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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128610
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】表示装置および電子機器
(51)【国際特許分類】
   G09F 9/30 20060101AFI20240913BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20240913BHJP
   H01L 33/62 20100101ALI20240913BHJP
   G02B 27/02 20060101ALI20240913BHJP
   G09F 9/33 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
G09F9/30 348A
H01L33/00 L
H01L33/62
G02B27/02 Z
G09F9/33
G09F9/30 349C
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037671
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090387
【弁理士】
【氏名又は名称】布施 行夫
(74)【代理人】
【識別番号】100090398
【弁理士】
【氏名又は名称】大渕 美千栄
(74)【代理人】
【識別番号】100148323
【弁理士】
【氏名又は名称】川▲崎▼ 通
(74)【代理人】
【識別番号】100168860
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 充史
(72)【発明者】
【氏名】宮田 崇
(72)【発明者】
【氏名】北野 洋司
【テーマコード(参考)】
2H199
5C094
5F142
【Fターム(参考)】
2H199CA12
2H199CA25
2H199CA30
2H199CA47
2H199CA49
2H199CA66
5C094AA32
5C094BA03
5C094BA25
5C094CA19
5C094DB01
5C094EC03
5C094ED15
5C094FA01
5C094FA02
5C094FB01
5C094FB02
5C094FB12
5C094FB15
5F142AA31
5F142CB23
5F142CD02
5F142CD15
5F142CD16
5F142CD25
5F142CD44
5F142DB24
5F142DB38
5F142GA02
(57)【要約】
【課題】駆動回路と第1発光素子との電気的な接続、および駆動回路と第2発光素子との電気的な接続に不良が生じる可能性を小さくすることができる表示装置を提供する。
【解決手段】第1基板に設けられ、第1発光素子および第2発光素子を駆動させる駆動回路と、弾性を有し、前記第1基板と前記第1発光素子との間に設けられた第1絶縁部と、弾性を有し、前記第1基板と前記第2発光素子との間に設けられた第2絶縁部と、前記第1絶縁部と前記第1発光素子との間に設けられ、前記駆動回路と電気的に接続され、前記第1絶縁部によって前記第1発光素子に押し当てられる第1導電層と、前記第2絶縁部と前記第2発光素子との間に設けられ、前記駆動回路と電気的に接続され、前記第2絶縁部によって前記第2発光素子に押し当てられる第2導電層と、前記第1基板と第2基板とを接続する接続部と、を有する、表示装置。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1基板と、
前記第1基板に対向配置された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた第1発光素子および第2発光素子と、
前記第1基板に設けられ、前記第1発光素子および前記第2発光素子を駆動させる駆動回路と、
弾性を有し、前記第1基板と前記第1発光素子との間に設けられた第1絶縁部と、
弾性を有し、前記第1基板と前記第2発光素子との間に設けられた第2絶縁部と、
前記第1絶縁部と前記第1発光素子との間に設けられ、前記駆動回路と電気的に接続され、前記第1絶縁部によって前記第1発光素子に押し当てられる第1導電層と、
前記第2絶縁部と前記第2発光素子との間に設けられ、前記駆動回路と電気的に接続され、前記第2絶縁部によって前記第2発光素子に押し当てられる第2導電層と、
前記第1基板と前記第2基板とを接続する接続部と、
を有する、表示装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記接続部には、一定の電位が印加される、表示装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記接続部は、前記第1発光素子および前記第2発光素子を囲む、表示装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記第1絶縁部と前記第2絶縁部とは、連続している、表示装置。
【請求項5】
請求項1において、
前記第1絶縁部および前記第2絶縁部は、遮光性を有する、表示装置。
【請求項6】
請求項1において、
前記第1発光素子と前記駆動回路との間に設けられた遮光性を有する第1金属層と、
前記第2発光素子と前記駆動回路との間に設けられた遮光性を有する第2金属層と、
を有する、表示装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記第1金属層および前記第2金属層には、一定の電位が印加される、表示装置。
【請求項8】
請求項1において、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられ、前記第1基板および前記第2基板に接するスペーサー部材を有し、
前記スペーサー部材は、前記第1発光素子および前記第2発光素子を囲み、
前記接続部は、接着層を介して、前記第1基板に接合されている、表示装置。
【請求項9】
請求項1ないし8のいずれか1項に記載の表示装置を有する、電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置および電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
LED(Light Emitting Diode)などの発光素子は、表示装置の光源に適用される。
【0003】
