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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128710
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】ラベル貼付装置
(51)【国際特許分類】
   B65C 11/02 20060101AFI20240913BHJP
【FI】
B65C11/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037863
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000130581
【氏名又は名称】サトーホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002468
【氏名又は名称】弁理士法人後藤特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】細野 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】宮坂 純平
(72)【発明者】
【氏名】眞川 紘輝
【テーマコード(参考)】
3E095
【Fターム(参考)】
3E095AA01
3E095BA03
3E095DA03
3E095DA22
3E095DA62
3E095EA01
3E095EA09
3E095EA24
3E095EA29
3E095FA13
(57)【要約】
【課題】ラベルを被着体へ正確に貼り付けること。
【解決手段】ラベル貼付装置は、ハンドルユニットと、ラベルに所定の情報を印字する印字ユニットと、印字が完了したラベルを発行方向に案内する発行位置とラベルの粘着面を被着体に対峙させる貼付位置とに設定可能なラベルガイド部と、を備え、ハンドルユニットは、使用者によって把持される把持部と、把持部に対して移動可能とされ、ラベルガイド部を発行位置と貼付位置との間で切り換えるための切換入力及びラベルへの印字を実行するための印字入力が操作される操作部と、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハンドルユニットと、
前記ハンドルユニットに連結され、ラベルに所定の情報を印字する印字ユニットと、
前記印字ユニットにおいて印字が完了した前記ラベルを発行方向に案内する発行位置と、前記ラベルの粘着面を被着体に対峙させる貼付位置とに設定可能なラベルガイド部と、
を備え、
前記ハンドルユニットは、
使用者によって把持される把持部と、
前記把持部に対して移動可能とされ、前記ラベルガイド部を前記発行位置と前記貼付位置との間で切り換えるため操作と、前記印字ユニットによる前記ラベルへの印字を実行するための操作が入力される操作部と、を備えた、
ラベル貼付装置。
【請求項2】
請求項1に記載のラベル貼付装置であって、
前記印字ユニットに前記ラベルを連続的に供給するラベル供給部を有する、
ラベル貼付装置。
【請求項3】
請求項2に記載のラベル貼付装置であって、
前記ラベルは、長尺状の台紙に前記ラベルが所定間隔に配置されて巻回されてなるラベル連続体から供給されるラベルであり、
前記ラベルが発行された後の前記長尺状の前記台紙を収容する台紙収容部を有する、
ラベル貼付装置。
【請求項4】
請求項1に記載のラベル貼付装置であって、
前記使用者による把持動作に伴って前記ラベルガイド部が前記発行位置から前記貼付位置に切り換えられ、前記把持動作に続く開放動作に伴って前記ラベルへの印字が実行される、
ラベル貼付装置。
【請求項5】
請求項4に記載のラベル貼付装置であって、
前記使用者による前記把持動作の回数及び把持時間のそれぞれに、前記印字ユニットに設定された複数の印字モードのそれぞれが割り当てられた、
ラベル貼付装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ラベル貼付装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、プリンタにより印字したラベルを被着体に貼り付けることのできるラベル貼付装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第4490206号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ラベル貼付装置では、発行されたラベルの状態により、ラベルの粘着面が被着体に正対しない場合があり、ラベルを正確に被着体に貼り付けることが困難なことがあった。
【0005】
