主目的の1つである自動化のためには、非常に有効な存在なので、以下に概要を説明しておく。
【0260】
「マルチシャトル」は、高速にラックへの入出庫を行う、いわゆる「シャトル式自動倉庫」の一種である。
【0261】
「シャトル式自動倉庫」は一般的な自動倉庫に用いられているスタッカークレーンではなく、シャトルカー(シャトル台車)を活用して入出庫を行う自動倉庫システムのことを指し、以下の3つの特徴がある。
・高密度保管が可能
・安全で効率的な運用が可能
・メンテナンス性が高い
【0262】
荷物を入出庫させる際には、シャトルカー(シャトル台車)の上にパレットを載せて水平移動させる。また、水平移動だけではなく、垂直リフタなどを用いて上下搬送が行えるタイプもある。
【0263】
そして、「マルチシャトル」は、これらの「シャトル式自動倉庫」の中でも、高い入出庫能力を誇り、ラック内に保管されている荷物を欲しい順序で取り出すことが可能となっている。また、自動補充も可能なので、高速入出庫で回転率の良い保管が可能であり、タイムリーな部品供給にも対応できる。
【0264】
『本実施形態で採用するマルチシャトル』
多機能な高能力・省スペース入出庫システムであり、ケース(または前述のパケット)自動保管システム等に採用され、高速でラックへの入出庫を行うシャトルカーで、ピッキングや仕分けをより早く効率的に、高い入出庫能力と省スペースを実現する。マルチシャトルは、高速にラックへの入出庫を行うシャトルカーと、ケース(パケット)を高速で上下移動させ入出庫処理を同時に行う高能力リフタと、ラック本体と、で構成されるモジュール構造のシステムであり、上述した歩行レスピッキングのGTP(GTR)(Goods to Person/Robot)224用と原料の入出庫用を兼ねたマルチシャトルシステム機能ブロック(MSS)124、および後述の出荷時の仕分け・順立て出庫用などの順立てマルチシャトル(MSS)機能ブロック321等として採用している。
【0265】
上述のように、マルチシャトルシステム機能ブロック(MSS)124は、一定頻度以下の集品頻度を示す低頻度(LF)ランクにランク付けされた低頻度(LF)アイテムに対して、低頻度アイテム格納工程を担当する低頻度アイテム格納ブロックとして機能し、これにより、低頻度(LF)アイテムを格納できるので、集品の都合その他に応じて、格納・取出し・集品等を柔軟に運用でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0266】
また、この場合、低頻度(LF)アイテムを自動で複数保管して個別に抽出するための自動入出庫機能(自動入出庫処理を実行可能な自動入出庫手段)を備えるので、低頻度(LF)アイテムの集品を行うに際して、物流システムとして、人手を介さず、作業員のスキルを要しない構成となり、システムの汎用性を確保しつつ、自動化を推進でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0267】
また、この場合、自動入出庫手段がマルチシャトル(シャトル式自動倉庫)なので、シャトルカー(シャトル台車)を活用して入出庫を行う自動倉庫システムとなるが、高密度保管が可能、安全で効率的な運用が可能、メンテナンス性が高い、などの利点があるので、このマルチシャトル(シャトル式自動倉庫)を採用することで、システム全体の集品効率を向上でき、自動化をさらに推進でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0268】
また、この場合、マルチシャトル(シャトル式自動倉庫)が、収容箱を入出庫させる際に、収容箱を載置したシャトルカー(シャトル台車)を水平移動させるシャトルカー(シャトル台車)水平移動手段を備えるので、高速の入出庫をさらに加速させ、高速入出庫で回転率の良い保管が可能になり、タイムリーな部品供給にも対応できる。
【0269】
