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特開2024-128533制御システム、制御方法、制御プログラム、及び建具
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  • 特開-制御システム、制御方法、制御プログラム、及び建具 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128533
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】制御システム、制御方法、制御プログラム、及び建具
(51)【国際特許分類】
   H04Q 9/00 20060101AFI20240913BHJP
   E05F 15/40 20150101ALI20240913BHJP
   E05F 15/73 20150101ALI20240913BHJP
【FI】
H04Q9/00 301D
E05F15/40
E05F15/73
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037537
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】橋本 泰樹
【テーマコード(参考)】
2E052
5K048
【Fターム(参考)】
2E052AA01
2E052BA04
2E052GA06
2E052GB06
2E052HA01
5K048BA12
5K048BA52
5K048EB02
5K048EB15
(57)【要約】
【課題】住宅設備などの制御対象を適切に制御する。
【解決手段】制御システム1は、人が居住、宿泊、又は滞在するための建築物又は敷地を含む居住空間を撮像する撮像装置30により撮像された撮像画像を取得する撮像画像取得部と、撮像画像取得部により取得された撮像画像に基づいて、居住空間に存在する人、動物、及び移動体のうち少なくともいずれかを含む検知対象を検知する検知部と、検知部により、居住空間に設定された検知領域で検知対象が検知された場合、又は、検知領域で検知されていた検知対象が検知されなくなった場合に、居住空間に設置された設備、機器、装置、及び建材のうち少なくともいずれかを含む制御対象を制御する制御部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
人が居住、宿泊、又は滞在するための建築物又は敷地を含む居住空間を撮像する撮像装置により撮像された撮像画像を取得する撮像画像取得部と、
前記撮像画像取得部により取得された撮像画像に基づいて、前記居住空間に存在する人、動物、及び移動体のうち少なくともいずれかを含む検知対象を検知する検知部と、
前記検知部により、前記居住空間に設定された検知領域で前記検知対象が検知された場合、又は、前記検知領域で検知されていた前記検知対象が検知されなくなった場合に、前記居住空間に設置された設備、機器、装置、及び建材のうち少なくともいずれかを含む制御対象を制御する制御部と、
を備える制御システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記検知領域と、前記検知対象と、前記制御対象の制御内容との対応関係を参照して、前記制御対象の制御内容を決定する
請求項1に記載の制御システム。
【請求項3】
前記設備は、開閉装置を含み、
前記制御部は、前記開閉装置の近傍に設定された検知領域内に前記検知対象が存在することが検知された場合、前記開閉装置の開閉を停止させる
請求項1から2のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項4】
前記検知領域は、前記開閉装置の可動部の移動範囲を含む
請求項3に記載の制御システム。
【請求項5】
前記居住空間において仕切られた特定の空間に前記検知対象が存在する場合の前記制御対象の状態である第1の状態が予め設定されており、前記制御部は、前記特定の空間に前記検知対象が存在することが検知された場合、前記制御対象を前記第1の状態に制御する
請求項1から2のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項6】
前記居住空間において仕切られた特定の空間に前記検知対象が存在しない場合の前記制御対象の状態である第2の状態が予め設定されており、前記制御部は、前記特定の空間に前記検知対象が存在しないことが検知された場合、前記制御対象を前記第2の状態に制御する
請求項1から2のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項7】
