(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012852
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240124BHJP
【FI】
A63F7/02 326Z
A63F7/02 334
A63F7/02 301C
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114617
(22)【出願日】2022-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】000135210
【氏名又は名称】株式会社ニューギン
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100148563
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 実
(72)【発明者】
【氏名】知念 要
(72)【発明者】
【氏名】杉崎 正範
(72)【発明者】
【氏名】川北 雄大
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088AA66
2C088BC31
2C088BC51
2C088EA10
(57)【要約】
【課題】制御負担が増大することを抑制すること。
【解決手段】遊技制御基板は、演出制御基板へ出力するエラーコマンドを生成するエラーコマンド処理を実行可能である。エラーコマンド処理は、所定の周期毎に実行される。エラーコマンド処理では、複数種類のエラーのうち1のエラーを対象として、今回のエラーコマンド処理が実行されるときにおけるエラー情報である第1エラー情報と、前回のエラーコマンド処理が実行されたときにおけるエラー情報である第2エラー情報と、が異なるかを判定する第1処理が行われる。第1処理の実行後、エラーコマンド処理では、第1処理における判定結果に応じて、演出制御基板に出力するエラーコマンドを生成する第2処理が行われる。エラーコマンド処理が実行されたときには、複数種類のエラーを対象として第1処理及び第2処理が繰り返し行われることによって、複数種類のエラーコマンドを生成可能である。
【選択図】
図14
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類のエラーを検知可能であって、エラーの検知条件が成立した場合に当該エラーを設定する遊技機において、
所定の制御を実行可能な第1制御部と、
前記第1制御部から出力されるコマンドを入力可能な第2制御部と、を備え、
前記第1制御部は、複数種類のエラーに関するエラー情報を記憶することが可能であり、
前記エラー情報は、エラーが設定されていることを特定可能な情報であり、
前記第1制御部は、前記第2制御部へ出力するエラーコマンドを生成するエラーコマンド処理を実行可能であり、
前記エラーコマンド処理は、所定の周期毎に実行され、
前記エラーコマンド処理では、
複数種類のエラーのうち1のエラーを対象として、今回の前記エラーコマンド処理が実行されるときにおける前記エラー情報である第1エラー情報と、前回の前記エラーコマンド処理が実行されたときにおける前記エラー情報である第2エラー情報と、が異なるかを判定する第1処理が行われ、
前記第1処理における判定結果に応じて、前記第2制御部に出力する前記エラーコマンドを生成する第2処理が行われ、
前記エラーコマンド処理が実行されたときには、複数種類のエラーを対象として前記第1処理及び前記第2処理が繰り返し行われることによって、複数種類の前記エラーコマンドを生成可能であることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記エラーコマンドには、エラーが設定されたことを特定可能なエラー設定コマンドと、エラーの設定が解除されたことを特定可能なエラー解除コマンドと、があり、
前記第1処理において、前記第1エラー情報と、前記第2エラー情報と、が異なると判定される判定状況には、第1判定状況と、第2判定状況と、があり、
前記第1判定状況は、前記第1エラー情報によって特定可能な情報が、エラーが設定されていることであるときの状況であり、
前記第2判定状況は、前記第1エラー情報によって特定可能な情報が、エラーが設定されていないことであるときの状況であり、
前記第2処理では、前記第1判定状況であれば前記エラー設定コマンドが生成される一方、前記第2判定状況であれば前記エラー解除コマンドが生成される請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記エラーコマンド処理では、
前記第1エラー情報と、前記第2エラー情報と、の排他的論理和により比較情報を生成する処理が行われるとともに、前記第1エラー情報を次回の前記エラーコマンド処理が実行されるときにおける前記第2エラー情報として記憶させる処理が行われ、
前記比較情報は、8ビットのデータから構成されており、最大で8種類のエラーについて、各別に、エラーが設定されていない状態からエラーが設定されている状態へと移行したこと、又は、エラーが設定されている状態からエラーが設定されていない状態へと移行したことを特定可能な情報であり、
前記第1処理では、前記比較情報をビットシフトすることにより最下位ビットが1であるかを判定することで、前記第1エラー情報と、前記第2エラー情報と、が異なるかを判定する請求項1又は請求項2に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機の一例であるパチンコ遊技機は、複数種類のエラーを検知可能に構成される(例えば、特許文献1)。複数種類のエラーは、それぞれ検知される条件が予め定められている。エラーが検知されたとき、パチンコ遊技機は、異常な状態であるといえる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数種類のエラーを検知可能な遊技機は、エラーを検知した場合、当該検知したエラーに応じて適切な処置が行われることが望ましい。このため、遊技機は、検知したエラーに係る制御を行う必要がある。遊技機は、複数種類のエラーを検知可能であるから、検知したエラーに係る制御を行うことにより制御負担が増加しがちであった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する遊技機は、複数種類のエラーを検知可能であって、エラーの検知条件が成立した場合に当該エラーを設定する遊技機において、所定の制御を実行可能な第1制御部と、前記第1制御部から出力されるコマンドを入力可能な第2制御部と、を備え、前記第1制御部は、複数種類のエラーに関するエラー情報を記憶することが可能であり、前記エラー情報は、エラーが設定されていることを特定可能な情報であり、前記第1制御部は、前記第2制御部へ出力するエラーコマンドを生成するエラーコマンド処理を実行可能であり、前記エラーコマンド処理は、所定の周期毎に実行され、前記エラーコマンド処理では、複数種類のエラーのうち1のエラーを対象として、今回の前記エラーコマンド処理が実行されるときにおける前記エラー情報である第1エラー情報と、前回の前記エラーコマンド処理が実行されたときにおける前記エラー情報である第2エラー情報と、が異なるかを判定する第1処理が行われ、前記第1処理における判定結果に応じて、前記第2制御部に出力する前記エラーコマンドを生成する第2処理が行われ、前記エラーコマンド処理が実行されたときには、複数種類のエラーを対象として前記第1処理及び前記第2処理が繰り返し行われることによって、複数種類の前記エラーコマンドを生成可能であることを要旨とする。
【0006】
上記遊技機について、前記エラーコマンドには、エラーが設定されたことを特定可能なエラー設定コマンドと、エラーの設定が解除されたことを特定可能なエラー解除コマンドと、があり、前記第1処理において、前記第1エラー情報と、前記第2エラー情報と、が異なると判定される判定状況には、第1判定状況と、第2判定状況と、があり、前記第1判定状況は、前記第1エラー情報によって特定可能な情報が、エラーが設定されていることであるときの状況であり、前記第2判定状況は、前記第1エラー情報によって特定可能な情報が、エラーが設定されていないことであるときの状況であり、前記第2処理では、前記第1判定状況であれば前記エラー設定コマンドが生成される一方、前記第2判定状況であれば前記エラー解除コマンドが生成されるとよい。
【0007】
上記遊技機について、前記エラーコマンド処理では、前記第1エラー情報と、前記第2エラー情報と、の排他的論理和により比較情報を生成する処理が行われるとともに、前記第1エラー情報を次回の前記エラーコマンド処理が実行されるときにおける前記第2エラー情報として記憶させる処理が行われ、前記比較情報は、8ビットのデータから構成されており、最大で8種類のエラーについて、各別に、エラーが設定されていない状態からエラーが設定されている状態へと移行したこと、又は、エラーが設定されている状態からエラーが設定されていない状態へと移行したことを特定可能な情報であり、前記第1処理では、前記比較情報をビットシフトすることにより最下位ビットが1であるかを判定することで、前記第1エラー情報と、前記第2エラー情報と、が異なるかを判定するとよい。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、制御負担が増大することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】パチンコ遊技機、及び管理ユニットを正面からみたときの図である。
【
図2】パチンコ遊技機が備える遊技盤を示す図である。
【
図3】パチンコ遊技機が備える計数操作部、計数報知部、及び第2球数表示部の拡大図である。
【
図4】パチンコ遊技機に形成された遊技球の流通機構を示す模式図である。
【
図5】パチンコ遊技機が備える供給部を示す模式図である。
【
図6】パチンコ遊技機が備える供給部を示す模式図である。
【
図7】パチンコ遊技機が備える発射部を示す模式図である。
【
図8】パチンコ遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図9】パチンコ遊技機の電気的な構成を示すブロック図である。
【
図10】搬送部の搬送動作に関する制御を示すタイミングチャートである。
【
図11】パチンコ遊技機における枠制御基板によって検知され得るエラーの一例を示す図である。
【
図12】パチンコ遊技機における枠制御基板によって検知され得るエラーの一例を示す図である。
【
図14】エラーコマンド処理を示すフローチャートである。
【
図15】(a)~(e)は、エラーコマンド処理の実行中における各種のデータの一例を示す模式図である。
【
図16】(a)及び(b)は、エラーコマンド処理の実行中における各種のデータの一例を示す模式図である。
【
図17】(a)及び(b)は、エラーコマンド処理の実行中における各種のデータの一例を示す模式図である。
【
図18】(a)及び(b)は、エラーコマンド処理の実行中における各種のデータの一例を示す模式図である。
【
図19】(a)及び(b)は、エラーコマンド処理の実行中における各種のデータの一例を示す模式図である。
【
図20】(a)及び(b)は、エラーコマンド処理の実行中における各種のデータの一例を示す模式図である。
【
図21】(a)及び(b)は、エラーコマンド処理の実行中における各種のデータの一例を示す模式図である。
【
図22】(a)及び(b)は、エラーコマンド処理の実行中における各種のデータの一例を示す模式図である。
【
図23】パチンコ遊技機におけるエラー報知の態様の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、パチンコ遊技機の一実施形態を説明する。
図1に示すように、島設備(遊技島)において、遊技機の一例であるパチンコ遊技機10(以下、遊技機10と示す)と、管理装置の一例である管理ユニット100とは、交互に並ぶように設置される。管理ユニット100は、遊技機10に併設される。管理ユニット100は、遊技機10と通信可能に接続される。
【0011】
管理ユニット100について説明する。
管理ユニット100は、管理媒体を挿入可能な媒体挿入部101を備える。一例として、管理媒体は、ICカード、又はICコインといったデータ記憶媒体である。管理媒体は、投入金の残額、及び遊技者が所有する遊技球の個数(以下、第1管理球数と示す)を記憶可能である。第1管理球数は、管理ユニット100が管理するデータである。管理媒体は、遊技者の個人情報、又は支払金の残額(プリペイド残額)を記憶可能であってもよい。管理ユニット100は、現金を投入可能な現金投入部102を備える。現金投入部102への投入金額は、管理媒体に記憶された残額に加算される。一例として、現金は、紙幣及び硬貨の何れであってもよい。第1管理球数は、持ち球数の一例である。
【0012】
管理ユニット100は、操作パネル110を備える。操作パネル110は、玉貸操作部111、払出操作部112、返却操作部113、第1球数表示部114、及び残額表示部115を備える。玉貸操作部111は、管理媒体に記憶された残額に基づいて、遊技者が所有する遊技球の個数(以下、第2管理球数と示す)を増加させるときに操作される。第2管理球数は、遊技機10が管理するデータである。払出操作部112は、第1管理球数に基づいて、第2管理球数を増加させるときに操作される。第2管理球数は、持ち球数の一例である。
【0013】
返却操作部113は、管理ユニット100に挿入された管理媒体の返却を受けるときに操作される。第1球数表示部114には、第1管理球数を特定可能な情報(一例としてアラビア数字)が表示される。残額表示部115には、支払金の残額を特定可能な情報(一例としてアラビア数字)が表示される。
【0014】
管理ユニット100は、管理ユニット制御基板120(以下、CU制御基板120と示す)を備える。CU制御基板120は、機外部にある外部機器の一例である。CU制御基板120は、CPU120aと、ROM120bと、RAM120cと、を備える。CPU120aは、管理ユニット制御プログラムを実行することにより、所定の制御を行う。ROM120bは、管理ユニット制御プログラムを記憶している。RAM120cは、管理ユニット100の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RAM120cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。管理ユニット100は、遊技機10と双方向に通信可能に接続される通信端子120dを備える。
【0015】
CU制御基板120は、媒体挿入部101と接続される。CPU120aは、媒体挿入部101に挿入された管理媒体の記憶内容を書換え可能に構成される。CU制御基板120は、現金投入部102と接続される。CPU120aは、現金投入部102に現金が投入されたときに出力する投入信号を入力可能に構成される。投入信号は、現金投入部102への投入金額を特定可能な信号である。
【0016】
CU制御基板120は、操作パネル110と接続される。CPU120aは、玉貸操作部111が操作されたときに出力する玉貸信号を入力可能に構成される。CU制御基板120は、払出操作部112が操作されたときに出力する払出信号を入力可能に構成される。CPU120aは、返却操作部113が操作されたときに出力する返却信号を入力可能に構成される。CPU120aは、第1球数表示部114の表示内容を制御可能に構成される。CPU120aは、残額表示部115の表示内容を制御可能に構成される。
【0017】
CU制御基板120は、通信端子120dを介して遊技機10と接続される。CPU120aは、遊技機10が出力する各種の制御信号(制御情報)を入力可能に構成される。CPU120aは、遊技機10に対して各種の制御信号(制御情報)を出力可能に構成される。管理ユニット100は、通信端子120dから遊技機10へと接続信号を出力する。なお、接続信号は、CU制御基板120(CPU120a)が生成するコマンドや電文であってもよく、CPU120aとは異なる出力回路(例えば電源回路)が生成する信号であってもよい。
【0018】
管理ユニット100は、遊技機10及び管理ユニット100とは別に用意された外部管理機器と接続するための外部通信端子(不図示)を備える。一例として、外部管理機器は、遊技場に設置される。一例として、外部管理機器(不図示)は、遊技場に設置されたホールコンピュータである。一例として、外部管理機器は、遊技場外のデータセンタに設置されたサーバ設備とネットワークを介して通信可能な管理コンピュータである。この場合、管理コンピュータと管理ユニット100とは、双方向に通信可能に接続されることが好ましい。
【0019】
管理ユニット100において行われる処理について説明する。
CPU120aは、媒体挿入部101に管理媒体が挿入されると、管理媒体に記憶された残額、及び第1管理球数を読み出し、RAM120cに記憶させる。そして、CPU120aは、管理媒体が挿入されている場合に、以下に説明する処理を行う。
【0020】
CPU120aは、現金投入部102から投入信号を入力すると、投入信号から特定可能な投入金額を残額に加算する。CPU120aは、残額が0ではないとき、玉貸操作部111から玉貸信号を入力すると、残額を規定額だけ減算するとともに、当該規定額に対応する数の遊技球の貸出を特定可能な貸出情報を遊技機10へ出力する。なお、CPU120aは、残額が0であるとき、玉貸信号を入力しても貸出情報を出力しない。
【0021】
CPU120aは、第1管理球数が1以上であるとき、払出操作部112から払出信号を入力すると、第1管理球数を所定数だけ減算し、当該所定数の遊技球の貸出を特定可能な貸出情報を遊技機10へ出力する。なお、CPU120aは、第1管理球数が0であるとき、払出信号を入力しても、貸出情報を出力しない。このように、貸出情報は、貸出球数を特定可能である。
【0022】
CPU120aは、遊技機10から計数情報を入力すると、当該計数情報から特定可能な遊技球の個数を第1管理球数に加算する。詳しくは後述するが、計数情報は、遊技機10から管理ユニット100へと管理を移管する持ち球数を特定可能な情報である。
【0023】
CPU120aは、第1球数表示部114を制御し、その時々の第1管理球数を特定可能な情報を表示させる。第1管理球数は、第1球数表示部114においてリアルタイムで表示される。CPU120aは、残額表示部115を制御し、その時々の残額を特定可能な情報を表示させる。残額は、残額表示部115においてリアルタイムで表示される。CPU120aは、返却操作部113から返却信号を入力すると、RAM120cに記憶されている残額及び第1管理球数を管理媒体に記憶させるとともに、RAM120cに記憶されている残額及び第1管理球数を初期化する。CPU120aは、管理媒体が媒体挿入部101から排出されるように、媒体挿入部101を制御する。
【0024】
遊技機10について説明する。
図1及び
図2に示すように、遊技機10は、所定の規定数の遊技球が機内部に封入された封入式の遊技機である。遊技機10は、機内部において遊技球を循環させることが可能な遊技機の一例である。つまり、遊技機10は、循環型の遊技機である。遊技球は、遊技に用いる遊技媒体の一例である。遊技機10は、原則として、遊技者が遊技球に触れ得ない構造である。
【0025】
遊技機10は、貸し玉数、獲得球数、発射球数、及び戻り球数に基づいて、第2管理球数をデータとして管理する。貸し玉数は、遊技者に貸し出された遊技球の個数である。獲得球数は、遊技者が獲得した遊技球の個数である。発射球数は、遊技者が発射した遊技球の個数である。発射球数は、後述する供給部61から発射部65へ供給された遊技球の個数ともいえる。戻り球数は、遊技者が発射させた遊技球のうち、後述する遊技領域20aに到達しなかった遊技球の個数である。戻り球数は、発射部65から遊技領域20aに向けて発射された遊技球のうち、遊技領域20aに到達しなかった遊技球の個数ともいえる。戻り球は、所謂「ファール球」である。
【0026】
遊技機10は、枠11を備える。枠11は、機体を島設備に固定するための外枠11aと、各種の遊技部品を搭載するための搭載枠11bと、保護枠11cと、を備える。搭載枠11bは、外枠11aに対して開閉可能に支持される。保護枠11cは、搭載枠11bに対して開閉可能に支持される。保護枠11cは、搭載枠11bに搭載された遊技部品を保護する保護ガラス(不図示)を有する。遊技機10は、枠11b,11cを施錠する施錠装置(不図示)を備える。遊技機10は、施錠装置に適合する鍵を用いて解錠しなければ、外枠11aに対して枠11b,11cを開放できないように構成される。
【0027】
遊技機10は、スピーカを一例とする演出音声部12を備える。演出音声部12は、音声を出力可能な音声部の一例である。演出音声部12は、所定の音声を出力する演出(以下、音声演出と示す)、及び所定の音声を出力する報知(以下、音声報知と示す)を実行可能である。例えば、所定の音声は、楽曲、効果音、及び所定の文字列を読み上げる人の声等である。遊技機10は、スピーカを一例とする報知音声部13を備える。報知音声部13は、音声報知を実行可能である。一例として、演出音声部12及び報知音声部13は、搭載枠11bに配設される。
【0028】
遊技機10は、演出発光部14を備える。演出発光部14は、LEDなどを一例とする発光体(不図示)の点灯、点滅、及び消灯による演出(以下、発光演出と示す)を実行可能である。演出発光部14は、発光体(不図示)の点灯、点滅、及び消灯による報知(以下、発光報知と示す)を実行可能である。一例として、演出発光部14は、搭載枠11bに配設される。演出発光部14は、後述の遊技盤20に配設されていてもよい。
【0029】
遊技機10は、遊技球を発射させる操作を可能な発射操作部15を備える。発射操作部15は、搭載枠11bの前面側に配設される。遊技機10は、発射操作部15の操作に応じた発射強度で遊技球を打ち出すように構成される。一例として、発射操作部15は、回動操作を可能なハンドルレバー15aと、タッチセンサD01と、発射停止スイッチD02と、ハンドルボリュームD03と、を備える(
図8参照)。
【0030】
タッチセンサD01は、発射操作部15の側面を囲うように配設された通電リング15cに接続される。タッチセンサD01は、遊技者が発射操作部15を把持し、遊技者の手指が通電リング15cに触れるとタッチ信号を出力する。タッチ信号は、遊技者の手指が通電リング15cに触れているときにオン状態となり、触れていないときにオフ状態となる。タッチセンサD01は、遊技者が発射操作部15に触れていることを検知する手段の一例である。
【0031】
発射停止スイッチD02は、発射操作部15の側方に突出する発射停止ボタン15bが押し込まれるとストップ信号を出力する。ストップ信号は、発射停止ボタン15bが操作されるとオン状態となり、操作されていないとオフ状態となる。発射停止ボタン15bは、遊技球の発射を停止させる操作が可能な手段の一例である。ハンドルボリュームD03は、ハンドルレバー15aが回動操作されると、その回動操作量に応じた電圧のボリューム信号を出力する。
【0032】
遊技機10は、演出操作部16を備える。演出操作部16は、遊技者が操作可能な手段の一例である。演出操作部16は、押下操作を可能なボタン型、表示装置を兼用するタッチセンサ型、又はレバー型であるとよい。
【0033】
図1及び
図3に示すように、遊技機10は、第2管理球数を特定可能な情報を表示する第2球数表示部17を備える。一例として、第2球数表示部17は、複数(例えば6個)の7セグを並べた構成とされており、複数(例えば6桁)の数字を表示可能である。第2球数表示部17は、所定の文字、及び数字を表示する態様で、所定の報知を実行可能である。
【0034】
遊技機10は、計数操作部18を備える。計数操作部18は、遊技者が操作可能な操作部の一例である。計数操作部18は、主に、遊技者が遊技機10でのプレイを終了するときに操作される。計数操作部18は、予め定めた計数可能状態である場合に、計数操作部18を用いた計数操作が許容される。計数操作部18は、押込み操作がされると計数信号を出力する。遊技機10は、計数報知部18aを備える。計数報知部18aは、計数可能状態であるか否かを報知する手段の一例である。一例として、演出操作部16、第2球数表示部17、計数操作部18、及び計数報知部18aは、搭載枠11bの前面側に配設される。
【0035】
ここで、計数操作部18の操作態様について説明する。以下の説明では、計数信号についてオンと示す場合、計数信号が出力されていることを意味する。計数信号についてオフと示す場合、計数信号が出力されていないことを意味する。計数操作部18の操作態様には、第1態様、及び第2態様がある。第1態様は、計数操作部18に対する操作時間が所定時間(一例として500ms)未満の操作態様である。操作時間は、計数信号がオンとなってからオフになるまでの時間である。第1態様は、所謂「単押し操作」である。第2態様は、計数操作部18に対する操作時間が所定時間以上の操作態様である。第2態様は、所謂「長押し操作」である。
【0036】
図2に示すように、遊技機10は、遊技盤20を備える。遊技盤20は、搭載枠11bに組み付けられている。遊技盤20は、正面視で略円形状の遊技領域20aを有する。遊技領域20aの略中央には、表示窓口20bが形成される。遊技領域20aの左方には、発射操作部15の操作によって発射された遊技球を遊技領域20aへと案内する打出通路20cが形成される。遊技領域20a及び打出通路20cは、保護枠11cの保護ガラス(不図示)によって覆われている。
【0037】
遊技盤20は、各種の情報を表示する情報表示装置21を備える。情報表示装置21は、第1特別図柄表示部21a、第2特別図柄表示部21b、第1保留表示部21c、第2保留表示部21d、普通図柄表示部21e、及び普通保留表示部21fを含む。一例として、複数の表示部21a~21fは、遊技者から視認可能な部分に纏めて配設されるが、これに限らず、一部又は全部が異なる部分に配設されていてもよい。
【0038】
第1特別図柄表示部21aは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる第1特別図柄変動ゲーム(以下、第1特別ゲームと示す)を実行可能である。第2特別図柄表示部21bは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に特別図柄を停止表示させる第2特別図柄変動ゲーム(以下、第2特別ゲームと示す)を実行可能である。特別図柄は、内部抽選(特別図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。以下、第1特別ゲーム、及び第2特別ゲームを纏めて「特別ゲーム」と示す。特別図柄は、大当り図柄と、はずれ図柄と、を含む。特別図柄は、小当り図柄を含んでもよい。遊技機10では、特別図柄の当り抽選で大当りに当選すると、特別ゲームで大当り図柄が停止表示され、当該大当りの特別ゲームの終了後、大当り遊技が付与される。
【0039】
第1保留表示部21cは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことにより、その実行が保留されている第1特別ゲームの回数(以下、第1保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。第2保留表示部21dは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことにより、その実行が保留されている第2特別ゲームの回数(以下、第2保留数と示す)を特定可能な情報を表示する。
【0040】
普通図柄表示部21eは、所定の図柄を変動表示させ、最終的に普通図柄を停止表示させる普通ゲームを実行可能である。普通図柄は、内部抽選(普通図柄の当り抽選)の結果を報知するための図柄である。普通図柄には、普通当り図柄と、普通はずれ図柄と、がある。遊技機10では、普通図柄の当り抽選で普通当りに当選すると、普通ゲームで普通当り図柄が停止表示され、当該普通ゲームの終了後、普通当り遊技が付与される。
【0041】
普通保留表示部21fは、保留条件が成立したものの、開始条件が未だ成立していないことにより、その実行が保留されている普通ゲームの回数を特定可能な情報を表示する。情報表示装置21には、右打ちを指示する情報を表示する右打ち表示部や、ラウンド遊技の上限回数を報知するラウンド表示部が含まれていてもよい。
【0042】
遊技機10は、演出表示部19を備える。演出表示部19は、画像を表示可能な画像表示領域19aを有する。演出表示部19は、画像を表示可能な表示部の一例である。演出表示部19は、表示窓口20bを介して、画像表示領域19aを視認可能となるように、遊技盤20に組み付けられている。例えば、演出表示部19は、液晶装置である。演出表示部19は、所定の画像を表示する演出(以下、表示演出と示す)を実行可能である。例えば、所定の画像は、演出図柄、キャラクタ、風景、文字(文字列)、数字、及び記号などの画像である。以下の説明では、これらキャラクタ等について単に「表示する」と示す場合、これらキャラクタ等を画像として表示することを意味する。演出表示部19は、所定の画像を表示する報知(以下、表示報知と示す)を実行可能である。
【0043】
ここで、演出音声部12、演出発光部14、及び演出表示部19は、何れも所定の演出を実行可能な演出部であり、複数の演出部からなる演出装置ESを構成する。演出音声部12、演出発光部14、及び演出表示部19は、何れも所定の報知を実行可能な報知部の一例であって、第2報知部の一例である。演出装置ESは、報知装置として把握することも可能である。演出装置ESに含まれる演出部及び報知部は、演出音声部12、演出発光部14、及び演出表示部19であることに限定されず、これらの演出部の一部を省略した構成であってもよい。演出装置ESは、これらの演出部及び報知部に加えて、又は任意に選択できる1つまたは複数に代えて、可動演出を実行する演出可動部を備えてもよく、振動演出を実行する演出振動部を備えてもよい。
【0044】
例えば、演出表示部19における表示演出には、複数列の演出図柄(飾り図柄)を用いた演出図柄変動ゲーム(以下、演出ゲームと示す)がある。演出ゲームでは、複数列の演出図柄が変動表示され、最終的に演出図柄の組合せ(以下、図柄組合せと示す)が停止表示される。演出図柄(飾り図柄)は、キャラクタや模様等の装飾が施された図柄であって、表示演出を多様化させるための図柄である。一例として、演出ゲームは、左図柄列、中図柄列、及び右図柄列の演出図柄をそれぞれ所定方向に変動表示(スクロール表示)させて行われる。演出ゲームは、リーチを形成して行うリーチ演出を含む場合がある。演出ゲームは、特別ゲームとともに開始され、特別ゲームとともに終了される。演出ゲームでは、特別ゲームで停止表示される特別図柄に応じた図柄組合せが停止表示される。特別ゲームにて大当り図柄が停止表示されるとき、演出ゲームでは、大当りの図柄組合せが停止表示される。特別ゲームにてはずれ図柄が停止表示されるとき、演出ゲームでは、はずれの図柄組合せが停止表示される。
【0045】
遊技盤20には、遊技球が入球可能な複数の入賞口が形成されている。これら複数の入賞口は、遊技領域20aに開口する。複数の入賞口は、第1始動口23Aと、第2始動口23Bと、大入賞口23Cと、普通入賞口23Dと、を含む。複数の入賞口は、これらの入賞口とは異なる入賞口を含んでもよい。
【0046】
第1始動口23Aは、賞球の付与条件、及び第1特別ゲームの保留条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第1始動口23Aは、演出表示部19の下方にある。第1始動口23Aは、常に遊技球を入球させ得るように開口される。遊技盤20は、第1始動口23Aへ入球した遊技球を検知可能な第1始動センサD11を備える(
図9参照)。
【0047】
第2始動口23Bは、賞球の付与条件、及び第2特別ゲームの保留条件を成立させるために遊技球を入球させる入賞口である。一例として、第2始動口23Bは、第1始動口23Aの右方にある。第2始動口23Bは、扉状であることを一例とする普通開閉片23Baを有する。普通開閉片23Baは、所謂「普通電動役物」である。第2始動口23Bは、普通当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができない、又は入球し難いように閉鎖される。第2始動口23Bは、普通当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。遊技盤20は、第2始動口23Bを開放させる手段として、普通ソレノイドSL1を備える(
図9参照)。遊技盤20は、第2始動口23Bへ入球した遊技球を検知可能な第2始動センサD12を備える(
図9参照)。
【0048】
大入賞口23Cは、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、大入賞口23Cは、演出表示部19の右下方にある。大入賞口23Cは、扉状であることを一例とする特別開閉片23Caを備える。大入賞口23Cは、大当り遊技が付与されていないとき、遊技球を入球させることができない、又は入球し難いように閉鎖される。大入賞口23Cは、大当り遊技が付与されると、遊技球を入球させることができる、又は入球し易いように開放される。遊技盤20は、大入賞口23Cを開放させる手段として、特別ソレノイドSL2を備える(
図9参照)。遊技盤20は、大入賞口23Cへ入球した遊技球を検知するカウントセンサD13を備える(
図9参照)。
【0049】
普通入賞口23Dは、賞球の付与条件を成立させるために、遊技球を入球させる入賞口である。一例として、普通入賞口23Dは、演出表示部19の左下方、及び演出表示部19の右下方にそれぞれある。普通入賞口23Dは、常に遊技球を入球させることができるように開口される。遊技盤20は、普通入賞口23Dへ入球した遊技球を検知する普通センサD14を備える(
図9参照)。
【0050】
遊技盤20は、ゲート24を備える。一例として、ゲート24は、遊技領域20aの右方領域であって、第2始動口23B、及び大入賞口23Cの上方にある。ゲート24には、ゲート口24aが形成されている。ゲート口24aは、常に遊技球を入球させることができるように開放される。ゲート24は、ゲート口24aへ入球した遊技球を検知するゲートセンサD15を備える(
図9参照)。ゲート24は、普通ゲームの保留条件を成立させるために、遊技球を入球させる入球口である。ゲート24は、遊技球が入球しても賞球の付与条件が成立しない。
【0051】
遊技盤20には、アウト口25が形成されている。一例として、アウト口25は、遊技領域20aの最も下部において開口する。遊技球は、第1始動口23A、第2始動口23B、大入賞口23C、及び普通入賞口23Dの何れにも入球しなかった場合に、アウト口25へ入球する。複数の入賞口、及びアウト口25は、遊技領域20aから遊技球を排出するための排出口、又は遊技領域20aから遊技球を回収するための回収口として把握できる。遊技球は、複数の入賞口又はアウト口25へ入球すると、遊技盤20(遊技領域20a)から排出される。以下、複数の入賞口又はアウト口25を介して遊技盤20(遊技領域20a)から排出される遊技球をアウト球と示す場合がある。
