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  • 特開-スタビライザ制御装置 図1
  • 特開-スタビライザ制御装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128701
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】スタビライザ制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60G 21/055 20060101AFI20240913BHJP
   F16H 1/46 20060101ALI20240913BHJP
   F16D 27/02 20060101ALI20240913BHJP
【FI】
B60G21/055
F16H1/46
F16D27/02 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037844
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000000011
【氏名又は名称】株式会社アイシン
(74)【代理人】
【識別番号】100114959
【弁理士】
【氏名又は名称】山▲崎▼ 徹也
(72)【発明者】
【氏名】梅本 英和
【テーマコード(参考)】
3D301
3J027
【Fターム(参考)】
3D301AA04
3D301AA69
3D301AA74
3D301AB02
3D301DA66
3D301DA76
3D301DB50
3J027FB01
3J027GC24
3J027GD04
3J027GD08
3J027GD12
(57)【要約】
【課題】コンパクト且つ軽量のスタビライザ制御装置を提供する。
【解決手段】車両の左右のサスペンションに取り付けられる第1・第2スタビライザ1,2が接続され、第1・第2スタビライザ1,2が相対回転するアンロック状態と、相対回転しないロック状態とに切り替える制御軸c2を備えたクラッチCと、制御軸c2と第2スタビライザ2とに亘って設けられ、制御軸c2の回転数よりも第2スタビライザ2の回転数を減じる遊星歯車機構gと、クラッチCが固設され遊星歯車機構gを包持するケースKと、を備え、ケースKのうち遊星歯車機構gと反対側の端部に第1スタビライザ1が接続される第1接続部J1が設けられ、遊星歯車機構gのうちクラッチCと反対側にある出力軸s2に第2スタビライザ2が接続される第2接続部J2が設けられたスタビライザ制御装置S。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の左右のサスペンションに各別に取り付けられる第1スタビライザおよび第2スタビライザが接続されるものであり、
前記第1スタビライザと前記第2スタビライザとの相対回転を許容するアンロック状態と、前記相対回転を阻止するロック状態とに切り替えるよう、前記アンロック状態で自由回転し前記ロック状態で自由回転が規制される制御軸を備えたクラッチと、
前記制御軸と前記第2スタビライザとに亘って設けられ、前記制御軸の回転数よりも前記第2スタビライザの回転数を減じる減速機構と、
前記クラッチが固設され前記減速機構を包持するケースと、を備え、
前記ケースのうち前記減速機構と反対側の端部に、前記ケースから遠ざかる方向に延出する前記第1スタビライザが接続される第1接続部が設けられ、
前記減速機構のうち前記クラッチと反対側にある出力軸に、前記減速機構から遠ざかる方向に延出する前記第2スタビライザが接続される第2接続部が設けられたスタビライザ制御装置。
【請求項2】
前記減速機構が遊星歯車機構であり、前記遊星歯車機構が有するサンギアの少なくとも一つ、および、前記制御軸が中実構造である請求項1に記載のスタビライザ制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両の左右のサスペンションに対して各別にスタビライザを取り付け、これらスタビライザを車両の走行状態に応じて一体化し、或は、分離して機能させるスタビライザ制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このようなスタビライザ制御装置としては例えば特許文献1に示す装置がある(〔0010〕~〔0014〕及び図1参照)。
【0003】
この従来技術は、車両の左右車輪間に配設される一対のスタビライザバーどうしを連結状態と開放状態に切り換えるスタビライザ制御装置である。この装置では、一方の車輪側の第1のスタビライザバー11の先端部に対し、他方の車輪側の第2のスタビライザバー12の先端部が近接配置される。第1のスタビライザバー11と第2のスタビライザバー12との間には、クラッチ機構40と回転トルク低減機構20とが配置され、これらはハウジング50に収納されている。
【0004】
クラッチ機構40および回転トルク低減機構20を貫通する軸部材として中空部材30が配置されている。中空部材30の一方はハウジング50に回転自在に支持され、他方は回転トルク低減機構20の出力部に挿入固定されている。