例えば特許文献1には、複数のマイクロLEDピクセルを含むマイクロLEDパネルと、複数のCMOSセルを含むCMOSバックプレーンと、CMOSセルとマイクロLEDピクセルとを電気的に接続させるバンプと、を含むマイクロLEDディスプレイ装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2018-185515号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のようなマイクロLEDディスプレイ装置において、複数のマイクロLEDピクセルの高さがばらつくと、CMOSセルとマイクロLEDピクセルとの電気的な接続に不良が生じる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る表示装置の一態様は、
第1基板と、
前記第1基板に対向配置された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた第1発光素子および第2発光素子と、
前記第1基板に設けられ、前記第1発光素子および前記第2発光素子を駆動させる駆動回路と、
弾性を有し、前記第1基板と前記第1発光素子との間に設けられた第1絶縁部と、
弾性を有し、前記第1基板と前記第2発光素子との間に設けられた第2絶縁部と、
前記第1絶縁部と前記第1発光素子との間に設けられ、前記駆動回路と電気的に接続され、前記第1絶縁部によって前記第1発光素子に押し当てられる第1導電層と、
前記第2絶縁部と前記第2発光素子との間に設けられ、前記駆動回路と電気的に接続され、前記第2絶縁部によって前記第2発光素子に押し当てられる第2導電層と、
前記第1基板と前記第2基板とを接続する接続部と、
を有する。
【0007】
本発明に係る電子機器の一態様は、
前記表示装置の一態様を有する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本実施形態に係る表示装置を模式的に示す平面図。
図2】本実施形態に係る表示装置の回路基板を模式的に示す平面図。
図3】本実施形態に係る表示装置の発光素子を駆動させるための等価回路図。
図4】本実施形態に係る表示装置を模式的に示す断面図。
図5】本実施形態に係る表示装置を模式的に示す断面図。
図6】本実施形態に係る表示装置の製造工程を模式的に示す断面図。
図7】本実施形態の第1変形例に係る表示装置を模式的に示す平面図。
図8】本実施形態の第1変形例に係る表示装置を模式的に示す断面図。
図9】本実施形態の第2変形例に係る表示装置を模式的に示す平面図。
図10】本実施形態の第3変形例に係る表示装置の絶縁部および導電層を模式的に示す斜視図。
図11】本実施形態に係るヘッドマウントディスプレイを模式的に示す斜視図。
図12】本実施形態に係るヘッドマウントディスプレイの像形成装置および導光装置を模式的に示す図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の好適な実施形態について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、以下で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
【0010】
1. 表示装置
1.1. 全体の構成
まず、本実施形態に係る表示装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る表示装置100を模式的に示す平面図である。なお、図1では、互いに直交する3軸として、X軸、Y軸、およびZ軸を図示している。
【0011】
表示装置100は、画像を表示する装置である。なお、画像には、文字情報のみのものも含まれる。表示装置100は、例えば、ヘッドマウントディスプレイなどに好適に用いられるマイクロディスプレイである。
【0012】
表示装置100は、図1に示すように、画像を表示する表示領域102と、Z軸方向からみて表示領域102を囲む周辺領域104と、を有する。表示領域102の平面形状は、例えば、四角形である。
【0013】
表示装置100は、複数の発光素子70を有する。発光素子70は、表示領域102に設けられている。図示の例では、複数の発光素子70の発光層73は、X軸方向およびY軸方向にマトリックス状に配列されている。発光素子70は、画素を構成している。画素は、画像の表示における最小単位である。なお、便宜上、図1では、発光素子70として、発光素子70の発光層73を図示している。このことは、後述する図2,7,9において、同様である。
【0014】
表示装置100は、回路基板2と、素子基板4と、を有している。回路基板2および素子基板4は、Z軸方向に積層されている。Z軸方向からみて、回路基板2および素子基板4は、互いに重なっている。
【0015】
回路基板2は、例えば、データ線駆動回路110と、走査線駆動回路112と、制御回路114と、外部端子116と、を有している。データ線駆動回路110、走査線駆動回路112、制御回路114、および外部端子116は、周辺領域104に設けられている。データ線駆動回路110および走査線駆動回路112は、発光素子70の駆動を制御する。制御回路114は、画像の表示を制御する。制御回路114には、図示しない上位回路から画像データが供給される。制御回路114は、当該画像データに基づく各種信号を、データ線駆動回路110および走査線駆動回路112に供給する。外部端子116は、複数設けられている。図示しないが、外部端子116には、上位回路と電気的に接続されたFPC(Flexible printed circuits)基板などが接続されている。回路基板2には、図示しない電源回路が電気的に接続されている。
【0016】
図2は、回路基板2を模式的に示す平面図である。図3は、発光素子70を駆動させるための等価回路図である。
【0017】
回路基板2は、図2および図3に示すように、発光素子70を駆動させる駆動回路11を有している。駆動回路11は、例えば、走査線12と、データ線13と、第1給電線14と、第2給電線15と、画素回路16と、を有している。
【0018】
走査線12は、走査線駆動回路112に接続されている。走査線12は、例えば、X軸方向に延びている。走査線12は、複数設けられている。複数の走査線12は、例えば、Y軸方向に並んでいる。
【0019】
データ線13は、データ線駆動回路110に接続されている。データ線13は、例えば、Y軸方向に延びている。データ線13は、複数設けられている。複数のデータ線13は、例えば、X軸方向に並んでいる。
【0020】
第1給電線14は、図3に示すように、画素回路16を介して、発光素子70の第2電極77と電気的に接続されている。第1給電線14には、図示しない電源回路から高位側の電源電位Velが供給される。
