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特開2024-128675ボール型センサ装置、表示システム、表示方法、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128675
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】ボール型センサ装置、表示システム、表示方法、プログラム
(51)【国際特許分類】
   A63B 43/00 20060101AFI20240913BHJP
【FI】
A63B43/00 D
A63B43/00 E
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037798
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006220
【氏名又は名称】ミツミ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】▲瀬▼尾 裕希
(57)【要約】
【課題】ボールに対する力の入力に関する情報を取得可能な技術を提供する。
【解決手段】本開示の一実施形態に係るボールモジュール10は、ボール面を有し、ボール面に対する力の入力に応じて変位可能なアタッチメント12と、ボール面の内側に内蔵されると共に、アタッチメント12が接続され、アタッチメント12の変位に応じた力を検出する力覚センサ13と、を備える。また、本開示の他の実施形態に係る表示システム1は、ボールモジュール10と、力覚センサ13の出力に基づき、ボールモジュール10に対する力の入力に応じた、ボールモジュール10の運動の評価結果を表す画像を表示する表示装置50と、を備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ボール面を有し、前記ボール面に対する力の入力に応じて変位可能な入力部と、
前記ボール面の内側に内蔵されると共に、前記入力部が接続され、前記入力部の変位に応じた力を検出する力覚センサ部と、を備える、
ボール型センサ装置。
【請求項2】
投球用である、
請求項1に記載のボール型センサ装置。
【請求項3】
前記入力部は、前記ボール面を形成する一方の半球部分に相当する第1の入力部と、他方の半球部分に相当する第2の入力部と、を含み、
前記力覚センサ部は、前記第1の入力部及び前記第2の入力部の間に挟まれるように前記第1の入力部及び前記第2の入力部に取り付けられ、
前記第1の入力部及び前記第2の入力部の外周部同士の間には、所定の隙間が設けられる、
請求項1に記載のボール型センサ装置。
【請求項4】
外部と無線通信を行うことが可能な通信部を備える、
請求項1に記載のボール型センサ装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか一項に記載のボール型センサ装置と、
前記力覚センサ部の出力に基づき、前記ボール型センサ装置に対する力の入力を表す画像を表示する表示装置と、を備える、
表示システム。
【請求項6】
前記表示装置は、前記力覚センサ部の出力に基づき、前記ボール型センサ装置に対する力の入力に応じた前記ボール型センサ装置の運動の評価結果を表す画像を表示する、
請求項5に記載の表示システム。
【請求項7】
前記表示装置は、前記力覚センサ部の出力に基づき、前記ボール型センサ装置に対する力の入力に応じた前記ボール型センサ装置の運動をシミュレーションして表示する、
請求項6に記載の表示システム。
【請求項8】
前記力覚センサ部の出力に基づき、前記ボール型センサ装置に対する力の入力の内容を推定する処理装置を備え、
前記表示装置は、前記処理装置の推定結果に基づき、前記ボール型センサ装置に対する力の入力を表す画像を表示する、
請求項5に記載の表示システム。
【請求項9】
前記処理装置は、前記力覚センサ部の出力に基づき、前記ボール型センサ装置の握り方に対応する球種を推定し、
前記表示装置は、前記処理装置の推定結果に基づき、前記球種が反映された、前記ボール型センサ装置に対する力の入力を表す画像を表示する、
請求項8に記載の表示システム。
【請求項10】
情報処理装置が、請求項1乃至4の何れか一項に記載のボール型センサ装置に含まれる前記力覚センサ部の出力に基づき、前記ボール型センサ装置に対する力の入力を表す画像を表示装置に表示させる、
表示方法。
【請求項11】
請求項1乃至4の何れか一項に記載のボール型センサ装置に含まれる前記力覚センサ部の出力に基づき、前記ボール型センサ装置に対する力の入力を表す画像を表示装置に表示させる機能をコンピュータに実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ボール型センサ装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、レーダやカメラ等のボールや打具の運動を測定可能な測定装置やボールに搭載されるセンサ等を用いて、ボールの運動に関する情報を取得する技術が知られている(特許文献1~3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014-77853号公報
【特許文献2】特表2021-515200号公報
【特許文献3】特開2022-185742号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1~3では、ユーザがボールを投げる際のボールの握りやユーザがボールを蹴ったり打具でボールを打ったりする際の衝撃等のボールの運動に影響する、ボールに対する力の入力に関する情報を取得することができない。
【0005】
そこで、上記課題に鑑み、ボールに対する力の入力に関する情報を取得可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本開示の一実施形態では、
ボール面を有し、前記ボール面に対する力の入力に応じて変位可能な入力部と、
前記ボール面の内側に内蔵されると共に、前記入力部が接続され、前記入力部の変位に応じた力を検出する力覚センサ部と、を備える、
ボール型センサ装置が提供される。
【0007】
また、本開示の他の実施形態では、
前記ボール型センサ装置と、
前記力覚センサ部の出力に基づき、前記ボール型センサ装置に対する力の入力を表す画像を表示する表示装置と、を備える、
表示システムが提供される。