また、この場合、マルチシャトル(シャトル式自動倉庫)が、収容箱を入出庫させる際に、収容箱を載置したシャトルカー(シャトル台車)を上下移動させるシャトルカー(シャトル台車)上下移動手段(垂直リフタ)を備えるので、上位の空間も利用した空間効率が高い保管が可能になり、入出庫をさらに加速させ、さらに回転率の良い保管が可能になり、タイムリーな部品供給にも対応できる。
【0270】
また、この場合、マルチシャトル(シャトル式自動倉庫)が、複数の収容箱を入出庫させる際に、入庫順および出庫順の少なくともいずれかを指示可能な入出庫順指示手段を備えるので、高い入出庫能力を誇りつつ、ラック内に保管されている荷物を欲しい順序で取り出すことが可能になる。
【0271】
[出荷部30(図1、2参照)]
図2で前述のように、出荷部30は、機能ブロックとして、(出荷準備部31の一部機能となる)寄せ311、(出荷品保管部32の一部機能となる)順立て(本実施形態ではMSSで実施)321、(出荷作業部33の一部機能となる)段積331、およびこれらの間や他との間でのアイテム搬送のための走行エリア(図番無し)を有し、出荷のために機能する。以下では、説明の都合上、順立て(MSS)321、寄せ311、段積331の順で説明する。
【0272】
[出荷部30の出荷品保管部32(図1、2参照)]
<順立てマルチシャトル機能ブロック321>
この順立てマルチシャトル機能ブロック(順立て(MSS))321では、段積工程に先立って、出荷箱を自動で複数保管して個別に抽出するための出荷箱保管処理を行う自動入出庫手段を備えるので、後工程の段積工程で出荷箱をドーリー(集配対象体)として整備するに際して、そのための出荷品の入出庫を自動で行うことができ、その整備処理を前工程のアイテムの集品工程と独立・並行して自動で進めることで、他のアイテムの集品の効率に支障を及ぼすことなく、並行に且つ個別に扱うことができ、システム全体の集品効率を向上でき、自動化をさらに推進でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0273】
また、この場合、自動入出庫手段がマルチシャトル(シャトル式自動倉庫)なので、シャトルカー(シャトル台車)の活用で、高密度保管が可能、安全で効率的な運用が可能、メンテナンス性が高い、などの利点があることに加えて、収容箱を載置したシャトルカー(シャトル台車)の水平移動手段や上下移動手段(垂直リフタ)を備えるので、上下左右の空間利用効率が高い保管が可能になり、複数の収容箱の入庫順および出庫順の少なくともいずれかを指示可能な入出庫順指示手段を備えるので、荷物を欲しい順序で取り出すことが可能になり、高い入出庫能力を誇りつつ、その高速の入出庫をさらに加速させ、高速入出庫で回転率の良い保管が可能になり、タイムリーな部品供給にも対応できる。
【0274】
[出荷部30の出荷準備部31(図1、2参照)]
<寄せ機能ブロック311>
図17は、寄せ機能ブロック(寄せ)311の機能説明図であり、前述の図11図15図16と同様に、基本的には、従来は作用者Mが担当していた(人手による)内容であるが、以下では、主にハンド(ロボットアーム/ピッキング用アクチュエータ)Hが集品作業を担当する(自動化による)例を示し、自動化特有で可能な作業方法も随時追記する。
【0275】
図17に示すように、ここでは、後工程となる段積331に向けてその運用に適するように、配送先向けにオーダーに合わせて集品を実行(運用)し、その結果の集品箱(オーダー箱)に対して、出荷ラベル貼付等を行った後、上述した順立て(MSS)321での運用のために搬出・搬送する(図2等参照)。
【0276】
図17を参照して、寄せ311の機能(運用フロー)について詳述する。この寄せ311では、下記工程を順に実施(運用)する。
【0277】
・[01]反転装置で親箱(オリコン)のみ短手にする。
・[02]子箱(オリコン)の袋を親箱に寄せる(親箱に投入する)。
・[03]空の子箱を前方のコンベヤに押し出し、オリコン保管エリアへ搬送する。
・[04]寄せが完了した親箱にラベル自動貼付機器(Auto Labeler:ALB)で出荷ラベルを貼付。
・[05]集品された親箱を反転装置で長手にした後、順立て(MSS)321へ搬出・搬送する(図2等参照)。
【0278】