【0021】
第2給電線15は、画素回路16を介して、発光素子70の第1電極76と電気的に接続されている。第2給電線15には、図示しない電源回路から低位側の電源電位Vctが供給される。なお、便宜上、図2では、給電線14,15の図示を省略している。
【0022】
画素回路16は、複数の発光素子70に対応して、複数設けられている。画素回路16は、例えば、スイッチング用トランジスター17と、駆動用トランジスター18と、保持容量19と、を有している。スイッチング用トランジスター17のゲートは、走査線12に電気的に接続されている。スイッチング用トランジスター17のソースおよびドレインのうちの一方は、データ線13に電気的に接続され、他方は、駆動用トランジスター18のゲートに電気的に接続されている。駆動用トランジスター18のソースおよびドレインのうちの一方は、第1給電線14に電気的に接続され、他方は、第2電極77に電気的に接続されている。保持容量19の一方の電極は、駆動用トランジスター18のゲートに電気的に接続され、他方の電極は、第1給電線14に電気的に接続されている。
【0023】
画素回路16では、走査線駆動回路112が走査信号をアクティブにすることで走査線12が選択されると、選択される発光素子70に設けられるスイッチング用トランジスター17がオンする。そうすると、データ線13からデータ信号が、選択される走査線12に対応する駆動用トランジスター18に供給される。駆動用トランジスター18は、供給されるデータ信号の電位、すなわちゲートおよびソース間の電位差に応じた電流を発光素子70に供給する。そして、発光素子70は、駆動用トランジスター18から供給される電流の大きさに応じた輝度で発光する。走査線駆動回路112が走査線12の選択を解除してスイッチング用トランジスター17がオフした場合、駆動用トランジスター18のゲートの電位は、保持容量19により保持される。そのため、発光素子70は、スイッチング用トランジスター17がオフした後も、発光素子70の発光を維持できる。
【0024】
1.2. 回路基板
図4は、表示装置100を模式的に示す図1のIV-IV線断面図である。図5は、図4の一部の拡大図である、回路基板2は、図4および図5に示すように、例えば、第1基板10と、絶縁層20,22,24と、配線層30,32と、金属層34と、ビア40,42,44と、絶縁部50,52と、導電層54,56と、を有している。
【0025】
第1基板10は、シリコン基板上に、上述した駆動回路11が設けられた基板である。なお、シリコン基板の代わりに、例えば、ガラス基板、樹脂基板、セラミックス基板が用いられてもよい。駆動回路11が有するトランジスター17,18は、例えば、MOS(Metal-Oxide-Semiconductor)型トランジスター、薄膜トランジスター、電界効果トランジスターである。駆動回路11が有する各要素および各種配線の材料としては、例えば、ポリシリコン、金属、金属シリサイドおよび金属化合物などの導電材料が挙げられる。
【0026】
絶縁層20は、第1基板10上に設けられている。配線層30は、絶縁層20上に設けられている。ビア40は、絶縁層20に形成されたコンタクトホールに設けられている。ビア40は、駆動回路11と配線層30とを接続している。
【0027】
絶縁層22は、絶縁層20上に設けられている。配線層32は、絶縁層22上に設けられている。ビア42は、絶縁層22に形成されたコンタクトホールに設けられている。ビア42は、配線層30と配線層32とを接続している。
【0028】
絶縁層24は、絶縁層22上に設けられている。ビア44は、絶縁層22に形成されたコンタクトホールに設けられている。ビア44は、配線層32と導電層54とを接続している。絶縁層20,22,24は、例えば、酸化シリコン層、窒化シリコン層である。配線層30,32の材質は、例えば、銅、アルミニウムである。ビア40,42,44の材質は、例えば、タングステン、チタン、窒化チタンである。
【0029】
金属層34は、絶縁層22上に設けられている。金属層34には、開口部36が形成されている。開口部36は、金属層34を貫通している。配線層32は、開口部36に設けられている。金属層34は、配線層32と離隔している。金属層34は、配線層32と電気的に絶縁されている。
【0030】
金属層34は、駆動回路11と発光素子70との間に設けられている。金属層34は、駆動回路11と、発光素子70の発光層73と、の間に設けられている。金属層34は、発光素子70で発生された光に対して、遮光性を有している。金属層34には、一定の電位が印加されている。金属層34は、グランド電位を有していてもよい。金属層34の材質は、例えば、銅、アルミニウムである。
【0031】
金属層34は、複数の発光素子70に対応して、複数設けられている。複数の金属層34のうちの第1金属層34aは、複数の発光素子70のうちの第1発光素子70aと、駆動回路11と、の間に設けられている。図1に示すように、複数の金属層34のうちの第2金属層34bは、複数の発光素子70のうちの第2発光素子70bと、駆動回路11と、の間に設けられている。第1発光素子70aおよび第2発光素子70bは、例えば、Y軸方向において隣り合う発光素子70である。図示の例では、第1金属層34aと第2金属層34bは、連続している。X軸方向に隣り合う金属層34は、互いに離隔している。なお、図1では、金属層34の外縁を図示している。
【0032】
絶縁部50は、図4および図5に示すように、絶縁層24上に設けられている。絶縁部50は、第1基板10と発光素子70との間に設けられている。絶縁部50は、第1基板10と、発光素子70の第2電極77と、の間に設けられている。絶縁部50の上面は、例えば、凸状である。絶縁部50の厚さは、例えば、1μmである。絶縁部50のX軸方向の大きさは、例えば、3μmである。
【0033】
絶縁部50は、弾性を有している。絶縁部50は、導電層54を発光素子70の第2電極77に押し当てる。絶縁部50は、導電層54を第2電極77に向けて付勢する。絶縁
部50は、例えば、発光素子70で発生した光に対して遮光性を有するブラックマトリックスである。絶縁部50の材質は、例えば、ポリイミド、変性ポリイミド、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの樹脂に、炭素が添加されたものである。炭素の添加により、絶縁部50は、遮光性を有することができる。絶縁部50の材質は、感光性樹脂であってもよい。
【0034】
