(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128556
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】検知センサ、照明システム、制御プログラム及び検知方法
(51)【国際特許分類】
H05B 47/115 20200101AFI20240913BHJP
H05B 47/19 20200101ALI20240913BHJP
H05B 45/10 20200101ALI20240913BHJP
H05B 45/37 20200101ALI20240913BHJP
H05B 47/18 20200101ALI20240913BHJP
H05B 47/165 20200101ALI20240913BHJP
【FI】
H05B47/115
H05B47/19
H05B45/10
H05B45/37
H05B47/18
H05B47/165
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037574
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】391001457
【氏名又は名称】アイリスオーヤマ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100150072
【弁理士】
【氏名又は名称】藤原 賢司
(74)【代理人】
【識別番号】100185719
【弁理士】
【氏名又は名称】北原 悠樹
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 雄彦
(72)【発明者】
【氏名】小野 恭裕
【テーマコード(参考)】
3K273
【Fターム(参考)】
3K273PA09
3K273QA27
3K273QA28
3K273RA11
3K273RA12
3K273RA13
3K273RA16
3K273RA17
3K273SA11
3K273SA19
3K273SA22
3K273SA35
3K273SA38
3K273SA39
3K273SA57
3K273SA60
3K273TA03
3K273TA04
3K273TA15
3K273TA22
3K273TA26
3K273TA27
3K273TA28
3K273TA54
3K273TA62
3K273UA17
3K273UA22
3K273UA23
3K273UA27
3K273UA28
(57)【要約】
【課題】検知対象をより高精度に検知可能な検知センサ、照明システム、制御プログラム及び検知方法を提供する。
【解決手段】検知センサは、検知領域における検知対象の有無を検知する。検知センサは、電波レーダと、温度センサと、制御部とを備える。電波レーダは、検知領域へ電波を送信すると共に検知領域において反射した電波を受信することによってレーダデータを出力する。温度センサは、検知領域における温度分布を検知することによって温度分布データを出力する。制御部は、レーダデータの値が所定条件を満たす状態が所定時間継続した場合に、検知領域における検知対象の有無を示す検知結果データを温度分布データに応じて生成する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検知領域における検知対象の有無を検知する検知センサであって、
前記検知領域へ電波を送信すると共に前記検知領域において反射した電波を受信することによってレーダデータを出力する電波レーダと、
前記検知領域における温度分布を検知することによって温度分布データを出力する温度センサと、
前記レーダデータの値が所定条件を満たす状態が所定時間継続した場合に、前記検知領域における前記検知対象の有無を示す検知結果データを前記温度分布データに応じて生成する制御部とを備える、検知センサ。
【請求項2】
前記検知領域は、第1検知範囲と、第2検知範囲とを含み、
前記第1検知範囲には第1ID(identification)が割り当てられた第1照明装置が配置され、
前記第2検知範囲には第2IDが割り当てられた第2照明装置が配置され、
前記電波レーダは、第1電波レーダと、第2電波レーダとを含み、
前記レーダデータは、第1レーダデータと、第2レーダデータとを含み、
前記第1電波レーダは、前記第1検知範囲へ電波を送信すると共に前記第1検知範囲において反射した電波を受信することによって前記第1レーダデータを出力し、
前記第2電波レーダは、前記第2検知範囲へ電波を送信すると共に前記第2検知範囲において反射した電波を受信することによって前記第2レーダデータを出力し、
前記温度分布データは、第1温度分布データと、第2温度分布データとを含み、
前記温度センサは、前記第1検知範囲における温度分布を検知することによって前記第1温度分布データを出力し、前記第2検知範囲における温度分布を検知することによって前記第2温度分布データを出力し、
前記検知結果データは、前記第1検知範囲における前記検知対象の有無を示す第1検知結果データと、前記第2検知範囲における前記検知対象の有無を示す第2検知結果データとを含み、
前記制御部は、
前記第1レーダデータの値が所定条件を満たす状態が所定時間継続した場合に、前記第1検知結果データを前記第1温度分布データに応じて生成し、
前記第2レーダデータの値が所定条件を満たす状態が所定時間継続した場合に、前記第2検知結果データを前記第2温度分布データに応じて生成し、
前記第1検知結果データに応じた前記第1照明装置用の制御内容が前記第1IDに対応付けられ、かつ、前記第2検知結果データに応じた前記第2照明装置用の制御内容が前記第2IDに対応付けられた制御信号を出力する、請求項1に記載の検知センサ。
【請求項3】
請求項1に記載の検知センサと、
複数の照明装置と、
制御装置とを備え、
前記複数の照明装置の各々にはID(identification)が割り当てられており、
前記検知センサ、前記複数の照明装置及び前記制御装置によって無線通信ネットワークが構成されており、
前記検知センサは、前記無線通信ネットワークを通じて前記検知結果データを前記制御装置へ送信し、
前記制御装置は、前記複数の照明装置の各々を制御するための制御信号を前記検知結果データに応じて生成し、前記無線通信ネットワークを通じて前記制御信号を前記複数の照明装置の各々へ送信し、
前記複数の照明装置の各々は、自装置に割り当てられた前記IDに対応付けられている前記制御信号に従って動作する、照明システム。
【請求項4】
前記検知領域は、第1検知範囲と、第2検知範囲とを含み、
前記複数の照明装置は、第1IDが割り当てられた第1照明装置と、第2IDが割り当てられた第2照明装置とを含み、
前記第1検知範囲には前記第1照明装置が配置され、前記第2検知範囲には前記第2照明装置が配置され、
前記電波レーダは、第1電波レーダと、第2電波レーダとを含み、
前記レーダデータは、第1レーダデータと、第2レーダデータとを含み、
前記第1電波レーダは、前記第1検知範囲へ電波を送信すると共に前記第1検知範囲において反射した電波を受信することによって前記第1レーダデータを出力し、
前記第2電波レーダは、前記第2検知範囲へ電波を送信すると共に前記第2検知範囲において反射した電波を受信することによって前記第2レーダデータを出力し、
前記温度分布データは、第1温度分布データと、第2温度分布データとを含み、
前記温度センサは、前記第1検知範囲における温度分布を検知することによって前記第1温度分布データを出力し、前記第2検知範囲における温度分布を検知することによって前記第2温度分布データを出力し、
前記検知結果データは、前記第1検知範囲における前記検知対象の有無を示す第1検知結果データと、前記第2検知範囲における前記検知対象の有無を示す第2検知結果データとを含み、
前記制御部は、
前記第1レーダデータの値が所定条件を満たす状態が所定時間継続した場合に、前記第1検知結果データを前記第1温度分布データに応じて生成し、
前記第2レーダデータの値が所定条件を満たす状態が所定時間継続した場合に、前記第2検知結果データを前記第2温度分布データに応じて生成し、
前記検知センサは、前記無線通信ネットワークを通じて前記第1及び第2検知結果データを前記制御装置へ送信し、
前記制御装置は、前記第1及び第2検知結果データに応じて前記制御信号を生成し、
前記制御信号においては、前記第1検知結果データに応じた前記第1照明装置用の制御内容が前記第1IDに対応付けられ、かつ、前記第2検知結果データに応じた前記第2照明装置用の制御内容が前記第2IDに対応付けられている、請求項3に記載の照明システム。
【請求項5】
前記制御部は、前記複数の照明装置の各々が消灯している場合に、前記温度分布データに基づいて異常が検知されたときは、火災報知データを前記制御装置へ出力する、請求項3又は請求項4に記載の照明システム。
【請求項6】
前記複数の照明装置の各々の点灯スケジュールの設定に用いられる設定装置をさらに備え、
