(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128587
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】画像形成システム、および画像形成システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
G03G 21/00 20060101AFI20240913BHJP
H04N 1/12 20060101ALI20240913BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240913BHJP
B41J 29/393 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
G03G21/00 510
H04N1/12
H04N1/00 002A
B41J29/393 101
B41J29/393 105
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037623
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】山下 功
【テーマコード(参考)】
2C061
2H270
5C062
5C072
【Fターム(参考)】
2C061AP01
2C061AQ06
2C061AR03
2C061AS02
2C061KK06
2C061KK22
2C061KK26
2C061KK28
2C061KK31
2H270LA19
2H270LC02
2H270LC03
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2H270LD15
2H270MB03
2H270MB07
2H270MB25
2H270MC55
2H270RA13
2H270RB09
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2H270ZC04
5C062AA05
5C062AA35
5C062AB02
5C062AB08
5C062AB22
5C062AB23
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5C062AE03
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5C062BD01
5C072AA01
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5C072UA13
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5C072WA03
5C072XA03
(57)【要約】 (修正有)
【課題】画像形成システムの構成の複雑化に伴うダウンタイムの増加を抑制できる画像形成システム、および画像形成システムの制御方法を提供する。
【解決手段】画像形成システム30は、画像形成部300、第1読取部200、および第2読取部400を有する。画像形成部300は、記録媒体Sに画像を形成する。第1読取部200は、記録媒体Sの搬送方向において、画像形成部300より上流側に設けられ、記録媒体Sを読み取る。第2読取部400は、記録媒体Sの搬送方向において、画像形成部300より下流側に設けられ、記録媒体Sを読み取る。第1読取部200と第2読取部400とがそれぞれの読取結果に基づいて相互に他方の読取部を制御する。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記記録媒体の搬送方向において、前記画像形成部より上流側に設けられ、前記記録媒体を読み取る第1読取部と、
前記記録媒体の搬送方向において、前記画像形成部より下流側に設けられ、前記記録媒体を読み取る第2読取部と、を備え、
前記第1読取部と前記第2読取部とがそれぞれの読取結果に基づいて相互に他方の読取部を制御する、画像形成システム。
【請求項2】
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記記録媒体の搬送方向において、前記画像形成部より上流側に設けられ、前記記録媒体を読み取る第1読取部と、
前記記録媒体の搬送方向において、前記画像形成部より下流側に設けられ、前記記録媒体を読み取る第2読取部と、
前記第1読取部の読取結果と前記第2読取部の読取結果とに基づいて、前記第1読取部と前記第2読取部の少なくとも一方の読取部の異常を判定する判定部と、を備える画像形成システム。
【請求項3】
前記第2読取部は、前記画像形成部により画像が形成された記録媒体を読み取り、
前記判定部は、前記第1読取部の読取結果に基づく前記記録媒体のサイズと、前記第2読取部の読取結果に基づく前記記録媒体の用紙搬送方向の端部から形成された画像までの距離とに基づいて、前記第1読取部と前記第2読取部の少なくとも一方の読取部の異常を判定する、請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項4】
前記記録媒体の搬送方向において、前記画像形成部より上流側に設けられ、前記記録媒体の物性を検知する検知部をさらに備え、
前記判定部は、前記検知部の検知結果に基づいて、前記第1読取部と前記第2読取部の少なくとも一方の読取部の異常を判定する、請求項3に記載の画像形成システム。
【請求項5】
前記画像形成部により形成された画像を記録媒体に定着させる定着部をさらに備え、
前記第2読取部は、前記定着部による定着後の記録媒体を読み取り、
前記判定部は、前記第1読取部の読取結果に基づく前記記録媒体のサイズと、前記第2読取部の読取結果に基づく前記記録媒体のサイズとに基づいて、前記第2読取部の異常を判定する、請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項6】
前記判定部は、前記第1読取部の読取結果に基づく前記記録媒体の色と、前記第2読取部の読取結果に基づく前記記録媒体の色とに基づいて、前記第1読取部と前記第2読取部の少なくとも一方の読取部の異常を判定する、請求項2に記載の画像形成システム。
【請求項7】
前記第2読取部は、前記画像形成部により画像が形成された記録媒体を読み取り、
前記判定部は、前記画像形成部により形成される画像の画像データと、前記第1読取部の読取結果に基づく色と、前記第2読取部の読取結果に基づく色とに基づいて、前記第1読取部と前記第2読取部の少なくとも一方の読取部の異常を判定する、請求項6に記載の画像形成システム。
【請求項8】
前記第1読取部と前記第2読取部とがそれぞれの読取結果に基づいて相互に他方の読取部を制御する、請求項2~7のいずれか1項に記載の画像形成システム。
【請求項9】
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記記録媒体の搬送方向において、前記画像形成部より上流側に設けられ、前記記録媒体を読み取る第1読取部と、
前記記録媒体の搬送方向において、前記画像形成部より下流側に設けられ、前記記録媒体を読み取る第2読取部と、を備える画像形成システムを制御する制御方法であって、
前記第1読取部により、画像が未形成の記録媒体を読み取るステップ(a)と、
前記画像形成部により、前記記録媒体に画像を形成するステップ(b)と、
前記第2読取部により、前記ステップ(b)において画像が形成された前記記録媒体を読み取るステップ(c)と、
前記第1読取部と前記第2読取部とがそれぞれの読取結果に基づいて相互に他方の読取部を制御するステップ(d)と、を含む、制御方法。
【請求項10】
記録媒体に画像を形成する画像形成部と、
前記記録媒体の搬送方向において、前記画像形成部より上流側に設けられ、前記記録媒体を読み取る第1読取部と、
前記記録媒体の搬送方向において、前記画像形成部より下流側に設けられ、前記記録媒体を読み取る第2読取部と、を備える画像形成システムを制御する制御方法であって、
前記第1読取部により、画像が未形成の記録媒体を読み取るステップ(a)と、
前記画像形成部により、前記記録媒体に画像を形成するステップ(b)と、
前記第2読取部により、前記ステップ(b)において画像が形成された前記記録媒体を読み取るステップ(c)と、
前記第1読取部の読取結果と前記第2読取部の読取結果とに基づいて、前記第1読取部と前記第2読取部の少なくとも一方の読取部の異常を判定するステップ(d)と、を含む、制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成システム、および画像形成システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
用紙搬送制御、断裁位置制御、印字位置制御等における精度を向上するため、用紙搬送路上の複数個所に用紙読取部を設置し、搬送される用紙に対して読み取り動作を行う画像形成システムが知られている(例えば、下記特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、複数の用紙読取部を有する画像形成システムにおいては、構成の複雑化により、サービスマンが故障個所を特定するのに時間が掛かり、画像形成システムが故障によって使用できない時間(すなわちダウンタイム)が増加する可能性がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、画像形成システムの構成の複雑化に伴うダウンタイムの増加を抑制できる画像形成システム、および画像形成システムの制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の上記目的は、下記の手段によって達成される。
【0007】
(1)記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記記録媒体の搬送方向において、前記画像形成部より上流側に設けられ、前記記録媒体を読み取る第1読取部と、前記記録媒体の搬送方向において、前記画像形成部より下流側に設けられ、前記記録媒体を読み取る第2読取部と、を備え、前記第1読取部と前記第2読取部とがそれぞれの読取結果に基づいて相互に他方の読取部を制御する、画像形成システム。
