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特開2024-128576情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128576
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06V 10/778 20220101AFI20240913BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240913BHJP
   H04L 27/00 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
G06V10/778
G06T7/00 350B
H04L27/00 A
H04L27/00 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037607
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(71)【出願人】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】岸本 真幸
【テーマコード(参考)】
5L096
【Fターム(参考)】
5L096BA18
5L096CA23
5L096DA04
5L096KA04
(57)【要約】      (修正有)
【課題】学習データを効果的に生成することができる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】情報処理装置は、メモリ12~14と、入力インターフェース(操作部15)と、液晶モニタから構成される表示部15と、プロセッサ11と、を備える。NVM14は、無線信号の特徴を示す画像データから無線信号の信号諸元を予測するモデルを格納する。入力インターフェースは、オペレータから操作を入力する。モニタは、画像を表示する。プロセッサは、画像データを取得し、モデルを用いて取得された画像データから信号諸元を予測し、信号諸元をモニタに表示し、入力インターフェースを通じて信号諸元を訂正する訂正情報を入力した場合、画像データと訂正情報による訂正後の信号諸元とを対応付けた学習データを生成する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線信号の特徴を示す画像データから前記無線信号の信号諸元を予測するモデルを格納するメモリと、
オペレータから操作を入力する入力インターフェースと、
画像を表示するモニタと、
前記画像データを取得し、
前記モデルを用いて取得された前記画像データから前記信号諸元を予測し、
前記信号諸元を前記モニタに表示し、
前記入力インターフェースを通じて前記信号諸元を訂正する訂正情報を入力した場合、前記画像データと前記訂正情報による訂正後の前記信号諸元とを対応付けた学習データを生成する、
プロセッサと、
を備える情報処理装置。
【請求項2】
前記プロセッサは、前記訂正情報を入力しない場合、前記画像データと予測された前記信号諸元とを対応付けた学習データを生成する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記プロセッサは、前記オペレータが前記訂正情報を入力するために掛かった入力時間を算出し、
前記学習データは、前記入力時間を含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記プロセッサは、
前記信号諸元を表示する表示欄を含む画面を前記モニタに表示し、
前記表示欄において前記訂正情報を入力する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記画面は、前記画像データを表示する、
請求項4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記信号諸元は、変調方式、通信速度、キャリア数又はビットパタンの何れかを含む、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記モデルは、ニューラルネットワークである、
請求項1乃至6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
プロセッサによって実行される情報処理方法であって、
無線信号の特徴を示す画像データを取得し、
取得された前記画像データから前記無線信号に関する信号諸元を予測し、
前記信号諸元をモニタに表示し、