前記設定装置は、前記制御装置と通信すると共に、前記火災報知データが前記制御装置から受信された場合に火災につながると予測される熱源の異常の発生をユーザへ通知する、請求項5に記載の照明システム。
【請求項7】
請求項6に記載の照明システムに含まれる前記設定装置の制御プログラムであって、
前記複数の照明装置の各々の点灯スケジュールの設定をユーザから受け付けるステップと、
前記設定の内容を示す設定情報を前記制御装置へ送信するステップと、
前記火災報知データを受信するステップと、
前記火災報知データが受信された場合に火災の発生をユーザへ通知するステップとをコンピュータに実行させる、制御プログラム。
【請求項8】
検知領域における検知対象の有無の検知方法であって、
電波レーダが前記検知領域へ電波を送信すると共に前記検知領域において反射した電波を受信することによってレーダデータを出力するステップと、
温度センサが前記検知領域における温度分布を検知することによって温度分布データを出力するステップと、
前記レーダデータの値が所定条件を満たす状態が所定時間継続した場合に、前記検知領域における前記検知対象の有無を示す検知結果データを前記温度分布データに応じて生成するステップとを含む、検知方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検知センサ、照明システム、制御プログラム及び検知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
国際公開2020/049648号(特許文献1)は、センシング装置を開示する。このセンシング装置においては、赤外線センサを用いたセンシングと、レーダセンサを用いたセンシングとが行なわれる(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されているレーダセンサ等の電波レーダを用いて検知対象を検知する場合に、検知対象以外のものを検知する等の誤検知が生じる。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであって、その目的は、検知対象をより高精度に検知可能な検知センサ、照明システム、制御プログラム及び検知方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のある局面に従う検知センサは、検知領域における検知対象の有無を検知する。検知センサは、電波レーダと、温度センサと、制御部とを備える。電波レーダは、検知領域へ電波を送信すると共に検知領域において反射した電波を受信することによってレーダデータを出力する。温度センサは、検知領域における温度分布を検知することによって温度分布データを出力する。制御部は、レーダデータの値が所定条件を満たす状態が所定時間継続した場合に、検知領域における検知対象の有無を示す検知結果データを温度分布データに応じて生成する。
【0007】
検知領域における検知対象(例えば、人)の有無を検知する場合に、検知領域にサーキュレータ等が存在すると、検知対象以外のサーキュレータ等を検知対象として誤検知することを本発明者(ら)は見出した。より具体的には、レーダデータの値が所定条件を満たす状態が所定時間継続した場合に検知領域における検知対象の有無を高精度に検知できないことを本発明者(ら)は見出した。この検知センサにおいては、レーダデータの値が所定条件を満たす状態が所定時間継続した場合に、検知領域における検知対象の有無を示す検知結果データが温度分布データに応じて生成される。したがって、この検知センサによれば、より高精度に検知対象を検知することができる。
【0008】
上記検知センサにおいて、検知領域は、第1検知範囲と、第2検知範囲とを含んでもよく、第1検知範囲には第1ID(identification)が割り当てられた第1照明装置が配置されてもよく、第2検知範囲には第2IDが割り当てられた第2照明装置が配置されてもよい。電波レーダは、第1電波レーダと、第2電波レーダとを含んでもよく、レーダデータは、第1レーダデータと、第2レーダデータとを含んでもよい。第1電波レーダは、第1検知範囲へ電波を送信すると共に第1検知範囲において反射した電波を受信することによって第1レーダデータを出力してもよく、第2電波レーダは、第2検知範囲へ電波を送信すると共に第2検知範囲において反射した電波を受信することによって第2レーダデータを出力してもよい。温度分布データは、第1温度分布データと、第2温度分布データとを含んでもよく、温度センサは、第1検知範囲における温度分布を検知することによって第1温度分布データを出力し、第2検知範囲における温度分布を検知することによって第2温度分布データを出力してもよい。検知結果データは、第1検知範囲における検知対象の有無を示す第1検知結果データと、第2検知範囲における検知対象の有無を示す第2検知結果データとを含んでもよい。制御部は、第1レーダデータの値が所定条件を満たす状態が所定時間継続した場合に、第1検知結果データを第1温度分布データに応じて生成してもよく、第2レーダデータの値が所定条件を満たす状態が所定時間継続した場合に、第2検知結果データを第2温度分布データに応じて生成してもよく、第1検知結果データに応じた第1照明装置用の制御内容が第1IDに対応付けられ、かつ、第2検知結果データに応じた第2照明装置用の制御内容が第2IDに対応付けられた制御信号を出力してもよい。
【0009】
この検知センサにおいては、第1検知結果データに応じた第1照明装置用の制御内容が第1IDに対応付けられ、かつ、第2検知結果データに応じた第2照明装置用の制御内容が第2IDに対応付けられた制御信号が制御部によって出力される。したがって、例えば、第1及び第2検知結果データが検知センサの外部の制御装置に送信され、その後、制御装置が各照明装置へ制御信号を出力する場合と比較して、通信トラフィックを低減することができる。
【0010】
本発明の他の局面に従う照明システムは、上記検知センサと、複数の照明装置と、制御装置とを備える。複数の照明装置の各々にはIDが割り当てられている。検知センサ、複数の照明装置及び制御装置によって無線通信ネットワークが構成されている。検知センサは、無線通信ネットワークを通じて検知結果データを制御装置へ送信する。制御装置は、複数の照明装置の各々を制御するための制御信号を検知結果データに応じて生成し、無線通信ネットワークを通じて制御信号を複数の照明装置の各々へ送信する。複数の照明装置の各々は、自装置に割り当てられたIDに対応付けられている制御信号に従って動作する。
【0011】
この照明システムに含まれる検知センサにおいては、レーダデータの値が所定条件を満たす状態が所定時間継続した場合に、検知領域における検知対象の有無を示す検知結果データが温度分布データに応じて生成される。したがって、この照明システムによれば、検知センサによってより高精度に検知対象が検知されるため、各照明装置の点灯状態をより適切に制御することができる。
【0012】
上記照明システムにおいて、検知領域は、第1検知範囲と、第2検知範囲とを含んでもよく、複数の照明装置は、第1IDが割り当てられた第1照明装置と、第2IDが割り当てられた第2照明装置とを含んでもよく、第1検知範囲には第1照明装置が配置され、第2検知範囲には第2照明装置が配置されてもよい。電波レーダは、第1電波レーダと、第2電波レーダとを含んでもよく、レーダデータは、第1レーダデータと、第2レーダデータとを含んでもよい。第1電波レーダは、第1検知範囲へ電波を送信すると共に第1検知範囲において反射した電波を受信することによって第1レーダデータを出力してもよく、第2電波レーダは、第2検知範囲へ電波を送信すると共に第2検知範囲において反射した電波を受信することによって第2レーダデータを出力してもよい。温度分布データは、第1温度分布データと、第2温度分布データとを含んでもよく、温度センサは、第1検知範囲における温度分布を検知することによって第1温度分布データを出力し、第2検知範囲における温度分布を検知することによって第2温度分布データを出力してもよい。検知結果データは、第1検知範囲における検知対象の有無を示す第1検知結果データと、第2検知範囲における検知対象の有無を示す第2検知結果データとを含んでもよい。制御部は、第1レーダデータの値が所定条件を満たす状態が所定時間継続した場合に、第1検知結果データを第1温度分布データに応じて生成してもよく、第2レーダデータの値が所定条件を満たす状態が所定時間継続した場合に、第2検知結果データを第2温度分布データに応じて生成してもよい。検知センサは、無線通信ネットワークを通じて第1及び第2検知結果データを制御装置へ送信してもよい。制御装置は、第1及び第2検知結果データに応じて制御信号を生成してもよい。制御信号においては、第1検知結果データに応じた第1照明装置用の制御内容が第1IDに対応付けられ、かつ、第2検知結果データに応じた第2照明装置用の制御内容が第2IDに対応付けられていてもよい。
