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特開2024-128466部品手配装置、遠隔修理装置、部品手配方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128466
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】部品手配装置、遠隔修理装置、部品手配方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/20 20230101AFI20240913BHJP
【FI】
G06Q10/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037452
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181135
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】上畑 琴美
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC15
(57)【要約】
【課題】機器の遠隔地から機器の修理が可能である部品手配装置、遠隔修理装置、部品手配方法、及びプログラムを提供する。
【解決手段】部品手配装置は、機器のログデータと、機器に関連するセンサデータと、を取得するデータ取得装置と、ログデータとセンサデータとに基づき、機器の故障原因を特定する故障診断装置と、故障原因に基づき、機器の交換部品の手配を指示する交換部品指示装置とを備える。
【選択図】図12
【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器のログデータと、前記機器に関連するセンサデータと、を取得するデータ取得装置と、
前記ログデータと前記センサデータとに基づき、前記機器の故障原因を特定する故障診断装置と、
前記故障原因に基づき、前記機器の交換部品の手配を指示する交換部品指示装置と、
を備える
部品手配装置。
【請求項2】
前記データ取得装置が、前記センサデータとして、カメラが撮影する前記機器の外装の撮像データを取得する
請求項1に記載の部品手配装置。
【請求項3】
前記データ取得装置が、前記センサデータとして、第一感知センサが感知する前記機器の熱情報である第一感知データを取得する
請求項1又は2に記載の部品手配装置。
【請求項4】
前記データ取得装置が、前記センサデータとして、第二感知センサが感知する前記機器が設置されている施設の温度である第二感知データを取得する
請求項1又は2に記載の部品手配装置。
【請求項5】
前記故障原因を特定できなかった場合、前記故障診断装置は、前記ログデータと前記センサデータとを、前記機器の遠隔地に送信し、前記ログデータと前記センサデータとに基づく二次解析結果を前記遠隔地から受信し、前記二次解析結果に基づき、前記故障原因を特定する
請求項1又は2に記載の部品手配装置。
【請求項6】
前記交換部品指示装置が、前記故障原因に基づき、部品交換が必要か否かを判定し、前記部品交換が必要と判定した場合、交換部品手配システムに、前記手配を指示する
請求項1又は2に記載の部品手配装置。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の部品手配装置と、
前記故障原因に基づき特定された修理手順を指示する修理指示装置と
前記機器の遠隔からの操作に基づき、前記機器への修理作業を実施する修理実施装置と、
を備える
遠隔修理装置。
【請求項8】
機器のログデータと、前記機器に関連するセンサデータと、を取得し、
前記ログデータと前記センサデータとに基づき、前記機器の故障原因を特定し、
前記故障原因に基づき、前記機器の交換部品の手配を指示する
部品手配方法。
【請求項9】
コンピュータに、
機器のログデータと、前記機器に関連するセンサデータと、を取得し、
前記ログデータと前記センサデータとに基づき、前記機器の故障原因を特定し、
前記故障原因に基づき、前記機器の交換部品の手配を指示する
ことを実行させる
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、部品手配装置、遠隔修理装置、部品手配方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
機器の保守として、機器の故障を解析することが広く知られている。