絶縁部50は、複数の発光素子70に対応して、複数設けられている。複数の絶縁部50のうちの第1絶縁部50aは、第1基板10と第1発光素子70aとの間に設けられている。図1に示すように、複数の絶縁部50のうちの第2絶縁部50bは、第1基板10と第2発光素子70bとの間に設けられている。図示の例では、第1絶縁部50aと第2絶縁部50bは、連続している。X軸方向に隣り合う絶縁部50は、互いに離隔している。なお、図示はしないが、複数の絶縁部50は、互いに離隔していてもよい。
【0035】
絶縁部52は、図4に示すように、絶縁層24上に設けられている。絶縁部52は、第1基板10と、発光素子70の第1電極76と、の間に設けられている。絶縁部52の上面は、例えば、凸状である。絶縁部52は、弾性を有している。絶縁部52は、導電層56を第1電極76に押し当てる。絶縁部52は、導電層56を第1電極76に向けて付勢する。絶縁部52の材質は、絶縁部50の材質と同じである。
【0036】
導電層54は、絶縁層24、ビア44、および絶縁部50上に設けられている。導電層54は、絶縁部50と発光素子70との間に設けられている。導電層54は、絶縁部50と、発光素子70の第2電極77と、の間に設けられている。導電層54は、第2電極77と接している。導電層54は、絶縁部50によって第2電極77に押し当てられている。導電層54は、第2電極77とビア44とを接続している。導電層54の平面形状は、例えば、長方形である。導電層54のX軸方向の大きさは、例えば、5μmである。導電層54のY軸方向の大きさは、例えば、2μmである。
【0037】
導電層54は、ビア40,42,44、および配線層30,32を介して、駆動回路11と電気的に接続されている。導電層54の材質は、例えば、Au、Ag、TiW、Cu、Ni、Pd、Al、Cr、Ti、W、NiCr、鉛フリーはんだである。導電層54は、絶縁部50側から、TiW層、Au層の順序で積層されたものなどを用いる。TiW層の厚さは、例えば、50nmである。Au層の厚さは、例えば、100nmである。導電層54および絶縁部50は、樹脂コアバンプを構成している。
【0038】
導電層54は、複数の発光素子70に対応して、複数設けられている。複数の導電層54は、互いに離隔している。複数の導電層54のうちの第1導電層54aは、第1絶縁部50aと、第1発光素子70aの第2電極77と、の間に設けられている。第1導電層54aは、第1絶縁部50aによって、第1発光素子70aの第2電極77に押し当てられている。図1に示すように、複数の導電層54のうちの第2導電層54bは、第2絶縁部50bと、第2発光素子70bの第2電極77と、の間に設けられている。第2導電層54bは、第2絶縁部50bによって、第2発光素子70bの第2電極77に押し当てられている。
【0039】
導電層56は、図4に示すように、絶縁層24上および絶縁部52上に設けられている。導電層56は、絶縁部52と、発光素子70の第1電極76と、の間に設けられている。導電層56は、第1電極76と接している。導電層56は、絶縁部52によって第1電極76に押し当てられている。導電層56は、図示せぬ配線を介して、駆動回路11と電気的に接続されている導電層56の材質は、導電層54の材質と同じである。導電層56および絶縁部52は、樹脂コアバンプを構成している。
【0040】
1.3. 素子基板
素子基板4は、接着層6を介して、回路基板2に接合されている。素子基板4は、図4および図5に示すように、例えば、第2基板60と、発光素子70と、被覆層80と、接続部90と、を有している。
【0041】
第2基板60は、第1基板10と対向配置されている。図示の例では、第2基板60の下面は、第1基板10の上面と平行である。第2基板60は、発光素子70で発生した光を透過させる。第2基板60は、例えば、シリコン基板、GaN基板、サファイア基板、SiC基板などである。
【0042】
発光素子70は、第2基板60の下に設けられている。発光素子70は、第1基板10と第2基板60との間に設けられている。発光素子70は、複数設けられている。発光素子70は、例えば、LEDである。
【0043】
発光素子70は、例えば、バッファー層71と、第1半導体層72と、発光層73と、第2半導体層74と、第1電極76と、第2電極77と、を有している。
【0044】
バッファー層71は、第2基板60の下に設けられている。バッファー層71は、第2基板60と第1半導体層72との間に設けられている。バッファー層71は、例えば、複数の発光素子70において、共通の層である。隣り合う発光素子70において、バッファー層71は、互いに連続している。バッファー層71は、第1導電型を有している。バッファー層71は、例えば、Siがドープされたn型のGaN層である。
【0045】
第1半導体層72は、バッファー層71の下に設けられている。第1半導体層72は、バッファー層71と発光層73の間に設けられている。第1半導体層72は、バッファー層71と一体に設けられていてもよい。第1半導体層72は、第1導電型を有している。第1半導体層72は、例えば、Siがドープされたn型のGaN層である。第1半導体層72、発光層73、および第2半導体層74は、例えば、III族窒化物半導体であり、ウルツ鉱型結晶構造を有している。
【0046】
第1半導体層72、発光層73、および第2半導体層74は、複数の発光素子70において、個別に設けられている。隣り合う発光素子70において、第1半導体層72は、互いに離隔し、発光層73は、互いに離隔し、第2半導体層74は、互いに離隔している。第1半導体層72、発光層73、および第2半導体層74は、バッファー層71から下方に突出した柱状部75を構成している。柱状部75のX軸方向の大きさは、例えば、3μmである。柱状部75のY軸方向の大きさは、例えば、3μmである。
【0047】
発光層73は、第1半導体層72の下に設けられている。発光層73は、第1半導体層72と第2半導体層74との間に設けられている。発光層73は、不純物が意図的にドープされていないi型の導電型を有している。発光層73は、電流が注入されることで光を発生させる。発光層73は、例えば、ウェル層と、バリア層と、を有している。ウェル層およびバリア層は、i型の半導体層である。ウェル層は、例えば、InGaN層である。バリア層は、例えば、GaN層である。発光層73は、ウェル層とバリア層とから構成されたMQW(Multiple Quantum Well)構造を有している。
【0048】
なお、発光層73を構成するウェル層およびバリア層の数は、特に限定されない。例えば、ウェル層は、1層だけ設けられていてもよく、この場合、発光層73は、SQW(Single Quantum Well)構造を有している。
【0049】
