(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024012858
(43)【公開日】2024-01-31
(54)【発明の名称】ストッカの管理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20240101AFI20240124BHJP
【FI】
G06Q10/08
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022114624
(22)【出願日】2022-07-19
(71)【出願人】
【識別番号】000237271
【氏名又は名称】株式会社FUJI
(74)【代理人】
【識別番号】110000017
【氏名又は名称】弁理士法人アイテック国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】河口 真佐義
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049AA16
(57)【要約】 (修正有)
【課題】複数の使用者に対する公平性を確保するストッカの管理装置を提供する。
【解決手段】販売管理システム10において、ストッカ40の管理装置30は、複数の納品庫41を有し、複数の使用者(事業者)に使用されるストッカを管理する。複数の納品庫には、複数種類のサイズの納品庫が含まれ、複数種類のサイズのうち少なくとも一つのサイズは、当該サイズの納品庫を複数有する複数納品庫有サイズである。管理装置は、複数納品庫有りサイズの複数の納品庫に対して、複数の使用者のうち使用可能な納品庫が割り当てられた1以上の使用者である割当有使用者と、当該割当有使用者に各々割り当てられた納品庫の数である割当納品庫数とを、サイズ毎に対応付けて記憶する記憶部を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の納品庫を有し、複数の使用者に使用されるストッカを管理するストッカの管理装置であって、
前記複数の納品庫には、複数種類のサイズの納品庫が含まれ、
前記複数種類のサイズのうち少なくとも一つのサイズは、当該サイズの納品庫を複数有する複数納品庫有りサイズであり、
前記複数納品庫有りサイズの複数の納品庫に対して、前記複数の使用者のうち使用可能な納品庫が割り当てられた1以上の使用者である割当有使用者と、当該割当有使用者に各々割り当てられた納品庫の数である割当納品庫数とをサイズ毎に対応付けて記憶する記憶部、
を備えるストッカの管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のストッカの管理装置であって、
前記割当有使用者による前記複数納品庫有サイズの納品庫の使用要求、前記割当有使用者を識別する識別情報、および、前記複数納品庫有サイズのうち希望サイズを取得する取得部と、
取得された前記識別情報に基づいて前記割当使用者を識別し、識別した前記割当使用者が使用している前記希望サイズの納品庫の数である使用中割当納品庫数を認識する認識部と、
前記割当納品庫数と前記使用中割当納品庫数とに基づいて、前記割当有使用者による前記希望サイズの納品庫の前記使用要求を許可するか否かを判断する判断部と、
を備えるストッカの管理装置。
【請求項3】
請求項2に記載のストッカの管理装置であって、
前記記憶部に記憶される前記割当納品庫数は、前記希望サイズの納品庫のうち前記複数の使用者に流動的に使用される納品庫である流動納品庫の中で、前記割当使用者が使用可能な最大数である流動納品庫数を含み、
前記認識部は、前記使用中割当納品庫数として、前記割当有使用者が使用している前記希望サイズの前記流動納品庫の数である使用中流動納品庫数を認識する、
ストッカの管理装置。
【請求項4】
請求項2に記載のストッカの管理装置であって、
前記記憶部に記憶される前記割当納品庫数は、前記割当有使用者の各々に対して使用が確保された納品庫である固定納品庫の数である固定納品庫数を含み、
前記認識部は、前記使用中割当納品庫数として、前記割当有使用者が使用している前記希望サイズの前記固定納品庫の数である使用中固定納品庫数を認識する、
ストッカの管理装置。
【請求項5】
請求項4に記載のストッカの管理装置であって、
前記判断部は、前記固定納品庫数と前記使用中固定納品庫数とに基づいて、前記割当有使用者による前記希望サイズの納品庫の前記使用要求を許可するか否かを判断する、
