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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128579
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】車載用カメラ
(51)【国際特許分類】
   H04N 23/57 20230101AFI20240913BHJP
   H04N 23/50 20230101ALI20240913BHJP
   H04N 23/55 20230101ALI20240913BHJP
   G02B 7/02 20210101ALI20240913BHJP
   G03B 15/00 20210101ALI20240913BHJP
   G03B 30/00 20210101ALI20240913BHJP
【FI】
H04N23/57
H04N23/50
H04N23/55
G02B7/02 A
G02B7/02 D
G03B15/00 V
G03B15/00 W
G02B7/02 E
G03B30/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037612
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138771
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 将明
(72)【発明者】
【氏名】中村 健
(72)【発明者】
【氏名】阿部 航洋
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 良顕
【テーマコード(参考)】
2H044
5C122
【Fターム(参考)】
2H044AA10
2H044AA19
2H044AD03
2H044AE01
5C122FB02
5C122FB06
(57)【要約】
【課題】レンズに付着した液状の異物を分散させ、排除することにより、異物が撮像を妨げることを防止し、車載用カメラの撮像機能を確保する。
【解決手段】車載用カメラ100は、レンズ鏡筒30の外周に配置された筒部71と、少なくとも一部が第1レンズ11の第1面14の周囲と重なりかつ第1縁部31と重なる第2縁部72と、を備えるキャップ70を備える。第2縁部72の複数の突起74は、筒部71から光軸Lに向かう向きであり、第1面14に沿って突出している。第1突起74Aと第2突起74Bとは隣り合って配置される。第1突起74Aの一部が第1縁部41と重なり、第2突起74Bの一部が第1縁部41と重なり、第1頂部75Aと第2頂部75Bとは、第1縁部31より光軸Lに近く、第1頂部75Aと第2頂部75Bとの間で第1レンズ11の第1面14が露出する。
【選択図】図5A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸を備える第1レンズと、前記光軸に沿って配置された第2レンズとを少なくとも備え、
前記光軸に沿って配置され、前記光軸が内部を通る第1筒形状であり、前記第1レンズが前記第1筒形状の一端部に配置され、前記第2レンズが前記第1筒形状の内部に配置されたレンズ鏡筒と、
前記光軸上に配置され、前記第1レンズと前記第2レンズの順番で通過した光を受ける撮像素子と、
前記撮像素子が実装された回路基板と、
少なくとも前記回路基板を収容し、前記レンズ鏡筒が固定される筐体と、備える車載用カメラであって、
前記第1レンズは、前記第2レンズと反対に位置し凸曲面である第1面と、前記第1面と反対の第2面を有し、
前記第1筒形状の前記一端部で、前記第1レンズの前記第1面の周囲の少なくとも一部と重なる第1縁部を、前記レンズ鏡筒が備え、
前記レンズ鏡筒の前記第1筒形状の外周に配置された第2筒形状の筒部と、
前記筒部と繋がり、前記筒部の一端部に配置され、少なくとも一部が前記第1レンズの前記第1面の周囲と重なるとともに、前記第1縁部と重なる第2縁部と、を備えるキャップを更に備え、
前記キャップの前記第2縁部は、複数の突起を備え、
前記複数の突起のそれぞれは、前記キャップの前記筒部から前記光軸に向かう向きであり、前記第1レンズの前記第1面に沿って突出しており、
前記複数の突起の内の第1突起と、前記複数の突起の内の第2突起とは隣り合って配置され、
前記第1突起の一部が前記第1縁部と重なり、
前記第2突起の一部が前記第1縁部と重なり、
前記第1突起の第1頂部と、前記第2突起の第2頂部とは、前記第1縁部より光軸に近く、
前記第1突起の前記第1頂部と、前記第2突起の前記第2頂部との間で、前記第1レンズの前記第1面が露出する、
車載用カメラ。
【請求項2】
請求項1に記載の車載用カメラであって、
前記第1突起と前記第2突起との間で、前記レンズ鏡筒の前記第1縁部の一部が露出する、
車載用カメラ。
【請求項3】
請求項2に記載の車載用カメラであって、
前記第1突起と前記第2突起との間で、前記レンズ鏡筒の前記第1筒形状の外側面と、前記キャップの前記筒部の前記第2筒形状の内側面との間の隙間空間が露出する、
