(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128581
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】照明装置、及び、車両
(51)【国際特許分類】
F21S 41/20 20180101AFI20240913BHJP
B60Q 1/22 20060101ALI20240913BHJP
B60R 1/26 20220101ALI20240913BHJP
B60R 1/30 20220101ALI20240913BHJP
F21S 41/32 20180101ALI20240913BHJP
H04N 7/18 20060101ALN20240913BHJP
H04N 23/56 20230101ALN20240913BHJP
F21W 103/45 20180101ALN20240913BHJP
F21Y 101/00 20160101ALN20240913BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240913BHJP
【FI】
F21S41/20
B60Q1/22
B60R1/26
B60R1/30
F21S41/32
H04N7/18 J
H04N23/56
F21W103:45
F21Y101:00 100
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037614
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】322003857
【氏名又は名称】パナソニックオートモーティブシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138771
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 将明
(72)【発明者】
【氏名】菊地 隆
【テーマコード(参考)】
3K339
5C054
5C122
【Fターム(参考)】
3K339AA28
3K339BA01
3K339BA09
3K339BA22
3K339BA25
3K339BA28
3K339CA27
3K339DA01
3K339DA06
3K339GB21
3K339MA01
3K339MA03
3K339MC01
3K339MC36
3K339MC68
5C054CA05
5C054CC02
5C054FC12
5C054HA30
5C122DA14
5C122DA16
5C122EA55
5C122FB17
5C122FH11
5C122FK23
5C122FK28
5C122FK37
5C122FK41
5C122GG08
5C122HB01
5C122HB05
5C122HB06
(57)【要約】
【課題】車両の後方の広範囲に赤外線を照射できる後退灯用の照明装置を提供する。
【解決手段】車両の後退灯用の照明装置は、少なくとも可視光線及び赤外線を含む白色光を照射する光源と、光源から照射された前記白色光の一部を反射するリフレクタと、照射及び反射された白色光のうち、赤外線を透過させ、可視光線の透過を妨げる赤外線透過フィルタと、赤外線透過フィルタの所定部分に、照射及び反射された白色光が透過するよう形成されたフィルタ開口部と、を備える。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の後退灯用の照明装置であって、
少なくとも可視光線及び赤外線を含む白色光を照射する光源と、
前記光源から照射された前記白色光の一部を反射するリフレクタと、
前記照射及び前記反射された前記白色光のうち、前記赤外線を透過させ、前記可視光線の透過を妨げる赤外線透過フィルタと、
前記赤外線透過フィルタの所定部分に、前記照射及び前記反射された前記白色光が透過するよう形成されたフィルタ開口部と、を備えた、
照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置であって、
前記フィルタ開口部が形成された前記赤外線透過フィルタの所定部分は、前記光源の光軸が通過する部分である、
照明装置。
【請求項3】
請求項2に記載の照明装置であって、
前記フィルタ開口部の上端と前記赤外線透過フィルタの上端との間の長さは、前記フィルタ開口部の下端と前記赤外線透過フィルタの下端との間の長さよりも、短い、
照明装置。
【請求項4】
請求項2又は請求項3に記載の照明装置であって、
前記フィルタ開口部の側から前記光源の方を見た場合において、前記フィルタ開口部の左端と前記赤外線透過フィルタの左端との間の長さは、前記フィルタ開口部の右端と前記赤外線透過フィルタの右端との間の長さよりも、短い、
照明装置。
【請求項5】
請求項2又は請求項3に記載の照明装置であって、
前記フィルタ開口部の側から前記光源の方を見た場合において、前記フィルタ開口部の右端と前記赤外線透過フィルタの右端との間の長さは、前記フィルタ開口部の左端と前記赤外線透過フィルタの左端との間の長さよりも、短い、
照明装置。
【請求項6】
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の照明装置であって、
