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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128567
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】予熱装置
(51)【国際特許分類】
   B29C 33/02 20060101AFI20240913BHJP
   B22D 17/22 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
B29C33/02
B22D17/22 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037593
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】村山 晴城
【テーマコード(参考)】
4F202
【Fターム(参考)】
4F202CA11
4F202CA27
4F202CN01
4F202CN12
4F202CN14
4F202CN22
4F202CN24
4F202CN30
4F202CR03
(57)【要約】
【課題】継手同士の結合を円滑に確実に行うことができ、金型の昇温を効率的に行なう。
【解決手段】基台10の上面1002上で水平方向において第1金型分割体14の合わせ面1402と第2金型分割体16の合わせ面1602とが合わされた状態で、油圧シリンダ30によって第2金型分割体14の脚部1410を第2金型分割体16に向けて押圧し、第1金型分割体14の合わせ面1402と第2金型分割体16の合わせ面1602とが合わされた状態に保持するようにした。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基台の上面上で第1金型分割体の合わせ面と第2金型分割体の合わせ面とが合わされることで金型が構成され、
前記第1金型分割体は予熱用循環路を有し、
前記第1金型分割体の底面には、前記予熱用循環路に接続された第1金型側継手が設けられ、
前記第1金型側継手に係脱可能に結合される基台側第1継手が前記上面に設けられ、
前記金型は、第1金型分割体の合わせ面と第2金型分割体の合わせ面とが合わされる方向の長さと、この長さに直交する幅とを有し、
前記第1金型分割体の長さは、前記第2金型分割体よりも大きな寸法で形成され、
前記第1金型分割体と第2金型分割体の底面で前記長さ方向において前記合わせ面と反対に位置する端部の箇所には、前記上面から前記底面を上方に離す脚部が設けられ、
前記上面には、前記第2分割体の前記脚部に当接し前記長さ方向の位置決めを行なう位置決め部が設けられた前記金型を昇温する予熱装置であって、
前記第1金型分割体の脚部を前記第2金型分割体に向けて押圧し、前記第1金型分割体の合わせ面と第2金型分割体の合わせ面とが合わされた状態に保持する油圧シリンダを備える、
ことを特徴とする予熱装置。
【請求項2】
前記第1金型分割体の前記脚部が配置される前記上面の箇所には、前記長さ方向に移動可能に移動ブロックが設けられ、
前記移動ブロックは、前記上面と同一高さのブロック側上面と、前記第1分割体側の前記ブロック側上面から上方に突出し第1金型分割体の前記脚部に当接可能な当接用突出部とを有し、
前記当接用突出部と反対に位置する前記移動ブロック側上面の箇所に前記油圧シリンダが設けられ、
前記移動ブロックは、第1金型分割体の前記脚部から離れた退避位置と、第1金型分割体の前記脚部に当接可能な当接位置との間で往復移動可能であり、
前記油圧シリンダによる前記第1金型分割体の脚部の前記第2金型分割体に向けての押圧は前記移動ブロックを前記退避位置から前記当接位置に移動することで行われる、
ことを特徴とする請求項1記載の予熱装置。
【請求項3】
前記移動ブロックを前記当接位置から前記退避位置に移動させるエアシリンダが設けられている、
ことを特徴とする請求項1記載の予熱装置。
【請求項4】
前記移動ブロックが前記第1金型分割体の脚部に当接する箇所は、前記第1金型分割体の脚部側に凸状の曲面を呈している、
ことを特徴とする請求項1記載の予熱装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は金型を昇温する予熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
射出成形やダイカストに用いる金型を予め成形に必要な温度近くまで昇温(加熱)させる予熱装置が知られている(特許文献1参照)。
このような予熱装置として、基台の上面上に載置された金型の内部の予熱用循環路に対して加熱された水、水蒸気、油などの流体を循環させることで金型を昇温させるものがある。
