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特開2024-128674報酬付与装置、報酬付与方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128674
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】報酬付与装置、報酬付与方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/0217 20230101AFI20240913BHJP
【FI】
G06Q30/0217
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037797
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】500294785
【氏名又は名称】株式会社ホンダファイナンス
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関口 祐太
(72)【発明者】
【氏名】新井 直樹
(72)【発明者】
【氏名】青木 勇太
(72)【発明者】
【氏名】大熊 顕至
(72)【発明者】
【氏名】石井 雅之
(72)【発明者】
【氏名】堀尾 宝那
(72)【発明者】
【氏名】田野邉 彩
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 みずき
【テーマコード(参考)】
5L030
5L049
【Fターム(参考)】
5L030BB07
5L049BB07
(57)【要約】
【課題】コンテンツの投稿者に対して適正な報酬を付与する。
【解決手段】コンテンツ配信サービスへのコンテンツの投稿者に報酬を付与する報酬付与装置は、コンテンツ配信サービスの利用者の運転特性を取得する特性取得部と、コンテンツ配信サービスの利用者が特定のコンテンツを利用した後における当該利用者の運転特性が報酬条件を満たす場合に、特定のコンテンツの投稿者に報酬を付与する報酬付与部と、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンテンツ配信サービスへのコンテンツの投稿者に報酬を付与する報酬付与装置であって、
前記コンテンツ配信サービスの利用者の運転特性を取得する特性取得手段と、
前記コンテンツ配信サービスの利用者が特定のコンテンツを利用した後における当該利用者の前記運転特性が報酬条件を満たす場合に、前記特定のコンテンツの投稿者に報酬を付与する報酬付与手段と、を備える、報酬付与装置。
【請求項2】
前記報酬付与手段は、前記運転特性が前記報酬条件を満たすまでの期間に基づいて、前記特定のコンテンツの前記投稿者に付与する前記報酬の量を決定する、請求項1に記載の報酬付与装置。
【請求項3】
前記報酬付与手段は、前記運転特性のカテゴリが前記特定のコンテンツのカテゴリに一致するかどうかに基づいて、前記特定のコンテンツの前記投稿者に付与する前記報酬の量を決定する、請求項1に記載の報酬付与装置。
【請求項4】
前記コンテンツの前記カテゴリは、安全運転と、省エネ運転と、運転量増加と、のうちの少なくとも何れかを含む、請求項3に記載の報酬付与装置。
【請求項5】
コンピュータを請求項1乃至3の何れか1項に記載の報酬付与装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項6】
コンテンツ配信サービスへのコンテンツの投稿者に報酬を付与する報酬付与方法であって、
特性取得手段が、前記コンテンツ配信サービスの利用者の運転特性を取得する特性取得工程と、
報酬付与手段が、前記コンテンツ配信サービスの利用者が特定のコンテンツを利用した後における当該利用者の前記運転特性が報酬条件を満たす場合に、前記特定のコンテンツの投稿者に報酬を付与する報酬付与工程と、を有する、報酬付与方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、報酬付与装置、報酬付与方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザによって投稿された動画を別のユーザに配信する動画配信サービスが知られている(特許文献1)。