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特開2024-1286寛骨臼リーマハンドル及び寛骨臼をリーミングする方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024001286
(43)【公開日】2024-01-09
(54)【発明の名称】寛骨臼リーマハンドル及び寛骨臼をリーミングする方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/16 20060101AFI20231226BHJP
【FI】
A61B17/16
【審査請求】有
【請求項の数】16
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023186411
(22)【出願日】2023-10-31
(62)【分割の表示】P 2020544258の分割
【原出願日】2019-01-10
(31)【優先権主張番号】1802789.6
(32)【優先日】2018-02-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】516312682
【氏名又は名称】デピュイ・アイルランド・アンリミテッド・カンパニー
【氏名又は名称原語表記】DEPUY IRELAND UNLIMITED COMPANY
【住所又は居所原語表記】Loughbeg Industrial Estate, Ringaskiddy, County Cork, Ireland
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】フラタース・イアン
(72)【発明者】
【氏名】ホーン・デビッド
(72)【発明者】
【氏名】テンプル・ダンカン
(57)【要約】      (修正有)
【課題】寛骨臼リーマハンドル及び寛骨臼をリーミングする方法を提供する。
【解決手段】寛骨臼リーマハンドル10は、遠位端部32を有するシャフト20と、長手方向軸を有するネック部分6と、シャフト及びネック部分を通って延在する駆動系40と、係止機構と、を含む。駆動系の遠位に位置するヘッド部分42は、ネック部分の長手方向軸46を中心に回転するように取り付けられ、かつリーマに接続可能である。シャフトの遠位端部及びネック部分の近位端部は、シャフトが長手方向軸に対して傾斜できるように枢動可能に取り付けられる。傾斜は、別様であれば覆い隠される寛骨臼及び/又はリーマの一部の視認を可能にし得る。係止機構は、シャフトの遠位端部に位置する係合面51を有する係合部材50を含む。係合部材は、ネック部分の近位端部に対して係合面を付勢するように遠位に移動可能である。
【選択図】図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
寛骨臼リーマハンドルであって、
遠位端部を有する中空のシャフトと、
長手方向軸を有する中空のネック部分と、
前記シャフト及び前記ネック部分を通って延在する駆動系であって、前記駆動系の遠位に位置するヘッド部分が、前記ネック部分の前記長手方向軸を中心として回転するように取り付けられ、かつ寛骨臼リーマに接続可能であり、前記シャフトの前記遠位端部及び前記ネック部分の近位端部が枢動可能に取り付けられて、前記ネック部分の前記長手方向軸に対して前記シャフトを傾斜できるようにする、駆動系と、
前記シャフトの前記遠位端部に位置する係合面を有する係合部材を含む係止機構であって、前記係合面が、前記シャフトの前記遠位端部において前記シャフトの長手方向軸の周りを取り囲む環形状であり、前記係合部材が、前記係合面を前記ネック部分の前記近位端部に対して付勢して、前記ネック部分の前記長手方向軸に対する前記シャフトの前記傾斜に抵抗するように、遠位方向に移動可能である、係止機構と、を備えており、
前記ネック部分の前記近位端部が、前記係合部材の環形状の前記係合面と係合するための平坦な表面を含む、寛骨臼リーマハンドル。
【請求項2】
前記ネック部分の前記近位端部の前記表面が平面内に収容される、請求項1に記載の寛骨臼リーマハンドル。
【請求項3】
前記ネック部分の前記近位端部は表面を備え、前記表面が、前記ネック部分の前記長手方向軸に対して非ゼロ角度αで方向付けられた面法線を有する平面内に収容され、ここで、α<90°である、請求項1に記載の寛骨臼リーマハンドル。
【請求項4】
30°≦α≦60°である、請求項3に記載の寛骨臼リーマハンドル。
【請求項5】
αが約30°である、請求項4に記載の寛骨臼リーマハンドル。
【請求項6】
αが約45°である、請求項4に記載の寛骨臼リーマハンドル。
【請求項7】
前記ネック部分の前記近位端部の前記表面が、前記ネック部分の前記長手方向軸に平行に方向付けられた面法線を有する平面内に収容される、請求項2に記載の寛骨臼リーマハンドル。
【請求項8】
前記係合部材が、前記シャフトの内側に摺動可能に取り付けられ、かつ前記シャフトの前記遠位端部から突出して、前記ネック部分の前記近位端部に対して前記係合面を付勢するように構成されている、請求項1~7のいずれか一項に記載の寛骨臼リーマハンドル。
【請求項9】
前記係合部材が遠位に弾性的に偏倚されて、前記ネック部分の前記近位端部に対して前記係合面を付勢する、請求項1~8のいずれか一項に記載の寛骨臼リーマハンドル。
【請求項10】
前記係止機構が、前記シャフトの前記遠位端部に対して同軸に、かつ前記係合部材に対して近位に、取り付けられた螺旋バネを含む、請求項9に記載の寛骨臼リーマハンドル。
【請求項11】
前記螺旋バネが、前記シャフトの内側に取り付けられている、請求項10に記載の寛骨臼リーマハンドル。
【請求項12】
前記係合部材が、前記係合部材を近位方向に手動で退避させて、前記ネック部分の前記近位端部から前記係合面を解放するためのハンドル部分を含む、請求項1~11のいずれか一項に記載の寛骨臼リーマハンドル。
【請求項13】
前記駆動系が、前記シャフトの前記遠位端部と前記ネック部分の前記近位端部との間の枢動点に位置するユニバーサルジョイントを含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の寛骨臼リーマハンドル。
【請求項14】
前記寛骨臼リーマハンドルは、前記シャフトが近位シャフト部及び遠位シャフト部を含むオフセット寛骨臼リーマハンドルであり、前記シャフトが、前記近位シャフト部と前記遠位シャフト部との間の界面に位置する屈曲部を有する、請求項1~13のいずれか一項に記載の寛骨臼リーマハンドル。
【請求項15】
前記遠位シャフト部の長手方向軸と前記近位シャフト部の長手方向軸との間の角度が一定である、請求項14に記載の寛骨臼リーマハンドル。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の寛骨臼リーマハンドルと、前記寛骨臼リーマハンドルの前記ヘッド部分に接続可能な1つ又は2つ以上の異なるサイズの寛骨臼リーマと、を備える、外科用キット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寛骨臼リーマハンドルに関する。本発明はまた、股関節置換術において寛骨臼をリーミングする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