ストッカの管理装置。
【請求項6】
請求項5に記載のストッカの管理装置であって、
前記記憶部に記憶される前記割当納品庫数は、前記希望サイズの納品庫のうち前記複数の使用者に流動的に使用される納品庫である流動納品庫の中で、前記割当使用者が使用可能な最大数である流動納品庫数を含み、
前記認識部は、前記使用中割当納品庫数として、前記割当有使用者が使用している前記希望サイズの前記流動納品庫の数である使用中流動納品庫数を認識する、
ストッカの管理装置。
【請求項7】
請求項6に記載のストッカの管理装置であって、
前記判断部は、前記固定納品庫数と前記使用中固定納品庫数とに基づいて、前記割当有使用者による前記希望サイズの納品庫の前記使用要求を拒否した後、前記流動納品庫数と、前記使用中流動納品庫数と、前記流動納品庫の空き数とに基づいて、前記割当有使用者による前記希望サイズの納品庫の前記使用要求を許可するか否かを判断する、
ストッカの管理装置。
【請求項8】
請求項2ないし7いずれか1項に記載のストッカの管理装置であって、
前記判断部により前記割当有使用者による前記希望サイズの納品庫の前記使用要求が拒否された後、前記希望サイズとは異なるサイズの納品庫の使用を案内する案内部
を備えるストッカの管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、ストッカの管理装置について開示する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の納品庫を備え、複数の使用者に使用されるストッカが知られている。例えば、特許文献1には、使用者毎に流動的に使用可能な流動納品庫の最大数が定められ、使用者から納品庫の使用要求を取得すると、流動納品庫のうち既に利用されている納品庫の数である流動利用数と、流動納品庫の空き数と、使用者が使用可能な流動納品庫の最大数とに基づいて、この使用者が納品庫を使用可能であるか否かを判定するものが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した特許文献1に記載のストッカでは、使用者毎に使用可能な流動納品庫の最大数が定められるものの、最大数を超えない範囲内で先に使用要求を行った使用者が優先的に流動納品庫を使用可能である。このため、ストッカに複数種類のサイズの納品庫が含まれる場合には、特定の使用者が特定のサイズの納品庫(例えば大サイズの納品庫)ばかり使用する場合が生じ、他の使用者が希望するサイズの納品庫を使用できないおそれがある。
【0005】
本開示は、複数種類のサイズの納品庫を有し、複数の使用者に使用されるストッカにおいて、特定の使用者が特定のサイズの納品庫ばかり使用し、他の使用者が希望するサイズを使用できない状況となるのを抑制して、複数の使用者に対する公平性を確保することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
【0007】
本開示のストッカの管理装置は、
複数の納品庫を有し、複数の使用者に使用されるストッカを管理するストッカの管理装置であって、
前記複数の納品庫には、複数種類のサイズの納品庫が含まれ、
前記複数種類のサイズのうち少なくとも一つのサイズは、当該サイズの納品庫を複数有する複数納品庫有りサイズであり、
前記複数納品庫有りサイズの複数の納品庫に対して、前記複数の使用者のうち使用可能な納品庫が割り当てられた1以上の使用者である割当有使用者と、当該割当有使用者に各々割り当てられた納品庫の数である割当納品庫数とをサイズ毎に対応付けて記憶する記憶部、
を備えることを要旨とする。
【0008】
この本開示のストッカの管理装置では、複数納品庫有りサイズの複数の納品庫に対して、複数の使用者のうち納品庫が割り当てられた1以上の使用者である割当有使用者と、当該割当有使用者の各々に割り当てられた納品庫の数である割当納品庫数とをサイズ毎に対応付けて記憶することとしている。これにより、複数種類のサイズの納品庫を有し、複数の使用者に使用されるストッカにおいて、特定の使用者が特定のサイズの納品庫ばかり使用し、他の使用者が希望するサイズを使用できない状況となるのを抑制することができる。この結果、複数の使用者に対する公平性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】販売管理システムおよびストッカシステムの一例を示す概略説明図である。
【