このような動画配信サービスでは、動画の利用回数や利用者からの評価に応じて投稿者に報酬が付与される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-150795号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンテンツ配信サービスに投稿されるコンテンツは、車両の運転に関する情報を含みうる。このようなコンテンツが利用者の運転特性に与える影響を、コンテンツの利用回数や利用者からの評価に基づいて正確に判定できるとは限らない。そのため、従来技術では、コンテンツに対して適正な報酬を付与することは困難であった。本発明の一部の側面は、コンテンツの投稿者に対して適正な報酬を付与するための技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一部の実施形態によれば、コンテンツ配信サービスへのコンテンツの投稿者に報酬を付与する報酬付与装置であって、前記コンテンツ配信サービスの利用者の運転特性を取得する特性取得手段と、前記コンテンツ配信サービスの利用者が特定のコンテンツを利用した後における当該利用者の前記運転特性が報酬条件を満たす場合に、前記特定のコンテンツの投稿者に報酬を付与する報酬付与手段と、を備える、報酬付与装置が提供される。
【発明の効果】
【0006】
一部の実施形態によれば、コンテンツの投稿者に対して適正な報酬を付与できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】一部の実施形態のコンテンツ配信システムの構成例を説明するブロック図。
図2】一部の実施形態のコンテンツ配信サーバのハードウェア構成例を説明するブロック図。
図3】一部の実施形態のコンテンツ配信サーバの機能構成例を説明するブロック図。
図4】一部の実施形態のコンテンツ配信サーバに記憶される情報を説明する図。
図5】一部の実施形態のコンテンツ配信サーバの動作例を説明するフロー図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0009】
図1を参照して、一部の実施形態に係るコンテンツ配信システム100の構成例について説明する。コンテンツ配信システム100は、例えば、コンテンツ配信サーバ101と、1つ以上のクライアント装置102とを含みうる。コンテンツ配信サーバ101は、ネットワーク104を通じて1つ以上のクライアント装置102と通信可能である。ネットワーク104は、例えば広域ネットワーク(例えば、インターネット)、ローカルエリアネットワーク(LAN)などの任意のネットワークを含みうる。
【0010】
コンテンツ配信サーバ101は、コンテンツを配信するコンテンツ配信サービスを提供する。コンテンツ配信サービスによって配信されるコンテンツは、どのような形式のコンテンツであってもよい。例えば、コンテンツは、動画像データ、静止画像データ、音声データ、文書データ、又はこれらの任意の組み合わせであってもよい。コンテンツは、クライアント装置102にダウンロード可能であってもよいし、クライアント装置102からストリーミングによって利用可能であってもよい。コンテンツは有料で提供されてもよいし、無料で提供されてもよい。
【0011】
コンテンツ配信サービスのユーザ(以下、単に「ユーザ」と表す)は、クライアント装置102を使用してコンテンツを利用可能である。コンテンツ配信サーバ101は、複数のユーザに対してコンテンツ配信サービスを提供可能である。ユーザは、コンテンツ配信サービスに対してコンテンツを投稿してもよいし、他のユーザが投稿したコンテンツを利用してもよい。
【0012】
クライアント装置102は、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、スマートフォン、携帯電話機、タブレットコンピュータなどのような任意のコンピュータでありうる。コンテンツの利用形態は、コンテンツの形式ごとに異なりうる。例えば、コンテンツが動画像データとして提供される場合に、コンテンツの利用とは、動画像を視聴することであってもよい。コンテンツが文書データとして提供される場合に、コンテンツの利用とは、文書データをダウンロードすることであってもよい。コンテンツが講義として提供される場合に、コンテンツの利用とは、講義を受講することであってもよい。
【0013】