前記撮像画像取得部及び前記検知部は、前記撮像装置に備えられ、
前記制御部は、前記制御対象に備えられ、
前記撮像装置は、前記検知部による検知結果を前記制御対象に送信し、
前記制御対象は、前記撮像装置から受信した検知結果に基づいて前記制御対象を制御する
請求項1から2のいずれか1項に記載の制御システム。
【請求項8】
コンピュータに、
人が居住、宿泊、又は滞在するための建築物又は敷地を含む居住空間を撮像する撮像装置により撮像された撮像画像を取得するステップと、
取得された撮像画像に基づいて、前記居住空間に存在する人、動物、及び移動体のうち少なくともいずれかを含む検知対象を検知するステップと、
前記居住空間に設定された検知領域で前記検知対象が検知された場合、又は、前記検知領域で検知されていた前記検知対象が検知されなくなった場合に、前記居住空間に設置された設備、機器、装置、及び建材のうち少なくともいずれかを含む制御対象を制御するステップと、
を実行させる制御方法。
【請求項9】
コンピュータを、
人が居住、宿泊、又は滞在するための建築物又は敷地を含む居住空間を撮像する撮像装置により撮像された撮像画像を取得する撮像画像取得部と、
前記撮像画像取得部により取得された撮像画像に基づいて、前記居住空間に存在する人、動物、及び移動体のうち少なくともいずれかを含む検知対象を検知する検知部と、
前記検知部により、前記居住空間に設定された検知領域で前記検知対象が検知された場合、又は、前記検知領域で検知されていた前記検知対象が検知されなくなった場合に、前記居住空間に設置された設備、機器、装置、及び建材のうち少なくともいずれかを含む制御対象を制御する制御部と、
として機能させるための制御プログラム。
【請求項10】
人が居住、宿泊、又は滞在するための建築物又は敷地を含む居住空間に設けられる建具であって、
枠と、
前記枠の内側に開閉可能に設けられた障子と、
前記居住空間を撮像する撮像装置により撮像された撮像画像を取得する撮像画像取得部と、
前記撮像画像取得部により取得された撮像画像に基づいて、前記居住空間に存在する人、動物、及び移動体のうち少なくともいずれかを含む検知対象を検知する検知部と、
前記検知部により、前記居住空間に設定された検知領域で前記検知対象が検知された場合、又は、前記検知領域で検知されていた前記検知対象が検知されなくなった場合に、前記障子の開閉を制御する制御部と、
を備える建具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、住宅設備などの制御対象を制御する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物の玄関などに設置されたドアの開閉を自動的に実行することができるようにするために、ドアを通過しようとする人が存在することを検知するためのセンサが用いられている。センサとして、例えば、光電方式、光線反射方式、電波方式などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011-032761号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
光電方式のセンサを用いる場合、センサにより人を検知することができない死角が生じるという問題がある。また、反射方式や電波方式等、エリアにて検知するエリアセンサを用いる場合、検知領域を人が通過しただけでもドアが開閉してしまうという過検知の問題がある。
【0005】
本開示は、このような課題に鑑みてなされ、その目的は、住宅設備などの制御対象を適切に制御する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本開示のある態様の制御システムは、人が居住、宿泊、又は滞在するための建築物又は敷地を含む居住空間を撮像する撮像装置により撮像された撮像画像を取得する撮像画像取得部と、撮像画像取得部により取得された撮像画像に基づいて、居住空間に存在する人、動物、及び移動体のうち少なくともいずれかを含む検知対象を検知する検知部と、検知部により、居住空間に設定された検知領域で検知対象が検知された場合、又は、検知領域で検知されていた検知対象が検知されなくなった場合に、居住空間に設置された設備、機器、装置、及び建材のうち少なくともいずれかを含む制御対象を制御する制御部と、を備える。
【0007】
本開示の別の態様は、制御方法である。この方法は、コンピュータに、人が居住、宿泊、又は滞在するための建築物又は敷地を含む居住空間を撮像する撮像装置により撮像された撮像画像を取得するステップと、取得された撮像画像に基づいて、居住空間に存在する人、動物、及び移動体のうち少なくともいずれかを含む検知対象を検知するステップと、居住空間に設定された検知領域で検知対象が検知された場合、又は、検知領域で検知されていた検知対象が検知されなくなった場合に、居住空間に設置された設備、機器、装置、及び建材のうち少なくともいずれかを含む制御対象を制御するステップと、を実行させる。