股関節置換術は、股関節を人工関節インプラントに置換する外科的手技である。股関節置換術の一部として、患者の寛骨臼は、寛骨臼カップインプラントを適切なサイズ及び深さにリーミングすることによって、寛骨臼カップインプラントを受容するために準備されてもよい。寛骨臼をリーミングするための手術用具は、寛骨臼内に受容される実質的に半球状のドームを有するリーマを含んでもよい。リーマはまた、リーマが回転する際に寛骨臼の内面を削るためのドームの外側表面上に位置する特徴を含んでもよい。リーマは、管状リーマハンドルの遠位端部に取り付けられて、外科医がそれを操作することを可能にする(例えば、寛骨臼内にドームを配置し、リーマが回転する際に寛骨臼の内面に対してリーマを押し付けるための力を加える)ことができる。駆動系は、リーマにトルクを伝達するためにリーマハンドル内に延在してもよい。
【0003】
様々な種類のリーマハンドルが使用されてもよい。
【0004】
リーマハンドルの1つの種類にはオフセットリーマハンドルがある。この種類のリーマハンドルは、ドッグレッグ構成を形成する、チューブ内に一対の屈曲部を含んでもよく、これにより、外科医が軟組織の周囲でより容易に作業することを可能にし得る。
【0005】
別の種類のリーマハンドルは、単一の屈曲部を含んでもよい。
【0006】
更なる種類のリーマハンドルは実質的に真っ直ぐ(すなわち、屈曲部を含まない)であってもよい。
【0007】
国際公開第2003/065906号には、寛骨臼リーミングヘッドを保持及び回転させる外科用装置が記載されている。装置は、寛骨臼リーミングヘッドを第2の端部に保持するように適合された第1の端部から延びる長さを有するシャフトを備える。シャフトの少なくとも一部は、シャフトの第1及び第2の端部によって画定される軸から分岐していて、例えば、シャフトはC字形の分岐部分を含んでもよい。したがって、装置によって保持されたヘッドは、周囲の本体部上のシャフトの侵入を回避しながら、その真の解剖学的位置で寛骨臼にアクセスすることができる。
【0008】
一般に、股関節置換術の間は、視認性がかなり限定される。例えば、リーマハンドルを使用するとき、リーマのドームが寛骨臼内に位置している間にリーマのドームを検査する(例えば、リーミングの深さを評価するために)ことは、外科医にとって困難である場合がある。その場で、ドームは、例えば、軟組織によって及び/又はリーマハンドルによって少なくとも部分的に覆い隠される場合がある。リーミングの深さを評価するために、外科医は、リーマハンドル及びリーマを切開部位から除去してもよく、あるいは、リーマを依然としてその場に伴ったまま寛骨臼及びリーマを視認するように、リーマハンドルをリーマから取り外してもよいが、どちらの場合でも不便である。
【0009】
米国特許第8,052,690号は、少なくとも1つの第1の位置決め特徴部を有する管状ハウジングを含む整形外科用リーマドライバを記載している。ハウジング内のドライブシャフトは駆動端部を有する。可変角キャップは、駆動端部に隣接するハウジングと枢動可能に連結される。可変角キャップは、ハウジングの側面に沿って延在する少なくとも1つの脚を含む。各脚は、複数の角度位置のうちの選択された1つにおいて、対応する第1の位置決め特徴部と選択的に係合及び係合解除する第2の位置決め特徴部を有する。各第2の位置決め特徴部は、対応する第1の位置決め特徴部と係合するとき、選択された角度位置で可変角キャップを維持する。可変角ジョイントは駆動端部に連結され、リーマ駆動ヘッドは可変角ジョイントに連結される。
【0010】
米国特許第7,008,430号は、低侵襲外科手術と共に使用するように設計されたジョイントソケット切断器具又はインプラントのための位置決めツールを記載している。位置決めツールは、第1の端部において可動ジョイントを有する長手方向に延在する駆動シャフトと、第2の端部において電源に接続するための駆動連結部とを有する。ドリルなどの切断工具を若しくは寛骨臼切断器具として取り付けるためのホルダ、又は寛骨臼インプラントを取り付けるためのホルダは、駆動シャフトに対して移動するために、駆動シャフトの第1の端部で可動ジョイントに連結される。ホルダは、駆動シャフトが回転されるとき、その中心軸を中心に回転可能である。駆動シャフトは、その上に取り付けられたシャフトベアリングを含み、シャフトベアリングは、固定された長手方向位置でシャフトに枢動可能に連結され、ハンドルを有する長手方向に延在する第1のアームに枢動可能に連結される。コンピュータ支援外科用システムによって利用できるトラッカシステムが、第1のアーム上に取り付けられる。第1の端部でホルダに枢動可能に接続され、第2の端部で第1のアームに枢動可能に接続される第2のアームが提供される。結果として得られる4つのバー連結部により、ホルダ及び切断器具/インプラントを任意の位置で操作されることが可能であり、一方、トラッカとホルダとの間の既知の幾何学的関係により、ジョイントに対する陰極線管上でコンピュータによってホルダの位置が表示されることが可能である。
【0011】
米国特許第2005/159751(A1)号は、少なくとも1つの第1の位置決め特徴部を有する管状ハウジングを含む整形外科用リーマドライバを記載している。ハウジング内の駆動シャフトは駆動端部を有する。可変角キャップは、駆動端部に隣接するハウジングと枢動可能に連結される。可変角キャップは、ハウジングの側面に沿って延在する少なくとも1つの脚を含む。各脚は、複数の角度位置のうちの選択された1つにおいて、対応する第1の位置決め特徴部と選択的に係合及び係合解除する第2の位置決め特徴部を有する。各第2の位置決め特徴部は、対応する第1の位置決め特徴部と係合するとき、選択された角度位置で可変角キャップを維持する。可変角ジョイントは駆動端部に連結され、リーマ駆動ヘッドは可変角ジョイントに連結される。
【0012】
国際公開第2018/033788(A1)号は、使用中にデブリの侵入を防止し、軟組織の磨耗を最小限に抑える、完全に閉じた管を提供する外科用リーマドライバ装置を記載している。リーマ装置は、容易な交換を可能にし、摩耗を最小限に抑えるために、最小数の部品組み立て体を含む。外科用リーマドライバは、独立型の組み立てユニット内のハウジング組み立て体と、ハウジング組み立て体内に封入され、少なくとも1つの二重ユニバーサルジョイント及びその遠位端部で外科用ツールコネクタを有する独立型の組み立てユニット内の伝達駆動列と、その近位端部で独立型の組み立てユニット内で連結されたモータシャフトと、その近位端で独立型の組み立てユニット内のハンドル組み立て体と、を有し、これらの4つの基本構成要素は、ドライバの内部の仕組みにデブリが入るのを効果的に防止するドライバを構成する。リーマドライバを分解するための方法は、a.摺動解放スリーブを作動させて、ハンドル組み立て体をハウジングアセンブリから係止解除し、それによってハウジング組み立て体内の駆動列の非封入を可能にする工程と、b.ハンドル組み立て体をハウジングから摺動させ、それによって駆動列を効果的に非封入する工程と、c.モータシャフトをハウジングから引き出し、それによって駆動列を一端部で軸方向拘束から自由にする工程と、d.駆動列を一方の端部で取り外し、一方の端部をハウジング組み立て体から持ち上げ、それによって駆動列の除去を可能にする工程と、e.駆動列をハウジング組み立て体から引き抜き、それによって駆動列をハウジング組み立て体から取り外す工程と、を含む。
