(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128509
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】生体情報モニタシステム、生体情報モニタ方法、および送信システム
(51)【国際特許分類】
A61B 5/00 20060101AFI20240913BHJP
A61B 5/1171 20160101ALI20240913BHJP
A61B 5/11 20060101ALI20240913BHJP
A61B 5/113 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
A61B5/00 102B
A61B5/1171 100
A61B5/1171 200
A61B5/11 100
A61B5/113
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037501
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000230962
【氏名又は名称】日本光電工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】松村 文幸
(72)【発明者】
【氏名】大森 清博
【テーマコード(参考)】
4C038
4C117
【Fターム(参考)】
4C038VA04
4C038VA07
4C038VB03
4C038VB32
4C038VB33
4C038VB40
4C038VC02
4C038VC05
4C038VC20
4C117XC02
4C117XE17
4C117XE26
4C117XE57
4C117XE63
(57)【要約】
【課題】柔軟かつ簡単に患者名等の誤登録の可能性を抑制できる、生体情報モニタシステムを提供する。
【解決手段】生体情報を、割り当てられた個別信号で送信する送信システムと、送信機から生体情報を受信して、個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて登録された、被検者を特定する被検者特定情報と対応付けて、生体情報をそれぞれ出力する受信機とを有し、送信システムは、ベッド特定情報を取得し、個別特徴情報を取得し、個別特徴情報に基づいて被検者特定情報を特定し、ベッド特定情報および被検者特定情報を受信機へ送信し、受信機は、ベッド特定情報および被検者特定情報が送信された個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて、ベッド特定情報および被検者特定情報を登録する生体情報モニタシステム。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検者の生体情報を、割り当てられた個別信号で送信する送信システムと、前記送信システムから前記生体情報を受信して、前記個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて登録された、前記被検者を特定する被検者特定情報と対応付けて、前記生体情報をそれぞれ出力する受信機と、を有する生体情報モニタシステムであって、
前記送信システムは、前記被検者のベッドを特定するベッド特定情報を取得し、前記被検者から個別特徴情報を取得し、前記個別特徴情報に基づいて前記被検者特定情報を特定し、前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報を前記受信機へ送信し、
前記受信機は、前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報が送信された前記個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて、受信した、前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報を登録する、生体情報モニタシステム。
【請求項2】
前記送信システムは、個人特定装置を有し、
前記個人特定装置は、
前記ベッド特定情報を取得するベッド特定情報取得部と、
前記被検者から前記個別特徴情報を取得する個別特徴情報取得部と、
前記個別特徴情報に基づいて前記被検者特定情報を特定する被検者特定情報特定部と、
前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報を、前記個人特定装置に割り当てられた前記個別信号により、前記受信機へ送信する情報送信部と、を有し、
前記受信機は、
前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報を受信する受信部と、
前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報が送信される前記個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて、前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報を登録する登録部と、
を有する、請求項1に記載の生体情報モニタシステム。
【請求項3】
前記送信システムは、前記ベッド上に設けられて前記被検者の前記生体情報を検知する生体情報検知装置と、個人特定装置とを有し、
前記生体情報検知装置は、
前記ベッド上の前記被検者から前記生体情報を検知して、前記個人特定装置へ送信し、
前記個人特定装置は、
前記ベッド特定情報を取得するベッド特定情報部と、
前記生体情報検知装置から前記生体情報を受信する生体情報受信部と、
前記被検者から前記個別特徴情報を取得する個別特徴情報取得部と、
前記個別特徴情報に基づいて前記被検者特定情報を特定する被検者特定情報特定部と、
前記生体情報、前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報を、前記個人特定装置に割り当てられた前記個別信号により、前記受信機へ送信する情報送信部と、を有し、
前記受信機は、
前記生体情報、前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報を受信する受信部と、
前記生体情報、前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報が送信される前記個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて、前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報を登録する登録部と、
前記生体情報を、前記生体情報が送信される前記個別信号に関する情報に対応付けられて登録された、前記ベッド特定情報および前記被検者特定情報と対応付けて出力する出力部と、を有する、請求項1に記載の生体情報モニタシステム。
【請求項4】
前記送信システムは、個人特定装置と、前記被検者から前記生体情報を検出して、前記受信機へ前記生体情報を送信する送信機と、を有し、
