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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128590
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】イベント招待システム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240913BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】10
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037628
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】518405980
【氏名又は名称】株式会社LMO
(74)【代理人】
【識別番号】100167818
【弁理士】
【氏名又は名称】蓑和田 登
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 康太
(72)【発明者】
【氏名】藤▲崎▼ 顕彰
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC11
5L050CC11
(57)【要約】
【課題】開催されるイベントに応じて、カップル、交際の成立及び成婚に至る可能性が高いと期待される、より相性の良い参加者を選定して招待できるイベント招待システムを提供する。
【解決手段】イベント招待システムに備わる管理装置10は、データベース部17と、データベース部17に記憶された登録者の登録情報と端末装置から送信された認証情報が一致するか否かを判定して一致する場合にはイベント招待システムを開始する認証部12と、イベント毎に登録者の中から最適な参加者を選定するマッチング判定部13と、マッチング判定部13において選定された参加者の端末装置に対してイベントへの招待通知を送信する送受信部16と、を備える。この構成により、イベント招待システムでは、開催されるイベントに応じて、カップル、交際の成立及び成婚に至る可能性が高いと期待される、より相性の良い参加者を選定して招待できる。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
イベント提供側の管理装置と、当該イベント提供に関する登録者が使用する複数の端末装置と、がネットワークを介して接続されたイベント招待システムであって、
前記管理装置は、
プログラムに基づいて前記イベント招待システムの情報処理を実現のための制御を行う制御部と、
データベース部と、
前記データベース部に記憶された登録者の登録情報と、前記端末装置から送信された認証情報が一致するか否かを判定し、一致する場合には、前記イベント招待システムを開始する認証部と、
イベント毎に、前記登録者の中から最適な参加者を選定するマッチング判定部と、
前記マッチング判定部において選定された参加者の前記端末装置に対して、イベントへの招待通知を送信する送受信部と、を備えることを特徴とするイベント招待システム。
【請求項2】
前記マッチング判定部は、イベントの属性、及び前記データベース部に記憶された登録者の属性に基づいて、当該イベントへの参加者を選定する、ことを特徴とする請求項1記載のイベント招待システム。
【請求項3】
前記イベントの属性には開催場所、年齢制限、及び当該イベントのテーマの少なくとも1つが含まれる、ことを特徴とする請求項2記載のイベント招待システム。
【請求項4】
前記マッチング判定部は、イベント提供側から提供されるSNSサイトに登録しているプロフィール情報、当該SNSサイトの日記、当該SNSサイトにおける行動履歴、過去のイベントへの参加情報、及び過去のイベント参加後のカップリング情報の少なくとも1つに基づいてイベントへの参加者を選定する、ことを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のイベント招待システム。
【請求項5】
前記SNSサイトにおける行動履歴とは、前記SNSサイト内での「いいね」の回数、コメントの内容、閲覧履歴、及びログイン履歴の少なくとも1つの情報を含む、ことを特徴とする請求項4記載のイベント招待システム。
【請求項6】
前記マッチング判定部は、前記SNSサイトにおける登録者のプロフィール情報に基づいて、興味関心・趣味が類似した男女をイベントへの参加者として選定する、ことを特徴とする請求項4記載のイベント招待システム。
【請求項7】
前記管理装置は、