第2半導体層74は、発光層73の下に設けられている。第2半導体層74は、発光層
73と第2電極77との間に設けられている。第2半導体層74は、第1導電型と異なる第2導電型を有している。第2半導体層74は、例えば、Mgがドープされたp型のGaN層である。
【0050】
発光素子70は、p型の第2半導体層74、i型の発光層73、およびn型の第1半導体層72により、pinダイオードが構成される。発光素子70では、第1電極76と第2電極77との間に、pinダイオードの順バイアス電圧を印加すると、発光層73に電流が注入されて発光層73において電子と正孔との再結合が起こる。この再結合により、発光層73は、光を発生させる。複数の発光素子70は、同じ色の色光を発生させてもよいし、異なる色の色光を発生させてもよい。複数の発光素子70は、赤色光、緑色光、および青色光を発生させてもよい。これにより、表示装置100は、フルカラー表示が可能となる。
【0051】
第1電極76は、バッファー層71の下に設けられている。第1電極76は、バッファー層71と導電層56との間に設けられている。バッファー層71は、第1電極76とオーミックコンタクトしていてもよい。第1電極76は、例えば、導電層56と接合されている。第1電極76は、バッファー層71を介して、第1半導体層72と電気的に接続されている。第1電極76は、導電層56および図示せぬ配線を介して、駆動回路11と電気的に接続されている。第1電極76は、例えば、複数の発光素子70において、共通の電極である。
【0052】
第1電極76としては、例えば、バッファー層71側から、Cr層、Ni層、Au層の順序で積層されたものなどを用いる。第1電極76は、グランド電位を有していてもよい。第1電極76は、発光層73に電流を注入するための一方の電極である。
【0053】
第2電極77は、第2半導体層74の下に設けられている。第2電極77は、第2半導体層74と導電層54との間に設けられている。第2半導体層74は、第2電極77とオーミックコンタクトしていてもよい。第2電極77は、例えば、導電層54と接合されている。第2電極77は、導電層54、ビア40,42,44、および配線層30,32を介して、駆動回路11と電気的に接続されている。第2電極77は、例えば、複数の発光素子70において、個別に設けられている。隣り合う発光素子70において、第2電極77は、互いに離隔している。第2電極77は、発光素子70で発生した光を、第2基板60に向けて反射させる。これにより、表示装置100は、第2基板60側から光を出射できる。
【0054】
第2電極77としては、例えば、第2半導体層74側から、Ni層、Au層の順序で積層されたものなどを用いる。第2電極77は、発光層73に電流を注入するための他方の電極である。
【0055】
被覆層80は、バッファー層71の下面、柱状部75の側面、第2電極77の側面、および第2電極77の下面に設けられている。被覆層80は、発光素子70を被覆している。被覆層80は、発光素子70を保護している。被覆層80は、例えば、酸化シリコン層、窒化シリコン層である。
【0056】
接続部90は、第1基板10と第2基板60との間に設けられている。接続部90は、第1基板10と第2基板60とを接続している。接続部90は、接着層6を介して、第1基板10に接合されている。接続部90は、図1に示すように、Z軸方向からみて、複数の発光素子70を囲んでいる。接続部90の平面形状は、複数の発光素子70を囲む枠状である。接続部90の材質は、例えば、Alなどの金属である。接続部90には、例えば、一定の電位が印加されている。接続部90は、グランド電位を有していてもよい。
【0057】
なお、上記では、InGaN系の発光層73について説明したが、発光層73としては、出射される光の波長に応じて、電流が注入されることで発光可能な様々な材料系を用いることができる。例えば、AlGaN系、AlGaAs系、InGaAs系、InGaAsP系、InP系、GaP系、AlGaP系などの半導体材料を用いることができる。
【0058】
また、上記では、第1導電型をn型とし、第2導電型をp型として説明したが、第1導電型がp型であり、第2導電型がn型であってもよい。
【0059】
また、図示はしないが、発光素子70の柱状部75は、複数のナノ構造体を有していてもよい。
【0060】
1.4. 作用効果
表示装置100では、第1基板10と、第1基板10に対向配置された第2基板60と、第1基板10と第2基板60との間に設けられた第1発光素子70aおよび第2発光素子70bと、第1基板10に設けられ、第1発光素子70aおよび第2発光素子70bを駆動させる駆動回路11と、を有する。さらに、表示装置100は、弾性を有し、第1基板10と第1発光素子70aとの間に設けられた第1絶縁部50aと、弾性を有し、第1基板10と第2発光素子70bとの間に設けられた第2絶縁部50bと、を有する。さらに、表示装置100は、第1絶縁部50aと第1発光素子70aとの間に設けられ、駆動回路11と電気的に接続され、第1絶縁部50aによって第1発光素子70aに押し当てられる第1導電層54aと、第2絶縁部50bと第2発光素子70bとの間に設けられ、駆動回路11と電気的に接続され、第2絶縁部50bによって第2発光素子70bに押し当てられる第2導電層54bと、を有する。さらに、表示装置100は、第1基板10と第2基板60とを接続する接続部90を有する。
【0061】
そのため、表示装置100では、発光素子70a,70bの高さがばらついたとしても、絶縁部50a,50bが変形することにより、第1導電層54aと第1発光素子70aの接触、および第2導電層54bと第2発光素子70bとの接触を維持することができる。したがって、駆動回路11と発光素子70a,70bとの電気的な接続に不良が生じる可能性を小さくすることができる。よって、駆動回路11と発光素子70a,70bとの電気的接続の信頼性を向上できる。
【0062】
例えば、発光素子70a,70bの熱によって第2基板60に反りが生じ、発光素子70a,70bの高さがばらつく場合がある。具体的には、Z軸方向における発光素子70a,70bの第2電極77の位置がばらつく場合がある。このよう場合であっても、表示装置100では、絶縁部50a,50bが変形することにより、駆動回路11と発光素子70a,70bとの電気的な接続に不良が生じる可能性を小さくすることができる。
【0063】
表示装置100では、接続部90には、一定の電位が印加される。そのため、表示装置100では、発光素子70a,70bに入射する電磁波ノイズを低減できる。
【0064】
表示装置100では、接続部90は、第1発光素子70aおよび第2発光素子70bを囲む。そのため、表示装置100では、発光素子70a,70bに入射する電磁波ノイズを、より低減できる。