前記個人特定装置は、
前記ベッド特定情報を取得するベッド特定情報取得部と、
前記被検者から前記個別特徴情報を取得する個別特徴情報取得部と、
前記個別特徴情報に基づいて前記被検者特定情報を特定する被検者特定情報特定部と、
前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報を前記送信機へ送信する情報送信部と、を有し、
前記送信機は、
前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報を前記個人特定装置から受信して、前記送信機に割り当てられた前記個別信号により、前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報を前記受信機へ送信する情報送受信部を有し、
前記受信機は、
前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報を受信する受信部と、
前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報が送信される前記個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて、前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報を登録する登録部と、
を有する、請求項1に記載の生体情報モニタシステム。
【請求項5】
前記送信システムは、個人特定装置と、前記被検者から前記生体情報を検出して、前記受信機へ前記生体情報を送信する送信機と、を有し、
前記個人特定装置は、
前記ベッド特定情報を取得するベッド特定情報取得部と、
前記被検者から前記個別特徴情報を取得する個別特徴情報取得部と、
前記個別特徴情報に基づいて前記被検者特定情報を特定する被検者特定情報特定部と、
前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報を前記送信機へ送信する情報送信部と、を有し、
前記送信機は、
前記被検者に装着されることで、前記被検者の前記生体情報を検知する生体情報検知部と、
前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報を前記個人特定装置から受信して、前記送信機に割り当てられた前記個別信号により、前記生体情報、前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報を前記受信機へ送信する情報送受信部を有し、
前記受信機は、
前記生体情報、前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報を受信する受信部と、
前記生体情報、前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報が送信される前記個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて、前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報を登録する登録部と、
前記生体情報を、前記生体情報が送信される前記個別信号に関する情報に対応付けられて登録された、前記ベッド特定情報および前記被検者特定情報と対応付けて出力する出力部と、を有する、請求項1に記載の生体情報モニタシステム。
【請求項6】
前記送信システムは、取得した個別特徴情報を、前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報とともに前記受信機へ送信し、
前記受信機は、前記ベッド特定情報、前記個別特徴情報、および前記被検者特定情報が送信された前記個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて、受信した、前記ベッド特定情報、前記個別特徴情報、および前記被検者特定情報を登録する、請求項1に記載の生体情報モニタシステム。
【請求項7】
前記生体情報検知装置はベッドセンサである、請求項3に記載の生体情報モニタシステム。
【請求項8】
前記生体情報は心電図である、請求項4または5に記載の生体情報モニタシステム。
【請求項9】
前記個別特徴情報は、静脈パターンまたは顔の画像である、請求項1に記載の生体情報モニタシステム。
【請求項10】
被検者の生体情報を、割り当てられた個別信号で送信する送信システムと、前記送信システムから前記生体情報を受信して、前記個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて登録された、前記被検者を特定する被検者特定情報と対応付けて、前記生体情報をそれぞれ出力する受信機と、を有する生体情報モニタシステムにより実行される方法であって、
前記送信システムにより、
前記被検者のベッドを特定するベッド特定情報を取得するベッド特定情報取得ステップと、
前記被検者から個別特徴情報を取得する個別特徴情報取得ステップと、
前記個別特徴情報に基づいて前記被検者特定情報を特定する特定ステップと、
前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報を前記受信機へ送信する送信ステップと、を有する処理を実行し、
前記受信機により、
前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報が送信された前記個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて、受信した、前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報を登録する登録ステップを有する処理を実行する、生体情報モニタ方法。
【請求項11】
被検者の生体情報を、割り当てられ個別信号で送信する送信システムと、前記送信システムから前記生体情報を受信して、前記個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて登録された、前記被検者を特定する被検者特定情報と対応付けて、前記生体情報をそれぞれ出力する受信機と、を有する生体情報モニタシステムであって、
前記送信システムは、前記被検者のベッドを特定するベッド特定情報を取得し、前記被検者から個別特徴情報を取得し、前記ベッド特定情報、および前記個別特徴情報を前記受信機へ送信し、
前記受信機は、前記ベッド特定情報、および前記個別特徴情報を受信し、前記個別特徴情報に基づいて前記被検者特定情報を特定し、前記ベッド特定情報、および前記個別特徴情報が送信された前記個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて、受信した前記ベッド特定情報、および特定した前記被検者特定情報を登録する、生体情報モニタシステム。
【請求項12】
