(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024128720
(43)【公開日】2024-09-24
(54)【発明の名称】温水暖房装置
(51)【国際特許分類】
F24D 3/00 20220101AFI20240913BHJP
F24H 15/136 20220101ALI20240913BHJP
F24H 15/219 20220101ALI20240913BHJP
F24H 15/215 20220101ALI20240913BHJP
F24H 15/258 20220101ALI20240913BHJP
F24H 15/254 20220101ALI20240913BHJP
F24H 15/335 20220101ALI20240913BHJP
F24H 15/31 20220101ALI20240913BHJP
【FI】
F24D3/00 X
F24H15/136
F24H15/219
F24H15/215
F24H15/258
F24H15/254
F24H15/335
F24H15/31
【審査請求】有
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2023037882
(22)【出願日】2023-03-10
(71)【出願人】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】須田 和樹
(72)【発明者】
【氏名】平野 浩史
(72)【発明者】
【氏名】島野 太貴
(72)【発明者】
【氏名】舟木 智之
【テーマコード(参考)】
3L070
【Fターム(参考)】
3L070BB14
3L070DE07
3L070DF02
3L070DF03
3L070DF06
3L070DF08
3L070DG05
(57)【要約】
【課題】外気温度が所定温度以下になったときに水循環回路の凍結を防止すると同時に、人が寒さを感じない程度の室温になっている部屋の室温の低下を抑制する温水暖房装置を提供する。
【解決手段】外気温度Toが所定温度Tos以下となったときに、運転が停止している第1~第3室内端末機4i(i=a~c)の水温Twiのうち少なくとも一つが所定水温Tw2以下、又は、第1~第3室3iの室温Tkiが所定室温Tks以下のときに、該当する室内端末機4iの室内開閉弁12iが開動作を行うようにした。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を加熱する熱源機、ポンプ、前記熱源機に対して並列に接続される複数の室内端末機及び複数の開閉弁が配管で接続され、複数の前記室内端末機と前記熱源機との間で水が循環する水循環回路と、
外気温度を検出する外気温度検出手段と、
複数の前記室内端末機のそれぞれを通過した水の温度である端末機水温を検出する複数の端末機水温検出手段と、
複数の前記室内端末機のそれぞれが設置されている部屋の室温を検出する複数の室温検出手段と、
対応する前記開閉弁を閉じて運転を停止している前記室内端末機に対応する前記開閉弁を開き、該室内端末機に水を流して凍結防止制御を行う凍結防止制御手段と、を有し、
前記凍結防止制御手段は、外気温度が所定温度以下のとき、運転が停止している前記室内端末機のうち、通過した水の前記端末機水温が第1水温以下であること、及び設置されている部屋の前記室温が所定の温度以下であることの少なくとも一方を満たす前記室内端末機に対応する開閉弁に対して前記凍結防止制御を行うことを特徴とする温水暖房装置。
【請求項2】
前記凍結防止制御手段は、前記凍結防止制御を行う前記室内端末機が複数存在する場合に、複数の前記室内端末機に対して順に前記凍結防止制御を行うことを特徴とする請求項1記載の温水暖房装置。
【請求項3】
前記凍結防止制御手段は、前記凍結防止制御を行う複数の前記室内端末機に対して、通過した水の温度である前記端末機水温が最も低い前記室内端末機、又は、設置された部屋の前記室温の最も低い前記室内端末機から優先して順に前記凍結防止制御を行うことを特徴とする請求項2記載の温水暖房装置。
【請求項4】
前記熱源機を通過した水の温度である熱源機水温を検出する熱源機水温検出手段を、有し、
前記凍結防止制御手段は、全ての前記室内端末機の暖房運転が停止しているときに、前記熱源機水温及び複数の前記室内端末機の前記端末機水温のうち少なくとも一つが第1水温以下の温度である第2水温以下であるときに、前記凍結防止制御を行うことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の温水暖房装置。
【請求項5】
前記凍結防止制御手段は、前記凍結防止制御を行っている室内端末機が設置された部屋の室温の単位時間当たりの低下量が低下量閾値以上になったときに、前記凍結防止制御を停止することを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の温水暖房装置。
【請求項6】