【0013】
この照明システムにおいては、第1検知結果データに応じた第1照明装置用の制御内容が第1IDに対応付けられ、かつ、第2検知結果データに応じた第2照明装置用の制御内容が第2IDに対応付けられた制御信号が制御装置によって生成される。したがって、この照明システムによれば、照明装置の制御内容が検知範囲毎に決定されるため、各照明装置の点灯状態をより適切に制御することができる。
【0014】
上記照明システムにおいて、制御部は、複数の照明装置の各々が消灯している場合に、温度分布データに基づいて異常が検知されたときは、火災報知データを制御装置へ出力してもよい。
【0015】
この照明システムによれば、例えば、温度分布データにおいて急激な温度上昇が観測された場合に異常が検知され、火災報知データが制御装置へ出力されるため、火災の発生を早期に検出することができる。
【0016】
上記照明システムは、複数の照明装置の各々の点灯スケジュールの設定に用いられる設定装置をさらに備えてもよく、設定装置は、制御装置と通信すると共に、火災報知データが制御装置から受信された場合に火災につながると予測される熱源の異常の発生をユーザへ通知してもよい。
【0017】
この照明システムによれば、火災報知データが設定装置によって受信された場合に熱源の異常の発生がユーザに通知されるため、火災の発生をユーザに認識させることができる。
【0018】
本発明の他の局面に従う制御プログラムは、上記設定装置の制御プログラムである。制御プログラムは、複数の照明装置の各々の点灯スケジュールの設定をユーザから受け付けるステップと、設定の内容を示す設定情報を制御装置へ送信するステップと、火災報知データを受信するステップと、火災報知データが受信された場合に火災の発生をユーザへ通知するステップとをコンピュータに実行させる。
【0019】
この制御プログラムがコンピュータによって実行されると、火災報知データが受信された場合に火災の発生がユーザに通知されるため、火災の発生をユーザに認識させることができる。
【0020】
本発明の他の局面に従う検知方法は、検知領域における検知対象の有無の検知方法である。検知方法は、電波レーダが検知領域へ電波を送信すると共に検知領域において反射した電波を受信することによってレーダデータを出力するステップと、温度センサが検知領域における温度分布を検知することによって温度分布データを出力するステップと、レーダデータの値が所定条件を満たす状態が所定時間継続した場合に、検知領域における検知対象の有無を示す検知結果データを温度分布データに応じて生成するステップとを含む。
【0021】
この検知方法においては、レーダデータの値が所定条件を満たす状態が所定時間継続した場合に、検知領域における検知対象の有無を示す検知結果データが温度分布データに応じて生成される。したがって、この検知方法によれば、より高精度に検知対象を検知することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、検知対象をより高精度に検知可能な検知センサ、照明システム、制御プログラム及び検知方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】実施の形態1に従う照明システムを模式的に示す図である。
【
図2】実施の形態1における検知センサの電気的構成を模式的に示す図である。
【
図3】第1電波レーダの電気的構成を模式的に示す図である。
【
図4】照明装置の電気的構成を模式的に示す図である。
【
図5】第1電波レーダの出力値の推移を模式的に示す図である。
【
図6】各電波レーダ及び温度分布センサの各々による出力が使用されるタイミングについて説明するための図である。
【
図7】検知センサにおいて各電波レーダが送信波を発するタイミングを示す図である。
【
図8】検知センサにおける各レーダの周波数制御動作の一例を示すフローチャートである。
【
図9】検知センサにおける検知対象の検知動作の一例を示すフローチャートである。
【
図10】検知センサによる各照明装置の制御動作の一例を示すフローチャートである。
【
図11】検知結果データの一例を模式的に示す図である。
【
図13】各照明装置における動作の一例を示すフローチャートである。
【
図14】実施の形態2に従う照明システムを模式的に示す図である。
【
図15】実施の形態2における検知センサの電気的構成を模式的に示す図である。
【
図16】制御装置の電気的構成を模式的に示す図である。
【
図17】設定装置のハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。
【
図18】設定装置の表示部に表示される画面の一例を模式的に示す図である。
【
図19】制御装置における照明制御動作の概要を説明するための図である。
【
図20】火災報知に関し検知センサにおいて実行される処理を示すフローチャートである。
【
図21】火災報知に関し制御装置において実行される処理を示すフローチャートである。
【
図22】火災報知に関し設定装置において実行される処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の一側面に係る実施の形態(以下、「本実施の形態」とも称する。)について、図面を用いて詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、各図面は、理解の容易のために、適宜対象を省略又は誇張して模式的に描かれている。
【0025】
[1.実施の形態1]
<1-1.構成>
(1-1-1.照明システムの全体構成)
図1は、本実施の形態1に従う照明システム10を模式的に示す図である。なお、
図1においては、天井が透過した状態の室内15が上方から示されている。すなわち、
図1においては、天井に取り付けられた検知センサ100側から室内15が示されている。
【0026】
図1に示されるように、照明システム10は、検知センサ100と、複数の照明装置200とを含んでいる。検知センサ100は、第1電波レーダ110と、第2電波レーダ120と、第3電波レーダ130と、第4電波レーダ140と、温度分布センサ145とを含んでおり、所定空間の一例である室内15における検知対象(例えば、人)の有無を検知するように構成されている。なお、所定空間は、室内だけではなく、野外、建物の出入口近傍であってもよい。
【0027】
第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140の各々は、例えば、FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)方式の電波レーダ又はドップラー方式の電波レーダによって構成される。また、温度分布センサ145は、例えば、サーモパイルによって構成される。詳細については後述するが、検知センサ100においては、各電波レーダによる検知結果と温度分布センサ145による検知結果とを適宜使い分けることによって、室内15における人の有無が検知される。
【0028】
室内15には、検知範囲A1,A2,A3,A4が含まれている。第1電波レーダ110の出力値は検知範囲A1における人の有無の検知に用いられ、第2電波レーダ120の出力値は検知範囲A2における人の有無の検知に用いられる。第3電波レーダ130の出力値は検知範囲A3における人の有無の検知に用いられ、第4電波レーダ140の出力値は検知範囲A4における人の有無の検知に用いられる。第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140の各々の出力値は「レーダデータ」の一例である。温度分布センサ145は、検知範囲A1,A2,A3,A4の各々における温度分布を個別に検知する。温度分布センサ145は、例えば、検知範囲A1,A2,A3,A4の各々における温度分布を示す画像データを出力する。温度分布センサ145によって出力される画像データは、検知範囲A1,A2,A3,A4の各々における人の有無の検知に用いられる。温度分布センサ145によって出力される画像データは、「温度分布データ」の一例である。
【0029】
検知センサ100においては、各電波レーダ又は温度分布センサ145による検知結果に基づいて検知結果データが生成される。検知結果データは、例えば、各検知範囲に人が存在するか否かを示す。検知結果データの詳細については後程説明する。検知センサ100においては、検知結果データに応じた制御信号が生成される。制御信号は、複数の照明装置200の各々を制御するための信号である。
【0030】
例えば、検知範囲A1において人が検知され、かつ、検知範囲A2,A3,A4において人が検知されなかった場合に、検知センサ100においては、検知範囲A1を照らす複数の照明装置200の各々を点灯させ、検知範囲A2,A3,A4の各々を照らす複数の照明装置200の各々を消灯させる制御信号が生成される。制御信号の詳細については後程説明する。検知センサ100において生成された制御信号は、検知センサ100から複数の照明装置200の各々へ送信される。
