(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128565
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】原料払出装置
(51)【国際特許分類】
A47J 31/40 20060101AFI20240913BHJP
B67D 1/08 20060101ALN20240913BHJP
【FI】
A47J31/40 102
B67D1/08 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037591
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】有村 充
【テーマコード(参考)】
3E082
4B104
【Fターム(参考)】
3E082BB01
3E082DD20
3E082FF09
4B104AA30
4B104BA04
4B104BA10
4B104EA40
(57)【要約】
【課題】製造コストの増大化を抑制するとともに、原料の酸化を抑制すること。
【解決手段】上部が開放するとともに下部が払出口23aに連通する収容域を有し、かつ収容域に原料を収容して保管するとともに内蔵する原料供給駆動部24の駆動により払出口23aより原料を払い出す原料キャニスタ20を備えた原料払出装置14であって、原料キャニスタ20は、収容域の上部を閉塞し、かつ原料の払い出しに伴って下方に変位する蓋体26を備えている。蓋体26は、収容域の気密性を確保した状態で変位することが好ましい。蓋体26は、自身の自重により変位することが好ましい。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上部が開放するとともに下部が払出口に連通する収容域を有し、かつ該収容域に原料を収容して保管するとともに内蔵する原料供給駆動部の駆動により前記払出口より原料を払い出す原料キャニスタを備えた原料払出装置であって、
前記原料キャニスタは、前記収容域の上部を閉塞し、かつ前記原料の払い出しに伴って下方に変位する蓋体を備えたことを特徴とする原料払出装置。
【請求項2】
前記蓋体は、前記収容域の気密性を確保した状態で変位することを特徴とする請求項1に記載の原料払出装置。
【請求項3】
前記蓋体は、自身の自重により変位することを特徴とする請求項2に記載の原料払出装置。
【請求項4】
前記原料キャニスタは、前記蓋体の下方への変位を規制するストッパ部を備えたことを特徴とする請求項1に記載の原料払出装置。
【請求項5】
前記原料キャニスタは、前記収容域を形成する部分が円筒状の形状を成し、
前記蓋体がピストン形状であることを特徴とする請求項1に記載の原料払出装置。
【請求項6】
前記蓋体は、脱酸素剤を備えたことを特徴とする請求項1に記載の原料払出装置。
【請求項7】
前記原料キャニスタは、前記払出口を開閉する払出口シャッタ機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載の原料払出装置。
【請求項8】
前記原料キャニスタの前記払出口に上端部分が気密性を保持した状態で連通して上下方向に沿って延在し、かつ下端部分に内部を通過した原料を吐出する吐出口を有した原料シュートを備え、
前記原料シュートの吐出口を開閉する吐出口シャッタ機構を備えたことを特徴とする請求項1に記載の原料払出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、豆や粉末状の原料を払い出す原料払出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、カップ式飲料自動販売機や飲料ディスペンサ等の飲料供給装置では、豆や粉末状の原料を払い出す原料払出装置が設けられている。このような原料払出装置では、収容する原料の酸化等を防止するために、窒素ガスを封入させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記原料払出装置では、窒素ガスを封入させるために、該窒素ガスを供給する装置等が必要になり、結果的、部品点数の増加に伴い製造コストの増大化を招来していた。
【0005】
本発明は、上記実情に鑑みて、製造コストの増大化を抑制するとともに、原料の酸化を抑制することができる原料払出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係る原料払出装置は、上部が開放するとともに下部が払出口に連通する収容域を有し、かつ該収容域に原料を収容して保管するとともに内蔵する原料供給駆動部の駆動により前記払出口より原料を払い出す原料キャニスタを備えた原料払出装置であって、前記原料キャニスタは、前記収容域の上部を閉塞し、かつ前記原料の払い出しに伴って下方に変位する蓋体を備えたことを特徴とする。