図5】使用受付処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、本開示を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【0011】
図1は、販売管理システム10およびストッカシステム11の一例を示す概略説明図である。
図2は、ストッカ40の概略構成図である。
図1に示すように、販売管理システム10は、店舗20などを有する事業者が管理するシステムであり、販売管理装置21を備えている。販売管理装置21は、インターネットなどのネットワーク13を介して、購入者14の携帯端末15などと情報のやりとりを行い、購入者14(顧客)に商品17の販売情報を提供する。この販売管理装置21は、制御部22と、記憶部23と、通信部28とを備えている。制御部22は、CPU、ROMおよびRAMなどにより構成され装置全体の制御を司るものである。記憶部23は、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶するものである。通信部28は、ストッカ管理装置30などの外部機器と通信を行うものである。事業者は、この販売管理装置21から、ストッカ管理装置30へストッカ40の使用要求などを送信する。また、事業者は、配達者19により店舗20などからストッカ40へ商品17を配送させる。
【0012】
ストッカシステム11は、ストッカ管理装置30と、1又は2以上のストッカ40とを備えている。このストッカシステム11は、例えば、ストッカ40A,40Bなどを有している。なお、ストッカ40A,40Bは、ストッカ40と総称する。このストッカシステム11では、ストッカ40は、複数(17個)の納品庫41を有し、1又は2以上の事業者(使用者)に使用されるよう設定されている。複数の納品庫41には、サイズの異なる複数種類の納品庫が含まれる。本実施形態では、複数の納品庫41には、複数(8個)の小サイズの納品庫41sと、複数(7個)の中サイズの納品庫41mと、複数(2個)の大サイズの納品庫41bと、が含まれる。小サイズの納品庫41sは、小サイズの商品17のみ納品が可能であり、中サイズの納品庫41mは、小サイズの商品17と中サイズの商品17とを納品可能であり、大サイズの納品庫41bは、小サイズの商品17、中サイズの商品17および大サイズの商品17いずれも納品可能である。なお、各サイズの納品庫41s,41m,41bは、複数個ずつ設けられたが、少なくとも1つのサイズで納品庫が複数個設けられるものであればよい。
【0013】
また、ストッカ40には、納品庫41のサイズ毎に、納品庫41のうち事業者(割当有使用者)に対応付けて定められ事業者が固定的に使用可能な固定納品庫の数である固定CAPと、固定納品庫を除く残りの納品庫41のうち事業者(割当有使用者)に対応付けて定められ事業者が流動的に使用可能な流動納品庫の最大数である流動CAPとが設定されている。固定CAPは、使用の有無にかかわらず、契約した事業者に、該当するストッカ40の該当するサイズの納品庫41を必ず確保する契約数である。一方、流動CAPは、予め契約した内容に応じて、該当するストッカ40の該当するサイズの納品庫41に空きがあれば使用可能である契約数である。サイズ毎の固定CAPは、対応するサイズの納品庫41の総数を最大値としてこの総数以下に定められる。また、サイズ毎の流動CAPは、対応するサイズの納品庫41の総数から、対応するサイズの固定CAPを差し引いた数以下の範囲で定められる。
【0014】
具体的には、
図3に示すように、ストッカ#1では、大サイズの固定納品庫の総数は2個であり、事業者Aと事業者Bとに各々1個(大サイズの固定CAP)ずつ割り当てられている。このため、事業者Aと事業者Bは、大サイズの固定納品庫の使用が1個ずつ確保されている。なお、大サイズの流動納品庫の総数は0個である。中サイズの固定納品庫の総数は4個であり、事業者Aと事業者Bとに各々2個(中サイズの固定CAP)ずつ割り当てられている。このため、事業者Aと事業者Bは、中サイズの固定納品庫の使用が2個ずつ確保されている。また、中サイズの流動納品庫の総数は3個であり、事業者Aと事業者Bと事業者Cとに各々3個(中サイズの流動CAP)ずつ割り当てられている。事業者Aと事業者Bは、中サイズでは、固定CAPと流動CAPとを契約しており、固定CAPを全て使い切った後、流動CAPを使用可能である。一方、事業者Cは、中サイズでは、流動CAPのみを契約しているため、中サイズの流動納品庫に空きがあれば、契約している流動CAPの範囲内で使用可能である。