学習用データの入力を受け付ける入力部と、
前記入力部から学習用データが入力される機械学習モデルと、
学習対象の機械学習モデルを用いて、学習用データに基づいて、前記学習対象の機械学習モデルにおける設定値を学習する処理を実行するための学習処理実行部と、を備え、
前記データベース部は、前記設定値を記憶し、
前記学習用データは、前記データベース部に記憶された登録者情報、専用SNSサイトのデータファイルから構成され、
前記学習用データには、参加者のニックネーム、年齢、地域、職種、職業、年収、趣味・嗜好、結婚歴、性格、価値観、専用SNSサイト内での「いいね」、専用SNSサイトにおけるコメント、及び過去のイベントにおけるカップリング履歴の少なくとも1つが含まれる、ことを特徴とする請求項1記載のイベント招待システム。
【請求項8】
前記管理装置は、
イベント属性データの入力を受け付ける入力部と、
前記入力部からイベント属性データが入力される機械学習モデルと、
推論処理を実行する機械学習モデルを用いて、イベント属性データに基づいてマッチング成功率の高い参加者を選定するための所定の推論処理を実行する推論処理実行部と、を備え、
前記イベント属性データには、開催場所、年齢制限、及び当該イベントのテーマの少なくとも1つが含まれ、
前記機械学習モデルにおいては、前記データベース部に記憶されている登録者の中から、前記イベント属性データに基づいてイベントへの参加者を選定する、ことを特徴とする請求項1記載のイベント招待システム。
【請求項9】
イベント提供に関する登録者の端末装置とネットワークを介して接続され、開催されるイベントにおける参加者を選定する管理装置であって、
プログラムに基づいてイベント招待システムの情報処理を実現のための制御を行う制御部と、
データベース部と、
前記データベース部に記憶された登録者の登録情報と、前記端末装置から送信された認証情報が一致するか否かを判定し、一致する場合には、前記イベント招待システムを開始する認証部と、
イベント毎に、前記登録者の中から最適な参加者を選定するマッチング判定部と、
前記マッチング判定部において選定された参加者の前記端末装置に対して、イベントへの招待通知を送信する送受信部と、を備えることを特徴とする管理装置。
【請求項10】
イベント提供に関する登録者の端末装置とネットワークを介して接続され、開催されるイベントにおける参加者を選定する管理装置に用いるプログラムであって、
プログラムに基づいてイベント招待システムの情報処理を実現のための制御を行う制御ステップと、
データベース部に記憶された登録者の登録情報と、前記端末装置から送信された認証情報が一致するか否かを判定し、一致する場合には、前記イベント招待システムを開始する認証ステップと、
イベント毎に、前記登録者の中から最適な参加者を選定するマッチング判定ステップと、
前記マッチング判定ステップにおいて選定された参加者の前記端末装置に対して、イベントへの招待通知を送信する送受信ステップと、を含むことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、男女の出会いの場であるイベントを提供するイベント提供業者の登録者に対して、最適なイベントを招待するイベント招待システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、少子化対策を推進する地方自治体が、結婚を希望する男女への出会い・結婚を応援する取り組みの一環として、オフラインイベント(直接会場に足を運ぶ婚活パーティーやツアー)の開催を強化しているほか、民間のイベント提供業者においては、ビデオ会議アプリを活用したオンラインによる出会いイベント(オンライン婚活パーティー)の取り組みも広がりを見せている。
【0003】
通常、このような出会いイベントへの参加を希望する者は、地方自治体やイベント提供業者が提供するサービスの登録会員となり、登録者自身がこれらサービスにおいて提供される図13に示すようなイベント情報専用ページにアクセスする。開催予定の各イベント1301には、イベント情報詳細1302として、それぞれ開催日時、地域、年齢、年収、結婚歴、趣味、嗜好(高身長、ぽっちゃり体型(BMI)といったものもある)などのフィルタリング情報の詳細が記載されている。そして、登録者は、数あるイベントの中から、自らの属性・趣味・都合などに合うイベントを選択して、参加申請するのが一般的である。
【0004】