【0007】
また本発明は、上記原料払出装置において、前記蓋体は、前記収容域の気密性を確保した状態で変位することを特徴とする。
【0008】
また本発明は、上記原料払出装置において、前記蓋体は、自身の自重により変位することを特徴とする。
【0009】
また本発明は、上記原料払出装置において、前記原料キャニスタは、前記蓋体の下方への変位を規制するストッパ部を備えたことを特徴とする。
【0010】
また本発明は、上記原料払出装置において、前記原料キャニスタは、前記収容域を形成する部分が円筒状の形状を成し、前記蓋体がピストン形状であることを特徴とする。
【0011】
また本発明は、上記原料払出装置において、前記蓋体は、脱酸素剤を備えたことを特徴とする。
【0012】
また本発明は、上記原料払出装置において、前記原料キャニスタは、前記払出口を開閉する払出口シャッタ機構を備えたことを特徴とする。
【0013】
また本発明は、上記原料払出装置において、前記原料キャニスタの前記払出口に上端部分が気密性を保持した状態で連通して上下方向に沿って延在し、かつ下端部分に内部を通過した原料を吐出する吐出口を有した原料シュートを備え、前記原料シュートの吐出口を開閉する吐出口シャッタ機構を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
原料キャニスタを構成する蓋体が、収容域の上部を閉塞し、かつ原料の払い出しに伴って下方に変位するので、いわゆる落し蓋として機能し、原料キャニスタに収容される原料と接触可能な酸素量を低減させることができる。しかも、従来のように窒素ガスを供給する手段等が不要であり、部品点数を増加させることがない。従って、製造コストの増大化を抑制するとともに、原料の酸化を抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、本発明の実施の形態である原料払出装置が適用された飲料供給装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【
図2】
図2は、
図1に示した原料払出装置の構成を模式的に示す縦断面図である。
【
図3】
図3は、
図2に示した原料払出装置を構成する原料キャニスタの変形例を模式的に示す縦断面図である。
【
図4】
図4は、
図3に示した原料キャニスタの横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る原料払出装置の好適な実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態である原料払出装置が適用された飲料供給装置の構成を模式的に示すブロック図である。
【0018】
ここで例示する飲料供給装置1は、カップ式飲料自動販売機やカップ式飲料ディスペンサ等のように、カップC(
図2参照)に飲料を投入して供給するものである。この飲料供給装置1は、入力部11、金銭処理部12、搬送機構13、原料払出装置14及び飲料生成部15を備えて構成されている。
【0019】
入力部11は、図には明示しないが、飲料供給装置1の前面等の接客面に設けられており、利用者が商品選択等の入力操作を行うものである。この入力部11は、商品選択等の入力操作が行われた場合に、その入力信号を制御部10に送出するものである。
【0020】
ここで、制御部10は、入力部11、金銭処理部12、搬送機構13、原料払出装置14及び飲料生成部15に通信可能に電気的に接続されており、同じく電気的に接続された記憶部16に記憶されたプログラムやデータにしたがって飲料供給装置1の各部の動作を統括的に制御するものである。
【0021】
尚、制御部10は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の処理装置にプログラムを実行させること、すなわち、ソフトウェアにより実現してもよいし、IC(Integrated Circuit)等のハードウェアにより実現してもよいし、ソフトウェア及びハードウェアを併用して実現してもよい。
【0022】
金銭処理部12は、いわゆるビリバリデータやコインメカニズム等により構成されるもので、上記接客面に設けられた紙幣挿入口を通じて挿入された紙幣や、硬貨投入口を通じて投入された硬貨等の金銭の入出金処理を行うものである。搬送機構13は、制御部10から与えられる指令に応じて、カップCを搬送するものである。
【0023】
図2は、
図1に示した原料払出装置14の構成を模式的に示す縦断面図である。ここで例示する原料払出装置14は、飲料供給装置1の装置本体の内部に配設されており、原料キャニスタ20及び原料シュート30を備えて構成されている。