【0065】
表示装置100では、第1絶縁部50aと第2絶縁部50bとは、連続している。そのため、表示装置100では、第1絶縁部50aと第2絶縁部50bとが分離している場合に比べて、コンパクト化を図ることができる。具体的には、表示装置100のY軸方向の大きさを小さくできる。さらに、第1絶縁部50aと第2絶縁部50bが連続してなる絶
縁部は、Z軸方向からみて、例えば、データ線13に沿って、データ線13と重なっている。そのため、例えば第1絶縁部50aと第2絶縁部50bが分離している場合に比べて、データ線13に加えられる応力の均一性を高めることができる。
【0066】
表示装置100では、第1絶縁部50aおよび第2絶縁部50bは、遮光性を有する。そのため、表示装置100では、発光素子70a,70bで発生した光が駆動回路11に入射することを抑制できる。これにより、駆動回路11の誤作動を抑制できる。
【0067】
表示装置100では、第1発光素子70aと駆動回路11との間に設けられた遮光性を有する第1金属層34aと、第2発光素子70bと駆動回路11との間に設けられた遮光性を有する第2金属層34bと、を有する。そのため、表示装置100では、発光素子70a,70bで発生した光が駆動回路11に入射することを抑制できる。これにより、駆動回路11の誤作動を抑制できる。
【0068】
表示装置100では、第1金属層34aおよび第2金属層34bには、一定の電位が印加される。そのため、表示装置100では、駆動回路11に入射する電磁波ノイズを低減できる。
【0069】
2. 表示装置の製造方法
次に、本実施形態に係る表示装置100の製造方法について、図面を参照しながら説明する。図6は、本実施形態に係る表示装置100の製造工程を模式的に示す断面図である。
【0070】
図6に示すように、第2基板60上に、バッファー層71をエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法などが挙げられる。
【0071】
次に、バッファー層71上に、図示しないマスク層を形成する。マスク層は、例えば、電子ビーム蒸着法やスパッタ法などによって形成される。
【0072】
次に、マスク層をマスクとして、バッファー層71上に、第1半導体層72、発光層73、および第2半導体層74を、この順でエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長させる方法としては、例えば、MOCVD法、MBE法などが挙げられる。次に、例えば、図示せぬマスク層を除去する。なお、マスク層は、除去せずに残したままであってもよい。本工程により、柱状部75が形成される。
【0073】
なお、柱状部75は、マスク層を用いずにバッファー層71に続いて第1半導体層72、発光層73、および第2半導体層74をエピタキシャル成長させ、成長された半導体層72,74および発光層73をパターニングすることによって形成されてもよい。パターニングは、例えば、フォトリソグラフィーおよびエッチングによって行われる。
【0074】
次に、第2半導体層74上に、第2電極77を形成する。第2電極77は、例えば、スパッタ法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、真空蒸着法によって形成される。
【0075】
次に、バッファー層71上および第2電極77上に、被覆層80を形成する。被覆層80は、例えば、CVD法によって形成される。次に、被覆層80を所定の形状にパターニングする。パターニングは、例えば、フォトリソグラフィーおよびエッチングによって行われる。
【0076】
次に、バッファー層71上に、第1電極76を形成する。第1電極76は、例えば、ス
パッタ法、CVD法、真空蒸着法によって形成される。なお、第1電極76を形成する工程と、第2電極77を形成する工程と、の順番は、特に限定されない。
【0077】
以上の工程により、複数の発光素子70が形成される。
【0078】
次に、第2基板60上に、接続部90を形成する。接続部90は、例えば、めっき法、スパッタ法によって形成される。なお、発光素子70を形成する前に、接続部90を形成してもよい。
【0079】
以上の工程により、素子基板4が形成される。
【0080】
図4に示すように、素子基板4を回路基板2にジャンクションダウン実装する。接続部90は、接着層6によって、第1基板10に接合される。第1電極76は、導電層56に接合される。第2電極77は、導電層54に接合される。なお、回路基板2は、半導体製造プロセスを用いて製造される。
【0081】
以上の工程により、表示装置100を製造できる。
【0082】
3. 表示装置の変形例
3.1. 第1変形例
次に、本実施形態の第1変形例に係る表示装置について、図面を参照しながら説明する。図7は、本実施形態の第1変形例に係る表示装置200を模式的に示す平面図である。図8は、本実施形態の第1変形例に係る表示装置200を模式的に示す図7のVIII-VIII線断面図である。
【0083】
以下、本実施形態の第1変形例に係る表示装置200において、上述した本実施形態に係る表示装置100の構成部材と同様の機能を有する部材については同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。このことは、後述する本実施形態の第2,第3変形例に係る表示装置おいて、同様である。
【0084】
表示装置200は、図7および図8に示すように、スペーサー部材92を有する点において、上述した表示装置100と異なる。
【0085】
スペーサー部材92は、図8に示すように、第1基板10と第2基板60との間に設けられている。スペーサー部材92は、第1基板10および第2基板60に接している。スペーサー部材92は、図7に示すように、Z軸方向からみて、複数の発光素子70を囲んでいる。スペーサー部材92の平面形状は、複数の発光素子70を囲む枠状である。スペーサー部材92は、接続部90の内側に設けられている。
【0086】
スペーサー部材92の材質は、例えば、Alなどの金属である。スペーサー部材92には、例えば、一定の電位が印加されている。これにより、発光素子70a,70bに入射する電磁波ノイズを低減できる。スペーサー部材92は、グランド電位を有していてもよい。なお、図示はしないが、スペーサー部材92は、接続部90の外側に設けられていてもよい。
【0087】
