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特開2024-128696判定装置、判定方法、および判定プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128696
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】判定装置、判定方法、および判定プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/396 20190101AFI20240913BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20240913BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240913BHJP
   G01R 31/392 20190101ALI20240913BHJP
【FI】
G01R31/396
H01M10/48 P
H02J7/00 Y
H02J7/00 P
G01R31/392
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037833
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】591167430
【氏名又は名称】株式会社KRI
(71)【出願人】
【識別番号】000000284
【氏名又は名称】大阪瓦斯株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】早野 彰人
(72)【発明者】
【氏名】溝口 泰紀
(72)【発明者】
【氏名】木下 肇
【テーマコード(参考)】
2G216
5G503
5H030
【Fターム(参考)】
2G216AA08
2G216AB01
2G216BA21
2G216CB31
5G503BA02
5G503BB02
5G503DB03
5G503EA08
5G503FA06
5H030AS08
5H030FF51
(57)【要約】
【課題】簡易な構成で精度良く使用用途に応じた二次電池(電池)の適否を判定することを目的とする。
【解決手段】複数の電池1のうちから、使用用途4に適した電池1を判定する判定装置であって、電池1の電池情報21を取得する情報取得部12と、電池情報21から劣化原因7毎の劣化状態を示す原因別劣化情報6を電池1毎に推定する劣化推定部14と、使用用途4の入力を受け付ける用途入力部15と、推定された原因別劣化情報6と入力された使用用途4とに基づいて、それぞれの劣化原因7の使用用途4に対する影響度を考慮して、複数の電池1のうちから使用用途4に適する電池1を判定する判定部17とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電池のうちから、使用用途に適した前記電池を判定する判定装置であって、
前記電池の電池情報を取得する情報取得部と、
前記電池情報から劣化原因毎の劣化状態を示す原因別劣化情報を前記電池毎に推定する劣化推定部と、
前記使用用途の入力を受け付ける用途入力部と、
推定された前記原因別劣化情報と入力された前記使用用途とに基づいて、それぞれの前記劣化原因の前記使用用途に対する影響度を考慮して、前記複数の前記電池のうちから前記使用用途に適する前記電池を判定する判定部とを備える判定装置。
【請求項2】
前記原因別劣化情報は、前記劣化原因毎の劣化状態である原因別劣化状態、および、前記劣化原因毎の劣化の進行速度である劣化速度の少なくともいずれかを含む請求項1に記載の判定装置。
【請求項3】
前記原因別劣化状態は、任意の第1時間だけ前の前記原因別劣化状態である事前原因別劣化状態と、前記第1時間の間に劣化する単位原因別劣化状態とに基づいて、前記劣化原因によって異なり前記原因別劣化状態の経過時間に対するべき乗則に則った時間依存性と、前記劣化原因によって異なり前記使用用途によって決定される前記劣化速度とを考慮して算出される請求項2に記載の判定装置。
【請求項4】
前記使用用途毎に生成されたランクテーブルを記憶する記憶部をさらに備え、
前記ランクテーブルは、それぞれの前記劣化原因に対応する前記原因別劣化情報の値に応じてランク分けされ、
前記判定部は、入力された前記使用用途に応じた前記ランクテーブルを参照し、それぞれの前記電池に対して推定された前記原因別劣化情報からそれぞれの前記電池をランク分けし、ランクに応じて前記使用用途に適した前記電池を判定する請求項1から3のいずれか一項に記載の判定装置。
【請求項5】
前記使用用途毎に生成された判定条件を記憶する記憶部をさらに備え、
前記判定条件は、それぞれの前記劣化原因と、前記原因別劣化情報に前記劣化原因に応じて決まる重み付けが付与された値との関係性が条件付けられ、条件毎にランク分けされ、