車載用カメラ。
【請求項4】
請求項3に記載の車載用カメラであって、
前記キャップの前記筒部の前記第2筒形状の他端部及び/又は側面に、少なくとも一つの孔を備え、
前記隙間空間から、前記少なくとも1つの孔につながる通路が形成された、
車載用カメラ。
【請求項5】
請求項1に記載の車載用カメラであって、
前記複数の突起が、前記レンズ鏡筒の前記第1縁部の少なくとも半周に渡って配置された、
車載用カメラ。
【請求項6】
請求項1に記載の車載用カメラであって、
前記複数の突起が、前記レンズ鏡筒の前記第1縁部の全周に渡って配置された、
車載用カメラ。
【請求項7】
請求項1に記載の車載用カメラであって、
前記第1突起の前記第1頂部は、前記第2突起側に第1角部を備え、
前記第2突起の前記第2頂部は、前記第1突起側に第2角部を備えた、
車載用カメラ。
【請求項8】
請求項7に記載の車載用カメラであって、
前記第1突起の前記第1頂部の前記第1角部と、前記第2突起の前記第2頂部の前記第2角部との距離が、1.0mm以下である、
車載用カメラ。
【請求項9】
請求項1に記載の車載用カメラであって、
前記第1突起の第1の幅は、前記第1頂部から前記筒部に向かって広くなり、
前記第2突起の第2の幅は、前記第2頂部から前記筒部に向かって広くなる、
車載用カメラ。
【請求項10】
請求項1に記載の車載用カメラであって、
前記第1突起の少なくとも一部の厚さは、前記第1頂部から前記筒部に向かって増加し、
前記第2突起の少なくとも一部の厚さは、前記第2頂部から前記筒部に向かって増加する、
車載用カメラ。
【請求項11】
請求項1に記載の車載用カメラであって、
前記第1突起の前記第1頂部と、前記第1レンズの前記第1面との間に隙間が存在し、
前記第2突起の前記第2頂部と、前記第1レンズの前記第1面との間に隙間が存在する、
車載用カメラ。
【請求項12】
請求項1に記載の車載用カメラであって、
前記レンズ鏡筒の前記第1縁部は、前記レンズ鏡筒の先端の折り曲げ加工により前記第1レンズを加締める加締め部である、
車載用カメラ。
【請求項13】
請求項1に記載の車載用カメラであって、
前記キャップは、前記筐体又は前記レンズ鏡筒に固定される、
車載用カメラ。
【請求項14】
請求項13に記載の車載用カメラであって、
前記キャップの係合突起が、前記筐体又は前記レンズ鏡筒に形成された係合部に係合する、
車載用カメラ。
【請求項15】
請求項1に記載の車載用カメラであって、
少なくとも前記第1レンズが魚眼レンズである、
車載用カメラ。
【請求項16】
請求項15に記載の車載用カメラであって、
前記魚眼レンズの視野角が、水平方向において160度以上かつ200度以下である、
車載用カメラ。
【請求項17】
請求項1に記載の車載用カメラであって、
前記第1レンズの前記第1面における前記光軸を含む第1領域に対応する第1映像と、
前記第1レンズの前記第1面における、少なくとも一部が前記第1領域よりも前記第1縁部に近い第2領域に対応する第2映像を出力可能な、
車載用カメラ。
【請求項18】
請求項17に記載の車載用カメラであって、
前記第1映像と前記第2映像を一つの映像信号として出力可能な、
車載用カメラ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車載用カメラに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、車両の安全性向上、自動運転機能の導入などの要請に伴い、車両に搭載され、車両の内外を撮影する車載用カメラの開発が活発になっている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-170077号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
車両に求められる安全性、自動運転機能などに関する要求レベルは向上する一方であり、車載用カメラについてもさらなる性能向上などが求められている。
【0005】
本開示は、新たな車載用カメラを提供する技術に関する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の車載用カメラは、光軸を備える第1レンズと、前記光軸に沿って配置された第2レンズとを少なくとも備え、前記光軸に沿って配置され、前記光軸が内部を通る第1筒形状であり、前記第1レンズが前記第1筒形状の一端部に配置され、前記第2レンズが前記第1筒形状の内部に配置されたレンズ鏡筒と、前記光軸上に配置され、前記第1レンズと前記第2レンズの順番で通過した光を受ける撮像素子と、前記撮像素子が実装された回路基板と、少なくとも前記回路基板を収容し、前記レンズ鏡筒が固定される筐体と、備える車載用カメラであって、前記第1レンズは、前記第2レンズと反対に位置し凸曲面である第1面と、前記第1面と反対の第2面を有し、前記第1筒形状の前記一端部で、前記第1レンズの前記第1面の周囲の少なくとも一部と重なる第1縁部を、前記レンズ鏡筒が備え、前記レンズ鏡筒の前記第1筒形状の外周に配置された第2筒形状の筒部と、前記筒部と繋がり、前記筒部の一端部に配置され、少なくとも一部が前記第1レンズの前記第1面の周囲と重なるとともに、前記第1縁部と重なる第2縁部と、を備えるキャップを更に備え、前記キャップの前記第2縁部は、複数の突起を備え、前記複数の突起のそれぞれは、前記キャップの前記筒部から前記光軸に向かう向きであり、前記第1レンズの前記第1面に沿って突出しており、前記複数の突起の内の第1突起と、前記複数の突起の内の第2突起とは隣り合って配置され、前記第1突起の一部が前記第1縁部と重なり、前記第2突起の一部が前記第1縁部と重なり、前記第1突起の第1頂部と、前記第2突起の第2頂部とは、前記第1縁部より光軸に近く、前記第1突起の前記第1頂部と、前記第2突起の前記第2頂部との間で、前記第1レンズの前記第1面が露出する。