【0052】
搭載枠11bは、搭載枠11bに対して保護枠11cが開放されたことを検知する第1扉開放スイッチD17を備える(
図8参照)。第1扉開放スイッチD17は、保護枠11cの開放を検知した場合に第1扉開放信号を出力する。搭載枠11bは、外枠11aに対して搭載枠11bが開放されたことを検知する第2扉開放スイッチD18を備える(
図8参照)。第2扉開放スイッチD18は、搭載枠11bの開放を検知した場合に第2扉開放信号を出力する。
【0053】
遊技者は、発射操作部15を操作することにより、遊技球の発射強度を調整することができる。つまり、遊技者は、表示窓口20bより左方にある左方領域と、表示窓口20bより右方にある右方領域と、に遊技球を打ち分けることができる。遊技球は、右方領域を流下する場合に、第2始動口23B、大入賞口23C、普通入賞口23D、又はゲート24へ入球する可能性がある。遊技球は、左方領域を流下する場合に、第1始動口23A、又は普通入賞口23Dへ入球する可能性がある。
【0054】
枠11(搭載枠11b)は、遊技球の流通機構29を備える。
図4に示すように、流通機構29は、回収機構30と、循環機構50と、発射機構60と、球抜き機構70と、を含む。回収機構30は、搭載枠11bに形成される。回収機構30は、遊技盤20(遊技領域20a)から排出された遊技球を循環機構50へ案内する。回収機構30は、下方に向かって延びる通路、又は下方に向かって傾斜する通路を組み合わせて構成される。遊技球は、遊技盤20から回収機構30に受け入れられた場合に、回収機構30を構成する通路を流下することにより、循環機構50へ到達し得る。
【0055】
循環機構50は、搭載枠11bに形成される。循環機構50は、回収機構30から受け入れた遊技球を、所定の方向へ搬送する。一例として、循環機構50は、遊技球を上方へ向かって搬送する。発射機構60は、搭載枠11bに形成される。遊技球は、循環機構50によって搬送された場合に、発射機構60に受け入れられる。発射機構60は、循環機構50によって搬送された遊技球を、遊技領域20aに向けて発射し得る。球抜き機構70は、搭載枠11bに形成される。球抜き機構70は、回収機構30、循環機構50、及び発射機構60にある遊技球を抜き取るための機構である。
【0056】
流通機構29における遊技球の流れについて説明する。遊技球が、発射機構60によって発射されたとする。遊技球は、遊技領域20aへ到達し得る。遊技球は、遊技領域20aに到達すると、遊技領域20aを流下して、複数の入賞口又はアウト口25へ入球する。遊技球は、遊技盤20に形成された排出口(不図示)から、回収機構30へ排出される。遊技球は、回収機構30を通って、循環機構50へ到達する。遊技球は、循環機構50によって、搬送される。遊技球は、発射機構60へ戻る。以下、各機構について、詳しく説明する。
【0057】
回収機構30について詳しく説明する。
搭載枠11bには、1以上の入賞受入口30a、1以上の非入賞受入口30b、及び1以上のファール受入口30cが形成されている。入賞受入口30aは、遊技盤20の下端部に形成された排出口(不図示)のうち、複数の入賞口へ入球した遊技球を排出する排出口の下方に形成されている。入賞受入口30aは、複数の入賞口を介して遊技盤20から排出される遊技球を受け入れる。非入賞受入口30bは、遊技盤20の下端部に形成された排出口(不図示)のうち、アウト口25へ入球した遊技球を排出する排出口の下方に形成されている。非入賞受入口30bは、アウト口25を介して遊技盤20から排出される遊技球を受け入れる。ファール受入口30cは、打出通路20cの下方に形成されている。ファール受入口30cは、打出通路20cから落下する遊技球(以下、ファール球と示す)を受け入れる。ファール球は、発射機構60によって発射されたが、遊技領域20aへ到達しなかった遊技球である。入賞受入口30a、非入賞受入口30b、及びファール受入口30cは、遊技領域20aに向けて発射された遊技球を回収する回収部の一例である。
【0058】
搭載枠11bには、入賞受入口30aに繋がる入賞通路31と、非入賞受入口30bに繋がる非入賞通路32と、ファール受入口30cに繋がるファール通路33と、が形成されている。入賞通路31及び非入賞通路32は、第1合流部34において合流する。搭載枠11bには、第1合流部34に繋がる合流通路35が形成されている。合流通路35と、ファール通路33とは、第2合流部36において合流する。搭載枠11bには、第2合流部36と循環機構50とを繋ぐ流通通路37が形成されている。
【0059】
搭載枠11bは、ファール通路33を流通する遊技球(ファール球)を検知するファールセンサD21を備える。ファールセンサD21は、遊技領域20aに向けて発射された遊技球のうち、遊技領域20aに到達しなかった遊技球を戻り球(ファール球)として検知する戻り球検知部の一例であって、第2検知部の一例である。ファールセンサD21は、ファール通路33又はファール通路33に隣接する部分に設けられる。ファールセンサD21は、遊技球を検知した場合に、ファール信号を出力する。ファール信号は、遊技球が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
【0060】
搭載枠11bは、入賞通路31を流通する遊技球を検知する入賞通路カウントセンサD25を備える。入賞通路カウントセンサD25は、入賞通路31又は入賞通路31に隣接する部分に設けられる。入賞通路カウントセンサD25は、遊技球を検知した場合に、入賞通路信号を出力する。入賞通路信号は、遊技球が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
【0061】
搭載枠11bは、非入賞通路32を流通する遊技球を検知する非入賞通路カウントセンサD26を備える。非入賞通路カウントセンサD26は、非入賞通路32又は非入賞通路32に隣接する部分に設けられる。非入賞通路カウントセンサD26は、遊技球を検知した場合に、非入賞通路信号を出力する。非入賞通路信号は、遊技球が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
【0062】
搭載枠11bは、合流通路35を流通する遊技球(有効球)を検知するアウトセンサD30を備える。有効球は、発射部65から発射された遊技球のうち、遊技領域20aへと到達した遊技球である。アウトセンサD30は、遊技領域20aに向けて発射された遊技球のうち、遊技領域20aに到達した遊技球を有効球として検知する有効球検知部の一例であって、第2検知部の一例である。アウトセンサD30は、合流通路35又は合流通路35に隣接する部分に設けられる。アウトセンサD30は、遊技球を検知した場合に、アウト信号を出力する。アウト信号は、遊技球が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。アウトセンサD30は、アウト球を検知するともいえる。
【0063】
搭載枠11bは、異常な電波として所定の強度を超える電波を検知する電波センサD16を備える。搭載枠11bに備わる電波センサD16は、1つでもよく、複数であってもよい。電波センサD16は、電波検知部の一例である。異常な電波は、各種センサやスイッチが誤検知するなど各種センサやスイッチによる検知に対して所定の影響を与え得るものである。電波センサD16は、異常な電波を検知すると電波検知信号を出力する。一例として、電波センサD16は、ファールセンサD21及びアウトセンサD30による検知に所定の影響を与え得る電波を検知可能である。つまり、電波センサD16が出力する電波検知信号は、ファールセンサD21及びアウトセンサD30による検知に所定の影響を与え得ることを特定可能な情報である。
【0064】
一例として、電波センサD16は、ファールセンサD21又はアウトセンサD30に隣接又は近接する部分に設けられる。つまり、電波センサD16は、ファールセンサD21又はアウトセンサD30の近傍に設けられる。なお、電波センサD16は、第1始動センサD11、第2始動センサD12、カウントセンサD13、普通センサD14、及びゲートセンサD15による検知に所定の影響を与え得る電波を検知可能であってもよい。
【0065】
搭載枠11bは、流通通路37を流通する遊技球を検知する球詰り監視センサD27を備える。球詰り監視センサD27は、流通通路37又は流通通路37に隣接する部分に設けられる。球詰り監視センサD27は、遊技球を検知すると、球詰り検知信号を出力する。球詰り検知信号は、遊技球が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
【0066】
循環機構50について詳しく説明する。
循環機構50は、回収機構30から受け入れた遊技球を搬送する搬送部52を備える。一例として、搬送部52は、所定の方向に沿って延びる搬送通路と、搬送通路に収容されたスクリューと、スクリューを回転させる搬送モータ52aと、を備える。遊技球は、搬送モータ52aによってスクリューが回転されることにより、搬送通路において遊技球が所定の方向へ搬送される。これに限らず、搬送部52は、所定の方向に沿って延びるベルトであってもよい。所定の方向は、上方へ向かう方向であってもよく、上方へ上るように傾斜する方向であってもよい。搬送部52は、スクリューの回転位置を特定可能な位置センサを備えてもよい。これにより、遊技機10は、搬送モータ52aを駆動させたときに、スクリューが正常に回転しているか否かを特定可能である。
【0067】
循環機構50は、搬送部52の入口において、流通通路37から受け入れた遊技球を検知する搬送入口センサD28を備える。搬送入口センサD28は、搬送部52の入口又は当該入口に隣接する部分に設けられる。搬送入口センサD28は、遊技球を検知した場合に、搬送入口信号を出力する。搬送入口信号は、遊技球が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
【0068】
循環機構50は、搬送部52の出口において、当該搬送部52によって搬送された遊技球を検知する搬送出口センサD29を備える。搬送出口センサD29は、搬送部52の出口又は当該出口に隣接する部分に設けられる。搬送出口センサD29は、遊技球を検知した場合に、搬送出口信号を出力する。搬送出口信号は、遊技球が検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
【0069】
発射機構60について詳しく説明する。
発射機構60は、供給部61と、発射部65と、を備える。供給部61は、供給機構の一例である。供給部61は、搬送部52によって搬送された遊技球を1球ずつ切り出すことにより、発射部65へ供給する。つまり、供給部61は、遊技領域20aから回収部によって回収された遊技球を発射部65に供給する。発射部65は、供給された遊技球を遊技領域20aに向けて発射する。
【0070】
図5及び
図6に示すように、供給部61には、供給入口側通路62aと、切出し機構63と、供給出口側通路62bと、が形成されている。供給入口側通路62aは、搬送部52によって搬送された遊技球Kを受け入れる。供給入口側通路62aは、受け入れられた遊技球Kを一列に整列する。供給入口側通路62aは、切出し機構63がある部分に向かって下るように延びる通路である。
【0071】
切出し機構63は、遊技球Kの供給動作を可能に構成された可動片63aと、可動片63aを駆動する供給ソレノイド63bと、を備える。可動片63aが供給動作をしていない場合に、可動片63aは、供給入口側通路62aから供給出口側通路62bへと流出しないように、遊技球Kを塞き止める。
図5→
図6の流れで示すように、可動片63aが1回の供給動作を実行すると、供給入口側通路62aにおいて一列に並ぶ遊技球Kのうち、先頭の遊技球Kだけが、供給出口側通路62bへと放出される。供給出口側通路62bは、発射部65へ向かって下るように延びる通路である。
【0072】
供給部61は、供給部61の入口側において、供給入口側通路62aへ受け入れられた遊技球Kを検知する供給入口センサD22を備える。供給入口センサD22は、供給入口側通路62a又は供給入口側通路62aに隣接した部分に設けられる。供給入口センサD22は、遊技球Kを検知した場合に、供給入口信号を出力する。供給入口信号は、遊技球Kが検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
【0073】
供給部61は、供給部61の出口側において、供給出口側通路62bへ放出された遊技球Kを検知する供給出口センサD23を備える。供給出口センサD23は、第1検知部の一例である。供給出口センサD23は、供給出口側通路62b又は供給出口側通路62bに隣接した部分に設けられる。供給出口センサD23は、遊技球Kを検知した場合に、供給出口信号を出力する。供給出口信号は、遊技球Kが検知されるときにオン状態となり、検知されていないときにオフ状態となる。
【0074】
図7に示すように、発射部65は、遊技球の発射動作を可能に構成された発射ハンマー66と、発射ハンマー66を駆動する発射ソレノイド66aと、を備える。発射ソレノイド66aは、モータであってもよい。供給部61の供給出口側通路62bを流下した遊技球Kは、発射部65の打撃位置67に到達する。一例として、発射ハンマー66の発射動作は、打撃位置67にある遊技球を打撃することにより、遊技球を打出通路20cに向けて打ち出す動作である。図中において実線及び二点鎖線で示すように、発射ハンマー66が1回の発射動作を実行すると、打撃位置67にある1球の遊技球が打出通路20cへ打ち出される。矢印Y1に示すように、遊技球は、十分な発射強度がある場合に、打出通路20cを飛翔し、遊技領域20aへ到達し得る。矢印Y2,Y3に示すように、遊技球は、発射強度が不足する場合に、打出通路20cにおいて失速し、落下する。この場合、遊技球は、ファール球となって、ファール受入口30cからファール通路33へと流入する。遊技領域20aへ到達した遊技球は、遊技領域20aを流下する。
【0075】
図4に示すように、流通機構29は、メンテナンス部55を備える。
一例として、メンテナンス部55は、搭載枠11bに形成される。一例として、メンテナンス部55は、循環機構50に設けられている。メンテナンス部55は、メンテナンスの一例として、研磨部材と遊技球とを接触させることにより、遊技球を研磨できるように構成される。研磨部材は、環状のベルトであってもよく、巻取り式のベルトであってもよい。一例として、遊技球は、搬送入口センサD28によって検知された後であって、搬送部52によって搬送される前に、メンテナンス部55によって所定のメンテナンスが実施される。遊技球は、搬送部52によって搬送されながら、所定のメンテナンスが実施されてもよい。一例として、メンテナンス部55は、研磨部材と当該研磨部材を駆動するための機構とが一体化されたユニットとして構成されてもよい。この場合、メンテナンス部55は、ユニットとして交換可能となるように、搭載枠11bに対して組み付けられるとよい。
【0076】
流通機構29は、球抜き機構70を備える。
一例として、球抜き機構70は、搭載枠11bに形成される。球抜き機構70は、第1球抜き部71と、第2球抜き部72と、球抜き通路73と、を含んで構成される。
【0077】
第1球抜き部71は、流通通路37に続く球通路のうち、搬送入口センサD28によって遊技球が検知される部分と、搬送部52(メンテナンス部55)との間の部分(以下、第1接続部71aと示す)に形成されている。第1接続部71aには、その壁又は底を所定の方向へ貫通する球抜き孔71bが形成されている。球抜き孔71bは、遊技球の排出通路が第1接続部71aに開口する部分であってもよい。一例として、所定の方向は、後方であるが、これに限らず、前方であってもよく、下方であってもよい。
【0078】
第1球抜き部71は、球抜き孔71bを封止する封止位置と、球抜き孔71bを開放する開放位置とに変位可能な開閉片71cを有する。開閉片71cは、付勢機構(不図示)の付勢力により、封止位置に位置する。レバーなどの操作部(不図示)が操作されるなどして、開閉片71cが外力によって開放位置へ変位されると、球抜き孔71bが開放される。一例として、流通通路37に続く上記球通路は、第1接続部71aに向かって下るように傾斜する。よって、流通通路37に存在する遊技球は、球抜き孔71bが開放されている場合に、当該球抜き孔71bから機外へと排出され得る。
【0079】
図4~
図7に示すように、第2球抜き部72は、発射機構60に形成されている。
上述のように、遊技球は、可動片63aが供給動作をしていない場合に、当該可動片63aによって、供給入口側通路62aに塞き止められる。供給入口側通路62aのうち、塞き止められた遊技球の中で先頭の遊技球Kがある部分(以下、第2接続部72aと示す)には、球抜き通路73が接続されている。つまり、第2接続部72aには、球抜き通路73が球抜き孔72bとして開口している。球抜き孔72bは、第2接続部72aの壁又は底を所定の方向へ貫通する孔である。一例として、所定の方向は、下方であるが、これに限らず、前方であってもよく、後方であってもよい。
【0080】
第2球抜き部72は、球抜き孔72bを封止する封止位置と、球抜き孔72bを開放する開放位置とに変位可能な開閉片72cを有する。開閉片72cは、付勢機構(不図示)の付勢力により、封止位置に位置する。レバーなどの操作部(不図示)が操作されるなどして、開閉片72cが外力によって開放位置へ変位されると、球抜き孔72bが開放される。一例として、供給入口側通路62aは、切出し機構63(可動片63a)に向かって下るように傾斜する。よって、供給入口側通路62aに存在する遊技球は、球抜き孔72bから球抜き通路73へ流入する。
【0081】
球抜き通路73は、第1接続部71aに接続されている。球抜き通路73は、下方に向かって延びる通路、又は下方に向かって下るように傾斜する通路を組み合わせて構成される。よって、球抜き通路73へ流入した遊技球は、第1接続部71aへ流入する。遊技球は、球抜き孔71bが開放されている場合に、球抜き孔71bから機外へと排出され得る。これに限らず、球抜き機構70は、球抜き通路73を備えない構成であってもよい。この場合、球抜き孔72bは、第2接続部72aの壁又は底を所定の方向へ貫通するように形成されるとよい。一例として、所定の方向は、後方であるが、これに限らず、前方であってもよく、下方であってもよい。
【0082】
次に、大当り遊技について説明する。
大当り遊技では、最初に、予め定めた時間(以下、オープニング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の開始を認識可能なオープニング演出である。大当り遊技では、オープニング時間の経過後に、大入賞口23Cを開放するラウンド遊技が予め定めた上限回数を上限として行われる。1回のラウンド遊技は、予め定めた上限個数の遊技球が入球する個数条件、又は予め定めた上限時間が経過する時間条件の成立により終了される。ラウンド遊技において、大入賞口23Cは、所定の開放態様(開放パターン)で開放される。各ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。大当り遊技では、最終回のラウンド遊技が終了すると、予め定めた時間(以下、エンディング時間と示す)にわたって所定の演出が行われる。例えば、所定の演出は、大当り遊技の終了を認識可能なエンディング演出である。大当り遊技は、エンディング時間の経過に伴って終了される。
【0083】
遊技機10は、確率変動機能(以下、確変機能と示す)を搭載している。
確率変動機能は、特別図柄の当り抽選において大当りに当選する確率(以下、大当り確率と示す)を変動させるための機能である。つまり、遊技機10は、大当り確率が異なる状態として、確変機能が作動しない低確率状態と、確変機能が作動する高確率状態と、を備える。高確率状態は、低確率状態に比して大当り確率が高い。高確率状態では、大当り確率が低確率状態に比して高まることから、遊技者にとって極めて有利な状態となる。高確率状態は、所謂「確率変動状態(確変状態)」である。低確率状態は、所謂「非確率変動状態(非確変状態)」である。
【0084】
遊技機10は、入球補助機能を搭載している。
入球補助機能は、第2始動口23Bへの入球率を変動させるための機能である。つまり、遊技機10は、第2始動口23Bへの入球率が異なる状態として、入球補助機能が作動しない低入球率状態と、入球補助機能が作動する高入球率状態と、を備える。高入球率状態は、低入球率状態に比して、遊技球が第2始動口23Bへ入球する確率が高い。高入球率状態では、遊技球が第2始動口23Bへ入球する確率が高まり、第2始動口23Bへの遊技球の入球が容易になることから、遊技者にとって有利な状態となる。高入球率状態は、所謂「電サポ状態」である。低入球率状態は、所謂「非電サポ状態」である。
【0085】
例えば、高入球率状態は、次に説明する3つの制御のうち、任意に選択された1の制御を行うことにより、又は複数の制御を組み合わせて行うことにより実現できる。1つめの制御は、普通ゲームの変動時間を、低入球率状態のときよりも短くする普通図柄の変動時間短縮制御である。2つめの制御は、普通図柄の当り抽選において普通当りに当選する確率(以下、普通当り確率と示す)を、低入球率状態のときよりも高確率に変動させる普通図柄の確率変動制御である。3つめの制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口23Bの合計開放時間を、低入球率状態のときよりも長くする開放時間延長制御である。開放時間延長制御は、1回の普通当り遊技における第2始動口23Bの開放回数を低入球率状態のときよりも多くする制御、及び普通当り遊技における第2始動口23Bの1回の開放時間を低入球率状態のときよりも長くする制御のうち、少なくとも一方であるとよい。高入球率状態は、次に説明する4つめの制御を組み合わせて実現してもよい。4つめの制御は、特別ゲームの変動時間(例えば平均の変動時間)を、低入球率状態のときよりも短くする特別図柄の変動時間短縮制御である。特別図柄の変動時間短縮制御を行う場合、高入球率状態は、特別図柄の変動時間短縮状態(時短状態)となり、低入球率状態は、特別図柄の非変動時間短縮状態(非時短状態)となる。
【0086】
遊技状態は、確変機能の作動の有無と、入球補助機能の作動の有無と、の組み合わせによって規定される。以下の説明では、低確率状態かつ低入球率状態である遊技状態を「低確低入球率状態」と示し、高確率状態かつ低入球率状態である遊技状態を「高確低入球率状態」と示す。また、低確率状態かつ高入球率状態である遊技状態を「低確高入球率状態」と示し、高確率状態かつ高入球率状態である遊技状態を「高確高入球率状態」と示す。
【0087】
遊技機10の電気的構成について説明する。
図8に示すように、遊技機10は、複数の制御基板を備える。複数の制御基板は、遊技制御基板(主制御基板)80、演出制御基板(副制御基板)81、枠制御基板82、及び発射制御基板83を含む。遊技制御基板80は、所定の制御を実行可能な第1制御部の一例である。演出制御基板81は、所定の制御を実行可能な第2制御部の一例である。枠制御基板82は、所定の制御を実行可能な制御部の一例であって、第3制御部の一例である。複数の制御基板は、施錠装置を解錠して搭載枠11bを開放しなければアクセス、及び視認できない位置に設けられている。
【0088】
遊技制御基板80と、演出制御基板81とは、遊技制御基板80から演出制御基板81へ一方向に通信を行うことが可能に接続される。遊技制御基板80は、所定の制御を実行し、演出制御基板81へ制御情報を出力する。例えば、制御情報は、信号、コマンド、又は電文である。演出制御基板81は、遊技制御基板80から出力される制御情報を入力可能である。演出制御基板81は、遊技制御基板80から入力した制御情報に基づいて所定の制御を実行する。
【0089】
遊技制御基板80と、枠制御基板82とは、双方向に通信を行うことが可能に接続される。遊技制御基板80は、所定の制御を実行し、枠制御基板82へ制御情報を出力する。枠制御基板82は、所定の制御を実行し、遊技制御基板80へ制御情報を出力する。枠制御基板82と、発射制御基板83とは、双方向に通信を行うことが可能に接続される。枠制御基板82は、所定の制御を実行し、発射制御基板83へ制御情報を出力する。発射制御基板83は、枠制御基板82へ制御情報を出力する。
【0090】
遊技機10の枠制御基板82と、管理ユニット100のCU制御基板120とは、遊技機10に設けられた接続端子板98を介して、双方向に通信を行うことが可能に接続される。接続端子板98は、CU制御基板120に制御情報を出力(送信)できる外部出力部の一例である。枠制御基板82は、所定の制御を実行し、CU制御基板120へ制御情報を出力する。CU制御基板120は、所定の制御を実行し、枠制御基板82へ制御情報を出力する。
【0091】
遊技機10は、電源ユニット99を機裏側に備える。電源ユニット99は、機外部から電力供給を受けるとともに入力電圧を所定電圧に変換し、演出制御基板81及び枠制御基板82に対して供給する。枠制御基板82に供給された電力は、さらに遊技制御基板80及び発射制御基板83に対して供給される。電源ユニット99は、供給ソレノイド63b、発射ソレノイド66a、各種のセンサ、及びスイッチに対して電力を供給する。電源ユニット99は、メインスイッチ99aを備える。遊技機10は、メインスイッチ99aをオン状態としたまま電源ユニット99に対して電力供給を開始するか、電力供給をした状態のままメインスイッチ99aをオン状態とすることにより、電源投入が可能に構成される。
【0092】
遊技制御基板80について詳しく説明する。
図9に示すように、遊技制御基板80は、CPU80aと、ROM80bと、RAM80cと、乱数生成回路80dと、を備える。CPU80aは、主制御プログラムを実行することにより、主に、遊技の進行に関する制御を実行する。CPU80aは、複数のレジスタを有する。レジスタは、データを一時的に保持可能な記憶装置である。一例として、複数のレジスタには、Aレジスタと、Bレジスタと、Cレジスタと、Dレジスタと、Hレジスタと、Lレジスタと、がある。各レジスタは、それぞれ1バイト(byte)の記憶装置である。
【0093】
ROM80bは、主制御プログラム、各種の判定や抽選に用いる判定値、及びテーブルなどを記憶している。一例として、抽選に用いる判定値には、後述する大当り抽選に用いる大当り判定値がある。ROM80bは、複数種類の変動パターンを記憶している。変動パターンは、特別ゲームが開始してから終了するまでの変動時間を特定可能な情報である。変動パターンは、特別ゲームの実行中に行う演出ゲームの変動内容(演出内容)を特定可能な情報である。変動パターンには、大当り変動パターンと、はずれ変動パターンと、がある。大当り変動パターンに基づく演出ゲームは、リーチ演出を経て最終的に大当りの図柄組合せが確定停止表示される変動内容となる。はずれ変動パターンに基づく演出ゲームは、リーチ演出を経て、又はリーチ演出を経ないで最終的に非大当りの図柄組合せが確定停止表示される変動内容となる。
【0094】
RAM80cは、CPU80aの処理結果に応じて書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RAM80cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。乱数生成回路80dは、ハードウェア乱数を生成する。遊技制御基板80は、CPU80aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成されてもよい。
【0095】
遊技制御基板80は、第1始動センサD11、第2始動センサD12、カウントセンサD13、普通センサD14、及びゲートセンサD15と通信線により接続される。CPU80aは、各センサD11~D15が遊技球を検知して出力する各検知信号を入力可能である。遊技制御基板80は、これら各センサに繋がる通信線を、遊技制御基板80に接続するコネクタ(不図示)を備える。各センサは、遊技制御基板80と通信線で接続されることにより通電する。各センサは、遊技制御基板80と通信線で接続されていないと通電しない。CPU80aは、各センサが通電しているか否かを検知することが可能である。これにより、CPU80aは、遊技制御基板80と各センサとを接続する通信線が断線しているか否かを特定可能である。遊技制御基板80は、各表示部21a~21fと接続される。CPU80aは、各表示部21a~21fの表示内容を制御可能である。遊技制御基板80は、各ソレノイドSL1,SL2と接続される。CPU80aは、各ソレノイドSL1,SL2の動作を制御することにより、第2始動口23B、及び大入賞口23Cの開放態様を制御可能である。
【0096】
演出制御基板81について詳しく説明する。
演出制御基板81は、CPU81aと、ROM81bと、RAM81cと、を備える。CPU81aは、副制御プログラムを実行することにより、演出に関する処理を行う。ROM81bは、副制御プログラム、各種の判定や抽選に用いる判定値、及びテーブルなどを記憶している。ROM81bは、音声演出に用いる音声演出データ、発光演出に用いる発光演出データ、及び表示演出に用いる表示演出データを記憶している。また、ROM81bは、音声報知に用いる音声報知データ、発光報知に用いる発光報知データ、及び表示報知に用いる表示報知データを記憶している。RAM81cは、遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RAM81cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。演出制御基板81は、CPU81aによる乱数生成処理によって、ソフトウェア乱数を生成可能に構成される。演出制御基板81は、乱数生成回路を備え、ハードウェア乱数を生成可能であってもよい。
【0097】
演出制御基板81は、演出音声部12と接続される。CPU81aは、演出音声部12の出力内容を制御可能である。演出制御基板81は、演出発光部14と接続される。CPU81aは、演出発光部14の発光態様を制御可能である。演出制御基板81は、演出表示部19と接続される。CPU81aは、演出表示部19の表示内容を制御可能である。
【0098】
枠制御基板82について詳しく説明する。
図8に示すように、枠制御基板82は、CPU82a、ROM82b、RAM82c、性能表示モニタ82d、球抜きスイッチ82e、エラー解除スイッチ82f、遊技球クリアスイッチ82g、RAMクリアスイッチ82h、バックアップ電源82j、バックアップ回路82k、及び発射許可回路82mを備える。CPU82aは、枠制御プログラムを実行することにより、主に、搭載枠11bの搭載部品の動作に関する処理を行う。CPU82aは、複数のレジスタを有する。ROM82bは、枠制御プログラムなどを記憶している。RAM82cは、遊技機10の動作中に書き換えられる様々な情報を記憶する。例えば、RAM82cが記憶する情報は、フラグ、カウンタ、及びタイマなどである。
【0099】
性能表示モニタ82dは、一例として、複数(例えば6個)の7セグを並べた構成とされており、複数(例えば6桁)の数字を表示可能である。性能表示モニタ82dは、所定の文字及び数字を表示する態様で、所定の報知を実行可能な報知部の一例であって、第1報知部の一例である。一例として、性能表示モニタ82dは、ベース値を表示する。ベース値は、通常遊技時における有効球の総数に対する通常遊技時における賞球の総数(獲得賞球総数)の割合(比率)を示す値である。通常遊技は、低確低入球率状態であって、かつ大当り遊技が行われていないときの遊技である。ベース値は、「通常遊技時における獲得賞球総数÷通常遊技時における有効球総数×100」の計算式によって求められる。性能表示モニタ82dは、遊技球の性能(一例としてベース)に関する情報を表示可能な手段の一例である。
【0100】
球抜きスイッチ82eは、遊技機10の機内部にある遊技球を機外に排出可能となる状態(以下、球抜き状態と示す)を生起させるために操作される手段の一例である。球抜き状態は、流通機構29から遊技球を排出することが可能となる状態である。球抜きスイッチ82eは、押込み操作がされると球抜き信号を出力する。球抜き信号は、球抜きスイッチ82eの押込み操作がされるとオン状態となり、押込み操作がされていないとオフ状態となる。球抜き信号は、CPU82aに出力される。
【0101】
エラー解除スイッチ82fは、所定のエラーが設定された場合に、エラーの設定を解除する操作が可能な手段の一例である。エラーの設定は、当該エラーが検知された場合に行われる。エラー解除スイッチ82fは、押込み操作がされるとエラー解除信号を出力する。エラー解除信号は、エラー解除スイッチ82fの押込み操作がされるとオン状態となり、押込み操作がされていないとオフ状態となる。エラー解除信号は、CPU82aに出力される。エラー解除信号は、CPU80aに出力されてもよい。
【0102】
遊技球クリアスイッチ82gは、RAM82cにデータとして記憶された第2管理球数を0に初期化する操作が可能な操作部の一例である。遊技球クリアスイッチ82gは、押込み操作がされると遊技球クリア信号を出力する。押込み操作がされることは、所定の態様で操作されることの一例である。遊技球クリア信号は、遊技球クリアスイッチ82gの押込み操作がされるとオン状態となり、押込み操作がされていないとオフ状態となる。遊技球クリア信号は、CPU82aに出力される。
【0103】
RAMクリアスイッチ82hは、RAM80cに記憶される情報、及びRAM82cに記憶される情報の初期化(以下、RAMクリアと示す)を行うときに操作される手段の一例である。RAMクリアスイッチ82hは、押込み操作がされるとRAMクリア信号を出力する。RAMクリア信号は、RAMクリアスイッチ82hの押込み操作がされるとオン状態となり、押込み操作がされていないとオフ状態となる。RAMクリア信号は、CPU82aに出力されるとともに、遊技制御基板80(CPU80a)に出力される。
【0104】
バックアップ電源82jは、外部からの電力供給が遮断された状態であっても、RAM82cのほか、遊技制御基板80(RAM80c)に対してバックアップ電力を供給する。以下の説明では、外部からの電力供給が遮断されることを電源断と示す場合がある。RAM80c,82cは、バックアップ電源82jからバックアップ電力の供給を受けることにより、電源断時におけるRAM80c,82cの記憶内容を電源断後にも保持可能である。つまり、遊技機10は、バックアップ機能を搭載する。これに限らず、RAM80c,82cの一方又は両方は、電力供給が停止された状態であっても記憶内容を保持可能な不揮発性メモリであることにより、電源断後にも情報を保持可能であってもよい。
【0105】
一例として、バックアップ電源82jは、外部からの電力供給によって蓄電する蓄電装置である。バックアップ電源82jは、外部からの電力供給が遮断された状態であっても、少なくとも発射制御基板83(発射制御回路83a)及び発射ソレノイド66aが所定の動作を完了するのに要する所定の時間(以下、供給時間と示す)が経過する迄の間、これらに対してバックアップ電力を供給する。なお、供給時間は、発射制御基板83及び発射ソレノイド66aに供給するために蓄電した電力容量に関連し、当該電力の放出に要する時間であってもよく、所定の回路によって規定される時間であってもよい。
【0106】