前記判定部は、入力された前記使用用途に応じた前記判定条件を参照し、それぞれの前記電池に対して推定された前記原因別劣化情報からそれぞれの前記電池をランク分けし、ランクに応じて前記使用用途に適した前記電池を判定する請求項1から3のいずれか一項に記載の判定装置。
【請求項6】
複数の電動車両毎に前記電池の1つが搭載され、
前記判定部での判定結果に応じて選択された前記電池が搭載される前記電動車両が、前記使用用途に適した前記電動車両として選択される請求項1から3のいずれか一項に記載の判定装置。
【請求項7】
所定の第一用途に使用されていた前記電池は、前記判定部での判定結果に応じて前記第一用途と異なる第二用途に使用される前記電池として再利用される請求項1から3のいずれか一項に記載の判定装置。
【請求項8】
複数の電池のうちから、使用用途に適した前記電池を判定する判定方法であって、
前記電池の電池情報を取得する工程と、
前記電池情報から劣化原因毎の劣化状態を示す原因別劣化情報を前記電池毎に推定する工程と、
前記使用用途の入力を受け付ける工程と、
推定された前記原因別劣化情報と入力された前記使用用途とに基づいて、それぞれの前記劣化原因の前記使用用途に対する影響度を考慮して、前記複数の前記電池のうちから前記使用用途に適する前記電池を判定する工程とを備える判定方法。
【請求項9】
複数の電池のうちから、使用用途に適した前記電池を判定する判定プログラムであって、
前記電池の電池情報を取得する機能と、
前記電池情報から劣化原因毎の劣化状態を示す原因別劣化情報を前記電池毎に推定する機能と、
前記使用用途の入力を受け付ける機能と、
推定された前記原因別劣化情報と入力された前記使用用途とに基づいて、それぞれの前記劣化原因の前記使用用途に対する影響度を考慮して、前記複数の前記電池のうちから前記使用用途に適する前記電池を判定する機能とをコンピュータに実行させる判定プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電池のうちから、使用に適した電池を判定する判定装置、判定方法、および判定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池(電池)は電動車両等の様々な機器に搭載されて使用される。二次電池を搭載する機器は、種々の用途に使用される。ここで、二次電池は使用に伴って劣化し、使用用途(使用条件)に応じて劣化の原因や進行速度は変化する。そのため、このような機器が複数ある場合、機器の使用用途と二次電池の劣化状態とに基づいて、使用される機器が選択される場合がある。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の発明は、車両の走行距離から搭載された高電圧デバイス(二次電池)の劣化傾向を演算し、劣化傾向が小さい高電圧デバイスを搭載した車両を、劣化が大きくなると予測される管理環境で使用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010-181986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の構成では、劣化傾向を概略的に求めているだけであり、精度良く劣化の状態を求めることは困難である。また、従来の構成では、劣化傾向が小さい車両程、劣化が大きくなると予測される管理環境で使用されるように割り当てられているだけであり、予定される管理環境に対応する車両が適切に割り当てられない可能性がある。さらに、使用用途等から使用に伴う将来の劣化状態を予測し、使用用途毎に使用される二次電池(機器)を選択することも考えられるが、劣化状態の予測を簡易な構成で行うことは困難であり、精度良く予想することも困難である。
【0006】
このような問題点を解決するために、本発明は、簡易な構成で精度良く使用用途に応じた二次電池(電池)の適否を判定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の一実施形態に係る判定装置の特徴構成は、複数の電池のうちから、使用用途に適した前記電池を判定する判定装置であって、前記電池の電池情報を取得する情報取得部と、前記電池情報から劣化原因毎の劣化状態を示す原因別劣化情報を前記電池毎に推定する劣化推定部と、前記使用用途の入力を受け付ける用途入力部と、推定された前記原因別劣化情報と入力された前記使用用途とに基づいて、それぞれの前記劣化原因の前記使用用途に対する影響度を考慮して、前記複数の前記電池のうちから前記使用用途に適する前記電池を判定する判定部とを備える点にある。
【0008】