前記赤外線透過フィルタを透過した前記赤外線及び前記フィルタ開口部を透過した前記白色光を拡散する内側レンズと、
前記内側レンズを透過した前記赤外線及び前記白色光を透過させる外側レンズと、をさらに備えた、
照明装置。
【請求項7】
第1車輪と第2車輪と第3車輪と第4車輪とを備え、所定の向きに走行可能な車両であって、
前記車両の後退灯用の照明装置と、
前記車両の後方を撮影するように設置され、少なくとも赤外線で撮像できる赤外線カメラと、
制御装置と、を備え、
前記照明装置は、
少なくとも可視光線及び赤外線を含む白色光を照射する光源と、
前記光源から照射された前記白色光の一部を反射するリフレクタと、
前記照射及び前記反射された前記白色光のうち、前記赤外線を透過させ、前記可視光線の透過を妨げる赤外線透過フィルタと、
前記赤外線透過フィルタの所定部分に、前記照射及び前記反射された前記白色光が透過するよう形成されたフィルタ開口部と、を備え、
前記制御装置は、前記照明装置が点灯しているときに前記赤外線カメラが撮影した赤外線画像から、前記車両の後方に存在する少なくとも人物を検出する、
車両。
【請求項8】
請求項7に記載の車両であって、
前記制御装置は、前記人物を検出した場合、前記赤外線画像から前記人物までの距離を特定する、
車両。
【請求項9】
請求項8に記載の車両であって、
前記制御装置は、特定した前記人物までの距離に基づいて、前記車両のブレーキを制御する、
車両。
【請求項10】
請求項7に記載の車両であって、
前記フィルタ開口部が形成された前記赤外線透過フィルタの所定部分は、前記光源の光軸が通過する部分である、
車両。
【請求項11】
請求項10に記載の車両であって、
前記照明装置において、前記フィルタ開口部の上端と前記赤外線透過フィルタの上端との間の長さは、前記フィルタ開口部の下端と前記赤外線透過フィルタの下端との間の長さよりも、短い、
車両。
【請求項12】
請求項10又は請求項11に記載の車両であって、
前記車両の右後方に設けられる前記照明装置において、前記フィルタ開口部の左端と前記赤外線透過フィルタの左端との間の長さは、前記フィルタ開口部の右端と前記赤外線透過フィルタの右端との間の長さよりも、短く、
前記車両の左後方に設けられる前記照明装置において、前記フィルタ開口部の右端と前記赤外線透過フィルタの右端との間の長さは、前記フィルタ開口部の左端と前記赤外線透過フィルタの左端との間の長さよりも、短い、
車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両の後退灯用の照明装置、及び、車両に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、赤外線を照射できる機能を搭載する後退灯と、リアバンパの中央に設置されて車両の後方を撮影する赤外線カメラと、赤外線カメラが撮影した画像をリアウィンドウに表示するヘッドアップディスプレイとを備え、運転者がリアウィンドウに表示された画像をルームミラーを通して視認する車両用夜間後方視界支援システムを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載されるように、赤外線を用いることにより、夜間であっても赤外線カメラで車両の後方背景を撮影できる。しかし、特許文献1のように、赤外線を照射するための装置を新たに後退灯に搭載することは、後退灯の製造コストの上昇及び制御の複雑化を招く。
【0005】
本開示の目的は、後退灯に赤外線を照射するための装置を新たに搭載することなく、車両の後方の広範囲に赤外線を照射できる後退灯用の照明装置と当該照明装置を備えた車両とを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る照明装置は、車両の後退灯用の照明装置であって、少なくとも可視光線及び赤外線を含む白色光を照射する光源と、前記光源から照射された前記白色光の一部を反射するリフレクタと、前記照射及び前記反射された前記白色光のうち、前記赤外線を透過させ、前記可視光線の透過を妨げる赤外線透過フィルタと、前記赤外線透過フィルタの所定部分に、前記照射及び前記反射された前記白色光が透過するよう形成されたフィルタ開口部と、を備える。
【0007】
本開示に係る車両は、第1車輪と第2車輪と第3車輪と第4車輪とを備え、所定の向きに走行可能な車両であって、前記車両の後退灯用の照明装置と、前記車両の後方を撮影するように設置され、少なくとも赤外線で撮像できる赤外線カメラと、制御装置と、を備え、前記照明装置は、少なくとも可視光線及び赤外線を含む白色光を照射する光源と、
前記光源から照射された前記白色光の一部を反射するリフレクタと、前記照射及び前記反射された前記白色光のうち、前記赤外線を透過させ、前記可視光線の透過を妨げる赤外線透過フィルタと、前記赤外線透過フィルタの所定部分に、前記照射及び前記反射された前記白色光が透過するよう形成されたフィルタ開口部と、を備え、前記制御装置は、前記照明装置が点灯しているときに前記赤外線カメラが撮影した赤外線画像から、前記車両の後方に存在する少なくとも人物を検出する。
【0008】