なお、ここで、子箱からの袋(アイテム)の全てが、親箱に入りきらないなどの場合、親箱を追加する(親箱の増箱を行う)。この場合の増箱対応では、下記工程を順に実施(運用)する(図示無し)。
【0279】
・[01]バーコードや2次元コード「QRコード(登録商標)」、「OCR」(文字認識)などを読み取って記録できるデータ収集用携帯端末であるハンディターミナル(Handheld terminals:HHT)で、IDバーコードを読み取り「分割」ボタンを押す。
・[02]付近(コンベア下など)に置いてある新規オリコンのIDバーコードを読み取り、増箱の親箱として、コンベヤに投入する。
・[03]入りきらなかった子箱の袋を新規オリコンの親箱に寄せる(親箱に投入する)。
【0280】
上述のように、寄せ機能ブロック(寄せ)311では、複数種類のアイテムのうちの出荷対象アイテムを出荷用の収容箱である出荷箱に集品するので、出荷対象アイテムを出荷用にまとめて出荷の準備ができる。ここでの集品を前工程のアイテムの集品工程と独立・並行して進めることで、他のアイテムの集品の効率に支障を及ぼすことなく、並行に且つ個別に扱うことができ、システム全体の集品効率を向上でき、自動化をさらに推進でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0281】
また、この場合、子集品箱から集品対象の出荷対象アイテムを取り出して出荷箱(親集品箱)に集品可能なハンド(ピッキングロボット/ロボットアーム/ピッキング用アクチュエータ:出荷対象集品用アクチュエータ)Hを備えるので、人手を介すことなく、且つ他のアイテムの集品の効率に支障を及ぼすことなく、並行に且つ個別に扱うことができ、システム全体の集品効率を向上でき、自動化をさらに推進でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0282】
また、この場合、出荷箱の出荷に先立って、出荷箱を自動で複数保管して個別に抽出するための出荷箱保管処理を実行可能な自動入出庫手段となる順立て(MSS)321を備えているので、集品の都合その他に応じて、格納・取出し・出荷等を柔軟に運用でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0283】
[出荷部30の出荷作業部33(図1、2参照)]
<段積機能ブロック331>
図18は、段積機能ブロック(段積)331の機能説明図であり、前述の図11図15図16図17と同様に、基本的には、従来は作用者Mが担当していた(人手による)内容であるが、以下では、主にハンド(ロボットアーム/ピッキング用アクチュエータ)Hが作業を担当する(自動化による)例を示し、自動化特有で可能な作業方法も随時追記する。
【0284】
図18に示すように、出荷のための集品が済んで出荷順立てマルチシャトル321内に格納された出荷箱を段積して出荷する出荷作業を行う(図2等参照)。
【0285】
図18を参照して、段積331の機能(運用フロー)について詳述する。この段積331では、下記工程を順に実施(運用)する。
【0286】
・[01]出荷箱を段積み機でドーリーに積む。
・[02]上蓋を載せて、ドーリーにバンドをかける。
・[03]出荷先のラベル(ドーリーラベル)を貼付する。
・[04]方面別に区画を分けた出荷待機場へ移動し、トラックへ積載する。
なお、ドーリーに積まれた空オリコンがトラック内に積まれて残っている場合、その空オリコンを降ろして保管エリアへ搬送する。
【0287】
上述のように、段積機能ブロック(段積)331では、出荷対象アイテムの収容箱である出荷箱を集品後に、トラック(集配運輸体)の運輸形態であるドーリー(集配対象体)として整備するので、すぐにでも出荷できる態勢を整えることができる。ここで出荷箱をドーリー(集配対象体)として整備するに際して、その整備処理を前工程のアイテムの集品工程と独立・並行して進めることで、他のアイテムの集品の効率に支障を及ぼすことなく、並行に且つ個別に扱うことができ、システム全体の集品効率を向上でき、自動化をさらに推進でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0288】