【0008】
また、本開示の更に他の実施形態では、
情報処理装置が、前記ボール型センサ装置に含まれる前記力覚センサ部の出力に基づき、前記ボール型センサ装置に対する力の入力を表す画像を表示装置に表示させる、
表示方法が提供される。
【0009】
また、本開示の更に他の実施形態では、
前記ボール型センサ装置に含まれる前記力覚センサ部の出力に基づき、前記ボール型センサ装置に対する力の入力を表す画像を表示装置に表示させる機能をコンピュータに実行させる、
プログラムが提供される。
【発明の効果】
【0010】
上述の実施形態によれば、ボールに対する力の入力に関する情報を取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】表示システムの一例を示す図である。
図2】ボールモジュールの一例を示す断面図である。
図3】ボールモジュールの一例を示す断面図である。
図4】力覚センサの一例を示す斜視図である。
図5】力覚センサの一例を示す斜視図である。
図6】情報処理装置の一例を示すハードウェア構成図である。
図7】表示システムの一例を示す機能構成図である。
図8】球種ごとのボールモジュールの握り方と力覚センサに作用する力との関係の一例を示す図である。
図9】ボールモジュールの握り方に対応する球種、及び力覚センサの検出値のデータの登録処理の一例を概略的に示すフローチャートである。
図10】投球のシミュレーション表示処理の一例を概略的に示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して実施形態について説明する。
【0013】
[表示システムの構成]
図1図6を参照して、表示システムの概要について説明する。
【0014】
図1は、表示システム1の一例を示す図である。図2図3は、ボールモジュール10の一例を示す断面図である。具体的には、図2は、図3のB-B線に対応する断面図であり、図3は、図2のA-A線に対応する断面図である。図4図5は、力覚センサ13の一例を示す斜視図である。具体的には、図4は、受力部200を省略して力覚センサ13を示す図4Aと、図4Aから更にカバー部500を省略して力覚センサ13を示す図4Bとを含む。また、図5は、力覚センサ13における受力部200付近を示す図5Aと、力覚センサ13における連結部120付近を示す図5Bとを含む。図6は、情報処理装置40の一例を示すハードウェア構成図である。
【0015】
図1に示すように、表示システム1は、ボールモジュール10と、測定装置20と、入力装置30と、情報処理装置40と、表示装置50と、音出力装置60とを含む。
【0016】
表示システム1は、ユーザによるボールモジュール10の投球を評価し、その評価結果を表示装置50に表示させる。
【0017】
ボールモジュール10は、ユーザによる投球用の略球形のボールである。「略」とは製造上の誤差を許容する意図であり、以下同様の意図で用いる。例えば、ボールモジュール10は、野球ボールを模した外観の形状や材質、大きさ、質量等を有する。
【0018】
ボールモジュール10は、外皮部11と、アタッチメント12と、力覚センサ13と、無線通信モジュール14と、バッテリ15とを含む。
【0019】
図2に示すように、外皮部11は、球形のボールモジュール10の最も外郭の部材であり、ユーザが直接触る部分である。外皮部11は、例えば、皮革製である。また、外皮部11には、野球ボールと同様の縫い目(ステッチ)が施されていてもよい。例えば、外皮部11は、野球ボールと同様、複数枚の皮革を含み、複数枚の皮革が略球形のアタッチメント12の周囲を取り囲む状態で縫い合わせられることにより、その境界部に縫い目が施される。
【0020】
アタッチメント12は、外皮部11と力覚センサ13の間に設けられ、ボールモジュール10に対する力の入力を受け付ける。そして、アタッチメント12は、外皮部11を通じて自身に作用する力を力覚センサ13に伝える。これにより、力覚センサ13は、ボールモジュール10に対する力の入力に応じた力や力のモーメントを検出することができる。
【0021】
例えば、図2図3に示すように、アタッチメント12は、外観で、略球面のボール面で構成される、略球形を有し、アタッチメント12a,12bに2分割されている。
【0022】
アタッチメント12a,12bは、それぞれ、略球形のアタッチメント12の半球分に相当し、互いに略同じ形状を有する。
【0023】
アタッチメント12a,12bは、それぞれ、外郭に相当する中空の半球部と、半球部の内側の複数の梁で構成され半球部を支持する梁部とを有する。アタッチメント12a,12bは、互いの梁部同士で対向し力覚センサ13を挟み込むようにしてボールモジュール10の球形の中心部に力覚センサ13を保持する。
【0024】
アタッチメント12aの梁部の力覚センサ13と当接する箇所には締結孔12a1が設けられ、締結孔12a1を用いて、アタッチメント12aと力覚センサ13とは締結されることにより連結される。同様に、アタッチメント12bの梁部の力覚センサ13と当接する箇所には締結孔が設けられ、その締結孔を用いて、アタッチメント12bと力覚センサ13とは締結されることにより連結される。
【0025】
図2に示すように、アタッチメント12a,12bとの間には、力覚センサ13がそれぞれの梁部に連結された状態で隙間12GPが設けられる。これにより、外皮部11の表面からボールモジュール10に力が加えられた際に、アタッチメント12a,12bの相対的な移動を許容し、外皮部11の表面から作用する力を力覚センサ13に確実に伝達することができる。そして、力覚センサ13は、アタッチメント12a,12bの変位に応じた力を検出することで、ボールモジュール10に作用する力の入力の内容をより精度良く検出することができる。
【0026】
力覚センサ13は、アタッチメント12の内側に取り付けられ、アタッチメント12から作用する力や力のモーメントを複数の検出軸(「多軸」とも称する)で検出する。即ち、力覚センサ13は、アタッチメント12から作用する、複数の軸方向の力や複数の軸周りの力のモーメントを検出する。
【0027】
例えば、力覚センサ13は、所定の原点を基準とするX軸、Y軸、及びZ軸の直交座標系における3軸の力、即ち、X軸方向の力Fx、Y軸方向の力Fy、及びZ軸方向の力Fzを検出可能に構成される。また、力覚センサ13は、X軸、Y軸、及びZ軸の直交座標系における3軸のモーメント、即ち、X軸周りの力のモーメントMx、Y軸周りの力のモーメントMy、及びZ軸周りの力のモーメントMzを検出可能に構成される。