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、車載用カメラにおいて、第1レンズの周囲に設けられた第1突起及び第2突起が、第1レンズに付着した雨滴等を含む液状の異物を分散させ、排除することができる。これにより、異物が撮像を妨げることを防止し、車載用カメラの撮像機能を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1A】実施の形態に係る車載用カメラの上面斜視図
図1B】実施の形態に係る車載用カメラの下面斜視図
図2】実施の形態に係る車載用カメラの分解斜視図
図3】実施の形態に係る車載用カメラの上面図
図4図3のA-A線に沿った断面図
図5A】実施の形態に係る車載用カメラにおいて、液状の異物を分散し、排除する状態を示す斜視図
図5B】実施の形態に係る車載用カメラにおいて、異物を分散し、排除する状態を示す断面図
図6図3のB-B線に沿った一部の断面図
図7】従来の車載用カメラにおいて、異物が溜まる状態を示す斜視図
図8】実施の形態に係る車載用カメラにより撮像された映像を示す図
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を適宜参照しつつ、本開示に係る車載用カメラを具体的に開示した実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明及び実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になることを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるものであり、これらにより特許請求の記載の主題を限定することは意図されていない。
【0010】
図1Aは、実施の形態に係る車載用カメラ100の上面斜視図である。図1Bは、実施の形態に係る車載用カメラ100の下面斜視図である。図2は、実施の形態に係る車載用カメラ100の分解斜視図である。図3は、実施の形態に係る車載用カメラ100の上面図である。図4は、図3のA-A線に沿った断面図である。図5Aは、実施の形態に係る車載用カメラ100において、液状の異物を分散し、排除する状態を示す斜視図である。図5Bは、実施の形態に係る車載用カメラ100において、異物を分散し、排除する状態を示す断面図である。特に図5Bは、図4の紙面左上側の点線矩形枠内を拡大して示している。図6は、図3のB-B線に沿った一部の断面図である。図7は、従来の車載用カメラにおいて、異物が溜まる状態を示す斜視図である。図8は、実施の形態に係る車載用カメラ100により撮像された映像を示す図である。
【0011】
車載用カメラ100は、車両の車体の前後端、左右側面などに設置され、車両の車体の内外を撮影(撮像)する撮影装置である。近年、車両の安全性向上、自動運転機能の導入などの要請に伴い、車載用カメラ100の開発が活発になっている。
【0012】
本実施の形態に係る車載用カメラ100は、レンズ(例えば第1レンズ11、第2レンズ12、第3レンズ13、第4レンズ、第5レンズ、第6レンズ16)と、レンズ鏡筒30と、回路基板40と、撮像素子44と、筐体60と、キャップ70と、を備えている。本実施の形態に係る車載用カメラ100は、図1A図1B或いは図2に示す様に、リング部材20を更に備えていてもよい。
【0013】
レンズ鏡筒30は、第1筒形状を有する。レンズ鏡筒30は、単一の鏡筒ピースにより構成される。レンズ鏡筒30を構成する鏡筒ピースは、少なくとも6つのレンズである第1レンズ11と第2レンズ12と第3レンズ13と第4レンズと第5レンズと第6レンズ16とを収容する。第1レンズ11は光軸L(図3及び図4参照)を備えており、第2レンズ12、第3レンズ13、第4レンズ、第5レンズ、第6レンズ16のそれぞれはこの光軸Lに沿って配置される。つまり、第1レンズ11、第2レンズ12、第3レンズ13、第4レンズ、第5レンズ、第6レンズ16は、この順に光路上流側から撮像素子44側に向けて並べられ、かつ互いに光軸あわせがされた状態で鏡筒ピース30aに保持され、車両の車体の内外の撮像に用いられるレンズ群を構成している。
【0014】