例えば、特許文献1には、解析装置が機器の障害原因と被疑部品とを特定し、保守員が交換部品を手配することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008-197698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、解析装置が機器のログデータに基づき障害原因等を特定しているため、例えばログデータに現れにくい故障の場合、故障原因を特定し、機器の修理に必要な交換部品を手配できないことがある。
このため、特許文献1では、機器の遠隔地から機器の修理ができないことがある。
【0005】
本開示の目的は、上述した課題を解決する部品手配装置、遠隔修理装置、部品手配方法、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一態様に係る部品手配装置は、機器のログデータと、前記機器に関連するセンサデータと、を取得するデータ取得装置と、前記ログデータと前記センサデータとに基づき、前記機器の故障原因を特定する故障診断装置と、前記故障原因に基づき、前記機器の交換部品の手配を指示する交換部品指示装置と、を備える。
【0007】
本開示の一態様に係る部品手配方法は、機器のログデータと、前記機器に関連するセンサデータと、を取得し、前記ログデータと前記センサデータとに基づき、前記機器の故障原因を特定し、前記故障原因に基づき、前記機器の交換部品の手配を指示する。
【0008】
本開示の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、機器のログデータと、前記機器に関連するセンサデータと、を取得し、前記ログデータと前記センサデータとに基づき、前記機器の故障原因を特定し、前記故障原因に基づき、前記機器の交換部品の手配を指示することを実行させる。
【発明の効果】
【0009】
上記一態様によれば、機器の遠隔地から機器の修理が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本開示の第一実施形態に係る遠隔修理装置を示すブロック図である。
図2】本開示の第一実施形態に係る部品手配装置を示すブロック図である。
図3】本開示の第一実施形態に係るデータ取得装置を示すブロック図である。
図4】本開示の第一実施形態に係る修理指示装置を示すブロック図である。
図5】本開示の第一実施形態に係る修理実施装置を示すブロック図である。
図6】本開示の第一実施形態に係る遠隔修理装置における各装置の配置図である。
図7】本開示の第一実施形態に係る遠隔修理装置の動作を示すフローチャートである。
図8】本開示の第一実施形態に係る遠隔修理装置の動作のうち、故障原因を特定するステップの詳細を示すフローチャートである。
図9】本開示の第二実施形態に係る遠隔修理装置の動作のうち、故障原因を特定するステップの詳細を示すフローチャートである。
図10】本開示の第三実施形態に係る遠隔修理装置の動作のうち、故障原因を特定するステップの詳細を示すフローチャートである。
図11】本開示の第四実施形態に係る遠隔修理装置の動作のうち、故障原因を特定するステップの詳細を示すフローチャートである。
図12】本開示の部品手配装置の最小構成の実施形態に係る部品手配装置のブロック図である。
図13】本開示の部品手配方法の最小構成の実施形態に係る部品手配方法のフローチャートである。
図14】本開示の各実施形態に係る各装置が備えるコンピュータのハードウェア構成の例である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本開示に係る各種実施形態について、図面を用いて説明する。
【0012】
<第一実施形態>
以下、本開示に係る第一実施形態について、図1図8を用いて説明する。
なお、各ブロック図に示されている矢印のうち一方向性の矢印は、ある信号(データ)の流れの方向を端的に示したもので、双方向性を排除するものではない。
【0013】
(遠隔修理装置の構成)
遠隔修理装置1は、サーバの修理に必要な作業を実施するための装置である。
図1に示されるように、遠隔修理装置1は、部品手配装置2と、修理指示装置3と、修理実施装置4とを備える。
【0014】
(部品手配装置の構成)
部品手配装置2は、サーバの故障を診断し、交換部品を手配するための装置である。
図2に示されるように、部品手配装置2は、データ取得装置21と、故障診断装置22と、交換部品指示装置23とを備える。
【0015】
データ取得装置21は、保守対象の機器OBJであるサーバの故障原因を特定するために必要な情報を取得するための装置である。