コンテンツ配信サーバ101は、ネットワーク104を通じて1つ以上の車両103とも通信可能であってもよい。詳細については後述するように、コンテンツ配信サーバ101は、車両103から運転者の運転特性を取得してもよい。
【0014】
図2を参照して、一部の実施形態に係るコンテンツ配信サーバ101のハードウェア構成例について説明する。コンテンツ配信サーバ101は、単一のコンピュータによって構成されてもよいし、複数のコンピュータによって構成されてもよい。コンテンツ配信サーバ101は、クラウド環境に構築されてもよいし、オンプレミス環境に構築されてもよい。
【0015】
コンテンツ配信サーバ101は、図2に示されるハードウェアデバイスを有してもよい。プロセッサ201は、コンテンツ配信サーバ101の全体的な動作を制御する。プロセッサ201は、例えば中央演算ユニット(CPU:Central Processing Unit)によって構成されてもよい。プロセッサ201は、単一のプロセッサであってもよいし、互いに通信可能に接続された複数のプロセッサの集合であってもよい。
【0016】
メモリ202は、コンテンツ配信サーバ101の処理に使用されるプログラム及びデータを記憶する。メモリ202は、例えばランダムアクセスメモリ(RAM)とリードオンリメモリ(ROM)との組み合わせによって構成されてもよい。
【0017】
入力装置203は、コンテンツ配信サーバ101のユーザ(例えば、コンテンツ配信サービスの運営者(以下、「運営者」と表す))から指示を取得するためのデバイスである。入力装置203は、例えばキーボード、ボタン、タッチパッド、マイクのうちの1つ以上の組み合わせによって構成されてもよい。表示装置204は、コンテンツ配信サーバ101のユーザへ視覚的に情報を提示するためのデバイスである。表示装置204は、例えば液晶ディスプレイのようなドットマトリクス型のディスプレイであってもよい。コンテンツ配信サーバ101は、入力装置203と表示装置204とが一体に構成されたデバイス(例えば、タッチスクリーン)を有してもよい。
【0018】
通信装置205は、コンテンツ配信サーバ101の外部の装置(例えば、クライアント装置102や車両103)と通信するためのデバイスである。コンテンツ配信サーバ101が有線通信を行う場合に、通信装置205は、ケーブルを接続するためのコネクタを有するネットワークインタフェースカード(NIC)であってもよい。コンテンツ配信サーバ101が無線通信を行う場合に、通信装置205は、アンテナ及びベースバンド処理回路を含む無線通信モジュールであってもよい。
【0019】
二次記憶装置206は、コンテンツ配信サーバ101の処理に使用されるデータを不揮発に記憶するためのデバイスである。二次記憶装置206は、例えばハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)によって構成される。
【0020】
二次記憶装置206は、例えば、コンテンツ207、ユーザ情報208、コンテンツ情報209、及び報酬条件情報210を記憶してもよい。二次記憶装置206は、これ以外の情報を記憶してもよい。コンテンツ207は、コンテンツ配信サービスによって配信されるコンテンツである。ユーザ情報208は、ユーザ(すなわち、コンテンツ配信サービスのユーザ)に関する情報である。コンテンツ情報209は、コンテンツ207に関する情報である。報酬条件情報210は、コンテンツ207の投稿者に報酬を付与するための条件に関する情報である。ユーザ情報208、コンテンツ情報209、及び報酬条件情報210の詳細については後述する。
【0021】
図3及び図4を参照して、一部の実施形態に係るコンテンツ配信サーバ101の機能ブロック例について説明する。コンテンツ配信サーバ101は、図3に示される機能部を有してもよい。図3に示される各機能部は、メモリ202に読み出されたプログラムをプロセッサ201が実行することによって実現されてもよい。これに代えて、図3に示される機能部の少なくとも一部は、特定用途向け集積回路(ASIC)のような専用回路によって実現されてもよい。
【0022】
ユーザ管理部301は、ユーザに関する情報(すなわち、ユーザ情報208)を管理する。図4を参照して、ユーザ情報208の具体例について説明する。図4の例では、ユーザ情報208がテーブル形式で管理されている。これに代えて、ユーザ情報208は、他の形式で管理されてもよい。後述するコンテンツ情報209及び報酬条件情報210についても同様である。