【0008】
本開示のさらに別の態様は、建具である。この建具は、人が居住、宿泊、又は滞在するための建築物又は敷地を含む居住空間に設けられる建具であって、枠と、枠の内側に開閉可能に設けられた障子と、居住空間を撮像する撮像装置により撮像された撮像画像を取得する撮像画像取得部と、撮像画像取得部により取得された撮像画像に基づいて、居住空間に存在する人、動物、及び移動体のうち少なくともいずれかを含む検知対象を検知する検知部と、検知部により、居住空間に設定された検知領域で検知対象が検知された場合、又は、検知領域で検知されていた検知対象が検知されなくなった場合に、障子の開閉を制御する制御部と、を備える。
【0009】
なお、以上の構成要素の任意の組合せ、本開示の表現を方法、装置、システム、記録媒体、コンピュータプログラムなどの間で変換したものもまた、本開示の態様として有効である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】実施の形態に係る制御システムの構成を示す図である。
図2】実施の形態に係る制御装置の構成を示す図である。
図3】条件保持部の内部データの例を示す図である。
図4】実施の形態に係る制御方法の手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示の実施の形態に係る制御システムでは、居住空間を撮像する撮像装置により撮像された撮像画像に基づいて、居住空間に存在する人、動物、又は移動体(以下、これらを「検知対象」と総称する)を検知する。居住空間には、1以上の検知領域が設定されている。予め設定された検知対象が検知領域で検知された場合、又は、検知領域で検知されていた検知対象が検知されなくなった場合、制御システムは、居住空間に設置された設備、機器、装置、又は建材(以下、これらを「制御対象」と総称する)を自動的に制御する。例えば、制御システムは、照明を点灯又は消灯したり、ドアなどの錠前を施解錠したり、ドア、窓、カーテン、ブラインド、シャッターなどの開閉装置を開閉したり、音楽や映像などの出力を開始又は停止したりする。
【0012】
本開示の制御システムによれば、撮像画像に基づいて検知対象を検知するので、従来の光電方式のセンサなどに比べて、より少ない数の撮像装置によって、より広い検知領域をカバーすることができる。また、検知対象を検知することができない死角を低減させることができる。撮像装置として、全方位カメラや全天球カメラを用いる場合は、さらに広い検知領域をカバーすることができるとともに、死角をさらに低減させることができる。本開示の制御システムによれば、検知対象の識別情報や位置などを取得することもできるので、より的確に制御対象を制御することができ、過検知による過剰な制御を抑えることができる。
【0013】
居住空間は、住宅に限らず、宿泊施設、乳幼児や高齢者などを滞在させる施設、住宅や施設などに併設された駐車場や庭などの敷地など、人が居住、宿泊、又は滞在するための建築物又は敷地を含んでもよい。
【0014】
図1は、実施の形態に係る制御システムの構成を示す。制御システム1は、居住空間の一例である住宅2と、居住空間を撮像する撮像装置30a、30b、30c、30d、30e、30f、30g(以下、「撮像装置30」と総称する)と、住宅2に設置された制御対象と、制御対象を制御する制御装置50とを備える。
【0015】
住宅2は、玄関3、居室4、LDK5、寝室6、トイレ7、浴室8、洗面室9、居室10などの屋内の複数の領域と、門扉11から玄関3へ至るアプローチ12、駐車スペース13などの屋外の複数の領域を含む。
【0016】
制御対象は、駐車スペース13の出入口を開閉するシャッター20、門扉11、玄関3のドア21、居室4の窓36、居室4の机上に設置された照明22、LDK5に設置されたテレビジョン受像機23、寝室6に設置された音楽再生装置24、LDK5と居室10の間に設置された中軸回転式ドア25、駐車スペース13に設置された照明32、各部屋の照明などを含む。各部屋の照明は、撮像装置30と一体的に構成されてもよい。
【0017】
撮像装置30により撮像された撮像画像は、無線通信により制御装置50に送信される。制御装置50は、撮像装置30から取得した撮像画像に基づいて、制御対象の制御内容を決定し、制御対象に制御指示を送信する。制御対象は、制御装置50から受信した制御指示にしたがって動作する。制御装置50は、撮像装置30や制御対象に内蔵されてもよい。制御装置50は、インターネットを介してアクセス可能なサーバ装置などに設けられてもよい。