また、本発明の一実施形態に係る判定方法の特徴構成は、複数の電池のうちから、使用用途に適した前記電池を判定する判定方法であって、前記電池の電池情報を取得する工程と、前記電池情報から劣化原因毎の劣化状態を示す原因別劣化情報を前記電池毎に推定する工程と、前記使用用途の入力を受け付ける工程と、推定された前記原因別劣化情報と入力された前記使用用途とに基づいて、それぞれの前記劣化原因の前記使用用途に対する影響度を考慮して、前記複数の前記電池のうちから前記使用用途に適する前記電池を判定する工程とを備える点にある。
【0009】
また、本発明の一実施形態に係る判定プログラムの特徴構成は、複数の電池のうちから、使用用途に適した前記電池を判定する判定プログラムであって、前記電池の電池情報を取得する機能と、前記電池情報から劣化原因毎の劣化状態を示す原因別劣化情報を前記電池毎に推定する機能と、前記使用用途の入力を受け付ける機能と、推定された前記原因別劣化情報と入力された前記使用用途とに基づいて、それぞれの前記劣化原因の前記使用用途に対する影響度を考慮して、前記複数の前記電池のうちから前記使用用途に適する前記電池を判定する機能とをコンピュータに実行させる点にある。
【0010】
電池は様々な原因によって劣化する。電池の劣化は、使用条件、つまり使用用途に応じて異なる劣化原因で劣化し、使用用途に応じて異なる速度で進行する。そのため、使用用途と、電池の劣化原因毎の劣化状態を示す原因別劣化情報とが分かれば、その電池が使用用途に適しているか否かに対する影響度が分かる。
【0011】
上記各構成によると、各電池の原因別劣化情報を推定することにより、将来の電池の劣化状態を直接的に予測することなく、使用用途に応じて各電池の使用の適否を判定することができる。そのため、簡易な構成で、精度良く使用用途に適した電池を判定することができる。
【0012】
また、前記原因別劣化情報は、前記劣化原因毎の劣化状態である原因別劣化状態、および、前記劣化原因毎の劣化の進行速度である劣化速度の少なくともいずれかを含んでもよい。
【0013】
このような構成により、取得できる電池の情報に応じて、自由度高く電池の劣化状態を判定することができ、精度良く使用用途に適した電池を判定することができる。また、原因別劣化状態と劣化速度の両方を用いて判定することにより、現状の劣化状態と劣化速度とに基づいて、より精度良く電池の劣化状態を判定でき、精度良く使用用途に適した電池を判定することができる。
【0014】
また、前記原因別劣化状態は、任意の第1時間だけ前の前記原因別劣化状態である事前原因別劣化状態と、前記第1時間の間に劣化する単位原因別劣化状態とに基づいて、前記劣化原因によって異なり前記原因別劣化状態の経過時間に対するべき乗則に則った時間依存性と、前記劣化原因によって異なり前記使用用途によって決定される前記劣化速度とを考慮して算出されてもよい。
【0015】
このような構成により、原因別劣化状態をより精度良く求め、より精度良く電池の劣化状態を判定でき、精度良く使用用途に適した電池を判定することができる。
【0016】
また、前記使用用途毎に生成されたランクテーブルを記憶する記憶部をさらに備え、前記ランクテーブルは、それぞれの前記劣化原因に対応する前記原因別劣化情報の値に応じてランク分けされ、前記判定部は、入力された前記使用用途に応じた前記ランクテーブルを参照し、それぞれの前記電池に対して推定された前記原因別劣化情報からそれぞれの前記電池をランク分けし、ランクに応じて前記使用用途に適した前記電池を判定してもよい。
【0017】
使用用途に応じた電池の劣化状態の影響度は、使用用途と原因別劣化情報とに応じてあらかじめランク分けすることができる。そして、上記構成によると、あらかじめランク分けされたランクテーブルを参照することにより、容易かつ精度良く使用用途に適した電池を判定することができる。
【0018】
また、前記使用用途毎に生成された判定条件を記憶する記憶部をさらに備え、前記判定条件は、それぞれの前記劣化原因と、前記原因別劣化情報に前記劣化原因に応じて決まる重み付けが付与された値との関係性が条件付けられ、条件毎にランク分けされ、前記判定部は、入力された前記使用用途に応じた前記判定条件を参照し、それぞれの前記電池に対して推定された前記原因別劣化情報からそれぞれの前記電池をランク分けし、ランクに応じて前記使用用途に適した前記電池を判定してもよい。
【0019】
使用用途に応じた電池の劣化状態の影響度は、使用用途と原因別劣化情報とに応じ判定条件でランク分けすることができる。そして、上記構成によると、あらかじめランク分けされた判定条件を参照することにより、容易かつ精度良く使用用途に適した電池を判定することができる。
【0020】
また、複数の電動車両毎に前記電池の1つが搭載され、前記判定部での判定結果に応じて選択された前記電池が搭載される前記電動車両が、前記使用用途に適した前記電動車両として選択されてもよい。
【0021】
このような構成により、使用用途に適した電池を選択することにより、使用用途に適した電動車両を容易かつ精度良く選択することができる。
【0022】