データ取得装置21は、サーバのログデータと、サーバに関連するセンサデータとを取得する。
データ取得装置21は、取得した情報を故障診断装置22に出力する。
【0016】
図3に示されるように、データ取得装置21は、ログ取得装置211と、センサ212とを備える。
ログ取得装置211は、サーバが設置されている施設内にサーバと通信可能に設けられている。
センサ212は、カメラ213と、第一感知センサ214と、第二感知センサ215とを備える。
カメラ213は、サーバの物理的な故障、サーバのランプの点灯状態等を確認するために、サーバの外装を撮影するように、サーバ又はサーバ付近に設置されている。
第一感知センサ214は、サーバの周辺温度、排気温度、排水温度、筐体温度、部品温度等の熱情報を感知するように、サーバ又はサーバ付近に設置されている。
第二感知センサ215は、サーバが設置されている施設の温度を取得するように、サーバが設置されている施設の空調又は空調付近に設置されている。
【0017】
データ取得装置21は、ログ取得装置211により、サーバのログデータとして、サーバの稼働記録等を取得する。
【0018】
データ取得装置21は、サーバに関連するセンサデータとして、センサ212が検出する検出データを取得する。具体的には以下のような検出データを取得する。
データ取得装置21は、サーバに関連するセンサデータとして、カメラ213が撮影するサーバの外装の撮像データを取得する。
データ取得装置21は、サーバに関連するセンサデータとして、第一感知データを取得する。ここで、第一感知データは、第一感知センサ214が感知するサーバの熱情報である。
データ取得装置21は、サーバに関連するセンサデータとして、第二感知データを取得する。ここで、第二感知データは、第二感知センサ215が感知するサーバが設置されている施設の温度である。
【0019】
故障診断装置22は、データ取得装置21から送られてきたデータを解析することでサーバの故障原因を特定し、交換部品指示装置23へ出力するための装置である。
故障診断装置22は、データ取得装置21が取得するログデータとセンサデータとに基づき、サーバの故障原因を特定する。
【0020】
故障診断装置22における故障原因の特定方法は、例えば予め人間が正解のログパターンと故障原因を故障診断装置22に覚え込ませるログパターン分析又はルールベースであってもよいし、未知のログと原因のパターンを故障診断装置22に覚え込ませるニューラルネットワークによる深層学習であってもよい。
【0021】
故障診断装置22における解析結果は、ネットワーク及び通信装置5を介して、記憶装置6へと送信し、解析結果の向上や製品開発などに活用する。
【0022】
故障診断装置22が故障原因を特定できなかった場合、故障診断装置22は、ログデータとセンサデータとをサーバの遠隔地に送信し、ログデータとセンサデータとに基づく二次解析結果をサーバの遠隔地から受信し、二次解析結果に基づき、故障原因を特定する。
例えば、故障診断装置22が故障原因を特定できなかった場合、故障診断装置22は、ログデータとセンサデータと技術者に送信し、技術者の二次解析結果を受信し、交換部品指示装置23へ故障原因に関するデータを出力する。
【0023】
交換部品指示装置23は、交換部品の手配を指示するための装置である。
交換部品指示装置23は、故障診断装置22が特定した故障原因に基づき、部品交換すべきサーバの交換部品の手配を指示する。
本実施形態では、交換部品指示装置23は、交換部品のデータを交換部品手配システム7に送信することで、交換部品の手配を指示する。
【0024】
交換部品指示装置23は、故障診断装置22が特定した故障原因に基づき、部品交換が必要か否かを判定する。
【0025】
交換部品指示装置23における部品交換の特定方法及び交換部品の要否の判定方法は、例えば予め人間が故障原因と交換部品のパターンを交換部品指示装置23に覚え込ませるルールベースであってもよいし、未知の故障原因と交換部品のパターンを交換部品指示装置23に覚え込ませるニューラルネットワークによる深層学習であってもよい。
【0026】
部品交換必要と判定した場合、交換部品指示装置23は、ネットワーク及び通信装置5を介して、交換部品手配システム7に交換部品のデータを送信することで、交換部品の手配を指示する。
部品交換不要と判定した場合、交換部品指示装置23は、故障原因の解析結果を修理指示装置3へ送信する。
【0027】
(修理指示装置の構成)
修理指示装置3は、故障内容に応じて修理作業を指示するための装置である。
修理指示装置3は、故障診断装置22が特定した故障原因に基づき、特定された修理手順を指示する。