入力インターフェースを通じて前記信号諸元を訂正する訂正情報を入力した場合、前記画像データと前記訂正情報による訂正後の前記信号諸元とを対応付けた学習データを生成する、
情報処理方法。
【請求項9】
プロセッサによって実行されるプログラムであって、
前記プロセッサに、
無線信号の特徴を示す画像データを取得する機能と、
取得された前記画像データから前記無線信号に関する信号諸元を予測する機能と、
前記信号諸元をモニタに表示する機能と、
入力インターフェースを通じて前記信号諸元を訂正する訂正情報を入力した場合、前記画像データと前記訂正情報による訂正後の前記信号諸元とを対応付けた学習データを生成する機能と、
を実現させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理装置、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線で受信された信号の特徴を示す画像データから信号に関する諸元(信号諸元)を予測するシステムが提供されている。そのようなシステムは、既知の画像データと既知の信号諸元とから構成される学習データを用いて人工知能のモデル(ニューラルネットワークなど)を学習する。システムは、学習済みのモデルを用いて、未知の画像データから信号諸元を予測する。
【0003】
システムの予測精度を向上させるには、多くの学習データが要求される。従来、学習データの生成は、オペレータによる解析など手間の掛かる作業である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2019-165320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の課題を解決するため、学習データを効果的に生成することができる情報処理装置、情報処理方法及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態によれば、情報処理装置は、メモリと、入力インターフェースと、モニタと、プロセッサと、を備える。メモリは、無線信号の特徴を示す画像データから前記無線信号の信号諸元を予測するモデルを格納する。入力インターフェースは、オペレータから操作を入力する。モニタは、画像を表示する。プロセッサは、前記画像データを取得し、前記モデルを用いて取得された前記画像データから前記信号諸元を予測し、前記信号諸元を前記モニタに表示し、前記入力インターフェースを通じて前記信号諸元を訂正する訂正情報を入力した場合、前記画像データと前記訂正情報による訂正後の前記信号諸元とを対応付けた学習データを生成する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は、実施形態に係る学習データ生成装置の構成例を示すブロック図である。
図2図2は、実施形態に係る予測結果テーブルの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る表示画面の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る訂正検出結果テーブルの構成例を示す図である。
図5図5は、実施形態に係る確定判定結果テーブルの構成例を示す図である。
図6図6は、実施形態に係る学習データテーブルの構成例を示す図である。
図7図7は、実施形態に係る学習データ生成装置の動作例を示すフローチャートである。
図8図8は、実施形態に係る学習データ生成装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。
実施形態に係る学習データ生成装置(情報処理装置)は、無線で受信される信号(無線信号)の特徴を示す画像データから当該無線信号に関する諸元(信号諸元)を予測する人工知能の学習に用いられる学習データを生成する。たとえば、人工知能は、ニューラルネットワークである。
学習データは、画像データ(問題)と信号諸元(回答)とを対応付けたデータである。
【0009】
図1は、実施形態に係る学習データ生成装置10の構成例を示す。図1が示すように、学習データ生成装置10は、プロセッサ11、ROM12、RAM13、NVM14、操作部15、表示部16及び通信インターフェース17などを備える。
【0010】
プロセッサ11と、ROM12、RAM13、NVM14、操作部15、表示部16及び通信インターフェース17と、は、データバスなどを介して互いに接続する。
なお、学習データ生成装置10は、図1が示すような構成の他に必要に応じた構成を具備したり、学習データ生成装置10から特定の構成が除外されたりしてもよい。
【0011】