被検者の生体情報を、割り当てられた個別信号で送信する送信システムと、前記送信システムから前記生体情報を受信して、前記個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて登録された、前記被検者を特定する被検者特定情報と対応付けて、前記生体情報をそれぞれ出力する受信機と、を有する生体情報モニタシステムにより実行される方法であって、
前記送信システムにより、
前記被検者のベッドを特定するベッド特定情報を取得するベッド特定情報取得ステップと、
前記被検者から個別特徴情報を取得する個別特徴情報取得ステップと、
前記ベッド特定情報、および前記個別特徴情報を前記受信機へ送信する送信ステップと、を有する処理を実行し、
前記受信機により、
前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報を受信し、前記個別特徴情報に基づいて前記被検者特定情報を特定し、前記ベッド特定情報および前記個別特徴情報が送信された前記個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて、受信した前記ベッド特定情報、および特定した前記被検者特定情報を登録する登録ステップを有する処理を実行する、生体情報モニタ方法。
【請求項13】
被検者の生体情報を、割り当てられた個別信号で送信する送信システムと、前記送信システムから前記生体情報を受信して、前記個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて登録された、前記被検者を特定する被検者特定情報と対応付けて、前記生体情報をそれぞれ出力する受信機と、を有する生体情報モニタシステムに用いられる前記送信システムであって、
前記被検者のベッドを特定するベッド特定情報を取得し、前記被検者から個別特徴情報を取得し、前記個別特徴情報に基づいて前記被検者特定情報を特定し、前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報を送信する、送信システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体情報モニタシステム、生体情報モニタ方法、および送信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
被験者に装着された送信機により検出される患者の生体情報を、送信機から受信して患者ごとに表示する受信機においては、あらかじめ送信機の送信チャネル番号と患者名とを対応付ける登録がなされる。受信機においては、送信機から生体情報が送信される送信チャネルの周波数等に基づいて送信チャネル番号を特定し、特定した送信チャネル番号と対応付けられて登録された患者名を、当該送信チャネルで送信される生体情報と対応付けて表示する。
【0003】
しかし、送信機の送信チャネル番号と患者名との対応付けは人為的に行われ、かつ比較的頻繁に行われ得るため、人為的な入力ミス等に起因して、生体情報に誤った患者名が表示され、患者の取り違いが発生する可能性がある。
【0004】
また、ベッドセンサ等の無拘束センサにより生体情報を検出する場合は、装置そのものが患者に装着されないため、装置の送信チャネル番号と患者名との対応付けの誤入力が発生する可能性がさらに高まる。手術後の患者の容態に応じて、送信機から無拘束センサに変更されることや、患者のベッドが変更されることも比較的頻繁に行われる。
【0005】
下記特許文献1には次の先行技術が開示されている。医療用システムにおいて、患者の生体情報を固有のチャネルを通じて無線送信する送信機と、患者の氏名等の特定情報を、患者タグを認識すること等により認識し、強度が最も強い無線信号のチャネルを認識し、特定情報とチャネルを関連付けて受信機へ送信する設定端末と、特定情報とチャネルを関連付けて登録する受信機とを備える。受信機は、送信機から生体情報が送信されるチャネルと関連付けられて登録されている特定情報を、生体情報と関連付けて表示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、生体情報を検知するデバイスと患者を特定する情報との関連付けに関し、さらに柔軟かつ簡単に、誤登録の可能性を抑制できる技術が求められている。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、柔軟かつ簡単に患者名等の誤登録の可能性を抑制できる、生体情報モニタシステム、生体情報モニタ方法、および送信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の上記課題は、以下の手段によって解決される。
【0010】
(1)被検者の生体情報を、割り当てられた個別信号で送信する送信システムと、前記送信システムから前記生体情報を受信して、前記個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて登録された、前記被検者を特定する被検者特定情報と対応付けて、前記生体情報をそれぞれ出力する受信機と、を有する生体情報モニタシステムであって、前記送信システムは、前記被検者のベッドを特定するベッド特定情報を取得し、前記被検者の身体から個別特徴情報を取得し、前記個別特徴情報に基づいて前記被検者特定情報を特定し、前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報を前記受信機へ送信し、前記受信機は、前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報が送信された前記個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて、受信した、前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報を登録する、生体情報モニタシステム。
【0011】
(2)被検者の生体情報を、割り当てられた個別信号で送信する送信システムと、前記送信システムから前記生体情報を受信して、前記個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて登録された、前記被検者を特定する被検者特定情報と対応付けて、前記生体情報をそれぞれ出力する受信機と、を有する生体情報モニタシステムにより実行される方法であって、前記送信システムにより、前記被検者のベッドを特定するベッド特定情報を取得するベッド特定情報取得ステップと、前記被検者の身体から個別特徴情報を取得する個別特徴情報取得ステップと、前記個別特徴情報に基づいて前記被検者特定情報を特定する特定ステップと、前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報を前記受信機へ送信する送信ステップと、を有する処理を実行し、前記受信機により、前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報が送信された前記個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて、受信した、前記ベッド特定情報、および前記被検者特定情報を登録する登録ステップを有する処理を実行する、生体情報モニタ方法。