【0013】
米国特許第2004/097947(A1)号は、リーマ及びドライバを含む低侵襲手術のための整形外科用リーマ組み立て体を記載している。ドライバは、遠位端部及び長手方向軸を有するシャフトと、遠位端部に接続されたドライバヘッドと、を含む。ドライバヘッドは、長手方向軸に対して概ね垂直な軸を中心に枢動可能である。リーマはドライバヘッドに接続される。
【0014】
欧州特許第2954860(A2)号は、整形外科用リーマハンドルであって、リーマヘッドにトルクを伝達するように構成されたリーマ部分と、リーマ部分に接続され、ドライバからトルクを受容及び伝達するように構成されたドライバ部分と、リーマ部分及びドライバ部分を接続し、ドライバ部分からリーマ部分にトルクを伝達するように構成された駆動列と、を備え、駆動列が、第1の端部及び第2の端部を有する第1の駆動シャフトであって、第1の端部がドライバ部分に接続され、第1の駆動シャフトが第1の軸を画定する、第1の駆動シャフトと、第1の中間端部及び第2の中間端部を有する第1の中間コネクタであって、第1中間端部が第2の端部に接続されている、第1の中間コネクタと、第3の端部及び第4の端部を有するオフセット部材であって、第3の端部が、第1の軸に対して鋭角で第2の中間端部に接続され、オフセット部材が第2の軸を画定し、第2の中間コネクタが、第2の軸に対して鋭角で第4の端部をリーマ部分に接続する、オフセット部材と、を備える、成形外科用リーマハンドルを記載している。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の態様は、添付の独立請求項及び従属請求項に記載される。従属請求項からの特徴の組み合わせは、独立請求項の特徴と適宜組み合わせることができ、請求項に明示的に記載されるものだけに限定されない。
【0016】
本発明の態様によれば、寛骨臼リーマハンドルであって、
遠位端部を有する中空シャフトと、
長手方向軸を有する中空ネック部分と、
シャフト及びネック部分を通って延在する駆動系であって、駆動系の遠位に位置するヘッド部分が、ネック部分の長手方向軸を中心として回転するように取り付けられ、かつ寛骨臼リーマに接続可能であり、シャフトの遠位端部及びネック部分の近位端部が枢動可能に取り付けられて、ネック部分の長手方向軸に対してシャフトを傾斜できるようにする、駆動系と、
シャフトの遠位端部に位置する係合面を有する係合部材を含む係止機構であって、係合面が、シャフトの遠位端部において中空シャフトの長手方向軸に対して実質的に周囲にあり、係合部材が、係合面をネック部分の近位端部に対して付勢して、ネック部分の長手方向軸に対するシャフトの傾斜に抵抗するように、遠位に移動可能である、係止機構と、を備える、寛骨臼リーマハンドルを提供している。
【0017】
ネック部分の長手方向軸に対してシャフトを傾斜させるにより、別様であればリーマハンドルによって覆い隠される寛骨臼及び/又はリーマの一部が視認されることを可能にし得る。これにより、例えば、リーマ及びリーマハンドルを寛骨臼から除去する又はリーマからリーマハンドルを切断する必要なく、寛骨臼がリーミングされた深さを決定するためのより良好な視認を外科医に可能にすることができる。係止機構は、リーマが作動されている間に、シャフトの望ましくない傾斜を防止するように機能することができる。係止機構は、作動するのが単純であり得、別様であればリーマハンドルのコストを増加させ、及び/又はその信頼性を低減する複雑な部品を含む必要がないコンパクトで堅牢な構造を有してもよい。
【0018】
ネック部分の近位端は、係合部材の係合面と係合するための表面を含んでもよい。ネック部分の近位端の表面は平面内に収容されてもよい。
【0019】
ネック部分の近位端部の表面は、ネック部分の長手方向軸に対して角度αで方向付けされる面法線を有してもよい。典型的には、αは、駆動系の正しい作動を可能にするために90°未満であってもよい。シャフトに対するネック部分のこの角度付けは、切開部位における軟組織の周りで外科医がより容易に作業することを可能にする。いくつかの実施形態では、30°≦α≦60°である。いくつかの実施形態では、αは約30°である。いくつかの実施形態では、αは約45°である。
【0020】
ネック部分の近位端部の表面は、ネック部分の長手方向軸に平行に方向付けられた面法線を有する平面内に収容されてもよい。これにより、いくつかの実施形態では、寛骨臼リーマハンドルを真っ直ぐなリーマハンドルとして作動することを可能にし得る(上述のように、リーマハンドルが傾斜する能力にもかかわらず)。
【0021】
係合部材は、中空シャフトの内側に摺動可能に取り付けられてもよい。係合部材は、ネック部分の近位端に対して係合面を付勢するために、中空シャフトの遠位端部から突出するように構成されてもよい。このようにして、係止機構の構成要素は、シャフトの壁によって保護されてもよく、その場合、切開部位における流体及び/又は骨片は、それらの作動と干渉しない。
【0022】
係合部材は、遠位に弾性的に偏倚されて、ネック部分の近位端部に対して係合面を付勢してもよい。これを実施するために、係止機構は、中空シャフトの遠位端部に対して同軸に、かつ係合部材に対して近位に取り付けられた螺旋バネを含んでもよい。螺旋バネは、中空シャフトの内側に取り付けられてもよい。また、これは、切開部位における流体及び/又は骨片による干渉からバネを保護することができる。
【0023】
係合部材は、係合部材を近位方向に手動で退避させて、ネック部分の近位端部から係合面を解放するためのハンドル部分を含んでもよい。これは、リーマの作動中にシャフトが係止されたまま維持されている間に、外科医がシャフトを選択的に解放してシャフトを傾斜させることを可能にする。
【0024】
寛骨臼リーマは、ネック部分の近位端部の1つ又は2つ以上の対応する開口内に受容されるように係合面から延在する1つ又は2つ以上の係止部材を含んでもよい。この構成は、ネック部分の近位端部に対する係合面の係止を可能にして、ネック部分の長手方向軸に対するシャフトの傾斜に抵抗することができる。2つ以上のこのような係止部材が提供される場合、それらは、係合部材の係合面によって形成された外周の周りに(例えば、均等に)分散されてもよい。例えば、寛骨臼リーマは、中空シャフト及び中空ネック部分の長手方向軸を収容する平面の両側にそれぞれ位置する2つの係止部材を含んでもよい。
【0025】
駆動系は、シャフトの遠位端部とネック部分の近位端部との間の枢動点に位置するユニバーサルジョイントを含んでもよい。これは、ネック部分(その内部でヘッド部分が回転する)と収容されるシャフトとの間の角度を可能にすることができる。
【0026】