前記凍結防止制御手段は、前記凍結防止制御を行う前に、所定時間の間、全ての前記室内端末機の前記開閉弁を開き、前記ポンプの駆動制御を行うことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の温水暖房装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、寒冷期において、複数の室内端末機に水を流す水循環回路の凍結防止を図る温水暖房装置に関する。
【背景技術】
【0002】
熱源機で加熱した水を複数の部屋に設置した複数の室内端末機に流して暖房を行う温水暖房装置がある。この温水暖房装置は、寒冷期において運転が停止している室内端末機があると、その室内端末機に水が流れる経路である水循環回路の配管内の水が凍結するおそれがある。
【0003】
特許文献1の温水暖房装置は、水を加熱する熱源機、ポンプ、熱源機に対して並列に接続される複数の室内端末機及び開閉弁が配管で接続された水循環回路を有している。この特許文献1は、全ての室内端末機の暖房運転を停止しているときに、外気温度が所定温度(例えば3℃)以下になると、ポンプを動作させると共に全ての室内端末機の開閉弁を一台、或いは複数台ずつ順に開くことで、水循環回路全体に水を流し、水循環回路の配管内の水の凍結を防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1の温水暖房装置は、外気温度が所定温度以下になると、全ての室内端末機に水を流して凍結を防止するようにしていることから、人が寒さを感じない程度の室温になっている部屋に設置された室内端末機にも低温の水が流れる。そのような部屋の室内端末機に低温の水が流れると、その部屋の室温が低下してしまい、人が寒さを感じる室温となるおそれがある。
【0006】
そこで、本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、外気温度が所定温度以下になったときに水循環回路の凍結を防止すると同時に、人が寒さを感じない程度の室温になっている部屋の室温の低下を抑制する温水暖房装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の一態様は、水を加熱する熱源機、ポンプ、熱源機に対して並列に接続される複数の室内端末機及び複数の開閉弁が配管で接続され、複数の室内端末機と熱源機との間で水が循環する水循環回路と、外気温度を検出する外気温度検出手段と、複数の室内端末機のそれぞれを流れる水の温度である端末機水温を検出する複数の端末機水温検出手段と、複数の室内端末機のそれぞれが設置されている部屋の室温を検出する複数の室温検出手段と、対応する開閉弁を閉じて運転を停止している室内端末機に対応する開閉弁を開き、その室内端末機に水を流して凍結防止制御を行う凍結防止制御手段と、を有し、凍結防止制御手段は、外気温度が所定温度以下のとき、運転が停止している室内端末機のうち、流れる水の端末機水温が第1水温以下であること、及び設置されている部屋の室温が所定の温度以下であることの少なくとも一方を満たす室内端末機に対応する開閉弁に対して凍結防止制御を行うことを特徴とする温水暖房装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明の温水暖房装置によれば、外気温度が所定温度以下になったときに水循環回路の凍結を防止できると同時に、人が寒さを感じない程度の室温になっている部屋の室温の低下を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明に係るヒートポンプ式温水暖房装置を示す回路図である。
【
図2】本発明に係るヒートポンプ式温水暖房装置が行う凍結防止制御のメインルーチンを示すフローチャートである。
【
図3】
図2のフローチャートにおける凍結防止特定処理の具体的な動作を示すフローチャートである。
【
図4】
図3のフローチャートにおける室内開閉弁制御処理の具体的な動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
次に、図面を参照して、本発明に係る実施形態を説明する。以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
[ヒートポンプ式温水暖房装置]
【0011】
図1は、本発明に係る第1実施形態のヒートポンプ式温水暖房装置1を示す回路図である。
【0012】
ヒートポンプ式温水暖房装置1は、室外機2と、複数の部屋3a,3b,3c(第1室3a、第2室3b、第3室3cと称する)に設置されている複数の室内端末機4a、4b、4c(第1室内端末機4a、第2室内端末機4b、第3室内端末機4cと称する)と、を備えている。
【0013】
室外機2は、圧縮機5と、四方弁6と、水と冷媒を熱交換する水冷媒熱交換器7と、膨張弁8と、室外熱交換器9とが順次配管で接続されて形成された冷媒回路10を備えている。また、室外機2は、後述するポンプ15、第4水温センサ21を備えている。なお、水冷媒熱交換器7が本発明の熱源機に相当する。
【0014】
第1室内端末機4aは、第1室内開閉弁12a及び第1室内熱交換器13aを有している。また、ポンプ15、水冷媒熱交換器7、第1室内開閉弁12a、第1室内熱交換器13aが順次配管で接続されて第1水循環回路16が形成されている。第1室内端末機4aは、第1室温センサ19a及び第1水温センサ20aも有している。第1室温センサ19aは第1室3aの室温を検出する。第1水温センサ20aは、第1水循環回路16のポンプ15と第1室内熱交換器13aとの間に配置されて第1室内熱交換器13aを通過した水の温度を検出する。