プロセッサ11は、学習データ生成装置10全体の動作を制御する機能を有する。プロセッサ11は、内部キャッシュ及び各種のインターフェースなどを備えてもよい。プロセッサ11は、内部メモリ、ROM12又はNVM14が予め記憶するプログラムを実行することにより種々の処理を実現する。
【0012】
なお、プロセッサ11がプログラムを実行することにより実現する各種の機能のうちの一部は、ハードウエア回路により実現されるものであってもよい。この場合、プロセッサ11は、ハードウエア回路により実行される機能を制御する。
【0013】
ROM12は、制御プログラム及び制御データなどが予め記憶された不揮発性のメモリである。ROM12に記憶される制御プログラム及び制御データは、学習データ生成装置10の仕様に応じて予め組み込まれる。
【0014】
RAM13は、揮発性のメモリである。RAM13は、プロセッサ11の処理中のデータなどを一時的に格納する。RAM13は、プロセッサ11からの命令に基づき種々のアプリケーションプログラムを格納する。また、RAM13は、アプリケーションプログラムの実行に必要なデータ及びアプリケーションプログラムの実行結果などを格納してもよい。
【0015】
NVM14は、データの書き込み及び書き換えが可能な不揮発性のメモリである。たとえば、NVM14は、たとえば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)又はフラッシュメモリなどから構成される。NVM14は、学習データ生成装置10の運用用途に応じて制御プログラム、アプリケーション及び種々のデータなどを格納する。
【0016】
NVM14は、画像データ、予測結果テーブル、訂正検出結果テーブル、確定判定結果テーブル及び学習データテーブルを格納する。画像データ、予測結果テーブル、訂正検出結果テーブル、確定判定結果テーブル及び学習データテーブルについては、後に詳述する。また、NVM14は、画像データから信号諸元を予測するニューラルネットワーク(人工知能のモデル)を予め格納する。
【0017】
操作部15(入力インターフェース)は、オペレータから種々の操作の入力を受け付ける。操作部15は、入力された操作を示す信号をプロセッサ11へ送信する。たとえば、操作部15は、マウス、キーボード又はタッチパネルなどから構成される。
【0018】
表示部16は、プロセッサ11からの画面を表示する。たとえば、表示部16は、液晶モニタから構成される。なお、操作部15がタッチパネルから構成される場合、表示部16は、操作部15としてのタッチパネルと一体的に形成されるものであってもよい。
【0019】
通信インターフェース17は、外部装置とデータを送受信するためのインターフェースである。たとえば、通信インターフェース17は、ネットワークなどを介して外部装置に接続する。たとえば、通信インターフェース17は、有線又は無線のLAN(Local Area Network)接続をサポートする。
【0020】
次に、学習データ生成装置10が実現する機能について説明する。学習データ生成装置10が実現する機能は、プロセッサ11が内部メモリ、ROM12又はNVM14などに格納されるプログラムを実行することで実現される。
【0021】
まず、プロセッサ11は、NVM14が格納するニューラルネットワークを用いて画像データから信号諸元を予測する機能を有する。
たとえば、プロセッサ11は、画像データをNVM14から取得する。ここでは、プロセッサ11は、同一の無線信号の特徴を示す複数の画像データ(ここでは、3つの画像データ)を取得する。
【0022】
以下、画像データについて説明する。
ここでは、無線信号は、時間の関数f(t)として与えられるものとする。
たとえば、プロセッサ11は、関数f(t)を予め設定された複数の非線形関数にそれぞれ入力して、複数のデジタル信号を取得する。
【0023】
複数のデジタル信号を取得すると、プロセッサ11は、所定のアルゴリズムに従って各デジタル信号を画像データに変換する。即ち、プロセッサ11は、複数のデジタル信号にそれぞれ対応する複数の画像データを生成する。
【0024】
画像データは、上記の通り生成されるデータである。なお、画像データの構成は、特定の構成に限定されるものではない。
また、画像データは、プロセッサ11によって生成されてもよいし、外部装置によって生成されたものであってもよい。
【0025】
同一の無線信号の特徴を示す画像データを取得すると、プロセッサ11は、NVM14が格納するニューラルネットワークに画像データを入力する。画像データをニューラルネットワークに入力することで、プロセッサ11は、画像データに対応する信号諸元を予測する。
【0026】
信号諸元を予測すると、プロセッサ11は、予測された信号諸元を予測結果テーブルに格納する。