発射制御基板83(発射制御回路83a)及び発射ソレノイド66aは、バックアップ電源82jからバックアップ電力の供給を受けることにより、外部からの電力供給が遮断された後にも所定の動作を実行することができる。発射部65は、通常の発射動作(発射シーケンス)が行われている期間、及び特別な発射動作(空打ちシーケンス)が行われている期間のうち少なくとも一方において、外部からの電力供給が遮断された場合であっても、外部からの電力供給が遮断された後にn回の発射動作を可能に構成される。一例として、n=1であるが、これに限らず、n=2でもよく、n≧3であってもよい。
【0107】
RAM80cに記憶される情報は、全てバックアップの対象となる。一例として、RAM80cに記憶可能であり、かつバックアップの対象となる情報には、メイン情報がある。メイン情報は、遊技の進行に関する情報である。一例として、メイン情報には、大当り状態(ラウンド遊技の回数を含む)に関する情報、遊技状態に関する情報、賞球に関する情報、保留数に関する情報、普通図柄に関する情報、特別図柄に関する情報、及びエラーに関する情報がある。
【0108】
RAM82cに記憶される情報は、全てバックアップの対象となる。一例として、RAM82cに記憶可能であり、かつバックアップの対象となる情報には、第2管理球数と、遊技情報と、性能情報と、がある。遊技情報は、遊技の進行状況に応じて遊技制御基板80から通知される情報である。一例として、遊技情報には、始動口入賞の発生、普通入賞の発生、大入賞口入賞の発生、ゲートの通過、特別図柄の確定(特別ゲームの終了)、大当りの発生、現在の遊技状態、及びエラーの発生などを特定可能な情報がある。性能情報は、ベース値、及び当該ベース値の演算に係る情報である。ベース値の演算に係る情報には、通常遊技時における獲得賞球総数、及び通常遊技時における有効球総数がある。
【0109】
バックアップ回路82kは、電源ユニット99から供給される電源電圧が規定電圧よりも低下すると電源断検出信号をCPU82aに出力するとともに、遊技制御基板80のCPU80aに出力する。発射許可回路82mは、発射制御基板83に対し、遊技球の発射を許容する発射許可状態にあることを特定可能な信号(以下、発射許可信号と示す)を出力可能である。つまり、発射許可信号は、発射許可状態であるときにオン状態となり、遊技球の発射を禁止する発射禁止状態であるときにオフ状態となる。
【0110】
発射許可回路82mは、CPU82aが出力する発射停止信号を入力可能に構成される。CPU82aは、第2管理球数が0であるときに発射停止信号を出力する。CPU82aは、第2管理球数が1以上であるときに発射停止信号を出力しない。つまり、発射停止信号は、第2管理球数が0であるときにオン状態となり、第2管理球数が1以上であるときにオフ状態となる。発射許可回路82mは、遊技制御基板80(CPU80a)が出力する発射停止信号を入力可能に構成される。CPU80aが出力する発射停止信号については、後述する。
【0111】
発射許可回路82mは、CPU82aから発射停止信号を入力している場合、発射許可信号を出力しない。発射許可回路82mは、CPU80aから発射停止信号を入力している場合、発射許可信号を出力しない。発射許可回路82mは、CPU82aから発射停止信号を入力しておらず、かつCPU80aから発射停止信号を入力していない場合、発射許可信号を出力する。つまり、発射許可信号は、CPU82aの発射停止信号及びCPU80aの発射停止信号が何れもオフ状態であるときにオン状態となる。
【0112】
枠制御基板82は、計数操作部18と接続される。CPU82aは、計数操作部18が出力する計数信号を入力可能に構成される。CPU82aは、入力した計数信号に応じて、計数操作部18の操作態様が「単押し操作」及び「長押し操作」の何れであるか特定可能である。枠制御基板82は、電波センサD16、第1扉開放スイッチD17、第2扉開放スイッチD18、ファールセンサD21、供給入口センサD22、供給出口センサD23、入賞通路カウントセンサD25、非入賞通路カウントセンサD26、及び球詰り監視センサD27と通信線により接続される。また、枠制御基板82は、搬送入口センサD28、搬送出口センサD29、及びアウトセンサD30と通信線により接続される。CPU82aは、これらのセンサ及びスイッチが出力する電波検知信号、第1扉開放信号、第2扉開放信号、ファール信号、供給入口信号、供給出口信号、入賞通路信号、非入賞通路信号、球詰り検知信号、搬送入口信号、搬送出口信号、及びアウト信号を入力可能に構成される。枠制御基板82は、これらのセンサ及びスイッチに繋がる通信線を、枠制御基板82に接続するコネクタ(不図示)を備える。各センサ及び各スイッチは、枠制御基板82と通信線で接続されることにより通電する。各センサ及び各スイッチは、枠制御基板82と通信線で接続されていないと通電しない。CPU82aは、各センサ及び各スイッチが通電しているか否かを検知することが可能である。これにより、CPU82aは、枠制御基板82と各センサ及び各スイッチとを接続する通信線が断線しているか否かを特定可能である。枠制御基板82は、第1扉開放信号及び第2扉開放信号を遊技制御基板80に出力する。
【0113】
枠制御基板82は、報知音声部13と接続される。CPU82aは、報知音声部13の出力内容を制御可能である。枠制御基板82は、第2球数表示部17と接続される。CPU82aは、第2球数表示部17の表示内容を制御可能に構成される。枠制御基板82は、メンテナンス部55と接続される。CPU82aは、メンテナンス部55のメンテナンス動作を制御可能に構成される。枠制御基板82は、搬送部52(搬送モータ52a)と接続される。CPU82aは、搬送部52による搬送動作を制御可能に構成される。枠制御基板82は、供給ソレノイド63bと接続される。CPU82aは、供給ソレノイド63bに対する通電を制御することにより、可動片63aを変位させることができる。CPU82aは、供給部61による遊技球の供給動作を制御可能に構成される。
【0114】
枠制御基板82は、管理ユニット100と接続される。CPU82aは、CU制御基板120が出力する各種の電文を入力可能に構成される。なお、管理ユニット100が出力する接続信号は、接続端子板98からCPU82aを経由せずに発射許可回路82mへと入力される。
【0115】
発射制御基板83は、発射部65の動作を制御するための発射制御回路83aを備える。発射制御回路83aは、枠制御基板82から入力する制御信号、センサやスイッチから入力する信号に基づき、発射ソレノイド66aに対して駆動信号を出力する。
【0116】
発射制御基板83は、タッチセンサD01、発射停止スイッチD02、及びハンドルボリュームD03と接続される。発射制御回路83aは、これらのスイッチやセンサが出力するタッチ信号、ストップ信号、及びボリューム信号を入力可能に構成される。発射制御基板83は、発射ソレノイド66aと接続される。発射制御回路83aが発射ソレノイド66aに対して駆動信号を出力することにより、発射ソレノイド66aが駆動し、発射ハンマー66が遊技球を打撃する。つまり、発射制御基板83は、発射部65による遊技球の発射動作を制御可能に構成される。
【0117】
発射制御回路83aは、動作判定部、パルスクロック生成部、タイミングパルス生成部、保持回路、及びソレノイド駆動部を有する。動作判定部は、枠制御基板82からの発射許可信号がオン状態であり、発射停止スイッチD02からのストップ信号がオフ状態であり、かつタッチセンサD01からのタッチ信号がオン状態であることで動作可能条件が成立している場合、動作信号をタイミングパルス生成部に出力する。動作判定部は、枠制御基板82からの発射許可信号がオン状態であること、発射停止スイッチD02からのストップ信号がオフ状態であること、かつタッチセンサD01からのタッチ信号がオン状態であることの一部又は全部が満たされていないことにより動作可能条件が成立していない場合、動作信号をタイミングパルス生成部に出力しない。
【0118】
タイミングパルス生成部は、動作信号を入力している場合、当該動作信号とパルスクロック生成部から入力するパルス信号とを合成し、発射タイミングパルスをソレノイド駆動部に出力する。ソレノイド駆動部は、発射タイミングパルスを入力する毎に、ハンドルボリュームD03から入力するボリューム信号(電圧)に応じた電圧の駆動電流を発射ソレノイド66aへ供給(出力)する。これにより、発射ソレノイド66aは、ハンドルレバー15aの回動操作量に応じた強度で駆動し、遊技球が発射される。発射制御回路83aは、所定のタイミングで減算基準信号を枠制御基板82へ出力する。保持回路は、動作可能条件が成立しているときに駆動電流が出力される場合、その時点におけるボリューム信号の電圧(電圧値)を保持する。発射制御回路83a(ソレノイド駆動部)は、後述する空打ちシーケンスにおいて、ボリューム信号の電圧値ではなく、保持回路に保持(記憶)された電圧値に応じた電圧の駆動電流を発射ソレノイド66aへ供給する。
【0119】
枠制御基板82(CPU82a)が実行する処理について説明する。
枠側電源断処理について説明する。
CPU82aは、バックアップ回路82kが出力する電源断検出信号を入力すると、電源断処理を実行する。枠側電源断処理において、CPU82aは、RAM82cのチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値をRAM82cに記憶させる。また、CPU82aは、電源断処理が正常に実行されたことを特定可能な情報(以下、バックアップフラグと示す)をRAM82cに記憶させる。その後、CPU82aは、完全に電源断がされるまで待機する。電源断のときにRAM82cに記憶される各種情報は、前述したバックアップ機能によって電源断後にも保持される。
【0120】
枠側電源投入処理について説明する。
CPU82aは、電源投入に伴って、枠制御基板82への供給電圧がCPU82aの動作に必要な電圧に達して起動すると、枠側球抜き処理を実行する。枠側球抜き処理において、CPU82aは、球抜き状態へ移行するための条件(以下、球抜き移行条件と示す)が成立しているか否かを判定する。
【0121】
一例として、CPU82aは、RAM82cに記憶されている第2管理球数が0であるか否かを特定する。一例として、CPU82aは、操作有効期間が経過する迄の間に、球抜き信号がオン状態となっているか否かに基づき、球抜きスイッチ82eが操作されているか否かを特定する。CPU82aは、電源投入に伴って起動すると、所定期間にわたって操作有効期間を設定する。つまり、操作有効期間は、電源投入後の所定期間にわたって設定され得る。操作有効期間は、40msなどのように、実質的に、球抜きスイッチ82eを操作しながら電源投入することを要求する長さであってもよい。これに限らず、操作有効期間は、5000msなどのように、電源投入後に管理者等が球抜きスイッチ82eを操作し得る長さであってもよい。操作有効期間は、タイマ処理等によって計測される期間として設定されることに限定されず、単に電源投入から予め定めた判定タイミングまでの期間として定められてもよい。
【0122】
CPU82aは、第2管理球数が0であり、かつ、球抜きスイッチ82eが操作されている場合に、球抜き移行条件が成立したと判定する。球抜き移行条件には、遊技機10の機内部にある遊技球数を含まない。つまり、球抜き状態は、機内部にある遊技球が0又は所定数未満であっても移行可能である。CPU82aは、第2管理球数が0ではない場合、又は、球抜きスイッチ82eが操作されていない場合に、球抜き移行条件が成立していないと判定する。CPU82aは、球抜き移行条件が成立していない場合に、球抜き状態を設定せず、枠側球抜き処理を終了する。
【0123】
一方、球抜き移行条件が成立している場合に、CPU82aは、球抜き状態であることを特定可能な情報をRAM82cに記憶させる。つまり、CPU82aは、球抜き状態を設定する。このように、球抜き状態は、予め定めた操作有効期間中に、球抜きスイッチ82eが操作されると移行可能である。球抜き状態は、電力供給を遮断しなければ解除できない。球抜き状態へ移行した場合に、CPU82aは、球抜き状態への移行を示す制御情報(以下、球抜き開始コマンドと示す)を遊技制御基板80へ出力する。なお、遊技制御基板80(CPU80a)は、球抜き開始コマンドを演出制御基板81へ出力する。
【0124】
球抜き状態中、CPU82aは、第1搬送処理を実行する。第1搬送処理は、球抜き状態中に、搬送部52による搬送動作を制御するための処理である。ここで、第1搬送処理について、詳細に説明する。
【0125】
図10に示すように、第1搬送処理において、CPU82aは、搬送入口センサD28から出力される搬送入口信号の状態、及び搬送出口センサD29から出力され得る搬送出口信号の状態をそれぞれ監視する。CPU82aは、搬送入口信号の状態、及び搬送出口信号の状態に応じて、搬送部52が有する搬送モータ52aの動作を制御する。
【0126】
一例として、CPU82aは、搬送入口信号及び搬送出口信号が何れもオフ状態である状況において、搬送動作が行われるように搬送モータ52aを作動させる。以下の説明において、単に「搬送モータ52aを作動させる」と示す場合、搬送動作が行われるように搬送モータ52aを作動させることを意味する。例えば、時点T1において、CPU82aは、搬送入口信号及び搬送出口信号が何れもオフ状態である状況から、搬送入口信号がオン状態であり、かつ搬送出口信号がオフ状態である状況に変化した場合に、待機時間を設けずに搬送モータ52aを作動させてもよい。
【0127】
時点T2において、搬送モータ52aが作動中であり、搬送入口信号がオン状態であり、かつ、搬送出口信号がオフ状態である状況から、搬送入口信号がオン状態であり、かつ、搬送出口信号がオン状態である状況に変化したとする。この場合、CPU82aは、時点T3において、搬送出口信号のオン状態が待機時間t1(一例として120ms)にわたって維持されると、搬送モータ52aを停止させる。時点T4において、搬送モータ52aが停止中であり、搬送入口信号及び搬送出口信号が何れもオン状態である状況から、搬送入口信号がオフ状態であり、かつ搬送出口信号がオン状態である状況に変化したとする。この場合、CPU82aは、搬送モータ52aを停止させたままとする。時点T5において、搬送モータ52aを停止中であり、搬送入口信号がオフ状態であり、かつ搬送出口信号がオン状態である状況から、搬送入口信号及び搬送出口信号が何れもオン状態である状況に変化したとする。この場合、CPU82aは、搬送モータ52aを停止させたままとする。
【0128】
時点T6において、搬送モータ52aを停止中であり、搬送入口信号及び搬送出口信号が何れもオン状態である状況から、搬送入口信号がオン状態であり、かつ搬送出口信号がオフ状態である状況に変化したとする。この場合、CPU82aは、時点T7において、搬送出口信号のオフ状態が待機時間t2(一例として30ms)にわたって維持されると、搬送モータ52aを作動させる。なお、CPU82aは、搬送出口信号がオフ状態となってから待機時間t2が経過する前に、搬送入口信号がオン状態となってから待機時間t3(一例として200ms)が経過していない場合、当該待機時間が経過してから、搬送モータ52aを作動させる。
【0129】
時点T8において、搬送モータ52aを作動中であり、搬送入口信号がオン状態であり、かつ搬送出口信号がオフ状態である状況から、搬送入口信号及び搬送出口信号が何れもオフ状態である状況に変化したとする。この場合、CPU82aは、時点T9において、搬送入口信号及び搬送出口信号のオフ状態が待機時間t4(一例として3000ms)にわたって維持されると、搬送モータ52aを停止させる。つまり、CPU82aは、遊技領域20aから回収された遊技球を搬送入口センサD28が検知しないまま規定時間が経過した場合に、搬送モータ52aを停止させるといえる。
【0130】
時点T9において、CPU82aは、球抜きの完了を示す制御情報(以下、球抜き完了コマンドと示す)を遊技制御基板80に出力する。なお、遊技制御基板80(CPU80a)は、球抜き完了コマンドを演出制御基板81へ出力する。CPU82aは、遊技領域20aから回収された遊技球を搬送入口センサD28が検知しなくなったこと、又は、搬送モータ52aが停止したことに基づいて、球抜きが完了したと特定する。
【0131】
一例として、待機時間t1~t4は、t2<t1<t3<t4の順に長い。これに限らず、待機時間t1~t4は、上述の具体例とは異なる時間を設定してもよく、その長短関係を変更してもよい。
【0132】
球抜き状態において、CPU82aは、後述する各種のエラーのうち一部のエラーを検知するための処理を実行しない。つまり、球抜き状態では、各種のセンサが無効化される。
【0133】
CPU82aは、電源投入に伴って起動すると、通信チェック処理を実行する。通信チェック処理は、枠側球抜き処理と並行して実行され、枠側電源断処理が実行されるまで実行される。
【0134】
通信チェック処理において、CPU82aは、遊技制御基板80から起動時情報を入力したか否かを判定する。一例として、起動時情報は、遊技機設置情報である。一例として、遊技機設置情報は、遊技機の種類、CPU80aのID番号、及びCPU80aの製造者などを特定可能な情報である。CPU82aは、起動時情報を正常に入力すると、応答情報を遊技制御基板80に出力する。そして、CPU82aは、起動時情報を入力したことを特定可能な情報(以下、起動時入力フラグと示す)をRAM82cに記憶させる。
【0135】
CPU82aは、電源投入によって起動してから所定の時間(一例として3分)が経過するまでの間に起動時情報を入力しない場合、管理遊技機内通信エラーが設定されていることを特定可能なフラグをRAM82cに記憶させる。
【0136】
以下の説明において、CPU82aが行う処理におけるエラーについて「設定する」と示す場合、そのエラーを特定可能な情報(フラグ)をRAM82cに記憶させることを意味する。CPU82aが行う処理におけるエラーについて「設定を解除する」と示す場合、そのエラーを特定可能な情報をRAM82cから消去させることを意味する。詳しくは、後述するが、CPU82aは、エラーの検知条件が成立した場合、RAM82cにおける所定の番地(アドレス)のデータを更新することにより、エラーを設定する。同様に、CPU82aは、エラーの解除条件が成立した場合、RAM82cにおける所定の番地(アドレス)のデータを更新することにより、エラーの設定を解除する。
【0137】
その後、CPU82aは、起動時情報を入力するまで待機する。CPU82aは、管理遊技機内通信エラーを設定中、遊技制御基板80から起動時情報を正常に入力すると、管理遊技機内通信エラーの設定を解除し、起動時入力フラグをRAM82cに記憶させる。CPU82aは、起動時情報を入力した後、一定の周期(一例として108ms)毎に、遊技制御基板80から遊技情報を入力可能である。CPU82aは、遊技情報を入力すると、応答情報を遊技制御基板80に出力する。CPU82aは、遊技情報の入力と応答情報の出力が複数回(一例として3回)にわたって成功しなかったとき管理遊技機内通信エラーを設定してもよい。このように、枠制御基板82は、遊技制御基板80との通信に異常があることを管理遊技機内通信エラーとして検知可能である。
【0138】
CPU82aは、球抜き状態を設定せずに枠側球抜き処理を終了し、かつ、RAM82cに起動時入力フラグが記憶されている場合に、バックアップされている情報が正常であるか否かを判定する。ここで、CPU82aは、枠側球抜き処理を終了しても、起動時入力フラグが記憶されていない場合には、起動時入力フラグが記憶されるまで待機する。CPU82aは、RAM82cにバックアップフラグが記憶されているか否かを判定する。また、CPU82aは、RAM82cのチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値と、枠側電源断処理において算出したチェックサム値とが一致するか否かを判定する。CPU82aは、バックアップフラグが記憶されており、かつチェックサム値が一致する場合に正常と判定する一方、そうではない場合に異常と判定する。バックアップされている情報が異常と判定した場合、CPU82aは、RAM82cに記憶された第2管理球数及び遊技情報を初期化する。このとき、CPU82aは、性能情報を初期化しない。その後、CPU82aは、初期化又はバックアップされた第2管理球数、遊技情報、及び性能情報に基づいて復帰し、後述する枠側通常処理を実行する。
【0139】
一方、バックアップされている情報が正常と判定した場合、CPU82aは、遊技球クリア信号がオン状態であるか否かに基づき、遊技球クリアスイッチ82gが操作されているか否かを判定する。CPU82aは、遊技球クリアスイッチ82gが操作されているとき、RAM82cに記憶された第2管理球数を初期化する。このとき、CPU82aは、遊技情報及び性能情報を初期化しない。CPU82aは、遊技球クリアスイッチ82gが操作されていないとき、第2管理球数を初期化しない。
【0140】
CPU82aは、RAMクリア信号がオン状態であるか否かに基づき、RAMクリアスイッチ82hが操作されたか否かを判定する。CPU82aは、RAMクリアスイッチ82hが操作されているとき、RAM82cに記憶される遊技情報を初期化する。このとき、CPU82aは、第2管理球数及び性能情報を初期化しない。CPU82aは、RAMクリアスイッチ82hが操作されていないとき、遊技情報を初期化しない。つまり、性能情報は、遊技球クリアスイッチ82gの操作に応じて第2管理球数が初期化される状況、及びRAMクリアスイッチ82hの操作に応じて遊技情報が初期化される状況の何れであっても初期化されない。その後、CPU82aは、初期化又はバックアップされた第2管理球数、遊技情報、及び性能情報に基づいて復帰し、後述する枠側通常処理を実行する。
【0141】
枠制御基板82の枠側通常処理について説明する。
枠側通常処理のうち遊技情報記憶処理について説明する。
遊技情報生成処理は、遊技制御基板80から入力する遊技情報をRAM82cに記憶する処理である。CPU82aは、遊技状態を特定可能な遊技情報を入力すると、当該遊技情報をRAM82cに記憶させる。一例として、CPU82aは、RAM82cに記憶された遊技情報を参照することにより、大当り遊技中であるか否か、高確率状態であるか否か、及び高入球率状態であるか否かを特定可能である。その他、CPU82aは、各種の遊技情報を入力すると、入力した遊技情報を特定可能な情報を生成し、RAM82cに記憶させる。
【0142】
枠側通常処理のうち第2搬送処理について説明する。
第2搬送処理は、球抜き状態中以外において、搬送部52による搬送動作を制御するための処理である。第2搬送処理は、上述した第1搬送処理と同様の内容の処理である。
【0143】
図10に示すように、CPU82aは、時点T2において、搬送入口信号がオン状態であり、かつ、搬送出口信号がオン状態となった場合、当該状態が待機時間t1にわたって維持されると、搬送モータ52aを停止させる。CPU82aは、時点T6において、搬送入口信号がオン状態であり、かつ、搬送出口信号がオフ状態となった場合、当該状態が待機時間t2にわたって維持されると、搬送モータ52aを作動させる。CPU82aは、時点T8において、搬送入口信号がオフ状態であり、かつ、搬送出口信号がオフ状態となった場合、当該状態が待機時間t4にわたって維持されると、搬送モータ52aを停止させる。また、CPU82aは、搬送モータ52aの作動中、搬送入口信号がオフ状態であり、かつ、搬送出口信号がオン状態となった場合、当該状態が所定の待機時間にわたって維持されると、搬送モータ52aを停止させる。一例として、前記所定の待機時間は、待機時間t4よりも短い。
【0144】
以上のように、CPU82aは、搬送入口信号がオン状態であり、かつ搬送出口信号がオフ状態である状況に変化したことを搬送条件として、搬送モータ52aを作動させる。搬送条件は、搬送入口センサD28が遊技球を検知することを含む。搬送条件は、搬送出口センサD29が遊技球を検知しないことを含む。CPU82aは、予め定めた搬送条件の成立に応じて、発射部65に遊技球を搬送するように、搬送部52を制御する。
【0145】
枠側通常処理のうち性能情報生成処理について説明する。
性能情報生成処理は、性能情報としてベース値を演算する処理である。CPU82aは、遊技情報を参照し、大当り遊技中ではなく、かつ現在の遊技状態が低確低入球率状態であるか否か(つまり通常遊技時であるか否か)を判定する。通常遊技時である場合、CPU82aは、始動口入賞の発生を特定可能な遊技情報(以下、始動口入賞情報と示す)、又は普通入賞の発生を特定可能な遊技情報(以下、普通入賞情報と示す)を入力すると、通常遊技時における獲得賞球総数を加算する。獲得賞球総数は、性能情報の1つとしてRAM82cに記憶される。CPU82aは、入賞通路信号又は非入賞通路信号を入力すると、通常遊技時における有効球総数を加算する。有効球総数は、性能情報の1つとしてRAM82cに記憶される。CPU82aは、「通常遊技時における獲得賞球総数÷通常遊技時における有効球総数×100」の計算式によって、ベース値を演算する。CPU82aは、1分間毎に区切って獲得賞球総数及び有効球総数を計数し、ベース値の演算を1分毎に行ってもよい。CPU82aは、有効球総数が所定数になる毎に区切って獲得賞球総数を計数し、ベース値の演算を有効球総数が所定数になる毎に行ってもよい。一例として、所定数は、60000球であってもよく、発射部65によって1分当りに発射可能な最大個数(例えば100球)であってもよい。CPU82aは、演算したベース値を特定可能な情報を表示するように、性能表示モニタ82dを制御する。
【0146】
CPU82aは、性能情報として役物比率及び連続役物比率を演算し、性能表示モニタ82dにおいて表示可能に構成されてもよい。役物比率は、全遊技状態を通した獲得賞球総数に占める、電動役物作動による獲得賞球総数の割合である。電動役物作動による獲得賞球総数とは、普通当り遊技(普通電動役物作動)による第2始動口23Bへの入賞に伴う獲得賞球総数、及び大当り遊技(特別電動役物作動)による大入賞口23Cへの入賞に伴う獲得賞球総数の和である。連続役物比率は、全遊技状態を通した獲得賞球総数に占める、連続役物作動による獲得賞球総数の割合である。連続役物作動による獲得賞球総数とは、大当り遊技による大入賞口23Cへの入賞に伴う獲得賞球総数である。
【0147】
枠側通常処理のうち第2管理球数情報生成処理について説明する。
第2管理球数情報生成処理は、第2管理球数を生成(管理)するための処理である。CPU82aは、遊技制御基板80から獲得賞球数情報を入力すると、当該獲得賞球数情報に応じて賞球を付与する。具体的に、CPU82aは、遊技制御基板80から獲得賞球数情報を入力すると、当該獲得賞球数情報から特定可能な獲得球数を第2管理球数に加算する。後述するが、獲得賞球数情報は、所定の入賞口への入賞に伴い、賞球の付与条件が成立すると遊技制御基板80が出力する制御情報であって、当該入賞口に設定された賞球数を特定可能に構成される。
【0148】
一例として、第1始動口23Aに設定された賞球数は、「4」に定められている。一例として、第2始動口23Bに設定された賞球数は、「4」に定められている。一例として、大入賞口23Cに設定された賞球数は、「15」に定められている。一例として、普通入賞口23Dに設定された賞球数は、「8」に定められている。これに限らず、第1始動口23A、第2始動口23B、大入賞口23C、及び普通入賞口23Dに設定された賞球数は、それぞれ適宜変更してもよい。例えば、第2始動口23Bに設定された賞球数は、「1」に定められていてもよい。
【0149】
このように、遊技機10は、第1始動口23A、第2始動口23B、大入賞口23C、及び普通入賞口23Dへの入賞に伴い、入賞した入賞口に設定された賞球数が付与されるように構成される。つまり、遊技機10では、第1始動センサD11、第2始動センサD12、カウントセンサD13、及び普通センサD14による検知に伴い、賞球が付与される。以上のように、CPU82aは、第1始動センサD11、第2始動センサD12、カウントセンサD13、及び普通センサD14による検知に応じて第2管理球数を増加させる。
【0150】
CPU82aは、CU制御基板120から貸出情報を入力すると、貸出情報に示される貸出球数(貸し玉数)を第2管理球数に加算する。つまり、CPU82aは、払出操作部112の操作に応じて第2管理球数を増加させる。
【0151】
CPU82aは、ファールセンサD21が出力するファール信号に基づき、1球の遊技球がファール球として回収されたことを検知すると、第2管理球数を加算する。一例として、CPU82aは、ファール信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移するとき、1球の遊技球がファール球として回収されたことを検知する。このように、CPU82aは、ファールセンサD21による検知に応じて第2管理球数を増加させる。
【0152】
CPU82aは、供給出口センサD23が出力する供給出口信号に基づき、1球の遊技球が発射部65へ供給されたことを検知すると、第2管理球数を1減算する。換言すれば、CPU82aは、供給出口センサD23による検知に応じて遊技領域20aに向けて遊技球が発射されたことを検知すると、第2管理球数を1減算する。一例として、CPU82aは、供給出口信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移するとき、1球の遊技球が供給されたことを検知する。これにより、データとして管理する遊技球(第2管理球数)が実球に変換される。このように、CPU82aは、供給出口センサD23による検知に応じて第2管理球数を減少させる。
【0153】
これに限らず、CPU82aは、供給出口センサD23が出力する供給出口信号に代えて、供給入口センサD22が出力する供給入口信号に基づき、1球の遊技球が発射部65へ供給されたことを検知すると、第2管理球数を減算する構成であってもよい。CPU82aは、供給入口センサD22が出力する供給入口信号及び供給出口センサD23が出力する供給出口信号の両方に基づき、1球の遊技球が発射部65へ供給されたことを検知すると、第2管理球数を減算する構成であってもよい。
【0154】
また、CPU82aは、供給出口センサD23による検知に代えて、発射ソレノイド66aの駆動により第2管理球数を減算してもよく、打出通路20cにセンサを設け、当該センサにより発射部65から発射された遊技球を検知したときに第2管理球数を減算する構成であってもよい。このように、第2管理球数は、発射部65による発射動作、及び、供給部61による供給動作のうち少なくとも一方の動作に関連して減算される。つまり、CPU82aは、遊技球の発射に応じて第2管理球数を減少させる。なお、第2管理球数情報生成処理が実行されるときには、球抜きスイッチ82eが操作されても、操作有効期間外であることから、球抜き状態へ移行しない。
【0155】
第2管理球数情報生成処理は、枠側通常処理として実行される一方、球抜き状態では実行され得ない。つまり、球抜き状態である場合に、所定の入賞口へ遊技球が入球したとしても、加算されるべき賞球が第2管理球数に加算されない。また、球抜き状態である場合に、遊技球が発射された場合であっても、第2管理球数が減算されない。
【0156】
CPU82aは、計数可能状態であるとき、計数操作部18から計数信号を入力すると、計数球数をRAM82cに記憶されている計数情報に加算する。一例として、CPU82aは、計数操作部18から「単押し操作」を特定可能な計数信号を入力した場合、第1計数球数(一例として1)を計数情報に加算してRAM82cに記憶させる。CPU82aは、第2管理球数が250以上であって、かつ計数操作部18から「長押し操作」を特定可能な計数信号を入力した場合、第2計数球数(一例として250)を計数情報に加算してRAM82cに記憶させる。なお、CPU82aは、「長押し操作」が継続される場合(計数信号がオンに維持される場合)、所定時間が経過するごとに、第2計数球数(一例として250)を計数情報に加算してRAM82cに記憶させる。CPU82aは、計数情報に加算した球数を第2管理球数から減算する。CPU82aは、第2管理球数を減算してから計数情報を加算してもよく、計数情報を加算してから第2管理球数を減算してもよい。このように、CPU82aは、計数操作部18の操作に応じて第2管理球数を減少させる。そして、CPU82aは、「単押し操作」と、「長押し操作」と、で減少させる第2管理球数を異ならせる。
【0157】
一例として、計数可能状態は、必要な電力が供給されており、かつ第2管理球数が0ではない状態である。CPU82aは、計数可能状態であるとき、計数報知部18aが点灯するように、計数報知部18aに内蔵された発光体を制御する。第2管理球数の管理は、後述する外部機器通信処理において計数情報をCU制御基板120へ出力することにより、遊技機10から管理ユニット100へ移管される。上述のように、第2管理球数情報生成処理は、枠側通常処理として実行される一方、球抜き状態では実行され得ない。つまり、球抜き状態であるときには、持ち球に関する操作の一例である計数操作部18の操作が無効である。
【0158】
上述したように、CPU82aは、遊技球クリアスイッチ82gが所定の態様で操作されている状態のまま電力供給が開始されたとき、第2管理球数を初期化する。電力供給が開始されたときに第2管理球数を初期化する制御、及び、第2管理球数情報生成処理は、遊技者の持ち球数の一例である第2管理球数を管理する持ち球数管理制御の一例である。以上のように、枠制御基板82(CPU82a)は、遊技者の持ち球に関する制御を実行可能である。
【0159】
CPU82aは、加算又は減算した更新後の第2管理球数を特定可能な情報を表示するように、第2球数表示部17を制御する。第2球数表示部17は、枠制御基板82において設定(検知)したエラーを特定可能な情報を表示可能な装置として兼用されてもよい。なお、CPU82aは、第2管理球数が0であるときに発射許可回路82mに発射停止信号を出力する。CPU82aは、第2管理球数が0ではないときに発射許可回路82mに発射停止信号を出力しない。
【0160】
枠側通常処理のうち外部機器通信処理について説明する。
外部機器通信処理において、CPU82aは、一定の周期(一例として300ms)毎に遊技情報をCU制御基板120に出力する。遊技情報には、通番が含まれる。この通番は、遊技情報の出力回数に応じて更新される。
【0161】
CPU82aは、遊技情報を出力した後に所定の時間(一例として100ms)が経過すると、RAM82cに記憶された計数情報をCU制御基板120に出力する。CPU82aは、CU制御基板120に計数情報を出力すると、RAM82cに記憶されている計数情報を初期化する。計数情報は、計数操作部18の操作に応じて遊技機10から管理ユニット100へ移管させる遊技者の持ち球数を特定可能な情報である。つまり、計数情報は、計数操作部18の操作に応じた第2管理球数の減少数を特定可能な情報である。なお、計数情報は、遊技情報と同じく一定の周期毎に出力されるものであり、計数操作部18が操作されていなければ0となる。よって、CPU82aは、CU制御基板120に計数情報を出力しても、第2管理球数を減算しない場合がある。CPU82aは、CU制御基板120に計数情報を出力して第2管理球数を減算させた場合、所定数(一例として1)以上の持ち球数を管理ユニット100へ移管したことを特定可能な情報(以下、計数完了フラグと示す)をRAM82cに記憶させる。CPU82aは、所定数の持ち球数を管理ユニット100へ移管したことを示す制御情報(以下、計数完了コマンドと示す)を遊技制御基板80へ出力する。計数完了コマンドは、計数情報を出力したことを特定可能な制御情報ともいえる。計数完了コマンドは、計数完了情報の一例である。なお、遊技制御基板80(CPU80a)は、計数完了コマンドを演出制御基板81へ出力する。計数完了コマンドは、管理ユニット100へ移管する持ち球数を特定可能な情報が含まれていてもよい。計数情報には、計数通番が含まれる。この計数通番は、計数情報の出力回数に応じて更新される。このように、CPU82aは、計数操作部18の操作に応じた遊技者の持ち球数(第2管理球数)の減少数を特定可能な計数情報を出力する。