【0023】
ユーザ情報208は、ユーザのアカウントごとにレコードを有してもよい。例えば、ユーザ管理部301は、コンテンツ配信サービスの利用希望者からの要求に応じて、この希望者に対してアカウントを作成し、新たなアカウントに対応するレコードをユーザ情報208に追加する。ユーザ管理部301は、新たなアカウントの作成の要求を受けるためのウェブユーザインタフェースをクライアント装置102に提供してもよい。希望者は、クライアント装置102のブラウザを利用してこのウェブユーザインタフェースにアクセスすることによって、アカウントを作成してもよい。これに代えて又はこれに加えて、希望者は、クライアント装置102にインストールされた専用のアプリケーションを使用してアカウントを作成してもよい。
【0024】
ユーザ情報208は、カラム401~403を有しうる。カラム401は、ユーザに対して一意に割り当てられたユーザIDを表す。カラム402は、ユーザの運転特性の履歴を表す。カラム403は、ユーザが現在所有している報酬の量を表す。レコードの作成時に、カラム402及びカラム403は初期値であってもよい。カラム402及びカラム403は、後述する処理によって更新されうる。
【0025】
コンテンツ管理部302は、コンテンツに関する情報(すなわち、コンテンツ情報209)を管理する。図4を参照して、コンテンツ情報209の具体例について説明する。コンテンツ情報209は、コンテンツごとにレコードを有してもよい。例えば、コンテンツ管理部302は、ユーザからコンテンツが投稿されるごとに、コンテンツを二次記憶装置206に記憶するとともに、このコンテンツに対応するレコードをコンテンツ情報209に追加する。コンテンツ管理部302は、コンテンツの投稿を受けるためのウェブユーザインタフェースをクライアント装置102に提供してもよい。ユーザは、クライアント装置102のブラウザを利用してこのウェブユーザインタフェースにアクセスすることによって、コンテンツを投稿してもよい。これに代えて又はこれに加えて、ユーザは、クライアント装置102にインストールされた専用のアプリケーションを使用してコンテンツを投稿してもよい。コンテンツ配信サービスに対してコンテンツを投稿したユーザを以下では投稿者と表す。
【0026】
コンテンツ情報209は、カラム411~415を有しうる。カラム411は、コンテンツに対して一意に割り当てられたコンテンツIDを表す。カラム412は、コンテンツの投稿者のユーザIDを表す。コンテンツ情報209のカラム412のユーザIDは、ユーザ情報208のカラム401のユーザIDに対応する。
【0027】
カラム413は、コンテンツのカテゴリを表す。コンテンツのカテゴリは、例えば、「安全運転」、「運転量増加」、及び「省エネ運転」の少なくとも何れかを含んでもよいし、他のカテゴリを含んでもよい。コンテンツのカテゴリが「安全運転」である場合に、このコンテンツは、コンテンツ利用者の安全運転に寄与する情報を含んでもよい。例えば、コンテンツは、適正な車間距離を教示してもよいし、カーブの手前での減速を促してもよいし、他の情報であってもよい。
【0028】
コンテンツのカテゴリが「運転量増加」である場合に、このコンテンツは、コンテンツ利用者の運転量の増加に寄与する情報を含んでもよい。例えば、コンテンツは、運転の楽しさを伝えてもよいし、特定のサービスエリアで開催されているイベントを伝えてもよいし、自動車を使用して巡る観光地の情報であってもよいし、他の情報であってもよい。運転量は、運転頻度(例えば、単位期間(例えば、1週間)にユーザが運転した回数)であってもよいし、単位期間(例えば、1週間)あたりの走行距離であってもよいし、単位期間(例えば、1週間)あたりの運転時間であってもよいし、これらの組み合わせであってもよい。
【0029】
コンテンツのカテゴリが「省エネ運転」である場合に、このコンテンツは、コンテンツ利用者の省エネ運転に寄与する情報を含んでもよい。例えば、コンテンツは、省エネ運転を行うためのコツを教示してもよいし、省エネ運転を行うことによるメリットを伝えてもよいし、他の情報であってもよい。
【0030】
コンテンツのカテゴリは、投稿者がコンテンツの投稿時に指定し、運営者が検証したものであってもよい。これに代えて又はこれに加えて、コンテンツのカテゴリは、運営者がコンテンツに基づいて設定したものであってもよい。
【0031】