【発明の効果】
【0012】
被検者のベッドを特定するベッド特定情報を取得し、前記被検者の個別特徴情報を取得し、個別特徴情報に基づいて被検者特定情報を特定し、ベッド特定情報、および被検者特定情報を受信機へ送信する送信システムと、ベッド特定情報および被検者特定情報が送信された個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて、受信した、ベッド特定情報および被検者特定情報を登録する受信機とを備える。これにより、柔軟かつ簡単に患者名等の誤登録の可能性を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】生体情報モニタシステムの概略構成図である。
【
図2】送信システムの概略構成を示す説明図である。
【
図3】アクセスポイントのハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図4】受信機のハードウェア構成のブロック図である。
【
図5】各患者の生体情報の表示画面を示す図である。
【
図6】対応付け登録時のアクセスポイントの動作を示すフローチャートである。
【
図7】対応付け登録時の受信機の動作を示すフローチャートである。
【
図8】生体情報の出力時のアクセスポイントの動作を示すフローチャートである。
【
図9】生体情報の出力時の受信機の動作を示すフローチャートである。
【
図10】送信システムの概略構成を示す説明図である。
【
図11】送信機のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図12】対応付け登録時のアクセスポイントの動作を示すフローチャートである。
【
図13】対応付け登録時の送信機の動作を示すフローチャートである。
【
図14】対応付け登録時の受信機の動作を示すフローチャートである。
【
図15】生体情報の出力時のアクセスポイントの動作を示すフローチャートである。
【
図16】生体情報の出力時の送信機の動作を示すフローチャートである。
【
図17】生体情報の出力時の受信機の動作を示すフローチャートである。
【
図18】送信システムの概略構成を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る生体情報モニタシステム、および生体情報モニタ方法について詳細に説明する。なお、図面において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0015】
[第1実施形態]
(生体情報モニタシステム10)
図1は、生体情報モニタシステム10の概略構成図である。生体情報モニタシステム10は、受信機100、および送信システム200を備える。送信システム200は1つまたは複数備えられ得る。受信機100は、患者の生体情報を患者ごとに表示する装置であり、セントラルモニタが含まれる。送信システム200は、患者の生体情報を検知して受信機100に送信するシステムである。患者は、生体情報が検出される被検者の例であり、被検者には、患者以外の検査対象者が含まれる。
【0016】
受信機100と送信システム200は、無線または有線のネットワークにより相互に通信可能に接続される。ネットワークは、例えば、無線LAN等のLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等である。ネットワークの通信規格として、例えば、イーサネット(登録商標)、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、または5Gを利用し得る。
【0017】
(送信システム200)
図2は、送信システム200の概略構成を示す説明図である。
図2においては、受信機100も併せて示されている。
図3は、アクセスポイント(以下、「AP210」と称する)のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0018】
送信システム200は、無拘束センサであるベッドセンサ220と、AP210を備える。ベッドセンサ220は、生体情報を検出する無拘束センサの例であり、生体情報を検出する他の無拘束センサに代替され得る。ベッドセンサ220は、生体情報検知装置を構成する。ベッドセンサ220と、AP210は、専用のケーブルを用いて、相互に通信可能に接続され得る。送信システム200は、例えば、患者のベッドごと、または患者の部屋ごと等に設けられ得る。
【0019】
ベッドセンサ220は、ベッド500に備え付けられる。ベッドセンサ220は、空気袋を含み、空気袋上に横たわった患者が発生する振動を生体情報として検知する。すなわち、ベッドセンサ220は、ベッド500上の患者の生体情報を検知する。ベッドセンサ220が検知する生体情報には、例えば、心拍数、呼吸、肺の動き、および心臓の動きが含まれる。ベッドセンサ220は、検知した生体信号をAP210へ送信する。
【0020】
図3に示すように、AP210は、制御部211、記憶部212、通信部213、およびセンサ214を備える。これらの構成要素はバスにより相互に接続されている。なお、一部の構成要素は、無線通信によりバスに接続され得る。AP210は、個人特定装置を構成する。
【0021】
制御部211は、例えばCPU(Central Processing Unit)およびRAM(Random Access Memory)により構成され、送信システム200の各構成要素を制御するとともに、各種演算を行う。
【0022】
制御部211は、個別特徴情報取得部および被検者特定情報特定部を構成する。制御部211は、センサ214により患者から検知(取得)された個別特徴情報をセンサ214から取得し、個別特徴情報に基づいて、静脈認証や顔認証等の認証方法により、患者を特定する被検者特定情報を特定する。個別特徴情報は、各被検者を個別に特徴付けている情報である。個別特徴情報には、例えば、患者の静脈のパターンや顔の画像、全身の画像、指紋、その他、被験者が身に付けた衣類や腕輪等が含まれる。被検者特定情報には、例えば、患者の氏名、被保険証番号、社会保障番号等、特定の個人を識別するための番号等が含まれる。以下、説明を簡単にするために、被検者特定情報は、患者の氏名であり、静脈認証により特定される場合を例に説明する。患者の静脈のパターンと患者の氏名との関係は、あらかじめ記憶部212に記憶されることにより登録されており、静脈認証に使用される。
【0023】
制御部211は、ベッド特定情報取得部を構成し、患者が使用するベッド500を特定するベッド特定情報を取得する。ベッド特定情報には、例えば、ベッド番号が含まれる。制御部211は、AP210が設けられたベッド500ごとにあらかじめ記憶部212に記憶されたベッド特定情報を読み出すことにより、ベッド特定情報と取得し得る。制御部211は、ベッド500の近辺にベッド500ごとに設けられたビーコンから常時発信される、ベッド特定情報を含む信号を通信部213により受信することにより、ベッド特定情報を取得してもよい。以下、説明を簡単にするために、ベッド特定情報は、ベッド番号である場合を例に説明する。