なお、これらの包括的又は具体的な態様は、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム又は記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、方法、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本開示によれば、後退灯に赤外線を照射するための装置を新たに搭載することなく、車両の後方の広範囲に赤外線を照射できる後退灯と当該後退灯を備えた車両とを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】後退灯の白色光が照射される範囲の一例を示す図
【
図3】実施の形態1に係る車両を左後方から見た斜視図
【
図4】実施の形態1に係る車両と人物との位置関係を説明するための図
【
図5】実施の形態1に係る後退灯の垂直断面(YZ断面)を示す図
【
図6】実施の形態1に係る車両の左後方に設置された後退灯の水平断面(XY断面)を示す図
【
図7】実施の形態1に係る車両の右後方に設置された後退灯の水平断面(XY断面)を示す図
【
図8】実施の形態1に係る赤外線透過フィルタの特性の一例を示すグラフ
【
図9】実施の形態1に係る人物検出処理に関連する装置の一例を示すブロック図
【
図10】実施の形態1に係る人物検出処理の一例を示すフローチャート
【
図11】実施の形態1に係る車両の後方に人物の存在を検出した場合における表示装置の表示例を示す図
【
図12】
図11に示す人物検出結果と比較するための表示装置の表示例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を適宜参照して、本開示の実施の形態について、詳細に説明する。ただし、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、すでによく知られた事項の詳細説明及び実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。なお、添付図面及び以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の記載の主題を限定することは意図されていない。
【0012】
(本開示に至る経緯)
図1は、後退灯90の白色光が照射される範囲の一例を示す図である。なお、本開示では、説明の便宜上、車両10の幅方向の軸をX軸とし、車両10の全長方向の軸をY軸とし、車両10の高さ方向の軸をZ軸とする。また、説明の便宜上、Z軸の正方向を「上」、Z軸の負方向を「下」、Y軸の正方向を「前」、Y軸の負方向を「後」、X軸の正方向を「右」、X軸の負方向を「左」と称する場合がある。なお、これらの方向に係る表現は、説明の便宜上用いられるものであって、当該構造の実使用時における姿勢を限定する意図ではない。
【0013】
後退灯90は、車両10が後退を行う場合に点灯し、白色光を照射する。白色光は赤外線及び可視光線を含むため、車両10の後方に位置する人物1の白色光に照らされた部分は、車両10の後面12に設置された赤外線カメラ20に撮影される。
【0014】
後退灯90は、保安基準において他の交通を妨げないものであることと規定されているため、後退灯90の可視光線202の照射角θは、所定の範囲に制限される。可視光線202の照射角θの範囲を任意に大きくできると、不要な範囲にまで後退灯90の可視光線202が到達し、他の車両の運転者又は歩行者等に対して迷惑になるためである。
【0015】
そのため、
図1に示すように、夜間又は暗所において、後退灯90からの可視光線202は、車両10の後面12から比較的遠い人物(以下、遠方人物1Aと称する)については、全身を照らすことができるものの、車両10の後面12に比較的近い人物(以下、近接人物1Bと称する)については、全身を照らすことができず、例えば近接人物1Bの頭部及び足下を照らすことができない。この場合、夜間又は暗所において、赤外線カメラ20には、頭部及び足下が見えない近接人物1Bが撮影される。
【0016】
この場合、赤外線カメラ20が撮影した画像(以下、赤外線画像と称する)から人物検出を行う際、頭部及び足下が見えない近接人物1Bは、人物として検出されない可能性がある。
【0017】
また、赤外線画像から人物検出を行い、その検出した人物までの距離を測定する際、頭部及び足下が見えない近接人物1Bは、足下の位置が誤検出され、当該近接人物1Bまでの距離が正しく測定されない可能性がある。
【0018】
このような人物1の検出漏れ及び/又は人物1までの距離の誤測定は、車両10の後方の安全性向上の観点において解決が求められる。
【0019】
そこで、本開示は、可視光線202の照射角θの制限も考慮しつつ、赤外線カメラ20が車両10の後面12に比較的近い近接人物1Bの全身を撮影可能とする後退灯を提供する。加えて、本開示は、その後退灯を利用して、車両10の後方に存在する人物1を検出する装置及び方法を提供する。
【0020】
(実施の形態1)
<車両及び後退灯の構成>
次に、
図2~
図8を参照して、実施の形態1に係る車両10及び後退灯100の構成について説明する。
図2は、実施の形態1に係る車両10を上から見た平面図である。
図3は、実施の形態1に係る車両10を左後方から見た斜視図である。
図4は、実施の形態1に係る車両10と人物1との位置関係を説明するための図である。