図4に示されるように、修理指示装置3は、作業指示装置31と、出力装置32とを備える。
【0028】
作業指示装置31は、作業指示部311と、出力部312とを備える。
作業指示部311は、部品手配装置2から受信したデータに基づき、作業者に指示すべき修理手順を特定する。
例えば、交換部品指示装置23が部品交換不要と判定した場合、作業指示部311は、故障診断装置22が特定した故障原因に基づき、修理手順を特定してもよい。
例えば、交換部品指示装置23が部品交換必要と判定した場合、作業指示部311は、故障診断装置22が特定した故障原因と、交換部品指示装置23が特定した交換部品とに基づき、修理手順を特定してもよい。
出力部312は、ネットワークを介して特定した修理手順を出力装置32へと送る。
【0029】
出力装置32は、作業者に対し修理手順を表示することにより、修理手順を指示する装置である。
例えば、出力装置32は、例えばVRゴーグルであり、修理手順がVRゴーグルの画面上に表示されてもよい。
例えば、出力装置32は、ディスプレイであり、修理手順がディスプレイの画面上に表示されてもよい。
【0030】
(修理実施装置の構成)
修理実施装置4は、サーバへの修理作業を実施するための装置である。
修理実施装置4は、サーバの遠隔からの操作に基づき、サーバへの修理作業を実施する。
図5に示されるように、修理実施装置4は、遠隔操作装置41と、作業実施装置42とを備える。
【0031】
遠隔操作装置41は、作業者がサーバの遠隔地から作業実施装置42を操作するための装置である。
遠隔操作装置41は、例えばボタンで入力した信号を、ネットワークを介して作業実施装置42へと送信する。
遠隔操作装置41への入力方法は、スティックやレバーを操作する方法でもよく、キーボードによる入力でもよい。
【0032】
作業実施装置42は、遠隔操作装置41に応じたサーバへの修理作業を実施する。
作業実施装置42は、交換部品の交換作業を含む修理作業を実施する。
作業実施装置42は、入力部421と、作業実施部422とを備える。
入力部421は、遠隔操作装置41において操作された信号を作業実施部422に入力する。
作業実施部422は、例えばロボットアームであり、入力された信号に応じて動作する。
【0033】
典型例として、遠隔修理装置1の各装置は、図6に示されるような位置関係で設けられている。
サーバが配置されている現地には、部品手配装置2と、修理指示装置3のうち作業指示装置31と、修理実施装置4のうち作業実施装置42とが配置されている。
現地からの遠隔地には、修理指示装置3のうち出力装置32と、修理実施装置4のうち遠隔操作装置41とが配置されている。
このような配置により、サーバの遠隔地から、現地のサーバに対する部品交換が可能となる。
【0034】
(遠隔修理装置の動作)
本実施形態の遠隔修理装置1の動作について説明する。
本実施形態の遠隔修理装置1の動作のうち、部品手配装置2の動作は、本実施形態の部品手配方法に相当する。
【0035】
図7に示されるように、データ取得装置21は、サーバのログデータと、サーバに関連するセンサデータとを取得する(ST01)。
【0036】
ST01の実施に続いて、故障診断装置22は、データ取得装置21で取得したデータを解析することにより故障原因を特定する(ST02)。解析結果は交換部品指示装置23に送られる。
【0037】
ST02の実施に続いて、交換部品指示装置23は、故障診断装置22が特定した故障原因に基づき、部品交換の要否を判定する(ST03)。
【0038】
交換部品指示装置23が、部品交換必要と判定した場合(ST03:Yes)、交換部品指示装置23は、交換部品手配システム7に交換部品のデータを送信することで、交換部品の手配を指示し(ST04)、ST05の実施に進む。
なお、交換部品指示装置23は、部品交換不要と判定した場合(ST03:No)、ST03及びST04を実施せず、ST05の実施に進む。
【0039】
ST05では、故障診断装置22は、作業指示装置31へデータを送る。
【0040】
ST05の実施に続いて、作業指示装置31は、出力装置32に修理手順を送信し、出力装置32は、修理手順を出力する(ST06)。
【0041】
ST06の実施に続いて、作業者は、サーバの遠隔地から遠隔操作装置41により、現地に設置されている作業実施装置42を操作し、サーバの修理を実施する(ST07)。例えば、出力装置32にVRゴーグルを用いて、作業者は、修理対象であるサーバを撮影したリアルタイム映像の上に表示された作業指示を見ながら作業を実施する。作業者は、出力された作業方法通りに遠隔操作装置41を操作することにより、遠隔操作装置41から作業実施装置42へ送られる信号を介して、作業実施装置42を操作することでサーバの修理を実施する。