そして、例えば、参加者同士の出会いを目的とするイベントにおいて、希望条件に現実的に適合する相手に出会える可能性を高めるイベント支援システムが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2017-59002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上述のような登録会員自らが数あるイベントから好みのイベントを選択して参加する方式では、イベント参加予定者全員が自らの趣向に基づいて参加している状態である。このため、実際には自らの好みの条件に合う相手をイベント会場で運命的に探すしかなく、マッチング成効率が良くないという側面がある。
【0007】
すなわち、たとえイベント毎のフィルタリング情報に基づいて会員自らが所望する出会い系イベントを選択して参加したとしても、単に住所、年齢、趣味などに基づいて参加者が先行順に決定される。このため、イベント会場において真に自らの相性に合う異性に出会う確率が低いという問題がある。
【0008】
また、イベントの実施にあたり、可能な限りカップル成功率、マッチング成功率を高くすることが望ましいが、上述のような従来の登録会員自らによる選択方式では、マッチング成功率が低く、非常に非効率である。
【0009】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、開催されるイベントに応じて、カップル、交際の成立及び成婚に至る可能性が高いと期待される、より相性の良い参加者を選定して招待できるイベント招待システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために本発明は、イベント提供側の管理装置と、当該イベント提供に関する登録者が使用する複数の端末装置と、がネットワークを介して接続されたイベント招待システムであって、前記管理装置は、プログラムに基づいて前記イベント招待システムの情報処理を実現のための制御を行う制御部と、データベース部と、前記データベース部に記憶された登録者の登録情報と、前記端末装置から送信された認証情報が一致するか否かを判定し、一致する場合には、前記イベント招待システムを開始する認証部と、イベント毎に、前記登録者の中から最適な参加者を選定するマッチング判定部と、前記マッチング判定部において選定された参加者の前記端末装置に対して、イベントへの招待通知を送信する送受信部と、を備えることを特徴とするものである。
【0011】
このイベント招待システムにおいて、前記マッチング判定部は、イベントの属性、及び前記データベース部に記憶された登録者の属性に基づいて、当該イベントへの参加者を選定することが好ましい。
【0012】
このイベント招待システムにおいて、前記イベントの属性には開催場所、年齢制限、及び当該イベントのテーマの少なくとも1つが含まれることが好ましい。
【0013】
このイベント招待システムにおいて、前記マッチング判定部は、イベント提供側から提供されるSNSサイトに登録しているプロフィール情報、当該SNSサイトの日記、当該SNSサイトにおける行動履歴、過去のイベントへの参加情報、及び過去のイベント参加後のカップリング情報の少なくとも1つに基づいてイベントへの参加者を選定することが好ましい。
【0014】
このイベント招待システムにおいて、前記SNSサイトにおける行動履歴とは、前記SNSサイト内での「いいね」の回数、コメントの内容、閲覧履歴、及びログイン履歴の少なくとも1つの情報を含むことが好ましい。
【0015】
このイベント招待システムにおいて、前記マッチング判定部は、前記SNSサイトにおける登録者のプロフィール情報に基づいて、興味関心・趣味が類似した男女をイベントへの参加者として選定することが好ましい。
【0016】
このイベント招待システムにおいて、前記管理装置は、学習用データの入力を受け付ける入力部と、前記入力部から学習用データが入力される機械学習モデルと、学習対象の機械学習モデルを用いて、学習用データに基づいて、前記学習対象の機械学習モデルにおける設定値を学習する処理を実行するための学習処理実行部と、を備え、前記データベース部は、前記設定値を記憶し、前記学習用データは、前記データベース部に記憶された登録者情報、専用SNSサイトのデータファイルから構成され、前記学習用データには、参加者のニックネーム、年齢、地域、職種、職業、年収、趣味・嗜好、結婚歴、性格、価値観、専用SNSサイト内での「いいね」、専用SNSサイトにおけるコメント、及び過去のイベントにおけるカップリング履歴の少なくとも1つが含まれることが好ましい。
【0017】