【0027】
図2は、予測結果テーブルの構成例を示す。図2が示すように、予測結果テーブルは、「ID」と「信号諸元の予測結果」とを対応付けて格納する。
【0028】
「ID」は、予測された信号諸元を特定する識別子である。ここでは、「ID」は、アルファベットと数値との組合せから構成される。
【0029】
「信号諸元の予測結果」は、プロセッサ11によって画像データから予測された信号諸元を示す。ここでは、信号諸元は、変調方式、通信速度、キャリア数及びビットパタンから構成される。なお、信号諸元の構成については、特定の構成に限定されるものではない。
【0030】
また、プロセッサ11は、予測された信号諸元を表示する機能を有する。
予測された信号諸元を予測結果テーブルに格納すると、プロセッサ11は、予測された信号諸元を表示部16に表示する。
【0031】
図3は、予測された信号諸元を表示する表示画面100の例を示す。プロセッサ11は、表示画面100を生成し表示部16に表示する。
【0032】
表示画面100は、表示領域101乃至104及びアイコン105などを備える。
表示領域101は、画像データを表示する。ここでは、表示領域101は、画像データ1乃至3を表示する。
【0033】
表示領域102は、表示領域101に表示される画像データ1乃至3から予測された信号諸元を表示する。ここでは、表示領域102は、信号諸元として、変調方式、通信速度、キャリア数及びビットパタンを表示する。
【0034】
表示領域102は、表示欄102a乃至102dを備える。表示欄102aは、変調方式を表示する。表示欄102bは、通信速度を表示する。表示欄102cは、キャリア数を表示する。表示欄102dは、ビットパタンを表示する。
【0035】
表示領域103は、予測された信号諸元を識別する識別子を表示する。表示領域103が表示する識別子は、予測結果テーブルの「ID」と同様である。
【0036】
表示領域104は、予測された信号諸元に関するコメントを表示する。また、表示領域104は、コメントを入力する入力フォームとして機能するものであってもよい。
アイコン105は、信号諸元を確定する操作を入力するためのアイコンである。
【0037】
また、プロセッサ11は、操作部15を通じて、予測された信号諸元を訂正する情報(訂正情報)を入力する機能を有する。
プロセッサ11は、表示画面100を通じて訂正情報を入力する。ここでは、プロセッサ11は、操作部15を通じて、表示欄102a乃至102dにおいて訂正情報を入力する。即ち、表示欄102a乃至102dは、それぞれ変調方式、通信速度、キャリア数及びビットパタンの訂正を入力する入力フォームとして機能する。
【0038】
ここで、オペレータは、表示領域102が表示する信号諸元が画像データに対応する信号諸元として適切であるかを判断する。適切でないと判断すると、オペレータは、適切な信号諸元を表示領域102の各表示欄102a乃至102dに入力する。
オペレータは、訂正情報の入力が完了するとアイコン105を押下する。
【0039】
また、オペレータは、表示領域102が表示する信号諸元が画像データに対応する信号諸元として適切であると判断した場合、訂正情報を入力することなくアイコン105を押下する。
【0040】
プロセッサ11は、アイコン105の押下を検知すると、予測された信号諸元と表示欄102a乃至102dに記載されている信号諸元とが一致するかを判定する。両者が一致すれば、信号諸元は、訂正されていない。両者が一致しない場合、信号諸元は、訂正されている。
【0041】
プロセッサ11は、判定結果に基づいて、訂正検出結果テーブルを更新する。
【0042】
訂正検出結果テーブルは、予測された信号諸元が訂正されたかを示す。
図4は、訂正検出結果テーブルの構成例を示す。図4が示すように、訂正検出結果テーブルは、「ID」と「訂正検出結果」とを対応付けて格納する。
【0043】
「ID」は、前述の通りである。
【0044】
「訂正検出結果」は、対応する「ID」が示す信号諸元が訂正されたかを示す。ここでは、「訂正検出結果」は、信号諸元が訂正されていないことを示す「訂正なし」、又は、信号諸元が訂正されたことを示す「訂正あり」を格納する。
【0045】
即ち、プロセッサ11は、予測された信号諸元と表示欄102a乃至102dに記載されている信号諸元とが一致すると判定すると、「訂正なし」を訂正検出結果テーブルに格納する。また、プロセッサ11は、両者が一致しないと判定すると、「訂正あり」を訂正検出結果テーブルに格納する。
【0046】