なお、固定CAPと流動CAPとを契約している事業者A,Bは、任意で指定したCAPを使用するように設定してもよい。小サイズの固定納品庫の総数は0個であり、小サイズの流動納品庫の総数は8個であり、事業者Aと事業者Bと事業者Cとに各々8個(小サイズの流動CAP)ずつ割り当てられている。このように、事業者は、サイズ毎に固定CAPを契約することにより希望するサイズの納品庫41を確実に確保することができる。また、事業者は、サイズ毎に流動CAPを契約することにより希望するサイズの納品庫41に空きがあればその使用を確保することができる。なお、事業者は、流動納品庫の総数を超えてこれを使用することは物理的にできないので、サイズ毎の流動CAPは、それぞれ対応するサイズの流動納品庫の総数以下に定められる。複数の事業者が流動納品庫をできるだけ公平に使用する観点からは、サイズ毎の流動CAPは、対応するサイズの流動納品庫の総数よりも少ない数を上限として定められるものとしてもよい。
【0015】
ストッカ管理装置30は、ネットワーク12を介してストッカ40と情報のやりとりを行う。ストッカ管理装置30は、制御部31と、通信部38とを備えている。制御部31は、CPU32や記憶部33などを含み、装置全体の制御を司るものである。記憶部33は、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶するものである。通信部38は、ストッカ40などの外部機器と通信を行うものである。記憶部33には、ストッカ情報34や、ストッカ40毎の割当情報35、ストッカ40毎の使用状況情報36などが記憶されている。ストッカ情報34には、例えば、ストッカシステム11が有するストッカ40の識別番号(ストッカID)や配置場所などの情報が含まれる。
【0016】
割当情報35には、
図3に示すように、納品庫41のサイズ(大サイズ、中サイズ、小サイズ)毎および事業者毎の、固定CAP(固定納品庫の割当数)や、固定納品庫の使用数、固定納品庫の空き数、流動CAP(流動納品庫の割当数)、流動納品庫の使用数、流動納品庫の空き数などの情報が含まれる。ここで、固定納品庫の使用数は、該当する事業者がこのストッカ40で該当するサイズの固定納品庫を使用している数(使用中固定納品庫数)である。固定納品庫の空き数は、該当するサイズの固定CAPから該当するサイズの固定納品庫の使用数を差し引いた数である。流動納品庫の使用数は、該当する事業者がこのストッカ40で該当するサイズの流動納品庫を使用している数(使用中流動納品庫数)である。流動納品庫の空き数は、該当するサイズの流動CAPから該当するサイズの流動納品庫の使用数を差し引いた数である。
【0017】
使用状況情報36は、
図4に示すように、納品庫41のサイズと、納品庫41を識別する識別情報(納品庫ID)と、納品庫41の使用状況と、納品庫41を使用している事業者と、納品庫41を解錠する解錠コードとが対応付けられたものである。ここで、使用には、納品庫41の使用を予約したがその納品庫41に商品17が納品されていない納品待ちと、納品庫41に商品17が納品された納品済みとが含まれる。
【0018】
ストッカ40は、店舗20から配送された商品17を購入者14へ受け渡す際に用いられる装置である。ストッカ40は、多数の購入者14が利用可能であり、通勤などの外出時に商品17を受け取ることができるよう、オフィス、コンビニエンスストア、各種公共施設など様々な場所に設置されている。このストッカ40は、施錠可能な複数(例えば17個)の納品庫41を備えている。納品庫41の各々は、商品17等の物品を収容可能な内部空間を有しており、
図2に示すように、前面の扉42と、扉42の施錠および解錠を行うロック機構43と、納品庫41内の物品の有無を検出する物品センサ44と、扉42の開閉を検出する開閉センサ45とを備えている。物品センサ44は、光を用いた非接触式のセンサとしてもよいし、素子を用いた接触式のセンサとしてもよい。この納品庫41の一つには、制御装置50が収容され、その扉42には、表示操作部46と、読取装置47とが配設されている。表示操作部46は、ストッカ40の前面に配置されたタッチパネルであり、商品17の配達者19および購入者14への各種情報の表示や、配達者19および購入者14からの各種操作の入力を行う。読取装置47は、購入者14や配達者19などが納品庫41の解錠に用いる解錠コード(例えばパスワード)を読み取るコードリーダである。