この場合、出荷箱をドーリー(集配対象体)として整備可能なハンド(ロボットアーム/ピッキング用アクチュエータ:段積用アクチュエータ)Hを備えるので、人手を介すことなく、且つ他のアイテムの集品の効率に支障を及ぼすことなく、並行に且つ個別に扱うことができ、システム全体の集品効率を向上でき、自動化をさらに推進でき、事業環境や運用の変化に対して、迅速且つ低コストで柔軟に対応可能になる。
【0289】
ここで、集配とは、原理的には「あつめることとくばること」を意味し、集配対象体には、出荷箱をまとめて運ぶために使用される「かご車」、「カート」等、包んで運べる「パック体」、梱包して運べるトランク等やコンテナ等、などが含まれる。また、集配対象体は、集配運輸体の運輸力により集まり、または各地に散っていくが、ここでの集配運輸体には、人手を介する場合も含めて、自転車、バイク、一般車、トラック、船、飛行機、ドローン等が含まれる。
【0290】
なお、本発明(本実施形態)の主目的の1つである全自動化の観点で考察すると、図18の段積後の出荷では、トラックの荷台等へのドーリーの積載もロボット等で行えるようにして、自動化をさらに推進しても良い。
【0291】
その場合、出荷対象アイテムの収容箱である出荷箱を集品後に、トラック(集配運輸体)の運輸形態であるドーリー(集配対象体)として出荷する。この出荷は事前に出荷態勢が整備されているので、前工程のアイテムの集品工程と独立・並行して進めることで、他のアイテムの集品の効率に支障を及ぼすことなく、並行に且つ個別に扱うことができ、システム全体の集品効率を向上でき、自動化をさらに推進でき、事業環境や運用の変化に対して、迅速且つ低コストで柔軟に対応可能になる。
【0292】
また、この場合も、ドーリー(集配対象体)をトラック(集配運輸体)に積載可能なハンド(ロボットアーム/ピッキング用アクチュエータ:出荷積載用アクチュエータ)Hを備えることで、人手を介すことなく、且つ他のアイテムの集品の効率に支障を及ぼすことなく、並行に且つ個別に扱うことができ、システム全体の集品効率を向上でき、自動化をさらに推進でき、事業環境や運用の変化に対して、迅速且つ低コストで柔軟に対応可能になる。
【0293】
また、この場合、段積工程に先立って、出荷箱を自動で複数保管して個別に抽出するための出荷箱保管処理を実行可能な自動入出庫手段となる順立て(MSS)321を備えているので、集品や出荷の都合その他に応じて、格納・取出し・段積み・出荷等を柔軟に運用でき、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0294】
[3.まとめ]
<補足説明、応用・変形例>
まず、前述の図5は、マルチラインピッキング機能ブロック(MLP)221の機能(運用フロー)イメージの説明図であり、左側から『MLP-TypeA(ロボットピック+自動投入)』、『MLP-TypeB(人手ピック+ロボット投入)』、『MLP-TypeC(人手ピック+自動投入)』と図示され、図外で(文章のみで)『MLP-TypeD(ロボットピック+ロボット投入)』が記載され、図内に集品箱Ba、Bb、Bc、・・・のように記載されているので、図示右側から左側に集品箱Bが流れて、TypeCのアイテム、TypeBのアイテム、TypeAのアイテムを順に集品するように誤解が生じ得るが、説明のための図示の一例であって、図示の順番等に本質的な意味は無く、順番もタイプも数も、運用の都合次第で任意に設定すればよい、また、図示しなかったTypeD等の1種類で統一しても良い。
【0295】
図19は、マルチラインピッキング機能ブロック(MLP)221の前後の運用の応用・変形の一例を示す説明図である。
【0296】
まず、取扱対象物の例としては、図示のように、
[01}取扱対象物:小物品(バター、練り物、漬物、佃煮)
[02]取扱対象物:デリケート品(牛乳、ヨーグルト、豆腐)
[03]取扱対象物:軽い物、崩れない物(ハム、チーズ、納豆)
[04}取扱対象物:段ボール内のピース品の数が少ない場合