特に、特許文献1に開示されたラベル貼付装置のように、ラベルがラベルロールの状態で提供されている場合には、ラベルロールからカットされた後のラベルにも巻き癖が残りやすい。このため、発行されたラベルを正確に被着体に貼り付けることが一層困難になる場合があった。
【0006】
そこで、本発明は、ラベルを被着体へ正確に貼り付けることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のある態様によれば、ハンドルユニットと、前記ハンドルユニットに連結され、ラベルに所定の情報を印字する印字ユニットと、前記印字ユニットにおいて印字が完了した前記ラベルを発行方向に案内する発行位置と、前記ラベルの粘着面を被着体に対峙させる貼付位置とに設定可能なラベルガイド部と、を備え、前記ハンドルユニットは、使用者によって把持される把持部と、前記把持部に対して移動可能とされ、前記ラベルガイド部を前記発行位置と前記貼付位置との間で切り換えるための操作と前記印字ユニットによる前記ラベルへの印字を実行するため操作とが入力される操作部と、を備えた、ラベル貼付装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
本発明のある態様によれば、ラベルを被着体へ正確に貼り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、本発明の実施形態に係るラベル貼付装置を説明する概略図である。
図2図2は、本発明の実施形態に係るラベル貼付装置を説明する側面概略図である。
図3図3は、本発明の実施形態に係るラベル貼付装置における操作部及びラベルガイド部の動作を説明する動作説明図である。
図4図4は、本発明の実施形態に係るラベル貼付装置において、発行位置にあるラベルガイド部を説明する斜視図である。
図5図5は、本発明の実施形態に係るラベル貼付装置において、貼付位置にあるラベルガイド部を説明する斜視図である。
図6図6は、本発明の実施形態に係るラベル貼付装置において、発行位置にあるラベルガイド部と、ラベルの発行方向とを説明する説明図である。
図7図7は、本発明の実施形態に係るラベル貼付装置において、貼付位置にあるラベルガイド部及びラベルの向きを説明する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に記載する形態は、図面の簡単な説明により説明される図面に限定されるものではない。
【0011】
本発明のある態様は、ハンドルユニットと、前記ハンドルユニットに連結され、ラベルに所定の情報を印字する印字ユニットと、前記印字ユニットにおいて印字が完了した前記ラベルを発行方向に案内する発行位置と、前記ラベルの粘着面を被着体に対峙させる貼付位置とに設定可能なラベルガイド部と、を備え、前記ハンドルユニットは、使用者によって把持される把持部と、前記把持部に対して移動可能とされ、前記ラベルガイド部を前記発行位置と前記貼付位置との間で切り換えるための操作と前記印字ユニットによる前記ラベルへの印字を実行するための操作とが入力される操作部と、を備えたラベル貼付装置である。
【0012】
本発明のある態様によれば、使用者による操作部への入力に伴って、ラベルガイド部が発行位置から貼付位置に切り換えられることにより、ラベルの粘着面が被着体に対峙する向きに変更される。
【0013】
したがって、本発明のある態様によれば、ラベルを被着体へ正確に貼り付けることができる。
【0014】
また、本発明のある態様は、前記ハンドルユニットが前記印字ユニットに前記ラベルを連続的に供給するラベル供給部を有する、ラベル貼付装置である。
【0015】
本発明のある態様によれば、ラベル供給部によって、ラベルが印字ユニットに連続的に供給される。
【0016】
したがって、本発明のある態様によれば、ラベルを被着体へ正確に貼り付けることができるとともに、ラベルが印字ユニットに連続的に供給されるため、使用者によるラベルの貼り付け効率が向上する。
【0017】
また、本発明のある態様は、前記ラベルは、長尺状の台紙に前記ラベルが所定間隔に配置されて巻回されてなるラベル連続体から供給されるラベルであり、前記ラベルが発行された後の前記長尺状の台紙を収容する台紙収容部を有する、ラベル貼付装置である。
【0018】
本発明のある態様によれば、巻回されてなるラベル連続体から得られるラベルがカールしていても、カールしたラベルを被着体へ正確に貼り付けることができる。
【0019】
また、本発明のある態様によれば、ラベルが剥離された後の長尺状の台紙が台紙収容部に収容される。このため、台紙がラベル貼付装置から外部に垂れ下がることがなく、使用者によるラベルの貼り付け作業の妨げになることがない。
【0020】
したがって、本発明のある態様によれば、使用者によるラベルの貼り付け効率が向上する。
【0021】
また、本発明のある態様は、前記使用者による把持動作に伴って前記ラベルガイド部が前記発行位置から前記貼付位置に切り換えられ、前記把持動作に続く開放動作に伴って前記ラベルへの印字が実行される、ラベル貼付装置である。