【0008】
(2)記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記記録媒体の搬送方向において、前記画像形成部より上流側に設けられ、前記記録媒体を読み取る第1読取部と、前記記録媒体の搬送方向において、前記画像形成部より下流側に設けられ、前記記録媒体を読み取る第2読取部と、前記第1読取部の読取結果と前記第2読取部の読取結果とに基づいて、前記第1読取部と前記第2読取部の少なくとも一方の読取部の異常を判定する判定部と、を備える画像形成システム。
【0009】
(3)前記第2読取部は、前記画像形成部により画像が形成された記録媒体を読み取り、前記判定部は、前記第1読取部の読取結果に基づく前記記録媒体のサイズと、前記第2読取部の読取結果に基づく前記記録媒体の用紙搬送方向の端部から形成された画像までの距離とに基づいて、前記第1読取部と前記第2読取部の少なくとも一方の読取部の異常を判定する、上記(2)に記載の画像形成システム。
【0010】
(4)前記記録媒体の搬送方向において、前記画像形成部より上流側に設けられ、前記記録媒体の物性を検知する検知部をさらに備え、前記判定部は、前記検知部の検知結果に基づいて、前記第1読取部と前記第2読取部の少なくとも一方の読取部の異常を判定する、上記(3)に記載の画像形成システム。
【0011】
(5)前記画像形成部により形成された画像を記録媒体に定着させる定着部をさらに備え、前記第2読取部は、前記定着部による定着後の記録媒体を読み取り、前記判定部は、前記第1読取部の読取結果に基づく前記記録媒体のサイズと、前記第2読取部の読取結果に基づく前記記録媒体のサイズとに基づいて、前記第2読取部の異常を判定する、上記(2)に記載の画像形成システム。
【0012】
(6)前記判定部は、前記第1読取部の読取結果に基づく前記記録媒体の色と、前記第2読取部の読取結果に基づく前記記録媒体の色とに基づいて、前記第1読取部と前記第2読取部の少なくとも一方の読取部の異常を判定する、上記(2)に記載の画像形成システム。
【0013】
(7)前記第2読取部は、前記画像形成部により画像が形成された記録媒体を読み取り、前記判定部は、前記画像形成部により形成される画像の画像データと、前記第1読取部の読取結果に基づく色と、前記第2読取部の読取結果に基づく色とに基づいて、前記第1読取部と前記第2読取部の少なくとも一方の読取部の異常を判定する、上記(6)に記載の画像形成システム。
【0014】
(8)前記第1読取部と前記第2読取部とがそれぞれの読取結果に基づいて相互に他方の読取部を制御する、上記(2)~(7)のいずれか1つに記載の画像形成システム。
【0015】
(9)記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記記録媒体の搬送方向において、前記画像形成部より上流側に設けられ、前記記録媒体を読み取る第1読取部と、前記記録媒体の搬送方向において、前記画像形成部より下流側に設けられ、前記記録媒体を読み取る第2読取部と、を備える画像形成システムを制御する制御方法であって、前記第1読取部により、画像が未形成の記録媒体を読み取るステップ(a)と、前記画像形成部により、前記記録媒体に画像を形成するステップ(b)と、前記第2読取部により、前記ステップ(b)において画像が形成された前記記録媒体を読み取るステップ(c)と、前記第1読取部と前記第2読取部とがそれぞれの読取結果に基づいて相互に他方の読取部を制御するステップ(d)と、を含む、制御方法。
【0016】
(10)記録媒体に画像を形成する画像形成部と、前記記録媒体の搬送方向において、前記画像形成部より上流側に設けられ、前記記録媒体を読み取る第1読取部と、前記記録媒体の搬送方向において、前記画像形成部より下流側に設けられ、前記記録媒体を読み取る第2読取部と、を備える画像形成システムを制御する制御方法であって、前記第1読取部により、画像が未形成の記録媒体を読み取るステップ(a)と、前記画像形成部により、前記記録媒体に画像を形成するステップ(b)と、前記第2読取部により、前記ステップ(b)において画像が形成された前記記録媒体を読み取るステップ(c)と、前記第1読取部の読取結果と前記第2読取部の読取結果とに基づいて、前記第1読取部と前記第2読取部の少なくとも一方の読取部の異常を判定するステップ(d)と、を含む、制御方法。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、画像形成システムの構成の複雑化に伴うダウンタイムの増加を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る印刷システムの概略ブロック図である。
【
図2】
図1に示すプリンターコントローラーのハードウェア構成を例示する概略ブロック図である。
【
図3】
図1に示す画像形成システムの概略構成を例示する図である。
【
図4】
図1に示す画像形成システムの概略ブロック図である。
【
図5】
図4に示す画像形成システムの制御部の構成を示す概略ブロック図である。
【
図6】用紙の表裏に形成される画像の位置を合わせる制御(フィードフォワード表裏位置合わせ制御)について説明するための概念図である。
【
図7】
図1に示す画像形成システムの制御方法の処理手順を例示するフローチャートである。
【
図8】本発明の第2の実施形態に係る印刷システムの概略ブロック図である。
【
図9】第2の実施形態における用紙のフィードフォワード表裏位置合わせ制御について説明するための概念図である。
【
図10】
図8に示す画像形成システムの制御方法の処理手順を例示するフローチャートである。
【
図11】本発明の第3の実施形態に係る印刷システムの制御方法の処理手順を例示するフローチャートである。
【
図12】本発明の第4の実施形態に係る印刷システムの制御方法の処理手順を例示するフローチャートである。
【
図13】用紙に形成予定の形成予定画像を例示する模式図である。
【
図14A】第1読取装置が正常時の白紙画像を例示する模式図である。
【
図14B】第1読取装置が異常時の白紙画像を例示する模式図である。
【
図15A】第1読取装置が正常時の合成画像を例示する模式図である。
【
図15B】第1読取装置が異常時の合成画像を例示する模式図である。
【
図16A】第1読取装置が正常時の合成画像の画素諧調合計値を例示する模式図である。
【
図16B】第1読取装置が異常時の合成画像の画素諧調合計値を例示する模式図である。
【
図18】形成画像の画素諧調合計値を例示する模式図である。
【
図19】本発明の第5の実施形態に係る印刷システムの制御方法の処理手順を例示するフローチャートである。
【
図20】第2読取装置が異常時の形成画像を例示する模式図である。
【
図21】第2読取装置が異常時の形成画像の画素諧調合計値を例示する模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、添付した図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、図面の寸法比率は、説明の都合上誇張されており、実際の比率とは異なる場合がある。
【0020】
(第1の実施形態)
<印刷システムの構成>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る印刷システム1の構成を説明するための概略ブロック図である。
図1に示すように、印刷システム1はクライアント端末10、プリンターコントローラー20、および画像形成システム30を有する。クライアント端末10、プリンターコントローラー20、および画像形成システム30は、通信回線40を通じて互いに通信可能に接続されている。
【0021】
クライアント端末10は、例えばパーソナルコンピューター、タブレット端末、スマートフォン等でありうる。クライアント端末10には、原稿データを印刷ジョブに変換するためのプリンタードライバーがインストールされている。プリンタードライバーは、プリンターコントローラー20が対応可能な形式による印刷ジョブを生成し、通信回線40を通じて印刷ジョブをプリンターコントローラー20へ送信する。
【0022】
印刷ジョブは、例えば、PDL(Page Description Language)形式の印刷データおよび印刷設定データを含む。印刷設定データには、ページ数、部数、用紙の種類、サイズ、坪量、検品機能の設定、片面印刷/両面印刷の設定等に関する情報が含まれる。
【0023】
通信回線40は、イーサネット(登録商標)、FDDI(Fiber Distributed Data Interface)、Wi-Fi(Wireless Fidelity)等の規格によりコンピューターやネットワーク機器同士を接続したLAN(Local Area Network)、あるいはLAN同士を専用線で接続したWAN(Wide Area Network)等を備えうる。
【0024】
なお、通信回線40に接続される上記各構成要素の台数は
図1に例示する場合に限定されない。
【0025】
<プリンターコントローラーの構成>
図2は、
図1に示すプリンターコントローラー20のハードウェア構成を例示する概略ブロック図である。プリンターコントローラー20は、印刷画像データを生成し、画像形成システム30に送信する。
【0026】
プリンターコントローラー20は、メモリー21、補助記憶部22、通信I/F部23、およびCPU(Central Processing Unit)24を有し、これらの構成要素は、内部バス25により接続されている。メモリー21は、RAM(Random Access Memory)およびROM(Read Only Memory)を備える(不図示)。上記RAMは、作業領域として一時的にプログラムおよび送受信データを記憶する高速アクセス可能な主記憶装置である。また、上記ROMは、各種プログラムや各種データを記憶している。
【0027】