寛骨臼リーマハンドルは、近位シャフト部及び遠位シャフト部を含み、シャフトが近位シャフト部と遠位シャフト部との間の界面に位置する屈曲部を有する、オフセット寛骨臼リーマハンドルであってもよい。近位シャフト部及び遠位シャフト部は、強固に形成されてもよく、それにより、遠位シャフト部の長手方向軸と近位シャフト部の長手方向軸との間の角度が一定であってもよい。
【0027】
係合面は、実質的に環形状、三角形、矩形、五角形、又は六角形であってもよい。
【0028】
本発明の別の態様によれば、上記の種類の寛骨臼リーマハンドルと、寛骨臼リーマハンドルのヘッド部分に接続可能な1つ又は2つ以上の異なるサイズの寛骨臼リーマと、を備える外科用キットが提供される。
【0029】
本発明の更なる態様によれば、リーマハンドルに接続されたリーマを使用して患者の寛骨臼をリーミングする方法が提供され、リーマハンドルは、
遠位端部を有する中空シャフトと、
長手方向軸を有する中空ネック部分と、
シャフト及びネック部分を通って延在する駆動系であって、駆動系の遠位に位置するヘッド部分が、ネック部分の長手方向軸を中心として回転するように取り付けられ、かつリーマに接続され、シャフトの遠位端部及びネック部分の近位端部が、ネック部分の長手方向軸に対してシャフトを傾斜できるように枢動可能に取り付けられている、駆動系と、を含み、
本方法は、
リーマを寛骨臼内に挿入することと、
リーマを作動させて、寛骨臼の表面から骨を除去することと、
リーマが寛骨臼内に位置する状態で、ネック部分の長手方向軸に対してシャフトを傾斜させて、別様であればリーマハンドルによって覆い隠される寛骨臼及び/又はリーマの一部を視認することと、を含む。
【0030】
ネック部分の長手方向軸に対してシャフトを傾斜させることによって、リーマ及びリーマハンドルを寛骨臼から除去する必要なく、又はリーマからリーマハンドルを切断する必要なく、別様であればリーマハンドルによって覆い隠される寛骨臼及び/又はリーマの一部が視認されることを可能にし得る。
【0031】
本方法は、ネック部分の長手方向軸の周りでリーマハンドルを傾けて、別様であればリーマハンドルによって覆い隠される寛骨臼及び/又はリーマの一部を視認することを更に含んでもよい。
【0032】
本方法は、別様であればリーマハンドルによって覆い隠される寛骨臼及び/又はリーマの一部を視認して、リーミングの深さを決定することを更に含んでもよい。
【0033】
本方法は、リーマハンドルの係止機構の係合部材をヘッド部分の近位端部から係合解除して、ネック部分の長手方向軸に対するシャフトの傾斜を可能にするように、係止機構を作動させることを更に含んでもよい。
【0034】
係合部材は、ネック部分の近位端部に対して係合面を付勢して、ネック部分の長手方向軸に対するシャフトの傾斜に抵抗するように、遠位に移動可能であってもよい。
【0035】
係合部材は、ヘッド部分の近位端部に向かって弾性的に偏倚されてもよい。これは、上述のように、螺旋バネにより実施されてもよい。
【0036】
係合部材は、シャフト上又はシャフト内に摺動可能に取り付けられてもよい。本方法は、係合部材を近位方向に手動で退避させて、係合部材をネック部分の近位端部から解放することを更に含んでもよい。
【0037】
係合部材は、ネック部分の近位端部と係合して、ネック部分の長手方向軸に対するシャフトの傾斜に抵抗するために、シャフトの遠位端部に位置する係合面を有してもよい。係合面は、シャフトの遠位端部において中空シャフトの長手方向軸に対して実質的に周囲にあってもよい。
【0038】
係合面は、実質的に環形状、三角形、矩形、五角形、又は六角形であってもよい。
【0039】
リーマハンドルは、中空シャフトが近位シャフト部と遠位シャフト部とを含み、シャフトが近位シャフト部と遠位シャフト部との間の界面に位置する屈曲部を有する、オフセットリーマハンドルであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0040】
本発明の実施形態を、あくまで実例として、添付図面を参照しながら以下に説明する。なお、図中、同様の参照符合は同様の要素を示す。
図1A】本発明の実施形態による寛骨臼リーマハンドルの側面図を示す。
図1B】寛骨臼リーマが寛骨臼リーマハンドルの駆動系の遠位に位置するヘッド部分に接続されている、図1の寛骨臼リーマハンドルの側面図を示す。
図2図1Aの寛骨臼リーマハンドルの断面を示す。
図3図1Aの寛骨臼リーマハンドルのシャフトの遠位端部に向かって位置する構成要素の拡大図を示す。
図4図1Aの寛骨臼リーマハンドルのシャフトの遠位端部に向かって位置する構成要素の拡大断面を示す。
図5図1Aの寛骨臼リーマハンドルの別の側面図を示す。
図6図1Aの寛骨臼リーマハンドルの別の断面を示す。
図7図1Aの寛骨臼リーマハンドルの分解図を示す。
図8】本発明の別の実施形態による寛骨臼リーマハンドルのシャフトの遠位端部に向かって位置する構成要素の拡大図を示す。
図9図8の寛骨臼リーマハンドルのシャフトの遠位端部に向かって位置する構成要素の別の拡大図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照しながら以下に説明する。
【0042】
図1~7は、本発明の一実施形態による寛骨臼リーマハンドル10の種々の図を示す。
【0043】
寛骨臼リーマハンドル10はシャフト20を含む。シャフト20は近位端部34及び遠位端部32を有する。シャフト20は実質的に中空である(例えば、図2の断面を参照されたい)。
【0044】
この実施形態では、シャフト20は、遠位シャフト部20A及び近位シャフト部20Bを含む。シャフト部20A、20Bは、シャフト20における屈曲部28で一緒に固定接合され、それにより、遠位シャフト部20Aの長手方向軸26は、近位シャフト部20Bの長手方向軸66に対して角度β(例えば、図1Aを参照)で方向付けられる。各シャフト部20A、20Bは、遠位端部及び近位端部を有してもよい。本実施形態では、遠位シャフト部20Aの近位端部は、上記の屈曲部28で近位シャフト部20Bの遠位端部に接合される。角度βは30°≦β≦60°の範囲であってもよい。特に、いくつかの実施形態では、β=30°又はβ=45°が想定される。
【0045】
シャフト20は、本実施形態の図に示される種類の屈曲部なしに実質的に真っ直ぐであってもよいことも想定される。
【0046】
シャフト20(例えば、その構成シャフト部20A、20Bを含む)は、概ね細長い円筒形であってもよく、実質的に円形の断面を有してもよい。
【0047】
1つ又は2つ以上のハンドル部分60が、シャフト20上に提供されて、リーミング中に患者の寛骨臼の内面内に寛骨臼リーマハンドル10の遠位端部に取り付けられたリーマを付勢するために、寛骨臼リーマハンドル10を保持することを容易にし、かつ外科医が軸力を加えることを可能にしてもよい。図に示すように、各ハンドル部分60は、シャフト20のうちの1つの側面から半径方向外側に延在してもよい。ハンドル部分60は、シャフト20の近位端に向かって位置してもよい。本実施形態において、寛骨臼リーマハンドル10は、追加のシャフト部20Bの側面から半径方向外側に延在する単一のハンドル部分60を含む。