表示装置200では、第1基板10と第2基板60との間に設けられ、第1基板10および第2基板60に接するスペーサー部材92を有し、スペーサー部材92は、第1発光素子70aおよび第2発光素子70bを囲み、接続部90は、接着層6を介して、第1基板10に接合されている。そのため、表示装置200では、スペーサー部材92によって、第1基板10と第2基板60との平行度を高めることができる。スペーサー部材92は
、接着層によって基板10,60に接合されていてないため、第1基板10と第2基板60との平行度を高め易い。
【0088】
3.2. 第2変形例
次に、本実施形態の第2変形例に係る表示装置について、図面を参照しながら説明する。図9は、本実施形態の第2変形例に係る表示装置300を模式的に示す平面図である。
【0089】
上述した表示装置100では、図1に示すように、X軸方向において隣り合う金属層34は、互いに離隔していた。
【0090】
これに対し、表示装置300は、図9に示すように、X軸方向において隣り合う金属層34は、互いに連続している。複数の金属層34は、共通の金属層34を構成している。そのため、表示装置300では、駆動回路11に入射する光を、より低減できる。
【0091】
3.3. 第3変形例
次に、本実施形態の第3変形例に係る表示装置について、図面を参照しながら説明する。図10は、本実施形態の第3変形例に係る表示装置400の絶縁部50および導電層54を模式的に示す斜視図である。
【0092】
上述した表示装置100では、図1に示すように、導電層54の平面形状は、長方形であった。
【0093】
これに対し、表示装置400では、図10に示すように、導電層54には、切り欠き55が形成されている。
【0094】
切り欠き55は、Z軸方向からみて、絶縁部50の外縁と重なる位置に形成されている。図示の例では、切り欠き55は、1つの導電層54において、4つ形成されている。切り欠き55によって、導電層54の第1部分454と第2部分456と、の間で生じる応力を、緩和できる。第1部分454は、絶縁部50上に設けられ、絶縁部50とともに弾性変形する部分である。第2部分456は、絶縁層24上に設けられた部分である。第2部分456は、2つ設けられている。Z軸方向からみて、第1部分454は、2つの第2部分456に挟まれている。切り欠き55によって、導電層54にクラックが発生することを抑制できる。
【0095】
切り欠き55は、Z軸方向からみて、金属層34と重なっている。そのため、切り欠き55を通過した光が駆動回路11に入射する可能性を小さくすることができる。これにより、駆動回路11の誤作動を抑制できる。
【0096】
4. 電子機器
4.1. 全体の構成
次に、本実施形態に係る電子機器としてのヘッドマウントディスプレイについて、図面を参照しながら説明する。図11は、本実施形態に係るヘッドマウントディスプレイ900を模式的に示す斜視図である。
【0097】
ヘッドマウントディスプレイ900は、図11に示すように、眼鏡のような外見を有する頭部装着型のディスプレイである。ヘッドマウントディスプレイ900は、観察者の頭部に装着される。観察者とは、ヘッドマウントディスプレイ900を使用する使用者のことである。ヘッドマウントディスプレイ900は、観察者に対して虚像による映像光を視認させることができるとともに、外界像をシースルーで視認させることができる。
【0098】
ヘッドマウントディスプレイ900は、例えば、第1表示部910aと、第2表示部910bと、フレーム920と、第1テンプル930aと、第2テンプル930bと、を有している。
【0099】
第1表示部910aおよび第2表示部910bは、画像を表示する。具体的には、第1表示部910aは、観察者の右眼用の虚像を表示する。第2表示部910bは、観察者の左眼用の虚像を表示する。表示部910a,910bは、例えば、像形成装置911と、導光装置915と、を有している。
【0100】
像形成装置911は、画像光を形成する。像形成装置911は、例えば、光源や投射装置などの光学系と、外部部材912と、を有している。外部部材912は、光源および投射装置を収容している。
【0101】
導光装置915は、観察者の眼前を覆う。導光装置915は、像形成装置911で形成された映像光を導光させるとともに、外界光と映像光とを重複して観察者に視認させる。なお、像形成装置911および導光装置915の詳細については、後述する。
【0102】
フレーム920は、第1表示部910aおよび第2表示部910bを支持している。フレーム920は、例えば、表示部910a,910bを囲んでいる。図示の例では、第1表示部910aの像形成装置911は、フレーム920の一方の端部に取り付けられている。第2表示部910bの像形成装置911は、フレーム920の他方の端部に取り付けられている。
【0103】
第1テンプル930aおよび第2テンプル930bは、フレーム920から延在している。図示の例では、第1テンプル930aは、フレーム920の一方の端部から延在している。第2テンプル930bは、フレーム920の他方の端部から延在している。
【0104】
第1テンプル930aおよび第2テンプル930bは、ヘッドマウントディスプレイ900が観察者に装着された場合に、観察者の耳に懸架される。テンプル930a,930b間に、観察者の頭部が位置する。
【0105】
4.2. 像形成装置および導光装置
図12は、ヘッドマウントディスプレイ900の第1表示部910aの像形成装置911および導光装置915を模式的に示す図である。なお、第1表示部910aと第2表示部910bとは、基本的に同じ構成を有している。したがって、以下の第1表示部910aの説明は、第2表示部910bに適用できる。
【0106】
像形成装置911は、図12に示すように、例えば、光源としての表示装置100と、結像用の投射装置914と、を有している。
【0107】
投射装置914は、表示装置100から出射された映像光を、導光装置915に向けて投射する。投射装置914は、例えば、投射レンズである。投射装置914を構成するレンズとして、軸対称面をレンズ面とするものを用いてもよい。
【0108】
導光装置915は、例えば、投射装置914の鏡筒にねじ止めされることにより、投射装置914に対して精度よく位置決めされている。導光装置915は、例えば、映像光を導光する映像光導光部材916と、透視用の透視部材918と、を有している。
【0109】
映像光導光部材916には、投射装置914から出射された映像光が入射する。映像光導光部材916は、映像光を、観察者の眼に向けて導光するプリズムである。映像光導光
部材916に入射した映像光は、映像光導光部材916の内面において反射を繰り返した後、反射層917で反射されて映像光導光部材916から出射される。映像光導光部材916から出射された映像光は、観察者の眼に至る。反射層917は、例えば、金属や、誘電体多層膜で構成されている。反射層917は、ハーフミラーであってもよい。