補助記憶部22は、例えば、SSD(Solid State Drive)、HDD(Hard Disk Drive)等の大容量の記憶装置を備え、オペレーティングシステム、制御プログラムP20等を含む各種プログラムを記憶する。
【0028】
通信I/F部23は、通信回線40を介してクライアント端末10との間でデータを送受信するためのインターフェースである。
【0029】
CPU24は、上記各種プログラムに従って、印刷画像データを生成し、通信I/F部23および画像形成システム30を制御するため、各種の判断処理や演算処理を実行する。プリンターコントローラー20の機能は、各々の機能に対応するプログラムをCPU24が実行することにより実現される。プリンターコントローラー20は、通信回線40を通じてクライアント端末10から受信した印刷ジョブを解析し、色変換、スクリーニングおよびラスタライズ等の処理を実行し、ビットマップ形式の印刷画像データを生成する。
【0030】
<画像形成システムの構成>
図3は
図1に示す画像形成システム30の概略構成を例示する図であり、
図4は
図1に示す画像形成システム30の概略ブロック図である。また、
図5は
図4に示す画像形成システム30の制御部380の構成を示す概略ブロック図である。
【0031】
図3に示すように、本実施形態の画像形成システム30は、X方向(用紙搬送方向)に沿って直列に接続された給紙装置100、第1読取装置200、画像形成装置300、第2読取装置400、および後処理装置500を有する。なお、
図3に示す画像形成システム30の構成は一例であり、画像形成システム30に含まれる装置の種類および台数は
図1に示す例に限定されない。
【0032】
<給紙装置100>
給紙装置100は、画像形成装置300の指示に応じて、第1読取装置200に記録媒体としての用紙を供給する。
図4に示すように、給紙装置100は、給紙部110、用紙搬送部120、通信部130、および制御部140を有する。給紙部110、用紙搬送部120、通信部130、および制御部140は、内部バス101により相互に通信可能に接続されている。
【0033】
給紙部110は、少なくとも1つの給紙トレイを備え、印刷に使用される用紙を収容する。給紙トレイに収容されている用紙Sは、用紙搬送部120の用紙搬送路に沿って複数の搬送ローラー対により第1読取装置200に1枚ずつ供給される。なお、記録媒体は、用紙に限らず、フィルム状のシート等であってもよい。
【0034】
通信部130は、画像形成装置300との間で制御信号やデータのやり取りを行う。制御部140は、給紙装置100用の制御プログラムを実行することにより、給紙部110、用紙搬送部120、および通信部130を制御する。
【0035】
<第1読取装置200>
第1読取装置200は、制御部380の指示に応じて、給紙装置100から搬送された用紙Sを読み取る。第1読取装置200は、用紙搬送部210、上側読取部220、下側読取部230、および通信部240を有する。これらの構成要素は、内部バス201により相互に通信可能に接続されている。上側読取部220、および/または下側読取部230は、第1読取部を構成する。
【0036】
用紙搬送部210は、用紙搬送路および複数の搬送ローラー対を備え、給紙装置100から供給された用紙Sを用紙搬送路に沿って画像形成装置300へ向けて搬送する。
【0037】
上側読取部220は、用紙搬送部210の用紙搬送路の上側に設置された上側スキャナー221と、上側スキャナー221と対向し、用紙搬送路の下側に設置された第1背景部材222とを有する。下側読取部230は、用紙搬送部210の用紙搬送路の下側に設置された下側スキャナー231と、下側スキャナー231と対向し、用紙搬送路の上側に設置された第2背景部材232とを有する。
【0038】
上側スキャナー221は、画像センサー、レンズ、およびミラーを含む光学系と、LED(Light Emitting Diode)光源と、制御部とを有する。また、下側スキャナー231も上側スキャナー221と同様の構成を有する。上側スキャナー221、および下側スキャナー231は、互いに独立して動作可能に構成されている。
【0039】
画像センサーは、例えば、CCD(Charge Coupled Device)ラインセンサーまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)ラインセンサーでありうる。上側スキャナー221および下側スキャナー231は、CIS(Contact Image Sensor)を用いて構成されてもよい。制御部は、CPU、メモリー(RAM、およびROM)、補助記憶部等を有し、光学系、および光源を制御することにより、カラー画像の読み取り等のカラースキャナーとしての各種の機能が実現される。
【0040】
第1背景部材222は、例えば、角柱状(例えば、四角柱状)の部材であって、部材の複数の側面が異なる色(例えば、黒色、および白色)を各々有する。上側読取部220の制御部が駆動源(不図示)を制御して、第1背景部材222の中心軸を回転させることにより、用紙Sを読み取る際の背景を異なる色(黒色、または白色)に切り替えられる。例えば、白色または明るい色の用紙Sを読み取る際には、第1背景部材222の黒色の面が背景として使用され、黒色または暗い色の用紙Sを読み取る際には、第1背景部材222の白色の面が背景として使用されうる。また、第2背景部材232も第1背景部材222と同様の構成を有する。
【0041】
また、上側スキャナー221は、第1背景部材222上の用紙搬送路を搬送される際に、用紙Sの四辺と、その近傍の第1背景部材222の一部とを含む、用紙Sのサイズ(長さおよび幅)よりも広い範囲の領域を読み取ることができるように構成されている。同様に、下側スキャナー231は、第1背景部材222上の用紙搬送路を搬送される際に、用紙Sの四辺と、その近傍の第2背景部材232の一部とを含む、用紙Sのサイズよりも広い範囲を読み取ることができるように構成されている。
【0042】
より具体的には、上側スキャナー221は、用紙Sが搬送されるX方向(用紙搬送方向)に直交する主走査方向(Y方向)において、表(オモテ)面(上面)の用紙Sの幅よりも広い範囲を読み取る。上側スキャナー221は、用紙搬送部210によって用紙Sが用紙搬送路上を搬送される間に、用紙Sに対する読み取りを複数回繰り返すことにより、用紙Sの表面の読取画像データを取得する。また、下側スキャナー231は、用紙Sの裏面(下面)における幅方向の用紙Sの幅よりも広い範囲を読み取る。下側スキャナー231は、用紙Sが用紙搬送路上を搬送される間に、用紙Sに対する読み取りを複数回繰り返すことにより、用紙Sの裏面の読取画像データが取得される。上側スキャナー221、および下側スキャナー231によって読み取られた表面および裏面の読取画像データは、画像形成システム30の制御部380に送信される。なお、画像センサーとしてラインセンサーを使用する代わりに、X方向に画素を走査して画像を読み取るセンサーを使用して読取画像データを取得してもよい。
【0043】
上側スキャナー221は、例えば、用紙Sの用紙搬送方向における読み取り値の変化に基づいて用紙Sの先端および後端を検出する。例えば用紙搬送方向において、読み取り値が黒色から白色へ変化したことに基づいて用紙Sの先端が検出され、読み取り値が白色から黒色へ変化したことに基づいて用紙Sの後端が検出されうる。また、上側スキャナー221は、用紙搬送路を搬送される用紙Sについて、主走査方向における読み取り値の変化に基づいて用紙Sの左端および右端を検出する。例えば、読み取り値が黒色から白色へ変化したことに基づいて用紙Sの左端が検出され、読み取り値が白色から黒色へ変化したことに基づいて用紙Sの右端が検出されうる。
【0044】
上側スキャナー221は、検出された用紙Sの先端、後端、左端および右端に基づいて用紙Sの外形を算出できる。本明細書において、用紙Sの外形は、用紙Sの用紙搬送方向における長さ(以下、単に「用紙の長さ」という)と、用紙搬送方向と直交する方向における用紙の長さ(以下、「用紙の幅」という)とを意味する。より具体的には、上側スキャナー221は、用紙Sの先端、および後端の検出タイミングの差(時間差)と用紙搬送速度とに基づいて用紙Sの長さMPLを算出できる。また、上側スキャナー221は、用紙Sの左端の位置と右端の位置との差に基づいて用紙Sの幅MPWを算出できる。また、下側スキャナー231も上側スキャナー221と同様に用紙Sの先端、後端、左端および右端に基づいて、用紙Sの外形(用紙Sの長さMPLおよび幅MPW)を算出できる。
【0045】
第1読取装置200は、上側スキャナー221、および下側スキャナー231のいずれかにより測定した用紙Sの長さMPL、および用紙の幅MPWを出力する。あるいは、上側スキャナー221により測定した用紙Sの長さ(L1)、および下側スキャナー231により測定した用紙Sの長さ(L2)の平均値MPL(=(L1+L2)/2)と、上側スキャナー221により測定した用紙Sの幅(W1)、および下側スキャナー231により測定した用紙Sの幅(W2)の平均値MPW(=(W1+W2)/2)とを出力するように構成することもできる。
【0046】
通信部240は、上側スキャナー221、および下側スキャナー223と画像形成装置300との間で制御信号や読取画像データのやり取りを行う。
【0047】
<画像形成装置300>
画像形成装置300は、プリンターコントローラー20から印刷画像データを受信し、これに基づいて用紙Sに画像を印刷する。
【0048】
本実施形態では、画像形成装置300は、印刷設定データに両面印刷が設定されている場合には、片面ずつ画像形成を行うことを想定している。すなわち画像形成装置300は、用紙Sの一方の面(表面)に画像を形成した後、用紙Sの表裏を反転し、用紙Sの他方の面(裏面)に画像を形成するように構成されている。
【0049】
画像形成装置300は、画像処理部310、画像形成部320、給紙部330、用紙搬送部340、定着部350、通信部360、操作表示部370、および制御部380を有する。これらの構成要素は、内部バス301により相互に通信可能に接続されている。
【0050】