【0024】
制御部211は、通信部213とともに生体情報受信部を構成し、ベッドセンサ220から通信部213により生体情報を受信する。
【0025】
制御部211は、通信部213とともに情報送信部を構成し、ベッド番号、患者の氏名、および生体情報を、通信部213により、各AP210にあらかじめ割り当てられた送信チャネルにより、受信機100へ送信する。各送信チャネルにより送信される信号は個別信号を構成する。各AP210にあらかじめ割り当てられた各送信チャネルは、相互に周波数が異なるチャネルであり得る。受信機100において、送信チャネル番号と患者名およびベッド番号との対応付けの登録(以下、「対応付け登録」とも称する)のみをする場合は、制御部211は、生体情報は送信せずに、ベッド番号、および患者の氏名を、通信部213により、各AP210にあらかじめ割り当てられた送信チャネルにより、受信機100へ送信してもよい。送信チャネル番号は、個別信号に関する情報を構成する。個別信号に関する情報は、各個別信号を相互に区別するための情報である。
【0026】
制御部211は、取得した個別特徴情報を、各AP210にあらかじめ割り当てられた送信チャネルにより、ベッド番号および患者の氏名とともに受信機100へ送信してもよい。この場合、受信機100における対応付け登録において、送信チャネル番号と、患者名、ベッド番号、および個別特徴情報との対応付けがなされる。
【0027】
記憶部212は、例えばSSD(Solid State Drive)により構成され、各種データを記憶する。
【0028】
通信部213は、AP210と受信機100とを通信可能に接続するためのインターフェースである。通信部213は、例えば入力端子、アンテナ、およびフロントエンド回路等により構成され得る。
【0029】
センサ214は、静脈認証のための、静脈のパターンを取得する。センサ214は、近赤外の発光ダイオード、および電荷結合素子等により構成され得る。
【0030】
(受信機100)
図4は、受信機100のハードウェア構成のブロック図である。受信機100は、制御部110、記憶部120、通信部130、操作部140、および表示部150を含む。これらの構成要素はバスにより相互に接続されている。これらの構成要素の基本構成は、AP210の対応する構成要素の基本構成と同様であるため重複する説明は省略する。
【0031】
制御部110は、通信部130とともに受信部を構成し、各送信システム200(より具体的には、各AP210)から、ベッド番号、患者の氏名、および生体情報を通信部130により受信することにより取得する。制御部110は、対応付け登録時は、各送信システム200(より具体的には、各AP210)から、生体情報は受信せずに、ベッド番号、および患者の氏名のみを受信し得る。
【0032】
制御部110は、登録部を構成し、ベッド番号、および患者の氏名を通信部130により受信したときに、ベッド番号、および患者の氏名が送信された送信チャネルを、受信した信号の周波数等に基づいて特定する。制御部110は、ベッド番号および患者の氏名を、特定した送信チャネルに対応付けて、記憶部120に記憶させることにより対応付け登録(登録)する。以下、対応付け登録において登録される情報を、「対応付け登録情報」とも称する。
【0033】
制御部110は、生体情報を受信したときに、生体信号が送信された送信チャネルの送信チャネル番号を、受信した信号の周波数等に基づいて特定する。制御部110は、出力部を構成し、特定した送信チャネル番号に対応付けされたベッド番号および患者の氏名を、対応付け登録情報を参照して特定し、生体情報を、特定した、ベッド番号および患者の氏名と対応付けて出力する。すなわち、制御部110は、生体情報を、生体情報が送信される送信チャネルの送信チャネル番号に対応付けされて登録された、ベッド番号および患者の氏名と対応付けて出力する。出力には、表示部150における表示、および通信部130による他の装置への送信等が含まれる。
【0034】
制御部110は、対応付け登録において、送信チャネル番号と、患者名、ベッド番号、および個別特徴情報との対応付けがされる場合は、生体情報を、ベッド番号、患者の氏名、および個別特徴情報と対応付けて出力してもよい。
【0035】
操作部140は、医師や看護師等のユーザーによる各種操作を受け付け、操作に基づいて各種情報を表示部150に表示させる。操作部140は、例えば、キー、およびタッチパネルにより構成される。
【0036】
表示部150は、各種情報を表示する。表示部150は、例えば液晶ディスプレイにより構成される。表示部150は、各患者の生体情報を、ベッド番号および患者の氏名と対応付けて表示する。
【0037】
図5は、受信部における、各患者の生体情報の表示画面を示す図である。
【0038】
図5の例においては、6人の患者の生体情報が、それぞれベッド番号および氏名と対応付けられて表示されている。ベッド番号は、一点鎖線で囲まれた部分に表示されている。患者の氏名は、破線で囲まれた部分に表示されている。
【0039】
生体情報モニタシステム10の動作について説明する。
【0040】
図6は、対応付け登録時のAP210の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、AP210の制御部211により、プログラムに従い実行され得る。
図7は、対応付け登録時の受信機100の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、受信機100の制御部110により、プログラムに従い実行され得る。
【0041】
図6を参照すると、制御部211は、ベッド特定情報としてベッド番号を取得する(S101)。
【0042】
制御部211は、静脈認証により、患者の氏名を特定する(S102)。
【0043】
制御部211は、ベッド番号と、患者の氏名を、AP210に割り当てられた送信チャネルにより、受信機へ送信する(S103)。
【0044】
図7を参照すると、制御部110は、ベッド番号と、患者の氏名を各AP210から受信する(S201)。
【0045】
制御部110は、受信した、ベッド番号と、患者の氏名が送信された送信チャネルの送信チャネル番号を特定する(S202)。
【0046】
制御部110は、ベッド番号と、患者の氏名を、ベッド番号、および患者の氏名が送信された送信チャネルの送信チャネル番号と対応付けて登録する(S203)。
【0047】
図8は、生体情報の出力時のAP210の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、AP210の制御部211により、プログラムに従い実行され得る。
図9は、生体情報の出力時の受信機100の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、受信機100の制御部110により、プログラムに従い実行され得る。
【0048】
図8を参照すると、制御部211は、ベッド特定情報としてベッド番号を取得する(S301)。