【0162】
CPU82aは、計数情報を出力した後、所定の時間(一例として170ms)以内に、CU制御基板120から接続端子板98を介して、貸出情報を入力可能である。貸出情報には、貸出通番が含まれる。この貸出通番は、貸出情報の出力回数に応じて更新される。CPU82aは、貸出情報を入力すると、入力した貸出情報に対する応答情報を応答時間(一例として10ms)以内にCU制御基板120に出力する。この応答情報には、入力した貸出情報と同じ貸出通番が含まれる。CPU82aは、応答情報を出力した後、所定の時間(一例として20ms)以上が経過したときに、再び、遊技情報をCU制御基板120に出力する。このように、CPU82aは、1回の通信周期の期間内(一例として300ms)において、遊技情報、計数情報、及び応答情報をCU制御基板120に出力するとともに、貸出情報をCU制御基板120から入力する。外部機器通信処理は、CU制御基板120に所定の情報を出力(送信)する情報送信制御の一例である。以上のように、遊技機10は、遊技に用いる遊技媒体の一例である遊技球をデータとして管理するように構成される。
【0163】
枠側通常処理のうち枠側エラー設定処理及び枠側エラー報知処理について説明する。
図11及び
図12に示すように、枠側エラー設定処理は、エラーを設定する処理である。一例として、枠側エラー設定処理において枠制御基板82(CPU82a)が設定可能なエラーには、不正電波検知エラー、管理遊技機内通信エラー、供給機構エラー、遊技球循環機構異常エラー、排出球通路異常エラー、遊技球循環機構通路異常エラーがある。また、枠側エラー設定処理において枠制御基板82(CPU82a)が設定可能なエラーには、遊技球数オーバーエラー、循環球数過少エラー、循環球数過多エラー、枠断線エラー、遊技球数クリアエラー、入賞球数異常エラー、及び扉開放エラーがある。また、枠側エラー報知処理は、枠側エラー設定処理にてエラーを検出した場合に、所定の報知態様にてエラーを報知させる処理である。なお、枠側エラー設定処理及び枠側エラー報知処理に関する処理内容は後ほど説明する。
【0164】
次に、遊技制御基板80(CPU80a)が行う各種の処理について説明する。
盤側電源断処理について説明する。
CPU80aは、枠制御基板82(バックアップ回路82k)から電源断検出信号を入力すると、電源断処理を実行する。盤側電源断処理において、CPU80aは、発射停止信号を枠制御基板82へ出力する。CPU80aは、RAM80cのチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値をRAM80cに記憶させる。また、CPU80aは、電源断処理が正常に実行されたことを特定可能な情報(以下、バックアップフラグと示す)をRAM80cに記憶させる。その後、CPU80aは、完全に電源断がされるまで待機する。電源断のときにRAM80cに記憶される各種情報は、前述したバックアップ機能によって電源断後にも保持される。
【0165】
盤側電源投入処理について説明する。
CPU80aは、電源投入に伴って、遊技制御基板80への供給電圧がCPU80aの動作に必要な電圧に達して起動すると、タイマ割込み処理を禁止する。続けて、CPU80aは、通信確認処理を実行する。
【0166】
通信確認処理において、CPU80aは、起動時情報を枠制御基板82へ出力する。CPU80aは、起動時情報を出力してから応答情報を入力することなく所定の時間(一例として108ms)が経過すると、起動時情報を枠制御基板82へ再出力する。以降、CPU80aは、枠制御基板82から応答情報を入力しない場合、所定の時間が経過するごとに起動時情報を枠制御基板82へ出力する。複数回にわたって出力する場合の起動時情報は、同じ情報であってもよく、出力回数を特定可能なように異なる情報であってもよい。
【0167】
CPU80aは、起動時情報を枠制御基板82へ出力するごとに、起動時情報の出力回数を特定可能な情報(以下、起動出力回数と示す)に1加算してRAM80cに記憶させる。CPU80aは、応答情報を入力すると、起動出力回数を初期化する。CPU80aは、起動出力回数が規定回数(一例として10回)に達すると通信回線断エラーを設定する。CPU80aは、通信回線断エラーを設定すると、通信回線断エラーが設定されたことを特定可能な制御情報(以下、通信回線断エラーコマンドと示す)を演出制御基板81へ出力する。その後、CPU80aは、電源断がされるまで待機する。一方、CPU80aは、起動時情報に対する応答情報を入力すると、通信回線が正常であると判定する。この場合に、CPU80aは、起動時情報に対する応答情報を入力したことを特定可能な情報(以下、起動時応答入力フラグと示す)をRAM80cに記憶させる。
【0168】
CPU80aは、起動時情報に対する応答情報を入力した場合、起動時情報を出力してから所定の時間が経過すると、遊技情報を枠制御基板82へ出力する。以降、CPU80aは、所定の時間が経過するごとに遊技情報を枠制御基板82へ出力する。遊技情報には、通信通番が含まれる。この通信通番は、出力回数に応じて更新される。CPU80aは、遊技情報を出力するごとに、応答情報を入力可能である。この応答情報には、出力した遊技情報と同じ通信通番が含まれる。
【0169】
CPU80aは、遊技情報を規定回数(一例として10回)出力する間に1回も応答情報を入力しなかった場合、通信回線断エラーを設定する。CPU80aは、電力供給が停止すると、通信回線断エラーの設定を解除する。
【0170】
CPU80aは、電源投入に伴って起動すると、盤側球抜き処理を実行する。盤側球抜き処理は、通信確認処理と並行して実行される。
盤側球抜き処理において、CPU80aは、枠制御基板82から球抜き開始コマンドを入力したか否かを判定する。球抜き開始コマンドを入力していない場合、CPU80aは、球抜き状態を設定せずに、盤側球抜き処理を終了する。この場合には、球抜き処理の終了後に、通信確認処理が継続されている可能性がある。球抜き開始コマンドを入力した場合、CPU80aは、球抜き状態を検知し、球抜き状態の発生を特定可能な情報をRAM80cに記憶させる。つまり、CPU80aは、球抜き状態を設定する。CPU80aは、球抜き状態を設定すると、球抜き状態への移行を特定可能な制御情報として、球抜き開始コマンドを演出制御基板81へ出力する。その後、CPU80aは、電源断がされるまで待機する。待機中、CPU80aは、球抜き完了コマンドを入力した場合、球抜きの完了を特定可能な制御情報(以下、球抜き完了コマンドと示す)を演出制御基板81へ出力する。このように、通信回線断エラーは、球抜き状態である期間、及び球抜き状態ではない期間の両方を確認区間として検知され得る。
【0171】
CPU80aは、球抜き状態を設定せずに盤側球抜き処理を終了し、かつ、RAM80cに起動時応答入力フラグが記憶されている場合に、バックアップされている情報が正常であるか否かを判定する。ここで、CPU80aは、盤側球抜き処理を終了しても、起動時応答入力フラグが記憶されていない場合には、起動時応答入力フラグが記憶されるまで待機する。CPU80aは、RAM80cにバックアップフラグが記憶されているか否かを判定する。CPU80aは、RAM80cのチェックサム値を算出するとともに、算出したチェックサム値と、盤側電源断処理において算出したチェックサム値とが一致するか否かを判定する。CPU80aは、バックアップフラグが記憶されており、かつ、チェックサム値が一致する場合に正常と判定する一方、そうではない場合に異常と判定する。バックアップされた情報が異常と判定された場合、CPU80aは、RAM80cに記憶されるメイン情報などを初期化する。CPU80aは、各種の情報が初期化されたことを特定可能な制御コマンド(以下、初期化コマンドと示す)を演出制御基板81へ出力する。その後、CPU80aは、盤側電源投入処理を終了する。
【0172】
バックアップされた情報を正常と判定した場合、CPU80aは、枠制御基板82(RAMクリアスイッチ82h)からRAMクリア信号を入力しているか否かを判定する。RAMクリア信号を入力している場合、CPU80aは、RAM80cに記憶されているメイン情報などを初期化する。この場合、CPU80aは、初期化コマンドを演出制御基板81へ出力する。一方、RAMクリア信号を入力していない場合、CPU80aは、バックアップされたメイン情報に基づいて復帰することを特定可能な制御コマンド(以下、復電コマンドと示す)を演出制御基板81へ出力する。その後、CPU80aは、盤側電源投入処理を終了する。
【0173】
CPU80aは、盤側電源投入処理を終了すると、タイマ割込み処理を許可する。つまり、CPU80aは、遊技を進行させるための処理(以下、盤側通常処理と示す)を実行可能となる。盤側通常処理は、メイン情報が初期化されておれば、初期化後のメイン情報に基づいて実行される。つまり、CPU80aは、第1特別保留数及び第2特別保留数が何れも0であり、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームが何れも実行中ではなく、大当り遊技も付与されていない状態に基づいて、盤側通常処理に含まれる各種処理を実行する。また、CPU80aは、低確低入球率状態に制御する。盤側通常処理は、メイン情報が初期化されていなければ、バックアップされているメイン情報に基づいて実行される。つまり、CPU80aは、第1特別保留数及び第2特別保留数が電源断時の保留数であり、第1特別ゲーム及び第2特別ゲームの何れかが実行されておれば当該特別ゲームを実行させる処理へ復帰し、大当り遊技を付与中であれば、大当り遊技を付与する処理へ復帰する。また、CPU80aは、電源断時の遊技状態に制御する。
【0174】
CPU80aは、所定の周期(一例として4ms)毎に行うタイマ割込み処理として、特別図柄入力処理、特別図柄開始処理、普通図柄入力処理、普通図柄開始処理、入賞処理、及びエラーコマンド処理などを盤側通常処理として実行する。
【0175】
盤側通常処理のうち特別図柄入力処理について説明する。
CPU80aは、第1始動センサD11から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第1始動口23Aへ入球したか否かを判定する。遊技球が第1始動口23Aへ入球した場合、CPU80aは、RAM80cに記憶される第1保留数が上限数(一例として4)未満であるか否かを判定する。第1保留数が上限数未満である場合、CPU80aは、第1保留数を1加算して更新する。続けて、CPU80aは、更新後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示部21cを制御する。このように、第1特別ゲームの保留条件は、第1保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第1始動センサD11によって検知されると成立する。
【0176】
次に、CPU80aは、乱数生成回路80dが生成する乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報をRAM80cに記憶させる。例えば、乱数は、特別図柄の当り抽選に用いる当り乱数、当り図柄の決定に用いる当り図柄乱数、及び変動パターンの決定に用いる変動パターン乱数などである。CPU80aは、第1特別ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。
【0177】
CPU80aは、第1特別ゲーム用の乱数情報をRAM80cに記憶させた場合、遊技球が第1始動口23Aへ入球していない場合、及び第1保留数が上限数未満ではない場合、第2始動センサD12から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球が第2始動口23Bへ入球したか否かを判定する。遊技球が第2始動口23Bへ入球している場合、CPU80aは、RAM80cに記憶される第2保留数が上限数(一例として4)未満であるか否かを判定する。第2保留数が上限数未満である場合、CPU80aは、第2保留数を1加算して更新する。続けて、CPU80aは、更新後の第2保留数を特定可能な情報を表示するように、第2保留表示部21dを制御する。このように、第2特別ゲームの保留条件は、第2保留数が上限数未満であるとき、遊技球が第2始動センサD12によって検知されると成立する。
【0178】
次に、CPU80aは、遊技制御基板80内で生成している乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報をRAM80cに記憶させる。CPU80aは、第2特別ゲームに用いる乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。遊技機10は、特別ゲームに用いる乱数情報をRAM80cに記憶させておくことで、当該特別ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。第2特別ゲーム用の乱数情報をRAM80cに記憶させた場合、遊技球が第2始動口23Bへ入球していない場合、及び第2保留数が上限数未満ではない場合、CPU80aは、特別図柄入力処理を終了する。
【0179】
盤側通常処理のうち特別図柄開始処理について説明する。
最初に、CPU80aは、特別ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。CPU80aは、大当り遊技中ではなく、かつ特別ゲームの実行中ではない場合に肯定と判定する一方、大当り遊技中又は特別ゲームの実行中である場合に否定と判定する。特別ゲームの開始条件が成立していない場合、CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。特別ゲームの開始条件が成立している場合、CPU80aは、第2保留数が0よりも大きいか否かを判定する。第2保留数が0である場合、CPU80aは、第1保留数が0よりも大きいか否かを判定する。第1保留数が0である場合、CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0180】
第1保留数が0よりも大きい場合、CPU80aは、第1特別ゲームを実行させるための処理を行う。具体的に、CPU80aは、第1保留数を1減算して更新する。CPU80aは、減算後の第1保留数を特定可能な情報を表示するように、第1保留表示部21cを制御する。CPU80aは、第1特別ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報をRAM80cから取得する。CPU80aは、取得した乱数情報から特定される当り乱数及び大当り判定値を用いて、特別図柄の当り抽選として、大当りに当選とするか否かの大当り抽選(大当り判定)を行う。CPU80aは、現在の確率状態(確変機能の作動の有無)に応じた大当り確率で大当り抽選を行う。
【0181】
大当りに当選した場合、CPU80aは、大当り変動処理を行う。大当り変動処理において、CPU80aは、乱数情報から特定可能な当り図柄乱数を用いて、大当り図柄抽選を行い、第1特別ゲームにおいて確定停止表示させる大当り図柄を決定する。CPU80aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、複数ある大当り変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0182】
大当りに当選しなかった場合、CPU80aは、はずれ変動処理を行う。はずれ変動処理において、CPU80aは、第1特別ゲームにおいて確定停止表示させるはずれ図柄を決定する。一例として、はずれ図柄は、1種類である。これに限らず、はずれ図柄は、複数種類あってもよい。この場合、CPU80aは、所定の乱数を用いて、はずれ図柄抽選を行い、第1特別ゲームにおいて確定停止表示させるはずれ図柄を決定してもよい。CPU80aは、乱数情報から特定可能な変動パターン乱数を用いて変動パターン決定抽選を行い、複数のはずれ変動パターンの中から変動パターンを決定する。その後、CPU80aは、特別図柄開始処理を終了する。
【0183】
第2保留数が0よりも大きい場合、CPU80aは、第2特別ゲームを実行させるための処理を行う。第2特別ゲームを実行させるための処理は、第1特別ゲームを実行させるための処理について、「第1特別ゲーム」を「第2特別ゲーム」に、「第1保留数」を「第2保留数」に、「第1保留表示部21c」を「第2保留表示部21d」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。つまり、CPU80aは、第2保留数の減算、大当り抽選、及び大当り抽選の結果に基づく何れかの変動処理を行った後、特別図柄開始処理を終了する。
【0184】
CPU80aは、大当り変動処理及びはずれ変動処理において、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを演出制御基板81へ出力する。変動開始コマンドは、各変動処理において決定した変動パターンと、特別ゲームの開始と、を特定可能な制御コマンドである。特別図柄コマンドは、各変動処理において決定した特別図柄を特定可能な制御コマンドである。変動開始コマンド及び特別図柄コマンドは、第1特別ゲームの変動処理が実行されたときと、第2特別ゲームの変動処理が実行されたときと、で異なる制御コマンドである。
【0185】
特別図柄開始処理を終了すると、CPU80aは、特別図柄開始処理とは別の処理によって、第1特別ゲーム又は第2特別ゲームを実行させる。一例として、CPU80aは、第1特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を実行するように、第1特別図柄表示部21aを制御する。CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間を計測する。CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を確定停止表示するように、第1特別図柄表示部21aを制御する。また、CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別ゲームの終了を特定可能な制御コマンド(以下、変動終了コマンドと示す)を演出制御基板81に出力する。
【0186】
一例として、CPU80aは、第2特別ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を実行するように、第2特別図柄表示部21bを制御する。CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間を計測する。CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、特別図柄開始処理において決定した特別図柄を確定停止表示するように、第2特別図柄表示部21bを制御する。また、CPU80aは、変動パターンに定められた変動時間が経過すると、変動終了コマンドを演出制御基板81に出力する。以上のように、遊技機10は、CPU80aが特別図柄入力処理及び特別図柄開始処理を実行することにより、特別ゲームを実行可能に構成される。
【0187】
盤側通常処理のうち大当り遊技処理について説明する。
大当り遊技処理は、大当り遊技を付与するための処理である。CPU80aは、特別ゲームにおいて大当り図柄を確定停止表示させると、大当りの特別ゲームの終了後に大当り遊技処理を実行する。CPU80aは、特別図柄開始処理において決定した大当り図柄(大当りの種類)に基づいて、大当り遊技の種類を特定する。CPU80aは、特定した種類の大当り遊技を付与する。
【0188】
最初に、CPU80aは、オープニング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、オープニングコマンドと示す)を演出制御基板81に出力する。CPU80aは、オープニング時間が経過すると、ラウンド遊技を実行させるための処理を行う。一例として、CPU80aは、特定した大当り遊技用の開放制御データを用いて特別ソレノイドSL2を制御し、大入賞口23Cを開状態とする。CPU80aは、カウントセンサD13による遊技球の検知数が上述の上限個数に達するか、又は上述の上限時間が経過すると、大入賞口23Cを閉状態とするように特別ソレノイドSL2を制御することで、ラウンド遊技を終了させる。CPU80aは、このようなラウンド遊技を実行させるための処理を、大当り遊技に定められた上限回数のラウンド遊技が終了するまで繰り返し行う。CPU80aは、ラウンド遊技を開始する毎に、ラウンド遊技の開始を特定可能な制御コマンド(以下、ラウンドコマンドと示す)を演出制御基板81に出力する。CPU80aは、最終回のラウンド遊技が終了すると、エンディング時間の開始を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング開始コマンドと示す)を演出制御基板81に出力する。CPU80aは、エンディング時間が経過すると、大当り遊技を終了する。CPU80aは、エンディング時間の経過を特定可能な制御コマンド(以下、エンディング終了コマンドと示す)を演出制御基板81に出力する。
【0189】
盤側通常処理のうち普通図柄入力処理について説明する。
CPU80aは、ゲートセンサD15から検知信号を入力したか否かに基づいて、遊技球がゲート24へ入球したか否かを判定する。遊技球がゲート24へ入球した場合、CPU80aは、RAM80cに記憶される普通保留数が上限数(一例として4)未満であるか否かを判定する。普通保留数が上限数未満である場合、CPU80aは、普通保留数を1加算して更新する。続けて、CPU80aは、更新後の普通保留数を特定可能な情報を表示するように、普通保留表示部21fを制御する。このように、普通ゲームの保留条件は、普通保留数が上限数未満であるとき、遊技球がゲートセンサD15によって検知されると成立する。
【0190】
次に、CPU80aは、乱数生成回路80dが生成する乱数を取得し、当該取得した乱数に基づく乱数情報をRAM80cに記憶させる。例えば、乱数は、普通図柄の当り抽選に用いる乱数などである。CPU80aは、普通ゲーム用の乱数情報であること、及び乱数情報の記憶順序を特定可能となるように、乱数情報を記憶させる。乱数情報は、取得した乱数そのものであってもよく、乱数を所定の手法により加工した情報であってもよい。遊技機10は、普通ゲームに用いる乱数情報をRAM80cに記憶させておくことで、当該普通ゲームの開始条件が成立するまで、その実行を保留することができる。普通ゲーム用の乱数情報をRAM80cに記憶させた場合、遊技球がゲート24へ入球していない場合、及び普通保留数が上限数未満ではない場合、CPU80aは、普通図柄入力処理を終了する。
【0191】
盤側通常処理のうち普通図柄開始処理について説明する。
最初に、CPU80aは、普通ゲームの開始条件が成立しているか否かを判定する。CPU80aは、普通当り遊技中ではなく、かつ普通ゲームの実行中ではない場合に肯定と判定する一方、普通当り遊技中又は普通ゲームの実行中である場合に否定と判定する。普通ゲームの開始条件が成立していない場合、CPU80aは、普通図柄開始処理を終了する。普通ゲームの開始条件が成立している場合、CPU80aは、普通保留数が0よりも大きいか否かを判定する。普通保留数が0である場合、CPU80aは、普通図柄開始処理を終了する。
【0192】
普通保留数が0よりも大きい場合、CPU80aは、普通ゲームを実行させる処理を行う。具体的に、CPU80aは、普通保留数を1減算して更新する。CPU80aは、減算後の普通保留数を特定可能な情報を表示するように、普通保留表示部21fを制御する。CPU80aは、普通ゲーム用の乱数情報のうち、最先に記憶された乱数情報をRAM80cから取得する。CPU80aは、取得した乱数情報を用いて、普通図柄の当り抽選として、普通当りに当選とするか否かの普通当り抽選(普通当り判定)を行う。CPU80aは、現在の入球率状態(入球補助機能の作動の有無)に応じた普通当り確率で普通当り抽選を行う。高入球率状態における普通当り確率は、低入球率状態における普通当り確率に比して高い。
【0193】
普通当りに当選した場合、CPU80aは、普通ゲームにおいて確定停止表示させる普通当り図柄と、普通ゲームの変動時間と、を決定する。その後、CPU80aは、普通図柄開始処理を終了する。普通当りに当選しなかった場合、CPU80aは、普通ゲームにおいて確定停止表示させる普通はずれ図柄と、普通ゲームの変動時間と、を決定する。その後、CPU80aは、普通図柄開始処理を終了する。
【0194】
普通図柄開始処理を終了すると、CPU80aは、普通図柄開始処理とは別の処理によって、普通ゲームを実行させる。一例として、CPU80aは、普通ゲームを実行させる場合、所定の図柄の変動表示を実行するように、普通図柄表示部21eを制御する。CPU80aは、普通図柄開始処理において決定した変動時間が経過すると、普通図柄開始処理において決定した普通図柄を確定停止表示するように、普通図柄表示部21eを制御する。また、CPU80aは、普通図柄開始処理において決定した変動時間が経過すると、普通ゲームの終了を特定可能な制御コマンド(以下、普通終了コマンドと示す)を演出制御基板81に出力する。
【0195】
盤側通常処理のうち普通当り遊技処理について説明する。
普通当り遊技処理は、普通当り遊技を付与するための処理である。CPU80aは、普通ゲームにおいて普通当り図柄を確定停止表示させると、普通当りの普通ゲームの終了後に普通当り遊技処理を実行する。
【0196】
CPU80aは、現在の入球率状態(入球補助機能の作動の有無)に応じた開放制御データを用いて普通ソレノイドSL1を制御し、第2始動口23Bを開状態とする。CPU80aは、高入球率状態である場合、高入球率状態であるときの開放態様で第2始動口23Bが開放されるように、普通ソレノイドSL1を制御する。CPU80aは、低入球率状態である場合、低入球率状態であるときの開放態様で第2始動口23Bが開放されるように、普通ソレノイドSL1を制御する。高入球率状態であるときの開放態様は、低入球率状態であるときの開放態様に比して、1回の普通当り遊技における第2始動口23Bの開放回数が多く、かつ普通当り遊技における第2始動口23Bの1回の開放時間が長い。したがって、高入球率状態であるときの開放態様で第2始動口23Bが開放される場合には、低入球率状態であるときの開放態様で第2始動口23Bが開放される場合に比して、第2始動口23Bへ遊技球を入球させることが容易である。
【0197】
盤側通常処理のうち状態移行処理について説明する。
CPU80aは、大当り図柄のうち第1大当り図柄に基づく大当り遊技を終了すると、RAM80cに高確フラグをセットする。CPU80aは、RAM80cに高確フラグをセットすることにより高確率状態に制御する。CPU80aは、第1大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまで、高確フラグを消去しない。一方、CPU80aは、第1大当り図柄とは異なる第2大当り図柄に基づく大当り遊技を終了すると、RAM80cに高確フラグをセットしない。つまり、CPU80aは、低確率状態に制御する。CPU80aは、大当り遊技を開始させる場合であって、高確フラグがセットされているとき、当該高確フラグを消去する。つまり、CPU80aは、大当り遊技中、低確率状態に制御する。
【0198】
CPU80aは、第1大当り図柄、又は第2大当り図柄に基づく大当り遊技が終了すると、RAM80cに高入球フラグをセットする。CPU80aは、RAM80cに高入球フラグをセットすることにより高入球率状態に制御する。CPU80aは、第2大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、特別ゲームを終了させる毎に、RAM80cに記憶される実行カウンタの値を更新することにより、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数を計数する。CPU80aは、大当り遊技の終了後における特別ゲームの実行回数が作動回数(一例として100回)に達した特別ゲームが終了すると、RAM80cに記憶される高入球フラグを消去する。つまり、CPU80aは、第2大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、作動回数目の特別ゲームが終了すると低入球率状態に制御する。なお、CPU80aは、第1大当り図柄に基づく大当り遊技の終了後、次回の大当り遊技が付与されるまで、高入球フラグを消去しない。CPU80aは、大当り遊技を開始させる場合であって、高入球フラグがセットされているとき、当該高入球フラグを消去する。つまり、CPU80aは、大当り遊技中、低入球率状態に制御する。
【0199】
盤側通常処理のうち入賞処理について説明する。
CPU80aは、第1始動センサD11、第2始動センサD12、カウントセンサD13、又は普通センサD14から検知信号を入力したか否かを判定する。CPU80aは、第1始動センサD11、第2始動センサD12、カウントセンサD13、及び普通センサD14から検知信号を入力していない場合、入賞処理を終了する。
【0200】
CPU80aは、第1始動センサD11から検知信号を入力した場合、予め定めた賞球数(一例として4)を特定可能な獲得賞球数情報を、枠制御基板82に出力するとともに、演出制御基板81に出力する。また、CPU80aは、第1始動センサD11から検知信号を入力した場合、始動口入賞の発生を特定可能な遊技情報である始動口入賞情報を、枠制御基板82に出力するとともに、演出制御基板81に出力する。CPU80aは、第2始動センサD12から検知信号を入力した場合、予め定めた賞球数(一例として4)を特定可能な獲得賞球数情報を、枠制御基板82に出力するとともに、演出制御基板81に出力する。また、CPU80aは、第2始動センサD12から検知信号を入力した場合、始動口入賞情報を、枠制御基板82に出力するとともに、演出制御基板81に出力する。
【0201】
CPU80aは、カウントセンサD13から検知信号を入力した場合、予め定めた賞球数(一例として15)を特定可能な獲得賞球数情報を、枠制御基板82に出力するとともに、演出制御基板81に出力する。また、CPU80aは、カウントセンサD13から検知信号を入力した場合、大入賞口入賞の発生を特定可能な遊技情報(以下、大入賞口入賞情報と示す)を、枠制御基板82に出力するとともに、演出制御基板81に出力する。CPU80aは、普通センサD14から検知信号を入力した場合、予め定めた賞球数(一例として8)を特定可能な獲得賞球数情報を、枠制御基板82に出力するとともに、演出制御基板81に出力する。また、CPU80aは、普通センサD14から検知信号を入力した場合、普通入賞の発生を特定可能な遊技情報である普通入賞情報を、枠制御基板82に出力するとともに、演出制御基板81に出力する。
【0202】
演出制御基板81(CPU81a)が実行する各種の処理について説明する。
大当り演出処理について説明する。
大当り演出処理は、大当り遊技中の演出(以下、大当り演出と示す)を実行させるための処理である。CPU81aは、オープニングコマンドを入力すると、オープニング演出を実行するように演出装置ESを制御する。CPU81aは、ラウンドコマンドを入力すると、ラウンド演出を実行するように演出装置ESを制御する。CPU81aは、エンディング開始コマンドを入力すると、エンディング演出を実行するように演出装置ESを制御する。CPU81aは、エンディング終了コマンドを入力すると、エンディング演出を終了するように演出装置ESを制御する。
【0203】
演出ゲーム処理について説明する。
演出ゲーム処理は、特別ゲームの実行中、当該特別ゲームに関連した表示演出の1つとして、演出ゲームを実行させるための処理である。CPU81aは、変動開始コマンド及び特別図柄コマンドを入力すると、演出ゲームを実行するように演出表示部19を含む演出装置ESを制御する。具体的に、CPU81aは、変動開始コマンドを入力すると、当該変動開始コマンドから特定可能な変動パターンに基づいて、演出ゲームの演出パターン(演出内容)を決定する。また、CPU81aは、特別図柄コマンドを入力すると、当該特別図柄コマンドから特定可能な特別図柄に基づいて、演出ゲームにおいて確定停止表示させる図柄組合せを決定する。CPU81aは、特別図柄コマンドから大当り図柄を特定可能である場合、大当りの図柄組合せを決定する。CPU81aは、特別図柄コマンドからはずれ図柄を特定可能である場合、非大当りの図柄組合せを決定する。なお、CPU81aは、リーチ演出を実行させる場合、リーチを含む非大当りの図柄組合せを決定する。
【0204】
CPU81aは、変動開始コマンドの入力を契機として、各図柄列において演出図柄の変動表示を開始するように、演出表示部19を制御する。つまり、CPU81aは、演出ゲームを開始させる。また、CPU81aは、演出ゲームに関連して所定の演出を実行させる場合、当該演出を実行するように、演出表示部19を含む演出装置ESを制御する。CPU81aは、演出ゲームを開始させてから、所定のタイミングが到来すると、図柄組合せを仮で停止表示させるとともに、変動終了コマンドの入力を契機に、図柄組合せを確定停止表示させる。なお、CPU81aは、変動終了コマンドとは関係なく、変動パターンに定めた変動時間の経過を契機に図柄組合せを確定停止表示させてもよい。この場合、変動終了コマンドは省略してもよい。
【0205】
次に、枠制御基板82のCPU82aが、各種センサやスイッチの信号を入力することにより行う各種の処理について説明する。
枠側通常処理のうち供給球数監視処理について説明する。
【0206】
CPU82aは、供給入口センサD22が出力する供給入口信号に基づき、1球の遊技球が供給部61に受け入れられたことを検知すると供給入口球数を加算する。一例として、CPU82aは、供給入口信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移すると、1球の遊技球が供給部61に受け入れられたことを検知する。CPU82aは、1球の遊技球が供給部61に受け入れられたことを検知すると、供給入口球数に1加算してRAM82cに記憶させる。
【0207】