画像処理部310は、通信部360により受信された印刷画像データに対して、ガンマ補正、スクリーン補正、濃度バランス等の画像処理を行い、処理された画像データを画像形成部320に送信する。
【0051】
画像形成部320は、帯電、露光、現像、および転写の各工程を含む電子写真方式等の周知の作像プロセスを用いて、画像データに基づいて画像を用紙S上に形成する。画像形成部320は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)の色ごとに、像担持体としての感光体ドラムおよびその周囲に配置された帯電部、光書込部、現像装置、および転写部を有して構成される。
【0052】
各感光体ドラムには、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、およびブラック(K)のトナー像が形成される。トナー像は、順次重ね合わされて転写部の中間転写ベルト321に1次転写される。中間転写ベルト321に1次転写されたトナー像は、用紙Sへ2次転写される。
【0053】
給紙部330は、用紙を画像形成部320に供給する。給紙部330は、複数の給紙トレイを有し、各々の給紙トレイには、例えばA4サイズやA3サイズ等のサイズの異なる用紙が収納されうる。
【0054】
用紙搬送部340は、用紙搬送路および複数の搬送ローラー対を有し、画像形成装置300内において用紙Sを搬送する。また、用紙搬送部340は、用紙反転部および循環搬送部を備えており、定着がなされた用紙Sの表裏を反転して排出したり、あるいは用紙Sの両面に画像を形成したりすることができる。
【0055】
定着部350は、用紙Sに形成されたトナー画像を定着する。定着部350は、内部にヒーターが配置された中空の加熱ローラーと、加熱ローラーに対向する加圧ローラーとを備える。加熱ローラーおよび加圧ローラーは、ヒーターにより所定温度(例えば160℃以上)に制御され、用紙Sに加熱・加圧処理を施し、トナー画像を定着する。
【0056】
画像が定着された用紙Sは、排紙部(不図示)を通じて第2読取装置400に供給される。
【0057】
通信部360は、ネットワークを経由して、例えば、プリンターコントローラー20に接続し、印刷画像データ等のデータを送受信する。
【0058】
操作表示部370は、入力部および出力部を有する。入力部は、例えば、キーボード、ボタン、およびタッチパネルを備え、キーボードによる文字入力、各種設定、印刷開始ボタンによる印刷開始の指示等の各種指示(入力)をユーザーが行うために利用される。また、出力部は、ディスプレイを備え、印刷ジョブの実施状況等を、ユーザーに提示するために使用される。
【0059】
制御部380は、画像処理部310、画像形成部320、給紙部330、用紙搬送部340、定着部350、通信部360、および操作表示部370を制御する。
図5に示すように、制御部380は、CPU381、補助記憶装置382、RAM383、およびROM384を有する。
【0060】
CPU381は、画像形成装置300用の制御プログラムP30を実行し、様々な機能を実現する。制御プログラムP30は、補助記憶装置382に記憶されており、CPU381によって実行される際に、RAM383にロードされる。補助記憶装置382は、例えば、SSD、HDD等の大容量の記憶装置を備える。RAM383には、CPU381の実行に伴う演算結果等が格納される。ROM384には、各種のパラメーター、各種プログラム等が記憶されている。
【0061】
<第2読取装置400>
第2読取装置400は、制御部380の指示に応じて、画像形成装置300から搬送された用紙Sに印刷された印刷画像を読み取る。第2読取装置400は、用紙搬送部410、上側読取部420、下側読取部430、および通信部440を有する。これらの構成要素は、内部バス401により相互に通信可能に接続されている。用紙搬送部410、および通信部440は、第1読取装置200における用紙搬送部210、および通信部240と各々同じ構成を有するので、用紙搬送部410、および通信部440の詳細な説明を省略する。上側読取部420、および/または下側読取部430は、第2読取部を構成する。
【0062】
上側読取部420は、用紙搬送部410の用紙搬送路の上側に設置された上側スキャナー421と、上側スキャナー421と対向し、用紙搬送路の下側に設置された第1背景部材422とを有する。下側読取部430は、用紙搬送部410の用紙搬送路の下側に設置された下側スキャナー241と、下側スキャナー431と対向し、用紙搬送路の上側に設置された第2背景部材432とを有する。
【0063】
上側スキャナー421は、用紙搬送部410によって用紙Sが用紙搬送路上を搬送される間に、用紙Sの表面に形成された画像を主走査方向に複数回繰り返し走査して読み取ることにより、用紙Sの表面の読取画像データを取得する。また、下側スキャナー431は、用紙搬送部410によって用紙Sが用紙搬送路上を搬送される間に、用紙Sの裏面に形成された画像を主走査方向に複数回繰り返し走査して読み取ることにより、用紙Sの裏面の読取画像データを取得する。上側スキャナー421、および下側スキャナー431によって読み取られた表面および裏面の読取画像データは、画像形成システム30の制御部380に送信される。
【0064】
<後処理装置500>
後処理装置500は、制御部380の指示に応じて、第2読取装置400から供給された用紙Sを搬送または後処理し、画像形成システム30の外部に排出する。後処理装置500は、用紙搬送部510、後処理部520、排紙部530、通信部540、および制御部550を有する。これらの構成要素は、内部バス501により相互に通信可能に接続されている。
【0065】
用紙搬送部510は、用紙搬送路および複数の搬送ローラー対を備え、第2読取装置400から供給された用紙Sを用紙搬送路に沿って搬送し、後処理部520または排紙部530に供給する。
【0066】
後処理部520は、搬送された用紙Sに後処理を実施する。後処理としては、例えば、パンチ処理、断裁処理等が挙げられる。
【0067】
排紙部530は、排紙トレイおよび排紙ローラー対を備え、第2読取装置400から供給され、用紙搬送路を搬送された用紙Sまたは後処理された用紙Sを排紙トレイに排紙する。
【0068】
通信部540は、制御部550と画像形成装置300との間で制御信号やデータのやり取りを行う。制御部550は、用紙搬送部510、後処理部520、排紙部530、および通信部540を制御する。制御部550のハードウェア構成は、制御部380のハードウェア構成と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0069】
<表裏位置合わせ制御>
図6は、用紙Sの表裏に形成される画像の位置を合わせる制御(フィードフォワード表裏位置合わせ制御)について説明するための概念図である。同図には、用紙Sの表面側から視た、用紙Sの両面に形成された各々の画像の領域(同図における一点鎖線および破線の領域)が重ね合わされて示されている。上述のように、本実施形態の画像形成装置300は、用紙Sの両面に片面ずつに画像を形成する画像形成装置であり、用紙Sの表面に画像を形成した後、用紙Sを反転して裏面に画像を形成するように構成されている。このような構成を有する画像形成装置では、用紙Sの両面に画像を形成する場合、用紙搬送方向において、裏面に形成される画像の位置を、表面に形成される画像の位置に合わせる制御が行われる。なお、本実施形態では、用紙搬送方向において裏面の画像が表面の画像よりも長く、主走査方向において表面の画像と裏面の画像とが同じ幅を有する場合を例示する。
【0070】
同図において、例えば、用紙Sの表面に画像が形成される際の用紙搬送方向を第1方向D1(同図において右から左の方向)とすると、用紙Sの裏面に画像が形成される際の用紙搬送方向は、第1方向D1とは反対方向の第2方向D2(同図において左から右の方向)となる。制御部380は、用紙Sの表面に画像を形成する場合、表面の画像形成時における用紙Sの先端(E1)から後端(E2)の方向に第1調整値だけ離れた位置(表面の画像形成位置)から画像を形成するように画像形成部320を制御する。第1調整値は、例えば、ユーザーによって予め入力され、補助記憶装置382に記憶されている。同図中の一点鎖線で表される範囲は、表面の画像の画像領域を示す。
【0071】
一方、制御部380は、用紙Sの裏面に画像を形成する場合、表裏位置合わせ位置Pにおいて、表面の画像領域端部の位置と裏面の画像領域端部の位置とが一致するように、画像形成部320による裏面の画像形成を制御する。破線で表される範囲は、裏面の画像の画像領域を示す。
【0072】
より具体的には、制御部380は、裏面の画像を上記破線で表される範囲に形成するため、裏面の画像形成時における用紙Sの先端(E2)から後端(E1)方向に第2調整値だけ離れた位置から裏面の画像形成位置まで画像を形成するように画像形成部320を制御する。ここで、第2調整値は、用紙SのD2方向の長さをPL、裏面の画像のD2方向の長さをILとして、PL-(第1調整値+IL)によって算出される。例えば、ILは画像データに基づいて取得(算出)されうる。また、PLは、第1読取装置200の測定結果に基づいて取得されうる。この理由は、以下の通りである。
【0073】
裏面の画像形成位置は、用紙SのD2方向の長さPLに基づいて算出される。したがって、給紙装置100から供給される各々の用紙のD2方向の長さPLが常に一定であれば、裏面の画像形成位置も常に一定となるので、表裏の画像形成位置も一致する。しかしながら、給紙装置100から供給される各々の用紙の長さPLにバラツキがある場合は、裏面の画像形成位置が変化する。その結果、表裏の画像形成位置にズレが生じる。そこで、本実施形態のフィードフォワード表裏位置合わせ制御においては、第1読取装置200において用紙SのD2方向の長さPLを測定し、測定された長さMPLを使用して第2調整値を算出する。これにより、裏面において用紙Sの測定された長さMPLに応じた画像形成位置に画像が形成されるので、表裏の画像形成位置は一致する。
【0074】
このように、用紙Sの表面について予め設定された第1調整値に応じて、用紙Sの裏面について用紙Sの先端側からの画像の位置(すなわち第2調整値)を制御することにより、表面および裏面の画像形成位置を表裏位置合わせ位置Pになるように制御できる。