【0022】
本発明のある態様によれば、使用者が把持部を把持したときに、ラベルガイド部が貼付位置に切り換えられ、ラベルが被着体に貼り付けやすい状態となる。このため、使用者は、把持部及び操作部を握った状態でラベルを被着体に貼り付けることができる。
【0023】
また、使用者が把持部を開放したときには、ラベルガイド部が発行位置に切り換えられ、ラベルが発行される。
【0024】
したがって、本発明のある態様によれば、使用者による把持部及び操作部の把持動作及び開放動作という、使用者にとっての自然な動作によって、ラベルの貼り付けと発行とを実行できるため、ラベルの貼り付け効率が向上する。
【0025】
また、本発明のある態様は、使用者による前記把持動作の回数及び把持時間のそれぞれに、前記印字ユニットにおける複数の印字モードが割り当てられた、ラベル貼付装置である。
【0026】
本発明のある態様によれば、使用者による把持部及び操作部の把持動作及び開放動作という単純動作によって印字ユニットにおける印字モードを変更することができる。このため、ラベル貼付装置は、使用者にとって操作性がよいと感じられ、貼り付け効率が向上する。
【0027】
以下、図面を参照して、実施形態について説明する。
【0028】
[ラベル貼付装置]
本実施形態に係るラベル貼付装置1について、図面を参照して詳細に説明する。
【0029】
図1は、本発明の実施形態に係るラベル貼付装置1を説明する概略図である。
【0030】
本実施形態に係るラベル貼付装置1に適用されるラベルLは、一例として、表面に熱によって発色する感熱発色層を有し、裏面に被着体への粘着剤層を有する感熱ラベルである。
【0031】
本実施形態においては、ラベルLは、長尺状の台紙Bに所定間隔で連続して配置されたラベル連続体MLの状態で供給される。ラベル連続体MLは、巻回されて提供されている。台紙Bには、剥離処理が施されているため、台紙Bから剥離されたラベルLは、被着体に、再び貼り付けることができる。
【0032】
本実施形態においては、使用者によって把持される把持部11の手元側に向かう方向をラベル貼付装置1の後方向と表し、使用者の手元から遠ざかる方向をラベル貼付装置1の前方向と表す。
【0033】
前方向は、図1における+X方向に対応し、後方向は、-X方向に対応する。また、図1において、ラベル供給部13が配置された側をラベル貼付装置1の上側と表し、印字ユニット20からラベルLが排出される側をラベル貼付装置1の下側と表す。
【0034】
ラベル貼付装置1は、ハンドルユニット10と、ハンドルユニット10に連結された印字ユニット20と、印字ユニット20に設けられたラベルガイド部30とを備える。また、ラベル貼付装置1は、ラベルLへの印字内容、印字ユニット20の動作状態等を表示するディスプレイ40を備える。
【0035】
ハンドルユニット10は、使用者によって把持される把持部11と、把持部11に対して相対的に移動可能に構成された操作部12とを有する。印字ユニット20は、把持部11に連結されている。
【0036】
図1における矢印R1に示すように、操作部12は、使用者による握る動作(把持動作)によって、把持部11に押し込まれる方向に移動可能とされている。また、握りを弱める動作(開放動作)によって、把持部11から引き離される方向に移動可能とされている。
【0037】
操作部12は、ラベルガイド部30をラベルLの発行位置S1とラベルLを被着体に貼り付ける貼付位置S2との間で切り換えるための操作を入力することができる。また、操作部12は、印字ユニット20によるラベルLへの印字を実行するための操作を入力することができる。
【0038】
ハンドルユニット10は、印字ユニット20にラベルLを連続的に供給するラベル供給部13を有する。ラベル供給部13は、巻回されてなるラベル連続体MLを保持している。
【0039】
印字ユニット20は、図1に示すように、サーマルヘッド21と、プラテンローラ22とを備える。印字ユニット20は、感熱ラベルに印字を行う、いわゆるダイレクトサーマルプリンタとしての機能を有する。
【0040】
ラベル供給部13からのラベル連続体MLは、サーマルヘッド21とプラテンローラ22との間に挟持される。
【0041】
サーマルヘッド21は、発熱素子を露出させた状態で、プラテンローラ22に対向して設けられており、プラテンローラ22とともにラベル連続体MLを挟持して搬送するとともに、ラベルLへの印字を行う。
【0042】
プラテンローラ22は、図示しないコントローラからの指示信号によって制御されたステッピングモータによって、正回転又は逆回転の駆動が可能とされている。
【0043】
印字ユニット20は、ニップローラ23を備える。ニップローラ23は、プラテンローラ22との間で、台紙Bを挟持して、ラベルLから台紙Bを剥離する。