【0048】
寛骨臼リーマハンドル10はまた、ネック部分6を含む。ネック部分6は実質的に中空である。ネック部分6は、実質的に円筒形であってもよく、実質的に円形の断面を有してもよい。ネック部分6は、近位端部62、遠位端部64及び長手方向軸46を有する。以下により詳細に記載されるように、ネック部分6の近位端部62は、シャフト20の遠位端部32に枢動可能に接続されて、シャフト20がネック部分6の長手方向軸46に対して傾斜されることを可能にする。
【0049】
寛骨臼リーマハンドル10はまた、駆動系40を含む。駆動系40は、図7の分解図に完全に示されていて、駆動系40の一部はまた、図1A、1B、3、5、8、及び9においても可視的である。明確さのために、駆動系40のヘッド部分42(以下に記載される)のみが、図2、4、及び6の断面図に示されている。駆動系40は細長いものであり、中空シャフト20及びネック部分6の内部に適合し、かつ中空シャフト20及びネック部分6を通って延在するように寸法付けられている。
【0050】
駆動系40は複数の駆動系部を含んでもよい。一般に、シャフト20が、屈曲部28などの1つ又は2つ以上の屈曲部を含む実施形態では、駆動系40は、中空シャフト20の各シャフト部についてそれぞれの駆動系部を含んでもよい。本実施形態では、これらの駆動系部は、遠位駆動系部40A及び近位駆動系部40Bを含む。シャフト20内に任意の屈曲部(また、以下に記載されるシャフト20とネック部分6との間の角度)を収容するために、駆動系40は、その長さに沿って位置決めされた1つ又は2つ以上のユニバーサルジョイントを含んでもよい。本実施形態では、駆動系40は、駆動系40のヘッド部分42の近位端部を遠位駆動系部40Aの遠位端部に接合する第1のユニバーサルジョイント48Aと、遠位駆動系部40Aの近位端を追加の駆動系部40Bの遠位端部に接続する第2のユニバーサルジョイント48Bとを含む。
【0051】
寛骨臼リーマハンドル10のシャフト20の近位端34(2つのシャフト部を有する本実施形態における追加のシャフト部20Bによって形成される)は開口を有してもよく、これを通して駆動系40の近位端部45が突出してもよい。駆動系40の近位端部45は、駆動系40にトルクを加えるための回転ドライバなどの電動工具に接続するための接続機構を含んでもよい。使用時に、駆動系40は回転して、中空シャフト20及びネック部分6を通って駆動系40の遠位に位置するヘッド部分42にトルクを伝達する。駆動系40のヘッド部分42はリーマ100に接続可能である。図1Bは、駆動系40のヘッド部分42に接続された寛骨臼リーマ100を有する、図1の寛骨臼リーマハンドル10の側面図を示す。ヘッド部分42と寛骨臼リーマ100との間の接続を実施するために、ヘッド部分42は、寛骨臼リーマ100の対応する接続機構と接続のための、遠位に位置する接続機構44を含んでもよい。図1Bに示すように、寛骨臼リーマ100は、例えば、患者の寛骨臼内に挿入するための半球ドーム102を含んでもよい。ドーム102の外面は、寛骨臼リーマ100が駆動系40と共に回転する際に、寛骨臼の内面から骨を削り落とすための機構104を含んでもよい。
【0052】
ヘッド部分42は、ネック部分6の長手方向軸46を中心として回転するように取り付けられる。ヘッド部分42の回転軸は、一般に、長手方向軸46と同軸であってもよい。本実施例では、ヘッド部分42の近位端部はネック部分6の内側に位置する。ヘッド部分42の(例えば、本実施形態におけるヘッド部分の近位端部の)外面は、ネック部分6の内面とぴったり接合するように形成され、その結果、ヘッド部分42が、ネック部分6内に載って、ヘッド部分42の回転軸と長手方向軸46との同軸関係を維持してもよい。本実施形態では、ヘッド部分42の遠位端部は、ネック部分6の遠位端64から遠位に突出し、寛骨臼リーマに接続するための上記の接続機構44を含む。ヘッド部分42の遠位端部は、概ね円筒形であってもよく、ネック部分6内で回転するヘッド部分42の近位端部より大きな直径を有してもよい。この実施形態では、ヘッド部分42の遠位端部は、ネック部分6の遠位端部62と同じ外径を有し、その結果、ヘッド部分42の遠位端部は、ネック部分6の遠位端部62の外面と面一になる。
【0053】
シャフト20が1つ又は2つ以上の屈曲部を含む実施形態では、シャフト部は異なる長さ(それらの長手方向軸に沿って測定される)であってもよい。例えば、本実施形態では、遠位シャフト部20Aは追加のシャフト部20Bより短い。ヘッド部分42は、シャフト部より短くてもよい(その長手方向軸46に沿って測定される)。
【0054】
上記のように、ネック部分6の近位端部62は、シャフト20の遠位端部32に枢動可能に接続される。本実施形態では、枢動接続部70は、シャフト20の遠位端部32に位置する一対の穴72と、ボルト74が通過する、ネック部6上に位置する一対の対応する穴7とによって形成される。枢動接続部70によって提供される回転軸76は、ネック部分6の長手方向軸46及び(例えば、遠位シャフト部20A)シャフト20の遠位端部32の長手方向軸26の両方に対して概ね垂直である。図7に示すように、穴72は、シャフト20の端部から遠位に延在する一対のアーム36の端部に位置してもよい。これらのアーム36は、シャフト20の中空円筒部とネック部分6の近位端部62との間に隙間を提供して、シャフト20及びネック部分6を枢動接続部70の周りで相対的に回転可能にすることができる。
【0055】
ネック部分6とシャフト20との間の枢動接続部70は、シャフト20がネック部分6の長手方向軸46に対して傾斜することを可能にすることができる。ネック部分6の長手方向軸46に対するシャフト20のこの傾斜は、別様であればリーマハンドル10によって覆い隠される寛骨臼及び/又はリーマ100の一部が視認されることを可能にすることができる。これは、例えば、リーマ100及びリーマハンドル10を寛骨臼から除去する必要なく、又はリーマハンドル10をリーマから切り離す必要なく、寛骨臼がリーミングされた深さを決定するためのより良好な視認を外科医に可能にすることができる。図1~4は、非傾斜状態にある本実施形態の寛骨臼リーマハンドル10を示す。図5及び6は、ネック部分6の長手方向軸46と遠位シャフト部20Aの長手方向軸26との間の角度が増大するように、(これらの図で視認される反時計回り方向に)傾斜しているシャフト20を示す。図1~4の図5及び6との比較から、このようなシャフト20の傾斜は、シャフト20の下に置かれた寛骨臼及び/又はリーマ100の部分が現れることを可能にしてもよいことが理解されるであろう。
【0056】
駆動系40のユニバーサルジョイント48Aがシャフト20の遠位端部32とネック部分6の近位端部62との間の枢動接続部70と一致するように位置付けられることに留意されたい。これにより、ネック部分6の長手方向軸46に対するシャフト20の角度付けを適応させることを可能にし得る。本明細書に記載されているように、ネック部分6の長手方向軸に対するシャフト20のこの角度付けは、寛骨臼リーマハンドル10の傾斜していない状態で(例えば、以下に記載される係合面8の角度により)可能であってもよい。ユニバーサルジョイント48Aはまた、上記のように、シャフトを傾斜させるための枢動接続部70を中心としたシャフト20及びネック部分6の相対的な回転に適応することができる。