このイベント招待システムにおいて、前記管理装置は、イベント属性データの入力を受け付ける入力部と、前記入力部からイベント属性データが入力される機械学習モデルと、推論処理を実行する機械学習モデルを用いて、イベント属性データに基づいてマッチング成功率の高い参加者を選定するための所定の推論処理を実行する推論処理実行部と、を備え、前記イベント属性データには、開催場所、年齢制限、及び当該イベントのテーマの少なくとも1つが含まれ、前記機械学習モデルにおいては、前記データベース部に記憶されている登録者の中から、前記イベント属性データに基づいてイベントへの参加者を選定することが好ましい。
【0018】
上記目的を達成するために本発明は、イベント提供に関する登録者の端末装置とネットワークを介して接続され、開催されるイベントにおける参加者を選定する管理装置であって、プログラムに基づいてイベント招待システムの情報処理を実現のための制御を行う制御部と、データベース部と、前記データベース部に記憶された登録者の登録情報と、前記端末装置から送信された認証情報が一致するか否かを判定し、一致する場合には、前記イベント招待システムを開始する認証部と、イベント毎に、前記登録者の中から最適な参加者を選定するマッチング判定部と、前記マッチング判定部において選定された参加者の前記端末装置に対して、イベントへの招待通知を送信する送受信部と、を備えることを特徴とするものである。
【0019】
上記目的を達成するために本発明は、イベント提供に関する登録者の端末装置とネットワークを介して接続され、開催されるイベントにおける参加者を選定する管理装置に用いるプログラムであって、プログラムに基づいてイベント招待システムの情報処理を実現のための制御を行う制御ステップと、データベース部に記憶された登録者の登録情報と、前記端末装置から送信された認証情報が一致するか否かを判定し、一致する場合には、前記イベント招待システムを開始する認証ステップと、イベント毎に、前記登録者の中から最適な参加者を選定するマッチング判定ステップと、前記マッチング判定ステップにおいて選定された参加者の前記端末装置に対して、イベントへの招待通知を送信する送受信ステップと、を含むことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0020】
本発明に係るイベント招待システムに備わる管理装置は、データベース部と、データベース部に記憶された登録者の登録情報と端末装置から送信された認証情報が一致するか否かを判定して一致する場合にはイベント招待システムを開始する認証部と、イベント毎に登録者の中から最適な参加者を選定するマッチング判定部と、マッチング判定部において選定された参加者の端末装置に対してイベントへの招待通知を送信する送受信部と、を備える。この構成により、本発明に係るイベント招待システムでは、開催されるイベントに応じて、カップル、交際の成立及び成婚に至る可能性が高いと期待される、より相性の良い参加者を選定して招待できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明の実施の形態に係るイベント招待システムの全体構成図である。
図2】同上イベント招待システムに備わる管理装置の機能ブロック図である。
図3】同上イベント招待システムの参加者選定のロジックを説明する図である。
図4】同上参加者選定のロジックを説明する図である。
図5】同上参加者選定のロジック1を説明する図である。
図6】同上参加者選定のロジック1,2を説明する図である。
図7】同上参加者選定のロジック2における行動履歴ベースを説明する図である。
図8】同上参加者選定のロジック2における属性・属性ペアベースを説明する図である。
図9】同上参加者選定のロジック2における興味関心ベースを説明する図である。
図10】同上管理装置の機能ブロック図である。
図11】同上イベント招待システムにおける専用SNSサイトの画面表示例を示す図である。
図12】同上イベント招待システムにおける専用SNSサイトの画面表示例を示す図である。
図13】従来のイベント招待における画面表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(実施の形態)
本発明の実施の形態に係るイベント招待システムについて図面を参照して説明する。本イベント招待システムでは、結婚相手や恋人を探す本人が、イベント提供の登録者(登録会員)となって、イベント提供側から提供される専用SNS(Social Networking Service)サイトにログインでき、且つイベント提供側からイベント紹介を受けることができる。
【0023】
図1に示すように、イベント招待システム1は、婚活サービス会社、マッチングサービス会社、地方自治体などイベント提供側に備わる管理装置10と、イベント提供に関する登録者が使用する端末装置20,30,40,50とを備え、互いにインターネットなどの広域ネットワークを介して接続されている。なお、本図においては4人の登録者A~Dが使用する端末装置20,30,40,50が示されているが、実際には登録者の数だけ端末装置は存在する。