【0031】
各照明装置200は、受信された制御信号に従った動作を行なう。これにより、各照明装置200は、各検知範囲に人が存在するか否かに応じて適切に制御される。以下、照明システム10について詳細に説明する。
【0032】
(1-1-2.検知センサの構成)
図2は、検知センサ100の電気的構成を模式的に示す図である。
図2に示されるように、検知センサ100は、第1電波レーダ110と、第2電波レーダ120と、第3電波レーダ130と、第4電波レーダ140と、温度分布センサ145と、制御部160と、通信部135と、電源部150とを含んでいる。
【0033】
上述のように、検知センサ100において、第1電波レーダ110による検知結果は検知範囲A1(
図1)における人の有無の検知に用いられ、第2電波レーダ120による検知結果は検知範囲A2における人の有無の検知に用いられる。また、第3電波レーダ130による検知結果は検知範囲A3における人の有無の検知に用いられ、第4電波レーダ140による検知結果は検知範囲A4における人の有無の検知に用いられる。第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140の各々は、例えば、FMCW方式のレーダ又はドップラー方式のレーダによって構成される。第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140は、例えば、互いに同一の構成を有している。以下では代表的に第1電波レーダ110について説明する。
【0034】
図3は、第1電波レーダ110の電気的構成を模式的に示す図である。この例において、第1電波レーダ110は、FMCW方式の電波レーダによって構成されている。
図3に示されるように、第1電波レーダ110は、送信アンテナ113と、受信アンテナ114と、通信部116と、制御回路118とを含んでいる。送信アンテナ113は、周波数(送信周波数)が時間の経過に伴って変化する送信波を送信するように構成されている。すなわち、送信アンテナ113は、FMCW方式に従う送信波を送信するように構成されている。受信アンテナ114は、周波数(受信周波数)が時間の経過に伴って変化する受信波を受信するように構成されている。すなわち、受信アンテナ114は、例えば、FMCW方式に従う受信波を受信するように構成されている。
【0035】
なお、第1電波レーダ110がドップラー方式のレーダによって構成される場合には、送信アンテナ113が所定周波数の送信波を送信するように構成されていてもよい。また、受信アンテナ114が反射波を受信するように構成されていてもよい。この場合には、例えば、送信波が検知範囲に存在する人で反射したときに、反射波の周波数が変化する。そして、送信波の周波数と反射波の周波数との差分に基づいて人の有無が検知される。
【0036】
制御回路118は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)を含んでいる。制御回路118は、情報処理に応じて、第1電波レーダ110内の各構成要素を制御するように構成されている。制御回路118は、例えば、送信周波数と受信周波数との比較を行ない、比較結果(例えば、差分)を出力する。なお、制御回路118によって実現される機能は、1つの回路で実現されてもよいし、複数の回路で実現されてもよい。
【0037】
通信部116は、制御部160(
図2)と通信するように構成されている。通信部116は、例えば、第1電波レーダ110による出力を示す信号(例えば、送信周波数と受信周波数との差分を示す信号)を制御部160へ送信する。なお、通信部116と制御部160との間における通信は、有線通信であってもよいし、無線通信であってもよい。
【0038】
再び
図2を参照して、温度分布センサ145は、上述のように、例えば、サーモパイルで構成される。温度分布センサ145は、1つのサーモパイルで構成されてもよいし、複数のサーモパイルで構成されてもよい。例えば、検知範囲A1,A2,A3,A4の各々に対して専用のサーモパイルが設けられてもよい。温度分布センサ145は、検知範囲A1,A2,A3,A4の各々における温度分布を示す画像データを出力する。温度分布センサ145が設けられている理由については後程詳しく説明する。
【0039】
制御部160は、例えば、CPU、RAM及びROMを含んでいる。制御部160は、情報処理に応じて、検知センサ100内の各構成要素を制御するように構成されている。制御部160は、第1電波レーダ110の出力を示す信号、第2電波レーダ120の出力を示す信号、第3電波レーダ130の出力を示す信号、第4電波レーダ140の出力を示す信号、及び、温度分布センサ145によって出力される画像データに基づいて検知結果データを生成する。さらに、制御部160は、検知結果データに基づいて各照明装置200の制御信号を生成する。
【0040】
通信部135は、例えば、複数の照明装置200の各々と直接的又は間接的に通信するように構成されている。通信部135は、例えば、検知結果データを複数の照明装置200の各々へ直接的又は間接的に送信する。通信部135は、例えば、有線通信又は無線通信が可能である。無線通信の一例としては、例えば、920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯を用いた通信が挙げられる。このような通信を実現する通信規格の一例としては、BLE(Bluetooth Low Energy)を含むBluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)及びWi-Fi(登録商標)等が挙げられる。
【0041】
電源部150は、商用電源(100V)から供給される交流電力(AC:Alternating Current)を直流電力(DC:Direct Current)に変換し、検知センサ100の各構成要素に直流電力を供給するように構成されている。
【0042】
(1-1-3.照明装置の構成)
図4は、照明装置200の電気的構成を模式的に示す図である。
図4に示されるように、照明装置200は、通信部210と、光源部220と、電源部230と、制御部240とを含んでいる。
【0043】
通信部210は、例えば、検知センサ100、及び、他の照明装置200の各々と直接的又は間接的に通信するように構成されている。通信部210は、例えば、検知センサ100によって生成された制御信号の送受信を行なう。通信部210は、例えば、有線通信又は無線通信が可能である。無線通信の一例としては、例えば、920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯を用いた通信が挙げられる。このような通信を実現する通信規格の一例としては、BLEを含むBluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)及びWi-Fi(登録商標)等が挙げられる。
【0044】
光源部220は、電源部230から電力供給を受けることによって発光するように構成されている。光源部220は、例えば、LED(Light Emitting Diode)、OLED(Organic Light Emitting Diode)等によって構成される。電源部230は、商用電源(100V)から供給される交流電力(AC)を直流電力(DC)に変換し、照明装置200の各構成要素に直流電力を供給するように構成されている。
【0045】
制御部240は、例えば、CPU、RAM及びROMを含んでいる。制御部240は、情報処理に応じて、照明装置200内の各構成要素を制御するように構成されている。制御部240は、例えば、制御信号を受信した場合に、制御信号に従って光源部220を制御する。また、制御部240は、例えば、制御信号を受信した場合に、他の照明装置200へ制御信号を送信するように通信部210を制御する。
【0046】
<1-2.電波レーダによる誤検知の問題>
上述のように、第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140は、それぞれ検知範囲A1,A2,A3,A4における人の有無の検知に用いられる。しかしながら、電波レーダのみによっては各検知範囲における人の有無を十分に高精度に検知できない場合があることを本発明者(ら)は見出した。
【0047】
図5は、第1電波レーダ110の出力値の推移の一例を示す図である。
図5を参照して、横軸は時間を示し、縦軸は第1電波レーダ110の出力値を示す。この例においては、検知範囲A1に空気清浄機が配置されている。時刻t0-t1においては、検知範囲A1に人が存在せず、かつ、空気清浄機が稼働していない。時刻t1-t2においては、検知範囲A1において人が手を振り、かつ、空気清浄機が稼働していない。時刻t2-t3においては、検知範囲A1において人が手を振り、かつ、空気清浄機が稼働している。時刻t3-t4においては、検知範囲A1に人が存在せず、かつ、空気清浄機が稼働している。