【0028】
例えば、図2図3に示すように、受力部200のアタッチメント12aとの当接面に原点が配置され、Z軸が力覚センサ13の受力部200と直交し且つ径方向に沿って配置されるように、力覚センサ13は、ボールモジュール10に内蔵される。この際、Z軸は、ボールモジュール10をユーザが握る際の上下軸と略一致するように配置される。ユーザが握る際の上下軸は、例えば、ボールモジュール10における外皮部11の縫い目により一義的に規定される。これにより、情報処理装置40は、力覚センサ13の検出結果に基づき、ユーザがボールモジュール10を握る際の上下軸を基準として、ボールモジュール10に作用する力を判断することができる。
【0029】
尚、力覚センサ13は、アタッチメント12から作用する力及び力のモーメントの何れか一方だけを検出してもよい。また、力覚センサ13は、アタッチメント12から作用する3軸の力のうちの2軸の力や1軸の力だけを検出してもよく、アタッチメント12から作用する3軸の力のモーメントのうちの2軸の力のモーメントや1軸の力のモーメントだけを検出してもよい。また、力覚センサ13は、アタッチメント12から作用する、4軸以上の力や力のモーメントを検出してもよい。
【0030】
例えば、図4図5に示すように、力覚センサ13は、起歪体100と、受力部200と、センサチップ300と、フレキシブル基板400と、カバー部500とを含む。
【0031】
起歪体100は、アタッチメント12aから作用する力により弾性変形する部材である。
【0032】
起歪体100は、入力部110と、連結部120とを含む。
【0033】
入力部110は、起歪体100のZ軸方向の一端面から突出するように複数(本例では、4つ)設けられる。
【0034】
連結部120は、起歪体100のZ軸方向の他端部に設けられ、アタッチメント12bと連結される。例えば、図5Aに示すように、連結部120のZ軸方向の端面には、締結孔122が複数(本例では、4つ)設けられ、アタッチメント12bの梁部にボルトで締結される。
【0035】
受力部200は、入力部110の先端と溶接等により連結されると共に、アタッチメント12aに連結され、アタッチメント12から自身に作用する力を、入力部110を通じて起歪体100に入力する。例えば、図5Bに示すように、受力部200のZ軸方向の端面には、締結孔202が複数(本例では、4つ)設けられ、アタッチメント12aの梁部にボルトで締結される。
【0036】
センサチップ300は、起歪体100のZ軸方向の一端面に取り付けられ、起歪体100の変位を検出する。例えば、センサチップ300は、6軸の変位センサとして、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向の変位、並びにX軸周り、Y軸周り、及びZ軸周りの変位を検出する。これにより、力覚センサ13は、センサチップ300の検出結果に基づき、3軸の力、及び3軸の力のモーメントを検出することができる。例えば、センサチップ300は、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)である。
【0037】
フレキシブル基板400は、センサチップ300に対する信号の入出力を行う。これにより、力覚センサ13は、センサチップ300による6軸の変位の検出結果や、その検出結果に基づく3軸の力及び3軸のモーメントの検出結果を外部に出力することができる。
【0038】
カバー部500は、Z軸方向の一端部が閉塞された円筒形状を有し、起歪体100の一部、センサチップ300、及びフレキシブル基板400の一部等を覆う。
【0039】
カバー部500の一端部には、カバー部500の内部と外部との間を連通させる連通孔が設けられ、連通孔から入力部110がカバー部500の外部に突出する。これにより、カバー部500の外部において、入力部110と受力部200とを連結させることができる。また、カバー部500の側面の他端部には、フレキシブル基板400とカバー部500との干渉を回避するための切り欠きが設けられる。これにより、カバー部500の内部と外部との間を繋ぐようにフレキシブル基板400を配置することができる。
【0040】
無線通信モジュール14は、ボールモジュール10に内蔵され、所定の通信方式に基づき、情報処理装置40と無線通信を行う。これにより、ボールモジュール10は、無線通信モジュール14を用いて、力覚センサ13の出力を情報処理装置40に送信することができる。所定の通信方式は、例えば、ブルートゥース(登録商標)やWiFi等である。
【0041】
バッテリ15は、力覚センサ13及び無線通信モジュール14に駆動電力を供給する。
【0042】
尚、ボールモジュール10の電源のオン・オフの切り替えは、ボールモジュール10に設けられる操作部に対する操作によって実施されもよいし、情報処理装置40からの指令に応じて実施されてもよい。
【0043】
バッテリ15は、一次電池であってもよいし、二次電池であってもよい。後者の場合、バッテリ15は、例えば、リチウムイオンバッテリである。この場合、バッテリ15は、
アタッチメント12に設けられる充電端子に接続されるケーブル等を通じて外部電源から充電される。例えば、充電端子は、外皮部11の一部が蓋部材として開閉可能或いは着脱可能に構成され、その蓋部材の裏側のアタッチメント12の箇所に設けられる。充電端子は、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子である。また、二次電池としてのバッテリ15は、無線充電が可能に構成されてもよい。この場合、例えば、ボールモジュール10には受電用のコイルが設置される。
【0044】
例えば、図2図3に示すように、無線通信モジュール14及びバッテリ15は、アタッチメント12の内側の中空部分における梁部の無い空間に配置される。
【0045】
尚、ボールモジュール10の内部、具体的には、アタッチメント12の内部における梁部が無い空間には、無線通信モジュール14やバッテリ15の他、ボールモジュール10の3次元的な質量のバランスを考慮して錘16等が設けられてもよい(図3参照)。また、錘16が設けられる代わりに、アタッチメント12の内部の梁部の形状を工夫することによって、錘16等を用いることなく、ボールモジュール10の3次元的な質量のバランスが調整されてもよい。
【0046】