【0024】
原料キャニスタ20は、容器本体部21と、ホッパ部22と、円筒状部23とを有して構成されている。容器本体部21は、上端に投入口21aを有しており、横断面が矩形状を成す筒状部分である。投入口21aは、前方側の縁が後方側の縁よりも高さが低くなるように傾斜して形成されている。
【0025】
ホッパ部22は、容器本体部21の下端部に設けられている。このホッパ部22は、下方に向かうにしたがって漸次前方方向の寸法が小さくなるように構成された漏斗状を成す部分である。
【0026】
円筒状部23は、ホッパ部22の下端部に設けられている。円筒状部23は、軸心が前後方向に沿って略水平となるように構成された中空部分であり、その中央上部を介してホッパ部22の内部に連通している。また円筒状部23の前端部には払出口23aが形成されている。
【0027】
上記原料キャニスタ20においては、容器本体部21及びホッパ部22の内部は、上部が開放するとともに下部が払出口23aに連通する収容域を構成しており、原料を収容可能である。そして、原料キャニスタ20においては、上記構成の他、原料供給駆動部24、払出口シャッタ機構25及び蓋体26を備えて構成されている。
【0028】
原料供給駆動部24は、オーガスクリュ241及びギヤードモータ242を備えて構成されている。オーガスクリュ241は、円筒状部23に配設されている。オーガスクリュ241は、軸部241aの外周面に螺旋状の突条241bを有したもので、突条241bの外周面を円筒状部23の内周面に近接させた状態で軸部241aの軸心回りに回転することが可能である。図からも明らかなように、このオーガスクリュ241は、円筒状部23の後端部に設けられた摺動孔23bを介して基端部が外部に突出している。
【0029】
ギヤードモータ242は、駆動源たる電動モータ242aと、電動モータ242aの回転を減速した状態で出力軸242bから出力する減速機(図示せず)とを一体のユニットとして構成したもので、オーガスクリュ241の基端部と出力軸242bの出力端部とが連結した状態で配設されている。本実施の形態では、ギヤケース242cの内部に減速機(図示せず)を構成する減速ギヤ列を収容し、かつモータケース242dを介して電動モータ242aをギヤケース242cの下方部に支持させるとともに、出力軸242bをギヤケース242cの上方部に配置したギヤードモータ242を適用している。尚、電動モータ242aは、制御部10から与えられる指令に応じて駆動するものである。
【0030】
つまり、原料供給駆動部24は、制御部10から与えられる指令に応じて電動モータ242aが駆動することにより、原料を払出口23aから払い出すものである。
【0031】
払出口シャッタ機構25は、払出口シャッタ251及びシャッタモータ252を備えて構成されている。払出口シャッタ251は、払出口23aを閉塞するのに十分な大きさを有した板状体であり、上端部にシャッタ軸251aを有している。この払出口シャッタ251は、左右方向に沿って延在するシャッタ軸251aの中心軸回りに揺動可能であり、前方に向けて揺動することにより払出口23aを開放する一方、後方に向けて揺動することにより払出口23aを閉塞するものである。かかる払出口シャッタ251は、常態においては、自身の自重により後方に向けて揺動して払出口23aを閉塞している。
【0032】
シャッタモータ252は、制御部10から与えられる指令に応じて駆動するものであり、駆動する場合に、払出口シャッタ251を前方に向けて揺動させて払出口23aを開放させるものである。
【0033】
蓋体26は、容器本体部21に設けられている。この蓋体26は、前後寸法及び左右寸法が容器本体部21の内部における前後寸法及び左右寸法よりも僅かに小さい箱状を成している。この蓋体26の上端縁部及び下端縁部には、それぞれパッキン等の上端シール材261及び下端シール材262が設けられており、これら上端シール材261及び下端シール材262が容器本体部21の内壁面に接することにより、蓋体26は、自身より下方の領域の気密性を確保している。
【0034】
かかる蓋体26の下面には、複数の通気孔263が形成されており、蓋体26の上面には、流通孔264が形成されている。また蓋体26の上面には、流通孔264を閉塞する態様でエア抜き用逆止弁265が設けられている。このエア抜き用逆止弁265は、流通孔264を通過して蓋体26の上方に空気が流通することを許容する一方、蓋体26の上方から流通孔264に空気が流通することを規制するものである。
【0035】
更に、蓋体26の内部には、脱酸素機能を有する脱酸素剤266が配置されている。この脱酸素剤266は、除湿機能も有している。
【0036】