【0057】
図5及び6に示すようにシャフト20が傾斜することに加えて、シャフト20が、また別様であればリーマハンドル10によって覆い隠される寛骨臼及び/又はリーマの一部を視認するために、ネック部分6の長手方向軸46の周りで傾斜されて(すなわち、外科医の視認点から長手方向軸46に沿って視認するときに時計回り方向又は反時計回り方向のいずれかに)いることが想定される。
【0058】
ネック部分6とシャフト20の遠位端部32との間の枢動接続部70は係止機構を含んでもよい。係止機構は、ネック部分6の長手方向軸46に対するシャフト20の望ましくない傾斜に抵抗するように機能し得る。このようにして、ネック部分6及びシャフト20の相対的な方向は、患者の寛骨臼がリーミングされている間に定位置に固定されてもよい。以下に記載しているように、係止機構は作動するのが簡単であり得、別様であればリーマハンドル10のコストを増加させ及び/又はその信頼性を低減させる複雑な部品を含む必要がないコンパクトで頑丈な構造を有してもよい。
【0059】
この実施形態では、係止機構は、係合面51を有する係合部材50を含む。例えば、図1及び図7の比較から理解され得るように、係合面51は、シャフトの遠位端部における中空シャフトの長手方向軸に対して実質的に周囲にある(本実施形態では、この軸は、遠位シャフト部20Aの長手方向軸26に相当する)。係合部材50は、シャフト20の遠位端部32に位置している。この実施形態における係合面51は実質的に環形状である。係合面は異なる形状(例えば、三角形、矩形、五角形、又は六角形)を有し得ることも想定される。係合部材50は、実質的に管状であってもよく、係合面51の形状に対応する断面形状を有してもよい。
【0060】
駆動系40は、係合部材50の中心を通過してもよい。係合部材50は、シャフト20の内側又は外側に取り付けられてもよい。一実施形態では、係合部材50は、遠位シャフト部20Aの外面上にスリーブとして取り付けられてもよい。
【0061】
本実施形態では、係合部材50は、シャフト20の内側に摺動可能に取り付けられ、シャフト20の遠位端部32から突出して、ネック部分6の近位端部62と係合する。
【0062】
係合部材50は、ネック部分6の近位端に対して係合面51を付勢して、ネック部分6の長手方向軸46に対するシャフト20の傾斜に抵抗するように、遠位に移動可能である。
【0063】
一実施形態では、係合部材50がねじ山(シャフト上に位置する第1のねじ山及び係合部材50上に位置する第2のねじ山を含む)上に取り付けられて、係合部材を遠位に移動させて(第1の方向にねじ山を中心としての係合部材50の回転によって)、ネック部分6の近位端部に対して係合面51を付勢することを可能にしてもよい。係合部材50を第1の方向とは反対の第2の方向に回転させることによって、係合部材50を近位に移動させて、ネック部分6の近位端部から係合面51を係合解除することができる。
【0064】
他の実施形態では、係合部材50を遠位に弾性的に偏倚させて、ネック部分6の近位端部に対して係合面51を付勢してもよい。例えば、本実施形態では、係止機構は、螺旋バネ80などのバネを含む。螺旋バネ80は、シャフト20の遠位端部32に対して同軸に、かつ係合部材50に対して近位に取り付けられてもよい。係合部材50がシャフト20の外側のスリーブとして取り付けられる実施形態では、螺旋バネ80はまた、シャフト20の外側に取り付けられてもよい。本実施形態では、螺旋バネ80は、係合部材50と共にシャフト20の内側に位置する。図に示すように、この実施形態における螺旋バネ80は、係合部材50と、シャフト20の内面上に設けられた周方向リップ56(例えば、図4)との間に位置する。したがって、螺旋バネ80は、上記のように、シャフト20の遠位端部32から突出するように、係合部材50を遠位に偏倚させるように配置される。
【0065】
使用中、係合部材50の係合面51は、ネック部分6の近位端部62に対して(例えば、係止機構のバネによって)付勢される。これは、シャフト20に対するネック部分6の任意の枢動運動(上記のシャフト20の傾斜を含む)に抵抗する。
【0066】
この実施形態では、ネック部分6の近位端部62には係合面8が設けられていて、係合面8に対して、係合部材50の係合面51が付勢されて、シャフト20の上記の傾斜に抵抗してもよい。係合面8及び係合面51も、それらの間に安定かつ確実な接触を提供するように、実質的に平坦であってもよい。
【0067】
図から分かるように、この実施形態では、ネック部分6の係合面8は、長手方向軸線46に対してある角度で設定されてもよい。特に、係合面8は、ネック部分6の長手方向軸46に対して非ゼロ角度αで配向される面法線を有する平面内に収容されてもよい。典型的には、αは、駆動系40のユニバーサルジョイント48Aの正しい作動を可能にするように90°未満であってもよい。シャフト20に対するネック部分6のこの角度付けは、切開部位の軟組織の周りで外科医がより容易に作業することを可能にし得る。その非傾斜位置(例えば、図1A)では、シャフト20の遠位端部32の長手方向軸26は、係合面8の面法線に平行であってもよい。
【0068】
いくつかの実施形態では、30°≦α≦60°である。いくつかの実施形態では、αは約30°である。いくつかの実施形態では、αは約45°である。
【0069】
シャフト20が屈曲部28などの屈曲部を含む実施形態では、シャフト20に対するネック部分6の(非傾斜の)角度付け及び屈曲部28を組み合わせて、寛骨臼リーマハンドル10をオフセットリーマハンドルとして構成してもよいことに留意されたい。角度α及びβの大きさが等しく、方向が反対であり、ネック部分6の長手方向軸46が近位シャフト部20Bの長手方向軸66に実質的に平行であるドッグレッグ配置を形成してもよいことが想定される。
【0070】
代替的な実施形態によれば、ネック部分6の係合面8は、ネック部分6の長手方向軸46に平行に方向付けされた面法線を有する平面内に収容されてもよいことが想定される。これにより、寛骨臼リーマハンドル10が真っ直ぐなリーマハンドルとして作動する(本明細書で論じるようにリーマハンドルが傾斜する能力にかかわらず)ことを可能にし得る。
【0071】
ネック部分6の近位端部62から係合面51を解放するために、係合部材50は、バネ80によって提供される偏倚に対して近位軸方向に退避されてもよい。係合部材50は、1つ又は2つ以上の把持面を含み得るハンドル52を含んでもよく、又はハンドル52に接続されてもよい。ハンドル52は外科医によって把持され、係合部材50を退避させるために近位方向に退避させることができる。本実施形態では、ハンドル52は、シャフト20の遠位端部32に実質的に平行に延在する一対のアーム54によって係合部材50に接続される。アーム54がシャフト20の壁に位置するそれぞれの穴55を通って延在することで、ハンドル52は、外科医による操作のためにシャフト20の外側に位置し得る。