制御装置50は、制御部51と、通信部58とを備えている。制御部51は、CPU52、記憶部53などを含み、装置全体の制御を司るものである。記憶部53は、各種アプリケーションプログラムや各種データファイルを記憶するものである。通信部58は、ストッカ管理装置30などの外部機器と通信を行うものである。記憶部53には、ストッカ40の割当情報55や使用状況情報56などが記憶されている。割当情報55は、該当するストッカ40において割当情報35に含まれるものと同様である。また、使用状況情報56は、該当するストッカ40において使用状況情報36に含まれるものと同様である。ストッカ管理装置30とストッカ40とは、通信を行うことにより、これらの情報を最新のものに同期させる。
【0019】
次に、販売管理システム10、ストッカシステム11の動作について説明する。特に、ストッカシステム11が事業者からの使用要求を受け付ける処理について説明する。事業者の使用者は、購入者14から発注を受けると、商品17を確保し、これを所定のストッカ40へ配達させる。このとき、事業者は、販売管理装置21からストッカ管理装置30にアクセスし、使用要求をストッカ管理装置30へ送信させる。ここで、ストッカ40の使用受付処理について説明する。
図5は、制御部31のCPU32が実行する使用受付処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、記憶部33に記憶され、ストッカ管理装置30の起動後、所定間隔で制御部31のCPU32により繰り返し実行される。
【0020】
使用受付処理が実行されると、CPU32は、まず、使用要求を外部機器から取得したか否かを判定する(S100)。使用要求には、事業者を特定する情報(事業者IDなど)や、使用を望むストッカ40を特定する情報(例えば、ストッカIDなど)、使用を望む納品庫41のサイズ(希望サイズ)が含まれている。また、ここでは1つの納品庫41を使用要求する例を説明するが、複数の納品庫41を1度に使用要求するものとしてもよい。使用要求を取得していないときには、CPU32は、そのまま使用受付処理を終了する。
【0021】
S100で使用要求を取得すると、CPU32は、取得した使用要求に含まれる事業者IDとストッカIDと希望サイズとに基づいて、該当するストッカ40について該当する事業者に割り当てられている希望サイズの固定CAPと当該事業者が使用している希望サイズの固定納品庫の使用数とを割当情報35から読み出して取得する(S110)。続いて、CPU32は、取得した希望サイズの固定納品庫の使用数が取得した希望サイズの固定CAPに達していないかを判定する(S120)。CPU32は、希望サイズの固定納品庫の使用数が希望サイズの固定CAPに達していないと判定すると、該当する事業者は該当するストッカ40の希望サイズの納品庫41(固定納品庫)を使用可能であると判定し(S130)、当該事業者の使用要求を許可して割当情報35と使用状況情報36とを更新する(S140)。割当情報35の更新は、該当するストッカ40について、該当する事業者に割り当てられている希望サイズの固定納品庫に対して使用数をインクリメントすると共に空き数をデクリメントすることにより行われる。使用状況情報36の更新は、該当するストッカ40の該当する納品庫41(固定納品庫)に対して使用状況、使用者(事業者)および解錠コードなどの情報を追加することにより行われる。そして、CPU32は、更新した割当情報35と使用状況情報36とを該当するストッカ40へ送信して(S150)、使用受付処理を終了する。ストッカ40は、受信した割当情報35を用いて割当情報55を更新すると共に、受信した使用状況情報36を用いて使用状況情報56を更新する。
【0022】
S120で希望サイズの固定納品庫の使用数が希望サイズの固定CAPに達していると判定すると、CPU32は、該当する事業者が希望サイズの固定納品庫を使用できないと判定し、該当するストッカ40について該当する事業者に割り当てられている希望サイズの流動CAPと当該事業者が使用している希望サイズの流動納品庫の使用数とを割当情報35から読み出して取得する(S160)。続いて、CPU32は、取得した希望サイズの流動納品庫の使用数が取得した希望サイズの流動CAPに達していないかを判定する(S170)。CPU32は、希望サイズの流動納品庫の使用数が希望サイズの流動CAPに達していないと判定すると、割当情報35を参照して該当するストッカ40の希望サイズの流動納品庫に空きがあるか否かを判定する(S180)。