例えば、入射角αで光A1がレンズ群(上述参照)の位置b1に入射した場合、撮像素子44上の点a11で示す位置に結像される。また、光A1とは光軸Lを挟んで反対側の位置b2から入射角αで光A2がレンズ群(上述参照)に入射した場合、撮像素子44上の点a12で示す位置に結像される。点LOは、レンズ群(上述参照)への入射光が光軸Lと交わる点である。撮像素子44のレンズ群(上述参照)の光軸Lは、点O1で交わっている。点O1は、撮像素子44上の画像中心に対応する位置を示す。画像中心とは、撮像素子44によって生成された画像信号に基づいて、画像が出力された場合に、当該画像の中心となる位置である。
【0015】
レンズ鏡筒30は光軸Lに沿って配置され、光軸Lがレンズ鏡筒30の内部を通過している。第1レンズ11がレンズ鏡筒30の形状である第1筒形状の一端部に配置され、第2レンズ12が第1筒形状の内部に配置されている。
【0016】
レンズ鏡筒30は、例えばポリアミド系樹脂、オレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、或いはポリエーテルイミド系樹脂などにより構成される。なお、用いる樹脂は、1種類であっても複数種類であってもよい。また、主となる樹脂に、レーザ光を吸収する吸収剤或いは着色材料又はその両方を含有させてもよい。
【0017】
回路基板40は、筐体60の内部空間において光軸L上に配置される。回路基板40には、撮像素子44が実装されている。撮像素子44は、回路基板40上で光軸L上に配置され、第1レンズ11と第2レンズ12の順番で通過した光を受け、撮像する。
【0018】
リング部材20は、平面視で矩形環状の平板により構成され、レンズ鏡筒30及び筐体60に対して固着されている。リング部材20は、レンズ鏡筒30の全周(つまりレンズ10の光軸Lを中心にした全周)において、光軸Lより離れる方向に突出するように配置されている。
【0019】
リング部材20は、例えばポリエステル樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、或いはフッ素樹脂などから形成される。ポリエステル樹脂としては、ポリプチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)などを用いることができる。ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどを用いることができる。なお、用いる樹脂は、1種類であっても複数種類であってもよい。また、後述するレーザ溶着を用いる場合、一定水準以上の透過性能を実現可能であれば、主となる光透過性樹脂に、着色材料或いは充填材又はその両方を含有させてもよい。
【0020】
なお、リング部材20は本実施の形態において平板矩形環状であるが、これに限らず、溶着部分が平板状であればよい。したがって、矩形環状のような多角形に限らず、円環状、楕円の環状などのように円環状以外の環状であってもよい。また、溶着部以外の部分については段差、厚みなどが一様でなくてもよい。
【0021】
筐体60は、内部空間を有する少なくとも一部が筒形状の部材であり、大径筒状部61と小径筒状部62とを有する。大径筒状部61は、光軸Lに直交する面での断面を想定した場合に小径筒状部62に比べて大きな断面積を有し、小径筒状部62とともに矩形の断面を有する。大径筒状部61は、その内部に回路基板40を少なくとも収容する。小径筒状部62は、もっぱら車載用カメラ100の外部(例えば車載用カメラ100が取り付けられる車両の車体内に配置されるECU(Electric Control Unit)等の制御回路部品)との電気的接続を確保するコネクタ(後述参照)を収容する。大径筒状部61と小径筒状部62とは、一体成形することが可能であるが、あらかじめ用意された個別の大径筒状部61と小径筒状部62とを溶着若しくはビス止めなどの方法により接合してもよい。なお、筐体60は本実施の形態において矩形筒状であるが、これに限らず、矩形以外の多角形の筒状、円形や楕円形の筒状、その他の形状の筒であってもよい。
【0022】
筐体60は、例えばポリアミド系樹脂、オレフィン系樹脂、ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリサルフォン系樹脂、ポリフェニレンオキサイド系樹脂、ポリエーテルサルフォン系樹脂、ポリエーテルイミド系樹脂などから形成される。なお、用いる樹脂は、1種類であっても複数種類であってもよい。また、後述するレーザ溶着を用いる場合、主となる光吸収性樹脂に、レーザ光を吸収する吸収剤或いは着色材料又はその両方を含有させてもよい。
【0023】
図4に示す様に、リング部材20は、レンズ鏡筒30及び筐体60の一端面に対し固着されている。この固着は、例えばレーザ溶着による溶着により実現可能である。具体的に、本実施の形態においては、筐体60の筒形状の一端面とリング部材20とが、リング部材20を透過したレーザ光線によるレーザ溶着を経て固着される。レーザ溶着を用いて固着することにより、リング部材20と筐体60との固着を容易にかつ確実に行うことができる。これにより、レンズ鏡筒30は、リング部材20を介して筐体60に固定される。
【0024】
なお、筐体60は、回路基板40を外部の電磁波から遮蔽するための金属製のシールドを収容してもよい。