【0075】
<画像形成システム30の制御方法>
第1読取装置200によって用紙Sの長さPLの測定が正確に行われる限り、フィードフォワード表裏位置合わせ制御により、表裏において形成される画像の位置は常に一致する。ところが、第1読取装置200による用紙Sの長さPLの測定に誤差が生じた場合、表裏において形成される画像の位置にズレが生じる。したがって、表裏の画像形成位置が一致するか否かにより、第1読取装置200の異常(故障も含む)を判定できる。すなわち、表裏の画像形成位置が一致する場合、すなわち、表裏において画像の位置合わせが正しく行われた場合は、第1読取装置200は正常であると判定でき、表裏の画像形成位置が一致しない場合は、第1読取装置200に異常が生じていると判定できる。
【0076】
表裏の画像形成位置が一致しているか否かは、位置ズレ検知用トンボ(以下、単に「トンボ」という)と呼ばれるマーカーを使用して判定することができる。より具体的には、画像形成部320は表面および裏面に形成する各々の画像の特定の位置(例えば、画像の四隅)に付して用紙Sにトンボを含む画像を形成し、第2読取装置400は用紙Sの表面および裏面の各々に形成されたトンボを読み取る。第2読取装置400による読み取りの結果、表裏両面における表裏位置合わせ位置Pに対応するトンボの位置が一致する場合、表裏の画像形成位置が一致していると判定される。例えば、表裏のトンボが重畳する面積割合が所定の閾値以上の場合、トンボの位置が一致すると判定する。一方、表裏両面における表裏位置合わせ位置Pに対応するトンボの位置が一致しない場合、表裏の画像形成位置が一致していないと判定される。
【0077】
以下、画像形成システム30の制御方法について説明する。
図7は、第1の実施形態に係る画像形成システム30の制御方法の処理手順を例示するフローチャートである。同図に示すフローチャートの処理は、制御部380、ならびに第1読取装置200および第2読取装置400の各々の制御部が制御プログラムを実行し、協働することにより実現される。
【0078】
まず、給紙装置100は、用紙Sを供給する(ステップS101)。制御部380は、ユーザーによる印刷指示に応じて、第1読取装置200に給紙するように制御部140に指示する。制御部140は、制御部380の指示に応じて、第1読取装置200に用紙Sを供給する。
【0079】
次に、第1読取装置200は、用紙Sの外形を測定する(ステップS102)。上側スキャナー221は、用紙搬送部210によって用紙Sが用紙搬送路上を搬送される間に、主走査方向において表面の用紙Sの幅よりも広い範囲を走査して読み取る。第1読取装置200は、用紙Sの先端、および後端を検出し、用紙の先端、および後端の検出タイミングの差と用紙搬送速度とに基づいて用紙の長さMPLを算出する。
【0080】
次に、制御部380は、用紙Sの表面における画像形成位置を設定する(ステップS103)。制御部380は、補助記憶装置382から第1調整値を読み出し、用紙Sの表面における画像形成位置を、用紙Sの先端(E1)から第1調整値だけ離れた位置(すなわち表裏位置合わせ位置P)に設定する。
【0081】
次に、制御部380は、用紙Sの表面に画像を形成する(ステップS104)。制御部380は、用紙Sの先端(E1)より第1調整値だけ離れた位置からトンボを含む画像を用紙Sの表面に形成するように画像形成部320を制御する。
【0082】
次に、制御部380は、用紙Sの表裏を反転する(ステップS105)。制御部380は、画像形成装置300内において、用紙搬送部340の用紙反転部により用紙Sの表裏を反転する。
【0083】
次に、制御部380は、用紙Sの裏面における画像形成位置を設定する(ステップS106)。より具体的には、制御部380は、ステップS102において算出した用紙Sの長さMPLに基づいて、用紙Sの表裏のトンボの位置が合うように補正した裏面の画像形成位置を算出する。より具体的には、制御部380は、用紙Sについて第2調整値(=MPL-(第1調整値+IL))を算出し、裏面の画像形成時における用紙Sの先端(E2)から第2調整値+ILだけ離れた位置を裏面の画像形成位置として設定する。
【0084】
次に、制御部380は、用紙Sの裏面に画像を形成する(ステップS107)。制御部380は、用紙Sの先端(E2)より第2調整値だけ離れた位置から、裏面における画像形成位置までトンボを含む画像を用紙Sの裏面に形成するように画像形成部320を制御する。
【0085】
次に、第2読取装置400は、表面および裏面において画像形成位置の位置ズレを検知する(ステップS108)。第2読取装置400は、上側スキャナー421、および下側スキャナー431により用紙Sの表裏両面のトンボを読み取る。第2読取装置400は、判定部として機能し、読み取りの結果、表裏位置合わせ位置Pに対応する表裏両面のトンボの位置が一致する場合、表面の画像形成位置の位置と、裏面の画像形成位置の位置との間においてズレが生じていないと判定する。一方、判定部は、読み取りの結果、表裏両面のトンボの位置が一致しない場合、表面の画像形成位置の位置と、裏面の画像形成位置の位置との間においてズレが生じていると判定する。
【0086】
次に、制御部380は、位置ズレが発生していない場合(ステップS109:NO)、プリントが完了したか否かを判定する(ステップS110)。制御部380は、プリントが完了している場合(ステップS110:YES)、処理を終了する(エンド)。一方、制御部380は、プリントが完了していない場合(ステップS110:NO)、ステップS101の処理に戻る。
【0087】
一方、位置ズレが発生している場合(ステップS109:YES)、第1読取装置200および第2読取装置400の少なくとも一方の読取装置に異常が発生している可能性がある。判定部は、第2読取装置400に異常が発生していないことが分かっている場合、位置ズレが発生している原因が第1読取装置200の異常に起因すると判断して、第1読取装置200(上側スキャナー221および/または下側スキャナー231)の異常を判定する(ステップS111)。このように、判定部は、用紙Sの表裏位置合わせ位置Pに対応する表裏両面のトンボの位置が一致しているか否かによって、第1読取装置200の異常を判定する。あるいは、判定部は、上側スキャナー221の読取結果に基づく用紙Sの長さMPL(サイズ)と、下側スキャナー431の各々の読取結果に基づく用紙Sの用紙搬送方向の端部(E2)から形成された画像までの距離(すなわち第2調整値)とに基づいて、第1読取装置200の異常を判定する。
【0088】
次に、第2読取装置400は、第1読取装置200を制御する(ステップS112)。第2読取装置400は、第1読取装置200および第2読取装置400のどちらに異常が生じているか判別できない場合、または第1読取装置200に異常が生じていると判定された場合は、第1読取装置200に校正紙を読み取らせることにより、第1読取装置200の異常の有無の確認、および校正を行う。より具体的には、第2読取装置400は、制御部380に対して、第1読取装置200による用紙サイズの測定を校正するための校正紙を給紙するように要求し、第1読取装置200は校正紙を読み取り、正しく読み取りが行われているかを確認する。第2読取装置400は、第1読取装置200の読み取りが正しく行われていない場合、第1読取装置200に対して用紙サイズの補正を行うように制御しうる。校正紙は、予め測定により正確なサイズが知られている用紙である。したがって、第2読取装置400は、第1読取装置200に校正紙を読み取らせることにより、第1読取装置200および第2読取装置400のどちらに異常が生じているか判別できない場合、第1読取装置200の異常の有無を確定できる。第1読取装置200の校正は、生産性を維持する観点から最小限にとどめることが好ましい。
【0089】
なお、第1読取装置200において用紙の長さが正確に測定できない原因として、例えば、用紙を読み取る際に適用した背景が適切ではないことが考えられる。そこで、第2読取装置400は、第1読取装置200に対して第1背景部材222または第2背景部材232を回転させて適切な背景とするように制御することもできる。
【0090】
また、用紙の長さが正確に測定できない他の原因として、例えば、用紙を読み取る際に第1読取装置200が使用したパラメーターが適切ではないことが考えられる。パラメーターとしては、例えば、ホワイトバランスや、黒レベルおよび白レベル等が挙げられる。例えば、第2読取装置400は、制御部380に対して、白色を校正するための校正紙を給紙するよう要求し、第1読取装置200に対してホワイトバランスの補正を行うように制御することもできる。
【0091】
このように、
図7に示すフローチャートの処理では、画像形成システム30は、用紙Sを供給後、用紙Sの外形を測定し、用紙Sの表面における画像形成位置を算出し、用紙Sの表面に画像を形成する。続いて、画像形成システム30は、用紙Sの表裏を反転後、用紙Sの裏面における画像形成位置を算出し、用紙Sの裏面に画像を形成する。そして、画像形成システム30は、表面の画像形成位置と、裏面の画像形成位置との位置ズレを検知し、位置ズレが発生した場合、第1読取装置200の異常を判定し、第1読取装置200を制御する。
【0092】
以上で説明した本実施形態の画像形成システム30は、下記の効果を奏することができる。
【0093】
第1読取装置200の異常を判定し、第1読取装置200を制御するので、画像形成システム30の構成の複雑化に伴うダウンタイムの増加を抑制できる。
【0094】
(第2の実施形態)
第2の実施形態においては、第1読取装置200が用紙の水分率を検知する検知部をさらに有し、画像形成装置300において用紙にトナー画像を定着する際における、用紙の水分率に応じて用紙が収縮する長さの期待値(収縮期待値)を算出し、収縮期待値を考慮して第2調整値を算出する場合について説明する。なお、説明の重複を避けるため、第1の実施形態と同じ構成については詳細な説明を省略する。
【0095】
図8は本発明の第2の実施形態に係る印刷システム31の概略ブロック図であり、