CPU82aは、供給出口センサD23が出力する供給出口信号に基づき、1球の遊技球が供給部61から排出されたことを検知すると供給出口球数を加算する。一例として、CPU82aは、供給出口信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移すると、1球の遊技球が供給部61から排出されたことを検知する。CPU82aは、1球の遊技球が供給部61から排出されたことを検知すると、供給出口球数に1加算してRAM82cに記憶させる。
【0208】
枠側通常処理のうち入賞球数監視処理について説明する。
CPU82aは、供給出口センサD23が出力する供給出口信号に基づき、1球の遊技球が発射部65へ供給されたことを検知すると発射球数を加算する。一例として、CPU82aは、供給出口信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移すると、1球の遊技球が供給されたことを検知する。CPU82aは、更新した発射球数を特定可能な情報をRAM82cに記憶させる。これにより、CPU82aは、供給出口センサD23による検知に応じて遊技領域20aに向けて発射された遊技球の数を特定可能である。
【0209】
これに限らず、CPU82aは、供給出口センサD23が出力する供給出口信号に代えて、供給入口センサD22が出力する供給入口信号に基づき、1球の遊技球が発射部65へ供給されたことを検知すると、発射球数を加算する構成であってもよい。CPU82aは、供給入口センサD22が出力する供給入口信号及び供給出口センサD23が出力する供給出口信号の両方に基づき、1球の遊技球が発射部65へ供給されたことを検知すると、発射球数を加算する構成であってもよい。つまり、CPU82aは、供給入口センサD22及び供給出口センサD23のうち少なくとも一方による検知に応じて発射球数を加算させてもよい。
【0210】
また、CPU82aは、発射ソレノイド66aの駆動により発射球数を加算してもよく、打出通路20cにセンサを設け、当該センサにより発射部65から発射された遊技球を検知したときに発射球数を加算する構成であってもよい。このように、発射球数は、発射部65による発射動作、及び、供給部61による供給動作のうち少なくとも一方の動作に関連して加算される。つまり、CPU82aは、遊技球の発射に応じて発射球数を加算する。
【0211】
CPU82aは、アウトセンサD30が出力するアウト信号に基づき、1球の遊技球が遊技領域20aから回収されたことを検知すると、回収数を加算する。一例として、CPU82aは、アウト信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移するとき、1球の遊技球が遊技領域20aから回収されたことを検知する。このように、CPU82aは、アウトセンサD30による検知に応じて回収数を加算する。CPU82aは、更新した回収数を特定可能な情報をRAM82cに記憶させる。
【0212】
これに限らず、アウトセンサD30が出力するアウト信号に代えて、入賞通路カウントセンサD25が出力する入賞通路信号、及び、非入賞通路カウントセンサD26が出力する非入賞通路信号に基づき、1球の遊技球が遊技領域20aから回収されたことを検知すると、回収数を加算する構成であってもよい。
【0213】
CPU82aは、ファールセンサD21が出力するファール信号に基づき、1球の遊技球が戻り球(ファール球)として回収されたことを検知すると、回収数を加算する。一例として、CPU82aは、ファール信号がオフ状態→オン状態→オフ状態のように遷移するとき、1球の遊技球が戻り球(ファール球)として回収されたことを検知する。このように、CPU82aは、ファールセンサD21による検知に応じて回収数を加算する。CPU82aは、更新した回収数を特定可能な情報をRAM82cに記憶させる。これにより、CPU82aは、アウトセンサD30及びファールセンサD21による検知に応じて回収された遊技球の数を特定可能である。
【0214】
以下、枠制御基板82(CPU82a)が検知可能なエラーについて説明する。
図11及び
図12に示すように、枠制御基板82(CPU82a)は、枠側エラー設定処理を実行することにより、各種のエラーを検知して設定することが可能である。枠側エラー設定処理は、エラーを管理するエラー管理制御の一例である。エラーの検知は、球抜き状態であるときに制限される。枠側エラー設定処理は、枠側通常処理の1つである。
【0215】
図11及び
図12における「検知条件」の欄は、CPU82aが、エラーを設定する条件である。
図11及び
図12における「解除条件」の欄は、CPU82aが、エラーの設定を解除する条件である。
図11及び
図12における「確認区間」の欄は、CPU82aが、エラーを検知及び設定可能な遊技機10の状態である。
図11及び
図12における「コマンド」の欄は、CPU82aが、演出制御基板81(CPU81a)に出力する制御情報(コマンド)であって、エラーコマンドの一例である。
【0216】
不正電波検知エラーは、一例として、各種センサやスイッチが誤検知するなど各種センサやスイッチによる検知に対して所定の影響を与え得る異常な電波が検知された状況において設定可能に構成される。管理遊技機内通信エラーは、一例として、枠制御基板82と遊技制御基板80との通信が正常に行われない状況において設定可能に構成される。供給機構エラーは、一例として、供給入口センサD22及び供給出口センサD23の何れかが遊技球を正常に検知できない状況において設定可能に構成される。
【0217】
遊技球循環機構異常エラーは、一例として、スクリューや搬送モータ52aの故障など、スクリューや搬送モータ52aの動作に何等かの異常がある状況において設定可能に構成される。排出球通路異常エラーは、一例として、遊技領域20aから排出された遊技球がアウトセンサD30の辺りで滞留して搬送部52に流通していない状況において設定可能に構成される。遊技球循環機構通路異常エラーは、搬送部52が正常に搬送動作を行えていないことが原因で、遊技球が搬送されていない状況において設定可能に構成される。
【0218】
遊技球数オーバーエラーは、一例として、遊技者の持ち球数(第2管理球数)が所定球数(一例として40000)を超えている状況において設定可能に構成される。循環球数過少エラーは、一例として、機内部を循環する遊技球数が不足している可能性が高い状況において設定可能に構成される。循環球数過多エラーは、一例として、機内部を循環する遊技球数が過剰にある可能性が高い状況において設定可能に構成される。
【0219】
枠断線エラーは、一例として、枠制御基板82と各センサ及び各スイッチとを接続する通信線が断線している状況において設定可能に構成される。遊技球数クリアエラーは、一例として、第2管理球数が初期化される状況において設定可能に構成される。入賞球数異常エラーは、一例として、遊技球が遊技領域20aに滞留することにより、発射球数と比べて回収数が少ない状況において設定可能に構成される。扉開放エラーは、一例として、外枠11aに対して搭載枠11bが開放されている状況において設定可能に構成される。
【0220】
以上のように、枠制御基板82(CPU82a)が検知可能なエラーには、例えば、遊技球循環機構異常エラー、排出球通路異常エラー、及び遊技球循環機構通路異常エラーなど、遊技球を循環させるための機構に関する複数種類のエラーがある。つまり、枠制御基板82(CPU82a)は、遊技球を循環させるための機構に関する複数種類のエラーを検知可能であって、エラーの検知条件が成立した場合に当該エラーを設定する。また、枠制御基板82(CPU82a)が検知可能なエラーには、例えば、遊技球数オーバーエラー、遊技球数クリアエラー、及び入賞球数異常エラーなど、遊技媒体をデータとして管理する遊技機として機能するための構成に関する複数種類のエラーがある。つまり、枠制御基板82(CPU82a)は、遊技媒体をデータとして管理する遊技機として機能するための構成に関する複数種類のエラーを検知可能であって、エラーの検知条件が成立した場合に当該エラーを設定する。
【0221】
以下、
図11及び
図12に示す複数種類のエラーのうち、一例として、遊技球数オーバーエラー、遊技球数クリアエラー、及び入賞球数異常エラーに係る枠側エラー設定処理について、具体的に説明する。
【0222】
遊技球数オーバーエラーは、遊技者の持ち球数の一例である第2管理球数が所定球数(一例として40000)を超えたことを検知条件とする。CPU82aは、第2管理球数が所定球数を超えた場合、遊技球数オーバーエラーを設定する。
【0223】
遊技球数オーバーエラーは、第2管理球数が特定球数(一例として35000)以下となったことを解除条件とする。特定球数は、所定球数よりも少ない。CPU82aは、第2管理球数が特定球数以下となった場合、遊技球数オーバーエラーの設定を解除する。遊技球数オーバーエラーは、球抜き状態中以外を確認区間として検出される。
【0224】
遊技球数クリアエラーは、遊技球クリアスイッチ82gが所定の態様で操作されている状態のまま電力供給が開始されたことを検知条件とする。CPU82aは、電力供給が開始されたとき、遊技球クリア信号がオン状態であった場合、遊技球数クリアエラーを設定する。つまり、CPU82aは、第2管理球数が初期化されたときに遊技球数クリアエラーを設定する。
【0225】
遊技球数クリアエラーは、供給出口センサD23、ファールセンサD21、又はアウトセンサD30が遊技球を検知してから特定時間(一例として30秒)経過したことを解除条件とする。CPU82aは、供給出口センサD23が出力する供給出口信号、ファールセンサD21が出力するファール信号、又はアウトセンサD30が出力するアウト信号を入力した場合、解除時間の計測を開始する。CPU82aは、解除時間が特定時間を超えると遊技球数クリアエラーの設定を解除する。供給出口センサD23によって遊技球が検知されたとき、ファールセンサD21によって遊技球が検知されたとき、又はアウトセンサD30によって遊技球が検知されたときは、遊技球が遊技領域20aに向けて発射されたことを特定することができる。このように、CPU82aは、遊技球の発射を特定してから特定時間が経過すると遊技球数クリアエラーの設定を解除する。遊技球数クリアエラーは、球抜き状態中以外を確認区間として検出される。
【0226】
入賞球数異常エラーは、供給出口センサD23が検知した遊技球数と、ファールセンサD21及びアウトセンサD30が検知した遊技球数と、の差が特定数(一例として100)以上となったことを検知条件とする。CPU82aは、発射球数と回収数との差が特定数に達した場合、入賞球数異常エラーを設定する。つまり、CPU82aは、遊技領域20aに向けて発射された遊技球の数と、入賞受入口30a、非入賞受入口30b、及びファール受入口30cによって回収された遊技球の数と、の差が特定数以上となったときに入賞球数異常エラーを設定する。なお、CPU82aは、入賞球数異常エラーを設定した後、入賞球数監視処理において、発射球数及び回収数を更新してもよいし、更新しなくてもよい。
【0227】
より具体的に、CPU82aは、発射球数が回収数よりも特定数以上に多くなったときに入賞球数異常エラーを設定する。つまり、CPU82aは、遊技領域20aに向けて発射された遊技球の数が、入賞受入口30a、非入賞受入口30b、及びファール受入口30cによって回収された遊技球の数よりも特定数以上に多くなったときに入賞球数異常エラーを設定する。また、CPU82aは、発射球数が回収数よりも特定数以上に少なくなったときに入賞球数異常エラーを設定する。つまり、CPU82aは、遊技領域20aに向けて発射された遊技球の数が、入賞受入口30a、非入賞受入口30b、及びファール受入口30cによって回収された遊技球の数よりも特定数以上に少なくなったときに入賞球数異常エラーを設定する。
【0228】
入賞球数異常エラーは、電源復帰を解除条件とする。CPU82aは、入賞球数異常エラーの設定を電力供給が停止するまで解除しない。つまり、CPU82aは、電力供給の停止、又は、電力供給の開始に伴って入賞球数異常エラーの設定を解除する。入賞球数異常エラーの設定は、電源復帰以外に解除する方法がない。例えば、入賞球数異常エラーの設定は、エラー解除スイッチ82fの押込み操作がされても解除されない。例えば、入賞球数異常エラーの設定は、発射球数と回収数との差が特定数未満となっても解除されない。つまり、入賞球数異常エラーの設定は、遊技領域20aに向けて発射された遊技球の数と、入賞受入口30a、非入賞受入口30b、及びファール受入口30cによって回収された遊技球の数と、の差が特定数未満になっても解除されない。入賞球数異常エラーは、球抜き状態中以外を確認区間として検出される。
【0229】
次に、枠側エラー設定処理においてCPU82aが行う、エラーを設定する処理と、エラーの設定を解除する処理と、について詳しく説明する。
CPU82aは、複数種類のエラーのうち何れかのエラーの検知条件が成立した場合、当該エラーが設定されていることを特定可能なフラグをオンにして(1にして)RAM82cに記憶させる。また、CPU82aは、複数種類のエラーのうち何れかのエラーの解除条件が成立した場合、当該エラーが設定されていることを特定可能なフラグをオフにして(0にして)RAM82cに記憶させる。以下、具体的に説明する。
【0230】
図13に示すように、RAM82cは、
図11及び
図12に示す複数種類のエラーに関するエラー情報の一例として枠エラー情報を記憶可能である。枠エラー情報には、枠エラー情報1と、枠エラー情報2と、がある。枠エラー情報1及び枠エラー情報2は、それぞれ1バイト(byte)で構成される。つまり、枠エラー情報1及び枠エラー情報2は、それぞれ8ビット(bit)で構成される。各ビットは、予め対応付けられたエラーについて、当該エラーが設定されていることを特定可能なフラグとして機能する。換言すれば、各ビットは、予め対応付けられたエラーについて、当該エラーが設定されていないことを特定可能なフラグとして機能する。
【0231】
一例として、枠エラー情報1のbit0は、不正電波検知エラーが設定されていることを特定可能なフラグである。CPU82aは、不正電波検知エラーの検知条件が成立した場合、枠エラー情報1のbit0をオンにする(1にする)。CPU82aは、不正電波検知エラーの解除条件が成立した場合、枠エラー情報1のbit0をオフにする(0にする)。
【0232】
一例として、枠エラー情報2のbit2は、遊技球数クリアエラーが設定されていることを特定可能なフラグである。CPU82aは、遊技球数クリアエラーの検知条件が成立した場合、枠エラー情報2のbit2をオンにする(1にする)。CPU82aは、遊技球数クリアエラーの解除条件が成立した場合、枠エラー情報2のbit2をオフにする(0にする)。その他のエラーについても、CPU82aは、検知条件が成立した場合、検知条件が成立したエラーが対応付けられた枠エラー情報におけるビットをオンにする(1にする)。同様に、CPU82aは、解除条件が成立した場合、解除条件が成立したエラーが対応付けられた枠エラー情報におけるビットをオフにする(0にする)。なお、「エラーの種類」の欄における「-」は、この枠エラー情報におけるビットについて、対応付けられたエラーがないことを示す。つまり、枠エラー情報2には、エラーが対応付けられていない空きのビットがある。
【0233】
因みに、CPU82aは、管理遊技機内通信エラーの検知条件が成立した場合、RAM82cにおける枠エラー情報1及び枠エラー情報2とは異なるエラー情報に、管理遊技機内通信エラーが設定されていること記憶させる。後述するが、CPU82aは、枠エラー情報1及び枠エラー情報2を特定可能な制御情報を遊技制御基板80(CPU80a)へ出力する。管理遊技機内通信エラーは、枠制御基板82と遊技制御基板80との通信が正常に行われていない可能性が高い。つまり、管理遊技機内通信エラーが設定されている状況では、遊技制御基板80が枠エラー情報1及び枠エラー情報2を正常に入力できない可能性が高い。よって、管理遊技機内通信エラーが設定されているか否かは、遊技制御基板80へ出力される枠エラー情報1及び枠エラー情報2に含まれる必要性が低い。これに限らず、管理遊技機内通信エラーが設定されているか否かを特定可能な情報は、枠エラー情報1及び枠エラー情報2に含まれていてもよい。
【0234】
このように、枠エラー情報1及び枠エラー情報2は、複数種類のエラーに関するエラー情報であって、エラーが設定されていることを特定可能な情報である。枠エラー情報1及び枠エラー情報2は、複数種類のエラーに関するエラー情報であって、エラーが設定されていないことを特定可能な情報である。
【0235】
ここで、CPU82aは、枠エラー情報1を特定可能な制御情報(以下、枠エラー情報1コマンド)と、枠エラー情報2を特定可能な制御情報(以下、枠エラー情報2コマンド)と、を遊技制御基板80(CPU80a)へ出力する。上述したように、CPU82aは、一定の周期(一例として108ms)毎に、遊技制御基板80から遊技情報を入力したことに基づいて応答情報を遊技制御基板80に出力する。CPU82aは、応答情報と一緒に枠エラー情報1コマンド及び枠エラー情報2コマンドを遊技制御基板80に出力する。枠エラー情報1コマンド及び枠エラー情報2コマンドは、応答情報に含まれていてもよく、応答情報とは別の制御情報として出力されてもよい。このように、枠エラー情報1コマンド及び枠エラー情報2コマンドは、一定の周期(一例として108ms)毎に、その出力時における枠エラー情報1及び枠エラー情報2を特定可能な制御情報として、遊技制御基板80へ出力される。枠制御基板82(CPU82a)は、枠制御基板82(CPU82a)において設定可能なエラーに関するコマンドを遊技制御基板80(CPU80a)に出力可能である。
【0236】
CPU80aは、枠エラー情報1コマンドを入力すると、枠エラー情報1をRAM80cに記憶させる。CPU80aは、枠エラー情報1コマンドを入力する毎に、入力した枠エラー情報1コマンドに基づいた枠エラー情報1をRAM80cに記憶させる。同様に、CPU80aは、枠エラー情報2コマンドを入力すると、枠エラー情報2をRAM80cに記憶させる。CPU80aは、枠エラー情報2コマンドを入力する毎に、入力した枠エラー情報2コマンドに基づいた枠エラー情報2をRAM80cに記憶させる。このように、遊技制御基板80(CPU80a)は、枠制御基板82(CPU82a)から入力したコマンドに基づいて、枠制御基板82(CPU82a)においてエラーが設定されていることを特定可能なエラー情報(枠エラー情報1及び枠エラー情報2)を記憶することが可能である。よって、RAM80cには、RAM82cに記憶される枠エラー情報1及び枠エラー情報2と同じ情報が記憶される。RAM80cに記憶される枠エラー情報1は、第1エラー情報の一例である。RAM80cに記憶される枠エラー情報2は、第1エラー情報の一例である。
【0237】
以上のように、遊技機10は、複数種類のエラーを検知可能であって、エラーの検知条件が成立した場合に当該エラーを設定するように構成される。そして、枠制御基板82は、複数種類のエラーに関するエラー情報(枠エラー情報1及び枠エラー情報2)を記憶することが可能である。同様に、遊技制御基板80は、複数種類のエラーに関するエラー情報(枠エラー情報1及び枠エラー情報2)を記憶することが可能である。
【0238】
次に、CPU80aが行うエラーコマンド処理について、説明する。
エラーコマンド処理は、遊技制御基板80(CPU80a)から演出制御基板81(CPU81a)へ
図11及び
図12の「コマンド」の欄に示すエラーコマンドを出力するための処理である。エラーコマンド処理は、上述したタイマ割込み処理として実行される処理の1つである。つまり、エラーコマンド処理は、所定の周期(一例として4ms)毎に実行されるようになっている。
【0239】
エラーコマンド処理において、CPU80aは、エラーが設定されたとき、又は、エラーの設定が解除されたときに、エラーコマンドを生成する。CPU80aは、エラーが設定されたときに当該エラーが設定されたことを特定可能な制御情報(以下、エラー設定コマンドと示す)を出力するために、エラー設定コマンドを生成する。CPU80aは、エラーの設定が解除されたときに当該エラーの設定が解除されたことを特定可能な制御情報(以下、エラー解除コマンドと示す)を出力するために、エラー解除コマンドを生成する。
【0240】
一例として、不正電波検知エラーが設定された場合、CPU80aは、エラー設定コマンドとして9600Hを生成して出力バッファにセットする。一例として、不正電波検知エラーの設定が解除された場合、CPU80aは、エラー解除コマンドとして9601Hを生成して出力バッファにセットする。なお、本実施形態において、出力バッファにセットされた制御情報(コマンド)は、所定の出力処理において演出制御基板81へ出力される。所定の出力処理は、上述したタイマ割込み処理として実行される処理の1つである。
【0241】
一例として、遊技球数クリアエラーが設定された場合、CPU80aは、エラー設定コマンドとして9614Hを生成して出力バッファにセットする。一例として、遊技球数クリアエラーの設定が解除された場合、CPU80aは、エラー解除コマンドとして9615Hを生成して出力バッファにセットする。
図11及び
図12に示すように、その他のエラーについても、CPU80aは、エラーが設定された場合、当該エラーが設定されたことを特定可能なエラー設定コマンドを生成して出力バッファにセットする。同様に、CPU80aは、エラーの設定が解除された場合、当該エラーの設定が解除されたことを特定可能なエラー解除コマンドを生成して出力バッファにセットする。演出制御基板81(CPU81a)は、入力したエラー設定コマンド及びエラー解除コマンドに基づいて、エラーの報知を開始及び終了させる演出側エラー報知処理を実行する。演出側エラー報知処理については、後述する。
【0242】
ここで、エラーコマンドを生成するためのエラーコマンド処理における具体的な処理について、説明する。まず、枠エラー情報1によって設定されていることが特定可能なエラーに対応するエラーコマンドを生成するエラーコマンド処理(以下、エラーコマンド1処理と示す)について、説明する。
【0243】
図14に示すように、CPU80aは、今回(現在)の枠エラー情報として、RAM80cに記憶されている枠エラー情報1のデータをAレジスタにセットする(ステップS101)。一例として、ステップS101におけるプログラムは、「LD A,(HL)」である。この場合、(HL)によって示されるアドレスは、枠エラー情報1が記憶されているアドレスである。
【0244】
CPU80aは、Aレジスタのデータ、即ち、枠エラー情報1のデータをDレジスタにセットする(ステップS102)。一例として、ステップS102におけるプログラムは、「LD D,A」である。CPU80aは、今回(現在)の枠エラー情報1(Aレジスタ)のデータと、前回のエラーコマンド1処理が実行されたときにおける枠エラー情報1のデータ(以下、前回枠エラー情報1と示す)と、の排他的論理和をAレジスタにセットする(ステップS103)。一例として、ステップS103におけるプログラムは、「XOR (HL+04H)」である。この場合、(HL+04H)によって示されるアドレスは、前回枠エラー情報1が記憶されているアドレスである。前回枠エラー情報1は、第2エラー情報の一例である。
【0245】
CPU80aは、今回(現在)の枠エラー情報1(Dレジスタ)のデータを前回枠エラー情報1にセットする(ステップS104)。一例として、ステップS104におけるプログラムは、「LD (HL+04H),D」である。この場合、(HL+04H)によって示されるアドレスは、前回枠エラー情報1が記憶されているアドレスである。ステップS104における処理は、次回、エラーコマンド1処理が実行されたときのステップS103において、前回枠エラー情報1として処理に用いるための処理である。
【0246】
CPU80aは、Aレジスタのデータ、即ち、ステップS103において実行した排他的論理和のデータをEレジスタにセットする(ステップS105)。一例として、ステップS105におけるプログラムは、「LD E,A」である。CPU80aは、Bレジスタに処理の繰り返し回数として08Hをセットする(ステップS106)。一例として、ステップS106におけるプログラムは、「LD B,08H」である。
【0247】
CPU80aは、Eレジスタのデータを右にビットシフトする(ステップS107)。一例として、ステップS107におけるプログラムは、「SRA E」である。CPU80aは、ステップS107でEレジスタを右にビットシフトした結果として、CY(キャリーフラグ)がオン(1)か否かを判定する(ステップS108)。一例として、ステップS108におけるプログラムは、「JR C,WWWW」である。この場合、WWWWは、キャリーフラグがオンである場合にジャンプするアドレス(ステップS110のアドレス)を特定可能なデータである。キャリーフラグがオンである場合(ステップS108:YES)、CPU80aは、ステップS110にジャンプして処理を行う。
【0248】
キャリーフラグがオンではない場合(ステップS108:NO)、CPU80aは、Dレジスタのデータを右にビットシフトする(ステップS109)。一例として、ステップS109におけるプログラムは、「SRA D」である。そして、CPU80aは、ステップS116にジャンプして処理を行う。ステップS116以降の処理は、後述する。
【0249】
CPU80aは、ステップS108においてYESと判定されステップS110にジャンプすると、CレジスタのデータをLレジスタにセットする(ステップS110)。一例として、ステップS110におけるプログラムは、「LD L,C」である。なお、Cレジスタは、エラーコマンド1処理が開始する前において00Hがセットされている。
【0250】
CPU80aは、Dレジスタのデータを右にビットシフトする(ステップS111)。一例として、ステップS111におけるプログラムは、「SRA D」である。CPU80aは、ステップS111でDレジスタを右にビットシフトした結果として、CY(キャリーフラグ)がオン(1)か否かを判定する(ステップS112)。一例として、ステップS112におけるプログラムは、「JR C,XXXX」である。この場合、XXXXは、キャリーフラグがオンである場合にジャンプするアドレス(ステップS114のアドレス)を特定可能なデータである。キャリーフラグがオンである場合(ステップS112:YES)、CPU80aは、ステップS114にジャンプして処理を行う。
【0251】
キャリーフラグがオンではない場合(ステップS112:NO)、CPU80aは、Lレジスタに1加算する(ステップS113)。一例として、ステップS112におけるプログラムは、「INC L」である。
【0252】
CPU80aは、Hレジスタにエラーコマンドの上位バイトのデータ(96H)をセットする(ステップS114)。一例として、ステップS114におけるプログラムは、「LD H,96H」である。CPU80aは、Hレジスタを上位バイトとするとともに、Lレジスタを下位バイトとして、HLレジスタを出力バッファにセットする(ステップS115)。HLレジスタを出力バッファにセットする処理は、エラーコマンド1処理とは別の処理である出力バッファ処理において行われるから、出力バッファ処理をコールする(呼び出す)。これに限らず、HLレジスタを出力バッファにセットする処理は、エラーコマンド1処理において行われてもよい。一例として、ステップS115におけるプログラムは、「RST YYYY」である。この場合、YYYYは、出力バッファ処理のアドレスを特定可能なデータである。
【0253】
ステップS109においてDレジスタのデータを右にビットシフトした場合、及び出力バッファ処理が終了した場合、CPU80aは、Cレジスタに2加算する(ステップS116)。一例として、ステップS116におけるプログラムは、「INC C」であり、当該プログラムを2回行うことによりCレジスタに2加算する。
【0254】
CPU80aは、Bレジスタを1減算するとともに(ステップS117)、Bレジスタが0になったか否かを判定する(ステップS118)。一例として、ステップS117及びステップS118におけるプログラムは、「DJNZ ZZZZ」である。この場合、ZZZZは、Bレジスタが00Hになった場合にジャンプするアドレス(ステップS107のアドレス)を特定可能なデータである。
【0255】
Bレジスタが0にならなかった場合、CPU80aは、ステップS107にジャンプして処理を行う。Bレジスタが0になった場合、CPU80aは、エラーコマンド1処理を終了する。なお、Cレジスタは、00Hをセットせずに現在のデータを保持させる。因みに、エラーコマンド1処理が終了したときにおけるCレジスタは、10Hとなる。CPU80aは、エラーコマンド1処理を終了すると、枠エラー情報2によって設定されていることが特定可能なエラーに対応するエラーコマンドを生成するエラーコマンド処理(以下、エラーコマンド2処理と示す)を実行する。
【0256】
エラーコマンド2処理は、エラーコマンド1処理と同じプログラムを実行する。エラーコマンド2処理は、上述のエラーコマンド1処理について、「前回枠エラー情報1」を「前回枠エラー情報2」に、「枠エラー情報1」を「枠エラー情報2」に、「エラーコマンド1処理」を「エラーコマンド2処理」に、それぞれ読み替えた処理であるため、その詳細な説明を省略する。前回枠エラー情報2は、第2エラー情報の一例である。
【0257】
次に、エラーコマンド処理が実行されたときにおいて、エラーコマンドが生成される処理の流れについて具体的な一例を説明する。
図15(a)に示すように、エラーコマンド1処理が開始するとき、RAM80cに記憶されている前回枠エラー情報1は、16進数で96Hであったとする。つまり、前回のエラーコマンド1処理が実行されたときには、供給機構エラー、遊技球循環機構異常エラー、遊技球循環機構通路異常エラー、及び循環球数過多エラーが設定されていたとする。一方、前回のエラーコマンド1処理が実行されたときには、不正電波検知エラー、排出球通路異常エラー、遊技球数オーバーエラー、及び循環球数過少エラーが設定されていなかったとする。このように、前回枠エラー情報1は、複数種類のエラーについて、各別に、前回のエラーコマンド1処理が実行されたときに、エラーが設定されている状態であったこと、及び、エラーが設定されていない状態であったことのうち何れであるかを特定可能な情報である。
【0258】
図15(b)に示すように、エラーコマンド1処理が開始するとき、RAM80cに記憶されている枠エラー情報1は、16進数で35Hであるとする。つまり、今回のエラーコマンド1処理が実行されるときには、不正電波検知エラー、遊技球循環機構異常エラー、遊技球循環機構通路異常エラー、及び遊技球数オーバーエラーが設定されているとする。一方、今回のエラーコマンド1処理が実行されるときには、供給機構エラー、排出球通路異常エラー、循環球数過少エラー、及び循環球数過多エラーが設定されていないとする。このように、枠エラー情報1は、複数種類のエラーについて、各別に、今回のエラーコマンド1処理が実行されたときに、エラーが設定されている状態であること、及び、エラーが設定されていない状態であることのうち何れであるかを特定可能な情報である。
【0259】
以上のように、前回枠エラー情報1及び枠エラー情報1によって、複数種類(一例として8種類)のエラーについて、各別に、エラーが設定されていない状態からエラーが設定されている状態へと移行したことを特定可能である。また、前回枠エラー情報1及び枠エラー情報1によって、複数種類のエラーについて、各別に、エラーが設定されている状態からエラーが設定されていない状態へと移行したことを特定可能である。
【0260】
具体的に、bit0がオフからオンに更新されているから、不正電波検知エラーは、エラーが設定されていない状態からエラーが設定されている状態へと移行したことを特定可能である。つまり、不正電波検知エラーは、その検知条件が成立して設定されたことを特定可能である。bit1がオンからオフに更新されているから、供給機構エラーは、エラーが設定されている状態からエラーが設定されていない状態へと移行したことを特定可能である。つまり、供給機構エラーは、その解除条件が成立して設定が解除されたことを特定可能である。bit2がオンのまま更新されていないから、遊技球循環機構異常エラーは、エラーが設定されている状態のままであることを特定可能である。つまり、遊技球循環機構異常エラーは、その解除条件が成立せずに継続して設定されていることを特定可能である。bit3がオフのまま更新されていないから、排出球通路異常エラーは、エラーが設定されていない状態のままであることを特定可能である。つまり、排出球通路異常エラーは、その検知条件が成立せずに継続して設定されていないことを特定可能である。
【0261】
bit4がオンのまま更新されていないから、遊技球循環機構通路異常エラーは、エラーが設定されている状態のままであることを特定可能である。つまり、遊技球循環機構通路異常エラーは、その解除条件が成立せずに継続して設定されていることを特定可能である。bit5がオフからオンに更新されているから、遊技球数オーバーエラーは、エラーが設定されていない状態からエラーが設定されている状態へと移行したことを特定可能である。つまり、遊技球数オーバーエラーは、その検知条件が成立して設定されたことを特定可能である。bit6がオフのまま更新されていないから、循環球数過少エラーは、エラーが設定されていない状態のままであることを特定可能である。つまり、循環球数過少エラーは、その検知条件が成立せずに継続して設定されていないことを特定可能である。bit7がオンからオフに更新されているから、循環球数過多エラーは、エラーが設定されている状態からエラーが設定されていない状態へと移行したことを特定可能である。つまり、循環球数過多エラーは、その解除条件が成立して設定が解除されたことを特定可能である。
【0262】
ここで、前回枠エラー情報1と、枠エラー情報1と、の排他的論理和により生成されたデータは、前回枠エラー情報1と、枠エラー情報1と、でbit毎にデータが異なるか否かが特定可能に構成される。
図15(a)~(c)に示すように、例えば、前回枠エラー情報1のbit0が0であって、かつ枠エラー情報1のbit0が1である場合、排他的論理和により生成されたデータのbit0は、1となる。例えば、前回枠エラー情報1のbit1が1であって、かつ枠エラー情報1のbit1が0である場合、排他的論理和により生成されたデータのbit1は、1となる。例えば、前回枠エラー情報1のbit2が1であって、かつ枠エラー情報1のbit2が1である場合、排他的論理和により生成されたデータのbit2は、0となる。例えば、前回枠エラー情報1のbit3が0であって、かつ枠エラー情報1のbit3が0である場合、排他的論理和により生成されたデータのbit3は、0となる。
【0263】
つまり、前回枠エラー情報1と、枠エラー情報1と、の排他的論理和により生成されたデータは、複数種類のエラーについて、各別に、エラーが設定されていない状態からエラーが設定されている状態へと移行したこと、又は、エラーが設定されている状態からエラーが設定されていない状態へと移行したことを特定可能な情報である。排他的論理和により生成されたデータは、複数種類のエラーについて、各別に、エラーが設定されていない状態からエラーが設定されている状態へと移行したこと、及び、エラーが設定されている状態からエラーが設定されていない状態へと移行したことの何れかであるか否かを特定可能な情報であるともいえる。前回枠エラー情報1と、枠エラー情報1と、の排他的論理和により生成されたデータは、比較情報の一例である。