【0025】
次に、キャップ70について説明する。キャップ70の説明の前に、改めて第1レンズ11及びレンズ鏡筒30について説明する。第1レンズ11は、第2レンズ12と反対に位置し、凸曲面である第1面14(図4参照)と、第1面14と反対の第2面15(図4参照)とを有している。レンズ鏡筒30は、その第1筒形状の一端部で、第1レンズ11の第1面14の周囲の少なくとも一部と車載用カメラ100の上面視において重なる第1縁部31を備えている。後述するように、第1縁部31は、レンズ鏡筒30の先端の折り曲げ加工により第1レンズ11を加締める加締め部の形状を呈し、光軸Lに向かう向きに曲げられている。このように、第1縁部31により第1レンズ11が加締められる構造を有するため、第1レンズ11と第1縁部31との間で段差が生じるため、雨滴等の異物Rがその段差部分に生じやすい可能性がある。
【0026】
キャップ70は、レンズ鏡筒30に被せられるキャップ形状の部材であり、例えば樹脂材料を成形することにより形成されるが、金属製の材料により形成してもよく、特に素材は限定されない。
【0027】
キャップ70は、筒部71と第2縁部72とを含む。筒部71は光軸Lに平行に延出しして設けられ、レンズ鏡筒30の第1筒形状の外周に配置された第2筒形状を有する。第2縁部72は、筒部71と一体的に連結されて繋がり、筒部71の一端部に配置され、少なくとも一部が第1レンズ11の第1面14の周囲と車載用カメラ100の上面視において重なるとともに、レンズ鏡筒30の第1縁部31と車載用カメラ100の上面視において重なる。
【0028】
キャップ70は、筒部71の他端部に配置され、外側方向に延びる鍔部78(図2参照)も備えている。鍔部78は係合突起77(図2参照)と排水孔H(図2参照)とを有する。係合突起77、排水孔Hの役割は後述する。
【0029】
キャップ70の第2縁部72は、複数の突起74(図2参照)を備えている。複数の突起74のそれぞれは、キャップ70の筒部71から光軸Lに向かう向きに、かつ、第1レンズ11の第1面14に沿って突出している。複数の突起74の数は特に限定されない。
【0030】
図5Aに示す様に、複数の突起74の内の第1突起74Aと、複数の突起74の内の第2突起74Bに注目する。第1突起74A及び第2突起74Bは、互いに隣り合って配置されている。第1突起74Aの一部は、レンズ鏡筒30の第1縁部31と重なり、第2突起74Bの一部も第1縁部31と車載用カメラ100の上面視において重なる。なお、ここでの「重なる」の意味は、第1突起74A及び第2突起74Bの少なくとも一部が、第1縁部31に対して、接する場合と接しない場合の双方を含む。
【0031】
第1突起74Aは光軸L側の先端に第1頂部75Aを有し、第2突起74Bも光軸L側の先端に第2頂部75Bを有する。第1頂部75A及び第2頂部75Bは、レンズ鏡筒30の第1縁部31より光軸Lに近い位置に位置している。
【0032】
更に、第1突起74Aの第1頂部75Aと、第2突起74Bの第2頂部75Bとの間で、第1レンズ11の第1面14が露出する。すなわち、第1頂部75A及び第2頂部75Bは、第1レンズ11の第1面14上において、互いに離れて位置する。
【0033】
なお、第1突起74A及び第2突起74B以外の互いに隣り合った他の突起も、第1突起74A及び第2突起74Bと同等な構造を有してよい。
【0034】
車載用カメラ100の車両搭載時に、第1レンズ11は外部に露出し、外部環境にさらされている。よって、雨天における雨滴、泥水の跳ね返り等を含む液状の異物Rが、車両走行時に第1レンズ11に付着する可能性がある。このような異物Rは、当然ながら車載用カメラ100の撮像機能を劣化させる可能性が高い。
【0035】
このような異物Rは、車両走行時の車体を横切る風の影響により第1レンズ11の周囲(言い換えると、光軸Lから遠い端部側)に移動する傾向がある。特に、第1縁部31により第1レンズ11が加締められる構造を有するため、第1レンズ11と第1縁部31との間で段差が生じるため、雨滴等の異物Rがその段差部分に生じやすい可能性がある。そこで本実施の形態においては、図5A及び図5Bに示す様に、異物Rが第1レンズ11の周囲に移動した際、第1レンズ11の周囲に設けられた第1突起74A及び第2突起74Bが、異物Rのサイズを小さくするように分散させる。すなわち、異物Rは、第1突起74A及び第2突起74Bの第1頂部75A及び第2頂部75Bに衝突するため、より小さなサイズに分散される。よって、異物Rを容易に排除することができる。これにより、異物Rが撮像を妨げることを防止し、車載用カメラ100の撮像機能を確保することができる。
【0036】
また、レンズ鏡筒30の第1縁部31の一部が、第1突起74A及び第2突起74Bとの間で露出する。これにより、第1突起74A及び第2突起74Bが第1縁部31の一部における異物Rを排除するため、車載用カメラ100の撮像機能をより確実に確保することができる。
【0037】
更に、図5Aに示す様に、第1突起74A及び第2突起74Bの間で、レンズ鏡筒30の第1筒形状の外側面と、キャップ70の筒部71の第2筒形状の内側面との間の隙間空間Sが露出する。隙間空間Sは、レンズ鏡筒30の第1縁部31の周囲において露出している。これにより、隙間空間Sに対し異物Rを円滑に車載用カメラ100の外部に排出することができる。