また、所定の第一用途に使用されていた前記電池は、前記判定部での判定結果に応じて前記第一用途と異なる第二用途に使用される前記電池として再利用されてもよい。
【0023】
ある用途に使用された電池が劣化しても、劣化状態によっては他の用途にリユース(再利用)することができる。例えば、電動車両に搭載されていた電池が劣化したとしても、劣化状態によっては、定置用の電池、あるいは他の特定の用途に用いられる電池として再利用することができる。
【0024】
上記構成によると、電池をどの用途の電池に再利用することができるかを容易かつ精度良く判定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】複数の電動車両から使用用途に応じて使用する電動車両を選択する概念を例示する図である。
図2】判定装置の構成を例示する図である。
図3】電池を判定するフローを例示する図である。
図4】ランクテーブルを例示する図である。
図5】劣化速度を考慮したランクテーブルを例示する図である。
図6】判定条件を例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
複数の二次電池(以下単に電池1(図1参照)と称す)から使用用途4(図2参照)に応じて適切な電池1が選択される場合がある。本発明の一実施形態に係る判定装置は、各電池1の劣化原因7(図1参照)毎の劣化状態を示す原因別劣化情報6(図2参照)を推定し、劣化原因7の使用用途4に対する影響度を考慮して、複数の電池1のうちから使用用途4に適する電池1を判定する。
【0027】
以下、1つの電池1を搭載する複数の電動車両2から、使用用途4に適した電池1を判定することにより、使用用途4に適した電池1を搭載する電動車両2を選択する構成を例として、判定装置について説明する。ここで、1つの電池1とは、1つのセルという意味ではなく、複数のセルからなり全体として1つの電池1として機能する電池パックを含む意味である。
【0028】
図1に示すように、電池1aを搭載する車両2a,電池1bを搭載する車両2b・・・のように電池1を搭載する複数の電動車両2が用意され、使用用途4α,使用用途4β・・・といった使用用途4毎にいずれかの電動車両2が割り振られる。この際、各電池1の原因別劣化情報6が推定され、原因別劣化情報6に劣化原因7の使用用途4に対する影響度を考慮して、複数の電池1のうちから使用用途4に適する電池1が判定される。そして、判定結果に応じた電池1が搭載される電動車両2が各使用用途4に用いられる電動車両2として選択される。
【0029】
〔判定装置〕
次に、図2図3を用いて、電池1を判定する判定装置の実施形態について説明する。
【0030】
電動車両2は、リチウムイオン電池等の二次電池(電池1)を搭載する。電池1の各種の情報である電池情報21は測定部23によって取得される。
【0031】
判定装置は、情報取得部12、劣化推定部14、用途入力部15、判定部17、および記憶部19を備える。
【0032】
情報取得部12は、測定部23から各電池1の電池情報21を取得し、電池1毎の電池情報21を記憶部19に格納する(図3のステップ#1)。
【0033】
劣化推定部14は、記憶部19に格納された各電池1の電池情報21から、電池1毎に原因別劣化情報6を推定し、電池1毎の原因別劣化情報6を記憶部19に格納する(図3のステップ#2)。原因別劣化情報6は、劣化原因7毎の推定された劣化状態である。つまり、各電池1の原因別劣化情報6は、劣化原因A(劣化原因7)に対応する劣化状態、劣化原因B(劣化原因7)に対応する劣化状態・・・のように、所定の劣化原因7に対応する劣化状態が含まれる情報である。
【0034】
用途入力部15は、キーボードや選択スイッチ等の人為操作具であり、電動車両2の使用用途4の人為的な操作(入力)を受け付け、使用用途4を記憶部19に格納する(図3のステップ#3)。なお、用途入力部15は、人為操作に限らず、通信により使用用途4を受け付ける構成であってもよい。
【0035】
判定部17は、原因別劣化情報6に劣化原因7の使用用途4に対する影響度を考慮して、各電池1を使用用途4毎にランク分けする(図3のステップ#4)。そして、判定部17は、入力された使用用途4に対応する各電池1のランクから、入力された使用用途4に対応する電池1を判定する(図3のステップ#5)。例えば、判定部17は、入力された使用用途4に使用できる電池1を選り分けたり、入力された使用用途4に最適な電池1を選択したりする。
【0036】
〔電池の判定〕
次に、図1図2図4を用いて、電池1を判定する構成例として、使用用途4に対する劣化原因7毎の原因別劣化情報6の影響度を考慮してあらかじめ生成されて記憶部19に記憶されたランクテーブル26を用いて電池1を判定する構成について説明する。
【0037】