【0072】
係合部材50の退避によって近位端部62(例えば、係合面8)が係合面51から解放されると、ネック部分6及びシャフト20が枢動接続部70を中心に自由に枢動することができるようになり、それによってシャフト20が、本明細書に記載されるように、自由に傾斜されて、別様であれば覆い隠され得る寛骨臼及び/又はリーマ100の部分を視認することができるようになる。寛骨臼及び/又はリーマを視認した後、外科医は、係合面51がネック部分6の近位端部62と再び係合し、近位端部62に対して付勢するように、シャフト20をその元の位置(例えば、係合面8の面法線と平行に置かれたシャフト20の遠位端部32の長手方向軸26を有する)に戻し、ハンドル52を解放してもよい。このようにして、外科医はリーミングを再開することができ、シャフト20は、望ましくない傾斜を防止するように係止される。
【0073】
図8及び9は、本発明の別の実施形態による寛骨臼リーマハンドル10のシャフト20の遠位端部32に向かって位置する構成要素を示す。図8及び9の実施形態は、図1~7の実施形態と多くの点で類似しており、相違点のみを以下で詳細に説明する。図3及び4並びに5及び6と同様に、図8及び9は、リーミングのための非傾斜構成(図8)における、及び別様であれば寛骨臼リーマハンドル10によって覆い隠されるであろう寛骨臼及び/又はリーマ100の部分を視認するための傾斜構成(図9)における寛骨臼リーマハンドル10を示す。
【0074】
この実施形態では、寛骨臼リーマハンドル10は1つ又は2つ以上の係止部材58を含む。係止部材(複数可)58は、係合部材50の実質的に環形状の係合面51から遠位に延在する。図8に示すように、係止部材(複数可)58は、ネック部分6の近位端部62(例えば、係合面8)に位置する対応するそれぞれの開口(複数可)88内に受容され得る。係止部材58及び開口88は、ネック部分6の近位端部62に対して係合面51を係止するように協働してもよい。特に、係止部材(複数可)58の遠位に突出した方向付けを理由として、係止部材(複数可)58がそれらの対応する開口(複数可)88内に位置するとき、ネック部分6の長手方向軸46に対してシャフト20を傾斜させるようにいずれかの試みを行うことによって、係止部材(複数可)58はそれらの対応する開口(複数可)88の側壁に対して横方向に付勢する。したがって、係止部材58は、それらがそれらの対応する開口88内に受容されるときに、シャフト20の傾斜に抵抗することができる。逆に、係合部材50が、上記のように、近位に退避するとき、係止部材(複数可)58は、対応する開口(複数可)88から引き出され、それによってシャフト20は、図9に示すように、傾斜され得る。
【0075】
係止部材(複数可)58は、断面が三角形であって、三角形の頂点が遠位に向いていてもよい。本実施形態では、実質的に三角形の係止部材(複数可)58の頂点は、遠位シャフト部20Aの長手方向軸26に沿って遠位に向いている。開口(複数可)88は、その対応する係止部材(複数可)58の形状に適合する内面を有してもよい。
【0076】
2つ以上のこのような係止部材58が提供される場合、これらの係止部材58は、係合部材50の係合面51によって形成された外周の周りに(例えば、均等に)分配されてもよい。例えば、寛骨臼リーマ10は、中空シャフト20及び中空ネック部分6の長手方向軸46を含む平面の両側に位置する2つの係止部材58を含んでもよい。
【0077】
本発明の一実施形態による寛骨臼リーマハンドル10は外科用キットに含まれてもよい。キットはまた、寛骨臼リーマハンドルの駆動系のヘッド部分に接続可能な1つ又は2つ以上の異なるサイズの寛骨臼リーマ100を含んでもよい。
【0078】
一実施形態において、患者の寛骨臼をリーミングする方法は、上記の種類のリーマハンドル10に寛骨臼リーマ100を接続することを含んでもよい。この方法はまた、患者の寛骨臼内に寛骨臼リーマ100を挿入することを含んでもよい。この方法はまた、寛骨臼の表面から骨を除去するように寛骨臼リーマ100を作動させることを含んでもよい。方法は、寛骨臼内に位置する寛骨臼リーマ100を用いて、ネック部分6の長手方向軸46に対してシャフト20を傾斜させて、別様であればリーマハンドル10によって覆い隠される寛骨臼及び/又は寛骨臼リーマ100の一部を視認することを更に含んでもよい。方法はまた、ネック部分の長手方向軸46の周りでリーマハンドル10を傾斜させて、別様であればリーマハンドル10によって覆い隠される寛骨臼及び/又は寛骨臼リーマ100の一部を視認することを含んでもよい。別様であればリーマハンドル10によって覆い隠される寛骨臼及び/又は寛骨臼リーマ100の一部を視認することによって、リーミングの深さが決定されてもよい。
【0079】
方法はまた、ヘッド部分42の近位端部から係止機構の係合部材50を係合解除して、上記のネック部分の長手方向軸46に対するシャフト20の傾斜を可能にするように、リーマハンドル10の係止機構を作動させることを含んでもよい。
【0080】
方法は、上記により詳細に記載しているように、係合部材50を近位方向に手動で退避させて、ネック部分6の近位端62から係合部材50を解放することを更に含んでもよい。
【0081】
したがって、遠位端部を有するシャフト、長手方向軸を有するネック部分、シャフト及びネック部分を通って延在する駆動系、並びに係止機構を有するシャフトを含む寛骨臼リーマハンドルについて記載している。駆動系の遠位に位置するヘッド部分は、ネック部分の長手方向軸を中心として回転するように取り付けられ、リーマに接続可能である。シャフトの遠位端部及びネック部分の近位端部は、シャフトが長手方向軸に対して傾斜することを可能にするように枢動可能に取り付けられる。傾斜は、別様であれば覆い隠される寛骨臼及び/又はリーマの一部を視認されることを可能にし得る。係止機構は、シャフトの遠位端部に位置する係合面を有する係合部材を含む。係合部材は、ネック部分の近位端に対して係合面を付勢するように遠位に移動可能である。
【0082】
以上、本発明の特定の実施形態について説明したが、特許請求される発明の範囲内で多くの変更/追加、及び/又は置換を行い得ることが理解されよう。
【0083】
〔実施の態様〕
(1) 寛骨臼リーマハンドルであって、
遠位端部を有する中空シャフトと、
長手方向軸を有する中空ネック部分と、
前記シャフト及び前記ネック部分を通って延在する駆動系であって、前記駆動系の遠位に位置するヘッド部分が、前記ネック部分の前記長手方向軸を中心として回転するように取り付けられ、かつ寛骨臼リーマに接続可能であり、前記シャフトの前記遠位端部及び前記ネック部分の近位端部が枢動可能に取り付けられて、前記ネック部分の前記長手方向軸に対して前記シャフトを傾斜できるようにする、駆動系と、
前記シャフトの前記遠位端部に位置する係合面を有する係合部材を含む係止機構であって、前記係合面が、前記シャフトの前記遠位端部において前記中空シャフトの長手方向軸に対して実質的に周囲にあり、前記係合部材が、前記係合面を前記ネック部分の前記近位端部に対して付勢して、前記ネック部分の前記長手方向軸に対する前記シャフトの前記傾斜に抵抗するように、遠位方向に移動可能である、係止機構と、を備える、寛骨臼リーマハンドル。