【0038】
図2及び図6に示す様に、キャップ70は、キャップ70の筒部71の第2筒形状の他端部及び/又は側面に、少なくとも一つの排水孔Hを備えている。本実施の形態においては、複数の排水孔Hが、筒部71の他端部における鍔部78の側面に設けられる。そして、図5B及び図6に示す様に、上述した隙間空間Sから、少なくとも1つの排水孔Hにつながる通路Pが形成される。これにより、隙間空間Sに排出した異物Rを、図6の矢印で示す様に、通路P及び排水孔Hを介して円滑に排除することができる。
【0039】
複数の突起74が、レンズ鏡筒30の第1縁部31の少なくとも半周に渡って配置されることが好ましい。これにより、第1レンズ11に付着した液状の異物Rを効率的に排除することができる。実施の形態においては、複数の突起74は第1縁部31の全周に渡って配置されている。これにより、第1レンズ11に付着した液状の異物Rをより効率的に排除させることができる。
【0040】
突起74について更に詳細を説明する。図5Aに示す様に、第1突起74Aの第1頂部75Aは、第2突起74B側に第1角部76Aを備えており、第2突起74Bの第2頂部75Bも、第1突起74A側に第2角部76Bを備えている。第1角部76A及び第2角部76Bは、第1頂部75A及び第2頂部75Bそれぞれの一端に位置している。
【0041】
第1角部76A及び第2角部76Bは、例えば90度に近い角度をもって交わる二つの辺によって形成された頂点を有する。これにより、第1角部76A及び第2角部76Bが液状の異物Rに接触すると異物Rを容易に破壊できるため、異物Rを効率的に分散させることができる。
【0042】
第1突起74Aの第1頂部75Aの第1角部76Aと、第2突起74Bの第2頂部75Bの第2角部76Bとの距離Dは、例えば1.0mm以下に設定される。これにより、発生確率の高い大きさの異物Rを効率的に分散させることができる。
【0043】
第1突起74Aの第1の幅W1は、第1頂部75Aから筒部71に向かって広くなり、第2突起74Bの第2の幅W2は、第2頂部75Bから筒部71に向かって広くなっている。これにより、第1突起74A及び第2突起74Bが、筒部71の第2縁部72に強固に固定される。
【0044】
図5Bに示す様に、第1突起74Aの少なくとも一部の厚さは、第1頂部75Aから筒部71に向かって増加し、第2突起74Bの少なくとも一部の厚さは、第2頂部75Bから筒部71に向かって増加する。これにより、第1突起74A及び第2突起74Bが、筒部71の第2縁部72に強固に固定されるとともに、異物Rを効率的に分散させることができる。
【0045】
また、第1突起74Aの第1頂部75Aと、第1レンズ11の第1面14との間に隙間Gが存在し、第2突起74Bの第2頂部75Bと、第1レンズ11の第1面14との間に隙間Gが存在する。これにより、第1レンズ11の第1面14に傷をつけるのを防止することができる。
【0046】
図7に示す様に、従来の車載用カメラにおいては第1突起74A及び第2突起74Bが存在しておらず、異物Rがレンズ鏡筒30の第1縁部31に溜まってしまい、この異物Rがレンズに移動することによって車載用カメラの撮像機能が劣化する可能性がある。
【0047】
レンズ鏡筒30は、例えば樹脂により構成される。レンズ鏡筒30の第1縁部31は、レンズ鏡筒30の先端に熱が加えられ軟化し、レンズ鏡筒30の先端の折り曲げ加工により、第1レンズ11を加締める加締め部として機能する。これにより、レンズ鏡筒30が、第1レンズ11を簡易かつ強固に保持することができる。
【0048】
キャップ70は、筐体60又はレンズ鏡筒30に固定されることが望ましい。これにより、異物Rの排除機能を維持することができる。本実施の形態では、図4に示す様に、キャップ70の係合突起77が、筐体60又はレンズ鏡筒30に形成された係合部80に係合する。これにより、異物Rの排除機能を高い信頼性をもって維持することができる。
【0049】
レンズに関し、少なくとも第1レンズ11は、例えば魚眼レンズによって構成される。これにより、車載用カメラ100は広範囲に渡って撮像することができる。魚眼レンズの視野角が、水平方向において160度以上かつ200度以下であることが望ましい。これにより、車載用カメラ100は広範囲に渡って適切な画像を撮像することができる。
【0050】
図8に示す様に、魚眼レンズによって構成される第1レンズ11は、第1面14における光軸Lを含む第1領域に対応する第1映像と、第1レンズ11の第1面14における、少なくとも一部が第1領域よりも第1縁部に近い第2領域に対応する第2映像を含む映像を出力可能である。
【0051】
映像の周縁には、第1レンズ11を加締めるレンズ鏡筒30の第1縁部31により、映像が出力されない非出力領域が存在する。第2領域は非出力領域の近傍に存在するが、従来の車載用カメラでは、図7に示した異物Rの存在により、異物Rが第2領域の第2映像にも映り込んで、撮像機能が劣化するおそれがあった。一方、本実施の形態に係る車載用カメラ100は、異物Rを適切に排除可能であるため、第2領域の第2映像にも映り込むことを抑制することができる。これにより、広範囲に渡って適切な画像を撮像することができる。