【0048】
仮に、第1電波レーダ110の出力値が閾値以上の場合に、検知センサ100の制御部160が、検知範囲A1に人が存在すると判定するものとする。この場合に、制御部160は、時刻t3-t4において、検知範囲A1に人が存在しないにも拘わらず、検知範囲A1に人が存在すると判定する。すなわち、誤検知が生じる。第1電波レーダ110の出力値が閾値以上である状態が所定時間以上継続する場合に、検知範囲A1に人が存在し、かつ、空気清浄機が稼働している状態なのか、検知範囲A1に人が存在せず、かつ、空気清浄機が稼働している状態なのかを第1電波レーダ110の出力値から見分けることは容易ではない。検知センサ100においては、このような問題を解決するために温度分布センサ145が設けられている。なお、検知範囲A1に配置されている装置が空気清浄機ではなくサーキュレータ等である場合であっても同様の問題が生じる。
【0049】
図6は、各電波レーダ及び温度分布センサ145の各々による出力が使用されるタイミングについて説明するための図である。
図6のうち左側の図を参照して、第1電波レーダ110の出力値が閾値以上である状態が所定時間継続していない場合には、第1電波レーダ110の出力値に基づいて検知範囲A1における人の有無が判定される。
図6のうち中央及び右側の図を参照して、第1電波レーダ110の出力値が閾値以上である状態が所定時間継続している場合には、温度分布センサ145によって出力される画像データ(検知範囲A1における温度分布を示す画像データ)に基づいて検知範囲A1における人の有無が判定される。これにより、比較的高精度に各検知範囲における人の有無を検知することができる。
【0050】
<1-3.動作>
(1-3-1.電波レーダの動作)
検知センサ100において、仮に第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140の各々が互いに同じタイミングで電波を発すると、電波干渉が生じる可能性が高まる。検知センサ100においては、電波干渉を抑制するために、第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140の各々が電波を発するタイミングが互いに異なる。以下、詳細に説明する。
【0051】
図7は、検知センサ100において各電波レーダが送信波を発するタイミングを示す図である。
図7を参照して、横軸は時間を示し、縦軸は周波数を示す。波形W1は第1電波レーダ110によって発される送信波に対応し、波形W2は第2電波レーダ120によって発される送信波に対応する。また、波形W3は第3電波レーダ130によって発される送信波に対応し、波形W4は第4電波レーダ140によって発される送信波に対応する。
【0052】
例えば、時刻t11-t12においては、第1電波レーダ110の送信波における周波数の掃引が行なわれる。時刻t12-t13においては、いずれの電波レーダにおいても送信波における周波数の掃引が行なわれない。この期間は休止時間である。休止時間は、例えば、掃引時間(例えば、時刻t11-t12)に送信された送信波に対応する受信波の受信が完了する程度の時間である。休止時間は、例えば、所定時間(例えば、1-10ms)に乱数で決定された時間(例えば、1-10ms)を加算することによって決定されてもよい。時刻t13においては、第2電波レーダ120の送信波における周波数の掃引が開始される。
【0053】
検知センサ100においては、第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140がこの順で送信波における周波数の掃引を行なう。各掃引の間には休止時間が挟まれる。第4電波レーダ140の送信波における周波数の掃引後の休止時間が経過すると、第1電波レーダ110の送信波における周波数の掃引が開始される。なお、第4電波レーダ140の送信波における周波数の掃引後に第1電波レーダ110の送信波における周波数の掃引が開始されるタイミングは、例えば、第1電波レーダ110における送信波の送信時間間隔に基づいて決定されてもよい。この送信時間間隔の決定には、例えば、乱数が用いられてもよい。
【0054】
このように、検知センサ100によれば、第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140が順に作動するため、第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130及び第4電波レーダ140間の電波干渉を抑制することができる。また、検知センサ100によれば、各電波レーダの送信波における周波数の掃引開始タイミング間に休止時間が挟まれるため、例えば、第1電波レーダ110によって受信される反射波と第2電波レーダ120によって送信される送信波との間の電波干渉を抑制することができる。
【0055】
図8は、検知センサ100における各レーダの周波数制御動作の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、検知センサ100の制御部160によって繰り返し実行される。
【0056】
図8を参照して、制御部160は、送信波における周波数の掃引を開始するように所定順序に従う電波レーダ(例えば、1番目であれば第1電波レーダ110)を制御する(ステップS100)。制御部160は、掃引時間が経過したか否かを判定する(ステップS110)。掃引時間が経過していないと判定されると(ステップS110においてNO)、制御部160は、送信波における周波数の掃引を継続するように所定順序に従う電波レーダを制御する。
【0057】
一方、掃引時間が経過したと判定されると(ステップS110においてYES)、制御部160は、送信波における周波数の掃引を停止するように所定順序に従う電波レーダを制御する(ステップS120)。制御部160は、例えば、乱数を用いることによって休止時間を算出する(ステップS130)。制御部160は、休止時間が経過したか否かを判定する(ステップS140)。休止時間が経過していないと判定されると(ステップS140においてNO)、制御部160は、休止時間が経過するまで待機する。一方、休止時間が経過したと判定されると(ステップS140においてYES)、制御部160は、再びステップS100の処理を実行する。すなわち、制御部160は、送信波における周波数の掃引を開始するように所定順序に従う電波レーダ(例えば、2番目であれば第2電波レーダ120)を制御する。
【0058】
(1-3-2.検知対象の検知動作)
図9は、検知センサ100における検知対象(例えば、人)の検知動作の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、検知センサ100の制御部160によって繰り返し実行される。ここでは、一例として、検知範囲A1における検知対象の検知動作について説明する。なお、検知範囲A2,A3,A4の各々においても略同一の方法によって検知対象の検知が行なわれる。
【0059】
図9を参照して、制御部160は、直近の第1所定時間内において、第1電波レーダ110の出力値が所定値(閾値)以上となったタイミングがあったか否かを判定する(ステップS200)。第1所定時間は、予め定められた時間であって、例えば、0.5秒-5秒である。直近の第1所定時間内において第1電波レーダ110の出力が所定値以上となったタイミングがないと判定されると(ステップS200においてNO)、制御部160は、検知範囲A1に検知対象が存在しないと判定する(ステップS210)。
【0060】
一方、ステップS200において、直近の第1所定時間内において第1電波レーダ110の出力が所定値以上となったタイミングがあったと判定されると(ステップS200においてYES)、制御部160は、第1電波レーダ110の出力値が所定値以上となっている状態が第2所定時間以上継続しているか否かを判定する(ステップS220)。第2所定時間は、予め定められた時間であって、例えば、5秒-10秒である。第1電波レーダ110の出力値が所定値以上となっている状態が第2所定時間以上継続していないと判定されると(ステップS220においてNO)、制御部160は、検知範囲A1に検知対象が存在すると判定する(ステップS230)。
【0061】
一方、ステップS220において、第1電波レーダ110の出力値が所定値以上となっている状態が第2所定時間以上継続していると判定されると(ステップS220においてYES)、制御部160は、温度分布センサ145によって出力された画像データに基づいて、検知範囲A1に検知対象が存在するか否かを判定する(ステップS240)。具体的には、制御部160は、温度分布センサ145によって出力された画像データを参照し、検知範囲A1において人の体温付近の領域が存在するか否かに基づいて、検知範囲A1における検知対象の有無を判定する。