図9は第2の実施形態における用紙のフィードフォワード表裏位置合わせ制御について説明するための概念図である。第1読取装置200において、検知部250は、用紙搬送路を搬送される用紙S(画像が未形成の用紙)の水分率(水分量に関する物性値であり、含水率とも称される)を測定する。検知部250は、光学センサー、演算部、および記憶部(いずれも不図示)を有する。光学センサーは、発光素子、受光素子、およびレンズ、アパーチャー、コリメートレンズ、等の光学素子を含み、発光素子から近赤外線領域の所定の波長の光を用紙Sに照射し、反射された光を受光素子により検出する。演算部は、近赤外線領域の所定の波長の光の吸収率が用紙Sの水分率に応じて変化する性質を利用することにより、用紙Sの水分率を推定する。より具体的には、演算部は、用紙Sについて、近赤外線領域の所定の波長の光の吸収率と、水分率との関係を表す数式、またはテーブルに基づいて、測定された吸収率に対応する用紙Sの水分率を算出または取得する。上記数式、またはテーブルは、例えば、予め記憶部に記憶されている。
【0096】
画像形成装置300において、用紙Sは、定着部350によって加熱される際に、用紙Sに含まれる水分に応じて収縮する。用紙Sの両面が定着される場合は、表面に形成されたトナー画像が定着される際に収縮し、裏面に形成されたトナー画像が定着される際にさらに収縮する。
図9に示すように、表面の定着による収縮期待値を収縮期待値1とし、裏面の定着による収縮期待値を収縮期待値2とすると、表面および裏面の定着による収縮期待値は収縮期待値1と収縮期待値2とを合計した値となる。
【0097】
制御部380は、用紙Sの水分率と、定着による用紙Sの収縮期待値との関係を表す数式またはテーブルに基づいて、測定された水分率(検知結果)に対応する収縮期待値を算出(取得)する。上記数式またはテーブルは、例えば、予め補助記憶装置382に記憶されている。用紙Sの裏面に画像が形成される際は、用紙Sが表面の定着により収縮期待値1だけ既に収縮していると推定される。したがって、制御部380は、収縮期待値1を考慮した第2調整値(=MPL-(第1調整値+IL+表面の収縮期待値1))を算出し、用紙の先端(E2)から(第2調整値+IL+表面の収縮期待値1)だけ離れた位置を画像形成位置として設定する。
【0098】
<画像形成システム30の制御方法>
第1の実施形態と同様に、第1読取装置200によって用紙Sの長さPLの測定が正確に行われる限り、フィードフォワード表裏位置合わせ制御により、表裏の画像形成位置は常に一致する。ところが、用紙Sの水分率から算出(取得)した収縮期待値に誤差が生じた場合、表裏の画像形成位置にズレが生じうる。したがって、表裏の画像形成位置が一致するか否かにより、第1読取装置200(上側スキャナー211または下側スキャナー231)の異常(故障も含む)を検出できる。第1の実施形態と同様に、表裏の画像形成位置が一致しているか否かは、位置ズレ検知用トンボを使用して判定されうる。
【0099】
以下、本実施形態の画像形成システム30の制御方法について説明する。
図10は、
図8に示す画像形成システム30の制御方法の処理手順を例示するフローチャートである。同図に示すフローチャートの処理は、制御部380、ならびに第1読取装置200および第2読取装置400の各々の制御部が制御プログラムを実行し、協働することにより実現される。
【0100】
まず、給紙装置100は、用紙Sを供給する(ステップS201)。制御部380は、ユーザーによる印刷指示に応じて、第1読取装置200に給紙するように制御部140に指示する。制御部140は、制御部380の指示に応じて、第1読取装置200に用紙Sを供給する。
【0101】
次に、第1読取装置200は、用紙Sの外形および水分率を測定する(ステップS202)。例えば、上側スキャナー221は、用紙Sの先端、および後端の検出タイミングの差と用紙搬送速度とに基づいて用紙Sの長さMPL1を算出する。検知部250は、用紙Sによる吸収率を算出し、数式またはテーブルによって表される吸収率と水分率との関係から用紙Sの水分率を取得する。
【0102】
次に、制御部380は、表面、および裏面定着時の収縮期待値1、2を各々算出する(ステップS203)。制御部380は、ステップS202において算出された用紙Sの水分率に基づいて、数式またはテーブルによって表される水分率と収縮期待値との関係から、表面、および裏面定着時の収縮期待値1、2を各々算出する。
【0103】
次に、制御部380は、用紙Sの表面における画像形成位置を設定する(ステップS204)。制御部380は、補助記憶装置382から第1調整値を読み出し、用紙Sの表面における画像形成位置を、用紙Sの先端から第1調整値の位置(すなわち、表裏位置合わせ位置P)に設定する。
【0104】
次に、制御部380は、用紙Sの表面に画像を形成する(ステップS205)。制御部380は、用紙Sの先端(E1)より第1調整値だけ離れた位置からトンボを含む画像を用紙Sの表面に形成するように画像形成部320を制御する。
【0105】
次に、制御部380は、用紙Sの表裏を反転する(ステップS206)。制御部380は、画像形成装置300内において、用紙搬送部340の用紙反転部により用紙Sの表裏を反転する。
【0106】
次に、制御部380は、用紙Sの裏面における画像形成位置を設定する(ステップS207)。より具体的には、制御部380は、ステップS202において算出した用紙Sの長さMPL1に基づいて、用紙Sの表裏のトンボの位置が合うように補正した裏面の画像形成位置を算出する。より具体的には、制御部380は、用紙Sについて第2調整値(=MPL1-(第1調整値+IL+表面の収縮期待値1))を算出し、裏面の画像形成時における用紙Sの先端(E2)から(第2調整値+IL+表面の収縮期待値1)だけ離れた位置を裏面の画像形成位置として設定する。
【0107】
次に、制御部380は、用紙の裏面に画像を形成する(ステップS208)。制御部380は、用紙Sの先端(E2)より第2調整値だけ離れた位置から、裏面の画像形成位置までトンボを含む画像を用紙Sの裏面に形成するように画像形成部320を制御する。
【0108】
次に、第2読取装置400は、表面および裏面における画像形成位置のズレを検知し、用紙Sの外形を測定する(ステップS209)。第2読取装置400は、上側スキャナー421、および下側スキャナー431により用紙Sの表裏両面のトンボを読み取る。第2読取装置400は、判定部として機能し、読み取りの結果、表裏両面における表裏位置合わせ位置Pに対応するトンボの位置が一致する場合、表面の画像形成位置の位置と、裏面の画像形成位置の位置との間においてズレが生じていないと判定する。一方、判定部は、読み取りの結果、表裏両面における表裏位置合わせ位置Pに対応するトンボの位置が一致しない場合、表面の画像形成位置の位置と、裏面の画像形成位置の位置との間においてズレが生じていると判定する。また、第2読取装置400は、用紙Sの外形を測定する。例えば、上側スキャナー421は、用紙Sの先端、および後端の検出タイミングの差と用紙搬送速度とに基づいて用紙Sの長さMPL2を算出する。
【0109】
次に、制御部380は、位置ズレが発生していない場合(ステップS210:NO)、プリントが完了したか否かを判定する(ステップS211)。制御部380は、プリントが完了している場合(ステップS211:YES)、処理を終了する(エンド)。一方、制御部380は、プリントが完了していない場合(ステップS211:NO)、ステップS201の処理に戻る。
【0110】
一方、位置ズレが発生している場合(ステップS210:YES)、収縮期待値が正しいか否かを判定する(ステップS212)。第2読取装置400は、画像形成前の用紙Sの長さMPL1と両面に画像形成後の用紙Sの長さMPL2との差分DLが、収縮期待値1および収縮期待値2の合計値TSと等しいか否かに基づいて収縮期待値が正しいか否かを判定する。第2読取装置400は、差分DLが合計値TSと概ね等しい場合、収縮期待値が正しいと判定し、差分DLが合計値TSと等しくない場合、収縮期待値が正しくないと判定する。収縮期待値が正しい場合(ステップS212:YES)、ステップS211の処理に移行する。一方、収縮期待値が正しくない場合(ステップS212:NO)、第1読取装置200および第2読取装置400の少なくともいずれかの読取装置に異常が発生している可能性がある。第2読取装置400は、判定部として機能し、第2読取装置400に異常が発生していないことが分かっている場合、位置ズレが発生している原因が第1読取装置200の異常に起因すると判断して、第1読取装置200の異常を判定する(ステップS213)。
【0111】
次に、第2読取装置400は、第1読取装置200を制御する(ステップS214)。第1読取装置200の制御については、第1の実施形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0112】
このように、
図10に示すフローチャートの処理では、画像形成システム30は、用紙Sを供給後、用紙Sの外形および水分率を測定し、表面、および裏面定着時の収縮期待値を各々算出する。続いて、画像形成システム30は、用紙Sの表面における画像形成位置を算出し、用紙Sの表面に画像を形成し、用紙の表裏を反転後、用紙Sの裏面における画像形成位置を算出し、用紙Sの裏面に画像を形成する。そして、画像形成システム30は、表面の画像形成位置と、裏面の画像形成位置との位置ズレを検知し、位置ズレが発生し、収縮期待値が正しくない場合、第1読取装置の異常を判定し、第1読取装置200を制御する。
【0113】
以上で説明した本実施形態の画像形成システム30は、第1の実施形態の効果に加えて下記の効果を奏することができる。
【0114】
定着による用紙Sの収縮期待値を考慮して第2調整値を算出し、第1読取装置200の異常を判定するので、第1読取装置200の異常判定の精度を向上させることができる。
【0115】
(第3の実施形態)