この[04]は図5では対象としなかったが、図4の入庫ブロック111で[04]に該当する大物等のアイテムで、別扱品等とする運用等が考えられる。
[05]段ボール箱の自動開梱
図4で「★必要なら天カット」等で図示したものに該当するが、通常の運用では、ロボットがカッターナイフを握って段ボールの天板を開梱する方式が多い。
[06]ピース品の台上展開(バラシの工程)
これは(天カット等により)上面が開口した状態で段ボール箱等の入荷箱を反転させてことにより、テーブル等(図5ではバラバラライン)に展開し、その後、
[07]パラレルリンクロボット(図5(a)のTypeA:図9のハンドH)でピッキングする。
→該当するアイテムはハンドHでピックできるもの(小物品等)
[08]開梱した段ボールから人手ピック(図5(b)のTypeB等)
→該当するアイテムは、デリケート品等
[09]開梱した段ボールから人手ピック(図5(c)のTypeC等)
→該当するアイテムは、軽い物、崩れないもの等
[10]搬送ラインで等間隔にセットして搬送
→同じ種類のアイテムを同じ整列ライン(図6の例ではコンベア)で搬送。
ただし、搬送ロボットの採用も検討の価値あり。
[11]自動投入装置(ホッパ型)
→自動投入装置で集品箱(図5(a)の集品箱B等:オリコン(通い箱)や配送用箱)に投入。
[12]垂直多関節ロボットで投入
→「垂直多関節ロボット」は一例であるが、集品箱(オリコンや段ボール箱)の所望する位置に正確に投入可能なロボットが望ましい。
[13]自動投入装置(ホッパ型)
→[11]と同様。
[14]開梱した入荷箱(段ボール等)から直接ロボットピッキング(垂直多関節型、パラレルリンク型等)
→アイテムの数や大きさによっては、MLP221を使用せずに、ロボットで直接ピッキングの方法も要検討。
【0297】
上述した応用例等はあくまでも一例であり、運用の都合次第で任意に設定すればよい。
ただし、本発明の課題解決の主要なポイントは、下記となる。
【0298】
上述のように、本実施形態の物流システム1では、集品の対象となるアイテムには、入荷時点の情報として集品頻度についての頻度ランクのランク付けがされていて、その頻度ランク別に対応する集品工程を担当する適切な機能ブロックが定められている。
【0299】
本実施形態では、その一例として、図3で示したように、高頻度ランク(HF)ランクに対しては、マルチラインピッキング機能ブロック(MLP)221、中頻度(MF)ランクに対しては、AMR集品機能ブロック(AMR集品)222、低頻度(LF)ランクに対しては、MSSGTP機能ブロック(MSSGTP)223が、各頻度別の集品工程を担当している。
【0300】
上記の各機能ブロックの担当(分担)理由として、一例ではあるが下記に示す。
【0301】
まず、MLP221では、図5図10で前述のように、混在する複数種類のアイテムの中から個別種アイテムを抽出して、対応付けられた整列ライン(コンベア:個別種ライン)に整列載置する、いわゆる「仕分け」の作業と(図5図6図8図9等参照)、その整列(個別種)ラインから個別種アイテムを集品する、いわゆる「集品」の作業と(図5図7図10等参照)、の一連の作業を行う。すなわち、物流システム1としての主作業となる「仕分け~集品」を一括で一連作業として済ませることができる。なお、ここでの個別種アイテムの種類には、大きさ等も含まれ、基本的には、あるいは必要に応じて、異なる種類として扱う。
【0302】
ここで、高頻度(HF)アイテムは、高頻度で入荷~出荷の対象となるアイテムである。これに対して、「仕分け~集品」を一括で一連作業として済ませることは、更なる効率化につながる。これにより、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0303】
次に、中頻度(MF)アイテムは、第1定数を超えて且つ第2定数未満の集品頻度を示す中頻度ランクにランク付けされたアイテムである。言い換えると、第1定数や第2定数の定め方次第で、高頻度(HF)アイテムの一部や低頻度(LF)アイテムの一部も、中頻度アイテムとして扱うことが可能である。
【0304】