本実施形態では、電動車両2の使用用途4として、通常走行(使用用途I)、高温環境下での走行(使用用途II)、低温環境下における大電流での充電(急速充電)と走行とが繰り返されるような走行(使用用途III)が想定される。
【0038】
また、電池1の原因別劣化情報6として、劣化原因7毎の劣化状態である原因別劣化状態8が推定される。図4の例では、劣化原因7として、SEI被膜(電極-電解液界面の抵抗被膜)が成長することによる劣化(劣化原因A)、主に正極上でガスが発生することによる高温劣化(劣化原因B)、主に金属リチウムが析出することによる低温劣化(劣化原因C)が推定される。
【0039】
図4に示すランクテーブル26において、劣化原因Aに係る原因別劣化状態8(原因別劣化情報6)は原因別劣化状態μAと示され、劣化原因Bに係る原因別劣化状態8(原因別劣化情報6)は原因別劣化状態μBと示され、劣化原因Cに係る原因別劣化状態8(原因別劣化情報6)は原因別劣化状態μCと示される。なお、原因別劣化状態8(原因別劣化情報6)は、劣化が進むにつれて1から減少する数値とすることができる。また、劣化原因7は3つに限らず、任意の数の劣化原因7に対応する原因別劣化状態8が推定されてもよい。例えば、劣化原因7として、上記3つの原因と、電極活物質のクラックの発生と、結晶相転移とのうちの任意の組み合わせが用いられてもよい。
【0040】
そして、ランクテーブル26は、各劣化原因7の推定された原因別劣化状態8(原因別劣化情報6)の大きさ(条件)に基づいて、使用用途4に応じたランクがあらかじめ設定される。
【0041】
例えば、使用用途Iにおけるランク「1」の条件は、「μA<0.2かつμB<0.2かつμC<0.2かつμA+μB+μC<0.3」と設定される。ランク「1」は使用用途4に対して最も適切な(最上位の)ランクである。各使用用途4において、ランク「2」の条件はランク「1」の条件より劣化が進行している状態が条件となり、ランク「3」の条件はランク「1」および「2」の条件に該当しないことが条件となる。使用用途IIは高温環境下での走行であり、劣化原因Bは、高温かつ劣化が進行しているときほど劣化が急速に進行する場合が多いことから、各ランクにおいて使用用途Iにおける条件より原因別劣化状態μBの条件が厳しくされる。また、金属リチウムは高温下では電池1内の電解液と反応して自己発熱し、最悪の場合、発火などの重大な事故に繋がる可能性があるため、使用用途IIの各ランクにおいて、使用用途Iにおける条件より原因別劣化状態μCの条件も厳しくされる。使用用途IIIは低温環境下で急速充電されるため、負極に金属リチウムが析出する可能性を考慮して、各ランクにおいて使用用途Iにおける条件より原因別劣化状態μCの条件が厳しくされる。なお、ランクは3段階に限らず、任意の段階に設定されてもよい。
【0042】
判定部17は、まず、電池1毎に劣化推定部14により推定された各劣化原因7の原因別劣化状態8と、入力された使用用途4とを記憶部19から読み出す。そして、判定部17は、各電池1の各原因別劣化状態8と、ランクテーブル26の使用用途4に対応する各ランクの条件とを比較し、それぞれの電池1がどのランクに相当するかを判定する。例えば、使用用途4として高温環境下での走行(使用用途II)を行うための電池1を選択(判定)する場合、ある電池1の原因別劣化状態μAが0.10、原因別劣化状態μBが0.15、原因別劣化状態μCが0.09と推定されたとする。この場合、μA+μB+μC=0.34となる。この結果をランクテーブル26の使用用途IIの条件と比較すると、この電池1のランクは「2」となる。このような要領で、判定部17は、判定(選択)対象となる全ての電池1のランクを特定する。その後、それぞれの電池1のランクから、最も上位のランクに属する電池1が搭載された電動車両2が、使用用途4に用いる電動車両2として選択される。
【0043】
各電池1の原因別劣化状態8(原因別劣化情報6)と使用用途4とが分かれば、使用用途4に使用する各電池1の適性を判断することができる。そのため、ランクテーブル26を用いて、各使用用途4における各電池1の適性を示すランクを各原因別劣化状態8の条件で振り分けることができる。従って、ランクテーブル26を用いることにより、原因別劣化状態8と使用用途4から、各電池1のランクを容易かつ精度良く判定することができる。
【0044】
〔劣化推定〕
原因別劣化状態8(劣化状態)は、容量の劣化や内部抵抗の上昇等を引き起こす、任意の劣化状態であり、任意の方法で取得・算出することができる。以下、図2を参照して、原因別劣化状態8(劣化状態)の推定方法について例示する。
【0045】
例えば、電池1の劣化は、使用を開始してからの時間(経過時間)に対するべき乗則に近似して示すことができる。つまり、電池1の劣化は、時間のべき乗則に比例する時間依存性を備え、劣化原因7毎の劣化の進行速度である劣化速度9に依存する。この比例関係は、劣化速度係数を定数とし、時間係数をべき指数として表現できる。また、劣化速度9は劣化原因7毎に、使用用途4から推定することができる。ここで、劣化速度係数は、使用環境や使用方法・使用態様等の各種の使用条件(使用用途4)に依存する係数であり、時間係数は、劣化状態の時間依存性を示す係数である。