【0264】
同様に、前回枠エラー情報2と、枠エラー情報2と、の排他的論理和により生成されたデータは、複数種類のエラーについて、各別に、エラーが設定されていない状態からエラーが設定されている状態へと移行したこと、又は、エラーが設定されている状態からエラーが設定されていない状態へと移行したことを特定可能な情報である。排他的論理和により生成されたデータは、複数種類のエラーについて、各別に、エラーが設定されていない状態からエラーが設定されている状態へと移行したこと、及び、エラーが設定されている状態からエラーが設定されていない状態へと移行したことの何れかであるか否かを特定可能な情報であるともいえる。前回枠エラー情報2と、枠エラー情報2と、の排他的論理和により生成されたデータは、比較情報の一例である。このように、比較情報は、8ビットのデータから構成されており、最大で8種類のエラーについて、各別に、エラーが設定されていない状態からエラーが設定されている状態へと移行したこと、又は、エラーが設定されている状態からエラーが設定されていない状態へと移行したことを特定可能な情報である。
【0265】
図14におけるステップS101において、Aジレスタは、
図15(b)に示す枠エラー情報1がセットされるから、35Hとなる。ステップS102において、Dジレスタは、35Hとなる。ステップS103において、Aレジスタは、
図15(a)と、
図15(b)と、の排他的論理和がセットされるから、a3Hとなる。ステップS104において、前回枠エラー情報1は、35Hとなる。
図15(c)に示すように、ステップS105において、Eレジスタは、a3Hとなる。ステップS106において、Bレジスタは、08Hとなる。
【0266】
図15(d)に示すように、ステップS107において、Eレジスタは、右にビットシフトされる。つまり、
図15(c)に示すbit0~bit7のデータが、それぞれ1ビットずつ右にずれてセットされる。具体的に、bit7にセットされているデータが、bit6にセットされる。bit6にセットされているデータが、bit5にセットされる。bit5にセットされているデータが、bit4にセットされる。bit4にセットされているデータが、bit3にセットされる。bit3にセットされているデータが、bit2にセットされる。bit2にセットされているデータが、bit1にセットされる。bit1にセットされているデータが、bit0にセットされる。因みに、bit7には、0がセットされる。そして、bit0にセットされているデータがCY(キャリーフラグ)にセットされる。
【0267】
ステップS108では、
図15(d)に示すように、キャリーフラグがオンであるから、ステップS110にジャンプする。ここで、キャリーフラグにセットされているデータは、不正電波検知エラーについて、エラーが設定されていない状態からエラーが設定されている状態へと移行したこと、又は、エラーが設定されている状態からエラーが設定されていない状態へと移行したことを特定可能な情報である。キャリーフラグは、オンであるから、不正電波検知エラーについて、エラーが設定されていない状態からエラーが設定されている状態へと移行したこと、及び、エラーが設定されている状態からエラーが設定されていない状態へと移行したことの何れかであることが示されている。
【0268】
ステップS110において、Cレジスタは、00Hであるから、Lレジスタに00Hがセットされる。
図15(e)に示すように、ステップS111において、Dレジスタは、右にビットシフトされる。つまり、
図15(b)に示すbit0~bit7のデータが、それぞれ1ビットずつ右にずれてセットされる。因みに、bit7には、0がセットされる。そして、bit0にセットされているデータがCY(キャリーフラグ)にセットされる。
【0269】
ステップS112では、
図15(e)に示すように、キャリーフラグがオンであるから、ステップS114にジャンプする。ここで、キャリーフラグにセットされているデータは、不正電波検知エラーについて、エラーが設定されている状態であること、及び、エラーが設定されていない状態であることのうち何れであるかを特定可能な情報である。キャリーフラグは、オンであるから、不正電波検知エラーが設定されている状態であることが示されている。この場合、Lレジスタは、00Hから更新されない。ステップS114において、Hレジスタは、96Hとなる。つまり、HLレジスタは、9600Hとなる。ステップS115において、9600Hが出力バッファにセットされる。このように、CPU80aは、不正電波検知エラーが設定されたとき、エラー設定コマンドとして9600Hを生成して出力バッファにセットする。
【0270】
ステップS116において、Cレジスタは、2加算されて02Hとなる。ステップS117において、Bレジスタは、1減算されて07Hとなる。ステップS118において、Bレジスタは、00Hではないから、ステップS107にジャンプする。
【0271】
図16(a)に示すように、ステップS107において、Eレジスタは、右にビットシフトされる。つまり、
図15(d)に示すbit0~bit7のデータが、それぞれ1ビットずつ右にずれてセットされる。因みに、bit7には、0がセットされる。そして、bit0にセットされているデータがCY(キャリーフラグ)にセットされる。
【0272】
ステップS108では、
図16(a)に示すように、キャリーフラグがオンであるから、ステップS110にジャンプする。ここで、キャリーフラグにセットされているデータは、供給機構エラーについて、エラーが設定されていない状態からエラーが設定されている状態へと移行したこと、又は、エラーが設定されている状態からエラーが設定されていない状態へと移行したことを特定可能な情報である。キャリーフラグは、オンであるから、供給機構エラーについて、エラーが設定されていない状態からエラーが設定されている状態へと移行したこと、及び、エラーが設定されている状態からエラーが設定されていない状態へと移行したことの何れかであることが示されている。
【0273】
ステップS110において、Cレジスタは、02Hであるから、Lレジスタに02Hがセットされる。
図16(b)に示すように、ステップS111において、Dレジスタは、右にビットシフトされる。つまり、
図15(e)に示すbit0~bit7のデータが、それぞれ1ビットずつ右にずれてセットされる。因みに、bit7には、0がセットされる。そして、bit0にセットされているデータがCY(キャリーフラグ)にセットされる。
【0274】
ステップS112では、
図16(b)に示すように、キャリーフラグがオフであるから、ステップS114にジャンプしない。ここで、キャリーフラグにセットされているデータは、供給機構エラーについて、エラーが設定されている状態であること、及び、エラーが設定されていない状態であることのうち何れであるかを特定可能な情報である。キャリーフラグは、オフであるから、供給機構エラーが設定されていない状態であることが示されている。この場合、ステップS113において、Lレジスタは、1加算されて03Hとなる。ステップS114において、Hレジスタは、96Hとなる。つまり、HLレジスタは、9603Hとなる。ステップS115において、9603Hが出力バッファにセットされる。このように、CPU80aは、供給機構エラーの設定が解除されたとき、エラー解除コマンドとして9603Hを生成して出力バッファにセットする。
【0275】
ステップS116において、Cレジスタは、2加算されて04Hとなる。ステップS117において、Bレジスタは、1減算されて06Hとなる。ステップS118において、Bレジスタは、00Hではないから、ステップS107にジャンプする。
【0276】
図17(a)に示すように、ステップS107において、Eレジスタは、右にビットシフトされる。つまり、
図16(a)に示すbit0~bit7のデータが、それぞれ1ビットずつ右にずれてセットされる。因みに、bit7には、0がセットされる。そして、bit0にセットされているデータがCY(キャリーフラグ)にセットされる。
【0277】
ステップS108では、
図17(a)に示すように、キャリーフラグがオフであるから、ステップS110にジャンプしない。ここで、キャリーフラグにセットされているデータは、遊技球循環機構異常エラーについて、エラーが設定されていない状態からエラーが設定されている状態へと移行したこと、又は、エラーが設定されている状態からエラーが設定されていない状態へと移行したことを特定可能な情報である。キャリーフラグは、オフであるから、遊技球循環機構異常エラーについて、エラーが設定されていない状態からエラーが設定されている状態へと移行したこと、及び、エラーが設定されている状態からエラーが設定されていない状態へと移行したことの何れでもないことが示されている。つまり、遊技球循環機構異常エラーについて、エラーが設定されていない状態から移行していないこと、及び、エラーが設定されている状態から移行していないことの何れかであることが示されている。
【0278】
図17(b)に示すように、ステップS109において、Dレジスタは、右にビットシフトされる。つまり、
図16(b)に示すbit0~bit7のデータが、それぞれ1ビットずつ右にずれてセットされる。因みに、bit7には、0がセットされる。そして、ステップS116にジャンプする。
【0279】
このように、CPU80aは、遊技球循環機構異常エラーが、前回のエラーコマンド1処理において設定されており、今回のエラーコマンド1処理において継続して設定されているとき、エラー設定コマンド及びエラー解除コマンドの何れも出力バッファにセットしない。
【0280】
ステップS116において、Cレジスタは、2加算されて06Hとなる。ステップS117において、Bレジスタは、1減算されて05Hとなる。ステップS118において、Bレジスタは、00Hではないから、ステップS107にジャンプする。
【0281】
図18(a)に示すように、ステップS107において、Eレジスタは、右にビットシフトされる。つまり、
図17(a)に示すbit0~bit7のデータが、それぞれ1ビットずつ右にずれてセットされる。因みに、bit7には、0がセットされる。そして、bit0にセットされているデータがCY(キャリーフラグ)にセットされる。
【0282】
ステップS108では、
図18(a)に示すように、キャリーフラグがオフであるから、ステップS110にジャンプしない。ここで、キャリーフラグにセットされているデータは、排出球通路異常エラーについて、エラーが設定されていない状態からエラーが設定されている状態へと移行したこと、又は、エラーが設定されている状態からエラーが設定されていない状態へと移行したことを特定可能な情報である。キャリーフラグは、オフであるから、排出球通路異常エラーについて、エラーが設定されていない状態からエラーが設定されている状態へと移行したこと、及び、エラーが設定されている状態からエラーが設定されていない状態へと移行したことの何れでもないことが示されている。つまり、排出球通路異常エラーについて、エラーが設定されていない状態から移行していないこと、及び、エラーが設定されている状態から移行していないことの何れかであることが示されている。
【0283】
図18(b)に示すように、ステップS109において、Dレジスタは、右にビットシフトされる。つまり、
図17(b)に示すbit0~bit7のデータが、それぞれ1ビットずつ右にずれてセットされる。因みに、bit7には、0がセットされる。そして、ステップS116にジャンプする。
【0284】
このように、CPU80aは、排出球通路異常エラーが、前回のエラーコマンド1処理において設定されておらず、今回のエラーコマンド1処理において継続して設定されていないとき、エラー設定コマンド及びエラー解除コマンドの何れも出力バッファにセットしない。
【0285】
ステップS116において、Cレジスタは、2加算されて08Hとなる。ステップS117において、Bレジスタは、1減算されて04Hとなる。ステップS118において、Bレジスタは、00Hではないから、ステップS107にジャンプする。
【0286】
図19(a)に示すように、ステップS107において、Eレジスタは、右にビットシフトされる。つまり、
図18(a)に示すbit0~bit7のデータが、それぞれ1ビットずつ右にずれてセットされる。因みに、bit7には、0がセットされる。そして、bit0にセットされているデータがCY(キャリーフラグ)にセットされる。
【0287】
ステップS108では、
図19(a)に示すように、キャリーフラグがオフであるから、ステップS110にジャンプしない。ここで、キャリーフラグにセットされているデータは、遊技球循環機構通路異常エラーについて、エラーが設定されていない状態からエラーが設定されている状態へと移行したこと、又は、エラーが設定されている状態からエラーが設定されていない状態へと移行したことを特定可能な情報である。キャリーフラグは、オフであるから、遊技球循環機構通路異常エラーについて、エラーが設定されていない状態からエラーが設定されている状態へと移行したこと、及び、エラーが設定されている状態からエラーが設定されていない状態へと移行したことの何れでもないことが示されている。つまり、遊技球循環機構通路異常エラーについて、エラーが設定されていない状態から移行していないこと、及び、エラーが設定されている状態から移行していないことの何れかであることが示されている。
【0288】
図19(b)に示すように、ステップS109において、Dレジスタは、右にビットシフトされる。つまり、
図18(b)に示すbit0~bit7のデータが、それぞれ1ビットずつ右にずれてセットされる。因みに、bit7には、0がセットされる。そして、ステップS116にジャンプする。
【0289】
このように、CPU80aは、遊技球循環機構通路異常エラーが、前回のエラーコマンド1処理において設定されており、今回のエラーコマンド1処理において継続して設定されているとき、エラー設定コマンド及びエラー解除コマンドの何れも出力バッファにセットしない。
【0290】
ステップS116において、Cレジスタは、2加算されて0aHとなる。ステップS117において、Bレジスタは、1減算されて03Hとなる。ステップS118において、Bレジスタは、00Hではないから、ステップS107にジャンプする。
【0291】
図20(a)に示すように、ステップS107において、Eレジスタは、右にビットシフトされる。つまり、
図19(a)に示すbit0~bit7のデータが、それぞれ1ビットずつ右にずれてセットされる。因みに、bit7には、0がセットされる。そして、bit0にセットされているデータがCY(キャリーフラグ)にセットされる。
【0292】
ステップS108では、
図20(a)に示すように、キャリーフラグがオンであるから、ステップS110にジャンプする。ここで、キャリーフラグにセットされているデータは、遊技球数オーバーエラーについて、エラーが設定されていない状態からエラーが設定されている状態へと移行したこと、又は、エラーが設定されている状態からエラーが設定されていない状態へと移行したことを特定可能な情報である。キャリーフラグは、オンであるから、遊技球数オーバーエラーについて、エラーが設定されていない状態からエラーが設定されている状態へと移行したこと、及び、エラーが設定されている状態からエラーが設定されていない状態へと移行したことの何れかであることが示されている。
【0293】
ステップS110において、Cレジスタは、0aHであるから、Lレジスタに0aHがセットされる。
図20(b)に示すように、ステップS111において、Dレジスタは、右にビットシフトされる。つまり、
図19(b)に示すbit0~bit7のデータが、それぞれ1ビットずつ右にずれてセットされる。因みに、bit7には、0がセットされる。そして、bit0にセットされているデータがCY(キャリーフラグ)にセットされる。
【0294】
ステップS112では、
図20(b)に示すように、キャリーフラグがオンであるから、ステップS114にジャンプする。ここで、キャリーフラグにセットされているデータは、遊技球数オーバーエラーについて、エラーが設定されている状態であること、及び、エラーが設定されていない状態であることのうち何れであるかを特定可能な情報である。キャリーフラグは、オンであるから、遊技球数オーバーエラーが設定されている状態であることが示されている。この場合、Lレジスタは、0aHから更新されない。ステップS114において、Hレジスタは、96Hとなる。つまり、HLレジスタは、960aHとなる。ステップS115において、960aHが出力バッファにセットされる。このように、CPU80aは、遊技球数オーバーエラーが設定されたとき、エラー設定コマンドとして960aHを生成して出力バッファにセットする。
【0295】
ステップS116において、Cレジスタは、2加算されて0cHとなる。ステップS117において、Bレジスタは、1減算されて02Hとなる。ステップS118において、Bレジスタは、00Hではないから、ステップS107にジャンプする。
【0296】
図21(a)に示すように、ステップS107において、Eレジスタは、右にビットシフトされる。つまり、
図20(a)に示すbit0~bit7のデータが、それぞれ1ビットずつ右にずれてセットされる。因みに、bit7には、0がセットされる。そして、bit0にセットされているデータがCY(キャリーフラグ)にセットされる。
【0297】
ステップS108では、
図21(a)に示すように、キャリーフラグがオフであるから、ステップS110にジャンプしない。ここで、キャリーフラグにセットされているデータは、循環球数過少エラーについて、エラーが設定されていない状態からエラーが設定されている状態へと移行したこと、又は、エラーが設定されている状態からエラーが設定されていない状態へと移行したことを特定可能な情報である。キャリーフラグは、オフであるから、循環球数過少エラーについて、エラーが設定されていない状態からエラーが設定されている状態へと移行したこと、及び、エラーが設定されている状態からエラーが設定されていない状態へと移行したことの何れでもないことが示されている。つまり、循環球数過少エラーについて、エラーが設定されていない状態から移行していないこと、及び、エラーが設定されている状態から移行していないことの何れかであることが示されている。
【0298】
図21(b)に示すように、ステップS109において、Dレジスタは、右にビットシフトされる。つまり、
図20(b)に示すbit0~bit7のデータが、それぞれ1ビットずつ右にずれてセットされる。因みに、bit7には、0がセットされる。そして、ステップS116にジャンプする。
【0299】
このように、CPU80aは、循環球数過少エラーが、前回のエラーコマンド1処理において設定されておらず、今回のエラーコマンド1処理において継続して設定されていないとき、エラー設定コマンド及びエラー解除コマンドの何れも出力バッファにセットしない。
【0300】
ステップS116において、Cレジスタは、2加算されて0eHとなる。ステップS117において、Bレジスタは、1減算されて01Hとなる。ステップS118において、Bレジスタは、00Hではないから、ステップS107にジャンプする。
【0301】
図22(a)に示すように、ステップS107において、Eレジスタは、右にビットシフトされる。つまり、
図21(a)に示すbit0~bit7のデータが、それぞれ1ビットずつ右にずれてセットされる。因みに、bit7には、0がセットされる。そして、bit0にセットされているデータがCY(キャリーフラグ)にセットされる。
【0302】
ステップS108では、
図22(a)に示すように、キャリーフラグがオンであるから、ステップS110にジャンプする。ここで、キャリーフラグにセットされているデータは、循環球数過多エラーについて、エラーが設定されていない状態からエラーが設定されている状態へと移行したこと、又は、エラーが設定されている状態からエラーが設定されていない状態へと移行したことを特定可能な情報である。キャリーフラグは、オンであるから、循環球数過多エラーについて、エラーが設定されていない状態からエラーが設定されている状態へと移行したこと、及び、エラーが設定されている状態からエラーが設定されていない状態へと移行したことの何れかであることが示されている。
【0303】
ステップS110において、Cレジスタは、0eHであるから、Lレジスタに0eHがセットされる。
図22(b)に示すように、ステップS111において、Dレジスタは、右にビットシフトされる。つまり、
図21(b)に示すbit0~bit7のデータが、それぞれ1ビットずつ右にずれてセットされる。因みに、bit7には、0がセットされる。そして、bit0にセットされているデータがCY(キャリーフラグ)にセットされる。
【0304】
ステップS112では、
図22(b)に示すように、キャリーフラグがオフであるから、ステップS114にジャンプしない。ここで、キャリーフラグにセットされているデータは、循環球数過多エラーについて、エラーが設定されている状態であること、及び、エラーが設定されていない状態であることのうち何れであるかを特定可能な情報である。キャリーフラグは、オフであるから、循環球数過多エラーが設定されていない状態であることが示されている。この場合、ステップS113において、Lレジスタは、1加算されて0fHとなる。ステップS114において、Hレジスタは、96Hとなる。つまり、HLレジスタは、960fHとなる。ステップS115において、960fHが出力バッファにセットされる。このように、CPU80aは、循環球数過多エラーの設定が解除されたとき、エラー解除コマンドとして960fHを生成して出力バッファにセットする。
【0305】
ステップS116において、Cレジスタは、2加算されて10Hとなる。ステップS117において、Bレジスタは、1減算されて00Hとなる。ステップS118において、Bレジスタは、00Hであるから、エラーコマンド1処理を終了する。その後、エラーコマンド2処理が開始する。
【0306】
以上のように、遊技制御基板80(CPU80a)は、演出制御基板81(CPU81a)へ出力するエラーコマンドを生成するエラーコマンド処理を実行可能である。
ステップS101~S106に示すように、エラーコマンド処理の一例であるエラーコマンド1処理では、枠エラー情報1と、前回枠エラー情報1と、の排他的論理和により比較情報を生成する処理が行われるとともに、枠エラー情報1を次回のエラーコマンド1処理が実行されるときにおける前回枠エラー情報1として記憶させる処理が行われる。
【0307】
ステップS107,S108に示すように、エラーコマンド1処理では、複数種類のエラーのうち1のエラーを対象として、今回のエラーコマンド1処理が実行されるときにおける枠エラー情報である枠エラー情報1と、前回のエラーコマンド1処理が実行されたときにおける枠エラー情報である前回枠エラー情報1と、が異なるかを判定する処理が行われる。ステップS107,S108における処理は、第1処理の一例である。
【0308】
ステップS107,S108では、比較情報をビットシフトすることにより最下位ビット(bit0)が1(オン)であるか否かを判定する。これにより、CPU80aは、複数種類のエラーのうち1のエラーを対象として、枠エラー情報1と、前回枠エラー情報1と、が異なるか否かを判定する。このように、第1処理では、比較情報をビットシフトすることにより最下位ビットが1であるかを判定することで、枠エラー情報1と、前回枠エラー情報1と、が異なるかを判定する。
【0309】
第1処理において、枠エラー情報1と、前回枠エラー情報1と、が異なると判定される状況には、第1判定状況と、第2判定状況と、がある。第1判定状況は、枠エラー情報1によって特定可能な情報が、エラーが設定されていることであるときの状況である。つまり、第1判定状況は、枠エラー情報1の最下位ビットが1(オン)であるときの状況である。この場合、前回枠エラー情報1の最下位ビットは、0(オフ)である。第2判定状況は、枠エラー情報1によって特定可能な情報が、エラーが設定されていないことであるときの状況である。つまり、第2判定状況は、枠エラー情報1の最下位ビットが0(オフ)であるときの状況である。この場合、前回枠エラー情報1の最下位ビットは、1(オン)である。
【0310】
ステップS109~S118に示すように、エラーコマンド1処理では、ステップS107,S108における判定結果に応じて、エラーコマンドを生成する処理が行われる。具体的に、ステップS107,S108において、枠エラー情報1と、前回枠エラー情報1と、が異なると判定された場合には、ステップS110~S114の処理が行われて、エラーコマンドが生成される。一方、ステップS107,S108において、枠エラー情報1と、前回枠エラー情報1と、が異ならないと判定された場合には、ステップS110~S114の処理が行われず、エラーコマンドが生成されない。ステップS109~S118における処理は、第2処理の一例である。
【0311】
第2処理では、第1判定状況及び第2判定状況であれば、エラーコマンドが生成される。上述したように、エラーコマンドには、エラーが設定されたことを特定可能なエラー設定コマンドと、エラーの設定が解除されたことを特定可能なエラー解除コマンドと、がある。ステップS110~S114に示すように、第2処理では、第1判定状況であればエラー設定コマンドが生成される。一方、第2処理では、第2判定状況であればエラー解除コマンドが生成される。
【0312】
エラーコマンドは、
図11、
図12、及び
図14に示すように、2バイトのデータから構成されている。この2バイトのデータは、上位バイトデータと、下位バイトデータと、で構成されている。上位バイトデータは、予め定められたデータ(一例として96H)である。下位バイトデータは、エラーの種類に応じて異なるデータである。さらに、下位バイトデータは、枠エラー情報1によって特定可能な情報に応じて異なるデータとなる。つまり、下位バイトデータは、枠エラー情報1によって、エラーが設定されていること、及び、エラーが設定されていないことの何れであるかに応じて異なるデータとなる。
【0313】
ステップS110~ステップS114において、枠エラー情報1によって特定可能な情報が、エラーが設定されていることである場合には、下位バイトデータが演算されずにエラー設定コマンドが生成される。一方、枠エラー情報1によって特定可能な情報が、エラーが設定されていないことである場合には、下位バイトデータが演算(一例として1加算)されてエラー解除コマンドが生成される。
【0314】
そして、エラーコマンド1処理は、複数種類のエラーを対象としてステップS107~S118における処理を繰り返し実行するように構成される。これにより、CPU80aは、複数種類のエラーコマンドを生成して、演出制御基板81(CPU81a)へ出力できる。
【0315】
以上のように、エラーコマンド処理の一例であるエラーコマンド1処理では、複数種類のエラーのうち1のエラーを対象として、今回のエラーコマンド1処理が実行されるときにおける枠エラー情報である枠エラー情報1と、前回のエラーコマンド1処理が実行されたときにおける枠エラー情報である前回枠エラー情報1と、が異なるかを判定する第1処理が行われる。その後、エラーコマンド1処理では、第1処理における判定結果に応じて、演出制御基板81に出力するエラーコマンドを生成する第2処理が行われる。そして、エラーコマンド1処理が実行されたときには、複数種類のエラーを対象として第1処理及び第2処理が繰り返し行われることによって、複数種類のエラーコマンドを生成可能である。
【0316】
なお、ここまで、エラーコマンド1処理が実行されたときにおいてエラーコマンドが生成される処理の流れについて具体的な一例を説明したが、エラーコマンド2処理が実行されたときにおいてエラーコマンドが生成される処理についても同様の処理が行われる。エラーコマンド2処理は、Cレジスタが10Hである状態で開始する。ここで、枠エラー情報2には、エラーが対応付けられていない空きのビットがある。このような空きのビットは、常に0がセットされる。つまり、枠エラー情報2及び前回枠エラー情報2のbit1,4,5,6は、常に0である。このため、エラーコマンド2処理では、空きのビットに対応する処理について、ステップS108でキャリーフラグがオンになることがないから、エラーコマンドが生成されることはない。よって、エラーコマンドとして、空きのビットに対応する9612H、9613H、及び9618H~961dHは、生成されることがない。
【0317】
次に、枠側通常処理のうち枠側エラー報知処理について説明する。
図23に示すように、CPU82aは、枠側エラー報知処理において、遊技機10で設定されているエラーの報知を実行するように性能表示モニタ82dを制御する。以下、遊技機10で実行される「エラーの報知」を「エラー報知」と示す場合がある。例えば、「遊技球数オーバーエラーの報知」を「遊技球数オーバーエラー報知」と示す場合がある。
【0318】
枠側エラー報知処理において、CPU82aは、エラー報知を、当該エラーの設定に応じて実行させる。例えば、CPU82aは、遊技球数オーバーエラー報知を、遊技球数オーバーエラーの設定に応じて実行させる。例えば、CPU82aは、遊技球数クリアエラー報知を、遊技球数クリアエラーの設定に応じて実行させる。例えば、CPU82aは、入賞球数異常エラー報知を、入賞球数異常エラーの設定に応じて実行させる。
【0319】
CPU82aは、エラーを設定している場合に、当該設定中であるエラーを特定可能な情報の一例であるエラーコードを表示するように、性能表示モニタ82dを制御する。エラーコードは、エラーに固有の情報である。一例として、図中における「性能表示モニタ」の欄に示すように、遊技球数オーバーエラー報知では[E16]、遊技球数クリアエラー報知では[E21]、入賞球数異常エラー報知は[E22]が表示される。
【0320】
一例として、球抜き状態には、エラーコードとして[E00]が表示される。球抜き状態は、厳密にはエラーではないが、遊技機10の管理者等に認識させるべき事象であるため、エラーの1つと見做して報知を行うようになっている。これに限らず、性能表示モニタ82dに表示可能なエラーコードは、球抜き状態を示すエラーコードを含まなくてもよい。
【0321】
一例として、遊技機10において実行される報知には、計数完了の報知(図中では「計数完了報知」と示す)が含まれる。計数完了の報知は、遊技者の持ち球数が遊技機10から管理ユニット100へ移管されたことを特定可能な報知である。計数完了の報知は、厳密にはエラーではないが、遊技者等に認識させるべき事象であるため、エラーの1つと見做して報知を行うようになっている。
【0322】
具体的に、計数完了の報知は、計数情報が出力されることにより、所定数(一例として1)以上の持ち球数が遊技機10から管理ユニット100へ移管されたときに実行される。一方、計数完了の報知は、計数情報が出力されたとしても、持ち球数が遊技機10から管理ユニット100へ移管されないときに実行されない。CPU82aは、計数完了フラグにより、所定数以上の持ち球数が遊技機10から管理ユニット100へ移管されたか否かを特定可能である。CPU82aは、計数完了フラグがRAM82cに記憶されていても、性能表示モニタ82dにエラーコードを表示させない(図中では「-」と示す)。これに限らず、CPU82aは、計数完了フラグがRAM82cに記憶されている場合、性能表示モニタ82dにエラーコード(一例として[E99])を表示させてもよい。
【0323】
CPU82aは、エラーコードとベース値(性能情報)とを交互に表示するように、性能表示モニタ82dを制御する。CPU82aは、複数種類のエラーが設定されている場合に、設定されているエラーの報知の中で優先度が最も高いエラーコードとベース値とを交互に表示させる。一例として、図中における「優先度」の欄に示すように、複数種類のエラーが設定されている場合の優先度は、数が小さいほど高く設定されている。複数種類のエラーが設定されていることには、枠制御基板82において設定されているエラーが複数あることが含まれる。
【0324】
CPU82aは、枠制御基板82においてエラーが設定されている場合に、エラーコードを表示させるが、ベース値を表示させない構成であってもよい。また、CPU82aは、エラーコード、第2管理球数、及びベース値を切り替えながら、性能表示モニタ82dに表示させる構成であってもよい。このように、性能表示モニタ82dは、ベース値を表示する手段であり、エラーコードを表示する手段として兼用される。
【0325】
CPU82aは、エラーの設定を解除した場合に、当該設定を解除したエラーのエラーコードの表示を終了するように、性能表示モニタ82dを制御する。
このように、性能表示モニタ82dでは、設定されたエラーに応じてエラーの報知が実行される。性能表示モニタ82dでは、エラーが設定されると設定されたエラー報知が開始され、エラーの設定が解除されると設定が解除されたエラーの報知が終了する。そして、性能表示モニタ82dにおいて報知されるエラーコードは、エラーに固有の情報である。つまり、性能表示モニタ82dにおいて報知可能な複数種類のエラーの報知態様は、それぞれ異なる。
【0326】
CPU82aは、枠制御基板82においてエラーが設定されている場合に、当該設定されているエラーを示すエラーコードを表示するように、第2球数表示部17を制御してもよい。つまり、エラーコードは、性能表示モニタ82d及び第2球数表示部17の両方に表示されてもよい。CPU82aは、エラーコードと第2管理球数とを交互に表示するように、第2球数表示部17を制御してもよい。第2球数表示部17に表示可能なエラーコードは、球抜き状態を示すエラーコードを含んでもよい。第2球数表示部17に表示可能なエラーコードは、球抜き状態を示すエラーコードを含まなくてもよい。第2球数表示部17に表示可能なエラーコードは、計数完了の報知のエラーコードを含んでもよい。第2球数表示部17に表示可能なエラーコードは、計数完了の報知のエラーコードを含まなくてもよい。
【0327】
CPU82aは、複数種類のエラーが設定されている場合に、優先度が最も高いエラーコードと第2管理球数とを交互に表示させてもよい。CPU82aは、エラーが設定されている場合に、エラーコードを表示させるが、第2管理球数を表示させない構成であってもよい。また、CPU82aは、エラーコード、第2管理球数、及びベース値を切り替えながら、第2球数表示部17に表示させる構成であってもよい。CPU82aは、エラーの設定が解除されると、設定が解除されたエラーを示すエラーコードの表示を終了するように、第2球数表示部17を制御する。このように、第2球数表示部17は、第2管理球数を表示する手段であり、エラーコードを表示する手段として兼用されてもよい。CPU82aは、性能表示モニタ82dにおけるエラーコードの表示と、第2球数表示部17におけるエラーコードの表示と、を同じ又は略同じタイミングで開始させてもよい。
【0328】
以上のように、第2球数表示部17では、設定されたエラーに応じてエラーの報知が実行されてもよい。第2球数表示部17では、エラーが設定されると設定されたエラーの報知が開始され、エラーの設定が解除されると設定が解除されたエラーの報知が終了してもよい。そして、第2球数表示部17において報知されるエラーコードは、エラーに固有の情報である。つまり、第2球数表示部17において報知可能な複数種類のエラーの報知態様は、それぞれ異なる。