CPU32は、該当するストッカ40の希望サイズの流動納品庫に空きがあると判定すると、該当するストッカ40の希望サイズの納品庫41(流動納品庫)を使用可能であると判定し(S130)、使用要求を許可して割当情報35と使用状況情報36とを更新する(S140)。割当情報35の更新は、該当するストッカ40について、該当する事業者に割り当てられている希望サイズの流動納品庫に対して使用数をインクリメントすると共に空き数をデクリメントすることにより行われる。使用状況情報36の更新は、該当するストッカ40の該当する納品庫41(流動納品庫)に対して使用状況、使用者(事業者)および解錠コードの情報を追加することにより行われる。そして、CPU32は、更新した割当情報35と使用状況情報36とを該当するストッカ40へ送信して(S150)、使用受付処理を終了する。
【0023】
S170で該当するストッカ40の希望サイズの流動納品庫の使用数が希望サイズの流動CAPに達していると判定したり、S180で該当するストッカ40の希望サイズの流動納品庫に空きがないと判定したりすると、CPU32は、該当する事業者に対して希望サイズの納品庫41(固定納品庫および流動納品庫)の使用を拒否し、該当するストッカ40について該当する事業者に割り当てられている他のサイズの流動CAPと当該事業者が使用している当該他のサイズの流動納品庫の使用数とを割当情報35から読み出して取得する(S190)。続いて、CPU32は、取得した他のサイズの流動納品庫の使用数が当該他のサイズの流動CAPに達していないかを判定する(S200)。CPU32は、他のサイズの流動納品庫の使用数が当該他のサイズの流動CAPに達していないと判定すると、割当情報35を参照して該当するストッカ40の他のサイズの流動納品庫に空きがあるか否かを判定する(S210)。CPU32は、他のサイズの流動納品庫に空きがあると判定すると、該当するストッカ40の他のサイズの納品庫41(流動納品庫)を使用可能であると判定し、使用要求を行った事業者に対して他のサイズの納品庫41(流動納品庫)の使用を案内する(S220)。この処理は、希望サイズの納品庫41を使用できないことと他のサイズの納品庫41であれば使用可能であることを示す情報を使用要求を行った外部機器に出力することにより行われる。次に、CPU32は、外部機器から他のサイズの使用要求を取得したか否かを判定する(S230)。CPU32は、他のサイズの使用要求を取得したと判定すると、取得した使用要求を許可し、割当情報35と使用状況情報36とを更新する(S140)。割当情報35の更新は、該当するストッカ40について、該当するサイズ(他のサイズ)の流動納品庫に対して使用数をインクリメントすると共に空き数をデクリメントすることにより行われる。使用状況情報36の更新は、該当するストッカ40の該当する納品庫41(他のサイズの流動納品庫)に対して使用状況、使用者(事業者)および解錠コードの情報を追加することにより行われる。そして、CPU32は、更新した割当情報35と使用状況情報36とを該当するストッカ40へ送信して(S150)、使用受付処理を終了する。なお、本実施形態では、CPU32は、希望サイズの納品庫41を使用を拒否した後、他のサイズの納品庫41に空きがあれば、他のサイズの納品庫41の使用を使用要求を行った事業者に案内するものとしたが、他のサイズの納品庫41の使用案内を行わなくてもよい。
【0024】
なお、使用要求が認められた事業者は、商品17を該当するストッカ40へ配達し、購入者14へその内容を送信する。購入者14は、販売管理装置21から事前に受け取った解錠コードをストッカ40の読取装置47で読み取らせて、商品17を受け取る。
【0025】
S200で他のサイズの流動納品庫の使用数が他のサイズの流動CAPに達していると判定したり、S210で他のサイズの流動納品庫に空きがないと判定したり、S230で他のサイズの使用要求を取得していないと判定したりすると、CPU32は、該当するストッカ40の納品庫41が使用できない旨の情報を外部機器へ出力することで、納品庫41の使用を拒否して(S240)、使用受付処理を終了する。使用要求を行った事業者は、外部機器を介してストッカ40を使用できないことを認識する。
【0026】