(2) 前記ネック部分の前記近位端部が、前記係合部材の前記係合面と係合するための表面を含み、前記ネック部分の前記近位端部の前記表面が平面内に収容される、実施態様1に記載の寛骨臼リーマハンドル。
(3) 前記ネック部分の前記近位端部の前記表面が、前記ネック部分の前記長手方向軸に対して非ゼロ角度αで方向付けられた面法線を有する平面内に収容され、ここで、α<90°である、実施態様1に記載の寛骨臼リーマハンドル。
(4) 30°≦α≦60°である、実施態様3に記載の寛骨臼リーマハンドル。
(5) αが約30°である、実施態様4に記載の寛骨臼リーマハンドル。
【0084】
(6) αが約45°である、実施態様4に記載の寛骨臼リーマハンドル。
(7) 前記ネック部分の前記近位端部の前記表面が、前記ネック部分の前記長手方向軸に平行に方向付けられた面法線を有する平面内に収容される、実施態様2に記載の寛骨臼リーマハンドル。
(8) 前記係合部材が、前記中空シャフトの内側に摺動可能に取り付けられ、かつ前記中空シャフトの前記遠位端部から突出して、前記ネック部分の前記近位端部に対して前記係合面を付勢するように構成されている、実施態様1~7のいずれかに記載の寛骨臼リーマハンドル。
(9) 前記係合部材が遠位に弾性的に偏倚されて、前記ネック部分の前記近位端部に対して前記係合面を付勢する、実施態様1~8のいずれかに記載の寛骨臼リーマハンドル。
(10) 前記係止機構が、前記中空シャフトの前記遠位端部に対して同軸に、かつ前記係合部材に対して近位に、取り付けられた螺旋バネを含む、実施態様9に記載の寛骨臼リーマハンドル。
【0085】
(11) 前記螺旋バネが、前記中空シャフトの内側に取り付けられている、実施態様10に記載の寛骨臼リーマハンドル。
(12) 前記係合部材が、前記係合部材を近位方向に手動で退避させて、前記ネック部分の前記近位端部から前記係合面を解放するためのハンドル部分を含む、実施態様1~11のいずれかに記載の寛骨臼リーマハンドル。
(13) 前記ネック部分の前記近位端部に対して前記係合面を係止して、前記ネック部分の前記長手方向軸に対する前記シャフトの前記傾斜に抵抗するために、前記ネック部分の前記近位端部における1つ又は2つ以上の対応する開口部内に受容されるように前記係合面から延在する、1つ又は2つ以上の係止部材を備える、実施態様1~12のいずれかに記載の寛骨臼リーマハンドル。
(14) 前記駆動系が、前記シャフトの前記遠位端部と前記ネック部分の前記近位端部との間の枢動点に位置するユニバーサルジョイントを含む、実施態様1~13のいずれかに記載の寛骨臼リーマハンドル。
(15) 前記寛骨臼リーマハンドルは、前記中空シャフトが近位シャフト部及び遠位シャフト部を含むオフセット寛骨臼リーマハンドルであり、前記シャフトが、前記近位シャフト部と前記遠位シャフト部との間の界面に位置する屈曲部を有する、実施態様1~14のいずれかに記載の寛骨臼リーマハンドル。
【0086】
(16) 前記近位シャフト部及び前記遠位シャフト部が強固に形成され、それによって前記遠位シャフト部の前記長手方向軸と前記近位シャフト部の長手方向軸との間の角度が一定である、実施態様15に記載の寛骨臼リーマハンドル。
(17) 前記係合面が、実質的に環形状、三角形、矩形、五角形、又は六角形である、実施態様1~16のいずれかに記載の寛骨臼リーマハンドル。
(18) 実施態様1~17のいずれかに記載の寛骨臼リーマハンドルと、前記寛骨臼リーマハンドルの前記ヘッド部分に接続可能な1つ又は2つ以上の異なるサイズの寛骨臼リーマと、を備える、外科用キット。
(19) リーマハンドルに接続されたリーマを使用して患者の寛骨臼をリーミングする方法であって、前記リーマハンドルは、
遠位端部を有する中空シャフトと、
長手方向軸を有する中空ネック部分と、
前記シャフト及び前記ネック部分を通って延在する駆動系であって、前記駆動系の遠位に位置するヘッド部分が、前記ネック部分の前記長手方向軸を中心として回転するように取り付けられ、かつ前記リーマに接続され、前記シャフトの前記遠位端部及び前記ネック部分の近位端部が、前記ネック部分の前記長手方向軸に対して前記シャフトを傾斜できるように枢動可能に取り付けられている、駆動系と、を含み、
前記方法が、
前記リーマを前記寛骨臼内に挿入することと、
前記リーマを動作させて、前記寛骨臼の表面から骨を除去することと、
前記リーマが前記寛骨臼内に位置する状態で、前記ネック部分の前記長手方向軸に対して前記シャフトを傾斜させて、別様であれば前記リーマハンドルによって覆い隠される前記寛骨臼及び/又はリーマの部分を視認することと、を含む、方法。
(20) 前記ネック部分の前記長手方向軸の周りで前記リーマハンドルを傾斜させて、別様であれば前記リーマハンドルによって覆い隠される前記寛骨臼及び/又はリーマの部分を視認することを更に含む、実施態様19に記載の方法。
【0087】
(21) 別様であれば前記リーマハンドルによって覆い隠される前記寛骨臼及び/又はリーマの前記部分を視認して、前記リーミングの深さを決定することを含む、実施態様19又は20に記載の方法。
(22) 前記リーマハンドルの係止機構の係合部材を前記ヘッド部分の前記近位端部から係合解除して、前記ネック部分の前記長手方向軸に対する前記シャフトの前記傾斜を可能にするように、前記係止機構を作動させることを更に含む、実施態様19~21のいずれかに記載の方法。
(23) 前記係合部材が、前記ネック部分の前記近位端部に対して前記係合面を付勢して、前記ネック部分の前記長手方向軸に対する前記シャフトの前記傾斜に抵抗するように、遠位に移動可能である、実施態様22に記載の方法。
(24) 前記係合部材が、前記ヘッド部分の前記近位端部に向かって弾性的に偏倚される、実施態様23に記載の方法。
(25) 前記係合部材が、前記シャフト上に又は前記シャフト内に摺動可能に取り付けられ、前記方法が、前記係合部材を近位方向に手動で退避させて、前記ネック部分の前記近位端部から前記係合部材を解放することを更に含む、実施態様22~24のいずれかに記載の方法。
【0088】
(26) 前記係合部材が、前記ネック部分の前記近位端部と係合して、前記ネック部分の前記長手方向軸に対する前記シャフトの前記傾斜に抵抗するために、前記シャフトの前記遠位端部に位置する係合面を有し、前記係合面が、前記シャフトの前記遠位端部において前記中空シャフトの長手方向軸に対して実質的に周囲にある、実施態様22~25のいずれかに記載の方法。
(27) 前記係合面が、実質的に環形状、三角形、矩形、五角形、又は六角形である、実施態様26に記載の方法。
(28) 前記リーマハンドルは、前記中空シャフトが近位シャフト部及び遠位シャフト部を含むオフセットリーマハンドルであり、前記シャフトは、前記近位シャフト部と前記遠位シャフト部との間の界面に位置する屈曲部を有する、実施態様19~27のいずれかに記載の方法。
図1A
図1B
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【外国語明細書】