この意味で、中頻度(MF)アイテム集品工程を担当する中頻度(MF)アイテム集品機能ブロックとしてのAMR集品222は、事業環境や運用の変化に柔軟に対応しやすく、あるいはそれを要望される機能ブロックであり、搬送ロボットRを利用しての集品の機能(運用)では、システム構成やシステム運用の変化に対して柔軟な運用が可能なので、中頻度(MF)アイテム集品機能ブロックとして最適な組み合わせ(構成)となり得る。
【0305】
最後に、低頻度(LF)アイテムは、出荷の対象となる頻度が低いアイテムなので、同じ収容箱に入った所定数のアイテムを、一度あるいは小数回のうちに出荷のために集品する可能性が低い。このため、同じ収容箱を多数回取り出しては、入出庫を繰り返す必要が出てくる。このため、保管・取出し・再保管等が容易なMSSGTP機能ブロック(MSSGTP)223は、一定頻度以下の集品頻度を示す低頻度(LF)ランクにランク付けされた低頻度(LF)アイテムに対して、低頻度(LF)アイテム集品工程を担当する低頻度(LF)アイテム集品機能ブロックとして機能することにより、LFアイテムに適合した集品作業およびその制御を適切に実施することが可能になる。
【0306】
特に、耐性に富んでいるトレーにアイテムを移し替えることにより、運用に対する耐性を向上できるので、トレー移替は、低頻度アイテム集品機能ブロックとして必須の機能(構成)となり得る。これにより、集品作業およびその制御を適切に実施することが可能になり、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0307】
上述のように、本発明によれば、近年の事業環境や運用の変化に対応して、物流システムとして、運用の自動化を含めた更なる効率化が可能になる。
【0308】
本発明の概念は、主に、いくつかの実施形態を参照して説明してきた。しかしながら、当業者によって容易に理解されるように、上述のもの以外の実施形態は、添付の特許請求の範囲によって定義されるように、本発明の概念の範囲内で等しく可能である。
【産業上の利用可能性】
【0309】
本発明の各態様に係る物流システムおよび各種制御は、入荷・集品・出荷・搬送の対象となるアイテムをデータベース管理するシステムについてのものであり、その意味で自然法則を利用しており、プログラム制御でハードウェアを作動させる点で工業的価値を有し、また、搬送の行為(役務)やアイテム自体は商取引の対象である点で経済的価値を有しており、これらの技術分野において、幅広い産業上の利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0310】
1 物流システム
10 入荷部
10C 入荷制御(工程)
11 入荷作業部
11C 入荷作業制御(工程)
12 アイテム保管部
12C アイテム保管制御(工程)
13 アイテム補充部
13C アイテム補充制御(工程)
20 集品部
20C 集品制御(工程)
21 集品準備部
21C 集品準備制御(工程)
22 集品作業部
22C 集品作業制御(工程)
23 搬送走行部
23C 搬送走行制御(工程)
30 出荷部
30C 出荷制御(工程)
31 出荷準備部
31C 出荷準備制御(工程)
32 出荷品保管部
32C 出荷品保管制御(工程)
33 出荷作業部
33C 出荷作業制御(工程)
111 入庫(機能ブロック)
112 天カット(機能ブロック)
123 トレー移替(機能ブロック)
124 MSS(機能ブロック)
200 ピッキング(フロー)ラック
210 ピッキング作業エリア
222 AMR集品(機能ブロック)
223 MSSGTP(機能ブロック)
224 GTP(GTR)(機能ブロック)
311 寄せ(機能ブロック)
321 順立て(MSS)(機能ブロック)
331 段積(機能ブロック)
C 制御部
D 走行制御信号
H ハンド(ロボットアーム/ピッキング用アクチュエータ)
M 作業員
R 搬送ロボット
T 作業台(作業テーブル)
Z ピッキングゾーン

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19