【0062】
このように、検知センサ100においては、各電波レーダの出力値(レーダデータの一例)が所定条件(特定の閾値以上の場合)を満たす状態が所定時間継続した場合に、対応する検知範囲における検知対象の有無の判定が温度分布データに基づいて行なわれる。したがって、検知センサ100によれば、より高精度に検知対象を検知することができる。
【0063】
(1-3-3.検知センサによる照明装置の制御動作)
図10は、検知センサ100による各照明装置200の制御動作の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、検知センサ100の制御部160によって繰り返し実行される。
【0064】
図10を参照して、制御部160は、検知範囲A1,A2,A3,A4の各々における検知対象の有無の判定結果に基づいて検知結果データを生成する(ステップS300)。検知結果データは、各検知範囲における検知結果を含むデータである。
【0065】
図11は、検知結果データの一例を模式的に示す図である。
図11に示されるように、検知結果データD1においては、「検知範囲」と、「ID(identification)」と、「検知対象の有無(検知結果)」と、「混雑度」と、「日時」とが対応付けられている。
【0066】
各検知範囲にはIDが割り当てられている。例えば、検知範囲A1に配置されている各照明装置200には第1IDが割り当てられており、検知範囲A2に配置されている各照明装置200には第2IDが割り当てられている。検知範囲A3に配置されている各照明装置200には第3IDが割り当てられており、検知範囲A4に配置されている各照明装置200には第4IDが割り当てられている。
【0067】
検知結果データD1においては、各検知範囲に対して、ID情報、検知結果、各検知範囲における混雑度、及び、判定が行なわれた日時情報が対応付けられている。混雑度の判定は、例えば、各検知範囲における検知対象の有無の判定時に同時に行なわれる。
【0068】
再び
図10を参照して、検知結果データが生成されると、制御部160は、検知結果データに基づいて制御信号を生成する(ステップS310)。制御信号は、各照明装置200を制御するための信号である。
【0069】
図12は、制御信号の一例を模式的に示す図である。
図12に示されるように、制御信号S1においては、「検知範囲」と、「ID」と、「検知対象の有無(検知結果)」と、「制御内容」と、「日時」とが対応付けられている。
【0070】
制御信号S1においては、各検知範囲に対して、ID情報、検知結果、制御内容(点灯/消灯、調光)、及び、判定が行なわれた日時情報が対応付けられている。例えば、検知対象(人)が存在する検知範囲に配置されている各照明装置200が点灯し、検知対象が存在しない検知範囲に配置されている各照明装置200が消灯するような制御信号が生成される。また、例えば、混雑している検知範囲に配置されている各照明装置200の照度が混雑していない検知範囲に配置されている各照明装置200の照度よりも高くなるような制御信号が生成される。
【0071】
再び
図10を参照して、制御信号が生成されると、制御部160は、生成された制御信号を各照明装置200へ送信するように通信部135を制御する(ステップS320)。
【0072】
(1-3-3.照明装置の動作)
図13は、各照明装置200における動作の一例を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、照明装置200の制御部240によって繰り返し実行される。
【0073】
図13を参照して、制御部240は、通信部210を介して制御信号を受信したか否かを判定する(ステップS400)。制御信号を受信していないと判定されると(ステップS400においてNO)、制御部240は、制御信号を受信するまで待機する。
【0074】
一方、制御信号を受信したと判定されると(ステップS400においてYES)、制御部240は、制御信号を参照し、自装置のIDに対応する制御内容を実行すると共に、他の照明装置200へ制御信号を送信するように通信部210を制御する(ステップS410)。なお、各照明装置200においては、例えば、制御部240が、自装置のIDを記憶している。このように、照明システム10によれば、例えば、検知範囲A1,A2,A3,A4の各々における人の有無の検知結果に従って各照明装置200の点灯制御が行なわれるため、電力の浪費を抑制することができる。
【0075】
<1-4.特徴>
以上のように、検知センサ100においては、レーダデータの値(各電波レーダの出力値)が所定条件を満たす状態が所定時間継続した場合に、各検知領域における検知対象の有無を示す検知結果データが温度分布データ(温度分布センサ145によって出力された画像データ)に応じて生成される。したがって、本実施の形態の検知センサ100によれば、より高精度に検知対象を検知することができる。
【0076】
また、検知センサ100においては、検知範囲A1に配置された照明装置200用の制御内容が第1IDに対応付けられ、かつ、検知範囲A2に配置された照明装置200用の制御内容が第2IDに対応付けられた制御信号が制御部160によって各照明装置200へ出力される。したがって、この検知センサ100によれば、通信トラフィックを低減することができる。
【0077】
[2.実施の形態2]
上記実施の形態1においては、制御信号が検知センサ100によって生成された。しかしながら、制御信号は、必ずしも検知センサ100によって生成される必要はない。制御信号は、例えば、検知センサ100の外部の装置において生成されてもよい。以下では、上記実施の形態1と異なる点を中心に説明し、上記実施の形態1と重複する部分については説明を繰り返さない。
【0078】
<2-1.構成>
(2-1-1.照明システムの全体構成)
図14は、本実施の形態2に従う照明システム10Aを模式的に示す図である。なお、
図14においては、天井が透過した状態の室内15が上方から示されている。すなわち、
図14においては、天井に取り付けられた検知センサ100側から室内15が示されている。
【0079】
図14に示されるように、照明システム10Aは、検知センサ100Aと、複数の照明装置200と、制御装置300と、設定装置400とを含んでいる。検知センサ100Aは、第1電波レーダ110と、第2電波レーダ120と、第3電波レーダ130と、第4電波レーダ140と、温度分布センサ145とを含んでおり、所定空間の一例である室内15における人の有無を検知するように構成されている。なお、所定空間は、野外、出入口近傍であってもよい。
【0080】
第1電波レーダ110、第2電波レーダ120、第3電波レーダ130、第4電波レーダ140及び温度分布センサ145の各々の出力を示すデータ(以下、「各出力データ」とも称する。)に基づいて生成された検知結果データは、検知センサ100Aから制御装置300へ送信される。検知結果データは、検知センサ100Aから制御装置300へ直接的に送信されてもよい。また、検知結果データは、1又は複数の照明装置200を介して間接的に検知センサ100Aから制御装置300へ送信されてもよい。なお、検知センサ100Aから制御装置300へは各出力データが送信され、検知結果データが制御装置300において生成されてもよい。
【0081】
制御装置300は、受信された検知結果データに基づいて制御信号を生成し、複数の照明装置200の各々を制御する。なお、制御信号は、上記実施の形態1と同様である。制御装置300は、制御信号を各照明装置200へ直接的又は間接的に送信する。各照明装置200は、受信された制御信号に従った動作を行なう。これにより、各照明装置200は、各検知範囲に人が存在するか否かに応じて適切に制御される。
【0082】
設定装置400は、室内15に配置された各照明装置200の点灯スケジュールの設定に用いられる。ユーザは、設定装置400を操作することによって各照明装置200の点灯スケジュールを設定することができる。設定装置400は、設定された情報(以下、スケジュール情報)を、例えば、インターネット等の商用ネットワーク回線を通じて制御装置300へ送信する。制御装置300は、スケジュール情報を各照明装置200へ直接的又は間接的に送信する。各照明装置200は、受信されたスケジュール情報に従った動作を行なう。各照明装置200は、例えば、スケジュール情報に従った動作を制御信号に従った動作よりも優先してもよいし、制御信号に従った動作をスケジュール情報に従った動作よりも優先してもよい。また、各照明装置200は、後述の物理スイッチに従った動作をより優先してもよい。以下、照明システム10Aについて詳細に説明する。
【0083】
(2-1-2.検知センサの構成)
図15は、検知センサ100Aの電気的構成を模式的に示す図である。