そのような蓋体26は、収容域である容器本体部21の内部を上下方向に沿って変位可能であり、下方領域に収容された原料が払い出されることにより下方に変位するものである。つまり、蓋体26は、容器本体部21(原料キャニスタ20の一部)における内部(収容域)の上部を閉塞し、かつ原料の払い出しに伴って自重により下方に変位するものである。ところで、容器本体部21の下端部にホッパ部22が設けられているので、蓋体26は、容器本体部21とホッパ部22との境界部分にて下方への変位が規制される。つまり、容器本体部21とホッパ部22との境界部分が、蓋体26の下方への変位を規制するストッパ部を構成している。
【0037】
原料シュート30は、上下方向に沿って延在し、かつ下端に吐出口31を有した筒状部材である。この原料シュート30は、原料キャニスタ20から払出口23aを通じて払い出された原料を、カップC、あるいは飲料生成部15に吐出するものである。
【0038】
飲料生成部15は、カップCに供給される飲料を生成する各部の総称である。この飲料生成部15は、原料払出装置14からカップCに原料が払い出された場合には、制御部10から与えられる指令に応じて、カップCに湯を投入して撹拌等を行って飲料を生成するものである。また、飲料生成部15は、原料払出装置14から自身に原料が吐出された場合には、制御部10から与えられる指令に応じて、自身に供給された湯と混合させて撹拌又は抽出により飲料を生成するものである。
【0039】
上記原料払出装置14においては、制御部10からの指令に応じて原料供給駆動部24及び払出口シャッタ機構25が駆動することにより、次のようにして原料を払い出す。すなわち、払出口シャッタ機構25では、シャッタモータ252の駆動により払出口シャッタ251が前方に向けて揺動して払出口23aを開放する。そして、電動モータ242aの駆動によりオーガスクリュ241が回転し、原料を払出口23aから払い出す。払出口23aから払い出された原料は、原料シュート30を通過し、吐出口31からカップCや飲料生成部15に吐出される。
【0040】
その後、制御部10からの指令によりシャッタモータ252の駆動及び電動モータ242aの駆動が停止すると、払出口シャッタ251が後方に揺動して払出口23aを閉塞するとともに、オーガスクリュ241の回転が停止する。そして、収容域(容器本体部21及びホッパ部22の内部)における原料の払い出しに伴って蓋体26が自身の自重により下方に変位する。
【0041】
以上説明したように、本発明の実施の形態である原料払出装置14によれば、蓋体26が、収容域を構成する容器本体部21の上部を閉塞するとともに、原料の払い出しに伴って下方に変位するので、いわゆる落し蓋として機能し、原料キャニスタ20に収容される原料と接触可能な酸素量を低減させることができる。しかも、従来のように窒素ガスを供給する手段等が不要であり、部品点数を増加させることがない。従って、製造コストの増大化を抑制するとともに、原料の酸化を抑制することができる。また、蓋体26が落し蓋として機能することにより、原料と接触可能な水分量を低減させることができ、これにより、原料の劣化を抑制することができる。
【0042】
上記原料払出装置14によれば、蓋体26が容器本体部21の内部の気密性を確保した状態で変位するので、これにより原料の酸化を良好に抑制することができる。
【0043】
上記原料払出装置14によれば、蓋体26が自身の自重により変位するので、蓋体26を変位させるための駆動装置等が不要であり、これにより製造コストの増大化を抑制することができる。
【0044】
上記原料払出装置14によれば、蓋体26に脱酸素剤266が配置されているので、蓋体26を原料キャニスタ20から取り外して清掃や交換等を容易に行うことができる。
【0045】
上記原料払出装置14によれば、容器本体部21とホッパ部22との境界部分が、蓋体26の下方への変位を規制するストッパ部として機能するので、蓋体26が必要以上に下方に変位して原料供給駆動部24を構成するオーガスクリュ241の動作を阻害することを防止することができる。
【0046】
上記原料払出装置14によれば、払出口シャッタ機構25が、払出口23aを開閉するので、これによっても原料キャニスタ20に収容される原料と接触可能な酸素量を低減させることができ、原料の酸化を良好に抑制することができる。
【0047】
図3は、
図2に示した原料払出装置14を構成する原料キャニスタ20の変形例を模式的に示す縦断面図である。ここで例示する原料キャニスタ40は、容器本体部41と、ホッパ部42と、円筒状部43とを有して構成されている。尚、円筒状部43は、
図2に示した円筒状部23と同一であるので、ここでの説明は割愛する。
【0048】
容器本体部41は、上端に投入口41aを有しており、横断面が円環状を成す円筒状部分である。ホッパ部42は、容器本体部41の下端部に設けられている。このホッパ部42は、下方に向かうにしたがって横断面が漸次小さくように構成された漏斗状を成す部分である。