【0046】
具体的には、事前に取得した事前原因別劣化状態28と、事前原因別劣化状態28が算出(計測)されてから任意の第1時間が経過するまでの間の劣化状態である単位原因別劣化状態とに基づいて、電池1の原因別劣化状態8を算出することができる。つまり、現時点から第1時間だけ前に取得された事前原因別劣化状態28と、第1時間の間の単位原因別劣化状態とに基づいて、現時点での電池1の原因別劣化状態8を算出することができる。
【0047】
この場合、現時点(推定時)の原因別劣化状態8は、時間係数をべき指数とする比例関係を有するため、原因別劣化状態8は、事前原因別劣化状態28と単位原因別劣化状態とに基づいて、経過時間に対するべき乗則に則った時間依存性を考慮して算出される。つまり、原因別劣化状態8は、事前原因別劣化状態28と、第1時間の間に劣化する単位原因別劣化状態とに基づいて、劣化原因7によって異なり原因別劣化状態8の経過時間に対するべき乗則に則った時間依存性と、劣化原因7によって異なり算出時(推定時)の使用条件(使用用途4)によって決定される劣化速度9とを考慮して算出される。例えば、現時点(推定時)の原因別劣化状態8は、推定時の時刻をt、第1時間をδ、時刻tにおける原因別劣化状態8をμ、事前原因別劣化状態28をμ(t-δ)、劣化速度係数をα、時間係数をβとすると、
μ={μ(t-δ) 1/β-α1/β・δ}β (式1)
で示される関数を用いて算出することができる。
【0048】
以上のように、劣化推定部14は、事前原因別劣化状態28を用いて原因別劣化状態8を算出(推定)することができるため、精度良く電池1の原因別劣化状態8を算出することができる。特に、事前原因別劣化状態28を実測値、あるいは実測値を加味して補正した予測補正値とすることができ、この場合、実質的な予測は第1時間の間における劣化状態のみに減縮されるため、より精度良く電池1の原因別劣化状態8を算出することができる。
【0049】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態において、使用に伴う電池1の劣化は、原因別劣化状態8のみならず、劣化原因7毎の劣化速度9により推定することができる。そのため、原因別劣化情報6は、原因別劣化状態8および劣化速度9の少なくともいずれかを含んでもよい。
【0050】
情報取得部12は、種々の電池情報21を取得する。取得された電池情報21によって推定できる原因別劣化情報6が異なる場合がある。そのため、劣化推定部14は、取得された電池情報21に基づいて、原因別劣化情報6として、原因別劣化状態8を推定することが困難であったとしても、劣化原因7毎の劣化速度9を推定できる場合がある。そして、推定できた原因別劣化情報6に基づいて電池1の判定を行うことができる。このように、推定する原因別劣化情報6の自由度を高めることができるため、容易かつ自由度高く電池1の劣化状態を判定することができ、精度良く使用用途4に適した電池1を判定することができる。また、原因別劣化状態8および劣化速度9の両方を用いて判定した場合には、電池1の劣化状態をより精度良く推定することができるため、精度良く使用用途4に適した電池1を判定することができる。
【0051】
(2)上記ランクテーブル26の条件を劣化速度9に基づいて設定する場合、各ランクにおける条件は、原因別劣化情報6として、劣化原因7毎に劣化速度9に基づいて求めることができる単位時間当たりの劣化状態の変化量である原因別劣化状態変化量29が用いられてもよい。劣化推定部14は、各電池1の電池情報21に基づいて、各電池1に対して、劣化原因7毎に、原因別劣化状態変化量29を推定する。そして、ランクテーブル26は、上記した原因別劣化状態8に基づくランクテーブル26と同様に、各劣化原因7の推定された原因別劣化状態変化量29(原因別劣化情報6)の大きさ(条件)に基づいて、使用用途4に応じたランクがあらかじめ設定される。
【0052】
これにより、劣化速度9に基づいて、電池1の劣化状態をより精度良く推定し、精度良く使用用途4に適した電池1を判定することができる。
【0053】
また、上記ランクテーブル26の条件が、原因別劣化状態8および劣化速度9(原因別劣化状態変化量29)に基づいて定められてもよい。
【0054】
例えば、高温使用の場合、SEI被膜の成長(劣化原因A)や、正極上でのガスの発生(劣化原因B)等が進行し易い。一方で、金属リチウムの析出(劣化原因C)については、すでに析出しリチウムが高温下で反応(自己発熱)する懸念がある。そのため、図5に示すように、SEI被膜の成長(劣化原因A)や、正極上でのガスの発生(劣化原因B)に対応する条件は劣化速度9(原因別劣化状態変化量29)に重点をおいて定められ、金属リチウムの析出(劣化原因C)に対応する条件は原因別劣化状態8に基づいて定められてもよい。これにより、使用用途4に応じた電池1の判定をより精度良く行うことができる。