訂正検出結果テーブルを更新すると、プロセッサ11は、確定判定結果テーブルを更新する。即ち、信号諸元が訂正された場合、プロセッサ11は、訂正後の信号諸元を確定判定結果テーブルに格納する。また、信号諸元が訂正されていない場合、プロセッサ11は、ニューラルネットワークによって予測された信号諸元を確定判定結果テーブルに格納する。
【0047】
確定判定結果テーブルは、確定された信号諸元を示す。即ち、確定判定結果テーブルは、訂正がない場合における予測された信号諸元、又は、訂正がある場合における訂正後の信号諸元を示す。
【0048】
図5は、確定判定結果テーブルの構成例を示す。図5が示すように、確定判定結果テーブルは、「ID」と「確定判定結果」とを対応付けて格納する。
【0049】
「ID」は、前述の通りである。
【0050】
「確定判定結果」は、確定された信号諸元を示す。即ち、「確定判定結果」は、訂正がない場合における予測された信号諸元、又は、訂正がある場合における訂正後の信号諸元を示す。
【0051】
また、プロセッサ11は、オペレータが訂正情報を入力するために掛かった時間(入力時間)を測定する機能を有する。
【0052】
たとえば、プロセッサ11は、予測された信号諸元を示す表示画面100を表示部16に表示すると、現在の時刻を取得しRAM13又はNVM14に格納する。
【0053】
時刻を格納すると、プロセッサ11は、アイコン105が押下されるまで待機する。アイコン105が押下されると、プロセッサ11は、予測された信号諸元と表示欄102a乃至102dに記載されている信号諸元とが一致するかを判定する。
【0054】
両者が一致しないと判定すると(即ち、信号諸元が訂正された場合)、プロセッサ11は、格納された時刻とアイコン105が押下された時刻との差を算出する。差を算出すると、プロセッサ11は、入力時間として、算出された差を取得する。
【0055】
両者が一致すると判定した場合(即ち、信号諸元が訂正されていない場合)、プロセッサ11は、入力時間を測定しなくともよい。
【0056】
また、プロセッサ11は、画像データと信号諸元とを含む学習データを生成する機能を有する。
【0057】
入力時間を測定すると、プロセッサ11は、確定判定結果テーブルから信号諸元を取得する。即ち、プロセッサ11は、ニューラルネットワークによって予測された信号諸元又は訂正後の信号諸元を取得する。
【0058】
信号諸元を取得すると、プロセッサ11は、画像データと信号諸元と入力時間とを対応付けた学習データを生成する。学習データを生成すると、プロセッサ11は、学習データを学習データテーブルに格納する。
【0059】
学習データテーブルは、学習データから構成される。
図6は、学習データテーブルの構成例を示す。学習データテーブルは、「ID」、「画像データ」、「確定判定結果」及び「入力時間」を対応づけて格納する。
【0060】
「ID」は、前述の通りである。ここでは、「ID」は、学習データを識別する識別子として機能する。
【0061】
「画像データ」は、画像データのファイル名を示す。ここでは、「画像データ」は、3つのファイル名を示す。
【0062】
「確定判定結果」は、対応する「画像データ」の信号諸元を示す。即ち、「確定判定結果」は、ニューラルネットワークによって予測された信号諸元又は訂正後の信号諸元を示す。
【0063】
「入力時間」は、対応する「確定判定結果」においてオペレータが訂正情報を入力するために掛かった時間を示す。「入力時間」は、対応する「確定判定結果」が訂正されてない場合、空欄である。
【0064】
次に、学習データ生成装置10の動作例について説明する。
まず、プロセッサ11が予測された信号諸元を表示する表示画面100を表示する動作例について説明する。
【0065】
図7は、プロセッサ11が予測された信号諸元を表示する表示画面100を表示する動作例について説明するためのフローチャートである。
【0066】
まず、プロセッサ11は、所定の無線信号に対応する画像データをNVM14から取得する(S11)。画像データを取得すると、プロセッサ11は、取得された画像データをニューラルネットワークに入力して信号諸元を予測する(S12)。
【0067】
信号諸元を予測すると、プロセッサ11は、予測された信号諸元を予測結果テーブルに格納する(S13)。予測された信号諸元を予測結果テーブルに格納すると、プロセッサ11は、予測された信号諸元を表示する表示画面100を表示部16に表示する(S14)。
【0068】
表示画面100を表示すると、プロセッサ11は、現在の時刻をRAM13又はNVM14に格納する(S15)。
現在の時刻を格納すると、プロセッサ11は、動作を終了する。
【0069】
次に、プロセッサ11が学習データを生成する動作例について説明する。
図8は、プロセッサ11が学習データを生成する動作例について説明するためのフローチャートである。