このような金型として、互いに合わせ面で合わされる第1金型分割体と第2金型分割体とからなり、それぞれが予熱用循環路を有し、また、予熱用循環路に接続された第1金型側継手と第2金型側継手を第1金型分割体の底面と第2金型分割体の底面に備えているものも提供されている。
この場合には、基台の上面に第1金型側継手と第2金型側継手にそれぞれ係脱可能に結合される基台側第1継手と基台側第2継手とが設けられている。
そのため、第1金型側継手と第2金型側継手にそれぞれ基台側第1継手と基台側第2継手とを結合するため、第1金型分割体と第2金型分割体の底面で互いに離れる方向の端部に、第1金型分割体の底面と第2金型分割体の底面とを基台の上面から離すための脚部がそれぞれ設けられている。
そして、第1金型分割体と第2金型分割体はそれらの合わせ面で合わされた状態で、第1金型分割体と第2金型分割体とはそれぞれ脚部により片持ち支持の状態となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001-1339号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そのため、上述のように第1金型分割体と第2金型分割体とがそれぞれ脚部により片持ち支持の状態となっていると、第1金型分割体の長さが第2金型分割体よりも大きい場合、第1金型分割体が脚部を支点として傾動し、第1金型分割体の合わせ面と第2金型分割体の合わせ面との間隔が下方に至るにつれて次第に大きくなるような隙間が形成されてしまうおそれがある。
このような隙間が形成されると、第1金型側継手と基台側第1継手との位置がずれてしまい、継手同士が結合できなくなることから何らかの改善が求められている。
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、継手同士の結合を円滑に確実に行うことができ、金型の昇温を効率的に行なう上で有利となり、コストダウンを図りつつ成形品の品質を確保する上で有利な昇温装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明の一実施の形態は、基台の上面上で第1金型分割体の合わせ面と第2金型分割体の合わせ面とが合わされることで金型が構成され、前記第1金型分割体は予熱用循環路を有し、前記第1金型分割体の底面には、前記予熱用循環路に接続された第1金型側継手が設けられ、前記第1金型側継手に係脱可能に結合される基台側第1継手が前記上面に設けられ、前記金型は、第1金型分割体の合わせ面と第2金型分割体の合わせ面とが合わされる方向の長さと、この長さに直交する幅とを有し、前記第1金型分割体の長さは、前記第2金型分割体よりも大きな寸法で形成され、前記第1金型分割体と第2金型分割体の底面で前記長さ方向において前記合わせ面と反対に位置する端部の箇所には、前記上面から前記底面を上方に離す脚部が設けられ、前記上面には、前記第2分割体の前記脚部に当接し前記長さ方向の位置決めを行なう位置決め部が設けられた前記金型を昇温する予熱装置であって、前記第1金型分割体の脚部を前記第2金型分割体に向けて押圧し、前記第1金型分割体の合わせ面と第2金型分割体の合わせ面とが合わされた状態に保持する油圧シリンダを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明の一実施の形態によれば、基台の上面上において、第1金型分割体の合わせ面と第2金型分割体の合わせ面とが適正に合わされた姿勢を保持することができ、継手同士の結合を円滑に確実に行うことができ、金型の昇温を効率的に行なう上で有利となり、コストダウンを図りつつ成形品の品質を確保する上で有利となる
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】実施の形態の予熱装置の正面図であり、油圧シリンダにより第2金型分割体の脚部が押圧された状態を示す。
図2図1の平面図である。
図3】実施の形態の予熱装置の押圧ブロックおよび油圧シリンダの配置を示す平面図である。
図4】実施の形態の予熱装置の押圧ブロック、油圧シリンダ、空圧シリンダの配置を示す正面図である。
図5図4のA矢視図である。
図6】実施の形態の予熱装置の正面図であり、第2金型分割体の脚部が移動ブロック側上面に載置された状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1図2で示すように、基台10が直線状に延在しており、以後、この基台10の延在方向を基台10の長さ方向とよび、基台10の延在方向と直交する方向を基台10の幅方向とよぶ。
基台10の上面1002の幅方向の両側には、金型12Aを基台10の延在方向に移動させるための不図示の複数のローラーが組み込まれている。