【0015】
第2室内端末機4bは、第2室内開閉弁12bと第2室内熱交換器13bを有している。また、水冷媒熱交換器7と第1室内端末機4aの第1室内開閉弁12aとの間の第1水循環回路16に配管の一端が接続し、ポンプ15と第1室内端末機4aの第1室内熱交換器13aとの間の第1水循環回路16に配管の他端が接続し、配管の一端及び他端の間に、第2室内開閉弁12bと第2室内熱交換器13bが直列に接続される。これにより、ポンプ15、水冷媒熱交換器7、第2室内開閉弁12b、第2室内熱交換器13bが順次配管で接続された第2水循環回路17が形成されている。第2室内端末機4bは、第2室温センサ19b及び第2水温センサ20bも有している。第2室温センサ19bは第2室3bの室温を検出する。第2水温センサ20bは、第2水循環回路17のポンプ15と第2室内熱交換器13bとの間に配置されて第2室内熱交換器13bを通過した水の温度を検出する。
【0016】
第3室内端末機4cは、第3室内開閉弁12cと第3室内熱交換器13cを有している。また、水冷媒熱交換器7と第1室内端末機4aの第1室内開閉弁12aとの間の第1水循環回路16に配管の一端が接続し、ポンプ15と第1室内端末機4aの第1室内熱交換器13aとの間の第1水循環回路16に配管の他端が接続し、配管の一端及び他端の間に、第3室内開閉弁12cと第3室内熱交換器13cが直列に接続される。これにより、ポンプ15、水冷媒熱交換器7、第3室内開閉弁12c、第3室内熱交換器13cが順次配管で接続された第3水循環回路18が形成されている。第3室内端末機4cは、第3室温センサ19c及び第3水温センサ20cも有している。第3室温センサ19cは第3室3cの室温を検出する。第3水温センサ20cは、第3水循環回路18のポンプ15と第3室内熱交換器13cとの間に配置されて第3室内熱交換器13cを通過した温度を検出する。
【0017】
これにより、第1水循環回路16に接続された第1室内端末機4a及び第1室内開閉弁12a、第2水循環回路17に接続された第2室内端末機4b及び第2室内開閉弁12b、第3水循環回路18に接続された第3室内端末機4c及び第3室内開閉弁12cは、水冷媒熱交換器7に対して並列に接続されている。
さらに、第1水循環回路16の水冷媒熱交換器7と第1室内開閉弁12aとの間には、水冷媒熱交換器7を通過して第2水循環回路17及び第3水循環回路18に分岐する前の水の温度を検出する第4水温センサ21が配置されている。そして、室外には、外気温度を検出する外気温度センサ22が配置されている。
【0018】
なお、第1室内端末機4a~第3室内端末機4cが本発明の室内端末機に相当し、第1水循環回路16~第3水循環回路18が本発明の水循環回路に相当する。また、第1室温センサ19a~第3室温センサ19cが本発明の室温検出手段に相当し、第1水温センサ20a~第3水温センサ20cが本発明の端末機水温検出手段に相当し、第4水温センサ21が本発明の熱源機水温検出手段に相当し、外気温度センサ22が本発明の外気温度検出手段に相当する。
【0019】
そして、第1室内端末機4aの第1室内開閉弁12aが開き、ポンプ15が駆動すると、第1水循環回路16に水が循環し、第1室内端末機4aの第1室内熱交換器13aに水が供給され、第1室内熱交換器13aから水冷媒熱交換器7に水が戻る。同様に、第2室内端末機4bの第2室内開閉弁12bが開き、ポンプ15が駆動すると、第2水循環回路17に水が循環し、第2室内端末機4bの第2室内熱交換器13bに水が供給され、第2室内熱交換器13bから水冷媒熱交換器7に水が戻る。同様に、第3室内端末機4cの第3室内開閉弁12cが開き、ポンプ15が駆動すると、第3水循環回路18に水が循環し、第3室内端末機4cの第3室内熱交換器13cに水が供給され、第3室内熱交換器13cから水冷媒熱交換器7に水が戻る。
また、第1室内端末機4aの第1室内開閉弁12a、第2室内端末機4bの第2室内開閉弁12b、第3室内端末機4cの第3室内開閉弁12cのすべてが開き、ポンプ15が駆動すると、第1水循環回路16、第2水循環回路17、第3水循環回路18のすべてに水が循環し、第1室内端末機4aの第1室内熱交換器13a、第2室内端末機4bの第2室内熱交換器13b、第3室内端末機4cの第3室内熱交換器13cに並列に水が供給され、これら第1室内熱交換器13a~第3室内熱交換器13cから水冷媒熱交換器7に水が戻る。
【0020】
本実施形態のヒートポンプ式温水暖房装置1は、各機器の制御を行う制御手段25を備えている。すなわち、制御手段25は、第1室温センサ19a~第3室温センサ19c、第1水温センサ20a~第3水温センサ20c、第4水温センサ21及び外気温度センサ22で検出した検出値に基づいて、圧縮機5の駆動制御、四方弁6の切り替え制御、膨張弁8の開度制御、ポンプ15の駆動制御、第1室内開閉弁12a~第3室内開閉弁12cの開閉制御などヒートポンプ式温水暖房装置1の運転に関わる様々な制御を行う。また、制御手段25は、時間を計測するタイマー部、ヒートポンプ式温水暖房装置1の制御プログラムを記憶する記憶部を備えている。