図2に示されるように、検知センサ100Aは、第1電波レーダ110と、第2電波レーダ120と、第3電波レーダ130と、第4電波レーダ140と、温度分布センサ145と、制御部160Aと、通信部135と、電源部150とを含んでいる。
【0084】
制御部160Aは、例えば、CPU、RAM及びROMを含んでいる。制御部160Aは、情報処理に応じて、検知センサ100A内の各構成要素を制御するように構成されている。制御部160Aは、第1電波レーダ110の出力を示す信号、第2電波レーダ120の出力を示す信号、第3電波レーダ130の出力を示す信号、第4電波レーダ140の出力を示す信号、及び、温度分布センサ145によって出力される画像データの各々(各出力データ)に基づいて検知結果データを生成し、検知結果データを制御装置300へ直接的又は間接的に送信するように通信部135を制御する。
【0085】
(2-1-3.制御装置の構成)
図16は、制御装置300の電気的構成を模式的に示す図である。
図16に示されるように、制御装置300は、表示部310と、通信部320と、電源部330と、記憶部340と、制御部350とを含んでいる。
【0086】
表示部310は、画像を表示するように構成されている。表示部310は、例えば、検知結果データが示す情報(例えば、室内15における人の有無を示す情報)を表示する。表示部310は、例えば、液晶モニタ又は有機EL(Electro Luminescence)モニタ等のモニタで構成される。
【0087】
通信部320は、例えば、検知センサ100A及び複数の照明装置200の各々と直接的又は間接的に通信するように構成されている。通信部320は、例えば、検知結果データの受信及び制御信号の送信を行なう。通信部320は、例えば、有線通信又は無線通信が可能である。無線通信の一例としては、例えば、920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯を用いた通信が挙げられる。このような通信を実現する通信規格の一例としては、BLEを含むBluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)及びWi-Fi(登録商標)等が挙げられる。
【0088】
電源部330は、商用電源(100V)から供給される交流電力(AC)を直流電力(DC)に変換し、制御装置300の各構成要素に直流電力を供給するように構成されている。記憶部340は、各種データを記憶するように構成されている。記憶部340は、例えば、検知センサ100Aから受信された検知結果データ、及び、検知結果データに基づいて生成された制御信号を継続的に記憶する。記憶部340は、例えば、ROM、RAM、EEPROM、ハードディスクドライブ及びソリッドステートドライブの少なくとも一部によって構成される。
【0089】
制御部350は、例えば、CPU、RAM及びROMを含んでいる。制御部350は、情報処理に応じて、制御装置300内の各構成要素を制御するように構成されている。制御部350は、例えば、受信された検知結果データに基づいて制御信号を生成する。例えば、検知範囲A1において人が検知され、かつ、検知範囲A2,A3,A4の各々において人が検知されなかった場合に、制御部350は、検知範囲A1に配置された各照明装置200を点灯させ、検知範囲A2,A3,A4の各々に配置された各照明装置200を消灯させる制御信号を生成する。
【0090】
(2-1-4.設定装置の構成)
図17は、設定装置400のハードウェア構成を模式的に示すブロック図である。設定装置400は、例えば、PC(Personal Computer)、タブレット又はスマートフォンによって構成される。
【0091】
図17に示されるように、設定装置400は、制御部410と、通信部430と、表示部440と、受付部450と、電源部460と、記憶部420とを含んでいる。設定装置400において、各構成はバスを通じて電気的に接続されている。
【0092】
制御部410は、CPU411、RAM412及びROM413等を含み、情報処理に応じて各構成要素の制御を行なうように構成されている。
【0093】
通信部430は、例えば、複数の照明装置200及び制御装置300の各々と直接的又は間接的に通信するように構成されている。通信部430は、例えば、有線通信又は無線通信が可能である。無線通信の一例としては、例えば、920MHz帯、2.4GHz帯、5GHz帯を用いた通信が挙げられる。このような通信を実現する通信規格の一例としては、BLE(Bluetooth Low Energy)を含むBluetooth(登録商標)、ZigBee(登録商標)及びWi-Fi(登録商標)等が挙げられる。
【0094】
表示部440は、画像を表示するように構成されている。表示部440は、例えば、液晶ディスプレイ又は有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイ等の表示装置で構成される。
【0095】
図18は、表示部440に表示される画像の一例を模式的に示す図である。
図18に示されるように、表示部440に表示されている画像には、照明位置表示部441と、スケジュール設定部442とが含まれている。照明位置表示部441には、各照明装置200の位置を示す画像が表示される。スケジュール設定部442には、例えば、各照明装置200の点灯スケジュールを設定するための操作アイコンが表示される。
【0096】
再び
図17を参照して、受付部450は、ユーザからの入力を受け付けるように構成されている。受付部450は、例えば、タッチパネル、キーボード、マウス及びマイクの一部又は全部で構成される。受付部450は、例えば、各照明装置200の点灯スケジュールの設定を受け付ける。電源部460は、例えば、リチウムイオン電池等の二次電池によって構成される。電源部460によって供給される電力によって設定装置400は作動する。
【0097】
記憶部420は、例えば、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ等の補助記憶装置である。記憶部420は、例えば、制御プログラム421を記憶している。制御プログラム421がCPU411によって実行されることによって、設定装置400における各種機能が実現される。
【0098】
<2-2.動作>
(2-2-1.照明制御動作)
図19は、制御装置300による照明制御の概要を説明するための図である。
図19に示されるように、検知センサ100Aによって送信された検知結果データは、例えば、複数の照明装置200を経て制御装置300に送信される。制御装置300は、受信された検知結果データに基づいて制御信号を生成し、制御信号を直接的又は間接的に複数の照明装置200の各々へ送信する。
【0099】
例えば、検知範囲A1(
図1)において人が検知され、かつ、検知範囲A2,A3,A4の各々において人が検知されなかった場合に、制御装置300は、検知範囲A1に配置された各照明装置200を点灯させる制御信号、検知範囲A2,A3,A4の各々に配置された各照明装置200を消灯させる制御信号を各照明装置200へ送信してもよい。また、例えば、検知範囲A1において人が検知され、かつ、検知範囲A2,A3,A4において人が検知されなかった場合に、制御装置300は、検知範囲A1に配置された各照明装置200の照度を、検知範囲A2,A3,A4の各々に配置された各照明装置200の照度よりも高くする制御信号を各照明装置200へ送信してもよい。
【0100】
なお、本実施の形態2においては、
図10のフローチャートに示される処理が制御装置300の制御部350によって実行される。また、照明システム10Aにおいても、各電波レーダの出力値(レーダデータの一例)が所定条件を満たす状態が所定時間継続した場合に、対応する検知範囲における検知対象の有無の判定が温度分布データに基づいて行なわれる。
【0101】
また、上記実施の形態1において生成される制御信号と同様、制御装置300により生成される制御信号においては、例えば、各検知範囲に対して、ID情報、検知結果、制御内容(点灯/消灯、調光)、及び、判定が行なわれた日時情報が対応付けられている。
【0102】
照明システム10Aにおいては、検知範囲A1に配置された各照明装置200用の制御内容が第1IDに対応付けられ、かつ、検知範囲A2に配置された各照明装置200用の制御内容が第2IDに対応付けられ、かつ、検知範囲A3に配置された各照明装置200用の制御内容が第3IDに対応付けられ、かつ、検知範囲A4に配置された各照明装置200用の制御内容が第4IDに対応付けられた制御信号が制御装置300によって生成される。したがって、照明システム10Aによれば、各照明装置200の制御内容が検知範囲毎に決定されるため、各照明装置200の点灯状態をより適切に制御することができる。
【0103】
(2-2-2.火災報知動作)
検知センサ100Aにおいては、温度分布センサ145によって出力される画像データに基づいて火災等につながると予測される熱源の異常が検知され、当該熱源の異常が検知された場合に火災報知データが検知センサ100Aから制御装置300へ送信される。以下、火災報知動作について説明する。