ここで、実施形態の主要な要素と請求の範囲に記載した本開示の主要な要素との対応関係について説明する。即ち、本実施形態のストッカ管理装置30がストッカの管理装置に相当し、記憶部33が記憶部に相当する。また、使用受付処理のS100の処理を実行する制御部31のCPU32が取得部に相当し、S110,S160の処理を実行する制御部31のCPU32が認識部に相当し、S120,S170の処理を実行する制御部31のCPU32が判断部に相当する。また、S190~S220の処理を実行する制御部31のCPU32が案内部に相当する。
【0027】
なお、本開示は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本開示の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0028】
例えば、上述した実施形態では、ストッカ管理装置30がネットワーク12を介して事業者から希望サイズの納品庫41の使用要求を受け付けるものとして説明した。しかし、ストッカ40の制御装置50が配達者19などから希望サイズの納品庫41の使用要求を直接に受け付けるものとしてもよい。この場合、制御部51のCPU52が、上述した
図5の使用受付処理ルーチンを実行するものとすればよい。このとき、CPU52は、S110,S160,S190では割当情報55から必要な情報を取得すればよく、S150ではストッカ管理装置30へ割当情報55と使用状況情報56とを出力するものとすればよい。このように、希望サイズの納品庫41の使用要求は、システム内に存在するどの装置で行うものとしてもよい。
【0029】
上述した実施形態では、納品庫41のサイズ毎に固定CAPと流動CAPとが設定されるものとしたが、固定CAPは設定されなくてもよい。この場合、固定的な納品庫41の確保はできないものの、流動的な納品庫41の確保は可能である。
【0030】
上述した実施形態では、使用要求を受け付ける装置内に割当情報35や使用状況情報36を記憶するものとした。しかし、これに限定されず、これらの情報を要するときに、これらの情報を外部機器(例えば使用要求の受け付けがストッカ管理装置30であれば外部機器はストッカ40など)から取得するものとしてもよい。また、上述した実施形態では、割当情報35に空きの数値が含まれているものとしたが、適宜省略することができる。管理した数値を用いて算出できる数値については、事前に計算して割当情報35で管理する必要はなく、必要に応じてその都度、計算するものとしてもよい。
【0031】
上述した実施形態では、ストッカ管理装置30は、固定CAPと流動CAPとが割り当てられた事業者からの納品庫41の使用要求に対して、固定CAPを優先的に使用させるものとした。しかし、事業者は、固定CAP、流動CAPのいずれかを指定して使用要求を行うようにしてもよい。こうすれば、事業者は、優先して使用したいCAPを指定して希望サイズの納品庫41を使用することができる。
【0032】
上述した実施形態では、事業者からの希望サイズの納品庫41の使用要求に対して希望サイズの納品庫41の使用を許可するか否かの判定をストッカ管理装置30が行うものとしたが、各ストッカ40が備える制御装置50が行ってもよい。
【0033】
上述した実施形態では、ストッカシステム11は、ストッカ管理装置30とストッカ40とを備えるものとしたが、特にこれに限定されず、ストッカ40がストッカ管理装置30の機能を有するものとしてもよい。また、上述した実施形態では、販売管理装置21とストッカ管理装置30とが別のサーバであるものとしたが、ストッカ管理装置30が販売管理装置21の機能を有するものとしてもよい。
【0034】
以上説明したように、本開示のストッカの管理装置では、複数納品庫有りサイズの複数の納品庫に対して、複数の使用者のうち納品庫が割り当てられた1以上の使用者である割当有使用者と、当該割当有使用者の各々に割り当てられた納品庫の数である割当納品庫数とをサイズ毎に対応付けて記憶することとしている。これにより、複数種類のサイズの納品庫を有し、複数の使用者に使用されるストッカにおいて、特定の使用者が特定のサイズの納品庫ばかり使用し、他の使用者が希望するサイズを使用できない状況となるのを抑制することができる。この結果、複数の使用者に対する公平性を確保することができる。
【0035】