図5は、実施の形態1に係る後退灯100の垂直断面(YZ断面)を示す図である。
図6は、実施の形態1に係る車両10の左後方に設置された後退灯100Aの水平断面(XY断面)を示す図である。
図7は、実施の形態1に係る車両10の右後方に設置された後退灯100Bの水平断面(XY断面)を示す図である。
図8は、実施の形態1に係る赤外線透過フィルタ130の特性の一例を示すグラフである。当該
図8に示すグラフにおいて、横軸は波長を示し、縦軸は透過率を示す。当該
図8に示すグラフは、「https://www.hoyacandeo.co.jp/japanese/products/eo/color/03.html」を参照したものである。
【0021】
図2に示すように、車両10は、第1車輪11A、第2車輪11B、第3車輪11C、第4車輪11Dを備え、所定の向きに走行可能である。ただし、車両10が備える車輪の数は、4個に限られず、3個以下であってもよいし、5個以上であってもよい。
【0022】
さらに、
図2~
図4に示すように、車両10は、赤外線カメラ20、後退灯100A(100)、及び、後退灯100B(100)を備える。なお、車両10が備える後退灯100の数は、2個に限られず、1個であってもよいし、3個以上であってもよい。
【0023】
後退灯100Aは、車両10の後面12の左端付近に設置され、後退灯100Bは、車両10の後面12の右端付近に設置される。後退灯100は、車両10の変速装置がリバースに操作された場合に点灯し、車両10の変速装置がリバース以外に操作された場合に消灯する。なお、後退灯100の構成の詳細については後述する。
【0024】
赤外線カメラ20は、車両10の後面12の中央付近に、車両10の後方を撮影可能に設置される。赤外線カメラ20は、赤外線203を受光することにより、車両10の後方を撮影し、赤外線画像を生成する。なお、赤外線カメラ20に代えて、RGB-IRカメラが車両10に設置されてもよい。RGB-IRカメラは、可視光線202及び赤外線203の両方を受光することにより、車両10の後方を撮影し、可視光線及び赤外線の撮影画像を生成する。したがって、本実施の形態における赤外線画像は、RGB-IRカメラによって撮影された可視光線及び赤外線の撮影画像に読み替えられてもよい。
【0025】
次に、後退灯100の構成について説明する。
図5~
図7に示すように、後退灯100は、光源110、リフレクタ120、赤外線透過フィルタ130、フィルタ開口部140、内側レンズ150、及び、外側レンズ160を含む。なお、後退灯100は、バックライト又は照明装置と読み替えられてもよい。
【0026】
光源110は、点灯すると白色光201を照射する。白色光201は、少なくとも可視光線202及び赤外線203を含む。光源110の例として、ハロゲンランプ、又は、白色Light Emitting Diode(LED)ランプ等が挙げられる。
【0027】
リフレクタ120は、
図5~
図7に示すように、後方(Y軸の負方向)が開口しているお椀型の形状を呈してよい。光源110は、お椀型のリフレクタ120の底の中心に、光軸200がY軸に沿うように(例えばY軸と平行となるように)配置される。
【0028】
また、
図5~
図7に示すように、リフレクタ120の底の中心を通り、かつ、Y軸に沿って(平行に)切断したときのリフレクタ120の断面は、U字型の形状を呈してよい。また、当該U字型の曲線部分は、放物線の形状を呈してよい。これにより、リフレクタ120は、光源110からリフレクタ120に向かう白色光201を後方に反射する。なお、リフレクタ120の形状は、
図5~
図7に示す形状に限られず、円錐型又は角錐等、光源110からリフレクタ120に向かう白色光101を後方に反射する形状であれば、どのような形状であってもよい。
【0029】
赤外線透過フィルタ130は、
図5~
図7に示すように、リフレクタ120の開口面に設けられる。赤外線透過フィルタ130は、例えば
図8に示すグラフのような特性を有する。すなわち、赤外線透過フィルタ130は、照射又は反射されて後方に向かう白色光201のうち、赤外線(例えば780nm以上の波長の光)を透過させ、可視光線202(例えば380nm~780nmの波長の光)の透過を妨げる(例えば可視光線202を遮断する)。赤外線透過フィルタ130は、バンドパスフィルタ又はロングパスフィルタと読み替えられてもよい。
【0030】
フィルタ開口部140は、赤外線透過フィルタ130の所定部分に、白色光201が透過するように形成される。すなわち、フィルタ開口部140は、照射又は反射されて後方に向かう白色光201を透過させる。フィルタ開口部140の形状は、円形又は楕円形であってもよいし、多角形であってもよい。フィルタ開口部140は、赤外線透過フィルタ130の所定部分をくり抜いて形成されてもよいし、赤外線透過フィルタ130の所定部分に白色光201を透過させる透明なフィルタを設けて形成されてもよい。フィルタ開口部140が形成される赤外線透過フィルタ130の所定部分は、光源110の光軸200が通過する部分であってよい。
【0031】
内側レンズ150は、赤外線透過フィルタ130及びフィルタ開口部140を覆うように設けられる。内側レンズ150は、フィルタ開口部140を透過した白色光201及び赤外線透過フィルタ130を透過した赤外線203を拡散する構成であってよい。