【0021】
そして、本実施形態のヒートポンプ式温水暖房装置1の制御手段25は、
図1に示すように、凍結防止制御手段26を有している。凍結防止制御手段26は、制御手段25が有する機能としてソフトウェアで実現することができる。
【0022】
本実施形態のヒートポンプ式温水暖房装置1は、室外機2、第1室3aに設置されている第1室内端末機4a、第2室3bに設置されている第2室内端末機4b、第3室3cに設置されている第3室内端末機4cの暖房運転が停止しているときに、凍結防止制御が自動的に開始されるようになっている。なお、暖房運転が停止している第1室内端末機4aの第1室内開閉弁12a、第2室内端末機4b、第3室内端末機4cの第3室内開閉弁12は閉状態とされている。
[凍結防止制御]
【0023】
次に、本実施形態のヒートポンプ式温水暖房装置1において、凍結防止制御手段26が行う凍結防止制御について、
図2から
図4を参照して説明する。
図2は、凍結防止制御のメインルーチンであり、
図3は、
図2のメインルーチンに含まれる室内端末機特定処理を示し、
図4は、
図3の室内端末機特定処理に含まれる室内開閉弁制御処理を示している。
【0024】
先ず、
図2のステップST1では、ポンプ15の停止時間(ポンプ停止時間)PTが第1設定時間PTs(例えば3時間)以上であるか否かを判定する。ここで、第1設定時間PTsは凍結防止制御を行わなくても水循環回路内の水が凍結することがないと考えられる時間に設定される。この判定で、ポンプ停止時間PTが第1設定時間PTs以上である場合(ステップST1:YES)にはステップST2に移行し、ポンプ停止時間PTが第1設定時間PTsを下回る場合(ステップST1:NO)にはステップST1を繰り返す。ステップST2では、外気温度センサ22が検出した外気温度Toを読み込む。
【0025】
次いでステップST3では、外気温度Toが所定温度Tos(例えば、5℃)以下であるか否かを判定する。ここで、所定温度Tosは水循環回路内の水が凍結することがないと考えられる温度に設定される。この判定で、外気温度Toが所定温度Tos以下である場合(ステップST3:YES)にはステップST4に移行し、外気温度Toが所定温度Tosを上回る場合(ステップST3:NO)にはステップST1に移行する。ステップST4では、ポンプ15の駆動を開始する。
【0026】
次いで、ステップST5では、第1室内端末機4aの第1室内開閉弁12a、第2室内端末機4bの第2室内開閉弁12b、第3室内端末機4cの第3室内開閉弁12cの開動作を行う。
【0027】
次いでステップST6では、第1室内開閉弁12a~第3室内開閉弁12cの開動作から第2設定時間Nv1(例えば15分)経過したか否かを判定する。ここで、第2設定時間Nv1は水循環回路内の局所的な温度の低下が解消されるのに十分な時間に設定される。なお、第2設定時間Nv1は、本発明において凍結防止制御手段が、凍結防止制御を行う前に、全ての室内端末機の開閉弁を開き、ポンプの駆動制御を行う所定時間に対応している。
そして、第2設定時間Nv1が経過した場合(ステップST6:YES)にはステップST7に移行し、第2設定時間Nv1が経過していない場合(ステップST6:NO)にはST6を繰り返す。ステップST7では、第1室内開閉弁12a~第3室内開閉弁12cの閉動作を行う。
【0028】
次いでステップST8では、第1水温センサ20aが検出した水温Twa、第2水温センサ20bが検出した水温Twb第3水温センサ20cが検出した水温Twcを読み込む。次いで、ステップST9では、第4水温センサ21が検出した水温Twdを読み込む。なお、水温Twa,水温Twb,水温Twcが、本発明の端末機水温に相当し、水温Twdが本発明の熱源機水温に相当する。
【0029】
次いでステップST10では、水温Twa,水温Twb,水温Twc及び水温Twdのうち少なくとも一つが、所定水温Tw1以下であるか否かを判定する。ここで、所定水温Tw1は水が凍結する可能性を考慮して決定される温度であり、例えば水の凝固点である0℃に設定される。また、所定水温Tw1は、水の凍結の可能性をさらに下げるために、水の凝固点に対して、水凍結の可能性が低い余裕度を設けた2℃に設定されてもよい。なお、所定水温Tw1が、本発明の第2水温に相当する。
【0030】
このステップST10の判定で、水温Twa,水温Twb,水温Twc及び水温Twdのうち少なくとも一つが所定水温Tw1以下である場合(ステップST10:YES)には、ステップST11に移行し、水温Twa,水温Twb,水温Twc及び水温Twdの全てが所定水温Tw1を上回る場合(ステップST10:NO)にはメインルーチンを終了する。
【0031】
ステップST11では、
図3に示す凍結防止特定処理を行う。
【0032】