図2において金型12Aの下方の基台10の箇所は、基台10に金型12Aが搬送される箇所となっており、金型12Aが位置する基台10の箇所は金型12Aを予熱する予熱箇所となっており、金型12Aの上方の基台10の箇所は、不図示の射出成形装置が配置された箇所となっており、基台10の長さ方向に沿った金型12Aの移動は不図示の金型搬送装置により行われる。
【0009】
図1に示すように、金型12Aは樹脂材料からなる成形品を成形するものであり、金型12Aは、第1金型分割体14と第2金型分割体16とを備えている。
金型12Aは、基台10の幅方向で水平方向において第1金型分割体14の合わせ面1402と第2金型分割体16の合わせ面1602とが合わされることで構成される。
図1図2に示すように、金型12A、第1金型分割体14、第2金型分割体16は、第1金型分割体14の合わせ面1402と第2金型分割体16の合わせ面1602とが合わされる方向の長さと、この長さに直交する幅を有している。
第1金型分割体14の長さは、第2金型分割体16よりも大きな寸法で形成されている。
第1金型分割体14と第2金型分割体16の底面で長さ方向において合わせ面1402、1602と反対に位置する端部の箇所には、基台10の上面1002から底面を上方に離す脚部1410、1610が設けられている。
それら第1金型分割体14および第2金型分割体16の脚部1410、1610は、それぞれ基台10の長さ方向に間隔をおいて配置された上述の複数のローラー上に載置され、第1金型分割体14および第2金型分割体16は片持ち支持の状態で基台10の上面1002上に配置されている。
【0010】
第1金型分割体14と第2金型分割体16はそれぞれ加熱された流体が循環される不図示の予熱用循環路を有している。
第1金型分割体14と第2金型分割体16の底面には、それぞれの予熱用循環路に接続された第1金型側継手18と第2金型側継手20が設けられている。
それら第1金型側継手18と第2金型側継手20は、基台側第1継手22と基台側第2継手24とに係脱可能に結合される。
基台側第1継手22および基台側第2継手24は、流体循環路25を介して不図示の流体供給装置に接続されており、流体供給装置から供給される加熱された流体が流通するように構成されている。
なお、このような第1金型側継手18および第2金型側継手20と、基台側第1継手22および基台側第2継手24とは、基台10側の継手22、24が出没する従来公知のオートジョイント装置を用いて自動的に行われる。
【0011】
図1図2に示すように、金型12Aを予熱する基台10の予熱箇所には、位置決め部26と、移動ブロック28と、油圧シリンダ30と、エアシリンダ32(図4)とが設けられている。なお、図1図3においてエアシリンダ32は図示を省略している。
位置決め部26は、第2金型分割体16が配置される上面1002の幅方向の一側に設けられている。
位置決め部26は、第2金型分割体16の脚部1610の両側面に当接することで、第2金型分割体16を基台10の幅方向に位置決めする。
位置決め部26の下方には上述の不図示の複数のローラーが配置されている。
【0012】
図2図4に示すように、移動ブロック28、油圧シリンダ30、エアシリンダ32は、第1金型分割体14が配置される上面1002の幅方向の他側に、基台10の長さ方向に間隔をおいて2つずつ設けられている。
図2図5に示すように、移動ブロック28は、ベース部34と一対のガイドレール36を介して基台10に設けられている。
すなわち、図4図5に示すように、上面1002にベース部34が設けられ、ベース部34に金型12Aの長さ方向に沿って延在する一対のガイドレール36が設けられ、このガイドレール36によって移動ブロック28は、金型12Aの長さ方向に移動可能に設けられている。
なお、ベース部34は上述の不図示のローラー間に配置されている。
移動ブロック28は、第1金型分割体14の脚部1410から離れた退避位置と、第1金型分割体14の脚部1410に当接可能な当接位置との間で往復移動可能に支持されている。
【0013】
移動ブロック28は、金型12Aの長さ方向に延在するブロック側上面2802と、ブロック側上面2802の延在方向の両端から起立する当接用突出部2804および油圧シリンダ用突出部2806とを有している。
ブロック側上面2802は、基台10の上面1002と同一高さで設けられている。
当接用突出部2804は、第1金型分割体14の脚部1410に当接可能に設けられている。
図3に示すように、移動ブロック28の当接用突出部2804が第1金型分割体14の脚部1410に当接する箇所は、第1金型分割体14の脚部1410側に凸状の曲面2804Aを呈している。
【0014】