【0055】
なお、図5において、劣化原因Aに係る原因別劣化状態変化量29は原因別劣化状態変化量ΔμAと示され、劣化原因Bに係る原因別劣化状態変化量29は原因別劣化状態変化量ΔμBと示され、劣化原因Aに係る原因別劣化状態8は原因別劣化状態μAと示され、劣化原因Bに係る原因別劣化状態8は原因別劣化状態μBと示され、劣化原因Cに係る原因別劣化状態8は原因別劣化状態μCと示される。また、図5では、1つの使用用途4に係る各ランクの条件のみが示される。
【0056】
(3)上記各実施形態において、ランクテーブル26は、各原因別劣化情報6に、劣化原因7に応じて決まる重み付けが付与された値を条件として用いられてもよい。これにより、電池1の劣化状態をより精度良く推定することができるため、精度良く使用用途4に適した電池1を判定することができる。
【0057】
(4)上記各実施形態において、判定部17は、ランクテーブル26を参照して電池1の劣化状態を判定するのみならず、劣化原因7の使用用途4に対する影響度を考慮して、任意の方法で複数の電池1のうちから使用用途4に適する電池1を判定してもよい。
【0058】
例えば、判定部17は判定条件31に基づいて、劣化推定部14で劣化原因7毎に推定された各電池1の原因別劣化情報6から各電池1のランクを判定する。判定条件31は、使用用途4に対応して、劣化原因7毎の原因別劣化情報6に基づいて条件づけられた関係式(条件)と、関係式で導かれる値のランクに対応する数値範囲とが設定される。判定条件31は、あらかじめ定められて記憶部19に格納される。原因別劣化情報6は、上述のように、原因別劣化状態8および劣化速度9の少なくともいずれかである。関係式は、例えば、劣化原因7毎の原因別劣化情報6の和である。
【0059】
さらに、判定条件31は、劣化原因7に応じて決まる重み付け(重み係数)が関係式に付与された条件が設定されてもよい。つまり、判定条件31は、それぞれの劣化原因7と、原因別劣化情報6に劣化原因7に応じて決まる重み付けが付与された値との関係性が条件付けられ、条件毎にランク分けされる。これにより、より容易かつ精度良く使用用途4に適した電池1を判定することができる。
【0060】
例えば、図6に示すように、劣化原因Aに係る原因別劣化状態8(原因別劣化情報6)を原因別劣化状態μA、劣化原因Bに係る原因別劣化状態8(原因別劣化情報6)を原因別劣化状態μB、劣化原因Cに係る原因別劣化状態8(原因別劣化情報6)を原因別劣化状態μC、劣化原因Aに係る重み係数をWA、劣化原因Bに係る重み係数をWB、劣化原因Cに係る重み係数をWCとし、関係式をXとすると、関係式は、
X=WA×μA+WB×μB+WC×μC (式2)
として表される。
【0061】
そして、使用用途4毎に重み係数が設定される。例えば、(使用用途I)における重み係数はWA=WB=WC=1.0に設定され、(使用用途II)における重み係数はWA=1.0、WB=2.0、WC=2.0に設定され、(使用用途III)における重み係数はWA=1.0、WB=1.0、WC=3.0に設定される。このように、使用用途4に応じて重み係数が設定され、関係式に代入するだけで各電池1をランク分けすることができ、ランクテーブル26等を用いてランク分けする場合に比べて、簡易な構成で容易に使用用途4に適した電池1を判定することができる。
【0062】
また、ランク「1」に対応する数値範囲が0.0≦X<0.2、ランク「2」に対応する数値範囲が0.2≦X<0.5、ランク「3」に対応する数値範囲が0.5≦Xとされる。
【0063】
判定部17は、まず、電池1毎に劣化推定部14により推定された各劣化原因7の原因別劣化状態8と、入力された使用用途4とを記憶部19から読み出す。次に、判定部17は、使用用途4に応じた重み係数を決定する。次に、判定部17は、各電池1の各原因別劣化状態8と重み係数とを関係式に代入してXの値を求める。そして、判定部17は、Xの値がどの数値範囲に属するかを判定して各電池1のランクを決定する。その後、各電池1のランクに基づいて、使用用途4に使用する電池1(電動車両2)が選択される。
【0064】
(5)上記別実施形態(4)において、別実施形態(2)と同様に、さらに、原因別劣化状態変化量29(劣化速度9)が考慮されてもよい。この場合、関係式は、劣化原因7毎の原因別劣化状態8に加えて、劣化原因7毎の原因別劣化状態変化量29が考慮されて設定される。
【0065】