図3の凍結防止特定処理において、処理フラグFiの添え字iは、a,b、cの何れかが入る。すなわち、処理フラグFaは第1室内端末機4aの処理フラグを示し、処理フラグFbは第1室内端末機4bの処理フラグを示し、処理フラグFcは第3室内端末機4cの処理フラグを示している(以下、同様に添え字iを用いて、水温Twa,水温Twb,水温Twcを水温Twi、第1室内端末機4a~第3室内端末機4cを室内端末機4i、室温Tka,室温Tkb,室温Tkcを室温Tki、第1室内開閉弁12a~第3室内開閉弁12cを室内開閉弁12i、第1室温センサ19a~第3室温センサ19cを室温センサ19i、第1室3a~第3室3cを部屋3iと表すことがある)。そして、Fa=「0]は、第1室内端末機4aが凍結防止処理を行わないこと、Fa=「1]は、第1室内端末機4aが凍結防止処理前であること、Fa=「2]は、第1室内端末機4aが凍結防止処理済であることを示している。また、処理フラグFbは、第2室内端末機4bの処理フラグであり、Fb=「0]は、第2室内端末機4bが凍結防止処理を行わないこと、Fb=「1]は、第2室内端末機4bが凍結防止処理前であること、Fb=「2]は、第2室内端末機4bが凍結防止処理済であることを示している。さらに、処理フラグFcは、第3室内端末機4cの処理フラグであり、Fc=「0]は、第3室内端末機4cが凍結防止処理を行わないこと、Fc=「1]は、第3室内端末機4cが凍結防止処理前であること、Fc=「2]は、第3室内端末機4cが凍結防止処理済であることを示している
この凍結防止特定処理は、
図3のステップST12において、処理フラグFa,処理フラグFb,処理フラグFcを「0」に設定する。
【0033】
次いで、ステップST13では、第1室温センサ19aが検出した室温Tka、第2室温センサ19bが検出した室温Tkb、第3室温センサ19cが検出した室温Tkcを読み込む。
【0034】
次いでステップST14では、第1水温センサ20aが検出した水温Twa、第2水温センサ20bが検出した水温Twb、第3水温センサ20cが検出した水温Twcのうち少なくとも一つが所定水温Tw2以下であるか否かを判定する。この判定で、水温Twa,水温Twb,水温Twcのうち少なくとも一つが所定水温Tw2以下である場合(ステップST14:YES)にはステップST15に移行し、水温Twa,水温Twb,水温Twcの全てが所定水温Tw2を上回る場合(ステップST14:NO)には、ステップST16に移行する。ここで、所定水温Tw2は水が凍結する可能性を考慮して決定される温度であり、所定水温Tw1と同じ温度でもよいし、所定水温Tw1よりも余裕度を大きくした温度でもよい。つまり、所定水温Tw1は所定水温Tw2以下の温度である。なお、所定水温Tw2は、本発明の第1水温に相当する。
【0035】
ステップST16では、第1室温センサ19aが検出した室温Tka、第2室温センサ19bが検出した室温Tkb、第3室温センサ19cが検出した室温Tkcのうち少なくとも一つが所定室温Tks以下であるか否かを判定する。なお、所定室温Tksは、本発明において凍結防止制御手段が凍結防止制御を行う室内開閉弁を判断するために第1室温センサ19aが検出した室温Tka、第2室温センサ19bが検出した室温Tkb、第3室温センサ19cが検出した室温Tkcと比較する所定の温度に対応している。
この判定で、室温Tka,室温Tkb,室温Tkcのうち少なくとも一つが所定室温Tks以下である場合(ステップST16:YES)にはステップST15に移行し、室温Tka,室温Tkb,室温Tkcの全てが所定室温Tksを上回る場合(ステップST16:NO)には、ステップST25に移行する。
【0036】
ステップST15では、水温Twiが所定室温Tks以下である室内端末機4i、或いは、室温Tkiが所定室温Tks以下である室内端末機4iの処理フラグFiを「1」に設定する。具体的には、ステップST14において、水温Twa,水温Twb,水温Twcのうち少なくとも一つが所定水温Tw2以下であってステップST15に移行した場合には、水温Twiが所定室温Tks以下である室内端末機4iの処理フラグFi を「1」に設定する。また、ステップST16において、室温Tka,室温Tkb,室温Tkcのうち少なくとも一つが所定室温Tks以下であってステップST15に移行した場合には、室温Tkiが所定室温Tks以下である室内端末機4iの処理フラグFi を「1」に設定する。
【0037】
次いでステップST17では、第1室内端末機4aの処理フラグFa、第2室内端末機4bの処理フラグFb及び、第3室内端末機4cの処理フラグFcのうち少なくとも一つが「1」であるか否かを判定する。この判定で、処理フラグFa,Fb,Fcのうち少なくとも一つが「1」である場合(ステップST17:YES)には、ステップST18に移行する。一方、処理フラグFa,Fb,Fcが何れも「1」ではない場合、すなわち処理フラグFa,Fb,Fcのすべてが「0」か「2」である場合(ステップST17:NO)には、ステップST25に移行する。
【0038】
ステップST18では、「1」に設定された処理フラグFa,Fb,Fcが複数存在するか否かを判定する。この判定で、「1」に設定された処理フラグFa,Fb,Fcが複数存在する場合(ステップST18:YES)にはステップST19に移行し、「1」に設定された処理フラグFa,Fb,Fcが単数である場合(ステップST18:NO)にはステップST20に移行する。
【0039】