第1および第2の実施形態においては、第1読取装置200における異常を判定する場合について説明した。第3の実施形態では、第2読取装置400における異常を判定する場合について説明する。第3の実施形態では、画像形成前後における用紙の長さを各々第1読取装置200および第2読取装置400によって測定し、定着の加熱により収縮した画像形成後の用紙の長さが、画像形成前の用紙の長さよりも短いか否かに基づいて第2読取装置400における異常を判定する。なお、説明の重複を避けるため、第1の実施形態と同じ構成については詳細な説明を省略する。
【0116】
図11は、第3の実施形態に係る画像形成システム30の制御方法の処理手順を例示するフローチャートである。同図に示すフローチャートの処理は、制御部380、ならびに第1読取装置200および第2読取装置400の各々の制御部が制御プログラムを実行し、協働することにより実現される。
【0117】
まず、給紙装置100は、用紙Sを供給する(ステップS301)。制御部380は、ユーザーによる印刷指示に応じて、第1読取装置200に給紙するように制御部140に指示する。制御部140は、制御部380の指示に応じて、第1読取装置200に用紙Sを供給する。
【0118】
次に、第1読取装置200は、用紙Sの外形を測定する(ステップS302)。例えば、上側スキャナー221は、用紙Sの先端、および後端の検出タイミングの差と用紙搬送速度とに基づいて用紙Sの長さMPL1を算出する。
【0119】
次に、制御部380は、用紙Sに画像を形成する(ステップS303)。制御部380は、画像形成装置300において、例えば、所定の画像を用紙Sの表面に形成する。
【0120】
次に、第2読取装置400は、用紙Sの外形を測定する(ステップS304)。例えば、上側スキャナー421は、用紙Sの先端、および後端の検出タイミングの差と用紙搬送速度とに基づいて用紙Sの長さMPL2を算出する。なお、第1読取装置200にて用紙Sの長さMPL1を測定した後、第2読取装置400にて用紙Sの長さMPL2を再度測定することにより、収縮後の用紙Sの長さMPL2を搬送制御に反映させることができる。その結果、第2読取装置400は、後処理装置500への用紙Sの正確な搬送制御を実現できる。第2読取装置400は、測定した用紙Sの長さMPL2を第1読取装置200に送信する。
【0121】
次に、第1読取装置200は、用紙Sの長さMPL1とMPL2とを比較する(ステップS305)。上側スキャナー221は、判定部として機能し、MPL1<MPL2である場合(ステップS305:YES)、第2読取装置400の異常を判定する(ステップS306)。用紙Sは、表面の定着によって収縮期待値1だけ収縮していると推定されるので、第2読取装置400が正常である場合、用紙Sの長さMPL1とMPL2とを比較した場合、MPL1>MPL2とであることが想定される。したがって、MPL1<MPL2である場合は、少なくとも第2読取装置400に異常が生じていることが考えられる。
【0122】
次に、第2読取装置を制御する(ステップS307)。第2読取装置400において用紙Sの長さが正確に測定できない原因として、例えば、用紙Sを読み取る際に適用した背景が適切ではないことが考えられる。そこで、第1読取装置200は、第2読取装置400に対して第1背景部材422および/または第2背景部材432を回転させて適切な背景とするように制御しうる。
【0123】
また、用紙Sの長さが正確に測定できない他の原因として、例えば、用紙Sを読み取る際に第2読取装置400が使用したパラメーターが適切ではないことが考えられる。パラメーターとしては、例えば、ホワイトバランスや、黒レベルおよび白レベル等が挙げられる。例えば、第1読取装置200は、制御部380に対して、白色を校正するための校正紙を給紙するよう要求し、第2読取装置400に対してホワイトバランスの補正を行うように制御しうる。
【0124】
一方、MPL1<MPL2ではない、すなわちMPL1≧MPL2である場合(ステップS305:NO)、第2読取装置400は正常である。制御部380は、プリントが完了したか否かを判定する(ステップS308)。制御部380は、プリントが完了している場合(ステップS308:YES)、処理を終了する(エンド)。一方、制御部380は、プリントが完了していない場合(ステップS308:NO)、ステップS301の処理に戻る。
【0125】
このように、
図11に示すフローチャートの処理では、画像形成システム30は、第1読取装置200に用紙Sを供給後、第1読取装置200にて用紙Sの長さMPL1を測定し、用紙Sに画像を形成後、第2読取装置400にて用紙Sの長さMPL2を測定する。そして、画像形成システム30は、MPL1とMPL2を比較し、MPL1よりもMPL2が大きい場合、第2読取装置400に異常が生じていると判定し、第2読取装置400を制御する。
【0126】
以上で説明した本実施形態の画像形成システム30は、第1の実施形態および第2の実施形態の効果に加えて下記の効果を奏することができる。
【0127】
第2読取装置400の異常を判定し、第2読取装置400を制御するので、画像形成システム30の構成の複雑化に伴うダウンタイムの増加をさらに抑制できる。
【0128】
また、第1の実施形態または第2の実施形態において、第1読取装置200および第2読取装置400のうち少なくとも一方に異常が生じていると判定された場合であって、第3の実施形態において第2読取装置400の異常が判定されなければ、第1読取装置200の異常を確定できる。また、第1の実施形態または第2の実施形態と、第3の実施形態とを組み合わせることにより、第1読取装置200および第2読取装置400の両方の読取装置に異常がある場合についても異常を判定でき、第1読取装置200と第2読取装置400とがそれぞれの読取結果に基づいて相互に他方の読取装置を制御できる。
【0129】
(第4の実施形態)
第4の実施形態では、画像が未形成の用紙(白紙)の読取画像(白紙画像)に、用紙に形成予定の画像(形成予定画像)を加えた合成画像と、形成予定画像に基づいて用紙に形成された画像の読取画像(形成画像)との比較結果に基づいて、第1読取装置200の異常を判定する場合について説明する。すなわち、第1読取装置200に異常が生じていなければ、合成画像は、形成画像に概ね一致し、両者に大きな差異は生じないと考えられる。一方、第1読取装置200に異常がある場合、合成画像と形成画像との間に差異が生じうるため、この差異に基づいて第1読取装置200の異常を判定できる。なお、説明の重複を避けるため、第1の実施形態と同じ構成については詳細な説明を省略する。
【0130】
図12は、第4の実施形態に係る画像形成システム30の制御方法の処理手順を例示するフローチャートである。同図に示すフローチャートの処理は、制御部380、ならびに第1読取装置200および第2読取装置400の各々の制御部が制御プログラムを実行し、協働することにより実現される。また、
図13は形成予定画像を例示する模式図であり、
図14Aは第1読取装置200が正常時の白紙画像を例示する模式図であり、
図14Bは第1読取装置200が異常時の白紙画像を例示する模式図である。また、
図15Aは第1読取装置200が正常時の合成画像を例示する模式図であり、
図15Bは第1読取装置200が異常時の合成画像を例示する模式図である。また、
図16Aは第1読取装置200が正常時の合成画像の画素諧調合計値を例示する模式図であり、
図16Bは第1読取装置200が異常時の合成画像の画素諧調合計値を例示する模式図である。また、
図17は形成画像を例示する模式図であり、
図18は形成画像の画素諧調合計値を例示する模式図である。
【0131】
図12に示すように、まず、画像形成装置300は、用紙Sに形成する予定の形成予定画像を入力する(ステップS401)。
図13に示すように、画像形成装置300は、例えばプリンターコントローラー20から形成予定画像を入力する。一例として、形成予定画像は赤色(Red)の文字(R)、緑色(Green)の文字(G)、および青色(Blue)の文字(B)を含む。なお、同図においては、図示の都合上、赤色を黒色、緑色を白抜き、青色をグレーに各々置き換えて表現している。
【0132】
次に、給紙装置100は、用紙Sを供給する(ステップS402)。制御部140は、制御部380の指示に応じて、第1読取装置200に用紙Sを供給する。
【0133】
次に、第1読取装置200は、用紙Sを読み取る(ステップS403)。例えば、上側スキャナー221は、画像が未形成の用紙Sの表面を読み取ることにより白紙画像を生成する。
図14Aに示すように、例えば、画像における各々の画素が8ビット×3原色(RGB)で構成され、上側スキャナー221が正常である場合、生成された白紙画像全体にわたり各々の画素の画素値がRGBの各色とも255(最大値)に近い値を有することが想定される。
【0134】
一方、上側スキャナー221において、RGBのうち、例えば青色(B)の読み取りに異常が発生している場合を想定する。この場合、例えば、白紙画像全体にわたり各々の画素の赤色(R)および緑色(G)の両色とも255(最大値)に近い値を有するが、青色(B)は0(最小値)を有することが想定される。その結果、
図14Bに示すように、白紙画像は、全体的に黄色に近い色を有する。
【0135】
次に、第1読取装置200(例えば、上側スキャナー221)は、白紙画像と形成予定画像とを合成して合成画像を生成する(ステップS404)。
図15Aに示すように、上側スキャナー221が正常である場合、合成画像は、形成予定画像を除く部分の画素値がRGBの各色とも255(最大値)に近い値を有する。一方、
図15Bに示すように、上側スキャナー221の青色(B)の読み取りに異常が発生している場合、合成画像は、形成予定画像を除く部分の画素値がRGの両色とも255(最大値)に近い値を有し、Bが0(最小値)を有する。
【0136】
次に、第1読取装置200は、合成画像について画素諧調合計値(T1)を算出する(ステップS405)。例えば、第1読取装置200の上側スキャナー221は、合成画像のRGB各色について各画素の画素値をすべての画素について合計することにより、色ごとの画素諧調合計値(T1)を算出する。第1読取装置200は、算出した画素諧調合計値(T1)を第2読取装置400に送信する。
【0137】