【0044】
印字ユニット20は、台紙収容部24を備える。図1には示されていないが、本実施形態においては、印字ユニット20は、プラテンローラ22の駆動力を台紙収容部24に伝達する機構を備え、印字及び搬送のためのプラテンローラ22の回転に同期して、台紙収容部24が台紙Bを巻き取ることができる。
【0045】
印字ユニット20では、ラベルLの所定位置に印字が行われた後、ラベルLが台紙Bから剥離されて、印字ユニット20の排出口25から排出される。本実施形態では、ラベルLは、ラベルLの粘着面Aがラベル貼付装置1側に向けられた、内向きの状態で排出口25から排出される。
【0046】
印字ユニット20は、図示しないコントローラを備える。コントローラは、マイクロプロセッサ、ROMやRAM等の記憶装置、入出力インタフェース、これらを接続するバス等で構成されており、制御プログラムに基づいて、ラベル連続体MLの搬送及びラベルLへMの印字を制御する。
【0047】
本実施形態におけるコントローラによる制御の一例は、以下のとおりである。
【0048】
コントローラは、使用者による把持部11及び操作部12の把持動作が行われた後、引き続き開放動作が検出された場合には、印字ユニット20にラベルLに印字を実行するようにラベル貼付装置1を制御する。
【0049】
これにより、使用者によって把持部11及び操作部12が握られた後、握る力が弱められて把持部11に押し込められた操作部12が元に戻った際、ラベルLへの印字が実行される。
【0050】
また、コントローラは、使用者による把持部11及び操作部12の把持動作及び開放動作の回数や、把持時間を検知すると、これらの把持動作及び開放動作の回数や、把持時間に応じた印字モードを選択して実行するようにラベル貼付装置1を制御する。
【0051】
この場合には、所定期間内に実行された把持部11及び操作部12の把持動作及び開放動作の回数や、把持時間のそれぞれに、印字ユニットに設定された複数の印字モードのそれぞれを紐づけして、ROM等に用意しておく。
【0052】
これにより、例えば、1秒間に、使用者による把持部11及び操作部12における把持動作及び開放動作が1回行われた場合には、「30%値引き」の印字フォーマットを選択することができる。また、1秒間に、把持動作及び開放動作が2回繰り返して行われた場合には、「40%値引き」の印字フォーマットを選択することができる。また、1秒間に、把持動作及び開放動作が3回繰り返して行われた場合には、「50%値引き」の印字フォーマットを選択することができる。
【0053】
このように選択された印字フォーマットは、ディスプレイ40に表示することができるため、使用者は、選択された印字フォーマットを目視により確認することができる。
【0054】
図2は、ラベル貼付装置1を説明する側面概略図である。図3は、ラベル貼付装置1における操作部12及びラベルガイド部30の動作を説明する動作説明図である。
【0055】
本実施形態において、ラベルガイド部30は、操作部12に入力される操作によって、印字ユニット20において印字が完了したラベルLを発行方向Iに案内する発行位置S1と、ラベルLの粘着面Aを被着体に対峙させる貼付位置S2とに切り換え可能とされている。
【0056】
発行位置S1は、図2に示すように、印字ユニット20において印字が完了したラベルLを発行方向Iに案内することのできる位置である。また、貼付位置S2は、図3に示すように、ラベルLの粘着面Aを被着体に対峙させることのできる位置である。
【0057】
なお、図1において、貼付位置S2にあるラベルガイド部30及びラベルLは、仮想線(二点鎖線)にて表されている。
【0058】
ラベル貼付装置1は、ラベルガイド部30を発行位置S1と貼付位置S2に切り換えるための伝達機構として、第一回動部材31と、第二回動部材32と、第一回動部材と第二回動部材とを連結する連結部材33とを有する。
【0059】
第一回動部材31の一方の端部は、第一軸34に可動自在に支持されている。第一軸34を回動軸として、ラベル貼付装置1の前後方向(+X-X方向)に揺動する。
【0060】
操作部12を把持部11に押し込む方向に移動する動作に連動して、第一回動部材31は、ラベル貼付装置1の後方向から前方向に向けて揺動するように構成されている(図3の矢印R2)。
【0061】
第二回動部材32の一方の端部は、第二軸35に可動自在に支持されている。第二回動部材32は、第二軸35を回動軸として、ラベル貼付装置1の前後方向(+X-X方向)に揺動する(図3の矢印R3)。
【0062】
第二回動部材32の第二軸35に連結された端部とは反対の端部には、凹部38が形成されている。図2及び図3には図示されていないが、ラベルガイド部30のY方向におけるガイド端部30Bから導出された導出部39が凹部38によって規制されるようになっている(図4及び図5)。
【0063】