測定装置20は、ボールモジュール10の運動に関する情報やユーザの投球動作に関する情報を取得する。測定装置は、例えば、レーダやカメラ等である。カメラは、画像データのみを取得可能な2次元カメラであってもよいし、ステレオカメラやTOF(Time Of Flight)カメラ等のように被写体との距離に関するデータを併せて取得可能な3次元カメラであってもよい。
【0047】
ボールモジュール10の運動に関する情報は、例えば、ボールモジュール10の速度、加速度、回転数、回転軸等である。
【0048】
ユーザの投球動作に関する情報には、投球時における腕の速度、腕の姿勢等である。
【0049】
測定装置20は、所定の通信回線を通じて、情報処理装置40と通信可能に接続され、測定装置20の出力は、情報処理装置40に取り込まれる。
【0050】
所定の通信回線は、例えば、1対1の通信線を含む。また、所定の通信回線は、ローカルネットワーク(LAN:Local Area Network)を含んでもよい。また、所定の通信回線は、例えば、移動体通信網や衛星通信網やインターネット網等の広域ネットワーク(WAN:Wide Area Network)を含んでもよい。また、所定の通信回線は、例えば、WiFiやブルートゥース(登録商標)等の無線通信規格に基づく近距離通信回線を含んでもよい。以下、入力装置30と情報処理装置40との間の所定の通信回線についても同様であってよい。
【0051】
入力装置30は、ユーザから入力を受け付ける汎用的な入力手段である。入力装置30は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、タッチパッド等である。また、入力装置は、音声入力を受け付け可能な音声入力装置やジェスチャ入力を受け付け可能なジェスチャ入力装置等であってもよい。
【0052】
入力装置30は、所定の通信回線を通じて、情報処理装置40と通信可能に接続され、入力装置30の出力信号、即ち、入力装置30に対する入力内容を表す信号は、情報処理装置40に取り込まれる。
【0053】
情報処理装置40は、表示装置50に画像を表示させるための処理を行う。
【0054】
また、情報処理装置40は、音出力装置60から音を出力させるための処理を行ってもよい。
【0055】
具体的には、情報処理装置40は、力覚センサ13の出力、及び測定装置20の出力に基づき、ボールの運動を評価し、その評価結果を表す情報を表示装置50に表示させる。例えば、情報処理装置40は、力覚センサ13の出力、及び測定装置20の出力に基づき、ボールの運動をシミュレーションして動画像として表示させる。これにより、ユーザは、自身のボールの投球によるボールの運動の評価結果を視覚的に確認することができる。そのため、ユーザは、評価結果を考慮して、投球技術の改善や練習メニュー等に関する改善を行うことができる。また、情報処理装置40は、ボールの運動の評価結果を表す情報に代えて、或いは、加えて、ボールの運動の評価結果に基づく投球技術の改善に関する情報を表示装置50に表示させてもよい。
【0056】
また、情報処理装置40は、ユーザによるボールの投球に応じて、ボールの運動をシミュレーションして動画像で表示するコンピュータゲームを提供してもよい。この場合、コンピュータゲームは、野球のピッチャーの役割をユーザに担当させる形式のゲームであってもよいし、野球とは関係なく、仮想的にボールを投球するイベントが発生する任意の形式のゲームであってもよい。
【0057】
また、情報処理装置40は、入力装置30の出力、即ち、入力装置30で受け付けられるユーザからの入力に応じて、ボールの運動の評価結果を表す情報の表示に関する設定を行ってもよい。
【0058】
また、情報処理装置40は、表示装置50の画像に合わせて、音出力装置60からBGM(Background Music)や所定の音を出力させてもよい。
【0059】
情報処理装置40は、例えば、端末装置、即ち、コンピュータ端末である。コンピュータ端末は、例えば、デスクトップ型のPC(Personal Computer)等の定置型の端末装置であってもよいし、ラップトップ型のPC、スマートフォン、タブレット端末等の可搬型の端末装置、即ち、携帯端末であってもよい。
【0060】
また、情報処理装置40は、より処理性能が高いサーバ装置、即ち、サーバコンピュータであってもよい。サーバコンピュータは、オンプレミスサーバであってもよいし、クラウドサーバであってもよい。また、情報処理装置40は、エッジサーバであってもよい。
【0061】
情報処理装置40の機能は、任意のハードウェア、或いは、任意のハードウェア及びソフトウェアの組み合わせ等により実現される。例えば、図6に示すように、情報処理装置40は、バスBSにより互いに接続される、外部インタフェース41、補助記憶装置42、メモリ装置43、CPU(Central Processing Unit)44、高速演算装置45、及び通信インタフェース46を含む。
【0062】
外部インタフェース41は、記録媒体41Aからデータの読み取りや記録媒体41Aへのデータの書き込みのためのインタフェースとして機能する。記録媒体41Aには、例えば、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、BD(Blu-ray(登録商標) Disc)、SDメモリカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ等が含まれる。これにより、情報処理装置40は、記録媒体41Aを通じて、処理で利用する各種データを読み込み、補助記憶装置42に格納したり、各種機能を実現するプログラムをインストールしたりすることができる。
【0063】
尚、情報処理装置40は、通信インタフェース46を通じて、処理で利用する各種データやプログラムを外部装置からのダウンロードにより取得してもよい。
【0064】
補助記憶装置42は、インストールされた各種プログラムを格納すると共に、各種処理に必要なファイルやデータ等を格納する。補助記憶装置42は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)やSSD(Solid State Disc)やフラッシュメモリ等を含む。
【0065】
メモリ装置43は、プログラムの起動指示があった場合に、補助記憶装置42からプログラムを読み出して格納する。メモリ装置43は、例えば、DRAM(Dynamic Random Access Memory)やSRAM(Static Random Access Memory)を含む。