【0005】
第1のスタビライザバー11はハウジング50の一方から挿入され、中空部材30を貫通してハウジング50の反対側の端部近傍まで延出している。この位置において第1のスタビライザバー11の端部は回転トルク低減機構20の可撓性ギヤ22の端部、即ち、出力部に固定されている。
【0006】
第2のスタビライザバー12の先端部はハウジング50に固定されている。この先端部近傍に第1のスタビライザバー11の端部が位置している。
【0007】
これらの構成により、車両の通常の旋回走行時には、クラッチ機構40を連結状態として、第1及び第2のスタビライザバー11,12によって、車体ロール角を抑制するように、円滑なトルク制御を行うことができる。一方、直進中を含み、悪路や凹凸路面といった走行路面状態の変動が激しい場合には、クラッチ機構40を開放状態とすることで、第1及び第2のスタビライザバー11,12間の相対的回転が許容され、良好な乗り心地を維持することができる。しかも、第1及び第2のスタビライザバー11,12の両端面間の間隙は小さく、クラッチ機構40も小型に形成することができるので、コストアップを惹起することなく、装置全体として大幅な小型化、軽量化が可能となるとのことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008-120175号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記従来技術では、一方の車輪側の第1のスタビライザバー11の先端部に対し他方の車輪側の第2のスタビライザバー12の先端部が近接配置されている。こうすることで、クラッチ機構40が連結状態にあるときには分割前の一体のスタビライザバーと略同じ全長のスタビライザとなり、一体のスタビライザバーとしての機能を発揮させつつ略同じ外径及び重量とすることが目的である。
【0010】
しかし本構成では、クラッチ機構および回転トルク低減機構は、必ず第1のスタビライザバーの外周領域に配置されることとなる。そのため、スタビライザ制御装置の体格が大きくなって登載性に劣り質量が大きくなる。
【0011】
また、回転トルク低減機構を構成する歯車内径の最小値が制限される結果、所定の減速比を得るための歯車外径がさらに大きいものとなり、これによっても装置の体格が大きくなる。
【0012】
このように、従来のスタビライザ制御装置では未だ解決すべき課題を有しており、コンパクト且つ軽量のスタビライザ制御装置が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0013】
(特徴構成)
本発明に係るスタビライザ制御装置の特徴構成は、
車両の左右のサスペンションに各別に取り付けられる第1スタビライザおよび第2スタビライザが接続されるものであり、
前記第1スタビライザと前記第2スタビライザとの相対回転を許容するアンロック状態と、前記相対回転を阻止するロック状態とに切り替えるよう、前記アンロック状態で自由回転し前記ロック状態で自由回転が規制される制御軸を備えたクラッチと、
前記制御軸と前記第2スタビライザとに亘って設けられ、前記制御軸の回転数よりも前記第2スタビライザの回転数を減じる減速機構と、
前記クラッチが固設され前記減速機構を包持するケースと、を備え、
前記ケースのうち前記減速機構と反対側の端部に、前記ケースから遠ざかる方向に延出する前記第1スタビライザが接続される第1接続部が設けられ、
前記減速機構のうち前記クラッチと反対側にある出力軸に、前記減速機構から遠ざかる方向に延出する前記第2スタビライザが接続される第2接続部が設けられた点にある。
【0014】
(効果)
本構成のスタビライザ制御装置は、クラッチをロック状態とすることで、第1スタビライザと第2スタビライザとが一体化され、通常の一本のスタビライザを備えたサスペンション機能が発揮される。一方、クラッチをアンロック状態とすることで、第1スタビライザと第2スタビライザとの相対回転が自由となり、左右のサスペンションが独立した緩衝機能を発揮することとなる。
【0015】
本構成であれば、第1スタビライザがケースの端部に接続され、第2スタビライザが、減速機構のうちクラッチと反対側の出力軸に接続される。よって、第1スタビライザおよび第2スタビライザは何れもケースの内部を貫通することがない。そのため、クラッチの制御軸および減速機構の出力軸等の外径寸法を小さくすることができ、ケースの体格をコンパクト化することができる。併せてスタビライザ制御装置の質量が小さくなり、車両への搭載性を高めることができる。
【0016】
また、減速機構が小さくなることで減速比を高めることができる。よって、制御軸を拘束するべくクラッチに必要なトルクが減少し、さらに体格の小さなスタビライザ制御装置を得ることができる。
【0017】
(特徴構成)
本発明に係るスタビライザ制御装置においては、前記減速機構が遊星歯車機構であり、前記遊星歯車機構が有するサンギアの少なくとも一つ、および、前記制御軸を中実構造とすることができる。
【0018】
(効果)