ステップST19では、凍結防止処理を行うべき室内端末機4iが複数存在するときに、優先して凍結防止処理を行う室内端末機を特定する。ステップST14において、水温Twa,水温Twb,水温Twcのうち少なくとも一つが所定水温Tw2以下であってステップST15に移行した場合には、複数の室内端末機の中から水温Twiが最も低い室内端末機4iが、優先して凍結防止処理を行う室内端末機として特定される。また、ステップST16において、室温Tka,Tkb,Tkcのうち少なくとも一つが所定室温Tks以下であってステップST15に移行した場合には、複数の室内端末機の中から室温Tkiが最も低い室内端末機4iが、優先して凍結防止処理を行う室内端末機として特定される。
【0040】
一方、ステップST20では、凍結防止処理を行うべき室内端末機4iが単数なので、その室内端末機が、優先して凍結防止処理を行う室内端末機として特定される。
【0041】
次いでステップST21では、
図4に示す室内開閉弁制御処理を行う。
【0042】
この室内開閉弁制御処理では、まず、
図4のステップST30において、特定した室内端末機4iの室内開閉弁12iの開動作を行い、室内端末機4iに水を流す。
【0043】
次いでステップST31では、特定した室内端末機4iの室温センサ19iで検出した室温Tkiを読み込む。次いでステップST32では、室温Tkiを読み込んでから所定の室温計測時間n1(例えば、60秒)が経過したか否かを判定する。そして、室温計測時間n1が経過している場合(ステップST32:YES)にはステップST33に移行し、室温計測時間n1が経過していない場合(ステップST32:NO)にはST32を繰り返す。ステップST33では、室温センサ19iで検出した室温Tkiを読み込む。次いで、ステップST34では、計測開始時の室温Tki0から現在の室温Tkinまでの室温低下量を算出し、この室温低下量を室温計測時間n1で除算することで、単位時間当たりの室温低下量ΔTを算出する。
【0044】
次いで、ステップST35では、単位時間当たりの室温低下量ΔTが低下量閾値以上となっているか否か、又は、室内開閉弁12iの開動作から第3設定時間Nv2(例えば15分)経過したか否かを判定する。そして、単位時間当たりの室温低下量ΔTが低下量閾値以上である、又は、室内開閉弁12iの開動作から第3設定時間Nv2を経過している場合(ステップST35:YES)は、ステップST36に移行する。また、単位時間当たりの室温低下量ΔTが低下量閾値未満である、及び、室内開閉弁12iの開動作から第3設定時間Nv2を経過していない場合(ステップST35:NO)はステップST31に移行する。
【0045】
ステップST36では、室内開閉弁12iの閉動作を行い、次いで、室内開閉弁制御処理を終了して
図3の室内端末機特定処理に戻りステップST22の処理を実行する。
【0046】
図3のステップST22では、室内端末機4iの処理フラグFiを「2」に設定し、室内端末機4iを凍結防止処理済とする。
【0047】
次いでステップST23では、外気温度センサ22が検出した外気温度Toを読み込む。
【0048】
次いでステップST24では、外気温度Toが所定温度Tos以下であるか否かを判定する。この判定で、外気温度Toが所定温度Tos以下である場合(ステップST24:YES)にはステップST17に移行し、外気温度Toが所定温度Tosを上回る場合(ステップST24:NO)にはステップST25に移行する。
【0049】
ステップST25では、ポンプ15の駆動を停止してから
図2のメインルーチンに戻り、メインルーチンの処理が終了する。
[ヒートポンプ式温水暖房装置の凍結防止制御方法の作用]
【0050】
次に、
図2から
図4を参照してヒートポンプ式温水暖房装置1において凍結防止制御手段26が行う凍結防止制御の作用について説明する。
【0051】
外気温度Toが所定温度Tos以下となったときに、運転が停止している複数の室内端末機4iの水温Twiのうち少なくとも一つが所定水温Tw2以下(
図3のステップST14:YES)、又は、部屋3iの室温Tkiのうち少なくとも一つが所定室温Tks以下(
図3のステップST16:YES)のときに、該当する室内端末機4iの室内開閉弁12iが開き、室内端末機4iに水が流れる(
図4のステップST30)。例えば、本実施形態の第1室内端末機4aの水温Twaが所定水温Tw2以下であり、第2室内端末機4bの室温Tkbが所定室温Tks以下であり、第3室内端末機4cの水温Twcが所定水温Tw2を上回り、室温Tkcも所定室温Tksを上回っている場合には、第1室内端末機4aの第1室内開閉弁12a及び第2室内端末機4aの第2室内開閉弁12bを開いて第3設定時間Nv2だけ凍結防止制御を行う。このように凍結防止制御を行うことで、外気温度Toが所定温度Tos以下であっても、第1水循環回路16及び第2水循環回路17に水が循環するので水循環回路内の水の凍結を防止することができる。また、暖房運転が停止されており、室温Tkcが所定室温Tksを上回っている第3室3cは人が寒さを感じない程度の室温になっていると考えられるが、第3室3cに設置された第3室内開閉弁12cの凍結防止制御は行わず、第3室3cの室温の低下が抑制されることから、第3室3cを使用している人に不快感を与えることがない。
【0052】
また、凍結防止制御を行う室内端末機4iが複数存在する場合には、複数の室内端末機4iに対して、1台ずつ順に凍結防止制御を行う(