上述のとおり、合成画像は白紙画像と形成予定画像とを合成した画像である。また、上側スキャナー221が正常である場合、白紙画像の各々の画素の画素値はRGBとも255に近い値を有する。したがって、
図16Aに示すように、形成予定画像の画素諧調合計値のRGB間における差異が小さければ、合成画像の画素諧調合計値(T1)のRGB間における差異も小さくなる。
【0138】
一方、
図16Bに示すように、上側スキャナー221の青色(B)の読み取りに異常が生じている場合、白紙画像の各々の画素のBが欠落するため、Bに対する画素諧調合計値は、赤色(R)および緑色(G)に対する画素諧調合計値と比べて著しく小さくなる。
【0139】
次に、画像形成装置300は、用紙Sに画像を形成する(ステップS406)。制御部380は、形成予定画像に基づいて、用紙Sの表面に画像を形成するように制御する。
【0140】
次に、第2読取装置400は、用紙Sに形成された画像を読み取る(ステップS407)。例えば、
図17に示すように、上側スキャナー421は、用紙Sの表面に形成された画像を読み取ることにより形成画像を生成する。
【0141】
次に、第2読取装置400は、形成画像について画素諧調合計値(T2)を算出する(ステップS408)。例えば、第2読取装置400の上側スキャナー421は、形成画像のRGB各色について、各画素の画素値をすべての画素について合計することにより、色ごとの画素諧調合計値(T2)を算出する。
【0142】
次に、第2読取装置400は、画素諧調合計値(T1)と画素諧調合計値(T2)とを比較し、両者(画素諧調合計値(T1)と画素諧調合計値(T2))が異なるか否かを判定する(ステップS409)。第2読取装置400は、両者が異なるか否かを、例えば、両者の差が所定の閾値以上であるか否かによって判定する。上記差が閾値以上である場合、両者は異なると判定され、上記差が閾値未満である場合、両者は異ならない、すなわち同じであると判定される。
【0143】
第2読取装置400は、画素諧調合計値(T1)と画素諧調合計値(T2)とが同じである場合(ステップS409:NO)、プリントが完了したか否かを判定する(ステップS410)。制御部380は、プリントが完了している場合(ステップS410:YES)、処理を終了する(エンド)。一方、制御部380は、プリントが完了していない場合(ステップS410:NO)、ステップS401の処理に戻る。
【0144】
一方、第2読取装置400は、画素諧調合計値(T1)と画素諧調合計値(T2)とが異なる場合(ステップS409:YES)、(T2)と比較して(T1)に欠損が生じているか否かを判定する(ステップS411)。第2読取装置400は、(T2)と比較して(T1)に欠損が生じていない場合(ステップS411:NO)、ステップS410の処理に移行する。一方、第2読取装置400は、判定部として機能し、(T2)と比較して(T1)に欠損が生じている場合(ステップS411:YES)、第1読取装置200の異常を判定する(ステップS412)。例えば、上側スキャナー221の青色(B)の読み取りに異常が生じている場合、白紙画像の各々の画素のBが欠落するため、Bに対する画素諧調合計値は、赤色(R)および緑色(G)に対する画素諧調合計値と比べて著しく小さくなる。これにより、第1読取装置200(上側スキャナー221)の異常を判定できる。このように、第2読取装置400は、(T2)を基準として、(T1)の欠損の有無を判定するので、第2読取装置400の異常の有無の如何に拘わらず第1読取装置200の異常を判定できる。
【0145】
次に、第1読取装置200を制御する(ステップS413)。第1読取装置200の制御については、第1の実施形態と同様であるので、詳細な説明を省略する。
【0146】
このように、
図12に示すフローチャートの処理では、画像形成システム30は、用紙Sに形成する予定の形成予定画像を入力し、用紙Sを供給後、用紙Sを読み取り、合成画像を生成し、合成画像について画素諧調合計値(T1)を算出する。続いて、画像形成システム30は、用紙Sに画像を形成し、用紙Sに形成された画像を読み取り、形成画像について画素諧調合計値(T2)を算出する。そして、画像形成システム30は、画素諧調合計値(T1)と画素諧調合計値(T2)とを比較し、両者が異なっている場合、第1読取装置200に異常が生じていると判定する。
【0147】
以上で説明した本実施形態の画像形成システム30は、第1の実施形態の効果に加えて下記の効果を奏することができる。
【0148】
第1読取装置200において一部の色の読み取りに異常が生じた場合であっても、異常を判定できる。
【0149】
(第5の実施形態)
第4の実施形態では、合成画像と形成画像との比較結果に基づいて、第1読取装置200の異常を判定する場合について説明した。第5の実施形態では、合成画像と形成画像との比較結果に基づいて、第2読取装置400の異常を判定する場合について説明する。すなわち、第2読取装置400に異常が生じていなければ、合成画像は、形成画像に概ね一致し、両者に大きな差異は生じないと考えられる。一方、第2読取装置400に異常がある場合、合成画像と形成画像との間に差異が生じうるため、この差異に基づいて第2読取装置400の異常を判定できる。なお、説明の重複を避けるため、第1の実施形態と同じ構成については詳細な説明を省略する。
【0150】
図19は、第5の実施形態における画像形成システム30の制御方法の処理手順を例示するフローチャートである。同図に示すフローチャートの処理は、制御部380、ならびに第1読取装置200および第2読取装置400の各々の制御部が制御プログラムを実行し、協働することにより実現される。また、
図20は第2読取装置400が異常時の形成画像を例示する模式図であり、
図21は第2読取装置400が異常時の形成画像の画素諧調合計値を例示する模式図である。
【0151】
図19において、ステップS501~S510の処理は、第4の実施形態における
図12のステップS401~S410の処理と同一であるので、詳細な説明を省略する。
【0152】
ステップS511において、(T1)と比較して(T2)に欠損が生じているか否かを判定する。第1読取装置200は、(T1)と比較して(T2)に欠損が生じていない場合(ステップS511:NO)、ステップS510の処理に移行する。一方、第1読取装置200は、判定部として機能し、(T1)と比較して(T2)に欠損が生じている場合(ステップS511:YES)、第2読取装置400の異常を判定する(ステップS512)。
図20および
図21に示すように、例えば、上側スキャナー421の赤色(R)の読み取りに異常が生じている場合、形成画像の各々の画素のRが欠落するため、Rに対する画素諧調合計値は、緑色(G)および青色(B)に対する画素諧調合計値と比べて著しく小さくなる。これにより、第2読取装置400(上側スキャナー421)の異常を判定できる。このように、第1読取装置200は、(T1)を基準として、(T2)の欠損の有無を判定するので、第1読取装置200の異常の有無の如何に拘わらず第2読取装置400の異常を判定できる。
【0153】
以上で説明した本実施形態の画像形成システム30は、第1の実施形態の効果に加えて下記の効果を奏することができる。
【0154】
第2読取装置400において一部の色の読み取りに異常が生じた場合であっても、異常を判定できる。
【0155】
また、第4の実施形態と第5の実施形態とを組み合わせることにより、第1読取装置200および第2読取装置400の両方の読取装置に異常がある場合についても異常を判定でき、第1読取装置200と第2読取装置400とがそれぞれの読取結果に基づいて相互に他方の読取部を制御することができる。
【0156】
以上のように、実施形態において、画像形成システム30、および画像形成システム30の制御方法について説明した。しかしながら、本発明は、その技術思想の範囲内において当業者が適宜に追加、変形、および省略することができることはいうまでもない。
【0157】
例えば、上述の第1~第5の実施形態においては、第1読取装置200または第2読取装置400が判定部として機能する場合について説明したが、本発明はこのような場合に限定されず、画像形成装置300の制御部380が判定部として機能するように構成してもよい。
【0158】
また、制御プログラムは、USBメモリー、フレキシブルディスク、CD-ROM等のコンピューター読み取り可能な記録媒体によって提供されてもよいし、インターネット等のネットワークを介してオンラインで提供されてもよい。この場合、コンピューター読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムは、通常、メモリーやストレージ等に転送され記憶される。また、この検査プログラムは、例えば、単独のアプリケーション・ソフトウェアとして提供されてもよいし、サーバーの一機能としてその各装置のソフトウェアに組み込んでもよい。
【0159】
また、実施形態において検査プログラムにより実行される処理の一部または全部を回路等のハードウェアに置き換えて実行されうる。
【符号の説明】
【0160】
1 印刷システム、
10 クライアント端末、
20 プリンターコントローラー、
30 画像形成システム、
40 通信回線、
100 給紙装置、
110 給紙部、
120 用紙搬送部、
130 通信部、
140 制御部、
200 第1読取装置、
210 用紙搬送部、
220 上側読取部、
221 上側スキャナー
222 第1背景部材、
230 下側読取部、
231 下側スキャナー
232 第2背景部材、
240 通信部、
250 検知部、
300 画像形成装置、
310 画像処理部、
320 画像形成部、
330 給紙部、
340 用紙搬送部、
350 定着部、
360 通信部、
370 操作表示部、
380 制御部、
400 第2読取装置、
410 用紙搬送部、
420 上側読取部、
421 上側スキャナー
422 第1背景部材、
430 下側読取部、
431 下側スキャナー
432 第2背景部材、
440 通信部、
500 後処理装置、
510 用紙搬送部、
520 後処理部、
530 排紙部、
540 通信部、
550 制御部。