【0110】
透視部材918は、映像光導光部材916に隣接している。透視部材918は、映像光導光部材916に固定されている。透視部材918の外表面は、例えば、映像光導光部材916の外表面と連続している。透視部材918は、観察者に、外界光を透視させる。映像光導光部材916についても、映像光を導光する機能の他に、観察者に外界光を透視させる機能を有している。なお、ヘッドマウントディスプレイ900は、観察者に、外界光を透視させない構成であってもよい。
【0111】
本実施形態に係る電子機器は、上述した表示装置を有すれば、ヘッドマウントディスプレイに限定されない。本実施形態に係る電子機器は、EVF(Electronic View Finder)、プロジェクター、スマートウォッチなどのウェアラブルディスプレイ、車載用のヘッドアップディスプレイであってもよい。
【0112】
上述した実施形態および変形例は一例であって、これらに限定されるわけではない。例えば、各実施形態および各変形例を適宜組み合わせることも可能である。
【0113】
本発明は、実施の形態で説明した構成と実質的に同一の構成、例えば、機能、方法および結果が同一の構成、あるいは目的および効果が同一の構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成の本質的でない部分を置き換えた構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成と同一の作用効果を奏する構成または同一の目的を達成することができる構成を含む。また、本発明は、実施の形態で説明した構成に公知技術を付加した構成を含む。
【0114】
上述した実施形態および変形例から以下の内容が導き出される。
【0115】
表示装置の一態様は、
第1基板と、
前記第1基板に対向配置された第2基板と、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられた第1発光素子および第2発光素子と、
前記第1基板に設けられ、前記第1発光素子および前記第2発光素子を駆動させる駆動回路と、
弾性を有し、前記第1基板と前記第1発光素子との間に設けられた第1絶縁部と、
弾性を有し、前記第1基板と前記第2発光素子との間に設けられた第2絶縁部と、
前記第1絶縁部と前記第1発光素子との間に設けられ、前記駆動回路と電気的に接続され、前記第1絶縁部によって前記第1発光素子に押し当てられる第1導電層と、
前記第2絶縁部と前記第2発光素子との間に設けられ、前記駆動回路と電気的に接続され、前記第2絶縁部によって前記第2発光素子に押し当てられる第2導電層と、
前記第1基板と前記第2基板とを接続する接続部と、
を有する。
【0116】
この表示装置によれば、駆動回路と第1発光素子との電気的な接続、および駆動回路と第2発光素子との電気的な接続に不良が生じる可能性を小さくすることができる。
【0117】
前記表示装置の一態様において、
前記接続部には、一定の電位が印加されてもよい。
【0118】
この表示装置によれば、第1発光素子および第2発光素子に入射する電磁波ノイズを低減できる。
【0119】
前記表示装置の一態様において、
前記接続部は、前記第1発光素子および前記第2発光素子を囲んでもよい。
【0120】
この表示装置によれば、第1発光素子および第2発光素子に入射する電磁波ノイズを、より低減できる。
【0121】
前記表示装置の一態様において、
前記第1絶縁部と前記第2絶縁部とは、連続していてもよい。
【0122】
この表示装置によれば、コンパクト化を図ることができる。
【0123】
前記表示装置の一態様において、
前記第1絶縁部および前記第2絶縁部は、遮光性を有してもよい。
【0124】
この表示装置によれば、第1発光素子および第2発光素子で発生した光が駆動回路に入射することを抑制できる。
【0125】
前記表示装置の一態様において、
前記第1発光素子と前記駆動回路との間に設けられた遮光性を有する第1金属層と、
前記第2発光素子と前記駆動回路との間に設けられた遮光性を有する第2金属層と、
を有してもよい。
【0126】
この表示装置によれば、第1発光素子および第2発光素子で発生した光が駆動回路に入射することを抑制できる。
【0127】
前記表示装置の一態様において、
前記第1金属層および前記第2金属層には、一定の電位が印加されてもよい。
【0128】
この表示装置によれば、駆動回路に入射する電磁波ノイズを低減できる。
【0129】
前記表示装置の一態様において、
前記第1基板と前記第2基板との間に設けられ、前記第1基板および前記第2基板に接するスペーサー部材を有し、
前記スペーサー部材は、前記第1発光素子および前記第2発光素子を囲み、
前記接続部は、接着層を介して、前記第1基板に接合されていてもよい。
【0130】
この表示装置によれば、スペーサー部材によって、第1基板と第2基板との平行度を高めることができる。
【0131】
電子機器の一態様は、
前記表示装置の一態様を有する。
【符号の説明】
【0132】
2…回路基板、4…素子基板、6…接着層、10…第1基板、11…駆動回路、12…走査線、13…データ線、14…第1給電線、15…第2給電線、16…画素回路、17…スイッチング用トランジスター、18…駆動用トランジスター、19…保持容量、20,22,24…絶縁層、30,32…配線層、34…金属層、34a…第1金属層、34b
…第2金属層、36…開口部、40,42,44…ビア、50…絶縁部、50a…第1絶縁部、50b…第2絶縁部、52…絶縁部、54…導電層、54a…第1導電層、54b…第2導電層、55…切り欠き、56…導電層、60…第2基板、70…発光素子、70a…第1発光素子、70b…第2発光素子、71…バッファー層、72…第1半導体層、73…発光層、74…第2半導体層、75…柱状部、76…第1電極、77…第2電極、80…被覆層、90…接続部、92…スペーサー部材、100…表示装置、102…表示領域、104…周辺領域、110…データ線駆動回路、112…走査線駆動回路、114…制御回路、116…外部端子、200,300,400…表示装置、454…第1部分、456…第2部分、900…ヘッドマウントディスプレイ、910a…第1表示部、910b…第2表示部、911…像形成装置、912…外部部材、914…投射装置、915…導光装置、916…映像光導光部材、917…反射層、918…透視部材、920…フレーム、930a…第1テンプル、930b…第2テンプル
図1
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