【0042】
ST02では、図8に示されるようなステップがさらに実施される。
ST02では、故障診断装置22は、故障原因を解析し(ST021A)、故障原因が特定できたかどうか判定し(ST021B)、故障原因が特定できなかった場合(ST021B:No)、ネットワークを介してサーバの遠隔地にいる技術者へデータを送信する(ST021C)。
ST021Cの実施に続いて、技術者の二次解析結果により故障原因が特定されると、故障診断装置22は、技術者から、故障原因を含む解析結果を受信する(ST021D)。
ST021Dの実施の後、故障診断装置22は、交換部品指示装置23にデータを送信する(ST021E)。
なお、故障診断装置22は、故障原因が特定できた場合(ST021B:Yes)、ST21C及びST21Dを実施せず、ST021Eを実施する。
【0043】
以下、サーバのディスク故障時に、作業者が自宅から修理を実施する例を示す。
サーバの不具合が発生したら、ログ取得装置211及びカメラ213は、サーバのログデータの取得及びサーバの外装の撮像を行う。ログデータ、撮像データは故障診断装置22に送られ、ログパターン分析や過去の故障時の撮像データとの比較が行われる。ログパターン分析では実際に取得されたログ上のエラーと過去の故障時のエラーとの比較が行われる。撮像データの比較では、例えば、サーバのランプの点灯状態の比較が行われることにより、ディスクの故障が特定される。
次に、サーバの製品データと故障原因データが交換部品指示装置23へと送られ、ディスクの交換が必要と判定する。データはネットワーク上の交換部品手配システム7に送られ、サーバに対して適切な交換ディスクを手配する。
さらに、製品データと交換ディスクデータは、作業指示部311へと送られる。作業指示部311ではデータからディスク交換の手順を特定し、出力部312を通して作業者の自宅に設置された出力装置32に交換手順を表示する。また、出力装置32にはカメラ213を通して撮影された現地のリアルタイム映像も表示される。
最後に、交換ディスクがサーバ設置場所に到着したら、作業者は出力装置32に表示された交換手順通りに、自宅に設置されたスティック状の遠隔操作装置41を操作する。操作された信号は、サーバ設置場所に設置された入力部421を通して、作業実施部422であるロボットアームへと送られる。作業者は、出力装置32に出力された現地の映像を確認しながら、ロボットアームが正常に動作しているか確認する。交換手順が全て終了し、現地の映像からも動作が修了していることが確認できたら、サーバの修理が完了する。
【0044】
(作用及び効果)
本実施形態の部品手配装置2は、サーバのログデータと、サーバに関連するセンサデータに基づき、故障原因を特定し、交換部品の手配を指示する。
このため、部品手配装置2は、ログデータで特定が難しい故障原因をサーバの遠隔地から特定でき、交換部品を手配できるため、例えば、サーバがある現地に設置された装置を動作させることで、作業者は、サーバの遠隔地からサーバの修理を実施できる。
したがって、サーバの遠隔地からサーバの修理が可能である。
【0045】
また、本実施形態の部品手配装置2は、交換部品の手配を指示するため、部品手配装置2から、故障の修理に必要な交換部品の部品発注を実施することができる。
【0046】
また、本実施形態の部品手配装置2は、サーバの外装の撮像データに基づき、故障原因を特定し、交換部品の手配を指示する。
このため、遠隔地からサーバの外装に現れる故障の修理が可能である。
【0047】
また、本実施形態の部品手配装置2は、サーバの熱情報である第一感知データに基づき交換部品の手配を指示する。
このため、部品手配装置2は、サーバの熱異常として現れるサーバの故障に対し、故障原因を特定でき、交換部品を手配できる。
【0048】
また、本実施形態の部品手配装置2は、サーバが設置されている施設の温度である第二感知データに基づき交換部品の手配を指示する。
このため、部品手配装置2は、サーバの設置されている施設の温度異常として現れるサーバの故障に対し、故障原因を特定でき、交換部品を手配できる。
【0049】
また、本実施形態の部品手配装置2は、サーバの遠隔地から受信された二次解析結果に基づき、故障原因を特定できる。
このため、部品手配装置2は、サーバの遠隔地の技術者によるログ解析結果及びセンサ解析結果を援用できる。
【0050】
また、本実施形態の部品手配装置2は、故障原因に基づき、部品交換が必要か否かを判定する。