減速機構を遊星歯車機構で構成し、遊星歯車機構のサンギアの少なくとも一つ、および、制御軸を中実構造にすることで、これらの軸を小径にした場合でも軸に所定の強度を付与することができる。このため軸の表面へのギア形成が容易となり、スタビライザ制御装置のさらなるコンパクト化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明のスタビライザ制御装置の構成を示す断面図
図2】本発明のスタビライザ制御装置の構成を示す分解斜視図
【発明を実施するための形態】
【0020】
〔第1実施形態〕
(概要)
本発明のスタビライザ制御装置S(以下、「制御装置S」と称する)は、例えば、車両の左右のサスペンションの間に組み込まれて使用される。具体的には、当該制御装置Sは、コーナー走行時の車体の傾きを抑えて走行安定性を高めるために、左右のサスペンションに対して各別に接続される第1スタビライザ1および第2スタビライザ2の間に取り付けられる。第1スタビライザ1および第2スタビライザ2は共に棒状であり、双方の軸心Xが直線状に一致した状態下でケースKに取り付けられる。
【0021】
制御装置Sは、第1スタビライザ1に接続されるクラッチCと、第2スタビライザ2に接続される減速機構Gとを備えている。クラッチCは第1スタビライザ1と減速機構Gとを断続するものであり、第1スタビライザ1と第2スタビライザ2とが一体化されるロック状態と、両スタビライザを切り離すアンロック状態とに切り替え可能である。減速機構Gは、第2スタビライザ2の軸心Xの周りの回転速度を大幅に減速してクラッチCに伝達する。これにより、クラッチCがロック状態にあるとき、クラッチCが減速機構Gの回転を規制し、第1スタビライザ1と第2スタビライザ2との相対回転が阻止される。
【0022】
以下、本発明のスタビライザ制御装置Sの第1実施形態について図1および図2を用いて説明する。
【0023】
〔第1スタビライザおよび第2スタビライザ〕
第1スタビライザ1および第2スタビライザ2は共に棒状の部材である。夫々の端部のうちサスペンションに接続される側の端部は所定の角度に曲げられており、車輪およびサスペンションの上下動に際して捩じりが加えられる。第1スタビライザ1および第2スタビライザ2の端部のうち制御装置Sに接続される側の端部は直線状態に形成されている。
【0024】
図1および図2に示すように、第1スタビライザ1は、ケースKのうちクラッチCを保持するクラッチケースk1に取り付けられる。具体的には、第1スタビライザ1の端部は、クラッチケースk1のうち遊星歯車機構gと反対側の端部に内挿され、クラッチケースk1と溶接されている。この部位が第1接続部J1である。ただし、第1スタビライザ1の取り付け方法としては、嵌合やスプライン結合など任意の手法を用いることができる。
【0025】
一方の第2スタビライザ2は、図1に示すように、減速機構Gの一例である遊星歯車機構gの出力軸s2に対してスプライン結合されている。減速機構Gは、ケースKのうちギアケースk2に収められている。第2スタビライザ2は遊星歯車機構gと一体回転しつつ第2スタビライザ2の軸心Xの方向に沿って摺動可能である。尚、クラッチケースk1とギアケースk2とは、互いに相対回転しないように、嵌合固定や螺合固定など適宜構成により接続固定されている。
【0026】
〔クラッチ〕
図1及び図2に示すように、クラッチCは制御装置Sのクラッチケースk1に保持されている。クラッチCは環状に配置された複数のコイルc1を備えており、環状の中心は第1スタビライザ1の軸心Xと同軸心である。複数のコイルc1の中心にはクラッチCの制御軸c2が設けられている。制御軸c2の両端部はクラッチケースk1にベアリングc2a,c2bにより軸支されている。この制御軸c2の外周面にはクラッチCを構成するクラッチリングc4が一体的に外挿固定されている。クラッチリングc4にはクラッチプレートc3が近接配置されている。
【0027】
クラッチプレートc3は、コイルc1に対して吸着・離脱するよう円盤状に形成されており、複数のローラーc5を軸支している。クラッチリングc4は筒状であり、複数のローラーc5の内方側に配置されている。
【0028】
本構成のクラッチCは以下のように動作する。クラッチプレートc3は、コイルc1への通電によってコイルc1に吸着される。これによりローラーc5の位置が、クラッチケースk1に固定され、つまりは第1スタビライザ1と一体となる。この状態で第2スタビライザ2に回転力が作用すると、遊星歯車機構gを介して制御軸c2が回転しようとする。しかしながら、ローラーc5の位置が、クラッチケースk1に固定されているため、第1スタビライザ1と第2スタビライザ2とが一体となる。この規制動作は、制御軸c2が反対方向に回転する場合にも同様に生じる。
【0029】
一方、クラッチプレートc3の吸引を停止した場合には、クラッチプレートc3および各ローラーc5は回転自在となる。これにより、第1スタビライザ1と第2スタビライザ2とは独立で捩じり回転自在となる。
【0030】
〔遊星歯車機構〕