【0066】
CPU44は、補助記憶装置42からメモリ装置43にロードされた各種プログラムを実行し、プログラムに従って情報処理装置40に関する各種機能を実現する。
【0067】
高速演算装置45は、CPU44と連動し、相対的に高い速度で演算処理を行う。高速演算装置45は、例えば、GPU(Graphics Processing Unit)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等を含む。
【0068】
尚、高速演算装置45は、必要な演算処理の速度によっては、省略されてもよい。
【0069】
通信インタフェース46は、外部機器と通信可能に接続するためのインタフェースとして用いられる。これにより、情報処理装置40は、通信インタフェース46を通じて、力覚センサ13や測定装置20や入力装置30の出力を取得することができる。また、情報処理装置40は、通信インタフェース46を通じて、表示装置50や音出力装置60を制御することができる。また、通信インタフェース46は、接続される機器との間の通信方式等によって、複数の種類の通信インタフェースを有してもよい。例えば、通信インタフェース46には、無線通信モジュール14と同じ通信方式で通信を行うための無線通信モジュールが含まれる。
【0070】
尚、情報処理装置40の機能は、表示装置50に内蔵されてもよい。
【0071】
表示装置50は、情報処理装置40の制御下で画像を表示する。例えば、表示装置50は、液晶ディスプレイや有機EL(Electroluminescence)ディスプレイである。
【0072】
尚、例えば、情報処理装置40がスマートフォンやタブレット端末やラップトップ型のPC等の場合、表示装置50の機能は、情報処理装置40に取り込まれてもよい。
【0073】
音出力装置60は、情報処理装置40の制御下で音を出力する。例えば、音出力装置60は、ブザーやアラームやスピーカ等である。
【0074】
尚、音出力装置60の機能は、表示装置50に内蔵されていてもよい。また、例えば、情報処理装置40がスマートフォンやタブレット端末やラップトップ型のPC等の場合、音出力装置60の機能は、情報処理装置40に取り込まれてもよい。
【0075】
[表示システムの機能構成]
次に、図1図6に加えて、図7図8を参照して、本実施形態に係る表示システム1の機能構成について説明する。
【0076】
図7は、表示システム1の一例を示す機能構成図である。図8は、球種ごとのボールモジュール10の握り方と力覚センサ13に作用する力との関係の一例を示す図である。
【0077】
図7に示すように、情報処理装置40は、機能部として、入力部401と、力・モーメント算出部402とを含む。また、情報処理装置40は、機能部として、データ登録部403と、記憶部404と、球種推定用データ生成部405と、記憶部406とを含む。また、情報処理装置40は、機能部として、球種推定部407と、投球シミュレータ部408と、表示制御部409とを含む。各部の機能は、例えば、補助記憶装置42にインストールされるプログラムがメモリ装置43にロードされCPU44で実行されることにより実現される。また、記憶部404,406等の各記憶部の機能は、例えば、補助記憶装置42やメモリ装置43等に規定される記憶領域により実現される。
【0078】
入力部401は、通信インタフェース46を通じて、ボールモジュール10や測定装置20や入力装置30から入力される信号を取得する。
【0079】
力・モーメント算出部402は、ボールモジュール10からの入力信号、即ち、力覚センサ13の出力に基づき、力覚センサ13に作用する、3軸の力、及び3軸の力のモーメントの検出値を算出する。以下、3軸の力、及び3軸の力のモーメントの検出値を便宜的に「6軸の力覚値」と称する場合がある。
【0080】
データ登録部403は、ボールモジュール10が被験者により握られたときのボールモジュール10の握り方に対応する球種と、そのときの力覚センサ13の検出値とを対応付けて記憶部404に登録する。球種には、例えば、ストレート、カーブ、スライダー、フォーク等が含まれる。ボールモジュール10の握り方に対応する球種は、例えば、入力装置30を通じて、ユーザにより設定入力される。登録対象の力覚センサ13の検出値は、6軸の力覚値の全てであってもよいし、6軸の力覚値の一部であってもよい。例えば、データ登録部403は、ボールモジュール10の握り方に対応する球種と、力覚センサ13の検出値とを含むレコードデータを登録する。これにより、データ登録部403は、記憶部404には、ボールモジュール10の握り方に対応する球種と力覚センサ13の検出値との関係を表すデータベースを構築することができる。
【0081】
球種推定用データ生成部405は、記憶部404のデータに基づき、力覚センサ13の検出値からボールモジュール10の握り方に対応する球種を推定するためのデータ(以下、「球種推定用データ」)を生成する。
【0082】
例えば、図8に示すように、球種がストレートの場合、人差し指及び中指がボールモジュール10の上部に左右対称に配置される握り方が一般的である。そのため、ボールモジュール10の握りの上下方向に沿ってZ軸が設定される場合、人差し指及び中指から作用する力は、力覚センサ13によって、Z軸方向の力として検出される可能性が高い。よって、球種がストレートの場合、力覚センサ13によって、Z軸方向の力Fzは、比較的大きい値として検出される可能性が高い。一方、球種がストレートの場合、力覚センサ13によって、X軸方向やY軸方向の力や3軸の力のモーメントは、比較的小さい値として検出される可能性が高い。
【0083】
また、球種がスライダーの場合、人指し指及び中指がボールモジュール10の上部の左右方向の利き手側の一方に一体として偏るように配置される握り方が一般的である。そのため、ボールモジュール10の握りの上下方向に沿ってZ軸が設定される場合、人指し指及び中指から作用する力は、力覚センサ13によって、X軸周りやY軸周りの力のモーメントとして検出される可能性が高い。よって、球種がスライダーの場合、力覚センサ13によって、X軸周りの力のモーメントMx、及びY軸周りの力のモーメントMyの少なくとも一方は、比較的大きい値として検出される可能性が高い。一方、球種がスライダーの場合、力覚センサ13によって、Z軸周りのモーメントMzや3軸の力は、比較的小さい値として検出される可能性が高い。
【0084】