【0024】
管理装置10は、イベント招待システム1を提供するためのプログラムが動作する装置であり、イベント提供業者の所有するサーバなどが該当する。管理装置10は、メモリにインストールされているプログラムによりイベント紹介のための処理フローを実行して、ネットワークを介して接続された各端末装置20,30,40,50に、最適なイベントを招待する。また、登録者の端末装置20,30,40,50からの要求に対して情報処理を行い、その処理結果を登録者に提供する。
【0025】
端末装置20,30,40,50は、イベント招待サービスの登録者(登録者自身)が使用するパソコン、スマートフォンなどであり、有線又は無線を介してインターネットに接続されて通信可能なコンピュータ端末である。端末装置20,30,40,50は、タッチパネルなどの入力部、液晶画面などの表示部、ネットワークとの通信部を備え、インターネット閲覧ソフトを使用して管理装置(管理サーバ)10にアクセスして、管理装置10が提供するSNSサイト(ここでは例としてコミュニティと呼ぶ)を画面表示する。又は、独自のアプリケーションにより画面を生成して、管理装置10が提供する情報を表示・操作入力するようにしても良い。この場合、端末装置20,30,40,50にインストールされる専用のアプリケーションプログラムは、例えばイベント招待システム1を提供する管理会社から登録者に提供されるアプリである。
【0026】
次に、イベント招待システム1に含まれる管理装置10の機能構成に関して図2を参照して説明する。管理装置10は、制御部11と、認証部12と、マッチング判定部13と、表示部14と、操作入力部15と、送受信部16と、データベース部17とを備える。
【0027】
制御部11は、CPU(Central Processing Unit)を備え、プログラムに基づいてイベント招待システム1の情報処理を実現のための制御を行う。認証部12は、データベース部17に記憶された登録者のIDなどの登録情報と、端末装置20,30,40,50から送信された認証情報が一致するか否かを判定し、一致する場合には、イベント招待システム1を開始する。
【0028】
マッチング判定部13は、GPU又は専用回路等のプロセッサ及びメモリを用い、制御部11からの制御指示に応じて、データベース部17に記憶された登録者情報を検索して、イベント毎に、最適な参加者を選定するマッチング処理を実行する。また、選択された参加者の有する端末装置(例えば端末装置20,30,40,50のうちの2つの端末装置)にイベント紹介通知を送信する。なお、制御部11及びマッチング判定部13は、CPU,GPU等のプロセッサ、メモリ、更にはデータベース部17及び送受信部16を集積した1つのハードウェア(SoC:System on a Chip)として構成されていてもよい。
【0029】
表示部14は、処理情報を表示するための液晶などの液晶表示パネルなどである。操作入力部15は、表示部14に表示される情報を操作するキーボードなどのユーザインターフェースである。イベント招待システム1においては、アドバイザーと呼ばれる専門家が、操作入力部15を用いて、イベント紹介に関して、端末装置20,30,40,50からオンライン/オフラインで提供されたプロフフィール情報の編集、その他アドバイスやコメントを入力する。
【0030】
送受信部16は、受信した情報や通知を、各処理部に出力し、各処理部からの情報をインターネット上に出力する処理を行う。例えば、送受信部16は、図3に示すように、マッチング判定部13において選定された参加者の端末装置に対して、当該イベントへの招待通知31を送信する。
【0031】
データベース部17は、OSやアプリケーションプログラム、登録者情報、プロフィールや写真などの個人情報、会員がログイン可能な専用SNSサイト(コミュニティサイト)のデータファイル、イベント紹介プログラム1P、機械学習ライブラリ1Lなどを記憶するためのハードディスクなどのメモリ部である。データベース部17に記憶される会員情報には、例えば、氏名、性別、生年月日、住所、連絡先、学歴、勤務先、年収、体格、体重、血液型、希望する異性の情報を示す希望条件情報、会員を特定するための会員コードなどの情報が含まれ、テーブル形式で記憶される。なお、データベース部17に保持される情報は、端末装置20,30,40,50からオンラインを介して取得した情報に限定されず、オフラインで提供される書類などから操作入力部15を用いて入力された情報も含まれる。
【0032】