【0049】
上記原料キャニスタ40においては、容器本体部41及びホッパ部42の内部は、上部が開放するとともに下部が円筒状部43の前端の払出口(図示せず)に連通する収容域を構成しており、原料を収容可能である。そして、原料キャニスタ40においては、容器本体部41に蓋体46が設けられている。
【0050】
蓋体46は、容器本体部41に設けられている。この蓋体46は、上面開口及び下面開口が閉塞された円筒状、すなわちピストン形状を成しており、その外径が容器本体部41の内径よりも僅かに小さい。この蓋体46の上端周縁部及び下端周縁部には、それぞれパッキン等の上端シール材461及び下端シール材462が設けられており、これら上端シール材461及び下端シール材462が容器本体部41の内壁面に接することにより、蓋体46は、自身より下方の領域の気密性を確保している。
【0051】
かかる蓋体46の下面には、複数の通気孔463が形成されており、蓋体46の上面には、
図4に示すように流通孔464が形成されている。また蓋体46の上面には、流通孔464を閉塞する態様でエア抜き用逆止弁465が設けられている。このエア抜き用逆止弁465は、流通孔464を通過して蓋体46の上方に空気が流通することを許容する一方、蓋体46の上方から流通孔464に空気が流通することを規制するものである。
【0052】
更に、蓋体46の内部には、脱酸素機能を有する脱酸素剤466が配置されている。この脱酸素剤466は、除湿機能も有している。
【0053】
また蓋体46の上面には、スタビライザ467が設けられている。スタビライザ467は、上方から見て十字状を成す態様で設けられており、蓋体46の上面より上方に向けて延在している。このスタビライザ467は、容器本体部41の内壁面との間に僅かな隙間が形成されている。
【0054】
そのような蓋体46は、収容域である容器本体部41の内部を上下方向に沿って変位可能であり、下方領域に収容された原料が払い出されることにより下方に変位するものである。つまり、蓋体46は、容器本体部41(原料キャニスタ40の一部)における内部(収容域)の上部を閉塞し、かつ原料の払い出しに伴って自重により下方に変位するものである。ところで、容器本体部41の下端部にホッパ部42が設けられているので、蓋体46は、容器本体部41とホッパ部42との境界部分にて下方への変位が規制される。つまり、容器本体部41とホッパ部42との境界部分が、蓋体46の下方への変位を規制するストッパ部を構成している。
【0055】
図3及び
図4に示した原料キャニスタ40を有する原料払出装置によれば、上述した作用効果に加えて、次のような作用効果を奏する。すなわち、原料キャニスタ40は、収容域を形成する部分である容器本体部41が円筒状の形状を成し、蓋体46がピストン形状であるので、容器本体部41の壁面のソリやクリープ変形による蓋体46との隙間発生を抑制することができ、蓋体46を安定的に変位させることができる。
【0056】
また蓋体46には、上方に向けて延在するスタビライザ467が設けられているので、蓋体46が変位の際に姿勢変形することを抑制することができる。
【0057】
以上、本発明の好適な実施の形態及び変形例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変更を行うことができる。
【0058】
上述した実施の形態及び変形例では、蓋体26,46は自重により変位するものであったが、本発明においては、アクチュエータにより蓋体を変位させるようにしてもよい。
【0059】
上述した実施の形態では、払出口シャッタ機構25が設けられていたが、本発明においては、払出口シャッタ機構が設けられていなくてもよい。また本発明においては、払出口シャッタ機構の代わりに、あるいは払出口シャッタ機構に加えて、原料シュートの吐出口を開閉する吐出口シャッタ機構が設けられてもよい。これによっても、原料キャニスタに収容された原料に接する酸素量を低下することができる。しかも、吐出口シャッタ機構を設ける場合には、原料シュートの内部空気を吸引する吸引機を設けて原料シュートの内部を真空引きにすることが好ましい。
【符号の説明】
【0060】
1…飲料供給装置、10…制御部、11…入力部、12…金銭処理部、13…搬送機構、14…原料払出装置、15…飲料生成部、16…記憶部、20…原料キャニスタ、21…容器本体部、21a…投入口、22…ホッパ部、23…円筒状部、23a…払出口、24…原料供給駆動部、241…オーガスクリュ、242…ギヤードモータ、25…払出口シャッタ機構、26…蓋体、261…上端シール材、262…下端シール材、263…通気孔、264…流通孔、265…エア抜き用逆止弁、266…脱酸素剤、30…原料シュート、C…カップ。