このため、部品手配装置2は、部品交換すべき部品を手配できる。
【0051】
また、本実施形態の遠隔修理装置1によれば、作業者が遠隔から装置を操作することで、サーバの故障原因特定、部品手配から交換作業まで修理に必要な作業を実施できる。
比較例として、作業者が現地へ出動してログ取得を実施する保守形態の場合には、作業者の現地出動時間や、技術者によるログ解析結果を待機する時間、移動コストがかかる。さらに、作業者がサーバに関する知識、修理スキルを有する必要がある。
これに対し、本実施形態の遠隔修理装置1によれば、データ取得と解析に要する時間だけで故障原因を特定することができる。
このため、サーバ保守のために作業者が現場へ向かう必要がないため、遠隔修理装置1は、時間短縮と移動コストダウンを図ることができる。
また、修理作業はサーバの遠隔地から作業指示通りに実施することから、作業者が現地にいなくてもサーバ修理が可能であるため、例えば災害で人の立ち入りが困難な時や場所や、宇宙ステーションでも、作業者は、修理を実施することができる。
その他、遠隔修理装置1は、保守提供企業の働き方改革へも貢献できる。
さらに、作業者の知識やスキルに問わず修理が可能になるため、遠隔修理装置1は、サーバ保守の品質を保つことができる。
【0052】
また、本実施形態の遠隔修理装置1は、機器の部品交換を指示し、機器の修理手順を指示し、機器への修理作業を実施する。
このため、遠隔修理装置1には、部品交換を支援する仕組みが設けられているため、交換部品を交換しやすい。
【0053】
<第二実施形態>
以下、本開示に係る第二実施形態について、図9を用いて説明する。
本実施形態の部品手配装置2は、以下に示す点以外は第一実施形態の部品手配装置2と同様な構成を備え、同様に動作する。
【0054】
図9に示されるように、本実施形態では、サーバ及びセンサ212から定期的にログデータとセンサデータとを取得することにより、データ取得装置21で故障を自動で検知することにしている。
ST02において、故障診断装置22は、故障を検知したか否か判定する(ST022A)。
故障を検知しない場合(ST022A:No)、故障診断装置22は、再びST022Aを実施する。
故障を検知する場合(ST022A:Yes)、データ取得装置21は、故障検知前後のタイムステップのログデータとセンサデータとを故障診断装置22に送信(ST022B)し、故障診断装置22は、故障原因を特定する(ST022C)。
【0055】
本実施形態によれば、部品手配装置2は、故障検知前後のログデータとセンサデータとに基づき、機器の故障原因を特定できる。
このため、部品手配装置2は、機器の経時変化から機器の故障原因を特定できる。
したがって、部品手配装置2は、より適切に故障原因を特定でき、交換部品を手配できる。
【0056】
<第三実施形態>
以下、本開示に係る第三実施形態について、図10を用いて説明する。
本実施形態の遠隔修理装置1は、以下に示す点以外は第一実施形態又は第二実施形態の遠隔修理装置1と同様な構成を備え、同様に動作する。
【0057】
図10に示されるように、故障診断装置22は、制御ソフトウェアが故障原因だった場合に、ネットワークを介してアップデートプログラムを実行することで、サーバの修理を実施することにしている。
ST02において、故障診断装置22は、故障原因を解析し(ST023A)、故障原因が制御ソフトウェアによるものか否かを判定し(ST023B)、故障原因が制御ソフトウェアによるものであると判定する場合(ST023B:Yes)、遠隔修理装置1は、サーバの制御ソフトウェアに対し、ネットワークを介してアップデートプログラムを実行する(ST023C)。
なお、故障原因が制御ソフトウェアによるものでないと判定する場合(ST023B:No)、遠隔修理装置1は、ST023Cを実施しない。
【0058】
本実施形態によれば、遠隔修理装置1は、ソフトウェアのアップデートを実行することで、故障原因が物理的な部品ではない場合でも修理を可能としている。
なお、本実施形態では、遠隔修理装置1は、故障原因が制御ソフトウェアである場合に修理を実行しているが、遠隔修理装置1は、制御ソフトウェア以外のソフトウェアの場合の修理にも応用できる。
【0059】
<第四実施形態>
以下、本開示に係る第四実施形態について、図11を用いて説明する。
本実施形態の部品手配装置2は、以下に示す点以外は第一実施形態、第二実施形態及び第三実施形態のうち、いずれか一つの実施形態の部品手配装置2と同様な構成を備え、同様に動作する。
【0060】
図11に示されるように、本実施形態では、ログ取得装置211及びセンサ212が定期的に取得したデータと、過去の故障に関するデータとを比較することで、故障の前兆を検知し、保守員に通知することにしている。