次に、図3乃至図9を参照して、本実施の形態に係るイベント招待システム1の参加者選定ロジックに関して説明する。イベント招待システム1においては、図3に示すように、イベント参加者が、よりカップリングしやすいように、登録者に対して、出会いイベントへの招待をするためのマッチングを、管理装置10においてマッチングAI (Artificial Intelligence)を活用して行う。具体的には、マッチング判定部13がイベント紹介プログラム1Pを実行する。このマッチングAIは「誰にどのイベントを招待すべきか?」を決定するロジックを有し、図3においては「スイーツコン」ではグループAの登録者に、「ハイステータスパーティ」ではグループBの登録者に、「読書コン」ではグループCの登録者に対して招待通知が送付される。
【0033】
マッチング判定部13におけるマッチングAIでは、図4に示すように、以下のロジック1及びロジック2を有している。すなわち、ロジック1ではイベントテーマ(例:スイーツ好きにスイーツコン)と登録者のマッチング、ロジック2ではイベント参加者男女間のマッチング(例:男女間の相性)を行う。図4は、管理装置10におけるロジック1及びロジック2を経てグループDの登録者に招待通知41がされた状態を示す。
【0034】
ロジック1では、図5に示すように、マッチングAIとして機能するマッチング判定部13は、イベント属性とデータベース部17に記憶されている登録者属性から、イベントに適した登録者を選定する。具体的には
・イベントの属性(開催場所、年齢制限、テーマなど)
・登録者の属性: 例えば、イベント提供会社が提供する会員専用サイトなど特定コミュニティに登録しているプロフィール情報属性(住まいエリア、年齢、趣味など)
などの属性である。マッチング判定部13は、これらの属性情報に基づいて、登録者毎のイベントへのマッチ度を算出し、登録者の中から絞り込みを行う。
【0035】
ここで、マッチング判定部13は、イベントの属性ごと(開催場所、年齢制限、テーマなど)に異なる重みを付与して、算出されるマッチ度の合計点数が大きな登録者から、当該イベントへの適正が高いと判定しても良い。例えば、マッチング判定部13は、データベース部17を参照し、イベントの属性が開催場所:久留米、年齢:35歳以下、テーマ:スイーツの場合、開催場所には重み10、年齢制限には重み7、テーマのスイーツには重み5を付与する。そして、開催場所(久留米在住)・年齢(35歳以下)・スイーツ(「スイーツ」、「お菓子」、「カフェ」といった属性を持つ)の全要件を満たす登録者Aのマッチ度を22、開催場所・スイーツの要件を満たす登録者Bのマッチ度を15として算出する。
【0036】
なお、本ロジック1において、イベントと参加者のマッチングは、シンプルに属性一致、もしくはキーワードによる絞り込みでも良い。また、イベントにテーマが無い(例えば、「少人数パーティ」など)場合は、必ずしもロジック1を用いた絞り込みは行う必要性は無い。
【0037】
次に、図6乃至図9を参照しながら、イベント招待システム1におけるロジック2の参加者選定に関して説明する。このロジック2においては、ロジック1でフィルタリングされた登録者から若しくはロジック1の選定とは無関係に、相性のよい男女ペアを抽出する。具体的には、以下の情報に基づき、マッチング判定部13は男女の相性をスコア化し、スコアが高い男女ペアを抽出する。
・専用SNSサイトに登録しているプロフィール情報、日記
・専用SNSサイトにおける行動履歴(日記に対する「いいね」の回数・コメントの内容・閲覧履歴・ログイン履歴など)
・過去のイベントへの参加情報
・過去のイベント参加後のカップリング情報・アンケート情報(イベントでどの人が気になったかなど)
・管理業者の事務局側で把握している相性の良さそうな組み合わせ、及び相性の悪そうな組み合わせ、などである。
【0038】
このロジック2における男女間マッチングは、主として以下の(1)~(3)の3つのロジックを想定している。なお、以下の3つのロジックは実際にマッチング成功のデータを集計・分析した後に、AIによる機械学習を反映しても良い。このことで、想定のロジックを試した後に、よりよいマッチング結果が得られるロジックを選定(もしくは組み合わせ)できる。
【0039】
(1)行動履歴ベース