【0032】
外側レンズ160は、内側レンズ150を覆うように設けられる。外側レンズ160は、内側レンズ150を透過した白色光201及び赤外線203がそのまま透過する構成であってよい。
【0033】
次に、本実施の形態に係る後退灯100の作用及び効果について説明する。
【0034】
図5に示すように、光源110から照射された白色光201は、フィルタ開口部140、内側レンズ150、及び、外側レンズ160を透過して、車両10の後方を照らす。ここで、フィルタ開口部140の位置、サイズ及び形状を調整することで、可視光線202を含む白色光201の照射角を、保安基準を満たす所定範囲に制限することができる。例えば、白色光201の俯角(下向きの角度)θ1が5度、仰角(上向きの角度)θ2が15度となるように、フィルタ開口部140の位置、サイズ及び形状を調整する。
【0035】
加えて、
図5に示すように、光源110から照射された白色光201は、赤外線透過フィルタ130を通過する際に、可視光線202の透過が妨げられ(例えば可視光線202が遮断され)、赤外線203が透過する。したがって、
図5に示すように、赤外線203の上下方向の照射角αは、白色光201の上下方向の照射角θよりも大きくなる。より具体的には、赤外線203の俯角α1は、白色光201の俯角θ1よりも大きく、赤外線203の仰角α2は、白色光201の仰角θ2よりも大きくなる。
【0036】
そのため、
図4に示すように、車両10の後面12に近い近接人物1Bに対して、可視光線202の照射角θでは全身を照らすことができなかったものが、赤外線203の照射角αでは全身を照らすことができる。よって、赤外線カメラ20は、夜間又は暗所において、本実施の形態に係る後退灯100の点灯によって、近接人物1Bの全身を撮影することができるようになる。
【0037】
このように、本実施の形態によれば、赤外線203を照射する装置を新たに設けることなく、後退灯が従来から備える光源110(白色光源)を用いて、近接人物1Bの全身を赤外線203で照らすことができる後退灯100を実現できる。
【0038】
なお、
図5に示すように、フィルタ開口部140のY軸方向の仮想的な中心線C1が、光源110の光軸200よりも上方に位置するように、フィルタ開口部140は形成されてよい。あるいは、フィルタ開口部140の上端と赤外線透過フィルタ130の上端との間の長さH1が、フィルタ開口部140の下端と赤外線透過フィルタ130の下端との間の長さH2よりも短くなるように、フィルタ開口部140は形成されてよい。これにより、フィルタ開口部140は、俯角θ1よりも仰角θ2の方が大きい白色光201を、車両10の後方に透過させることができる。
【0039】
また、
図6に示すように、車両10の後面12の左端付近に設置された後退灯100Aでは、フィルタ開口部140のY軸方向の仮想的な中心線CLが、光源110の光軸200よりも右方に位置するように、フィルタ開口部140は形成されてよい。あるいは、フィルタ開口部140の右端と赤外線透過フィルタ130の右端との間の長さL1が、フィルタ開口部140の左端と赤外線透過フィルタ130の左端との間の長さL2よりも短くなるように、フィルタ開口部140は形成されてよい。これにより、車両10の後面12の左端付近に設置された後退灯100Aにおけるフィルタ開口部140は、光軸200からX軸の負方向に向かう方位角ψ1よりも光軸200からX軸の正方向に向かう方位角ψ2の方が大きい白色光201を、車両10の後方に透過させることができる。
【0040】
また、
図6に示すように、車両10の後面12の左端付近に設置された後退灯100Aにおいて、赤外線203の左右方向の照射角βは、白色光201の左右方向の照射角ψLよりも大きくなる。より具体的には、赤外線203の光軸200からX軸の負方向に向かう方位角β1は、白色光201の方位角ψ1よりも大きく、赤外線203の光軸200からX軸の正方向に向かう方位角β2は、白色光201の方位角ψ2よりも大きくなる。これにより、後退灯100Aは、左右方向においてより広範囲に位置する人物1を赤外線203で照らすことができる。
【0041】
また、
図7に示すように、車両10の後面12の右端付近に設置された後退灯100Bでは、フィルタ開口部140のY軸方向の仮想的な中心線CRが、光源110の光軸200よりも左方に位置するように、フィルタ開口部140は形成されてよい。あるいは、フィルタ開口部140の左端と赤外線透過フィルタ130の左端との間の長さR1が、フィルタ開口部140の右端と赤外線透過フィルタ130の右端との間の長さR2よりも短くなるように、フィルタ開口部140は形成されてよい。これにより、車両10の後面12の道端付近に設置された後退灯100Bにおけるフィルタ開口部140は、光軸200からX軸の正方向に向かう方位角ψ3よりも光軸200からX軸の負方向に向かう方位角ψ4の方が大きい白色光201を、車両10の後方に透過させることができる。
【0042】
また、