また、球種がフォーク(「スプリッタ」等とも称する)の場合、人差し指と中指とがボールを左右方向に挟むように配置される握り方が一般的である。そのため、ボールモジュール10の握りの上下方向に沿ってZ軸が設定される場合、人指し指及び中指から作用する力は、力覚センサ13によって、X軸方向やY軸方向の力として検出される可能性が高い。よって、球種がフォークの場合、力覚センサ13によって、X軸方向の力Fx、及びY軸方向の力Fyの少なくとも一方は、比較的大きい値として検出される可能性が高い。一方、球種がフォークの場合、力覚センサ13によって、Z軸方向の力Fzや3軸の力のモーメントは、比較的小さい値として検出される可能性が高い。
【0085】
このように、ボールモジュール10の握り方に対応する球種と力覚センサ13の検出値との間には、相関関係が存在する可能性が高い。そのため、球種推定部407は、記憶部404の球種と力覚センサ13の実際の検出値とを対応付けたデータベースを用いることで、球種と力覚センサ13の検出値との間の相関関係が反映された、球種推定用データを生成することができる。
【0086】
球種推定用データは、例えば、球種ごとの力覚センサ13の複数軸の検出値の組み合わせのパターンを表すデータ(以下、「パターンデータ」)である。「複数軸」とは、X軸方向、Y軸方向、Z軸方向、X軸周り、Y軸周り、及びZ軸周りの6つの軸のうちの2以上の軸を意味する。パターンデータは、例えば、記憶部404のデータベースに基づき、同じ球種について、複数軸ごとに力覚センサ13の検出値の平均値を算出することによって生成される。
【0087】
また、球種推定用データは、記憶部404のデータベースのデータに基づく教師あり学習がされた学習済みモデルであってもよい。学習済みモデルは、例えば、ディープニューラルネットワーク(DNN:Deep Neural Network)を中心に構成され、教師データに基づくバックプロパゲーション(誤差逆伝播法)が適用されることによりDNNの機械学習が効率化される。
【0088】
記憶部406には、球種推定用データが記憶される。
【0089】
球種推定部407は、力・モーメント算出部402により算出される、力覚センサ13の検出値と、記憶部406の球種推定用データとに基づき、ユーザによるボールモジュール10の握り方に対応する球種を推定する。
【0090】
投球シミュレータ部408は、ボールモジュール10の投球時に、球種推定部407の推定結果の球種と、測定装置20の測定結果とに基づき、ボールモジュール10の運動に関するシミュレーションの演算を行う。
【0091】
表示制御部409は、投球シミュレータ部408の演算結果に基づき、ボールモジュール10の運動をシミュレーションした動画像を表示装置50に表示させる。例えば、表示制御部409は、マウンド上のピッチャー(投手)からキャッチャーを見たときの3次元の背景画像の上に、ボールモジュール10の運動をシミュレーションしたボールの軌道を表す動画像を表示装置50に表示させる。
【0092】
また、表示制御部409は、表示装置50に表示させる動画像の内容に合わせて、BGMや所定の音を音出力装置60から出力させてもよい。所定の音は、例えば、投球音やキャッチャー(捕手)による捕球音等である。
【0093】
[登録処理]
次に、図9を参照して、記憶部404に対する、ボールモジュール10の握り方に対応する球種、及び力覚センサの検出値のデータの登録に関する処理(以下「登録処理」)について説明する。
【0094】
図9は、ボールモジュール10の握り方に対応する球種、及び力覚センサの検出値のデータの登録処理の一例を概略的示すフローチャートである。
【0095】
本フローチャートは、例えば、入力装置30を通じて、情報処理装置40に対する所定の処理モード(登録モード)への移行の指示を表す入力が受け付けられると開始される。
【0096】
図9に示すように、ステップS102にて、情報処理装置40は、ボールモジュール10との無線通信を開始する。
【0097】
ステップS102の処理が完了すると、情報処理装置40は、ステップS104に進む。
【0098】
ステップS104にて、情報処理装置40は、入力装置30に対するユーザの入力に応じて、予め規定される複数の球種の中から一の球種を設定する。
【0099】
ステップS104の処理が完了すると、情報処理装置40は、ステップS106に進む。
【0100】
ステップS106にて、力・モーメント算出部402は、最新の力覚センサ13の出力に基づき、6軸の力覚値を取得する。
【0101】
ステップS106の処理が完了すると、情報処理装置40は、ステップS108に進む。
【0102】
ステップS108にて、データ登録部403は、データ登録可能な状態であるか否かを判定する。データ登録可能な状態とは、例えば、入力装置30を通じて、ユーザからのデータ登録可能な状態である旨を表す入力が受け付けられている状態である。データ登録部403は、データ登録可能な状態である場合、ステップS110に進み、それ以外の場合、ステップS108に戻る。
【0103】
ステップS110にて、データ登録部403は、ステップS104で設定済みの球種と、ステップS106で取得済みの最新の6軸の力覚値とを紐づけて記憶部404に登録する。
【0104】
ステップS110の処理が完了すると、情報処理装置40は、ステップS112に進む。
【0105】
ステップS112にて、情報処理装置40は、入力装置30に対する入力の内容に基づき、続けてデータ登録を行うか否かを判定する。情報処理装置40は、入力装置30を通じて続けて登録を行う旨の入力がされた場合、ステップS114に進み、それ以外の場合、今回のフローチャートを終了する。
【0106】
ステップS114にて、情報処理装置40は、入力装置30に対する入力の内容に基づき、球種の変更があるか否かを判定する。情報処理装置40は、入力装置30を通じて球種を変更する旨の入力がされた場合、ステップS104に戻り、それ以外の場合、ステップS106に戻る。
【0107】
[投球のシミュレーション表示処理]
次に、図10を参照して、ユーザによるボールモジュール10の投球に応じて、ボールの投球をシミュレーションした動画像を表示させる処理(以下、「投球のシミュレーション表示処理」)について説明する。
【0108】
図10は、投球のシミュレーション表示処理の一例を概略的に示すフローチャートである。
【0109】
本フローチャートは、例えば、入力装置30を通じて、情報処理装置40に対する所定の処理モード(投球モード)への移行の指示を表す入力が受け付けられると開始される。