こうした本開示のストッカの管理装置において、前記割当有使用者による前記複数納品庫有サイズの納品庫の使用要求、前記割当有使用者を識別する識別情報、および、前記複数納品庫有サイズのうち希望サイズを取得する取得部と、取得された前記識別情報に基づいて前記割当使用者を識別し、識別した前記割当使用者が使用している前記希望サイズの納品庫の数である使用中割当納品庫数を認識する認識部と、前記割当納品庫数と前記使用中割当納品庫数とに基づいて、前記割当有使用者による前記希望サイズの納品庫の前記使用要求を許可するか否かを判断する判断部と、を備えてもよい。こうすれば、割当有使用者は、サイズ毎に対応付けられた割当納品庫数の範囲内を超えて希望サイズの納品庫を使用することができないため、複数の使用者に対する公平性を確保することができる。
【0036】
認識部を備える態様の本開示のストッカの管理装置において、前記記憶部に記憶される前記割当納品庫数は、前記希望サイズの納品庫のうち前記複数の使用者に流動的に使用される納品庫である流動納品庫の中で、前記割当使用者が使用可能な最大数である流動納品庫数を含み、前記認識部は、前記使用中割当納品庫数として、前記割当有使用者が使用している前記希望サイズの前記流動納品庫の数である使用中流動納品庫数を認識してもよい。こうすれば、割当有使用者は、サイズ毎に対応付けられた流動納品庫数の範囲内を超えて希望サイズの納品庫を使用することができないため、特定の使用者が特定のサイズの納品庫を占有することを抑制して、複数の使用者に対する公平性を確保することができる。
【0037】
認識部を備える態様の本開示のストッカの管理装置において、前記記憶部に記憶される前記割当納品庫数は、前記割当有使用者の各々に対して使用が確保された納品庫である固定納品庫の数である固定納品庫数を含み、前記認識部は、前記使用中割当納品庫数として、前記割当有使用者が使用している前記希望サイズの前記固定納品庫の数である使用中固定納品庫数を認識してもよい。この場合、前記判断部は、前記固定納品庫数と前記使用中固定納品庫数とに基づいて、前記割当有使用者による前記希望サイズの納品庫の前記使用要求を許可するか否かを判断してもよい。こうすれば、割当有使用者は、サイズ毎に対応付けられた固定納品庫数の範囲内を超えて希望サイズの納品庫を使用することができないため、特定の使用者が特定のサイズの納品庫を占有することを抑制して、複数の使用者に対する公平性を確保することができる。更にこの場合、前記記憶部に記憶される前記割当納品庫数は、前記希望サイズの納品庫のうち前記複数の使用者に流動的に使用される納品庫である流動納品庫の中で、前記割当使用者が使用可能な最大数である流動納品庫数を含み、前記認識部は、前記使用中割当納品庫数として、前記割当有使用者が使用している前記希望サイズの前記流動納品庫の数である使用中流動納品庫数を認識してもよい。更にこの場合、前記判断部は、前記固定納品庫数と前記使用中固定納品庫数とに基づいて、前記割当有使用者による前記希望サイズの納品庫の前記使用要求を拒否した後、前記流動納品庫数と、前記使用中流動納品庫数と、前記流動納品庫の空き数とに基づいて、前記割当有使用者による前記希望サイズの納品庫の前記使用要求を許可するか否かを判断してもよい。こうすれば、固定納品庫と流動納品庫の双方を使用可能な使用者に対して、固定納品庫を優先して使用させることができる。このため、流動納品庫を優先して使用する場合に比して、特定の使用者に特定のサイズの納品庫が占有されることを抑制することができる。
【0038】
また、本開示のストッカの管理装置において、前記判断部により前記割当有使用者による前記希望サイズの納品庫の前記使用要求が拒否された後、前記希望サイズとは異なるサイズの納品庫の使用を案内する案内部を備えてもよい。こうすれば、複数のサイズで納品庫の利用効率を高めることができる。
【産業上の利用可能性】
【0039】
本発明は、商品をストッカに配送する商品流通システムの技術分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0040】
10 販売管理システム、11 ストッカシステム、12,13 ネットワーク、14 購入者、15 携帯端末、17 商品、19 配達者、20 店舗、21 販売管理装置、22 制御部、23 記憶部、28 通信部、30 ストッカ管理装置、31 制御部、32 CPU、33 記憶部、34 ストッカ情報、35 割当情報、36 使用状況情報、38 通信部、40,40A,40B ストッカ、41,41b,41m,41s 納品庫、42 扉、43 ロック機構、44 物品センサ、45 開閉センサ、46 表示操作部、47 読取装置、50 制御装置、51 制御部、52 CPU、53 記憶部、55 割当情報、56 使用状況情報、58 通信部。