図1及び図2に示すように、ギアケースk2の内部に減速機構Gとしての遊星歯車機構gが設けられている。本実施形態では二組の第1プラネタリギアp1および第2プラネタリギアp2が連接してある。制御軸c2の端部には平歯車c7が形成してあり、ここに第1プラネタリギアp1が歯合している。また、第1プラネタリギアp1の外周部、つまり、ギアケースk2の内面には、第1プラネタリギアp1が歯合するリングギアrが設けられている。第1プラネタリギアp1は、第1キャリアb1に三組あるいは四組備えておくと回転動作が安定化する。
【0031】
第1キャリアb1の中心部は第1サンギアs1として機能する。第1サンギアs1は中実構造を有する。中実構造であれば、細径に構成した場合でも強度確保が容易であり、第1キャリアb1の小型化が可能である。また、中実構造であれば第1サンギアs1の形成も容易となる。
【0032】
第1サンギアs1には第2プラネタリギアp2が歯合している。第2プラネタリギアp2も、第2キャリアb2に三組あるいは四組備えておくとよい。第2プラネタリギアp2は、第1プラネタリギアp1と共通のリングギアrに歯合している。尚、リングギアrは、第2プラネタリギアp2のみに歯合する第2のリングギアを設けておいてもよい。その場合には、遊星歯車機構gが有する減速比の設定自由度がより高まる。
【0033】
第2キャリアb2の中心部は遊星歯車機構gの出力軸s2となる。出力軸s2は中空構造であり、内面にはスプラインギアが形成してある。第2スタビライザ2の端部外表面にもスプラインギアが形成してあり両者が挿入係合される。この部位が第2接続部J2となる。また、出力軸s2の外周面はギアケースk2の内面にベアリングg2により軸支されている。
【0034】
本構成の制御装置Sは、クラッチCをロック状態とすることで、第1スタビライザ1と第2スタビライザ2とが一体化され、通常の一本のスタビライザを備えたサスペンション機能が発揮される。一方、クラッチCをアンロック状態とすることで、第1スタビライザ1と第2スタビライザ2との相対回転が自由となり、左右のサスペンションが独立した緩衝機能を発揮することとなる。
【0035】
本構成であれば、第1スタビライザ1がケースKの端部に接続され、第2スタビライザ2が、遊星歯車機構gのうちクラッチCと反対側の出力軸s2に接続される。よって、第1スタビライザ1および第2スタビライザ2は何れもケースKの内部を貫通することがない。そのため、クラッチCの制御軸c2および遊星歯車機構gの出力軸s2等の外径寸法を小さくすることができ、ケースKの体格をコンパクト化することができる。併せて制御装置Sの質量が小さくなり、車両への搭載性を高めることができる。
【0036】
また、遊星歯車機構gが小さくなることで減速比を高めることができる。よって、制御軸c2を拘束するためにクラッチCに求められるトルクが減少し、さらに体格の小さな制御装置Sを得ることができる。
【0037】
図1に示すように、制御装置Sにおいては、ギアケースk2のうちクラッチCと反対側の端部に、第2スタビライザ2を外挿保持する軸受部g3が形成してある。
【0038】
第2スタビライザ2は遊星歯車機構gの出力軸s2にスプライン結合されている。出力軸s2はベアリングg2によってギアケースk2に軸支されているものの、ギアケースk2や他の歯車と相対回転する都合上、回転時には幾分のガタ付きが存在する可能性がある。その場合、例えば出力軸s2の回転に際して第2スタビライザ2に首振り動作が生じ、スタビライザの機能が幾分損なわれる可能性がある。
【0039】
しかし、本構成のごとく軸受部g3を備えておくことで、ギアケースk2による第2スタビライザ2の保持効果が高まって第2スタビライザ2の首振り動作の発生を効果的に抑えることができる。
【0040】
〔組立手順〕
本制御装置Sの組み立ては、図2に示すように、第1スタビライザ1の端部をクラッチケースk1の端部に溶接すれば良く当該作業は容易である。図2ではベアリングを省略してあるが、第1スタビライザ1を溶接した後、ベアリングc2a,c2b等をクラッチケースk1に装着しながらコイルc1、クラッチプレートc3、ローラーc5、ばねc6、クラッチリングc4、制御軸c2を組み込む。尚、クラッチケースk1は軸心Xの方向に沿って分割構成してあるが、図2では、図示簡略化のために双方を組み合わせた状態で示している。
【0041】
一方、ギアケースk2には遊星歯車機構gを挿入配置し、外方から第2スタビライザ2を挿入して出力軸s2の内面に形成したスプラインギアに第2スタビライザ2の端部を挿入する。その後、制御軸c2の先端に形成した平歯車c7を第1プラネタリギアp1に歯合させつつクラッチケースk1とギアケースk2とを接合する。このように第1スタビライザ1がケースKの内部を貫通しない本構成であれば、制御装置Sの組み立てが極めて容易となる。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明のスタビライザ制御装置は、左右のサスペンションに個別に接続されたスタビライザを断続する形式のものに広く用いることができる。
【符号の説明】
【0043】
1 第1スタビライザ
2 第2スタビライザ
C クラッチ
c2 制御軸
g 遊星歯車機構
J1 第1接続部
J2 第2接続部
K ケース
S スタビライザ制御装置
図1
図2