図7に示すように、車両10の後面12の左端付近に設置された後退灯100Bにおいて、赤外線203の左右方向の照射角βは、白色光201の左右方向の照射角ψRよりも大きくなる。より具体的には、赤外線203の光軸200からX軸の負方向に向かう方位角β1は、白色光201の方位角ψ4よりも大きく、赤外線203の光軸200からX軸の正方向に向かう方位角β2は、白色光201の方位角ψ3よりも大きくなる。これにより、後退灯100Bは、左右方向においてより広範囲に位置する人物1を赤外線203で照らすことができる。
【0043】
よって、赤外線カメラ20は、夜間又は暗所において、本実施の形態に係る後退灯100A、100Bの点灯によって、より広範囲の人物1を撮影することができるようになる。
【0044】
<人物検出処理>
次に、上述した本実施の形態に係る後退灯100を備えた車両10において、当該車両10の後方に位置する人物1を検出する人物検出処理について説明する。
【0045】
図9は、実施の形態1に係る人物検出処理に関連する装置の一例を示すブロック図である。
図10は、実施の形態1に係る人物検出処理の一例を示すフローチャートである。
図11は、実施の形態1に係る車両10の後方に人物1の存在を検出した場合における表示装置22の表示例を示す図である。
図12は、
図11に示す人物検出結果と比較するための表示装置の表示例を示す図である。
【0046】
図9に示すように、車両10は、赤外線カメラ20、変速装置21、表示装置22、後退灯100、及び、制御装置300を備える。これらの装置は、車載ネットワーク23を通じて、互いに情報を送受信できてよい。車載ネットワーク23の例として、Controller Area Network(CAN)、LIN、FlexRay等が挙げられる。
【0047】
赤外線カメラ20、及び、後退灯100については、上記で説明済みであるので、ここでは説明を省略する。
【0048】
変速装置21は、ギアを切り替える装置であり、パーキング(P)、ニュートラル(N)、ドライブ(D)、リバース(R)を切り替えることができる。運転者が、シフトレバーを操作して、変速装置21をリバースに切り替えた場合、車両10は後退可能となる。また、運転者が、シフトレバーを操作して、変速装置21をドライブに切り替えた場合、車両10は前進可能となる。
【0049】
表示装置22は、例えば運転席付近のダッシュボートに設置され、様々な画像及び情報を表示する。
【0050】
制御装置300は、車両10に関する様々な情報処理を行う。制御装置300は、Electronic Control Unit(ECU)、プロセッサ、CPU、コントローラ、Large Scale Integration(LSI)、又は、Field Programmable Gate Array(FPGA)等と読み替えられてもよい。本実施の形態では、制御装置300は、人物検出処理を行うことができる。なお、制御装置300は、所定のメモリに記憶された所定のコンピュータプログラムを実行することにより、人物検出処理を行ってもよい。次に、
図10を参照して、人物検出処理について詳細に説明する。
【0051】
制御装置300は、変速装置21がリバースに切り替えられたか否かを判定する(S101)。変速装置21がリバースに切り替えられていない場合(S101:NO)、本処理は終了する。
【0052】
変速装置21がリバースに切り替えられた場合(S101:YES)、制御装置300は、後退灯100を点灯させる(S102)。これにより、後退灯100は、保安基準に基づく照射角の可視光線202(白色光201)で車両10の後方を照らすと共に、可視光線202よりも広い照射角の赤外線203で車両10の後方を照らすことができる。
【0053】
赤外線カメラ20は、後退灯100によって照らされた車両10の後方を撮影し、赤外線画像30(
図11参照)を生成する(S103)。これにより、赤外線画像30には、後退灯100の赤外線203によって照らされた人物1が撮影され得るので、近接人物1Bについても全身が撮影され得る。
【0054】
制御装置300は、赤外線カメラ20によって撮影された赤外線画像30から、公知の人物検出方法によって人物を検出する(S104)。人物検出方法の例として、パターンマッチングによる人物検出方法、又は、人物検出用に機械学習を行った学習済みモデルを用いた人物検出方法等が挙げられる。なお、制御装置300は、人物(歩行者)に限らず、車両10の後方に存在する様々なオブジェクトを検出してもよい。当該オブジェクトの例として、馬、鹿、犬、猫等の動物、自転車に乗っている人物、カートを押している人物、他の車両などが挙げられる。
【0055】
制御装置300は、ステップS104において人物を検出できたか否かを判定する(S105)。
【0056】
人物を検出できなかった場合(S105:NO)、制御装置300は、赤外線画像を表示装置22に表示し(S106)、処理をステップS109に進める。
【0057】
人物を検出できた場合(S105:YES)、制御装置300は、
図11に示すように、赤外線画像30に含まれる人物画像31の位置32及びサイズ33等に基づいて、車両10の後方に実際に存在する近接人物1Bの位置301及び距離302(
図4参照)を特定(測定又は算出)する(S107)。そして、制御装置300は、
図11に示すように、赤外線画像30と、ステップS107で特定した近接人物1Bの位置32及び距離34をと表示装置22に表示する(S108)。