【0018】
図2は、実施の形態に係る制御装置の構成を示す。制御装置50は、通信装置51、表示装置52、入力装置53、処理装置60、及び記憶装置70を備える。制御装置50は、サーバ装置であってもよいし、パーソナルコンピューターなどの装置であってもよいし、携帯電話端末、スマートフォン、タブレット端末などの携帯端末であってもよい。
【0019】
通信装置51は、無線LANやインターネットなどの通信網を介した他の装置との通信を制御する。通信装置51は、有線又は無線の任意の通信方式により通信を行ってもよい。表示装置52は、処理装置60により生成される画面を表示する。表示装置52は、液晶表示装置、有機EL表示装置などであってもよい。入力装置53は、制御装置50の使用者又は管理者による指示入力を処理装置60に伝達する。入力装置53は、マウス、キーボード、タッチパッドなどであってもよい。表示装置52及び入力装置53は、タッチパネルとして実装されてもよい。
【0020】
記憶装置70は、処理装置60により使用されるプログラム、データなどを記憶する。記憶装置70は、半導体メモリ、ハードディスクなどであってもよい。記憶装置70は、検知対象情報保持部71、空間情報保持部72、条件保持部73、及び撮像画像保持部74を備える。
【0021】
検知対象情報保持部71は、検知対象の情報を格納する。検知対象情報保持部71は、住宅2に居住する居住者の氏名、年齢、性別、身長、体重、性格、嗜好などの属性情報や、顔認証のための顔画像や、居住者を識別するための画像などを保持してもよい。検知対象情報保持部71は、居住者により飼養される動物の種類、年齢、性別、体長、体重、性格、嗜好などの属性情報や、動物を識別するための画像などを保持してもよい。検知対象情報保持部71は、居住者により使用される移動体の種類、サイズ、形状、移動速度、移動体を識別するための画像などを保持してもよい。移動体は、例えば、車、自転車、自動二輪車、自走式掃除機、ロボットなどであってもよい。
【0022】
空間情報保持部72は、住宅2に関する情報を保持する。空間情報保持部72は、住宅2の間取りなど、住宅2において区画された複数の領域の形状を表すデータや、住宅2に設置された制御対象の位置及び形状などの情報や、撮像装置30の種類及び位置などの情報を保持してもよい。
【0023】
条件保持部73は、制御対象の制御内容を決定するための条件を保持する。図3は、条件保持部73の内部データの例を示す。条件保持部73は、検知領域と、検知対象と、制御対象と、制御内容とを対応づけて保持する。条件は、検知領域における検知位置、検知対象の移動方向、移動速度、行動、ジェスチャー、顔認証の要否などの附帯条件を含んでもよい。具体的な例については後述する。
【0024】
撮像画像保持部74は、撮像装置30により撮像された撮像画像を保持する。
【0025】
処理装置60は、撮像画像取得部61、検知部62、制御内容決定部63、制御指示送信部64、及び条件設定部65を備える。これらの構成は、ハードウエア的には、任意の回路、コンピュータのCPU、メモリ、その他のLSIなどにより実現され、ソフトウエア的にはメモリにロードされたプログラムなどによって実現されるが、ここではそれらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックがハードウエアのみ、またはハードウエアとソフトウエアの組合せなど、いろいろな形で実現できることは、当業者には理解されるところである。
【0026】
撮像画像取得部61は、住宅2内に設置された撮像装置30により撮像された撮像画像を撮像装置30から取得し、撮像画像保持部74に格納する。制御装置50が撮像装置30に内蔵される場合は、撮像画像取得部61は設けられなくてもよい。
【0027】
検知部62は、撮像画像保持部74に保持された撮像画像を解析し、検知対象を検知する。検知部62は、撮像画像において、検知対象情報保持部71に保持された検知対象の画像を探索することにより、検知対象を検知してもよい。検知部62は、検知対象の識別情報や検知位置を検知してもよい。検知部62は、時系列に撮像された撮像画像のそれぞれにおいて検知された検知対象の位置に基づいて、検知対象の移動方向や移動速度を検知してもよい。検知部62は、時系列に撮像された撮像画像のそれぞれにおいて検知された人の姿勢や位置に基づいて、人の行動やジェスチャーを検知してもよい。
【0028】