【0110】
図10に示すように、ステップS202にて、情報処理装置40は、ボールモジュール10との無線通信を開始する。
【0111】
ステップS202の処理が完了すると、情報処理装置40は、ステップS204に進む。
【0112】
ステップS204にて、力・モーメント算出部402は、最新の力覚センサ13の出力に基づき、6軸の力覚値を取得する。
【0113】
ステップS204の処理が完了すると、情報処理装置40は、ステップS206に進む。
【0114】
ステップS206にて、球種推定部407は、ステップS204で取得された6軸の力覚値と、記憶部404の球種推定用データとに基づき、ボールモジュール10の現在の握りに対応する球種を推定する。
【0115】
ステップS206の処理が完了すると、情報処理装置40は、ステップS208に進む。
【0116】
ステップS208にて、情報処理装置40は、ユーザによるボールモジュール10の投球動作が開始されたか否かを判定する。例えば、情報処理装置40は、測定装置20の出力に基づき、ユーザによるボールモジュール10の投球動作が開始されたか否かを判定する。また、情報処理装置40は、測定装置20の出力に代えて、或いは、加えて、6軸の力覚値に基づき、ユーザによるボールモジュール10の投球動作が開始されたか否かを判定してもよい。投球動作が開始されると、ボールモジュール10がユーザの手から離れるタイミングに近づくにつれて、ボールモジュール10を手で保持する力が小さくなることが想定されるからである。情報処理装置40は、ユーザによるボールモジュール10の投球動作が開始された場合、ステップS210に進み、それ以外の場合、ステップS204に戻る。
【0117】
ステップS210にて、情報処理装置40は、直前のステップS206の推定結果によって球種を確定する。
【0118】
ステップS210の処理が完了すると、情報処理装置40は、ステップS212に進む。
【0119】
ステップS212にて、情報処理装置40は、測定装置20の出力(測定データ)を取得する。
【0120】
ステップS212の処理が完了すると、情報処理装置40は、ステップS214に進む。
【0121】
ステップS214にて、投球シミュレータ部408は、ステップS210で確定済みの
球種、及びステップS212で取得済みの測定データに基づき、ボールモジュール10の運動に関するシミュレーションの演算を行う。
【0122】
ステップS214の処理が完了すると、情報処理装置40は、ステップS216に進む。
【0123】
ステップS216にて、表示制御部409は、ステップS216の演算結果に基づき、ボールモジュール10の運動をシミュレーションした動画像を表示装置50に表示させる。併せて、表示制御部409は、球種及び球速を表示装置50に表示させてもよい。
【0124】
情報処理装置40は、ステップS216の処理が完了すると、ステップS218に進む。
【0125】
ステップS218にて、情報処理装置40は、入力装置30に対する入力の内容に基づき、ボールモジュール10の投球が続けて実施されるか否かを判定する。情報処理装置40は、入力装置30を通じて続けて投球を行う旨の入力された場合、ステップS204に戻り、それ以外の場合、今回のフローチャートの処理を終了する。
【0126】
[他の実施形態]
次に、他の実施形態について説明する。
【0127】
上述の実施形態では、適宜変形や変更が加えられてもよい。
【0128】
例えば、上述の実施形態では、アタッチメント12a,12bとの間の隙間12GPとは異なる方法で、ボールモジュール10の表面からの力の入力に応じてアタッチメント12a,12bが変位可能に構成されてもよい。例えば、アタッチメント12a,12bとの間が可撓性を有する部材等で連結されていてもよい。
【0129】
また、上述の実施形態やその変形・変更の例では、無線通信モジュール14が省略され、代わりに、記憶装置が内蔵されてもよい。記憶装置は、例えば、SDカード等のように、着脱可能な可搬型の記憶装置であってもよいし、ボールモジュール10の内部に固定される固定型の記憶装置であってもよい。記憶装置は、例えば、EEPROMやフラッシュメモリである。これにより、ユーザは、記憶装置に保存される力覚センサ13の出力データを、ケーブル等を通じて直接或いは間接的に情報処理装置40に読み出したり、可搬型の記憶装置を取り出すことにより情報処理装置40に読み出したりすることができる。
【0130】
また、上述の実施形態やその変形・変更の例では、ボールモジュール10の表面からの力の入力に応じた、ボールモジュール10の運動の評価結果が表示装置50に表示されるが、ボールモジュール10の表面からの力の入力に応じたより簡易的な情報が表示装置50に表示されてもよい。つまり、上述の実施形態やその変形・変更の例では、ボールモジュール10の表面からの力の入力を表す画像が表示される限り、その表示内容は限定されない。例えば、ボールモジュール10の握りに対応する球種だけが表示装置50に表示されてもよい。また、ボールモジュール10の表面から入力される力の大きさや位置等が表示装置50に表示されてもよい。
【0131】
また、上述の実施形態やその変形・変更の例では、測定装置20は、省略されてもよい。例えば、ボールモジュール10の運動のシミュレーション等の評価が実施されない場合、測定装置20は省略されてもよい。また、球種の推定結果から球速やボールの変化の軌道をある程度想定可能であることから、情報処理装置40は、力覚センサ13の出力のみを用いて、ボールモジュール10の運動を簡易的にシミュレーションし動画像として表示装置50に表示させてもよい。この場合、測定装置20は省略されてもよい。
【0132】
また、上述の実施形態やその変形・変更の例では、投球用のボールとは異なる種類のボール(例えば、野球とは異なる球技のボール)を模したボールモジュールが採用され、そのボールモジュールに力覚センサ13が内蔵されてもよい。
【0133】
また、上述の実施形態やその変形・変更の例では、球形とは異なる形状のボールを模したボールモジュールが採用され、そのボールモジュールに力覚センサ13が内蔵されてもよい。
【0134】
[作用]
次に、本実施形態に係るボール型センサ装置、表示システム、表示方法、及びプログラムの作用について説明する。
【0135】
本実施形態では、ボール型センサ装置は、自身に対して作用する力を検出する力覚センサ部を内蔵する。ボールは、例えば、上述のボールモジュール10である。力覚センサ部は、例えば、上述の力覚センサ13である。