【0049】
制御部211は、ベッドセンサ220から、患者の生体情報を受信する(S302)。
【0050】
制御部211は、静脈認証により、患者の氏名を特定する(S303)。
【0051】
制御部211は、生体情報、ベッド番号、および患者の氏名を、AP210に割り当てられた送信チャネルにより、受信機100へ送信する(S304)。
【0052】
図9を参照すると、制御部110は、生体情報、ベッド番号、および患者の氏名を各AP210から受信する(S401)。
【0053】
制御部110は、受信した、生体情報、ベッド番号、および患者の氏名が送信された送信チャネルの送信チャネル番号を特定する(S402)。
【0054】
制御部110は、ベッド番号と、患者の氏名を、ベッド番号、および患者の氏名が送信された送信チャネルの送信チャネル番号と対応付けて登録または更新する(S403)。
【0055】
制御部110は、生体情報を、特定された送信チャネル番号に対応付けられて登録された、ベッド番号、および患者の氏名と対応付けて表示部150に表示する(S404)。
【0056】
なお、生体情報の出力時において、対応付け登録を行わない場合は、ステップS301およびステップS303は省略され得る。ステップS304において、ベッド番号および患者の氏名は送信されなくてもよい。ステップS401において、ベッド番号および患者の氏名は受信されなくてもよい。ステップS402において、受信した生体情報が送信された送信チャネルの送信チャネル番号が特定され得る。ステップS403は省略される。
【0057】
[第2実施形態]
第2実施形態について説明する。本実施形態が第1実施形態と異なるのは次の点である。第1実施形態においては、AP210によって、ベッドセンサ220により検出される生体情報が受信され、ベッド番号が取得され、静脈認証による患者の氏名が特定される。そして、AP210から、AP210に割り当てられた送信チャネルで、生体情報、ベッド番号、および患者の氏名が、受信機100へ送信され、対応付け登録が行われる。一方、本実施形態においては、送信機230(
図10参照)によって、AP210により取得または特定されるベッド番号および患者の氏名が受信され、生体情報が検知される。そして、送信機230から、送信機230に割り当てられた送信チャネルで、生体情報、ベッド番号、および患者の氏名が、受信機100へ送信され、対応付け登録が行われる。これ以外の点については、本実施形態は第1実施形態と同様であるため、重複となる説明は省略または簡略化する。
【0058】
(送信システム200)
図10は、送信システム200の概略構成を示す説明図である。
図10においては、受信機100も併せて示されている。
図11は、送信機230のハードウェア構成を示すブロック図である。
【0059】
送信システム200は、AP210と送信機230を備える。AP210と送信機230とは、例えば、無線LANにより、相互に通信可能に接続され得る。送信システム200は、例えば、患者のベッド500ごと、または患者の部屋ごと等に設けられ得る。
【0060】
AP210は、ベッド番号を取得するとともに、静脈認証により患者の氏名を特定する。AP210は、ベッド番号と、患者の氏名を送信機230へ送信する。
【0061】
図11に示すように、送信機230は、制御部231、記憶部232、通信部233、および生体情報検知部234を備える。これらの構成要素はバスにより相互に接続されている。これらの構成要素の基本構成は、AP210の対応する構成要素の基本構成と同様であるため重複する説明は省略する。送信機230は患者に装着される。
【0062】
生体情報検知部234は、誘導電極を含み、誘導電極が患者の体の所定の位置に固定装着されることで、生体情報として、心電図を検知(取得)し得る。生体情報検知部234により検知される生体情報には、心電図の他、例えば、動脈血酸素飽和度、観血式血圧、非観血式血圧、呼吸、ならびに、呼気および吸気の二酸化炭素、インピーダンス呼吸、体温等が含まれる。
【0063】
制御部231は、通信部233とともに情報送受信部を構成する。制御部231は、通信部233により、AP210から、ベッド番号と、患者の氏名を受信する。制御部231は、受信した、ベッド番号および患者の氏名と、生体情報とを、各送信機230に割り当てられた送信チャネルにより、受信機100へ送信する。
【0064】
生体情報モニタシステム10の動作について説明する。
【0065】
図12は、対応付け登録時のAP210の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、AP210の制御部211により、プログラムに従い実行され得る。
図13は、対応付け登録時の送信機230の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、送信機230の制御部231により、プログラムに従い実行され得る。
図14は、対応付け登録時の受信機100の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、受信機100の制御部110により、プログラムに従い実行され得る。
【0066】
図12を参照すると、制御部211は、ベッド特定情報としてベッド番号を取得する(S501)。
【0067】
制御部211は、静脈認証により、患者の氏名を特定する(S502)。
【0068】
制御部211は、ベッド番号と、患者の氏名を、送信機230へ送信する(S503)。
【0069】
図13を参照すると、制御部231は、ベッド番号と、患者の氏名を、AP210から受信する(S601)。
【0070】
制御部231は、ベッド番号と、患者の氏名を、送信機230に割り当てられた送信チャネルにより、受信機100へ送信する(S602)。
【0071】
図14を参照すると、制御部110は、ベッド番号と、患者の氏名を各送信機から受信する(S701)。
【0072】
制御部110は、受信した、ベッド番号と、患者の氏名が送信された送信チャネルの送信チャネル番号を特定する(S702)。
【0073】
制御部110は、ベッド番号と、患者の氏名を、ベッド番号、および患者の氏名が送信された送信チャネルの送信チャネル番号と対応付けて登録する(S703)。
【0074】
図15は、生体情報の出力時のAP210の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、AP210の制御部211により、プログラムに従い実行され得る。
図16は、生体情報の出力時の送信機230の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、送信機230の制御部231により、プログラムに従い実行され得る。
図17は、生体情報の出力時の受信機100の動作を示すフローチャートである。本フローチャートは、受信機100の制御部110により、プログラムに従い実行され得る。
【0075】
図15を参照すると、制御部211は、ベッド特定情報としてベッド番号を取得する(S801)。
【0076】