制御内容決定部63は、条件保持部73に保持された条件を参照して、検知部62による検知結果に応じた制御対象の制御内容を決定する。制御指示送信部64は、制御内容決定部63により決定された制御内容を制御対象に実行させるための制御指示を制御対象に送信する。制御内容決定部63及び制御指示送信部64は、本開示の制御部を構成する。
【0029】
条件設定部65は、居住者などから、制御対象の制御内容を決定するための条件を受け付け、受け付けた情報を条件保持部73に格納する。
【0030】
本開示の制御システム1による具体的な制御例について説明する。
【0031】
玄関3のドア21の外側に設置された撮像装置30aにより撮像された撮像画像において、検知領域31a内に人が存在することが検知された場合、検知部62は、検知された人を顔認証により認証する。検知された人が、検知対象情報保持部71に顔画像が保持された居住者であることが認証された場合、制御内容決定部63は、ドア21を解錠して開くことを決定し、ドア21に制御指示を送信する。ドア21は、制御指示にしたがって錠前を解錠してドア本体を開く。
【0032】
居室4の天井の中央付近に設置された撮像装置30bにより撮像された撮像画像において、居室4内に人が存在することが検知された場合、制御内容決定部63は、撮像装置30bの照明を点灯することを決定し、撮像装置30bに制御指示を送信する。撮像装置30bは、制御指示にしたがって照明を点灯する。
【0033】
撮像装置30bにより撮像された撮像画像において、居室4内に存在していた人が検知されなくなった場合、制御内容決定部63は、撮像装置30bの照明を消灯することを決定し、撮像装置30bに制御指示を送信する。撮像装置30bは、制御指示にしたがって照明を消灯する。
【0034】
照明の制御の内容は、LDK5、寝室6、居室10などについても同様である。
【0035】
撮像装置30bにより撮像された撮像画像において、居室4の椅子26に人が存在することが検知された場合、制御内容決定部63は、照明22を点灯することを決定し、照明22に制御指示を送信する。照明22は、制御指示にしたがって点灯する。
【0036】
撮像装置30bにより撮像された撮像画像において、居室4の椅子26に存在していた人が検知されなくなった場合、制御内容決定部63は、照明22を消灯することを決定し、照明22に制御指示を送信する。照明22は、制御指示にしたがって消灯する。
【0037】
撮像装置30bにより撮像された撮像画像において、居室4のベッド27に人が存在することが検知された場合、制御内容決定部63は、撮像装置30bの照明を消灯することを決定し、撮像装置30bに制御指示を送信する。撮像装置30bは、制御指示にしたがって照明を消灯する。
【0038】
撮像装置30bにより撮像された撮像画像において、居室4のベッド27に存在していた人が検知されなくなり、かつ、居室4内に損じすることが検知された場合、制御内容決定部63は、撮像装置30bの照明を点灯することを決定し、撮像装置30bに制御指示を送信する。撮像装置30bは、制御指示にしたがって照明を点灯する。
【0039】
上記の居室4に関する制御は、居室4の使用者として検知対象情報保持部71に登録された人が検知された場合にのみ実行されてもよい。
【0040】
LDK5のリビングルームの天井の中央付近に設置された撮像装置30dにより撮像された撮像画像において、ソファ28に人が存在することが検知された場合、制御内容決定部63は、テレビジョン受像機23の電源をオンにすることを決定し、テレビジョン受像機23に制御指示を送信する。テレビジョン受像機23は、制御指示にしたがって電源をオンにする。
【0041】
撮像装置30dにより撮像された撮像画像において、ソファ28に存在していた全ての人が存在しないことが検知された場合、制御内容決定部63は、テレビジョン受像機23の電源をオフにすることを決定し、テレビジョン受像機23に制御指示を送信する。テレビジョン受像機23は、制御指示にしたがって電源をオフにする。
【0042】
寝室6の天井の中央付近に設置された撮像装置30eにより撮像された撮像画像において、ベッド29に人が存在することが検知された場合、制御内容決定部63は、撮像装置30eの照明を暗くするとともに、音楽再生装置24による音楽の再生を開始することを決定し、撮像装置30e及び音楽再生装置24に制御指示を送信する。撮像装置30eは、制御指示にしたがって照明を暗くする。音楽再生装置24は、制御指示にしたがって音楽の再生を開始する。制御内容決定部63は、検知された人の情報を検知対象情報保持部71から取得し、検知された人の年齢、性別、嗜好などに合わせて、音楽再生装置24により再生する楽曲を選択してもよい。
【0043】