【0104】
図20は、火災報知に関し検知センサ100Aにおいて実行される処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、室内15に配置された各照明装置200の点灯及び消灯を切り替える物理スイッチ又はリモコン等が消灯状態になっている場合に、検知センサ100Aの制御部160によって繰り返し実行される。例えば、物理スイッチが消灯状態になっていることを示す信号が物理スイッチから制御装置300へ送信され、制御装置300から検知センサ100Aへ送信された当該信号を通信部135が受信することによって、検知センサ100Aの制御部160は、物理スイッチが消灯状態になっていることを認識することができる。
【0105】
図20を参照して、制御部160は、温度分布センサ145によって出力された画像データ(温度分布データ)を参照し、一部又は全部の領域において急激な温度上昇が生じているか否かを判定する(ステップS500)。制御部160は、例えば、単位時間当たりに上昇した温度が所定温度以上である場合に、急激な温度上昇が生じていると判定する。また、制御部160は、例えば、一部又は全部の領域に所定温度よりも温度が高い領域(熱源)が含まれている場合にステップS500においてYESと判定してもよい。
【0106】
急激な温度上昇が生じていないと判定されると(ステップS500においてNO)、制御部160は、再びステップS500の処理を実行する。一方、急激な温度上昇が生じていると判定されると(ステップS500においてYES)、制御部160は、火災報知データを制御装置300へ送信するように通信部135を制御する(ステップS510)。
【0107】
図21は、火災報知に関し制御装置300において実行される処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、制御装置300の制御部350によって繰り返し実行される。
【0108】
図21を参照して、制御部350は、火災報知データを受信したか否かを判定する(ステップS600)。火災報知データを受信していないと判定されると(ステップS600においてNO)、制御部350は、再びステップS600の処理を実行する。一方、火災報知データを受信していると判定されると(ステップS600においてYES)、制御部350は、火災報知データを設定装置400へ送信するように通信部320を制御する(ステップS610)。
【0109】
図22は、火災報知に関し設定装置400において実行される処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示される処理は、設定装置400の制御部410によって繰り返し実行される。
【0110】
図22を参照して、制御部410は、火災報知データを受信したか否かを判定する(ステップS700)。火災報知データを受信していないと判定されると(ステップS700においてNO)、制御部410は、再びステップS700の処理を実行する。一方、火災報知データを受信していると判定されると(ステップS700においてYES)、制御部410は、火災の発生をユーザに通知するための制御を実行する(ステップS710)。制御部410は、例えば、火災の発生位置をユーザに知らせる情報を表示するように表示部440を制御する。
【0111】
再び
図18を参照して、制御部410は、例えば、火災の発生位置に火災マーク443を対応付けて表示するように表示部440を制御する。また、制御部410は、例えば、火災の発生位置が視覚的に認識可能な強調表示をするように表示部440を制御してもよい。これにより、火災の発生位置をユーザに認識させることができる。また、制御部410は、火災の発生を知らせる音声を出力するように不図示のスピーカを制御してもよい。これにより、火災の発生をユーザに即座に認識させることができる。
【0112】
<2-3.特徴>
以上のように、照明システム10Aにおいては、レーダデータの値(各電波レーダの出力値)が所定条件を満たす状態が所定時間継続した場合に、各検知領域における検知対象の有無を示す検知結果データが温度分布データ(温度分布センサ145によって出力された画像データ)に応じて生成される。したがって、照明システム10Aによれば、より高精度に検知対象を検知することができる。
【0113】
また、照明システム10Aにおいては、検知範囲A1に配置された各照明装置200用の制御内容が第1IDに対応付けられ、かつ、検知範囲A2に配置された各照明装置200用の制御内容が第2IDに対応付けられた制御信号が制御装置300によって生成される。したがって、照明システム10Aによれば、各照明装置200の制御内容が検知範囲毎に決定されるため、各照明装置200の点灯状態をより適切に制御することができる。
【0114】
また、照明システム10Aによれば、例えば、温度分布データにおいて急激な温度上昇が観測された場合に火災が検知され、火災報知データが検知センサ100Aから制御装置300へ出力されるため、火災の発生を早期に検出することができる。
【0115】
また、照明システム10Aによれば、火災報知データが設定装置400によって受信された場合に火災の発生がユーザに通知されるため、火災の発生をユーザに認識させることができる。
【0116】
[3.他の実施の形態]
上記実施の形態の思想は、以上で説明された実施の形態に限定されない。例えば、いずれかの実施の形態の少なくとも一部の構成と、他のいずれかの実施の形態の少なくとも一部の構成とが組み合わされてもよい。以下、上記実施の形態の思想を適用できる他の実施の形態の一例について説明する。
【0117】
<3-1>
上記実施の形態1,2において、検知結果データ及び制御信号の各々の生成は、例えば、クラウドサーバにおいて行なわれてもよい。すなわち、各電波レーダ110,120,130,140及び温度分布センサ145の各々の出力データがクラウドサーバへ送信され、各出力データに基づいてクラウドサーバが検知結果データ及び制御信号の各々を生成してもよい。この場合には、クラウドサーバによって生成された制御信号が、クラウドサーバから各照明装置200へ直接的又は間接的に送信されてもよい。
【0118】
<3-2>
上記実施の形態2において、制御装置300の記憶部340には、温度分布センサ145によって出力される画像データ(温度分布データ)を入力として火災発生の確率を出力とする学習済モデルが記憶されていてもよい。温度分布データに基づいた火災発生の判定は、当該学習済モデルの出力に基づいて行なわれてもよい。当該学習済モデルは、例えば、火災発生前後の多数の温度分布データを学習用データとして用いる機械学習を経て生成される。
【0119】
<3-3>
また、上記実施の形態1,2において、例えば、各検知範囲における人の混雑度合いに応じて室内15の空調装置が制御されてもよい。例えば、混雑度合いの高い検知範囲における空調装置の設定が「強」とされ、混雑度合いの低い検知範囲における空調の設定が「弱」とされる制御信号が検知センサ100又は制御装置300で生成され、生成された制御信号が空調装置へ送信されてもよい。これにより、より適切な空調を行なうことができる。
【0120】
以上、本発明の実施の形態について例示的に説明した。すなわち、例示的な説明のために、詳細な説明及び添付の図面が開示された。よって、詳細な説明及び添付の図面に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須でない構成要素が含まれることがある。したがって、それらの必須でない構成要素が詳細な説明及び添付の図面に記載されているからといって、それらの必須でない構成要素が必須であると直ちに認定されるべきではない。
【0121】
また、上記実施の形態は、あらゆる点において本発明の例示にすぎない。上記実施の形態は、本発明の範囲内において、種々の改良や変更が可能である。すなわち、本発明の実施にあたっては、実施の形態に応じて具体的構成を適宜採用することができる。
【符号の説明】
【0122】
10 照明システム、15 室内、100 検知センサ、110 第1電波レーダ、113 送信アンテナ、114 受信アンテナ、116,135,210,320,430 通信部、118 制御回路、120 第2電波レーダ、130 第3電波レーダ、140 第4電波レーダ、145 温度分布センサ、150,230,330,460 電源部、160,240,350,410 制御部、200 照明装置、220 光源部、300 制御装置、310,440 表示部、340,420 記憶部、400 設定装置、411 CPU、412 RAM、413 ROM、421 制御プログラム、441 照明位置表示部、442 スケジュール設定部、443 火災マーク、450 受付部、500 空気清浄機、A1-A4 検知範囲、D1 検知結果データ、S1 制御信号、W1-W4 波形。