【0061】
ST02において、故障診断装置22は、故障の前兆を検知したか否かを判定する(ST024A)。
故障の前兆を検知しない場合(ST024A:No)、遠隔修理装置1は、再びST024を実施する。
故障の前兆を検知する場合(ST024A:Yes)、遠隔修理装置1は、予測される故障を保守員に通知する(ST024B)。
例えば、図2に示されるように、故障診断装置22による解析結果は記憶装置6へ送信される。記憶装置6には、同製品の他の個体からもデータを蓄積することができる。蓄積したデータを分析することで、故障の傾向を推測し、データ取得装置21で定期的に取得するデータと故障の傾向とを比較することで、故障診断装置22は、故障の前兆を検知することができる。
【0062】
本実施形態によれば、故障診断装置22が故障の前兆を検知できるため、交換部品の手配準備を含む修理体制の準備を整えることができる。
【0063】
<変形例>
上記各実施形態では、部品手配装置2は、サーバが故障した場合に、サーバのログデータとセンサデータとを取得することで故障原因を特定し、サーバの交換部品を手配しているが、ログデータとセンサデータとを取得できるなら、サーバに限らず、どのような機器の部品を手配してもよい。
変形例として、部品手配装置2は、ストレージが故障した場合に、ストレージのログデータとセンサデータとを取得することで故障原因を特定し、ストレージの交換部品を手配してもよい。
他の変形例として、部品手配装置2は、ネットワーク機器が故障した場合に、ネットワーク機器のログデータとセンサデータとを取得することで故障原因を特定し、ネットワーク機器の交換部品を手配してもよい。
【0064】
上記各実施形態では、サーバが配置されている現地に、部品手配装置2が配置されているが、故障原因を特定し、交換部品を手配できるなら、どのように配置されてもよい。
変形例として、部品手配装置2のうち、センサ212だけが、現地に配置され、部品手配装置2のうち、センサ212以外の装置が、現地からの遠隔地に配置されてもよい。
他の変形例として、部品手配装置2のうち、ログ取得装置211及びセンサ212だけが、現地に配置され、部品手配装置2のうち、ログ取得装置211及びセンサ212以外の装置が、現地からの遠隔地に配置されてもよい。
【0065】
上記各実施形態では、データ取得装置21はセンサ212を備えるが、サーバに関連するセンサデータを取得できるなら、どのように構成されてもよい。
変形例として、データ取得装置21を含む部品手配装置2がセンサ212を備えず、データ取得装置21が部品手配装置2以外の装置からセンサデータを受信することにより、センサデータを取得するように構成されてもよい。
【0066】
<部品手配装置の最小構成の実施形態>
以下、本開示に係る部品手配装置の最小構成の実施形態について、図12を用いて説明する。
図12に示すように、部品手配装置9は、データ取得装置91と、故障診断装置92と、交換部品指示装置93とを備える。
データ取得装置91は、機器のログデータと、機器に関連するセンサデータとを取得する。
故障診断装置92は、ログデータとセンサデータとに基づき、機器の故障原因を特定する。
交換部品指示装置93は、故障原因に基づき、機器の交換部品の手配を指示する。
本実施形態の部品手配装置9は、機器のログデータと、機器に関連するセンサデータに基づき、故障原因を特定し、交換部品の手配を指示する。
このため、部品手配装置9は、ログデータで特定が難しい故障原因を機器の遠隔地から特定でき、交換部品を手配できるため、例えば、機器がある現地に設置された装置を動作させることで、作業者は、機器の遠隔地から機器の修理を実施できる。
したがって、機器の遠隔地から機器の修理が可能である。
【0067】
<部品手配方法の最小構成の実施形態>
以下、本開示に係る部品手配方法の最小構成の実施形態について、図13を用いて説明する。
図13に示すように、部品手配方法は、機器のログデータと、機器に関連するセンサデータとを取得し、ログデータとセンサデータとに基づき、機器の故障原因を特定し、故障原因に基づき、機器の交換部品の手配を指示する。
本実施形態の部品手配方法は、機器のログデータと、機器に関連するセンサデータに基づき、故障原因を特定し、交換部品の手配を指示する。
このため、手配方法は、ログデータで特定が難しい故障原因を機器の遠隔地から特定でき、交換部品を手配できるため、例えば、機器がある現地に設置された装置を動作させることで、作業者は、機器の遠隔地から機器の修理が実施できる。