図3のステップST17~ステップST24を繰り返す)。このようにすることで、第1室3a~第3室3cのうちの特定の部屋の室温が著しく低下することを抑制することができ、第1室3a~第3室3cにいる使用者の快適性を保つことができる。また、1台ずつ順に凍結防止制御を行うので、室温が低下する部屋を最小限とすることができる。
また、複数の室内端末機4iに対して順に凍結防止制御を行う際に、水温Twiが最も低い室内端末機、又は室温Tkiが最も低い室内端末機から優先して順に凍結防止制御を行う(
図3のステップST19)。例えば、本実施形態の第1室内端末機4aの水温Twaと第2室内端末機4bの水温Twbが所定水温Tw2以下である場合に、第1室内端末機4aの水温Twaが、第2室内端末機4bの水温Twbに対して低い場合には、第1室内端末機4aの凍結防止制御を先に開始する。このようにすると、凍結のおそれがある第1水循環回路16を優先して凍結防止制御を行っているので、凍結防止を確実に行うことができる。
【0053】
また、外気温度Toが所定温度Tos以下であっても、第1室内端末機4aの水温Twa、第2室内端末機4bの水温Twb、第3室内端末機4cの水温Twc及び水冷媒熱交換器7の水温Twdが、凍結の可能性がある水温である所定水温Tw1を上回る場合には凍結防止制御を行わないようにしていることから(
図2のステップST10:NO)、外気温度が低くても、水温が高く凍結のおそれが少ない場合には凍結防止制御を行わないので、第1室3a~第3室3cの室温の低下が抑制されることから、第1室3a~第3室3cにいる使用者の快適性を保つことができる。
【0054】
また、凍結防止制御を行っている室内端末機4iが設置された部屋3iの室温の単位時間当たりの低下量が低下量閾値以上になったときに凍結防止制御を停止し(
図4のステップST35及びステップST36)、部屋3iの室温が急激に低下するときには凍結防止制御を停止することで部屋3iのさらなる室温の低下を防止することができ、部屋3iにいる使用者の快適性を保つことができる。
【0055】
さらに、凍結防止制御を行う前には、第2設定時間Nv1の間、第1室内端末機4aの第1室内開閉弁12a、第2室内端末機4bの第1室内開閉弁12b、第3室内端末機4cの第3室内開閉弁12cを開いてポンプ15の駆動制御を行い、第1水循環回路16~第3水循環回路18の全体に水を循環させる(
図2のステップST4~ステップST7)。これにより、第1水循環回路16~第3水循環回路18のうち、水温センサ20a~20cで水温を検出している箇所以外の箇所で凍結のおそれがある箇所が発生していても、凍結のおそれを確実に回避することができる。
【0056】
なお、本実施形態では、水と冷媒を熱交換する水冷媒熱交換器7を有するヒートポンプ式温水暖房装置1について説明したが、水冷媒熱交換器7に換えてボイラで水を加熱するようにしても、同様の作用効果を得ることができる。
また、本実施形態では、水温Twa,水温Twb,水温Twcのうち少なくとも一つが所定水温Tw2以下である場合には水温Twiが所定室温Tks以下である室内端末機4iに対応する室内開閉弁12iに対して凍結防止制御を行い、水温Twa,水温Twb,水温Twcの全てが所定水温Tw2を上回り、室温Tka,Tkb,Tkcのうち少なくとも一つが所定室温Tks以下である場合には、室温Tkiが所定室温Tks以下である室内端末機4iに対応する室内開閉弁12iに対して凍結防止制御を行うことを説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、水温Twa,水温Twb,水温Twcのうち少なくとも一つが所定水温Tw2以下であるか否かによらず、室温Tkiが所定室温Tks以下である室内端末機4iに対応する室内開閉弁12iに対して凍結防止制御を行ってもよい。或いは、水温Twiが所定室温Tks以下であり、かつ、室温Tkiが所定室温Tks以下である室内端末機4iに対応する室内開閉弁12iに対して凍結防止制御を行ってもよい。
また、本実施形態では、凍結防止制御を行う室内端末機4iが複数存在する場合には、複数の室内端末機4iに対して1台ずつ順に凍結防止制御を行うことを説明したが、複数の室内端末機4iに対して複数台ずつ凍結防止制御を行ってもよい。例えば、室内端末機4iが4台以上ある場合において、水温Twiが最も低い室内端末機と2番目に低い室内端末機の2台を、優先して凍結防止制御を行う室内端末機として特定して、2台ずつ凍結防止制御を行ってもよい。
【符号の説明】
【0057】
1 ヒートポンプ式温水暖房装置
2 室外機
3a 第1室
3b 第2室
3c 第3室
4a 第1室内端末機
4b 第2室内端末機
4c 第3室内端末機
5 圧縮機
6 四方弁
7 水冷媒熱交換器
8 膨張弁
9 室外熱交換器
10 冷媒回路
12a 第1室内開閉弁
12b 第2室内開閉弁
12c 第3室内開閉弁
13a 第1室内熱交換器
13b 第2室内熱交換器
13c 第3室内熱交換器
15 ポンプ
16 第1水循環回路
17 第2水循環回路
18 第3水循環回路
19a 第1室温センサ
19b 第2室温センサ
19c 第3室温センサ
20a 第1水温センサ
20b 第2水温センサ
20c 第3水温センサ