検知部62により、ベッド29に存在する人が就寝したことが検知された場合、制御内容決定部63は、撮像装置30eの照明を消灯するとともに、音楽再生装置24により音楽の再生を停止することを決定し、撮像装置30e及び音楽再生装置24に制御指示を送信する。撮像装置30eは、制御指示にしたがって照明を消灯する。音楽再生装置24は、制御指示にしたがって音楽の再生を停止する。検知部62は、例えば、ベッド29に存在する人が所定時間以上動かなかった場合や、所定時間以上目が閉じていた場合に、その人が就寝したことを検知してもよい。検知部62は、人の心拍数、呼吸音、血圧などを検知するためのセンサから取得された情報に基づいて、ベッド29に存在する人が就寝したことを検知してもよい。
【0044】
検知部62により、ベッド29に存在する人が起床したことが検知された場合、制御内容決定部63は、撮像装置30eの照明を点灯するとともに、音楽再生装置24により音楽の再生を開始することを決定し、撮像装置30e及び音楽再生装置24に制御指示を送信する。撮像装置30eは、制御指示にしたがって照明を点灯する。音楽再生装置24は、制御指示にしたがって音楽の再生を開始する。制御内容決定部63は、寝室6の窓に設置されたカーテンを開くことを決定してもよい。検知部62は、例えば、ベッド29に存在する人の目が開いた場合や、就寝時とは異なる動きをした場合に、その人が起床したことを検知してもよい。検知部62は、人の心拍数、呼吸音、血圧などを検知するためのセンサから取得された情報に基づいて、ベッド29に存在する人が起床したことを検知してもよい。
【0045】
LDK5のダイニングキッチンの天井の中央付近に設置された撮像装置30cと、居室10の天井の中央付近に設置された撮像装置30fにより撮像された撮像画像において、中軸回転式ドア25を通過しようとする人以外の検知対象が検知領域31b内に存在することが検知された場合、制御内容決定部63は、中軸回転式ドア25の回転を停止することを決定し、中軸回転式ドア25に制御指示を送信する。中軸回転式ドア25は、制御指示にしたがって回転を停止する。検知領域31bは、中軸回転式ドア25の可動部であるドア本体の移動範囲を含む。検知領域31b内に検知対象が存在することが検知されたときに中軸回転式ドア25の回転を停止するので、幼児や自走式掃除機などがドア本体に衝突したり、ドア本体と壁の間に挟まれたりすることを防ぐことができる。検知領域31bは、壁の開口の端部の近傍、例えば5~10cmの範囲であってもよい。中軸回転式ドア25を通過する人は、自身が通過する側に注意が向いているので、反対側に幼児や移動体などが存在していても気づきにくい。本開示の制御システム1によれば、検知対象を検知する際の検知領域の死角を低減させることができるので、中軸回転式ドア25のドア本体の移動範囲に存在する検知対象を確実に検知し、ドア本体の回転を停止させることができる。これにより、中軸回転式ドア25の安全性を向上させることができる。居室10の全体を撮像可能な撮像装置30fを用いて検知領域31bに存在する検知対象を検知することができるので、検知領域31bに存在する検知対象を検知するための専用のセンサを省略することができる。これにより、コストを低減させることができる。撮像装置30cや撮像装置30fは、検知領域31b寄りの位置に設置されてもよい。これにより、死角をより低減させることができる。
【0046】
中軸回転式ドア25だけでなく、シャッター20、ドア21、窓などの開閉装置についても同様に、可動部である本体の移動範囲や、可動部の近傍、例えば5~10cmの範囲に検知対象が存在することが検知された場合、制御内容決定部63は、可動部を停止することを決定し、開閉装置に制御指示を送信する。開閉装置は、制御指示にしたがって可動部を停止する。これにより、幼児や移動体などが可動部と衝突したり、指や移動体などが可動部と壁などとの間に挟まれたりするのを防ぐことができる。制御内容決定部63は、幼児や移動体などが検知された場合にのみ可動部を停止させ、成人が検知された場合には可動部を停止させなくてもよい。これにより、過剰な制御を抑え、居住者の利便性を向上させることができる。
【0047】
特に、居室4の窓36は、枠と、枠の内側に開閉可能に設けられた障子を備え、電動で障子を開閉可能な電動窓であるが、この電動窓を図1に示すように部屋の角に設置する場合、角部分は窓の枠のみとなることが多く、壁などが無いため、通常は角に設置される光電センサを設置する場所がない。エリアセンサを用いる場合も、単一のエリアセンサを設置する場合は過検知となり、複数のエリアセンサを設置する場合は検知重複部において挙動が安定せず不具合が生じる可能性がある。このような理由から、従来は適切な安全装置を設けることができなかった。