カラム414は、コンテンツが提供される形式を表す。カラム415は、コンテンツが格納されている二次記憶装置206内のアドレスを表す。
【0032】
コンテンツ配信部303は、ユーザからの要求に応じて、二次記憶装置206に記憶されているコンテンツ(コンテンツ207)を配信する。コンテンツの配信方法は、投稿者又は運営者によってコンテンツごとに設定され、例えばコンテンツ情報209に記憶されていてもよい。
【0033】
運転特性取得部304は、ユーザの運転特性を取得する。ユーザの運転特性とは、ユーザが車両103を運転する際の運転特性のことであってもよい。ユーザが運転する車両103は、4輪自動車であってもよいし、2輪自動車であってもよいし、他の車両であってもよい。
【0034】
運転特性は、運転に関する任意の特性であってもよい。例えば、運転特性は、ユーザによる運転量を含んでもよい。運転量の具体例は上述したものと同じであってもよい。運転特性は、単位走行距離当たりのエネルギー使用量を含んでもよい。例えば、エネルギー使用量は、電気自動車について電力の消費量であってもよく、ガソリン自動車についてガソリンの消費量であってもよい。運転特性は、車速に関連付けられた車間距離(先行車両までの距離)を含んでもよい。運転特性は、道路形状に関連付けられた車速及び加速度(例えば、カーブの手前の車速及び加速度)を含んでもよい。運転特性は、交通法規の遵守の状況(例えば、一時停止の標識の手前で停止したか)を含んでもよい。
【0035】
ユーザが運転する車両103は、ユーザの運転中に運転特性を測定する。車両103は、測定された運転特性をリアルタイムでコンテンツ配信サーバ101に送信してもよいし、特定のタイミングで送信してもよい。例えば、車両103は、車両103の電源がオンにされたタイミング又は車両103の電源がオフにされたタイミングで、未送信の運転特性をコンテンツ配信サーバ101へ送信してもよい。車両103は、定期的に(例えば、1日に1度)、未送信の運転特性をコンテンツ配信サーバ101へ送信してもよい。
【0036】
車両103は、ユーザの運転特性を、コンテンツ配信サーバ101によってユーザに割り当てられたユーザIDに関連付けてコンテンツ配信サーバ101に提供してもよい。ユーザIDは、ユーザによって車両103に提供(入力)されてもよい。ユーザ管理部301は、車両103から受信した運転特性を、ユーザ情報208のカラム402(運転特性履歴)に記憶する。
【0037】
車両103が運転特性をコンテンツ配信サーバ101へ送信する代わりに、ユーザのクライアント装置102が車両103から運転特性を取得し、これをコンテンツ配信サーバ101へ送信してもよい。
【0038】
報酬付与部305は、コンテンツの投稿者に報酬を付与する。報酬付与部305は、ユーザがコンテンツを利用した後に当該ユーザの運転特性が所定の報酬条件を満たす場合に、当該コンテンツの投稿者に報酬を付与してもよい。このように、コンテンツの利用後にユーザの運転特性が変化した場合には、コンテンツがユーザの運転特性に影響を与えたと考えられる。例えば、ユーザがコンテンツを利用した後に安全運転を行った場合に、このコンテンツは、安全運転を促進するための有益なコンテンツであると考えられる。そこで、報酬付与部305は、このようなコンテンツ(すなわち、ユーザの運転特性の変化に寄与したコンテンツ)の投稿者に報酬を付与する。これによって、投稿者に対して適正な報酬を付与することができ、投稿者が高品質なコンテンツを投稿することの動機付けとなりうる。
【0039】
図4を参照して、報酬条件情報210の具体例について説明する。報酬条件情報210は、報酬条件ごとにレコードを有する。報酬条件は、運営者によって設定され、二次記憶装置206に記憶されてもよい。
【0040】
報酬条件情報210は、カラム421~425を有しうる。カラム421は、ユーザの運転特性が満たすべき報酬条件を示す。例えば、報酬条件は、ユーザの運転量が、コンテンツ利用前と比較して、コンテンツ利用後に所定の量以上増加したことを含んでもよい。例えば、報酬条件は、コンテンツ利用後の何れかの1週間の走行距離が、コンテンツ利用直前の1週間の走行距離と比較して、10%以上増加したことを含んでもよい。
【0041】
報酬条件は、ユーザの運転による燃費が、コンテンツ利用前と比較して、コンテンツ利用後に所定の量以下に低減したことを含んでもよい。例えば、報酬条件は、コンテンツ利用後の何れかの1週間の燃費が、コンテンツ利用直前の1週間の燃費と比較して、95%以下になったことを含んでもよい。