【0058】
本実施の形態に係る後退灯100を用いることにより、制御装置300は、
図11に示すように、近接人物1Bの全身が見える人物画像31を含む赤外線画像30と、精度の高い近接人物1Bの位置32及び距離34とを、表示装置22に表示することができる。したがって、例えば、車両10が、後退中に所定距離内に人物1(例えば歩行者)を検出したときに自動的にブレーキを作動させる自動ブレーキ機能を搭載する場合、夜間又は暗所であっても、その高い精度で特定した近接人物1Bまでの距離302を用いることができるので、高い安全性でブレーキを作動させることができる。
【0059】
一方、従来の後退灯90(
図1参照)を用いた場合、白色光201と赤外線203は同じ照射角であるので、
図12に示すように、近接人物1Bの頭部及び足下が見えない人物画像91を含む赤外線画像30が表示される。さらに、赤外線画像30からその頭部及び足下が見えない人物画像91を検出することになるため、精度の低い近接人物1Bの位置32及び距離34を特定してしまう。したがって、例えば、車両10が、後退中に所定距離内に人物を検出したときに自動的にブレーキを作動させる自動ブレーキ機能を搭載する場合、夜間又は暗所では、その低い精度で特定した近接人物1Bまでの距離を用いることになるため、高い安全性でブレーキを作動させることができない。
【0060】
図10の説明に戻る。制御装置300は、変速装置21がリバースでなくなったか否かを判定する(S109)。変速装置21がリバースである場合(S109:NO)、制御装置300は、処理をステップS103に戻す。変速装置21がリバースでなくなった場合(S109:NO)、制御装置300は、本処理を終了する。
【0061】
以上の処理により、制御装置300は、夜間又は暗所であっても、後退灯100の白色光201を用いて、車両10の後面12に近い近接人物1Bの位置301及び距離302を精度良く特定することができる。
【0062】
(本開示のまとめ)
以上の実施の形態の記載により、下記の技術が開示される。
【0063】
<技術1>
本開示に係る車両10の後退灯100用の照明装置は、少なくとも可視光線202及び赤外線203を含む白色光201を照射する光源110と、前記光源110から照射された前記白色光201の一部を反射するリフレクタ120と、前記照射及び前記反射された前記白色光201のうち、前記赤外線203を透過させ、前記可視光線202の透過を妨げる赤外線透過フィルタ130と、前記赤外線透過フィルタ130の所定部分に、前記照射及び前記反射された前記白色光201が透過するよう形成されたフィルタ開口部140と、を備える。
これにより、照明装置は、フィルタ開口部140から透過する白色光201よりも広い照射角で赤外線203を照射することができるので、後退灯100に赤外線203を照射できる機能を新たに搭載することなく、車両10の後方の広範囲に赤外線203を照射することができる。
【0064】
<技術2>
技術1に記載の照明装置において、前記フィルタ開口部140が形成された前記赤外線透過フィルタ130の所定部分は、前記光源110の光軸200が通過する部分である。
これにより、照明装置は、保安基準に基づく可視光線202を車両10の後方に照射することができる。
【0065】
<技術3>
技術1又は技術2に記載の照明装置において、前記フィルタ開口部120の上端と前記赤外線透過フィルタ130の上端との間の幅H1は、前記フィルタ開口部120の下端と前記赤外線透過フィルタ130の下端との間H2の幅よりも、短い。
これにより、照明装置は、保安基準に基づく可視光線202を車両10の後方に照射することができる。
【0066】
<技術4>
技術1から技術3のいずれか1項に記載の照明装置において、前記フィルタ開口部120の側から前記光源110の方を見た場合において、前記フィルタ開口部120の左端と前記赤外線透過フィルタ130の左端との間の長さR1は、前記フィルタ開口部120の右端と前記赤外線透過フィルタ130の右端との間の長さR2よりも、短い。
これにより、照明装置は、保安基準に基づく可視光線202を車両10の後方に照射することができる。
【0067】
<技術5>
技術1から技術4のいずれか1項に記載の照明装置において、前記フィルタ開口部120の側から前記光源110の方を見た場合において、前記フィルタ開口部120の右端と前記赤外線透過フィルタ130の右端との間の長さL1は、前記フィルタ開口部120の左端と前記赤外線透過フィルタ130の左端との間の長さL2よりも、短い。
これにより、照明装置は、保安基準に基づく可視光線202を車両10の後方に照射することができる。
【0068】
<技術6>
技術1から技術5のいずれか1項に記載の照明装置は、前記赤外線透過フィルタ130を透過した前記赤外線203及び前記フィルタ開口部140を透過した前記白色光210を拡散する内側レンズ150と、前記内側レンズ150を透過した前記赤外線203及び前記白色光201を透過させる外側レンズ160と、をさらに備える。
これにより、照明装置は、内側レンズ150と外側レンズ160を透過させた白色光201及び赤外線203を車両10の後方に照射することができる。
【0069】
<技術7>