【0136】
これにより、ボール型センサ装置は、力覚センサ部によって、ボール型センサ装置に対する力の入力に関する情報を取得することができる。
【0137】
また、本実施形態では、ボール型センサ装置は、入力部を備えてもよい。入力部は、例えば、上述のアタッチメント12である。具体的には、入力部は、ボール面を有する。また、力覚センサ部は、ボール面の内側に内蔵されると共に、入力部が接続され、入力部の変位に応じた力を検出してもよい。そして、入力部は、ボールに対する力の入力に応じて変位可能であってもよい。
【0138】
これにより、ボール型センサ装置は、入力部を通じて、ボール型センサ装置に対する力の入力をボールの内部の力覚センサ部により確実に伝達することができる。
【0139】
また、本実施形態では、ボール型センサ装置は、投球用であってもよい。
【0140】
これにより、例えば、ボール型センサ装置に対する力の入力に関する情報を用いて、ボール型センサ装置の握り方を推定することにより、ボール型センサ装置が投球される際の球種を推定することができる。
【0141】
また、本実施形態では、入力部は、ボール面を形成する一方の半球部分に相当する第1の入力部と、他方の半球部分に相当する第2の入力部と、を含んでもよい。第1の入力部及び第2の入力部は、例えば、上述のアタッチメント12a,12bである。具体的には、力覚センサ部は、第1の入力部及び第2の入力部の間に挟まれるように第1の入力部及び第2の入力部に取り付けられてもよい。そして、第1の入力部及び第2の入力部の外周部同士の間には、所定の隙間が設けられていてもよい。所定の隙間は、例えば、上述の隙間12GPである。
【0142】
これにより、ボール型センサ装置は、ボール型センサ装置に対する力の入力に応じて、入力部を変位させることができる。
【0143】
また、本実施形態では、ボール型センサ装置は、通信部を備えてもよい。通信部は、例えば、上述の無線通信モジュール14である。具体的には、通信部は、ボール型センサ装置の外部と無線通信を行うことが可能である。
【0144】
これにより、例えば、ボール型センサ装置に対する力の入力に関する情報をリアルタイムに取得し活用することができる。
【0145】
また、本実施形態では、表示システムは、上記のボール型センサ装置と、表示装置とを備えてもよい。表示装置は、例えば、上述の表示装置50である。具体的には、表示装置は、力覚センサ部の出力に基づき、ボール型センサ装置に対する力の入力を表す画像を表示する。
【0146】
また、本実施形態では、表示方法は、情報処理装置が、上記のボール型センサ装置に含まれる力覚センサ部の出力に基づき、ボール型センサ装置に対する力の入力を表す画像を表示装置に表示させる。情報処理装置は、例えば、上述の情報処理装置40である。
【0147】
また、本実施形態では、プログラムは、上記のボール型センサ装置に含まれる力覚センサ部の出力に基づき、ボール型センサ装置に対する力の入力を表す画像を表示装置に表示させる機能をコンピュータに実行させてもよい。コンピュータは、例えば、上述の情報処理装置40である。
【0148】
これにより、表示システム等は、ボール型センサ装置に対する力の入力を表す情報をユーザに視覚的に提供することができる。
【0149】
また、本実施形態では、表示装置は、力覚センサ部の出力に基づき、ボール型センサ装置に対する力の入力に応じたボール型センサ装置の運動の評価結果を表す画像を表示してもよい。
【0150】
これにより、表示システム等は、ボール型センサ装置に対する力の入力に応じたボール型センサ装置の運動の評価結果を表す情報をユーザに提示することができる。そのため、例えば、ユーザは、ボール型センサ装置の運動の評価結果を考慮して、ボール型センサ装置を使用する球技での練習や技術の改善の方針の検討等を行うことができる。
【0151】
また、本実施形態では、表示装置は、力覚センサ部の出力に基づき、ボール型センサ装置に対する力の入力に応じたボール型センサ装置の運動をシミュレーションして表示してもよい。
【0152】
これにより、表示システム等は、ボール型センサ装置に対する力の入力に応じたボール型センサ装置の運動のシミュレーション結果を視覚的にユーザに提示することができる。そのため、表示システム等は、例えば、ボール型センサ装置をユーザインタフェースとして用いて、ユーザによるボール型センサ装置の投球等の際のボールの運動をシミュレーションして表示装置の画面に表示させるコンピュータゲームをユーザに提供することができる。
【0153】
また、本実施形態では、表示システムは、処理装置を備えてもよい。処理装置は、例えば、上述の情報処理装置40である。具体的には、処理装置は、力覚センサ部の出力に基づき、ボール型センサ装置に対する力の入力の内容を推定する。そして、表示装置は、処理装置の推定結果に基づき、ボール型センサ装置に対する力の入力を表す画像を表示してもよい。
【0154】
これにより、処理装置は、力覚センサ部の出力に基づき、ボール型センサ装置に対する力の入力を表す画像を表示装置に表示させることができる。
【0155】
また、本実施形態では、処理装置は、力覚センサ部の出力に基づき、ボール型センサ装置の握り方に対応する球種を推定してもよい。そして、表示装置は、処理装置の推定結果に基づき、球種が反映された、ボール型センサ装置に対する力の入力を表す画像を表示してもよい。
【0156】
これにより、表示システム等は、ボール型センサ装置の球種を反映させて、ボール型センサ装置に対する力の入力を表す画像を表示装置に表示させることができる。
【0157】
以上、実施形態について詳述したが、本開示はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0158】
1 表示システム
10 ボールモジュール
11 外皮部
12 アタッチメント
12a アタッチメント
12a1 締結孔
12b アタッチメント
12GP 隙間
13 力覚センサ
14 無線通信モジュール
15 バッテリ
40 情報処理装置
50 表示装置
401 入力部
402 力・モーメント算出部
403 データ登録部
404 記憶部
405 球種推定用データ生成部
406 記憶部
407 球種推定部
408 投球シミュレータ部
409 表示制御部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10