連結部材33の両端部は、連結軸36,37を介して、第一回動部材31と第二回動部材32のそれぞれと可動自在に連結されている。これにより、第一回動部材31の揺動動作が第二回動部材32に伝達される。
【0064】
このため、第一回動部材31がラベル貼付装置1の後方向から前方向へ向けて揺動すると、第二回動部材32は、第一回動部材31の動作に連動して、第二軸35を基点として、ラベル貼付装置1の後方向から前方向へ向けて揺動する。
【0065】
これにより、導出部39に接続されたラベルガイド部30が発行位置S1と貼付位置S2とに切り換えられる(図3の矢印R4)。
【0066】
図4は、ラベル貼付装置1において、発行位置S1にあるラベルガイド部30を説明する斜視図であり、図5は、貼付位置S2にあるラベルガイド部30を説明する斜視図である。
【0067】
図4及び図5に示した方向(+X,-X,+Y,-Y,+Z,-Z)は、それぞれ、図1から図3に示した方向に対応している。すなわち、図4及び図5は、図1におけるラベル貼付装置1を下側(-Z方向)からみた斜視図である。
【0068】
ラベルガイド部30のY方向における一方のガイド端部30Aは、ラベルガイド軸26によって、排出口25の排出口端部25Aに回動自在に支持されている。
【0069】
第二回動部材32が第一回動部材31の動作に連動して、ラベル貼付装置1の後方向から前方向へ向けて揺動すると、凹部38は、ラベル貼付装置1の後方向から前方向へ向けて移動する。
【0070】
凹部38によって規制された導出部39がラベル貼付装置1の後方向から前方向へ向けて移動することにより、ラベルガイド部30は、ラベルガイド軸26を基点にして、発行位置S1(図4に示した状態)から貼付位置S2(図5に示した状態)に切り換えられる。
【0071】
すなわち、使用者の把持動作によって、操作部12が把持部11に押し込む方向に移動されると、この動作に連動して、ラベルガイド部30が発行位置S1(図4に示した状態)から貼付位置S2(図5に示した状態)に切り換えられる。
【0072】
また、ラベル貼付装置1は、使用者の把持動作が行われた後、引き続き開放動作が検知されると、印字ユニット20においてラベルLへの印字を実行する。
【0073】
図6は、ラベル貼付装置1において、発行位置S1にあるラベルガイド部30とラベルLの発行方向とを説明する説明図である。図7は、ラベル貼付装置1において、貼付位置S2にあるラベルガイド部30及びラベルLの向きを説明する説明図である。
【0074】
印字ユニット20において印字が完了し、排出口25から発行されたラベルLは、図6に示すように、粘着面Aを内向きにした状態で、発行位置S1にあるラベルガイド部30に案内されて、発行方向Iに排出される。
【0075】
ラベルLの発行が完了した後、使用者による把持部11及び操作部12の把持動作が行われると、この動作に連動して、ラベルガイド部30が発行位置S1(図6に示した状態)から貼付位置S2(図7に示した状態)に変更される。これにより、ラベルLの粘着面Aが被着体に向けられる。
【0076】
[作用効果]
本実施形態に係るラベル貼付装置1は、ラベルLに所定の情報を印字する印字ユニット20を備える。これにより、ラベルLに表示される情報の自由度を高めることができる。
【0077】
ラベル貼付装置1では、印字ユニット20において、ラベルLの所定位置に印字が行われた後、ラベルLは、ラベルLの粘着面Aがラベル貼付装置1側に向けられた内向きの状態で排出される。
【0078】
印字ユニット20によって印字可能になったことで、ラベルLに表示可能な情報量を多くできるため、通常よりも縦長のラベルLを発行することが可能になる。特に、縦長のラベルLは、排出口25からの繰り出し量が多くなるため、粘着面Aが汚れやすく、ラベルLの扱いも難しくなる傾向にある。
【0079】
これに対して、本実施形態に係るラベル貼付装置1によれば、ラベルLの粘着面Aが内向きの状態で発行されるため、被着体に貼り付ける前に粘着面Aが汚れて粘着性を低下させたり、縦長のラベルLが不要に撓んだりすることで貼り付け位置ではないところに貼り付いてしまったりする不具合を防止することができる。
【0080】
ラベル貼付装置1は、印字ユニット20において印字が完了したラベルLを発行方向に案内する発行位置S1と、ラベルLの粘着面Aを被着体に対峙させる貼付位置S2とに設定可能なラベルガイド部30を備える。
【0081】
ラベルガイド部30は、発行位置S1に設定されているときには、内向きに発行されるラベルLを発行方向に案内し、貼付位置S2に設定されているときには、ラベルLの粘着面Aを被着体に対峙させることができる。
【0082】
したがって、ラベル貼付装置1によれば、ラベルガイド部30を備えたことにより、ラベルLが内向きの状態で発行されても、ラベルLの粘着面Aを被着体側に向けた状態で貼り付けることができる。