油圧シリンダ30は、第1金型分割体14の脚部1410を第2金型分割体16に向けて押圧し、第1金型分割体14の合わせ面1402と第2金型分割体16の合わせ面1602とが合わされた状態に保持するものである。
本実施の形態では、油圧シリンダ30は、移動ブロック28を退避位置から当接位置に移動させる単動式の油圧シリンダ30を用いている。
油圧シリンダ30は、ベース部34に取り付けられている。
油圧シリンダ30は、不図示の油圧源から油圧が供給されることによってピストンロッド3002がシリンダチューブから突出し、第1金型分割体14の脚部1410を第2金型分割体16に向けて押圧する。
ピストンロッド3002の先端は、油圧シリンダ用突出部2806に当接されている。言い換えると、ピストンロッド3002の先端は、当接用突出部2804と反対に位置するブロック側上面2802の箇所に当接されている。
油圧シリンダ30による第1金型分割体14の脚部1410の第2金型分割体16に向けての押圧は移動ブロック28を退避位置から当接位置に移動することで行われる。
【0015】
エアシリンダ32は、図4に示すように、シリンダチューブ3202と、シリンダチューブ3202から出没するピストンロッド3204とを備え、油圧シリンダ30の上方でベース部34に取り付けられている。
エアシリンダ32のピストンロッド3204は、連結部材38を介して油圧シリンダ用突出部2806に連結されている。
エアシリンダ32は、不図示のコンプレッサから供給される圧縮空気がエアシリンダ32の複数のポートに切り替えて供給されることによってピストンロッド3204がシリンダチューブ3202から突出しあるいは没入する。
本実施の形態では、エアシリンダ32は、ピストンロッド3204を没入させることで移動ブロック28を当接位置から退避位置に移動させる。
なお、油圧シリンダ30の伸長作動時にはエアシリンダ32はフリーとされ、エアシリンダ32の縮小作動時には油圧シリンダ30はフリーとされる。
【0016】
次に、予熱位置において金型12Aを予熱する方法について説明する。
予め、移動ブロック28は、エアシリンダ32によって退避位置に移動されているものとする。
第1金型12Aの第1金型分割体14の合わせ面1402と第2金型分割体16の合わせ面1602とが重ね合わされた状態で不図示の金型搬送装置によって金型12Aが予熱箇所に搬送される。
この状態で、第1金型分割体14と第2金型分割体16とはそれぞれ脚部1410、1610により片持ち支持の状態となっており、第1金型分割体14の長さが第2金型分割体16よりも大きいため、第1金型分割体14が脚部1410を支点として傾動し、第1金型分割体14の合わせ面1402と第2金型分割体16の合わせ面1602との間隔が下方に至るにつれて次第に大きくなるような隙間が形成されている。
【0017】
金型12Aが予熱箇所に搬送されたならば、油圧シリンダ30により移動ブロック28が退避位置から当接位置に移動し、油圧シリンダ30によって第1金型分割体14の脚部1410が第2金型分割体16に向けて押圧される。
これにより、第1金型12Aの第1金型分割体14の合わせ面1402と第2金型分割体16の合わせ面1602とが隙間なく重ね合わされた状態となり、第1金型分割体14の底面と第2金型分割体16の底面とは上面1002と平行する同一平面上に位置し、基台側第1継手22および基台側第2継手24は、第1金型側継手18および第2金型側継手20に円滑に結合される。
そして、加熱された流体が流体循環路25、それら継手を介して予熱用循環路を循環し、金型12Aが昇温される。
したがって、基台10の予熱箇所は、基台側第1継手22、基台側第2継手24、流体循環路25を有し、金型12Aを予熱する予熱装置の一部を構成している。
金型12Aが所定の温度に昇温されたならば、第1金型側継手18および第2金型側継手20から基台側第1継手22および基台側第2継手24を外し、エアシリンダ32を縮小作動させ、移動ブロック28を第1金型分割体14の脚部1410から離す。
次いで、不図示の金型搬送装置により、金型12Aを射出成形装置が配置された箇所に搬送し、樹脂製の成形品を成形する。
【0018】
なお、基台10上では複数種類の長さが異なる金型が搬送される。
図4図6に示すように、上述の第1金型分割体14よりも長さが大きい第1金型分割体14を有する金型12Bを搬送する場合には、第1金型分割体14の脚部1410を、移動ブロック28のブロック側上面2802に載置して余熱を行えばよく、したがって、移動ブロック28の形状は複数種類の大きさの金型12A、12Bに使用できるものとなっており、汎用性に優れている。
なお、第2金型12Bには、第1金型12Aと異なり、予熱用循環路、第1金型側継手18、第2金型側継手20が設けられておらず、流体による昇温はなされない。