行動履歴ベースでは、マッチング判定部13は、過去に登録者専用SNSサイトで「いいね」・コメントを付けあった男女ペアデータ(もしくは過去にイベントなどでカップリング成立した男女ペア)を参照し、同じような行動をしている登録者男女をマッチングする。例えば、図7では男性Xが女性Aさん、Bさん、Cさんに「いいね」・コメントし、男性Yが女性Bさん、Cさん、Dさんに「いいね」・コメントしているとき、同じような行動をしているため、男性X及び男性Yの女性の好みは類似していると判定する。そして、男性Xが参加者として選定されたイベントには女性Dさんをも参加者として選定する。同様に男性Yさんが参加者として選定されたイベントには女性Aさんをも参加者として選定する。なお、女性と男性を反転した場合も同様の判定を行う。すなわち、行動履歴ベースでは、マッチング判定部13は、登録者の専用SNSサイト内での「いいね」の数やコメントの有無、過去のイベントにおけるカップリング履歴を、それぞれ重み付けして学習する。なお、イベント事務局側で把握している相性の良いペアも学習に反映できる。
【0040】
(2)属性・属性ペアベース
上記の行動履歴ベースに基づいて選定した後、更に、その男女の属性及び男女ペアの属性関係を学習し、類似した属性関係を持つ男女ペアをマッチングする。例えば、図8(a)に示すように、男性Xについて、過去にカップリングした(若しくは「いいね」、コメントのある)女性A,B,Cが行動履歴ベースの段階で選定された場合、この男性Xと女性A,B,Cの属性情報を参照し、これら属性ペアと似た属性を有する男性Y及び女性Fを類似属性ペアとして、図8(b)に示す男女YFをマッチング予測とする。本図では、マッチング判定部13は、男性Xの年収が600万で、女性Aの年収が400万、かつ、男性Xの年齢が32歳で、女性Aの年齢が31歳、かつ、プロフィール情報における趣味の一致数が5つであるとき、同じような属性関係を有する男性Yと女性Fを類似属性ペアとしてマッチングする。そして、男性Yさんが参加者として選定されたイベントには女性Fさんをも招待します。なお、本図では説明のために1人(男性Xさん)のデータしか学習していないが、実際はすべての男女カップリング・「いいね」・コメントから学習する。なお、その他に、事務局側で把握している相性の良いペアも学習に反映しても良い。
【0041】
(3)興味関心ベース
マッチング判定部13は、図9に示すように、専用SNSサイト(コミュニティ)における登録者のプロフィール情報をもとに、興味関心・趣味が類似した男女をマッチングする。例えば、男性Xの趣味が「ゲーム」、「読書」、「登山」のとき、それら趣味をより多く持つ女性をマッチングする。例えば、本図に示すような趣味(プロフィール情報)のとき、男性Xと女性Bをマッチングする。なお、ここでは男性X,女性A,B,Cのみを図示しているが、実際にはすべての男女を対象に演算する。
【0042】
次に、管理装置1のマッチング処理の機能(マッチングAIの機能)に関して図10を参照しながら説明する。本図に示すように、管理装置10の制御部11は学習処理実行部111及び推論処理実行部112を備える。
【0043】
学習処理実行部111は、データベース部17に記憶してある機械学習ライブラリ1L、定義データ、パラメータ情報に基づき機械学習モデル(機械学習エンジン)として機能する。すなわち、学習処理実行部111は、学習対象の機械学習モデルを用いて、学習用データに基づいて、学習対象の機械学習モデルにおける設定値(パラメータ、各パラメータの重み等)を学習する処理を実行する。ここでの学習用データは、例えば、データベース部17に記憶された登録者情報、専用SNSサイトのデータファイルである。
【0044】
推論処理実行部112は、記憶部12に記憶してあるイベント紹介プログラム1Pに基づき、イベント参加者の選定処理を行う。すなわち、推論処理実行部112は、機械学習モデルを用いて、入力されるイベント属性に対して所定の推論処理を実行する。また、推論処理実行部112は、ユーザの操作入力部15を用いた操作に基づき、入力データであるイベント属性を入力部130に入力する実行部としての機能を発揮する。
【0045】
本実施の形態1において、マッチング判定部13の入力部130は学習用データ又は推論対象となるイベント属性の入力を受け付ける。学習処理実行部111は、学習用データを入力部130から機械学習モデル131に出力する。なお、機械学習モデル131は、機械学習やディープラーニングに関するオープンソースに基づくライブラリを組み合わせて独自に構築したり、要件によっては、既成のAIサービス(AWS機械学習サービスなど)を組み合わせる。その他、機械学習モデルの開発プログラムとしては、各種データファイルの読み込み、ディープラーニング、データ解析、モデル式の構築、プログラム化などを行う際に広く汎用されているPython(登録商標)やMATLAB(登録商標)を用いても良い。
【0046】
学習処理実行部111は、入力部130から入力したイベント属性を機械学習モデル131に出力する。また、推論処理を行う場合には、推論処理実行部112は、推論対象のイベント属性を機械学習モデル131に出力する。各イベント属性の種類は、例えばデータのヘッダ部の情報や識別子を読み込むことにより判定できる。