【0052】
図8に示す様に、車載用カメラ100は第1映像と第2映像を一つの映像信号として出力可能である。これにより、視認しやすい画像を出力することができる。
【0053】
本開示には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、上記した実施の形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
【0054】
(1)本開示に係る車載用カメラ(車載用カメラ100)は、
光軸(光軸L)を備える第1レンズ(第1レンズ11)と、前記光軸に沿って配置された第2レンズ(第2レンズ12)とを少なくとも備え、
前記光軸に沿って配置され、前記光軸が内部を通る第1筒形状であり、前記第1レンズが前記第1筒形状の一端部に配置され、前記第2レンズが前記第1筒形状の内部に配置されたレンズ鏡筒(レンズ鏡筒30)と、
前記光軸上に配置され、前記第1レンズと前記第2レンズの順番で通過した光を受ける撮像素子(撮像素子44)と、
前記撮像素子が実装された回路基板(回路基板40)と、
少なくとも前記回路基板を収容し、前記レンズ鏡筒が固定される筐体(筐体60)と、備える車載用カメラであって、
前記第1レンズは、前記第2レンズと反対に位置し凸曲面である第1面(第1面14)と、前記第1面と反対の第2面(第2面15)を有し、
前記第1筒形状の前記一端部で、前記第1レンズの前記第1面の周囲の少なくとも一部と重なる第1縁部(第1縁部31)を、前記レンズ鏡筒が備え、
前記レンズ鏡筒の前記第1筒形状の外周に配置された第2筒形状の筒部(筒部71)と、
前記筒部と繋がり、前記筒部の一端部に配置され、少なくとも一部が前記第1レンズの前記第1面の周囲と重なるとともに、前記第1縁部と重なる第2縁部(第2縁部72)と、を備えるキャップ(キャップ70)を更に備え、
前記キャップの前記第2縁部は、複数の突起(突起74)を備え、
前記複数の突起のそれぞれは、前記キャップの前記筒部から前記光軸に向かう向きであり、前記第1レンズの前記第1面に沿って突出しており、
前記複数の突起の内の第1突起(第1突起74A)と、前記複数の突起の内の第2突起(第2突起74B)とは隣り合って配置され、
前記第1突起の一部が前記第1縁部と重なり、
前記第2突起の一部が前記第1縁部と重なり、
前記第1突起の第1頂部(第1頂部75A)と、前記第2突起の第2頂部(第2頂部75B)とは、前記第1縁部より光軸に近く、
前記第1突起の前記第1頂部と、前記第2突起の前記第2頂部との間で、前記第1レンズの前記第1面が露出する。
【0055】
これにより、車載用カメラにおいて、第1レンズの周囲に設けられた第1突起及び第2突起が、第1レンズに付着した雨滴等を含む液状の異物を分散させ、排除することができる。これにより、異物が撮像を妨げることを防止し、車載用カメラの撮像機能を確保することができる。
【0056】
(2)(1)に記載の車載用カメラであって、
前記第1突起と前記第2突起との間で、前記レンズ鏡筒の前記第1縁部の一部が露出する、
車載用カメラ。
【0057】
これにより、車載用カメラにおいて、第1突起及び第2突起がレンズ鏡筒の第1縁部の一部における異物も排除するため、車載用カメラの撮像機能をより確実に確保することができる。
【0058】
(3)(2)に記載の車載用カメラであって、
前記第1突起と前記第2突起との間で、前記レンズ鏡筒の前記第1筒形状の外側面と、前記キャップの前記筒部の前記第2筒形状の内側面との間の隙間空間(隙間空間S)が露出する、
車載用カメラ。
【0059】
これにより、車載用カメラにおいて、隙間空間に対し異物を円滑に排出することができる。
【0060】
(4)(3)に記載の車載用カメラであって、
前記キャップの前記筒部の前記第2筒形状の他端部及び/又は側面に、少なくとも一つの孔(排水孔H)を備え、
前記隙間空間から、前記少なくとも1つの孔につながる通路(通路P)が形成された、
車載用カメラ。
【0061】
これにより、車載用カメラにおいて、隙間空間に排出した異物を、通路及び排水孔を介して円滑に排除することができる。
【0062】
(5)(1)に記載の車載用カメラであって、
前記複数の突起が、前記レンズ鏡筒の前記第1縁部の少なくとも半周に渡って配置された、
車載用カメラ。
【0063】
これにより、車載用カメラにおいて、第1レンズに付着した液状の異物を効率的に排除することができる。
【0064】
(6)(1)に記載の車載用カメラであって、
前記複数の突起が、前記レンズ鏡筒の前記第1縁部の全周に渡って配置された、
車載用カメラ。
【0065】
これにより、車載用カメラにおいて、第1レンズに付着した液状の異物をより効率的に排除することができる。
【0066】
(7)(1)に記載の車載用カメラであって、
前記第1突起の前記第1頂部は、前記第2突起側に第1角部(第1角部76A)を備え、
前記第2突起の前記第2頂部は、前記第1突起側に第2角部(第2角部76B)を備えた、