【0042】
報酬条件は、ユーザの運転時の車間距離が、コンテンツ利用前と比較して、コンテンツ利用後に適正量に近づいたことを含んでもよい。
【0043】
上述の報酬条件の例はいずれも、コンテンツ利用前のユーザの運転特性からコンテンツ利用後のユーザの運転特性の変化量に基づく。これに代えて、報酬条件は、コンテンツ利用後のユーザの運転特性を、事前に設定された値と比較してもよい。例えば、報酬条件は、コンテンツ利用後の所定の期間内(例えば、30日以内)にユーザが交通違反を起こさないことを含んでもよい。
【0044】
カラム422は、報酬条件に対して設定された運転特性のカテゴリを示す。カラム422のカテゴリは、コンテンツ情報209のカラム413のカテゴリに対応してもよい。カテゴリは、例えば運営者によって設定される。報酬付与部305は、報酬条件に対して設定された運転特性のカテゴリ(カラム422)がコンテンツのカテゴリ(カラム413)に一致するかどうかに基づいて、このコンテンツの投稿者に付与する報酬の量を決定してもよい。例えば、報酬付与部305は、報酬条件に対して設定された運転特性のカテゴリ(カラム422)がコンテンツのカテゴリ(カラム413)に一致する場合に、標準の報酬(例えば、カラム424に設定された報酬)を付与し、それ以外の場合に、標準未満の報酬(例えば、標準の半分の報酬)を付与してもよい。例えば、ユーザが利用したコンテンツのカテゴリが「安全運転」であり、報酬条件に対して設定された運転特性のカテゴリも「安全運転」であるとする。この場合に、コンテンツは報酬条件の充足に寄与したと考えられる。そのため、報酬付与部305は、投稿者に高い報酬を提供してもよい。一方、ユーザが利用したコンテンツのカテゴリが「安全運転」であり、報酬条件に対して設定された運転特性のカテゴリが「運転量増加」であるとする。この場合に、コンテンツが報酬条件の充足にどの程度寄与したか不明である。そこで、報酬付与部305は、投稿者に低い報酬を提供してもよい。
【0045】
カラム423は、報酬条件が達成されるまでの期限を示す。ユーザがコンテンツを利用してからユーザの運転特性が変化するまでの時間が長いと、運転特性の変化に対するこのコンテンツによる寄与が少ないと考えられる。そこで、報酬付与部305は、達成期間内に報酬条件が満たされた場合にのみ投稿者に報酬を付与してもよい。
【0046】
カラム424は、報酬条件が満たされた場合に投稿者に付与される報酬の量を示す。報酬は、金銭的な価値を有してもよいし、金銭的な価値を有していなくてもよい。
【0047】
カラム425は、報酬の量を増加するための付加的な条件を示す。付加的な条件は、より短い期間でユーザの運転特性が報酬条件を満たすことを含んでもよい。例えば、達成期限(カラム423)が30日以内に設定されている報酬条件が10日以内に満たされた場合に、標準の2倍の報酬が投稿者に付与されてもよい。
【0048】
上述のように、コンテンツ配信サーバ101は、コンテンツの投稿者に報酬を付与する機能を有する。そのため、コンテンツ配信サーバ101は、報酬付与装置と呼ばれてもよい。
【0049】
図5を参照して、コンテンツ配信サーバ101がコンテンツの投稿者に報酬を付与する方法の例について説明する。図5の方法の各工程は、メモリ202に読み出されたプログラムをプロセッサ201が実行することによって実行されてもよい。これに代えて、図5の工程の少なくとも一部は、ASICのような専用回路によって実現されてもよい。図5の方法は、コンテンツ配信サーバ101が稼働中に繰り返し実行される。コンテンツ配信サーバ101は、ユーザごとに図5の方法を実行してもよい。
【0050】
S501で、コンテンツ配信サーバ101(例えば、コンテンツ配信部303)は、ユーザがコンテンツを利用したかどうかを判定する。コンテンツ配信サーバ101は、ユーザがコンテンツを利用したと判定された場合(S501で「YES」)に処理をS502に遷移し、それ以外の場合(S501で「NO」)にS501を繰り返す。このようにして、コンテンツ配信サーバ101は、ユーザによるコンテンツの利用を待機する。
【0051】
S502で、コンテンツ配信サーバ101(例えば、報酬付与部305)は、ユーザ情報208のカラム402に記憶されているユーザの運転特性の履歴を取得する。上述のように、車両103からユーザの運転特性が繰り返し提供され、ユーザ情報208のカラム402に運転特性の履歴が記憶される。