本開示の制御システム1によれば、居室4の天井の中央付近に設置された撮像装置30bにより撮像された撮像画像において、窓36の枠側の障子端部において屋内外方向に5~10cmの範囲で上下方向全長にわたって設定された検知領域に検知対象が存在することが検知された場合、制御内容決定部63は、障子の開閉を停止することを決定し、窓36に制御指示を送信する。窓36は、制御指示にしたがって障子の開閉を停止する。これにより、障子と枠の間や障子の召合せ框間に指などを挟むことを防ぐことができる。したがって、電動窓を空間の角に連続して設けることができるようになるので、窓の配置の自由度を広げることができる。なお、乳幼児や動物などを検知対象とする場合は、検知領域は障子と枠の下部のみに設定されてもよい。また、成人を検知対象とする場合であっても、天井付近など手の届かない範囲を検知領域から外し、手の届く範囲のみを検知領域としてもよい。このように、検知対象に応じて検知領域を設定してもよい。窓36は、左右方向に開閉する引き戸であってもよいし、上下方向に開閉する窓であってもよい。
【0048】
駐車スペース13の近傍に設置された撮像装置30gにより撮像された撮像画像において、車16が存在することが検知された場合、制御内容決定部63は、シャッター20を閉めるとともに、照明32を点灯することを決定し、シャッター20及び照明32に制御指示を送信する。シャッター20は、制御指示にしたがってシャッター20を閉じる。照明32は、制御指示にしたがって点灯する。
【0049】
ベランダや屋上などに人が存在するときに、ベランダや屋上に出入りするための窓やドアの錠前が誤って施錠されたことが検知された場合に、制御内容決定部63は、錠前を解錠することを決定し、窓やドアなどに制御指示を送信する。窓やドアなどは、制御指示にしたがって錠前を解錠する。これにより、安全性を向上させることができる。
【0050】
条件保持部73は、居住空間において仕切られた特定の空間において、検知対象が存在する場合の制御対象の状態である第1状態と、検知対象が存在しない場合の制御対象の状態である第2状態が保持されていてもよい。制御内容決定部63は、特定の空間において、検知対象が検知されない状態から検知対象が検知された状態に変化したときに、制御対象を第1状態にする。制御内容決定部63は、特定の空間において、検知対象が検知された状態から検知対象が検知されない状態に変化したときに、制御対象を第2状態とする。第1状態は、例えば、照明が点灯され、テレビジョン受像機23などの電気製品の電源がオンになった状態である。第2状態は、例えば、照明が消灯され、窓、カーテン、ブラインドなどが閉じられ、窓などの鍵がかけられ、テレビジョン受像機23などの電気製品の電源がオフになった状態である。これにより、居住者の利便性を向上させることができるとともに、窓の閉め忘れなどを防ぎ、セキュリティ性を向上させることができる。
【0051】
図4は、実施の形態に係る制御方法の手順を示すフローチャートである。制御装置50の撮像画像取得部61は、居住空間を撮像する撮像装置30により撮像された撮像画像を取得する(S10)。検知部62は、撮像画像取得部61により取得された撮像画像に基づいて、居住空間に存在する検知対象を検知する(S12)。検知部62により、居住空間に設定された検知領域で検知対象が検知された場合、又は、検知領域で検知されていた検知対象が検知されなくなった場合(S14のY)、制御内容決定部63は、居住空間に設置された制御対象の制御内容を決定し、制御指示送信部64は、決定された制御内容を制御対象に送信して、制御対象を制御する(S16)。検知部62により、居住空間に設定された検知領域で検知対象が検知されなかった場合、又は、検知領域で検知されていた検知対象が引き続き検知された場合(S14のN)、S10に戻る。以上の手順を繰り返す。
【0052】
以上、実施の形態に基づき本開示を説明したが、実施の形態は、本開示の原理、応用を示すにすぎない。また、実施の形態には、請求の範囲に規定された本開示の思想を逸脱しない範囲において、多くの変形例や配置の変更が可能である。
【符号の説明】
【0053】
1 制御システム、2 住宅、3 玄関、4 居室、5 LDK、6 寝室、7 トイレ、8 浴室、9 洗面室、10 居室、11 門扉、12 アプローチ、13 駐車スペース、16 車、20 シャッター、21 ドア、22 照明、23 テレビジョン受像機、24 音楽再生装置、25 中軸回転式ドア、26 椅子、27 ベッド、28 ソファ、29 ベッド、30 撮像装置、31a 検知領域、31b 検知領域、32 照明、36 窓、50 制御装置、61 撮像画像取得部、62 検知部、63 制御内容決定部、64 制御指示送信部、65 条件設定部、71 検知対象情報保持部、72 空間情報保持部、73 条件保持部、74 撮像画像保持部。
図1
図2
図3
図4