【0329】
CPU82aは、枠制御基板82においてエラーが設定されている場合に、設定されているエラーを特定可能な情報の一例として、エラー音声を出力するように、報知音声部13を制御してもよい。つまり、CPU82aは、設定されているエラーを報知する音声報知(以下、エラー音声報知と示す)を実行させてもよい。一例として、CPU82aは、枠制御基板82において設定されたエラーのうち少なくとも一部のエラーの報知を報知音声部13で実行させる。これに限らず、CPU82aは、枠制御基板82において設定されたエラーのうち全部のエラーの報知を報知音声部13で実行させてもよい。エラー音声報知の音声パターンは、エラーに応じてそれぞれ異なる内容であり、設定されているエラーの概要を特定可能な内容であるとよい。一例として、エラー音声は、不正電波検知エラー報知であれば、「エラーコードE10が発生しました、係員を呼んでください」の文字列を読み上げる人の声である。
【0330】
CPU82aは、複数種類のエラーが設定されている場合に、優先度が最も高いエラーを報知するエラー音声報知を実行させてもよい。これに限らず、CPU82aは、複数種類のエラーが設定されている場合に、エラー音声報知を順に切り替えながら実行させる構成であってもよい。CPU82aは、エラーの設定が解除されると、当該設定が解除されたエラーを示すエラー音声報知を終了するように、報知音声部13を制御する。
【0331】
一例として、CPU82aは、計数完了の報知を、報知音声部13の報知対象としてもよい。これに限らず、CPU82aは、計数完了の報知を、報知音声部13の報知対象としなくてもよい。一例として、報知音声部13が出力する計数完了の報知の音声は、「持ち球を管理ユニットに移管しました」の文字列を読み上げる人の声などのように、所定数以上の持ち球数が遊技機10から管理ユニット100へ移管されたことを具体的に特定可能な情報を含んでもよい。一例として、報知音声部13が出力する計数完了の報知の音声は、所定の楽曲や効果音などのように、所定数以上の持ち球数が遊技機10から管理ユニット100へ移管されたことを具体的に特定可能な情報を含まなくてもよい。
【0332】
一例として、CPU82aは、球抜き状態を、報知音声部13の報知対象としない。これに限らず、CPU82aは、球抜き状態を、報知音声部13の報知対象としてもよい。一例として、報知音声部13が出力するエラー音声は、「球抜き状態中です」の文字列を読み上げる人の声などのように、球抜き状態であることを具体的に特定可能な情報を含んでもよい。一例として、報知音声部13が出力するエラー音声は、所定の楽曲や効果音などのように、球抜き状態であることを具体的に特定可能な情報を含まなくてもよい。
【0333】
このように、報知音声部13では、設定されたエラーに応じてエラーの報知が実行されてもよい。報知音声部13では、エラーが設定されると設定されたエラーの報知が開始され、エラーの設定が解除されると設定が解除されたエラーの報知が終了してもよい。そして、報知音声部13において報知されるエラー音声報知は、エラーに応じてそれぞれ異なる。つまり、報知音声部13において報知可能な複数種類のエラーの報知態様は、それぞれ異なる。
【0334】
次に、演出制御基板81(CPU81a)が実行する演出側エラー報知処理について説明する。
図23に示すように、CPU81aは、演出側エラー報知処理において、遊技機10で設定されているエラー報知を実行するように演出装置ESを構成する演出部の一部又は全部を制御する。
【0335】
演出側エラー報知処理において、CPU81aは、エラー報知を、当該エラーの設定に応じて実行させる。例えば、CPU81aは、遊技球数オーバーエラー報知を、遊技球数オーバーエラーの設定に応じて実行させる。例えば、CPU81aは、遊技球数クリアエラー報知を、遊技球数クリアエラーの設定に応じて実行させる。例えば、CPU81aは、入賞球数異常エラー報知を、入賞球数異常エラーの設定に応じて実行させる。
【0336】
CPU81aは、複数種類のエラーが設定されている場合に、優先度が最も高いエラー報知を実行させる。なお、優先度は、上述した性能表示モニタ82dにおけるエラーコードの表示と同じである。不正電波検知エラー報知は、複数種類のエラーの中で優先度が最も高く設定されている。
【0337】
CPU81aは、エラー設定コマンドを入力したことに基づいて、エラーが設定されたことを特定した場合、演出表示部19を制御し、設定されたエラーに応じたエラー報知を実行させる。一例として、図中における「演出表示部」の欄に示すように、遊技球数オーバーエラー報知は、「遊技球数オーバー」の文字列など、遊技球数オーバーエラーが設定されていることを特定可能な画像を演出表示部19に表示する態様にて実行される。一例として、遊技球数クリアエラー報知は、「遊技球数クリア検知」の文字列など、遊技球数クリアエラーが設定されていることを特定可能な画像を演出表示部19に表示する態様にて実行される。一例として、入賞球数異常エラー報知は、「入賞球数異常」の文字列など、入賞球数異常エラーが設定されていることを特定可能な画像を演出表示部19に表示する態様にて実行される。
【0338】
CPU81aは、エラー解除コマンドを入力したことに基づいて、エラーの設定が解除されたことを特定した場合に、演出表示部19を制御し、設定が解除されたエラーの報知を終了させる場合がある。具体的に、CPU81aは、不正電波検知エラー以外のエラーの設定が解除されたことを特定した場合に、演出表示部19を制御し、設定が解除されたエラーの報知を終了させる。
【0339】
CPU81aは、エラー報知を開始させてから特別時間(一例として30秒)が経過した場合に、演出表示部19を制御し、エラー報知を終了させる場合がある。具体的に、CPU81aは、遊技球数クリアエラー報知を開始させてから特別時間が経過した場合に、遊技球数クリアエラーが設定中であっても、演出表示部19における遊技球数クリアエラー報知を終了させる。一方、CPU81aは、演出表示部19における遊技球数クリアエラー以外のエラーの報知について、エラーの報知を開始させてから特別時間が経過しても、エラーの報知を終了させない。
【0340】
遊技球数クリアエラーは、供給出口センサD23、ファールセンサD21、又はアウトセンサD30を検知してから特定時間(一例として30秒)経過すると設定が解除される。このため、遊技球数クリアエラーが設定された後、当該遊技球数クリアエラーの設定が解除されるまでに要する時間は、特別時間以上になり易い。よって、遊技球数クリアエラー報知は、遊技球数クリアエラーの設定が解除される前に終了し易い。特定時間は30秒に限らず、30秒よりも長い時間であってもよい。つまり、特定時間は、特別時間以上の長さの時間である。これにより、遊技球数クリアエラー報知は、遊技球数クリアエラーの設定が解除される前に、より終了し易くなる。
【0341】
設定されているエラーの報知は、電源断時に終了する。つまり、演出表示部19において実行中のエラー報知は、電源断時に全て終了する。なお、演出表示部19において実行中のエラー報知は、電源断を経て電源投入されても、実行されない。これに限らず、CPU81aは、電源断を経て電源投入されたとき、設定中のエラーの報知を実行させる場合があってもよい。
【0342】
CPU81aは、エラー設定コマンドを入力したことに基づいて、エラーが設定されたことを特定した場合、演出音声部12を制御し、設定されたエラーに応じたエラー報知を実行させる。一例として、図中における「演出音声部」の欄に示すように、遊技球数オーバーエラー報知は、「遊技球を管理ユニットへ移してください」の文字列を読み上げる人の声など、遊技球数オーバーエラーが設定されていることを特定可能な音声を演出音声部12から出力する態様にて実行される。一例として、遊技球数クリアエラー報知は、「遊技球数をクリアしました」の文字列を読み上げる人の声など、遊技球数クリアエラーが設定されていることを特定可能な音声を演出音声部12から出力する態様にて実行される。一例として、入賞球数異常エラー報知は、「係員をお呼びください」の文字列を読み上げる人の声など、複数種類のエラーのうち何れかのエラーが設定されていることを特定可能な音声を演出音声部12から出力する態様にて実行される。
【0343】
CPU81aは、エラー解除コマンドを入力したことに基づいて、エラーの設定が解除されたことを特定した場合に、演出音声部12を制御し、設定が解除されたエラーの報知を終了させる場合がある。具体的に、CPU81aは、不正電波検知エラー以外のエラーの設定が解除されたことを特定した場合に、演出音声部12を制御し、設定が解除されたエラーの報知を終了させる。
【0344】
CPU81aは、遊技球数クリアエラー報知を開始させてから特別時間(一例として30秒)が経過した場合に、遊技球数クリアエラーが設定中であっても、演出音声部12における遊技球数クリアエラー報知を終了させる。CPU81aは、演出音声部12における遊技球数クリアエラー以外のエラーの報知について、設定中のエラーの報知を開始させてから特殊時間(一例として30秒)が経過した場合に、エラーが設定中であっても、エラー報知を終了させる。
【0345】
設定されているエラーの報知は、電源断時に終了する。つまり、演出音声部12において実行中のエラー報知は、電源断時に全て終了する。なお、演出音声部12において実行中のエラー報知は、電源断を経て電源投入されても、実行されない。これに限らず、CPU81aは、電源断を経て電源投入されたとき、設定中のエラーの報知を実行させる場合があってもよい。
【0346】
CPU81aは、エラー設定コマンドを入力したことに基づいて、エラーが設定されたことを特定した場合、演出発光部14を制御し、設定されたエラーに応じたエラー報知を実行させる。一例として、図中における「演出発光部」の欄に示すように、不正電波検知エラー報知は、発光体を赤色で点灯させるなど、不正電波検知エラーが設定されていることを特定可能な発光パターンにて演出発光部14を発光させる態様にて実行される。一例として、遊技球数オーバーエラー報知は、発光体を緑色で点灯させるなど、複数種類のエラーのうち何れかのエラーが設定されていることを特定可能な発光パターンにて演出発光部14を発光させる態様にて実行される。
【0347】
CPU81aは、エラー解除コマンドを入力したことに基づいて、エラーの設定が解除されたことを特定した場合に、演出発光部14を制御し、設定が解除されたエラーの報知を終了させる場合がある。具体的に、CPU81aは、不正電波検知エラー以外のエラーの設定が解除されたことを特定した場合に、演出発光部14を制御し、設定が解除されたエラーの報知を終了させる。
【0348】
CPU81aは、遊技球数クリアエラー報知を開始させてから特別時間(一例として30秒)が経過した場合に、遊技球数クリアエラーが設定中であっても、演出発光部14における遊技球数クリアエラー報知を終了させる。CPU81aは、演出発光部14における遊技球数クリアエラー以外のエラーの報知について、設定中のエラーの報知を開始させてから特殊時間(一例として30秒)が経過した場合に、エラーが設定中であっても、エラー報知を終了させる。
【0349】
設定されているエラーの報知は、電源断時に終了する。つまり、演出発光部14において実行中のエラー報知は、電源断時に全て終了する。なお、演出発光部14において実行中のエラー報知は、電源断を経て電源投入されても、実行されない。これに限らず、CPU81aは、電源断を経て電源投入されたとき、設定中のエラーの報知を実行させる場合があってもよい。
【0350】
このように、演出装置ESでは、設定されたエラーに応じてエラーの報知が実行される。演出装置ESでは、エラーが設定されると設定されたエラーの報知が開始される。演出装置ESにおけるエラーの報知は、エラーの設定の解除、特別時間の経過、特殊時間の経過、及び電源断の何れかにより終了する。そして、演出装置ESにおいて報知可能な複数種類のエラーの報知態様は、それぞれ異なる。
【0351】
なお、管理遊技機内通信エラーが設定されているときには、枠制御基板82と、遊技制御基板80と、の通信が正常に行われていないから、管理遊技機内通信エラーが設定されていることを特定可能な制御情報が遊技制御基板80に出力されない。このため、CPU81aは、管理遊技機内通信エラーが設定されていることを特定できない。よって、CPU81aは、管理遊技機内通信エラーが設定されているときに演出装置ESにおいてエラー報知を実行しない。
【0352】
CPU81aは、計数完了コマンドを入力すると、演出音声部12を制御し、計数完了の報知を実行させる。つまり、演出音声部12では、計数情報が枠制御基板82からCU制御基板120に出力(送信)されたことに応じて計数完了の報知が実行される。一方、CPU81aは、計数完了コマンドを入力しても、演出表示部19及び演出発光部14において計数完了の報知を実行させない。これに限らず、CPU81aは、計数完了コマンドを入力すると、演出表示部19及び演出発光部14を制御し、計数完了の報知を実行させてもよい。一例として、計数完了の報知は、「計数が完了しました」の文字列を読み上げる人の声など、所定数(一例として1)以上の持ち球数が遊技機10から管理ユニット100へ移管されたことを特定可能な音声を演出音声部12から出力する態様にて実行される。演出音声部12による計数完了の報知は、「計数が完了しました」が1回出力されると終了する。なお、計数完了の報知は、「計数が」など音声の途中で電源断されると終了し、電源断を経て電源投入されても、計数完了の報知が実行されない。これに限らず、CPU81aは、電源断を経て電源投入されたときに、計数完了の報知を実行させてもよい。
【0353】
ここで、遊技球数オーバーエラー報知は、計数完了の報知よりも優先度が高い。つまり、遊技球数オーバーエラー報知は、演出音声部12において、計数完了の報知よりも優先して実行される。このため、例えば、遊技球数オーバーエラー報知が実行されている状況において、計数操作部18が操作されても、演出音声部12で計数完了の報知が実行されない。ただし、演出音声部12における遊技球数オーバーエラー報知が終了している場合には、計数完了の報知を実行可能である。また、演出表示部19における遊技球数オーバーエラー報知は、特殊時間が経過した後も実行可能である。このため、遊技球数オーバーエラー報知と、計数完了の報知とは、異なる報知部において同時に実行可能である。
【0354】
CPU81aは、球抜き開始コマンドを入力すると、演出装置ESを構成する演出部の一部又は全部を制御し、球抜き状態の報知を実行させる。一例として、球抜き状態の報知は、「球抜きを開始します」又は「球抜き状態です」の文字列を読み上げる人の声など、球抜き状態への移行を特定可能な音声を演出音声部12から出力する態様にて実行される。CPU81aは、球抜き完了コマンドを入力すると、球抜き状態の報知を終了させる。
【0355】
CPU81aは、球抜き状態の報知を開始させてから特殊時間が経過した場合に、演出音声部12を制御し、球抜き状態の報知を終了させる。CPU81aは、電源断時に演出音声部12を制御し、球抜き状態の報知を終了させる。なお、CPU81aは、電源断を経て電源投入されても、球抜き状態の報知を実行させない。これに限らず、CPU81aは、電源断を経て電源投入されたときに、球抜き状態の報知を実行させてもよい。
【0356】
以上のように、遊技機10は、各種のエラーが設定された場合、性能表示モニタ82d、及び演出装置ESにおいて、設定中のエラーを報知することが可能である。性能表示モニタ82dは、枠制御基板82に設けられている。そして、枠制御基板82は、搭載枠11bを開放しなければ視認できない位置に設けられている。このため、性能表示モニタ82dは、例えば、遊技を行う遊技者が視認し難い。一方、演出装置ESは、遊技機10を正面視したときに視認可能であるから、遊技を行う遊技者が視認し易い。よって、性能表示モニタ82dにおいて実行されるエラーの報知は、遊技者が認識し難い。一方、演出装置ESにおいて実行されるエラーの報知は、遊技者が視認し易い。
【0357】
性能表示モニタ82d、演出表示部19、演出音声部12、及び演出発光部14において実行されるエラーの報知は、終了する条件が異なり得る。上述したように、性能表示モニタ82dにおけるエラーの報知は、エラーの設定が解除されたことを条件に終了する。演出表示部19、演出音声部12、及び演出発光部14におけるエラーの報知は、エラーの設定が解除されたこと、エラーの報知が開始してから特別時間が経過したこと、エラーの報知が開始してから特殊時間が経過したこと、及び電力供給が停止したことのうち一部又は複数を条件に終了する。
【0358】
一例として、性能表示モニタ82dにおける遊技球数クリアエラー報知は、エラーの設定が解除されたことにより終了する。演出表示部19、演出音声部12、及び演出発光部14における遊技球数クリアエラー報知は、エラーの報知が開始してから特別時間(一例として30秒)が経過したこと、エラーの設定が解除されたこと、又は電力供給が停止したことにより終了する。このように、性能表示モニタ82dでは、遊技球数クリアエラー報知が開始されてから特別時間が経過しても、遊技球数クリアエラーの設定が解除されるまで遊技球数クリアエラー報知が終了されない。一方、演出表示部19、演出音声部12、及び演出発光部14では、遊技球数クリアエラー報知が開始されてから特別時間が経過すると、遊技球数クリアエラー報知が終了される。また、演出表示部19、演出音声部12、及び演出発光部14では、遊技球数クリアエラー報知が開始されてから特別時間が経過する前であっても、遊技球数クリアエラーの設定が解除されたときに遊技球数クリアエラー報知が終了される。
【0359】
一例として、性能表示モニタ82dにおける入賞球数異常エラー報知は、エラーの設定が解除されたことにより終了する。演出表示部19における入賞球数異常エラー報知は、エラーの設定が解除されたこと、又は電力供給が停止したことにより終了する。演出音声部12及び演出発光部14における入賞球数異常エラー報知は、エラーの報知が開始してから特殊時間(一例として30秒)が経過したこと、エラーの設定が解除されたこと、又は電力供給が停止したことにより終了する。このように、演出表示部19、演出音声部12、及び演出発光部14において実行される入賞球数異常エラー報知は、電力供給が停止すると終了する。そして、演出音声部12及び演出発光部14において実行される入賞球数異常エラー報知は、電力供給が停止する前であっても入賞球数異常エラー報知が開始してから特殊時間が経過したときに終了する。一方、演出表示部19において実行される入賞球数異常エラー報知は、入賞球数異常エラー報知が開始してから特殊時間が経過したとしても終了しない。
【0360】
次に、遊技球を発射させるときの動作について説明する。
遊技球の発射と供給は、枠制御基板82(CPU80a)による供給部61の制御、及び発射制御基板83(発射制御回路83a)による発射部65の制御の組合せによって実現される。以下、発射制御回路83aが遊技球を発射させるために実行する一連の動作(以下、発射シーケンスと示す)と、枠制御基板82の処理とについて詳細に説明する。
【0361】
発射制御基板83(発射制御回路83a)の動作について説明する。
発射制御回路83aは、遊技球の発射条件が成立している場合に、発射シーケンスを繰り返し実行する。遊技球の発射条件は、第1から第4までの全ての条件が満たされることで成立する。第1条件は、遊技球の発射が許容される発射許可状態であることで満たされる。第2条件は、タッチ信号がオン状態となり、発射操作部15への接触が検知されている接触検知状態であることで満たされる。第3条件は、ボリューム信号の電圧がしきい値を超えることにより、発射操作部15(ハンドルレバー15a)の操作量が所定量を超えていることが検知されている操作検知状態であることで満たされる。第4条件は、ストップ信号がオフ状態であることにより、遊技球の発射を停止させる操作が検知されていない非停止状態であることにより満たされる。
【0362】
発射シーケンスにおいて、発射制御回路83aは、最初に規定時間t10(一例として37.5ms)にわたって待機する。規定時間t10が経過した場合に、発射制御回路83aは、発射タイミングパルスに応じて駆動電流を発射ソレノイド66aに供給する。発射制御回路83aは、ボリューム信号の電圧を参照して発射強度を設定する。発射制御回路83aの保持回路は、このときのボリューム信号の電圧値を新たに保持する。発射制御回路83aは、駆動電流を出力するタイミングで減算基準信号を枠制御基板82へ出力する。発射制御回路83aは、発射ソレノイド66aへ駆動電流を出力してから規定時間t11(一例として562.5ms)が経過するまで待機する。以上により、1回の発射シーケンスが終了する。
【0363】
発射制御回路83aは、発射ソレノイド66aへ駆動電流を出力してから規定時間t11が経過した時点(以下、判定時点T10と示す)において、発射条件が成立しているか否かに応じて、その後の動作が異なる。判定時点T10は、1回の発射シーケンスが終了する時点ともいえる。判定時点T10において、発射条件が成立している場合に、発射制御回路83aは、新たな発射シーケンスを開始する。判定時点T10は、発射シーケンスが終了する毎に到来する。よって、発射シーケンスは、遊技球の発射条件が成立している場合に、繰り返し実行される。これにより、遊技球の発射周期は、規定時間t10と規定時間t11の和に等しい。一例として、発射周期は、600msである。
【0364】
一方、判定時点T10において、発射条件が成立していない場合に、発射制御回路83aは、空打ちシーケンスを実行する。空打ちシーケンスにおいて、発射制御回路83aは、最初に、規定時間t10にわたって待機する。規定時間t10が経過した場合に、発射制御回路83aは、発射タイミングパルスに応じて駆動電流を発射ソレノイド66aに供給する。このときの駆動電流の電圧は、発射制御回路83aの保持回路に保持されたボリューム信号の電圧に応じた電圧となる。また、発射制御回路83aの保持回路は、このときのボリューム信号の電圧値を新たに保持する。発射制御回路83aは、駆動電流を発射ソレノイド66aに供給しても、減算基準信号を枠制御基板82へ出力しない。発射制御回路83aは、発射ソレノイド66aへ駆動電流を出力してから規定時間t11が経過するまで待機する。以上により、1回の空打ちシーケンスが終了する。
【0365】
発射制御回路83aは、空打ちシーケンスとして、発射ソレノイド66aへ駆動電流を出力してから規定時間t11が経過した時点(以下、判定時点T11と示す)において、発射条件が成立しているか否かによって、その後の動作が異なる。判定時点T11は、1回の空打ちシーケンスが終了する時点ともいえる。判定時点T11において、発射条件が成立している場合に、発射制御回路83aは、上述した発射シーケンスを開始する。一方、判定時点T11において、発射条件が成立していない場合に、発射制御回路83aは、2回目の空打ちシーケンスを実行する。2回目の空打ちシーケンスにおいても、発射制御回路83aは、発射ソレノイド66aへ駆動電流を出力するが、減算基準信号を枠制御基板82へ出力しない。
【0366】
発射制御回路83aは、2回目の空打ちシーケンスが終了した時点(以下、判定時点T12と示す)において、発射条件が成立しているか否かによって、その後の動作が異なる。判定時点T12において、発射条件が成立している場合に、発射制御回路83aは、上述した発射シーケンスを開始する。一方、判定時点T12において、発射条件が成立していない場合に、発射制御回路83aは、空打ちシーケンスを実行しないとともに、発射シーケンスを実行しない。つまり、発射制御回路83aは、発射ソレノイド66aへ駆動電流を出力せず、かつ減算基準信号を枠制御基板82へ出力しない。
【0367】
枠制御基板82(CPU82a)の制御について説明する。
CPU82aは、減算基準信号がオン状態に遷移すると、規定時間t10aにわたって待機する。規定時間t10aは、発射ソレノイド66aの駆動時間と等しい時間(一例として16ms)である。次に、CPU82aは、供給ソレノイド63bに駆動電流を供給し、供給ソレノイド63bを駆動させる。つまり、可動片63aは、1回の供給動作を実行する。可動片63aが1回の供給動作を実行すると、供給入口側通路62aにおいて一列に並ぶ遊技球Kのうち先頭の遊技球は、供給出口側通路62bへ放出される。
【0368】
上述のように、減算基準信号は、発射シーケンスが実行される場合に出力される。減算基準信号は、空打ちシーケンスが実行されても出力されない。つまり、遊技球の発射条件が成立しなくなることに伴って、発射部65において2回の空打ちが実行される場合には、遊技球が発射部65へ供給されない。よって、遊技機10では、遊技球の発射条件が成立しなくなった場合に、遊技球が打撃位置67に残ってしまうことが抑制される。つまり、発射条件が成立しなくなった場合に、遊技球は、原則として切出し機構63よりも下流側に存在しない状態となる。
【0369】
遊技機10における球抜き作業について説明する。
球抜き作業は、球抜き状態において行うことが好ましい。球抜き状態は、球抜き状態中以外を確認区間として検出し得る種類のエラーが検知されず、当該エラーが設定されず、当該エラーの報知がされることもない。つまり、球抜き状態は、球抜き状態中以外においてエラーの検知に使用される各種センサが無効化される状態、又は各種センサの検知結果が受け付けられない状態であるといえる。
【0370】
上述の通り、回収機構30は、下方に向かって延びる通路、又は下方に向かって傾斜する通路を組み合わせて構成されている。つまり、入賞通路31、非入賞通路32、ファール通路33、合流通路35、及び流通通路37は、何れも下方に向かって延びる通路、又は下方に向かって傾斜する通路である。よって、遊技球は、遊技盤20から、受入口30a~30cの何れかに受け入れられると、重力の作用によって通路を流下して、最終的に搬送部52へと到達し得る。流通通路37に隣接して、搬送入口センサD28によって遊技球が検知され得る部分と、第1球抜き部71とは、搬送部52よりも上流側において、この順番に並んでいる。よって、遊技球は、搬送入口センサD28によって検知され得る部分、及び第1球抜き部71の順に、これらを通過することになる。
【0371】
球抜き状態において、第1球抜き部71のレバー(不図示)が操作され、開閉片71cが開放位置へ変位されたとする。第1接続部71aにおいて、球抜き孔71bは、開放される。これにより、第1接続部71aにある遊技球は、球抜き孔71bから機外へと排出される。また、第1球抜き部71において、遊技球が球抜き孔71bから順に機外へと排出されることに伴い、回収機構30を構成する通路31~33,35,37にある遊技球は、搬送部52へ向けて前進する。そして、最終的に、通路31~33,35,37にある遊技球は、全て、開放状態とされた球抜き孔71bから、機外へと排出される。
【0372】
また、第2球抜き部72のレバー(不図示)が操作され、開閉片72cが開放位置へ変位されたとする。第2接続部72aにおいて、球抜き孔72bは、開放される。これにより、第2接続部72aにある遊技球は、球抜き孔72bから、球抜き通路73へと排出される。また、第2接続部72aにおいて、遊技球が球抜き孔72bから順に球抜き通路73へと排出されることに伴い、供給入口側通路62aにある遊技球は、第2接続部72aへ向けて前進する。また、球抜き状態では、搬送部52が駆動される。つまり、搬送部52の内部にある遊技球は、供給入口側通路62aへと排出され、さらに第2接続部72aへ向けて前進する。そして、第2接続部72aへと到達した遊技球は、球抜き孔72bから球抜き通路73へと流入する。
【0373】
球抜き通路73は、下方に向かって延びる通路、又は下方に下るように傾斜する通路を組み合わせて構成される。よって、遊技球は、球抜き通路73へ流入すると、球抜き通路73を通過し、第1球抜き部71へと到達する。遊技球は、球抜き孔71bが開放状態であれば、当該球抜き孔71bから、機外へと排出される。そして、最終的に、循環機構50及び発射機構60にある遊技球は、第2接続部72aから、球抜き通路73及び第1球抜き部71を経由して、機外へと排出される。
【0374】
上述したように、遊技球の発射条件が成立しなくなった場合に、空打ちシーケンスが実行される。空打ちシーケンスが実行されることによって、遊技球は、打撃位置67に残存しない。つまり、電源投入後、球抜き状態が開始される状況において、遊技球は、切出し機構63よりも下流側に存在しない。よって、上述した手順に従って球抜きが実行された場合に、遊技機10に封入された遊技球は、全て機外へと排出され得る。これには、発射部65の動作によって、遊技球を打ち出すことは、必要とされない。このため、遊技球は、遊技盤20が枠11に組み付けられていない状態であっても、枠11に形成された流通機構29から排出され得る。
【0375】
ここで、発射許可状態は、管理ユニット100と遊技機10とが正常に接続されており、かつ枠制御基板82にて特定のエラー(一例として扉開放エラー又は供給機構エラー)が設定されていない状態である。発射禁止状態は、管理ユニット100と遊技機10とが正常に接続されていないこと、枠制御基板82にて特定のエラーが設定されていること、のうち1つ又は複数が生じている状態である。なお、同じ扉開放エラーであっても、第2扉開放信号を入力している場合は、上記特定のエラーに該当せず、その設定によっては発射禁止状態とならないようにしてもよい。
【0376】
発射許可状態は、必要な上記条件が満たされれば、球抜き状態であっても生起され得る。つまり、球抜き状態であっても、遊技球の発射条件が成立し得る。よって、仮に、遊技球が打撃位置67に残存していたとしても、発射操作部15が操作されることによって、遊技領域20aへと発射させることができる。遊技領域20aに発射された遊技球は、回収機構30を介して、機外へと排出される。
【0377】
遊技機10の管理者等は、球抜き状態において球抜きを完了した場合に、メンテナンス部55の交換作業等のメンテナンスを行い得る。メンテナンス作業の完了後、管理者等は、受入口30a~30cから遊技球を流通機構29へ流入させるとよい。そして、遊技機10の電源を遮断してから、再投入させることで、遊技機10を起動させ得る。
【0378】
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)従来、遊技機の一例であるパチンコ遊技機は、複数種類のエラーを検知可能に構成される(例えば、特開2018-161534号公報)。複数種類のエラーは、それぞれ検知される条件が予め定められている。エラーが検知されたとき、パチンコ遊技機は、異常な状態であるといえる。複数種類のエラーを検知可能な遊技機では、エラーを検知した場合、当該検知したエラーに応じて適切な処置が行われることが望ましい。このため、遊技機は、検知したエラーに係る制御を行う必要がある。エラーに係る制御を実行するに際しては、制御負担が増大することを抑制することが望まれる。
【0379】
遊技制御基板80(CPU80a)は、複数種類のエラーに関するエラー情報の一例として枠エラー情報を用いて、設定されているエラーを特定可能に構成される。本実施形態では、この枠エラー情報を流用してエラーコマンドを生成するエラーコマンド処理を行うようにした。特に、枠エラー情報は、複数種類のエラーについて、設定されているか否かを特定可能な情報であることから、遊技機10では、複数種類のエラーを対象として同じ処理(プログラム)を繰り返し行うことにより複数種類のエラーコマンドを生成可能にした。例えば、1つのエラーに対して1つの処理(プログラム)を行っては、エラーの種類が増えるにつれて制御負担が増大することが考えられる。本実施形態によれば、複数種類のエラーコマンドについて、同じ処理(プログラム)を繰り返し行うことにより生成できるから、制御負担が増大することを抑制することができる。
【0380】
(2)遊技制御基板80(CPU80a)は、枠エラー情報を流用して、エラーが設定されたことを特定可能なエラー設定コマンドと、エラーの設定が解除されたことを特定可能なエラー解除コマンドと、を生成することができる。よって、エラーコマンドを生成するために、新たな情報を生成しなくてもよいから、制御負担が増大することを抑制することができる。
【0381】
(3)遊技機10は、エラーコマンド1処理が実行される毎に、枠エラー情報1及び前回枠エラー情報1によって複数(一例として8種類)のエラーの比較情報を生成できるように構成される。また、遊技機10は、エラーコマンド2処理が実行される毎に、枠エラー情報2及び前回枠エラー情報2によって複数(一例として4種類)のエラーの比較情報を生成できるように構成される。つまり、エラーコマンド処理が実行される毎に、最大で8種類のエラーの比較情報を生成できるように構成される。そして、第1処理において、比較情報をビットシフトして最下位ビットが1であるかを判定することにより、8種類のエラーのうち1のエラーを対象として、枠エラー情報1(枠エラー情報2)と、前回枠エラー情報1(前回枠エラー情報2)と、が異なるかを判定することができる。そして、この第1処理が繰り返し行われることによって最大で8種類のエラーについて判定することができ、結果として、最大で8種類のエラーコマンドを生成可能である。このように、本実施形態によれば、複数種類のエラーコマンドについて、同じ処理(プログラム)を繰り返し行うことにより生成できるから、制御負担が増大することを抑制することができる。
【0382】
(4)遊技機10は、機内部において遊技球を循環させることが可能な遊技機である。枠制御基板82(CPU82a)は、遊技球を循環させる機構に関する複数種類のエラーを設定可能である。そして、枠制御基板82は、遊技球を循環させる機構に関する複数種類のエラーに係るコマンドを遊技制御基板80に出力する。これにより、遊技制御基板80は、エラー情報を記憶することができ、当該エラー情報によって、枠制御基板82において設定されているエラーを把握することができる。本実施形態では、このエラー情報を流用して演出制御基板81(CPU81a)へ出力するエラーコマンドを生成するエラーコマンド処理を行うようにした。特に、枠エラー情報は、複数種類のエラーについて、設定されているか否かを特定可能な情報であることから、遊技機10では、複数種類のエラーを対象として同じ処理(プログラム)を繰り返し行うことにより複数種類のエラーコマンドを生成可能にした。例えば、1つのエラーに対して1つの処理(プログラム)を行っては、エラーの種類が増えるにつれて制御負担が増大することが考えられる。本実施形態によれば、複数種類のエラーコマンドについて、同じ処理(プログラム)を繰り返し行うことにより生成できるから、制御負担が増大することを抑制することができる。
【0383】
(5)遊技機10は、遊技に用いる遊技媒体をデータとして管理する遊技機である。枠制御基板82は、遊技媒体をデータとして管理する遊技機として機能するための構成に関する複数種類のエラーを設定可能である。そして、枠制御基板82は、遊技媒体をデータとして管理する遊技機として機能するための構成に関する複数種類のエラーに係るコマンドを遊技制御基板80に出力する。これにより、遊技制御基板80は、エラー情報を記憶することができ、当該エラー情報によって、枠制御基板82において設定されているエラーを把握することができる。本実施形態では、このエラー情報を流用して演出制御基板81へ出力するエラーコマンドを生成するエラーコマンド処理を行うようにした。特に、枠エラー情報は、複数種類のエラーについて、設定されているか否かを特定可能な情報であることから、遊技機10では、複数種類のエラーを対象として同じ処理(プログラム)を繰り返し行うことにより複数種類のエラーコマンドを生成可能にした。例えば、1つのエラーに対して1つの処理(プログラム)を行っては、エラーの種類が増えるにつれて制御負担が増大することが考えられる。本実施形態によれば、複数種類のエラーコマンドについて、同じ処理(プログラム)を繰り返し行うことにより生成できるから、制御負担が増大することを抑制することができる。