したがって、機器の遠隔地から機器の修理が可能である。
【0068】
<各装置のハードウェア構成>
上述の各実施形態における部品手配装置、作業指示装置、作業実施装置、出力装置、及び遠隔操作装置の各装置を実現するためのハードウェア構成の一例について、図14を用いて説明する。
図14に示すように、各装置は、プロセッサ81と、メモリ82と、記憶/再生装置83と、通信I/F(通信Interface)84と、IO I/F(Input Output Interface)85の各ハードウェアを備えたコンピュータ8を備える。
【0069】
プロセッサ81は、例えば、CPU(Central Processing Unit)である。
メモリ82は、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の記憶媒体である。
記憶/再生装置83は、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、フラッシュメモリ等の外部メディアへプログラム、データ等を記憶したり、外部メディアのプログラム、データ等を再生したりするための装置である。
通信I/F84は、インターネット、専用通信回線等の通信回線を介して、コンピュータ8と他の装置との間で通信を行うインターフェースである。
IO I/F85は、ソースプログラムの入力、コンピュータ8と他の装置との間で情報等の入出力等を行うためのインターフェースである。
【0070】
<コンピュータプログラム>
上述の各実施形態における部品手配装置、作業指示装置、作業実施装置、出力装置、及び遠隔操作装置の各装置の全部または一部の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶して、この記憶媒体に記憶されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各装置の処理を行ってもよい。
なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OS(Operating System)や周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0071】
また、「コンピュータシステム」は、WWW(World Wide Web)システムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(又は表示環境)も含むものとする。
【0072】
また、「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
【0073】
また、「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信回線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するものを含むとする。
【0074】
さらに、「コンピュータ読み取り可能な記憶媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
【0075】
例えば、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記憶されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよい。
【0076】
以上、本開示の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として示したものであり、本開示の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0077】
1 遠隔修理装置
2 部品手配装置
3 修理指示装置
4 修理実施装置
5 通信装置
6 記憶装置
7 交換部品手配システム
8 コンピュータ
9 部品手配装置
21 データ取得装置
22 故障診断装置
23 交換部品指示装置
31 作業指示装置
32 出力装置
41 遠隔操作装置
42 作業実施装置
81 プロセッサ
82 メモリ
83 記憶/再生装置
84 通信I/F
85 IO I/F
91 データ取得装置
92 故障診断装置
93 交換部品指示装置
211 ログ取得装置
212 センサ
213 カメラ
214 第一感知センサ
215 第二感知センサ
311 作業指示部
312 出力部
421 入力部
422 作業実施部
OBJ 機器
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14