【0047】
機械学習モデル131で選定されたイベント参加者は、出力部132に出力される。なお、出力データを表示部14に出力しても良い。
【0048】
機械学習モデル131は、推論処理時にはそれぞれ既に学習済のパラメータ(すなわち、参加者のプロフィール、項目例としてはニックネーム、年齢、地域、職種、職業、年収、趣味・嗜好、結婚歴、性格(性格診断結果を含む)、価値観(価値観診断結果を含む)、イベントの属性(開催場所、年齢制限、テーマなど)への重み、専用SNSサイト内での「いいね」やコメント、過去のイベントにおけるカップリング履歴に対する重み)に基づいてイベント参加者の選定を行い、出力データをデータベース部17に出力する。
【0049】
次に、イベント提供業者が提供する専用SNSサイトの画面表示例に関して図11及び図12を参照しながら説明する。図11は、登録者のみログイン可能な専用SNSサイトの画面1101の一例である。登録会員はそれぞれ自らのページを有し、各登録者のページは、他のコミュニティ登録者も閲覧可能である。参照可能な会員のプロフィールとしては、ニックネーム、年齢、地域、職種、職業、年収、趣味・嗜好、結婚歴、性格(性格診断結果を含む)、価値観(価値観診断結果を含む)などである。なお、イベント招待システム1においては、会員から提供された情報をそのまま開示するのではなく、アドバイザーと呼ばれる専門家が情報を適宜編集したり、会員のより適切なアピールポイントを引き出して記載したり、魅力的なページ作成を代理することもある。
【0050】
また、図12に示すように、専用SNSサイト内の投稿記事には「いいね(1201)」をしたり、コメント1202することができ、これらの情報は全てAI学習対象となるプロフィールイメージとなる。
【0051】
以上のように、本実施の形態に係るイベント招待システム1は、イベント提供側の管理装置10と、当該イベント提供に関する登録者が使用する複数の端末装置20,30,40,50と、がネットワークを介して接続され、管理装置10は、プログラムに基づいてイベント招待システム1の情報処理を実現のための制御を行う制御部11と、データベース部17と、データベース部17に記憶された登録者の登録情報と端末装置20,30,40,50から送信された認証情報が一致するか否かを判定して一致する場合にはイベント招待システム1を開始する認証部12と、イベント毎に登録者の中から最適な参加者を選定するマッチング判定部13と、インターネットと接続さてマッチング判定部13において選定された参加者の端末装置に対してイベントへの招待通知を送信する送受信部16と、を備える。この構成により、イベント招待システム1では、開催されるイベントに応じて、カップル、交際の成立及び成婚に至る可能性が高いと期待される、より相性の良い参加者を選定して招待できる。
【0052】
また、管理装置10に備わるマッチング判定部13は、機械学習によって各属性への重みが学習されたイベント紹介プログラム1Pに基づいて、登録者の誰に、何のイベントを招待するかを選定する。このため、マッチング成功率を向上させることができる。
【0053】
なお、本発明は、上記実施の形態の構成に限られず、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。例えば、上記実施形態においては男女のマッチングとして記述してあるが男女間のみならず、同性間も含めて、希望する相手とのマッチングを目的としたイベントにも使用できる。
【0054】
また、本発明は、このようなイベント招待システムとして実現できるだけでなく、このようなイベント招待システムを構成する装置が備える特徴的な手段をステップとする代理見合い支援方法として実現したり、それらのステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現することができる。そして、そのようなプログラムは、USBなどの記録媒体やインターネット等の伝送媒体を介して配信することができるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0055】
1 イベント招待システム
10 管理装置
11 制御部
12 認証部
13 マッチング判定部
14 表示部
15 操作入力部
16 送受信部
17 データベース部
20,30,40,50 端末装置
31 招待通知
111 学習処理実行部
112 推論処理実行部
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