【0052】
S503で、コンテンツ配信サーバ101(例えば、報酬付与部305)は、ユーザの運転特性が報酬条件を満たすかどうかを判定する。コンテンツ配信サーバ101は、ユーザの運転特性が報酬条件を満たすと判定された場合(S503で「YES」)に処理をS504に遷移し、それ以外の場合(S503で「NO」)に図5の動作を終了する。
【0053】
S504で、コンテンツ配信サーバ101(例えば、報酬付与部305)は、報酬条件情報210(特に、カラム424及び425)に従って、S501でユーザが利用したコンテンツの投稿者に報酬を付与する。具体的に、コンテンツ配信サーバ101は、ユーザ情報208のカラム403に記憶されている所有報酬量を、付与された報酬の量だけ増やす。
【0054】
報酬条件情報210に複数の報酬条件が設定されている場合に、コンテンツ配信サーバ101は、各報酬条件についてS502~S504の動作を実行してもよい。この場合に、コンテンツ配信サーバ101は、S501でユーザがコンテンツを利用してから、報酬条件情報210のカラム423に指定された達成期限が経過してことに応じて、S502以降の動作を実行してもよい。
【0055】
上述の実施形態によれば、コンテンツを利用後のユーザの運転特性に基づいてコンテンツの投稿者に付与される報酬が決定される。これによって、コンテンツの投稿者に適正な報酬を付与できる。
【0056】
<実施形態のまとめ>
[項目1]
コンテンツ配信サービスへのコンテンツ(207)の投稿者に報酬を付与する報酬付与装置(101)であって、
前記コンテンツ配信サービスの利用者の運転特性を取得する特性取得手段(304)と、
前記コンテンツ配信サービスの利用者が特定のコンテンツを利用した後における当該利用者の前記運転特性が報酬条件(421)を満たす場合に、前記特定のコンテンツの投稿者に報酬(424)を付与する報酬付与手段(305)と、を備える、報酬付与装置。
この項目によれば、コンテンツを利用後のユーザの運転特性に基づいてコンテンツの投稿者に付与される報酬が決定される。これによって、コンテンツの投稿者に適正な報酬を付与できる。
[項目2]
前記報酬付与手段は、前記運転特性が前記報酬条件を満たすまでの期間に基づいて、前記特定のコンテンツの前記投稿者に付与する前記報酬の量を決定する、項目1に記載の報酬付与装置。
この項目によれば、運転特性にすぐに影響を与えるコンテンツの投稿を促進できる。
[項目3]
前記報酬付与手段は、前記運転特性のカテゴリ(422)が前記特定のコンテンツのカテゴリ(413)に一致するかどうかに基づいて、前記特定のコンテンツの前記投稿者に付与する前記報酬の量を決定する、項目1に記載の報酬付与装置。
この項目によれば、所望の運転特性に影響を与えるコンテンツの投稿を促進できる。
[項目4]
前記コンテンツの前記カテゴリは、安全運転と、省エネ運転と、運転量増加と、のうちの少なくとも何れかを含む、項目3に記載の報酬付与装置。
この項目によれば、安全運転と、省エネ運転と、運転量増加と、のうちの少なくとも何れかに影響を与えるコンテンツの投稿を促進できる。
[項目5]
コンピュータを項目1乃至3の何れか1項に記載の報酬付与装置の各手段として機能させるためのプログラム。
この項目によれば、プログラムの形態で上記技術が提供される。
[項目6]
コンテンツ配信サービスへのコンテンツ(207)の投稿者に報酬を付与する報酬付与方法であって、
特性取得手段(304)が、前記コンテンツ配信サービスの利用者の運転特性を取得する特性取得工程(S502)と、
報酬付与手段(305)が、前記コンテンツ配信サービスの利用者が特定のコンテンツを利用した後における当該利用者の前記運転特性が報酬条件(421)を満たす場合に、前記特定のコンテンツの投稿者に報酬(424)を付与する報酬付与工程(S504)と、を有する、報酬付与方法。
この項目によれば、コンテンツを利用後のユーザの運転特性に基づいてコンテンツの投稿者に付与される報酬が決定される。これによって、コンテンツの投稿者に適正な報酬を付与できる。
【0057】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0058】
101 コンテンツ配信サーバ、208 ユーザ情報、209 コンテンツ情報、210 報酬条件情報
図1
図2
図3
図4
図5