例えば、劣化原因Aに係る原因別劣化状態変化量29を原因別劣化状態変化量ΔμA、劣化原因Bに係る原因別劣化状態変化量29を原因別劣化状態変化量ΔμB、劣化原因Cに係る原因別劣化状態変化量29を原因別劣化状態変化量ΔμC、劣化原因Aに係る原因別劣化状態8の重み係数をWA1、劣化原因Bに係る原因別劣化状態8の重み係数をWB1、劣化原因Cに係る原因別劣化状態8の重み係数をWC1、劣化原因Aに係る原因別劣化状態変化量29の重み係数をWA2、劣化原因Bに係る原因別劣化状態変化量29の重み係数をWB2、劣化原因Cに係る原因別劣化状態変化量29の重み係数をWC2とし、関係式をXとすると、判定条件31における関係式は、
X=WA1×μA+WA2×ΔμA+WB1×μB+WB2×ΔμB+WC1×μC+WC2×ΔμC (式3)
として表される。
【0066】
判定条件31は、このような関係式において、使用用途4毎に、原因別劣化状態8の重み係数および原因別劣化状態変化量29の重み係数が設定され、ランク毎の関係式に対する条件が設定される。
【0067】
判定部17は、このような原因別劣化状態変化量29(劣化速度9)が考慮され判定条件31に基づいて、各電池1を判定する。これにより、劣化状態(原因別劣化状態8)に加えて劣化速度9を考慮して電池1の判定が行われるため、より精度良く使用用途4に適した電池1を判定することができる。
【0068】
(6)上記各実施形態において、判定装置は、電動車両2に搭載される電池1の判定に限らず、あらゆる用途の電池1の判定に用いることができる。
【0069】
具体的には、ある用途に使用された電池1は、使用に伴う劣化によりその用途に対する使用には適さなくなる場合がある。しかし、そのような電池1であっても、使用条件が厳しくない他の用途の電池1として再利用(リユース)できる場合がある。このような再利用の可否および再利用できる用途は、現状の電池1の劣化状態に基づいて判断することができる。そして、現状の電池1に対する劣化状態の判定を上記各実施形態における判定装置で行うことができる。この場合、判定部17は、再利用する使用用途4(使用条件)に応じてランク分けされた条件を用いて各電池1を判定する。この判定部17での判定結果に応じて、電池1は、現状までに用いられていた用途と異なる用途に使用される電池1として再利用される。
【0070】
例えば、電動車両2に搭載される電池1は、走行場所や走行態様が常に一定ではないため、使用条件を厳しくする必要がある。そのため、電動車両2に搭載する電池1(第一用途に相当)として適切でないほどに電池1が劣化したとしても、所定の場所に設置されたまま使用される電池1(定置用電池 第二用途に相当)や、使用条件が比較的安定した他の特定の用途(第二用途に相当)に向けた電池1として、再利用することができる。また、電池1の劣化状態が著しく悪い場合は、再利用をあきらめて電池1をリサイクルすることも考えられる。
【0071】
このことから、使用用途4として、定置用電池、1または複数の他の用途に向けた電池1、リサイクルに対応するランクが条件分けされ、判定部17は、ランクに対応する条件により、再利用が予定される各電池1を判定する。そして、判定結果に応じて各電池1の再利用先が決定される。これにより、容易に電池1の再利用先を決定することができる。
【0072】
(7)上記各実施形態において、判定装置は、図2に示すような機能ブロックから構成されるものに限定されず、任意の機能ブロックから構成されてもよい。例えば、判定装置の各機能ブロックはさらに細分化されてもよく、逆に、各機能ブロックの一部または全部がまとめられてもよい。また、判定装置の機能は、上記機能ブロックに限らず、任意の機能ブロックが実行する方法により実現されてもよい。また、判定装置の機能の一部または全部は、ソフトウエアで構成されてもよい。ソフトウエアに係るプログラムは、記憶部19等の任意の記憶装置に記憶され、判定装置が備えるCPU等のプロセッサ(コンピュータ)、あるいは別に設けられたプロセッサ(コンピュータ)により実行される。例えば、プログラムの処置の一部または全部が、サーバ等の判定装置とは別途に設けられた装置に搭載れるプロセッサにより実行されてもよい。
【0073】
なお、上記の実施形態(別実施形態を含む、以下同じ)で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することが可能であり、また、本明細書において開示された実施形態は例示であって、本発明の実施形態はこれに限定されず、本発明の目的を逸脱しない範囲内で適宜改変することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0074】
本発明は、電池の劣化状態を判定する判定装置に適用することができる。
【符号の説明】
【0075】
1 電池
2 電動車両
4 使用用途
6 原因別劣化情報
7 劣化原因
8 原因別劣化状態
9 劣化速度
12 情報取得部
14 劣化推定部
15 用途入力部
17 判定部
19 記憶部
21 電池情報
23 測定部
26 ランクテーブル
28 事前原因別劣化状態
31 判定条件
図1
図2
図3
図4
図5
図6