車載用カメラ。
【0067】
これにより、車載用カメラにおいて、第1頂部の第1角部及び第2突起の第2角部が、液状の異物に接触し、異物を効率的に分散させることができる。
【0068】
(8)(7)に記載の車載用カメラであって、
前記第1突起の前記第1頂部の前記第1角部と、前記第2突起の前記第2頂部の前記第2角部との距離が、1.0mm以下である、
車載用カメラ。
【0069】
これにより、車載用カメラにおいて、発生確率の高い大きさの異物を効率的に分散させることができる。
【0070】
(9)(1)に記載の車載用カメラであって、
前記第1突起の第1の幅は、前記第1頂部から前記筒部に向かって広くなり、
前記第2突起の第2の幅は、前記第2頂部から前記筒部に向かって広くなる、
車載用カメラ。
【0071】
これにより、車載用カメラにおいて、第1突起及び第2突起が、筒部の第2縁部に強固に固定される。
【0072】
(10)(1)に記載の車載用カメラであって、
前記第1突起の少なくとも一部の厚さは、前記第1頂部から前記筒部に向かって増加し、
前記第2突起の少なくとも一部の厚さは、前記第2頂部から前記筒部に向かって増加する、
車載用カメラ。
【0073】
これにより、車載用カメラにおいて、第1突起及び第2突起が、筒部の第2縁部に強固に固定されるとともに、異物を効率的に分散させることができる。
【0074】
(11)(1)に記載の車載用カメラであって、
前記第1突起の前記第1頂部と、前記第1レンズの前記第1面との間に隙間(隙間G)が存在し、
前記第2突起の前記第2頂部と、前記第1レンズの前記第1面との間に隙間(隙間G)が存在する、
車載用カメラ。
【0075】
これにより、車載用カメラにおいて、第1レンズの第1面に傷をつけるのを防止することができる。
【0076】
(12)(1)に記載の車載用カメラであって、
前記レンズ鏡筒の前記第1縁部は、前記レンズ鏡筒の先端の折り曲げ加工により前記第1レンズを加締める加締め部である、
車載用カメラ。
【0077】
これにより、車載用カメラにおいて、レンズ鏡筒が、第1レンズを簡易かつ強固に保持することができる。
【0078】
(13)(1)に記載の車載用カメラであって、
前記キャップは、前記筐体又は前記レンズ鏡筒に固定される、
車載用カメラ。
【0079】
これにより、車載用カメラにおいて、異物の排除機能を維持することができる。
【0080】
(14)(13)に記載の車載用カメラであって、
前記キャップの係合突起(係合突起77)が、前記筐体又は前記レンズ鏡筒に形成された係合部(係合部80)に係合する、
車載用カメラ。
【0081】
これにより、車載用カメラにおいて、異物の排除機能を高い信頼性をもって維持することができる。
【0082】
(15)(1)に記載の車載用カメラであって、
少なくとも前記第1レンズが魚眼レンズである、
車載用カメラ。
【0083】
これにより、車載用カメラにおいて、広範囲に渡って撮像することができる。
【0084】
(16)(15)に記載の車載用カメラであって、
前記魚眼レンズの視野角が、水平方向において160度以上かつ200度以下である、
車載用カメラ。
【0085】
これにより、車載用カメラにおいて、広範囲に渡って適切な画像を撮像することができる。
【0086】
(17)(1)に記載の車載用カメラであって、
前記第1レンズの前記第1面における前記光軸を含む第1領域に対応する第1映像と、
前記第1レンズの前記第1面における、少なくとも一部が前記第1領域よりも前記第1縁部に近い第2領域に対応する第2映像を出力可能な、
車載用カメラ。
【0087】
これにより、車載用カメラにおいて、広範囲に渡って適切な画像を撮像することができる。
【0088】
(18)(17)に記載の車載用カメラであって、
前記第1映像と前記第2映像を一つの映像信号として出力可能な、
車載用カメラ。
【0089】
これにより、車載用カメラにおいて、視認しやすい画像を出力することができる。
【0090】
以上、添付図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に相当し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0091】
本開示は、レンズに付着した液状の異物を分散させ、排除することにより、異物が撮像を妨げることを防止し、車載用カメラの撮像機能を確保する車載用カメラとして有用である。
【符号の説明】
【0092】
11 第1レンズ
12 第2レンズ
14 第1面
15 第2面
20 リング部材
30 レンズ鏡筒
31 第1縁部
40 回路基板
44 撮像素子
60 筐体
61 大径筒状部
62 小径筒状部
70 キャップ
71 筒部
72 第2縁部
74 突起
74A 第1突起
74B 第2突起
75A 第1頂部
75B 第2頂部
76A 第1角部
76B 第2角部
77 係合突起
80 係合部
100 車載用カメラ
H 排水孔
P 通路
S 隙間空間
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5A
図5B
図6
図7
図8