第2金型12Bの昇温は、第1金型分割体14および第2金型分割体16に内蔵された不図示のヒータを用いてなされるためである。
【0019】
本実施の形態によれば、基台10の上面1002上で水平方向において第1金型分割体14の合わせ面1402と第2金型分割体16の合わせ面1602とが合わされた状態で、油圧シリンダ30によって第1金型分割体14の脚部1410を第2金型分割体16に向けて押圧し、第1金型分割体14の合わせ面1402と第2金型分割体16の合わせ面1602とが合わされた状態に保持するようにした。
したがって、基台10の上面1002上において、第1金型分割体14の合わせ面1402と第2金型分割体16の合わせ面1602とが適正に合わされた姿勢を保持することができ、継手同士の結合を円滑に確実に行うことができ、金型12Aの昇温を効率的に行なう上で有利となり、コストダウンを図りつつ成形品の品質を確保する上で有利となる
【0020】
また、本実施の形態では、基台10の上面1002に、第1金型分割体14の脚部1410から離れた退避位置と、第1金型分割体14の脚部1410に当接可能な当接位置との間で往復移動可能な移動ブロック28を設ける。そして、この移動ブロック28に、上面1002と同一高さのブロック側上面2802と、第1金型分割体14の脚部1410に当接可能な当接用突出部2804とを設ける。そして、油圧シリンダ30によって移動ブロック28を退避位置から当接位置に移動することで、第1金型分割体14の脚部1410の第2金型分割体16に向けての押圧を行なうようにした。
したがって、長さが大きい金型12Bの場合には、第1金型分割体14の脚部1410を移動ブロック28のブロック側上面2802に載置することで金型12Bを昇温できるので、複数種類の大きさの金型12Bに使用でき、予熱装置の汎用性を高める上で有利となる。
【0021】
なお、油圧シリンダ30として、移動ブロック28を退避位置から当接位置に移動させ、また、当接位置から退避位置に移動させる複動式の油圧シリンダ30を用いても良い。
しかしながら、本実施の形態では、油圧シリンダ30として、移動ブロック28を退避位置から当接位置に移動させる単動式の油圧シリンダ30を用い、エアシリンダ32で移動ブロック28を当接位置から退避位置に移動させるようにした。
これは、移動ブロック28を当接位置に移動させる場合には金型12Aの重量に対応した大きな出力が必要となるため、油圧シリンダ30を用いる必要がある一方、移動ブロック28を退避位置に移動させる場合には、金型12Aを移動させることなく移動ブロック28のみを移動させればよいため、出力が小さなエアシリンダ32で足りるためである。
このように単動式の油圧シリンダ30を用いると、複動式の油圧シリンダ30に比較して油圧シリンダ30のコンパクト化を図れるため、予熱装置の省スペース化を図る上で有利となる。
【0022】
また、移動ブロック28が第1金型分割体14の脚部1410に当接する箇所を第1金型分割体14の脚部1410側に凸状の曲面2804Aで形成する代わりに平面で形成してもよい。
しかしながら、平面で形成すると、何らかの原因で第1金型分割体14の脚部1410の向きが変化したときに、第1金型分割体14の脚部1410から移動ブロック28に荷重が集中して加わることによって、移動ブロック28あるいは移動ブロック28を案内するガイドレール36が劣化、破損するおそれがある。
本実施の形態のように、移動ブロック28が第1金型分割体14の脚部1410に当接する箇所を第1金型分割体14の脚部1410側に凸状の曲面2804Aで形成すると、第1金型分割体14の脚部1410から移動ブロック28に加わる荷重を分散できるため、移動ブロック28あるいは移動ブロック28を案内するガイドレール36を保護しそれらの耐久性を高める上で有利となる。
【0023】
なお、本実施の形態では、金型12A、12Bが樹脂材料からなる成形品を成形するものである場合について説明したが、本発明は、ダイカスト用の金型など従来公知の様々な金型に適用可能である。
【符号の説明】
【0024】
10 基台
1002 上面
12A、12B金型
14 第1金型分割体
1402 合わせ面
1410 脚部
16 第2金型分割体
1602 合わせ面
1610 脚部
18 第1金型側継手
20 第2金型側継手
22 基台側第1継手
24 基台側第2継手
25 流体循環路
26 位置決め部
28 移動ブロック
2802 ブロック側上面
2804 当接用突出部
2804A 曲面
2806 油圧シリンダ用突出部
30 油圧シリンダ
3002 ピストンロッド
32 エアシリンダ
3202 シリンダチューブ
3204 ピストンロッド
34 ベース部
36 ガイドレール
38 連結部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6