【0070】
ここでは、プロセッサ11は、予測された信号諸元を表示する表示画面100を表示部16に表示しているものとする。
【0071】
まず、プロセッサ11は、操作部15を通じて、表示欄102a乃至102dにおいて訂正情報の入力を受け付ける(S21)。ここで、オペレータは、信号諸元が適切でなれば、訂正情報を入力する。また、オペレータは、信号諸元が適切であれば、訂正情報を入力しない。
【0072】
訂正情報の入力を受け付けると、プロセッサ11は、アイコン105が押下されたかを判定する(S22)。アイコン105が押下されていないと判定すると(S22、NO)、プロセッサ11は、S21に戻る。
【0073】
アイコン105が押下されたと判定すると(S22、YES)、プロセッサ11は、予測された信号諸元と表示欄102a乃至102dに記載されている信号諸元とが一致するかを判定する(S23)。
【0074】
両者が一致しないと判定すると(S23、NO)、プロセッサ11は、入力時間を算出する(S24)。入力時間を算出すると、プロセッサ11は、訂正検出結果テーブルに「訂正あり」を格納する(S25)。
【0075】
訂正検出結果テーブルに「訂正あり」を格納すると、プロセッサ11は、確定判定結果テーブルに訂正情報による訂正後の信号諸元を格納する(S26)。
【0076】
両者が一致すると判定すると(S23、YES)、プロセッサ11は、訂正検出結果テーブルに「訂正なし」を格納する(S27)。
【0077】
訂正検出結果テーブルに「訂正なし」を格納すると、プロセッサ11は、確定判定結果テーブルに予測された信号諸元を格納する(S28)。
【0078】
確定判定結果テーブルに訂正情報による訂正後の信号諸元を格納した場合(S26)、又は、確定判定結果テーブルに予測された信号諸元を格納した場合(S28)、プロセッサ11は、画像データと確定判定結果と対応付けた学習データを学習データテーブルに格納する(S29)。なお、プロセッサ11は、S23でNOである場合、さらに入力時間を学習データに対応付ける。
学習データを学習データテーブルに格納すると、プロセッサ11は、動作を終了する。
【0079】
たとえば、プロセッサ11は、S11乃至S15及びS21乃至29を所定の間隔(たとえば、10分程度)で繰り返すものであってもよい。
【0080】
また、プロセッサ11は、S11において画像データを外部装置から取得するものであってもよい。
【0081】
また、プロセッサ11は、生成された学習データに基づいてニューラルネットワークを学習するものであってもよい。また、プロセッサ11は、生成された学習データを外部装置に送信するものであってもよい。
【0082】
以上のように構成された学習データ生成装置は、ニューラルネットワークを用いて画像データから信号諸元を予測する。学習データ生成装置は、オペレータからの入力に従って信号諸元を訂正する。学習データ生成装置は、画像データと修正後の信号諸元とから構成される学習データを生成する。その結果、学習データ生成装置は、オペレータが逐次信号諸元を入力する場合よりも効果的に学習データを生成することができる。
【0083】
また、学習データ生成装置は、オペレータが訂正に掛かった入力時間を学習データに追加する。入力時間は、長いほどオペレータの判断が困難であったことを示す。即ち、入力時間は、訂正後の信号諸元の信頼度を示す指標である。従って、学習データ生成装置は、訂正後の信号諸元の信頼度を示す指標を学習データに追加することができる。
【0084】
本実施形態に係るプログラムは、電子機器に記憶された状態で譲渡されてよいし、電子機器に記憶されていない状態で譲渡されてもよい。後者の場合は、プログラムは、ネットワークを介して譲渡されてよいし、記憶媒体に記憶された状態で譲渡されてもよい。記憶媒体は、非一時的な有形の媒体である。記憶媒体は、コンピュータ可読媒体である。記憶媒体は、CD-ROM、メモリカード等のプログラムを記憶可能かつコンピュータで読取可能な媒体であればよく、その形態は問わない。
【0085】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0086】
1…画像データ、2…画像データ、3…画像データ、10…学習データ生成装置、11…プロセッサ、12…ROM、13…RAM、14…NVM、15…操作部、16…表示部、17…通信インターフェース、100…表示画面、101…表示領域、102…表示領域、102a…表示欄、102b…表示欄、102c…表示欄、102d…表示欄、103…表示領域、104…表示領域、105…アイコン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8