第1車輪11Aと第2車輪11Bと第3車輪11Cと第4車輪11Dとを備え、所定の向きに走行可能な車両10は、前記車両10の後退灯100用の照明装置と、前記車両10の後方を撮影するように設置され、少なくとも赤外線203で撮像できる赤外線カメラ20と、制御装置300と、を備え、前記照明装置は、少なくとも可視光線202及び赤外線203を含む白色光201を照射する光源200と、前記光源200から照射された前記白色光201の一部を反射するリフレクタ120と、前記照射及び前記反射された前記白色光201のうち、前記赤外線203を透過させ、前記可視光線202の透過を妨げる赤外線透過フィルタ130と、前記赤外線透過フィルタ130の所定部分に、前記照射及び前記反射された前記白色光201が透過するよう形成されたフィルタ開口部140と、を備え、前記制御装置300は、前記照明装置が点灯しているときに前記赤外線カメラ20が撮影した赤外線画像30から、前記車両10の後方に存在する少なくとも人物1(例えば近接人物1B)を検出する。
これにより、照明装置は、フィルタ開口部140から透過する白色光201よりも広い照射角で赤外線203を照射することができるので、後退灯100に赤外線203を照射できる機能を新たに搭載することなく、車両10の後方の広範囲に赤外線203を照射することができる。また、当該照明装置を用いることにより、車両10の後方に存在する人物1の全身を照らすことができるので、赤外線カメラ20は当該人物1の全身を撮影することができ、制御装置300は、赤外線画像30から、より高い精度で車両10の後方に存在する人物1を検出できる。
【0070】
<技術8>
技術7に記載の車両10において、前記制御装置300は、前記人物1を検出した場合、前記赤外線画像30から前記人物1までの距離を特定する。
これにより、赤外線カメラ20は人物1の全身を撮影することができ、制御装置300は、赤外線画像30から、より高い精度で車両10の後方に存在する人物1までの距離を特定することができる。
【0071】
<技術9>
技術8に記載の車両10において、前記制御装置300は、特定した前記人物1までの距離に基づいて、前記車両10のブレーキを制御する。
これにより、制御装置300は、より高い精度で特定した車両10の後方に存在する人物1までの距離を用いることで、高い安全性でブレーキを制御することができる。
【0072】
<技術10>
技術7から技術9のいずれか1項に記載の車両10において、前記フィルタ開口部140が形成された前記赤外線透過フィルタ130の所定部分は、前記光源100の光軸200が通過する部分である。
これにより、照明装置は、保安基準に基づく可視光線202を車両10の後方に照射することができる。
【0073】
<技術11>
技術7から技術10のいずれか1項に記載の車両10において、前記照明装置において、前記フィルタ開口部140の上端と前記赤外線透過フィルタ130の上端との間の長さH1は、前記フィルタ開口部140の下端と前記赤外線透過フィルタ130の下端との間の長さH2よりも、短い。
これにより、照明装置は、保安基準に基づく可視光線202を車両10の後方に照射することができる。
【0074】
<技術12>
技術7から技術11のいずれか1項に記載の車両10において、前記車両10の右後方に設けられる前記照明装置(例えば後退灯100B)において、前記フィルタ開口部140の左端と前記赤外線透過フィルタ130の左端との間の長さR1は、前記フィルタ開口部140の右端と前記赤外線透過フィルタ130の右端との間の長さR2よりも、短く、前記車両10の左後方に設けられる前記照明装置(例えば後退灯100A)において、前記フィルタ開口部140の右端と前記赤外線透過フィルタ130の右端との間の長さL1は、前記フィルタ開口部140の左端と前記赤外線透過フィルタ130の左端との間の長さL2よりも、短い。
これにより、車両10の右後方及び左後方に設けられた照明装置は、保安基準に基づく可視光線202を車両10の後方に照射することができる。
【0075】
以上、添付図面を参照しながら実施の形態について説明したが、本開示はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例、修正例、置換例、付加例、削除例、均等例に想到し得ることは明らかであり、それらについても本開示の技術的範囲に属すると了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、上述した実施の形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0076】
本開示の技術は、車両が後退する際の安全性向上に有用である。
【符号の説明】
【0077】
1 人物
1A 遠方人物
1B 近接人物
10 車両
11A 第1車輪
11B 第2車輪
11C 第3車輪
11D 第4車輪
12 後面
20 赤外線カメラ
21 変速装置
22 表示装置
23 車載ネットワーク
30 赤外線画像
31 人物画像
90 後退灯
91 人物画像
100、100A、100B 後退灯
110 光源
120 リフレクタ
130 赤外線透過フィルタ
140 フィルタ開口部
150 内側レンズ
160 外側レンズ
200 光軸
201 白色光
202 可視光線
203 赤外線
300 制御装置