制御部211は、静脈認証により、患者の氏名を特定する(S802)。
【0077】
制御部211は、ベッド番号と、患者の氏名を、送信機へ送信する(S803)。
【0078】
図16を参照すると、制御部231は、ベッド番号と、患者の氏名を、AP210から受信する(S901)。
【0079】
制御部231は、生体情報検知部234により、患者の生体情報を検知する(S902)。
【0080】
制御部231は、生体情報、ベッド番号、および患者の氏名を、送信機230に割り当てられた送信チャネルにより、受信機100へ送信する(S902)。
【0081】
図17を参照すると、制御部110は、生体情報、ベッド番号、および患者の氏名を各送信機230から受信する(S1001)。
【0082】
制御部110は、受信した、生体情報、ベッド番号、および患者の氏名が送信された送信チャネルの送信チャネル番号を特定する(S1002)。
【0083】
制御部110は、ベッド番号と、患者の氏名を、ベッド番号、および患者の氏名が送信された送信チャネルの送信チャネル番号と対応付けて登録または更新する(S1003)。
【0084】
制御部110は、生体情報を、特定された送信チャネル番号に対応付けられて登録された、ベッド番号、および患者の氏名と対応付けて表示部150に表示する(S1004)。
【0085】
なお、生体情報の出力時において、対応付け登録を行わない場合は、
図15に示す処理、およびステップS901は省略される。ステップS903において、ベッド番号および患者の氏名は送信されなくてもよい。ステップS1001において、ベッド番号および患者の氏名は受信されなくてもよい。ステップS1002において、受信した生体情報が送信された送信チャネルの送信チャネル番号が特定される。ステップS1003は省略される。
【0086】
[第3実施形態]
第3実施形態について説明する。本実施形態が第1実施形態と異なるのは次の点である。第1実施形態においては、AP210によって、ベッドセンサ220により検出される生体情報が受信され、ベッド番号および静脈のパターンが取得され、静脈のパターンを用いた静脈認証による患者の氏名が特定される。そして、AP210から、AP210に割り当てられた送信チャネルで、生体情報、ベッド番号、および患者の氏名が、受信機100へ送信され、対応付け登録が行われる。一方、本実施形態においては、AP210によって、ベッドセンサ220により検出される生体情報が受信され、ベッド番号および静脈のパターンが取得される。AP210から、AP210に割り当てられた送信チャネルで、生体情報、ベッド番号、および静脈のパターンが、受信機100へ送信される。そして、受信機100において、静脈のパターンを用いた静脈認証による患者の氏名が特定され、対応付け登録が行われる。これ以外の点については、本実施形態は第1実施形態と同様であるため、重複となる説明は省略または簡略化する。
【0087】
図18は、送信システム200の概略構成を示す説明図である。
図18においては、受信機100も併せて示されている。
【0088】
AP210は、ベッド番号を取得するとともに、静脈認証に用いる静脈のパターン(個別特徴情報)を取得する。対応付け登録時は、AP210は、ベッド番号と、静脈のパターンを送信機230へ送信する。生体情報の出力時は、AP210は、生体情報、ベッド番号、および静脈のパターンを送信機230へ送信する。
【0089】
受信機100の制御部110は、受信した静脈のパターンを用いて静脈認証により患者の氏名を特定する。制御部110は、ベッド番号および静脈のパターンが送信された送信チャネル(すなわち、AP210に割り当てられた送信チャネル)の送信チャネル番号を特定し、特定した送信チャネル番号と、受信したベッド番号および特定した患者の氏名とを対応付けることにより、対応付け登録を行う。生体情報の出力時は、制御部110は、受信した生体情報を、生体情報が送信された送信チャネルの送信チャネル番号に対応付けられて登録された、ベッド番号および患者の氏名と対応付けて表示部150に表示する。なお、第2実施形態の構成においても、静脈認証を受信機100において行い得る。この場合、送信機230から受信機100へ、ベッド番号および静脈のパターンが送信される。
【0090】
[第4実施形態]
第1実施形態(または第3実施形態)に係る送信システム200と、第2実施形態に係る送信システム200は、併存させてもよい。この場合、受信部100は、同じ患者名の情報が、送信機230(第2実施形態)およびAP210(第1実施形態)から同時に受信した場合、送信機230から送信された情報(生体情報、ベッド番号、患者の氏名)を優先して、対応付け登録および生体情報の出力をし得る。すなわち、受信部100の制御部110は、同じ患者名の情報が、送信機230およびAP210から同時に受信した場合、送信機230から送信された情報に基づいて対応付け登録および生体情報の出力を行い、当該患者名の情報が送信機230から受信されたくなったときは、AP210から送信された情報に基づいて対応付け登録および生体情報の出力を行い得る。
【0091】
実施形態は次の効果を奏する。
【0092】
被検者のベッドを特定するベッド特定情報を取得し、前記被検者の個別特徴情報を取得し、個別特徴情報に基づいて被検者特定情報を特定し、ベッド特定情報、および被検者特定情報を受信機へ送信する送信システムと、ベッド特定情報および被検者特定情報が送信された個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて、受信した、ベッド特定情報および被検者特定情報を登録する受信機とを備える。これにより、柔軟かつ簡単に患者名等の誤登録の可能性を抑制できる。
【0093】
さらに、送信システムに個人特定装置を含める。個人特定装置に、ベッド特定情報を取得するベッド特定情報取得部と、被検者の身体から個別特徴情報を取得する個別特徴情報取得部と、個別特徴情報に基づいて被検者特定情報を特定する被検者特定情報特定部と、ベッド特定情報、および被検者特定情報を、個人特定装置に割り当てられた個別信号により、受信機へ送信する情報送信部と、を含める。受信機に、ベッド特定情報、および被検者特定情報を受信する受信部と、ベッド特定情報、および被検者特定情報が送信される個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて、ベッド特定情報、および被検者特定情報を登録する登録部と、を含める。これにより、柔軟かつより簡単に患者名等の誤登録の可能性を抑制できる。
【0094】