【0384】
(6)遊技制御基板80(CPU80a)は、枠エラー情報1(枠エラー情報2)と、前回枠エラー情報1(前回枠エラー情報2)と、が異なると判定したときにはエラーコマンドを生成する。一方、遊技制御基板80は、枠エラー情報1(枠エラー情報2)と、前回枠エラー情報1(前回枠エラー情報2)と、が異ならないと判定したときにはエラーコマンドを生成しない。このため、本実施形態によれば、例えば、予めエラーコマンドを生成しておき、異ならないと判定したときに出力しないようにする処理に比して制御負担を軽減できる。つまり、本実施形態によれば、判定状況に応じて、エラーコマンドを生成する処理が、実行される場合と、実行されない場合と、があるような処理になっているから、制御負担が増大することを抑制することができる。
【0385】
(7)エラーコマンドの下位バイトデータは、枠エラー情報1(枠エラー情報2)によって特定可能な情報に応じて異なるデータとなるように構成される。例えば、枠エラー情報1によって特定可能な情報が、エラーが設定されていることである場合、下位バイトデータが演算されずにエラー設定コマンドが生成される。枠エラー情報1によって特定可能な情報が、エラーが設定されていないことである場合、下位バイトデータが演算(一例として1加算)されてエラー解除コマンドが生成される。つまり、本実施形態では、エラー設定コマンドに1加算されると、エラー解除コマンドとなる。よって、本実施形態によれば、エラー設定コマンドを基準として、エラー解除コマンドを生成することができるから、エラー解除コマンドを生成するための制御負担を軽減できる。
【0386】
(8)従来、遊技機の一例として、機内部において遊技球を循環させる循環型のパチンコ遊技機が知られている(例えば、特開2021-78753号公報)。特開2021-78753号公報に開示された遊技機において、遊技球は、遊技領域に発射されると、遊技領域を流下した後に、貯留装置に貯留される。そして、貯留装置に貯留された遊技球は、遊技領域に発射されることによって、再び遊技領域を流下する。また、遊技者の持ち球は、遊技制御用マイコンによって電子的に管理される。これにより、遊技球を払い出すための機構は、不要になる。さらに、遊技球は、遊技者によって触れられないから汚れ難い。循環型の遊技機は、非循環型の遊技機と構成が異なるから、非循環型の遊技機とは、検知が必要とされるエラーとその処置の内容も異なる。
【0387】
枠制御基板82が管理する持ち球数(第2管理球数)が初期化されると、特別時間(一例として30秒)が経過するまでは、性能表示モニタ82d及び演出装置ESの両方で遊技球数クリアエラーの報知が行われる。よって、遊技機の管理者等に対し、遊技球数クリアエラーが設定されたことを認識させ易くできる。そして、遊技球の発射が特定されてから特別時間が経過した場合には、性能表示モニタ82dにおける遊技球数クリアエラーの報知は継続される一方、演出装置ESにおける遊技球数クリアエラーの報知は終了される。よって、遊技球数クリアエラーの報知が性能表示モニタ82d及び演出装置ESの両方で実行され続けることによって、遊技機の管理者等に煩わしさを感じさせてしまうことが抑制される。また、完全に遊技球数クリアエラーの報知が終了してしまう構成と比べて、遊技機の管理者等に対して、遊技球数クリアエラーを把握させ易くできる。そして、性能表示モニタ82dにおける遊技球数クリアエラーの報知は、遊技球数クリアエラーの設定が解除されると終了される。ここで、遊技球数クリアエラーの設定は、遊技球の発射が特定されてから特別時間が経過したこと、つまり、遊技者等による遊技が開始された状況となることで解除される。これにより、遊技機の管理者等に対して遊技球数クリアエラーが設定されていることを認識させ易くしつつも、遊技者等に対して遊技を阻害することも抑制できる。よって、エラーに応じて処置を行い易い。
【0388】
(9)遊技機10では、性能表示モニタ82dにおける遊技球数クリアエラーの報知と、演出装置ESにおける遊技球数クリアエラーの報知とが同時に終了してしまうことが抑制される。つまり、性能表示モニタ82d及び演出装置ESの両方で遊技球数クリアエラーの報知が実行される期間を確保し易くできる。よって、エラーに応じて処置を行い易い。
【0389】
(10)遊技機10では、遊技球が発射されれば、その遊技球が遊技領域20aに到達した場合、及び遊技領域20aに到達しなかった場合(つまりファール球となった場合)の何れであっても、遊技が行われているものとして、遊技球数クリアエラーの設定を解除し、遊技を阻害することを抑制することができる。よって、適切な処置を行うことができる。
【0390】
(11)遊技者の持ち球数(第2管理球数)は、遊技領域20aに向けて発射されると減算される。ここで、通常であれば、遊技領域20aに向けて発射された遊技球の数(発射球数)と、入賞受入口30a、非入賞受入口30b、及びファール受入口30cによって回収された遊技球の数(回収数)とは、遊技領域20aを流下する遊技球の数を除いて、大きくは異ならないはずである。仮に、発射球数と回収数との差が特定数(一例として100)以上となる場合には、何等かの異常が発生していたり、不正行為が行われていたりすることを想定できる。入賞球数異常エラーの設定は、電力供給が停止、又は、電力供給の開始がなければ解除されないから、入賞球数異常エラーが設定されたことを遊技機の管理者等が認識しないまま解除されてしまうことが抑制される。このため、不正行為の有無の確認等について確認し易くすることができる。よって、エラーに応じて処置を行い易い。
【0391】
(12)発射球数と比べて回収数が少ない場合は、遊技球が遊技領域20aに滞留している状況が想定される。遊技機10は、入賞球数異常エラーが設定された原因が解消された場合であっても、入賞球数異常エラーを解除しない。このため、例えば、遊技領域20a内で遊技球が滞留した状況が発生したかについて確認し易くすることができる。よって、適切な処置を行い易くすることができる。
【0392】
(13)発射球数と比べて回収数が多い場合は、遊技者の持ち球数(第2管理球数)の管理に使用される供給出口センサD23による検知が行われずに発射されている可能性がある。つまり、遊技者の持ち球数が減少せずに発射されている可能性がある。遊技機10は、入賞球数異常エラーが設定された原因が解消された場合であっても、入賞球数異常エラーを解除しない。このため、例えば、遊技球が発射されているのに遊技者の持ち球数が減少していない事象が発生したかについて確認し易くすることができる。よって、適切な処置を行い易くすることができる。
【0393】
(14)入賞球数異常エラーの報知は、演出表示部19及び演出音声部12の両方によって実行されるから、報知が見落とされてしまうことを抑制できる。また、演出音声部12による報知は、演出表示部19による報知よりも先に終了する。よって、演出表示部19及び演出音声部12の両方によって報知がされ続けることで、遊技機の管理者等に対して、却って煩わしく感じさせてしまうことを抑制できる。
【0394】
(15)遊技機10は、遊技者の持ち球数(第2管理球数)が所定球数(一例として40000)を超えていることを報知することができ、遊技者の持ち球数を外部機器(一例としてCU制御基板120)に移管させることを促すことができる。そして、遊技者の持ち球数を外部機器に移管させた場合には、計数完了の報知が実行されることにより、遊技者の持ち球数が外部機器に移管されたことを理解させ易くすることができる。そして、遊技者の持ち球数が外部機器に移管されたことにより、遊技者の持ち球数が特定球数(一例として35000)以下にさせることができる。このように、遊技機10は、遊技球数オーバーエラーが設定された場合、当該遊技球数オーバーエラーが解除されるまでの状況を把握させ易くすることができる。よって、エラーに応じて処置を行い易い。
【0395】
(16)遊技球数オーバーエラーの報知は、演出音声部12において、計数完了の報知よりも優先して実行される。これにより、遊技者の持ち球数が特定球数以下になっていないことを特定し易くすることができる。このため、遊技球数オーバーエラーの設定が解除されていないことを理解させ易くすることができ、適切な処置を行い易くすることができる。
【0396】
(17)遊技者の持ち球数を外部機器に移管させる場合には、計数操作部18の操作を、単押し操作と、長押し操作と、で移管させる持ち球数を異ならせることができる。よって、遊技者の利便性を高めることができる。
【0397】
(18)球抜き状態中は、発射された遊技球が回収される前に、機外に排出することも想定される。このような状態において入賞球数異常エラーが設定されては、遊技機の管理者等に対して、却って煩わしく感じさせてしまう虞がある。本実施形態では、球抜き状態中には、入賞球数異常エラーが設定されないようにした。これにより、遊技機の管理者等に対して、煩わしく感じさせてしまうことを抑制できる。
【0398】
(19)発射球数と比べて回収数が多い場合は、異常な電波が発生していることによりアウトセンサD30の検知に所定の影響が出ている可能性がある。このような電波は、不正(所謂ゴト行為)により発生しているものがある。本実施形態によれば、不正電波検知エラーが設定されることにより、入賞球数異常エラーが設定された原因を特定し易くすることができる。よって、エラーに応じて処置を行い易い。
【0399】
(20)演出音声部12における遊技球数オーバーエラーの報知は、特殊時間が経過したときに終了するため、計数完了の報知を実行可能である。一方、演出表示部19における遊技球数オーバーエラーの報知は、遊技球数オーバーエラーの設定が解除されるまで特殊時間が経過した後も表示可能である。このため、遊技機10では、遊技球数オーバーエラーの報知と、計数完了の報知と、を異なる報知で同時に実行可能である。これにより、遊技球数オーバーエラーの設定が解除されるまで、計数操作部18の操作をさせ易くするとともに、遊技球数オーバーエラーの設定を解除させるための処理が実行されていることを理解させ易くすることができる。よって、エラーに応じて処置を行い易い。
【0400】
上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。なお、上述した実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0401】
・CPU82aは、枠エラー情報1及び枠エラー情報2を更新したときに、枠エラー情報1コマンド及び枠エラー情報2コマンドを遊技制御基板80(CPU80a)へ出力するようにしてもよい。例えば、CPU82aは、枠エラー情報1の何れかのビットがオン又はオフに更新されてとき、枠エラー情報1コマンドを遊技制御基板80へ出力するようにしてもよい。例えば、CPU82aは、枠エラー情報2の何れかのビットがオン又はオフに更新されたとき、枠エラー情報2コマンドを遊技制御基板80へ出力するようにしてもよい。この変更例において、CPU82aは、応答情報と一緒に枠エラー情報1コマンド及び枠エラー情報2コマンドを遊技制御基板80に出力してもよいし、出力しなくてもよい。
【0402】
・CPU82aは、複数種類のエラーについて、何れかのエラーを設定した場合、当該エラーを設定したことを特定可能なコマンドを遊技制御基板80(CPU80a)へ出力するようにしてもよい。例えば、CPU82aは、不正電波検知エラーを設定した場合、不正電波検知エラーを設定したことを特定可能なコマンドを遊技制御基板80に出力してもよい。例えば、CPU82aは、遊技球数クリアエラーを設定した場合、遊技球数クリアエラーを設定したことを特定可能なコマンドを遊技制御基板80に出力してもよい。その他のエラーについても、CPU82aは、検知条件が成立した場合、検知条件が成立してエラーを設定したことを特定可能なコマンドを遊技制御基板80に出力してもよい。CPU82aは、複数種類のエラーについて、何れかのエラーの設定を解除した場合、当該エラーの設定を解除したことを特定可能なコマンドを遊技制御基板80へ出力するようにしてもよい。例えば、CPU82aは、不正電波検知エラーの設定を解除した場合、不正電波検知エラーの設定を解除したことを特定可能なコマンドを遊技制御基板80に出力してもよい。例えば、CPU82aは、遊技球数クリアエラーの設定を解除した場合、遊技球数クリアエラーの設定を解除したことを特定可能なコマンドを遊技制御基板80に出力してもよい。その他のエラーについても、CPU82aは、解除条件が成立した場合、解除条件が成立してエラーの設定を解除したことを特定可能なコマンドを遊技制御基板80に出力してもよい。CPU80aは、これらの枠制御基板82(CPU82a)から入力したコマンドに基づいて、枠エラー情報1及び枠エラー情報2を生成してRAM80cに記憶させてもよい。この変更例において、CPU82aは、枠エラー情報1コマンド及び枠エラー情報2コマンドを遊技制御基板80に出力してもよいし、出力しなくてもよい。
【0403】
・枠制御基板82(CPU82a)は、枠エラー情報1及び枠エラー情報2を遊技制御基板80(CPU80a)へ出力する手段として、
図14に示すエラーコマンド処理を行ってもよい。つまり、CPU82aは、所定の周期毎にエラーコマンド処理を実行してもよい。CPU82aは、エラーコマンド処理において、枠エラー情報1及び枠エラー情報2を用いて、遊技制御基板80へ出力するエラーコマンドを生成してもよい。CPU80aは、枠制御基板82から入力したエラーコマンドに基づいて、枠エラー情報1及び枠エラー情報2を生成してRAM82cに記憶させるようにしてもよい。
【0404】
・枠エラー情報2には、エラーが対応付けられていない空きのビットがあるが、これに限らない。遊技機の仕様に基づいて、検知が必要なエラーを追加するときには、当該エラーが設定されていることを特定可能なフラグとして、空きのビットを対応付けてもよい。例えば、枠エラー情報2のbit1に新たにエラーを対応付けた場合には、エラーコマンド2処理において、対応付けられたエラーが設定されたときに9612Hのコマンドが生成され、対応付けられたエラーの設定が解除されたときに9613Hのコマンドが生成されることとなる。
【0405】
・枠エラー情報1には、全てのビットにエラーが対応付けられているが、これに限らない。遊技機の仕様に基づいて、検知が不要であるから、あるエラーを削除、即ち、あるエラーを設定しないようにするときには、当該エラーが設定されていることを特定可能なフラグを、空きのビットにしてもよい。例えば、遊技球数オーバーエラーを設定しないようにする場合には、枠エラー情報1のbit5を空きのビットにしてもよい。空きのビットは、新たに、遊技球数オーバーエラーとは異なるエラーに対応付けてもよい。
【0406】
・エラーコマンド処理では、ステップS107,S109,S111において右にビットシフトする処理であったが、これに限らない。CPU80aは、ステップS107,S109,S111において左にビットシフトするようにしてもよい。つまり、bit0~bit7のデータが、それぞれ1ビットずつ左にずれてセットされるようにしてもよい。この場合、bit0には、0がセットされる。そして、bit7にセットされているデータがCY(キャリーフラグ)にセットされる。よって、CPU80aは、ステップS108,S112において左にビットシフトすることにより最上位ビット(bit7)が1(オン)であるか否かを判定する。このような処理にする場合には、エラーコマンド1処理を開始する前に、Cレジスタに0eHをセットするようにしてもよい。そして、ステップS116では、Cレジスタを2減算するようにしてもよい。また、エラーコマンド2処理を開始する前に、Cレジスタに1eHをセットするようにしてもよい。
【0407】
・性能表示モニタ82dにおいてエラーコードの表示を開始するタイミングは、演出装置ESにおいてエラー報知を開始するタイミングと同じ又は略同じタイミングであってもよい。また、性能表示モニタ82dにおいてエラーコードの表示を開始するタイミングは、演出装置ESにおいてエラー報知を開始するタイミングよりも先のタイミングであってもよい。この構成によれば、管理者が搭載枠11bを開放してメンテナンスを実施している場合など、機表側を視認する遊技者等よりも先に管理者にエラーが設定されていることを把握させることができる。
【0408】
・CPU82aは、発射球数と回収数との差が特定数に達したことを検知した後、所定の経過時間の間、発射球数と回収数との差が特定数以上を維持したときに、入賞球数異常エラーを設定するようにしてもよい。
【0409】
・CPU82aは、アウトセンサD30による検知に応じて回収数を加算する一方、ファールセンサD21による検知に応じて回収数を加算しなくてもよい。つまり、回収数は、戻り球(ファール球)を含まずに、アウト球のみによって加算されてもよい。遊技球を連続的に発射させている状況において戻り球が発生する可能性は極めて小さい。つまり多数の戻り球が短時間で連続的に発生するとは考え難い。このことから、入賞球数異常エラーを検知するのに際して戻り球を考慮してなくてもよい。あるいは、構造的に戻り球が発生し得ないパチンコ遊技機(例えば遊技盤20の左上方から遊技球を発射するタイプ)であれば発射球数とアウト球に基づいて入賞球数異常エラーが設定されてもよい。
【0410】
・アウト球の検知は、アウトセンサD30による検知に代えて、入賞通路カウントセンサD25及び非入賞通路カウントセンサD26による検知にしてもよい。アウト球の数は、入賞通路カウントセンサD25が検知した数と非入賞通路カウントセンサD26が検知した数の合算数としてもよい。この場合、アウトセンサD30は、設けても設けなくてもよい。
【0411】
・入賞通路カウントセンサD25と非入賞通路カウントセンサD26を設けず、アウトセンサD30のみで排出された遊技球を検知してもよい。
・アウトセンサD30は、遊技盤20に設けられていてもよいし、枠11に設けられていてもよい。
【0412】
・第2計数球数は、遊技者の持ち球数の全部であってもよい。一例として、CPU82aは、第2管理球数が100であって、かつ計数操作部18から「長押し操作」を特定可能な計数信号を入力した場合、第2計数球数として100を計数情報に加算してRAM82cに記憶させてもよい。一例として、CPU82aは、第2管理球数が5000であって、かつ計数操作部18から「長押し操作」を特定可能な計数信号を入力した場合、第2計数球数として5000を計数情報に加算してRAM82cに記憶させてもよい。これによれば、例えば、遊技者が遊技機10における遊技を終了するときに、1回の長押し操作により持ち球数の全てを管理ユニット100に移管させることができる。よって、遊技者の利便性を高めることができる。
【0413】
・CPU82aは、第2管理球数が、第1計数球数よりも多く、かつ第2計数球数よりも少ないときに、計数操作部18から「長押し操作」を特定可能な計数信号を入力した場合、第2管理球数の全部を計数情報に加算してRAM82cに記憶させてもよい。一例として、CPU82aは、第2管理球数が10であって、かつ計数操作部18から「長押し操作」を特定可能な計数信号を入力した場合、10を計数情報に加算してRAM82cに記憶させてもよい。
【0414】
・CPU82aは、計数操作部18が操作されたとき、計数操作部18が操作されたこと、及び、第2管理球数を特定可能な制御情報(以下、計数操作コマンドと示す)を遊技制御基板80へ出力してもよい。遊技制御基板80(CPU80a)は、計数操作コマンドを演出制御基板81へ出力してもよい。演出制御基板81は、計数操作コマンドを入力すると、演出音声部12を制御し、効果音を出力させてもよい。一例として、演出制御基板81は、第2管理球数が1以上であることを特定可能な計数操作コマンドを入力した場合、「計数します」の文字列を読み上げる人の声など、所定数以上の持ち球数が遊技機10から管理ユニット100へ移管されることを特定可能な音声を演出音声部12から出力する態様にて実行させてもよい。一例として、演出制御基板81は、第2管理球数が0であることを特定可能な計数操作コマンドを入力した場合、「持ち球がありません」の文字列を読み上げる人の声など、持ち球数が遊技機10から管理ユニット100へ移管されないことを特定可能な音声を演出音声部12から出力する態様にて実行させてもよい。
【0415】
・計数完了の報知は、遊技機10から管理ユニット100へ移管された持ち球数に応じて異なる態様にて実行されてもよい。一例として、計数完了の報知は、遊技機10から管理ユニット100へ移管された持ち球数が、第1計数球数(一例として1)である場合と、第2計数球数(一例として250)である場合と、で異なる態様にて実行されてもよい。つまり、計数完了の報知は、計数操作部18の操作態様が、「単押し操作」であるときと、「長押し操作」であるときと、で実行される報知態様が異なってもよい。
【0416】
・計数完了の報知は、「250球、精算しました」の文字列を読み上げる人の声など、遊技機10から管理ユニット100へ移管された持ち球数を特定可能な音声を演出音声部12から出力する態様にて実行されてもよい。
【0417】
・遊技機10は、次回の大当り遊技まで高確率状態を付与する仕様、転落抽選に当選するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、転落機)、又は規定回数の特別ゲームが終了するまで高確率状態を付与する仕様(所謂、ST機)を採用できる。遊技機10は、遊技球が特定領域を通過することを条件に高確率状態を付与する仕様(所謂、V確変機)を採用できる。遊技機10は、転落機の仕様と、V確変機の仕様と、を混合させた仕様であってもよい。
【0418】
・特別図柄の当り抽選として、大当り抽選の他、小当り抽選を行うように構成してもよい。当り抽選にて小当りに当選した場合、特別ゲームの終了後に小当り遊技(当り遊技)が付与される。本実施形態において、通常の遊技状態(例えば、低確低入球率状態)に比して、単位時間あたりに小当りに当選する回数(頻度)、又は、単位時間あたりに小当り遊技が付与される回数(頻度)が向上する状態(所謂、小当りRUSH)に制御可能に構成してもよい。
【0419】
・遊技機10は、「羽根もの」、又は「ヒコーキタイプ」ともいわれる第2種に分類される仕様を採用してもよい。この種のパチンコ遊技機では、始動口への遊技球の入球を契機に入球装置(大入賞口)の開閉羽根(開閉部材)が開き、入球装置へ入球した遊技球が特別入賞口へ入球することにより大当り遊技が生起される。
【0420】
・遊技盤20の具体的な構成は任意に変更してもよい。
・流通機構29は、その全部が搭載枠11bに形成されたが、一部が遊技盤20に形成されていてもよい。つまり、遊技盤20は、流通機構29の一部を構成してもよい。
【0421】
・CPU80a、ROM80b、RAM80c、及び乱数生成回路80dは、ワンチップに構成されていてもよい。CPU82a、ROM82b、及びRAM82cは、ワンチップに構成されていてもよい。
【0422】
・演出制御基板81をサブ統括制御基板とし、演出制御基板81とは別に演出表示部19を専門に制御する表示制御基板、演出発光部14を専門に制御する発光制御基板、演出音声部12を専門に制御する音制御基板を設けてもよい。このようなサブ統括制御基板とその他の演出を制御する基板を含めて副基板としてもよい。また、実施形態において、単一の基板にCPU80a、及びCPU81aを搭載してもよい。また、表示制御基板、発光制御基板、及び音制御基板を任意に組み合わせて単数又は複数の基板としてもよい。
【0423】
・性能表示モニタ82dは、枠制御基板82に備えられていなくてもよい。性能表示モニタ82dは、枠制御基板82とは別の基板に備えられていてもよい。この場合、枠制御基板82は、性能表示モニタ82dと接続されてもよい。CPU82aは、性能表示モニタ82dの表示内容を制御可能に構成されてもよい。
【0424】
・所定量の遊技媒体(一例として遊技球)の全部を循環させる遊技機として構成したが、これに限らず、遊技媒体の一部又は全部について、遊技機の外部にある遊技媒体と交換可能な構成であってもよい。つまり、非循環型の遊技機として構成してもよい。
【0425】
・遊技に用いる遊技媒体をデータとして管理する遊技機として構成したが、これに限らず、遊技に用いる遊技媒体をデータとして管理しない遊技機であってもよい。即ち、遊技者の持ち球数を管理しない遊技機であってもよい。つまり、遊技機は、所謂、管理遊技機ではなく、従来からあるパチンコ遊技機である非管理遊技機であってもよい。
【0426】
・本実施形態において、遊技機は、パチンコ遊技機であったが、これに限らず、回胴式遊技機(スロットマシン)として構成されていてもよい。回胴式遊技機は、遊技媒体としてメダルを使用し、スタートレバーの操作によって役抽選を行うとともにリールを回転させ、ストップボタンの操作によってリールの回転を停止させ、役抽選の結果に応じた組合せが入賞することによって賞としてのメダルを払出す遊技機である。回胴式遊技機では、これらの遊技に係る制御を主制御基板(主CPU)が行う。主制御基板は、各種のエラーを検知可能に構成される。主制御基板は、エラーの検知条件が成立したことに基づいてエラー情報を主RAMに記憶させてもよい。主制御基板は、所定の周期毎にエラーコマンド処理を実行してもよい。エラーコマンド処理において、主制御基板は、エラー情報を用いて、演出に係る制御を行う副制御基板(副CPU)に出力する複数種類のエラーコマンドを生成可能に構成されてもよい。副制御基板は、エラー設定コマンドを入力したことに基づいて、エラー報知を開始させてもよい。副制御基板は、エラー解除コマンドを入力したことに基づいて、エラー報知を終了させてもよい。
【0427】
・上記変更例における回胴式遊技機は、メダルとは異なる遊技媒体を用いる遊技機であってもよい。例えば、遊技媒体として遊技球(パチンコ球)を用いる遊技機として具体化してもよい。その他、遊技媒体は、データ(情報)で管理されるものであってもよい。即ち、回胴式遊技機は、所謂、管理遊技機であってもよい。つまり、上記変更例における回胴式遊技機は、物理的な遊技媒体を使用せずに遊技を行う回胴式遊技機(所謂、メダルレススロットマシン)に具体化してもよい。このような回胴式遊技機は、データで管理された遊技媒体(仮想媒体)を使用することで遊技を行うことが可能に構成される。
【0428】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記第1処理において、前記第1エラー情報と、前記第2エラー情報と、が異なると判定された場合には、前記第2処理において前記エラーコマンドが生成される一方、前記第1処理において、前記第1エラー情報と、前記第2エラー情報と、が異ならないと判定された場合には、前記第2処理において前記エラーコマンドが生成されない。
【0429】
(ロ)前記エラーコマンドは、2バイトのデータから構成されており、前記2バイトのデータは、上位バイトデータと、下位バイトデータと、で構成されており、前記上位バイトデータは、予め定められたデータであり、前記下位バイトデータは、前記第1エラー情報によって特定可能な情報に応じて異なるデータとなり、前記エラーコマンドには、エラーが設定されたことを特定可能なエラー設定コマンドと、エラーの設定が解除されたことを特定可能なエラー解除コマンドと、があり、前記第2処理では、前記第1エラー情報によって特定可能な情報が、エラーが設定されていることである場合、前記下位バイトデータが演算されずに前記エラー設定コマンドが生成され、前記第1エラー情報によって特定可能な情報が、エラーが設定されていないことである場合、前記下位バイトデータが1加算されて前記エラー解除コマンドが生成される。
【0430】
(ハ)機内部において遊技球を循環させる循環型の遊技機において、遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技領域に向けて遊技球を発射できる発射部と、所定の操作が可能な操作部と、所定の制御を実行可能な制御部と、所定の報知を実行可能な複数の報知部と、を備え、前記制御部は、遊技者の持ち球数を管理する持ち球数管理制御を実行可能であって、当該持ち球数管理制御は、前記操作部が所定の態様で操作されている状態のまま電力供給が開始されたときに遊技者の持ち球数を初期化することを含み、前記制御部は、エラーを管理するエラー管理制御を実行可能であって、当該エラー管理制御は、遊技者の持ち球数が初期化されたときに遊技球数クリアエラーを設定することと、遊技球の発射を特定してから特定時間が経過すると前記遊技球数クリアエラーの設定を解除することと、を含み、前記複数の報知部のうち第1報知部では、前記遊技球数クリアエラーの設定に応じて前記遊技球数クリアエラーの報知が開始され、前記遊技球数クリアエラーの報知が開始されてから特別時間が経過しても、前記遊技球数クリアエラーの設定が解除されるまで前記遊技球数クリアエラーの報知が終了されず、前記複数の報知部のうち第2報知部では、前記遊技球数クリアエラーの設定に応じて前記遊技球数クリアエラーの報知が開始され、前記遊技球数クリアエラーの報知が開始されてから前記特別時間が経過すると、前記遊技球数クリアエラーの報知が終了されることを特徴とする遊技機。
【0431】
(ニ)前記特定時間は、前記特別時間以上の長さの時間である(ハ)に記載の遊技機。
(ホ)前記遊技領域に向けて発射された遊技球のうち、前記遊技領域に到達した遊技球を有効球として検知する有効球検知部と、前記遊技領域に向けて発射された遊技球のうち、前記遊技領域に到達しなかった遊技球を戻り球として検知する戻り球検知部と、を備え、前記制御部は、前記有効球検知部によって遊技球が検知されたとき、又は前記戻り球検知部によって遊技球が検知されたときに、遊技球の発射を特定する(ハ)又は(ニ)に記載の遊技機。
【0432】
(ヘ)機内部において遊技球を循環させる循環型の遊技機において、遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技領域に向けて遊技球を発射できる発射部と、前記遊技領域に向けて発射された遊技球を回収する回収部と、前記回収部によって回収された遊技球を前記発射部に供給する供給機構と、遊技球を検知する第1検知部と、遊技球を検知する第2検知部と、所定の制御を実行可能な制御部と、を備え、前記制御部は、前記第1検知部による検知に応じて前記遊技領域に向けて発射された遊技球の数を特定可能であり、前記第2検知部による検知に応じて前記回収部によって回収された遊技球の数を特定可能であり、前記制御部は、遊技者の持ち球数を管理する持ち球数管理制御を実行可能であって、当該持ち球数管理制御は、前記第1検知部による検知に応じて遊技者の持ち球数を減少させることを含み、前記制御部は、エラーを管理するエラー管理制御を実行可能であって、当該エラー管理制御は、前記遊技領域に向けて発射された遊技球の数と、前記回収部によって回収された遊技球の数との差が特定数以上となったときに入賞球数異常エラーを設定することと、電力供給の停止、又は、電力供給の開始に伴って前記入賞球数異常エラーの設定を解除することと、を含むことを特徴とする遊技機。
【0433】
(ト)前記エラー管理制御は、前記遊技領域に向けて発射された遊技球の数が、前記回収部によって回収された遊技球の数よりも前記特定数以上に多くなったときに前記入賞球数異常エラーを設定することを含み、前記入賞球数異常エラーの設定は、前記遊技領域に向けて発射された遊技球の数と、前記回収部によって回収された遊技球の数との差が前記特定数未満になっても解除されない(ヘ)に記載の遊技機。
【0434】
(チ)前記エラー管理制御は、前記遊技領域に向けて発射された遊技球の数が、前記回収部によって回収された遊技球の数よりも前記特定数以上に少なくなったときに前記入賞球数異常エラーを設定することを含み、前記入賞球数異常エラーの設定は、前記遊技領域に向けて発射された遊技球の数と、前記回収部によって回収された遊技球の数との差が前記特定数未満になっても解除されない(ヘ)又は(ト)に記載の遊技機。
【0435】
(リ)所定の報知を実行可能な複数の報知部を備え、前記報知部では、前記入賞球数異常エラーの設定に応じて前記入賞球数異常エラーの報知が実行され、前記報知部には、音声を出力可能な音声部と、画像を表示可能な表示部と、が含まれ、前記音声部及び前記表示部において実行される前記入賞球数異常エラーの報知は、電力供給が停止すると終了し、前記音声部において実行される前記入賞球数異常エラーの報知は、電力供給が停止する前であっても前記入賞球数異常エラーの報知が開始してから特殊時間が経過したときに終了する一方、前記表示部において実行される前記入賞球数異常エラーの報知は、前記入賞球数異常エラーの報知が開始してから前記特殊時間が経過しても終了しない(ヘ)~(チ)のうち何れか一項に記載の遊技機。
【0436】
(ヌ)機内部において遊技球を循環させる循環型の遊技機において、外部機器に所定の情報を送信できる外部出力部と、遊技者が操作可能な操作部と、所定の制御を実行可能な制御部と、所定の報知を実行可能な報知部と、を備え、前記制御部は、エラーを管理するエラー管理制御を実行可能であって、当該エラー管理制御は、遊技者の持ち球数が所定球数を超えたときに遊技球数オーバーエラーを設定することと、遊技者の持ち球数が特定球数以下となったときに前記遊技球数オーバーエラーの設定を解除することと、を含み、前記報知部は、前記遊技球数オーバーエラーの設定に応じて前記遊技球数オーバーエラーの報知を実行可能であり、前記制御部は、遊技者の持ち球数を管理する持ち球数管理制御を実行可能であって、当該持ち球数管理制御は、前記操作部の操作に応じて遊技者の持ち球数を減少させることを含み、前記制御部は、前記外部機器に所定の情報を送信する情報送信制御を実行可能であって、当該情報送信制御は、前記操作部の操作に応じた遊技者の持ち球数の減少数を特定可能な計数情報を送信することを含み、前記報知部は、前記計数情報が送信されたことに応じて計数完了の報知を実行可能であることを特徴とする遊技機。
【0437】
(ル)前記遊技球数オーバーエラーの報知は、前記報知部において、前記計数完了の報知よりも優先して実行される(ヌ)に記載の遊技機。
(ヲ)前記操作部の操作態様には、操作時間が所定時間未満の単押し操作と、前記操作時間が前記所定時間以上の長押し操作と、を含み、前記持ち球数管理制御は、前記単押し操作と、前記長押し操作と、で減少させる遊技者の持ち球数を異ならせる(ヌ)又は(ル)に記載の遊技機。
【符号の説明】
【0438】
10…パチンコ遊技機(遊技機) 11b…搭載枠 12…演出音声部 13…報知音声部 14…演出発光部 15…発射操作部 17…第2球数表示部 18…計数操作部 19…演出表示部 20…遊技盤 20a…遊技領域 29…流通機構 30…回収機構 50…循環機構 52…搬送部 60…発射機構 65…発射部 80…遊技制御基板 80a…CPU 80b…ROM 80c…RAM 81…演出制御基板 81a…CPU 81b…ROM 81c…RAM 82…枠制御基板 82a…CPU 82b…ROM 82c…RAM