【0083】
ラベル貼付装置1において、ハンドルユニット10は、使用者によって把持される把持部11と、把持部11に対して移動可能とされた操作部12とを備える。
【0084】
これにより、使用者は、把持部11及び操作部12の把持動作と開放動作によって、ラベルガイド部30を発行位置S1と貼付位置S2との間で切り換えるための操作と、印字ユニット20によるラベルLへの印字を実行するため操作とを入力することができる。
【0085】
また、ラベル貼付装置1は、印字ユニット20にラベルLを連続的に供給するラベル供給部13を有する。ラベル供給部13には、長尺状の台紙BにラベルLが所定間隔に配置されて巻回されてなるラベル連続体MLが適用できる。
【0086】
巻回されてなるラベル連続体MLは、巻き芯に近づくにつれて、発行後のラベルLに巻き癖がつきやすく、貼り付けの際に、ラベルLの粘着面Aが被着体に正対しにくくなる。
【0087】
これに対して、ラベル貼付装置1は、ラベルガイド部30によって、ラベルLの粘着面Aが被着体側に向けて貼り付けることができる。
【0088】
したがって、ラベル貼付装置1によれば、ラベルLがカールしていても、カールしたラベルLを被着体へ正確に貼り付けることができる。また、ラベル供給部13によって、ラベルLが印字ユニット20に連続的に供給されるため、使用者によるラベルの貼り付け効率が向上する。
【0089】
また、ラベル貼付装置1は、ラベルLが発行された後の長尺状の台紙Bを収容する台紙収容部24を有する。このため、ラベルLが剥がされた後の台紙Bがラベル貼付装置1から外部に垂れ下がることがなく、使用者によるラベルLの貼り付け作業の妨げになることがない。
【0090】
ラベル貼付装置1は、使用者による把持動作に伴ってラベルガイド部30が貼付位置S2に切り換えられる。この状態で、使用者によってラベルLが被着体に貼り付けられた後、握りが弱められると、ラベル貼付装置1は、ラベルLへの印字を実行する。
【0091】
これによれば、使用者は、把持部11及び操作部12を握った状態でラベルLを被着体に貼り付けることができ、把持部11及び操作部12の握りを弱める(開放する)と、ラベルLが発行される。
【0092】
したがって、ラベル貼付装置1によれば、使用者による把持部11及び操作部12の把持動作及び開放動作という、使用者にとっての自然な動作によって、ラベルの貼り付けと発行とを実行できるため、ラベルの貼り付け効率が向上する。
【0093】
また、ラベル貼付装置1は、使用者による把持部11及び操作部12の把持動作の回数及び把持時間のそれぞれに、印字ユニット20における複数の印字モードを割り当てることができる。
【0094】
これにより、ラベル貼付装置1によれば、使用者による把持部11及び操作部12の把持動作及び開放動作という単純動作によって印字ユニット20における印字モードを変更することができる。
【0095】
したがって、ラベル貼付装置1は、使用者にとって操作性がよいと感じられる。これにより、貼り付け効率が向上する。
【0096】
[その他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は、本発明の適用例の一部を示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
【0097】
本実施形態において、ラベルは、識別情報が書き込まれたICチップから非接触通信によって情報を送受するRFID(Radio Frequency Identification)技術に対応した、いわゆるRFIDラベルであってもよい。
【0098】
本実施形態に説明したようなラベルガイド部30と操作部12とが機械的に接続された場合のほか、操作部12が電気信号を入力するスイッチであり、ラベル貼付装置1がラベルガイド部30を発行位置S1と貼付位置S2とに切り換え可能とする駆動部を備えていてもよい。
【0099】
この場合には、使用者からの操作部12への把持動作によって入力された電気信号を受けて、駆動部によってラベルガイド部30が発行位置から貼付位置へと切り換えられる。
【符号の説明】
【0100】
1 ラベル貼付装置
10 ハンドルユニット
11 把持部
12 操作部
13 ラベル供給部
20 印字ユニット
21 サーマルヘッド
22 プラテンローラ
23 ニップローラ
24 台紙収容部
25 排出口
25A 排出口端部
26 ラベルガイド軸
30 ラベルガイド部
30A,30B ガイド端部
31 第一回動部材
32 第二回動部材
33 連結部材
34 第一軸
35 第二軸
36,37 連結軸
38 凹部
39 導出部
40 ディスプレイ
A 粘着面
B 台紙
L ラベル
ML ラベル連続体
S1 発行位置
S2 貼付位置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7