また、送信システムに、ベッド上に設けられて被検者の生体情報を検知する生体情報検知装置と、個人特定装置とを含め、生体情報検知装置に、ベッド上の被検者から生体情報を検知する検知部と、生体情報を、個人特定装置へ送信する生体情報送信部と、を含める。個人特定装置に、ベッド特定情報を取得するベッド特定情報部と、生体情報検知装置から生体情報を受信する生体情報受信部と、被検者の身体から個別特徴情報を取得する個別特徴情報取得部と、個別特徴情報に基づいて被検者特定情報を特定する被検者特定情報特定部と、生体情報、ベッド特定情報、および被検者特定情報を、個人特定装置に割り当てられた個別信号により、受信機へ送信する情報送信部と、を含める。受信機に、生体情報、ベッド特定情報、および被検者特定情報を受信する受信部と、生体情報、ベッド特定情報、および被検者特定情報が送信される個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて、ベッド特定情報、および被検者特定情報を登録する登録部と、生体情報を、生体情報が送信される個別信号に関する情報に対応付けられて登録された、ベッド特定情報および被検者特定情報と対応付けて出力する出力部と、を含める。これにより、簡単な構成で、患者名等の誤登録の可能性をさらに抑制できる。
【0095】
また、送信システムに、個人特定装置と、被検者から生体情報を検出して、生体情報受信機へ生体情報を送信する送信機とを含める。個人特定装置に、ベッド特定情報を取得するベッド特定情報取得部と、被検者の身体から個別特徴情報を取得する個別特徴情報取得部と、個別特徴情報に基づいて被検者特定情報を特定する被検者特定情報特定部と、ベッド特定情報、および被検者特定情報を送信機へ送信する情報送信部と、を含める。送信機に、ベッド特定情報、および被検者特定情報を個人特定装置から受信して、生体情報送信機に割り当てられた個別信号により、ベッド特定情報、および被検者特定情報を生体情報受信機へ送信する情報送受信部を含める。生体情報受信機に、ベッド特定情報、および被検者特定情報を受信する受信部と、ベッド特定情報、および被検者特定情報が送信される個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて、ベッド特定情報、および被検者特定情報を登録する登録部と、を含める。これにより、柔軟かつより簡単に患者名等の誤登録の可能性を抑制できる。
【0096】
また、送信システムに、個人特定装置と、被検者から生体情報を検出して、生体情報受信機へ生体情報を送信する送信機とを含める。個人特定装置に、ベッド特定情報を取得するベッド特定情報取得部と、被検者の身体から個別特徴情報を取得する個別特徴情報取得部と、個別特徴情報に基づいて被検者特定情報を特定する被検者特定情報特定部と、ベッド特定情報、および被検者特定情報を送信機へ送信する情報送信部とを含める。送信機に、被検者に装着されることで、被検者の生体情報を検知する生体情報検知部と、ベッド特定情報、および被検者特定情報を個人特定装置から受信して、生体情報送信機に割り当てられた個別信号により、生体情報、ベッド特定情報、および被検者特定情報を生体情報受信機へ送信する情報送受信部を含める。生体情報受信機に、生体情報、ベッド特定情報、および被検者特定情報を受信する受信部と、生体情報、ベッド特定情報、および被検者特定情報が送信される個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて、ベッド特定情報、および被検者特定情報を登録する登録部と、生体情報を、生体情報が送信される個別信号に関する情報に対応付けられて登録された、ベッド特定情報および被検者特定情報と対応付けて出力する出力部とを含める。これにより、簡単な構成で、患者名等の誤登録の可能性をさらに抑制できる。
【0097】
また、送信システムにより、個別特徴情報を、ベッド特定情報、および被検者特定情報とともに受信機へ送信し、受信機により、ベッド特定情報、個別特徴情報、および被検者特定情報が送信された個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて、ベッド特定情報、個別特徴情報、および被検者特定情報を登録する。これにより、簡単な構成で、患者名等の誤登録の可能性をさらに抑制できる。
【0098】
また、生体情報検知装置をベッドセンサにより構成する。これにより、ベッドセンサにより検知される生体情報を、誤登録のない患者名等とともに出力できる。
【0099】
また、生体情報を心電図とする。これにより、心電図を、誤登録のない患者名等とともに出力できる。
【0100】
また、個別特徴情報を、静脈パターンまたは顔の画像とする。これにより、患者等への負担を軽減できるとともに、簡単な構成で、患者名等の誤登録の可能性をさらに抑制できる。
【0101】
被検者のベッドを特定するベッド特定情報を取得し、前記被検者の個別特徴情報を取得し、ベッド特定情報および個別特徴情報を受信機へ送信する送信システムと、個別特徴情報に基づいて被検者特定情報を特定し、ベッド特定情報および個別特徴情報が送信された個別信号に関する情報にそれぞれ対応付けて、受信したベッド特定情報、および特定した被検者特定情報を登録する受信機とを備える。これにより、柔軟かつ簡単に患者名等の誤登録の可能性を抑制できる。
【0102】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明は上述した実施形態に限定されない。
【0103】
例えば、上述した実施形態においてプログラムにより実現される機能の一部または全部を回路等のハードウェアにより実現してもよい。
【0104】
また、第1実施形態の送信システム200において、AP210が有する機能の一部または全部をベッドセンサ220が有するようにしてもよい。ベッドセンサ220が有する機能の一部または全部をAP210が有するようにしてもよい。ベッドセンサ220は、空気袋を含み、空気袋上に横たわった被験者が発生する振動を生体情報として検知するものとしたが、被験者が横たわった際に発生する被験者の圧力を生体情報として圧電素子等により検知するものであってもよい。
【0105】
また、第2実施形態の送信システム200において、AP210が有する機能の一部または全部を送信機230が有するようにしてもよい。送信機230が有する機能の一部または全部をAP210が有するようにしてもよい。
【0106】
また、送信システム200が有する機能の一部または全部を受信機100が有するようにしてもよい。受信機100が有する機能の一部または全部を送信システム200が有するようにしてもよい。
【0107】
また、上述した実施形態において送信システム200を送信機230を使用するものとしたが、送信機230の代わりに無線LAN等の端末を使用してもよい。その場合、AP210に割り当てられた送信チャネルの代わりにMACアドレスを使用するようにしてもよい。
【0108】
また、上述したフローチャートは、一部のステップを省略してもよく、他のステップが追加されてもよい。また各ステップの一部は同時に実行されてもよく、一つのステップが複数のステップに分割されて実行されてもよい。
【符号の説明】
【0109】
10 生体情報モニタシステム、
100 受信機、
110 制御部、
120 記憶部、
130 通信部、
140 操作部、
150 表示部、
200 送信システム、
210 アクセスポイント(AP)、
211 制御部、
212 記憶部、
213 通信部、
214 センサ、
220 ベッドセンサ、
230 送信機、
231 制御部、
232 記憶部、
233 通信部、
234 生体情報取得部。