21 第4水温センサ
22 外気温度センサ
25 制御手段
26 凍結防止制御手段
【手続補正書】
【提出日】2024-07-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を加熱する熱源機、ポンプ、前記熱源機に対して並列に接続される複数の室内端末機及び複数の開閉弁が配管で接続され、複数の前記室内端末機と前記熱源機との間で水が循環する水循環回路と、
外気温度を検出する外気温度検出手段と、
複数の前記室内端末機の水温を検出する端末機水温検出手段と、
複数の前記室内端末機のそれぞれが設置されている部屋の室温を検出する複数の室温検出手段と、
対応する前記開閉弁を閉じて運転を停止している前記室内端末機に対応する前記開閉弁を開き、該室内端末機に水を流して凍結防止制御を行う凍結防止制御手段と、を有し、
前記凍結防止制御手段は、外気温度が所定温度以下のとき、運転が停止している前記室内端末機のうち、前記室内端末機の水温が第1水温以下であること、及び設置されている部屋の前記室温が所定の温度以下であることの少なくとも一方を満たす前記室内端末機に対応する開閉弁に対して前記凍結防止制御を行い、
前記凍結防止制御手段は、前記凍結防止制御を行う前記室内端末機が複数存在する場合に、複数の前記室内端末機に対して順に前記凍結防止制御を行うとともに、
前記凍結防止制御手段は、前記凍結防止制御を行う複数の前記室内端末機に対して、通過した水の温度である前記端末機水温が最も低い前記室内端末機、又は、設置された部屋の前記室温の最も低い前記室内端末機から優先して順に前記凍結防止制御を行うことを特徴とする温水暖房装置。
【請求項2】
水を加熱する熱源機、ポンプ、前記熱源機に対して並列に接続される複数の室内端末機及び複数の開閉弁が配管で接続され、複数の前記室内端末機と前記熱源機との間で水が循環する水循環回路と、
外気温度を検出する外気温度検出手段と、
複数の前記室内端末機の水温を検出する端末機水温検出手段と、
複数の前記室内端末機のそれぞれが設置されている部屋の室温を検出する複数の室温検出手段と、
対応する前記開閉弁を閉じて運転を停止している前記室内端末機に対応する前記開閉弁を開き、該室内端末機に水を流して凍結防止制御を行う凍結防止制御手段と、
前記熱源機の水温を検出する熱源機水温検出手段を、有し、
前記凍結防止制御手段は、全ての前記室内端末機の暖房運転が停止しているときに、前記熱源機の水温及び複数の前記室内端末機の水温のうち少なくとも一つが第1水温以下の温度である第2水温以下であるときであって、外気温度が所定温度以下のとき、運転が停止している前記室内端末機のうち、前記室内端末機の水温が前記第1水温以下であること、及び設置されている部屋の前記室温が所定の温度以下であることの少なくとも一方を満たす前記室内端末機に対応する開閉弁に対して前記凍結防止制御を行うことを特徴とする温水暖房装置。
【請求項3】
水を加熱する熱源機、ポンプ、前記熱源機に対して並列に接続される複数の室内端末機及び複数の開閉弁が配管で接続され、複数の前記室内端末機と前記熱源機との間で水が循環する水循環回路と、
外気温度を検出する外気温度検出手段と、
複数の前記室内端末機の水温を検出する端末機水温検出手段と、
複数の前記室内端末機のそれぞれが設置されている部屋の室温を検出する複数の室温検出手段と、
対応する前記開閉弁を閉じて運転を停止している前記室内端末機に対応する前記開閉弁を開き、該室内端末機に水を流して凍結防止制御を行う凍結防止制御手段と、を有し、
前記凍結防止制御手段は、外気温度が所定温度以下のとき、運転が停止している前記室内端末機のうち、前記室内端末機の水温が第1水温以下であること、及び設置されている部屋の前記室温が所定の温度以下であることの少なくとも一方を満たす前記室内端末機に対応する開閉弁に対して前記凍結防止制御を行うとともに、
前記凍結防止制御手段は、前記凍結防止制御を行っている室内端末機が設置された部屋の室温の単位時間当たりの低下量が低下量閾値以上になったときに、前記凍結防止制御を停止することを特徴とする温水暖房装置。
【請求項4】
水を加熱する熱源機、ポンプ、前記熱源機に対して並列に接続される複数の室内端末機及び複数の開閉弁が配管で接続され、複数の前記室内端末機と前記熱源機との間で水が循環する水循環回路と、
外気温度を検出する外気温度検出手段と、
複数の前記室内端末機の水温を検出する端末機水温検出手段と、
複数の前記室内端末機のそれぞれが設置されている部屋の室温を検出する複数の室温検出手段と、
対応する前記開閉弁を閉じて運転を停止している前記室内端末機に対応する前記開閉弁を開き、該室内端末機に水を流して凍結防止制御を行う凍結防止制御手段と、を有し、
前記凍結防止制御手段は、外気温度が所定温度以下のとき、運転が停止している前記室内端末機のうち、前記室内端末機の水温が第1水温以下であること、及び設置されている部屋の前記室温が所定の温度以下であることの少なくとも一方を満たす前記室内端末機に対応する開閉弁に対して前記凍結防止制御を行うとともに、
前記凍結防止制御手段は、前記凍結防止制御を行う前に、所定時間の間、全ての前記室内端末機の前記開閉弁が開いており、前記ポンプが駆動している状態を維持することを特徴とする温水暖房装置。